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特許7351868インバータ装置およびインバータ装置の制御方法ならびにビレットヒーター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】インバータ装置およびインバータ装置の制御方法ならびにビレットヒーター
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20230920BHJP
   H02M 7/12 20060101ALI20230920BHJP
   H05B 6/06 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
H02M7/48 E
H02M7/12 A
H05B6/06 341
H05B6/06 331
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021050580
(22)【出願日】2021-03-24
(65)【公開番号】P2022148769
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2022-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000219004
【氏名又は名称】島田理化工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087000
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 淳一
(72)【発明者】
【氏名】石間 勉
(72)【発明者】
【氏名】浜田 深造
(72)【発明者】
【氏名】守上 浩市
【審査官】白井 孝治
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-223924(JP,A)
【文献】特開2008-251440(JP,A)
【文献】特開平09-218720(JP,A)
【文献】特開2003-323967(JP,A)
【文献】特開昭62-012379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/00~ 7/98
H05B 6/00~ 6/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電力を入力して直流電力に変換して出力するコンバータ部と、前記コンバータ部から出力された直流電力を入力して交流電力に逆変換して出力するインバータ部とを有し、前記インバータ部に直列共振負荷を接続して用いるインバータ装置において、
前記直列共振負荷への出力として予め設定されている基準周波数を記憶する基準周波数記憶手段と、
前記直列共振負荷へ出力される周波数を比較周波数として取得する比較周波数取得手段と、
前記基準周波数記憶手段に記憶した基準周波数と前記比較周波数取得手段が取得した比較周波数とに基づいて補正係数として
(基準周波数/比較周波数) 0.25
を取得する補正係数取得手段と、
前記補正係数取得手段が取得した補正係数と前記直列共振負荷への出力電流として予め設定された設定出力電流とを乗算する演算を行う演算手段と、
前記演算手段による演算結果と前記直列共振負荷への出力電流とを比較して、前記直列共振負荷への出力電流が前記演算結果と同じ値になるように制御する制御手段と
を有することを特徴とするインバータ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインバータ装置において、
前記制御手段は、前記コンバータ部を制御して、前記直列共振負荷への出力電流が前記演算結果と同じ値になるように制御する
ことを特徴とするインバータ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のインバータ装置において、
前記制御手段は、前記インバータ部を制御して、前記直列共振負荷への出力電流が前記演算結果と同じ値になるように制御する
ことを特徴とするインバータ装置。
【請求項4】
交流電力を入力して直流電力に変換して出力するコンバータ部と、前記コンバータ部から出力された直流電力を入力して交流電力に逆変換して出力するインバータ部とを有し、前記インバータ部に直列共振負荷を接続して用いるインバータ装置において、
前記直列共振負荷への出力として予め設定されている基準周波数を記憶する基準周波数記憶手段と、
前記直列共振負荷へ出力される周波数を比較周波数として取得する比較周波数取得手段と、
前記基準周波数記憶手段に記憶した基準周波数と前記比較周波数取得手段が取得した比較周波数とに基づいて、補正係数として
(比較周波数/基準周波数)0.25
を取得する補正係数取得手段と、
前記補正係数取得手段が取得した補正係数と前記直列共振負荷への出力電流とを乗算する演算を行う演算手段と、
前記演算手段による演算結果と前記直列共振負荷への出力電流として予め設定された設定出力電流との比較結果に基づき、前記直列共振負荷への投入電力が一定値になるように前記直列共振負荷への出力電流を制御する制御手段と
を有することを特徴とするインバータ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のインバータ装置において、
前記制御手段は、前記コンバータ部を制御して、前記直列共振負荷への投入電力が一定値になるように前記直列共振負荷への出力電流を制御する
ことを特徴とするインバータ装置。
【請求項6】
請求項4に記載のインバータ装置において、
前記制御手段は、前記インバータ部を制御して、前記直列共振負荷への投入電力が一定値になるように前記直列共振負荷への出力電流を制御する
ことを特徴とするインバータ装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5または6のいずれか1項に記載のインバータ装置において、
前記比較周波数取得手段は、予め設定された時間間隔で比較周波数を取得する
ことを特徴とするインバータ装置。
【請求項8】
インバータ装置を備え、連続して移動する負荷を加熱するヒーターにおいて、
インバータ装置として、請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれか1項に記載のインバータ装置を用いた
ことを特徴とするヒーター
【請求項9】
インバータ装置と直列共振負荷とを有する誘導加熱装置において、
インバータ装置として、請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれか1項に記載のインバータ装置を用い、
直列共振負荷における誘導コイルは、誘導加熱用の加熱コイルである
ことを特徴とする誘導加熱装置
【請求項10】
インバータ装置と直列共振負荷とを有する非接触給電装置において、
インバータ装置として、請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれか1項に記載のインバータ装置を用い、
直列共振負荷における誘導コイルは、非接触給電用共振負荷における非接触給電用送電回路の非接触給電用送電コイルである
ことを特徴とする非接触給電装置
【請求項11】
交流電力を入力して直流電力に変換して出力するコンバータ部と、前記コンバータ部から出力された直流電力を入力して交流電力に逆変換して出力するインバータ部とを有し、前記インバータ部に直列共振負荷を接続して用いるインバータ装置の制御方法において、
前記直列共振負荷への出力として予め設定されている基準周波数を記憶し、
前記直列共振負荷へ出力される周波数を比較周波数として取得し、
前記記憶した基準周波数と前記取得した比較周波数とに基づいて補正係数として
