(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/511 20060101AFI20230920BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20230920BHJP
A61F 13/535 20060101ALI20230920BHJP
A61F 13/536 20060101ALI20230920BHJP
A61F 13/532 20060101ALI20230920BHJP
A61F 13/534 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
A61F13/511 500
A61F13/53 100
A61F13/535 200
A61F13/536 100
A61F13/532 210
A61F13/534 110
(21)【出願番号】P 2019122080
(22)【出願日】2019-06-28
【審査請求日】2022-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002631
【氏名又は名称】弁理士法人イイダアンドパートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100076439
【氏名又は名称】飯田 敏三
(74)【代理人】
【識別番号】100161469
【氏名又は名称】赤羽 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100164345
【氏名又は名称】後藤 隆
(72)【発明者】
【氏名】松田 昂平
(72)【発明者】
【氏名】川口 宏子
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-006741(JP,A)
【文献】特開2001-258936(JP,A)
【文献】特開2016-174741(JP,A)
【文献】特表2013-500842(JP,A)
【文献】特開2015-112306(JP,A)
【文献】特開2007-202576(JP,A)
【文献】特開2018-000777(JP,A)
【文献】特開2008-093920(JP,A)
【文献】特開2017-042249(JP,A)
【文献】国際公開第2011/125530(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性コアと該吸収性コアの肌面側及び非肌面側を覆うコアラップシートとを有する吸収体を備えた吸収性物品であって、
前記吸収体の肌面側に表面シートが配され、前記吸収体と前記表面シートとの間に中間部材が配されており、
前記吸収性コアの肌面側
の前記コアラップシート及び前記表面シートの少なくとも一方
は、L
*a
*b
*表色系でL
*値:40以上75以下、a
*値:-12以上0以下、b
*値:-24以上-6以下の範囲の色を有
し、
前記吸収性コアが、高吸収性ポリマーとパルプ繊維との集合体であり、前記吸収性コアの肌面側に前記高吸収性ポリマーが配されており、
前記吸収性コアの肌面側には、前記吸収性コアと前記コアラップシートとの接合部が配されており、前記吸収性コアの肌面側の少なくとも一部において、前記接合部によって前記高吸収性ポリマーを囲む部屋が配置され、前記高吸収性ポリマーの配された領域が区画され、該領域に複数の前記高吸収性ポリマーが平面方向にならして配されており、
前記色が、前記高吸収性ポリマーの変色後の色と補色の関係の範囲にある色であ
り、
前記中間部材が、L
*
a
*
b
*
表色系で示されるL
*
値が50以上80以下の無彩色であり、
前記色を有する、肌面側の前記コアラプシート及び前記表面シートの少なくとも一方と、前記中間部材と、前記高吸収性ポリマーとが平面視で重なる、吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性コアが、着用者の前側、股下及び後側が繋がる方向に相当する長手方向と該長手方向に直交する幅方向とを有し、
前記高吸収性ポリマーを囲む部屋が前記長手方向に列をなしており、該列が前記幅方向に3列以上配置されている請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記高吸収性ポリマーは、前記吸収性コアの肌面側に配置されたものと共に、前記パルプ繊維と混綿されたものを含み、前記吸収性コアでは、非肌面側から肌面側に向けて前記高吸収性ポリマーの坪量が多くなっている請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収性コアを、厚み方向に、肌面側に位置する表面部と、非肌面側に位置する裏面部とに区分したときに、前記表面部における前記高吸収性ポリマーの坪量が40g/m
2以上である請求項1~3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記吸収体が圧縮部を有する請求項1~
4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収性コアにスリット部が配されており、前記吸収性コアの肌面側及び非肌面側に配されている前記コアラップシート同士が前記スリット部で接着されている請求項1~
5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
おむつ等の吸収性物品に用いられる高吸収性ポリマー(SAP)は、高温多湿の環境下において、酸化によって黄色や褐色に変色し、吸収性物品の外観が劣化して見えることがある。このような現象は特に、東南アジア等の亜熱帯や熱帯の地域において生じやすい。そこでこれまで、酸化防止剤等を用いて高吸収性ポリマーの変色を抑制し、吸収性物品の良好な外観を維持する技術が提案されてきた。
例えば、特許文献1にはハイドロキノンの含有量の少ないアクリル酸又はキンヒドロン化防止剤を用いる技術が、特許文献2には還元性化合物及び特定の酸(塩)を用いる技術が、特許文献3にはスルフィン酸誘導体を用いる技術が、それぞれ記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-322846号公報
【文献】特開2003-52742号公報
【文献】特表2006-521431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1~3に記載の技術では、酸化防止剤等の変色を抑制する成分を含む高価な高吸収性ポリマーを用いざるを得ず、吸収性物品の価格は高くなってしまう。
本発明は、上記の点に鑑み、変色を抑制する成分を含む高吸収性ポリマーを用いなくても良好な外観を維持できる吸収性物品に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、吸収性コアと該吸収性コアの肌面側及び非肌面側を覆うコアラップシートとを有する吸収体を備えた吸収性物品であって、前記吸収性コアの肌面側及び非肌面側の少なくとも一方に、L*a*b*表色系でL*値:40以上100以下、a*値:-12以上3以下、b*値:-24以上3以下の範囲の色を有する部材があり、前記吸収性コアが、高吸収性ポリマーとパルプ繊維との集合体であり、前記吸収性コアの肌面側に前記高吸収性ポリマーが配されており、前記吸収性コアの肌面側には、前記吸収性コアと前記コアラップシートとの接合部が配されており、前記吸収性コアの肌面側の少なくとも一部において、前記接合部によって前記高吸収性ポリマーを囲む部屋が配置され、前記高吸収性ポリマーの配された領域が区画されている吸収性物品を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の吸収性物品は、変色を抑制する成分を含む高吸収性ポリマーを用いなくても良好な外観を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る吸収性物品の好ましい一実施形態を示したおむつの斜視図である。
