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  • 特許-アスファルト合材サイロ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】アスファルト合材サイロ
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/10 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
E01C19/10 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019056796
(22)【出願日】2019-03-25
(65)【公開番号】P2020158980
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000232508
【氏名又は名称】日本道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】浅井 友章
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-144540(JP,A)
【文献】米国特許第05433575(US,A)
【文献】特開昭60-158086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に入っているアスファルト合材を外に出すための排出口が下部に設けられているアスファルト合材サイロ本体と、
前記アスファルト合材サイロ本体の排出口を開閉するサイロ排出ゲートと、
前記サイロ排出ゲートが開く速度を調整する速度調整部と、
を有し、前記サイロ排出ゲート開くことで前記アスファルト合材サイロ本体内のアスファルト合材が前記排出口からトラックの荷台に落下してトラックに移されるようになっており、
前記排出口から前記トラックの荷台までの高低差に応じて、前記速度調整部が前記サイロ排出ゲートを開く速度を調整可能なように構成されており、
前記サイロ排出ゲートは一対で設けられており、前記一対のサイロ排出ゲートのそれぞれは、空気圧シリンダによって開閉するように構成されており、
前記速度調整部を構成する空気圧回路は、一対の前記サイロ排出ゲートのうちの一方のサイロ排出ゲートを開閉する空気圧シリンダを駆動する空気圧回路と、この空気圧回路とは別の、一対の前記サイロ排出ゲートのうちの他方のサイロ排出ゲートを開閉する空気圧シリンダを駆動する空気圧回路とで構成されていることを特徴とするアスファルト合材サイロ。
【請求項2】
請求項1に記載のアスファルト合材サイロであって、
前記トラックが大型トラックである場合には、前記サイロ排出ゲートが開く速度を速くすることができ、前記トラックが小型トラックである場合には、前記サイロ排出ゲートが開く速度を遅くすることができるように構成されていることを特徴とするアスファルト合材サイロ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のアスファルト合材サイロであって、
前記サイロ排出ゲートの開口量が調整できるように構成されていることを特徴とするアスファルト合材サイロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路等の舗装に使用されるアスファルト合材を格納するアスファルト合材サイロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アスファルト合材サイロ本体と、アスファルト合材サイロ本体の下部に設けられているアスファルト合材の排出口を開閉するサイロ排出ゲートと計量器とを備えたアスファルト合材サイロが知られている。
【0003】
従来のアスファルト合材サイロに格納されているアスファルト合材(道路等の舗装に使用されるアスファルト合材)のトラックへの移し替えは、次のようにしてなされる。
【0004】
