(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】キャリブレータ
(51)【国際特許分類】
G01D 18/00 20060101AFI20230920BHJP
G01L 27/02 20060101ALI20230920BHJP
G01D 3/00 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
G01D18/00
G01L27/02
G01D3/00 C
(21)【出願番号】P 2020028691
(22)【出願日】2020-02-21
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100188307
【氏名又は名称】太田 昌宏
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】庄子 幸樹
(72)【発明者】
【氏名】宇津木 友美
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-194418(JP,A)
【文献】特開2015-175696(JP,A)
【文献】特開2017-102780(JP,A)
【文献】特開2002-328677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 18/00-21/02
G01D 3/00-3/10
G01L 7/00-23/32,27/00-27/02
G01R 11/00-11/66,21/00-22/10,
35/00-35/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計装機器の校正作業に用いられるキャリブレータであって、
前記計装機器へ出力する模擬信号に応じた発生ファンクションを選択する操作と、前記計装機器から取得する出力信号に応じた測定ファンクションを選択する操作とを同時に受け付ける入力部と、
前記発生ファンクションを選択する操作と、前記測定ファンクションを選択する操作とに基づいて、前記発生ファンクション及び前記測定ファンクションを同時に設定する制御部と、を備えるキャリブレータ。
【請求項2】
請求項1に記載のキャリブレータにおいて、
表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記発生ファンクション及び前記測定ファンクションを選択する操作を前記入力部が受け付ける際に、前記表示部に、複数の発生ファンクション及び複数の測定ファンクションをマトリックス状に並べたファンクション選択画面を表示させ、
前記入力部は、前記ファンクション選択画面に対する、前記発生ファンクション及び前記測定ファンクションを選択する操作を受け付ける、キャリブレータ。
【請求項3】
請求項2に記載のキャリブレータにおいて、
前記制御部は、前記ファンクション選択画面を前記表示部に表示させるとき、前記発生ファンクションと前記測定ファンクションの組み合わせのうち、実行不可能な組み合わせに対応するマス目を、実行可能な組み合わせに対応するマス目とは異なる態様で表示させる、キャリブレータ。
【請求項4】
請求項3に記載のキャリブレータにおいて、
前記制御部は、実行不可能な組み合わせに対応するマス目を選択する操作を、前記入力部が受け付けることができないように、前記ファンクション選択画面の表示を制御する、キャリブレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キャリブレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、計装機器(例えば、石油、化学、薬品等の各種プロセスに用いられる差圧・圧力伝送器、流量計、記録計、温度調節計等)の校正作業を行うときに用いられる装置として、キャリブレータが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1は、キャリブレータを用いて圧力計を校正する技術について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
キャリブレータを用いて計装機器の校正作業をする際、キャリブレータが計装機器に対して出力する信号の種類に応じたファンクションを設定するため、発生ファンクションを設定する必要がある。また、キャリブレータを用いて計装機器の校正作業をする際、キャリブレータが計装機器から取得する信号の種類に応じたファンクションを設定するため、測定ファンクションを設定する必要がある。
【0006】
従来、キャリブレータにおいて発生ファンクション及び測定ファンクションを設定する際、発生ファンクションを設定する作業と測定ファンクションを設定する作業とは独立して行われるため、同じような設定作業を2回繰り返して行う必要があった。発生ファンクション及び測定ファンクションの設定作業を簡便にすることが望まれている。
【0007】
