(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】電話センサを使用してカードの位置決めを案内するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/73 20170101AFI20230920BHJP
G06K 7/015 20060101ALI20230920BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20230920BHJP
G06V 10/70 20220101ALI20230920BHJP
【FI】
G06T7/73
G06K7/015
G06K7/10 148
G06V10/70
(21)【出願番号】P 2022500707
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(86)【国際出願番号】 US2020041628
(87)【国際公開番号】W WO2021011384
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-01-06
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519111877
【氏名又は名称】キャピタル・ワン・サービシーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Capital One Services, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100210701
【氏名又は名称】萩原 義則
(72)【発明者】
【氏名】ルール,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】イリンチック,ライコ
(72)【発明者】
【氏名】ハート,コリン
(72)【発明者】
【氏名】ヘリントン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】オズボーン,ケビン
【審査官】藤原 敬利
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/016203(WO,A1)
【文献】特開2016-143982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00 - 7/14
G06T 1/00 - 1/40
G06T 3/00 - 7/90
G06V 10/00 -20/90
G06V 30/418
G06V 40/16 、40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
短距離通信のための非接触カードを位置合わせさせる方法であって、
コンピューティングデバイスで、非接触カードを前記
コンピューティングデバイスと通信可能に結合するためのプロンプトを生成することと、
前記
コンピューティングデバイスの近接センサが、前記非接触カードが前記
コンピューティングデバイスに近接していることを検出することと、
前記
コンピューティングデバイスのカメラが、前記非接触カードが前記
コンピューティングデバイスに近づくと、一連の画像をキャプチャすることと、
前記非接触カードが前記
コンピューティングデバイスに近づくときに、前記一連の画像を処理して前記非接触カードの位置および軌道を決定
し、前記コンピューティングデバイスに対する前記非接触カードの投影位置を予測することであって、前記一連の画像を処理して前記非接触カードの前記位置および前記軌道を決定することは、一連の画像を処理して前記非接触カードの1つまたは複数の特徴を検出し、前記検出された1つまたは複数の特徴に応答して、前記非接触カードの前記位置および前記軌道を識別するようにトレーニングされた特徴抽出機械学習モデルに前記一連の画像を転送することを含む、ことと、
前記一連の画像に基づいて、前記非接触カードが前記
コンピューティングデバイスに対して目標位置にあることを検出することと、
前記
コンピューティングデバイスのインターフェースをトリガして前記非接触カードとの短距離通信を実行することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記一連の画像をキャプチャすることは、前記
コンピューティングデバイスの前記カメラ、前記
コンピューティングデバイスの赤外線センサ、または前記
コンピューティングデバイスのドットプロジェクタのうちの1つまたは複数によって実行され、前記一連の画像は、前記
コンピューティングデバイスで測定された赤外線エネルギおよび可視光エネルギのうちの1つまたは複数に関連する2次元画像情報および3次元画像情報の1つまたは両方を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記非接触カードを配置するという過去の試みに基づいて、前記一連の画像を、前記位置および前記軌道を予測するようにトレーニングされた第2の機械学習モデルに転送することを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の機械学習モデルのトレーニングに使用された前記過去の試みは、前記
コンピューティングデバイスのユーザに合わせてカスタマイズされる、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記プロンプトは、可視プロンプト、可聴プロンプト、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
プロセッサ回路と、
前記プロセッサ回路に結合されたメモリと、を備えるコンピューティングデバイスであって、前記メモリは、命令を格納するように構成されており、前記命令は、前記プロセッサ回路によって実行されると、前記プロセッサ回路に、
非接触カードを前記コンピューティングデバイスと通信可能に結合するためのプロンプトを生成することと、
近接センサを介して、前記非接触カードが前記コンピューティングデバイスに近接していることを検出することと、
カメラが、前記非接触カードが前記コンピューティングデバイスに近づくときに、一連の画像をキャプチャすることと、
前記非接触カードが前記コンピューティングデバイスに近づくときに、前記一連の画像を処理して前記非接触カードの位置および軌道を決定
し、前記コンピューティングデバイスに対する前記非接触カードの投影位置を予測することであって、前記一連の画像を処理して前記非接触カードの前記位置および前記軌道を決定することは、一連の画像を処理して前記非接触カードの1つまたは複数の特徴を検出し、前記検出された1つまたは複数の特徴に応答して、前記非接触カードの前記位置および前記軌道を識別するようにトレーニングされた特徴抽出機械学習モデルに前記一連の画像を転送することを含む、ことと、
前記一連の画像に基づいて、前記非接触カードが前記コンピューティングデバイスに対して目標位置にあることを検出することと、
前記
コンピューティングデバイスのインターフェースをトリガして、前記非接触カードとの短距離通信を実行することと、
を実行させる、コンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記一連の画像をキャプチャすることは、前記コンピューティングデバイスのカメラ、前記コンピューティングデバイスの赤外線センサ、または前記コンピューティングデバイスのドットプロジェクタのうちの1つまたは複数によって実行され、前記一連の画像は、前記コンピューティングデバイスで測定された赤外線エネルギおよび可視光エネルギのうちの1つまたは複数に関連する2次元画像情報および3次元画像情報の一方または両方を備える、請求項
6に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項8】
前記プロセッサ回路は、前記非接触カードを配置するという過去の試みに基づいて、前記一連の画像を、前記位置および前記軌道を予測するようにトレーニングされた第2の機械学習モデルに転送する、請求項
6に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項9】
前記第2の機械学習モデルのトレーニングに使用された前記過去の試みは、前記コンピューティングデバイスのユーザに合わせてカスタマイズされる、請求項
8に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項10】
前記プロンプトは、可視プロンプト、可聴プロンプト、またはそれらの組み合わせを含む、請求項
6に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項11】
命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、処理回路によって実行されると、前記処理回路に、
非接触カードをコンピューティングデバイスと通信可能に結合するためのプロンプトを生成することと、
近接センサを介して、前記非接触カードが前記コンピューティングデバイスに近接していることを検出することと、
カメラが、前記非接触カードが前記コンピューティングデバイスに近づくときに、一連の画像をキャプチャすることと、
前記非接触カードが前記コンピューティングデバイスに近づくときに、前記一連の画像を処理して前記非接触カードの位置および軌道を決定
し、前記コンピューティングデバイスに対する前記非接触カードの投影位置を予測することであって、前記一連の画像を処理して前記非接触カードの前記位置および前記軌道を決定することは、一連の画像を処理して前記非接触カードの1つまたは複数の特徴を検出し、前記検出された1つまたは複数の特徴に応答して、前記非接触カードの前記位置および前記軌道を識別するようにトレーニングされた特徴抽出機械学習モデルに前記一連の画像を転送することを含む、ことと、
