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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】プレバイオティクスグミ食品製品
(51)【国際特許分類】
   A23G 3/42 20060101AFI20230920BHJP
   A23G 3/34 20060101ALI20230920BHJP
   A23L 29/25 20160101ALI20230920BHJP
   A23L 29/30 20160101ALI20230920BHJP
   A23L 33/21 20160101ALI20230920BHJP
【FI】
A23G3/42
A23G3/34 101
A23L29/25
A23L29/30
A23L33/21
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020544232
(86)(22)【出願日】2019-01-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019013296
(87)【国際公開番号】W WO2019168594
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】62/635,979
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512035620
【氏名又は名称】コーンプロダクツ ディベロップメント インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(72)【発明者】
【氏名】ニエト、マルセリア-ノ ビー.
【審査官】関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-508827(JP,A)
【文献】特開2012-050349(JP,A)
【文献】特表2016-501017(JP,A)
【文献】英国特許第02430344(GB,B)
【文献】米国特許出願公開第2008/0102166(US,A1)
【文献】米国特許第05476678(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0286248(US,A1)
【文献】特開2013-179845(JP,A)
【文献】特表2016-503658(JP,A)
【文献】特開2010-154784(JP,A)
【文献】特開2000-217515(JP,A)
【文献】特開2006-025741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 3/
A23G 4/
A23L 29/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
菓子組成物であって、
(i)第1のプレバイオティクス成分と、前記第1のプレバイオティクス成分とは異なる第2のプレバイオティクス成分との組合せである、菓子組成物の40重量%~70重量%のプレバイオティクス組成物と、
(ii)菓子組成物の60重量%~30重量%の、前記第1のプレバイオティクス成分及び前記第2のプレバイオティクス成分とは異なる第3の成分と、
を含み、
前記菓子組成物が、ゼラチンフリーであり、
前記第1のプレバイオティクス成分が、アラビノガラクタンであり、
前記第2のプレバイオティクス成分が、フラクトオリゴ糖、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
前記菓子組成物が、グミ組成物であり、
前記第1のプレバイオティクス成分と前記第2のプレバイオティクス成分との比(第1のプレバイオティクス成分:第2のプレバイオティクス成分)が、重量比で、70:30~50:50である、菓子組成物。
【請求項2】
前記組成物が、50重量%~70重量%の前記プレバイオティクス組成物を含む、請求項1に記載の菓子組成物。
【請求項3】
前記第1のプレバイオティクス成分が、アラビアガムである、請求項1又は2に記載の菓子組成物。
【請求項4】
前記組成物が、低糖又は無糖の組成物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の菓子組成物。
【請求項5】
前記第2のプレバイオティクス成分が、イヌリンである、請求項1~4のいずれか一項に記載の菓子組成物。
【請求項6】
前記組成物が、水を含み、且つ、乾燥固形物基準で、少なくとも73重量%の、溶解状態で存在する固形物成分を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の菓子組成物。
【請求項7】
前記組成物が、水を含み、且つ、乾燥固形物基準で、約74重量%~約78重量%の、溶解状態で存在する固形物成分を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の菓子組成物。
【請求項8】
前記第3の成分が、水、果汁、野菜汁、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の菓子組成物。
【請求項9】
前記第3の成分が添加剤を含み、前記添加剤が、甘味料、シロップ、マルトデキストリン、防汚剤、消泡剤、栄養素、風味剤、着色剤、酸、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物である、請求項1~8のいずれか一項に記載の菓子組成物。
【請求項10】
前記添加剤が、糖、高果糖コーンシロップ、タピオカシロップ、アガベシロップ、ステビア、スクラロース、アセスルファムK、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、マルトデキストリン(DE10~15)グリセリン、オメガ-3脂肪酸、ココナッツ油、食品等級のシリコン消泡剤エマルション、カルシウム、ビタミン、アミノ酸、若しくはタンパク質、天然及び人工風味料、並びに着色料、クエン酸、リンゴ酸、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を含む、請求項9に記載の菓子組成物。
【請求項11】
前記組成物が、咀嚼可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載の菓子組成物。
【請求項12】
ゼラチンフリー菓子組成物を調製する方法であって、
第1のプレバイオティクス成分を第2のプレバイオティクス成分とブレンドして、前記第1のプレバイオティクス成分と前記第2のプレバイオティクス成分との組合せであるプレバイオティクス組成物を提供することと、
前記プレバイオティクス組成物を、40重量%以上70重量%以下の濃度で水性溶媒に溶解し、任意に、甘味料、シロップ、消泡剤、防汚剤、又はこれらのいずれか2つ以上を添加して、混合物を形成することと、
