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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 17/06 20060101AFI20230920BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20230920BHJP
   F25D 21/04 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
F25D17/06 313
F25D17/06 314
F25D11/00 101B
F25D17/06 304
F25D21/04 E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020019298
(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公開番号】P2021124259
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石▲崎▼ 祐理
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 遵自
(72)【発明者】
【氏名】服部 圭介
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-229832(JP,A)
【文献】特開平10-026457(JP,A)
【文献】特開平10-026458(JP,A)
【文献】特開2001-235267(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0086883(KR,A)
【文献】特開2006-090664(JP,A)
【文献】特開平05-010643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 17/06
F25D 11/00
F25D 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷気を供給する冷却器と、
冷蔵温度帯の貯蔵室と、
前記冷却器及び前記貯蔵室を繋ぐ送風路と、
貯蔵室ファンと、
前記貯蔵室及び前記冷却器を繋ぐ戻り風路と、を有し、
前記冷却器の温度が低下し、該冷却器の残留冷媒がある状態でその後上昇し、さらにその後低下する経過を示し、この間、前記貯蔵室ファンは、前記冷却器を含む経路で実質的に冷気を循環させ続けるとともに、
急速冷却運転指令の検知に応じ、前記冷却器の温度が低下し、その後上昇し、さらにその後低下する経過を示し、この間、前記貯蔵室ファンは、実質的に駆動し続ける、急速冷却運転制御を実行する冷蔵庫。
【請求項2】
前記冷却器と、前記冷却器への冷媒供給量を変更する冷媒切替弁と、を有する冷凍サイクルを備え、
前記冷媒切替弁のモードが変更して前記冷却器への冷媒供給量が減少又は遮断した後に前記冷却器の温度が上昇し、
前記冷媒切替弁のモードが変更して前記冷却器への冷媒供給量が増加した後に前記冷却器の温度が低下する請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
冷気を供給する冷却器と、
冷蔵温度帯の貯蔵室と、
前記冷却器及び前記貯蔵室を繋ぐ送風路と、
貯蔵室ファンと、
前記貯蔵室及び前記冷却器を繋ぐ戻り風路と、を有し、
前記冷却器と、前記冷却器への冷媒供給量を変更する冷媒切替弁と、を有する冷凍サイクルを備え、
前記冷却器の温度が低下し、該冷却器の残留冷媒がある状態でその後上昇し、さらにその後低下する経過を示し、この間、前記貯蔵室ファンは、前記冷却器を含む経路で実質的に冷気を循環させ続けるとともに、
前記冷媒切替弁のモードが変更して前記冷却器への冷媒供給量が減少又は遮断した後に前記冷却器の温度が上昇し、
前記冷媒切替弁のモードが変更して前記冷却器への冷媒供給量が増加した後に前記冷却器の温度が低下する冷蔵庫。
【請求項4】
前記貯蔵室ファンは、前記冷却器及び前記貯蔵室を含む冷気のループ中、前記貯蔵室以外の場所に配されている請求項1~3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記貯蔵室ファンは、前記冷却器及び前記貯蔵室を含む冷気のループ中、前記貯蔵室に配されている請求項1~3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
冷蔵室に冷気を供給する冷蔵用冷却器と、
