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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】高圧相互接続システム
(51)【国際特許分類】
   B61G 5/10 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
B61G5/10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021206596
(22)【出願日】2021-12-21
(62)【分割の表示】P 2020520122の分割
【原出願日】2018-10-09
(65)【公開番号】P2022033999
(43)【公開日】2022-03-02
【審査請求日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】17196391.1
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502165089
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス ユーケー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ヤスキェヴィッチ,ピュートル
(72)【発明者】
【氏名】フィルポッツ,ロバート
【審査官】大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104608776(CN,A)
【文献】実開平06-051045(JP,U)
【文献】特開平08-169334(JP,A)
【文献】特表2020-536787(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0272848(US,A1)
【文献】国際公開第2016/150852(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61G 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対して可動の2つの物体を電気的に相互接続する高圧相互接続システム(47)であって、
可撓ケーブル(25)と、
前記可撓ケーブル(25)の一方の端部(21、23)に電気的に接触する接続構成と、前記可撓ケーブル(25)を摺動可能に保持するように適合されたケーブルホルダ構成(37)を備え、
前記ケーブルホルダ構成(37)は、前記可撓ケーブル(25)に固定された摺動カラー(41)と、案内開口(43)を備える保持部材(81)を備え、
前記保持部材(81)は、前記2つの物体の少なくとも1つに直接設けられており、
前記可撓ケーブル(25)は、前記案内開口(43)を通って延び、前記摺動カラー(41)は、前記保持部材(81)の内部に配置され、
前記保持部材(81)は、互いに対向して配置された2つの側壁(73)と、前記2つの側壁(73)を相互接続する頂壁(75)と、前記頂壁(75)に対向する底壁(77)とによって形成されたケージまたはフレーム状の構造を提供し、前記頂壁(75)と底壁(77)との間の距離(79)は、前記可撓ケーブル(25)が前記頂壁(75)と底壁(77)との間を動くことができるように、前記摺動カラー(41)の直径より大きいことを特徴とする高圧相互接続システム(47)。
【請求項2】
前記互いに対して可動の2つの物体は、2つの列車車両である、
請求項1に記載の高圧相互接続システム(47)。
【請求項3】
前記ケーブルホルダ構成(37)は、前記摺動カラー(41)に摺動可能に接触するすり板(39)を備えている、
請求項1に記載の高圧相互接続システム(47)。
【請求項4】
前記すり板(39)、および/または、前記摺動カラー(41)は、プラスチック材料(45)から作られている、
請求項3に記載の高圧相互接続システム(47)。
【請求項5】
前記保持部材(81)は、プラスチック材料(45)から作られている、
請求項1に記載の高圧相互接続システム(47)。
【請求項6】
前記接続構成(19)のための保護カバー(49)をさらに備えている、
請求項1に記載の高圧相互接続システム(47)。
【請求項7】
前記保持部材(81)は、前記摺動カラー(41)の前記頂壁(75)に対する垂直方向の動きを防止し、前記摺動カラー(41)の前記頂壁(75)に対する水平方向の動きは少なくとも部分的に可能にすることを特徴とする、
請求項に記載の高圧相互接続システム(47)。
【請求項8】
互いに連結された2つの列車車両(1、3)を備えるアセンブリ(5)であって、
可撓ケーブル(25)は、前記列車車両(1、3)間に延び、
少なくとも1つの前記列車車両(1、3)が、前記可撓ケーブル(25)の一方の端部(21、23)に電気的に接触する接続構成(19)を備え、前記接続構成(19)は、
少なくとも1つの前記列車車両(1、3)に固定された接続素子(27)を備え、前記可撓ケーブル(25)が、前記接続構成(19)に電気的に接続され、
前記列車車両(1、3)の少なくとも1つは、前記可撓ケーブル(25)を摺動可能に保持するケーブルホルダ構成(37)を備え、
前記ケーブルホルダ構成(37)は、前記可撓ケーブル(25)に固定された摺動カラー(41)と、案内開口(43)を備える保持部材(81)を備え、
