(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】受信機
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20230920BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20230920BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
G08B17/00 L
H05K5/03 B
H05K7/00 F
(21)【出願番号】P 2019155478
(22)【出願日】2019-08-28
【審査請求日】2022-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【氏名又は名称】高田 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】島本 夏希
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-021832(JP,A)
【文献】特開2000-268267(JP,A)
【文献】実開平01-083380(JP,U)
【文献】特開平05-108969(JP,A)
【文献】特開2002-159115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00
H05K5/00-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物又は敷地で発生した所定の事象を検出した信号により発光する光源の光を、区画図上の所定位置に投影することによって前記事象及び前記事象が発生した場所を提示するための表示シートを筐体の表面に備えた受信機であって、
前記筐体は、配線を収容可能な本体部と、該本体部の表面を開閉可能な扉部と、を備え、
前記扉部には、前記本体部内の配線に接続された前記光源が装着された前記表示シートが保持され、
前記本体部には、前記本体部の裏面から外線が挿入される外線ダクトが設けられ、
前記扉部には、前記光源の配線を収容する配線ダクトが設けられ、
前記外線ダクト及び/又は配線ダクトは、対向する前記外線ダクト及び前記配線ダクトのいずれかと表裏方向に重なる位置で切り欠かれた切欠凹部が形成され、
前記扉部が前記本体部を閉じた状態で、前記切欠凹部を挟んだ両側の前記外線ダクト及び/又は前記配線ダクト同士の間には対向する前記外線ダクト及び前記配線ダクトのいずれかの一部が介在した状態で配置されていることを特徴とする受信機。
【請求項2】
前記外線ダクトは、前記本体部の横方向の中央に位置するとともに、上下方向に延び、
前記配線ダクトは、前記扉部の前記表示シートの下方に位置するとともに、横方向に延び、
前記切欠凹部が前記配線ダクトに形成されることを特徴とする請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記配線ダクトには、開口を塞ぐカバーが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物や敷地等で火災等が発生した場合に、集中管理室に火災等が発生したこと及び発生場所等を認知させるために、火災感知器等から受け取った検出信号により、区画図上の火災等の発生場所に対応する位置に配置された光源を発光させる表示部分を持った受信機(表示装置)が設置されている。このような受信機として、例えば特許文献1に示されるような、建物や敷地等で発生した所定の事象を感知器等で検出した信号や、それに伴い作動した防排煙設備等の作動状態を伝える信号により、LEDを発光させる表示装置を備えたものが知られている。
【0003】
特許文献1には、LEDの光を、複数の区画域と文字情報とを含む表示図形上の所定の位置(感知器や防排煙設備等の対象区画や配置場所)に投影することによって、事象の発生、事象が発生した場所や設備の作動状況等を提示する受信機の表示装置について記載されている。LEDは接着シートにより固定され、容易に位置変更が可能である。LEDの光は、遮光筒、表示図形の形状に合わせて形作られた導光パネル、反射フィルム及び反射テープ等を用いて、方向や範囲が制御され、表示図形上の対応する位置に投影されている。
【0004】