冷凍室に冷気を供給する冷凍用冷却器と、
前記冷蔵室と前記冷蔵用冷却器とを含む循環風路に冷気を送風する冷蔵用ファンと、
前記冷凍室と前記冷凍用冷却器とを含む循環風路に冷気を送風する冷凍用ファンと、を有し、
食品の急速冷却制御時に、
急速冷却でない時よりも高速で前記冷蔵用ファンを駆動して、冷媒が供給され温度が低下した前記冷蔵用冷却器による冷気を前記冷蔵室に送風する急冷ステップと、
前記冷蔵用ファンを駆動したまま、前記冷凍用冷却器に冷媒が供給されるために冷媒が供給されずに温度が上昇した残留冷媒がある状態の前記冷蔵用冷却器による冷気を前記冷蔵室に送風する緩冷ステップと、を実行する
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項7】
前記冷蔵用ファンの駆動は、前記緩冷ステップにおいて、前記急冷ステップに比べて増速しない
ことを特徴とする請求項6に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記緩冷ステップの実行時間は、タイマーにより所定の時間の経過を検知して制御する
ことを特徴とする請求項6に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
貯蔵室、例えば冷蔵温度帯の室内に入れられた食品を速く冷やす急速冷却機能の技術が提案されている。食品を緩慢に冷却するよりも急速に冷やす方が食品の保存性を向上できることが知られているところ、冷蔵温度帯で保存されるべき食品に大量の冷気を供給し続けると、特に、冷気が直接吹き付けられる食品や、そのような食品の一部分が凍結してしまうことが懸念される。
【0003】
このような中、特許文献1は、急速冷蔵運転中、設定温度Tsから温度センサ12が検知する庫内温度を引いた値が1deg以上あるときダンパを閉にし(ステップS504,505)、庫内温度から設定温度Tsを引いた値が1deg以上あるとき、ダンパを開にする(ステップS511,512)ことを開示する(明細書第3頁右下欄、第6図)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭62-73072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のようにダンパの開閉で冷気供給を断続させると、ダンパを閉じている間は冷気の供給が停止するため、食品の冷却が停止する。また、貯蔵室内の空気の撹拌も停止するため、特に高温の食品が貯蔵室内に収納されている場合、その熱が高温食品周囲の食品を温めてしまうし、高温食品の冷却もほとんど行われない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記事情に鑑みてなされた本発明は、
冷気を供給する冷却器と、
冷蔵温度帯の貯蔵室と、
前記冷却器及び前記貯蔵室を繋ぐ送風路と、
貯蔵室ファンと、
前記貯蔵室及び前記冷却器を繋ぐ戻り風路と、を有し、
前記冷却器の温度が低下し、該冷却器の残留冷媒がある状態でその後上昇し、さらにその後低下する経過を示し、この間、前記貯蔵室ファンは、前記冷却器を含む経路で実質的に冷気を循環させ続けるとともに、
急速冷却運転指令の検知に応じ、前記冷却器の温度が低下し、その後上昇し、さらにその後低下する経過を示し、この間、前記貯蔵室ファンは、実質的に駆動し続ける、急速冷却運転制御を実行する冷蔵庫。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例の冷蔵庫の正面外観図
図2】実施例の冷蔵庫の風路構成を表す模式図
図3図1のA-A断面図
図4図3のB-B断面図
図5】実施例の冷蔵庫の冷凍サイクルの概略図
図6】実施例の冷蔵庫の非急速冷却運転時の安定状態のタイムチャート
図7】急速冷却運転を実行している間を含むタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を添付の図面を参照しつつ説明する。
図1は実施例の冷蔵庫1の正面図である。
冷蔵庫1の断熱箱体10は、前方に開口しており、複数の貯蔵室を有している。貯蔵室としては上方から、冷蔵室2(第一冷蔵温度帯室)、左右に並設された製氷室3と上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6(第二冷蔵温度帯室)を備える。以下では、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5は、まとめて冷凍室7(冷凍温度帯室)と呼ぶ。
【0010】