前記一連の画像に基づいて、前記非接触カードが前記コンピューティングデバイスに対して目標位置にあることを検出することと、
前記コンピューティングデバイスのインターフェースをトリガして、前記非接触カードとの短距離通信を実行することと、
を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記一連の画像をキャプチャすることは、前記コンピューティングデバイスのカメラ、前記コンピューティングデバイスの赤外線センサ、または前記コンピューティングデバイスのドットプロジェクタのうちの1つまたは複数によって実行され、前記一連の画像は、前記コンピューティングデバイスで測定された赤外線エネルギおよび可視光エネルギのうちの1つまたは複数に関連する2次元画像情報および3次元画像情報の一方または両方を備える、請求項
11に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2019年7月15日に出願された「電話センサを使用してカードの位置決めを案内するためのシステムおよび方法」という名称の米国特許出願第16/511,683号の優先権を主張する。前述の出願の内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
近距離無線通信(NFC)は、モバイルデバイスや非接触カードなどの電子デバイスが無線で情報を通信できるようにする一連の通信プロトコルを含む。NFCデバイスは、非接触クレジットカードや電子チケットスマートカードで使用されているものと同様に、非接触支払いシステムで使用し得る。支払いシステムに加えて、NFC対応デバイスは、例えば、電子IDドキュメントおよび鍵カードとして機能し得る。
【0003】
非接触デバイス(例えば、カード、タグ、トランザクションカードなど)は、例えば、無線周波数識別(RFID)標準、EMV標準、またはNFCデータ交換フォーマット(NDEF)タグの使用に基づく双方向または単方向の非接触短距離通信のためにNFC技術を使用し得る。通信は、磁界誘導を使用して、モバイル無線通信デバイスを含む電力を供給される電子デバイスと、トランザクションカードなどの電力を供給されていない、または受動的に電力を供給されるデバイスとの間の通信を可能にし得る。いくつかの用途では、高周波無線通信技術により、わずか数センチメートルなどの短距離でデバイス間のデータ交換が可能であり、2つのデバイスが特定の配置構成で最も効率的に動作し得る。
【0004】
非接触カードのトランザクションにNFC通信チャネルを使用する利点は、セットアップが簡単で複雑さが少ないなど、たくさんあるが、NFCデータ交換が直面する問題の1つは、非接触カードなどの小さなアンテナを備えたデバイス間で信号を送信するのが難しいことであり得る。NFC交換中のデバイスに対する非接触カードの動きは、デバイスで受信したNFC信号強度に望ましくない影響を与え、交換を中断し得る。さらに、例えば、金属カードなどのカードの機能により、ノイズ、信号受信の減衰、またはその他の反射が発生し、NFC読み取りトランザクションが誤って引き起こされ得る。認証とトランザクションの目的で非接触カードを使用するシステムの場合、遅延と中断により、トランザクションが失われ、顧客の不満が生じ得る。
【発明の概要】
【0005】
1つまたは複数のコンピュータのシステムは、動作中にシステムにアクションを実行させる、または引き起こすソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせをシステムにインストールすることによって、特定の操作またはアクションを実行するように構成し得る。データ処理装置によって実行されると、装置にアクションを実行させる命令を含めることによって、特定の操作またはアクションを実行するように1つまたは複数のコンピュータプログラムを構成し得る。
【0006】
1つの一般的な態様によれば、カードの位置決めをデバイスに対して目標位置に案内するための方法は、近接センサが、カードがデバイスに近接していることを検出することと、カードがデバイスに近接していることに応答して、デバイスは、デバイスに近接する3次元ボリュームの一連の画像をキャプチャすることと、一連の画像を処理して、デバイスに近接する3次元ボリューム内のカードの位置および軌道を決定することと、カードの位置およびカードの軌道に基づいて、デバイスに対するカードの投影位置を予測することと、1つまたは複数の分散を低減すると予測される少なくとも1つの軌道調整および軌道調整を達成すると予測される1つまたは複数のプロンプトを識別することを含む、投影位置と目標位置との間の1つまたは複数の分散を識別することと、デバイスのディスプレイに1つまたは複数のプロンプトを表示することと、一連の画像をキャプチャすること、カードの位置および軌道を決定すること、カードの投影位置を予測すること、1つまたは複数の分散、少なくとも1つの軌道調整、および1つまたは複数のプロンプトを識別すること、および1つまたは複数の分散が所定の閾値内に入るまで、1つまたは複数のプロンプトを表示すること、のステップを繰り返すことと、デバイスでイベントをトリガして、1つまたは複数の分散が所定の閾値内にあることに応答して、カードからデータを取得することと、のステップを含む。この態様の他の実施形態は、それぞれが方法の動作を実行するように構成された、1つまたは複数のコンピュータストレージデバイスに記録された対応するコンピュータシステム、装置、およびコンピュータプログラムを含む。
【0007】
実施には、次の機能の1つまたは複数が含まれ得る。一連の画像を処理して、デバイスに近接する3次元ボリューム内のカードの位置および軌道を決定するステップは、機械学習モデルまたは同時ローカリゼーションおよびマッピング(slam)プロセスのうちの少なくとも1つを使用する方法。方法は、イベント中に、一連の画像をキャプチャすること、カードの位置および軌道を決定すること、カードの投影位置を予測すること、1つまたは複数の分散、少なくとも1つの軌道調整および1つまたは複数のプロンプトを識別すること、および1つまたは複数のプロンプトを表示して、分散が所定の閾値内に留まっていることを確認し、デバイスがカードからデータを読み取ることができるようにすることのステップを繰り返すことのステップを含む。イベントをトリガするステップは、カードとデバイスとの間のデータ交換を開始することを含み、データ交換は、金融トランザクションおよび承認トランザクションのうちの少なくとも1つに関連する方法。一連の画像をキャプチャするステップは、デバイスのカメラ、デバイスの赤外線センサ、またはデバイスのドットプロジェクタのうちの1つまたは複数によって実行され、一連の画像は、デバイスで測定された赤外線エネルギおよび可視光エネルギの1つまたは複数に関連する2次元画像情報および3次元画像情報の1つまたは両方を含む方法。方法は、カメラ、赤外線センサ、およびドットプロジェクタのうちの1つまたは複数から得られた一連の画像を使用して、デバイスに近接する3次元ボリュームのボリュームマップを生成するステップを含み、ボリュームマップは、デバイスに近接する3次元ボリューム内の複数のピクセル位置のピクセルデータを含む。一連の画像を処理してカードの位置および軌道を決定するステップは、一連の画像を、ボリュームマップを処理してカードの1つまたは複数の特徴を検出し、1つまたは複数の特徴に応答して、ボリュームマップ内のカードの位置および軌道を識別するようにトレーニングされた特徴抽出機械学習モデルに転送するステップを含む方法。デバイスに対するカードの投影位置を予測するステップは、カードの位置および軌道を、カードを配置する過去の試みに基づいて、投影位置を予測するようにトレーニングされた第2の機械学習モデルに転送することを含む方法。第2の機械学習モデルをトレーニングするために使用される過去の試みは、デバイスのユーザに合わせてカスタマイズされる方法。1つまたは複数のプロンプトは、可視プロンプト、可聴プロンプト、または可視および可聴プロンプトの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む方法。説明された技術の実施は、ハードウェア、方法またはプロセス、またはコンピュータアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0008】
1つの一般的な態様によれば、デバイスは、カードがデバイスに近接しているかどうかを検出するように構成された近接センサと、近接センサに結合され、デバイスに近接する3次元ボリュームの一連の画像をキャプチャするように構成された画像キャプチャデバイスと、近接センサおよび画像キャプチャデバイスに結合されたプロセッサと、プロセッサに結合されたディスプレイインターフェースと、プロセッサに結合されたカードリーダインターフェースと、カードをデバイスに対する目標位置に案内するように構成された位置合わせプログラムコードを格納する非一時的な媒体と、を含む。位置合わせプログラムコードは、プロセッサによって実行されたとき動作可能であり、カードがデバイスに近接していることを監視することと、画像キャプチャデバイスが、デバイスに近接する3次元ボリュームの一連の画像をキャプチャできるようにすることと、一連の画像を処理して、デバイスに近接する3次元ボリューム内のカードの位置および軌道を決定し、カードの位置およびカードの軌道に基づいて、デバイスに対するカードの投影位置を予測することと、少なくとも1つの軌道調整および少なくとも1つの軌道調整を達成するための1つまたは複数のプロンプトの識別を含む、投影位置と目標位置との間の1つまたは複数の分散を識別することであって、少なくとも1つの軌道調整は、1つまたは複数の分散を低減すると予測される、ことと、カード読み取り操作の前および操作中の少なくとも1つの間に、ディスプレイインターフェース上に1つまたは複数のプロンプトを表示することと、1つまたは複数の分散が所定の閾値内にある場合、カードリーダインターフェースによってカード読み取り操作をトリガすることと、を実行させる。この態様の他の実施形態は、それぞれが方法の動作を実行するように構成された、1つまたは複数のコンピュータストレージデバイスに記録された対応するコンピュータシステム、装置、およびコンピュータプログラムを含む。
