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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022070634
(22)【出願日】2022-04-22
(62)【分割の表示】P 2019198067の分割
【原出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2022090045
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2022-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】山本 真也
【審査官】大浜 康夫
(56)【参考文献】
【文献】特許第7051127(JP,B2)
【文献】特開2017-158820(JP,A)
【文献】特開2013-192582(JP,A)
【文献】特開2019-010233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄を変動させて行う変動ゲームを実行可能な遊技機において、
音を出力する出力手段を含む演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、
操作可能な操作手段と、
前記出力手段が音を出力するときの音量に関する音量情報を記憶する記憶手段と、
前記操作手段を用いた調整操作に基づいて前記音量情報を調整可能な音量調整手段と、
現在の音量情報を報知する報知情報を表示可能な表示手段と、を備え、
前記出力手段が出力する音には、背景楽曲が含まれ、
前記演出制御手段は、前記出力手段から出力される音のうち前記背景楽曲の音量を時間経過に伴って所定音量まで減衰させる減衰制御が可能であり、
前記音量調整手段は、前記減衰制御の実行中である特定期間において前記調整操作が行われたことを契機として、前記音量情報を調整可能であり、
前記出力手段から出力されている前記背景楽曲の音量は、
前記特定期間において前記調整操作が行われていないときには、時間経過に伴って特定の減衰態様で減衰する一方で、
前記特定期間において前記調整操作が行われたときには、前記特定期間中の何れのタイミングで前記調整操作が行われたときであっても、前記特定の減衰態様とは異なる態様で変化するようになっており、
前記演出実行手段のうち前記出力手段とは異なる特定の演出実行手段が実行する演出の演出量は、前記特定期間であっても減衰しないようになっており、
前記表示手段は、前記変動ゲームが実行されていない待機状態中に前記報知情報を表示可能であり、
前記減衰制御は、前記待機状態中に実行される場合があり、
前記待機状態中であって前記報知情報の表示中に前記減衰制御が開始された場合、該報知情報は、前記特定期間中も継続して表示されるとともに、前記特定期間の終了後も継続して表示されるようになっており、
前記待機状態には、該待機状態となってから所定時間が経過するまでの第1期間と、該第1期間の終了後の第2期間と、があり、
前記第2期間では、前記減衰制御を実行可能であり、
前記変動ゲームの実行中に遊技機への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合、該変動ゲームの終了後に前記待機状態となったときには、該待機状態における前記第1期間及び前記第2期間の何れにおいても前記出力手段から前記背景楽曲が出力されないことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機やスロットマシンでは、遊技者の興趣を向上させるために各種の遊技演出が実行されるようになっている。このような遊技機では、各種の遊技演出の一つとして、音を出力させて行う音声演出が実行される。そして、このような遊技機の中には、音声演出において出力される音の音量を調整可能とすることにより、遊技者の興趣をより一層向上させようとするものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-202395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような遊技機では、音量を調整する際の利便性が高いことが好ましく、更なる改善の余地が残されている。
本発明の目的は、音量を調整する際の利便性を向上できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、図柄を変動させて行う変動ゲームを実行可能な遊技機において、音を出力する出力手段を含む演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、操作可能な操作手段と、前記出力手段が音を出力するときの音量に関する音量情報を記憶する記憶手段と、前記操作手段を用いた調整操作に基づいて前記音量情報を調整可能な音量調整手段と、現在の音量情報を報知する報知情報を表示可能な表示手段と、を備え、前記出力手段が出力する音には、背景楽曲が含まれ、前記演出制御手段は、前記出力手段から出力される音のうち前記背景楽曲の音量を時間経過に伴って所定音量まで減衰させる減衰制御が可能であり、前記音量調整手段は、前記減衰制御の実行中である特定期間において前記調整操作が行われたことを契機として、前記音量情報を調整可能であり、前記出力手段から出力されている前記背景楽曲の音量は、前記特定期間において前記調整操作が行われていないときには、時間経過に伴って特定の減衰態様で減衰する一方で、前記特定期間において前記調整操作が行われたときには、前記特定期間中の何れのタイミングで前記調整操作が行われたときであっても、前記特定の減衰態様とは異なる態様で変化するようになっており、前記演出実行手段のうち前記出力手段とは異なる特定の演出実行手段が実行する演出の演出量は、前記特定期間であっても減衰しないようになっており、前記表示手段は、前記変動ゲームが実行されていない待機状態中に前記報知情報を表示可能であり、前記減衰制御は、前記待機状態中に実行される場合があり、前記待機状態中であって前記報知情報の表示中に前記減衰制御が開始された場合、該報知情報は、前記特定期間中も継続して表示されるとともに、前記特定期間の終了後も継続して表示されるようになっており、前記待機状態には、該待機状態となってから所定時間が経過するまでの第1期間と、該第1期間の終了後の第2期間と、があり、前記第2期間では、前記減衰制御を実行可能であり、前記変動ゲームの実行中に遊技機への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合、該変動ゲームの終了後に前記待機状態となったときには、該待機状態における前記第1期間及び前記第2期間の何れにおいても前記出力手段から前記背景楽曲が出力されないことを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、音量を調整する際の利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】パチンコ遊技機を模式的に示す斜視図。
図2】遊技盤を模式的に示す正面図。
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図4】(a)~(c)は、演出表示装置の表示態様の一例を示す模式図。
図5】(a)~(c)は、音量メータ及び光量メータの表示態様の一例を示す模式図。
図6】(a)~(d)は、背景楽曲の音量の変化の一例を示すタイミングチャート。
図7】変動ゲーム中及び待機状態中における各種の演出の実行態様を示す説明図。
図8】(a)~(c)は、音量メータ及び光量メータが表示されるタイミングの一例を示すタイミングチャート。
図9】(a)~(c)は、フェードアウト中に変動ゲームが開始された場合における背景楽曲の音量の変化の一例を示すタイミングチャート。
図10】(a)~(c)は、電源断が発生した場合における背景楽曲の音量の変化の一例を示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技店などの島設備に固定するための設置枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を含んで構成される。搭載枠11bは、設置枠11aに対して開閉可能となるように、設置枠11aの開口部の一側縁部に対して軸支されている。パチンコ遊技機10は、搭載枠11bが開放されないように施錠する施錠装置11cを備える。施錠装置11cは、該施錠装置11cに適合する鍵を差し込んで所定方向へ回動させることにより解錠され、搭載枠11bの開放を許容するように構成されている。パチンコ遊技機10は、設置枠11aに対して搭載枠11bが開放されていることを検出可能な枠開放センサSE5を備える(図3に示す)。
【0009】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBは、搭載枠11bに搭載されている。遊技盤YBの前面側には、遊技媒体の一例である遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。遊技盤YBには、正面視における略中央に、開口窓YBbが形成されている。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。パチンコ遊技機10は、把持可能な把持手段としての発射ハンドルHDを備える。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される手段の一例である。発射ハンドルHDは、一例として、搭載枠11bの前面側に設けられる。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調整することによって、遊技球の発射強度を調整できるように構成される。また、パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDへの接触を検出可能なハンドルセンサHSを備える(図3参照)。本実施形態において、ハンドルセンサHSは、発射ハンドルHDが把持されたことを検出可能なタッチセンサである。
【0010】
パチンコ遊技機10は、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、演出ボタンD1及び十字キーD2を備える。一例として、演出ボタンD1及び十字キーD2は、押下操作を可能に構成されたボタン式の手段である。演出ボタンD1及び十字キーD2は、ボタン式であることに限らず、タッチセンサ式であってもよく、所定の表示装置をタッチパネル式の手段として機能させる構成であってもよい。演出ボタンD1及び十字キーD2は、操作可能な複数の部分を含んで構成されていてもよい。本実施形態の一例において、演出ボタンD1は、操作可能な単一の部分を含んで構成される。十字キーD2は、左キーD2l、右キーD2r、上キーD2u、及び下キーD2dのように、操作可能な複数の部分を含んで構成される。
【0011】
パチンコ遊技機10は、発光可能な発光手段としての装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、発光体(不図示)を発光、点滅、及び消灯する演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。装飾ランプLAは、一例として、枠体11や遊技盤YBに設けられる。パチンコ遊技機10は、音を出力する出力手段としてのスピーカSPを備える。スピーカSPは、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を実行可能である。例えば、スピーカSPは、一例として、枠体11に設けられる。
【0012】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、特別ゲームを表示可能な表示部として、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bを備える。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、内部抽選(後述する特別抽選)の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示部13aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示部13bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。パチンコ遊技機10において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄には、大当り表示結果の一例である大当り図柄と、はずれ表示結果の一例であるはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、特別抽選にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が導出され、該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。
【0013】
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する表示部として、第1特別保留表示部13c及び第2特別保留表示部13dを備える。第1特別保留表示部13cは、第1特別ゲームの保留数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示部13dは、第2特別ゲームの保留数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の上限値は、4である。パチンコ遊技機10は、普通図柄表示部13eを備える。普通図柄表示部13eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、内部抽選(後述する普通抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り表示結果の一例である普通当り図柄と、普通はずれ表示結果の一例である普通はずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、普通抽選にて普通当りに当選すると、普通ゲームにて普通当り図柄が導出され、該普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。パチンコ遊技機10は、普通保留表示部13fを備える。普通保留表示部13fは、普通ゲームの保留数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
【0014】
パチンコ遊技機10は、所定の情報の表示が可能な表示手段としての演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、所定の情報を表示可能な表示領域としての画像表示部GHを有する。画像表示部GHは、一例として、液晶パネル、及び有機ELパネルなどである。演出表示装置EHは、正面から見たときに、画像表示部GHが遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。演出表示装置EHは、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。
【0015】