(基準周波数/比較周波数) 0.25
を取得し、
前記取得した補正係数と前記直列共振負荷への出力電流として予め設定された設定出力電流とを乗算する演算を行い、
前記演算の演算結果と前記直列共振負荷への出力電流とを比較して、前記直列共振負荷への出力電流が前記演算結果と同じ値になるように制御する
ことを特徴とするインバータ装置の制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載のインバータ装置の制御方法において、
前記コンバータ部を制御して、前記直列共振負荷への出力電流が前記演算結果と同じ値になるように制御する
ことを特徴とするインバータ装置の制御方法。
【請求項13】
請求項11に記載のインバータ装置の制御方法において、
前記インバータ部を制御して、前記直列共振負荷への出力電流が前記演算結果と同じ値になるように制御する
ことを特徴とするインバータの制御方法装置。
【請求項14】
交流電力を入力して直流電力に変換して出力するコンバータ部と、前記コンバータ部から出力された直流電力を入力して交流電力に逆変換して出力するインバータ部とを有し、前記インバータ部に直列共振負荷を接続して用いるインバータ装置の制御方法において、
前記直列共振負荷への出力として予め設定されている基準周波数を記憶し、
前記直列共振負荷へ出力される周波数を比較周波数として取得し、
前記記憶した基準周波数と前記取得した比較周波数とに基づいて、補正係数として
(比較周波数/基準周波数)0.25
を取得し、
前記取得した補正係数と前記直列共振負荷への出力電流とを乗算する演算を行い、
前記演算の演算結果と前記直列共振負荷への出力電流として予め設定された設定出力電流との比較結果に基づき、前記直列共振負荷への投入電力が一定値になるように前記直列共振負荷への出力電流を制御する
ことを特徴とするインバータ装置の制御方法。
【請求項15】
請求項14に記載のインバータ装置の制御方法において、
前記コンバータ部を制御して、前記直列共振負荷への投入電力が一定値になるように前記直列共振負荷への出力電流を制御する
ことを特徴とするインバータ装置の制御方法。
【請求項16】
請求項14に記載のインバータ装置の制御方法において、
前記インバータ部を制御して、前記直列共振負荷への投入電力が一定値になるように前記直列共振負荷への出力電流を制御する
ことを特徴とするインバータの制御方法装置。
【請求項17】
請求項11、12、13、14、15または16のいずれか1項に記載のインバータ装置の制御方法において、
予め設定された時間間隔で比較周波数を取得する
ことを特徴とするインバータ装置の制御方法。
【請求項18】
インバータ装置を備え、連続して移動する負荷を加熱するヒーターの制御方法において、
インバータ装置の制御方法として、請求項11、12、13、14、15、16または17のいずれか1項に記載のインバータ装置の制御方法を用いた
ことを特徴とするヒーターの制御方法。
【請求項19】
インバータ装置と直列共振負荷とを有する誘導加熱装置の制御方法において、
インバータ装置の制御方法として、請求項11、12、13、14、15、16または17のいずれか1項に記載のインバータ装置の制御方法を用い、
直列共振負荷における誘導コイルは、誘導加熱用の加熱コイルである
ことを特徴とする誘導加熱装置の制御方法。
【請求項20】
インバータ装置と直列共振負荷とを有する非接触給電装置の制御方法において、
インバータ装置の制御方法として、請求項11、12、13、14、15、16または17のいずれか1項に記載のインバータ装置の制御方法を用い、
直列共振負荷における誘導コイルは、非接触給電用共振負荷における非接触給電用送電回路の非接触給電用送電コイルである
ことを特徴とする非接触給電装置の制御方法。
【請求項21】
インバータ装置を備えビレットを加熱するビレットヒーターにおいて、
インバータ装置として、請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれか1項に記載のインバータ装置を用いた
ことを特徴とするビレットヒーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ装置およびインバータ装置の制御方法ならびにビレットヒーターに関する。
【0002】
さらに詳細には、本発明は、直列共振負荷に接続して用いるインバータ装置およびインバータ装置の制御方法ならびにそれらを用いたビレットヒーターに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、直列共振負荷に接続する電源装置として、例えば、インバータ装置が知られている。
【0004】
なお、本明細書ならびに本特許請求の範囲においては、直列共振負荷に接続するインバータ装置を「直列共振形インバータ装置」と適宜に称する。
【0005】
また、直列共振形インバータ装置に接続される直列共振負荷としては、例えば、誘導加熱用の加熱コイル(誘導コイル)と共振コンデンサとを直列接続して構成される直列共振回路である誘導加熱回路などが挙げられる。
【0006】
また、直列共振形インバータ装置に接続される直列共振負荷には、非接触給電用送電回路および非接触給電用受電回路からなる共振負荷たる非接触給電用共振負荷なども含まれる。
【0007】
ここで、一般に、電磁誘導方式による非接触給電用送電回路は、直列共振回路方式あるいは並列共振回路方式などにより構成されており、直列共振回路方式により構成された非接触給電用送電回路を備えた直列共振回路たる非接触給電用共振負荷に対して、電源装置として直列共振形インバータ装置が接続されるものである。
【0008】
一般的に、こうした直列共振形インバータ装置は、交流(AC)電源から供給される交流電力をコンバータ部で直流(DC)電力に変換し、その後に、インバータ部で直流電力を交流電力に変換して、当該直列共振形インバータ装置に接続された直列共振負荷に出力するものである。
【0009】
なお、交流電源としては、例えば、商用交流電源を用いることができ、その場合には、直列共振形インバータ装置は、商用交流電力を高周波交流電力に変換して直列共振負荷へ出力して供給する。
【0010】
ここで、このような直列共振形インバータ装置においては、通常、誘導コイルと共振コンデンサとを直列接続して構成される直列共振負荷へ出力する高周波交流電力の周波数(出力周波数)は、当該直列共振回路の共振周波数となるように周波数制御されるものである。
【0011】
そして、こうした構成の直列共振形インバータ装置においては、一般的に、誘導コイルに流れる電流値(誘導コイル電流値)と同じ値になる高周波交流電力の電流値(出力電流値)を一定に制御する出力電流一定制御の手法が用いられており、誘導コイルを一定電流値で制御できる利点があることが知られていた。
【0012】
ここで、図1には、出力電流値を一定に制御(出力電流一定制御)するとともに直列共振負荷に接続された従来の直列共振形インバータ装置の全体の構成をあらわす構成説明図が示されている。
【0013】
なお、この図1に示す直列共振形インバータ装置100は、交流電源として商用交流電源102を用いた例を示している。
【0014】
図1に示すように、直列共振形インバータ装置100は、商用交流電源102から供給される商用交流電力を所望の電流値の高周波交流電力に変換して、誘導加熱回路などのような直列共振負荷200へ出力して供給するものである。
【0015】
ここで、直列共振負荷200において、符号200aは誘導コイルであり、符号200bは抵抗であり、符号200cはキャパシタである。
【0016】