サイロ排出ゲートが閉じている状態で、トラックの荷台をアスファルト合材サイロの排出口の真下に位置させる。続いて、サイロ排出ゲートを開いて、内部に格納されているアスファルト合材を計量器を用いて所定量落下させ、トラックの荷台に移している。トラックの荷台に移されたアスファルト合材は、現場まで運ばれて、道路等の舗装に使用される。
【0005】
ここで、従来の技術に関する文献としてたとえば特許文献1を掲げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-31202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、アスファルト合材サイロ内のアスファルト合材が移されるトラックは、たとえば、大型のものと小型のものとがある。
【0008】
サイロ排出ゲートを開いてアスファルト合材サイロからアスファルト合材を落下させ、トラックの荷台に移すときに、大型のトラックに合わせた計量器の位置(サイロ排出ゲートの高さ位置)で小型トラックにアスファルト合材を排出すると、荷台の位置が低い小型トラックでは、アスファルト合材の落下距離が長くなり、小型トラックの荷台での衝撃が大きくなってしまう。
【0009】
この衝撃を緩和するため、小型トラックにアスファルト合材を移すときには、サイロ排出ゲートを間欠運転し、アスファルト合材をアスファルト合材サイロから断続的に少しずつ排出して小型トラックの荷台に移している。もしくは、上記衝撃を緩和するため、小型トラックに合わせた排出口の大きさにし、大型トラックへのアスファルト合材の移しを、時間をかけて行っている。
【0010】
本発明は、トラックのサイズに関係なく、アスファルト合材サイロからアスファルト合材を落下させてトラックの荷台に移すときの衝撃を極力小さくし、また、長い時間をかけることなく、アスファルト合材サイロからアスファルト合材をトラックの荷台に移すことができるアスファルト合材サイロを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、内部に入っているアスファルト合材を外に出すための排出口が下部に設けられているアスファルト合材サイロ本体と、前記アスファルト合材サイロ本体の排出口を開閉するサイロ排出ゲートと、前記サイロ排出ゲートが開く速度を調整する速度調整部とを有し、前記サイロ排出ゲート開くことで前記アスファルト合材サイロ本体内のアスファルト合材が前記排出口からトラックの荷台に落下してトラックに移されるようになっており、前記排出口から前記トラックの荷台までの高低差に応じて、前記速度調整部が前記サイロ排出ゲートを開く速度を調整可能なように構成されており、前記サイロ排出ゲートは一対で設けられており、前記一対のサイロ排出ゲートのそれぞれは、空気圧シリンダによって開閉するように構成されており、前記速度調整部を構成する空気圧回路は、一対の前記サイロ排出ゲートのうちの一方のサイロ排出ゲートを開閉する空気圧シリンダを駆動する空気圧回路と、この空気圧回路とは別の、一対の前記サイロ排出ゲートのうちの他方のサイロ排出ゲートを開閉する空気圧シリンダを駆動する空気圧回路とで構成されているアスファルト合材サイロである。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアスファルト合材サイロであって、前記トラックが大型トラックである場合には、前記サイロ排出ゲートが開く速度を速くすることができ、前記トラックが小型トラックである場合には、前記サイロ排出ゲートが開く速度を遅くすることができるように構成されているアスファルト合材サイロである。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のアスファルト合材サイロであって、前記サイロ排出ゲートの開口量が調整できるように構成されているアスファルト合材サイロである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、トラックのサイズに関係なく、アスファルト合材サイロからアスファルト合材を落下させてトラックの荷台に移すときの衝撃を極力小さくし、また、長い時間をかけることなく、アスファルト合材サイロからアスファルト合材をトラックの荷台に移すことができるアスファルト合材サイロを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係るアスファルト合材サイロを示す図である。
