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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】部品実装機
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20230920BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20230920BHJP
   H02K 41/03 20060101ALI20230920BHJP
   H02K 9/04 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
H05K13/04 A
H02K41/03 A
H02K9/04 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019106643
(22)【出願日】2019-06-07
(65)【公開番号】P2020202221
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 雅之
(72)【発明者】
【氏名】伊原 學
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-268654(JP,A)
【文献】特許第3448005(JP,B2)
【文献】国際公開第2013/190613(WO,A1)
【文献】特開2002-299896(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0164392(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00
H05K 13/04
H02K 41/03
H02K 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を基板に実装する部品実装機であって、
前記部品をX方向およびY方向に搬送して前記基板上に搭載するヘッドユニットと、
前記X方向に延びて設けられ、前記ヘッドユニットを前記X方向に移動可能に支持するX方向フレームと、
複数の固定子が前記Y方向に並んで配設されてなる固定子群が前記X方向に対向して配置された一対の固定子群と前記一対の固定子群の間に配されて前記Y方向に移動可能な可動子とを有するリニアモータと、
前記Y方向に延びて設けられ、前記可動子に一体に取り付けられた前記X方向フレームを移動可能に支持するY方向フレームと、を備え、
前記Y方向フレームは、前記Y方向フレームの両端部に配された一対の支持壁部分と、前記一対の固定子群の下方に配されたベース面を有し、前記一対の支持壁部分に支持されたフレーム部分と、を備えて構成され、
前記フレーム部分における前記ベース面より下方には、前記可動子に冷却媒体を接触させる冷却経路が設けられており、
前記フレーム部分における前記Y方向の端部に装着され、前記冷却媒体を前記一対の固定子群の間へ前記Y方向に送り込んで前記可動子の側部のうち前記Y方向端部に接触させた後、下方に向きを変えて前記冷却経路に進入させることで、前記冷却媒体を前記冷却経路に供給する冷却媒体供給部を備える、部品実装機。
【請求項2】
前記基板を搬送する搬送装置をさらに備え、
前記フレーム部分は、前記搬送装置によって前記基板を搬送するための搬送用開口と前記ベース面との間に位置する低剛性部と、前記低剛性部よりも剛性が高い高剛性部と、を備えて構成され、
前記冷却経路は前記高剛性部に設けられている、請求項1に記載の部品実装機。
【請求項3】
前記Y方向フレームは、前記冷却経路の両端部のうち前記搬送用開口側の端部から前記ベース面とは異なる面に至る排出経路を有する、請求項2に記載の部品実装機。
【請求項4】
前記冷却経路における前記搬送用開口側の端部はテーパ状とされている、請求項2または請求項3に記載の部品実装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品実装機に関する。
【背景技術】
【0002】
リニアモータを備えた部品実装機として、特開2008-108950号公報(下記特許文献1)に記載の電子部品実装装置が知られている。この電子部品実装装置は、作業面に平行な一方向に延伸されたビームと、ビームの延伸方向に移動可能なスライダと、スライダを移動させるリニアモータと、を備えている。リニアモータは、スライダに設けられた可動子と、ビームに設けられた固定子と、を備えている。スライダと可動子の間に空隙部が形成され、ファンによって空隙部に空気を送り込んで可動子を冷却できるようになっている。
