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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】暖房装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/02 20060101AFI20230920BHJP
   F23Q 3/00 20060101ALI20230920BHJP
   F24H 3/04 20220101ALI20230920BHJP
【FI】
F24H9/02 302Z
F23Q3/00 102G
F24H3/04 301
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020096028
(22)【出願日】2020-06-02
(65)【公開番号】P2021188849
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】赤佐 星次
(72)【発明者】
【氏名】早津 裕
(72)【発明者】
【氏名】今井 啓介
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 奎太
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-032964(JP,U)
【文献】実開平03-014570(JP,U)
【文献】実開平03-087056(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0195561(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/02
F23Q 3/00
F24H 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼を行うバーナ部と、
前記バーナ部の上方に配置され、扁平な箱状を呈する箱状部と前記箱状部の後方に連設されたドーム部とを有する外筒と、
前記外筒の側部に設けた冷却用の空気が通る空間と、
前記空間内であり前記外筒の側部に設け、前記外筒からの放熱を遮熱する後仕切板と、
前記空間内に空気を送風して前記外筒と前記後仕切板とを冷却する対流用ファンと、
前記ドーム部の後方に設けた第1の穴と、
前記後仕切板に設けた第2の穴と、
前記第1の穴と前記第2の穴とを貫通して先端部が前記バーナ部に臨み、ロッド部の一部及び碍子部の一部が前記空間内に配設された点火プラグと、を備え、
前記空間内に前記第1の穴を覆うようにして前記外筒に密着させた支持板を設け、
前記支持板に前記点火プラグを取り付けるとともに、前記支持板は、前記第2の穴を塞ぐようにして前記後仕切板に接触させて取り付けるようにしたことを特徴とする暖房装置。
【請求項2】
前記支持板は、前記第1の穴より大きく、前記第2の穴より小さい閉塞面部と、
前記閉塞面部の周囲から立ち上がった立上壁部と、
前記立上壁部から外周へ延びたフランジ部と、を備え、
前記フランジ部の前記外筒側の面は、前記後仕切板と接触していることを特徴とする請求項1に記載の暖房装置。
【請求項3】
前記支持板は、前記後仕切板と前記外筒との密着または接触を解除して、前記支持板を取りはずし可能となるよう、前記外筒とねじ止めされていることを特徴とする請求項1または2に記載の暖房装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房装置に関し、特に燃焼室の室壁に点火用プラグが設けられた点火装置を有する暖房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般の暖房装置は、温風ファンを回転させることで吸引した室内空気を、燃焼筒の燃焼熱と熱交換させると共に、燃焼筒の吐出孔から吐出される燃焼ガスと混合させることで暖かくなった温風を室内に供給して暖房している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の暖房装置では、装置の最上面にある天板が高温になるのを防止するために、燃焼筒の前方下側、後方下側及び上側を被う遮熱板(前面遮熱板、後方遮熱板及び遮熱板)を配置している。
【0004】
