(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】エネルギーマネージメントシステム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/0606 20160101AFI20230920BHJP
H01M 8/0612 20160101ALI20230920BHJP
H01M 8/0656 20160101ALI20230920BHJP
H01M 8/04313 20160101ALI20230920BHJP
H01M 8/04746 20160101ALI20230920BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20230920BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20230920BHJP
【FI】
H01M8/0606
H01M8/0612
H01M8/0656
H01M8/04313
H01M8/04746
H01M8/12 101
H01M8/10 101
(21)【出願番号】P 2019191413
(22)【出願日】2019-10-18
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】中牟田 慶
(72)【発明者】
【氏名】水谷 英司
(72)【発明者】
【氏名】菊地 圭介
(72)【発明者】
【氏名】折橋 信行
(72)【発明者】
【氏名】山中 富夫
(72)【発明者】
【氏名】中島 敦士
(72)【発明者】
【氏名】八束 真一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】峠 宗志
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-275279(JP,A)
【文献】特開2015-167132(JP,A)
【文献】特開2013-182675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/0606
H01M 8/0612
H01M 8/0656
H01M 8/04313
H01M 8/04746
H01M 8/12
H01M 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設で使用されるエネルギーを供給する燃料電池と、
再生可能エネルギーを使った発電装置により水電解を行って前記燃料電池に水素を供給する第1水素供給手段と、
パイプラインを経由して供給された天然ガスの改質を行なって前記燃料電池に水素を供給する第2水素供給手段と、
前記燃料電池に対して供給する水素における、前記第1水素供給手段から供給する水素と前記第2水素供給手段から供給する水素との比率を決定する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記施設で使用されるエネルギーにおける熱エネルギーと前記熱エネルギー以外のエネルギーとの割合に応じて、上記比率を決定する、エネルギーマネージメントシステム。
【請求項2】
前記制御部は、熱エネルギーとしてしての需要が多い場合には、前記燃料電池に対して供給する水素における、前記第2水素供給手段から供給する水素の比率を高くする、請求項1に記載のエネルギーマネージメントシステム。
【請求項3】
気象及び災害に関する情報を取得する取得部をさらに備え、
前記制御部は、前記取得部により取得された、気象及び災害に関する情報に基づいて天然ガスの供給が停止するか否か判断し、天然ガスの供給が停止すると判断した場合には前記燃料電池に対して前記第1水素供給手段のみから水素が供給されるようにする、請求項1または2に記載のエネルギーマネージメントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギーマネージメントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
空港などの施設において、二酸化炭素などの温室効果ガスを削減するために、燃料電池を用いてエネルギーを供給するシステムの導入が検討されている。特許文献1には、炭化水素系燃料を改質する改質器と、改質ガスを用いて発電を行うSOFCシステムの運転方法であって、SOFCによる発電時に、炭化水素を、改質器を経ずにSOFCに供給する工程を有するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池に供給する水素は、水電解(水の電気分解)や天然ガスに含まれるメタンの改質によって製造される。水電解で水素を生成するためには電気エネルギーが必要であるが、この電気エネルギーは、太陽光発電などの再生可能エネルギーを使った発電装置で供給することが検討されている。再生可能エネルギーを使った発電装置は、発電タイミングに変動があるので、水電解により水素を生成するタイミングをコントロールすることはできない。このため、再生可能エネルギーを使った発電装置により水電解を行い燃料電池に水素を供給するシステムでは、生成した水素をいったん水素貯蔵タンクに貯留し、必要なときに水素貯蔵タンクから燃料電池に対して水素を供給するようにしている。
【0005】