図2】本発明の実施形態に係るアスファルト合材サイロのサイロ排出ゲートとこの周辺の構造を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係るアスファルト合材サイロの速度調整部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態に係るアスファルト合材サイロ1は、アスファルトプラントに使用されるものであり、図1で示すように、アスファルト合材サイロ本体3とサイロ排出ゲート5と速度調整部7とを備えて構成されている。
【0018】
アスファルト合材サイロ本体3の内部には、道路等の舗装に使用されるアスファルト合材が入るようになっている。アスファルト合材サイロ本体3の下部(下端部)には、アスファルト合材サイロ本体3の内部に入っているアスファルト合材を外に出すための排出口(開口部)4が設けられている。
【0019】
サイロ排出ゲート5は、流体圧で作動するアクチュエータ(たとえば空気圧シリンダ等のシリンダ)9で駆動することで、アスファルト合材サイロ本体3の排出口4を開閉するようになっている。なお、空気圧シリンダ9の代わりに油圧シリンダ等の他の流体圧シリンダを使用してもよい。
【0020】
速度調整部7は、空気圧シリンダ9を作動させる空気(流体)の流速を変えることでサイロ排出ゲート5が開く速度を調整するようになっている。なお、速度調整部7が、空気圧シリンダ9を作動させる空気の流速を変えることに代えてもしくは加えて、空気圧シリンダ9を作動させる空気の圧力を変えることで、サイロ排出ゲート5が開く速度を調整するようになっていてもよい。
【0021】
速度調整部7は、図3で示すように、空気圧シリンダ9とつながっている空気の流路に設けられている絞り弁11、13を用いて、サイロ排出ゲート5が開く速度を複数段階(たとえば2段階)で変更するように構成されている。
【0022】
また、アスファルト合材サイロ1では、速度調整部7が、空気圧シリンダ9とつながっている空気の流路に設けられている絞り弁15、17を用いて、サイロ排出ゲート5が閉じる速度も、開く速度と同様に、複数段階(たとえば2段階)で変更するように構成されている。
【0023】
なお、絞り弁15、17を削除し、サイロ排出ゲート5が閉じる速度が変更不可となっている構成であってもよい。
【0024】
ここで、サイロ排出ゲート5や空気圧シリンダ9について、図2図3を参照しつつさらに詳しく説明する。
【0025】
サイロ排出ゲート5は、サイロ排出ゲート本体部19とサイロ本体係合部21とを備えて構成されており、一対で設けられている。
【0026】
サイロ排出ゲート本体部19は、アスファルト合材サイロ本体3の排出口4に係合するようになっている。すなわち、サイロ排出ゲート本体部19は、排出口4の縁に接して排出口4を閉じ、また、排出口4から離れて排出口4を開放するようになっている。
【0027】
サイロ本体係合部21は、サイロ排出ゲート本体部19から延出しているとともにアスファルト合材サイロ本体3に係合している。
【0028】
空気圧シリンダ9は、シリンダ本体23とピストン本体25とを備えて構成されており、一対で設けられているサイロ排出ゲート5に応じて、一対で設けられている。すなわち、一対のサイロ排出ゲート5(5A、5B)それぞれの開閉をするために、一対のサイロ排出ゲート5のそれぞれに空気圧シリンダ9(9A、9B)が設けられている。
【0029】
シリンダ本体23は、シリンダチューブ27とヘッドカバー29とロッドカバー31とを備えて構成されている。ピストン本体25は、ピストン33とピストンロッド35を備えて構成されている。
【0030】
一対のサイロ排出ゲート5のうちの一方のサイロ排出ゲート5Aは、アスファルト合材サイロ本体3に、支持部37を回動中心にして回動自在に係合している。そして、この回動をすることで、アスファルト合材サイロ本体3の排出口4の半分(図3では左半分)を開閉するようになっている。
【0031】