【0009】
実施には、次の機能の1つまたは複数が含まれ得る。一連の画像を処理して、デバイスに近接する3次元ボリューム内のカードの位置および軌道を決定するために実行されたときに動作可能であるプログラムコードは、機械学習モデルまたは同時ローカリゼーションおよびマッピング(slam)プロセスのうち少なくとも1つを使用する、請求項11に記載のデバイス。カード読み取り操作は、金融トランザクションおよび承認トランザクションのうちの1つに関連付けられているデバイス。画像キャプチャデバイスは、カメラ、赤外線センサ、またはドットプロジェクタのうちの1つまたは複数を含み、一連の画像は、デバイスで測定された赤外線エネルギおよび可視光エネルギのうちの1つまたは複数をキャプチャするデバイス。一連の画像は、2次元画像情報および3次元画像情報の一方または両方を含むデバイス。位置合わせプログラムコードは、一連の画像、赤外線センサ、およびドットプロジェクタを使用して、デバイスに近接する3次元ボリュームのボリュームマップを生成するようにさらに構成され、ボリュームマップは、デバイスに近接する3次元ボリューム内の複数のピクセル位置のピクセルデータを含むデバイス。デバイスは、特徴抽出機械学習モデルをさらに含み、デバイスに近接する3次元ボリューム内にカードを配置し、カードを配置する過去の試みを使用して投影位置を予測するようにトレーニングされる。過去の試みは、ユーザ固有の過去の試みであるデバイス。1つまたは複数のプロンプトは、可視プロンプト、可聴プロンプト、または可視および可聴プロンプトの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むデバイス。説明された技術の実施は、ハードウェア、方法またはプロセス、またはコンピュータアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0010】
1つの一般的な態様によれば、カードをデバイスに対して目標位置に案内するための方法は、デバイスが、トランザクションを実行するための要求を検出することと、デバイスの近接センサを使用して、カードのデバイスへの近接を測定することと、カードがデバイスに近接していると決定されたときに、デバイスに近接する3次元ボリュームの一連の画像をキャプチャするように、デバイスのカメラおよび赤外線深度センサのうち少なくとも1つを制御することと、一連の画像を処理して、デバイスに近接する3次元ボリューム内のカードの位置と軌道を決定することであって、処理は、カードを目標位置に案内するための過去の試みを使用してトレーニングされた機械学習モデルまたは同時ローカリゼーションおよびマッピング(slam)プロセスのうちの少なくとも1つによって実行される、ことと、カードの位置および軌道に基づいて、デバイスに対するカードの投影位置を予測することと、1つまたは複数の分散を低減するために選択された少なくとも1つの軌道調整を識別し、軌道調整を達成するための1つまたは複数のプロンプトを識別することを含む、投影位置と目標位置との間の1つまたは複数の分散を識別することと、デバイスのディスプレイに1つまたは複数のプロンプトを表示することと、画像情報をキャプチャすること、カードの位置および軌道を決定すること、カードの投影位置を予測すること、1つまたは複数の分散、少なくとも1つの軌道調整、および1つまたは複数のプロンプトを識別すること、および1つまたは複数の分散が所定の閾値内に入るまで、1つまたは複数のプロンプトを表示すること、のステップを繰り返すことと、分散が所定の閾値よりも小さい場合、デバイスのカードリーダによるカードの読み取りをトリガすることと、のステップを含む。この態様の他の実施形態は、それぞれが方法の動作を実行するように構成された、1つまたは複数のコンピュータストレージデバイスに記録された対応するコンピュータシステム、装置、およびコンピュータプログラムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】非接触カードと非接触カード読み取りデバイスとの間の相互作用を説明するために提供される図である。
【
図1B】非接触カードと非接触カード読み取りデバイスとの間の相互作用を説明するために提供される図である。
【
図2】近距離無線通信デバイスの例示的な動作ボリュームの図である。
【
図3】本明細書に開示されるように位置位置合わせを実行するように構成され得る携帯電話のセンサバーの図である。
【
図4】本明細書に開示されるように構成されたデバイスの一実施形態の例示的なコンポーネントを示すブロック図である。
【
図5】
図4のNFCトランザクションデバイスによって実行され得る位置位置合わせシステムおよび方法の例示的なステップのフロー図である。
【
図6】デバイスに対する非接触カードの位置を位置合わせさせるために実行され得る例示的なステップを示す詳細なフロー図である。
【
図7】本明細書に開示されるような機械学習モデルをトレーニングするために実行され得る例示的なステップを示すフロー図である。
【
図8】本明細書に開示されるように使用され得る同時ローカリゼーションおよびマッピング(SLAM)プロセスにおいて実行され得る例示的なステップを示すフロー図である。
【
図9】携帯電話デバイスの近接センサと画像キャプチャデバイスとの組み合わせを使用して、NFC通信のための非接触カードを位置決めするために実行され得る例示的なステップを示すフロー図である。
【
図10】近接検知中の例示的な電話/カードの相互作用および表示を示している。
【
図11】位置位置合わせ中の例示的な電話/カードの相互作用および表示を示している。
【
図12A】モバイルデバイスによる受信信号強度を最大化するために非接触カードの位置を調整するためのプロンプトを含む、NFC通信のための正常な位置合わせの後に提供され得る例示的な携帯電話ディスプレイを示している。
【
図12B】モバイルデバイスによる受信信号強度を最大化するために非接触カードの位置を調整するためのプロンプトを含む、NFC通信のための正常な位置合わせの後に提供され得る例示的な携帯電話ディスプレイを示している。
【
図12C】モバイルデバイスによる受信信号強度を最大化するために非接触カードの位置を調整するためのプロンプトを含む、NFC通信のための正常な位置合わせの後に提供され得る例示的な携帯電話ディスプレイを示している。
【
図13A】本明細書に開示されるような例示的な電話/カードの相互作用を示している。
【
図13B】本明細書に開示されるような例示的な電話/カードの相互作用を示している。
【
図13C】本明細書に開示されるような例示的な電話/カードの相互作用を示している。
【
図14】本明細書に開示されるようなキャプチャされた画像データを使用して、デバイスのカードリーダのインターフェースを制御するための例示的なプロセスの一実施形態のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に開示される位置位置合わせシステムおよび方法は、デバイスに対する非接触カードの位置決めを容易にし、例えば、3次元目標ボリューム内の目標位置に近接して非接触カードを位置決めする。一実施形態では、位置位置合わせシステムは、デバイスの近接センサを使用して、非接触カードの接近を検出する。接近の検出時に、一連の画像は、例えば、デバイスのカメラおよび/またはデバイスの赤外線センサ/ドットプロジェクタを含む、デバイスの1つまたは複数のイメージング要素によってキャプチャされ得る。一連の画像を処理して、デバイスに対するカードの位置と軌道を決定し得る。位置および軌道情報は、予測モデルによって処理されて、目標位置に到達するための軌道調整、および軌道調整を達成するための1つまたは複数のプロンプトを識別し得る。このような構成は、モバイルデバイスの既存のイメージング機能を使用してユーザにリアルタイムの位置決め支援フィードバックを提供し、それによって、非接触カードの位置合わせの速度と精度を向上させ、受信したNFC信号強度を最大化する。
【0013】
一態様によれば、トリガシステムは、デバイスとカードとの間の近距離無線通信を自動的に開始して、カードのアプレットからデバイスに暗号文を通信し得る。トリガシステムは、デバイスによってキャプチャされた一連の画像の暗さレベルまたは暗さレベルの変化に応答して動作し得る。トリガシステムは、一連の画像の複雑さレベルまたは複雑さレベルの変化に応答して動作し得る。トリガシステムは、例えば、カードの読み取りを自動的にトリガするなど、デバイスのユーザインターフェースによって制御される操作を自動的にトリガし得る。トリガシステムは、単独で、または本明細書に開示される位置位置合わせシステムの1つまたは複数の態様の助けを借りて使用し得る。
【0014】
本発明のこれらおよび他の特徴は、図を参照して説明され、同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を参照するために使用される。本明細書で使用される表記法および命名法を一般的に参照して、以下の詳細な説明は、コンピュータまたはコンピュータのネットワーク上で実行されるプログラムプロセスに関して提示され得る。これらのプロセスの説明および表現は、当業者によって、それらの作業の実体を当業者に最も効果的に伝えるために使用される。
【0015】