冷蔵室2の前方の開口は、左右に分割された回転式の冷蔵室扉2a,2bにより開閉され、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6の前方の開口は、引き出し式の製氷室扉3a、上段冷凍室扉4a、下段冷凍室扉5a、野菜室扉6aによってそれぞれ開閉される。
【0011】
例えば扉2aには、ユーザからの指令を受付けたりユーザへの報知をしたりできる操作部99を設けている。操作部99は、ユーザからの急速冷却指令を受付ける受付部として、急速冷却ボタンを有する。また、急速冷却運転の実行中は、その旨を報知する表示部として、例えば「急速冷却」と文字状に発光出力するLEDや光透過部を有している。
【0012】
扉2aには公知の回転仕切り98を設け、回転仕切り98内に回転仕切りヒータ61を備えている。後述する冷蔵室吐出口11aから上方に向けて吹き出された冷却空気は、回転仕切り98の庫内側表面を流れて冷却するため、回転仕切りの庫外表面に結露が発生する虞がある。特に、後述する急速冷却を実行するとその虞が大きい。このため、急速冷却時は、回転仕切りヒータ61の出力を通常時と比べて高くするのが好ましい。
【0013】
図2は実施例の冷蔵庫1の風路構成を示す模式図である。
冷蔵用冷却器14aと熱交換して低温になった空気は、冷蔵用ファン9aを駆動することにより、冷蔵室送風路11を介して冷蔵室2に送風され、冷蔵室2内を冷却する。冷蔵室2に送られた空気は、冷蔵室戻り風路15から冷蔵用冷却器室8aに戻る。
【0014】
冷凍用冷却器14bと熱交換して低温になった空気は、冷凍用ファン9bを駆動することにより、冷凍室送風路12を介して冷凍室7に送風され、冷凍室7内を冷却する。冷凍室7に送られた空気は、冷凍室戻り風路17から冷凍用冷却器室8bに戻る。
【0015】
冷凍用冷却器14bと熱交換して低温になった空気は、野菜室ダンパ19が開放状態の場合には、冷凍室送風路12に流入した冷却空気の一部が野菜室送風路13を介して野菜室6に至り、野菜室6内を冷却する。野菜室6に送られた空気は、野菜室戻り風路18を流れて冷凍用冷却器室8bに戻る。
【0016】
図3図1のA-A断面図である。図4図3のB-B断面図である。
断熱箱体10の外殻を形成する外箱10aと内箱10bとの間には発泡断熱材や真空断熱材が充填されている。チルドルーム35下部にはチルドルームの冷え過ぎを抑えるチルドルーム温度補償ヒータ60を備えている。チルドルーム35は、断熱仕切壁28を介して冷凍温度帯にある製氷室3や上段冷凍室4に隣接するため、低温になり易い。後述する急速冷却運転を実行すると、チルドルーム35内の食品が凍結しやすくなるため、急速冷却運転中はチルドルーム温度補償ヒータ60の出力を通常時と比べて高くすると好ましい。
【0017】
冷蔵室2の略背部には冷蔵用冷却器室8aを備えており、冷蔵用冷却器室8a内には、フィンチューブ式熱交換器である冷蔵用冷却器14aが収納されている。冷蔵用冷却器14aの上方には冷蔵用ファン9aを備えている。また、冷蔵室2背部の幅方向の略中心には、冷却気質8aと冷蔵室2とを繋ぐ冷蔵室送風路11を備えている。冷蔵室送風路11の上部には、吹き出す空気を上方に指向させる指向手段を備えた冷蔵室吐出口11aを備えている。
【0018】
冷蔵室吐出口11aから上方に向けて吹き出された冷却空気は、図2中に矢印で示すように冷蔵室2の天井面を沿って流れて冷蔵室2の前方の領域に到達し、棚34a-34cと扉ポケット33a-33cとの隙間を流れて下降し、チルドルーム35の後方空間に入り、冷蔵用冷却器室8aの下部に設けられた冷蔵室戻り風路15aから冷蔵用冷却器室8aに戻る。
【0019】
冷凍室7の略背部には冷凍用冷却器室8bを備えており、冷凍用冷却器室8b内には、フィンチューブ式熱交換器である冷凍用冷却器14bが収納されている。冷凍用冷却器14bの上方には冷凍用ファン9bを備えている。また、冷凍室7の背部には冷凍室送風路12を備えており、冷凍用ファン9bの前方の冷凍室送風路12には複数の冷凍室吐出口12aを備えている。冷凍室用冷却器室8bの下部前方には冷凍室7に送られた空気が戻る冷凍室戻り風路17を備えている。
【0020】
野菜室6への風路となる野菜室送風路13は、冷凍室送風路12の右下方から分岐形成され、断熱仕切壁29を通過している。野菜室送風路13は、野菜室ダンパ19を備えている。野菜室6と冷凍室7の間の断熱仕切壁29の下部前方には、野菜室戻り流入口18aを備えており、断熱仕切壁29内を通過する野菜室戻り風路18を介して冷凍用冷却器室8bの下部前方に設けられた野菜室戻り流出口18bに至る流路が形成されている。
【0021】