このような受信機の筐体は、配線を収容可能な本体部と、本体部の表面を開閉可能な扉部と、を備えている。そして、扉部には、本体部を閉じた状態の表側において、本体部内の配線に接続されたLEDが装着された表示シートが保持されている。本体部の横方向の中央には、上下方向に延びるとともに、本体部の裏面から外線を挿入する外線ダクトが設けられている。扉部の表示シートの下方には、横方向に延びるとともに、LEDの配線の余長分を処理するために収容する配線ダクトが設けられている。LEDの配線の余長処理部(配線ダクト)は、区画図に近接していることが好ましいことから、表側の扉部に配置されている。外線ダクトは、本体部の裏面から外線を挿入するため、裏側の本体部に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の受信機では、以下のような問題があった。
すなわち、LEDの余長処理部である配線ダクトと外線ダクトの大きさとしては、配線の収容性と配線作業の作業性を高めるために表裏方向の厚さ寸法を大きく設定することが求められていた。ところが、扉部側の配線ダクトと本体部側の外線ダクトとは表裏方向からみて交差する配置となるため、それぞれのダクト同士が干渉しないように各ダクトの厚みを大きくすると、必然的に筐体の厚みが増大し、受信機全体が大きくなってしまい、スペース効率が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、筐体内の余長処理部のダクト同士の干渉させずに厚さを大きく確保することで、筐体の厚さを小さく抑えることができる受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る受信機は、建物又は敷地で発生した所定の事象を検出した信号により発光する光源の光を、区画図上の所定位置に投影することによって前記事象及び前記事象が発生した場所を提示するための表示シートを筐体の表面に備えた受信機であって、前記筐体は、配線を収容可能な本体部と、該本体部の表面を開閉可能な扉部と、を備え、前記扉部には、前記本体部内の配線に接続された前記光源が装着された前記表示シートが保持され、前記本体部には、前記本体部の裏面から外線が挿入される外線ダクトが設けられ、前記扉部には、前記光源の配線を収容する配線ダクトが設けられ、前記外線ダクト及び/又は配線ダクトは、対向する前記外線ダクト及び前記配線ダクトのいずれかと表裏方向に重なる位置で切り欠かれた切欠凹部が形成され、前記扉部が前記本体部を閉じた状態で、前記切欠凹部を挟んだ両側の前記外線ダクト及び/又は前記配線ダクト同士の間には対向する前記外線ダクト及び前記配線ダクトのいずれかの一部が介在した状態で配置されていることを特徴としている。
【0009】
本発明では、筐体の本体部に対して扉部を閉じた状態で、本体部側の外線ダクト及び/又は扉部側の配線ダクトの厚さ方向の少なくとも一部が、対向する外線ダクト及び配線ダクトの少なくとも一方に形成された切欠凹部に配置される。そのため、外線ダクトと配線ダクトを干渉させることなく配置でき、外線ダクトと配線ダクトの厚さを大きく確保しつつ、筐体全体の厚みが増大することを抑制することができる。
これにより、受信機の筐体をコンパクトに形成できることから、スペース効率を向上させることができる。しかも、外線ダクトと配線ダクトを大きく確保できるので、外部から本体部内に挿入された外線を外線ダクト内に収めるだけの十分な収容空間を確保できるとともに、光源の配線の余長部分を切欠凹部を挟んだ両側に配置される配線ダクト内に収容することができる。
【0010】
また、本発明に係る受信機は、前記外線ダクトは、前記本体部の横方向の中央に位置するとともに、上下方向に延び、前記配線ダクトは、前記扉部の前記表示シートの下方に位置するとともに、横方向に延び、前記切欠凹部が前記配線ダクトに形成されることを特徴としてもよい。
【0011】
この場合には、筐体の本体部に対して扉部を閉じた状態で、本体部側で上下方向に延びる外線ダクトの厚さ方向の少なくとも一部が、横方向に延びる配線ダクトに形成された切欠凹部に配置され、これら外線ダクトと配線ダクトを干渉させることなく効率よく配置することができる。
【0012】
また、本発明に係る受信機は、前記配線ダクトには、開口を塞ぐカバーが設けられていることを特徴としてもよい。
【0013】
