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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】光検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/26 20060101AFI20230920BHJP
   G02B 5/28 20060101ALI20230920BHJP
   G02B 26/00 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
G01J3/26
G02B5/28
G02B26/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018204156
(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公開番号】P2020071099
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100183081
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 大志
(72)【発明者】
【氏名】大山 泰生
(72)【発明者】
【氏名】柴山 勝己
(72)【発明者】
【氏名】笠原 隆
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 真樹
(72)【発明者】
【氏名】川合 敏光
(72)【発明者】
【氏名】蔵本 有未
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/175089(WO,A1)
【文献】特開2013-072930(JP,A)
【文献】特開平08-128891(JP,A)
【文献】特開平05-322653(JP,A)
【文献】国際公開第2018/159533(WO,A1)
【文献】特開2013-026518(JP,A)
【文献】国際公開第2018/030486(WO,A1)
【文献】特開2014-071400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 3/00- G01J 3/51
G01J 1/02- G01J 1/04
G02B 5/20- G02B 5/28
G02B 26/00
G12B 17/00- G12B 17/02
H01L 23/00- H01L 23/10
H01L 27/14- H01L 27/148
H01L 31/00- H01L 31/0248
H01L 31/08- H01L 31/119
H05K 1/00- H05K 1/02
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面を有する搭載基板と、
前記搭載基板の前記主面上に配置され、1つ又は複数の受光部を有する光検出器と、
互いに対向する一対のミラー部間に空隙が形成されることで、前記一対のミラー部間の距離が静電気力によって変化するように構成されたファブリペロー干渉フィルタと、
前記搭載基板の前記主面上に設けられ、前記ファブリペロー干渉フィルタと前記光検出器とが離間するように前記ファブリペロー干渉フィルタを支持する支持部材と、
グランド電位に接続されたグランド部と、を備え、
前記ファブリペロー干渉フィルタと前記グランド部との間には、前記支持部材及び前記搭載基板を経由して前記ファブリペロー干渉フィルタから前記光検出器へと至る任意の第1電流経路よりも電気抵抗が小さい第2電流経路であって、前記ファブリペロー干渉フィルタから前記支持部材へと流れる電流成分を前記グランド部に逃がす前記第2電流経路が形成されている、光検出装置。
【請求項2】
前記ファブリペロー干渉フィルタから前記支持部材へと流れる電流成分を前記グランド部に逃がすように、前記支持部材又は前記搭載基板と前記グランド部とを電気的に接続する導電性の接続部材を更に備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項3】
前記接続部材は、前記搭載基板の前記主面に沿った領域と前記グランド部とを電気的に接続しており、
前記第2電流経路は、前記支持部材、前記主面に沿った領域、及び前記接続部材を経由して前記ファブリペロー干渉フィルタから前記グランド部へと至る経路である、請求項2に記載の光検出装置。
【請求項4】
前記搭載基板は、前記主面としての第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有する絶縁層と、前記絶縁層の第2面側に設けられた金属層と、を有し、
前記主面に沿った領域は、前記金属層である、請求項3に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記絶縁層には、前記金属層の前記絶縁層側の面を露出させる開口部が形成されており、
前記接続部材は、前記開口部を介して前記金属層に接続されると共に前記グランド部に接続されている、請求項4に記載の光検出装置。
【請求項6】
前記金属層は、前記搭載基板の厚さ方向から見た前記搭載基板の縁部に少なくとも設けられており、
前記金属層における前記搭載基板の前記縁部に設けられた部分は、外部に露出しており、
前記接続部材は、前記搭載基板の前記縁部を覆うように設けられ、前記金属層の前記部分と前記グランド部とを接続する導電性樹脂材である、請求項4に記載の光検出装置。
【請求項7】
前記金属層は、前記搭載基板の厚さ方向から見て、前記搭載基板において前記支持部材が設けられた領域と重なるように設けられている、請求項4~6のいずれか一項に記載の光検出装置。
【請求項8】
前記金属層は、前記搭載基板の厚さ方向から見て、前記光検出器と重ならないように設けられている、請求項4~7のいずれか一項に記載の光検出装置。
【請求項9】
前記金属層は、前記搭載基板の厚さ方向から見て、前記搭載基板において前記支持部材が設けられた領域と前記光検出器との間の任意の電流経路と重なるように設けられている、請求項8に記載の光検出装置。
【請求項10】
前記搭載基板は、前記主面としての第1面を有する絶縁層と、前記絶縁層の前記第1面と前記支持部材との間に設けられた金属層と、を有し、
前記主面に沿った領域は、前記金属層である、請求項3に記載の光検出装置。
【請求項11】
前記グランド部は、前記搭載基板の前記主面とは反対側の面が固定されるステムであり、
前記搭載基板は、前記主面としての第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有する第1層と、前記第1層の前記第2面側に設けられた第2層と、を有し、
前記接続部材は、前記第2層の前記第1層とは反対側の面と前記ステムとの間に配置され、前記第2層の前記第1層とは反対側の面と前記ステムとを電気的に接続しており、
前記第1層及び前記第2層を経由して前記支持部材から前記ステムへと向かう電流経路の電気抵抗は、前記第1層及び前記第2層の少なくとも一方を経由して前記支持部材から前記光検出器へと向かう電流経路の電気抵抗よりも小さく、
前記第2電流経路は、前記支持部材、前記第1層、前記第2層、及び前記接続部材を経由して前記ファブリペロー干渉フィルタから前記ステムへと至る経路である、請求項2に記載の光検出装置。
【請求項12】
前記接続部材は、前記支持部材と前記グランド部とを電気的に接続しており、
前記第2電流経路は、前記支持部材及び前記接続部材を経由して前記ファブリペロー干渉フィルタから前記グランド部へと至る経路である、請求項2に記載の光検出装置。
【請求項13】
前記支持部材と前記ファブリペロー干渉フィルタとの間に配置される金属膜を更に備え、
前記接続部材は、前記金属膜を介して前記支持部材と前記グランド部とを電気的に接続しており、
前記第2電流経路は、前記金属膜及び前記接続部材を経由して前記ファブリペロー干渉フィルタから前記グランド部へと至る経路である、請求項2に記載の光検出装置。
【請求項14】
主面を有する搭載基板と、
前記搭載基板の前記主面上に配置された光検出器と、
互いに対向する一対のミラー部間に空隙が形成されることで、前記一対のミラー部間の距離が静電気力によって変化するように構成されたファブリペロー干渉フィルタと、
前記搭載基板の前記主面上に設けられ、前記ファブリペロー干渉フィルタと前記光検出器とが離間するように前記ファブリペロー干渉フィルタを支持する支持部材と、
グランド電位に接続されたグランド部と、
前記ファブリペロー干渉フィルタから前記支持部材へと流れる電流成分を前記グランド部に逃がすように、前記支持部材又は前記搭載基板と前記グランド部とを電気的に接続する導電性の接続部材と、を備え、
前記ファブリペロー干渉フィルタと前記グランド部との間には、前記支持部材及び前記搭載基板を経由して前記ファブリペロー干渉フィルタから前記光検出器へと至る任意の第1電流経路よりも電気抵抗が小さい第2電流経路が形成されており、
前記グランド部は、前記搭載基板の前記主面とは反対側の面が固定されるステムであり、
前記搭載基板は、前記主面としての第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有する第1層と、前記第1層の前記第2面側に設けられた第2層と、を有し、
前記接続部材は、前記第2層の前記第1層とは反対側の面と前記ステムとの間に配置され、前記第2層の前記第1層とは反対側の面と前記ステムとを電気的に接続しており、
前記第1層及び前記第2層を経由して前記支持部材から前記ステムへと向かう電流経路の電気抵抗は、前記第1層及び前記第2層の少なくとも一方を経由して前記支持部材から前記光検出器へと向かう電流経路の電気抵抗よりも小さく、