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、演出ゲームが表示される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が導出される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0016】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せは、「777」などのように全列の演出図柄が同一の演出図柄となる図柄組合せである。特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでははずれの図柄組合せが導出される。はずれの図柄組合せは、一例として、「778」や「787」などのように少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。以下の説明では、特別ゲームと、該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、をまとめて「変動ゲーム」と示す場合がある。
【0017】
演出ゲームでは、リーチ演出が実行され得る。リーチ演出は、演出ゲームにおいて、リーチを形成するとともに、最終的に所定の図柄組合せを導出させる演出である。リーチは、複数である特定の図柄列において、同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、他の図柄列において、演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。一例として、本実施形態では、左図柄列及び右図柄列が特定の図柄列に相当し、中図柄列が他の図柄列に相当する。
【0018】
パチンコ遊技機10は、第1特別始動入賞口15を備える。第1特別始動入賞口15は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1特別始動入賞口15へ入球した遊技球を検出する第1特別始動センサSE1を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検出されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0019】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する第2特別始動入賞口16を備える。パチンコ遊技機10は、第2特別始動入賞口16へ入球した遊技球を検出する第2特別始動センサSE2を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検出されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球可能な開状態と、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球不能な閉状態と、に動作可能な普通可変部材17を備える。閉状態は、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させる手段の一例として、普通ソレノイドSL1を備える(図3参照)。普通可変部材17は、普通当り遊技において、開状態に動作される。
【0020】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する大入賞口18を備える。パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口18へ入球可能な開状態と、遊技球が大入賞口18へ入球不能な閉状態と、に動作可能な手段の一例である特別可変部材19を備える。閉状態は、遊技球が大入賞口18へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材19を動作させる手段の一例として、特別ソレノイドSL2を備える(図3参照)。特別可変部材19は、特別図柄の当り遊技において、開状態に動作される。パチンコ遊技機10は、大入賞口18へ入球した遊技球を検出する特別入賞センサSE3を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が特別入賞センサSE3によって検出されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0021】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート25を通過する遊技球を検出する普通始動センサSE4を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が普通始動センサSE4によって検出されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しないように構成されている。
【0022】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する入賞口として、普通入賞口26を備える。パチンコ遊技機10は、普通入賞口26へ入球した遊技球を検出する普通入賞センサ(不図示)を備える。本実施形態では、遊技球が普通入賞センサによって検出されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。なお、パチンコ遊技機10は、入賞口15,16,18,26とは異なる入賞口を備えていてもよい。遊技球が入賞口に入球することは、所謂「入賞」である。パチンコ遊技機10は、アウト口27を備える。例えば、アウト口27は、遊技領域YBaの下端部において、遊技領域YBaに開口する。遊技領域YBaへ発射された遊技球のうち、入賞口15,16,18,26の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口27から機外へと排出される。
【0023】
上述のように、パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調整することによって、遊技球の発射強度を調整できる。即ち、パチンコ遊技機10では、センター枠Wの左側領域R1、及びセンター枠Wの右側領域R2の何れかを流下するように、遊技球を打ち分けることができる。左側領域R1における遊技球の流下経路には、上流側から普通入賞口26及び第1特別始動入賞口15が形成されている。このため、パチンコ遊技機10では、遊技領域YBaのうち、左側領域R1を流下するように遊技球が発射(所謂、左打ち)されたとき、遊技球が第1特別始動入賞口15及び普通入賞口26へ入球し得る。右側領域R2における遊技球の流下経路には、上流側からゲート25、大入賞口18、及び第2特別始動入賞口16が形成されている。このため、遊技領域YBaのうち、右側領域R2を流下するように遊技球が発射(所謂、右打ち)されたとき、遊技球は、第2特別始動入賞口16、大入賞口18、及びゲート25へ入球し得る。
【0024】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2特別始動入賞口16への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、特別ゲームの変動時間を短縮する時間短縮機能と、を搭載している。パチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動及び非作動)を組み合わせて構成される。
【0025】
確率変動機能(以下、確変機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる状態として、複数の確率状態を備える。複数の確率状態には、低確率状態と、該低確率状態に比して、大当り確率が高い高確率状態と、がある。確変機能が作動すると、確率状態が低確率状態から高確率状態へと移行し、大当りに当選する可能性が高まる。このため、高確率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0026】
入球補助機能について説明する。
入球補助機能は、普通電動役物への入賞をサポートする機能であり、所謂「電サポ機能」である。パチンコ遊技機10は、第2特別始動入賞口16への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態に移行し、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなる。このため、高入球率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。
【0027】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの補助制御のうち任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。第1補助制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする制御である。第2補助制御は、普通抽選における普通当り確率を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる制御である。第2補助制御は、低入球率状態では、普通抽選そのものを行わないが、高入球率状態では、所定の当選確率にて普通抽選を行う制御であってもよい。第3補助制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御である。なお、第3補助制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における普通可変部材17の1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
【0028】
次に、変動時間短縮機能(以下、時短機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの変動時間(平均変動時間)が異なる状態として、複数の変動時間状態を備える。複数の変動時間状態には、長変動時間状態と、長変動時間状態に比して、少なくとも第2特別ゲームの平均変動時間が短い短変動時間状態と、がある。時短機能が作動すると、変動時間状態が長変動時間状態から短変動時間状態へ移行し、単位時間当りで実質的に実行可能な特別ゲームの回数が増加する。即ち、特別ゲームの保留の消化効率が向上する。なお、本実施形態において、時短機能は、入球補助機能に付随して作動する。つまり、時短機能は、入球補助機能とともに作動し、入球補助機能とともに非作動となる。
【0029】
本実施形態において、遊技状態には、通常状態、第1有利状態、及び第2有利状態の3つがある。通常状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動しない遊技状態である。第1有利状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動する遊技状態である。第2有利状態は、確変機能が作動しない一方、入球補助機能及び時短機能が作動する遊技状態である。パチンコ遊技機10は、3つの遊技状態を備えることに限らず、その一部又は全部を、確変機能、入球補助機能、及び時短機能のうち作動させる機能を変更した異なる遊技状態としてもよい。また、遊技状態は、1つ又は2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0030】
次に、大当りについて説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。大当り図柄の種類は、大当りの種類でもある。大当り図柄は、1又は複数の種類に分類される。一例として、本実施形態では、特定図柄及び通常図柄の2種類に分類される。パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて大当り遊技が付与される。
【0031】
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球するか、又は、予め定めた上限時間が経過すると終了される。ラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0032】
パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態が制御される。一例として、特定図柄には、大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまでの間にわたって第1有利状態に制御することが定められている。通常図柄には、大当り遊技の終了後、予め定めた作動回数の特別ゲームが終了する迄、又は、次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって、第2有利状態に制御することが定められている。これに限らず、大入賞口18に入賞した遊技球が特定領域(所謂、Vゾーン)を通過したことを条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態を第1有利状態に制御し、特定領域を通過しなかったことを条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態を第2有利状態に制御する構成であってもよい。
【0033】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40を備える。主制御基板40は、所定の処理を行い、該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御基板50を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
【0034】
主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、マイクロプロセッサ41を備える。マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、主制御CPU42と示す)と、記憶部(メモリ)と、を備える。主制御CPU42は、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読出しが可能であって、且つ情報の書込みが不能なROM領域(以下、主制御ROM43と示す)と、情報の読出し及び書込みが可能なRWM領域(以下、主制御RWM44と示す)とが含まれる。本実施形態において、主制御RWM44は、各種の情報を記憶する記憶手段の一例である。
【0035】
主制御ROM43は、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。主制御ROM43は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの演出内容(変動内容)の少なくとも一部を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンは、演出ゲームにてリーチ演出を行い、最終的に大当りの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンは、演出ゲームにて最終的にはずれの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンには、演出ゲームにてリーチ演出を行う「リーチあり」の変動パターンと、演出ゲームにてリーチ演出を行わない「リーチなし」の変動パターンと、が含まれる。
【0036】
主制御RWM44は、主制御CPU42による処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM44が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路45を備える。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU42による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU42、主制御ROM43、主制御RWM44、及び乱数回路45は、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