こうした直列共振形インバータ装置100は、商用交流電源102から供給される交流電力を入力して直流電力に変換して出力するコンバータ回路を有するコンバータ部104と、コンバータ部104から出力された直流電力を入力して高周波交流電力に逆変換して出力するインバータ回路を有するインバータ部106と、インバータ部106の出力段に設けられてインバータ部106から出力される高周波交流電力の電流(出力電流I)を検出する電流検出器108と、電流検出器108により検出された出力電流Iと出力電流設定信号により設定される設定値(設定出力電流)とに基づいてコンバータ部104が変換する直流電力をフィードバック制御する制御部110とを有して構成されている。
【0017】
ここで、制御部110は、電流検出器108からの出力(出力電流I)を検波する検波回路110aと、検波回路110aからの出力(出力電流I)を入力する反転入力端子と出力電流設定信号により設定される設定出力電流を入力する非反転入力端子とを備えて入力した両者の電流差を増幅した電流を出力する誤差アンプ110bと、誤差アンプ110bからの出力を入力して出力電流Iが設定出力電流と同じ値になるようにコンバータ部104から出力される直流電力をフィードバック制御する制御信号を出力する出力電流制御回路110cとを有して構成されている。
【0018】
なお、コンバータ部104のコンバータ回路は、例えば、サイリスタ整流回路やチョッパ回路などにより構成されている。
【0019】
こうしたコンバータ部104は、商用交流電源102から商用交流電力を供給されると、制御部110から出力された制御信号に応じて商用交流電力を直流電力に変換する制御を行う。
【0020】
また、インバータ部106は、例えば、トランジスタにより構成されるインバータ回路を備えている。
【0021】
こうしたインバータ部106は、コンバータ部104から出力された直流電力を入力して、入力した直流電力をトランジスタのON(オン)/OFF(オフ)のスイッチング動作により高周波交流電力に逆変換して出力する制御を行う。
【0022】
インバータ部106の出力段に設けられた電流検出器108は、インバータ部106から出力される出力電流Iを検出して、その検出結果を示す出力電流Iを制御部110の検波回路110aへ出力する。
【0023】
以上の構成において、直列共振形インバータ装置100においては、インバータ部106の出力電流Iが電流検出器108により検出されて、検出された出力電流Iを制御部110の検波回路110aを通して検波してから誤差アンプ110bの反転入力端子に入力する。
【0024】
また、誤差アンプ110bの非反転入力端子には、出力電流設定信号により設定される設定出力電流が入力される。
【0025】
ここで、誤差アンプ110bは、入力された出力電流Iと設定出力電流とを比較して、両者の電流差を増幅した電流を出力電流制御回路110cへ入力する。
【0026】
そして、出力電流制御回路110cは、出力電流Iと設定出力電流とが同じ値になるようにコンバータ部104から出力される直流電力を制御する制御信号を出力する。
【0027】
こうして出力電流制御回路110cから出力された制御御信号はコンバータ部104へ入力されて、当該制御信号によりコンバータ部104から出力される直流電力が可変制御され、その結果、インバータ部106の出力電流Iが一定の値、即ち、設定出力電流と一致する電流値となるようにフィードバック制御する出力電流一定制御が行われる。
【0028】
なお、図1に示す直列共振形インバータ装置100は、出力電流制御回路110cから出力された制御信号をコンバータ部104へ入力して、コンバータ部104から出力される直流電力を可変制御するようにしたが、図2に示す直列共振形インバータ装置100’のように、出力電流制御回路110cから出力された制御信号をインバータ部106へ入力して、制御信号により直接にインバータ部106をフィードバック制御することによって、インバータ部106の出力電流Iが一定の値、即ち、設定出力電流と一致する電流値となるようにフィードバック制御する出力電流一定制御を行うようにしてもよい。
【0029】
ところで、上記において説明した直列共振形インバータ装置100、100’においては、出力電流一定制御を行うため、直列共振負荷200を構成する誘導コイル200aの上や中などに投入される負荷(ワーク)の数が増減した際などに、負荷一つ当たりの投入電力たる負荷投入電力(ワーク投入電力)が変化してしまうため、この変化に起因する不具合が発生するという問題点があった。
【0030】
例えば、複数のコイルを直列接続して各コイルの上や中などにそれぞれ負荷が投入される形状の多連巻きコイルによる誘導コイル200aや、一つのコイルの上や中などに複数の負荷が投入される形状の誘導コイル200aなどにおいて、誘導コイル200aの上や中などに投入される負荷数が増減した際などには、負荷一つ当たりのワーク投入電力が変化することになって、以下に説明するような不具合が発生するという問題点を生ずるものであった。
【0031】
具体的には、直列共振回路200が誘導加熱回路である場合に、誘導コイル200aとして上記した多連巻きコイルを使用した際には、出力電流一定制御のもとでは、誘導コイル200aに投入する負荷の数が全負荷投入時に比べて減少すると一個当たりの負荷投入電力が低下して、加熱温度が低下していくという不具合が発生していた。
【0032】
例えば、図3(a)(b)(c)に示すように、3個のコイル200a-1、200a-2、200a-3を直列接続して、各コイル200a-1、200a-2、200a-3の上や中などに、それぞれ負荷300a、300b、300cが投入可能な形状の多連巻きコイルを誘導コイル200aとして用いた直列共振回路200たる誘導加熱回路について説明する。
【0033】
この誘導加熱回路においては、図3(a)に示すように、各コイル200a-1、200a-2、200a-3にそれぞれ負荷300a、300b、300cを投入した全負荷投入時には、予め設定した加熱温度により負荷300a、300b、300cを全て加熱することができる(全数加熱)。
【0034】
しかしながら、図3(b)に示すように、コイル200a-1、200a-2にはそれぞれ負荷300a、300bを投入するが、コイル200a-3には負荷を投入しない場合においては、全負荷投入時に比べて誘導コイル200aに投入される負荷数が少なくなって、一個当たりの負荷投入電力が低下して加熱温度が低下するものであった(負荷温度低下)。
【0035】
さらに、図3(c)に示すように、コイル200a-1には負荷300aを投入するが、コイル200a-2、200a-3には負荷を投入しない場合には、全負荷投入時に比べて誘導コイル200aに投入される負荷数が一層少なくなり、一個当たりの負荷投入電力がさらに低下することになって、加熱温度がさらに低下するものであった(負荷温度さらに低下)。
【0036】
また、直列共振回路200が誘導加熱回路である場合に、例えば、図4に示すように、一つのコイルの上や中などに複数の負荷400a、400b、400c、400dが投入可能な形状の誘導コイル200aを使用して誘導加熱する際にも、出力電流一定制御のもとでは、誘導コイル200aに投入する負荷数が少なくなると一個当たりの負荷投入電力が低下して、加熱温度が低下するものであった。
【0037】
あるいは、図5に示すように、直列共振回路200がビレットヒーターの誘導加熱回路である場合に、出力電流一定制御によれば、ビレット500を誘導コイル200aの上や中などに搬送して誘導加熱するスタート時には、誘導コイル200a内に負荷が無い状態でビレット500が挿入されて加熱されはじめるので、誘導コイル200a内の全域にわたってビレット500が挿入されて誘導コイル200a内に全負荷が入るまでは負荷加熱電力が減少することになって、誘導コイル200a内の全域にわたってビレット500が存在する連続搬送時に比較して加熱温度が低下するものであった。
【0038】