前記混合物を加熱して、乾燥固形物基準で少なくとも73重量%の、溶解状態で存在する固形物成分の固形物濃度を達成することと、
栄養素、無栄養甘味料、風味剤、着色剤、酸、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を添加することと、
前記加熱された混合物を成形することと、
前記成形された組成物を、約10%~約30%の相対湿度で約24時間~約48時間硬化させて、約16%~約20%の含水量にすることと、を含み、
前記第1のプレバイオティクス成分が、アラビノガラクタンであり、
前記第2のプレバイオティクス成分が、フラクトオリゴ糖、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
前記菓子組成物が、グミ組成物であり、
前記第1のプレバイオティクス成分と前記第2のプレバイオティクス成分との比(第1のプレバイオティクス成分:第2のプレバイオティクス成分)が、重量比で、70:30~50:50である、方法。
【請求項13】
乾燥した前記組成物を食用ワックスで処理することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のプレバイオティクス成分が、アラビアガムである、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のプレバイオティクス成分が、イヌリンである、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記固形物濃度が、乾燥固形物基準で約74重量~約78重量%の、溶解状態で存在する固形物成分の濃度である、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年2月27日に出願された米国仮特許出願第62/635,979号に関連し、かつ優先権の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本技術は、概して、プレバイオティクス組成物を含む食品製品の分野に関する。具体的には、本技術は、グミ、ゼリー、又は他の噛みごたえのある菓子製品などの、ゼラチンフリーの咀嚼可能な食品製品を製造することに関する。
【背景技術】
【0003】
食品会社は、動物から調達された食品製品を摂食しない消費者に許容可能な成分を日常的に追求し、糖を低減し、これらの食品製品を健康なものとして消費者によって知覚される成分で強化することによって、そのような食品製品の全体的な健全性を改善する。グミ又はゼリーなどの咀嚼可能な菓子は、典型的には、所望の弾力性、消費者が期待するゴム状の食感を提供するために大量のゼラチンに依存する。しかしながら、市販のゼラチンは、一般に動物から調達されており、これは、菜食主義者若しくはビーガンであるか、又はコーシャ及びハラールなどの特定の宗教的な食事制限を有する消費者にゼラチン含有グミ又はゼリー製品を提供することに関心を持つ食品会社にとって課題を提起する。したがって、食品会社は、このような咀嚼可能な菓子に使用するための非動物由来のゼラチン代替物に関心がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
寒天及びカラギーナンなどのゲル化ガムは、ゼラチンの既知の代替物である。しかしながら、寒天は高価であり、定期的な供給制限にさらされ、カラギーナンは、炎症性及び発癌性の可能性があるとされるために、否定的に捉えられている。更に、これらの代替物の有機品種は容易に利用できない。現在、ゼラチン、ペクチン、寒天、又はカラギーナンなどのゲル化ガムを使用することなく、咀嚼可能な菓子を作製する技術は存在しない。
【0005】
(i)第1のプレバイオティクス成分及び第1のプレバイオティクス成分とは異なる第2のプレバイオティクス成分を含む、40重量%~70重量%のプレバイオティクス組成物と、(ii)担体、及び、任意に添加剤を含む、60重量%~30重量%の第3の成分と、を含む菓子組成物が、本明細書に開示される。本明細書に記載される他の実施形態では、菓子組成物はゼラチンフリーである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本明細書に記載される菓子組成物は、50重量%~70重量%のプレバイオティクス組成物を含む。別の実施形態は、約40重量%以上の2つ以上のプレバイオティクス成分を含むプレバイオティクス組成物と、少なくとも1つの追加の食用成分と、を含むプレバイオティクスグミ菓子を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、第1のプレバイオティクス成分は、アラビアガム、ベータ-グルカン、グアーガム、部分加水分解グアーガム(PHGG)、コンニャクグルコマンナン、アラビノガラクタン、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を含んでもよい。本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、第1のプレバイオティクス成分は、アラビアガム、ベータ-グルカン、グアーガム、部分加水分解グアーガム(PHGG)、コンニャクグルコマンナン、アラビノガラクタン、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物である。
【0007】
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、第2のプレバイオティクス成分は、オリゴ糖、多糖、糖タンパク質、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を含んでもよい。本明細書に記載される実施形態のいくつかにでは、第2のプレバイオティクス成分は、オリゴ糖、多糖、糖タンパク質、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物である。本明細書に記載される任意の実施形態では、第2のプレバイオティクス成分は、イヌリン、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ペクチンオリゴ糖、藻類オリゴ糖、難消化性デキストリン、難消化性デンプン、又は類似のオリゴ糖、若しくはこれらのいずれか2つ以上の混合物を含んでもよい。本明細書に記載される他の実施形態では、第2のプレバイオティクス成分は、イヌリン、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ペクチンオリゴ糖、藻類オリゴ糖、難消化性デキストリン、難消化性デンプン、又は類似のオリゴ糖、若しくはこれらのいずれか2つ以上の混合物である。
【0008】
