(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】位相ロックループ回路を含む集積回路
(51)【国際特許分類】
H03L 7/08 20060101AFI20230920BHJP
H03L 7/093 20060101ALI20230920BHJP
H03L 7/10 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
H03L7/08 230
H03L7/093
H03L7/10 140
(21)【出願番号】P 2019071315
(22)【出願日】2019-04-03
【審査請求日】2022-02-14
(31)【優先権主張番号】10-2018-0081730
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】金 奎植
(72)【発明者】
【氏名】金 友石
(72)【発明者】
【氏名】金 泰翼
(72)【発明者】
【氏名】呂 煥碩
【審査官】志津木 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-184778(JP,A)
【文献】特表2012-509024(JP,A)
【文献】米国特許第07132865(US,B1)
【文献】特開2003-298414(JP,A)
【文献】特開2005-312004(JP,A)
【文献】特表2015-516133(JP,A)
【文献】米国特許第08040167(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0038661(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03L1/00-9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位相ロックループ回路を含む集積回路であって、
前記位相ロックループ回路は、
制御電圧に基づいて所定の周波数を有するクロック信号を出力する電圧制御発振器と、
前記クロック信号を所定の基準信号と比較して第1制御信号及び第2制御信号を出力する位相周波数検出器と、
前記第1制御信号及び前記第2制御信号に基づいて前記制御電圧を出力するチャージポンプと、
伝達スイッチを介して前記チャージポンプの出力端と連結される出力端を有する電圧源と、
前記伝達スイッチに連結され、前記伝達スイッチがターンオフされる間に前記伝達スイッチを通過する漏れ電流を除去する漏れ除去器と、を含
み、
前記電圧源は、前記出力端に連結される第1抵抗及び第2抵抗と、前記第1抵抗と第1電源ノードの間に連結される第1スイッチと、前記第2抵抗と第2電源ノードの間に連結される第2スイッチと、を含む、集積回路。
【請求項2】
前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、及び前記伝達スイッチは、前記位相ロックループ回路のコースロックモードでターンオンされ、前記位相ロックループ回路のファインロックモードでターンオフされる、請求項
1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記第1抵抗及び前記第2抵抗は同一の抵抗値を有する、請求項
1又は
2に記載の集積回路。
【請求項4】
前記伝達スイッチは、前記チャージポンプの前記出力端に連結される第1ノードと、前記電圧源の前記出力端に連結される第2ノードと、を含む、請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項5】
前記漏れ除去器は、バッファと、前記バッファの出力端と前記伝達スイッチの前記第2ノードの間に連結されるバッファスイッチと、を含む、請求項
4に記載の集積回路。
【請求項6】
前記バッファは、前記伝達スイッチの前記第1ノードに連結される非反転入力端、及び負帰還経路を介して前記バッファスイッチに連結される反転入力端を有するユニティゲイン増幅器を含む、請求項
5に記載の集積回路。
【請求項7】
前記漏れ除去器及び前記チャージポンプは前記ユニティゲイン増幅器を共有する、請求項
6に記載の集積回路。
【請求項8】
前記チャージポンプは、第1電源ノードに連結される第1電流源と、第1電流源と前記チャージポンプの出力端の間に連結される第1制御スイッチと、第2電源ノードに連結される第2電流源と、第2電流源と前記チャージポンプの出力端の間に連結される第2制御スイッチと、前記第1電源ノードと前記第2電源ノードの間で直列接続される第3制御スイッチ及び第4制御スイッチと、を含み、
前記非反転入力端は、前記チャージポンプの出力端に連結され、前記反転入力端は、前記負帰還経路を介して前記第3制御スイッチ及び前記第4制御スイッチに連結されたノードに連結される、請求項
6に記載の集積回路。
【請求項9】
前記バッファスイッチは、前記位相ロックループ回路のコースロックモードでターンオフされ、前記位相ロックループ回路のファインロックモードでターンオンされる、請求項
5乃至
8のいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項10】
前記漏れ除去器は、前記伝達スイッチを介して前記チャージポンプの出力端と連結され且つ第1電源ノードと第2電源ノードの間で互いに直列接続される第1サブ抵抗及び第2サブ抵抗を