天然ガスに含まれるメタンを改質して燃料電池に水素を供給するシステムでは、改質工程で多量の熱が生じる。改質工程で生じた熱は、暖房や給湯などの熱エネルギーとして用いることが可能である。施設において使用するエネルギーは、熱エネルギーと、電気エネルギーなどの熱エネルギー以外のエネルギーに分けられる。仮に、施設において、再生可能エネルギーを使った発電装置により水電解を行い燃料電池に水素を供給するシステムのみ設置されているとする(第1のケース)。第1のケースでは、施設で使用する熱エネルギーは、全て、燃料電池が発電した電気エネルギーを変換することによって賄わなくてはならない。これに対し、仮に、施設において、天然ガスに含まれるメタンを改質して燃料電池に水素を供給するシステムのみ設置されているとする(第2のケース)。第2のケースでは、施設で使用する熱エネルギーに、改質工程で放出された熱を用いることができる。しかしながら、施設において熱エネルギーの需要が少ないときには、改質工程で放出された熱は利用されずに排出されることになる。つまり、第1のケース、第2のケースのいずれにおいても、施設におけるエネルギー効率に改善の余地があった。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、燃料電池を用いたエネルギー供給設備を有する施設において、エネルギー効率を向上させることができるエネルギーマネージメントシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様に係るエネルギーマネージメントシステムは、施設で使用されるエネルギーを供給する燃料電池と、再生可能エネルギーを使った発電装置により水電解を行って前記燃料電池に水素を供給する第1水素供給手段と、パイプラインを経由して供給された天然ガスの改質を行なって前記燃料電池に水素を供給する第2水素供給手段と、前記燃料電池に対して供給する水素における、前記第1水素供給手段から供給する水素と前記第2水素供給手段から供給する水素との比率を決定する制御部と、を備え、前記制御部は、前記施設で使用されるエネルギーにおける熱エネルギーと前記熱エネルギー以外のエネルギーとの割合に応じて、上記比率を決定する。
【0008】
第2水素供給手段では、水素を生成する過程で多くの熱が放出される。これに対し、第1水素供給手段では、第2水素供給手段に対し、水素を生成する過程で放出される熱が少ない。一方、水素を生成する過程で放出される熱について考慮しなければ、第1水素供給手段から燃料電池に水素を供給して発電する方が、第2水素供給手段から燃料電池に水素を供給して発電するのに対して、エネルギー効率が良い。そこで、施設で使用されるエネルギーにおける熱エネルギーと熱エネルギー以外のエネルギーとの割合に応じて、上記比率を決定する。つまり、施設において使用するエネルギーのうち、熱エネルギーの占める割合が相対的に高い場合には、熱エネルギーの占める割合が相対的に低い場合に対して、燃料電池に供給する水素における、第2水素供給手段から供給する水素の占める割合を高くする。これにより、燃料電池を用いたエネルギー供給設備を有する施設において、エネルギー効率を向上させることができる。
【0009】
さらに、前記制御部は、熱エネルギーとしてしての需要が多い場合には、前記燃料電池に対して供給する水素における、前記第2水素供給手段から供給する水素の比率を高くする。これにより、第2水素供給手段において天然ガスの改質の際に放出される多くの熱を再利用することが可能になる。
【0010】
さらに、気象及び災害に関する情報を取得する取得部をさらに備え、前記制御部は、前記取得部により取得された、気象及び災害に関する情報に基づいて天然ガスの供給が停止するか否か判断し、天然ガスの供給が停止すると判断した場合には前記燃料電池に対して前記第1水素供給手段のみから水素が供給されるようにするようにしてもよい。これにより、災害などにより天然ガスの供給が停止した場合にも対応することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、燃料電池を用いたエネルギー供給設備を有する施設において、エネルギー効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1に係るエネルギーマネージメントシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係るエネルギーマネージメントシステムの燃料電池の概略構成を示す模式図である。
【
図3】実施の形態1に係るエネルギーマネージメントシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】実施の形態2に係るエネルギーマネージメントシステムの構成を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態2に係るエネルギーマネージメントシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】参考形態に係るエネルギーマネージメントシステムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0014】
[実施の形態1]
まず、実施の形態1に係るエネルギーマネージメントシステムの構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係るエネルギーマネージメントシステム1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、エネルギーマネージメントシステム1は、第1水素供給手段2と、第2水素供給手段3と、燃料電池4と、制御部5と、を備えている。
【0015】