【0037】
主制御CPU42は、センサSE1~SE4と接続されている。主制御CPU42は、センサSE1~SE4が遊技球を検出したときに出力する検出信号を入力可能に構成されている。主制御CPU42は、表示部13a~13fと接続されている。主制御CPU42は、表示部13a~13fの表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU42は、ソレノイドSL1,SL2と接続されている。主制御CPU42は、ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することによって、それぞれ可変部材17,19の動作を制御可能に構成されている。
【0038】
主制御CPU42は、枠開放センサSE5と接続されている。そして、主制御CPU42は、枠開放センサSE5が搭載枠11bの開放を検出したときに出力する枠開放信号を入力可能に構成されている。これにより、主制御CPU42は、搭載枠11bが開放されたことを検出可能である。また、主制御CPU42は、枠開放センサSE5が搭載枠11bの閉鎖を検出したときに出力する枠閉鎖信号を入力可能に構成されている。これにより、主制御CPU42は、搭載枠11bが閉鎖されたことを検出可能である。そして、主制御CPU42は、開放信号を検出すると、副制御基板50に対して枠開放コマンドを出力する一方で、閉鎖信号を検出すると、副制御基板50に対して枠閉鎖コマンドを出力する。搭載枠11bの開放は、通常の遊技では発生しない事象であり、所謂エラーに相当する。以下の説明では、搭載枠11bの開放を「枠開放エラー」と示す。
【0039】
主制御CPU42は、図示しないRWMクリアスイッチ回路を介してRWMクリアスイッチSWと接続されている。主制御CPU42は、RWMクリアスイッチSWが操作(押下)されたときに出力するRWMクリア信号を入力可能に構成されている。RWMクリアスイッチSWは、主制御RWM44の記憶内容を電源投入時にクリア(消去)するために操作されるスイッチである。即ち、本実施形態において、RWMクリアスイッチSWは、主制御RWM44の記憶内容を初期化する操作が可能な初期化操作手段の一例である。また、主制御CPU42は、RWMクリア信号を入力すると、副制御基板50に対してRWMクリアコマンドを出力する。本実施形態において、RWMクリアスイッチSWは、遊技機の背面側に配設されている。このため、本実施形態において、RWMクリアスイッチSWは、施錠装置11cを解錠して搭載枠11bを開放しなければアクセスできない。したがって、原則として、RWMクリアスイッチSWは、施錠装置11cの鍵を保有する管理者のみが操作可能な手段といえる。
【0040】
主制御CPU42は、ハンドルセンサHSと接続されている。主制御CPU42は、ハンドルセンサHSが発射ハンドルHDへの接触を検出したときに出力するハンドル検出信号を入力可能に構成されている。これにより、主制御CPU42は、発射ハンドルHDへの接触を検出可能である。また、主制御CPU42は、ハンドル検出信号を検出すると、副制御基板50に対してハンドル検出コマンドを出力する。
【0041】
次に、副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU51と、副制御ROM52と、副制御RWM53とを備える。副制御CPU51は、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する各種の処理を行う。本実施形態では、副制御CPU51が演出に関する各種の処理を実行することによって、演出制御手段が構成されている。副制御ROM52は、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び可動体演出に用いる可動体演出データなどを記憶している。
【0042】
副制御RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。本実施形態において、副制御RWM53は、各種の情報を記憶する記憶手段の一例である。また、副制御基板50は、副制御CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0043】
副制御CPU51は、演出表示装置EHと接続されている。副制御CPU51は、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAと接続されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、スピーカSPと接続されている。副制御CPU51は、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。本実施形態では、副制御CPU51がスピーカSPを制御することにより、出力手段を制御する出力制御手段が実現される。なお、以下の説明では、演出表示装置EHと、装飾ランプLAと、スピーカSPと、をまとめて「演出装置群」と示す場合がある。本実施形態において、演出装置群は、演出実行手段に相当する。即ち、本実施形態において、演出実行手段は、音を出力する出力手段としてのスピーカSPと、発光可能な発光手段としての装飾ランプLAと、を含む。また、本実施形態において、装飾ランプLAは、スピーカSPとは異なる特定の演出実行手段に相当する。
【0044】
副制御CPU51は、演出ボタンD1及び十字キーD2と接続されている。副制御CPU51は、演出ボタンD1が操作されたときに出力する操作信号(オン信号)、及び十字キーD2(キーD2l,D2r,D2u,D2d)が操作されたときに出力する操作信号(オン信号)を各別に入力可能に構成されている。
【0045】
また、副制御CPU51は、主制御CPU42から出力された各種のコマンドに基づいて、パチンコ遊技機10の状態を認識可能である。例えば、副制御CPU51は、枠開放コマンドに基づいて、搭載枠11bが開放されたことを認識可能である。即ち、副制御CPU51は、枠開放コマンドに基づいて、枠開放エラーが発生したか否かを認識可能である。また、副制御CPU51は、枠閉鎖コマンドに基づいて、搭載枠11bが閉鎖されたことを認識可能である。即ち、副制御CPU51は、枠閉鎖コマンドに基づいて、枠開放エラーが解消したか否かを認識可能である。さらに、副制御CPU51は、RWMクリアコマンドに基づいて、RWMクリアスイッチSWが操作されたことを認識可能である。そして、副制御CPU51は、ハンドル検出コマンドに基づいて、発射ハンドルHDへの接触を認識可能である。即ち、副制御CPU51は、ハンドル検出コマンドに基づいて、発射ハンドルHDが把持されていることを認識可能である。
【0046】
次に、主制御CPU42が行う各種の処理について説明する。
主制御CPU42は、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。
【0047】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU42は、第1特別始動センサSE1から検出信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1特別始動入賞口15へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第1特別始動入賞口15へ入賞した場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、第1特別保留数を1加算して更新する。続けて、主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検出されると成立する。
【0048】
次に、主制御CPU42は、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。例えば、乱数は、特別抽選(大当り抽選)に用いる特別当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0049】
第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、第1特別始動入賞口15へ遊技球が入賞していない場合、及び、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU42は、第2特別始動センサSE2から検出信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第2特別始動入賞口16へ入賞している場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、第2特別保留数を1加算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。このように、第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検出されると成立する。
【0050】
次に、主制御CPU42は、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。主制御CPU42は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、第2特別始動入賞口16へ遊技球が入賞していない場合、及び、第2特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU42は、特別図柄入力処理を終了する。
【0051】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU42は、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU42は、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU42は、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、主制御CPU42は、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1特別保留数が零である場合、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0052】
第1特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU42は、第1特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。次に、主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM44から取得する。続けて、主制御CPU42は、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選を行う。主制御CPU42は、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
【0053】
大当りに当選した場合、主制御CPU42は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて導出させる大当り図柄を決定する。主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0054】
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU42は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、リーチあり、又はリーチ無しのはずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0055】
第2特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU42は、第2特別保留数の減算、大当り抽選、及び、大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0056】
主制御CPU42は、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを副制御基板50へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理において決定した変動パターンと、特別ゲーム(演出ゲーム)の開始とを特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0057】
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU42は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。また、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲーム(演出ゲーム)の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
【0058】
一方、主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。また、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副制御基板50に出力する。
【0059】
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU42は、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主制御CPU42は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU42は、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0060】
最初に、主制御CPU42は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU42は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口18を開状態とする。主制御CPU42は、特別入賞センサSE3による遊技球の検出数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口18を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU42は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主制御CPU42は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主制御CPU42は、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を副制御基板50に出力する構成であってもよい。
【0061】
次に、確率状態を移行させる確率移行処理について説明する。