含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項11】
前記第1サブ抵抗及び前記第2サブ抵抗のそれぞれの抵抗値は、前記第1抵抗及び前記第2抵抗のそれぞれの抵抗値よりも大きい、請求項
10に記載の集積回路。
【請求項12】
前記クロック信号を分周して前記位相周波数検出器に提供する分周器をさらに含む、請求項1乃至
11のいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項13】
位相ロックループ回路を含む集積回路であって、
前記位相ロックループ回路は、
制御電圧に基づいてクロック信号を出力する電圧制御発振器と、
前記クロック信号を所定の基準信号と比較して第1制御信号及び第2制御信号を出力する位相周波数検出器と、
出力端を有し、前記第1制御信号及び前記第2制御信号に基づいて前記制御電圧を出力するチャージポンプと、
前記位相ロックループ回路が第1ロックモードであれば伝達スイッチを介して前記チャージポンプの前記出力端に第1電圧を出力し、前記位相ロックループ回路が前記第1ロックモード以降の第2ロックモードであれば前記出力端をフローティングさせる電圧源と、
前記伝達スイッチ及び前記電圧源の前記出力端と連結されて、前記位相ロックループ回路が前記第2ロックモードである際に、前記伝達スイッチを通過する漏れ電流を除去する漏れ除去手段と、を含む、集積回路。
【請求項14】
前記電圧源は、前記チャージポンプの出力端に連結される第1抵抗及び第2抵抗と、前記第1抵抗と第1電源ノードの間に連結される第1スイッチと、前記第2抵抗と第2電源ノードの間に連結される第2スイッチと、を有し、
前記漏れ除去手段は、前記漏れ除去手段の出力端と前記チャージポンプの前記出力端の間に連結される第3スイッチを含む、請求項
13に記載の集積回路。
【請求項15】
前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、及び前記伝達スイッチは、前記位相ロックループ回路が前記第1ロックモードである際にターンオンされ、前記位相ロックループ回路が前記第2ロックモードである際にターンオフされ、
前記第3スイッチは、前記位相ロックループ回路が前記第1ロックモードである際にターンオフされ、前記位相ロックループ回路が前記第2ロックモードである際にターンオンされる、請求項
14に記載の集積回路。
【請求項16】
前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、前記伝達スイッチ、及び前記第3スイッチを制御する自動周波数コントローラをさらに含む、請求項
14又は
15に記載の集積回路。
【請求項17】
位相ロックループ回路を含む集積回路であって、
前記位相ロックループ回路は、
制御電圧に基づいてクロック信号を出力する発振器と、
基準クロック信号を前記クロック信号と比較して第1制御信号及び第2制御信号を出力する位相周波数検出器と、
出力端を有し、前記第1制御信号及び前記第2制御信号に基づいて前記出力端に前記制御電圧を出力するチャージポンプと、
第1ノード及び第2ノードを有し、前記第1ノードは、前記チャージポンプの前記出力端に連結される伝達スイッチと、
前記第2ノードに連結される出力端と第1抵抗及び第2抵抗を有し、前記位相ロックループ回路がコースロックモードであれば前記チャージポンプの前記出力端に電圧を出力し、前記位相ロックループ回路が前記コースロックモード以降のファインロックモードであれば前記出力端をフローティングさせる電圧源と、
前記第1ノードに連結される入力端、及びバッファスイッチを介して前記第2ノードに連結される出力端を有し、前記位相ロックループ回路が前記ファインロックモードである際に、前記伝達スイッチを通過して流れる漏れ電流を遮断するバッファと、を含む、集積回路。
【請求項18】
前記バッファは、前記第1ノードに連結される非反転入力端、及び負帰還経路を介して前記バッファスイッチに連結される反転入力端を有するユニティゲイン増幅器を含む、請求項
17に記載の集積回路。
【請求項19】
前記位相ロックループ回路が前記ファインロックモードである際に、前記バッファスイッチはターンオンされ、前記伝達スイッチはターンオフされる、請求項
18に記載の集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相ロックループ回路を含む集積回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