【0003】
このリニアモータとは異なり、一般に相殺型と呼ばれるリニアモータが知られている。相殺型のリニアモータは互いに平行に延伸している一対の固定子の間に可動子を配置したものであり、一方の固定子が可動子を吸引する磁気吸引力と他方の固定子が可動子を吸引する磁気吸引力とが相殺されるようにしたものである。このため、相殺型のリニアモータはそうでないものと比較して、リニアモータの取付部の剛性を高くする必要がない等の利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-108950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
可動子に電流を流すと、固定子の永久磁石との間で磁気吸引力が発生する。これにより可動子に対して推力が発生すると共に可動子は発熱する。このときに発生した熱は可動子からXビームに伝わる。Xビームに熱が伝わると、各部品の熱膨張によりXビーム全体が変形し、Xビームを支えているリニアガイドに負荷がかかり、寿命を低下させることになる。また、Xビームの変形により部品搭載ヘッドの姿勢に影響を及ぼす。したがって、リニアモータの発熱は可能な限り低いことが好ましい。
【0006】
可動子の冷却のみを考慮すると、一対の固定子と可動子とがX方向に並んで配置された相殺型のリニアモータにおいて固定子と可動子の間の空隙部を広げることも考えられるが、モータのスペックが変わってしまうためこの方法を採用することはできない。この方法とは別に、リニアモータとその上側に配置されたテーブルとの間の隙間を広げる方法も考えられるが、部品実装機に高さ制限がある場合にはその方法も採用し得ない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の部品実装機は、部品を基板に実装する部品実装機であって、前記部品をX方向およびY方向に搬送して前記基板上に搭載するヘッドユニットと、前記X方向に延びて設けられ、前記ヘッドユニットを前記X方向に移動可能に支持するX方向フレームと、複数の固定子が前記Y方向に並んで配設されてなる固定子群が前記X方向に対向して配置された一対の固定子群と前記一対の固定子群の間に配されて前記Y方向に移動可能な可動子とを有するリニアモータと、前記一対の固定子群の下方に配されたベース面を有し、前記可動子に一体に取り付けられた前記X方向フレームを移動可能に支持するY方向フレームと、を備え、前記Y方向フレームにおける前記ベース面より下方には、前記可動子に冷却媒体を接触させる冷却経路が設けられている、部品実装機である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、部品実装機を大型化することなく可動子を冷却する冷却経路を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は実施形態1の部品実装機の斜視図である。
図2図2は部品実装機の正面図である。
図3図3図2のリニアモータを拡大して示した正面図である。
図4図4図2のA-A断面図である。
図5図5図4の可動子を拡大して示した断面図である。
図6図6図4のB-B断面図である。
図7図7図6のリニアモータを拡大して示した断面図である。
図8図8は実施形態2の部品実装機の斜視図である。
図9図9は冷却経路の内部構造を示した断面図であって、図4と同じ切断位置で切断した断面図である。
図10図10は冷却経路の内部構造を示した断面図であって、図6と同じ切断位置で切断した断面図である。
図11図11は実施形態3の冷却経路を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の部品実装機は、部品を基板に実装する部品実装機であって、前記部品をX方向およびY方向に搬送して前記基板上に搭載するヘッドユニットと、前記X方向に延びて設けられ、前記ヘッドユニットを前記X方向に移動可能に支持するX方向フレームと、複数の固定子が前記Y方向に並んで配設されてなる固定子群が前記X方向に対向して配置された一対の固定子群と前記一対の固定子群の間に配されて前記Y方向に移動可能な可動子とを有するリニアモータと、前記一対の固定子群の下方に配されたベース面を有し、前記可動子に一体に取り付けられた前記X方向フレームを移動可能に支持するY方向フレームと、を備え、前記Y方向フレームにおける前記ベース面より下方には、前記可動子に冷却媒体を接触させる冷却経路が設けられている、部品実装機である。