このような構成とすることで、光源の余長処理部となる配線ダクトの開口がカバーで塞がれているので、配線ダクト内に収容される余長部分の配線にばらつきが生じたり、本体部側の外線と絡まるといった不具合を防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の受信機によれば、筐体内の余長処理部のダクト同士の干渉させずに厚さを大きく確保することで、筐体の厚さを小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態による受信機を斜め正面から見た斜視図である。
【
図2】
図1に示す受信機の開状態時の斜視図である。
【
図3】外線ダクトと配線ダクトの配置状態を扉部側から見た斜視図である。
【
図4】
図1に示すA-A線断面図であって、外線ダクトと配線ダクトの配置関係を示した縦断面図である。
【
図5】
図1に示す受信機の地図部の分解斜視図である。
【
図7】
図6に示すB-B線断面図であって、配線ダクトの断面図である。
【
図8】配線ダクトの一部の斜視図であって、第2ダクトカバーを省略した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態による受信機について、図面に基づいて説明する。
【0017】
図1に示す本実施形態による受信機1は、建物や敷地等で火災等が発生した場合に、集中管理室に火災等が発生したこと及び発生場所等を認知させるために、火災感知器等から受け取った検出信号により、区画
図4上の火災等の発生場所に対応する位置に配置された光源を発光させる表示部分を有している。すなわち、受信機1は、建物又は敷地で発生した所定の事象を検出した信号により発光する光源の光を、区画
図4上の所定位置に投影することによって事象及び事象が発生した場所を提示するための表示シート21を筐体10の表面に備えた構成となっている。
【0018】
受信機1は、筐体10と、地図部2と、操作表示パネル部3と、を備えている。
筐体10は、配線を収容可能な本体部11と、本体部11の表面を開閉可能な扉部12(
図2参照)と、を備えている。扉部12は、本体部11の側部に対して図示しないヒンジにより開閉可能に接続されている。
【0019】
ここで、受信機1において、表示面(後述する表示シート21の表示部21a)に直交する方向を表裏方向とし、表裏方向で表示部21aを正面から見る側を表側又は正面側とし、その表側の反対側を裏側とする。また、表裏方向に直交する水平方向を左右方向として以下説明する。
【0020】
本体部11は、
図2に示すように、扉部12が配設される面に開口部11aを有する箱形状に形成されている。本体部11は、裏面板11A、上板11B、下板11C、及び一対の側板11D、11Dを有している。
本体部11には、本体基板13と、外線14と、外線ダクト15が収納されている。
【0021】
外線14は、図示しない火災感知器や防排煙設備等の端末機器からの検出信号や作動状態を伝える信号等、外部からの信号や電力供給を受信機1が受け取るためのものであり、一端が端末機器や電源に接続されており、他端が本体部11に引き込まれ、本体基板13に接続されている。
【0022】
外線ダクト15は、
図2~
図4に示すように、本体部11内の本体基板13への各接続箇所に引き回した外線14を保護、整理及び収容するために設けられている。外線ダクト15は、本体部11の横方向の中央において上下方向に延びるとともに、本体部11の裏面板11Aに形成される配線穴11bから外線14が挿入されるように形成されている。外線ダクト15は、本体部11の裏面板11Aの表面に立設される複数の支柱15Aと、これら支柱15Aの先端に支持される第1ダクトカバー15Bと、を有している。第1ダクトカバー15Bは、上下方向に長い長方形板状に形成され、4つの角部のそれぞれが支柱15Aによって支持されている。つまり、外線ダクト15は、表裏方向からみて四方が開放された状態になっている。
【0023】
支柱15Aの突出高さ、すなわち外線ダクト15の突出高さH1(
図3参照)は、第1ダクトカバー15Bが上板11B,下板11C、及び側板11Dよりも表側に突出しない高さに設定されている。外線ダクト15は、
図3及び
図4に示すように、第1ダクトカバー15Bと扉部12との間に隙間を開けた位置とすることで、後述する一対の配線ダクト27A、27B同士の間の切欠凹部27aの扉部12側の位置で地図部配線28を横断するように配置することができる。
外線ダクト15の幅寸法は、後述するように一対の配線ダクト27A、27Bの収容領域の大きさを小さくしない適宜な寸法に設定されていることが好ましい。
【0024】
本体基板13は、