後方遮熱板から上方向に離間した位置(蓋体が配置された高さの位置)には、燃焼筒の吐出口を介してルーバに向けて空気を送るための温風ファン及びモータが配置されている。つまり、燃焼筒の上部後側の近傍には、送風路を介して温風ファンが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭56-46743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の暖房装置では、バーナから放出された熱が直接、点火栓に当たる構造になっているので、点火栓が熱で加熱されて高温になる。このため、点火栓は、性能が低下すると共に、寿命が短くなるという問題点があった。
【0007】
また、メンテナンスの際に点火栓を取り外したり交換する必要がある場合は、先に燃焼筒を取り外す必要があり、作業性に問題があった。
【0008】
本発明は、前記した問題を解決し、点火栓(点火プラグ)の温度上昇を抑制するとともに、組み立てやメンテナンス時の作業性を向上することができる暖房装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1では、燃焼を行うバーナ部と、前記バーナ部の上方に配置され、扁平な箱状を呈する箱状部と前記箱状部の後方に連設されたドーム部とを有する外筒と、前記外筒の側部に設けた冷却用の空気が通る空間と、前記空間内であり前記外筒の側部に設け、前記外筒からの放熱を遮熱する後仕切板と、前記空間内に空気を送風して前記外筒と前記後仕切板とを冷却する対流用ファンと、前記ドーム部の後方に設けた第1の穴と、前記後仕切板に設けた第2の穴と、前記第1の穴と前記第2の穴とを貫通して先端部が前記バーナ部に臨み、ロッド部の一部及び碍子部の一部が前記空間内に配設された点火プラグと、を備え、前記空間内に前記第1の穴を覆うようにして前記外筒に密着させた支持板を設け、前記支持板に前記点火プラグを取り付けるとともに、前記支持板は、前記第2の穴を塞ぐようにして前記後仕切板に接触させて取り付けるようにしたことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の請求項2では、前記支持板は、前記第1の穴より大きく、前記第2の穴より小さい閉塞面部と、前記閉塞面部の周囲から立ち上がった立上壁部と、前記立上壁部から外周へ延びたフランジ部と、を備え、前記フランジ部の前記外筒側の面は、前記後仕切板と接触していることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の請求項3では、前記支持板は、前記後仕切板と前記外筒との密着または接触を解除して、前記支持板を取りはずし可能となるよう、前記外筒とねじ止めされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1では、前記支持板と前記後仕切板とを接触させたことにより、前記支持板と前記点火プラグの熱を効率よく伝熱させることができ、さらに、対流用ファンから送られる空気で冷却を行うことにより、前記バーナの燃焼に全く影響を与えることなく前記点火プラグおよび前記支持板を冷却させることができ、よって、前記点火プラグの温度上昇を抑制して部品耐久性を向上させることができる。
【0013】
請求項2では、前記後仕切板の背面側から前記後仕切板の第2の穴を貫通させて、前記支持板を前記外筒に取り付けできる。これにより、前記支持板を前記外筒へ組み付けると同時に、前記支持板を前記後仕切板に接触させ、前記支持板と前記後仕切板との伝熱経路を形成でき、組み立て工数の削減を図ることができる。
また、前記伝熱経路部を別部品とした場合に比べ、部品点数が削減できコストダウンが図れるほか、メンテナンス時の組み立ての際に前記伝熱経路部を取り付け忘れる心配がなく、作業性の向上を図ることができる。
また、前記立上壁部は前記支持板と前記後仕切板との伝熱経路となるため、対流用ファンから送られる一部の空気が通過することによって冷却を行うことができ、前記点火プラグおよび前記支持板を冷却させることができる。
【0014】
請求項3では、メンテナンス時に前記後仕切板を取り外すことなく前記点火プラグを取り外して交換することが可能となり、メンテナンス性が向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る暖房装置の一例を示す斜視図
図2図1のA-A断面斜視図
図3】暖房装置の縦断面図
図4】暖房装置の要部分解斜視図
図5】後仕切板の拡大斜視図
図6】後仕切板の拡大正面図
図7】後仕切板の中央部拡大縦断面図
図8】外筒の後側部材を前方から見た斜視図
図9】外筒の後側部材を後方から見た斜視図
図10】後仕切板、外筒、点火プラグ、支持板、パッキンを模式的に示す部分断面図
図11】後仕切板と外筒の後側部材を後方から見た斜視図