前記保持部材(81)は、前記2つの列車車両(1、3)の少なくとも1つに直接設けられており、
前記可撓ケーブル(25)は、前記案内開口(43)を通って延び、前記摺動カラー(41)は、前記保持部材(81)の内部に配置され、
前記保持部材(81)は、互いに対向して配置された2つの側壁(73)と、前記2つの側壁(73)を相互接続する頂壁(75)と、前記頂壁(75)に対向する底壁(77)とによって形成されたケージまたはフレーム状の構造を提供し、前記頂壁(75)と底壁(77)との間の距離(79)は、前記可撓ケーブル(25)が前記頂壁(75)と底壁(77)との間を動くことができるように、前記摺動カラー(41)の直径より大きいことを特徴とするアセンブリ(5)。
【請求項9】
各前記列車車両(1、3)は、前記1つの接続構成(19)を備え、前記列車車両(1、3)の前記接続構成(19)は、前記可撓ケーブル(25)によって相互接続されている、
請求項に記載のアセンブリ(5)。
【請求項10】
前記可撓ケーブル(25)は、前記接続構成(19)間の領域(11)内で、水平に配置されている、
請求項に記載のアセンブリ(5)。
【請求項11】
前記接続構成(19)は、対向接続素子(29)を備え、前記接続素子(27)および前記対向接続素子(29)は、水平に位置合わせされた差込み方向(31)を有する相補形プラグコネクタとして形成されている、
請求項に記載のアセンブリ(5)。
【請求項12】
前記可撓ケーブル(25)は前記接続構成(19)間の領域(11)内で、湾曲経路に沿って配置されている、
請求項10に記載のアセンブリ(5)。
【請求項13】
前記湾曲経路は、水平平面(35)に沿って延びている、
請求項12に記載のアセンブリ(5)。
【請求項14】
前記ケーブルホルダ構成(37)および前記接続構成(19)は、前記列車車両(1、3)を有する列車の走行方向に直交する横方向(15)に沿って互いに対してずれている、
請求項に記載のアセンブリ(5)。
【請求項15】
前記接続構成(19)は、前記列車車両(1、3)間に配置されている、請求項に記載のアセンブリ(5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに対して可動の2つの物体、特に連結された列車車両を電気的に相互接続する高圧相互接続システムに関する。本発明はさらに、互いに連結された少なくとも2つの列車車両を備えるアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
互いに対して可動の2つの物体、特に連結された列車車両を電気的に相互接続するシステムは、当技術分野で知られている。そのようなシステムは、単なる例として、列車の屋根の上または列車の底部の下に配置され、電源システムまたは電子構成要素などの列車の電気システムを電気的に相互接続する。知られている高圧接続システムは、列車車両上で大きい高圧の屋外ポスト碍子または剛性の高圧終端器を使用し、その上に列車車両を相互接続するケーブルが取り付けられる。そのようなシステムは、いくつかの欠点を有することがある。第1に、これらのシステムは通常、大量の空間を占める。ポスト碍子/終端器は、列車の構成要素から導体を分離するのに十分な大きさである必要がある。さらに、そのようなシステムは、偶発的な接触から保護されていないことが多い。
最後に、特にポスト碍子/終端器を備えるシステムは、2つの物体、特に列車車両が互いに対して動いたときでも電気的接続を提供するために必要とされる可動性を提供するために、複雑な構造を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、上述した問題を克服すること、ならびに電気的接続の安定性および寿命を改善し、最終的に導電部との意図しない接触のリスクを低減させる、組立ておよび/または設置が容易な小型のシステムおよびアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
最初に述べた高圧相互接続システムの場合、この目的は、相互接続システムが、少なくとも1つの可撓ケーブルと、少なくとも1つの可撓ケーブルの一方の端部に電気的に接触する少なくとも1つの接続構成と、少なくとも1つのケーブルを摺動可能に保持するように適合された少なくとも1つのケーブルホルダ構成とを備えていることから解決される。最初に述べたアセンブリの場合、この目的は、少なくとも1つの列車車両が、少なくとも1つの可撓ケーブルの一方の端部に電気的に接触する少なくとも1つの接続構成を備え、少なくとも1つの接続構成は、対応する列車車両に固定された少なくとも1つの接続素子を備え、少なくとも1つの可撓ケーブルが、少なくとも1つの接続構成に電気的に接続され、少なくとも他方の列車車両の方へ延びていることから達成される。
【0005】
可撓ケーブルは、電気的接続が保証されるように、2つの物体、特に連結された列車車両の動きに追従することが可能な導体を提供する。接続構成は、少なくとも1つの可撓ケーブルを列車、特に列車の電気システムに容易に接続することを可能にする。少なくとも1つのケーブルホルダは、少なくとも1つの可撓ケーブルを摺動可能に保持することが可能であり、したがってケーブルが少なくとも特定の範囲内を動くことを可能にする。この可動性は、物体が互いに対して動いている間に可撓ケーブルの変形を平衡させることが有益である。本発明による接続構成は、好ましくは、物体、特に列車車両に固定することができる少なくとも1つの接続素子を備える。この接続素子には、対向接続素子を連結することができ、対向接続素子は、可撓ケーブルの一方の端部に固定することができる。