前記第2電流経路は、前記支持部材、前記第1層、前記第2層、及び前記接続部材を経由して前記ファブリペロー干渉フィルタから前記ステムへと至る経路である、光検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファブリペロー干渉フィルタを備える光検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ファブリペロー干渉フィルタと当該ファブリペロー干渉フィルタを通過した光を受光する光検出器(受光部)とが一体的に形成された光学素子が開示されている。この光学素子では、可動反射膜に対向する導電性の固定反射膜が設けられている。これにより、ファブリペロー干渉フィルタに対して駆動電圧を印加した際の光検出器の検出信号におけるノイズ成分(クロストークノイズ)の発生が抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-87445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記光学素子のようにファブリペロー干渉フィルタと光検出器とを一体的に形成した構造では、ファブリペロー干渉フィルタと光検出器とが近接するため、クロストークノイズを十分に抑制することは困難である。一方、スペーサ等の支持部材を用いて、光検出器が搭載される搭載基板とファブリペロー干渉フィルタとを離間させることが考えられる。しかし、本発明者の知見によれば、このような構成を採用したとしても、ファブリペロー干渉フィルタから支持部材及び搭載基板を経由して光検出器へと流れる電流成分によって、光検出器の検出信号にクロストークノイズが混入するおそれがある。
【0005】
本発明の一側面は、光検出器の検出信号におけるクロストークノイズを効果的に抑制できる光検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る光検出装置は、主面を有する搭載基板と、搭載基板の主面上に配置された光検出器と、互いに対向する一対のミラー部間に空隙が形成されることで、一対のミラー部間の距離が静電気力によって変化するように構成されたファブリペロー干渉フィルタと、搭載基板の主面上に設けられ、ファブリペロー干渉フィルタと光検出器とが離間するようにファブリペロー干渉フィルタを支持する支持部材と、グランド電位に接続されたグランド部と、を備え、ファブリペロー干渉フィルタとグランド部との間には、支持部材及び搭載基板を経由してファブリペロー干渉フィルタから光検出器へと至る任意の第1電流経路よりも電気抵抗が小さい第2電流経路が形成されている。
【0007】
上記光検出装置では、ファブリペロー干渉フィルタと光検出器とが、支持部材によって離間させられている。これにより、ファブリペロー干渉フィルタと光検出器との距離を大きくすることができる。その結果、ファブリペロー干渉フィルタに印加される駆動電圧に起因する光検出器の検出信号におけるクロストークノイズが抑制される。さらに、上記光検出装置では、ファブリペロー干渉フィルタとグランド部(グランド電位)との間に、支持部材及び搭載基板を経由してファブリペロー干渉フィルタから光検出器へと至る任意の第1電流経路よりも電気抵抗が小さい第2電流経路が形成されている。そのため、ファブリペロー干渉フィルタから支持部材へと流れる電流成分は、光検出器よりもグランド部へと流れ易くなっている。これにより、ファブリペロー干渉フィルタから支持部材及び搭載基板を経由して光検出器へと流れる電流成分に起因するクロストークノイズが抑制される。以上により、上記光検出装置によれば、光検出器の検出信号におけるクロストークノイズを効果的に抑制できる。
【0008】
上記光検出装置は、ファブリペロー干渉フィルタから支持部材へと流れる電流成分をグランド部に逃がすように、支持部材又は搭載基板とグランド部とを電気的に接続する導電性の接続部材を更に備えてもよい。この構成によれば、ファブリペロー干渉フィルタから支持部材へと流れる電流成分を、導電性の接続部材を介してグランド部へと適切に逃がすことができる。
【0009】
接続部材は、搭載基板の主面に沿った領域とグランド部とを電気的に接続しており、第2電流経路は、支持部材、主面に沿った領域、及び接続部材を経由してファブリペロー干渉フィルタからグランド部へと至る経路であってもよい。この構成によれば、搭載基板を経由して光検出器へと流れようとする電流成分を、接続部材を介してグランド部へと適切に逃がすことができる。
【0010】
搭載基板は、主面としての第1面及び第1面とは反対側の第2面を有する絶縁層と、絶縁層の第2面側に設けられた金属層と、を有し、主面に沿った領域は、金属層であってもよい。この構成によれば、絶縁層によって光検出器と金属層との間の絶縁を確保しつつ、光検出器へと流れようとする電流成分を金属層を介してグランド部へと適切に逃がすことができる。
【0011】
絶縁層には、金属層の絶縁層側の面を露出させる開口部が形成されており、接続部材は、開口部を介して金属層に接続されると共にグランド部に接続されていてもよい。この構成によれば、例えばワイヤボンディングによって金属層とグランド部とを適切且つ容易に接続することができる。
【0012】
金属層は、搭載基板の厚さ方向から見た搭載基板の縁部に少なくとも設けられており、金属層における搭載基板の縁部に設けられた部分は、外部に露出しており、接続部材は、搭載基板の縁部を覆うように設けられ、金属層の部分とグランド部とを接続する導電性樹脂材であってもよい。この構成によれば、搭載基板の縁部を覆うように導電性樹脂材を設けることにより、金属層とグランド部とを適切且つ容易に接続することができる。
【0013】
金属層は、搭載基板の厚さ方向から見て、搭載基板において支持部材が設けられた領域と重なるように設けられていてもよい。この構成によれば、支持部材を経由してファブリペロー干渉フィルタから搭載基板へと流れ込む電流成分を、支持部材の直下の領域に設けられた金属層を経由させて好適にグランド部へと逃がすことができる。
【0014】
金属層は、搭載基板の厚さ方向から見て、光検出器と重ならないように設けられていてもよい。この構成では、金属層と光検出器とは、搭載基板の厚さ方向において互いに対向する部分を有さない。これにより、光検出器に対する寄生容量の影響を抑制できる。その結果、このような寄生容量に起因する光検出器の検出信号の応答速度の低下を抑制できる。
【0015】
金属層は、搭載基板の厚さ方向から見て、搭載基板において支持部材が設けられた領域と光検出器との間の任意の電流経路と重なるように設けられていてもよい。この構成では、搭載基板の厚さ方向から見て、搭載基板において支持部材が設けられた領域と光検出器との間の任意の電流経路を分断するように金属層が形成される。これにより、支持部材が設けられた領域から光検出器へと流れようとする電流成分を金属層によって適切に捕捉してグランド部へと逃がすことができる。
【0016】
搭載基板は、主面としての第1面を有する絶縁層と、絶縁層の第1面と支持部材との間に設けられた金属層と、を有し、主面に沿った領域は、金属層であってもよい。この構成によれば、支持部材を経由してファブリペロー干渉フィルタから搭載基板へと流れ込む電流成分を、支持部材の直下の領域に設けられた金属層から好適にグランド部へと逃がすことができる。
【0017】
グランド部は、搭載基板の主面とは反対側の面が固定されるステムであり、搭載基板は、主面としての第1面及び第1面とは反対側の第2面を有する第1層と、第1層の第2面側に設けられた第2層と、を有し、接続部材は、第2層の第1層とは反対側の面とステムとの間に配置され、第2層の第1層とは反対側の面とステムとを電気的に接続しており、第1層及び第2層を経由して支持部材からステムへと向かう電流経路の電気抵抗は、第1層及び第2層の少なくとも一方を経由して支持部材から光検出器へと向かう電流経路の電気抵抗よりも小さく、第2電流経路は、支持部材、第1層、第2層、及び接続部材を経由してファブリペロー干渉フィルタからステムへと至る経路であってもよい。この構成によれば、ファブリペロー干渉フィルタから支持部材を介して搭載基板に流れ込む電流成分を、搭載基板の内部(第1層及び第2層)を経由させることによってステム(グランド部)へと適切に逃がすことができる。
【0018】
接続部材は、支持部材とグランド部とを電気的に接続しており、第2電流経路は、支持部材及び接続部材を経由してファブリペロー干渉フィルタからグランド部へと至る経路であってもよい。この構成によれば、ファブリペロー干渉フィルタから支持部材へと流れる電流成分が搭載基板に到達する前に、当該電流成分を支持部材からグランド部へと好適に逃がすことができる。
【0019】
上記光検出装置は、支持部材とファブリペロー干渉フィルタとの間に配置される金属膜を更に備え、接続部材は、金属膜を介して支持部材とグランド部とを電気的に接続しており、第2電流経路は、金属膜及び接続部材を経由してファブリペロー干渉フィルタからグランド部へと至る経路であってもよい。この構成によれば、ファブリペロー干渉フィルタから支持部材へと向かう電流成分が支持部材に到達する前に、当該電流成分を金属膜からグランド部へと好適に逃がすことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一側面によれば、光検出器の検出信号におけるクロストークノイズを効果的に抑制できる光検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態に係る分光センサの平面図である。
図2図1のII-II線に沿った断面図である。
図3】第1実施形態に係る分光センサの一部の分解斜視図である。
図4図3のIV-IV線に沿ったファブリペロー干渉フィルタの断面図である。
図5】比較例に係る分光センサにおける配線基板の構造及び各部品間の電気的接続構成を示す模式図である。
図6】比較例に係る分光センサの等価回路を示す図である。
図7】比較例に係る分光センサにおけるクロストークノイズを示す図である。