燃料電池4は、施設で使用されるエネルギーを供給する。燃料電池4は、例えば、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)である。
図2は、燃料電池4の概略構成を示す模式図である。
図2に示すように、燃料電池4は、例えば固体ポリマーイオン交換膜などの電解質膜をアノード電極(燃料極)とカソード電極(酸化剤極)とによって両側から挟み込んで形成された燃料電池セル40を複数枚積層して構成される。
【0016】
燃料電池4には、燃料空気入口4a、燃料空気出口4b、冷却ガス入口4cと、冷却ガス出口4d、燃料水素入口4e及び燃料水素出口4fが設けられている。燃料空気入口4a、燃料空気出口4bには、それぞれ、燃料空気の供給配管、排気配管が接続される。燃料水素入口4e、燃料水素出口4fには、それぞれ、燃料水素の供給配管、排気配管が接続される。冷却ガス入口4c、冷却ガス出口4dには、それぞれ、冷却ガスの供給配管、排気配管が接続される。燃料電池4の冷却に用いる冷却ガスには、例えば空気を用いる。
【0017】
燃料電池4は、アノード電極に水素を含有するアノードガスを供給し、カソード電極に酸素を含む空気を供給すると、触媒反応によりアノード電極で発生した水素イオンが電解質膜を通過してカソード電極へと移動し、カソード電極で水素イオンと酸素とが化学反応を起こすことで発電する。燃料電池4において、水素は、第1水素供給手段2または第2水素供給手段3を介して取り入れられ、酸素は大気中から取り入れられる。
【0018】
再び
図1を参照し、第1水素供給手段2は、再生可能エネルギーを使った発電装置により水電解を行って燃料電池に水素を供給する。ここで、再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部など自然界に常に存在するエネルギーのことである。再生可能エネルギーを使った発電装置は、例えば太陽光発電装置、風力発電装置、地熱発電装置、水力発電装置、バイオマス発電装置などである。再生可能エネルギーを使った発電装置は、施設内に設置することが前提となるので、施設が空港である場合には、再生可能エネルギーを使った発電装置として太陽光発電装置が適していると考えられる。第1水素供給手段には、水電解を行って水素を生成する水素生成装置2aと、水素生成装置2aで生成された水素を貯蔵する
水素貯蔵タンク2bを含む。
【0019】
第2水素供給手段3は、天然ガス供給会社10よりパイプライン11を経由して供給された天然ガス(都市ガス)の改質を行なって燃料電池に水素を供給する。第2水素供給手段3は、天然ガスに含まれるメタンの水蒸気改質により水素を製造する水素改質器3aを含む。
【0020】
制御部5は、燃料電池4に対して供給する水素における、第1水素供給手段2から供給する水素と第2水素供給手段3から供給する水素との比率を決定する。制御部5は、施設で使用されるエネルギーにおける、熱エネルギーと熱エネルギー以外のエネルギーとの割合に応じて、上記比率を決定する。
【0021】
上述したように、第2水素供給手段3の水素改質器3aではメタンの水蒸気改質により水素を製造する。メタンの水蒸気改質による水素製造方法は、天然ガスに含まれているメタン(CH4)を水素改質器3aで水(H2O)と化学反応させて水素(H2)を製造するもので、現在、工業的な水素製造方法として最も広く用いられている。この化学反応において炭化水素の転化率を向上させるためには、当該化学反応を比較的高温(例えば800℃程度)の雰囲気で行なう必要がある。このため、第2水素供給手段3では、水素を生成する過程で多くの熱が放出される。これに対し、第1水素供給手段2では、第2水素供給手段3に対し、水素を生成する過程で放出される熱が少ない。
【0022】
水素を生成する過程で放出される熱について考慮しなければ、第1水素供給手段2から燃料電池4に水素を供給して発電する方が、第2水素供給手段3から燃料電池4に水素を供給して発電するのに対して、エネルギー効率が良い。
【0023】
第2水素供給手段3において水素を生成する過程で放出される熱は、暖房や給湯などの施設で使用される熱エネルギーとして活用することができる。よって、熱エネルギーとしてしての需要が多い場合には、燃料電池に対して供給する水素における、第2水素供給手段3から供給する水素の比率を高くする。すなわち、施設において使用するエネルギーのうち、熱エネルギーの占める割合が相対的に高い場合には、熱エネルギーの占める割合が相対的に低い場合に対して、燃料電池4に供給する水素における、第2水素供給手段3から供給する水素の占める割合を高くする。このように、制御部5は、施設で使用されるエネルギーにおける熱エネルギーと熱エネルギー以外のエネルギーとの割合に応じて、上記比率を決定する。これにより、燃料電池を用いたエネルギー供給設備を有する施設において、エネルギー効率を向上させることができる。
【0024】
次に、エネルギーマネージメントシステム1の処理の流れについて以下で説明する。なお、以下の説明においては
図1も適宜参照する。
図3は、エネルギーマネージメントシステム1の処理の流れを示すフローチャートである。
図3に示すように、まず、制御部5が、予め用意された、施設における電力使用計画に基づいて、施設で使用されるエネルギーにおける熱エネルギーと熱エネルギー以外のエネルギーとの割合を導出する(ステップS101)。続いて、制御部5が、上記割合に応じて、燃料電池に対して供給する水素における、第1水素供給手段から供給する水素と第2水素供給手段から供給する水素との比率を決定する(ステップS102)。
【0025】