主制御CPU42は、特定図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM44に高確フラグをセットする。即ち、主制御CPU42は、高確率状態に制御する。一方、主制御CPU42は、通常図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM44に高確フラグをセットしない。即ち、主制御CPU42は、低確率状態に制御する。主制御CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、該高確フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0062】
次に、入球率状態及び変動時間状態を移行させる処理について説明する。
主制御CPU42は、大当り遊技が終了すると、主制御RWM44に作動フラグをセットする。即ち、主制御CPU42は、高入球率状態に制御する。主制御CPU42は、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、主制御RWM44に記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。主制御CPU42は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、主制御RWM44に記憶されている作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。主制御CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、該作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。なお、主制御CPU42は、高入球率状態に制御するときに短変動時間状態に制御し、低入球率状態に制御するときに長変動時間状態に制御する。
【0063】
次に、副制御CPU51が実行する各種の処理について説明する。
最初に、演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。副制御CPU51は、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを入力すると、特別ゲームに対応する演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを制御する。具体的に、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、該制御コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、副制御CPU51は、特別図柄コマンドを入力すると、該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて導出させる図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。
【0064】
また、副制御CPU51は、リーチ演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。一例として、リーチ条件は、リーチありの変動パターンが決定されることによって成立する。リーチ条件には、リーチありの変動パターンが決定されたことに加えて、所定のリーチ演出抽選を行い、該リーチ演出抽選に当選したことを定めてもよい。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能であるとき、大当りの図柄組合せを構成する演出図柄をリーチの演出図柄として決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しておらず、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含まないはずれの図柄組合せを決定する。
【0065】
そして、図4(a)に示すように、副制御CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列の演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させる。具体的に、副制御CPU51は、演出表示装置EHの画像表示部GHにおいて、3列の演出図柄EZを変動表示させるように制御する。続いて、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、各演出図柄EZを一旦停止表示させることにより図柄組合せを一旦停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、各演出図柄EZを確定停止表示させることにより図柄組合せを確定停止表示させる。なお、副制御CPU51は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0066】
次に、デモンストレーション演出について説明する。
パチンコ遊技機10は、待機状態中、デモンストレーション演出(以下、デモ演出と示す)を実行可能に構成されている。本実施形態における「待機状態」は、変動ゲームの実行中ではなく、保留中の変動ゲームの開始待ち中ではなく、且つ、大当り遊技中でもない状態である。「保留中の変動ゲームの開始待ち」の状態は、直近の変動ゲーム又は大当り遊技が終了してから、次の変動ゲームの開始条件が成立して保留中の変動ゲームが開始される迄の期間中である状態である。以下の説明では、待機状態である期間を「待機期間」と示し、変動ゲームの実行中、又は大当り遊技の実行中、又は保留中の変動ゲームの開始待ち中である期間を「遊技期間」と示す。
【0067】
副制御CPU51は、待機期間の開始を特定すると、デモ演出を開始するように演出装置群を制御する。このとき、副制御CPU51は、変動終了コマンド又はエンディング終了コマンドを最後に入力してから所定期間が経過すると、待機期間が開始されたことを特定する。これに限らず、待機期間が開始されたか否かを主制御CPU42が特定する構成であってもよい。この場合、主制御CPU42は、何れの特別ゲームも実行されておらず、大当り遊技でもなく、且つ何れの特別保留数も零である状態となってから、所定期間が経過すると待機期間が開始されたことを特定する。そして、主制御CPU42は、待機期間の開始を特定可能な制御コマンドを副制御基板50へ出力するとよい。副制御CPU51は、待機期間中(デモ演出の実行中)、変動開始コマンドを入力すると、デモ演出を終了し、演出ゲームを実行するように演出装置群を制御する。
【0068】
図4(b)及び図4(c)に示すように、本実施形態のデモ演出は、演出図柄EZが表示される図柄表示デモ演出と、遊技機のタイトルを示すタイトル情報TJが表示されるタイトル報知演出と、により構成されている。具体的に、副制御CPU51は、待機期間の開始を特定すると、所定時間が経過する毎に、図柄表示デモ演出→タイトル報知演出→図柄表示デモ演出→タイトル報知演出→・・・の順で各演出を実行させるように制御する。
【0069】
図4(b)に示すように、図柄表示デモ演出では、演出表示装置EHの画像表示部GHにおいて、最後に実行された演出ゲームで確定停止表示された図柄組合せが一旦停止表示される。図4(c)に示すように、タイトル報知演出では、演出表示装置EHの画像表示部GHの全体にわたってタイトル情報TJが表示される。本実施形態において、タイトル情報TJは、遊技機の機種を特定可能な機種情報の一例である。言い換えれば、タイトル情報TJは、遊技機のモチーフを特定可能な情報である。本実施形態において、タイトル情報TJは、遊技機の機種を示す文字列を模した画像と、遊技機のモチーフに関連する背景画像とを含んで構成されている。
【0070】
次に、大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置群を制御する。また、副制御CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置群を制御する。さらに、副制御CPU51は、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置群を制御する。そして、副制御CPU51は、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように演出装置群を制御する。
【0071】
次に、パチンコ遊技機10に搭載されたカスタマイズ機能について説明する。
本実施形態のカスタマイズ機能には、装飾ランプLAが発光演出を実行するときの光量(一例として内蔵LEDの輝度)を調整(カスタマイズ)する光量調整機能と、スピーカSPが音声演出を実行するときの音量を調整(カスタマイズ)する音量調整機能と、がある。
【0072】
光量調整機能の概略について説明する。
パチンコ遊技機10は、十字キーD2(キーD2l,D2r)を用いた光量の調整操作によって、発光演出の設定光量としての光量レベルを1から6まで、全6段階にわたって調整可能に構成されている。以下、「レベル」を「LV」と示す場合がある。即ち、本実施形態において、光量LVの調整条件は、左キーD2l又は右キーD2rの操作である。本実施形態において、左キーD2l及び右キーD2rは、光量の調整に用いる専用の操作手段である。また、本実施形態において、十字キーD2を用いた調整操作によって光量LVを調整可能な範囲(以下、光量範囲)は、規定の光量範囲に固定されている。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機10では、十字キーD2を用いた調整操作によって光量LVを調整可能である一方で、光量範囲を調整不能に構成されている。また、本実施形態の一例において、光量LVは、十字キーD2を用いた光量の調整操作が行われていない場合、光量LV6に調整されるように構成されている。言い換えれば、本実施形態の一例において、光量LVの初期段階は光量LV6に定められている。
【0073】
また、パチンコ遊技機10は、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断された場合(電源断)であって、その後にパチンコ遊技機10への電力供給が再開されたときには、光量LVを予め定めた初期段階に調整するように構成されている。即ち、本実施形態において、光量LVの初期化条件は、パチンコ遊技機10の電源断である。
【0074】
次に、音量調整機能の概略について説明する。
パチンコ遊技機10は、十字キーD2(キーD2u,D2d)を用いた音量の調整操作によって、音声演出の設定音量としての音量LVを0から6まで、全7段階にわたって調整可能に構成されている。即ち、本実施形態において、音量LVの調整条件は、上キーD2u又は下キーD2dの操作である。本実施形態において、上キーD2u及び下キーD2dは、音量の調整に用いる専用の操作手段である。また、本実施形態において、十字キーD2を用いた調整操作によって音量LVを調整可能な範囲(以下、音量範囲)は、規定の音量範囲に固定されている。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機10では、十字キーD2を用いた調整操作によって音量LVを調整可能である一方で、音量範囲を調整不能に構成されている。また、本実施形態の一例において、音量LVは、十字キーD2を用いた音量の調整操作が行われていない場合、音量LV6に調整されるように構成されている。言い換えれば、本実施形態の一例において、音量LVの初期段階は音量LV6に定められている。
【0075】
また、パチンコ遊技機10は、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断された場合(電源断)であって、その後にパチンコ遊技機10への電力供給が再開されたときには、音量LVを予め定めた初期段階に調整するように構成されている。即ち、本実施形態において、音量LVの初期化条件は、パチンコ遊技機10の電源断である。
【0076】
次に、光量調整機能及び音量調整機能を実現するための副制御CPU51の制御について説明する。本実施形態において、副制御CPU51は、遊技期間中と待機期間中の何れであっても、光量LV及び音量LVの調整が可能である。
【0077】
副制御CPU51は、副制御RWM53内の所定の記憶領域に記憶されている光量フラグの値に基づいて現在の光量LVを特定可能であるとともに、副制御RWM53内の所定の記憶領域に記憶されている音量フラグの値に基づいて現在の音量LVを特定可能である。そして、副制御CPU51は、特定した現在の光量LVに基づいて各種の発光演出を実行させるように装飾ランプLAを制御可能であるとともに、特定した現在の音量LVに基づいて各種の音声演出を実行させるようにスピーカSPを制御可能である。本実施形態において、音量フラグに設定された値は、スピーカSPが音を出力するときの音量に関する音量情報に相当する。また、本実施形態において、副制御RWM53は、音量情報を記憶する記憶手段に相当する。
【0078】
副制御CPU51は、左キーD2lが操作されたことを示す操作信号を入力すると、現在の光量LVを1段階下の光量LVに調整するように光量フラグの値を更新する。このとき、副制御CPU51は、現在の光量LVが最低段階(光量LV1)である場合には、光量フラグの値を更新しない。また、副制御CPU51は、右キーD2rが操作されたことを示す操作信号を入力すると、現在の光量LVを1段階上の光量LVに調整するように光量フラグの値を更新する。このとき、副制御CPU51は、現在の光量LVが最高段階(光量LV6)である場合には、光量フラグの値を更新しない。
【0079】
副制御CPU51は、下キーD2dが操作されたことを示す操作信号を入力すると、現在の音量LVを1段階下の音量LVに調整するように音量フラグの値を更新する。このとき、副制御CPU51は、現在の音量LVが最低段階(音量LV0)である場合には、音量フラグの値を更新しない。また、副制御CPU51は、上キーD2uが操作されたことを示す操作信号を入力すると、現在の音量LVを1段階上の音量LVに調整するように音量フラグの値を更新する。このとき、副制御CPU51は、現在の音量LVが最高段階(音量LV6)である場合には、音量フラグの値を更新しない。このように、本実施形態では、十字キーD2が操作されたことを示す操作信号に基づいて副制御CPU51が音量フラグの値を更新することにより、調整操作に基づいて音量情報を調整可能な音量調整手段が実現される。
【0080】
また、副制御CPU51は、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断された場合、光量フラグの値及び音量フラグの値を記憶保持しない。言い換えれば、副制御CPU51は、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断されたことを契機として、光量フラグの値及び音量フラグの値を消去する。そして、副制御CPU51は、パチンコ遊技機10への電力供給が再開されたことを契機として、光量LV6を特定可能な値を光量フラグに設定するとともに、音量LV6を特定可能な値を音量フラグに設定する。
【0081】
次に、カスタマイズ機能に関連した情報(画像)の表示態様の一例について説明する。
図5(a)~(c)に示すように、本実施形態において、演出表示装置EHは、カスタマイズ機能に関連した情報として、音量調整及び光量調整が可能であることを特定可能なカスタマイズ情報Ciと、現在の音量を特定可能な音量メータMSと、現在の光量を特定可能な光量メータMLと、を表示可能である。本実施形態において、音量メータMSは、現在の音量情報を報知する報知情報に相当する。
【0082】
まず、音量メータMSの表示態様について説明する。
音量メータMSは、6つの音量マスmsを含んで構成される。一例として、各音量マスmsは、それぞれ枠の部分と、枠内の部分と、を含んで構成される。本実施形態において、音量メータMSが表示されるとき、全ての音量マスmsは、枠内の部分に所定の色調を付与することによって、枠が満たされた状態を表現した状態(以下、満状態と示す)、又は、枠内の部分に所定の色調を付与せず、枠が空の状態を表現した状態(以下、空状態と示す)の何れかにて表示される。