特に、少なくとも1つの接続構成の少なくとも1つの接続素子および少なくとも1つの対向接続素子は、プラグ接続をともに形成することができる。本発明による高圧相互接続システムは、システムを設置すべき物体、特に列車車両に依存しうる様々な要件に容易に適合させることができる多用途のシステムを形成する。少なくとも1つの接続構成を使用することによって、ポスト碍子または剛性高圧ケーブル終端器を省略することができ、したがってシステムの安全性および小型さが改善される。
【0006】
以下、本発明のさらなる改善形態について説明する。これらの追加の改善形態は、特有の応用例において特定の改善形態の特定の利点が必要とされるかに応じて、互いに独立して組み合わせることができる。高圧相互接続システムに関する改善形態は、本発明によるアセンブリにも直接適用することができ、逆も同様である。
【0007】
少なくとも1つの接続構成には、少なくとも2つのブッシングを備える接続素子を設けることができる。前記ブッシングは、特に対向接続素子によって可撓ケーブルの少なくとも一方の端部に形成することができるコネクタを受け取るように適合させることができる。
【0008】
接続素子の少なくとも2つのブッシングは、好ましくは、接続素子が全体的にU字形を有するように互いに平行に配置され、少なくとも2つのブッシングは、U字形の脚部を形成する。接続素子の他の有益な配置は、2つのブッシング間に90度の角度でまたは直列構成(inline arrangement)で配置された2つのブッシングを提供することができ、2つのブッシングは、互いに平行に配置されるが、反対の方向に延びる。各ブッシングは、対向接続素子とのプラグ接続のために差込み方向を画定することができる。好ましくは、差込み方向は、列車車両の屋根の平面に平行になるように水平に配置される。
【0009】
少なくとも1つの対向接続素子は、T字形の全体的な形状を有することができ、したがって差込み方向は、少なくとも対向接続素子の近傍で、ケーブルによって画定されたケーブル方向に基本的に直交している。
【0010】
2つのブッシングを備えた単一の接続素子によって3つ以上のケーブルを相互接続するために、対向接続素子は、相互接続可能に形成することができる。これらの対向接続素子は、2つの対向接続素子を連結して接続アセンブリを形成することができるという点で、上述した実施形態とは異なることができる。特に、これらの対向接続素子は、遮蔽された分離可能な連結コネクタとすることができる。2つの対向接続素子によって形成されたそのような接続アセンブリは、接続素子の単一のブッシングに接続することができる。そのような接続アセンブリは、任意の数のブッシングを備えた接続素子とともに使用することができることに留意されたい。
【0011】
簡単で小型のケーブルホルダ構成を形成するために、前記構成は、少なくとも1つの可撓ケーブルを少なくとも部分的に受け取るための少なくとも1つの案内開口を備える少なくとも1つの保持部材を備えることができる。言い換えれば、少なくとも1つの保持部材は、少なくとも1つの可撓ケーブルを少なくとも部分的に取り囲むことができる。少なくとも1つの可撓ケーブルは、少なくともケーブル方向に沿って摺動可能になるように、少なくとも1つの案内開口を通って延びる。好ましくは、少なくとも1つの可撓ケーブルはまた、ケーブル方向に直交して少なくとも部分的に可動である。より好ましくは、少なくとも1つの可撓ケーブルは、垂直方向の動きは防止されるが水平方向の動きは少なくとも部分的に可能になるように、少なくとも1つの保持部材によって保持される。
【0012】
少なくとも1つのケーブルホルダ構成内で少なくとも1つの可撓ケーブルの可動性を改善し、少なくとも1つの可撓ケーブルを他の部分に沿った摺動によって誘起される損傷から保護するために、少なくとも1つのケーブルホルダ構成は、好ましくは、可撓ケーブルに固定された少なくとも1つの摺動カラーを備えている。特に、少なくとも1つの摺動カラーは、可撓ケーブルの周りに延びるブッシングまたはリングの全体的な形状を有することができる。ケーブルホルダ構成が少なくとも1つの保持部材を備える場合、少なくとも1つの摺動カラーは、好ましくは、摺動カラーが保持部材の少なくとも1つの案内開口内で動くように、ケーブルに固定される。少なくとも1つのケーブルホルダ構成はまた、好ましくは、少なくとも1つの摺動カラーの領域内で屋根に固定された少なくとも1つのすり板を備えている。
【0013】
少なくとも1つの保持部材、少なくとも1つのすり板、および/または少なくとも1つの摺動カラーは、好ましくは、低摩擦プラスチック材料、特に硬質プラスチック材料から作られている。それによって、「硬質」という用語は、少なくとも典型的なゴム材料より硬い材料を指す。プラスチック材料は、特に、熱可塑性材料とすることができ、したがって射出成形によって要素を形成することができる。プラスチック材料、特に硬質プラスチック材料を使用することで、対応する要素の寿命を増大させることができ、同時に要素間の摩擦を低減させ、それによって動きを容易にすることができる。
【0014】
少なくとも1つの接続構成は、特に指もしくは工具または飛行物体による意図しない接触が防止されるように、少なくとも1つの接続構成を覆う少なくとも1つの保護カバー内に収容することができる。少なくとも1つの保護カバーは、好ましくは、少なくとも1つ、より好ましくは少なくとも2つの可撓ケーブルに対して、貫通孔を備える。少なくとも1つの保護カバーは、特に、2つの列車車両間に固定されるように、特に列車車両のうちの1つの壁に固定されるように適合させることができ、または列車車両の屋根に固定されるように適合させることができる。
