(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】キャリアテープ及びキャリアテープ巻取方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/86 20060101AFI20230920BHJP
B65D 73/02 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
B65D85/86 300
B65D73/02 K
(21)【出願番号】P 2019188609
(22)【出願日】2019-10-15
【審査請求日】2022-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】今井 將幸
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-182266(JP,A)
【文献】特開平11-278581(JP,A)
【文献】特開平08-324678(JP,A)
【文献】特開平06-032367(JP,A)
【文献】実開平03-038762(JP,U)
【文献】特開2011-006112(JP,A)
【文献】特開2013-100136(JP,A)
【文献】米国特許第04958053(US,A)
【文献】特開2003-072835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 73/02
B65D 85/86
B65H 18/00-18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に長尺な形態であり、基本表面を形成する本体部と、
前記本体部に形成され、前記基本表面における長手方向に沿った複数の位置に配置される複数の送り穴と、
前記本体部における長手方向に沿った複数位置に形成され、前記基本表面に対して第1側に凹み、製品を収納するエンボスと、
幅方向の両端で長手方向に延在し、前記基本表面に対して前記エンボスと同じ前記第1側又はその逆の第2側に凹む凹部と、
を有するキャリアテープをリール部材で巻き取るキャリアテープ巻取方法であって、
前記リール部材に前記キャリアテープを供給しながら、前記リール部材を軸まわりに回転させつつ、前記キャリアテープに対して前記リール部材をその軸方向に所定量だけ相対移動させる工程を含み、
前記所定量は、前記キャリアテープの幅方向で両端の前記凹部の間の距離に対応
し、
前記キャリアテープは、前記リール部材のまわりに複数の層を形成し、かつ、前記リール部材の軸方向に複数の列を形成する態様で、巻き取られ、
前記キャリアテープは、一の層において、一の列の前記キャリアテープの幅方向の一端が、該一の列に隣接する他の一の列の前記キャリアテープの幅方向の他端と重なり合い、
前記凹部は、前記基本表面に対して凹み側が凸となる凸部を形成し、
前記キャリアテープは、前記重なり合う箇所において、前記凸部が前記凹部に嵌合する、ことを特徴とするキャリアテープ巻取方法。
【請求項2】
前記凹部は、幅方向及び前記エンボスの深さ方向を含む平面で切断した際の断面視で、その側壁の壁面の、前記基本表面に対するなす角度が、30度以上かつ60度以下である、請求項1に記載のキャリアテープ巻取方法。
【請求項3】
長手方向に長尺な形態であり、基本表面を形成する本体部と、
前記本体部に形成され、前記基本表面における長手方向に沿った複数の位置に配置される複数の送り穴と、
前記本体部における長手方向に沿った複数位置に形成され、前記基本表面に対して第1側に凹み、製品を収納するエンボスと、
幅方向の両端で長手方向に延在し、前記基本表面に対して前記エンボスと同じ前記第1側又はその逆の第2側に凹む凹部と、を有し、
前記凹部は、前記本体部の非送穴側凹部と送穴側凹部の裏面の突起部とを嵌合するための凹部であり、又は
前記凹部は、前記本体部の前記送穴側凹部と前記非送穴側凹部の裏面の突起部とを嵌合するための凹部であることを特徴とする、キャリアテープ。