位相ロックループ(Phase Locked Loop、PLL)回路は、位相を調整して、基準信号を出力信号の周波数及び/又は位相と同期させる回路であって、様々な分野で活用されることができる。位相ロックループ回路は、電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator、VCO)や、電圧制御発振器に制御電圧を供給するループフィルタなどを含むことができ、制御電圧によって電圧制御発振器が生成する出力信号の特性が決定されることができる。したがって、位相ロックループ回路の性能を確保するためには、ループフィルタが出力する制御電圧に含まれる様々な雑音成分を効果的に除去する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の技術的思想が実現しようとする課題のうちの一つは、制御電圧を出力する伝達スイッチを含むことで様々な回路素子で発生する可能性がある漏れ(leakage)成分が制御電圧に与える影響を、最小限に抑えることができる、位相ロックループ回路を含む集積回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態による集積回路は、位相ロックループ回路を含み、上記位相ロックループ回路は、制御電圧に基づいて所定の周波数を有するクロック信号を出力する電圧制御発振器と、上記クロック信号を所定の基準信号と比較して第1制御信号及び第2制御信号を出力する位相周波数検出器と、上記第1制御信号及び上記第2制御信号に基づいて上記制御電圧を出力するチャージポンプと、伝達スイッチを介して上記チャージポンプの出力端と連結される出力端を有する電圧源と、上記伝達スイッチに連結され、上記伝達スイッチがターンオフされる間に上記伝達スイッチを通過する漏れ電流を除去する漏れ除去器と、を含む。
【0005】
本発明の他の実施形態による集積回路は、位相ロックループ回路を含み、上記位相ロックループ回路は、制御電圧に基づいてクロック信号を出力する電圧制御発振器と、上記クロック信号を所定の基準信号と比較して第1制御信号及び第2制御信号を出力する位相周波数検出器と、出力端を有し、上記第1制御信号及び上記第2制御信号に基づいて上記制御電圧を出力するチャージポンプと、上記位相ロックループ回路が第1ロックモード(lock mode)であれば伝達スイッチを介して上記チャージポンプの上記出力端に第1電圧を出力し、上記位相ロックループ回路が上記第1ロックモード以降の第2ロックモードであれば上記出力端をフローティングさせる電圧源と、上記伝達スイッチ及び上記電圧源の上記出力端と連結されて、上記位相ロックループ回路が上記第2ロックモードである際に、上記伝達スイッチを通過する漏れ電流を除去する漏れ除去手段と、を含む。
【0006】
本発明のさらに他の実施形態による集積回路は、位相ロックループ回路を含み、上記位相ロックループ回路は、制御電圧に基づいてクロック信号を出力する発振器と、基準クロック信号を上記クロック信号と比較して第1制御信号及び第2制御信号を出力する位相周波数検出器と、出力端を有し、上記第1制御信号及び上記第2制御信号に基づいて上記出力端に上記制御電圧を出力するチャージポンプと、第1ノード及び第2ノードを有し、上記第1ノードは、上記チャージポンプの上記出力端に連結される伝達スイッチと、上記第2ノードに連結される出力端と第1抵抗及び第2抵抗を有し、上記位相ロックループ回路がコースロックモード(coarse lock mode)であれば上記チャージポンプの上記出力端に電圧を出力し、上記位相ロックループ回路が上記コースロックモード以降のファインロックモード(fine lock mode)であれば上記出力端をフローティングさせる電圧源と、上記第1ノードに連結される入力端、及びバッファスイッチを介して上記第2ノードに連結される出力端を有し、上記位相ロックループ回路が上記ファインロックモードである際に、上記伝達スイッチを介して流れる漏れ電流を遮断するバッファと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によると、ループフィルタに適切な電圧を供給するために電圧分配器を用いることができ、電圧分配器とループフィルタを連結する伝達スイッチがターンオフされる間に、伝達スイッチ及び電圧分配器を通過する漏れ電流を最小限に抑えることができる回路が提供されることができる。伝達スイッチの素子設計と関係なく漏れ電流を減らすことにより、整定時間(settling time)とのトレードオフなく位相ロックループ回路の性能を向上させることができる。
【0008】
本発明の多様でありながらも有益な長所及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程によってさらに容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態による位相ロックループ回路を含むシステムを簡単に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による位相ロックループ回路を含むシステムを簡単に示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による位相ロックループ回路を説明するために提供される図面である。
【
図4】本発明の一実施形態による位相ロックループ回路を説明するために提供される図面である。
【
図5】本発明の一実施形態による位相ロックループ回路の動作を説明するために提供される回路図である。
【
図6】本発明の一実施形態による位相ロックループ回路の動作を説明するために提供される回路図である。
【
図7】本発明の一実施形態による位相ロックループ回路の動作を説明するために提供されるタイミング図である。
【
図8】本発明の一実施形態による位相ロックループ回路の動作を説明するために提供される回路図である。
【
図9】本発明の一実施形態による位相ロックループ回路の動作を説明するために提供されるグラフである。
【
図10】本発明の一実施形態による位相ロックループ回路の動作を説明するために提供されるグラフである。
【