【0015】
少なくとも1つの可撓ケーブルは、好ましくは、高圧が流れる中心の可撓導体を備え、可撓導体を円周方向に取り囲む絶縁層と、接地電位に接続された絶縁の上の導電遮蔽層と、最後に外側の保護絶縁ジャケットとを有し、この絶縁方法は、放電を生じさせることなく、高圧ケーブルが車両本体および他の接地された物体に密接に接触することを可能にする。少なくとも1つの接続構成はまた、好ましくは絶縁手段を備え、この絶縁手段は、少なくとも、少なくとも1つの対向接続素子が少なくとも1つの接続素子に接続されているとき、放電を生じさせることなく、高圧接続構成が車両本体および他の接地された物体に密接に接触することができるように、接地された電気遮蔽カバーを含む。
【0016】
本発明によるアセンブリは、列車車両の少なくとも1つが少なくとも1つの可撓ケーブルを摺動可能に保持する少なくとも1つのケーブルホルダを備えていることから、さらに改善することができる。
【0017】
「列車車両」という用語は、互いに連結することができる客車、貨車、機関車、または他の車両を指すことができることに留意されたい。当然ながら、「列車車両」という用語はまた、一種の列車をともに形成するトラックおよびトレイラーを指すこともできる。
【0018】
本発明によるアセンブリは、特に、上述した本発明による少なくとも1つの高圧相互接続システムを備えることができる。
【0019】
各列車車両は、少なくとも1つの接続構成を備えることができ、列車車両の接続構成は、少なくとも1つの可撓ケーブルによって相互接続される。したがって、少なくとも1つの可撓ケーブルは、列車車両、特に列車車両の高圧電気システムを電気的に相互接続することができる。
【0020】
接続構成は、たとえば、列車車両の屋根の上、列車車両の屋根の下、または列車車両の底部の下に配置することができる。各列車車両に少なくとも1つの接続構成を備えるアセンブリは、好ましくは、同様に各列車車両に少なくとも1つのケーブルホルダ構成を備え、少なくとも1つの可撓ケーブルは、両方のケーブルホルダを通って延び、したがって可撓ケーブルは、両方の列車車両に摺動可能に保持される。
【0021】
小型の配置を提供するために、少なくとも1つの可撓ケーブルは、好ましくは、少なくとも、少なくとも2つの接続構成間の領域内で、基本的に水平に配置されている。基本的に水平の配置は、重力によるわずかなずれを許容にすることができる。たとえば、少なくとも1つの可撓ケーブルが可撓ケーブルの外径の約1~3倍たるむことを許容することができる。
【0022】
特に、列車車両のそれぞれが少なくとも1つの接続構成を備える前述したアセンブリは、基本的に水平に位置合わせされた差込み方向を有する相補形プラグコネクタとして形成された少なくとも1つの接続素子および少なくとも1つの対向接続素子を備えている少なくとも1つの接続構成を備えることができる。その結果、アセンブリの相互接続システムは基本的に、水平平面に沿って配置され、それによって垂直方向の空間を節約し、これは特に地下または2階建ての列車にとって有利である。
【0023】
好ましくは、少なくとも1つの可撓ケーブルは、少なくとも、少なくとも2つの接続構成間の領域内で、湾曲経路に沿って配置され、湾曲経路は、基本的に水平平面に沿って延びている。湾曲経路は、少なくとも2つの列車車両が互いに対して動くとき、少なくとも1つのケーブルの柔軟な動きを容易にすることができる。水平平面に沿った配置は、前述した構成要素の全体的に水平の配置を維持し、それによって少なくとも垂直方向においてシステムに必要とされる空間を低減させることが有利である。特に、湾曲経路は、可撓ケーブルの1つの屈曲部を形成することができ、したがって可撓ケーブルは、水平方向に直交して見ると全体的にU字形を有する。
【0024】
湾曲経路はまた、可撓ケーブルが全体的にS字形を有する2つの屈曲部、またはケーブルがU字形の全体的な形状を有し、脚部が2つの接続構成の方へ屈曲している3つの屈曲部を備えることができる。
【0025】
特に可撓ケーブルが湾曲経路に沿って配置されているとき、少なくとも1つの可撓ケーブルの可動性を提供するために、少なくとも1つのケーブルホルダ構成および少なくとも1つの接続構成は、列車車両の走行方向に直交する横方向に沿って互いに対してずれることができる。前記走行方向は、列車車両の連結方向、または言い換えれば列車およびアセンブリの長手方向と基本的に同一である。
【0026】
別の有利な改善形態によれば、少なくとも1つの接続構成は、少なくとも2つの列車車両間に配置することができる。少なくとも1つの接続構成から、少なくとも1つの可撓ケーブルが、各列車車両の屋根の上へ延びることができる。そのような接続構成は、好ましくは、意図しない接触から接続構成を保護する少なくとも1つの保護カバーを備える。
【0027】
さらに有利な実施形態によれば、2つの隣接する列車車両間に少なくとも2つの接続構成を設けることができ、各接続構成は、列車車両の1つに配置される。特に、各接続構成は、対応する列車車両の壁に固定することができ、両列車車両の壁は、互いに対向して配置される。このとき接続構成はそれぞれ、好ましくは、接続構成から対応する列車車両の屋根へ延びる可撓ケーブルを備える。さらに、両接続構成は、少なくとも1つのさらなる可撓ケーブルによって相互接続される。