【
図2】
図1に示すおむつをサイドシール部で破断して展開し伸長させて肌面側から見た状態を模式的に示した一部切欠展開平面図である。
【
図4】吸収性コアの肌面側において、接合部による部屋と高吸収性ポリマーとの配置状態を模式的に示す一部拡大平面図である。
【
図5】(A)は吸収性コアと該吸収性コアの肌面側の部材及び非肌面側の部材との積層状態を示す一部拡大断面図であり、(B)は(A)図の変形例を示す一部拡大断面図である。
【
図6】吸収性コアにスリット部が配されている状態を示す平面図である。
【
図7】吸収性コアの肌面側及び非肌面側に配されているコアラップシート同士がスリット部で接着されている状態を模式的に示す、吸収性コアの厚み方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の吸収性物品の好ましい実施形態としてのおむつについて、図面を参照しながら以下に説明する。
【0009】
本発明においては、吸収性物品の装着状態において着用者の肌に接触する側を肌面側、肌当接面側又は表面側といい、これと反対側を非肌面側、非肌当接面側又は裏面側という。これらは、吸収性物品の装着状態において着用者の肌に接触する面を有さない部材に関しても、吸収性物品の部材構成における相対的な位置関係を示す用語として用いる。また、吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向という。
【0010】
図1に示すように、本実施形態のおむつ10は、吸収性本体1と外装体2とを有する。外装体2は、着用者の前側及び後側それぞれに対応する前側外装部21と後側外装体22とを有する。前記前側とは着用者の腹側であり、前記後側とは着用者の背側である。前側外装体21及び後側外装体22は横長であり、それぞれの両側縁が重ね合わされてサイドシール部11において接合され、おむつ10における環状の胴回り部10Dが形成されている。吸収性本体1は外装体2から延出した部分が、おむつ10における中間部10Cを形成している。おむつ10は、胴回り部10Dの上方が開放されたウエスト開口部12と、中間部10Cの左右両側が開放された一対のレッグ開口部13、13を有する。
【0011】
図2は、おむつ10を、サイドシール部11、11において破断して展開状態を示している。ここで展開状態とは、各部を伸長させて吸収性物品を平面状に拡げた状態をいう。
おむつ10は、展開状態において、前側部10F、中間部10C及び後側部10Rに区分される。前側部10F及び後側部10Rには、横長の前側外装部21及び後側外装体22それぞれが対応して配されている。縦長の吸収性本体1は、その長手方向を、おむつ10の前側部10F、中間部10C及び後側部10Rに向けて配されている。この配置において、吸収性本体1は、着用者の前側、股下及び後側が繋がる方向に相当する長手方向Yと、長手方向Yに直交する幅方向Xを有する。
【0012】
おむつ10を構成する吸収性本体1は、
図3に示すように、肌面側の液透過性の表面シート3、非肌面側の防漏性の裏面シート4、及び表面シート3と裏面シート4との間に配置される液保持性の吸収体5を有する。吸収体5は、高吸収性ポリマー67とパルプ繊維68との集合体からなる吸収性コア6と、吸収性コア6の外周を覆うコアラップシート7とを有する。コアラップシート7は親水性を有する素材からなり、例えば親水性の紙や不織布からなる。
【0013】
また、本実施形態において、吸収性本体1の長手方向Yの両側に一対のサイドシート9を備える。サイドシート9の幅方向Xの内方側の端部に伸長状態にした弾性部材91を配して立体ギャザー部92が形成されている。また、サイドシート9の幅方向Xの外方側の端部に伸長状態にした弾性部材93を配してレッグギャザー部94が形成されている。更に本実施形態の吸収性本体1において、裏面シート4の非肌面側には外装不織布48が配されている。
【0014】
吸収性コア6は、
図2に示すように、吸収性本体1と同様に長手方向Yと長手方向に直交する幅方向Xとを有する。コアラップシート7は、
図2及び
図3に示すように、吸収性コア6の長手方向Yの全体を覆いながら幅方向Xに延出して、吸収性コア6の肌面側、両側及び非肌面側(外周)を被覆している。具体的には、肌面側コアラップシート71が吸収性コア6の肌面側を覆い、非肌面側コアラップシート72が吸収性コア6の非肌面側を覆っている。非肌面側コアラップシート72は更に幅方向Xに延出して両側部、肌面側へと巻き上げられ、肌面側コアラップシート71の幅方向Xの両端部の肌面側に積層され、接合されている。この積層された部分は、吸収性コア6の幅方向Xの両端部の2ヶ所において、吸収性コア6の長手方向Yの全長に亘る積層部75となっている。コアラップシート7の積層部75は、
図3では、吸収性コア6の肌面側に2つ配されているが、これに限定されない。例えば、非肌面側に配されてもよく、非肌面側又は肌面側に1つ又は3つ以上配されていてもよい。積層体75が吸収性コア6の非肌面側に1つ配される場合、例えば、1枚のコアラップシートを吸収性コア6の肌面側から両側部、非肌面側へと巻き下げて、端部同士を積層させた態様が挙げられる。この場合、1枚のコアラップシートのうち、吸収性コア6の肌面側に配されているものを肌面側コアラップ71、吸収性コア6の非肌面側に配されているものを非肌面側コアラップシート72と言う。
【0015】
吸収性コア6の肌面側には、
図3に示すように、高吸収性ポリマー67が配されている。高吸収性ポリマー67は、吸収性コア6の肌面側において、後述する接合部55によって区画された部屋ごとに区画されている。この高吸収性ポリマー67は、吸収性コア67の肌面側に均一に配されていることが好ましい。ここで言う「均一」とは、下記方法によって吸収性コア6の肌面上にある高吸収性ポリマー67の脱落量を各区画について測定して、全区画の平均脱落量に対する、各区画の脱落量と全区画の平均脱落量との差分の比が、坪量比として、±100%以内であることをいう。また、前記全区画の平均脱落量に対する各区画の脱落量の比は、坪量比として、好ましくは±50%以内であり、より好ましくは±30%以内である。
【0016】
(吸収性コア6の肌面側における高吸収性ポリマー67の分布の測定方法)
(1)平面視において吸収体を横2区分、縦3区画する位置にて、該吸収体を含む吸収性物品を分割する。
(2)1区画の肌面側にある吸収性コアより肌当接面側の部位(例えば、コアラップシート及び表面シート)を切り取り、吸収性コアを露出させる。露出した部分を下にして20回振とうし、脱落した高吸収性ポリマーの質量を測定し、坪量換算(g/m2)する。これにより、スリットの有無や、吸収性コアの形状(例えば砂時計形状)による面積の相違等の影響を控除して、各区画における高吸収性ポリマーの脱落量の比較を可能にする。