図8】第1実施形態に係る分光センサにおける配線基板の構造及び各部品間の電気的接続構成を示す模式図である。
図9】金属層の変形例を示す図である。
図10】金属層の変形例を示す図である。
図11】第2実施形態に係る分光センサの平面図である。
図12】第2実施形態に係る分光センサにおける配線基板の構造及び各部品間の電気的接続構成を示す模式図である。
図13】金属層の変形例を示す図である。
図14】金属層の変形例を示す図である。
図15】第3実施形態に係る分光センサにおける配線基板の構造及び各部品間の電気的接続構成を示す模式図である。
図16】第3実施形態に係る分光センサの配線基板の平面図である。
図17】第4実施形態に係る分光センサの平面図である。
図18】第4実施形態に係る分光センサにおける配線基板の構造及び各部品間の電気的接続構成を示す模式図である。
図19】第5実施形態に係る分光センサの平面図である。
図20】第5実施形態に係る分光センサにおける配線基板の構造及び各部品間の電気的接続構成を示す模式図である。
図21】第6実施形態に係る分光センサにおける配線基板の構造及び各部品間の電気的接続構成を示す模式図である。
図22】第6実施形態に係る分光センサの等価回路を示す図である。
図23】実施例(第6実施形態)及び比較例におけるクロストークノイズの測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
【0023】
[第1実施形態]
[分光センサの構成]
図1は、分光センサ1A(光検出装置)の平面図である。図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。図3は、分光センサ1Aの一部の分解斜視図である。なお、図1では、後述するキャップ22、光透過部材23、及びバンドパスフィルタ7の図示が省略されている。図1及び図2に示されるように、分光センサ1Aは、パッケージ2を備えている。パッケージ2は、配線基板3(搭載基板)、光検出器4、サーミスタ等の温度補償用素子5、複数(ここでは2つ)のスペーサ6(支持部材)、バンドパスフィルタ7、及びファブリペロー干渉フィルタ10を収容するCANパッケージである。パッケージ2は、ステム21(グランド部)及びキャップ22を有している。キャップ22は、一体的に形成された側壁221及び天壁222を有している。ステム21及びキャップ22は、金属材料によって形成されており、互いに気密に接合されている。パッケージ2において、側壁221は、所定のラインLを中心線とする円筒状に形成されている。天壁222は、ラインLを中心線とする円板状に形成されている。ステム21及び天壁222は、ラインLに平行な方向D1において互いに対向しており、側壁221の両端をそれぞれ塞いでいる。分光センサ1Aにおいて、ステム21は、グランド電位に接続されている。なお、グランド電位は、任意に定められた基準電位を意味しており、0Vに限られない。
【0024】
ステム21の内面21aには、配線基板3が固定されている。配線基板3の主面3aには、光検出器4と、温度補償用素子5と、が実装(配置)されている。主面3aは、天壁222及びファブリペロー干渉フィルタ10と対向する面である。図3に示されるように、配線基板3の主面3a上には、光検出器4が実装される配線層31と、温度補償用素子5が実装される配線層32と、中継用の電極パッド33,34と、が設けられている。配線層31は、光検出器4が配置される実装部31aと、電極パッド31bと、実装部31a及び電極パッド31bを電気的に接続する配線部31cと、を有している。配線層32は、温度補償用素子5が配置される実装部32aと、電極パッド32bと、実装部32a及び電極パッド32bを電気的に接続する配線部32cと、を有している。本実施形態では一例として、配線層31、配線層32、電極パッド33、及び電極パッド34は、Cr-Pt-Auからなる積層膜によって形成されている。ただし、配線層31、配線層32、電極パッド33、及び電極パッド34は、上記以外の材料によって形成されてもよく、例えば、Al、Au等の単層膜、或いはTi-Pt-Au、Ti-Ni-Au、Cr-Au等の積層膜によって形成されてもよい。
【0025】
光検出器4は、ラインL上に配置されている。より具体的には、光検出器4は、その受光部4aの中心線がラインLに一致するように配置されている。光検出器4は、例えば、赤外線検出器であって、InGaAs等が用いられた量子型センサ、又は、サーモパイル若しくはボロメータ等が用いられた熱型センサである。紫外(UV)、可視、近赤外の各波長域の光を検出する場合には、光検出器4として、例えば、シリコンフォトダイオード等が用いられ得る。なお、光検出器4は、1つの受光部4aを有していてもよいし、アレイ状の複数の受光部4aを有していてもよい。また、複数の光検出器4が配線基板3に実装されてもよい。
【0026】
複数のスペーサ6は、配線基板3の主面3a上に固定されている。ファブリペロー干渉フィルタ10は、複数のスペーサ6上に固定されている。すなわち、複数のスペーサ6は、配線基板3の主面3a上において、ファブリペロー干渉フィルタ10を支持している。このようなスペーサ6によって、ファブリペロー干渉フィルタ10と配線基板3の主面3aとの間に空間が形成され、ファブリペロー干渉フィルタ10と光検出器4とが互いに離間している。各スペーサ6の材料としては、例えば、シリコン、セラミック、石英、ガラス、プラスチック等が用いられ得る。複数のスペーサ6上には、ファブリペロー干渉フィルタ10が、例えば接着剤によって固定されている。スペーサ6とファブリペロー干渉フィルタ10とを接着する接着剤としては、例えば、可撓性を有する樹脂材料(例えば、シリコーン系、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、ハイブリッド等の樹脂材料)が用いられ得る。ファブリペロー干渉フィルタ10は、ラインL上に配置されている。より具体的には、ファブリペロー干渉フィルタ10は、その光透過領域10aの中心線がラインLに一致するように配置されている。なお、スペーサ6は、配線基板3と一体的に形成されていてもよい。また、ファブリペロー干渉フィルタ10は、複数のスペーサ6によってではなく、1つのスペーサ6によって支持されていてもよい。
【0027】
ステム21には、複数のリードピン8,8Aが固定されている。より具体的には、各リードピン8は、ステム21との間の電気的な絶縁性及び気密性が維持された状態で、ステム21を貫通している。各リードピン8には、配線基板3に設けられた電極パッド31b、電極パッド32b、電極パッド33、電極パッド34、及びファブリペロー干渉フィルタ10の端子(第1端子12、第2端子13)のそれぞれが、ワイヤ9によって電気的に接続されている。電極パッド33と光検出器4の端子とは、ワイヤ9によって電気的に接続されている。すなわち、リードピン8と光検出器4とは、中継用の電極パッド33を介して2本のワイヤ9によって接続されている。この場合、光検出器4とリードピン8との間の距離が長い場合でも、不要な箇所でのショートを防止することができ、分光センサ1Aの歩留りを向上させることができる。ただし、電極パッド33は省略されてもよく、リードピン8と光検出器4とは、電極パッド33を介さずに1本のワイヤ9によって接続されてもよい。同様に、電極パッド34と温度補償用素子5の端子とは、ワイヤ9によって電気的に接続されている。すなわち、リードピン8と温度補償用素子5とは、中継用の電極パッド34を介して2本のワイヤ9によって接続されている。この場合、温度補償用素子5とリードピン8との間の距離が長い場合でも、不要な箇所でのショートを防止することができ、分光センサ1Aの歩留りを向上させることができる。ただし、電極パッド34は省略されてもよく、リードピン8と温度補償用素子5とは、電極パッド34を介さずに1本のワイヤ9によって接続されてもよい。上記の接続構成により、光検出器4、温度補償用素子5、及びファブリペロー干渉フィルタ10のそれぞれに対する電気信号の入出力等が行われる。また、本実施形態では一例として、グランド電位に接続された2本のリードピン8Aが、ワイヤ9によってステム21に接続されている。これにより、ステム21は、グランド電位に接続されている。
【0028】
パッケージ2には、開口2aが形成されている。開口2aは、その中心線がラインLに一致するようにキャップ22の天壁222に形成されている。方向D1から見た場合に、開口2aの形状は、円形状である。天壁222の内面222aには、開口2aを塞ぐように光透過部材23が配置されている。光透過部材23は、天壁222の内面222aに気密接合されている。光透過部材23は、方向D1において互いに対向する光入射面23a及び光出射面(内面)23bと、側面23cと、を有している。光透過部材23の光入射面23aは、開口2aにおいて天壁222の外面と略面一となっている。光透過部材23の側面23cは、パッケージ2の側壁221の内面221aに接触している。つまり、光透過部材23は、開口2a内及び側壁221の内面221aに至っている。このような光透過部材23は、例えば、開口2aを下側にした状態でキャップ22の内側にガラスペレットを配置し、そのガラスペレットを溶融させることで形成される。つまり、光透過部材23は、融着ガラスによって形成され得る。
【0029】
光透過部材23の光出射面23bには、接着部材等によって、バンドパスフィルタ7が固定されている。バンドパスフィルタ7は、光透過部材23を透過した光のうち、分光センサ1Aの測定波長範囲の光(所定の波長範囲の光であって、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aに入射させるべき光)を選択的に透過させる(すなわち、上記所定の波長範囲の光のみを透過させる)。バンドパスフィルタ7の形状は、四角形板状である。バンドパスフィルタ7は、例えば、光透過性材料(例えば、シリコン、ガラス等)によって四角形板状に形成された光透過部材の表面に、誘電体多層膜(例えば、TiO2、Ta2O5等の高屈折材料とSiO2、MgF2等の低屈折材料との組合せからなる多層膜)が形成されたものである。