【0028】
以下、本発明およびその改善形態について、例示的な実施形態を使用し、図面を参照してより詳細に説明する。上述したように、これらの実施形態に示す様々な特徴は、特有の応用例で互いに独立して使用することができる。
【0029】
以下の図で、同じ機能および/または同じ構造を有する要素は、同じ参照符号で参照される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明によるアセンブリで使用される本発明による高圧相互接続システムの好ましい実施形態を示す図である。
図2】本発明によるアセンブリで使用される本発明による高圧相互接続システムの好ましい実施形態を示す図である。
図3】本発明によるアセンブリで使用される本発明による高圧相互接続システムの好ましい実施形態を示す図である。
図4】本発明によるアセンブリで使用される本発明による高圧相互接続システムの好ましい実施形態を示す図である。
図5】本発明によるアセンブリで使用される本発明による高圧相互接続システムの好ましい実施形態を示す図である。
図6】本発明によるアセンブリで使用される本発明による高圧相互接続システムの好ましい実施形態を示す図である。
図7】本発明によるアセンブリで使用される本発明による高圧相互接続システムの好ましい実施形態を示す図である。
図8】本発明によるアセンブリで使用される本発明による高圧相互接続システムの好ましい実施形態を示す図である。
図9】本発明によるアセンブリのさらに有利な実施形態を示す図である。
図10】本発明によるアセンブリのさらに有利な実施形態を示す図である。
図11】本発明による接続素子の好ましい実施形態および詳細を示す図である。
図12】本発明による接続素子の好ましい実施形態および詳細を示す図である。
図13】本発明による接続素子の好ましい実施形態および詳細を示す図である。
図14】本発明による接続素子の好ましい実施形態および詳細を示す図である。
図15】本発明による接続素子の好ましい実施形態および詳細を示す図である。
図16】本発明による接続素子の好ましい実施形態および詳細を示す図である。
図17】本発明によるケーブルホルダ構成の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明による高圧相互接続システムを備えた本発明によるアセンブリの第1の好ましい実施形態について、図1に関して説明する。
【0032】
図1は、互いに隣接して配置されて互いに連結された2つの列車車両1および3を部分的に示す。列車車両1および3は、本発明によるアセンブリ5の一部である。列車1および3は特に、1つの列車の一部とすることができる。
【0033】
図1は、列車車両1および3の屋根7および9の上面図を示す。列車車両1および3間には領域11が形成され、領域11内では、列車車両1および3の少なくともいくつかの部分は、互いに隔置される。列車車両1および3は、長手方向13に沿って互いに連結されており、長手方向13は、列車の走行方向と概して同一であり、したがって列車が動く線路の方向に平行である。横方向15が、長手方向13に直交して延びる。長手方向13および横方向15はどちらも、図1に陰影によってのみ示されている水平平面35に平行である。垂直方向17は、長手方向13および横方向15に直交して配置され、したがって図1で使用される視野軸に平行である。
【0034】
各列車車両1および3は、接続構成19を備える。各接続構成19は、可撓ケーブル25の端部21および23のうちの1つに接続される。それによって、接続構成19は、可撓ケーブル25を介して電気的に相互接続される。各接続構成19は、接続素子27および少なくとも1つの対向接続素子29を備える。対向接続素子29は、特に、遮蔽された分離可能なコネクタとすることができる。接続素子27は、列車車両1および3の屋根7および9に固定され、対向接続素子29は、可撓ケーブル25の対応する端部21および23に固定されて電気的に接触される。
【0035】
接続素子27は、対向接続素子29に相補形に形成されたブッシングを備え、したがって接続素子27および対向接続素子29を互いに差込み可能に接続することができる。ブッシングについては、図11図16に関して後に説明する。第1の実施形態の接続素子27は、U字形を提供し、したがって2つの対向接続素子29を1つの接続素子27に接続することができる。第1の実施形態では、ブッシングの差込み方向31は横方向15に平行に延びる。対向接続素子29はT字形のコネクタとして形成され、対向接続素子29の端部33は、接続素子27のブッシングに相補形に形成される。
【0036】
可撓ケーブル25、接続素子27、および対向接続素子29は、外側から絶縁されており、接地電位に接続された外側導電層を有し、したがってこれらの要素のいずれかとの意図しない接触は、必ずしも高圧導電部との接触をもたらさない。接続素子27との対向接続素子29の位置を固定するために、対向接続素子29は、ブッシング内のめねじに係合することができるねじまたはボルトによって固定することができる。
【0037】
可撓ケーブル25は、列車車両1の接続構成19から他方の列車車両3の接続構成19へ、湾曲経路に沿って延びる。可撓ケーブル25の湾曲経路は基本的に、長手方向13および横方向15に直交する水平平面35に沿って延びる。湾曲経路は、可撓ケーブル25が列車車両1および3の互いに対する動きに反応することを可能にする。たとえばアセンブリ5が湾曲線路に沿って動かされたとき、列車車両1および3が動くと、可撓ケーブル25は長手方向13に沿って圧縮または復元される。次いで可撓ケーブル25は、湾曲経路により、横方向15に沿って動くことによって反応する。