【請求項4】
前記凹部は、幅方向及び前記エンボスの深さ方向を含む平面で切断した際の断面視で、その側壁の壁面の、前記基本表面に対するなす角度が、30度以上かつ60度以下である、請求項3に記載のキャリアテープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キャリアテープ及びキャリアテープ巻取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、
図4に示すように、キャリアテープ51は、その基本表面51Aに形成された収納凹部のエンボス57にベアチップ(ベアダイ)やICチップなどの電子部品が収納され、工場間の輸送や実装装置への供給などに利用されている。また、キャリアテープ51には送り穴59が長手方向に複数形成されている。
【0003】
図5及び
図6に示すように、通常、キャリアテープ51は、テープ幅と同じ幅のリール部材(不図示)に多層で巻取られるが、例えば1000m等の長尺で巻取るため、幅広なリール部材61にスパイラル状にトラバース巻きを行い多層に巻取られることもある。
【0004】
例えば、キャリアテープ51をテープ幅分程度だけ送り穴側又は非送り穴側方向へ横にずらしながらリール部材61の底部61Aから始まり数層に巻取って行く。ここで、リール部材61の左右の側板61B付近で移動方向を反転し、これを繰り返すことで、いわゆる普通巻き形態と呼ばれる巻取形態で巻取られている。
【0005】
図7に示すように、キャリアテープ51は、幅方向の端部53と端部55で接触してリール部材61に巻かれているのが分かる。
例えば、特許文献1参照
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の方法でキャリアテープ51をリール部材61に巻取る場合、巻取機の性能上、トラバースしていくピッチが一定でない箇所で隙間が生じ、下層の影響を受け、キャリアテープが傾いたり、段落ちして巻き取られた箇所で上下の巻きうねりや左右の反りが発生したりする。すなわち、キャリアテープ51をリール部材61に巻き取る際に、既に巻かれた下層のキャリアテープ51のエンボス57に、巻き取ろうとしているエンボス57が嵌り込んだ時や、巻取りトラバース方向に生じた隙間に嵌り込んだ時に、
図9に示すようにキャリアテープ51Aの端部53Aが傾いたり、
図8に示すように段落ち状態で巻き取られた箇所で巻きうねりや反りという品質異常が発生したりしていた。そして、リール部材61側の調整だけでは上記うねりや反りを完全に回避することが困難と考えられる。
【0008】
当該不具合の影響で、電子部品のテーピング時にキャリアテープ51に対してチップが傾きながら挿入されたり、エンボス57から飛び出したりすることでテーピング機の挿入エラーによる機械停止を招く問題が発生していた。
【0009】
そこで、1つの側面では、本発明は、キャリアテープが正常な位置に規制されながらリール部材に巻かれキャリアテープが隙間なく整列して巻かれることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの側面では、以下のような解決手段を提供する。
(1) 長手方向に長尺な形態であり、基本表面を形成する本体部と、前記本体部に形成され、前記基本表面における長手方向に沿った複数の位置に配置される複数の送り穴と、前記本体部における長手方向に沿った複数位置に形成され、基本表面に対して第1側に凹み、製品を収納するエンボスと、幅方向の両端で長手方向に延在し、前記基本表面に対して前記エンボスと同じ前記第1側又はその逆の第2側に凹む凹部と、を有することを特徴とする。
(2)上記(1)の構成において、前記凹部は、前記基本表面に対して凹み側が凸となる凸部を形成し、前記凸部は、前記凹部に嵌合可能であることを特徴とする。
(3)上記(1)、(2)の構成において、前記凹部は、幅方向及び前記エンボスの深さ方向を含む平面で切断した際の断面視で、その側壁の壁面の、前記基本表面に対するなす角度が、30度以上かつ60度以下であることを特徴とする。