プロセスは、本明細書にあり、一般に、望ましい結果につながる自己矛盾のない一連の演算であると考えられている。プロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実施し得る。これらの演算は、物理量の物理的な操作を必要とする演算である。通常、必ずしもそうとは限らないが、これらの量は、保存、転送、結合、比較、およびその他の方法で操作できる電気、磁気、または光信号の形をとる。主に一般的な使用法の理由から、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数値などと呼ぶと便利な場合がある。しかしながら、これらおよび類似の用語はすべて、適切な物理量に関連付けられており、これらの量に適用される便利なラベルにすぎないことに留意すべきである。
【0016】
さらに、実行される操作は、加算または比較などの用語で参照されることが多く、これらは一般に、人間のオペレータによって実行される知的な演算に関連付けられている。1つまたは複数の実施形態の一部を形成する、本明細書に記載の演算のいずれにおいても、人間のオペレータのそのような能力は必要ではないか、またはほとんどの場合望ましいものではない。むしろ、演算は、機械演算である。様々な実施形態の演算を実行するための有用な機械には、汎用デジタルコンピュータまたは同様のデバイスが含まれる。
【0017】
様々な実施形態はまた、これらの操作を実行するための装置またはシステムに関する。この装置は、必要な目的のために特別に構築され得、またはコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化または再構成された汎用コンピュータを備え得る。本明細書に提示されるプロセスは、本質的に特定のコンピュータまたは他の装置に関連するものではない。様々な汎用機械が、本明細書の教示に従って書かれたプログラムと共に使用され得るか、または必要な方法ステップを実行するためのより特殊な装置を構築することが便利であることが証明され得る。これらの様々な機械に必要な構造は、与えられた説明から明らかになる。
【0018】
以下の説明では、説明の目的で、それらを完全に理解するために、多くの具体的な詳細が示されている。しかしながら、新規の実施形態がこれらの特定の詳細なしで実施され得ることは明らかであり得る。他の例では、よく知られている構造およびデバイスは、その説明を容易にするためにブロック図の形で示されている。意図は、主張された主題と一致するすべての修正、均等物、および代替案をカバーすることである。
【0019】
図1Aおよび
図1Bはそれぞれ、携帯電話デバイス100および非接触カード150を示している。非接触カード150は、サービスプロバイダによって発行された、クレジットカード、デビットカード、またはギフトカードなどの支払いカードまたはトランザクションカード(以下、トランザクションカード)を備え得る。いくつかの例では、非接触カード150は、トランザクションカードとは関係がなく、識別カードまたはパスポートを備え得るが、これらに限定されない。いくつかの例では、トランザクションカードは、デュアルインターフェースの非接触トランザクションカードを備え得る。非接触カード150は、プラスチック、金属、および他の材料から構成される単一の層、または1つまたは複数の積層された層を含む基板を備え得る。
【0020】
いくつかの例では、非接触カード150は、ISO/IEC7810規格のID-1フォーマットに準拠する物理的特性を有し得、そうでなければ、非接触カードは、ISO/IEC14443規格に準拠し得る。しかしながら、本開示による非接触カード150は、異なる特性を有し得、本開示は、非接触カードがトランザクションカードに実施されることを必要としないことが理解される。
【0021】
いくつかの実施形態では、非接触カードは、NFCを介して、端末またはモバイルデバイスなどの他のデバイスとデータを格納、処理、および通信できる組み込み集積回路デバイスを含み得る。非接触カードの一般的な用途には、交通機関のチケット、銀行カード、パスポートなどを含む。非接触カード規格は、ISO/IEC10536(密結合カード)、ISO/IEC14443(近接カード)、およびISO/IEC15693(近傍カード)で具体化されている様々なタイプをカバーしており、それぞれの規格が参照により本明細書に援用される。このような非接触カードは、関連するカップリングデバイスにそれぞれ非常に近い、近い、およびより遠い距離での操作を目的としている。
【0022】
本明細書に開示される位置決め支援システムおよび方法から利益を得る可能性のある例示的な近接非接触カードおよび通信プロトコルには、Osbornらによって2018年11月29日に出願され「非接触カードの暗号化認証のためのシステムおよび方法」という名称の米国特許出願第16/205,119号に記載されているものが含まれる。これは、参照により本明細書に援用される(以下、’119出願)。
【0023】
一実施形態では、非接触カードは、例えば、無線周波数識別(RFID)標準、EMV標準、またはNDEFタグの使用、に基づいた双方向または単方向の非接触短距離通信を行うように構成されたハードウェアおよび/またはソフトウェアからなるNFCインターフェース備える。通信は、磁界誘導を使用して、移動無線通信デバイスを含む電子デバイス間の通信を可能にし得る。短距離高周波無線通信技術により、わずか数センチメートルなどの短距離でデバイス間でデータを交換できる。
【0024】
NFCは、NFC対応デバイスが情報を交換するときに、2つのループアンテナ間に電磁誘導を採用する。ISO/IEC14443-2:2016(参照により本明細書に援用される)は、近接結合デバイス(PCD)と近接カードまたはオブジェクト(PICC)との間の電力および双方向通信の特性を指定する。PCDは、高周波交流磁界を生成する。この場は、PICCに誘導的に結合して電力を転送し、通信用に変調され、ISO/IEC18000-3エアインターフェースで13.56MHzの無線周波数ISM帯域内で106~424kbit/sの範囲のレートで動作する。ISO規格で規定されているように、PCD伝送は、PICCデバイスのクラス1、クラス2、および/またはクラス3のアンテナ設計をサポートするために、少なくとも1.5A/m(rms)のHminから7.5A/m(rms)のHmaxまで変化する均一な電界強度(「H」)を生成する。
【0025】
図1Aおよび
図1Bでは、携帯電話100は、PCDデバイスであり、非接触カード150は、PICCデバイスである。典型的な非接触カード通信交換の間、
図1Aに示されるように、ユーザは、例えば、ディスプレイ130上にカード配置位置を示すプロンプト125を含めることによって、携帯電話100によってカードをモバイルデバイスと係合するように促され得る。このアプリケーションの目的のために、カードをデバイスに「係合させる」ことは、カードをNFC読み取りデバイス(すなわち、携帯電話100)の空間動作ボリュームに持ち込むことを含むが、これに限定されない。NFC読み取りデバイスの動作ボリュームは、モバイルデバイス100とカード150との間で送信される信号の均一な電界強度がデータ交換をサポートするのに十分である、NFC読み取りデバイスに近接する、隣接する、および/または周囲の空間ボリュームを含む。言い換えれば、ユーザは、カードをデバイスの前面にタップするか、またはNFC通信を可能にするデバイスの前面からの距離内にカードを保持することによって、非接触カードをモバイルデバイスと係合させ得る。
図1Aでは、この結果を達成するために、ディスプレイ130に提供されるプロンプト125が提供されている。
図1Bは、トランザクションのために動作ボリューム内に配置されたカードを示している。
図1Bに示されるように、トランザクション中にプロンプト135などのリマインダプロンプトがユーザに表示され得る。
【0026】
電話100とカード150との間の例示的な交換は、電話100のRF動作フィールドによるカード150のアクティブ化、電話100によるカード150へのコマンドの送信、およびカード150による電話100への応答の送信を含み得る。いくつかのトランザクションは、いくつかのそのような交換を使用し得、いくつかのトランザクションは、モバイルデバイスによるトランザクションカードの単一の読み取り操作を使用して実行され得る。
【0027】
一例では、成功したデータ送信は、トランザクション全体を通して、少なくとも最小(1.5A/m(rms))磁界強度に等しい程度まで磁界結合を維持することによって最もよく達成され得ること、および磁界結合は、信号強度およびカード150と携帯電話100との間の距離の関数であることが理解され得る。NFC対応デバイスのコンプライアンスをテストする場合、例えば、デバイスの電力要件(動作ボリュームの決定)、送信要件、受信要件、および信号形式(時間/周波数/変調特性)がISO規格を満たしているかどうかを決定するために、一連のテスト送信は、NFCフォーラムのアナログ仕様で定義された動作ボリューム内のテストポイントで行われる。
【0028】
図2は、NFC対応デバイスのテストで使用するためにNFCアナログフォーラムによって識別された例示的な動作ボリューム200を示している。動作ボリューム200は、非接触カードリーダデバイス(例えば、携帯電話デバイス)の周りに配置された3次元ボリュームを定義し、例えば、デバイスによるカードのNFC読み取りのための近距離無線通信交換のための好ましい距離を表し得る。NFCデバイスをテストするために、受信信号は、均一な電界強度がNFCアンテナクラスの最小および最大範囲内にあることを検証するために、ポイント210などの様々なテストポイントで測定され得る。
【0029】
NFC規格は特定の動作ボリュームおよび試験方法を規定しているが、本明細書に記載の原理は特定の寸法を有する動作ボリュームに限定されず、この方法は特定のプロトコルの信号強度に基づいて動作ボリュームを決定することを必要としないことは容易に理解されよう。PCDデバイスの電力、PICCデバイスのタイプ、PCDとPICCデバイス間の意図された通信、PCDとPICCデバイス間の通信の持続時間、PCDデバイスのイメージング機能、デバイスの予想される動作環境、デバイスのユーザの過去の行動などを含むがこれらに限定されない設計上の考慮事項が、本明細書で使用される動作ボリュームを決定するために使用され得る。したがって、以下の説明は、様々な実施形態において、動作ボリュームまたは動作ボリュームのサブセットを備え得る「目標ボリューム」に言及している。