図12】支持板と点火プラグの要部拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図12を参照して、本発明の実施形態に係る暖房装置100を説明する。
なお、各図において、共通する構成要素や同種の構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を適宜省略する。
【0017】
図1に示すように、暖房装置100は、種類、構造、形状、吸排気方式等は特に限定されない。
以下、暖房装置100の一例として、FF式ストーブを例に挙げて説明する。暖房装置100は、本体ケース1と、バーナ部2(図2参照)と、外筒3と、熱交換器4(
図3参照)と、対流用ファン5(対流用送風機)と、燃油供給部6(図2参照)と、空気供給部7と、を備えている。
【0018】
本体ケース1は、暖房装置100の構成部品を内蔵する筐体を成す機器本体である。本体ケース1は、下皿10の上面に取り付けられている。本体ケース1の上面の手前側には、暖房運転の開始や暖房運転における火力等の設定が可能なボタンを複数備えた操作部11が設けられている。また、本体ケース1の前面の上側には、通常の暖房運転時に設定温度や室内温度を表示し、異常発生時に所定のエラーコードを表示して使用者に異常内容を報知する表示部12が設けられている。
【0019】
本体ケース1の前面の左右には、温風を室内に吹き出す縦長吹出部13がそれぞれ設けられている。また、本体ケース1の正面には、使用者が高熱部分に直接触れることを防止するガード体14が取り付けられている。
【0020】
図2及び図3に示すように、バーナ部2は、燃焼を行う箇所である。バーナ部2は、本体ケース1内の下部に配置されている。バーナ部2は、空気供給部7(図1参照)に備わる燃焼用ファン(図示せず)によって室内から吸引されて供給される空気と、燃油供給部6から供給される燃油と、を予混合して燃焼させるものである。
【0021】
外筒3は、バーナ部2で発生した燃焼ガスによって加熱される部材である。外筒3は、バーナ部2の上方に配置されている。外筒3の下部は、バーナ部2の外周上部を囲んでいる。外筒3は、筒状を呈する金属製部材であり、バーナ部2で発生した炎や燃焼ガスが通過する。図4に示すように、外筒3は、前側部材33と、後側部材34と、を備えている。前側部材33及び後側部材34は、例えば、鋼板等の金属板にプレス加工を施すことによって、それぞれ製作され得る。図3に示すように、外筒3は、扁平な箱状を呈する箱状部31と、箱状部31の後方に連設されたドーム部32と、を有している。ドーム部32は、箱状部31に連通している。外筒3の上方には、上仕切板19が水平方向に沿って設置されている。
【0022】
図2及び図3に示すように、外筒3の箱状部31は、平板状を呈する前面部311を有している。平板状には、略平坦な板形状が含まれる。外筒3の前面部311の下部には、耐熱ガラス314が取り付けられた窓部が形成されている。
【0023】
図3および図10図12に示すように、ドーム部32は、前面部311の後方に位置する背面部321を有している。背面部321の後方下部には、バーナヘッド21の炎孔から放出される気化した燃油に着火する点火プラグ22と、炎の状態を監視するフレームロッド23とが、背面部321を貫通して配置されている。点火プラグ22及びフレームロッド23は、後仕切板172(後側遮熱板)の支持板設置孔172h(第2の穴)に挿着された支持板177に保持されている。その支持板177は、さらに、パッキン178を介して第1の穴329を覆うようにして背面部321にねじ止めされるとともに、後仕切板172(後側遮熱板)の支持板設置孔172hを塞ぐように、後仕切板172(後側遮熱板)の背面側と支持板177の前面側とを接触させて取り付けられている。
【0024】
図4に示すように、前側部材33は、前面部311と、前面部311の外周縁から後方に延びる周壁部312と、周壁部312の後端縁から鉛直面に沿って広がって延びる前側フランジ部313と、を有している。
【0025】
後側部材34は、背面部321と、背面部321の前端縁から鉛直面に沿って広がって延びる後面部322と、後面部322の外周に設けられた後側フランジ部323と、を有している。後側部材34の後側フランジ部323は、前側部材33の前側フランジ部313に接合される。ここで、前側部材33と、後側部材34の後面部322及び後側フランジ部323とは、箱状部31(図3参照)を構成している。後側部材34の背面部321は、ドーム部32(図3参照)を構成している。
【0026】