【0038】
少なくとも横方向15および長手方向13に沿って可撓ケーブル25の動きを可能にするために、アセンブリ5は、2つのケーブルホルダ構成37をさらに備える。各ケーブルホルダ構成37は、対応する列車車両1または3、特に屋根7または9に固定されたすり板39と、すり板39の領域内で可撓ケーブル25に固定された摺動カラー41とを備える。可撓ケーブル25は、保持部材81内で、少なくとも部分的に水平平面35に平行に可動であるのに対して、垂直方向17の動きは防止される。それによって、可撓ケーブル25を摺動可能に保持することができる。
【0039】
摺動カラー41は、可撓ケーブル25とすり板39との間の摩擦を低減させ、同時に可撓ケーブル25を摩擦力による損傷から保護する。保持部材81はそれぞれ、案内開口43を備え、案内開口43は、好ましくは、保持部材81を通って長手方向13に沿って延び、長手方向13および横方向15に沿って空間を開いている。摺動カラー41および/またはすり板39は、好ましくはどちらも、硬質プラスチック材料45、たとえば熱可塑性材料から作られる。
【0040】
可撓ケーブル25の湾曲経路を事前に画定するために、各列車車両1および3のケーブルホルダ構成37および対応する接続構成19は、横方向15に沿って互いに対してずれている。
【0041】
可撓ケーブル25、接続構成19、およびケーブルホルダ構成37は、本発明による高圧相互接続システム47をともに形成する。
【0042】
以下、本発明によるアセンブリ5および/または高圧相互接続システム47のさらなる実施形態について説明する。それによって、簡潔にするために、上述した実施形態との違いについてのみ、詳細に説明する。
【0043】
図2に、高圧相互接続システム47を有するアセンブリ5の別の好ましい実施形態を示す。第2の実施形態は、接続構成19がU字形のブッシングではなく直列構成を備えるという点で、第1の前述した実施形態とは異なる。したがって、2つの対向接続素子29を接続するように適合された各接続構成19は、互いに平行であるが反対の差込み方向31に配置されたブッシングを備える。またこの実施形態は、少なくとも接続構成19の好ましい水平の配置を可能にする。
【0044】
図3に、高圧相互接続システム47およびアセンブリ5が示されており、接続構成19は、90°の接続を形成するように適合されている。したがって、接続素子27のブッシングが互いに対して90°の角度で配置されるため、1つの接続構成19の差込み方向31は互いに直交する。この第3の実施形態における可撓ケーブル25の湾曲経路は、基本的にU字形の形状に似ている。それによって、可撓ケーブル25は、少なくともその端部21および23で、横方向15に平行に配置される。
【0045】
図4に示す第4の実施形態は、接続構成19が4方向コネクタを提供するという点で、図1に示す第1の実施形態とは異なる。接続構成19は、接続素子27を備え、接続素子27はそれぞれ、4つの対向接続素子29を接続するための4つのブッシングを備える。それによって、第1の実施形態と同様に、2つの対向接続素子29を互いに隣接して配置することができ、第2の実施形態と同様に、2つの追加の対向接続素子29を互いに対向して配置することができる。または言い換えれば、各接続構成19が、第3の実施形態の2つの90°の配置の形状に似ており、これらが互いに接続されて、4方向コネクタを形成する。
【0046】
高圧相互接続システム47およびアセンブリ5の第5の実施形態が、図5に示されている。第5の実施形態の場合、接続構成19は、差込み方向31(図示せず)が垂直方向17に平行になるように、列車車両1および3の屋根7および9に水平ではなく垂直に固定することができる接続素子27を備えることを除いて、図1に関して説明した第1の実施形態の場合に類似の構成要素が使用される。接続素子27はU字形を有し、U字形の脚部は、垂直方向17に平行に、列車車両1または3の対応する屋根7または9から離れる方へ延びる。
【0047】
たとえば図1に関して説明した実施形態で使用されるU字形のブッシングを備える単一の接続構成19によって、3つ以上のケーブル25を相互接続するために、対向接続素子29は、相互接続可能に形成することができる。そのような実施形態が、図6に示されている。接続素子27は、図1に関して説明した第1の実施形態で使用されている接続素子に類似のものとすることができる。しかし、対向接続素子29は、2つの対向接続素子29を連結して接続アセンブリ30を形成することができるという点で、上述した実施形態とは異なることができる。特に、これらの対向接続素子29は、遮蔽された分離可能な連結コネクタとすることができる。
【0048】
2つの対向接続素子29によって形成されるそのような接続アセンブリ30は、接続素子27の単一のブッシングに接続することができる。図6の実施形態では、接続構成19はそれぞれ、1つの接続アセンブリ30を備え、したがって各接続構成19が、3つのケーブル25を互いに相互接続するために使用される。しかし、4つのケーブル25を互いに電気的に相互接続することができるように、各接続構成19が2つの接続アセンブリ30を備えることも可能である。
【0049】