図11】本発明の一実施形態による位相ロックループ回路を含むRFモジュールを示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態による位相ロックループ回路を含む電子機器を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を次のように説明する。
【0011】
図1及び
図2は本発明の一実施形態による位相ロックループ回路を含むシステムを簡単に示す図である。
【0012】
先ず、
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるシステム10は、自動周波数コントローラ11(Auto Frequency Controller、AFC)と、位相ロックループ回路12と、を含むことができる。位相ロックループ回路は、振幅ではなく位相変動を調整することで従来の信号の周波数及び位相を出力信号と同期させる回路であって、位相及び周波数を検出する回路や発振器などを含むことができる。一例として、位相ロックループ回路12に含まれる発振器は、電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator、VCO)であることができる。位相ロックループ回路12が出力する信号の周波数及び/又は位相は、電圧制御発振器に入力される制御電圧によって制御されることができる。
【0013】
自動周波数コントローラ11は、位相ロックループ回路12の動作を制御することができる。一例として、自動周波数コントローラ11は、位相ロックループ回路12の電圧制御発振器に入力される制御電圧を調整することにより、位相ロックループ回路12の出力信号の周波数及び/又は位相を調整することができる。
【0014】
次に、
図2を参照すると、システム20は、自動周波数コントローラ30と、位相ロックループ回路40と、を含むことができる。位相ロックループ回路40は、位相周波数検出器41や、チャージポンプ42、ループフィルタ43、電圧制御発振器44、分周器45などを含むことができる。
図2に示された位相ロックループ回路40の構成は一例に過ぎず、様々に変形することができる。
【0015】
上述のように、位相ロックループ回路40は、電圧制御発振器44が生成した出力信号OUTの周波数及び/又は位相を基準信号REFと同期させることができる。このため、位相周波数検出器41は、出力信号OUTのフィードバックを受けることで基準信号REFと比較することができる。出力信号OUTのフィードバック経路には分周器45が設けられることができ、位相周波数検出器41は、基準信号REFの周波数と分周器45を通過した出力信号OUTの周波数を比較して、その差に対応する信号を出力することができる。
【0016】
一例として、位相周波数検出器41が出力する信号は、チャージポンプ42の制御信号として用いられることができる。チャージポンプ42は、第1電源ノードに連結される第1電流源と、第2電源ノードに連結される第2電流源と、を含むことができ、第1電流源と第2電流源の間には、第1スイッチ、第2スイッチが連結されることができる。チャージポンプ42の出力ノードは、第1スイッチと第2スイッチの間のノードであることができ、位相周波数検出器41が出力する信号によって第1スイッチ及び第2スイッチのそれぞれがターンオン又はターンオフされることができる。
【0017】
チャージポンプ42は所定の制御電圧を出力し、チャージポンプ42が出力する制御電圧によって電圧制御発振器44の出力信号OUTの周波数及び/又は位相が決定されることができる。一方、チャージポンプ42が出力する制御電圧のノイズ成分を除去するために、ループフィルタ43がチャージポンプ42と電圧制御発振器44の間に連結されることができる。一例として、チャージポンプ42が出力する電流によってループフィルタ43に含まれるキャパシタが充電されることができ、充電されたキャパシタによって電圧制御発振器44に制御電圧が入力されることができる。
【0018】
一般に、位相ロックループ回路40は、コースロック(Coarse Lock)モードとファインロック(Fine Lock)モードで動作することができる。コースロックモードでは、ループフィルタ43に含まれるキャパシタに適切な電圧を供給することができる電圧源が活性化することができる。一例として、電圧源は、スイッチ素子として実現される伝達スイッチを介してキャパシタと連結されることができ、コースロックモードでは、伝達スイッチがターンオンされて、電圧源の出力電圧によってキャパシタが充電されることができる。電圧源は簡単に電圧分配器などとして実現されることができる。コースロックモードが終了し、ファインロックモードに入ると、伝達スイッチがターンオフされて、ループフィルタが電圧源と分離されることができる。
【0019】
最近、電子機器で消費される電力が重要な問題として台頭するにつれて、電子機器のプロセッサなどに搭載される位相ロックループ回路40の消費電力を減らすために、位相ロックループ回路40を駆動するための電源電圧VDDを低くすることができる。一例として、位相周波数検出器41や、チャージポンプ42、ループフィルタ43、電圧制御発振器44などの構成要素をデジタルドメインで設計することにより、電源電圧VDDを低くすることができる。
【0020】