一対の空気圧シリンダ9のうちの一方の空気圧シリンダ9Aは、ピストン本体25のピストンロッド35が一方のサイロ排出ゲート5Aに、支持部39を回動中心にして回動自在に係合している。また、一方の空気圧シリンダ9Aのシリンダ本体23がアスファルト合材サイロ本体3に支持部41を回動中心にして回動自在に係合している。
【0032】
そして、一方の空気圧シリンダ9Aのピストンロッド35が、一方の空気圧シリンダ9Aのシリンダ本体23に対して直線的に移動することで、アスファルト合材サイロ本体3の排出口4の半分を開閉するように構成されている。
【0033】
なお、図2に実線で示しているサイロ排出ゲート5Aは、アスファルト合材サイロ本体3の排出口4の左半分を閉じているサイロ排出ゲート5Aを示しており、図2に二点鎖線で示しているサイロ排出ゲート5Aは、アスファルト合材サイロ本体3の排出口4の左半分を開いている(全開にしている)サイロ排出ゲート5Aを示している。
【0034】
一対のサイロ排出ゲート5のうちの他方のサイロ排出ゲート5Bは、アスファルト合材サイロ1の中心を含み横方向(図2の左右方向)に対して直交している平面である中心面に対して、一方のサイロ排出ゲート5Aとは対称に配置されている。また、他方のサイロ排出ゲート5Bは、アスファルト合材サイロ本体3に、支持部37を回動中心にして回動自在に係合している。そして、この回動をすることで、アスファルト合材サイロ本体3の排出口4の半分(図3では右半分)を開閉するようになっている。
【0035】
一対の空気圧シリンダ9のうちの他方の空気圧シリンダ9Bは、上記中心面に対して、一方の空気圧シリンダ9Aとは対称に配置されている。
【0036】
他方の空気圧シリンダ9Bは、一方の空気圧シリンダ9Aと同様にして、ピストン本体25のピストンロッド35が他方のサイロ排出ゲート5Bに、支持部39を回動中心にして回動自在に係合している。また、他方の空気圧シリンダ9Bのシリンダ本体23がアスファルト合材サイロ本体3に支持部41を回動中心にして回動自在に係合している。
【0037】
そして、他方の空気圧シリンダ9Bのピストンロッド35が、他方の空気圧シリンダ9Bのシリンダ本体23に対して直線的に移動することで、アスファルト合材サイロ本体3の排出口4の残りの半分を開閉するように構成されている。
【0038】
なお、図2に実線で示しているサイロ排出ゲート5Bは、アスファルト合材サイロ本体3の排出口4の右半分を閉じているサイロ排出ゲート5Bを示しており、図2に二点鎖線で示しているサイロ排出ゲート5Bは、アスファルト合材サイロ本体3の排出口4の右半分を開いている(全開にしている)サイロ排出ゲート5Bを示している。
【0039】
また、すでに理解されるように、アスファルト合材サイロ本体3と一方のサイロ排出ゲート5Aと一方の空気圧シリンダ9Aのピストン本体25と一方の空気圧シリンダ9Aのシリンダ本体23とで、1つの4リンク限定運動機構が構成されている。また、アスファルト合材サイロ本体3と他方のサイロ排出ゲート5Bと他方の空気圧シリンダ9Bのピストン本体25と他方の空気圧シリンダ9Bのシリンダ本体23とで、他の1つの4リンク限定運動機構が構成されている。
【0040】
次に、速度調整部7を構成し空気圧シリンダ9Aを駆動する空気圧回路43について、図3を参照しつつ説明する。なお、図3で示す空気圧回路は、1つの例示である。
【0041】
空気圧シリンダ9Aを駆動する空気圧回路は、空圧源45と第1のソレノイドバルブ(第1の方向制御弁)47と第2のソレノイドバルブ(第2の方向制御弁)49と第3のソレノイドバルブ(第1の方向制御弁)51と絞り弁11、13、15、17とを備えて構成されている。
【0042】
そして、サイロ排出ゲート5Aが排出口4が閉じており、第2のソレノイドバルブ49のソレノイドSoLbに通電がされている状態で、第1のソレノイドバルブ47のソレノイドSoLbに通電すると、空気圧シリンダ9Aのピストンロッド35が左側に高速で移動し、排出口4が高速で開くようなっている。このとき、空気圧シリンダ9Aから出てきた空気は、メーターアウトの絞り弁を構成している絞り弁11を通る。
【0043】