【0030】
図1Aおよび
図1Bでは、電話100上のカード150の配置は単純に見え得るが、通常、カードの位置合わせが最適でないときにユーザに提供される唯一のフィードバックは、トランザクションの失敗である。非接触カードEMVトランザクションは、最大2秒間の接続を必要とする一連のデータ交換を備え得る。このようなトランザクション中に、カード、NFC読み取りデバイス、および商品を持ち歩くユーザは、NFC交換を成功させるための望ましい距離を維持するために、電話に対するカードの目標位置を見つけて維持することが困難になり得る。
【0031】
一態様によれば、これらの問題を克服するために、カード位置合わせシステムおよび方法は、モバイルデバイスのイメージングコンポーネントをアクティブ化して、一連の画像をキャプチャする。一連の画像を使用して、カードの位置および軌道をリアルタイムで特定し、カードをNFC交換のための好ましい距離および/または目標位置に案内し得る。一連の画像はまた、例えば、一連のキャプチャされた画像の暗さレベルおよび/または複雑さレベル、またはそれらのパターンを測定することによって、NFC交換または動作を自動的にトリガするために使用され得る。
【0032】
例えば、この情報を使用して、位置合わせ方法は、軌道調整を決定し、カードを目標ボリュームに向けるための軌道調整に関連付けられたプロンプトを識別し得る。軌道調整プロンプトは、電話のオーディオおよび/またはディスプレイコンポーネントを使用してユーザに提示され、カードを目標ボリューム内の目標位置に案内し、および/またはNFC読み取りを開始し得る。様々な実施形態では、「目標位置」(または「目標配置」)は、様々な粒度で定義され得る。例えば、目標位置は、目標ボリューム全体または目標ボリュームのサブセットを備え得る。あるいは、目標位置は、目標ボリューム内の非接触カードの特定の位置、および/または特定の位置を取り囲み、含む空間に関連付けられ得る。
【0033】
図3は、本明細書に開示される位置合わせシステムおよび方法をサポートするように構成され得る携帯電話の一実施形態の正面向きの上部300である。電話は、部分300の上端に沿って配置されたセンサパネル320を含むことが示されているが、多くのデバイスは、それらのデバイス上で異なって配置され得るより少ないまたはより多いセンサを含み得、本発明は、センサの任意の特定のタイプ、数、配置、位置、または設計に限定されないことが理解される。例えば、ほとんどの電話は、前向きおよび後ろ向きのカメラおよび/または他のセンサを有し、それらのいずれも、位置位置合わせガイダンスのために本明細書に記載される目的のために使用され得る。
【0034】
センサパネル320は、赤外線カメラ302、フラッドイルミネータ304、近接センサ306、周囲光センサ308、スピーカ310、マイクロフォン312、フロントカメラ314、およびドットプロジェクタ316を含むように示されている。
【0035】
赤外線カメラ302は、深度イメージングのためにドットプロジェクタ316と一緒に使用され得る。ドットプロジェクタ316の赤外線エミッタは、既知のパターンで最大30,000ドットをユーザの顔などの物体に投射し得る。ドットは、深度解析のために専用の赤外線カメラ302によって撮影される。フラッドイルミネータ304は光源である。近接センサ306は、物理的な接触なしに近くの物体の存在を検出できるセンサである。
【0036】
近接センサは、モバイルデバイスで一般的に使用され、UI入力をロックするように動作する。例えば、携帯電話を耳に当てたときに誤ってタッチスクリーンをタップしたことを検出(およびスキップ)する。例示的な近接センサは、目標に電磁界または電磁放射(例えば、赤外線)のビームを放出し、目標から受信した反射信号を測定することによって動作する。近接センサの設計は、目標の構成によって異なり得る。静電容量型近接センサまたは光電子センサを使用してプラスチック目標を検出し得、誘導型近接センサを使用して金属目標を検出し得る。近接を決定する他の方法は本開示の範囲内であり、本開示は、電磁界を放出することによって動作する近接センサに限定されないことが理解される。
【0037】
電話の上部300はまた、例えば、電話のディスプレイの明るさを制御するために使用される周囲光センサ308を含むように示されている。スピーカ310およびマイクロフォン312は、基本的な電話機能を可能にする。フロントカメラ314は、以下でより詳細に説明されるように、2次元および/または3次元の画像キャプチャのために使用され得る。
【0038】
図4は、本明細書に開示されるように、カード位置の位置位置合わせを容易にする要素を組み込んだ携帯電話または他のNFC対応デバイスの代表的なコンポーネントのブロック図である。コンポーネントは、インターフェース論理440、1つまたは複数のプロセッサ410、メモリ430、ディスプレイ制御435、ネットワークインターフェース論理440、およびシステムバス420を介して結合されたセンサ制御450を含む。
【0039】
各コンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用して特定の機能を実行する。プロセッサ410は、様々なハードウェア要素、ソフトウェア要素、または両方の組み合わせを備え得る。ハードウェア要素の例は、デバイス、論理デバイス、コンポーネント、プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路、プロセッサ回路、回路要素(例えば、トランジスタ、抵抗、コンデンサ、インダクタなど)、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、アプリケーション固有の標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複雑なプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、メモリユニット、ロジックゲート、レジスタ、半導体デバイス、チップ、マイクロチップ、チップセットなどを含み得る。ソフトウェア要素の例は、ソフトウェアコンポーネント、プログラム、アプリケーション、コンピュータプログラム、アプリケーションプログラム、システムプログラム、ソフトウェア開発プログラム、マシンプログラム、オペレーティングシステムソフトウェア、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーチン、サブルーチン、関数、メソッド、手順、プロセス、ソフトウェアインターフェース、アプリケーションプログラムインターフェース(API)、命令セット、コンピューティングコード、コンピュータコード、コードセグメント、コンピュータコードセグメント、単語、値、記号、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。一実施形態がハードウェア要素および/またはソフトウェア要素を使用して実施されるかどうかの決定は、所望の計算速度、電力レベル、耐熱性、処理サイクルバジェット、入力データ速度、出力データ速度、メモリリソース、データバス速度およびその他の設計または性能の制約など、任意の数の要因に応じて、所定の実施形態に必要なように変化させ得る。
【0040】
画像プロセッサ415は、任意のプロセッサであり得るか、あるいは、カメラ452、赤外線センサコントローラ455、近接センサコントローラ457、およびドットプロジェクタコントローラ459から受信されたデータの画像処理に使用される特殊なデジタル信号プロセッサ(DSP)であり得る。画像プロセッサ415は、速度および効率を向上させるために、SIMD(単一命令複数データ)またはMIMD(複数命令複数データ)技術を用いても並列コンピューティングを採用し得る。いくつかの実施形態では、画像プロセッサは、高速のリアルタイム画像処理機能を可能にするマルチコアプロセッサアーキテクチャを備えたチップ上のシステムを備え得る。
【0041】
メモリ430は、プログラムコード(位置合わせユニットプログラムコード432および支払い処理プログラムコード433など)およびデータ434を格納するためのコンピュータ可読記憶媒体を備え得る。メモリ430はまた、ユーザインターフェースプログラムコード436を格納し得る。ユーザインターフェースプログラムコード436は、キーボードおよびタッチスクリーン460などの物理的要素を含むユーザインターフェース要素で受信されたユーザ入力を解釈するように構成され得る。ユーザインターフェースプログラムコード436はまた、ディスプレイ制御435の制御下でユーザディスプレイに表示され得るボタン、メニュー、アイコン、タブ、ウィンドウ、ウィジェットなどのグラフィカルユーザインターフェース要素から受信されたユーザ入力を解釈し得る。一態様によれば、および以下でより詳細に説明するように、メモリ430はまた、トリガプログラムコード431を格納し得る。トリガプログラムコード431は、例えば、カメラ452または他のセンサデバイスによってキャプチャされた一連の画像の決定された暗さレベルおよび/または複雑さレベルに応答して、デバイスとカードとの間のNFC通信を自動的にトリガするために使用され得る。いくつかの実施形態では、自動的にトリガされる操作は、一般にユーザ入力への応答として実行される操作であり得、例えば、グラフィックユーザインターフェース上に提供される読み取りボタンなどのユーザインターフェース要素のアクティブ化によって一般に開始される読み取り操作を自動的にトリガする。自動トリガにより、ユーザインターフェース要素を使用してNFC通信を制御することに関連する遅延と不正確さが減少する。