(4)上記(1)の構成において、キャリアテープをリール部材で巻き取るキャリアテープ巻取方法であって、前記リール部材に前記キャリアテープを供給しながら、前記リール部材を軸まわりに回転させつつ、前記キャリアテープに対して前記リール部材をその軸方向に所定量だけ相対移動させる工程を含み、前記所定量は、前記キャリアテープの幅方向で両端の前記凹部の間の距離に対応することを特徴とする。
(5)上記(4)の方法において、前記キャリアテープは、前記リール部材のまわりに複数の層を形成し、かつ、前記リール部材の軸方向に複数の列を形成する態様で、巻き取られ、前記キャリアテープは、一の層において、一の列の前記キャリアテープの幅方向の一端が、該一の列に隣接する他の一の列の前記キャリアテープの幅方向の他端と重なり合うことを特徴とする。
(6)上記(5)の方法において、前記凹部は、前記基本表面に対して凹み側が凸となる凸部を形成し、前記キャリアテープは、前記重なり合う箇所において、前記凸部が前記凹部に嵌合することを特徴とする。
(7)上記(5)、(6)の方法において、前記凹部は、幅方向及び前記エンボスの深さ方向を含む平面で切断した際の断面視で、その側壁の壁面の、前記基本表面に対するなす角度が、30度以上かつ60度以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
1つの側面では、本発明によれば、キャリアテープが正常な位置に規制されながらリール部材に巻かれキャリアテープが隙間なく整列して巻かれることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】キャリアテープの概略を説明する説明図である。
【
図3】キャリアテープが並んだ状態を説明する説明図である。
【
図4】従来のキャリアテープを説明する従来図である。
【
図5】従来のキャリアテープがリール部材に巻かれた状態を示す従来図である。
【
図6】従来のキャリアテープがリール部材に巻かれた状態を示す従来図である。
【
図7】従来のキャリアテープが並んだ状態を説明する従来図である。
【
図8】従来のキャリアテープが段落ちした状態を示す従来図である。
【
図9】従来のキャリアテープが傾いた状態を示す従来図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら実施例について詳細に説明する。本例で長手方向とは
図1において矢印A1で示した方向であり、幅方向とは矢印A2で示した方向である。
【0014】
図1に示すように、キャリアテープ1は、長手方向に長尺な形態であり、基本表面1Aを形成する本体部1Bと、本体部1Bに形成され、基本表面1Aにおける長手方向に沿った複数の位置に配置される複数の送り穴9と、本体部1Bにおける長手方向に沿った複数位置に形成され、基本表面1Aに対して第1側に凹み、製品を収納するエンボス7と、幅方向の両端で長手方向に延在し、基本表面1Aに対してエンボス7と同じ第1側又はその逆の第2側に凹む凹部3と凹部5とを有する。ここで、第1側とはエンボス7と同じ方向へ凹部を形成する側である。凹部3と凹部5の形状は長手方向から視てV字形に形成されているがV字形に限定されるものではない。
【0015】
凹部3と凹部5は、基本表面1Aに対して凹み側(裏側)が凸となる凸部を形成し、凸部は、凹部3と凹部5に嵌合可能である。ここで、嵌合とは、隙間なくきちんと重なり合う程度のことで横滑りを起こし難くすることをいう。
【0016】
図2は
図1の断面A-Aを示した断面図である。
図2に示すように凹部3と凹部5は、幅方向及びエンボス7の深さ方向を含む平面で切断した際の断面視で、その側壁の壁面の、基本表面1Aに対するなす角度θが、30度以上かつ60度以下であることが望ましい。
【0017】