図2に示すように、外線14を介して端末機器からの信号を受け取って処理を行い、地図部配線28や操作表示パネル部配線33を介して、地図部基板26や操作表示パネル部基板32に制御信号を送る。
【0025】
扉部12は、
図2及び
図5に示すように、板状に形成され、本体部11の開口部11aに対向する裏面12aに、ボス穴12bと、ビス穴12cと、が形成されている。扉部12には、地図部2と、操作表示パネル部3と、が配設されている。
【0026】
図5に示すように、地図部2は、扉部12に設けられた透明板20と、表示シート21と、光源パネル22と、光源23と、押え板24と、を備えている。さらに、地図部2は、
図2に示すように、地図部基板26と、配線ダクト27と、地図部配線28と、を備えている。
【0027】
透明板20は、
図5に示すように、筐体10の扉部12の板面に形成された開口12dに取り付けられている。透明板20は、ガラスやアクリルなどの透明な材料を用いることができ、表示シート21の表示部21aを汚れや傷等から保護するために設けられている。
【0028】
表示シート21は、本体部11を閉じた状態の扉部12の表側において、本体部11内の地図部配線28に接続された光源23が装着されている。
表示シート21は、地図フィルム21Aと、背景シート21Bと、を備えている。地図部2は、設置時の状態において、正面視して表示シート21の地図フィルム21A、背景シート21B、光源パネル22、及び光源23が表面から裏面に向けた順番で配置されている。表示シート21は、正面視で矩形形状に形成されている。
【0029】
地図フィルム21Aは、正面視して透明板20の裏側に配置されており、透明な樹脂フィルムで形成され、表面が表示部21aとなり、表示部21aに建物や敷地の区画
図4が印刷されたものである。区画
図4の中には、区画割りの他に、防排煙設備等の設備の配置や、例えば、区画に対応した番号又は記号や、防排煙設備等の設備に対応した番号又は記号が描かれている。これらの記号は、光源23の光を投影する対象である点灯記号21Lとなる。なお、地図フィルム21Aへの区画
図4の印刷は、レーザプリントやインクジェットプリント等の方法による印刷でよく、事務用のプリンタ等で行うことが可能である。
表示シート21の背景シート21Bは、正面視して地図フィルム21Aの裏に配置されており、例えば、透明な樹脂のシートを、UV印刷等により半透明に塗色したものである。
【0030】
光源パネル22は、正面視して背景シート21Bの裏に配置されており、透明な板材であり、例えば、ガラスやアクリルなどを用いることができる。光源パネル22は、表示シート21を表側の所定の取り付け位置に位置決めさせた状態で保持するものである。具体的に光源パネル22は、光源パネル22に形成された図示しない貫通孔を通してビス22aを扉部12に形成されているビス穴12cに螺合することによって、地図フィルム21A及び背景シート21Bを扉部12に押えつけながら固定される。
【0031】
表示シート21は、地図フィルム21Aの区画
図4に表示される点灯記号21Lの位置と、光源パネル22に固定された光源23の位置とが一致するように位置決めされて配置されている。
【0032】
光源23は、例えばLEDが用いられ、
図5に示す点灯記号21Lの位置に合わせて配置され、図示しない粘着シート等で光源パネル22の裏側に接着される。また、光源23は、地図部配線28を介して
図2に示す地図部基板26に接続されており、本体基板13から地図部基板26に伝達された制御信号に基づいて、発光又は点滅する。
【0033】
押え板24は、
図6に示すように、例えば、ネジ24aを、押え板24の四隅に形成された貫通孔24bを通して、扉部12に形成されたボス穴12b(
図5参照)に螺合することによって、光源23を光源パネル22に押えつけながら固定される。
【0034】
配線ダクト27は、
図2、
図3及び
図6に示すように、扉部12における表示シート21の下方において、横方向に延びて配置され、光源23の配線(地図部配線28)の余長分を収容して配線処理する余長処理部を形成している。配線ダクト27は、横方向の略中央部分で、外線ダクト15と表裏方向に重なる位置で切り欠かれた切欠凹部27aが形成されている。切欠凹部27aを挟んだ両側には、第1配線ダクト27Aと第2配線ダクト27Bとが配置されることになる。
配線ダクト27に形成される切欠凹部27aの切欠き寸法(横方向の長さ寸法)は、適宜な寸法に設定できるが、後述するように余長処理部としての収容領域を大きく確保するために、外線ダクト15と交差する寸法(外線ダクト15の幅寸法)の範囲だけ切り欠かれた形状であることが好ましい。