そこで、本開示は、発生ファンクション及び測定ファンクションの設定作業を簡便にすることが可能なキャリブレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
幾つかの実施形態に係るキャリブレータは、計装機器の校正作業に用いられるキャリブレータであって、前記計装機器へ出力する模擬信号に応じた発生ファンクションを選択する操作と、前記計装機器から取得する出力信号に応じた測定ファンクションを選択する操作とを同時に受け付ける入力部と、前記発生ファンクションを選択する操作と、前記測定ファンクションを選択する操作とに基づいて、前記発生ファンクション及び前記測定ファンクションを同時に設定する制御部と、を備える。このようなキャリブレータによれば、発生ファンクション及び測定ファンクションの設定作業を簡便にすることが可能である。
【0009】
一実施形態に係るキャリブレータにおいて、表示部をさらに備え、前記制御部は、前記発生ファンクション及び前記測定ファンクションを選択する操作を前記入力部が受け付ける際に、前記表示部に、複数の発生ファンクション及び複数の測定ファンクションをマトリックス状に並べたファンクション選択画面を表示させ、前記入力部は、前記ファンクション選択画面に対する、前記発生ファンクション及び前記測定ファンクションを選択する操作を受け付けてもよい。このように、複数の発生ファンクション及び複数の測定ファンクションをマトリックス状に並べたファンクション選択画面を表示させることにより、発生ファンクションを選択する操作と、測定ファンクションを選択する操作とを、同時に簡便に受け付けることができる。
【0010】
一実施形態に係るキャリブレータにおいて、前記制御部は、前記ファンクション選択画面を前記表示部に表示させるとき、前記発生ファンクションと前記測定ファンクションの組み合わせのうち、実行不可能な組み合わせに対応するマス目を、実行可能な組み合わせに対応するマス目とは異なる態様で表示させてもよい。このように、実行不可能な組み合わせに対応するマス目を、実行可能な組み合わせに対応するマス目とは異なる態様で表示させることにより、実行不可能な組み合わせに対応するマス目をユーザが容易に把握できるようにすることができる。
【0011】
一実施形態に係るキャリブレータにおいて、前記制御部は、実行不可能な組み合わせに対応するマス目を選択する操作を、前記入力部が受け付けることができないように、前記ファンクション選択画面の表示を制御してもよい。これにより、実行不可能な組み合わせに対応するマス目をユーザが選択することを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、発生ファンクション及び測定ファンクションの設定作業を簡便にすることが可能なキャリブレータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態に係るキャリブレータの使用例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係るキャリブレータのブロック図である。
【
図3】入力部が含む入力用インタフェースの一例を示す図である。
【
図4】発生ファンクション及び測定ファンクションを選択するためのファンクション選択画面の一例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係るキャリブレータの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、一実施形態に係るキャリブレータ10の使用例を示す図である。
図1を参照して、キャリブレータ10の使用の一例について説明する。
【0016】
キャリブレータ10は、計装機器20の校正作業に用いることが可能な装置である。キャリブレータ10が計装機器20の校正作業をする際、キャリブレータ10と計装機器20とは、
図1に示すように、ケーブル31及びケーブル32によって電気的に接続される。
【0017】
計装機器20は、何らかの物理量を測定する装置である。計装機器20は、例えば、電圧、電流、抵抗、温度、圧力又は流量などを測定可能な装置であってよい。計装機器20は、例えば、プラントに設置されていて圧力を測定する圧力伝送器などであってよい。キャリブレータ10が計装機器20の校正作業を行う際、計装機器20は、通常使用時に設置されている設置場所から取り外されて、キャリブレータ10と接続されてよい。
【0018】
ケーブル31は、キャリブレータ10と計装機器20とを電気的に接続可能な任意のケーブルであってよい。ケーブル31は、キャリブレータ10の出力端子と計装機器20とを電気的に接続する。
【0019】
ケーブル32は、キャリブレータ10と計装機器20とを電気的に接続可能な任意のケーブルであってよい。ケーブル32は、キャリブレータ10の入力端子と計装機器20とを電気的に接続する。
【0020】
キャリブレータ10は、模擬信号を発生し、発生した模擬信号を、ケーブル31を介して計装機器20に出力する。
【0021】