上述した接続アセンブリ30は、アセンブリ5およびシステム47のすべての実施形態と組み合わせることができることに留意されたい。
【0050】
図7に、本発明による高圧相互接続システム47を有するアセンブリ5の別の実施形態が示されている。より見やすいように、図7は、横方向15に平行な側面図を示す。ここで、高圧相互接続システム47は、2つの列車車両1および3間に、または言い換えれば領域11内に配置された1つの接続構成19を備える。接続構成19の接続素子27は、接続構成19のブッシングが長手方向13に平行に延びるように、列車車両1に固定される。
【0051】
接続素子27は、2つの対向接続素子29に接続することができる。それによって、一方の対向接続素子29は、接続構成19から列車車両1の屋根7へ垂直に延びる可撓ケーブル25に接続される。第2の対向接続素子29は、接続構成19から離れて対向する列車車両3の屋根9へ垂直に延びる可撓ケーブル25に接続される。前記可撓ケーブル25は、列車車両3の屋根9上のケーブルホルダ構成37を通って延びる。
【0052】
図8に、高圧相互接続システム47を有するアセンブリ5の第8の実施形態が示されている。第8の実施形態は、接続構成19が保護カバー49内に収容されているという点で、上述した第7の実施形態とは異なる。保護カバー49は、好ましくは、対向接続素子29が接続素子27に接続されているとき、接続素子27および対向接続素子29を収容する。
【0053】
保護カバー49は、保護カバー49の壁53を通って可撓ケーブル25を送り出す貫通孔51を備えることができる。破片または水が貫通孔51を通って保護カバー49に入るのを防止するために、保護カバー49は、封止構成54をさらに備え、封止構成54は、可撓ケーブル25を取り囲むことができ、貫通孔51の領域内で可撓ケーブル25と壁53との間の間隙を閉じる。
【0054】
本発明によるアセンブリ5のさらなる実施形態が図9に示されており、図7および図8と同様に、視野軸は横方向15に平行である。
【0055】
図9に示す実施形態は、2つの接続構成19が2つの列車車両1および3間の領域11内に配置されるという点で、図7および図8に関して説明した実施形態とは異なる。それによって、列車車両1および3のそれぞれに1つの接続構成19が配置される。
【0056】
どちらの接続構成19も、接続素子27によって列車車両1および3のうちの1つに固定され、それによって互いに対向して、垂直方向17に沿って互いにずれて配置される。各接続構成19が、2つの対向接続素子29を接続するための2つのブッシングを備える。それによって、各接続構成19は、対応する列車車両1または3の屋根7または9のその接続構成19から延びる可撓ケーブル25に接続された対向接続素子29を備える。
【0057】
列車に沿って電気的接続を確立するために、または言い換えれば、2つの列車車両1および3を電気的に相互接続するために、2つの接続構成19は、各端部に対向接続素子29を備える可撓ケーブル25を介して相互接続される。2つの列車車両1および3が互いに対して動くとき、両接続構成19を相互接続する可撓ケーブル25のみが変形する。したがって、対応する列車車両1および3の屋根7および9まで直接延びる他の2つの可撓ケーブル25は変形しない。したがって、ケーブルホルダ構成37を省略することができる。
【0058】
本発明によるアセンブリ5のさらなる実施形態が、図10に示されている。この実施形態は、2つの接続構成19が長手方向13に沿って互いに対向して配置され、したがって両接続構成19を相互接続する可撓ケーブル25が両列車車両1および3間にU字形に沿って延びるという点で、図9に関して説明した実施形態とは異なる。
【0059】
以下、図1図10に関して上記で論じた実施形態で使用される接続素子27について、図11図16に関してより詳細に説明する。
【0060】
図11に、図5図10に関して説明した実施形態の接続構成19内で使用することができる接続素子27が示されている。接続素子27はベース55を備えており、2つのブッシング57が、ベース55から離れる方へ延びる。各ブッシング57がベース55から延びる方向は、対向接続素子29(ここでは図示せず)をブッシング57に接続することができる差込み方向31を画定する。
【0061】
ベース55は、ベース55を通って延びる取付け開口59を備えており、取付け開口59を使用して、接続素子27を列車車両の屋根または壁などの物体に取り付けることができる。たとえば、接続素子27を物体に固定するために、ねじまたはボルトなどの取付け要素を取付け開口59に挿入することができる。図11に示す実施形態では、取付け開口59は、差込み方向31に平行にベース55を通って延びる。したがって、図5に関して説明したシステム47の実施形態と同様に、そのような接続素子が屋根に固定された場合、差込み方向は垂直に延びる。
【0062】
接続素子27は、基本的に接続素子27内の導電素子63を取り囲む絶縁ケーシング61を備える。絶縁ケーシング61内に導電素子63が配置され、導電素子63には対向接続素子29の導電対向部を電気的に接続することができる。好ましくは、ブッシング57は、前記素子29が接続素子27のブッシング57に接続されているとき、対向接続素子29、すなわち対応する可撓ケーブル25を互いに電気的に相互接続するように適合される。
【0063】