一方、サイロ排出ゲート5Aが排出口4が閉じており、第2のソレノイドバルブ49のソレノイドSoLaに通電がされている状態で、第1のソレノイドバルブ47のソレノイドSoLbに通電すると、空気圧シリンダ9Aのピストンロッド35が左側に低速で移動し、排出口4が低速で開くようなっている。このとき、空気圧シリンダ9Aから出てきた空気は、メーターアウトの絞り弁を構成している絞り弁13を通る。
【0044】
また、サイロ排出ゲート5Aが排出口4が開いており、第3のソレノイドバルブ51のソレノイドSoLbに通電がされている状態で、第1のソレノイドバルブ47のソレノイドSoLbを非通電状態にすると、空気圧シリンダ9Aのピストンロッド35が右側に高速で移動し、排出口4が高速で閉じるようなっている。このとき、空気圧シリンダ9Aから出てきた空気は、メーターアウトの絞り弁を構成している絞り弁15を通る。
【0045】
一方、サイロ排出ゲート5Aが排出口4が開いており、第3のソレノイドバルブ51のソレノイドSoLaに通電がされている状態で、第1のソレノイドバルブ47のソレノイドSoLbを非通電状態にすると、空気圧シリンダ9Aのピストンロッド35が右側に低速で移動し、排出口4が低速で閉じるようなっている。このとき、空気圧シリンダ9Aから出てきた空気は、メーターアウトの絞り弁を構成している絞り弁17を通る。
【0046】
なお、空気圧シリンダ9Bを駆動する空気圧回路は、空気圧シリンダ9Aを駆動する空気圧回路43と同様に構成されており、同様に動作するようになっているが、空気圧シリンダ9Aを駆動する空気圧回路43で空気圧シリンダ9Bを駆動するようにしてもよい。すなわち、空気圧シリンダ9Aと空気圧シリンダ9Bとを空気圧回路43に対して並列に配置してもよい。
【0047】
また、ソレノイドバルブ47、49、51は、図示しない操作盤に設けられているスイッチを操作することで作動するようになっている。
【0048】
次に、アスファルト合材サイロ1の動作を説明する。
【0049】
まず、大型トラック53(図1参照)にアスファルト合材を移す場合について説明する。この場合の初期状態では、アスファルト合材サイロ本体3内にアスファルト合材が入っており、排出口4は閉じており(図1(b)、図2に実線で示すサイロ排出ゲート5を参照)、第1のソレノイドバルブ47のSoLbは非通電状態になっており、第2のソレノイドバルブ49のSoLbに通電されており、第3のソレノイドバルブ51のSoLbに通電がされているものとする。
【0050】
この状態で、第1のソレノイドバルブ47のSoLbに通電すると、サイロ排出ゲート5が高速で移動して排出口4が開き(図1(a)、図2に二点鎖線で示すサイロ排出ゲート5を参照)、アスファルト合材サイロ本体3内のアスファルト合材が大型トラック53の荷台に落下し、大型トラック53にアスファルト合材が移される。
【0051】
この後、第1のソレノイドバルブ47のSoLbを非通電状態にすると、サイロ排出ゲート5が高速で移動し排出口4が閉じる。
【0052】
次に、小型トラック(図示せず)にアスファルト合材を移す場合について説明する。この場合の初期状態では、アスファルト合材サイロ本体3内にアスファルト合材が入っており、排出口4は閉じており、第1のソレノイドバルブ47のSoLbは非通電状態になっており、第2のソレノイドバルブ49のSoLaに通電されており、第3のソレノイドバルブ51のSoLaに通電がされているものとする。
【0053】
この状態で、第1のソレノイドバルブ47のSoLbに通電すると、サイロ排出ゲート5が低速で移動し排出口4が開き、アスファルト合材サイロ本体3内のアスファルト合材が小型トラックの荷台に少しずつ落下し、小型トラックにアスファルト合材が移される。
【0054】
この後、第1のソレノイドバルブ47のSoLbを非通電状態にすると、サイロ排出ゲート5が低速で移動し排出口4が閉じる。
【0055】
アスファルト合材サイロ1によれば、速度調整部7によってサイロ排出ゲート5(排出口4)が開く速度を調整することができるので、トラックのサイズに関係なく、アスファルト合材サイロ1からアスファルト合材を落下させてトラックの荷台に移すときの衝撃を極力小さくし、また、長い時間をかけることなく、アスファルト合材サイロ1からアスファルト合材をトラックの荷台に移すことができる。