本明細書に記載される任意の実施形態では、菓子組成物は、乾燥固形物基準で少なくとも73重量%の溶解固形物を含んでもよい。本明細書に記載される任意の実施形態では、菓子組成物は、乾燥固形物基準で少なくとも74重量%~約78重量%の溶解固形物を含んでもよい。
【0009】
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、担体は、水、果汁、野菜汁、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を含んでよい。
【0010】
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、第3の成分は添加剤を含んでもよい。本明細書に記載される他の実施形態では、添加剤は、甘味料、シロップ、防汚剤、栄養素、風味剤、着色剤、酸、又はこれらのいずれか2つ以上の組み合わせである。本明細書に記載される任意の実施形態では、添加剤は、糖、高果糖コーンシロップ、タピオカシロップ、アガベシロップ、ステビア、スクラロース、アセスルファムK、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、グリセリン、オメガ-3脂肪酸、ココナッツ油、カルシウム、ビタミン、アミノ酸、タンパク質、天然並びに人工風味料及び着色料、クエン酸、リンゴ酸、又はこれらの混合物を含んでもよい。
【0011】
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、菓子組成物は、低糖又は無糖の組成物であってもよい。本明細書に記載される任意の実施形態では、菓子組成物は、咀嚼可能な組成物であり得る。本明細書に記載される任意の実施形態では、菓子組成物は、グミ、ゼリー、又は噛みごたえのあるキャンディー菓子であってもよい。
【0012】
更に別の実施形態は、第1のプレバイオティクス成分を第2のプレバイオティクス成分とブレンドして、プレバイオティクス組成物を提供することと、プレバイオティクス組成物を水性溶媒中に約40重量%以上の濃度で溶解させ、任意に甘味料、シロップ、防汚剤、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を添加して、混合物を形成することと、混合物を加熱して、乾燥固形物基準で、少なくとも73重量%の溶解固形物の固形物濃度を達成することと、栄養素、無栄養甘味料、風味剤、着色剤、酸、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を添加することと、加熱された混合物を成形すること、成形された組成物を、約10%~約30%の相対湿度で、約24時間~約48時間硬化させて、約16重量%~約20重量%の含水量にすることと、を含む、ゼラチンフリー菓子組成物を調製する方法を目的とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、乾燥した組成物を食用ワックスで処理することを含み得る。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、混合物を加熱して、乾燥固形物基準で約74重量%~約78重量%の溶解固形物の固形物濃度を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施例による、様々な成分を使用して調製されたプレバイオティクスグミの食感属性の比較を例示する。
【0014】
図2図2は、TA.XT.Plus食感分析器を使用した、最大張力(kg)対最大張力での伸張距離(mm)を示す、ゼラチン対照と比較したプレバイオティクスグミの伸張性結果を例示するグラフである。
【0015】
図3図3は、TA.XT.Plus食感分析器を使用して測定された、実施例によるプレバイオティクスグミの食感プロファイル分析(TPA)チャートを例示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、様々な実施形態について説明する。具体的な実施形態は、網羅的な説明、又は本明細書で論じられるより広範な態様の限定を意図していないことに留意されたい。特定の実施形態と関連して説明される一態様は、必ずしもその実施形態に限定されるものではなく、任意の他の実施形態(複数の場合もある)により実施され得る。
【0017】
本明細書で使用するとき、「約」は、当業者によって理解され、それが使用される文脈に応じてある程度変化するであろう。当業者には明らかでない用語の使用が存在する場合、それが使用される文脈を考慮すると、「約」は、特定の用語のプラスマイナス10%を意味するであろう。
【0018】
用語「a」及び「an」及び「the」並びに要素を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)同様の指示対象の使用は、本明細書に別途記載のない限り、又は文脈と明確に矛盾しない限り、単数及び複数の両方を網羅すると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に別途記載のない限り、単に範囲内に入る各別個の値に個別に言及する簡略化方法としての役割を果たすことを意図するものであり、それぞれの別個の値は、本明細書において個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別途記載のない限り、又は別様に文脈と明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行することができる。本明細書で提供される任意の及び全ての実施例、又は例示的な言語(例えば、「など(such as)」)の使用は、単に実施形態をより良好に照明することを意図するものであり、別途記載のない限り、特許請求の範囲に限定されない。本明細書中の言語は、いかなる請求されていない要素も必須であることを示すものとして解釈されるべきではない。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「プレバイオティクス」は、ヒトにおける天然腸内細菌叢及び有益な細菌、例えば、プロバイオティクス生物の支援(例えば、増殖又は活性の刺激、又はその両方を刺激すること)によって消化を補助する物質を指し、これは血流中への栄養素の消化及び吸収を促進する。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「無糖」とは、糖を実質的に含まない組成物を指す。用語「糖」は、一般に、例えば、デキストロース、フルクトース、グルコース、ガラクトース、ラウロース、ラクトース、マルトース、マンノース、リボース、及びスクロースを含む単糖、二糖、又はオリゴ糖を指す。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「ゼラチンフリー」は、5重量%未満のゼラチンを含む組成物を指す。これには、様々な実施形態において、2重量%未満のゼラチン、1重量%未満のゼラチン、0.5重量%未満のゼラチン、又は0重量%のゼラチンを含んでもよい。「ゼラチンフリー」は、いくつかの実施形態では、ゼラチンを含有しない組成物を指してもよい。