【0030】
以上のように構成された分光センサ1Aでは、光透過部材23を介して外部からバンドパスフィルタ7に光が入射すると、所定の波長範囲の光がバンドパスフィルタ7を透過する。バンドパスフィルタ7を透過した光がファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aに入射すると、所定の波長範囲の光のうち所定の波長の光が選択的に透過させられる。ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aを透過した光は、光検出器4の受光部4aに入射して、光検出器4によって検出される。すなわち、光検出器4は、ファブリペロー干渉フィルタ10を透過した光を電気信号に変換して出力する。例えば、光検出器4は、受光部4aに入射される光の強度に応じた大きさの電気信号(検出信号)を出力する。
【0031】
[ファブリペロー干渉フィルタの構成]
図3及び図4に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10では、第1ミラー部55と第2ミラー部56との間(一対のミラー部間)の距離に応じた光を透過させる光透過領域10aがラインL上に設けられている。光透過領域10aは、例えば円柱状の領域である。光透過領域10aにおいては、第1ミラー部55と第2ミラー部56との距離が極めて精度良く制御される。つまり、光透過領域10aは、ファブリペロー干渉フィルタ10のうち、所定の波長を有する光を選択的に透過させるために第1ミラー部55と第2ミラー部56との距離を所定の距離に制御することが可能な領域であって、第1ミラー部55と第2ミラー部56との距離に応じた所定の波長を有する光が透過可能な領域である。
【0032】
ファブリペロー干渉フィルタ10は、矩形板状の基板41を備えている。基板41は、ラインLに平行な方向D1において互いに対向する第1表面41a及び第2表面41bを有している。第1表面41aは、光入射側の表面である。第2表面41bは、光検出器4側(すなわち、光出射側)の表面である。第1表面41aには、第1層構造体50が配置されている。第2表面41bには、第2層構造体60が配置されている。
【0033】
第1層構造体50は、第1反射防止層51、第1積層体52、第1中間層53及び第2積層体54がこの順で第1表面41aに積層されることで、構成されている。第1積層体52と第2積層体54との間には、枠状の第1中間層53によって空隙(エアギャップ)Sが形成されている。基板41は、例えば、シリコン、石英、ガラス等からなる。基板41がシリコンからなる場合には、第1反射防止層51及び第1中間層53は、例えば、酸化シリコンからなる。第1中間層53の厚さは、例えば、数十nm~数十μmである。
【0034】
第1積層体52のうち光透過領域10aに対応する部分は、第1ミラー部55として機能する。第1積層体52は、複数のポリシリコン層と複数の窒化シリコン層とが一層ずつ交互に積層されることで、構成されている。第1ミラー部55を構成するポリシリコン層及び窒化シリコン層のそれぞれの光学厚さは、中心透過波長の1/4の整数倍であることが好ましい。なお、第1ミラー部55は、第1反射防止層51を介することなく、第1表面41aに直接的に配置されていてもよい。
【0035】
第2積層体54のうち光透過領域10aに対応する部分は、第2ミラー部56として機能する。第2ミラー部56は、方向D1において、空隙Sを介して第1ミラー部55と対向している。第2積層体54は、複数のポリシリコン層と複数の窒化シリコン層とが一層ずつ交互に積層されることで、構成されている。第2ミラー部56を構成するポリシリコン層及び窒化シリコン層のそれぞれの光学厚さは、中心透過波長の1/4の整数倍であることが好ましい。
【0036】
第1積層体52及び第2積層体54では、窒化シリコン層の代わりに酸化シリコン層が配置されていてもよい。また、第1積層体52及び第2積層体54を構成する各層の材料としては、上述した材料の他に、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、フッ化マグネシウム、酸化アルミニウム、フッ化カルシウム、シリコン、ゲルマニウム、硫化亜鉛等を用いることができる。
【0037】
第2積層体54において空隙Sに対応する部分には、第2積層体54における第1中間層53とは反対側の表面54aから空隙Sに至る複数の貫通孔54bが形成されている。複数の貫通孔54bは、第2ミラー部56の機能に実質的に影響を与えない程度に形成されている。複数の貫通孔54bは、エッチングによって第1中間層53の一部を除去して空隙Sを形成するために用いられたものである。
【0038】
第1ミラー部55には、光透過領域10aを囲むように第1電極42が形成されている。第1ミラー部55には、光透過領域10aを含むように第2電極43が形成されている。すなわち、第1ミラー部55は、第1電極42及び第2電極43を含んでいる。第1電極42及び第2電極43は、第1積層体52のうち空隙Sに最も近いポリシリコン層に不純物をドープして低抵抗化することで、形成されている。第2ミラー部56には、第3電極44が形成されている。すなわち、第2ミラー部56は、第3電極44を含んでいる。第3電極44は、ラインLに平行な方向において、空隙Sを介して第1電極42及び第2電極43と対向している。第3電極44は、第2積層体54のうち空隙Sに最も近いポリシリコン層に不純物をドープして低抵抗化することで、形成されている。なお、第2電極43の大きさは、光透過領域10aの全体を含む大きさであることが好ましいが、光透過領域10aの大きさと略同一であってもよい。
【0039】
第1層構造体50には、一対の第1端子12及び一対の第2端子13が設けられている。一対の第1端子12は、光透過領域10aを挟んで互いに対向している。各第1端子12は、第2積層体54の表面54aから第1積層体52に至る貫通孔内に配置されている。各第1端子12は、配線42aを介して第1電極42と電気的に接続されている。一対の第2端子13は、一対の第1端子12が互いに対向する方向に垂直な方向において、光透過領域10aを挟んで互いに対向している。各第2端子13は、第2積層体54の表面54aから第1中間層53の内部に至る貫通孔内に配置されている。各第2端子13は、配線43aを介して第2電極43と電気的に接続されていると共に、配線44aを介して第3電極44と電気的に接続されている。
【0040】
第1積層体52における第1中間層53側の表面52aには、トレンチ47,48が設けられている。トレンチ47は、配線43aにおける第2端子13との接続部分を囲むように環状に延在している。トレンチ47は、第1電極42と配線43aとを電気的に絶縁している。トレンチ48は、第1電極42の内縁に沿って環状に延在している。トレンチ48は、第1電極42と第1電極42の内側の領域(すなわち、第2電極43が存在する領域)とを電気的に絶縁している。第2積層体54の表面54aには、トレンチ49が設けられている。トレンチ49は、第1端子12を囲むように環状に延在している。トレンチ49は、第1端子12と第3電極44とを電気的に絶縁している。各トレンチ47,48,49内の領域は、絶縁材料であっても、空隙であってもよい。
【0041】
第2層構造体60は、第2反射防止層61、第3積層体62、第2中間層63及び第4積層体64がこの順で第2表面41bに積層されることで、構成されている。第2反射防止層61、第3積層体62、第2中間層63及び第4積層体64は、それぞれ、第1反射防止層51、第1積層体52、第1中間層53及び第2積層体54と同様の構成を有している。このように、第2層構造体60は、基板41を基準として第1層構造体50と対称の積層構造を有している。つまり、第2層構造体60は、第1層構造体50と対応するように構成されている。第2層構造体60は、基板41の反り等を抑制する機能を有している。
【0042】
第3積層体62、第2中間層63及び第4積層体64には、光透過領域10aを含むように開口60aが形成されている。開口60aの中心線は、ラインLに一致している。開口60aは、例えば円柱状の領域であり、光透過領域10aと略同一の径を有している。開口60aは、光出射側に開口しており、開口60aの底面は、第2反射防止層61に至っている。開口60aは、第1ミラー部55及び第2ミラー部56を透過した光を通過させる。
【0043】
第4積層体64の光出射側の表面には、遮光層65が形成されている。遮光層65は、例えばアルミニウム等からなる。遮光層65の表面及び開口60aの内面には、保護層66が形成されている。保護層66は、例えば酸化アルミニウムからなる。なお、保護層66の厚さを1~100nm(好ましくは、30nm程度)にすることで、保護層66による光学的な影響を無視することができる。
【0044】
以上のように構成されたファブリペロー干渉フィルタ10は、空隙Sを介して互いに対向する一対の第1ミラー部55,第2ミラー部56を有し、一対のミラー部(第1ミラー部55及び第2ミラー部56)間に生じる電位差に応じて一対のミラー部間の距離が変化する。すなわち、ファブリペロー干渉フィルタ10においては、第1端子12及び第2端子13を介して第1電極42と第3電極44とに電圧(駆動電圧)が印加される。当該電圧によって第1電極42と第3電極44との間に電位差が生じ、当該電位差に応じた静電気力が第1電極42と第3電極44との間に発生する。当該静電気力によって、第2ミラー部56が、基板41に固定された第1ミラー部55側に引き付けられ、第1ミラー部55と第2ミラー部56との距離が調整される。このように、ファブリペロー干渉フィルタ10では、第1ミラー部55と第2ミラー部56との距離が可変とされている。
【0045】