【0056】
すなわち、大型のトラック53の荷台にアスファルト合材を移すときには、サイロ排出ゲート5が開く速度を速くし、小型のトラックの荷台にアスファルト合材を移すときには、サイロ排出ゲート5が開く速度を遅くする。
【0057】
これにより、大型のトラック53の荷台にアスファルト合材を移すときにおけるアスファルト合材の落下量(時間あたりの落下量)を多くして、大型のトラック53の荷台にアスファルト合材を移すことに要する時間を短縮することができる。
【0058】
また、小型のトラックの荷台にアスファルト合材を移すときにおけるアスファルト合材の落下量(時間あたりの落下量)を少なくして、アスファルト合材の落下による衝撃を極力小さくすることができる。
【0059】
また、アスファルト合材サイロ1によれば、速度調整部7が、空気圧シリンダ9とつながっている流体の流路に設けられている絞り弁11、13を用いて、サイロ排出ゲート5が開く速度を複数段階で変更するように構成されているので、簡素な構成でサイロ排出ゲート5が開く速度を変更することができる。
【0060】
なお、絞り弁11、13、15、17として、図3で示すように、可変絞り弁を用いれば、サイロ排出ゲート5が開く速度を再度調整(たとえば微調整)することができ、アスファルト合材を小型トラックの荷台に移すときの衝撃をさらに小さくすることができる。
【0061】
また、アスファルト合材サイロ1によれば、アスファルト合材サイロ本体3と一方のサイロ排出ゲート5Aと一方の空気圧シリンダ9Aのピストン本体25とシリンダ本体23とで、1つの4リンク限定運動機構が構成されており、アスファルト合材サイロ本体3と他方のサイロ排出ゲート5Bと他方の空気圧シリンダ9Bのピストン本体25とシリンダ本体23とで、他の1つの4リンク限定運動機構が構成されているので、構成が簡素化されており、埃等に強い構造になっている。
【0062】
すなわち、上記4リンク限定運動機構では、ロッドカバー31とピストンロッド35との対偶が直線運動をするすべり対偶にはなっているが、他の対偶素の総てが、回り対偶(低次対偶)になっているので、各対偶素にところにおける防塵がしやすくなっている。
【0063】
また、アスファルト合材サイロ1では、一対のサイロ排出ゲート5A、5Bでアスファルト合材サイロ本体3の排出口4を開閉するようになっている。また、アスファルト合材サイロ本体3の排出口4を開くときには、お互いが接触している一対のサイロ排出ゲート5A、5Bが横方向でお互いが離れるように移動するようになっている。
【0064】
したがって、荷台が小さい小型トラックにアスファルト合材を移すために、サイロ排出ゲート5を開くことを途中で停止すれば、アスファルト合材サイロ本体3の排出口4が中央部のみに形成され、小型トラックの荷台からアスファルト合材がこぼれてしまうことを防止することができる。
【0065】
さらに説明すると、上記説明では、トラックの荷台の大きさやアスファルト合材の排出口4からの落下の高低差に応じて、サイロ排出ゲート5を開くときのサイロ排出ゲート5A、5Bの移動速度を変更しているが、これに代えてもしくは加えて、上述したように、排出口4の開口量を調整してもよい。
【0066】
すなわち、大型トラックにアスファルト合材を移す場合には、サイロ排出ゲート5を最大量移動して排出口4を全開にし、小型トラックにアスファルト合材を移す場合には、サイロ排出ゲート5を途中で止めて排出口4の開口量を途中の状態で止めて排出口4の開口量を小さくしてもよい(サイロ排出ゲート5を全開にすることなく半開き状態にしてアスファルト合材を落下させ、小型トラックにアスファルト合材を移し終えた後に、サイロ排出ゲート5を閉じてもよい)。
【符号の説明】
【0067】
1 アスファルト合材サイロ
3 アスファルト合材サイロ本体
4 排出口
5、5A、5B サイロ排出ゲート
7 速度調整部
9、9A、9B アクチュエータ(空気圧シリンダ)
11、13 絞り弁
19 サイロ排出ゲート本体部
21 サイロ本体係合部
23 シリンダ本体
25 とピストン本体
35 ピストンロッド
図1
図2
図3