上記のように電源電圧VDDが低下する場合には、比較的低い閾電圧を有するスイッチ素子で伝達スイッチを実現せざるを得ず、ファインロックモードでターンオフされた伝達スイッチを通過して漏れ電流が流れる可能性がある。漏れ電流は、ループフィルタ43が電圧制御発振器44に供給する制御電圧に影響を与えることがあり、その結果、ファインロックモードで電圧制御発振器44の出力信号を所望の周波数及び/又は位相と正確に同期させないおそれがある。
【0021】
また、電源電圧VDDが低下するにつれて、伝達スイッチの閾電圧に対する電源電圧の比(VDD/VTH)が減少することがあり、これによって、特定の電圧で伝達スイッチのターンオン抵抗の増加を引き起こす可能性がある。ターンオン抵抗の増加に伴う整定時間(settling time)の増加を防ぐために伝達スイッチのサイズを大きくすることもできるが、ターンオフ状態の伝達スイッチが原因で漏れ電流が増加するという問題が生じるおそれもある。
【0022】
上記のような問題を解決するために、本発明の一実施形態による位相ロックループ回路40は、ターンオフ状態の伝達スイッチを通過した漏れ電流が制御電圧に与える影響を最小限に抑えることができる漏れ除去器を含むことができる。漏れ除去器は、伝達スイッチ両端の電圧値を同一に維持するか、又は伝達スイッチの一側に連結されて、漏れ電流による電圧の変化を最小限に抑えることができる。これにより、伝達スイッチのサイズを増加させることなく、所望のターンオン抵抗で伝達スイッチを設計することができ、位相ロックループ回路40の整定時間を所望の値に決定することができる。
【0023】
図3及び
図4は本発明の一実施形態による位相ロックループ回路を説明するために提供される図面である。
【0024】
先ず、
図3は、一般の位相ロックループ回路50に含まれるチャージポンプ51、ループフィルタ52、及び電圧源53を示す回路図である。チャージポンプ51は、第1電流源CS1や、第2電流源CS2、第1制御スイッチT
C1、第2制御スイッチT
C2などを含むことができる。第1電流源CS1及び第1制御スイッチT
C1は第1電源電圧VDDを供給する第1電源ノードに連結され、第2電流源CS2及び第2制御スイッチT
C2は第2電源電圧VSSを供給する第2電源ノードに連結されることができる。チャージポンプ51の出力ノードは、第1制御スイッチT
C1と第2制御スイッチT
C2の間のノードとして定義されることができる。
【0025】
第1制御スイッチTC1及び第2制御スイッチTC2は、第1制御信号UP及び第2制御信号DNによってそれぞれ制御されることができる。第1制御信号UP及び第2制御信号DNは互いに逆の位相を有することができる。ループフィルタ52は、チャージポンプ51の出力電圧VCPに含まれているノイズ成分を除去することで制御電圧VCTRLを生成することができる。
【0026】
電圧源53は伝達スイッチTGを介してループフィルタ52と連結されることができ、伝達スイッチTGはコースロックモードでターンオンされることができる。コースロックモードでは、伝達スイッチTGとともに、電圧源53の第1スイッチT1及び第2スイッチT2がターンオンされることができる。これにより、電圧源53の第1抵抗R1及び第2抵抗R2によって決定される電圧がループフィルタ52に供給されることができる。コースロックモードが終了し、ファインロックモードに入ると、伝達スイッチTGがターンオフされて、電圧源53は制御電圧VCTRLの出力ノードと分離されることができる。
【0027】
ファインロックモードでは伝達スイッチTGがターンオフされるため、電圧源53が制御電圧V
CTRLに影響を与えない。しかし、実際の回路では、伝達スイッチTGのオフ抵抗により、電圧源53からの漏れ電流が発生することがあり、これによって、制御電圧V
CTRLの変動をもたらす可能性がある。
図4を参照すると、ファインロックモードに進入した第1時点t1の後に、伝達スイッチTG及び電圧源53による漏れ電流が原因で制御電圧V
CTRLが変動することがある。特に、位相ロックループ回路50の消費電力を低くするために第1電源電圧VDDの大きさを減少させる場合には、伝達スイッチTGの閾電圧及びオフ抵抗がともに減少するため、制御電圧V
CTRLに影響を与える漏れ電流がさらに多く生成される可能性がある。
【0028】
図5及び
図6は本発明の一実施形態による位相ロックループ回路の動作を説明するために提供される回路図である。
【0029】
先ず、
図5を参照すると、本発明の一実施形態による位相ロックループ回路100は、チャージポンプ110、ループフィルタ120、電圧源130、及び漏れ除去器140などを含むことができる。チャージポンプ110は、第1電源電圧VDDによって動作する第1電流源CS1と、第2電源電圧VSSに連結されて動作する第2電流源CS2と、を有し、第1制御スイッチT
C1及び第2制御スイッチT
C2のオン/オフ動作により、出力電圧V
CPを生成することができる。
【0030】
第1制御スイッチTC1及び第2制御スイッチTC2はそれぞれ、第1制御信号UP及び第2制御信号DNによってオン/オフされることができ、第1制御信号UP及び第2制御信号DNはチャージポンプ110の前端に配置される位相周波数検出器により生成されることができる。位相周波数検出器は、電圧制御発振器の出力信号を基準信号と比較して第1制御信号UP及び第2制御信号DNを生成することができる。
【0031】