【0022】
本明細書では、ゼラチンフリープレバイオティクス菓子組成物及びこのような菓子組成物の作製方法が記載される。組成物及び方法を効果的に使用して、ゼラチンフリーの、有機又は非有機の、無糖又は低糖のプレバイオティクスグミ品種を開発することができる。プレバイオティクス成分の使用は、ゼラチン又は寒天、ペクチン、ジェラン、及びカラギーナンなどのゲル化ガムを使用しなくても、所望の食感特性を有する咀嚼可能な菓子組成物を提供することがここで見出された。
【0023】
一態様では、第1のプレバイオティクス成分及び第1のプレバイオティクス成分とは異なる第2のプレバイオティクス成分を含むプレバイオティクス組成物と、担体及び任意に添加剤を含む第3の成分と、を含む菓子組成物が提供される。いくつかの実施形態では、菓子組成物は、ゼラチンフリーである。
【0024】
いくつかの実施形態では、プレバイオティクス組成物は、組成物の約40重量%を超える量を構成する。例えば、プレバイオティクス組成物は、組成物の約40重量%~約90重量%、約40重量%~約80重量%、約40重量%~約75重量%、約40重量%~約70重量%、約45重量%~約70重量%、約50重量%~約70重量%、又は約45重量%~約65重量%の量で、あるいは前述の範囲のいずれかに入る量の範囲で存在してもよい。いくつかの実施形態では、プレバイオティクス組成物は、組成物の約40重量%~約70重量%の量を構成する。例えば、プレバイオティクス組成物は、組成物の43重量%~約70重量%の量で存在してもよい。更に他の実施形態では、プレバイオティクス組成物は、組成物の45重量%~約70重量%の量を構成する。更に他の実施形態では、プレバイオティクス組成物は、組成物の50重量%~約70重量%の量を構成する。更に他の実施形態では、プレバイオティクス組成物は、組成物の最大約65重量%、最大約67重量%、最大約70重量%、又は最大約75重量%の量を構成する。
【0025】
上述のように、本明細書に記載されるプレバイオティクス組成物は、第1のプレバイオティクス成分を含む。本明細書に記載される組成物での使用に好適な第1のプレバイオティクス成分の非限定的な例としては、アラビアガム、ベータ-グルカン、部分加水分解グアーガム(PHGG)、コンニャクグルコマンナン、アラビノガラクタン、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物が挙げられる。第1のプレバイオティクス成分を含有する本明細書に記載される組成物のいずれかでは、第1のプレバイオティクス成分は、アラビアガムを含んでもよく、又はアラビアガムからなってもよい。アラビアガムは、任意の既知の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のプレバイオティクス成分は、スプレードライアラビアガムである。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1のプレバイオティクス成分は、組成物の約15重量%~約60重量%、約20重量%~約50重量%、約24重量%~約45重量%、又は約30重量%~約40重量%の量で、あるいは前述の範囲のいずれかに入る量の範囲で存在する。一実施形態では、第1のプレバイオティクス成分は、組成物の約24重量%~約45重量%の量で存在する。
【0027】
上述のように、本明細書に記載されるプレバイオティクス組成物は、第2のプレバイオティクス成分を含む。いくつかの実施形態では、第2のプレバイオティクス成分は、オリゴ糖、多糖、糖タンパク質、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を含む。他の実施形態では、第2のプレバイオティクス成分は、イヌリン、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ペクチンオリゴ糖、藻類オリゴ糖、難消化性デキストリン、難消化性デンプン、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を含む。
【0028】
第2のプレバイオティクス成分は、組成物の約10重量%~約35重量%、約12重量%~約30重量%、約16重量%~約25重量%、又は約18重量%~約22重量%の量で、あるいは前述の範囲のいずれかに入る量の範囲で存在してもよい。一実施形態では、第2のプレバイオティクス成分は、組成物の約15重量%~30重量%の量で存在する。
【0029】
更に別の実施形態では、第1のプレバイオティクス成分と第2のプレバイオティクス成分との比は、重量で約80:20~約20:80である。例えば、第1のプレバイオティクス成分と第2のプレバイオティクス成分との比は、重量で約70:30、約65:35、約60:40、約65:45、約50:50、約40:60、約35:65、約30:70、又は前述の比のうちのいずれか2つの間かつそれらを含む任意の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のプレバイオティクス成分と第2のプレバイオティクス成分との比は、60:40である。他の実施形態では、第1のプレバイオティクス成分と第2のプレバイオティクス成分との比は、42:58である。
【0030】
上述のように、本明細書に記載される菓子組成物は、担体又は添加剤などの第3の成分を含んでもよい。担体の非限定的な例としては、水、果汁、野菜汁、他の流体及び液体、又はこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、担体は水を含む。他の実施形態では、第3の成分は、例えば、甘味料、シロップ、防汚剤、食品等級の消泡剤、粘着防止ワックス、栄養素、風味剤、着色剤、酸、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物などの添加剤を含む。甘味料の非限定的な例としては、砂糖、グルコース、フルクトース、エリスリトール、高果糖コーンシロップ(HFCS)、スクロース、ステビア、アガーシロップ、及びこれらの混合物などの天然又は人工甘味料が挙げられる。栄養素の非限定的な例としては、オメガ-3脂肪酸、カルシウム、ビタミン、アミノ酸、タンパク質、及びこれらの混合物が挙げることができるが、これらに限定されない。添加剤の非限定的な例としては、糖、高果糖コーンシロップ、タピオカシロップ、アガベシロップ、ステビア、スクラロース、アセスルファムK、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、グリセリン、オメガ-3脂肪酸、ココナッツ油、カルシウム、ビタミン、アミノ酸、又はタンパク質、天然並びに人工風味料及び着色料、クエン酸、リンゴ酸、及びこれらの混合物を挙げることができる。