図3に示すように、熱交換器4は、バーナ部2で発生した燃焼ガスと、本体ケース1の背面に取り付けられた対流用ファン5から送られる空気と、を熱交換する。熱交換器4は、外筒3の箱状部31の後方上部に接続されている。また、熱交換器4は、ドーム部32の上方に配置されている。また、熱交換器4は、対流用ファン5の前方に配置されている。
【0027】
熱交換器4は、左右にそれぞれ配置された一対の箱状のヘッダ部41,41(ここでは右側のヘッダ部41は図示せず)と、左右一対のヘッダ部41,41の間に配置され両者を連通するパイプ部42と、を有している。ここでは、右側のヘッダ部41が外筒3の箱状部31に連通しており、左側のヘッダ部41が排気管43に連通している。バーナ部2で発生した燃焼ガスは、外筒3内を上昇して熱交換器4に流入するようになっている。
【0028】
図3に示すように、対流用ファン5は、外筒3及び熱交換器4の後方に配置されて、前方に向けて送風する対流用送風機である。対流用ファン5は、モータ51と、モータ51の回転軸52に接続されるボス部53と、該ボス部53の外周面にそれぞれ設けられた複数枚の羽根54と、を有している。対流用ファン5は、本体ケース1の後部上側に配置されている。外筒3と対流用ファン5との間には、外筒3から対流用ファン5に向けて放出される放射熱a1を抑制する後仕切板172(後側遮熱板)が設けられている。
【0029】
図3及び図4に示すように、バーナ部2と外筒3との間には、接続部材8が介装されている。接続部材8は、外筒3の底部324に接続されている。バーナ部2に設けられた水平な取付用板部26は、接続部材8の下仕切板82の下面側に、シール部材24を間に挟んで取り付けられている。接続部材8は、暖房装置100の本体ケース1内の下部に水平に設置された水平板15の上に取り付けられている。
【0030】
図4に示すように、接続部材8は、首部81と、下仕切板82と、を有している。首部81は、バーナ部2の径方向外側に配置されており、円筒状を呈している。下仕切板82は、首部81の下端側から径方向外側に略水平に延びている。
【0031】
図2及び図4に示すように、水平板15は、本体ケース1の底面上に設置された支持脚16の上に取り付けられている。水平板15は、平面視してコ字状(四角張ったU字状)を呈している。すなわち、水平板15は、中央部の前方に切欠部151が形成されており、左右に一対の平面部152,152を有している。バーナ部2は、平面視して水平板15の切欠部151内に位置している。接続部材8の左右の端部が、一対の平面部152,152の上にそれぞれ載置されて支持されている。
【0032】
支持脚16は、水平板15と同様に、平面視してコ字状を呈しており、水平板15を安定して支持することができる。
【0033】
図4に示すように、外筒3の周囲には、該外筒3の左右両側及び後側を覆う仕切板17が設けられている。仕切板17は、水平板15上に設置されて支持されている。仕切板17は、外筒3の左右両側にそれぞれ配置された側方仕切板171,171と、外筒3の後方に配置された後仕切板172と、を備えている。
【0034】
後仕切板172(後側遮熱板)の上端縁は、側方仕切板171の上端縁よりも下方に位置している。つまり、左右両側の側方仕切板171,171の間における後仕切板172の上方には、開口部173が形成されている。図3に示すように、後仕切板172は、外筒3の背面部321全体を空間S1を介して覆うように配置されると共に、対流用ファン5の羽根54の下側外周部54aに対向配置されて、羽根54によって送風された空気を空間S1側(矢印g方向)及び下方向(矢印d方向)にそれぞれ分流して導くように形成されている。このため、対流用ファン5から送られた上側及び中央部に空気(矢印b)は、開口部173を通って熱交換器4及び外筒3に当たるようになっている。また、対流用ファン5から送られた下側の空気(矢印c)は、後仕切板172に当たって下方向(矢印d,k方向)に流れる。
【0035】
図5及び図6に示すように、後仕切板172は、上側垂直部172aと、傾斜部172bと、下側垂直部172cと、スリット172dと、突出片172eと、段差部172fと、フランジ部172gと、支持板設置孔172hと、を有している。
【0036】
図2及び図3に示すように、上側垂直部172aは、羽根54の下側外周部54aの前方に対向配置されて、羽根54の下側外周部54aによって前方(矢印c方向)に流された風を下方向(矢印d,k方向)に流すための箇所である。上側垂直部172aは、羽根54の下側外周部54aに沿って上方向に延設された矩形の平板部分である。
【0037】