電圧源130は、電圧分配器などとして実現されることができ、伝達スイッチTGは、チャージポンプ110の出力端に連結される第1ノードと、電圧源130に連結される第2ノードと、を含むことができる。これにより、伝達スイッチTGがターンオンされると、電圧源130がループフィルタ120に連結されることができる。
【0032】
位相ロックループ回路100がコースロックモードで動作する間、伝達スイッチTG、電圧源130の内部の第1スイッチT1、及び第2スイッチT2がターンオンされることができる。これにより、電圧源130の第1抵抗R1及び第2抵抗R2によって決定された電圧が伝達スイッチTGを介してループフィルタ120に入力されることができる。伝達スイッチTGは、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタが結合されたスイッチ素子であることができ、その他様々なスイッチ素子に置き換えることができる。一方、第1スイッチT1及び第2スイッチT2は、第1スイッチング信号S1を介してともに制御されることができ、伝達スイッチTGは、第2スイッチング信号S2を介して制御されることができる。一実施例において、第1抵抗R1及び第2抵抗R2は、同一の抵抗値を有することができる。
【0033】
位相ロックループ回路100がファインロックモードに入ると、電圧源130が制御電圧VCTRLに影響を与える可能性がないように、伝達スイッチTG、第1スイッチT1及び第2スイッチT2がターンオフされることができる。但し、上述のように、伝達スイッチTG、第1スイッチT1及び第2スイッチT2に存在するオフ抵抗が原因で伝達スイッチTG及び電圧源130による漏れ電流が発生する可能性がある。制御電圧VCTRLは、かかる漏れ電流によって変動することがあり、これが電圧制御発振器が正確な位相及び周波数を有する出力信号を生成するための妨害要因となり得る。
【0034】
本発明の一実施形態では、漏れ除去器140を用いることにより、漏れ電流が制御電圧V
CTRLに与える影響を最小限に抑えることができる。
図5を参照すると、漏れ除去器140は、バッファと、バッファの出力端に連結されるバッファスイッチT3と、を含むことができる。バッファは、負帰還機構を有する演算増幅器U1を含むことができ、一例として、演算増幅器U1は、ユニティゲイン増幅器(Unity Gain Amplifier)であってもよい。バッファスイッチT3は、演算増幅器U1の出力端と伝達スイッチTGの第2ノードの間に連結されることができる。演算増幅器U1の反転入力端は、負帰還経路を介して演算増幅器U1の出力端に連結され、非反転入力端は、伝達スイッチTGの第1ノードに連結されることができる。
【0035】
位相ロックループ回路100がファインロックモードに入ると、伝達スイッチTG、第1スイッチT1及び第2スイッチT2がターンオフされ、バッファスイッチT3はターンオンされることができる。
図5に示された一実施形態では、負帰還機構を有する演算増幅器U1により、伝達スイッチTGの第1ノード及び第2ノードの電圧が同一の大きさに維持されることができる。これにより、伝達スイッチTGのオフ抵抗による漏れ電流が最小限に抑えられることができ、ファインロックモードで制御電圧V
CTRLが安定した値に維持されることができる。一実施例では、伝達スイッチTGや、第1スイッチT1、第2スイッチT2、及びバッファスイッチT3などは、自動周波数コントローラによって制御されることができる。
【0036】
また、本発明では、伝達スイッチTGのサイズなどに対する設計を変更することなく、漏れ除去器140を用いることで、伝達スイッチTGを通過する漏れ電流を除去することができる。すなわち、本発明の一実施形態では、伝達スイッチTGのサイズに応じたターンオン抵抗と漏れ電流の相関関係をなくすことができる。したがって、伝達スイッチTGのサイズなどを自由に決定することにより、位相ロックループ回路100の整定時間を所望の値に設計することができる。
【0037】
伝達スイッチTGのサイズを自由に決めることができる点は、電圧源130の出力電圧の分布を改善するためにも役立つことができる。第1スイッチT1及び第2スイッチT2は、同一の工程で製造される場合であっても、工程上の偏差などによって互いに異なるターンオン抵抗を有することがある。したがって、第1抵抗R1及び第2抵抗R2の抵抗値を増加させることにより、電圧源130の出力電圧の分布を減らすことができる。しかし、この場合、電圧源130の出力電圧が安定化される整定時間が増える可能性がある。一般には、電圧源130の出力電圧が安定化される整定時間を短縮させるために伝達スイッチTGを小さく設計する場合、ファインロックモードで伝達スイッチTGを通過する漏れ電流が増加して制御電圧VCTRLが変動することがあった。一方、本発明の一実施形態では、漏れ除去器140により、伝達スイッチTGのサイズとは関係なく漏れ電流を除去することができるため、伝達スイッチTGを十分に小さく設計し、且つ第1抵抗R1及び第2抵抗R2の抵抗値を十分に大きく設計することで、電圧源130の出力電圧分布を減らすとともに、電圧源130の出力電圧の整定時間を短縮させることができる。
【0038】
次に、
図6を参照すると、本発明の一実施形態による位相ロックループ回路200は、チャージポンプ210や、ループフィルタ220、電圧源230、及び漏れ除去器240などを含むことができる。