冷蔵室2、冷凍室7、野菜室6の例えば庫内背面側には、冷蔵室温度センサ41、冷凍室温度センサ42、野菜室温度センサ43を備え、それぞれ冷蔵室2、冷凍室7、野菜室6の温度を検知している。また、冷蔵室2の庫内天井部に冷蔵室上部温度センサ44を備えており、冷蔵室2の上部の温度を検知している。また、冷蔵用冷却器14aの上部には冷蔵用冷却器温度センサ40a、冷凍用冷却器14bの上部には冷凍用冷却器温度センサ40bを備え、冷蔵用冷却器14a、及び冷凍用冷却器14bの温度を検知している。冷蔵庫1の天井部の扉ヒンジカバー16の内部には、外気(庫外空気)の温度、湿度を検知する外気温湿度センサ37を備えている。
【0022】
冷凍用冷却器室8bの下部には、冷凍用冷却器14bを加熱する除霜ヒータ21を備えている。除霜ヒータ21は、例えば50W~200Wの電気ヒータである。冷凍用冷却器14bの除霜時に発生した除霜水(融解水)は、冷凍用冷却器室8bの下部に備えた樋23bに流下し、排水口22b、冷凍用排水管27bを介して冷蔵庫1の後方(背面側)下部に設けられた機械室39に至り、機械室39内に設置された圧縮機24の上部の蒸発皿32に排出される。
【0023】
冷蔵庫1の天井部には、制御装置の一部であるCPU、ROMやRAM等のメモリ、インターフェース回路等を搭載した制御基板31を配置している。制御基板31は、冷蔵室温度センサ41、冷凍室温度センサ42、野菜室温度センサ43、冷却器温度センサ40a、40b等と接続され、前述のCPUは、これらの出力値や操作部99の設定、前述のROMに予め記録されたプログラム等を基に、圧縮機24や冷蔵用ファン9a、冷凍用ファン9bのON/OFFや回転速度制御、除霜ヒータ21、樋ヒータ101、排水管上部ヒータ102、排水管下部ヒータ103、及び、後述する三方弁52の制御等を行っている。
【0024】
図5は、冷蔵庫1の冷凍サイクルの概略図である。冷蔵庫1は、冷媒を圧縮する圧縮機24、圧縮機24の下流に在り冷媒の放熱を行う庫外放熱器50aと壁面放熱配管50b、圧縮機24の下流に在り冷媒の放熱を行いながら断熱仕切壁28,29,30の前縁部への結露を抑制する結露抑制配管50c、放熱器50a-50cの下流に在る冷媒切替弁としての三方弁52、三方弁52の一方の流出口52aに接続していて冷媒を減圧させる冷蔵用キャピラリチューブ53a、三方弁52の他方の流出口52bに接続していて冷媒を減圧させる冷凍用キャピラリチューブ53b、冷蔵用キャピラリチューブ53aの下流に在り冷媒の蒸発により吸熱する(冷気を供給する)冷蔵用冷却器14a、及び、冷凍用キャピラリチューブ53bの下流に在り冷媒の蒸発により吸熱する冷凍用冷却器14bを備えている。これら各種の構成要素は、冷媒配管によって環状に接続されている。
【0025】
その他三方弁52の上流には、冷凍サイクル中の水分を除去するドライヤ51を備えている。冷蔵用冷却器14aの下流と冷凍用冷却器14bの下流それぞれには、液冷媒が圧縮機24に流入するのを防止する冷蔵用気液分離器54aと冷凍用気液分離器54bを備えている。冷凍用気液分離器54bの下流かつキャピラリーチューブ53a,53bの下流の合流部分より上流には、逆止弁56を備えている。
【0026】
冷蔵用冷却器14aの温度は、圧縮機24、冷蔵用ファン9aの回転速度によって調整できる。冷凍用冷却器14bの温度は、圧縮機24、冷凍用ファン9bの回転速度によって調整できる。
【0027】
三方弁52は、流出口52aと、流出口52bを備えており、次のモードが可能である。
流出口52aを開放状態、流出口52bを閉鎖状態として、冷蔵用キャピラリチューブ53a側に冷媒を流す冷蔵モード。
流出口52aを閉鎖状態、流出口52bを開放状態として、冷凍用キャピラリチューブ53b側に冷媒を流す冷凍モード。
流出口52a、52bの何れも閉鎖状態とする全閉モード。
【0028】
三方弁52が何れのモードであっても、圧縮機24から吐出した冷媒は、庫外放熱器50a、庫外放熱器50b、結露抑制配管50cを流れて放熱し、ドライヤ51を介して三方弁52に至る。
【0029】
冷蔵モードの場合、冷媒は冷蔵用キャピラリチューブ53aを流れて減圧され冷蔵用冷却器14aに至り、冷蔵室2の戻り空気と熱交換する。冷蔵用冷却器14aを出た冷媒は、冷蔵用気液分離器54aを通り、キャピラリチューブ53aとの接触部57aを流れることでキャピラリチューブ53a内を流れる冷媒と熱交換した後に圧縮機24に戻る。
【0030】