【0042】
コンピュータ可読記憶媒体の例は、揮発性メモリまたは不揮発性メモリ、リムーバブルまたは非リムーバブルメモリ、消去可能または非消去可能メモリ、書き込み可能または再書き込み可能メモリなどを含む、電子データを格納できる任意の有形媒体を含み得る。プログラムコードは、ソースコード、コンパイルされたコード、インタプリタされたコード、実行可能なコード、静的なコード、動的なコード、オブジェクト指向のコード、視覚的なコードなどの任意の適切なタイプのコードを使用して実施された実行可能なコンピュータプログラム命令を含み得る。実施形態はまた、非一時的なコンピュータ可読媒体に含まれる、または非一時的なコンピュータ可読媒体上に含まれる命令として少なくとも部分的に実施され得、これは、本明細書に記載の動作の実行を可能にするために1つまたは複数のプロセッサによって読み取られ実行され得る。
【0043】
位置合わせユニットプログラムコード432は、非接触カード/電話通信のための位置合わせ支援のために本明細書に開示されるようなプログラムコードを備える。位置合わせユニットプログラムコード432は、認証または他の目的のために非接触カード交換を使用する電話によって提供される任意のサービスによって使用され得る。例えば、支払い処理プログラムコード433で具体化される支払い処理サービスなどのサービスは、金融トランザクションの初期段階中の認証のために非接触カード交換を使用し得る。
【0044】
システムバス420は、メモリ430およびプロセッサ410を含むがこれらに限定されないシステムコンポーネントのためのインターフェースを提供する。システムバス420は、様々な市販のバスアーキテクチャのいずれかを使用して、メモリバス(メモリコントローラの有無にかかわらず)、周辺バス、およびローカルバスにさらに相互接続し得るいくつかのタイプのバス構造のいずれかであり得る。
【0045】
ネットワークインターフェース論理は、様々な形式のネットワーク通信に関連付けられた様々な既知のプロトコルをサポートするように構成された送信機、受信機、およびコントローラを含む。本明細書に開示される方法を実施する携帯電話に含まれ得る例示的なネットワークインターフェースは、WIFIインターフェース442、NFCインターフェース444、ブルートゥース(登録商標)インターフェース446、およびセルラインターフェース448を含むが、これらに限定されない。
【0046】
センサ制御450は、カメラ452(2次元および3次元の光ベースまたは赤外線画像をキャプチャするためのカメラ技術を含み得る)、赤外線センサ454および関連する赤外線センサコントローラ455、近接センサ456および関連する近接センサコントローラ457、並びにドットプロジェクタ458および関連するドットプロジェクタコントローラ459を含む、本明細書に開示される位置位置合わせ方法をサポートし得るセンサのサブセットを備える。
【0047】
ここで
図5を参照すると、NFC読み取りデバイスのセンサからリアルタイムで取得された画像情報を使用して非接触カードを位置決めするための例示的なプロセス500のフロー図が示されている。このプロセスは、ステップ510で非接触カードの近接を検出し、検出時に、デバイスのイメージング機能を使用してステップ515で画像キャプチャをトリガし、ステップ520でキャプチャされた一連の画像を処理することを含む。画像の処理は、少なくとも部分的に位置合わせユニットプログラムコードによって実行され得、デバイスに近接する目標ボリューム内に非接触カードを配置し、ステップ525でカードの軌道を決定することを含み得る。画像の処理はまた、ステップ535で、カードを目標ボリューム内の目標位置に位置合わせするための軌道調整を予測し、軌道調整を達成するためのプロンプトを識別し、デバイス上にプロンプトを表示することを含み得る。プロンプトは、1つまたは複数の指示(テキストまたは記号形式)、1つまたは複数のキャプチャされた画像を含む画像、色、カラーパターン、サウンド、およびその他のメカニズムを含み得る。
【0048】
515で画像をキャプチャし、520で画像を処理するプロセスは、ステップ540で非接触カードがその目標位置(および/またはデバイスからの好ましい距離)にあると決定されるまで続く。次に、位置合わせプロセスは、ステップ545で、カードとデバイスとの間のデータ交換トランザクション/通信を開始するか、または開始させ得る。例えば、位置合わせプロセスは、ユーザにトランザクションを開始させるためにユーザに表示プロンプトを提供する1つまたは複数を実行し得る。あるいは、位置合わせプロセスは、ステップ540で位置合わせが検出されたときに、データ交換プロセスを自動的に開始し得る。NFCインターフェース技術を使用する実施形態では、位置合わせプロセスは、NFCインターフェースをオンにして、NFC通信を可能にし得、ステップ550で、NFC通信が実行され得る。
【0049】
図6は、機械学習予測モデルを使用してキャプチャされた画像を処理して特徴を抽出し、カードを3次元目標ボリューム内に配置し、カード軌道を決定する位置位置合わせプロセス600の第1の例示的な実施形態のフロー図である。システムはまた、機械学習予測モデルを使用して、軌道調整を識別して、カードを目標ボリューム内の目標位置に移動し、軌道調整を達成するためのプロンプトを識別し得る。
【0050】
ステップ605で、電話は、デバイスによって放出され、デバイスに反射されて戻る反射エネルギを監視し、反射エネルギが近接センサによって閾値を超えたときにカードがデバイスに近接していることを検出することを含む。いくつかの電話では、近接センサは、光センサチップを使用して実施され得る。一般的な光センサチップは、IntersilとSharpのISL29003/23とGP2Aをそれぞれ含む。これらのセンサチップは両方とも、主にアクティブな光センサであり、LUXユニットで周囲光の強度を提供する。このようなセンサは、ブールセンサとして実施される。ブールセンサは、「NEAR」と「FAR」の2つの値を返す。閾値処理は、LUX値に基づいている。すなわち、光センサのLUX値が閾値と比較される。閾値を超えるLUX値は、近接センサが「FAR」を返すことを意味する。閾値よりも小さいものはすべて、センサは、「NEAR」を返す。閾値の実際の値は、使用中のセンサチップとその光応答、スマートフォン本体上のチップの位置と向き、目標の非接触カードの構成と反射応答などに応じてカスタム定義される。
【0051】
ステップ610で、カードがデバイスに近接していることに応答して、デバイスは、画像キャプチャを開始する。画像キャプチャは、デバイス上でアクセス可能な1つまたは複数のカメラを使用して2次元画像をキャプチャすることを含み得る。2次元画像は、可視光カメラと赤外線カメラの一方または両方によってキャプチャされ得る。例えば、いくつかのモバイルデバイスは、ハイダイナミックレンジ(HDR)写真を撮影できる背面カメラを含み得る。
【0052】
特定のモバイルデバイスは、被写界深度効果を作成するために異なるイメージング平面に沿って画像をキャプチャするデュアルカメラを含み得る。いくつかは、「自分撮り」赤外線カメラをさらに含み得、または例えば、既知のパターンの赤外線のドットマトリックスを目標に投影するための赤外線エミッタ技術を含み得る。次に、これらのドットを赤外線カメラで撮影して解析し得る。
【0053】
次に、上記のソースのいずれか1つまたは複数からのキャプチャされた画像、および/またはキャプチャされた画像のサブセットまたは様々な組み合わせは、その後、画像処理および非接触カードの位置および軌道の決定を含む非接触カードの位置特定のためにステップ615および620に転送され得る。
【0054】
一態様によれば、画像処理は、電話のNFCインターフェースの動作ボリュームの少なくとも一部に近接するおよび/またはそれを含む領域を含む、電話に近接する目標ボリュームのボリュームマップを構築することを含み、ボリュームマップは、可視または赤外線スペクトル内のボクセルの色および/または強度に関連する値を格納するボクセルの3次元配列として表される。いくつかの実施形態では、ボクセルは、概念的な3次元空間を構成するボリューム要素の配列内の離散要素であり、例えば、3次元物体の表現が分割される離散要素の配列のそれぞれである。
【0055】
一態様によれば、位置位置合わせは、目標ボリュームのボクセルを処理して非接触カードの特徴を抽出し、目標ボリューム内のカードの位置を決定し、異なる時点で構築された目標ボリュームのボクセルを比較して、時間の経過に伴うカードの動きを追跡し、カードの軌道を決定することを含む。機械学習モデルの使用や、SLAM技術の使用など、様々なプロセスを使用して位置と軌道を追跡し得る。それぞれについて、以下で詳しく説明する。
【0056】
機械学習は、データから学習、分類、予測を行うことができる数学的モデルに関連する人工知能の分野である。機械学習モデルと呼ばれることもあるこのような数学的モデルは、入力データを2つ以上のクラスに分類し得、2つ以上のグループ間で入力データをクラスタ化し、入力データに基づいて結果を予測し、入力データのパターンまたは傾向を特定し、スペース内の入力データの分布を識別し、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。機械学習モデルの例は、(i)ニューラルネットワーク、(ii)分類木や回帰木などの決定木、(iii)ナイーブバイアス分類器、ロジスティック回帰分類器、リッジ回帰分類器、ランダムフォレスト分類器、最小絶対収縮およびセレクタ(LASSO)分類器、サポートベクターマシンなどの分類器、(iv)k-meansクラスタ、平均シフトクラスタ、スペクトルクラスタなどのクラスタ、(v)因数分解機、主成分解析装置、カーネル主成分解析装置などの因数分解装置、(vi)機械学習モデルのアンサンブルまたはその他の組み合わせを含む。いくつかの例では、ニューラルネットワークは、ディープニューラルネットワーク、フィードフォワードニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、ラジアルベース関数(RBF)ニューラルネットワーク、エコー状態ニューラルネットワーク、長期短期記憶ニューラルネットワーク、バイ指向性リカレントニューラルネットワーク、ゲートニューラルネットワーク、階層型リカレントニューラルネットワーク、確率的ニューラルネットワーク、モジュラニューラルネットワーク、スパイクニューラルネットワーク、動的ニューラルネットワーク、カスケードニューラルネットワーク、ニューロファジーニューラルネットワーク、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0057】