図6に示された一実施形態では、漏れ除去器240が別のバッファなくバッファスイッチT3だけで実現されることができる。
図6を参照すると、チャージポンプ210に含まれる演算増幅器U1の出力端と伝達スイッチTGの間にバッファスイッチT3を連結させることにより、漏れ除去器240を実現することができる。すなわち、チャージポンプ210と漏れ除去器240が演算増幅器U1を共有することができる。
【0039】
図6を参照すると、チャージポンプ210は、第1から第4制御スイッチT
C1からT
C4、第1電流源CS1、第2電流源CS2、及び演算増幅器U1を含むことができる。演算増幅器U1の反転入力端は負帰還経路を介して演算増幅器U1の出力端に連結され、非反転入力端はチャージポンプ210の出力端に連結されることができる。また、演算増幅器U1の出力端は、第3制御スイッチT
C3と第4制御スイッチT
C4の間に連結されることができる。演算増幅器U1は、チャージポンプ210で発生する可能性がある電荷共有の問題を解決するために設けられた素子であることができる。
【0040】
伝達スイッチTGは、チャージポンプ210の出力端に連結される第1ノードと、電圧源230に連結される第2ノードと、を含むことができる。演算増幅器U1の非反転入力端がチャージポンプ210の出力端に連結されるため、バッファスイッチT3を演算増幅器U1の出力端と伝達スイッチTGの第2ノードの間に連結させることにより、
図5に示された一実施形態と同一の回路を実現することができる。ファインロックモードでは、バッファスイッチT3がターンオンされると、演算増幅器U1により伝達スイッチTGの第1ノード及び第2ノードが同一の電圧に維持されて、伝達スイッチTGのオフ抵抗による漏れ電流が最小限に抑えられることができる。
【0041】
図7は本発明の一実施形態による位相ロックループ回路の動作を説明するために提供されるタイミング図である。
【0042】
図7は
図5及び
図6に示された実施形態による位相ロックループ回路100、200の動作を説明するためのタイミング図である。
図7を参照すると、コースロック(Coarse Lock)モードでは、第1スイッチT1、第2スイッチT2、及び伝達スイッチTGがターンオンされることができる。その後、ファインロック(Fine Lock)モードに入ると、第1スイッチT1、第2スイッチT2、及び伝達スイッチTGがターンオフされ、バッファスイッチT3がターンオンされることができる。これにより、伝達スイッチTGの第1ノード及び第2ノードが演算増幅器U1により同一の電圧を有することができ、チャージポンプ110、210が動作して制御電圧V
CTRLを出力する間、伝達スイッチTGのオフ抵抗による漏れ電流に対する影響を最小限に抑えることができる。
【0043】
図8は本発明の一実施形態による位相ロックループ回路の動作を説明するために提供される回路図である。
【0044】
図8を参照すると、本発明の一実施形態による位相ロックループ回路300は、チャージポンプ310や、ループフィルタ320、電圧源330、及び漏れ除去器340などを含むことができる。
図8に示された一実施形態では、漏れ除去器340が、第1サブ抵抗RS1及び第2サブ抵抗RS2を用いた電圧分配器として実現されることができる。一例として、第1サブ抵抗RS1及び第2サブ抵抗RS2は互いに同一の抵抗値を有することができ、電圧源330の第1抵抗R1及び第2抵抗R2に比べて非常に大きい抵抗値を有することができる。一実施例では、第1サブ抵抗RS1及び第2サブ抵抗RS2は、第1抵抗R1及び第2抵抗R2の数十倍~数百倍の抵抗値を有することができる。伝達スイッチTGの第1ノードは、チャージポンプ310の出力端に連結され、第2ノードは、第1サブ抵抗RS1と第2サブ抵抗RS2の間のノードに連結されることができる。
【0045】
コースロックモードが終了し、ファインロックモードが開始すると、伝達スイッチTG、第1スイッチT1及び第2スイッチT2がターンオフされることができる。位相ロックループ回路300の場合には、コースロックモードにおける制御電圧VCTRLとファインロックモードにおける制御電圧VCTRLの差が大きくない。このため、比較的大きい抵抗値を有する第1サブ抵抗RS1及び第2サブ抵抗RS2を用いて少ない電流で伝達スイッチTGの第2ノードの電圧をホールドすることにより、伝達スイッチTGを通過する漏れ電流を大幅に低減させることができる。第1サブ抵抗RS1及び第2サブ抵抗RS2が電圧源330に含まれる第1抵抗R1及び第2抵抗R2よりも大きい抵抗値を有するため、漏れ除去器340によって加わる消費電力は大きくない。
【0046】
図9及び
図10は本発明の一実施形態による位相ロックループ回路の動作を説明するために提供されるグラフである。
【0047】
先ず、
図9は位相ロックループ回路において電圧制御発振器に入力される制御電圧を示すグラフである。
図9を参照すると、制御電圧は、所定の整定時間T
Sの間に増加して目標電圧V
Tに達することができる。
図9には示されていないが、整定時間T
Sの間に制御電圧は目標電圧V
Tよりも大きい値まで増加することもできる。
【0048】
位相ロックループ回路が所望の周波数及び/又は位相を有する出力信号を生成するためには、正確な制御電圧が電圧制御発振器に入力される必要がある。但し、上述のように、ファインロックモードでターンオフ状態を維持する伝達スイッチを通過した漏れ電流が制御電圧に影響を与えるため、制御電圧に変動が生じ、結果的に位相ロックループ回路の出力信号が意図した周波数及び/又は位相を有することができなくなる可能性がある。