ここで、「模擬信号」は、計装機器20が通常測定している物理量を模擬した信号である。例えば計装機器20が抵抗を測定する装置である場合、計装機器20は、抵抗を模擬した電気信号を出力する。
【0022】
計装機器20は、キャリブレータ10から模擬信号を受信すると、受信した模擬信号に応じた出力信号を、ケーブル32を介してキャリブレータ10に出力する。
【0023】
計装機器20が出力する出力信号の形態は、計装機器20の種類に依存する。出力信号は、例えば電圧信号又は電流信号であってよい。
【0024】
キャリブレータ10は、模擬信号に応じて計装機器20が出力した出力信号を、ケーブル32を介して取得する。キャリブレータ10は、計装機器20から取得した出力信号の値と、模擬信号に相当する信号に対して計装機器20が本来出力するべき信号の値とを比較して、誤差率を算出する。キャリブレータ10は、模擬信号の値、計装機器20から取得した出力信号の値、及び、算出した誤差率などを表示部14に表示させてよい。キャリブレータ10のユーザは、キャリブレータ10に表示された誤差率などを確認して、必要に応じて計装機器20を調整することで、計装機器20を校正することができる。
【0025】
次に、
図2を参照して、キャリブレータ10の構成及び機能について説明する。
【0026】
キャリブレータ10は、信号発生部11と、測定部12と、入力部13と、表示部14と、記憶部15と、制御部16と、出力端子17と、入力端子18とを備える。
【0027】
信号発生部11は、計装機器20へ出力するための模擬信号を発生する。信号発生部11は、校正対象の計装機器20に応じて、様々な種類の模擬信号を発生可能である。信号発生部11は、例えば、電圧の模擬信号、電流の模擬信号、熱電対に対応した模擬信号、測温抵抗体に対応した模擬信号、抵抗に対応した模擬信号、パルス信号に対応した模擬信号、及び、圧力に対応した模擬信号などを発生可能であってよい。なお、信号発生部11が発生可能な模擬信号はこれらに限られず、信号発生部11は、他の種類の模擬信号を発生可能であってよい。以後、計装機器20へ出力する模擬信号の種類のことを「発生ファンクション」とも称する。以後の説明において、発生ファンクションを選択するとは、どのような種類の模擬信号を計装機器20へ出力するかを選択することを意味する。
【0028】
測定部12は、計装機器20が模擬信号に応じて出力する出力信号を取得し、取得した出力信号を測定する。測定部12は、校正対象の計装機器20に応じて、様々な種類の出力信号を測定可能である。測定部12は、例えば、電圧の出力信号、電流の出力信号、熱電対に対応した出力信号、測温抵抗体に対応した出力信号、抵抗に対応した出力信号、パルス信号に対応した出力信号、及び、圧力に対応した出力信号などを測定可能であってよい。なお、測定部12が測定可能な出力信号はこれらに限られず、測定部12は、他の種類の出力信号を測定可能であってよい。以後、計装機器20から取得する出力信号の種類のことを「測定ファンクション」とも称する。以後の説明において、測定ファンクションを選択するとは、どのような種類の出力信号を計装機器20から取得するかを選択することを意味する。
【0029】
入力部13は、ユーザの入力操作を検出して、ユーザの入力操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、キー、キーボード、マウス、表示部14と一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイク等を含んでよい。
【0030】
図3に、入力部13が含む入力用インタフェースの一例を示す。入力部13は、
図3に示すように、入力用インタフェースとして、ファンクションキー131と、十字キー132と、決定キー133とを含んでよい。ファンクションキー131、十字キー132、及び決定キー133は、例えば、キャリブレータ10の前面に配置されていてよい。
【0031】
ファンクションキー131、十字キー132、及び決定キー133は、押下することで操作する物理ボタンであってよい。あるいは、ファンクションキー131、十字キー132、及び決定キー133は、タッチスクリーンとして機能する表示部14に表示されるアイコンであってよい。以下の説明においては、ファンクションキー131、十字キー132、及び決定キー133は、押下することによって操作する物理ボタンであるものとして説明する。
【0032】
ファンクションキー131は、ファンクション選択モードへ移行するためのキーである。ファンクションキー131が押下されると、キャリブレータ10は、ファンクション選択モードへ移行する。ファンクション選択モードは、発生ファンクション及び測定ファンクションを選択するためのモードである。
【0033】
十字キー132は、表示部14に表示されているポインタなどを移動させるためのキーである。十字キー132が押下されると、表示部14に表示されているポインタは、表示部14上で移動する。
【0034】
十字キー132は、