冷凍モードの場合、冷媒は冷凍用キャピラリチューブ53bを流れて減圧され冷凍用冷却器14bに至り、冷凍室7の戻り空気と熱交換する。野菜室ダンパ19が開放状態の場合はさらに、野菜室6の戻り空気と熱交換する。冷凍用冷却器14bを出た冷媒は、冷凍用気液分離器54bを通り、キャピラリチューブ53bとの接触部57bを流れることでキャピラリチューブ53b内を流れる冷媒と熱交換した後に圧縮機24に戻る。
【0031】
全閉モードの場合、圧縮機24を駆動してもキャピラリチューブ53a,53bから冷媒が供給されない状態となるため、冷却器14a,14b内の冷媒が圧縮機24に吸い込まれて圧縮されてから吐出され、放熱器50に回収される。
【0032】
本実施例の冷蔵庫は、次の運転が可能である。
三方弁52を冷蔵モードに制御して冷蔵室2を冷却する「冷蔵運転」。
冷凍モードに制御して野菜室ダンパ19を開とすることで冷凍室7と野菜室6を冷却する「冷凍野菜運転」。
冷凍モードに制御して野菜室ダンパ19を閉とすることで冷凍室7を冷却する「冷凍運転」。
全閉モードに制御して圧縮機24を駆動して、冷媒を放熱手段側に回収する「冷媒回収運転」。
全閉モードに制御して圧縮機24を停止状態とする「運転停止」。
冷蔵冷却器14aに冷媒が流れない状態に制御して冷蔵用ファンを駆動状態として、冷蔵用冷却器14aの表面に成長した霜や冷却器自体の蓄冷熱で冷蔵室2を冷却しつつ冷蔵用冷却器14aの除霜を行う「冷蔵用冷却器除霜運転」。
全閉モードに制御して圧縮機24を停止状態、冷凍用ファン9bを停止状態、除霜ヒータ21を通電状態とすることで、冷凍用冷却器14bの除霜を行う「冷凍用冷却器除霜運転」。
【0033】
図6は、外気32℃、相対湿度70%の環境下に設置し、非急速冷却運転時の安定状態のタイムチャートである。圧縮機24やファン9a,9bのON状態では、速度1から速度4に向けて回転数が大きくなる。
【0034】
t0は冷蔵室2を冷却する冷蔵運転が開始された時刻である。三方弁52が冷蔵モードに制御され、圧縮機24が速度1で駆動されて冷蔵用冷却器14aに冷媒が供給されることで、冷蔵用冷却器14aの温度が低下している。冷蔵用ファン9aが速度2で駆動されることで、冷蔵用冷却器14aを通過して低温になった空気が冷蔵室吐出口11aから冷蔵室2内に吹き出し、冷蔵室2が冷却されて温度が低下している。
【0035】
ここで、冷蔵運転中の冷蔵用冷却器14aの時間平均温度は-6℃であり、後述する冷凍運転中の冷凍用冷却器14bの時間平均温度の-24℃よりも高くしている。一般に冷却器温度(蒸発温度)が高い方が、冷凍サイクル成績係数(圧縮機24の入力に対する吸熱量の割合)が高く、省エネルギー性能が高い。冷凍室7は冷凍温度に維持するために冷凍用冷却器14bの温度を低温にする必要があるが、冷蔵室2は冷蔵温度に維持すれば良いので、冷蔵用冷却器14aの温度を高めるように冷蔵用ファン9a及び圧縮機24の回転速度を制御して、省エネルギー性能を向上している。
【0036】
時刻t1で冷蔵室温度センサ41が検知する冷蔵室温度TRが冷蔵運転終了温度TR_offまで低下したことで、冷蔵運転は終了する。本実施例では、終了後、冷媒回収運転に切換わっている。冷媒回収運転では三方弁52が全閉モードに制御され、圧縮機24が速度1、冷蔵用ファン9aが速度2で駆動されて、冷蔵用冷却器14a内の冷媒が例えば2分間回収される(ΔTA1=2min)。これにより、冷凍用冷却器14bに供給し得る冷媒量を確保し、続いて行う冷凍野菜運転又は冷凍運転での冷媒不足を抑制できる。なお、このとき冷蔵用ファン9aが駆動されることで、冷蔵用冷却器14a内の残留冷媒が冷蔵室2の冷却に活用されるとともに、冷蔵室2内の空気による加熱で、冷蔵用冷却器14a内の圧力低下が緩和される。これにより、圧縮機24の吸込冷媒の比体積増加が抑制され、比較的短い時間で多くの冷媒を回収できるようになり、冷却効率を高めることができる。
【0037】
時刻t2は冷媒回収運転が終了した時刻である。冷蔵用冷却器除霜運転を実行するかが判定される。ここでは実行すると判定され、冷蔵用ファン9aが速度1で駆動されて冷蔵用冷却器除霜運転が行われている。これにより冷蔵用冷却器14aの温度が上昇するとともに、霜や冷蔵用冷却器14aの蓄冷熱による冷却効果によって、冷蔵室2の温度上昇が緩和される。このように冷蔵用冷却器の除霜運転を行い、冷蔵用ファンを駆動するモードを備えることで、冷蔵用ファンの駆動時間は、後述する冷凍用ファンの駆動時間よりも長く、また、長時間冷蔵室内の空気を循環することとなり、冷蔵室庫内の均温化を図ることができる。
【0038】