(3)前記(2)の処理を各区画で行う。次いで、各区画における測定値から、全区画の平均脱落量(坪量換算)を算出し、該平均脱落量(坪量換算)に対する、各区画の脱落量(坪量換算)と前記全区画における平均脱落量(坪量換算)の差分の比を算出する。すなわち、[各区画の脱落量-全区画の平均脱落量]/[全区画の平均脱落量]を算出する。
【0017】
なお、高吸収性ポリマー67は、吸収性コア6の肌面側のみならず内部にも高吸収性コア67が配されていてもよい。内部においては、高吸収性ポリマー67は、吸収性コア6の厚み方向及び平面方向に分散され、パルプ繊維68の繊維間に担持された状態にあることが好ましい。
【0018】
加えて、吸収性コア6の肌面側には、
図3及び
図4に示すように、吸収性コア6とコアラップシート7(肌面側コアラップシート71)との接合部55が配されている。接合部55は接着剤を塗布して形成されたものである。接着剤はこの種の物品において通常用いられるものを用いることができ、例えば、ホットメルト型接着剤などが挙げられる。また、接着剤の塗工もこの種の物品において通常用いられる方法によって行うことができる。例えば、スプレー塗工やグラビア塗工などが挙げられる。液吸収性を保持し、前述の高吸収性ポリマー67の均一配置を保持するために、接着剤は吸収性コア6の肌面に対して線状に間欠的に塗工されることが好ましく、スパイラル状に塗工されることがより好ましい。すなわち、接着剤によって形成される接合部55は、吸収性コア6の肌面に対して線状に間欠的に配されていることが好ましく、スパイラル状に配されていることが好ましい。
【0019】
図3及び
図4に示すように、吸収性コア6の肌面側の少なくとも一部において、接合部55によって高吸収性ポリマー67を囲む部屋56が配置されている。すなわち、接合部55が、吸収性コア6の肌面側において、高吸収性ポリマー67の配された領域を仕切る柱となっている。
部屋56は、接合部55に囲まれた領域内に、吸収性コア6の肌面とコアラップシート7(肌面側コアラップシート71)とで上下に挟まれた空間56Rを備える。部屋56が備える空間56Rに、複数の高吸収性ポリマー67が平面方向にならして配されている。この部屋56は吸収性コア6の肌面に複数配されている。これにより、吸収性コア6の肌面側において高吸収性ポリマー67の配された領域が区画されている。
【0020】
上記の部屋56によって、吸収性コア6の肌面側に配された高吸収性ポリマー67の移動が好適に抑制される。すなわち、接合部55が柱となって仕切る部屋56、56間で高吸収性ポリマー67が移動し難くされている。通常、おむつ10は、製造後に折り畳まれ、販売用の包装袋内に圧縮収納され、その後、運搬、販売され、購入後に開封、使用される等の様々な場面で様々な外力を受ける。その場合でも、接合部55による部屋56の配置によって、高吸収性ポリマー67の移動が抑制され、吸収性コア6の肌面側に配された高吸収性ポリマーの均一性が保持されやすくなる。
これにより、高吸収性ポリマー67が変色していたとしても、変色後の色(例えば黄色や褐色)が塊として存在することが抑えられる。また、高吸収性ポリマー67が吸収性コア6の肌面側で塊にならず均一であることで、排泄液の素早い吸収と、肌面側から吸収性コア6内部への排泄液の好適な浸透とが実現される。これにより、吸収性コア6全体の吸収性能が高められる。
【0021】
このような部屋56は、前述のとおり、吸収性コア6の肌面側の少なくとも一部に複数配されている。複数の部屋56が配置される領域としては、高吸収性ポリマー67の均一配置を保持し、変色後の色(例えば黄色や褐色)を目立ちにくくし、かつ、高い液吸収性を実現する観点から、吸収体の1/3の範囲にあることが好ましく、吸収体の3/4の範囲にあることがより好ましく、吸収性コア6の肌面側全体の領域にあることが更に好ましい。前記吸収体の1/3の範囲、吸収体の3/4の範囲には、後述する受液領域が含まれることが好ましい。
【0022】
上記の部屋56は、吸収性コア6の長手方向Yに列をなし、該列が幅方向Xに3列以上配置されていることが好ましい。これにより、高吸収性ポリマー67の幅方向Xへの移動、偏在、脱落を効果的に抑制して均一配置を保持することができる。この観点から、前記列は幅方向Xに4列以上配置されることがより好ましく、5列以上配置されることが更に好ましい。また、前記列は、吸収性能を阻害させないようにする観点から、幅方向Xに10列以下配置されることが好ましく、8列以下配置されることがより好ましく、6列以下配置されることが更に好ましい。具体的には、前記列は、幅方向Xに3列以上10列以下配置されることが好ましく4列以上8列以下配置されることがより好ましく、5列以上6列以下配置されることが更に好ましい。
また、1つの列における上記の部屋56の数(長手方向Yの数)は、高吸収性ポリマー67の長手方向Yへの移動、偏在、脱落を効果的に抑制して均一配置を保持する観点から、5個以上が好ましく、10個以上がより好ましく、20個以上が更に好ましい。また、1つの列における上記の部屋56の数(長手方向Yの数)は、吸収性能を担保する観点から、100個以下が好ましく、50個以下がより好ましく、30個以上が更に好ましい。具体的には、1つの列における上記の部屋56の数(長手方向Yの数)は、5個以上100個以下が好ましく、10個以上50個以下がより好ましく、20個以上30個以下が更に好ましい。
【0023】
上記の部屋56は、線状の接合部55によって縁取られた平面形状を有し、該平面形状は種々の形状とすることができる。例えば、円、楕円、多角形などが挙げられる。特に、高吸収性ポリマー67の均一配置を保持し、高吸収性ポリマー67の部屋56、56間の移動を抑制し、液吸収時に吸収性コア6の肌面側でゲルブロッキングが生じ難くする観点から、上記の部屋56の平面形状は、円又は楕円形が好ましい。この観点から、接合部55はスパイラル状に配されていることが好ましい。接合部55がスパイラル状に配されることにより、上記の円又は楕円形の部屋56を隙間なく配置でき、高吸収性ポリマー67の均一配置を効率的に実現できる。
線状の接合部55の線幅は、吸収性コア6の液吸収性を保持し、高吸収性ポリマー67の均一配置を保持する観点から、5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましく、1mm以下が更に好ましい。また、線状にされた接合部55の線幅は、高吸収性ポリマー67の部屋56、56間の移動を抑制する観点から、0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましく、0.5以上が更に好ましい。具体的には、線状にされた接合部55の線幅は、0.1以上5mm以下が好ましく、0.3mm以上3mm以下がより好ましく、0.5mm以上1mm以下が更に好ましい。
さらに、おむつ10の使用時に、高吸収性ポリマー67の脱落を抑制する観点、高吸収性ポリマー67の均一配置を維持する観点から、上記の部屋56を構成する接合部55が吸収性コア6の肌面の外縁69(