このため、誘導コイル200a内に最初に挿入する誘導コイル200aの長さ分のビレット500が、所謂、捨て材料となってしまうという問題点もあった。
【0039】
また、上記した直列共振形インバータ装置100、100’において、直列共振回路200が非接触給電用共振負荷である場合には、非接触給電用共振負荷の非接触給電用受電回路における受電側コイル負荷数が変化すると磁界強度が変化するため、出力電流一定制御した場合には受電側コイル負荷数の変化に伴う磁界強度の変化に対応することができずに不具合を生ずるという問題点があった。
【0040】
即ち、上記において縷々説明したように、従来の直列共振形インバータ装置による出力電流Iを一定にする制御、即ち、出力電流一定制御では、直列共振形インバータ装置に接続される直列共振負荷の機能が、直列共振負荷に投入される負荷数の増減などにより影響を受けるという不具合や問題点があった。
【0041】
なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、本願明細書に記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0042】
本発明は、上記したような従来の技術における種々の不具合や問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、直列共振負荷に接続して用いるインバータ装置に接続される直列共振負荷の機能が、直列共振負荷に投入される負荷数の増減などにより影響を受けることのないようにしたインバータ装置およびインバータ装置の制御方法ならびにビレットヒーターを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0043】
上記目的を達成するために、本発明は、直列共振負荷に接続して用いるインバータ装置の出力の周波数として予め設定された基準となる周波数(基準周波数)と当該インバータ装置の出力の周波数(比較周波数)との比に基づいて、当該インバータ装置の出力電流を制御(フィードバック制御)することにより、当該インバータ装置の出力電流を補正するようにしたものである。
【0044】
従って、本発明によれば、直列共振負荷に投入される負荷数が増減などしても、当該負荷数の増減などに応じて変化する比較周波数に応じて、直列共振負荷へのインバータ装置の出力電流が補正されるので、当該インバータ装置に接続される直列共振負荷の機能が当該負荷数の増減などにより影響を受けることがない。
【0045】
即ち、本発明によるインバータ装置は、交流電力を入力して直流電力に変換して出力するコンバータ部と、上記コンバータ部から出力された直流電力を入力して交流電力に逆変換して出力するインバータ部とを有し、上記インバータ部に直列共振負荷を接続して用いるインバータ装置において、上記直列共振負荷への出力として予め設定されている基準周波数を記憶する基準周波数記憶手段と、上記直列共振負荷へ出力される周波数を比較周波数として取得する比較周波数取得手段と、上記基準周波数記憶手段に記憶した基準周波数と上記比較周波数取得手段が取得した比較周波数との比に基づいて補正係数を取得する補正係数取得手段と、上記補正係数取得手段が取得した補正係数と上記直列共振負荷への出力電流として予め設定された設定出力電流とを乗算する演算を行う演算手段と、上記演算手段による演算結果と上記直列共振負荷への出力電流とを比較して、上記直列共振負荷への出力電流が上記演算結果と同じ値になるように制御する制御手段とを有するようにしたものである。
【0046】
また、本発明によるインバータ装置は、上記した本発明によるインバータ装置において、上記補正係数取得手段は、補正係数として「(基準周波数/比較周波数)0.25」を取得するようにしたものである。
【0047】
また、本発明によるインバータ装置は、交流電力を入力して直流電力に変換して出力するコンバータ部と、上記コンバータ部から出力された直流電力を入力して交流電力に逆変換して出力するインバータ部とを有し、上記インバータ部に直列共振負荷を接続して用いるインバータ装置において、上記直列共振負荷への出力として予め設定されている基準周波数を記憶する基準周波数記憶手段と、上記直列共振負荷へ出力される周波数を比較周波数として取得する比較周波数取得手段と、上記基準周波数記憶手段に記憶した基準周波数と上記比較周波数取得手段が取得した比較周波数との比に基づいて補正係数を取得する補正係数取得手段と、上記補正係数取得手段が取得した補正係数と上記直列共振負荷への出力電流とを乗算する演算を行う演算手段と、上記演算手段による演算結果と上記直列共振負荷への出力電流として予め設定された設定出力電流とを比較して、上記直列共振負荷への出力電流が上記演算結果と同じ値になるように制御する制御手段とを有するようにしたものである。
【0048】
また、本発明によるインバータ装置は、上記した本発明によるインバータ装置において、上記補正係数取得手段は、補正係数として「(比較周波数/基準周波数)0.25」を取得するようにしたものである。
【0049】
また、本発明によるインバータ装置は、上記した本発明によるインバータ装置において、上記制御手段は、上記コンバータ部を制御して、上記直列共振負荷への出力電流が上記演算結果と同じ値になるように制御するようにしたものである。
【0050】
また、本発明によるインバータ装置は、上記した本発明によるインバータ装置において、上記制御手段は、上記インバータ部を制御して、上記直列共振負荷への出力電流が上記演算結果と同じ値になるように制御するようにしたものである。
【0051】
また、本発明によるインバータ装置は、上記した本発明によるインバータ装置において、上記比較周波数取得手段は、予め設定された時間間隔で比較周波数を取得するようにしたものである。
【0052】
また、本発明によるインバータ装置は、上記した本発明によるインバータ装置において、上記直列共振負荷を構成する誘導コイルに投入される負荷は、上記誘導コイルに対して連続して移動する負荷であるようにしたものである。
【0053】
また、本発明によるインバータ装置は、上記した本発明によるインバータ装置において、上記直列共振負荷における誘導コイルは、誘導加熱用の加熱コイルであるようにしたものである。
【0054】
また、本発明によるインバータ装置は、上記した本発明によるインバータ装置において、上記直列共振負荷における誘導コイルは、非接触給電用共振負荷における非接触給電用送電回路の非接触給電用送電コイルであるようにしたものである。
【0055】
また、本発明によるインバータ装置の制御方法は、交流電力を入力して直流電力に変換して出力するコンバータ部と、上記コンバータ部から出力された直流電力を入力して交流電力に逆変換して出力するインバータ部とを有し、上記インバータ部に直列共振負荷を接続して用いるインバータ装置の制御方法において、上記直列共振負荷への出力として予め設定されている基準周波数を記憶し、上記直列共振負荷へ出力される周波数を比較周波数として取得し、上記記憶した基準周波数と上記取得した比較周波数との比に基づいて補正係数を取得し、上記取得した補正係数と上記直列共振負荷への出力電流として予め設定された設定出力電流とを乗算する演算を行い、上記演算の演算結果と上記直列共振負荷への出力電流とを比較して、上記直列共振負荷への出力電流が上記演算結果と同じ値になるように制御するようにしたものである。
【0056】
また、本発明によるインバータ装置の制御方法は、上記した本発明によるインバータ装置の制御方法において、上記補正係数として「(基準周波数/比較周波数)0.25」を取得するようにしたものである。
【0057】