図3に示すように、上移動キー132Uと、下移動キー132Dと、左移動キー132Lと、右移動キー132Rとを含んでよい。上移動キー132Uが押下されると、表示部14に表示されているポインタは、上に移動する。下移動キー132Dが押下されると、表示部14に表示されているポインタは、下に移動する。左移動キー132Lが押下されると、表示部14に表示されているポインタは、左に移動する。右移動キー132Rが押下されると、表示部14に表示されているポインタは、右に移動する。
【0035】
決定キー133は、ポインタによって選択されている内容を決定するためのキーである。決定キー133は、例えば、
図3に示すように、十字キー132に囲まれて配置されていてよい。決定キー133が押下されると、そのときにポインタが位置しているところに対応する処理をすることが決定される。なお、
図3に示す配置は一例であり、決定キー133は、例えば、十字キー132の外側に配置されていてもよい。
【0036】
入力部13は、詳細は後述するが、計装機器20へ出力する模擬信号に応じた発生ファンクションを選択する操作と、計装機器20から取得する出力信号に応じた測定ファンクションを選択する操作とを同時に受け付ける。すなわち、発生ファンクションが選択された後に測定ファンクションが選択されたり、又は、測定ファンクションが選択された後に発生ファンクションが選択されたりするのではなく、ユーザによる入力部13への操作によって、発生ファンクションと測定ファンクションとは同時に選択される。
【0037】
図2に戻って、キャリブレータ10の構成及び機能についての説明を続ける。
【0038】
表示部14は、各種情報を表示する。表示部14は、例えば液晶ディスプレイであってよい。表示部14は、好適には、反射型液晶ディスプレイであってよい。表示部14を反射型液晶ディスプレイとすると、屋外における視認性を向上させることができる。表示部14は、液晶ディスプレイに限定されず、例えば、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどであってもよい。
【0039】
記憶部15は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限定されない。記憶部15は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部15は、キャリブレータ10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部15は、システムプログラム及びアプリケーションプログラムなどの各種情報等を記憶してよい。
【0040】
記憶部15は、例えば、表示部14に表示させるアイコンなど、制御部16が表示部14に各種情報を表示させる際に必要な情報を記憶していてよい。
【0041】
制御部16は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。制御部16は、キャリブレータ10の各部を制御しながら、キャリブレータ10の動作に関わる処理を実行する。
【0042】
制御部16は、ユーザが入力部13に対して行う、発生ファンクションを選択する操作と、測定ファンクションを選択する操作とに基づいて、発生ファンクション及び測定ファンクションを同時に設定する。すなわち、発生ファンクションを設定した後に測定ファンクションを選択したり、又は、測定ファンクションを設定した後に発生ファンクションを設定したりするのではなく、制御部16は、発生ファンクション及び測定ファンクションを同時に設定する。
【0043】
出力端子17は、信号発生部11が発生する信号を出力するための端子である。出力端子17には、
図1に示すケーブル31を接続することができる。
【0044】
入力端子18は、計装機器20が出力する出力信号を取得するための端子である。入力端子18には、
図1に示すケーブル32を接続することができる。
【0045】
(発生ファンクション及び測定ファンクションの選択)
キャリブレータ10が発生ファンクション及び測定ファンクションの選択を受け付ける際の処理について、
図3及び
図4などを参照して説明する。
【0046】
制御部16は、発生ファンクション及び測定ファンクションを選択するためのファンクション選択モードへ移行するための操作を入力部13が受け付けると、表示部14に、発生ファンクション及び測定ファンクションを選択するための画面を表示させる。
【0047】
例えば、入力部13が
図3に示すような入力用インタフェースの構成を含む場合、制御部16は、ファンクションキー131が押下される操作を受け付けると、表示部14に、発生ファンクション及び測定ファンクションを選択するための画面を表示させる。
【0048】
図4に、発生ファンクション及び測定ファンクションを選択するための画面の一例を示す。
図4に示す例においては、制御部16は、表示部14に、複数の発生ファンクション及び複数の測定ファンクションをマトリックス状に並べたファンクション選択画面50を表示させている。
【0049】