【0049】
様々な実施形態を参照して説明したように、本発明では、漏れ除去器を用いて伝達スイッチ両端の電圧差を減らすことにより漏れ電流を除去することができる。先ず、
図9の第1区間T
Dを拡大して示した
図10のグラフ(a)を参照すると、漏れ除去器が含まれていない位相ロックループ回路の場合には、制御電圧が目標電圧V
Tを基準に第1変化量VD1だけ変化する。次に、漏れ除去器が含まれる位相ロックループ回路における制御電圧を示すグラフ(b)を参照すると、制御電圧が目標電圧V
Tを基準に、第2変化量VD2だけ変化する。ここで、第2変化量VD2は、第1変化量VD1よりも小さい。一例として、第1変化量VD1は、第2変化量VD2の数百倍~数千倍であり得る。
【0050】
図11は本発明の一実施形態による位相ロックループ回路を含むRFシステムを示す図である。但し、本発明の一実施形態による位相ロックループ回路は、RFシステムの他に、他の様々なシステムにも採用されることができる点に留意すべきである。
【0051】
図11を参照すると、本発明の一実施形態によるRFシステム400は、送信モジュール410や、受信モジュール420、及びプロセッサ430などを含むことができる。送信モジュール410及び受信モジュール420は、整合ネットワーク403や、位相ロックループ回路405、アンテナ(ANT)などを共有することができる。
【0052】
プロセッサ430が送信しようとする送信データを出力すると、送信モジュール410は、位相ロックループ回路405から受信したキャリア信号と送信データとが重なるようにすることができる。一例として、ミキサー411は、送信信号を高周波信号に変換することができ、電力増幅器412は、送信信号を増幅させることで、整合ネットワーク403及びアンテナ(ANT)を介して出力することができる。
【0053】
アンテナ(ANT)が受信信号を受信すると、低ノイズ増幅器421は、受信信号を増幅させることで、ミキサー422に伝達することができる。ミキサー422は、位相ロックループ回路405の出力信号を参照して受信信号を低周波信号に変換することができ、低周波信号に変換された受信信号は可変利得増幅器423によって増幅されることができる。アナログ-デジタルコンバータ424は、可変利得増幅器423の出力をデジタルデータに変換することで、プロセッサ430に伝達することができる。
【0054】
位相ロックループ回路405は、送信モジュール410及び受信モジュール420の両側に出力信号を送信し、周波数が動かないように固定したり、周波数を正確に変更したりするなどの役割を果たすことができる。そのため、位相ロックループ回路405の出力信号の周波数が安定的に維持されない場合には、RFシステム400全体の性能が低下する可能性がある。
【0055】
上述のように、本発明の実施形態による位相ロックループ回路は、漏れ除去器を用いることで、ファインロックモードで制御電圧の変動を最小限に抑えることができる。これにより、制御電圧の入力を受けて出力信号の周波数を決定する電圧制御発振器が安定して動作することができ、RFシステム400の動作安定性などの性能を改善させることができる。
【0056】
図12は本発明の一実施形態による位相ロックループ回路を含む電子機器を示すブロック図である。
【0057】
図12に示された一実施形態による電子装置1000は、ディスプレイ1010や、通信モジュール1020、メモリ装置1030、プロセッサ1040、及びポート1050などを含むことができる。加えて、電子装置1000は、電源装置やセンサーモジュールなどをさらに含むことができる。
図12に示された構成要素のうちポート1050は、電子装置1000がビデオカードや、サウンドカード、メモリカード、USBデバイスなどと通信するために設けられる装置であることができる。電子装置1000は、一般のデスクトップコンピュータやラップトップコンピュータの他に、スマートフォン、タブレットPC、スマートウェアラブル機器などをすべて包括する概念であることができる。
【0058】
プロセッサ1040は、特定の演算やコマンド及びタスクなどを行うことができる。プロセッサ1040は、中央処理装置(CPU)又はマイクロプロセッサユニット(MCU)であることができ、バス1060を介してディスプレイ1010、通信モジュール1020、メモリ装置1030はもちろん、ポート1050に連結された他のデバイスと通信することができる。
【0059】
ディスプレイ1010や、通信モジュール1020、メモリ装置1030、プロセッサ1040などの構成要素は、必要に応じて、本発明の一実施形態による位相ロックループ回路を含むことができる。本発明の一実施形態による位相ロックループ回路は、漏れ除去器を用いることでファインロックモードで制御電圧を安定的に生成することにより、出力信号の周波数を正確に維持することができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0061】
100、200、300 位相ロックループ回路
110、210、310 チャージポンプ
120、220、320 ループフィルタ
130、230、330 電圧源
140、240、340 漏れ除去器