図3及び6参照)にも配されていることが好ましい。ここでいう「吸収性コア6の肌面の外縁69」とは、吸収性コア6を肌面側から平面視したときに見える吸収性コア6の外周に沿ったへりの部分をいう。この場合、外縁69の少なくとも一部に接合部55があることが好ましい。例えば、吸収性コア6の肌面の外縁69の全長に対して配される接合部55の割合は、5%以上が好ましく、20%以上が好ましく、50%以上が更に好ましい。前記割合は大きい程好ましい。具体的には、前記割合は、5%以上100%以下が好ましく、20%以上100%以下が好ましく、50%以上100%以下が更に好ましい。
【0024】
吸収性コア6の肌面側における接合部55の坪量(接合部55を形成する接着剤の坪量)は、吸収性コア6の液吸収性を保持し、高吸収性ポリマー67の均一配置を保持する観点から、20g/m2以下が好ましく、15g/m2以下がより好ましく、10g/m2以下が更に好ましい。また、吸収性コア6の肌面側における接合部55の坪量は、吸収性コア6と肌面側コアラップシート71との接着強度を確保し、高吸収性ポリマー67の部屋56、56間の移動を抑制する観点から、1g/m2以上が好ましく、3g/m2以上がより好ましく、5g/m2以上が更に好ましい。具体的には、吸収性コア6の肌面側における接合部55の坪量は、1g/m2以上20g/m2以下が好ましく、3g/m2以上15g/m2以下がより好ましく、5g/m2以上10g/m2以下が更に好ましい。
【0025】
(吸収性コア6の肌面側における接合部55の坪量の測定方法)
コアラップシート7の非肌面側及び吸収性コア6の肌面側の接着剤の塗工部分(接合部55が配された部分)の領域をコアラップシート7の肌面側から所定厚み(接着剤が含浸している厚み。例えば5mmの厚み。)にて切り取り、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを取り除く。前記塗工部から溶剤を用いて接着剤(例えばホットメルト接着剤)を抽出し、抽出した溶液をロータリーエバポレーターで減圧乾固させて、得られた接着剤の質量を測定する。
測定した接着剤の質量を塗工部の幅方向端部、長手方向端部を端とする部分を面積として除して、吸収性コア6の肌面側における接合部55の坪量を算出する。
なお、前記溶剤としては、接着剤の種類等に応じて適宜選択すればよい。測定対象の接着剤が例えばホットメルト接着剤などである場合、溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、ヘプタンが挙げられる。
【0026】
また、吸収性コア6の肌面側に配される高吸収性ポリマー67の坪量は、吸収性コア6の液吸収性を保持する観点、変色後の色を目立ちにくくする観点から、10g/m2以上が好ましく、20g/m2以上がより好ましく、30g/m2以上が更に好ましい。また、吸収性コア6の肌面側に配される高吸収性ポリマーの坪量は、吸収性コア6内部への液透過性を保持する観点、ゲルブロッキングの発生を抑制する観点から、100g/m2以下が好ましく、80g/m2以下がより好ましく、60g/m2以下が更に好ましい。具体的には、吸収性コア6の肌面側に配される高吸収性ポリマーの坪量は、10g/m2以上100g/m2以下が好ましく、20g/m2以上80g/m2以下がより好ましく、30g/m2以上60g/m2以下が更に好ましい。
【0027】
さらに、おむつ10において、吸収性コア6の肌面側及び非肌面側の少なくとも一方に、L*a*b*表色系でL*値:40以上100以下、a*値:-12以上3以下、b*値:-24以上3以下の範囲の色を有する部材が配されている。上記の色はL*a*b*表色系においてL*値:60以上80以下、a*値:-9以上0以下、b*値:-15以上-6以下であることがより好ましく、L*値:65以上75以下、a*値:-6以上-3以下、b*値:-12以上-9以下であることが更に好ましい。本明細書において、上記の色は、高吸収性ポリマー67の配置地位よりも肌面側又は非肌面側で上から重ねられる部材に存在することから、「包被色」ともいう。なお、L*a*b*表色系は、JIS-Z-8729において定められており、L*は明るさを、a*及びb*は色の方向を示している。各値はプラスからマイナスまでの値で示さる。L*は値が大きいほど明るいことを示す。a*については、プラスの値が略赤方向、マイナスの値が略緑方向を示す。b*については、プラスの値が略黄色方向を示し、マイナスの値が略青色方向を示す。
【0028】
上記の包被色は、高吸収性ポリマー67の変色後の色(例えば黄色や褐色)と補色の関係の範囲にある色である。補色の関係にある色同士は、おむつ20を外側から見たときに重なってみえる。すなわち混色して見える。その結果、おむつ10の外側からは、特に肌面側からは、高吸収性ポリマー67の変色後の色の彩度が下げられ目立たちにくくなる。より詳細には、不織布等の繊維素材の部材やフィル素材の部材など、光を透過しやすい部材同士の重なりにおいて、高吸収性ポリマー67の変色後の色が、これよりも外側の包被色に投影される。これにより、おむつ10の外側からは、補色の関係にある色同士が混色して見え、高吸収性ポリマー67の変色後の色の彩度が下げられ目立ちにくくなる。
また、吸収性コア6の肌面側の高吸収性ポリマー67が平面方向にならして配置さていることから、変色後の色が塊にならず、上記の包被色の中に分散して見える。そのため、おむつ10を外側から見たとき、特に肌面側から見たとき、補色の関係にある色同士がそれぞれ塊になって隣り合って見えることが回避される。通常、補色の関係にある色同士がそれぞれ塊になって隣り合うと彩度の強調が起きるが、上記の配置によってこのような補色同士の彩度の強調を回避することができる。この観点から、高吸収性ポリマー67は、前述のように均一に配されていることが好ましい。
【0029】
また、上記の包被色を有する部材があることで、高吸収性ポリマー67の変色の有無、変色の程度に拘らず、おむつ10の使用初期から良好な外観となり好ましい。
【0030】
(包被色におけるL*a*b*表色系の各値の測定方法)
測定対象の部材を吸収性物品から取り出して測定を行う。具体的には、測定対象の部材と他の部材との接合に用いられる接着剤などをコールドスプレー等の冷却手段で弱めた後に、測定対象の部材を丁寧に剥がして取り出す。
測定は下に白いシートを敷き、日本電色工業株式会社製の簡易型分光色差計NF333(商品名)等の色差計を用いて行う。上記の簡易型分光色差計NF333による計測方法においては、ステープラータイプにてφ4mmのND110センサーを取り付けておき、該センサーの先端部にはOリング(小)を用い、光源C/2、視野角2°で計測する。
測定の際は、測定対象の部材の測定部位に色差計のセンサー部を直接あてて測定する。
【0031】
包被色を有する肌面側の部材としては、
図5(A)に示すように、表面シート3及び肌面側コアラップ71が挙げられる。加えて、
図2及び3に示すように、吸収性コア6に対して部分的に重なるサイドシート9も含まれる。また、
図5(B)に示すように、表面シート3と吸収体5との間に中間部材35がある場合は、中間部材35も含まれる。この中間部材35としては、表面シート3から透過された排泄液を平面方向に拡散させながら吸収体5の広い面で素早く吸収する機能を備える、親水性の繊維素材からなることが好ましい。
また、包被色が配される非肌面側の部材としては、裏面シート4、非肌面側コアラップシート72及び外装不織布48が挙げられる。加えて、
図1及び2に示すように、前述した外装体2も非肌面側の部材に含まれる。