【0035】
配線ダクト27は、
図3、
図4及び
図7に示すように、底壁271、上壁272、及び下壁273を有している。そして、切欠凹部27aを挟んだ両側に位置する配線ダクト27A、27Bには、それぞれ開口を塞ぐ第2ダクトカバー27Cが設けられている。第2ダクトカバー27Cは、上下端の係止爪27bが上壁272及び下壁273の係止溝27cに係止することにより着脱可能に設けられている。
【0036】
配線ダクト27には、
図8に示すように、上壁272及び下壁273に複数の取出部274が開口して形成されると共に、その取出部274の前端部分が開放されている。配線ダクト27の表面側の前面の開口274aに対してダクトカバー27C(
図7参照)が取り付けられることで、上壁272及び下壁273に複数の取出部274は開口したままで前面は閉止される。これにより、
図5に示す光源23を光源パネル22に取り付ける際に、不要な迂回をすることなく、目標地点に近い取出部274を選択して取り付けることが可能となる。
【0037】
配線ダクト27は、
図2及び
図4に示すように、扉部12の裏面12aから裏側に突出して設けられている。配線ダクト27の突出高さH2(
図4参照)は、扉部12を本体部11に閉じた状態で第2ダクトカバー27Cが本体部11の裏面板11Aに干渉しない寸法に設定されている。
本体部11側に設けられる外線ダクト15は、扉部12が本体部11を閉じた状態で、一対の配線ダクト27A、27B同士の間の切欠凹部27a内に介在して配置される。すなわち、外線ダクト15と配線ダクト27とは、横方向からみて表裏方向にオーバーラップしている。
【0038】
操作表示パネル部3は、
図1及び
図2に示すように、盤面31と、操作表示パネル部基板32と、操作表示パネル部配線33と、を備えている。
操作表示パネル部3は、盤面31の図示しない操作スイッチが操作表示パネル部配線33を介して操作表示パネル部基板32に接続されている。操作表示パネル部3は、本体部11内の本体基板13から操作表示パネル部基板32に伝達された制御信号に基づいて、図示しないスピーカーにより警報音を発信したり、盤面31に配置された図示しない操作スイッチの操作に基づいて、警報音の停止等をすることが可能である。
【0039】
上述した構成の受信機1では、所定の事象の検出による、受信機1の動作について説明する。検出対象となる事象には、例えば火災の発生がある。
図1は区画
図4の一例である。例えば区画
図4の左側の「(1)」で示される第1区画に対応する区画で火災が発生したことを想定する。火災が発生すると、受信機1に接続された、図示しない火災感知器が火災を検出する。火災感知器からの検出信号は、
図2に示すように、外線14を介して、本体基板13に送られる。
【0040】
次に、地図部基板26から地図部配線28を介して、第1区画に対応する光源23に電源が供給され、第1区画に対応する光源23が発光する。光源23が発光すると、光源23の光が、透明な光源パネル22及び半透明な背景シート21Bを透過し、地図フィルム21Aに印刷された、第1区画に対応した点灯記号21Lに投影される。光源23の光が点灯記号21Lに投影されると、受信機1を正面視した場合に、第1区画に対応した点灯記号21Lが点灯又は点滅して見える。
【0041】
次に、上述した受信機1の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態では、
図3及び
図4に示すように、筐体10の本体部11に対して扉部12を閉じた状態で、本体部11側の外線ダクト15の厚さ方向の少なくとも一部が、扉部12側の配線ダクト27に形成された切欠凹部27aに配置される。そのため、外線ダクト15と配線ダクト27を干渉させることなく配置でき、外線ダクト15と配線ダクト27の厚さを大きく確保しつつ、筐体10全体の厚みが増大することを抑制することができる。
【0042】
これにより、受信機1の筐体10をコンパクトに形成できることから、スペース効率を向上させることができる。しかも、外線ダクト15と配線ダクト27を大きく確保できるので、外部から本体部11内に挿入された外線14を外線ダクト15内に収めるだけの十分な収容空間を確保できるとともに、光源23の配線(地図部配線28)の余長部分を切欠凹部27aを挟んだ両側に配置される配線ダクト27A、27B内に収容することができる。