ファブリペロー干渉フィルタ10を透過する光の波長は、光透過領域10aにおける第1ミラー部55と第2ミラー部56との距離に依存する。従って、第1電極42と第3電極44とに印加する電圧を調整することで、透過する光の波長を適宜選択することができる。第1電極42と第3電極44との間の電位差が大きいほど、第1ミラー部55と第2ミラー部56との距離が小さくなり、ファブリペロー干渉フィルタ10を透過する光の波長は短くなる。第2電極43は、第3電極44と同電位である。従って、第2電極43は、光透過領域10aにおいて第1ミラー部55及び第2ミラー部56を平坦に保つための補償電極として機能する。
【0046】
光検出装置1では、例えば、ファブリペロー干渉フィルタ10に印加する電圧を変化させながら(すなわち、ファブリペロー干渉フィルタ10において第1ミラー部55と第2ミラー部56との距離を変化させながら)、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aを透過した光の強度を光検出器4において検出することで、分光スペクトルを得ることができる。
【0047】
[配線基板の構造及び各部品間の電気的接続構成]
分光センサ1Aでは、ファブリペロー干渉フィルタ10に印加される駆動電圧に起因する光検出器4の検出信号におけるクロストークノイズの発生を抑制するための構造を有している。具体的には、分光センサ1Aでは、ファブリペロー干渉フィルタ10とステム21(グランド電位)との間に、スペーサ6及び配線基板3を経由してファブリペロー干渉フィルタ10から光検出器4へと至る任意の電流経路(第1電流経路)よりも電気抵抗が小さい電流経路(第2電流経路)が形成されている。これにより、ファブリペロー干渉フィルタ10に駆動電圧が印加された際に、ファブリペロー干渉フィルタ10からスペーサ6を経由して配線基板3に流入しようとする電流成分の大部分は、第2電流経路に流れることになる。その結果、第1電流経路を介して光検出器4へと至る電流量を小さくでき、検出信号におけるクロストークノイズを抑制することができる。
【0048】
分光センサ1Aの具体的な構造について説明する前に、まず、比較例に係る分光センサ100の構造を説明すると共に、分光センサ100において上述したクロストークノイズが発生するメカニズムについて説明する。
【0049】
図5は、比較例に係る分光センサ100における配線基板110の構造及び各部品間の電気的接続構成を示す模式図である。配線基板110は、ステム21側から順に、第1絶縁層111、シリコン層112、第2絶縁層113、及びパッシベーション膜114が積層された構造を有している。第1絶縁層111及び第2絶縁層113のそれぞれは、シリコン層112の表面を加熱することによって形成されたシリコン熱酸化膜であり、その厚さは例えば1μm程度である。第1絶縁層111は、非導電性樹脂からなる接着層115を介してステム21の内面21aに固定されている。第2絶縁層113のシリコン層112とは反対側の表面113aには、上述した配線層31,32が設けられている。配線層31,32の厚さは、例えば0.5μm程度である。また、第2絶縁層113の表面113a上には、表面113a、光検出器4の側面、及び温度補償用素子5の側面を覆うように、パッシベーション膜114が成膜されている。パッシベーション膜114の厚さは、例えば10μm程度である。
【0050】
図6は、分光センサ100の等価回路を示す図である。図6において、電気抵抗Raは、配線基板110の厚さ方向(方向D1)に直交する方向(方向D2)に沿った第1絶縁層111又は第2絶縁層113内の電流経路(配線基板110とスペーサ6とが接する部分P1から配線基板110(配線層31)と光検出器4とが接する部分P2までの長さを有する電流経路)の電気抵抗である。電気抵抗Rbは、方向D1に沿って第1絶縁層111又は第2絶縁層113を横断する電流経路の電気抵抗である。電気抵抗Rcは、方向D1に沿ったシリコン層112内の電流経路(部分P1から部分P2までの長さを有する電流経路)の電気抵抗である。電気抵抗Rdは、方向D1に沿ってシリコン層112を横断する電流経路の電気抵抗である。電気抵抗Reは、方向D1に沿って接着層115を横切る電流経路の電気抵抗である。ここで、各部材(第1絶縁層111、シリコン層112、第2絶縁層113、及び接着層115)の電気抵抗は、各部材の材料の電気抵抗率に「各部材の長さ÷各部材の断面積」を乗じた値である。また、各部材の厚さ(方向D1における長さ)は、方向D2に沿った部分P1から部分P2までの長さよりも十分に小さい。また、各部材の方向D1に沿った断面積は、各部材の方向D2に沿った断面積よりも十分に小さい。これにより、「Ra>>Rb」及び「Rc>>Rd」が成立する。また、接着層115は、非導電性であるため、「Re>>Rc」が成立する。また、シリコン熱酸化膜(第1絶縁層111,第2絶縁層113)の抵抗率は、シリコン(シリコン層112)の抵抗率よりも十分に大きいため、「Rb>>Rc」が成立する。ここで、「A>>B」は、AがBと比べて十分に(非常に)大きいことを意味する。
【0051】
ファブリペロー干渉フィルタ10に印加される駆動電圧は高電圧であるため、ファブリペロー干渉フィルタ10に上述した駆動電圧が印加されると、ファブリペロー干渉フィルタ10からスペーサ6を経由して配線基板110に流入する電流成分が生じる。また、上述したように、電気抵抗Ra~Reについて「Ra>>Rb>>Rc>>Rd」及び「Re>>Rc」の関係が成立するため、上記電流成分の大部分は、図6に示される矢印の方向に沿った電流経路(すなわち、最も電気抵抗が小さい電流経路)に流れることになる。すなわち、上記電流成分の大部分は、部分P1から、方向D1に沿って第2絶縁層113内を移動してシリコン層112に至り、続いて方向D2に沿ってシリコン層112内を移動し、続いて方向D1に沿って第2絶縁層113内を移動して光検出器4(配線層31)へと流れることになる。
【0052】
図7は、比較例に係る分光センサ100において観測されたクロストークノイズを示す図である。本発明者は、以下のようにしてクロストークノイズを観測した。すなわち、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aに対して所定の波長λ1の光を入射し続けている状態で、ある時点t1において、第1電極42と第3電極44とに印加される駆動電圧を、電圧V0(=0V)から波長λ1の光を透過可能な電圧Vλ1に変更した。その結果、駆動電圧が電圧V0から電圧Vλ1に変更された直後に、パルス状のクロストークノイズNが発生することが確認された。このようなクロストークノイズNは、瞬間的なものではあるが、分光センサ100の使用方法(測定方法)によっては問題となる場合がある。
【0053】
次に、図8を参照して、分光センサ1Aにおける配線基板3の構造及び各部品間の電気的接続構成について説明する。配線基板3は、ステム21側から順に、第1絶縁層71、シリコン層72、第2絶縁層73、金属層74、第3絶縁層75(絶縁層)、及びパッシベーション膜76が積層された構造を有している。第1絶縁層71、シリコン層72、及び第2絶縁層73は、分光センサ100における第1絶縁層111、シリコン層112、及び第2絶縁層113と同様である。従って、配線基板3は、第2絶縁層73と配線層31,32との間に金属層74及び第3絶縁層75が設けられている点で、分光センサ100における配線基板110と主に異なっている。
【0054】
第1絶縁層71及び第2絶縁層73のそれぞれは、シリコン層72の表面を加熱することによって形成されたシリコン熱酸化膜であり、その厚さは例えば1μm程度である。第1絶縁層71は、非導電性樹脂からなる接着層(接着層115と同様の接着層)を介してステム21の内面21aに固定されている。第2絶縁層73のシリコン層72とは反対側の表面73aには、金属層74が設けられている。本実施形態では一例として、金属層74は、第2絶縁層73の表面73aの全面に設けられている。また、金属層74は、Alからなる単層膜によって形成されている。ただし、金属層74は、上記以外の材料によって形成されてもよく、例えば、Al以外の金属材料(例えばAu等)の単層膜、或いはTi-Pt-Au、Ti-Ni-Au、Cr-Au等の積層膜によって形成されてもよい。金属層74の厚さは、例えば1μm程度である。
【0055】
第3絶縁層75は、配線基板3の主面3aとしての第1面75aと、第1面75aとは反対側の第2面75bと、を有している。第3絶縁層75は、例えばTEOS、SiN、SiO2、BPSG、SOG膜(ガラス)、ポリイミド、絶縁樹脂等の材料によって形成されている。第3絶縁層75の厚さは、例えば1μm程度である。上述した配線層31,32及び電極パッド33,34は、第3絶縁層75の第1面75a側に設けられている。一方、金属層74は、第3絶縁層75の第2面75b側に設けられている。すなわち、配線層31,32及び電極パッド33,34と金属層74とは、第3絶縁層75によって絶縁されている。これにより、光検出器4と金属層74とは、互いに絶縁されている。第3絶縁層75の第1面75a上には、第1面75a、光検出器4の側面、及び温度補償用素子5の側面を覆うように、パッシベーション膜76が成膜されている。パッシベーション膜76の厚さは、例えば10μm程度である。
【0056】