また時刻t2で冷凍室温度センサ42が検知する冷凍室温度TFが冷凍野菜運転開始温度TF_on以上となっていることから冷凍野菜運転が開始され、野菜室6が冷却され野菜室温度TVが低下している。冷凍野菜運転では、三方弁52が冷凍モードに制御され、圧縮機24が速度2で駆動されて冷凍用冷却器14bに冷媒が供給されて、冷凍用冷却器14bが低温になる。この状態で野菜室ダンパ19が開放され、冷凍用ファン9bが速度1で駆動されることで、冷凍用冷却器14bを通過して低温になった空気で冷凍室7と野菜室6が冷却される。
【0039】
時刻t3で野菜室温度センサ43が検知する野菜室温度TVが野菜室冷却終了温度TV_offに到達したことにより、野菜室ダンパ19が閉鎖され、冷凍運転に移行する。
【0040】
時刻t4で冷凍室温度センサ42が検知する冷凍室温度TFが冷凍運転終了温度TF_offに到達し、冷凍運転が終了する。このとき冷蔵室温度センサ41が検知する冷蔵室温度TRが冷蔵運転開始温度TR_on以上に達していることから、冷蔵運転開始条件が成立し、冷媒回収運転が行われる。冷媒回収運転では、三方弁52が全閉モードに制御され、圧縮機24が速度2、冷凍用ファン9bが速度1で駆動されて、冷凍用冷却器14b内の冷媒が例えば1.5分間回収される(ΔtB1=1.5min)。これにより、次の冷蔵運転での冷媒不足による冷却効率低下を抑制できる。なお、このとき冷凍用ファン9bを駆動することで、冷凍用冷却器14b内の残留冷媒を冷凍室7の冷却に活用するとともに、冷凍室7内の空気による加熱で、冷凍用冷却器14b内の圧力低下が緩和される。これにより圧縮機24の吸込冷媒の比体積増加が抑制され、比較的短い時間で多くの冷媒を回収できるようになり、冷却効率を高めることができる。
【0041】
冷凍室7が冷却される運転は、冷凍野菜運転(t2~t3)、冷凍運転(t3~t4)、冷媒回収運転(t4~t5)であり、これらの運転が行われている間の冷凍用冷却器14bの時間平均温度は約-24℃となるように、冷凍用ファン9b及び圧縮機24が制御されている。また、冷蔵用ファン9aが駆動状態となっている冷凍運転と冷蔵用冷却器除霜運転が行われている間の冷蔵室吐出空気温度の時間平均値は、-1.5℃であり、冷凍室維持温度TF_keep(4℃)と冷蔵室維持温度TR_keep(-20℃)の算術平均値(-8℃)より高い温度となっている。
【0042】
冷媒回収運転が終了した時刻間t5より再び、冷蔵運転が開始され、以後周期的に上述の運転が繰り返され、冷蔵室2は約4℃、冷凍室7は約-20℃、野菜室は約7℃に維持される。
【0043】
図7は急速冷却運転のタイムチャートである。急速冷却運転は上述のように、ユーザによる操作スイッチの押下など明示的な指令により開始してもよいし、急速冷却に適した領域及びこの領域に食品等が載置されたことを検知する食品センサを設けておいて、センサ検知によって自動的に開始してもよい。
【0044】
ユーザが急速冷却で冷やしたい食品の温度を「負荷温度」という。貯蔵室に投入された初期の負荷温度は、貯蔵室温度(本実施例では冷蔵室温度TR)及び冷蔵室2内の他の食品の温度よりも高温であることを想定する。
【0045】
ユーザが急冷したい高温の食品が冷蔵室2内に入れられ、操作部99の急速冷却ボタンが押され、急冷指令を受付けると急速冷却制御が開始され、好ましくは急速冷却LEDを点灯させてユーザに急速冷却が開始したことを報知する。
【0046】
本実施例の急速冷却制御を、説明の便利のため、三つの段階(フェーズ1、フェーズ2、フェーズ3)に分けて説明する。各フェーズの終了条件はタイマーまたは冷蔵室温度センサ41及び/若しくは冷蔵室上部温度センサ44の検知温度で制御されている。ユーザの操作によって途中で急速冷却指令が解除された場合は、その時点で全フェーズを終了させて急速冷却制御を終了し、急速冷却LEDを消灯して通常の運転制御に戻る。
【0047】
急速冷却制御が開始すると、まずフェーズ1(急冷ステップ)が開始される。フェーズ1では、三方弁52が冷蔵モードに制御され、圧縮機24が運転することで冷蔵用冷却器14aに冷媒が供給され、冷蔵用ファン9aが駆動する。すなわち、冷蔵用冷却器14aに冷媒が循環して冷蔵用冷却器14aの温度が低下し、冷蔵用ファン9aが駆動(好ましくは非急速冷却制御よりも高速、又は非急速冷却制御で実行され得る速度の中で高速である速度2又は速度3。)するから、冷蔵室冷却器14aと熱交換された低温の冷気が冷蔵室送風路11、冷蔵室吐出口11aを介して冷蔵室2に送風され、冷蔵室2が温度低下する。タイムチャートでは冷蔵モードに制御されたと同時に冷蔵室2の温度が低下し始めているように見えるが、実際は、冷蔵モードに制御された後に冷蔵用冷却器14aが温度低下し、冷蔵室2が冷却されるため、三方弁52の制御から冷却器14aや冷蔵室2の温度低下までには、やや遅れ時間が存在する。