好適な粘着防止剤は、当該技術分野において既知であり、組成物を別個の形状に形成しやすくし、パッケージ化されたときにそれらが互いに粘着するのを防止するために、組成物中に含まれてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、第3の成分(単数又は複数)は、組成物の約80重量%未満の量で存在する。例えば、第3の成分は、組成物の約80重量%~約10重量%、約70重量%~約20重量%、約60重量%~約30重量%、約55重量%~約35重量%、約50重量%~約40重量%、約48重量%~約42重量%、又は約45重量%~約43重量%の量で、あるいは前述の範囲のいずれかに入る量の範囲で存在してもよい。他の実施形態では、第3の成分(単数又は複数)は、組成物の約60重量%~約30重量%の量で存在する。更に別の実施形態では、第3の成分は、組成物の最大約50重量%、最大約55重量%、最大約60重量%、又は最大約65重量%の量で存在する。更に他の実施形態では、第3の成分は、約20重量%~約50重量%、約25重量%~約40重量%、又は約30重量%~約35重量%の量の担体を含み、第3の成分の残部は添加剤である。
【0032】
プレバイオティクス組成物及び第3の成分に加えて、本明細書で提供される菓子組成物は、任意に、様々な追加の食品等級の合成並びに天然の添加剤及び構成成分を含んでもよい。使用される特定の添加剤及び構成成分は、所望の最終製品の性質に依存するであろう。例示的な添加剤としては、他の糖、オリゴ糖、デキストロース及び加水分解デンプンなどの炭水化物、味向上組成物、天然若しくは合成高甘味度甘味料、酸化防止剤、無機塩、有機酸、無機酸、防腐剤、乳化剤、安定剤、ポリオール、タンパク質若しくはアミノ酸成分、増量剤、ミネラル及びビタミン、食品等級消泡剤、ワックス、脂肪及び油など、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。これらの添加剤は、存在する場合、約0.001重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、約0.5重量%、約1.0重量%、約2重量%、約5重量%、約10.0重量%、及び前述の範囲のいずれかの範囲内で菓子組成物に組み込むことができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される菓子組成物は、乾燥固形物基準で少なくとも73重量%の溶解固形物の濃度を含む。他の実施形態では、菓子組成物は、乾燥固形物基準で少なくとも74重量%の溶解固形物の濃度を含む。更に他の実施形態では、菓子組成物は、乾燥固形物基準で、約70重量%~約80重量%、約73重量%~約79重量%、約74重量%~約78重量%、約75重量%~約77重量%、又は約75.5重量%~約76.5重量%の溶解固形物の濃度を含む。更に他の実施形態では、菓子組成物は、乾燥固形物基準で、約74重量%~約78重量%の溶解固形物の濃度を含む。
【0034】
更に別の実施形態では、本明細書に記載される菓子組成物は、組成物の約5重量%~約40重量%、約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約20重量%の含水量を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される菓子組成物は、組成物の約16重量%~約20重量%の含水量を含む。
【0035】
本明細書に開示される実施形態は、プレバイオティクスを含む菓子組成物を表す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される菓子組成物は、ゼラチンフリーである。例えば、菓子組成物は、ゼラチン、又は寒天、ペクチン、ジェラン、カラギーナン、若しくはこれらの混合物などのゲル化ガムを含有しなくてもよい。更に他の実施形態では、本明細書に記載される菓子組成物は、寒天を含有しない。更に他の実施形態では、本明細書に記載される菓子組成物は、ペクチンを含有しない。なお更に他の実施形態では、本明細書に記載される菓子組成物は、ジェランを含有しない。更に別の実施形態では、菓子組成物は、カラギーナンを含有しない。更に別の実施形態では、菓子組成物は、低糖又は無糖の組成物である。ある特定の実施形態では、グミは、天然又は人工甘味料及び風味料の添加によって消費するためにより魅力的に作製される。菓子組成物は、任意の所望の形状、サイズ、又は形態であってよい。更なる実施形態では、本明細書に記載される菓子組成物は、咀嚼可能な菓子である。更に追加の実施形態では、本明細書に記載される菓子組成物は、グミ、ゼリー、又は噛みごたえのあるキャンディー菓子である。
【0036】
別の態様は、第1のプレバイオティクス成分を第2のプレバイオティクス成分とブレンドしてプレバイオティクス組成物を提供することと、プレバイオティクス組成物を、担体を含む第3の成分に溶解し、任意に、1つ以上の添加剤を添加して混合物を形成することと、混合物を加熱して、乾燥固形物基準で少なくとも73重量%の溶解固形物の固形物濃度を達成することと、加熱した混合物を成形することと、成形された組成物を硬化させて、約16%~約20%の含水量にすることと、を含む、ゼラチンフリー菓子組成物を調製する方法を目的とする。
【0037】
上述のように、本明細書に記載される方法は、第1のプレバイオティクス成分を第2のプレバイオティクス成分とブレンドして、プレバイオティクス組成物を提供することを目的とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、組成物の約24重量%~45重量%の量の第1のプレバイオティクス成分を、組成物の約15重量%~30重量%の量の第2のプレバイオティクス成分とブレンドして、プレバイオティクス組成物を提供することを目的とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、第1のプレバイオティクス成分と第2のプレバイオティクス成分とを、60:40の比でブレンドすることを目的とする。
【0038】
上述のように、本方法は、プレバイオティクス組成物を、担体を含む第3の成分に溶解させることを含む。担体の非限定的な例としては、水、果汁、又は野菜汁が挙げられる。任意の実施形態では、担体は水を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法で使用される第3の成分は、例えば、甘味料、シロップ、防汚剤、食品等級の消泡剤、ワックス、脂肪及び油、栄養素、風味剤、着色剤、酸、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物などの添加剤を含む。更なる実施形態では、本明細書に記載される方法で使用される第3の成分は、組成物の約60重量%~約30重量%の量で存在する。