【0011】
本開示の部品実装機は、一対の固定子群がX方向に対向して配置され、一対の固定子群の間に可動子が配された、いわゆる相殺型のリニアモータを備えている。固定子と可動子の間の空隙部を広げて冷却経路を確保することもできるが、これでは部品実装機がX方向に大型化する。そこで、本開示の部品実装機では一対の固定子群の下方に配されたベース面より下方に冷却経路を設けたから、部品実装機の大型化を回避しつつ、可動子に冷却媒体を接触させて冷却することができる。
【0012】
(2)前記基板を搬送する搬送装置をさらに備え、前記Y方向フレームは、前記搬送装置によって前記基板を搬送するための搬送用開口と前記ベース面との間に位置する低剛性部と、前記低剛性部よりも剛性が高い高剛性部と、を備えて構成され、前記冷却経路は前記高剛性部に設けられていることが好ましい。
低剛性部に冷却経路を設けると、低剛性部の剛性がさらに低下するため好ましくない。そこで、低剛性部ではなく高剛性部に冷却経路を設けることで低剛性部の剛性低下を防ぎつつ冷却効果を高めることができる。
【0013】
(3)前記Y方向フレームは、前記冷却経路の両端部のうち前記搬送用開口側の端部から前記ベース面とは異なる面に至る排出経路を有することが好ましい。
冷却媒体は冷却経路から排出経路を通ってベース面とは異なる面に至るようになっているため、Y方向フレームの外部に冷却媒体を排出できる。
【0014】
(4)前記冷却経路における前記搬送用開口側の端部はテーパ状とされていることが好ましい。
冷却媒体を冷却経路の内部から外部に排出しやすくなる。
【0015】
(5)前記Y方向フレームの端部に装着され、前記冷却媒体を前記可動子の側部に接触させるとともに前記冷却経路に供給する冷却媒体供給部を備えることが好ましい。
冷却媒体供給部によって冷却媒体を可動子の側部に接触させつつ冷却経路に冷却媒体を強制的に送り込むことができるため、冷却効率を上げることができる。
【0016】
[本開示の実施形態1の詳細]
本開示の部品実装機10の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0017】
<部品実装機>
部品実装機10は、図1および図2に示すように、基台11、基台11から上方に立ち上がる一対のY方向フレーム30、一対のY方向フレーム30間に掛け渡された一対のX方向フレーム50、一対のX方向フレーム50に設けられた一対のヘッドユニット60などを備えて構成されている。基台11上には搬送装置12が設けられている。搬送装置12は一対の搬送レール13を有し、一対の搬送レール13によって基板Bが搬送される。
【0018】
<X方向フレーム>
一対のX方向フレーム50は、基台11上において左右方向(X方向)に延びて設けられている。一対のX方向フレーム50には、図1に示すように、上下一対のX方向レール51が設けられている。ヘッドユニット60は、上下一対のX方向レール51によって左右方向に移動可能とされている。
【0019】
X方向フレーム50の端部におけるY方向フレーム30の上方には、サーボモータ52が取り付け固定されている。このサーボモータ52は、X方向フレーム50に取り付けられたボールねじに対してカップリングを介して連結されており、ボールねじを回動させることによってベッドユニット60を左右方向に移動させることができるようになっている。
【0020】
<ヘッドユニット>
ヘッドユニット60は、図6に示すように、複数の吸着ノズル61を備えており、詳細には説明しないものの、各吸着ノズル61は、リニアモータによる駆動方式によって上下動可能とされ、部品Eを吸着して基板Bに載置可能とされている。
【0021】
<Y方向フレーム>
Y方向フレーム30は、基台11上において前後方向(Y方向)に延びて設けられている。図1に示すように、Y方向フレーム30は、前後一対の支持壁部分31と、両支持壁部分31間に架け渡されたフレーム部分32と、を備えて構成されている。
【0022】
左右一対のフレーム部分32は平行に並んで配設され、左右一対のY方向フレーム30の全長にわたって設けられている。左右一対のフレーム部分32の前後両端部は左右一対の各支持壁部分31によって支持されている。
【0023】
Y方向フレーム30は、搬送装置12によって基板Bを搬送するための搬送用開口33を有している。基板Bは、例えば左側の搬送用開口33から機内に搬入され、右側の搬送用開口33から機外に搬出される。
【0024】
<リニアモータ>