第3絶縁層75には、金属層74の第3絶縁層75側の面74aを露出させる開口部75cが形成されている。パッシベーション膜76にも、開口部75cと連通する開口部76aが形成されている。これにより、配線基板3の少なくとも一部の領域において、金属層74の面74aの一部が外部に露出している。さらに、図1図2及び図8に示されるように、ワイヤ91(接続部材)によって、当該金属層74の面74aの一部とステム21の内面21aとが電気的に接続されている。本実施形態では、開口部75c及び開口部76aの内側に、金属層74の面74aの一部と電気的に接続されたボンディングパッド91a(接続部材)が設けられている。そして、ワイヤ91の一端は、当該ボンディングパッド91aに接続されている。一方、ワイヤ91の他端は、ステム21の内面21aに接続されている。なお、本実施形態では一例として、配線基板3上の2箇所において、金属層74とステム21とがワイヤ91及びボンディングパッド91aを介して電気的に接続されている。具体的には、方向D1から見て、複数のスペーサ6の各々に隣接する各位置(矩形状の配線基板3の2隅)に、開口部75c及び開口部76aが設けられると共にボンディングパッド91aが設けられている。そして、各ボンディングパッド91aは、ワイヤ91を介して、各ボンディングパッド91aに近接するステム21の内面21aと電気的に接続されている。これにより、ファブリペロー干渉フィルタ10から各スペーサ6を経由して配線基板3へと流れる電流成分を適切にステム21へと逃がすことができる。なお、ワイヤ91及びボンディングパッド91aによって金属層74とステム21とが接続される箇所は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0057】
[作用効果]
以上説明した分光センサ1Aでは、ファブリペロー干渉フィルタ10と光検出器4とが、スペーサ6によって離間させられている。これにより、ファブリペロー干渉フィルタ10と光検出器4との距離を大きくすることができる。その結果、ファブリペロー干渉フィルタ10に印加される駆動電圧に起因する光検出器4の検出信号におけるクロストークノイズが抑制される。さらに、分光センサ1Aでは、ファブリペロー干渉フィルタ10とステム21(グランド電位)との間に、スペーサ6及び配線基板3を経由してファブリペロー干渉フィルタ10から光検出器4へと至る任意の電流経路よりも電気抵抗が小さい電流経路(第2電流経路)が形成されている。本実施形態では、スペーサ6、第3絶縁層75、金属層74、ボンディングパッド91a、及びワイヤ91を経由してファブリペロー干渉フィルタ10からステム21へと至る電流経路が、上記第2電流経路に相当する。そのため、ファブリペロー干渉フィルタ10からスペーサ6へと流れる電流成分は、光検出器4よりもステム21へと流れ易くなっている。これにより、ファブリペロー干渉フィルタ10からスペーサ6及び配線基板3を経由して光検出器4へと流れる電流成分に起因するクロストークノイズが抑制される。以上により、分光センサ1Aによれば、光検出器4の検出信号におけるクロストークノイズを効果的に抑制できる。
【0058】
また、分光センサ1Aは、ファブリペロー干渉フィルタ10からスペーサ6へと流れる電流成分をステム21に逃がすように、配線基板3とステム21とを電気的に接続する導電性の接続部材(本実施形態では、ワイヤ91及びボンディングパッド91a)を備えている。この構成によれば、ファブリペロー干渉フィルタ10からスペーサ6へと流れる電流成分を、導電性の接続部材を介してステム21へと適切に逃がすことができる。より具体的には、接続部材(ワイヤ91及びボンディングパッド91a)は,配線基板3の主面3aに沿った領域(本実施形態では、金属層74)とステム21とを電気的に接続している。そして、第2電流経路は、スペーサ6、主面3aに沿った領域(金属層74)、及び接続部材(ワイヤ91及びボンディングパッド91a)を経由してファブリペロー干渉フィルタ10からステム21へと至る経路である。この構成によれば、配線基板3を経由して光検出器4へと流れようとする電流成分を、接続部材(ワイヤ91及びボンディングパッド91a)を介してステム21へと適切に逃がすことができる。
【0059】
また、配線基板3は、主面3aとしての第1面75a及び第1面75aとは反対側の第2面75bを有する第3絶縁層75と、第3絶縁層75の第1面75a側に設けられ、光検出器4が実装される配線層31と、第3絶縁層75の第2面75b側に設けられた金属層74と、を有している。この構成によれば、第3絶縁層75によって光検出器4と金属層74との間の絶縁を確保しつつ、光検出器4へと流れようとする電流成分を金属層74を介してステム21へと適切に逃がすことができる。
【0060】
また、第3絶縁層75には、金属層74の面74aを露出させる開口部75cが形成されている。接続部材(ワイヤ91及びボンディングパッド91a)は、開口部75cを介して金属層74に接続されると共にステム21に接続されている。この構成によれば、ワイヤボンディングによって金属層74とステム21とを適切且つ容易に接続することができる。なお、本実施形態のように、開口部75c(すなわち、ボンディングパッド91a)をなるべく配線基板3の外縁部(方向D1から見た配線基板3の縁部)の近くに設けることにより、ボンディングパッド91aとステム21とを接続するワイヤ91の長さを短くできると共に、ワイヤ91と他のワイヤ9との干渉を回避し易くなる。
【0061】
[変形例]
上記第1実施形態では、金属層74は第2絶縁層73の表面73aの全面に設けられたが、第2絶縁層73の表面73aの一部にのみ設けられる金属層が採用されてもよい。例えば、図9及び図10に示されるように、金属層74の代わりに、金属層74A~74Dが設けられてもよい。なお、この場合、金属層74A~74Dが設けられない部分においては、第2絶縁層73上に第3絶縁層75が直接設けられることになる。
【0062】
図9の(A)に示される2つの金属層74Aは、方向D1から見て、配線基板3においてスペーサ6が設けられた領域(換言すれば、スペーサ6と配線基板3とが接着樹脂等を介して互いに接触する領域)と重なるように設けられている。一例として、金属層74Aは、スペーサ6毎に設けられている。具体的には、各金属層74Aは、方向D1から見て、スペーサ6が設けられた領域を含む矩形状の領域に設けられている。各金属層74Aにおいて、スペーサ6と重ならない部分に、上述した開口部75c及び開口部76a(図8参照)が設けられると共に、金属層74Aと接続されるボンディングパッド91aが設けられている。この構成によれば、スペーサ6を経由してファブリペロー干渉フィルタ10から配線基板3へと流れ込む電流成分を、スペーサ6の直下の領域に設けられた金属層74Aを経由させて好適にステム21へと逃がすことができる。より具体的には、スペーサ6の底面から配線基板3へと流れ込む電流成分を、スペーサ6の直下の領域に設けられた金属層74Aによって確実に捕捉することができる。その結果、上記電流成分をステム21へと好適に誘導することができる。
【0063】
図9の(B)に示される金属層74Bは、方向D1から見て、スペーサ6が設けられた領域と光検出器4との間の任意の電流経路(本実施形態は、スペーサ6が設けられた領域と配線層31との間の任意の電流経路)と重なるように設けられている。すなわち、金属層74Bは、方向D1から見て、スペーサ6が設けられた領域と光検出器4との間の任意の電流経路を分断する部分を有するように形成されている。一例として、金属層74Bは、方向D1から見て、各スペーサ6に対して配線層31を含む領域を覆い隠すように形成されている。これにより、スペーサ6が設けられた領域から光検出器4へと流れようとする電流成分を金属層74Bによって適切に捕捉してステム21へと逃がすことができる。なお、ここでは一例として、上述した開口部75c及び開口部76a(図8参照)を介して金属層74Bと接続されるボンディングパッド91aは、金属層74Bの両端に対応する2箇所に設けられている。
【0064】
図10の(A)に示される金属層74Cは、配線層31を含む矩形状の領域(ここでは、配線層31及び電極パッド33を含む領域)以外の領域に設けられている。また、金属層74Cとスペーサ6とが重ならない領域(ここでは一例として2箇所)に、上述した開口部75c及び開口部76a(図8参照)が設けられると共に、金属層74Cと接続されるボンディングパッド91aが設けられている。金属層74Cは、金属層74Aと同様に、方向D1から見て、配線基板3においてスペーサ6が設けられた領域と重なる部分を有している。また、金属層74Cは、金属層74Bと同様に、方向D1から見て、スペーサ6が設けられた領域から光検出器4へと向かう任意の電流経路を分断する部分を有している。従って、金属層74Cによれば、上述した金属層74A及び金属層74Bの両方の効果が奏される。
【0065】
図10の(B)に示される2つの金属層74Dは、方向D1から見て、各スペーサ6が設けられた領域と光検出器4との間の任意の電流経路を分断するように、各スペーサ6の延在方向(スペーサ6同士が対向する方向に直交する方向)に沿って設けられている。上述した開口部75c及び開口部76a(図8参照)並びに金属層74Dと接続されるボンディングパッド91aは、各金属層74Dの端部に設けられている。このような2つの金属層74Dによっても、上述した金属層74Bと同様の効果が奏される。
【0066】
なお、金属層74A~74Dによって奏される上述した効果は、第2絶縁層73の表面73aの全面に設けられた金属層74によっても同様に奏される。一方、金属層74A~74Dは、方向D1から見て、光検出器4と重ならないように設けられている。より具体的には、金属層74A~74Dは、方向D1から見て、光検出器4と電気的に接続された配線層31と重ならないように設けられている。この構成では、配線層31と金属層74A~74Dとは、方向D1において互いに対向する部分を有さない。すなわち、金属層74A~74Dは、配線層31と金属層74A~74Dとが第3絶縁層75を挟んで近接しないように形成されている。これにより、配線層31に生じる寄生容量を好適に抑制でき、光検出器4に対する寄生容量の影響を抑制できる。その結果、このような寄生容量に起因する光検出器4の検出信号の応答速度の低下を抑制できる。
【0067】