【0083】
そして、音量メータMSは、音量LVが音量LV0から音量LV6に向かって増加するにしたがって、満状態にて表示されている音量マスmsが1つずつ、所定方向の一例である上方向に向かって並ぶように表示されるようになっている。つまり、音量メータMSは、音量LVが増大するのにしたがって、満状態にて表示されている部分の表示面積が増大し、且つ上方向へ向かって延伸する。これにより、本実施形態において、音量メータMSは、十字キーD2を用いた調整操作により調整された現在の音量を特定可能な表示態様で表示される。
【0084】
次に、光量メータMLの表示態様について説明する。
光量メータMLは、6つの光量マスmlを含んで構成される。一例として、各光量マスmlは、それぞれ枠の部分と、枠内の部分と、を含んで構成される。本実施形態において、光量メータMLが表示されるとき、全ての光量マスmlは、満状態又は空状態の何れかにて表示される。
【0085】
そして、光量メータMLは、光量LVが光量LV1から光量LV6に向かって増加するにしたがって、満状態にて表示されている光量マスmlが1つずつ、所定方向の一例である右方向に向かって並ぶように表示されるようになっている。つまり、光量メータMLは、光量LVが増大するのにしたがって、満状態にて表示されている部分の表示面積が増大し、且つ右方向へ向かって延伸する。これにより、本実施形態において、光量メータMLは、十字キーD2を用いた調整操作により調整された現在の光量を特定可能な表示態様で表示される。
【0086】
次に、カスタマイズ情報Ciの表示態様について説明する。
カスタマイズ情報Ciは、上キーD2u及び下キーD2dの操作によって音量LVを調整可能であることを特定可能な情報と、左キーD2l及び右キーD2rの操作によって光量LVを調整可能であることを特定可能な情報と、が含まれる。本実施形態において、上キーD2u及び下キーD2dの操作によって音量LVを調整可能であることを特定可能な情報は、「上下キーで音量調整」の文字列を模した画像である。また、本実施形態において、左キーD2l及び右キーD2rの操作によって光量LVを調整可能であることを特定可能な情報は、「左右キーで光量調整」の文字列を模した画像である。
【0087】
本実施形態において、カスタマイズ機能に関連した情報は、遊技期間中と待機期間中とで異なる表示態様により表示される。
図5(a)に示すように、演出表示装置EHは、遊技期間中においては、カスタマイズ機能に関連した情報として、音量メータMS及び光量メータMLを表示可能である一方で、カスタマイズ情報Ciを表示しない。また、遊技期間中において、音量メータMS及び光量メータMLは、該音量メータMS及び光量メータMLと重なる部分に表示される画像(例えば背景画像)を透過して視認可能な第1表示態様で表示される。なお、本実施形態において、音量メータMS及び光量メータMLは、遊技期間のうち変動ゲームの実行中に表示された場合に、画像表示部GHにおいて演出図柄EZと重ならない位置に表示される。また、図示しないが、音量メータMS及び光量メータMLは、遊技期間のうち変動ゲームの実行中ではない期間において表示される場合であっても、遊技期間のうち変動ゲームの実行中に表示されるときと同じ表示態様で表示される。
【0088】
また、図5(b),(c)に示すように、演出表示装置EHは、待機期間中においては、カスタマイズ機能に関連した情報として、音量メータMS、光量メータML、及びカスタマイズ情報Ciを表示可能である。また、待機期間中において、音量メータMS、光量メータML、及びカスタマイズ情報Ciは、該音量メータMS、光量メータML、及びカスタマイズ情報Ciと重なる部分を透過しない第2表示態様で表示される。本実施形態において、音量メータMS、光量メータML、及びカスタマイズ情報Ciは、待機期間のうち第1期間、第2期間、及び第3期間の何れの期間において表示される場合であっても、同一の表示態様で表示される。なお、本実施形態において、カスタマイズ情報Ciは、待機期間のうち図柄表示デモ演出の実行中に表示された場合に、画像表示部GHにおいて演出図柄EZと重なる位置に表示される。
【0089】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能なフェードアウト制御と、それに関連する制御について説明する。
まず、フェードアウト制御について説明する。フェードアウト制御は、スピーカSPから出力される音の音量を時間経過に伴って所定音量まで減衰させる減衰制御である。本実施形態におけるフェードアウト制御は、音量フラグに設定されている値を変更することなく、スピーカSPから出力される背景楽曲(所謂、BGM)の音量を段階的に減衰させる制御である。即ち、本実施形態のフェードアウト制御では、背景楽曲の音量を減衰させる一方で、設定音量としての音量LVを変更しない。なお、本実施形態において、所定音量は、背景楽曲が消音される音量である。言い換えれば、本実施形態におけるフェードアウト制御は、時間経過に伴って背景楽曲を消音させる制御である。
【0090】
本実施形態において、副制御CPU51は、待機期間中にフェードアウト制御を実行可能である。具体的に、副制御CPU51は、待機期間となってから第1時間が経過したことを契機としてフェードアウト制御を実行する。このとき、副制御CPU51は、第2時間にわたってフェードアウト制御を実行する。言い換えれば、本実施形態において、副制御CPU51は、フェードアウト制御を開始させてから第2時間が経過した時点で背景楽曲が消音されるようにスピーカSPを制御する。そして、副制御CPU51は、第2時間が経過すると、所定の出力開始条件が成立するまで背景楽曲を消音させるように制御する。本実施形態において、出力開始条件は、変動開始コマンドの入力である。即ち、副制御CPU51は、変動ゲームの開始を契機として遊技期間用の背景楽曲の出力を開始させるように制御する。なお、以下の説明では、待機期間のうち、待機期間となってから第1時間が経過するまでの期間を第1期間と示し、第1時間が経過してから第2時間が経過するまでの期間を第2期間と示し、第2時間が経過した以降の期間を第3期間と示す。上述したように、本実施形態の第2期間では、フェードアウト制御を実行可能である。本実施形態において、フェードアウト制御が実行されている第2期間は、特定期間に相当する。
【0091】
本実施形態において、フェードアウト制御は、待機期間となってから1回目の図柄表示デモ演出の実行中に実行される。即ち、本実施形態において、1回目の図柄表示デモ演出の演出時間は、第1時間及び第2時間を合算した時間よりも長い。このため、本実施形態において、第1期間及び第2期間は、何れも1回目の図柄表示デモ演出が実行されている期間に含まれる。一方で、第3期間は、図柄表示デモ演出が実行されている期間と、タイトル報知演出が実行されている期間と、を含む。
【0092】
ここで、図6を用いて、フェードアウト制御を実行するときの背景楽曲の音量の変化態様について、副制御CPU51の制御とともに説明する。なお、本実施形態において、背景楽曲の音量の変化態様は、背景楽曲の音量を縦軸とし、時間の経過を横軸としたときに描かれる像によって示される。
【0093】
図6(a),(b)に示すように、副制御CPU51は、変動ゲームが終了して待機期間となると、図柄表示デモ演出を開始させるように制御する(時点t1)。このとき、副制御CPU51は、現在の音量LVに応じた出力音量で待機期間用の背景楽曲を出力させるようにスピーカSPを制御する。なお、本実施形態において、待機期間用の背景楽曲は、待機音に相当する。この例では、現在の音量LVは音量LV6であるものとする。この場合、副制御CPU51は、音量LV6に対応した音量V6で背景楽曲を出力させる。
【0094】
続いて、副制御CPU51は、待機期間となってから第1時間が経過すると、フェードアウト制御を開始させる(時点t2)。その後、副制御CPU51は、フェードアウト制御を開始させてから第2時間が経過するまでの間、背景楽曲の音量を段階的に減衰させる(時点t2~時点t4)。そして、副制御CPU51は、フェードアウト制御を開始させてから第2時間が経過した時点で背景楽曲が消音されるように制御し、フェードアウト制御を終了する(時点t4)。その後、副制御CPU51は、第2時間が経過してから所定時間が経過したことを契機としてタイトル報知演出を実行させるように制御する(時点t5)。
【0095】
このように、本実施形態において、副制御CPU51は、待機期間のうち第1期間(時点t1~時点t2)においては音量LVに応じた音量で背景楽曲を出力させる制御が可能であり、第2期間(時点t2~時点t4)においてはフェードアウト制御を実行可能であり、第3期間においては背景楽曲を消音させる制御が可能である。言い換えれば、背景楽曲は、待機期間のうち第1期間においては音量LVに応じた音量で出力され、第2期間においては音量LVに応じた音量から段階的に減衰されて出力され、第3期間においては消音される。
【0096】
また、本実施形態において、副制御CPU51は、現在の音量LVにかかわらず、同一の第2時間にわたってフェードアウト制御を実行させる。
具体的には、図6(a)~(c)に示すように、副制御CPU51は、現在の音量LVが音量LV6である場合、待機期間のうち第1期間(時点t1~時点t2)において音量LV6に対応した音量V6で背景楽曲を出力させる一方で、音量LV3である場合、第1期間において音量LV3に対応した音量V3で背景楽曲を出力させる。そして、副制御CPU51は、現在の音量LVが音量LV6である場合と音量LV3である場合の何れであっても、第2期間(時点t2~時点t4)において、背景楽曲の音量を現在の音量LVに対応した音量から段階的に減衰させる。ここで、第2期間の長さは、現在の音量LVが音量LV6である場合と音量LV3である場合とで同一である。即ち、本実施形態において、フェードアウト制御が開始されてから該フェードアウト制御が終了するまでに要する時間は、フェードアウト制御の開始時点において音量フラグに設定されている値が音量LV6を特定可能な値である場合と音量LV3を特定可能な値である場合とで同一である。本実施形態において、音量LV6を特定可能な値は第1音量情報に相当し、音量LV3を特定可能な値は第2音量情報に相当する。
【0097】
このように、本実施形態において、フェードアウト制御が開始されてから該フェードアウト制御が終了するまでに要する時間は、フェードアウト制御の開始時点における音量LVにかかわらず同一である。なお、本実施形態では、フェードアウト制御の開始時点における音量LVにかかわらず、同一の第2時間にわたってフェードアウト制御が実行されるため、フェードアウト制御が開始されてからフェードアウト制御が終了するまでの背景楽曲の音量の変化態様は、フェードアウト制御の開始時点における音量LVに応じて異ならされることとなる。例えば、本実施形態において、フェードアウト制御の開始時点における音量LVが音量LV6であるときには、フェードアウト制御の開始時点における音量LVが音量LV3であるときと比較して、単位時間あたりにおける音量の減衰量が大きくなる。
【0098】
次に、フェードアウト制御の実行中に音量の調整操作が行われたときの背景楽曲の音量の変化態様について、副制御CPU51の制御とともに説明する。
本実施形態において、副制御CPU51は、フェードアウト制御の実行中であっても、十字キーD2(下キーD2d及び上キーD2u)が操作されたことを示す操作信号を入力したことを契機として、音量フラグの値を更新可能である。言い換えれば、副制御CPU51は、フェードアウト制御が実行されている第2期間中に音量の調整操作が行われたことを契機として、音量フラグの値を更新可能である。そして、副制御CPU51は、フェードアウト制御の実行中であっても、音量フラグの値が更新されたことに基づいて、背景楽曲の音量を変化させる。
【0099】
具体的には、図6(a),(d)に示すように、副制御CPU51は、現在の音量LVが音量LV3である場合であって、フェードアウト制御の実行中に上キーD2uが操作されたことを示す操作信号を入力したときには、音量LV4を特定可能な値を音量フラグに設定するとともに、背景楽曲の音量を変化させるように制御する(時点t3)。このとき、副制御CPU51は、音量LV4に対応した音量V4からフェードアウト制御によって減衰させたときの音量と同一の音量で背景楽曲を出力させるように制御する。言い換えれば、背景楽曲は、フェードアウト制御の実行中に音量LVが変更された場合、変更後の音量LVに対応した音量では出力されない一方で、変更後の音量LVに対応した音量からフェードアウト制御によって減衰されたときの音量と同一の音量で出力される。
【0100】
そして、副制御CPU51は、フェードアウト制御の実行中に音量フラグの値が更新された場合と、フェードアウト制御の実行中に音量フラグの値が更新されなかった場合と、の何れであっても、フェードアウト制御が開始されてから同一の第2時間が経過した時点で背景楽曲を消音させてフェードアウト制御を終了させる(時点t4)。即ち、本実施形態において、フェードアウト制御が開始されてから該フェードアウト制御が終了するまでに要する時間は、フェードアウト制御が実行されている第2期間中に音量の調整操作が行われたときと行われていないときとで同一である。
【0101】
また、図6(a),(c),(d)に示すように、本実施形態において、フェードアウト制御が実行されている第2期間中に音量の調整操作が行われたときと行われていないときとでは、背景楽曲の音量の変化態様が異なる。言い換えれば、背景楽曲の音量は、フェードアウト制御が実行されている第2期間中に音量の調整操作が行われたときには、第2期間中に音量の調整操作が行われていないときの音量の変化態様とは異なる変化態様で変化する。本実施形態では、第2期間中に音量の調整操作が行われていないときの背景楽曲の音量の変化態様が特定の減衰態様に相当し、第2期間中に音量の調整操作が行われたときの背景楽曲の音量の変化態様が特定の減衰態様とは異なる態様に相当する。
【0102】
次に、図7を用いて、フェードアウト制御に関連する制御について説明する。
まず、音量の調整操作が行われたときに出力される調整報知音に関する制御について説明する。
【0103】
本実施形態において、副制御CPU51は、音量の調整操作が行われたことを契機として、音量の調整操作が行われたことを示す調整報知音を出力させる制御が可能である。調整報知音の出力は、音量の調整操作が行われたことを示す調整報知演出の一例である。具体的に、副制御CPU51は、待機期間中に音量の調整操作が行われたことを契機として、調整後の音量LVに応じた音量で調整報知音を出力させるようにスピーカSPを制御する。このとき、副制御CPU51は、音量の調整操作が行われたタイミングが待機期間のうち第1期間、第2期間、第3期間の何れであるかにかかわらず、同一の出力態様で調整報知音を出力させるように制御する。即ち、調整報知音の出力態様は、待機期間のうち第1期間、第2期間、第3期間の何れにおいて音量の調整操作が行われたことを契機として調整報知音が出力される場合であっても同一である。特に、調整報知音の音量は、調整後の音量LVが同一であるときには、待機期間のうち待機期間のうち第1期間、第2期間、第3期間の何れにおいて音量の調整操作が行われたことを契機として調整報知音が出力される場合であっても同一である。
【0104】
また、副制御CPU51は、遊技期間中に音量の調整操作が行われたことを契機としては、調整報知音を出力させないようにスピーカSPを制御する。即ち、本実施形態において、調整報知音は、待機期間中に出力され得る一方で、遊技期間中には出力されない。
【0105】
次に、遊技の開始に際して実行可能なウェルカム演出に関する制御について説明する。ウェルカム演出は、待機期間中に実行可能な演出である。また、ウェルカム演出は、遊技者を歓迎する演出内容で実行される。例えば、本実施形態のウェルカム演出は、「お待ちしておりました」という音声を出力する演出内容で実行される。本実施形態において、ウェルカム演出で出力される音声は、特殊音に相当する。