図6および図7に示すように、Y方向フレーム30の上端部にはリニアモータ40が設置されている。リニアモータ40は、左右方向に対向して配置された一対の固定子群41と、一対の固定子群41の間に配されてY方向に移動可能な可動子42と、を備えて構成されている。固定子群41は、複数の固定子がY方向に並んで配されたものである。固定子は永久磁石からなり、Y方向フレーム30の前端から後端にわたって等ピッチで複数配設され、これらの固定子が支持プレートに一括して取り付け固定されることで固定子群41が構成されている。
【0025】
Y方向フレーム30において一対の固定子群41の下方に配された面はベース面34とされている。Y方向フレーム30の上端部にはベース面34から上方に立ち上がるガイド壁部35が設けられている。ガイド壁部35は、ベース面34の機内側に位置している。
【0026】
X方向フレーム50は、テーブル43を介して可動子42に一体に取り付けられている。テーブル43は、Y方向フレーム30の上方から機内側に張り出す態様で可動子42の上部に取り付けられている。
【0027】
テーブル43は、リニアガイド44を介してガイド壁部35の上部に載置されている。可動子42の内部には複数のコイルが配設されており、これらのコイルに通電が行われて可動子42が一対の固定子群41間でY方向に駆動されると、リニアガイド44によってテーブル43がY方向に案内され、これに伴ってX方向フレーム50がY方向に移動可能とされている。したがって、サーボモータ52とリニアモータ40とによってヘッドユニット60を前後方向および左右方向の所望の位置に移動させることができる。
【0028】
<ファン>
フレーム部分32の前後両端部には、図1および図3に示すように、前後一対のファン36が設けられている。前側のファン36は、フレーム部分32の前方から一対の固定子群41の間へ常温空気を後方に送り込み、後側のファン36は、フレーム部分32の後方から一対の固定子群41の間へ常温空気を前方に送り込む。前側のファン36から送り込まれた常温空気は前側の可動子42の前側の側部に吹き付けられ、後側のファン36から送り込まれた常温空気は後側の可動子42の後側の側部に吹き付けられる。
【0029】
<冷却経路>
図4および図5に示すように、Y方向フレーム30には可動子42を冷却する冷却経路37が設けられている。冷却経路37は、Y方向フレーム30のフレーム部分32のベース面34より下方に設けられている。詳細には、フレーム部分32は、低剛性部38と、低剛性部38の前後両側に配された一対の高剛性部39と、を備えて構成され、冷却経路37は、前側の高剛性部39と後側の高剛性部39とに一つずつ設けられている。
【0030】
低剛性部38は、搬送用開口33とベース面34の間の部分であり、高剛性部39は、支持壁部分31より上方の部分である。このため低剛性部38は、上方から力を受けた場合に、搬送用開口33側に撓み変形しやすく、剛性が低いものとされている。一方、高剛性部39は、上方から力を受けた場合に、支持壁部分31によって撓み変形が防止されるため、低剛性部38より剛性が高いものとされている。
【0031】
仮に低剛性部38に冷却経路を設けてしまうと、低剛性部38の剛性がさらに低下するため、フレーム部分32の低剛性部38が変形したり、振動しやすくなったりするおそれがある。一方、高剛性部39に冷却経路37を設けると、支持壁部分31によって下方から支持されており高剛性部39の剛性が低下することはないため、高剛性部39が変形し、振動しやすくなる等のおそれはない。
【0032】
前側のファン36によって一対の固定子群41の間に空気が送り込まれると、空気が前側の可動子42の前側の側部に突き当たることで可動子42の冷却が行われる。その後、空気が前側の冷却経路37に送り込まれて可動子42の下部に接触することで可動子42の冷却がさらに行われ、前側の冷却経路37の後端部からベース面34側に排出される。
【0033】
同様に、後側のファン36によって一対の固定子群41の間に空気が送り込まれると、空気が後側の可動子42の後側の側部に突き当たることで可動子42の冷却が行われる。その後、空気が後側の冷却経路37に送り込まれて可動子42の下部に接触することで可動子42の冷却がさらに行われ、後側の冷却経路37の前端部からベース面34側に排出される。
【0034】
[本開示の実施形態2の詳細]
次に、実施形態2を図8から図10を参照しながら説明する。実施形態2の部品実装機110は、実施形態1の部品実装機10の冷却経路37に排出経路70を追加したものであり、その他の構成については実施形態1の部品実装機10と同じである。実施形態1の部品実装機10と同じ構成については実施形態1と同一の符号を用いるものとする。