なお、図9の(B)に示される金属層74B及び図10の(B)に示される金属層74Dは、方向D1から見てスペーサ6と重なっていない。このため、スペーサ6の底面から配線基板3へと流れ込む電流成分の一部が、スペーサ6の直下の領域において、第2絶縁層73及び第3絶縁層75内を移動してシリコン層72へと流れ込む可能性がある。そこで、クロストークノイズの低減効果を高めるために、金属層74B,74Dとシリコン層72との間に位置する第2絶縁層73の一部に開口を設けることにより、金属層74B,74Dの一部をシリコン層72に接触させてもよい。これにより、上述したように電流成分の一部がシリコン層72へと流れ込んだとしても、当該電流成分の一部をシリコン層72と金属層74B,74Dとの接触部分から金属層74B,74Cへと好適に逃がすことができる。その結果、ファブリペロー干渉フィルタ10から光検出器4へと流れる電流成分を好適に抑制でき、光検出器4の検出信号におけるクロストークノイズをより一層効果的に抑制できる。
【0068】
[第2実施形態]
図11及び図12に示されるように、分光センサ1Bは、配線基板3の代わりに配線基板3Bを備え、ワイヤ91及びボンディングパッド91aの代わりに導電性樹脂材92を備える点で、分光センサ1Aと異なっている。配線基板3Bは、第3絶縁層75及びパッシベーション膜76の代わりに第3絶縁層75B及びパッシベーション膜76Bを備える点で、配線基板3と異なっている。金属層74は、方向D1から見た配線基板3Bの縁部にかかるように設けられている。すなわち、金属層74は、配線基板3Bの縁部に少なくとも設けられている。また、金属層74における配線基板3Bの縁部に設けられた部分は、外部に露出している。本実施形態では一例として、第3絶縁層75Bの縁部の一部が除去されることによって開口部81(切り欠き)が形成されると共に、パッシベーション膜76Bの縁部の一部が除去されることによって開口部81と連続する開口部82(切り欠き)が形成されている。このような開口部81及び開口部82からなる開口部80が形成されていることにより、金属層74の一部が外部に露出している。分光センサ1Bでは、導電性樹脂材92によって、開口部80において露出する金属層74の一部とステム21の内面21aとが電気的に接続されている。導電性樹脂材92は、配線基板3Bの縁部を覆うように設けられており、金属層74の一部及びステム21の内面21aの両方に接触している。導電性樹脂材92は、例えば導電性銀ペースト、導電性カーボンペースト等である。
【0069】
本実施形態では、スペーサ6、第3絶縁層75、金属層74、及び導電性樹脂材92を経由してファブリペロー干渉フィルタ10からステム21へと至る電流経路が、上記第2電流経路に相当する。分光センサ1Bによれば、配線基板3Bの縁部を覆うように導電性樹脂材92を設けることにより、金属層74とステム21とを適切且つ容易に接続することができる。
【0070】
なお、分光センサ1Bにおいても、分光センサ1Aと同様に、金属層74の代わりに、第2絶縁層73の表面73aの一部にのみ設けられる金属層が採用されてもよい。例えば、図13及び図14に示されるように、金属層74の代わりに、金属層74E~74Hが設けられてもよい。
【0071】
図13の(A)に示される2つの金属層74Eは、上述した金属層74Aと類似する構成を備えている。すなわち、各金属層74Eは、方向D1から見て、配線基板3において各スペーサ6が設けられた領域と重なるように設けられている。各金属層74Eは、配線基板3Bの縁部(ここでは隅部)まで延びており、当該隅部に開口部80が形成されている。当該開口部80において、各金属層74Eの面74aの一部が露出している。このように露出した面74aを覆うように導電性樹脂材92が設けられる。この構成によれば、金属層74Aと同様に、スペーサ6を経由してファブリペロー干渉フィルタ10から配線基板3へと流れ込む電流成分を、スペーサ6の直下の領域に設けられた金属層74Eを経由させて好適にステム21へと逃がすことができる。より具体的には、スペーサ6の底面から配線基板3へと流れ込む電流成分を、スペーサ6の直下の領域に設けられた金属層74Eによって確実に捕捉することができる。その結果、上記電流成分をステム21へと好適に誘導することができる。
【0072】
図13の(B)に示される金属層74Fは、上述した金属層74Bと類似する構成を備えている。すなわち、金属層74Fは、方向D1から見て、スペーサ6が設けられた領域と光検出器4との間の任意の電流経路と重なるように設けられている。これにより、スペーサ6が設けられた領域から光検出器4へと流れようとする電流成分を金属層74Fによって適切に捕捉してステム21へと逃がすことができる。なお、ここでは一例として、配線基板3Bの2隅のそれぞれに開口部80が形成されており、各開口部80において、金属層74Fの面74aの一部が露出している。このように露出した面74aを覆うように導電性樹脂材92が設けられる。
【0073】
図13の(C)に示される金属層74Gは、上述した金属層74Cと類似する構成を備えている。すなわち、金属層74Gは、配線層31を含む矩形状の領域(ここでは、配線層31及び電極パッド33を含む領域)以外の領域に設けられている。また、金属層74Cとスペーサ6とが重ならない領域(ここでは一例として配線基板3Bの2隅)に、開口部80が形成されており、各開口部80において、金属層74Gの面74aの一部が露出している。このように露出した面74aを覆うように導電性樹脂材92が設けられる。このような金属層74Gによれば、上述した金属層74E及び金属層74Fの両方の効果が奏される。
【0074】
図13の(D)に示される2つの金属層74Hは、上述した金属層74Dと類似する構成を備えている。すなわち、金属層74Hは、方向D1から見て、各スペーサ6が設けられた領域と光検出器4との間の任意の電流経路を分断するように、各スペーサ6の延在方向(スペーサ6同士が対向する方向に直交する方向)に沿って設けられている。各金属層74Hの端部(配線基板3Bの縁部)に開口部80が形成されており、各開口部80において、金属層74Hの面74aの一部が露出している。このように露出した面74aを覆うように導電性樹脂材92が設けられる。このような2つの金属層74Hによっても、上述した金属層74Eと同様の効果が奏される。
【0075】
また、金属層74E~74Hは、金属層74A~74Dと同様に、方向D1から見て、配線層31と重ならないように設けられている。これにより、配線層31に生じる寄生容量を好適に抑制できる。その結果、このような寄生容量に起因する光検出器4の検出信号の応答速度の低下を抑制できる。また、上述した金属層74B又は金属層74Dを用いる場合と同様に、金属層74F又は金属層74Hを用いる場合には、クロストークノイズの低減効果を高めるために、金属層74F,74Hとシリコン層72との間に位置する第2絶縁層73の一部に開口を設けることにより、金属層74F,74Hの一部をシリコン層72に接触させてもよい。
【0076】
[第3実施形態]
図15及び図16に示されるように、分光センサ1Cは、配線基板110の代わりに配線基板3Cを備え、接続部材(ワイヤ91及びボンディングパッド91b)を更に備える点で、分光センサ100と異なっている。配線基板3Cは、第2絶縁層73とスペーサ6との間に設けられた金属層74Iを備える点で、配線基板110と異なっている。本実施形態では一例として、金属層74Iは、方向D1から見て、スペーサ6を含むと共にスペーサ6よりも一回り大きい領域に形成されている。ただし、金属層74Iは、スペーサ6の底面(配線基板3Cに対向する面)と略同一の大きさに形成されてもよい。金属層74Iは、例えば、配線層31と同様に、Cr-Pt-Auからなる積層膜によって形成されている。ただし、金属層74Iは、上記以外の材料によって形成されてもよく、例えば、Al、Au等の単層膜、或いはTi-Pt-Au、Ti-Ni-Au、Cr-Au等の積層膜によって形成されてもよい。
【0077】
分光センサ1Cでは、金属層74Iにおいてスペーサ6が配置されない部分に、ボンディングパッド91bが設けられている。そして、ワイヤ91によって、ボンディングパッド91bとステム21の内面21aとが電気的に接続されている。本実施形態では、スペーサ6、金属層74I、ボンディングパッド91b、及びワイヤ91を経由してファブリペロー干渉フィルタ10からステム21へと至る電流経路が、上記第2電流経路に相当する。この構成によれば、スペーサ6を経由してファブリペロー干渉フィルタ10から配線基板3Cへと流れ込む電流成分を、スペーサ6の直下の領域に設けられた金属層74Iから好適にステム21へと逃がすことができる。より具体的には、スペーサ6の底面から配線基板3Cへと流れ込む電流成分を、スペーサ6の直下の領域に設けられた金属層74Iによって確実に捕捉することができる。その結果、上記電流成分をステム21へと好適に誘導することができる。また、電流成分をステム21に逃がすための金属層74Iを配線層31と同じレイヤ(第2絶縁層73の表面73a上)に設けることにより、配線基板3Cの製造工程を簡素化できる。具体的には、上述した分光センサ1A,1Bと比較して、金属層74及び第3絶縁層75,75Bを形成する工程を省略できる分だけ、工程が簡素化される。
【0078】
[第4実施形態]