図3に示すように、矢印A3方向にキャリアテープ1をトラバースするとき、キャリアテープ1の幅方向両端に凹部3と凹部5を設けて成形することで、リール部材に巻き取る際に凹部5(または凹部3)と凹部3(または凹部5)の裏面の凸部を嵌合させながら巻取る事で、キャリアテープ1が正常な位置に規制されながらリール部材に巻かれキャリアテープ1が均等な間隔で整列する。
【0018】
その結果、下層のエンボス7への嵌り込みや、巻取りトラバース方向に生じた隙間が生じにくくなり、巻きうねりや反りが軽減されたキャリアテープ1を提供する事ができる。
【0019】
また
図1~
図3では、キャリアテープ1の幅方向両端に設ける凹部3と凹部5は、電子部品を挿入するエンボス7の凹部と同じ方向に凹部3と凹部5が形成されているが、エンボス7と反対方向に形成(表面側に凸)されていてもよい。
【0020】
図3に示すように、幅方向両端に凹部3と凹部5を設けた本願のキャリアテープ1をリール部材に巻取る場合、最初に巻かれたキャリアテープ1の非送穴側(逆方向の場合は送穴側)の凹部5と、送穴側(逆方向の場合は非送穴側)の凹部3の裏面の突起部を嵌合させながら巻取る事で、多少隙間が生じようとしても、凹部5に嵌まり込む応力が働き、キャリアテープ1が正常な位置に規制されながらリール部材に巻かれキャリアテープ1が隙間なく整列して巻かれる。結果としてキャリアテープ1がほぼ水平に維持され変形しにくく、巻きうねりや反りが発生しづらくなる。また、先に巻かれたキャリアテープ1の凹部5に裏面凸部が嵌合し保持する事で、下層へ落ち込みづらくなり、従来の巻取り方法で発生していたエンボス7同士の嵌まり込み異常が発生しづらい効果も得られる。
【0021】
キャリアテープ1の巻取の動作を説明する。キャリアテープ1を図示しないリール部材で巻き取るキャリアテープ巻取方法であって、リール部材にキャリアテープ1を供給しながら、リール部材を軸まわりに回転させつつ、キャリアテープ1に対してリール部材をその軸方向に所定量だけ相対移動させる工程を含み、所定量は、キャリアテープ1の幅方向で両端の凹部3と凹部5の間の距離に対応する。ここで、リール部材の回転はサーボモータ等により行われ左右方向の移動はリニアモータ等により行われる。これらはコンピュータ制御される。
【0022】
キャリアテープ1は、リール部材のまわりに複数の層を形成し、かつ、リール部材の軸方向に複数の列を形成する態様で、巻き取られ、キャリアテープ1は、一の層において、一の列のキャリアテープ1の幅方向の一端が、該一の列に隣接する他の一の列のキャリアテープ1の幅方向の他端と重なり合う。
【0023】
凹部3と凹部5は、基本表面1Aに対して凹み側が凸となる凸部を形成し、キャリアテープ1は、重なり合う箇所において、凸部が凹部に嵌合する。
【0024】
上述のように凹部3と凹部5は、幅方向及びエンボス7の深さ方向を含む平面で切断した際の断面視で、その側壁の壁面の、基本表面1Aに対するなす角度が、30度以上かつ60度以下である。以下に、基本表面1Aに対するなす角度が、30度以上かつ60度以下であることが好ましいことを説明する。
【0025】
凹部3と凹部5のテーパ角度θが60〔°〕より大きい場合。
【0026】
凹部3と凹部5を成形する金型上の窪みが狭くなり、凹部3と凹部5の内側が十分に成形できない。その状態で巻き取ると、裏面突起部が凹部3と凹部5に完全に嵌まり込まず、位置規制効果が得られない。
【0027】
凹部3と凹部5のテーパ角度θが30〔°〕以上60〔°〕以下の場合。
【0028】
凹部3と凹部5が十分に成形でき、かつ、巻取り時に凹部3と凹部5と裏面突起部の嵌合によるに位置規制効果が得られる。
【0029】
凹部のテーパ角度θが30〔°〕未満の場合。
【0030】
凹部3と凹部5は十分に成形できるが、シート端部の限られた範囲で成形するため、凹部3と凹部5が浅くなり嵌合量が少なく、巻取時の位置規制効果が小さくなる。
【0031】
また、シート幅が8〔mm〕のキャリアテープ1の場合、凹部3と凹部5の幅Wは0.30〔mm〕≦W≦0.80〔mm〕(エンボス開口部にかからない程度)である事が望ましい。最適なテーパ角度の式30°≦θ≦60°と組合せると、凹部の最適溝深さDは0.08〔mm〕≦D≦0.70〔mm〕となる。