これら肌面側及び非肌面側の部材のうち1つに包被色が配されてもよく、2以上の部材に包被色が配されていてもよい。2以上の部材に包被色が配されている方が上記の視覚的作用がより高められて好ましい。例えば、肌面側と非肌面側の両方で1部材又は2部材以上に包被色が配されていることが好ましい。
包被色を高吸収性ポリマー67の変色後の色(L
*a
*b
*表色系の各値)に合わせやすくする観点、前述の視覚的効果をより効果的にする観点から、できるだけ高吸収性ポリマー67に近い部材に包被色が配されることが好ましい。例えば、肌面側において包被色が配される部材の優先順位としては、肌面側コアラップシート71;中間部材35;表面シート3;サイドシート9、の順である。また、非肌面側において包被色が配される部材の優先順位としては、非肌面側コアラップシート72;裏面シート4;外装不織布48及び外装体2、の順である。肌面側及び非肌面側のいずれにおいても、少なくともコアラップシート7に包被色が配されていることが好ましい。特に、少なくとも肌面側コアラップシート71に包被色が配されることが好ましい。
また、包被色は、部材の全体に配されてもよく、一部に配されてもよい。一部に配される場合は、吸収性コア6と重なる領域を含めて配されることが好ましい。高吸収性ポリマー67の意図しない脱落等を考慮すると、包被色は部材全体に配されることが好ましい。
【0032】
吸収性コア6の肌面側の部材として前述した中間部材35がある場合、中間部材35に上記の包被色が配されていてもよく、配されていなくてもよい。配されていない場合、他の肌面側の部材(例えばコアラップシート)に包被色が配される。中間部材35は、包被色が無い場合でも、高吸収性ポリマー67の変色後の色をおむつ10の肌面側から遠ざけることができる。これにより、他の部材にある包被色による前述の作用と相俟って、おむつ10の外側(肌面側)からは、高吸収性ポリマー67の変色後の色の彩度が更に下げられて見え、目立ちにくさの効果が更に高められる。
また、中間部材35に上記の包被色が配されない場合、L*値50以上80以下の無彩色、すなわちグレー色が配されていることが好ましい。これにより、高吸収性ポリマー67の変色後の色をより目立ちがにくくすることができる。一般的にグレー色を重ねるとことで色の彩度を落とすことができ、ポリマーの変色部と包被色が重なり、彩度が下がった部位にグレー色を重ねることで、さらに変色部を目立たせにくくすることができる。
【0033】
以上のとおり、おむつ10において、吸収性コア6の肌面側に高吸収性ポリマー67を配し、上記の包被色を有する部材を配置する。おむつ10の使用前の状態において、おむつ10の肌面側から見える吸収体5のL*値は、85以下であることが好ましく、80以下であることがより好ましく、75以下であることが更に好ましい。これにより、ポリマーの変色前後の外観を損ないにくくなる。また、おむつ10の肌面側から見えるL*値は、60以上であることが好ましく、65以上であることがより好ましく、70以上であることが更に好ましい。これにより、ポリマーの変色前後の外観を損なわない効果を保ちつつ、使用前の外観が黒ずむことを抑える。具体的には、おむつ10の使用前の状態において、おむつ10の肌面側から見えるL*値は、60以上85以下であることが好ましく、65以上80以下であることがより好ましく、70以上75以下であることが更に好ましい。
なお、おむつ10の肌面側から見える上記L*値も、例えば、日本電色工業株式会社製の簡易型分光色差計NF333(商品名)によって測定することができる。
【0034】
また、おむつ10において、吸収性コア6では、非肌面側から肌面側に向けて高吸収性ポリマー67の坪量が多くなっていることが好ましい。なお、ここで言う高吸収性ポリマー67は、吸収性コア6内のパルプ繊維68と混綿されたものと、吸収性コア6の肌面側に配されたものとを含む。
上記の「多くなっている」とは、吸収性コア6を厚み方向に見たときに、相対的に、非肌面側に近い層よりも肌面側に近い層に高吸収性ポリマー67が多く含まれることを意味し、この量は坪量によって示される。この高吸収性ポリマー67の偏在は、非肌面側から肌面側に向けて徐々に増えていく態様でもよく、段階的に増えていく態様でもよい。少なくとも吸収性コア6の非肌面側の最外層と肌面側の最外層とを比較して、肌面側の最外層に含まれる高吸収性ポリマー67の量が多いことが好ましい。これにより、前述した吸収性コア6の肌面側に配された高吸収性ポリマー67とともに、おむつ10の高い吸収容量を担保し、迅速な吸収と漏れ防止性を高めることができる。
【0035】
また、同様の観点から、高吸収性ポリマー67は次のようにして吸収性コア6に含まれることがより好ましい。すなわち、まず
図3に示すように、吸収性コア6を、厚み方向に、肌面側に位置する表面部61と、非肌面側に位置する裏面部62に区分する。この区分は、吸収性コア51を厚み方向に2等分することによりなされる。このときに、表面部61における高吸収性ポリマー67の坪量が40g/m
2以上であることが好ましく、60g/m
2以上であることがより好ましく、80g/m
2以上であることが更に好ましい。また、表面部61における高吸収性ポリマー67の坪量は、ポリマー密度が高くなることによるゲルブロッキングを防止する観点から、250g/m
2以下であることが好ましく、200g/m
2以下であることがより好ましく、150g/m
2以下であることが更に好ましい。具体的には、表面部61における高吸収性ポリマー67の坪量は、40g/m
2以上250g/m
2以下であることが好ましく、60g/m
2以上200g/m
2以下であることがより好ましく、80g/m
2以上150g/m
2以下であることが更に好ましい。
【0036】
(吸収性コア6にける高吸収性ポリマー67の坪量の測定方法)
まず、吸収性コア6の測定対象部分の断面をマイクロスコープで観察しながら厚み方向に2等分して、表面部61及び裏面部62の各部位を採取する。
採取した各部位について、特許第4225821号公報に記載の繊維及び/又は吸水性ポリマーの定量方法に基づき、高吸収性ポリマー67とパルプ繊維68の混合物のそれぞれを定量化し、高吸収性ポリマー67の質量を算出する。
具体的には、採取した各部位の質量を測定した後、各部位において、高吸収性ポリマー67を低分子量化する。高吸収性ポリマー67の低分子量化は紫外線照射によって行うことができる。その際、採取した各部位の高吸収性ポリマー67とパルプ繊維68の混合物をメッシュ袋などに入れた状態で、アスコルビン酸及びリボフラビンを含む水溶液中に浸漬する。浸漬によって高吸収性ポリマーを膨潤させた後、前記メッシュ袋を水溶液から取り出して、上記の紫外線照射を行い、高吸収性ポリマー67の低分子量化を行う。次いで、低分子量化により生じた成分を水洗いによって除去する。除去したメッシュ袋を充分に水洗いした後、脱水及び乾燥して質量を測定する。測定した質量からメッシュ袋単体の質量を差し引いてパルプ繊維68の質量を算出し、最初に測定した各部位の質量からパルプ繊維68の質量を差し引いて高吸収性ポリマー67の質量を得る。これらを基に、各部位の面積で除して、各部位における高吸収性ポリマー67の坪量を得る。上記の測定を3回行い得た平均値を、表面部61及び裏面部62の各部位における高吸収性ポリマー67の坪量とする。
【0037】
更におむつ10において、吸収体5は、エンボス等によって厚み方向に一定量圧縮を加えて形成した圧縮部(図示せず)を有することが好ましい。これにより、変色後の色が目立つような位置(例えば、吸収性コア6の端部)に、高吸収性ポリマー67が移動することを避けることができる。