また、本発明によるインバータ装置の制御方法は、交流電力を入力して直流電力に変換して出力するコンバータ部と、上記コンバータ部から出力された直流電力を入力して交流電力に逆変換して出力するインバータ部とを有し、上記インバータ部に直列共振負荷を接続して用いるインバータ装置の制御方法において、上記直列共振負荷への出力として予め設定されている基準周波数を記憶し、上記直列共振負荷へ出力される周波数を比較周波数として取得し、上記記憶した基準周波数と上記取得した比較周波数との比に基づいて補正係数を取得し、上記取得した補正係数と上記直列共振負荷への出力電流とを乗算する演算を行い、上記演算の演算結果と上記直列共振負荷への出力電流として予め設定された設定出力電流とを比較して、上記直列共振負荷への出力電流が上記演算結果と同じ値になるように制御するようにしたものである。
【0058】
また、本発明によるインバータ装置の制御方法は、上記した本発明によるインバータ装置の制御方法において、上記補正係数として「(比較周波数/基準周波数)0.25」を取得するようにしたものである。
【0059】
また、本発明によるインバータ装置の制御方法は、上記した本発明によるインバータ装置の制御方法において、上記コンバータ部を制御して、上記直列共振負荷への出力電流が上記演算結果と同じ値になるように制御するようにしたものである。
【0060】
また、本発明によるインバータ装置の制御方法は、上記した本発明によるインバータ装置の制御方法において、上記インバータ部を制御して、上記直列共振負荷への出力電流が上記演算結果と同じ値になるように制御するようにしたものである。
【0061】
また、本発明によるインバータ装置の制御方法は、上記した本発明によるインバータ装置の制御方法において、予め設定された時間間隔で比較周波数を取得するようにしたものである。
【0062】
また、本発明によるインバータ装置の制御方法は、上記した本発明によるインバータ装置の制御方法において、上記直列負荷を構成する誘導コイルに投入される負荷は、上記誘導コイルに対して連続して移動する負荷であるようにしたものである。
【0063】
また、本発明によるインバータ装置の制御方法は、上記した本発明によるインバータ装置の制御方法において、上記直列共振負荷における誘導コイルは、誘導加熱用の加熱コイルであるようにしたものである。
【0064】
また、本発明によるインバータ装置の制御方法は、上記した本発明によるインバータ装置の制御方法において、上記直列負荷における誘導コイルは、非接触給電用共振負荷における非接触給電用送電回路の非接触給電用送電コイルであるようにしたものである。
【0065】
また、本発明によるビレットヒーターは、インバータ装置を備えビレットを加熱するビレットヒーターにおいて、インバータ装置として、上記した本発明によるインバータ装置を用いたものである。
【発明の効果】
【0066】
本発明は、以上説明したように構成されているので、直列共振負荷に接続して用いるインバータ装置に接続される直列共振負荷の機能が、直列共振負荷に投入される負荷数の増減などにより影響を受けることがないインバータ装置およびインバータ装置の制御方法ならびにビレットヒーターを提供することが可能になるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1図1は、出力電流値を一定に制御(出力電流一定制御)するとともに直列共振負荷に接続された従来の直列共振形インバータ装置の全体の構成をあらわす構成説明図である。
図2図2は、出力電流値を一定に制御(出力電流一定制御)するとともに直列共振負荷に接続された従来の直列共振形インバータ装置の他の例の全体の構成をあらわす構成説明図である。
図3図3(a)(b)(c)は、図1ならびに図2に示す従来の直列共振形インバータ装置における動作を示す模式的な説明図である。
図4図4は、図1ならびに図2に示す従来の直列共振形インバータ装置における動作を示す模式的な説明図である。
図5図5は、図1ならびに図2に示す従来の直列共振形インバータ装置における動作を示す模式的な説明図である。
図6図6は、直列共振負荷に接続された本発明の実施の形態の一例による直列共振形インバータ装置(第1の実施の形態)の全体の構成をあらわす構成説明図である。
図7図7は、直列共振負荷に接続された本発明の実施の形態の一例による直列共振形インバータ装置(第1の実施の形態)の変形例の全体の構成をあらわす構成説明図である。
図8図8は、直列共振負荷に接続された本発明の実施の形態の一例による直列共振形インバータ装置(第2の実施の形態)の全体の構成をあらわす構成説明図である。
図9図9は、直列共振負荷に接続された本発明の実施の形態の一例による直列共振形インバータ装置(第2の実施の形態)の変形例の全体の構成をあらわす構成説明図である。
図10図10は、本発明の実施の形態の一例によるビレットヒーターを模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるインバータ装置およびインバータ装置の制御方法ならびにビレットヒーターの実施の形態の一例について詳細に説明するものとする。
【0069】
なお、以下の「発明を実施するための形態」の項の説明においては、図1乃至図5の各図を参照しながら説明した構成ならびに作用、あるいは、図6以下の各図を参照しながら説明する構成ならびに作用と同一あるいは相当する構成ならびに作用については、図1乃至図5、あるいは、図6以下の各図において用いた符号と同一の符号をそれぞれ付して示すことにより、その詳細な構成ならびに作用の説明は省略する。
【0070】
(I)本発明の第1の実施の形態
【0071】
(I-1)構成ならびに作用
【0072】
図6には、直列共振負荷に接続された本発明の実施の形態の一例による直列共振形インバータ装置(第1の実施の形態)の全体の構成をあらわす構成説明図が示されている。
【0073】
符号10は、本発明の第1の実施の形態による直列共振形インバータ装置であり、この直列共振形インバータ装置10は、制御部110に補正回路12を備えるとともに投入電力一定モード設定スイッチ14を備えている点において、従来の直列共振形インバータ装置100とは異なっている。
【0074】
ここで、投入電力一定モード設定スイッチ14は、誘導コイル200aの上や中などに投入される負荷(ワーク)に関わらず、直列共振形インバータ装置10から直列共振負荷200に出力される交流電力(投入電力)の電力値を一定値に制御する際にオン操作されるものであり、投入電力一定モード設定スイッチ14がオンのときは、誘導コイル200aの上や中などに投入される負荷に関わらず直列共振負荷200に出力される投入電力の電力値は一定値となる(投入電力一定モード)。
【0075】
一方、投入電力一定モード設定スイッチ14がオフのときは、誘導コイル200aの上や中などに投入される負荷に関わらず直列共振負荷200に出力される投入電力の電力値を一定値とするような制御は行われない。
【0076】
また、上記した補正回路12は、周波数カウンタ12aと、周波数記録部12bと、第1演算部12cと、第2演算部12dとを有して構成されている。
【0077】
ここで、周波数カウンタ12aは、電流検出器108で検出された出力電流Iから、直列共振形インバータ装置10の出力の周波数(比較周波数)fを計測して取得するものである。
【0078】
次に、周波数記録部12bは、投入電力一定モード設定スイッチ14がオンされて投入電力一定モードのときにおける直列共振形インバータ装置10の出力の基準となる周波数(基準周波数)fs、即ち、直列共振形インバータ装置10の出力の周波数として予め設定された基準となる周波数(基準周波数)fsを記憶しているものである。
【0079】
また、第1演算部12cは、周波数カウンタ12aにより取得された比較周波数fと周波数記録部12bに記録された基準周波数fsとを用いて、(基準周波数/比較周波数)0.25、即ち、(fs/f)0.25の演算を行うものである。
【0080】