【0039】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法で使用される第3の成分添加剤は、混合物の加熱前又は加熱後など、本方法の任意の段階で組成物に添加されてもよい。例えば、甘味料、シロップ及び防汚剤などの添加剤は、加熱前にプレバイオティクス組成物及び第3の成分の溶解混合物に添加されてもよく、一方、栄養素、無栄養甘味料、風味剤、着色剤、及び酸などの添加剤は、混合物を加熱した後に添加されてもよい。任意の実施形態では、本方法は、プレバイオティクス組成物を水性溶媒中で、約40重量%以上の甘味料、シロップ及び防汚剤の濃度で溶解して、混合物を形成することを含む。
【0040】
更に他の実施形態では、本明細書に記載される方法は、混合物を加熱して、乾燥固形物基準で少なくとも73重量%の溶解固形物の固形物濃度を達成することを含む。更に他の実施形態では、本明細書に記載される方法は、混合物を加熱して、乾燥固形物基準で約74重量%~約78重量%の溶解固形物の固形物濃度を達成することを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるゼラチンフリー菓子組成物の加熱された混合物は、最終用途及び使用に応じて、所望に応じて任意の好適な形状又はサイズにサイズ決定され得る。例えば、加熱された混合物は、成形、押出し、ダイシング、シーティング、スライシング、又はこれらのいずれか2つ以上の組み合わせなどの一般的な技術を使用することによってサイズ決めされてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、加熱された混合物を所望のサイズ及び形状の成形型に配置又は注入することを含み得る。更に他の実施形態では、本明細書に記載される方法は、加熱された混合物を所望のサイズ及び形状に成形することを含み得る。なお更に他の実施形態では、本明細書に記載される方法は、加熱された混合物を冷却し、所望のサイズ及び形状に切断又は形成することを含み得る。
【0042】
上述のように、本方法は、成形された組成物を硬化させて、組成物を柔軟で柔らかい噛みごたえのある組成物に凝固させることを含む。いくつかの実施形態では、硬化は、所望の質感を得るために、相対湿度、硬化時間及び温度の好適な条件下で実行される。いくつかの実施形態では、硬化時間は、約60分~約60時間で変化する。例えば、組成物は、約1時間~約50時間、約6時間~約48時間、約12時間~約45時間、約20時間~約40時間、又は約25時間~約30時間、又は前述の範囲のいずれかの範囲内で硬化されてもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、約24時間~約48時間で硬化される。
【0043】
いくつかの実施形態では、硬化温度は約20℃~45℃、例えば、約20℃~約42℃、約25℃~約40℃、約28℃~約38℃、又は約30℃~約35℃、又は前述の範囲のいずれかの範囲内である。
【0044】
いくつかの実施形態では、硬化は、約0%~約50%の相対湿度で実行される。他の実施形態では、硬化のための相対湿度は、約0%~約40%、約10%~約30%、又は約20%~約25%である。いくつかの実施形態では、硬化のための相対湿度は、約10%~約30%である。
【0045】
硬化装置及び条件は、最終製品中の特定の水分又は含水量を得るように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、組成物を硬化させて、組成物の総重量の約5重量%~約40重量%、約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約20重量%の含水量にすることを含む。更なる実施形態では、本明細書に記載される方法は、組成物を硬化させて、組成物の総重量の約16重量%~約20重量%の含水量にすることを含む。
【0046】
他の実施形態では、本明細書に記載される方法は、組成物を、約10%~約30%の相対湿度で、約24時間~約48時間硬化させて、約16重量%~約20重量%の含水量にすることを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、粘着を防止し、かつ外観を改善するために、乾燥した組成物を食用ワックスで処理することを更に含む。処理は、組成物を食用ワックス組成物で研磨又はコーティングすることを含んでもよい。食用ワックスの非限定的な例としては、蜜蝋、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、鯨蝋、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、食用ワックスは、乳化剤、着色剤、風味剤、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物などの添加剤を更に含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、好適な包装材料を使用して、当該技術分野において既知の好適な包装方法を使用して、菓子組成物を包装することを更に含む。更に他の実施形態では、包装された菓子組成物は、販売のために保管又は輸送される。
【0049】
いくつかの実施形態では、菓子組成物は、本明細書に記載される1つ以上の方法によって提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、グミ、ゼリー、又は噛みごたえのあるキャンディー菓子などのゼラチンフリー、低糖の、又は無糖のプレバイオティクス菓子組成物を提供するために使用される。更に他の実施形態では、本明細書に記載される菓子組成物及び方法は、改善された食感、完全性、審美的外観、及び貯蔵寿命を有する、ゼラチンフリーの、低糖又は無糖のプレバイオティクス組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物及び方法で使用されるプレバイオティクス成分は、ゼラチン、又は寒天、ペクチン、ジェラン、カラギーナン、若しくはこれらの混合物などのゲル化ガムを使用することなく、所望の食感特性を有する菓子組成物を提供する。
【0050】
したがって、普遍的に記載される本技術は、以下の実施例を参照することによってより容易に理解され、これらの実施例は例示として提供され、本発明を限定することを意図するものではない。実施例は、本技術の様々な実施形態を例示することを意図している。
【実施例
【0051】
本技術は、以下の実施例によって更に例示されるが、これは、多少なりとも限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1
菓子試料の調製
【0052】
本技術に従って、様々な菓子試料を調製した。これらの方法によって製造された5つの組成物の例を試料1~5に示す。試料1は、有機成分を利用する。