【0048】
急冷ステップにおいては、本実施例のように冷蔵室2全体を温度低下させてもよいし、集中的に冷気を供給する領域を冷蔵室2一部に設定して、この領域を中心に温度低下させてもよい。
【0049】
その後、所定の時間が経過する又は冷蔵室温度センサ41及び/若しくは冷蔵室上部温度センサ44の検知温度が、それぞれ所定の値以下になった場合、フェーズ1が終了する。フェーズ1終了を判定する冷蔵室温度センサ41の温度閾値は、通常時の冷蔵運転終了温度TR_offよりも低く設定されていると好ましい。
【0050】
最初の段階であるフェーズ1で急冷ステップを実行することによって、急速冷却の開始直後から食品を冷やすことができる。もし、急速冷却制御の途中で食品が取り出されたり、急速冷却指令が解除されたりした場合でも、ユーザが急冷したい食品は、冷蔵用ファン9aが高速駆動していれば通常運転時よりも速く冷えており、短時間でもユーザが急速冷却の効果を享受できる。
【0051】
フェーズ2(緩冷ステップ)では、冷蔵室ファン9aは駆動(好ましくは高速駆動)しながら、冷蔵用冷却器14aへの冷媒供給が減少又は遮断される。本実施例では、三方弁52が冷凍モードに制御され「冷凍運転」又は「冷凍野菜運転」を実行する。三方弁52を全閉モード且つ圧縮機24を停止状態に制御してもよい。冷蔵用冷却器14aの温度は冷媒供給の減少又は遮断により上昇するため、冷蔵室ファン9aを駆動させると、冷蔵室2には急冷ステップよりも高温の空気が循環する。緩冷ステップでは冷蔵室2を循環する空気の温度が高いため、冷蔵室2内の食品の凍結を防止できる。
【0052】
タイムチャートでは冷凍モードに制御されたと同時に冷蔵室2の温度が上昇し始めているように見えるが、実際は、冷凍モードに制御されて冷媒供給が遮断された後も、多少は残留冷媒による冷却が可能であるから、冷蔵用冷却器14aの温度上昇までにはやや遅れ時間が存在する。
【0053】
本タイムチャートでは、緩冷ステップの実行には三方弁52を冷凍モード又は全閉モードにするが、冷蔵室2の外側、例えば冷蔵用冷却器室8aに配されている冷蔵室ファンに代えて又は追加して、冷蔵室2内に冷蔵室ファン(特に区別する必要がある場合は、冷蔵室循環ファンという。)を設けることができる。この場合、三方弁52の状態に拘わらず緩冷ステップを実行できる。具体的には、冷蔵室循環ファンを駆動することで冷蔵室2内で冷気を循環させることができるから、局所的に温度低下して凍結が懸念される食品の部分を温度上昇させ、他の部分や他の食品については冷蔵室2の冷気が接触するから温度上昇を抑制できる。なお、この場合、冷蔵室循環ファンの駆動中、必要に応じて冷却器室8a側の冷蔵室ファンを停止させることができる。また、冷蔵室2と冷蔵用冷却器室8aとの間(送風路でも戻り風路でもよい。)に冷蔵室ダンパを設けて、冷蔵室循環ファンの駆動中にこれを閉にしてもよい。
【0054】
緩冷ステップでは、急冷されやすい食品の温度が既に循環空気温度より低ければ、循環空気によって温度上昇するから凍結が抑制される。また、緩冷ステップでは、対象貯蔵室内の食品のうち循環空気温度より高いものは、循環空気によって冷却される。このため、フェーズ1からフェーズ2への移行のタイミングを厳密に判定する必要性も下がる。よって、食品温度を検知するセンサを別途設けずに、フェーズ1(急冷ステップ)を実行する時間をあらかじめ定めておき、これをタイマで計時してもよい。
【0055】
また、フェーズ2中に圧縮機24を停止させると、圧縮機24を運転させるよりも消費電力量を小さく抑えながら上記の急冷効果を得ることができるため、省エネな急速冷却を実行できる。圧縮機24を運転させるかどうかは、フェーズ2に移行した時点での他貯蔵室の温度、即ち冷凍室温度センサ42や野菜室温度センサ43の検知温度によって判断することができる。それらの温度が十分低いようであれば、圧縮機24を停止させて消費電力量の低減を図ることが好ましい。フェーズ2の開始時に圧縮機24を停止させた場合であっても、フェーズ2の途中で他貯蔵室の温度が上昇したときは、フェーズ2の途中から圧縮機24を運転させて「冷凍運転」又は「冷凍野菜運転」を実行することで、消費電力量を低く抑えつつ、食品貯蔵温度を適正に保つことができる。 フェーズ2は、タイマにより所定の時間の経過を検知した場合、又は、冷蔵室温度センサ41及び/若しくは冷蔵室上部温度センサ44の検知した温度が、それぞれ所定の値以上になった場合に終了する。冷蔵室温度センサ41,44の温度変動で凍結が懸念される領域の温度上昇を検知することは容易ではないため、タイマによる判定が好ましい。
【0056】