図17及び図18に示されるように、分光センサ1Dは、配線基板110と同様の構成を有する配線基板3Dを備えている。一方、分光センサ1Dは、ワイヤボンディングのための領域(ボンディングパッド91cを設けるために必要な領域)を有するスペーサ6Aを備えている。本実施形態では一例として、上記領域は、ファブリペロー干渉フィルタ10を支持するスペーサ6Aの上面6aのうち、方向D1から見てファブリペロー干渉フィルタ10と重ならない部分である。上記領域には、ボンディングパッド91cが設けられている。そして、ワイヤ91によって、ボンディングパッド91cとステム21の内面21aとが電気的に接続されている。すなわち、分光センサ1Dは、スペーサ6Aの上面6aとステム21の内面21aとを電気的に接続する接続部材(ボンディングパッド91c及びワイヤ91)を備えている。本実施形態では、スペーサ6A、ボンディングパッド91c、及びワイヤ91を経由してファブリペロー干渉フィルタ10からステム21へと至る電流経路が、上記第2電流経路に相当する。従って、この構成によれば、ファブリペロー干渉フィルタ10からスペーサ6Aへと流れる電流成分が配線基板3Dに到達する前に、当該電流成分をスペーサ6Aからステム21へと好適に逃がすことができる。なお、本実施形態では、ボンディングパッド91cはスペーサ6Aの上面6aに設けられたが、ボンディングパッド91cは、それ以外の場所(例えばスペーサ6Aの側面)に設けられてもよい。すなわち、スペーサ6Aの上面6a以外の部分(例えば側面)とステム21とが電気的に接続されてもよい。また、スペーサ6Aの一部(例えば側面)とステム21とは、ボンディングパッド及びワイヤの代わりに、上述した導電性樹脂材92と同様の接続部材によって接続されてもよい。
【0079】
[第5実施形態]
図19及び図20に示されるように、分光センサ1Eは、スペーサ6Aの上面6aに配置される金属膜93を更に備え、ボンディングパッド91cが金属膜93上に設けられる点で、分光センサ1Dと異なっている。分光センサ1Eでは、金属膜93が、スペーサ6Aの上面6aとファブリペロー干渉フィルタ10との間に配置されている。金属膜93は、方向D1から見てファブリペロー干渉フィルタ10と重ならない部分を有しており、当該部分にボンディングパッド91cが設けられている。金属膜93は、例えば金属材料(例えばAu等)の単層膜、或いはTi-Pt-Au、Ti-Ni-Au、Cr-Au等の積層膜を蒸着又はスパッタ等で成膜することにより、上面6aに成膜されている。接続部材(ボンディングパッド91c及びワイヤ91)は、金属膜93を介してスペーサ6Aとステム21の内面21aとを電気的に接続している。本実施形態では、金属膜93、ボンディングパッド91c、及びワイヤ91を経由してファブリペロー干渉フィルタ10からステム21へと至る電流経路が、上記第2電流経路に相当する。従って、この構成によれば、ファブリペロー干渉フィルタ10からスペーサ6Aへと向かう電流成分がスペーサ6Aに到達する前に、当該電流成分を金属膜93からステム21へと好適に逃がすことができる。なお、スペーサ6Aの側面に金属膜93を設け、当該金属膜93とステム21の内面21aとを接続部材(ボンディングパッド及びワイヤ、又は導電性樹脂材)で電気的に接続してもよい。この場合、スペーサ6A、金属膜93、及び接続部材を経由してファブリペロー干渉フィルタ10からステム21へと至る電流経路が、上記第2電流経路に相当する。
【0080】
[第6実施形態]
図21に示されるように、分光センサ1Fは、配線基板110の代わりに配線基板3Fを備える点で、分光センサ100と異なっている。配線基板3Fは、第1絶縁層71が除去されている点、及びシリコン層72(第2層)の第2絶縁層73(第1層)とは反対側の面が、導電性樹脂からなる接着層77(接続部材)を介してステム21の内面21aと接触している点で、配線基板110と異なっている。すなわち、配線基板3Fは、主面3aとしての表面73a(第1面)及び表面73aとは反対側の裏面73b(第2面)を有する第2絶縁層73と、第2絶縁層73の裏面73b側に設けられたシリコン層72と、を有している。接着層77は、シリコン層72の第2絶縁層73とは反対側の面とステム21の内面21aとの間に配置され、シリコン層72の第2絶縁層73とは反対側の面とステム21の内面21aとを電気的に接続している。
【0081】
図22は、分光センサ1Fの等価回路を示す図である。当該等価回路及び上述した電気抵抗間の関係から、第2絶縁層73及びシリコン層72を経由してスペーサ6からステム21へと向かう電流経路の電気抵抗は、第2絶縁層73及びシリコン層72の少なくとも一方を経由してスペーサ6から光検出器4へと向かう電流経路の電気抵抗よりも小さくなることがわかる。すなわち、図22に示される矢印の方向に沿った電流経路が、上記第2電流経路に相当する。具体的には、分光センサ1Fでは、スペーサ6、第2絶縁層73、シリコン層72、及び接着層77を経由してファブリペロー干渉フィルタ10からステム21へと至る電流経路が、上記第2電流経路に相当する。この構成によれば、ファブリペロー干渉フィルタ10からスペーサ6を介して配線基板3Fに流れ込む電流成分を、配線基板3Fの内部(第2絶縁層73及びシリコン層72)を経由させることによってステム21へと適切に逃がすことができる。
【0082】
なお、上記実施形態では、第1層がシリコン熱酸化膜からなる第2絶縁層73であり、第2層がシリコンからなるシリコン層72であったが、第1層及び第2層は、上述した関係性(すなわち、「第1層及び第2層を経由してスペーサ6からステム21へと向かう電流経路の電気抵抗が、第1層及び第2層の少なくとも一方を経由してスペーサ6から光検出器4へと向かう電流経路の電気抵抗よりも小さい」という関係性)が成立すればよく、第1層及び第2層の材料は上記例に限られない。また、第1層又は第2層は、複数の層をグループ化した層であってもよい。すなわち、第1層又は第2層の中には、複数の層(例えば複数の異なる材料によって形成された層)が含まれてもよい。
【0083】
図23は、実施例(分光センサ1F)及び比較例(分光センサ100)におけるクロストークノイズの測定結果を示す図である。この測定では、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aに対して所定の波長の光を入射し続けている状態で、ある時点(ここでは、測定開始から0.0002秒後の時点)において、第1電極42と第3電極44とに印加される駆動電圧を、0Vから上記所定の波長の光を透過可能な電圧に変更することによって行われた。その結果、比較例では、1.5V程度の大きさのクロストークノイズが発生したのに対し、実施例では、クロストークノイズを0.2V程度の大きさに抑えることができた。このようなクロストークノイズ低減効果は、ファブリペロー干渉フィルタ10とステム21との間に、スペーサ及び配線基板を経由してファブリペロー干渉フィルタ10から光検出器4へと至る任意の第1電流経路よりも電気抵抗が小さい第2電流経路が形成されることによって(すなわち、ファブリペロー干渉フィルタ10からスペーサを経由して配線基板へと向かう電流成分が光検出器4ではなくステム21へと誘導されることによって)、得られたものと考えられる。従って、分光センサ1Fと同様に第2電流経路(すなわち、ファブリペロー干渉フィルタ10からの電流成分を積極的にステム21へと逃がす経路)が形成された分光センサ1A~1Eにおいても、同様のクロストークノイズ低減効果が得られると考えられる。
【0084】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。上述した一の実施形態又は変形例における一部の構成は、他の実施形態又は変形例における構成に任意に適用することができる。例えば、ファブリペロー干渉フィルタ10から光検出器4へと向かう電流成分をなるべく小さくしてクロストークノイズ低減効果を高めるべく、上述したいくつかの実施形態は適宜組み合わせられてもよい。例えば、配線基板の主面3aに沿った領域(金属層74,74A~74I)とステム21とを電気的に接続する構成(例えば第1~第3実施形態のいずれか)と、スペーサ6Aとステム21とを電気的に接続する構成(例えば第4又は第5実施形態)とを組み合わせてもよい。このように複数の構成を組み合わせることにより、ファブリペロー干渉フィルタ10からの電流成分をステム21へと逃がすための電流経路(ファブリペロー干渉フィルタ10から光検出器4へと向かう電流経路よりも電気抵抗が小さい経路)を多段的に設けることができる。その結果、光検出器4に影響を与える電流成分をなるべく小さくすることができ、クロストークノイズをより一層効果的に抑制することが可能となる。
【0085】
また、上記実施形態では、グランド電位に接続されたグランド部(ファブリペロー干渉フィルタ10からの電流成分の誘導先)としてステム21が利用されたが、ステム21以外の部材がグランド部として利用されてもよい。例えば、第1実施形態において、ワイヤ91は、グランド電位に接続されたリードピン8Aに直接接続されてもよい。この場合、リードピン8Aがグランド部として機能する。
【0086】
また、上記実施形態では、光検出器4及び温度補償用素子5を実装するための配線構造(配線層31,32等)を有する配線基板が用いられたが、配線基板の代わりに上記のような配線構造を有さない基板(搭載基板)が用いられてもよい。このような基板が用いられる場合、光検出器4又は温度補償用素子5に対する電気的接続は、例えば光検出器4又は温度補償用素子5とワイヤ9とを直接接続することによって実現されてもよい。また、この場合、光検出器4又は温度補償用素子5は、例えば薄板状部材を介して基板上に配置されてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1A,1B,1C,1D,1E,1F…分光センサ(光検出装置)、21…ステム(グランド部)、3,3B,3C,3D,3F…配線基板(搭載基板)、3a…主面、4…光検出器、6,6A…スペーサ(支持部材)、10…ファブリペロー干渉フィルタ、55…第1ミラー部、56…第2ミラー部、72…シリコン層(第2層)、73…第2絶縁層(第1層)、74,74A,74B,74C,74D,74E,74F,74G,74H,74I…金属層、74a…面、75,75B…第3絶縁層(絶縁層)、75a…第1面、75b…第2面、75c…開口部、77…接着層(接続部材)、91…ワイヤ(接続部材)、91a,91b,91c…ボンディングパッド、92…導電性樹脂材(接続部材)、93…金属膜、S…空隙。
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