さらに、第2演算部12dは、第1演算部12cの演算結果である(fs/f)0.25と出力電流設定信号vにより設定される設定値(設定出力)たる設定出力電流とを乗算(掛け算)する演算を行って、その演算結果である「v×(fs/f)0.25」(v・(fs/f)0.25)を誤差アンプ110bの非反転入力端子に入力する。
【0081】
なお、以下の説明においては、説明を簡潔化して本発明の理解を容易にするために、「出力電流設定信号vにより設定される設定値(設定出力)たる設定出力電流」については、単に「出力電流設定信号v(設定出力電流)」と記載することとする。
【0082】
即ち、直列共振形インバータ装置10においては、第2演算部12dの演算結果である「v×(fs/f)0.25」(v・(fs/f)0.25)が誤差アンプ110bの非反転入力端子へ入力され、検波回路110aからの出力(出力電流I)が誤差アンプ110bの反転入力端子へ入力されるものである。
【0083】
上記した直流共振形インバータ装置10の出力電流制御においては、基準周波数fsを誘導コイル200aの上や中などに第1の負荷(負荷1)が投入されたときの周波数とし、比較周波数fを同一の誘導コイル200aの上や中などに負荷1とは異なる第2の負荷(負荷2)が投入されたときの周波数とすると、出力電流設定信号v(設定出力電流)の補正係数として(fs/f)0.25を出力電流設定信号v(設定出力電流)に乗算して誤算アンプ110bへの一方の入力とし、検波回路110aからの出力電流Iを誤算アンプ110bへの他方の入力とすることによって、誘導コイル200aに負荷1が投入された場合と負荷2が投入された場合とにおいて、直列共振負荷200に出力される投入電力の電力値は一定値に制御することができる。
【0084】
ここで、直列共振形インバータ装置において出力電流を一定に制御した場合には、直列共振負荷の誘導コイルに投入される負荷自身に周波数特性があるため、当該投入される負荷の増減によって周波数変化が生じ、直列共振負荷に出力される投入電力が変化する。
【0085】
そして、直列共振形インバータ装置に接続される直列共振負荷の誘導コイルの中や誘導コイル上などに負荷が投入されるとき、その投入される負荷の条件の違いによって、誘導コイルと誘導負荷の高周波等価抵抗は、一般的に周波数の平方根に比例することが知られている。
【0086】
即ち、
R1:誘導コイルに負荷1が投入されたときの高周波等価抵抗
R2:誘導コイルに負荷2が投入されたときの高周波等価抵抗
f1:誘導コイルに負荷1が投入されたときの共振周波数
f2:誘導コイルに負荷2が投入されたときの共振周波数
とすると、
R2=R1×(f2/f1)0.5 ・・・ 式1
となる。
【0087】
ここで、
P1:誘導コイルに負荷1が投入されたときに出力される投入電力(出力電力)
P2:誘導コイルに負荷2が投入されたときに出力される投入電力(出力電力)
とし、電流Iは一定に制御されるとすると、
P2=I×R2 ・・・ 式2
P1=I×R1 ・・・ 式3
となる。
【0088】
従って、式1、式2および式3より、
P2/P1=R2/R1
=(f2/f1)0.5 ・・・ 式4
が得られる。
【0089】
そして、電流または電圧は出力電力の平方根に比例するので、
V2/V1=(f2/f1)0.25 ・・・ 式5
となる。
【0090】
なお、
V1:誘導コイルに負荷1が投入されたときの電圧
V2:誘導コイルに負荷2が投入されたときの電圧
である。
【0091】
従って、式5から、直列共振形インバータ装置10の出力電流制御において、出力電流設定信号v(設定出力電流)に、共振周波数f1と共振周波数f2との周波数比の逆数の0.25乗を掛け算するような補正を行えば、負荷の条件が変わったとしても一定の出力電力となり、直列共振負荷200に出力される投入電力の電力値を一定値に制御することができる。
【0092】
上記について、図6を参照しながら具体的に説明すると、出力電流設定信号v(設定出力電流)は、制御部110の補正回路12を通してから誤差アンプ110bの非反転入力端子へ入力されることになる。
【0093】
より詳細には、補正回路12においては、周波数カウンタ12aは、電流検出器108から出力された検出信号(出力電流I)を計測して、出力電流Iから周波数(比較周波数)fを取得し、取得した比較周波数fを周波数記録部12bと第1演算部12cとへ出力する。
【0094】
また、周波数記録部12bは、投入電力一定モードにおける直列共振形インバータ装置10の出力の周波数として、予め設定された設定条件における基準となる周波数(基準周波数)を記録するものであるが、具体的には、投入電力一定モード設定スイッチ14がオンされて投入電力一定モードのときに、上記設定条件により設定された負荷を直列共振回路200の誘導コイル200aに投入したときの直列共振形インバータ装置10の出力の比較周波数fを周波数カウンタ12aで計測し、周波数カウンタ12aで計測した比較周波数fを基準周波数fsとして記録するものである。
【0095】
上記のようにして周波数記録部12bに記録された基準周波数fsは、第1演算部12cへ出力される。
【0096】
第1演算部12cは、式5におけるf2/f1の逆数であるfs/fを0.25乗する演算を行って、その演算結果を出力電流設定信号v(設定出力電流)の補正係数として取得して、取得した補正係数(fs/f)0.25を第2演算部12dへ出力する。
【0097】
なお、式5のf1はfsに対応し、また、f2はfに対応するので、式5におけるf2/f1の逆数であるf1/f2はfs/fとなる。
【0098】
第2演算部12dは、補正係数(fs/f)0.25を出力電流設定信号v(設定出力電流)に掛け算して「v×(fs/f)0.25」(v・(fs/f)0.25)を取得して、v・(fs/f)0.25を補正回路電流として誤差アンプ110bの非反転入力端子へ出力する。
【0099】
誤差アンプ110bは、補正回路12から出力された補正回路電流と電流検出器108で検出された出力電流Iを検波した電流とを比較して、その比較結果を出力電流制御回路110cへ出力する。
【0100】
出力電流制御回路110cは、誤差アンプ110bから出力された比較結果に基づいて、補正回路12から出力された補正回路電流と電流検出器108で検出された出力電流Iを検波回路110aで検波した電流とが同じ値になるようにコンバータ部104を制御する制御信号を生成して、当該制御信号をコンバータ部104へ出力してコンバータ部104をフィードバック制御する。
【0101】
なお、出力電流制御回路110cには、例えば、差動アンプの出力フィルタ回路なども含まれるものではあるが、説明や図示を簡潔化して本発明の理解を容易にするために、その説明や図示は省略する。
【0102】
(I-2)具体的な動作(操作)
【0103】
次に、上記した直列共振形インバータ装置10の具体的な動作(操作)について説明する。
【0104】
直列共振形インバータ装置10において、投入電力一定モード設定スイッチ14をオンにして投入電力一定モードにしてから、予め設定された設定条件における基準となる負荷(例えば、負荷1である。)を直列共振回路200の誘導コイル200aに投入したときの状態(条件1)において投入電力一定モードでインバータ動作させると、制御部110の補正回路12における周波数記録部12bは、周波数カウンタ12aを介して電流検出器108で検出された出力電流Iの信号から取得した比較周波数fを基準周波数fsとして自動的に記録するとともに、周波数カウンタ12aを介して電流検出器108で検出された出力電流Iの信号の周波数たる比較周波数fを第1演算部12cへ出力する。
【0105】
そして、第1演算部12cは補正係数として(fs/f)0.25を演算して第2演算部12dへ出力し、第2演算部12dは(fs/f)0.25に出力電流設定信号v(設定出力電流)を掛け算する演算を行い、その演算結果であるv・(fs/f)0.25を誤差アンプ110bの非反転入力端子へ出力する。