圧縮部ではパルプ繊維68が圧縮を受け、これにより高吸収性ポリマー67の動きが拘束されやすくなる。この作用を奏する限り、圧縮部の深さは適宜設定でき、吸収性コア6の裏面部62に到達する深さであってもよい。高吸収性ポリマー67の吸収性が圧縮によって阻害されないようにする観点からは、吸収体5の肌面側において吸収性コア6の表面部61に留まる深さの圧縮部とすることが好ましい。また、前記圧縮部は表面部61のみにあることが吸収性コア6の柔らかさを低下させない観点から好ましい。この圧縮部は、例えば吸収性コア6とコアラップシート7とを含んだ吸収体5に対して、肌面側において、吸収体5の平面方向に線状に形成することができる。線状の圧縮部としては、例えば、長手方向Y及び幅方向Xに対して斜め格子状に配したものが挙げられる。圧縮部の形状は上記の作用を奏するものであれば特に限定されず、上記の斜め格子状の他、千鳥状、波状が挙げられる。また、圧縮部は吸収体5のみに設ける場合に限らず、例えば、吸収体5と表面シート3とを一体にして圧縮したものでもよい。
【0038】
また、おむつ10において、
図6に示すように、吸収性コア6にスリット部8が配されていることが好ましい。スリット部8とは、吸収性コア6においてパルプの量が周囲よりも少なくされて、肌面側から厚み方向に形成された空間部分である。スリット部8は、切込み状の部分であってもよく、所定幅を有する溝であってもよい。このスリット部8の配置位置において、排泄液は吸収性コア6の厚み方向に浸透しやすくなる。これにより、おむつ10において迅速な液吸収保持性とウエットバック防止性を高めることができる。すなわち、前記迅速な液吸収保持性とウエットバック防止性の向上を、高吸収性ポリマー67の変色を目立ちにくくすることと同時に実現できる。
【0039】
スリット部8は、上記の液吸収保持性とウエットバック防止性を高める観点から、吸収性コア6の肌面側から裏面部62にまで到達する深さを有することが好ましく、吸収性コア6の肌面側から非肌面側までの貫通孔であることがより好ましい。加えて、スリット部8は、上記と同様の観点から、吸収性コア6の受液領域Qにあることが好ましい。
ここで言う「受液領域Q」とは、尿等の排泄液を直接受ける領域である。おむつ10において、受液領域Qは、幅方向Xの長さを2等分する線S1から、左右の幅方向3.5cm以内の領域であって、長手方向Yの長さを2等分する線M1から前側方向8cm以内の領域である。また、本発明の吸収性物品が昼用の生理用ナプキンである場合、受液領域Qは、吸収性コア6を長手方向Yに3等分した中間部分であって該中間部分の幅方向Xの長さを2等分する線から左右幅方向2.5cm以内の領域とされる。本発明の吸収性物品が夜用など臀部を覆う幅広の後方フラップを備える生理用ナプキンである場合、長手方向Yに4等分して2番目の部分であって該部分の幅方向Xの長さを2等分する線から左右幅方向2.5cm以内の領域が、受液領域Qとなる。また、本発明の吸収性物品が尿とりパッドや失禁パッドである場合は、おむつ10と同様に設定される。
【0040】
図6においては、スリット部8は、受液領域Qから長手方向Yの前後に延出する長さを有し、幅方向Xに3本並べて配置されている。スリット部8の配置や本数はこれに限定されるものではないが、上記の液吸収保持性とウエットバック防止性を高める観点から、
図6に示す態様が好ましい。
【0041】
スリット部8が複数本ある場合、各スリット部8の幅(溝幅であり幅方向Xの長さ)は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。各スリット部8の幅が同じであると、排泄液が吸収性コア6内で均一に、かつ素早く拡散しやすくなる。これにより、吸収性コア6のより広い範囲の領域を液吸収のために活用することができるので好ましい。この作用を一層顕著にする観点から、各スリット部8の幅は、1mm以上が好ましく、3mm以上がより好ましい。また、各スリット部8の幅は、20mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましい。具体的には、各スリット部8の幅は、1mm以上20mm以下が好ましく、3mm以上15mm以下がより好ましい。なお、各スリット部8の幅が互いに異なる場合でも、各スリット部8の幅が上記の範囲内にあることが好ましい。
【0042】
スリット部8が複数本ある場合、各スリット部8の長さ(長手方向Yの長さ)は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。各スリット部8の長さが同じであると、排泄液が吸収性コア6内で均一に、かつ素早く拡散しやすくなる。これにより、吸収性コア6のより広い範囲の領域を液吸収のために活用することができるので好ましい。この作用を一層顕著にする観点から、各スリット部8の長さは、50mm以上が好ましく、100mm以上がより好ましい。また、各スリット部8の長さは、350mm以下が好ましく、300mm以下がより好ましい。具体的には、各スリット部8の長さは、50mm以上350mm以下が好ましく、100mm以上300mm以下がより好ましい。なお、各スリット部8の長さが互いに異なる場合でも、各スリット部8の長さが上記の範囲内にあることが好ましい。
【0043】
各スリット部8の長さは、吸収性コア6を長手方向Yに3等分して、前方部F、中間部C及び後方部Rに区分したときに下記のようにすることが好ましい。
各スリット部8の長さが互いに同じである場合、各スリット部8の前方部F側の端部T1の位置は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。同様に、各スリット部8の後方部R側の端部T2の位置は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
図6においては、各スリット部8の前方部F側の端部T1の位置は互いに同じであり、各スリット部8の後方部R側の端部T2の位置は互いに同じにしている。
【0044】
各スリット部8は後方部Rにおいて非存在となっていることが好ましい。これにより、吸収性コア6の液吸収力と、吸収性コア6における液拡散性と、おむつ10の良好な装着感とのバランスを図ることができる。特に、各スリット部8の後方部R側の端部T2と、吸収性コア6における中間部Cと後方部Rとの境界位置T3との間の離間距離は、5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、また、50mm以下が好ましく、45mm以下がより好ましい。具体的には、各スリット部8の後方部R側の端部T2と、境界位置T3との間の離間距離は、5mm以上50mm以下が好ましく、10mm以上45mm以下がより好ましい。これにより、高坪領域6Hでの液の拡散が更に起こりやすくなる。また、吸収性コア6が屈曲変形しやすくなり、おむつ10の装着感が一層良好になる。
【0045】
特に、各スリット部8が、吸収性コア6における着用者の大便排泄部に対応する位置よりも後方部R側において非存在となっていると、排泄された便が着用者の肌に付着しづらくなるので好ましい。後方部R側において非存在」とは、スリット部8全ての後方部R側の端部T2の位置が、着用者の大便排泄部に対応する位置よりも前方側Fに偏倚していることを言う。
【0046】