以上により、実施の形態1に係るエネルギーマネージメントシステム1では、燃料電池4により供給されるエネルギーが、熱エネルギーとして使われる場合は発熱量の多い第2水素供給手段を選択し、電気エネルギーなどの熱エネルギー以外のエネルギーとして使われる場合には発熱量の少ない第1水素供給手段を選択する。これにより、燃料電池を用いたエネルギー供給設備を有する施設において、エネルギー効率を向上させることができる。
【0026】
[実施の形態2]
まず、実施の形態
2に係るエネルギーマネージメントシステムの構成について説明する。
図4は、実施の形態2に係るエネルギーマネージメントシステム101の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、エネルギーマネージメントシステム101は、第1水素供給手段2と、第2水素供給手段3と、燃料電池4と、制御部105と、取得部6と、を備えている。すなわち、エネルギーマネージメントシステム101の構成は、取得部6をさらに備えている点と、制御部5(
図1参照)が制御部105に置き換わっている点と、がエネルギーマネージメントシステム1の構成と異なる。それら以外のエネルギーマネージメントシステム101の構成は、
図1を参照して説明した実施の形態1に係るエネルギーマネージメントシステム1の構成と同じである。
【0027】
取得部6は、気象及び災害に関する情報を取得する。制御部105は、取得部6により取得された、気象及び災害に関する情報に基づいて、2つの運転モード(平常時モード、災害時モード)の切替えを行う。すなわち、制御部105は、平常時モードで運転している際に、気象及び災害に関する情報に基づいて天然ガス供給会社10からの天然ガスの供給が停止するか否かを判断し、供給が停止すると判断した場合、災害時モードに切替える。一方、制御部5は、災害時モードで運転している際に、気象及び災害に関する情報に基づいて、天然ガス供給会社10からの天然ガスの供給が停止しない(供給が再開される)と判断した場合、平常時モードに切替える。
【0028】
運転モードが平常時モードである場合、制御部105は、実施の形態1に係る制御部5と同様に、燃料電池4に対して供給する水素における、第1水素供給手段2から供給する水素と第2水素供給手段3から供給する水素との比率を決定する。すなわち、制御部105は、施設で使用されるエネルギーにおける、熱エネルギーと熱エネルギー以外のエネルギーとの割合に応じて、上記比率を決定する。一方、運転モードが災害時モードである場合、制御部105は、燃料電池4に対して、第1水素供給手段2のみから水素が供給されるようにする。
【0029】
次に、エネルギーマネージメントシステム101の処理の流れについて以下で説明する。なお、以下の説明においては
図4も適宜参照する。
図5は、エネルギーマネージメントシステム101の処理の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、まず、取得部6が、気象及び災害に関する情報を取得する(ステップS201)。続いて、制御部105が、天然ガス供給会社10からの天然ガスの供給が停止するか否か判断する(ステップS202)。
【0030】
ステップS202において、天然ガスの供給が停止しないと判断された場合、制御部105が、施設における電力使用計画に基づいて、施設で使用されるエネルギーにおける熱エネルギーと熱エネルギー以外のエネルギーとの割合を導出する(ステップS203)。そして、ステップS203に続いて、制御部105が、上記割合に応じて、燃料電池に対して供給する水素における、第1水素供給手段から供給する水素と第2水素供給手段から供給する水素との比率を決定し(ステップS204)、処理をステップS201に戻す。
【0031】
ステップS202において、天然ガスの供給が停止すると判断された場合、制御部105が、燃料電池4に対して、第1水素供給手段2のみから水素が供給されるようにし(ステップS205)、処理をステップS201に戻す。
【0032】
以上のようにすることで、災害などにより天然ガスの供給が停止した場合にも対応することができる。
【0033】
[参考形態]
再生可能エネルギーを使った発電装置が太陽光発電装置である場合、以下に説明する参考形態も考えられる。
図6は、参考形態に係るエネルギーマネージメントシステム201の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、エネルギーマネージメントシステム201は、第1水素供給手段2と、第2水素供給手段3と、燃料電池4と、制御部205と、取得部106と、を備えている。すなわち、エネルギーマネージメントシステム201の構成は、取得部106をさらに備えている点と、制御部5(
図1参照)が制御部205に置き換わっている点と、が実施の形態1に係るエネルギーマネージメントシステム1の構成と異なる。取得部106は、太陽光発電装置の発電量に関する情報を取得する。制御部205は、昼間の晴天時など、太陽光発電装置の発電量が十分に多い時間帯には第1水素供給手段を選択し、夜間や曇天時などの発電量が少ない時間帯には第2水素供給手段を選択する。このようにすることで、太陽光発電装置の発電状況を考慮して水素供給手段を選択することができる。
【0034】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 エネルギーマネージメントシステム
2 第1水素供給手段
3 第2水素供給手段
4 燃料電池
5、105、205 制御部
6、106 取得部
10 天然ガス供給会社
11 パイプライン