【0053】
本技術による菓子組成物試料は、一般に、第1及び第2のプレバイオティクス成分をブレンドし、これらのブレンドされた成分を水、甘味料、及びシロップと更に混合して溶液を形成することによって調製することができる。次いで、この混合物を加熱して、栄養素、無栄養甘味料、風味剤、着色剤、及び酸などの添加剤を添加して混合する前に、一般に73%~78%の固形物の所望の濃度を達成する。得られた混合物を成形型に配置し、組成物を、約10%~約30%の相対湿度で約24時間~約48時間硬化させて、約16%~約20%の含水量にする。
試料1ゼラチンフリー、有機、低糖の、又は無糖のプレバイオティクスグミ
【0054】
ゼラチンフリー、有機、低糖の、又は無糖のプレバイオティクスグミを、表1に記載の成分を利用して調製した。
【表1】
【0055】
有機アラビアガムスプレードライ粉末及び有機アガベイヌリン(60:40の比)の乾燥ブレンド476gを、有機エリスリトール、有機糖、又は有機アガベシロップなどの甘味料150gと共に水360.5gに溶解した。得られた溶液を15分間混合し、105℃~115℃で15~30分間加熱して、固形物の濃度を76%まで低下させた。加熱後、残りの成分を混合物に添加した。次いで、混合物を完全に混合し、シリコンのフルーツ形状の成形型に配置し、室温で2~4時間冷却し、成形されないままにした。次いで、成形されていない菓子を30℃及び約10%~約30%の相対湿度で12~24時間硬化させて、約18%の所望の含水量又は82°ブリックスの全固形物及び歯応えのある弾力性の食感を有するグミ製品を達成した。また有機アラビアガムの有機アガベイヌリンに対する38:62の比を使用して、菓子組成物を調製した。
【0056】
以下の追加の試料2~5の菓子組成物は、上記の方法に従って調製した。
試料2:ゼラチンフリーの、低糖のプレバイオティクスグミ
【表2】
試料3:ゼラチンフリーの、糖無添加のプレバイオティクスグミ
【表3】
試料4:ゼラチンフリーの、低糖のプレバイオティクスグミ
【表4】
試料5:ゼラチンフリーの、低糖のプレバイオティクスグミ
【表5】
実施例2
対照組成物の調製
【0057】
試料A:有機アラビアガムスプレードライ粉末及び有機アガベイヌリンブレンドの代わりに67gのゼラチン250ブルーム、及び280gの糖及び450gの42DEコーンシロップを用いて、試料1と同じ方法で対照菓子組成物試料を調製した。
【0058】
試料B:グミを含有する市販のペクチン(Fiber Choice Fruity Bites,Prestige Brands Company,Canada)。
実施例3
官能検査
【0059】
上記の実施例1で調製した菓子組成物試料1~5及び実施例2の対照試料A及びBの官能検査を実行し、硬度、弾力性、凝集性、及び歯触りなどの食感属性を評価した。図1から分かるように、官能検査は、ペクチングミと比較して、本明細書に記載されるプレバイオティクスグミは、ゼラチン対照により近いはるかに改善された凝集性及び弾力性、並びにはるかに良好な食感特性を有することを示す。
実施例4
食感分析
【0060】
実施例1及び2で調製された試料A及び1~5の菓子組成物の食感分析を、Texture Technologies(Hamilton,Mass.)からのTA.XT食感分析器を使用して実行した。2.5cm×7.5cm×0.7cmの寸法を有するグミ試料を最大距離60mmまで伸張させ、最大引張力を破断点で測定し、約60mmの距離は、試料が破断しなかったことを意味する。試料A及び1~5の菓子組成物のそれぞれのゲル構造の堅さ及び弾力性も比較した。この伸張性分析の結果を表2に要約し、図2に示す。
【表6】
【0061】
菓子試料についての食感プロファイル分析(TPA)も、TA.XT食感分析器を使用して実行した。硬さ、破壊性、接着性、弾力性、凝集性、ガム性、咀嚼性、及び反発性(resilience)などの様々な食感パラメータを、試料のそれぞれについて計算する。食感パラメータの客観的及び定量化結果を表3に要約し、図3に示す。試料は、所望の食感特性を示し、完全性を維持し、破損はなく、圧縮中の影響は最小限であった。
【表7】
【0062】
特定の実施形態を例示及び説明してきたが、以下の特許請求の範囲に定義されるより広い態様で技術から逸脱することなく、当業者により、変更及び修正が行われ得ることを理解されたい。
【0063】
本明細書に例示的に記載される実施形態は、本明細書で具体的に開示されていない任意の要素(複数の場合もある)、限定(複数の場合もある)のない状況で好適に実施され得る。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む、挙げられる(including)」、「含有する(containing)」等の用語は、拡大的に読み取られ、限定するものではない。加えて、本明細書で用いられる用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、かかる用語及び表現の使用において示され及び記載される特徴又はその部分の任意の等価物を排除する意図はないが、特許請求の範囲の技術の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。加えて、「から本質的になる」という語句は、具体的に列挙されたそれらの要素、並びに特許請求の範囲の技術の基本的及び新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない追加の要素を含むと理解されよう。「からなる」という語句は、指定されていない任意の要素を除外する。
【0064】
本開示は、本出願に記載される特定の実施形態に関して限定されるものではない。当業者には明らかであるように、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変更を行うことができる。本開示の範囲内の機能的に等価な方法及び組成物は、本明細書で列挙されるものに加えて、前述の記載から当業者に明らかとなろう。かかる修正及び変更は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものであり、かかる特許請求の範囲が権利付与される均等物の全範囲に限定されるものである。この開示は、当然のことながら変化し得る特定の方法、試薬、化合物組成物又は生物学的システムに限定されないことを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態の説明のみを目的とするものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0065】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群に関して記載されている場合、当業者は、本開示がまた、マーカッシュ群のメンバーの任意の個々のメンバー又はサブグループに関して記載されることを認識するであろう。