様々な機械学習モデルを交換可能に使用して、タスクを実行できる。機械学習モデルを使用して少なくとも部分的に実行し得るタスクの例は、様々なタイプのスコアリング、バイオインフォマティクス、ケモインフォマティクス、ソフトウェア工学、不正検出、顧客セグメンテーション、オンラインの推奨事項の生成、適応型ウェブサイト、顧客生涯価値の決定、サーチエンジン、リアルタイムまたはほぼリアルタイムでの広告の掲載、DNA配列の分類、感情コンピューティング、自然言語処理と理解の実行、オブジェクト認識とコンピュータビジョン、ロボット運動、ゲームでの遊び、最適化とメタヒューリスティック、ネットワーク侵入の検出、医学的診断とモニタリング、または、機械などの資産がいつメンテナンスを必要とするかの予測を含む。
【0058】
機械学習モデルは、トレーニングと呼ばれる少なくとも部分的に自動化された(例えば、人間の関与がほとんどまたはまったくない)プロセスを通じて構築し得る。トレーニング中に、入力データが機械学習モデルに繰り返し提供され、機械学習モデルが入力データに関連するパターンを識別したり、または入力データと出力データとの関係を識別したりできるようになり得る。トレーニングにより、機械学習モデルは、トレーニングされていない状態からトレーニングされた状態に変換され得る。入力データは、1つまたは複数のトレーニングセットと1つまたは複数の検証セットに分割し得、トレーニングプロセスを複数回繰り返し得る。分割は、k分割交差検定規則、leave-one-out規則、leave-p-out規則、またはholdout規則に従い得る。
【0059】
一実施形態によれば、機械学習モデルは、デバイスの1つまたは複数のイメージング要素によってキャプチャされた画像情報を使用して、非接触カードがNFC読み取りデバイスに近づくときに非接触カードの特徴を識別するようにトレーニングされ得、特徴情報は、目標ボリューム内のカードの位置と軌道を識別するために使用され得る。
【0060】
次に、
図7のフローチャートを参照して、位置および軌道を識別するための機械学習モデルのトレーニングおよび使用方法700の概要を以下に説明する。ブロック704で、トレーニングデータは、受信され得る。いくつかの例では、トレーニングデータは、リモートデータベースまたはローカルデータベースから受信されるか、データの様々なサブセットから構築されるか、またはユーザによって入力され得る。トレーニングデータは、機械学習モデルをトレーニングするために生の形式で使用することも、機械学習モデルをトレーニングするために使用され得る他の形式に前処理することもし得る。例えば、トレーニングデータの生の形式は、平滑化、切り捨て、集約、クラスタ化、またはその他の方法で他の形式に操作され、機械学習モデルのトレーニングに使用され得る。実施形態では、トレーニングデータは、通信交換情報、履歴通信交換情報、および/または通信交換に関連する情報を含み得る。通信交換情報は、一般の人々のためのものであるか、および/または金融機関のデータベースシステム内のユーザおよびユーザアカウントに固有のものであり得る。例えば、位置位置合わせの場合、トレーニングデータは、異なる方向および異なる視点からの非接触カードを備える画像データを処理して、それらの方向および視点でのカードの特徴のボクセル値を学習することを含み得る。軌道調整および迅速な識別のために、そのようなトレーニングデータは、異なる場所にあるときのカードへの軌道調整の影響に関連するデータを含み得る。機械学習モデルは、軌道調整を達成する際のプロンプトの有効性を測定することによってプロンプトを識別するようにトレーニングされ得、有効性は、一実施形態では、カードの位置合わせまでの時間によって測定され得る。
【0061】
ブロック706で、機械学習モデルは、トレーニングデータを使用してトレーニングされ得る。機械学習モデルは、教師あり、教師なし、または半教師ありの方法でトレーニングされ得る。教師ありトレーニングでは、トレーニングデータの各入力を目的の出力に相関させ得る。必要な出力は、スカラ、ベクトル、またはテキストや画像などの異なるタイプのデータ構造であり得る。これにより、機械学習モデルが入力と望ましい出力との間のマッピングを学習できるようになり得る。教師なしトレーニングでは、トレーニングデータには入力が含まれるが、望ましい出力は含まれないため、機械学習モデルは、入力内の構造を独自に見つける必要がある。半教師ありトレーニングでは、トレーニングデータの一部の入力のみが望ましい出力に相関する。
【0062】
ブロック708では、機械学習モデルは、評価され得る。例えば、評価データセットは、例えば、ユーザ入力を介して、またはデータベースから取得され得る。評価データセットは、望ましい出力に相関する入力を含み得る。入力は、機械学習モデルに提供され、機械学習モデルからの出力は、望ましい出力と比較され得る。機械学習モデルからの出力が望ましい出力と密接に対応している場合、機械学習モデルの精度は、高くなり得る。例えば、機械学習モデルからの出力の90%以上が、現在の通信交換情報など、評価データセットの望ましい出力と同じである場合、機械学習モデルの精度は、高くなり得る。そうしないと、機械学習モデルの精度は、低くなり得る。90%の数値は、一例にすぎない。現実的で望ましい精度のパーセンテージは、問題とデータに依存し得る。
【0063】
いくつかの例では、機械学習モデルが特定のタスクに対して不十分な程度の精度を有する場合、プロセスは、ブロック706に戻り得、そこで機械学習モデルは、追加のトレーニングデータを使用してさらにトレーニングされるか、または精度を改善するために修正され得る。機械学習モデルが特定のタスクに対して十分な精度を有する場合、プロセスは引き続きブロック710を実行し得る。
【0064】
この時点で、機械学習モデルは、トレーニングデータセットを使用してトレーニングされており、キャプチャされた画像を処理して位置と軌道を決定し、現在の位置および軌道に基づいてデバイスに対するカードの投影位置を予測し、軌道調整を達成するための少なくとも1つの軌道調整および1つまたは複数のプロンプトを識別する。
【0065】
ブロック710で、新しいデータが受信される。例えば、非接触カード通信交換ごとに、位置位置合わせ中に新しいデータを受信し得る。ブロック712で、トレーニングされた機械学習モデルを使用して、新しいデータを解析し、結果を提供し得る。例えば、新しいデータは、トレーニングされた機械学習モデルへの入力として提供され得る。新しいデータが受信されると、特徴抽出予測、位置および軌道予測の結果を継続的に調整して、位置合わせプロセスの期間を最小限に抑え得る。
【0066】
ブロック714で、結果は、後処理され得る。例えば、結果は、ジョブの一部として他のデータに追加、乗算、またはその他の方法で組み合わせられ得る。他の例として、結果は、時系列フォーマットなどの第1のフォーマットから、カウントシリーズフォーマットなどの他のフォーマットに変換され得る。後処理中に、結果に対して任意の数および組み合わせの演算を実行し得る。
【0067】
同時ローカリゼーションおよびマッピング(SLAM)は、3D画像空間のオンザフライ再構成のためにロボット工学コミュニティで明確に定義されるようになった。例えば、Davidsonらによる「MonoSLAM:Real-Time SingleCameraSLAM」、IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence、Vol.29、No.6、2007(参照により本明細書に援用される)は、位置特定に焦点を合わせ、単眼カメラの3D軌道を回復し、これまで未知のシーンを迅速に移動できるリアルタイムアルゴリズムを提示する。一態様によれば、カメラ追跡のためにデビッドソンによって説明された技術は、本明細書に開示された位置位置合わせシステムおよび方法で使用するために活用され得ることが理解される。上記のように、カードの電話への前進を追跡するのではなく、SLAM技術を使用して、カードの検出された特徴への電話のカメラの前進を追跡して、電話に対してカードを位置決めするという同様の結果を達成し得る。
【0068】
ここで
図8を参照して、
図6のステップ615および620の機能を実行するために使用され得る、非接触カード位置特定のためのモノSLAM方法800の例示的なステップを示すフロー図を次に説明する。デビッドソンによって開示された技術は、状態ベースのフレームワークで無期限に参照されるシーンランドマークの永続的なマップを構築する。永続的なマップを形成することは、カメラの動きが制限されている場合に有利であり得、したがって、SLAM技術は、非接触カードなどの特定の物体に焦点を合わせた位置位置合わせプロセスに有益であり得る。永続マップを使用すると、アルゴリズムの処理要件を制限し、継続的なリアルタイム操作が維持され得る。
【0069】
SLAMを使用すると、移動中のカメラとそのマップの状態をオンザフライで確率的に推定し、実行中の推定値を使用して予測検索を制限し、効率的な処理を案内できる。
【0070】