図3及び図7に示すように、傾斜部172bは、上側垂直部172aの下端部から後方向に傾斜した箇所である。傾斜部172bは、外筒3の背面部321に略沿って形成されている。
【0038】
図5図7に示すように、下側垂直部172cは、傾斜部172bの下側に形成された箇所である。下側垂直部172cは、本体ケース1の後側内壁1aの前側に、通気路1bを介して対向して垂直に配置された矩形の平板から成る。
【0039】
図7及び図8に示すように、スリット172dは、切り曲げ加工によって形成された通気孔である。スリット172dは、切り曲げ加工を施すことで外筒3側に切り起こされた突出片172eを突出形成することで、形成される。スリット172dは、左右方向に細長い貫通孔から成る。
突出片172eは、スリット172dの下端から前側斜め上方向に突設された左右方向に細長い片から成る。
【0040】
図5及び図7に示すように、段差部172fは、下側垂直部172cの左右両端部をそれぞれ段差状(平面視してコ字状)に折り曲げて形成された箇所である。段差部172fは、下側垂直部172cと、本体ケース1の後側内壁1aとの間に通気路1bを拡径する
ために折り曲げ形成されている。
【0041】
図5及び図6に示すように、フランジ部172gは、左右の段差部172fの左右両端部に形成された略矩形の鍔部である。左右のフランジ部172gは、左右の側方仕切板171の連結フランジ部(図4参照)にそれぞれ固定されている。
支持板設置孔172hは、前記した支持板177(図2および図10参照)が挿着される貫通孔である。支持板設置孔172hは、下側垂直部172cの中央部に形成されている。
【0042】
図4に示すように、側方仕切板171は、奥側仕切板174と、傾斜仕切板175と、前側仕切板176と、を備えている。奥側仕切板174は、後仕切板172の横方向(左右方向)の端縁から前方に延びている。傾斜仕切板175は、奥側仕切板174の前端縁から前方に行くほど外筒3から離れるように斜め前方に延びている。前側仕切板176は、傾斜仕切板175の前端縁から横方向(左右方向)に延びている。傾斜仕切板175及び前側仕切板176の前面には、化粧板18が取り付けられている。図2に示す縦長吹出部13は、外筒3の前面部311と、化粧板18との間に形成されている。
【0043】
図2に示すように、外筒3の上方には、上仕切板19の前端部に連結されたガイド部材9が設けられている。ガイド部材9は、対流用ファン5から送られる空気を前面部311の表面に当たるように導くものである。ガイド部材9は、化粧板としても機能する。
【0044】
≪暖房装置の作用≫
次に、各図を参照して本発明の実施形態に係る暖房装置100の作用を説明する。
【0045】
図1に示す操作部11において運転スイッチがオン操作されると、図3に示すバーナ部2は予熱を開始し、燃油供給部6、空気供給部7(図1参照)が駆動させられて、バーナ部2で燃油が燃焼させられる。
【0046】
バーナ部2で発生した炎や燃焼ガスは、外筒3内で完全燃焼しながら上昇し、背面部321に沿って上方向に流れる。外筒3を通った燃焼ガスは、熱交換器4に流入し、熱交換器4を通過した後、排気管43を経て排気ガスとして屋外に排気される。この際、外筒3は、バーナ部2で発生した炎や燃焼ガスによって加熱され、外筒3の前面部311から前方に向けて輻射熱が放出される。
【0047】
そして、対流用ファン5の駆動が開始されると、対流用ファン5によって室内の空気が本体ケース1内に取り込まれる。図3に示すように、対流用ファン5によって取り込まれて、前側に送り出された上側の空気(矢印b)は、加熱された外筒3や熱交換器4と熱交換して加熱され、温風となって縦長吹出部13(図1及び図2参照)から室内に吹き出される。
【0048】
また、対流用ファン5によって取り込まれて、対流用ファン5の前側に送り出された下側の空気(矢印c)は、後仕切板172の上側垂直部172aに当たって案内されて、上側垂直部172aに沿って下方向(矢印d,k方向)に流れる。さらに空気は、傾斜部172bに当たり、その空気の一部が傾斜部172bに当たった抵抗で傾斜部172bを上ってスリット172d内に入り込んだ後、突出片172eにガイドされて、空間S1をドーム部32の背面部321に沿って上方向(矢印g方向)に流れる。
【0049】
これにより、後仕切板172の前側の空間S1が温度上昇するのを抑制することができる。このため、外筒3の背面部321の輻射熱によって、対流用ファン5の手前側にある後仕切板172が加熱されるのを抑制することができる。
【0050】