【0106】
上記したインバータ動作の最初の状態(条件1)においては、
f=fs
であるので、補正係数(fs/f)0.25は「1」である。
【0107】
次に、直列共振回路200の誘導コイル200aにおける負荷の状態(コイル負荷状態)を任意の状態、即ち、任意の負荷(例えば、負荷2である。)を直列共振回路200の誘導コイル200aに投入したときの状態(条件2)にして、上記と同様にして比較周波数fを計測するとともに補正係数(fs/f)0.25を演算して取得し、取得した(fs/f)0.25に出力電流設定信号v(設定出力電流)に掛け算する演算を行って、その演算結果であるv・(fs/f)0.25を誤差アンプ110bの非反転入力端子へ出力する。
【0108】
これにより、条件2における負荷への投入電力が条件1における負荷への投入電力と同じ投入電力、即ち、
P=Ps
P:条件2における負荷への投入電力
Ps:条件1における負荷への投入電力
となるような、出力電力になる。
【0109】
即ち、直列共振回路200の誘導コイル200aに投入される負荷が初期の負荷(例えば、負荷1である。)から当該初期の負荷とは異なる負荷(例えば、負荷2である。)に変わったとしても、当該初期の負荷のときの投入電力と同じ投入電力となるので、直列共振回路200の誘導コイル200aに投入される負荷が初期の負荷から当該初期の負荷とは異なる負荷に変わっても、初期状態と同じ投入電力を保つことができることになる。
【0110】
なお、一旦、投入電力一定モード設定スイッチ14をオンにしておけば、その後は、例えば、予め設定された時間間隔などで比較周波数fを計測して、当該計測した比較周波数fを用いて補正係数(fs/f)0.25を取得することによって、任意の負荷条件において同じ投入電力を得ることのできる投入電力一定モードを継続して維持することができるようになる。
【0111】
また、誘導コイル200aを交換した場合などにおいても、誘導コイル200aの交換後に上記した動作と同じ動作を行うことにより、任意の負荷条件において同じ投入電力を得ることのできる投入電力一定モードを実現することができる。
【0112】
さらに、誘導コイル200aとして複数の誘導コイルが設けられている場合には、複数の誘導コイルをシーケンサなどでテーブル化して、テーブルを参照しながら複数の誘導コイルを順次あるいは適宜に選択して、選択した誘導コイルについて上記した動作と同じ動作を行えばよい。
【0113】
そして、直列共振形インバータ装置10によれば、図3(a)(b)(c)ならびに図4に示す例において、図3(a)ならびに図4に示すように誘導コイル200aに全ての負荷が投入されている状態(全数負荷時)の周波数を基準周波数fsとして設定すると、
(1)負荷が少なくなるとコイルインダクタンスが大きくなって比較周波数fが下がる、
(2)fs/fは大きくなる、
(3)誤差アンプ110bにおける比較設定電流であるv・(fs/f)0.25は大きくなる、
(4)出力電流を大きくする出力制御がはたらき出力電力はアップする、
(5)コイル電流もアップする、
(6)負荷が少なくなったときの温度低下を防止することができる、
という作用効果が生ずる。
【0114】
また、直列共振形インバータ装置10によれば、図5に示す例において、ビレット500を誘導コイル200aへ搬送して誘導加熱するスタート時における誘導コイル200a内に負荷が無い状態(無負荷時)の周波数を基準周波数fsとして設定すると、
(1)負荷が入ってくるとコイルインダクタンスが小さくなって比較周波数fが上がる、
(2)fs/fは小さくなる、
(3)誤差アンプ110bにおける比較設定電流であるv・(fs/f)0.25は小さくなる、
(4)出力電流を小さくする出力制御がはたらき出力電力は下がる、
(5)コイル電流も下がる、
(6)負荷が入ってきても温度上昇していくことが防止することができるため、スタート時から同じ加熱温度とすることができる、
という作用効果が生ずる。
【0115】
(I-3)変形例
【0116】
なお、図6に示す直流共振形インバータ装置10は、出力電流制御回路110cから出力された制御信号をコンバータ部104へ入力して、コンバータ部104から出力される出力電力を可変制御するようにしたが、図7に示す直流共振形インバータ装置10’のように、出力電流制御回路110cから出力された制御信号をインバータ部106へ入力して、制御信号により直接にインバータ部106をフィードバック制御することによって、投入電力が一定となるようにインバータ部106の出力電力を可変制御するようにしてもよい。
【0117】
(II)本発明の第2の実施の形態
【0118】
(II-1)構成ならびに作用
【0119】
図8には、直列共振負荷に接続された本発明の実施の形態の一例による直列共振形インバータ装置(第2の実施の形態)の全体の構成をあらわす構成説明図が示されている。
【0120】
符号20は、本発明の第2の実施の形態による直列共振形インバータ装置であり、この直列共振形インバータ装置20は、直列共振形インバータ装置10における補正回路12に対応する構成として補正回路22を備えている。
【0121】
補正回路22は、第1演算部12cに代えて第1’演算部22cを備えるとともに、第2演算部12dに代えて第2’演算部22dを備える点において、直列共振形インバータ装置10における補正回路12と異なっている。
【0122】
また、直列共振形インバータ装置20においては、検波回路110aからの出力(出力電流I)は第2’演算部22dへ入力される。
【0123】
そして、直列共振形インバータ装置20においては、出力電流設定信号v(設定出力電流)は誤差アンプ110bの非反転入力端子へ入力される。
【0124】
ここで、第1’演算部22cは、(基準周波数/比較周波数)0.25、即ち、(fs/f)0.25の演算の演算を行う第1演算部12cとは異なり、(比較周波数/基準周波数)0.25、即ち、(f/fs)0.25の演算を行う。
【0125】
そして、第2’演算部22dは、第1’演算部22cの演算結果である(f/fs)0.25と検波回路110aから入力された出力電流Iとを乗算する演算を行い、その演算結果である「I×(f/fs)0.25」(I・(f/fs)0.25)が誤算アンプ110bの反転入力端子へ入力される。
【0126】
なお、直列共振形インバータ装置10においては、検波回路110aからの出力電流Iが直接に誤算アンプ110bの反転入力端子へ入力されるとともに、補正回路12により出力電流設定信号v(設定出力電流)を補正係数(fs/f)0.25により補正したv・(fs/f)0.25(フィードバック信号)が誤算アンプ110bの非反転入力端子へ入力されるように構成されている。
【0127】
一方、直列共振形インバータ装置20においては、出力電流設定信号v(設定出力電流)が直接に誤算アンプ110bの非反転入力端子へ入力されるとともに、検波回路110aからの出力電流Iを補正係数(f/fs)0.25により補正したI・(f/fs)0.25(フィードバック信号)が誤算アンプ110bの反転入力端子へ入力されるように構成されている。
【0128】
即ち、直列共振形インバータ装置10と直列共振形インバータ装置20とでは、補正回路により補正する対象が出力電流Iと出力電流設定信号v(設定出力電流)とで逆になっているため、直列共振形インバータ装置10の補正係数が(fs/f)0.25であるのに対して、直列共振形インバータ装置20の補正係数は(f/fs)0.25となる。
【0129】
従って、直列共振形インバータ装置20によれば、直列共振形インバータ装置10と同様に、負荷の条件が変わったとしても一定の出力電力となり、直列共振負荷200に出力される投入電力の電力値を一定値に制御することができる。
【0130】