ファンクション選択画面50においては、複数の発生ファンクションが横に並んで表示されている。ファンクション選択画面50において、横に並んで表示されている複数の発生ファンクションの上には、「Source Function Select」とのタイトルが表示されている。
【0050】
ファンクション選択画面50においては、複数の発生ファンクションとして、「オフ」、「電圧」、「電流」、「熱電対(TC:Thermocouple)」、「測温抵抗体(RTD:Resistance Temperature Detector)」、「抵抗」、「パルス」、及び「圧力」を示す文字又は記号が、左から順に横に並んで表示されている。
【0051】
ファンクション選択画面50においては、複数の測定ファンクションが縦に並んで表示されている。ファンクション選択画面50において、縦に並んで表示されている複数の測定ファンクションの左横には、「Measure Function Select」とのタイトルが表示されている。
【0052】
ファンクション選択画面50においては、複数の測定ファンクションとして、「オフ」、「電圧」、「電流」、「熱電対(TC:Thermocouple)」、「測温抵抗体(RTD:Resistance Temperature Detector)」、「抵抗」、「パルス」、及び「圧力」を示す文字又は記号が、上から順に縦に並んで表示されている。
【0053】
ファンクション選択画面50において、現在選択されている発生ファンクションの列と、現在選択されている測定ファンクションの行との交点にあるマス目には、ポインタ51が表示されている。ポインタ51は、任意の形状であってよいが、
図4に示す例においては、ポインタ51は黒丸の形状となっている。
【0054】
図4に示す例においては、発生ファンクションは測温抵抗体(RTD)が選択されていて、測定ファンクションは電圧(V)が選択されている。どの発生ファンクションが選択されているかを視認しやすくするため、選択されている発生ファンクションを示す文字又は記号を含むマス目がハイライト表示されていてよい。
図4に示す例においては、横に並んでいる発生ファンクションのうち、測温抵抗体(RTD)を示すマス目がハイライト表示されている。また、どの測定ファンクションが選択されているかを視認しやすくするため、選択されている測定ファンクションを示す文字又は記号を含むマス目がハイライト表示されていてよい。
図4に示す例においては、縦に並んでいる測定ファンクションのうち、電圧(V)を示すマス目がハイライト表示されている。
【0055】
入力部13が、ポインタ51を移動させるための操作を受け付けると、制御部16は、ポインタ51を移動させる。例えば、入力部13が
図3に示すような入力用インタフェースの構成を含む場合、制御部16は、十字キー132が押下される操作を受け付けると、ポインタ51を移動させる。制御部16は、上移動キー132Uが押下されると、ポインタ51を上のマス目に移動させる。制御部16は、下移動キー132Dが押下されると、ポインタ51を下のマス目に移動させる。制御部16は、左移動キー132Lが押下されると、ポインタ51を左のマス目に移動させる。制御部16は、右移動キー132Rが押下されると、ポインタ51を右のマス目に移動させる。
【0056】
図4に示す例において、ポインタ51の周りに表示されている4つの矢印52は、十字キー132を押下することでポインタ51が矢印52の方向に移動することを、ユーザが直観的に理解しやすくするために表示されている。矢印52を表示させることは必須ではなく、制御部16は、矢印52を表示させなくてもよい。
【0057】
表示部14にファンクション選択画面50が表示されている状態で決定キー133が押下されると、制御部16は、そのときにポインタ51によって選択されている発生ファンクション及び測定ファンクションの組み合わせを選択することを決定する。制御部16は、発生ファンクション及び測定ファンクションの組み合わせの選択が決定されると、決定された組み合わせに基づいて、発生ファンクション及び測定ファンクションを同時に設定する。すなわち、制御部16は、発生ファンクションの種類が、決定キー133の押下によって決定された発生ファンクションになるように、発生ファンクションを設定する。また、制御部16は、測定ファンクションの種類が、決定キー133の押下によって決定された決定された測定ファンクションになるように、測定ファンクションを設定する。
【0058】
図4に示す例においては、ファンクション選択画面50の左上隅に、十字キー132及び決定キー133を模したアイコン53が表示されている。アイコン53は、十字キー132及び決定キー133を操作することでポインタ51を操作できることを、ユーザが直観的に理解しやすくするためにガイドとして表示されたものである。アイコン53を表示させることは必須ではなく、制御部16は、アイコン53を表示させなくてもよい。
【0059】