【0106】
副制御CPU51は、待機期間中に発射ハンドルHDが把持されたことを契機としてウェルカム演出を実行させる制御が可能である。本実施形態では、発射ハンドルHDを把持することが、発射ハンドルHDを用いた所定の操作に相当する。具体的に、副制御CPU51は、待機期間のうち第1期間又は第3期間においてハンドル検出コマンドを入力すると、ウェルカム演出を実行させるようにスピーカSPを制御する。このとき、副制御CPU51は、ハンドル検出コマンドを入力したタイミングが第1期間及び第3期間の何れであるかにかかわらず、同一の演出態様でウェルカム演出を実行させるように制御する。このとき、副制御CPU51は、現在の音量LVに応じた音量で「お待ちしておりました」という音声を出力させるように制御する。
【0107】
一方で、副制御CPU51は、第2期間においてハンドル検出コマンドを入力したときには、ウェルカム演出を実行させない。言い換えれば、ウェルカム演出は、待機期間中に発射ハンドルHDが把持された場合であっても、フェードアウト制御が実行されている第2期間であるときには実行されない。同様に、副制御CPU51は、遊技期間においてハンドル検出コマンドを入力したときには、ウェルカム演出を実行させない。即ち、ウェルカム演出は、遊技期間中に発射ハンドルHDが把持されたときには実行されない。
【0108】
また、本実施形態において、副制御CPU51は、ウェルカム演出を実行させた場合、ウェルカム演出を実行済みであることを特定可能な実行済フラグを副制御RWM53内の所定の記憶領域に記憶させる。そして、副制御CPU51は、実行済フラグが記憶されている場合、待機期間のうち第1期間又は第3期間においてハンドル検出コマンドを入力したときであっても、ウェルカム演出を実行させないように制御する。その後、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力したことを契機として実行済フラグを消去する。これにより、副制御CPU51は、待機期間が開始されてから遊技期間に移行するまでの1回の待機期間中には、ウェルカム演出を1回のみ実行可能に制御する。
【0109】
次に、枠開放エラーが検出されたときに実行される枠開放エラー報知に関する制御について説明する。枠開放エラー報知は、設置枠11aに対して搭載枠11bが開放されていることを示す内容で実行される。例えば、本実施形態の枠開放エラー報知は、「扉が開いています」という音声を出力させる態様で実行される。本実施形態において、枠開放エラー報知で出力される音声は、特定音に相当する。
【0110】
具体的に、副制御CPU51は、枠開放コマンドを入力したことを契機として枠開放エラー報知を開始させる制御が可能である。本実施形態では、副制御CPU51が枠開放コマンドを入力することが、特定条件の成立に相当する。より詳しくは、副制御CPU51は、枠開放コマンドを入力した場合、遊技期間中であっても枠開放エラー報知を開始させるとともに、待機期間中のうち第1期間中、第2期間中、及び第3期間中の何れであっても枠開放エラー報知を開始させる。このとき、副制御CPU51は、現在の音量LVにかかわらず、同一の特定音量で枠開放エラー報知を実行させるように制御する。なお、本実施形態において、特定音量は、音量LV6に対応する音量V6よりも大きい音量である。また、副制御CPU51は、遊技期間中、第1期間中、第2期間中、及び第3期間中の何れであるかにかかわらず、同一の特定音量で枠開放エラー報知を実行させるようにスピーカSPを制御する。特に、副制御CPU51は、フェードアウト制御が実行されている場合であっても、一定の特定音量で枠開放エラー報知を実行させるようにスピーカSPを制御する。言い換えれば、枠開放エラー報知で出力される音声は、フェードアウト制御が実行されている第2期間中であっても、時間経過にかかわらず特定音量で出力される。
【0111】
また、副制御CPU51は、予め定めた報知終了条件が成立したことを契機として、枠開放エラー報知を終了させるように制御する。本実施形態において、報知終了条件は、枠開放エラーが検出されなくなったとき、又は、枠開放エラーが検出されてから所定時間(例えば30秒)が経過したときに成立する。即ち、副制御CPU51は、枠閉鎖コマンドを入力したこと、又は、枠開放コマンドの入力から所定時間が経過したことを条件として枠開放エラー報知を終了させる。なお、この場合、主制御CPU42が枠開放エラーを検出してから経過した時間を計測し、該計測した時間が所定時間に達したことを契機として所定のコマンドを副制御CPU51に出力することにより、枠開放エラーが検出されてから所定時間が経過したかを副制御CPU51において特定可能としてもよい。また、この場合、副制御CPU51が枠開放コマンドを入力してから経過した時間を計測することにより、枠開放エラーが検出されてから所定時間が経過したかを副制御CPU51において特定可能としてもよい。
【0112】
次に、発光演出に関する制御について説明する。
上述したように、副制御CPU51は、現在の光量LVに基づいて各種の発光演出を実行させるように装飾ランプLAを制御可能である。より詳しくは、副制御CPU51は、遊技期間中、第1期間中、第2期間中、及び第3期間中の何れであっても、現在の光量LVに基づいて各種の発光演出を実行させる。特に、本実施形態において、副制御CPU51は、背景楽曲のフェードアウト制御が実行されている第2期間であっても、現在の光量LVに基づいて各種の発光演出を実行させる。言い換えれば、発光演出における光量は、背景楽曲のフェードアウト制御が実行されている第2期間であっても減衰しない。
【0113】
次に、音量メータMS及び光量メータMLに関する制御について説明する。
本実施形態において、副制御CPU51は、遊技期間中と待機期間中の何れであっても、音量メータMS及び光量メータMLを表示させる制御が可能である。即ち、本実施形態において、演出表示装置EHは、遊技期間中と待機期間中の何れであっても、音量メータMS及び光量メータMLを表示可能である。
【0114】
具体的に、副制御CPU51は、遊技期間中である場合、十字キーD2が操作されたことを示す操作信号を入力したことを契機として、音量メータMS及び光量メータMLを表示させるように制御する。即ち、副制御CPU51は、遊技期間においては、音量又は光量の調整操作が行われたことを契機として音量メータMS及び光量メータMLを表示させるように制御する。また、副制御CPU51は、遊技期間中に音量メータMS及び光量メータMLを表示させた場合、実行中の変動ゲームが終了したことを契機として、音量メータMS及び光量メータMLを非表示とするように制御する。即ち、本実施形態において、遊技期間中に音量メータMS及び光量メータMLが表示されている場合、音量メータMS及び光量メータMLは、実行中の変動ゲームが終了したことを契機として非表示となる。さらに、副制御CPU51は、遊技期間中に音量メータMS及び光量メータMLを表示させた場合、音量メータMS及び光量メータMLを表示させてから所定時間(例えば10秒)が経過したことを契機として、音量メータMS及び光量メータMLを非表示とするように制御する。即ち、本実施形態において、遊技期間中に音量メータMS及び光量メータMLが表示されている場合、音量メータMS及び光量メータMLは、実行中の変動ゲームが終了する前であっても、音量メータMS及び光量メータMLが表示させてから所定時間が経過したことを契機として非表示となる。
【0115】
また、副制御CPU51は、待機期間のうち第1期間又は第2期間である場合、十字キーD2が操作されたことを示す操作信号を入力したことを契機として、音量メータMS及び光量メータMLを表示させるように制御する。即ち、副制御CPU51は、待機期間のうち第1期間又は第2期間においては、音量又は光量の調整操作が行われたことを契機として音量メータMS及び光量メータMLを表示させるように制御する。一方、副制御CPU51は、待機期間のうち第3期間である場合、図柄表示デモ演出の実行中は音量メータMS及び光量メータMLを表示させるように制御する一方で、タイトル報知演出の実行中は十字キーD2が操作されたことを示す操作信号を入力したことを契機として、音量メータMS及び光量メータMLを表示させるように制御する。
【0116】
そして、副制御CPU51は、待機期間中に音量メータMS及び光量メータMLを表示させている場合、変動開始コマンドを入力したことを契機として、音量メータMS及び光量メータMLを非表示とするように制御する。即ち、待機期間中に音量メータMS及び光量メータMLが表示されている場合、音量メータMS及び光量メータMLは、変動ゲームの開始を契機として非表示となる。また、副制御CPU51は、待機期間中のうち特に図柄表示デモ演出の実行中に音量メータMS及び光量メータMLを表示させている場合、タイトル報知演出の開始を契機として音量メータMS及び光量メータMLを非表示とするように制御する。さらに、副制御CPU51は、待機期間中のうち特にタイトル報知演出の実行中に音量メータMS及び光量メータMLを表示させた場合、実行中のタイトル報知演出が終了することなく所定時間(例えば10秒)が経過したことを契機として、音量メータMS及び光量メータMLを非表示とするように制御する。
【0117】
ここで、図8(a)~(c)を用いて、音量メータMS及び光量メータMLが表示されるタイミングの具体的な一例について、副制御CPU51の制御とともに説明する。
副制御CPU51は、遊技期間中に音量又は光量の調整操作が行われたことを契機として、音量メータMS及び光量メータMLを表示させる(時点t11)。その後、副制御CPU51は、実行中の変動ゲームが終了したことを契機として音量メータMS及び光量メータMLを非表示とする(時点t12)。なお、この例では、変動ゲームが保留されておらず、実行中の変動ゲームの終了に伴って待機期間が開始するものとする。この場合、副制御CPU51は、待機期間が開始されたことに伴って図柄表示デモ演出を開始させるように制御する。
【0118】
続いて、副制御CPU51は、待機期間のうち第1期間中に音量又は光量の調整操作が行われたことを契機として、音量メータMS及び光量メータMLを表示させる(時点t13)。そして、副制御CPU51は、待機期間となってから第1時間が経過したことを契機として、フェードアウト制御を開始させる(時点t14)。また、副制御CPU51は、フェードアウト制御を開始させてから第2時間が経過したことを契機として、フェードアウト制御を終了させる(時点t15)。このとき、副制御CPU51は、フェードアウト制御を開始させるときとフェードアウト制御を終了させるときの何れであっても、表示中の音量メータMS及び光量メータMLを表示させ続けるように制御する。即ち、本実施形態において、待機期間中に音量メータMS及び光量メータMLが表示されている場合、表示中の音量メータMS及び光量メータMLは、フェードアウト制御が実行される第2期間の開始時及び終了時にも継続して表示される。その後、副制御CPU51は、タイトル報知演出の開始を契機として、音量メータMS及び光量メータMLを非表示とする(時点t16)。なお、図示しないが、その後、副制御CPU51は、タイトル報知演出の実行中においては、音量又は光量の調整操作が行われたことを契機として音量メータMS及び光量メータMLを表示させる一方で、図柄表示デモ演出の実行中においては、音量及び光量の調整操作にかかわらず音量メータMS及び光量メータMLを表示させるように制御する。
【0119】
次に、フェードアウト制御の実行中に変動ゲームが開始されるときの背景楽曲の音量の変化態様の具体的な一例について、副制御CPU51の制御とともに説明する。
図9(a)~(c)に示すように、副制御CPU51は、待機期間が開始すると、図柄表示デモ演出を開始させるように制御する(時点t21)。また、副制御CPU51は、待機期間のうち第1期間中に音量又は光量の調整操作が行われたことを契機として、音量メータMS及び光量メータMLを表示させる(時点t22)。そして、副制御CPU51は、待機期間となってから第1時間が経過したことを契機として、フェードアウト制御を開始させる(時点t23)。
【0120】
その後、副制御CPU51は、フェードアウト制御が開始されてから第2時間が経過するタイミング(時点t25)よりも前に変動開始コマンドを入力すると、現在の音量LVに対応する音量(この例では、音量LV6に対応する音量V6)で遊技期間用の背景楽曲を出力させるように制御する(時点t24)。また、このとき、副制御CPU51は、音量メータMS及び光量メータMLを非表示とするように制御する。
【0121】
このように、本実施形態では、フェードアウト制御が実行されている第2期間において変動開始コマンドを入力した場合、フェードアウト制御によって減衰されている音量よりも大きい音量でスピーカSPから遊技期間用の背景楽曲が出力されることとなる。本実施形態では、副制御CPU51が変動開始コマンドを入力することが、所定条件の成立に相当する。
【0122】
また、本実施形態の演出表示装置EHでは、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合であって、且つ電力供給の再開時にRWMクリアスイッチSWが操作されていないときには、電力供給が再開されてから所定の復帰条件が成立するまでの間、復旧中であることを示す復電画面を表示可能である。本実施形態の復電画面は、黒一色の背景画像に重畳して「しばらくお待ち下さい」の文字列を模した画像が表示される画面である。なお、以下の説明では、復電画面に対して、通常の背景画像や表示演出が表示される画面を通常演出画面と示す。
【0123】
本実施形態における復帰条件は、電力供給が遮断されたときの遊技機の状態に応じて異なる。具体的に、遊技期間中に電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開されたときの復帰条件は、大当り遊技の開始、次の変動ゲームの開始、又は待機期間の開始である。即ち、副制御CPU51は、遊技期間中に電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合、電力供給が再開されたことを契機として復電画面を表示させるように制御する。そして、副制御CPU51は、大当り遊技におけるオープニング時間の開始を示すオープニングコマンドを入力したこと、変動ゲームの開始を示す変動開始コマンドを入力したこと、又は待機期間の開始を特定したことを契機として、復電画面を非表示として通常演出画面を表示させるように制御する。これにより、本実施形態の演出表示装置EHでは、遊技期間中に電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合、電力供給が再開されてから、大当り遊技、次の変動ゲーム、及び待機期間の何れかが開始されるまでの間、復電画面が表示される。
【0124】
一方、待機期間中に電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開されたときの復帰条件は、待機期間中であることを特定可能な復電時待機コマンドの入力である。復電時待機コマンドは、待機期間中に電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合に主制御CPU42が実行する復電時制御において副制御CPU51に出力される。そして、副制御CPU51は、復電時待機コマンドを入力したことを契機として、復電画面を非表示として通常演出画面を表示させるように制御する。これにより、本実施形態の演出表示装置EHでは、待機期間中に電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合、電力供給が再開されてから、副制御CPU51が復電時待機コマンドを入力するまでの間、復電画面が表示される。
【0125】