上記のようなスリット部8は、吸収性コア6に対して切込みを加える方法の他、回転ドラムの外周面に配された集積用凹部において、スッリト部8となるべき部位に非通気性の凸部を設けることで製造できる。
【0047】
また、スリット部8に関し、
図7に示すように、吸収性コア6の肌面側及び非肌面側に配されているコアラップシート7同士(肌面側コアラップ71と非肌面側コアラップシート72)がスリット部8の位置で接着されていることが好ましい。すなわち、肌面側コアラップシート71、非肌面側コアラップシート72が吸収性コア6の両面側から、スリット部8に入り込んで接着されていることが好ましい。このとき、スリット部8が貫通孔であることがより好ましい。上記の接着は、排泄液に濡れても剥離しないようにされていることがより好ましい。これにより、高吸収性ポリマー67が吸収体5のスリットの位置に移動しにくくなり、変色した高吸収性ポリマー67が外部から見えにくくなる。なお、コアラップシート71、72同士の接着は、上記の作用を実現する種々の方法によって行うことができる。
【0048】
次に、おむつ10を構成する各部材について説明する。
【0049】
(吸収体5)
液保持性の吸収体5としては、本発明の効果を奏するものであれば、この種のおむつに用いられるものを特に制限することなく任意に採用できる。
吸収体5は、合成繊維を含有することが好ましい。合成繊維の具体例として、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維が挙げられる。また、吸収体5を構成する吸収性コア6及びコアラップシート7の内、少なくとも吸収性コア6に合成繊維が含有されていることが好ましく、吸収性コア6及びコアラップシート7の両方に合成繊維が含有されていることがより好ましい。吸収体5は、合成繊維を含有することで、排泄液に晒されてもへたり難くなる。その結果、変形した吸収体5の隙間から変色した高吸収性ポリマー67が視認されるのを抑制できる。
【0050】
吸収性コア6において、肌面側にいくほど高吸収性ポリマー67の表面積が大きいことが好ましい。高吸収性ポリマー67は、表面積が大きいと、光の乱反射により白く見えやすい。これにより、肌面側付近の高吸収性ポリマー67が変色しても、肌面側から見た時のおむつ10を白く見せやすくなる。
【0051】
また、吸収体5は酸化防止剤を有していてもよい。酸化防止剤の具体例として、トリエチレングリコール-ビス-[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドトキシフェニルプロピオネート及び3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルフォスフォネート-ジエチルエステル等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、並びにn-ブチルアミン、トリエチルアミン及びジエチルアミノメチルメタクリレート等のアミン系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤は、吸収体5を構成する吸収性コア6及びコアラップシート7の内、いずれかに含有されていればよく、両方に含有されていてもよい。例えば、吸収体中の合繊繊維に含有してもよいし、ホットメルト接着剤に含有してもよい。ただし、ここでは酸化防止剤を高吸収性ポリマーに含ませることを含まない。これにより、変色を抑制する成分を含んだ高価な高吸収性ポリマーを用いずに、汎用の高吸収性ポリマーを用いても、前述の吸収性コア6の構成による作用と相俟って、高吸収性ポリマーの変色を抑え、変色があってもおむつ10の外側からから目立たなくすることができる。
【0052】
(表面シート3)
表面シート3は、液透過性であり、この種のおむつに用いられるものを特に制限なく用いることができる。排泄された体液を速やかに透過して吸収体へと移行させる観点と肌触りを良好にする観点とから、親水性のサーマルボンド不織布が好ましく、特にエアスルー不織布が好ましい。親水化処理された熱可塑性樹脂繊維であり、かつ、該繊維が2次クリンプ又は3次クリンプのような立体捲縮がなされた繊維であることが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、及びこれらの複合繊維を作成し、所定の長さにカットしてステープルを形成する前の段階で、各種親水化剤を塗工する。親水化剤としては、αオレフィンスルホン酸塩に代表される各種アルキルスルホン酸塩、アクリル酸塩、アクリル酸塩/アクリルアミド共重合体、エステルアミド、エステルアミドの塩、ポリエチレングリコール及びその誘導物、水溶性ポリエステル樹脂、各種シリコーン誘導物、各種糖類誘導物、及びこれらの混合物など、当業者公知の親水化剤による親水化処理を用いることができる。
【0053】
表面シート3は凹凸構造を有することが好ましい。凹凸構造の表面シート3が吸収体の肌面側に配されていると、表面シート3の肌面側で光の乱反射が生じやすくなり、肌面側から見たときのおむつ10が白く見えやすくなる。その結果、変色した高吸収性ポリマー67が外部から見えにくくなる。
【0054】
表面シート3を構成する繊維には、色調変化剤が配合されることが好ましい。色調変化剤とは、表面シート3に入射される光の透過率を下げて散乱させる作用を有する成分を言う。色調変化剤が表面シート3の構成繊維に配合されることで、変色した高吸収性ポリマー67が肌面側から見えにくくなる。
【0055】
色調変化剤の具体例として、表面シート3の構成繊維の成分とは屈折率の異なる無機紛体、有機紛体などが挙げられる。
無機紛体としては、例えば、酸化チタン、多孔質酸化ケイ素(シリカ)、多孔質シリカ、酸化アルミニウム(アルミナ)、石灰、粘土鉱物が挙げられる。粘土鉱物としては、スメクタイト、モンモリナイト、ベントナイト、カオリナイト、セリサイト、イライト、グローコナイト、クロライト、ゼオライト、タルク、ミズカナイト、等が挙げられる。
有機紛体としては、ポリエチレン紛体、ポリエステル紛体、ポリプロピレン紛体、ポリアクリル紛体、ポリアクリレート紛体、セルロース紛体、ビスコース紛体、シルク紛体、シリコーン化合物紛体、フッ素化合物紛体、等が挙げられる。またこれらの有機紛体を色素によって着色したものが挙げられる。中でも、色調変化剤として酸化チタンを用いることが好ましい。
色調変化剤の配合量は、表面シート3の構成繊維全体を100質量%として、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましい。酸化チタンを表面シート3の構成繊維に一定量以上配合することで、効果的に光を散乱させることができる。一方、表面シート3の構成繊維への酸化チタンの配合量の上限値は、本発明の効果を奏するものであれば特に限定されないが、10質量%以下が実際的である。
【0056】
(裏面シート4)
裏面シート4には、透湿性フィルム単独、又はフィルムと不織布とを貼り合わせた複合シート、撥水性の不織布(SMSやSMMS等)が用いられる。コスト面やズレ止め粘着剤とのマッチングなどから、透湿フィルム単独を防漏材として用いることが好ましい。この場合のフィルム材としては、熱可塑性樹脂と、これと相溶性のない無機フィラーを溶融混練して押し出したフィルムを所定の寸法に延伸して微細孔をあけたフィルム、または、本質的に水分の相溶性が高く、浸透膜のように水蒸気排出可能な無孔性のフィルムが挙げられる。