図12に、接続素子27の別の実施形態が示されており、この実施形態は、取付け開口59がベース55を通って差込み方向31に直交して延びるという点で、上述した実施形態とは異なる。そのような実施形態は、図1に関して説明した高圧相互接続システム47内で使用することができる。そのような接続素子27が列車の屋根に取り付けられた場合、ブッシング57の差込み方向31は、基本的に水平に延び、したがって小型の配置を可能にする。
【0064】
図11および図12に関して説明した接続素子27内で使用される導電素子63が、図13に示されている。導電素子63は、導電性材料、好ましくは銅を主として含有する材料から作られる。導電素子63は、U字形の全体的な形状を有する。それによって、U字形の2つの脚部65が、底部67から互いに平行に延びる。底部67は、脚部65の長手方向に直交して延びる。脚部65の自由端69は、脚部65の長手方向に平行に脚部65内へ延びる止まり穴71を備える。止まり穴71は、めねじ付である。
【0065】
導電素子63が絶縁ケーシング61内に配置されたとき、脚部65はブッシング57の一部になり、底部67は接続素子27のベース55の一部を形成する。自由端69の部分は、対向接続素子29の導電部との電気的接続を確立するために、接続素子27の外側からアクセス可能とすることができる。めねじ付の止まり穴71は、ボルトまたはねじによって対向接続素子29の位置を固定するために使用することができる。
【0066】
以下、接続素子27のさらに好ましい実施形態について、図14図16に関して説明する。それによって、簡潔にするために、図11および図12に関して説明した実施形態と比較した違いについてのみ、詳細に論じる。接続素子27はそれぞれ、好ましくは、図13に関して説明したものと基本的に類似の構造を有する導電素子63を備えるが、ブッシングの配置が異なることにより脚部の方向が異なり、またブッシングの量が異なることにより脚部の数も異なることがあることにさらに留意されたい。
【0067】
図14に、たとえば図2に関して説明した一列の配置に使用することができる接続素子27が示されている。2つのブッシング57が、互いに離れる方へ平行であるが反対の方向に、反対に向けられた差込み方向31に一列に延びる。ベース55は、両ブッシング57間に配置されており、差込み方向31に直交して延びる取付け開口59を備える。
【0068】
図15に示す接続素子27の実施形態は、4つの対向接続素子29を接続するために使用することができる。したがって、この実施形態は、4つのブッシング57を備える。ブッシング57の配置は基本的に、図12および図14に関して説明した実施形態の組合せに追従する。したがって、2つのブッシング57が、ベース55から離れる方へ互いに隣接して延びるのに対して、2つのさらなるブッシング57は、上述したブッシング57に直交して、互いに平行であるが反対の方向に延び、それによって一列の配置を形成する。ベース55は、ブッシング57の差込み方向31に直交して延びる取付け開口59を備える。そのような実施形態は、図4に関して説明したシステム47内で使用することができる。
【0069】
最後に、図16に示す接続素子27の実施形態は、90°の配置を形成するように互いに直交して配置された2つのブッシング57を備える。ベース55は、ベース55を通ってブッシング57の差込み方向31に直交して延びる取付け開口59を備える。接続素子27のこの実施形態は、図3に関して説明したシステム47内で使用することができる。
【0070】
以下、図1図8に関して説明したアセンブリ5および高圧相互接続システム47の実施形態で使用されるケーブルホルダ構成37について、図17に関して説明する。ケーブルホルダ構成37は、可撓ケーブル25に固定された摺動カラー41を備える。摺動カラー41を有する可撓ケーブル25は、保持部材81の案内開口43を通って延び、したがって摺動カラー41は、保持部材81内に配置される。
【0071】
保持部材81は、互いに対向して配置された2つの側壁73および2つの側壁73を相互接続する頂壁75によって形成されたケージまたはフレーム状の構造を提供する。すり板39が、構成37の底壁77を形成する。側壁73、すり板39、および頂壁75は、トンネル状の案内開口43を取り囲む。
【0072】
頂壁75とすり板39の頂部との間の距離79は、好ましくは、摺動カラー41を有する可撓ケーブル25が壁73および75とすり板39との間で動くことを可能にするように、摺動カラー41の直径より大きい。ケーブルホルダ構成37は、可撓ケーブル25が頂壁75に直交ではなく頂壁75に平行に動くことを可能にする。それによって、可撓ケーブル25は、ケーブルホルダ構成37によって摺動可能に保持される。
【符号の説明】
【0073】
1 列車車両
3 列車車両
5 アセンブリ
7 屋根
9 屋根
11 領域
13 長手方向
15 横方向
17 垂直方向
19 接続構成
21 端部
23 端部
25 可撓ケーブル
27 接続素子
29 対向接続素子
30 接続アセンブリ
31 差込み方向
33 端部
35 水平平面
37 ケーブルホルダ構成
39 すり板
41 摺動カラー
43 案内開口
45 プラスチック材料
47 高圧相互接続システム
49 保護カバー
51 貫通孔
53 壁
54 封止構成
55 ベース
57 ブッシング
59 取付け開口
61 絶縁ケーシング
63 導電素子
65 脚部
67 底部
69 自由端
71 止まり穴
73 側壁
75 頂壁
77 底壁
79 距離
81 保持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17