また、副制御CPU51は、復電画面の表示中は、背景楽曲を出力させない(消音する)ようにスピーカSPを制御する。また、副制御CPU51は、待機期間の開始時に背景楽曲が出力されていない場合、待機期間の開始後も引き続き背景楽曲を出力させないように制御する。一方で、副制御CPU51は、大当り遊技におけるオープニング時間の開始を示すオープニングコマンドを入力したこと、又は変動ゲームの開始を示す変動開始コマンドを入力したことを契機として、背景楽曲の出力を再開させるように制御する。
【0126】
次に、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合における背景楽曲の音量の変化態様の具体的な一例について、副制御CPU51の制御とともに説明する。
【0127】
図10(a)~(c)に示すように、副制御CPU51は、変動ゲームの実行中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され(時点t31)、その後に電力供給が再開されると、復電画面を表示させるように演出表示装置EHを制御する(時点t32)。このとき、副制御CPU51は、背景楽曲を出力させないように制御する。その後、副制御CPU51は、待機期間が開始すると、復電画面を非表示として通常演出画面を表示させ、図柄表示デモ演出を開始させるように制御する(時点t33)。このとき、副制御CPU51は、待機期間の開始時に背景楽曲が出力されていないことから、待機期間の開始後も引き続き背景楽曲を出力させないように制御する。その後、副制御CPU51は、待機期間となってから第1時間が経過した後も引き続き背景楽曲を出力させないように制御する(時点t34)。即ち、副制御CPU51は、フェードアウト制御が開始されるタイミングとなった場合であっても、背景楽曲が出力されていないことから、背景楽曲の音量を減衰させない。そして、副制御CPU51は、フェードアウト制御が開始されるタイミングとなってから第2時間が経過した時点においても背景楽曲を出力させないように制御する(時点t35)。さらに、副制御CPU51は、タイトル報知演出が開始された後も背景楽曲を出力させないように制御する(時点t36)。
【0128】
このように、本実施形態では、変動ゲームの実行中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合であって、実行中の変動ゲームの終了後に待機期間となったときには、待機期間のうち第1期間(時点t33~時点t34)及び第2期間(時点t34~時点t35)の何れにおいても背景楽曲が出力されない。
【0129】
本実施形態の効果について説明する。
(1)フェードアウト制御が実行されている第2期間では、現在の音量LVに対応する音量とは異なる音量で背景楽曲が出力される。このため、仮に、第2期間において音量の調整操作が行われたときと行われていないときとで背景楽曲の音量の変化態様が同一である場合、音量LVが変更されたか否かを認識できない虞がある。これに対し、本実施形態によれば、第2期間において音量の調整操作が行われた場合には、該第2期間において音量の調整操作が行われていないときとは異なる変化態様で背景楽曲の音量が変化する。このため、音量の調整操作によって音量LVが変更されたことを認識させやすくできる。したがって、音量を調整する際の利便性を向上できる。
【0130】
(2)枠開放エラー報知で出力される音声の音量は、フェードアウト制御が実行されている第2期間であっても特定音量となる。これによれば、枠開放エラー報知で出力される音声の音量がフェードアウト制御によって特定音量よりも小さい音量となってしまうことを抑制できる。したがって、枠開放エラーの発生を認識させやすくできる。
【0131】
(3)フェードアウト制御が実行されている第2期間において、背景楽曲の音量は、音量の調整操作が行われたときと行われていないときとでは異なる変化態様で変化する。このため、遊技者は、音量の調整操作が行われていないときの変化態様とは異なる変化態様で背景楽曲の音量が変化した場合、音量LVが変更されたと認識することがある。ここで、仮に、第2期間において発射ハンドルHDが操作されたことでウェルカム演出が実行されると、スピーカSPからウェルカム演出における音声が出力されることから、音量の調整操作が行われていないときの変化態様とは異なる変化態様で背景楽曲の音量が変化したと遊技者に認識させ、音量LVが変更されたと誤認させてしまう虞がある。これに対し、本実施形態では、第2期間において発射ハンドルHDを操作したときにはウェルカム演出が実行されないため、音量LVが変更されたと遊技者に誤認させてしまうことを抑制できる。
【0132】
(4)変動ゲームの実行中と待機状態中の何れであっても音量メータMSにより現在の音量LVを報知できる一方で、変動ゲームの実行中に表示された音量メータMSは、実行中の変動ゲームが終了したことを契機として非表示となるため、変動ゲームが終了したことを認識させやすくすることができる。
【0133】
(5)音量メータMSは、フェードアウト制御が実行される第2期間の開始時及び終了時にも継続して表示されるため、フェードアウト制御によって背景楽曲の音量が減衰しているときであっても、現在の音量LVを認識しやすくすることができる。
【0134】
(6)本実施形態において、パチンコ遊技機10への電力供給が一時的に遮断され、その後に電力供給が再開された場合、遊技者は、第1期間及び第2期間において背景楽曲が出力されないことから、電力供給が一時的に遮断されてその後に再開されたことを特定可能である。このため、電力供給が一時的に遮断されてその後に再開されたときには改めて音量LVを変更したいと考える遊技者に対して、電力供給が一時的に遮断されてその後に再開されたことに気付かないまま遊技を開始させてしまうことを抑制できる。
【0135】
(7)特に、本実施形態では、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断された場合に、音量LVが初期段階に設定される。このため、電力供給が遮断された場合、遊技者は、音量LVを設定し直したいと考えることがある。これに対し、本実施形態では、上述したように、電力供給が一時的に遮断されてその後に再開されたことに気付かないまま遊技を開始させてしまうことを抑制できるため、自らの望む音量LVで遊技を行いたいと考える遊技者に対して、音量を調整する際の利便性を向上できる。
【0136】
(8)待機期間中において、背景楽曲は、現在の音量LVに対応する音量よりも小さい音量で出力されたり、消音されたりする場合があるため、音量の調整操作によって音量LVを変更した場合であっても、背景楽曲の音量からは音量LVが変更されたかどうかを認識し難いことがある。これに対し、本実施形態では、待機期間中に音量の調整操作が行われたことを契機として調整報知音が出力されるため、音量LVが変更されたことを認識させ易くすることができる。
【0137】
(9)特に、本実施形態において、調整報知音は、調整後の音量LVに対応する音量で出力されるため、背景楽曲の音量から現在の音量LVを認識し難い場合であっても、調整報知音の音量から現在の音量LVを認識させ易くすることができる。
【0138】
(10)本実施形態において、フェードアウト制御が実行されている第2期間に音量の調整操作が行われたか否かで背景楽曲の音量の変化態様は異なるものの、フェードアウト制御に要する時間は同一であるため、背景楽曲の音量が消音されるタイミングを一定とすることができる。したがって、第2期間において音量の調整操作が行われた場合に、音量LVが変更されたことを認識させやすくしつつも、第2期間以降に行われる制御への影響を抑制できる。
【0139】
(11)さらに、本実施形態において、フェードアウト制御に要する時間は、フェードアウト制御の開始時点における音量LVにかかわらず同一であるため、背景楽曲の音量が消音されるタイミングを一定とすることができる。したがって、フェードアウト制御が開始されるよりも前に音量の調整操作が行われることによって音量LVが変更された場合であっても、フェードアウト制御の終了後に行われる制御への影響を抑制できる。
【0140】
(12)フェードアウト制御が実行されている第2期間では変動ゲームが実行されないため、遊技者は、第2期間において演出表示装置EHから目を離してしまうことがある。このような場合であっても、本実施形態では、フェードアウト制御の実行中に変動開始コマンドを入力すると、変動ゲームの開始に伴って、フェードアウト制御によって減衰されている音量よりも大きい音量で背景楽曲が出力されるため、変動ゲームの開始を背景楽曲の音量の変化により認識させることができる。
【0141】
(13)フェードアウト制御が実行されている第2期間であっても、発光演出における光量は減衰しないため、発光演出については、第2期間であるか否かにかかわらず光量を減衰させることなく楽しませることができる。
【0142】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0143】
・フェードアウト制御に要する時間は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU51は、フェードアウト制御の実行中に音量の調整操作が行われたときと行われていないときとで、フェードアウト制御が終了するタイミングを異ならせてもよい。この場合、例えば、副制御CPU51は、フェードアウト制御の実行中に音量LVが増加したときには、フェードアウト制御が終了するタイミングが遅くなるように制御する一方で、フェードアウト制御の実行中に音量LVが減少したときには、フェードアウト制御が終了するタイミングが早くなるように制御してもよい。また、副制御CPU51は、フェードアウト制御の開始時における音量LVに応じてフェードアウト制御が終了するタイミングを異ならせてもよい。例えば、副制御CPU51は、フェードアウト制御の開始時における音量LVが高いほど、フェードアウト制御に要する時間が長くなるように制御してもよい。
【0144】
・フェードアウト制御の実行中に変動開始コマンドを入力した場合、副制御CPU51は、変動ゲームの開始に伴って現在の音量LVに対応する音量で背景楽曲を出力させるように制御したが、これに限らない。例えば、副制御CPU51は、フェードアウト制御の実行中に変動開始コマンドを入力した場合、変動ゲームの開始に伴っては、フェードアウト制御の実行中に出力されていた待機期間用の背景楽曲の音量と同一の音量で遊技期間用の背景楽曲の出力を開始させ、時間経過に伴って現在の音量LVに対応する音量まで増幅させるように制御してもよい。
【0145】
・副制御CPU51は、フェードアウト制御の実行中に音量の調整操作が行われた場合、実行中のフェードアウト制御を終了して調整後の音量LVに対応する音量で背景楽曲を出力させるように制御してもよい。即ち、副制御CPU51は、フェードアウト制御が実行されている第2期間中に音量の調整操作が行われたときには、実行中のフェードアウト制御を終了して調整後の音量LVに対応する音量で背景楽曲を出力させることにより、音量の調整操作が行われていないときとは異なる変化態様で背景楽曲の音量を変化させるようにしてもよい。
【0146】
・副制御CPU51は、音量の調整操作が行われたときに代えて、又は加えて、光量の調整操作が行われたことを契機として調整報知音を出力させるように制御してもよい。
・調整操作を行ったときの調整報知音の音量は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU51は、現在の音量LVにかかわらず所定の音量で調整報知音を出力させるように制御してもよい。また、副制御CPU51は、第1期間においては、現在の音量LVに対応する音量で調整報知音を出力させる一方で、第2期間又は第3期間においては、現在の音量LVにかかわらず所定の音量で調整報知音を出力させるように制御してもよい。これによれば、現在の音量LVに対応する音量で背景楽曲が出力されている第1期間においては、現在の音量LVに対応する音量で調整報知音を出力させることで、遊技者が調整報知音に気付かないことを抑制できる。一方で、現在の音量LVに対応する音量よりも小さい音量で背景楽曲が出力されている第2期間、又は背景楽曲が出力されていない第3期間においては、所定の音量で調整報知音を出力させることにより、過度に大きな音量で調整報知音が出力されてしまうことで却って遊技者の興趣を低下させてしまうことを抑制できる。
【0147】
・調整報知音として出力される音は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU51は、調整操作が行われたタイミングに応じて異なる音を調整報知音として出力させるように制御してもよい。具体的に、調整報知音として出力される音は、第1期間において調整操作が行われたことを契機として調整報知音が出力される場合と、第2期間において調整操作が行われたことを契機として調整報知音が出力される場合とで異なるようにしてもよい。
【0148】
・副制御CPU51は変動ゲームの実行中に調整操作が行われたことを契機として調整報知音を出力させるように制御してもよい。
・副制御CPU51は、調整操作が行われたことを契機として、調整報知音を出力させることに代えて、又は加えて、演出表示装置EHにおいて所定の画像を表示させるように制御してもよいし、装飾ランプLAを所定の発光態様で発光させるように制御してもよい。
【0149】
・ウェルカム演出において出力される音声の音量は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU51は、現在の音量LVにかかわらず所定の音量でウェルカム演出を実行させるように制御してもよい。また、副制御CPU51は、第1期間においては、現在の音量LVに対応する音量でウェルカム演出を実行させる一方で、第2期間又は第3期間においては、現在の音量LVにかかわらず所定の音量でウェルカム演出を実行させるように制御してもよい。これによれば、現在の音量LVに対応する音量で背景楽曲が出力されている第1期間においては、現在の音量LVに対応する音量でウェルカム演出を実行させることで、遊技者がウェルカム演出に気付かないことを抑制できる。一方で、現在の音量LVに対応する音量よりも小さい音量で背景楽曲が出力されている第2期間、又は背景楽曲が出力されていない第3期間においては、所定の音量でウェルカム演出を実行させることにより、過度に大きな音量でウェルカム演出が実行されてしまうことで却って遊技者の興趣を低下させてしまうことを抑制できる。
【0150】
・ウェルカム演出の演出内容は、適宜変更してもよい。例えば、所定の音声の出力に代えて、又は加えて、演出表示装置EHにおいて所定の画像が表示されるようにしてもよいし、装飾ランプLAが所定の発光態様で発光されるようにしてもよい。また、ウェルカム演出の演出内容は、ウェルカム演出が実行されるタイミングに応じて異ならされてもよい。また、ウェルカム演出は、複数種類の演出内容の中から所定の抽選により決定された演出内容で実行されるようにしてもよい。この場合、副制御CPU51は、発射ハンドルHDが把持されたことを契機として所定の抽選を実行することによりウェルカム演出の演出内容を決定し、決定した演出内容でウェルカム演出を実行させるように制御してもよい。
【0151】
・ウェルカム演出が実行される条件は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU51は、フェードアウト制御が実行されている第2期間において発射ハンドルHDが把持された場合であっても、ウェルカム演出を実行可能に制御してもよい。また、副制御CPU51は、1回の待機期間中においてウェルカム演出を複数回実行可能に制御してもよい。このとき、副制御CPU51は、例えば、前回のウェルカム演出が実行されてから所定時間が経過するまでは、次回のウェルカム演出を実行させないように制御してもよい。
【0152】