そして、直列共振形インバータ装置20によれば、図3(a)(b)(c)ならびに図4に示す例において、図3(a)ならびに図4に示すように誘導コイル200aに全ての負荷が投入されている状態(全数負荷時)の周波数を基準周波数fsとして設定すると、
(1)負荷が少なくなるとコイルインダクタンスが大きくなって比較周波数fが下がる、
(2)f/fsは小さくなる、
(3)誤差アンプ110bにおける比較設定電流であるI・(f/fs)0.25は小さくなる、
(4)出力電流を大きくする出力制御がはたらき出力電力はアップする、
(5)コイル電流もアップする、
(6)負荷が少なくなったときの温度低下を防止することができる、
という作用効果が生ずる。
【0131】
(II-2)変形例
【0132】
なお、図8に示す直列共振形インバータ装置20は、出力電流制御回路110cから出力された制御信号をコンバータ部104へ入力して、コンバータ部104から出力される出力電力を可変制御するようにしたが、図9に示す直流共振形インバータ装置20’のように、出力電流制御回路110cから出力された制御信号をインバータ部106へ入力して、制御信号により直接にインバータ部106をフィードバック制御することによって、投入電力が一定となるようにインバータ部106の出力電力を可変制御するようにしてもよい。
【0133】
(IV)その他の実施の形態および変形例の説明
【0134】
なお、上記した実施の形態は例示に過ぎないものであり、本発明は他の種々の形態で実施することができる。即ち、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0135】
例えば、上記した実施の形態は、以下の(IV-1)乃至(IV-7)に示すように変形するようにしてもよい。
【0136】
(IV-1)上記した実施の形態においては、詳細な説明は省略したが、本発明による直列共振形インバータ装置10(10’、20、20’)は、図5に示すように、誘導コイル200aの上や中などを当該誘導コイル200aに対して連続して移動する負荷(例えば、ビレットヒーターにおけるビレットなどである。)に対しても適用することができる。
【0137】
以下において、直列共振形インバータ装置10を例にして、具体的に説明することとする。
【0138】
即ち、直列共振インバータ装置10に適用する場合について説明すると、誘導コイル200aの上や中などを当該誘導コイル200aに対して連続して移動する負荷に対して直列共振インバータ装置10を動作させるには、まず、無負荷時の基準周波数fsを周波数記録部12bにおいて記録しておく。
【0139】
その後に、任意の負荷を連続的に移動して投入することになるが、その際には,例えば、予め定められた時間間隔などにおいて、移動中の負荷のそのときの位置における比較周波数fを周波数カウンタ12aにより計測して取得し、第1演算部12cにおいて補正係数(fs/f)0.25を演算して取得し、第1演算部12cにおいて取得した演算結果である補正係数(fs/f)0.25を第2演算部12dへ出力する。
【0140】
第2演算部12dは、出力電流設定信号v(設定出力電流)に周波数比たる補正係数(fs/f)0.25を掛け算して補正し、その演算結果であるv・(fs/f)0.25を誤差アンプ110bの非反転入力端子へ入力する。
【0141】
誤差アンプ110bの反転入力端子へは、検波回路110aにより検波された出力電流Iを入力することにより、誘導コイル200aの上や中などを連続して移動する負荷に対しても、当該負荷に投入される投入電力が一定となるようにインバータ部106の出力電力を制御することができる。
【0142】
(IV-2)上記した実施の形態においては、詳細な説明は省略したが、本発明における直列共振負荷200における誘導コイル200aは、誘導加熱用の加熱コイルとして用いてよいことは勿論である。
【0143】
誘導加熱用の加熱コイルとして直列共振負荷200における誘導コイル200aを用いることにより、被加熱物(負荷)の数の増減に関わることなしに、被加熱物の温度低下を抑止して被加熱物を加熱することができる。
【0144】
(IV-3)上記した実施の形態においては、詳細な説明は省略したが、本発明における直列共振負荷200における誘導コイル200aは、非接触給電用共振負荷における非接触給電用送電回路の非接触給電用送電コイルとして用いてよいことは勿論である。
【0145】
このように、誘導コイル200aを非接触給電用共振負荷における非接触給電用送電回路の非接触給電用送電コイルとして用いる場合においては、誘導コイル200aにおける負荷は、非接触給電用共振負荷における非接触給電用受電回路の非接触給電用受電コイルとなる。
【0146】
(IV-4)上記した実施の形態においては、詳細な説明は省略したが、本発明による直列共振インバータ装置10(10’、20、20’)については、図10に示すように、ビレットを500を加熱するためのビレットヒーター50のインバータ装置として用いてよい。
【0147】
即ち、ビレットヒーター50のインバータ装置として本発明による直列共振インバータ装置10(10’)を用いると、ビレットヒーター50内を連続して移動するビレット500に対して、投入電力を一定にして加熱制御することができる。
【0148】
また、ビレットヒーター50のインバータ装置として本発明による直列共振インバータ装置20(20’)を用いると、ビレットヒーター50内を連続して移動するビレット500に対して、ワーク1個あたりの投入電力を一定にして加熱制御することができる。
【0149】
(IV-5)上記した実施の形態においては、各構成における具体的な回路構成などは説明を省略したが、各構成に対応する従来より公知の回路構成を用いてよいことは勿論である。
【0150】
(IV-6)上記した実施の形態においては、各構成における具体的な回路定数などの説明を省略したが、各構成に対応する従来より公知の回路定数を用いてよいことは勿論である。
【0151】
(IV-7)上記した各実施の形態ならびに上記した(IV-1)乃至(IV-6)に示す各実施の形態や変形例のそれぞれは、適宜に組み合わせるようにしてもよいことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明は、誘導加熱回路や非接触給電用共振負荷などのような直列共振負荷に接続する電源装置たるインバータ装置に利用することができ、特に、ビレットヒーターなどのインバータ装置に用いると極めて有用である。
【符号の説明】
【0153】
10 直列共振形インバータ装置(インバータ装置)
10’ 直列共振形インバータ装置(インバータ装置)
12 補正回路
12a 周波数カウンタ(比較周波数取得手段)
12b 周波数記録部(基準周波数記憶手段)
12c 第1演算部(補正係数取得手段)
12d 第2演算部(演算手段)
14 投入電力一定モード設定スイッチ
20 直列共振形インバータ装置(インバータ装置)
20’ 直列共振形インバータ装置(インバータ装置)
22 補正回路
22c 第1’演算部(補正係数取得手段)
22d 第2’演算部(演算手段)
50 ビレットヒーター
100 直列共振形インバータ装置
100’ 直列共振形インバータ装置
102 商用交流電源
104 コンバータ部
106 インバータ部
108 電流検出器
110 制御部(制御手段)
110a 検波回路
110b 誤差アンプ(制御手段)
110c 出力電流制御回路(制御手段)
200 直列共振負荷
200a 誘導コイル
200a-1 コイル
200a-2 コイル
200a-3 コイル
200b 抵抗
200c キャパシタ
300a 負荷
300b 負荷
300c 負荷
400a 負荷
400b 負荷
400c 負荷
400d 負荷
500 ビレット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10