【0032】
シート厚0.25〔mm〕、シート幅8〔mm〕、エンボス間ピッチ4〔mm〕仕様、従来のキャリアテープと幅方向両端にテーパ角度θが3種(30〔°〕、60〔°〕、15〔°〕ただし、凹部3と凹部5の幅は0.5〔mm〕で固定)の凹部3と凹部5を設けたキャリアテープを1000〔m〕作成。
<実施例>
【表1】
【0033】
比較例1は、従来の巻取り方法で巻取ったため、トラバース方向に生じた隙間に嵌り込んでキャリアテープ1が傾き、段落ち状態で巻き取られた箇所で巻きうねりが多数発生、反り量も大きくなった。
【0034】
実施例1、2は、凹部3と凹部5が十分に成形され、巻取り時に凹部3凹部5と裏面突起部の嵌合によるに位置規制効果が得られ、キャリアテープ1が整列して巻かれた。その結果、巻きうねりが無く、反り量も従来品よりも半減したキャリアテープ1が完成した。
【0035】
実施例3は、凹部3と凹部5は十分に成形できたが凹部3と凹部5が浅くなり、位置規制効果を十分に得られず、比較例1と同様にうねりや反り量が大きい品質異常が発生した。ただし、比較例1よりはわずかに品質異常の減少が認められた。
【0036】
以上、実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組合わせることも可能である。
【0037】
なお、以上の実施例に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
(1)長手方向に長尺な形態であり、基本表面1Aを形成する本体部1Bと、前記本体部1Bに形成され、前記基本表面1Aにおける長手方向に沿った複数の位置に配置される複数の送り穴9と、前記本体部1Bにおける長手方向に沿った複数位置に形成され、基本表面1Aに対して第1側に凹み、製品を収納するエンボス7と、幅方向の両端で長手方向に延在し、前記基本表面1Aに対して前記エンボス7と同じ前記第1側又はその逆の第2側に凹む凹部3、5と、を有することを特徴とする。
(2)上記(1)の構成において、前記凹部3、5は、前記基本表面1Aに対して凹み側が凸となる凸部を形成し、前記凸部は、前記凹部3、5に嵌合可能であることを特徴とする。
(3)上記(1)、(2)の構成において、前記凹部3、5は、幅方向及び前記エンボス7の深さ方向を含む平面で切断した際の断面視で、その側壁の壁面の、前記基本表面1Aに対するなす角度が、30度以上かつ60度以下である。
(4)上記(1)の構成において、キャリアテープ1をリール部材で巻き取るキャリアテープ巻取方法であって、前記リール部材に前記キャリアテープ1を供給しながら、前記リール部材を軸まわりに回転させつつ、前記キャリアテープ1に対して前記リール部材をその軸方向に所定量だけ相対移動させる工程を含み、前記所定量は、前記キャリアテープ1の幅方向で両端の前記凹部の間の距離に対応することを特徴とする。
(5)上記(4)の方法において、前記キャリアテープ1は、前記リール部材のまわりに複数の層を形成し、かつ、前記リール部材の軸方向に複数の列を形成する態様で、巻き取られ、前記キャリアテープ1は、一の層において、一の列の前記キャリアテープ1の幅方向の一端が、該一の列に隣接する他の一の列の前記キャリアテープ1の幅方向の他端と重なり合うことを特徴とする。
(6)上記(5)の方法において、前記凹部3、5は、前記基本表面1Aに対して凹み側が凸となる凸部を形成し、前記キャリアテープ1は、前記重なり合う箇所において、前記凸部が前記凹部3、5に嵌合することを特徴とする。
(7)上記(5)、(6)の方法において、前記凹部3、5は、幅方向及び前記エンボス7の深さ方向を含む平面で切断した際の断面視で、その側壁の壁面の、前記基本表面1Aに対するなす角度が、30度以上かつ60度以下であることを特徴とする。
【符号の説明】
【0038】
1 キャリアテープ
1A 基本表面
1B 本体部
3 凹部
5 凹部
7 エンボス
9 送り穴