・枠開放エラー報知の実行態様は、適宜変更してもよい。例えば、所定の音声の出力に代えて、又は加えて、演出表示装置EHにおいて所定の画像が表示されるようにしてもよいし、装飾ランプLAが所定の発光態様で発光されるようにしてもよい。また、枠開放エラー報知において所定の音声が出力されるときの音量は、現在の音量LVに応じた音量で出力されてもよい。また、枠開放エラー報知の実行中にフェードアウト制御が実行される場合、枠開放エラー報知において出力される音声の音量は、時間経過に伴って変化するようにしてもよい。
【0153】
・音量のフェードアウト制御に代えて、又は加えて、スピーカSPとは異なる演出実行手段の演出量を減衰させるフェードアウト制御を実行可能であってもよい。例えば、副制御CPU51は、装飾ランプLAの光量を減衰させるフェードアウト制御を実行可能であってもよいし、演出表示装置EHの輝度を減衰させるフェードアウト制御を実行可能であってもよい。また、可動体の動作量を減衰させるフェードアウト制御を実行可能であってもよい。
【0154】
・フェードアウト制御は、遊技期間中に実行可能であってもよい。例えば、副制御CPU51は、変動ゲームにおいて大当り表示結果が導出される期待度を示唆する期待度示唆演出において、演出の一部としてフェードアウト制御を実行してもよい。
【0155】
・副制御CPU51は、フェードアウト制御において、背景楽曲の音量を消音させないように制御してもよい。即ち、副制御CPU51は、フェードアウト制御において、現在の音量LVに対応する音量からそれよりも低い音量まで背景楽曲の音量を減衰させるように制御すればよい。
【0156】
・副制御CPU51は、十字キーD2を用いた調整操作により調整可能な音量範囲を変更可能としてもよい。この場合、例えば、音量範囲を調整可能な音量スイッチを備え、該音量スイッチの操作に基づいて調整可能な音量範囲を変更可能とするとよい。また、十字キーD2を用いた調整操作により調整可能な光量範囲についても同様に変更可能としてもよい。
【0157】
・音量メータMS及び光量メータMLは、遊技期間中に表示されないようにしてもよい。これによれば、音量メータMS及び光量メータMLの表示によって、変動ゲームに関連した画像の表示が阻害されてしまうことを抑制できる。
【0158】
・遊技期間中に音量メータMS及び光量メータMLが表示されるときの表示態様と、待機期間中に音量メータMS及び光量メータMLが表示されるときの表示態様とは、同一であってもよい。
【0159】
・図柄表示デモ演出の実行中に音量メータMS及び光量メータMLが表示されるときの表示態様と、タイトル報知演出の実行中に音量メータMS及び光量メータMLが表示されるときの表示態様とは、異なる表示態様であってもよい。
【0160】
・副制御CPU51は、枠開放エラー報知の実行中において、十字キーD2を用いた調整操作に基づいて音量LV及び光量LVを変更可能に制御してもよいし、枠開放エラー報知の実行中においては、十字キーD2を用いた調整操作に基づく音量LV及び光量LVの変更を規制してもよい。なお、規制には、音量LV及び光量LVを変更不能とすることの他に、副制御RWM53に記憶されている音量フラグ及び光量フラグの値を更新することにより音量LV及び光量LVを変更可能とする一方で、音量LV及び光量LVの変更をスピーカSPの音量及び装飾ランプLAの光量に反映させないことを含む。即ち、副制御CPU51は、枠開放エラー報知の実行中において、十字キーD2を用いた調整操作に基づいて副制御RWM53に記憶されている音量フラグ及び光量フラグの値を更新可能とする一方で、枠開放エラー報知が終了するまでは、更新後の音量フラグ光量フラグの値に基づいてはスピーカSP及び装飾ランプLAを制御しないようにしてもよい。
【0161】
・また、副制御CPU51は、枠開放エラー報知の実行中において、音量メータMS及び光量メータMLを表示可能に制御してもよいし、表示不能に制御してもよい。なお、副制御CPU51は、枠開放エラー報知の実行中において、十字キーD2を用いた調整操作に基づいて音量LV及び光量LVを変更可能に制御する場合であっても、音量メータMS及び光量メータMLを表示不能に制御してもよい。また、副制御CPU51は、枠開放エラー報知の実行中においては、十字キーD2を用いた調整操作に基づく音量LV及び光量LVの変更を規制する場合であっても、音量メータMS及び光量メータMLを表示可能に制御してもよい。
【0162】
・音量メータMS及び光量メータMLが表示される条件及び非表示となる条件は、適宜変更してもよい。例えば、フェードアウト制御の開始を条件として音量メータMS及び光量メータMLを非表示とするように制御してもよいし、フェードアウト制御の終了を条件として音量メータMS及び光量メータMLを非表示とするように制御してもよい。また、変動ゲームの終了を条件としては音量メータMS及び光量メータMLを非表示としないように制御してもよい。
【0163】
・音量LVを調整可能な期間は、適宜変更してもよい。例えば、遊技期間中においては音量LVを調整不能であってもよいし、遊技期間中のうち変動ゲームの実行中は音量LVを調整可能である一方で大当り遊技の実行中は音量LVを調整不能であってもよい。また、光量LVを調整可能な期間についても同様に変更してもよい。
【0164】
・副制御CPU51は、音量調整機能により調整された音量LVに基づく音量で音声を出力させる制御と、音量調整機能により調整された音量LVにかかわらず所定の音量で音声を出力させる制御と、の両方が可能であってもよい。例えば、副制御CPU51は、変動ゲームの実行に伴って実行される音声演出において出力される音声については、音量調整機能により調整された音量LVに基づく音量で出力させる一方で、所定のエラーが検出されたことを報知する報知用の音声については、音量調整機能により調整された音量LVにかかわらず所定の音量で出力させてもよい。この場合、副制御CPU51は、報知用の音声については、音量LVが音量LV0(消音状態)に調整されているときであっても、所定の音量で出力させるようにするとよい。
【0165】
・音声を出力する出力手段を複数備え、複数の出力手段のうち一部の出力手段については、音量調整機能により調整された音量LVに基づく音量で音声が出力される一方で、複数の出力手段のうち一部の出力手段とは異なる出力手段については、音量調整機能により調整された音量LVにかかわらず所定の音量で音声が出力されるようにしてもよい。
【0166】
・副制御CPU51は、光量調整機能により調整された光量LVに基づく光量で装飾ランプLAを発光させる制御と、光量調整機能により調整された光量LVにかかわらず所定の光量で装飾ランプLAを発光させる制御と、の両方が可能であってもよい。例えば、副制御CPU51は、変動ゲームの実行に伴って実行される発光演出においては、光量調整機能により調整された光量LVに基づく光量で装飾ランプLAを発光させる一方で、所定のエラーが検出されたことを報知する発光報知においては、光量調整機能により調整された光量LVにかかわらず所定の光量で装飾ランプLAを発光させてもよい。
【0167】
・発光する発光手段を複数備え、複数の発光手段のうち一部の発光手段については、光量調整機能により調整された光量LVに基づく光量で発光される一方で、複数の発光手段のうち一部の発光手段とは異なる発光手段については、光量調整機能により調整された光量LVにかかわらず所定の光量で発光されるようにしてもよい。このとき、一部の発行手段は、副制御CPU51により制御される発光手段であってもよいし、一部の発光手段とは異なる発光手段については、主制御CPU42により制御される発光手段であってもよい。
【0168】
・上キーD2u及び下キーD2dは、音量LVの調整に用いる専用の操作手段であってもよいし、各種の演出にも用いる兼用の操作手段であってもよい。同様に、右キーD2r及び左キーD2lは、光量LVの調整に用いる専用の操作手段であってもよいし、各種の演出にも用いる兼用の操作手段であってもよい。また、音量LVの調整に用いる操作手段と、光量LVの調整に用いる操作手段とは、兼用されていてもよい。
【0169】
・変動ゲームの実行中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合、変動ゲームの終了後に待機期間となったときには、該待機期間中に背景楽曲を出力可能としてもよい。この場合、例えば、副制御CPU51は、復電画面を非表示として通常演出画面を表示させるタイミングで背景楽曲の出力を開始させるように制御してもよい。
【0170】
・カスタマイズ機能として、各種の演出の実行態様を調整可能な演出調整機能を備えた遊技機に具体化してもよい。例えば、演出調整機能では、各種の演出の実行頻度や演出内容などを調整可能としてもよい。この場合、副制御CPU51は、待機期間中のうち一部又は全部の期間において、所定の操作手段による調整操作が行われたことを契機として各種の演出の実行態様を調整可能であってもよい。また、副制御CPU51は、遊技期間中のうち一部又は全部の期間において、所定の操作手段による調整操作が行われたことを契機として各種の演出の実行態様を調整可能であってもよい。そして、この場合、副制御CPU51は、演出調整機能による各種の演出の実行態様を調整可能な期間においては、音量調整機能による音量の調整及び光量調整機能による光量の調整のうち何れか一方又は両方を実行不能としてもよい。なお、各種の演出の実行態様を調整する調整操作に用いられる操作手段は、音量の調整操作に用いられる操作手段と同一であってもよいし異なっていてもよい。また、各種の演出の実行態様を調整する調整操作に用いられる操作手段は、光量の調整操作に用いられる操作手段と同一であってもよいし異なっていてもよい。
【0171】
・大当り遊技の終了後は、必ず高入球率状態(短変動時間状態)を付与したが、これに限らず、大当り図柄の種類に応じて、高入球率状態を付与しないときがあってもよい。
・特別ゲームは、演出表示装置EHにて表示してもよい。この場合、演出ゲームを表示しないようにしてもよい。第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、保留順に実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。また、第2特別ゲームを省略してもよい。
【0172】
・パチンコ遊技機10の機械的な構成は適宜変更してもよい。例えば、演出表示装置EHを複数の表示手段から構成してもよく、そのうちの一部の表示手段を変位可能に構成してもよい。例えば、操作手段は単数又は複数(3つ以上)であってもよく、複数の操作部が複合したものであってもよい。
【0173】
・主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御基板40は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成してもよい。副制御基板50の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを専門に制御する表示基板、装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板、及びスピーカSPを専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御CPU51は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0174】
・本実施形態において、遊技機は、パチンコ遊技機であったが、これに限らず、スロットマシンとして構成されていてもよい。
次に示す技術的思想は、上述した実施形態から把握することができる。
【0175】
(イ)図柄を変動させて行う変動ゲームを実行可能な遊技機において、音を出力する出力手段を含む演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、操作可能な操作手段と、前記出力手段が音を出力するときの音量に関する音量情報を記憶する記憶手段と、前記操作手段を用いた調整操作に基づいて前記音量情報を調整可能な音量調整手段と、把持可能な把持手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記出力手段から出力される音の音量を時間経過に伴って所定音量まで減衰させる減衰制御が可能であり、前記音量調整手段は、前記減衰制御の実行中である特定期間において前記調整操作が行われたことを契機として、前記音量情報を調整可能であり、前記出力手段から出力される音の音量は、前記特定期間において前記調整操作が行われていないときには、時間経過に伴って特定の減衰態様で減衰する一方で、前記特定期間において前記調整操作が行われたときには、前記特定の減衰態様とは異なる態様で変化するようになっており、前記演出実行手段のうち前記出力手段とは異なる特定の演出実行手段が実行する演出の演出量は、前記特定期間であっても減衰しないようになっており、前記把持手段は、所定の操作が可能に構成されており、前記減衰制御は、前記変動ゲームが実行されていない待機状態中に実行される場合があり、前記演出制御手段は、前記待機状態中に前記把持手段が操作されたことを契機として特殊音を出力させる制御が可能であり、前記特殊音は、前記待機状態中に前記把持手段が操作された場合であっても、前記特定期間であるときには出力されないことを特徴とする遊技機。
【0176】
(ロ)図柄を変動させて行う変動ゲームを実行可能な遊技機において、音を出力する出力手段を含む演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、操作可能な操作手段と、前記出力手段が音を出力するときの音量に関する音量情報を記憶する記憶手段と、前記操作手段を用いた調整操作に基づいて前記音量情報を調整可能な音量調整手段と、把持可能な把持手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記出力手段から出力される音の音量を時間経過に伴って所定音量まで減衰させる減衰制御が可能であり、前記音量調整手段は、前記減衰制御の実行中である特定期間において前記調整操作が行われたことを契機として、前記音量情報を調整可能であり、前記出力手段から出力される音の音量は、前記特定期間において前記調整操作が行われていないときには、時間経過に伴って特定の減衰態様で減衰する一方で、前記特定期間において前記調整操作が行われたときには、前記特定の減衰態様とは異なる態様で変化するようになっており、前記演出実行手段のうち前記出力手段とは異なる特定の演出実行手段が実行する演出の演出量は、前記特定期間であっても減衰しないようになっており、前記把持手段は、所定の操作が可能に構成されており、前記減衰制御は、前記変動ゲームが実行されていない待機状態中に実行される場合があり、前記演出制御手段は、前記待機状態中に前記把持手段が操作されたことを契機として特殊音を出力させる制御が可能であり、前記特殊音は、前記待機状態中に前記把持手段が操作された場合であっても、該待機状態中に既に前記特殊音が出力されているときには出力されない一方で、前記待機状態中である期間のうち前記特定期間中に前記把持手段が操作されたときには出力可能であることを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0177】
D2…十字キー(操作手段)、EH…演出表示装置(表示手段、演出実行手段)、HD…発射ハンドル(把持手段)、LA…装飾ランプ(発光手段、演出実行手段、特定の演出実行手段)、MS…音量メータ(報知情報)、SP…スピーカ(出力手段、演出実行手段)、10…パチンコ遊技機、40…主制御基板、41…マイクロプロセッサ、42…主制御CPU、50…副制御基板、51…副制御CPU(出力制御手段、音量調整手段、演出制御手段)、53…副制御RWM(記憶手段)。
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