【0043】
また、本実施形態では、切欠凹部27aを挟んだ両側に位置する配線ダクト27A、27Bに開口を塞ぐ第2ダクトカバー27Cが設けられている。つまり、光源23の余長処理部となる配線ダクト27の開口が第2ダクトカバー27Cで塞がれているので、配線ダクト27内に収容される余長部分の地図部配線28にばらつきが生じたり、本体部11側の外線14と絡まるといった不具合を防止できる。
【0044】
上述のように本実施形態による受信機1では、筐体10内の余長処理部のダクト15、27同士の干渉させずに厚さを大きく確保することで、筐体10の厚さを小さく抑えることができる。
【0045】
以上、本発明による受信機の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0046】
例えば、外線ダクト15と配線ダクト27の突出高さH1、H2(厚さ)は、上述した条件であればとくに制限されることはない。具体的には、外線ダクト15の突出高さH1は、第1ダクトカバー15Bが上板11B,下板11C、及び側板11Dよりも表側に突出しない高さの範囲で適宜な高さに設定できる。また、配線ダクト27の突出高さH2は、扉部12を本体部11に閉じた状態で第2ダクトカバー27Cが本体部11の裏面板11Aに干渉しない適宜な寸法に設定できる。
【0047】
また、本実施形態では、切欠凹部27aを挟んだ両側に位置する配線ダクト27A、27Bのそれぞれに、開口を塞ぐ第2ダクトカバー27Cが設けられているが、この第2ダクトカバー27Cを省略することも可能である。
【0048】
また、本実施形態では、配線ダクト27が切欠凹部27aによって分断されているが、例えば、配線ダクト27の底壁271が第1配線ダクト27Aと第2配線ダクト27Bとの間の切欠凹部27aを架け渡すように連続して設けられていてもよい。
【0049】
また、本実施形態では、外線ダクト15を横方向の中央に、上下方向に延びるようものとし、配線ダクト27を表示シート21の下方に、横方向に延びるとともに、外線ダクト15と表裏方向に重なる位置で切り欠かれた切欠凹部27aを有するものとしているが、これに限らない。
すなわち、配線ダクトが外線ダクトと表裏方向に重なる位置で切り欠かれた切欠凹部を有していればよく、例えば、外線ダクトを横方向に延びるようものとし、配線ダクトを表示シートの側方の何れかに配置し、外線ダクトと表裏方向に重なる位置で切り欠かれた切欠凹部を有するものとしても良い。
【0050】
また、外線の収容への影響を小さくしたうえで、外線ダクトに切欠凹部を備え得るようにしても良い。
すなわち、本実施形態では、配線ダクト27に切欠凹部27aを形成した構成としているが、これに限定されることはなく、外線ダクト15にも切欠凹部を形成するようにしてもよい。要は、外線ダクト15及び配線ダクト27の少なくとも一方に切欠凹部が形成された構成であればよいのである。
【0051】
さらに、外線ダクト15と配線ダクト27の形状、構成についても適宜変更することが可能である。例えば、外線ダクト15は、4本の支柱15Aによって第1ダクトカバー15Bを支持しているが、支柱15Aの本数を変更してもよいし、支柱15Aに代えて壁部材を採用することも可能である。
【0052】
また、表示シート21や光源23の構成についても、上述した実施形態に限定されることはなく、他の形態であってもよい。例えば、背景シート21Bは、光源23の光を透過させつつ地図部配線を見えなくするものであればよい。背景シート21Bは、透明な樹脂のシートを、半透明に塗色したものでなく、例えば、紙材に、紙面を貫く微細な多数の穴を形成して光を透過させる光路穴とし、光路穴から光源23の光を透過させつつ、地図部配線を見えなくするものとしてもよい。
また、光源23は、光源23が発する光が背景シート21Bを透過するものであればLED以外のものを用いてもよく、白熱電球や蛍光ランプを用いてもよい。
【0053】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 受信機
2 地図部
3 操作表示パネル部
4 区画図
10 筐体
11 本体部
11A 裏面板
12 扉部
12a 裏面
13 本体基板
14 外線
15 外線ダクト
15B 第1ダクトカバー
21 表示シート
22 光源パネル
23 光源
26 地図部基板
27、27A、27B 配線ダクト
27a 切欠凹部
27C 第2ダクトカバー(カバー)
28 地図部配線