【0066】
当業者に理解されるように、任意の及び全ての目的のため、特に記載された説明を提供するという観点から、本明細書に開示される全ての範囲はまた、任意の及び全ての可能な部分範囲及びそれらの部分範囲の組み合わせも包含する。いかなる列挙された範囲も、少なくとも半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1等に分割されている同じの範囲を十分に説明かつ可能にするものと容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で論じられる各範囲は、下3分の1、中3分の1、及び上3分の1等に容易に分割することができる。また、当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」等の言語は全て、列挙された数を含み、後に上で論じられる部分範囲に分割され得る範囲を指す。最後に、当業者に理解されるように、範囲は、各個々の要素を含む。
本開示は以下も包含する。
[1]
菓子組成物であって、
(i)第1のプレバイオティクス成分、及び前記第1のプレバイオティクス成分とは異なる第2のプレバイオティクス成分を含む、40重量%~70重量%のプレバイオティクス組成物と、
(ii)担体、及び任意に添加剤を含む、60重量%~30重量%の第3の成分と、を含み、
前記菓子組成物が、ゼラチンフリーである、菓子組成物。
[2]
前記組成物が、50重量%~70重量%の前記プレバイオティクス組成物を含む、項目1に記載の菓子組成物。
[3]
前記第1のプレバイオティクス成分が、アラビアガム、ベータ-グルカン、部分加水分解グアーガム(PHGG)、コンニャクグルコマンナン、アラビノガラクタン、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を含む、項目1又は2に記載の菓子組成物。
[4]
前記第2のプレバイオティクス成分が、オリゴ糖、多糖、糖タンパク質、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を含む、項目1~3のいずれか一項に記載の菓子組成物。
[5]
前記第2のプレバイオティクス成分が、イヌリン、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ペクチンオリゴ糖、藻類オリゴ糖、難消化性デキストリン、難消化性デンプン、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物である、項目1~4のいずれか一項に記載の菓子組成物。
[6]
前記組成物が、乾燥固形物基準で、少なくとも73重量%の溶解固形物を含む、項目1~5のいずれか一項に記載の菓子組成物。
[7]
前記組成物が、乾燥固形物基準で、約74重量%~約78重量%の溶解固形物を含む、項目1~6のいずれか一項に記載の菓子組成物。
[8]
前記担体が、水、果汁、野菜汁、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を含む、項目1~7のいずれか一項に記載の菓子組成物。
[9]
前記第3の成分が添加剤を含み、前記添加剤が、甘味料、シロップ、マルトデキストリン、防汚剤、消泡剤、栄養素、風味剤、着色剤、酸、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物である、項目1~8のいずれか一項に記載の菓子組成物。
[10]
前記添加剤が、糖、高果糖コーンシロップ、タピオカシロップ、アガベシロップ、ステビア、スクラロース、アセスルファムK、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、マルトデキストリン(DE10~15)グリセリン、オメガ-3脂肪酸、ココナッツ油、食品等級のシリコン消泡剤エマルション、カルシウム、ビタミン、アミノ酸、若しくはタンパク質、天然及び人工風味料、並びに着色料、クエン酸、リンゴ酸、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を含む、項目9に記載の菓子組成物。
[11]
前記組成物が、低糖又は無糖の組成物である、項目1~10のいずれか一項に記載の菓子組成物。
[12]
前記組成物が、咀嚼可能である、項目1~11のいずれか一項に記載の菓子組成物。
[13]
前記組成物が、グミ、ゼリー、又は噛みごたえのあるキャンディー菓子である、項目1~12のいずれか一項に記載の菓子組成物。
[14]
ゼラチンフリー菓子組成物を調製する方法であって、
第1のプレバイオティクス成分を第2のプレバイオティクス成分とブレンドして、プレバイオティクス組成物を提供することと、
前記プレバイオティクス組成物を、約40重量%以上の濃度で水性溶媒に溶解し、任意に、甘味料、シロップ、消泡剤、防汚剤、又はこれらのいずれか2つ以上を添加して、混合物を形成することと、
前記混合物を加熱して、乾燥固形物基準で少なくとも73重量%の溶解固形物の固形物濃度を達成することと、
栄養素、無栄養甘味料、風味剤、着色剤、酸、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物を添加することと、
前記加熱された混合物を成形することと、
前記成形された組成物を、約10%~約30%の相対湿度で約24時間~約48時間硬化させて、約16%~約20%の含水量にすることと、を含む、方法。
[15]
乾燥した前記組成物を食用ワックスで処理することを更に含む、項目14に記載の方法。
[16]
前記第1のプレバイオティクス成分が、アラビアガム、ベータ-グルカン、部分加水分解グアーガム(PHGG)、コンニャクグルコマンナン、アラビノガラクタン、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物である、項目14又は15に記載の方法。
[17]
前記第2のプレバイオティクス成分が、オリゴ糖、多糖、糖タンパク質、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物である、項目14~16のいずれか一項に記載の方法。
[18]
前記第2のプレバイオティクス成分が、イヌリン、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ペクチンオリゴ糖、藻類オリゴ糖、難消化性デキストリン、難消化性デンプン、又はこれらのいずれか2つ以上の混合物である、項目17に記載の方法。
[19]
前記固形物濃度が、乾燥固形物基準で約74重量~約78重量%の溶解固形物である、項目14~18のいずれか一項に記載の方法。
[20]
前記ゼラチンフリー菓子組成物が、グミ、ゼリー、又は噛みごたえのあるキャンディー菓子である、項目14~19のいずれか一項に記載の方法。
図1
図3