フェーズ2が終了した後、フェーズ3(急冷ステップ)に移る。フェーズ3はフェーズ1と同一の制御にしてもよいし、タイマで実行時間を設定している場合は、実行時間を短くするなど、変更点を与えてもよい。
少なくともフェーズ3では再び、冷蔵用冷却器14aに冷媒を供給する冷蔵モードに制御するとともに冷蔵室ファン9aを駆動させる。フェーズ2の緩冷ステップによって冷蔵室2内の温度が均温化されると共に、冷蔵室2内の平均温度が上昇させられているため、再び急冷ステップを実行することで冷蔵室2の温度を降下させる。
【0057】
フェーズ3が終了すると本実施例では急速冷却制御を終了し、急速冷却LEDを消灯して通常の運転制御に復帰する。必要であれば再びフェーズ2に移行し、フェーズ2,3を繰り返してもよい。
【0058】
このように、本実施例では、急冷ステップと緩冷ステップを交互に実行することで食品の凍結を抑えつつ、冷却速度を向上できる。例えば温かい弁当を冷蔵室2内に収納して急速冷却を実行すると、急速冷却運転中は冷蔵室ファン9aが実質的に駆動し続けるため、弁当の周囲の空気が循環し続ける。これにより、弁当の周囲空気が温められたまま滞留することを抑制できるから、特に弁当周囲の他の食品の温度上昇を抑えて、食品のいわゆる老化を抑制できる。
【0059】
一般的に低温空気は下方へ集まり易く、冷蔵室内でも上部より下部の方が低温化される傾向にあるが、本実施例によれば、急速冷却運転中、冷蔵室の上部と下部の温度を均一化できるから、急速冷却運転実行に際して収納する高温食品の収納場所を、冷蔵室の下部のみならず上部にすることもできる。冷蔵室2の中央より下方に冷蔵室温度センサ41を、庫内天井部に冷蔵室上部温度センサ44をそれぞれ備えているため、急速冷却実行中に冷蔵室の上部と下部の温度をそれぞれ検知できる。このため、例えば冷蔵吐出口11aを好ましくは複数設け、それぞれから吐出される冷気を開放及び閉塞切替可能なダンパや、冷気の吐出方向を切替可能なルーバを設ければ、これら上部と下部の検知温度に応じて制御することで、均温化を容易にすることができる。
なお、本実施例の急速冷却運転は、冷却器が1つだけのいわゆるシングル冷却方式の冷蔵庫でも実行し得る。また、冷蔵室に限らず野菜室や氷点以上のチルド室などその他の非冷凍温度帯の貯蔵室でも実行し得る。
【0060】
本実施例では、冷蔵室ファン9aを駆動させつつ冷却器の温度を変動させることで凍結を抑制したが、冷蔵室2に供給する冷気の吹き出す場所や方向を変更することで凍結を抑制してもよい。例えばフェーズ2で吹き出す場所や方向を変え、フェーズ3で戻してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 冷蔵庫
2 冷蔵室
2a、2b 冷蔵室扉
3 製氷室
4 上段冷凍室
5 下段冷凍室冷凍室
3a、4a、5a 冷凍室扉
6 野菜室
6a 野菜室扉
7 冷凍室
8a 冷蔵用冷却器室
8b 冷凍用冷却器室
9a 冷蔵用ファン
9b 冷凍用ファン
10 断熱箱体
10a 外箱
10b 内箱
11 冷蔵室送風路
11a 冷蔵室吐出口
12 冷凍室送風路
12a 冷凍室吐出口
13 野菜室送風路
13a 野菜室吐出口
14a 冷蔵用冷却器(冷蔵用蒸発器)
14b 冷凍用冷却器(冷凍用蒸発器)
15a、15b 15c 冷蔵室戻り風路
16 ヒンジカバー
17 冷凍室戻り口
18 野菜室戻り風路
18a 野菜室戻り口
19 野菜室ダンパ
21 ラジアントヒータ
22a、22b 排水口
23a、23b 樋
24 圧縮機
25 風路
26 庫外ファン
27a 冷蔵用排水管
27b 冷凍用排水管
28、29、30 断熱仕切壁
31 制御基板
32 蒸発皿
35 チルドルーム
39 機械室
40a 冷蔵用冷却器温度センサ
40b 冷凍用冷却器温度センサ
41 冷蔵室温度センサ
42 冷凍室温度センサ
43 野菜室温度センサ
44 冷蔵室上部温度センサ
50a、50b 庫外放熱器(放熱器)
50c 結露抑制配管(放熱器)
51 ドライヤ
52 三方弁(冷媒切替弁)
53a 冷蔵用キャピラリチューブ(減圧部)
53b 冷凍用キャピラリチューブ(減圧部)
54a 冷蔵用気液分離器
54b 冷凍用気液分離器
55a、55b 熱交換部
56 逆止弁
60 チルドルーム温度補償ヒータ
61 回転仕切りヒータ
91 脱臭部材
95a、95b 冷蔵室パッキン
96a、96b、96c 冷凍室パッキン
97 野菜室パッキン
98 回転仕切り
101 樋部ヒータ
102 排水管上部ヒータ
103 排水管下部ヒータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7