【0057】
裏面シート4には前述の包被色が配されていることが好ましい。該包被色の位置が吸収性コア6における高吸収性ポリマー67が多く存在する位置と、吸収性コア51の平面視において重なることが好ましい。特に、前記包被色として、兎や猫といった可愛らしいキャラクターを裏面シート4に印刷すると、高吸収性ポリマー67の変色が裏面シート4側から目立ちにくくなると同時に、おむつ10に対する需要者の訴求は高まり好ましい。
【0058】
また、おむつ10を構成する外装体2、サイドシート9、これらに配される弾性部材、外装不織布48に、中間部材35ついては、この種の物品において通常用いられる素材を種々採用することができる。
【0059】
以上のとおり、本実施形態のおむつ10は、高吸収性ポリマー67の変色が外側から見えにくくなっているので、変色を抑制する成分を含む高吸収性ポリマーを用いなくても良好な外観を維持できる。
【0060】
本実施形態のおむつ10はパンツタイプのものとして示したが、これに限定されず、テープタイプのおむつであってもよい。また、本実施形態のおむつ10においては、外装体を前側と後側に分離したものとして示したが、これに限定されず種々の形状のものを採用できる。例えば、外装体がおむつ10の前側部10F、中間部10C及び後側部10R全体を覆う形状とされ、おむつ10の中間部10Cにおいて幅方向に括れた形状であってもよい。吸収性コア6の形状についても、本実施形態のものに限定されず、種々のものを採用することができる。例えば、吸収性コア6の平面形状が、中間部Cにおいて幅方向Xに括れたものであってもよい。
【0061】
本発明の吸収性物品は、上記の実施形態のおむつのほか、パンティライナーや失禁パッド、生理用ナプキン、尿とりパッドなどの吸収性物品を含む概念である。また、上記の構成に用途や機能に合わせ他の部材を適宜組み込んでもよい。
【0062】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の吸収性物品を開示する。
【0063】
<1>
吸収性コアと該吸収性コアの肌面側及び非肌面側を覆うコアラップシートとを有する吸収体を備えた吸収性物品であって、
前記吸収性コアの肌面側及び非肌面側の少なくとも一方に、L*a*b*表色系でL*値:40以上100以下、a*値:-12以上3以下、b*値:-24以上3以下の範囲の色を有する部材があり、
前記吸収性コアが、高吸収性ポリマーとパルプ繊維との集合体であり、前記吸収性コアの肌面側に前記高吸収性ポリマーが配されており、
前記吸収性コアの肌面側には、前記吸収性コアと前記コアラップシートとの接合部が配されており、前記吸収性コアの肌面側の少なくとも一部において、前記接合部によって前記高吸収性ポリマーを囲む部屋が配置され、前記高吸収性ポリマーの配された領域が区画されている吸収性物品。
【0064】
<2>
前記吸収性コアの肌面側における前記接合部の坪量が3g/m2以上10g/m2以下である前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記接合部がスパイラル状に配されている前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記吸収性コアが、着用者の前側、股下及び後側が繋がる方向に相当する長手方向と該長手方向に直交する幅方向とを有し、
前記高吸収性ポリマーを囲む部屋が前記長手方向に列をなしており、該列が前記幅方向に3列以上配置されている前記<1>~<3>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<5>
前記吸収性コアでは、非肌面側から肌面側に向けて前記高吸収性ポリマーの坪量が多くなっている前記<1>~<4>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記吸収性コアを、厚み方向に、肌面側に位置する表面部と、非肌面側に位置する裏面部とに区分したときに、前記表面部における前記高吸収性ポリマーの坪量が40g/m2以上である前記<1>~<5>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<7>
前記吸収体の肌面側に表面シートが配され、前記吸収体と前記表面シートとの間に中間部材が配されている前記<1>~<6>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<8>
前記中間部材が、L*a*b*表色系で示されるL*値が50以上80以下の無彩色である前記<7>に記載の吸収性物品。
<9>
前記吸収性物品の肌面側から見える前記吸収体の、L*a*b*表色系で示されるL*値が85以下である前記<1>~<8>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<10>
前記吸収体が圧縮部を有する前記<1>~<9>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<11>
前記吸収性コアにスリット部が配されており、前記吸収性コアの肌面側及び非肌面側に配されている前記コアラップシート同士が前記スリット部で接着されている前記<1>~<10>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<12>
前記吸収性コアにおいて、肌面側にいくほど前記高吸収性ポリマーの表面積が大きい、前記<1>~<11>のいずれか1項に記載の吸収性物品。
<13>
前記吸収体の非肌面側に裏面シートが配されており、該裏面シートが、前記の、L*a*b*表色系でL*値:40以上100以下、a*値:-12以上3以下、b*値:-24以上3以下の範囲の色が配された部材である、前記<1>~<12>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<14>
前記吸収体の肌面側には凹凸構造の表面シートが配されている、前記<1>~<13>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<15>
前記吸収体が酸化防止剤を有する前記<1>~<14>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【符号の説明】
【0065】
1 吸収性本体
11 サイドシール部
12 ウエスト開口部
13 レッグ開口部
2 外装体
21 前側外装体
22 後側外装体
3 表面シート
35 中間部材
4 裏面シート
5 吸収体
55 接着部
56 部屋
56R 空間
6 吸収性コア
61 表面部
62 裏面部
67 高吸収性ポリマー
68 パルプ繊維
69 吸収性コアの肌面の外縁
7 コアラップシート
71 肌面側コアラップシート
72 非肌面側コアラップシート
75 コアラップシートの積層部
8 スリット部
9 サイドシート
91 弾性部材
92 立体ギャザー部
93 弾性部材
94 レッグギャザー部
10 おむつ
10F おむつの前側部
10C おむつの中間部
10R おむつの後側部
10D おむつの胴回り部
F 吸収性コアの前側部
C 吸収性コアの中間部
R 吸収性コアの後側部
Y 吸収性コアの長手方向(又は吸収性本体の長手方向)
X 吸収性コアの幅方向(又は吸収性本体の幅方向)