発生ファンクションと測定ファンクションの組み合わせには、キャリブレータ10の機能上、実行不可能な組み合わせがありうる。制御部16は、ファンクション選択画面50を表示部14に表示させるとき、発生ファンクションと測定ファンクションの組み合わせのうち、実行不可能な組み合わせに対応するマス目を、実行可能な組み合わせに対応するマス目とは異なる態様で表示させてよい。このように、実行不可能な組み合わせに対応するマス目が異なる態様で表示されることにより、キャリブレータ10のユーザは、設定できない発生ファンクションと測定ファンクションの組み合わせを容易に把握することができる。
【0060】
図4に示す例においては、発生ファンクションと測定ファンクションの組み合わせで、実行不可能な組み合わせに対応するマス目には、斜線が表示されている。例えば、発生ファンクションが電圧(V)であり、且つ、測定ファンクションが熱電対(TC)である組み合わせは、実行不可能な組み合わせであるため、
図4に示す例では、対応するマス目に斜線が表示されている。
【0061】
制御部16は、ファンクション選択画面50において、実行不可能な組み合わせに対応するマス目を選択する操作を、入力部13が受け付けることができないように、ファンクション選択画面50の表示を制御してもよい。例えば、制御部16は、十字キー132が押下されたときに、移動先のマス目が実行不可能な組み合わせに対応するマス目である場合、そのマス目を飛ばして移動するように、ポインタ51の移動を制御してよい。このように、ポインタ51の移動を制限することで、キャリブレータ10は、実行不可能な発生ファンクションと測定ファンクションの組み合わせを選択する操作をユーザがしてしまうことを防ぐことができる。
【0062】
図5に示すフローチャートを参照して、一実施形態に係るキャリブレータ10の動作の一例を説明する。
図5に示すフローチャートの説明においては、入力部13は、
図3に示すような入力用インタフェースを含むものとする。
【0063】
制御部16は、ファンクションキー131が押下されると、表示部14に、ファンクション選択画面50を表示させる(ステップS101)。
【0064】
入力部13は、ファンクション選択画面50におけるユーザの十字キー132の操作によって、発生ファンクションを選択する操作と、測定ファンクションを選択する操作とを同時に受け付ける(ステップS102)。
【0065】
制御部16は、決定キー133が押下されると、そのときにポインタ51によって選択されている発生ファンクション及び測定ファンクションの組み合わせを選択することを決定し、発生ファンクション及び測定ファンクションを同時に設定する(ステップS103)。
【0066】
以上のような一実施形態に係るキャリブレータ10は、計装機器20へ出力する模擬信号に応じた発生ファンクションを選択する操作と、計装機器20から取得する出力信号に応じた測定ファンクションを選択する操作とを同時に受け付ける入力部13と、発生ファンクションを選択する操作と、測定ファンクションを選択する操作とに基づいて、発生ファンクション及び測定ファンクションを同時に設定する制御部16と、を備える。このように、キャリブレータ10は、発生ファンクション及び測定ファンクションを別々に設定するのではなく、発生ファンクション及び測定ファンクションを同時に設定することができる。したがって、一実施形態に係るキャリブレータ10は、発生ファンクション及び測定ファンクションの設定作業を簡便にすることができる。また、入力部13は、発生ファンクションを選択する操作と、測定ファンクションを選択する操作とを同時に受け付けることができるため、入力部13は、発生ファンクションの選択を受け付ける入力用インタフェースと、測定ファンクションの選択を受け付ける入力用インタフェースとを独立して含む必要がない。したがって、入力部13が含む入力用インタフェースを簡略化することが可能となり、キャリブレータ10を小型化することが可能となる。
【0067】
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。従って、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含される。
【0068】
例えば、上述した各構成部の配置及び個数等は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の配置及び個数等は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0069】
また、本開示において、装置を中心に説明してきたが、本開示は装置の各構成部が実行するステップを含む方法、装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【符号の説明】
【0070】
10 キャリブレータ
11 信号発生部
12 測定部
13 入力部
14 表示部
15 記憶部
16 制御部
17 出力端子
18 入力端子
20 計装機器
31 ケーブル
32 ケーブル
50 ファンクション選択画面
51 ポインタ
52 矢印
53 アイコン
131 ファンクションキー
132 十字キー
132U 上移動キー
132D 下移動キー
132L 左移動キー
132R 右移動キー
133 決定キー