また、前記傾斜部172bに当たった空気は、傾斜部172bに案内されて下側(矢印e,k方向)に流れ、下側垂直部172cと、本体ケース1の後側内壁1aとの間の通気路1bを通って、バーナ部2の下方(矢印f方向)に流れた後、下側吹出部(図示省略)から本体ケース1外へ流れる。
また、対流用ファン5からの空気の一部は、図10矢印hで示すように、外筒3の背面部321と後仕切板172との間を通り、外筒3の底部324と接続部材8の下仕切板82との間を通った後、本体ケース1外へ流れる。
このようにして、室内の暖房が行われる。
【0051】
また、支持板177および点火プラグ22の温度上昇は、前述した支持板177と後仕切板172とが接触していることによる伝熱と、外筒3の背面部321と後仕切板172との間を流れる空気と、傾斜部172bに案内されて下側(矢印e,k方向)に流れる空気によって効果的に温度上昇を抑制することができる。
【0052】
以上のように、本発明の実施形態に係る暖房装置100は、燃焼を行うバーナ部2と、バーナ部2の上方に配置された外筒3と、外筒3の側部に設けた冷却用の空気が通る空間S1と、空間S1内であり外筒3の側部に設け、外筒3からの放熱を遮熱する後仕切板172と、空間S1内に空気を送風して外筒3と後仕切板172とを冷却する対流用ファン5と、外筒3の側壁部に設けた第1の穴329と、後仕切板172に設けた第2の穴172hと、第1の穴329と第2の穴172hとを貫通して先端部がバーナ部2に臨み、ロッド221の一部及び碍子部222の一部が空間S1内に配設された点火プラグ22と、を備え、空間S1内に第1の穴329を覆うようにして外筒3に密着させた支持板177を設け、支持板177に点火プラグ22を取り付けるとともに、支持板177は、第2の穴172hを塞ぐようにして後仕切板172に接触させて取り付けるようにした。
【0053】
かかる構成によれば、暖房装置100は、支持板177と後仕切板172とを接触させたことにより、支持板177と点火プラグ22の熱を効率よく伝熱させることができ、さらに、対流用ファンから送られる空気で冷却を行うことにより、前記バーナの燃焼に全く影響を与えることなく前記点火プラグおよび前記支持板を冷却させることができ、よって、点火プラグ22の温度上昇を抑制して部品耐久性を向上させることができる。
【0054】
また、図10に示すように、支持板177は、第1の穴329より大きく、支持板設置孔172h(第2の穴)より小さい閉塞面部177aと、閉塞面部177aの周囲から立ち上がった立上壁部177bと、立上壁部177bから外周へ延びたフランジ部177cと、を備え、フランジ部177cの外筒側の面は、後仕切板172と接触している。
【0055】
かかる構成によれば、暖房装置100は、後仕切板172の背面側から後仕切板172の第2の穴172hを貫通させて、支持板177を外筒3に取り付けできる。これにより、支持板177を外筒3へ取り付けると同時に、支持板177を後仕切板172に接触させ、支持板177と後仕切板172との伝熱経路を形成でき、組み立て工数の削減を図ることができる。
また、前記伝熱経路部を別部品とした場合に比べ、部品点数が削減できコストダウンが図れるほか、メンテナンス時の組み立ての際に前記伝熱経路部を取り付け忘れる心配がなく、作業性の向上を図ることができる。
また、立上壁部177bは支持板177と後仕切板172との伝熱経路となるため、対流用ファン5から送られる一部の空気が通過することによって冷却を行うことができ、点火プラグ22および支持板177を冷却させることができる。
【0056】
また、支持板177は、後仕切板172と外筒3との密着を解除して、支持板177を取りはずし可能となるよう、外筒3とねじ止めされている。
【0057】
かかる構成によれば、メンテナンス時に後仕切板172を取り外すことなく点火プラグ22を取り外して交換することが可能となり、メンテナンス性が向上できる。
【0058】
なお、本実施形態で用いたその他の構成は一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図しておらず、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
2 バーナ部
3 外筒
5 対流用ファン
22 点火プラグ
100 暖房装置
172 後仕切板
172h 支持板設置孔(第2の穴)
177 支持板
177a 閉塞面部
177b 立上壁部
177c フランジ部
221 ロッド部
222 碍子部
329 第1の穴
S1 空間
図1
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