【0035】
排出経路70は、図9に示すように、冷却経路37の両端部のうち搬送用開口33側の端部から下方に延びる第1排出経路71と、第1排出経路71の下端部から搬送用開口33とは反対側に延びる第2排出経路72と、を有している。第1排出経路71は、フレーム部分32から支持壁部分31にわたって設けられている。第2排出経路72は、図10に示すように、支持壁部分31の内部に設けられている。図8および図9に示すように、前側の第2排出経路72は支持壁部分31の前面に開口する排出口73を有し、後側の第2排出経路72は支持壁部分31の後面に開口する排出口73を有している。
【0036】
ファン36によって冷却経路37に送り込まれた空気は、冷却経路37の両端部のうち搬送用開口33側の端部から第1排出経路71に送り込まれ、第1排出経路71の下端部から第2排出経路72に送り込まれ、排出口73から部品実装機110の外部に排出される。このようにすれば、冷却経路37を流れる空気の速度が速くなるため、可動子42を冷却する能力が速くなり、実施形態1の部品実装機10より強力に可動子42を冷却できる。
【0037】
[本開示の実施形態3の詳細]
次に、実施形態3を図11を参照しながら説明する。実施形態3の部品実装機210は、実施形態1の部品実装機10の冷却経路37における搬送用開口33側の端部をテーパ状としたものであり、その他の構成については実施形態1の部品実装機10と同じである。実施形態1の部品実装機10と同じ構成については実施形態1と同一の符号を用いるものとする。
【0038】
本実施形態の冷却経路237はテーパ部237Aを有している。テーパ部237Aは、冷却経路237の両端部のうち搬送用開口33側の端部に設けられており、高剛性部39に配設されている。テーパ部237Aは、搬送用開口33に近づくほどベース面34に近づくテーパ面を有している。このためファン36によって冷却経路237に送り込まれた空気は、テーパ部237Aに案内されてベース面34側に円滑に排出される。
【0039】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態1から3では冷却経路の全体が高剛性部39に配されているものの、冷却経路の一部が低剛性部38に配されているものとしてもよい。
【0040】
(2)上記実施形態1から3では冷却経路に常温空気を供給しているものの、冷却経路に冷却ガスを供給してもよい。
【0041】
(3)上記実施形態1から3ではY方向フレーム30の端部にファン36を装着しているものの、ファン36を装着しなくてもよい。
【0042】
(4)上記実施形態2では排出経路70の排出口73が支持壁部分31の前面もしくは後面に開口しているものの、排出口が支持壁部分31の側面に開口しているものでもよい。
【0043】
(5)上記実施形態3ではテーパ部237Aがテーパ面を有しているものの、テーパ部が弧状に湾曲した面を有しているものとしてもよい。
【0044】
(6)上記実施形態1から3では冷却経路がベース面34に沿うように水平方向に延びて設けられているものの、冷却経路はベース面34に直交する配置で垂直方向に延びて設けられているものとしてもよい。例えば、実施形態の図9にてファン36を設置せずに開口させ、代わりに排出口73の位置に実装機内に送風するファンを設けてもよい。さらにその変形例として図9にてファン36が設置されている面が開口せずに壁等で覆われていても図9の冷却経路37と同様な冷却経路を設けておけば可動子を冷却する効果はある。さらに図9の冷却経路と同様な冷却経路を設けずに第1排出経路71と同様な経路が支持壁部分31に対応するベース面34に開口していればその部分で可動子を冷却することはできる。
【符号の説明】
【0045】
10、110、210…部品実装機
11…基台
12…搬送装置
13…搬送レール
30…Y方向フレーム
31…支持壁部分
32…フレーム部分
33…搬送用開口
34…ベース面
35…ガイド壁部
36…ファン
37、237…冷却経路
237A…テーパ部
38…低剛性部
39…高剛性部
40…リニアモータ
41…固定子群
42…可動子
43…テーブル
44…リニアガイド
50…X方向フレーム
51…X方向レール
52…サーボモータ
60…ヘッドユニット
61…吸着ノズル
70…排出経路
71…第1排出経路
72…第2排出経路
73…排出口
B…基板
E…部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11