ステップ810で、カメラの状態および関心のあるすべての特徴の現在の推定値のスナップショット、およびこれらの推定値の不確実性をいつでも表す、初期の確率的特徴ベースのマップを生成し得る。マップは、システムの起動時に初期化され、操作が終了するまで持続するが、新しい画像情報で時間の経過とともに更新されるため、継続的かつ動的に進化し得る。カメラと特徴の確率的状態の推定値は、相対的なカメラ/カードの動きと特徴の観察中に更新される。新しい特徴が観察されると、マップは、新しい状態で拡大され得、必要に応じて、特徴を削除することもし得る。しかしながら、非接触カードの特徴が高い確率的確実性で識別されれば、さらなる画像処理は、その後の検索を特定された特徴に限定できることが理解される。
【0071】
マップの確率的特徴は、カメラ/カードの状態の平均「最良の」推定値だけでなく、これらの値からの可能な偏差のサイズを表す一次不確実性分布の経時的な伝播にある。数学的には、マップは、状態ベクトルと共分散行列Pで表され得る。状態ベクトルx^は、カメラと特徴の積み重ねられた状態推定値で構成され、Pは、以下の式Iに示されるように、部分行列要素に分割され得る等しい次元の正方行列であり得る。
【0072】
【0073】
結果として得られるすべてのマップパラメータの確率分布は、状態ベクトルの合計サイズに等しい次元の空間における単一の多変量ガウス分布として近似され得る。明示的に、カメラの状態ベクトルxvは、以下の式IIに示されるように、カメラ(13個のパラメータ)によって担う固定された世界フレームWおよび「ロボット」フレームRに対する、メトリック3D位置ベクトルrW、配向クォータニオンqRW、速度ベクトルvW、角速度ベクトルωRを備える。
【0074】
【0075】
ここで、特徴状態yiは、点特徴の位置の3D位置ベクトルである。一態様によれば、点特徴は、非接触カードの特徴を含み得る。マップ825の役割は、高品質のランドマークのまばらなセットをキャプチャするリアルタイムの位置特定を可能にする。具体的には、各ランドマークは、3D空間内の十分に位置特定された点特徴に対応すると見なし得る。カメラは、その位置を記述するために平行移動と回転のパラメータを必要とする剛体としてモデル化され得る。また、線形速度と角速度の推定値も維持する。一態様によれば、本明細書のカメラモデリングは、抽出された特徴(すなわち、非接触カード)に対して平行移動されて、電話に対する線形および角度のカード速度を維持するためのカード移動の並進および回転パラメータを定義し得る。
【0076】
一実施形態では、デイビソンは、ステップ830で長期のランドマーク特徴として機能するために、比較的大きな(11x11ピクセル)画像パッチを使用する。カメラの位置特定情報は、カメラの変位と回転のマッチングを改善するために使用され得る。顕著な画像領域は、例えば、反復可能な視覚的ランドマーク検出を提供する、J.ShiおよびC.Tomasi、「Good Features to Track」、Proc.IEEE会議コンピュータビジョンおよびパターン認識、pp.593-600、1994(参照により本明細書に援用される)に記載された技術を用いて、元々自動的に(すなわち、カードの属性に基づいて)検出され得る。特徴の深度を含む3D位置が完全に初期化されると、各特徴は、方向付けられた平面テクスチャとして格納され得る。新しい(相対的な)カメラ位置から特徴を測定する場合、そのパッチを3Dから画像平面に投影して、実際の画像と照合するためのテンプレートを作成し得る。保存された特徴テンプレートは、時間を超えて保存され、特徴の軌跡を決定するために任意の長期間に亘って特徴の位置を再測定できる。
【0077】
一実施形態によれば、カメラがガウスプロファイル内で発生する未決定の加速度で常に一定の速度で移動すると仮定する、一定速度、一定角速度モデルを使用し得る。このモデルは、相対的なカード/カメラの動きに一定の滑らかさを与えるが、まばらな視覚的測定を使用するシステムに堅牢性を与える。一実施形態では、画像特徴の予測位置(すなわち、予測されたカード位置)は、SLAMマップ内の特徴を検索する前に決定され得る。
【0078】
デイビソンのアプローチの1つの側面は、850での特徴位置の予測と、予測された特徴位置への画像レビューの制限を含む。画像フレーム自体の間の特徴マッチングは、現在のカメラ推定に投影されたテンプレートパッチの単純な正規化相互相関検索を使用して実行され得る。テンプレートを画像上でスキャンし、予測された位置から開始して、ピークが見つかるまで一致をテストし得る。感覚的な信頼限界の仮定は、画像処理の取り組みに焦点を当て、まばらなマップを使用して入力画像の小さな検索領域に検索を制限することにより、画像処理を高フレームレートでリアルタイムに実行できるようにする。
【0079】
一実施形態では、位置の予測は、以下のように実行し得る。まず、カメラ位置の推定値xvと特徴位置のyiを使用すると、カメラに対する点特徴の位置は、次の式IIIに示すようになると予想される。
【0080】
【0081】
透視カメラを用いて、特徴が画像中に見出されると予想される位置(u,v)は、以下の式IVに示される標準のピンホールモデルを使用して見出される。
【数4】
【0082】
ここで、fku、fkv、u0、およびv0は、標準のカメラ較正パラメータを備える。この方法により、革新的な共分散を有する有益な測定値に向けて視線方向を積極的に制御でき、フレームあたりの特徴検索の最大数を最も有益な10または12個に制限できる。
【0083】
したがって、一態様によれば、外部画像処理を制限しながら非接触カードのリアルタイム位置特定を実行する能力を含む、SLAMに関連する性能上の利点は、本明細書に開示される位置位置合わせシステムに有利であることが理解される。
【0084】
図6に戻ると、位置および軌道情報が機械学習モデル、SLAM技術または他の方法のいずれかを介して取得され得ると、一態様によれば、位置位置合わせシステムおよび方法は、軌道調整を予測するためのプロセス625と、カードを目標ボリューム内の目標位置に案内するための関連するプロンプトとを含む。一態様によれば、予測は、上記の機械学習原理を使用してトレーニングおよび維持される機械学習モデルなどの予測モデルを使用して実行され、以前の軌道調整およびプロンプトの有効性に基づいて軌道調整およびプロンプトを識別し、それにより、ユーザの行動によってカスタマイズされる。軌道調整は、例えば、目標位置と予測された位置との間の分散を識別し、分散を最小化するために現在の軌道への調整を選択することによって決定され得る。有効性は、位置位置合わせプロセスの期間を含むがこれに限定されない様々な方法で測定され得る。例えば、いくつかの実施形態では、人工知能、ニューラルネットワーク、または機械学習モデルの他の側面は、ユーザがカード位置合わせの最終結果を達成するのを支援するのに最も効果的なプロンプトを自己選択し得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、軌道調整は、関連する軌道調整を達成するように構成された1つまたは複数のプロンプトのセットにリンクされ得ることが想定される。1つまたは複数のプロンプトのセットは、可聴および視覚プロンプトを含み得、デバイスによって表示される指示(テキストまたは記号形式)、キャプチャされた画像の1つまたは複数を含む画像、色、色パターン、音、およびその他のメカニズムの1つまたは複数の形式であり得る。いくつかの実施形態では、有効性値は、各プロンプトについて格納され得、ここで、有効性値は、軌道調整を達成するためのそのようなプロンプトの表示の過去の反応および効果に関連する。有効性値は、機械学習モデルによって、カードを目標の位置に案内するための軌道調整および/またはプロンプトのうちの1つまたは複数を選択するために使用され得る。
【0086】
ステップ630で、プロンプトは、電話のディスプレイに表示され得る。ステップ635で、ステップ635において、目標位置と予測された位置との間の分散が所定の閾値内にあると決定されるまで、プロセスは、画像情報のキャプチャ、位置および軌道の決定、軌道調整の識別、およびプロンプトの表示を継続する。所定の閾値は、設計上の選択の問題であり、1つまたは複数の目標ボリューム、NFCアンテナなどに応じて変化し得る。
【0087】
ステップ635で、分散が閾値内にあると決定されると、カードは位置合わせされていると見なされ得、ステップ630で、NFCモバイルデバイスは、ステップ640でトリガされて、カードとの通信交換を開始し得る。
【0088】
一態様によれば、データ交換は、’119出願で説明されている暗号文データ交換であり得る。暗号文交換中、電話と非接触カードとの間で通信が確立された後、非接触カードは、NFCデータ交換フォーマットに従ってメッセージ認証コード(MAC)暗号文を生成し得る。特に、これは、NFCデータ交換フォーマットに従って作成され得る近距離無線データ交換(NDEF)タグのNFC読み取りなどの読み取り時に発生し得る。例えば、デバイス100(
図1A)によって実行されているアプリケーションは、アプレット選択メッセージなどのメッセージを、NDEF生成アプレットのアプレットIDと共に非接触カード150(
図1A)に送信し得、ここで、アプレットは、非接触カードのメモリに格納され、非接触カードのコンポーネントを処理してNDEFタグを生成することによって実行されたときに動作可能なアプレットであり得る。選択が確認されると、一連の選択ファイルメッセージとそれに続く読み取りファイルメッセージが送信され得る。例えば、シーケンスは、「機能ファイルの選択」、「機能ファイルの読み取り」、および「NDEFファイルの選択」を含み得る。この時点で、非接触カードによって維持されているカウンタ値が更新またはインクリメントされ、その後に「NDEFファイルの読み取り」が続き得る。
【0089】
この時点で、ヘッダと共有秘密を含み得るメッセージが生成され得る。次に、セッション鍵が生成され得る。MAC暗号文は、ヘッダと共有秘密を含み得るメッセージから作成され得る。次に、MAC暗号文をランダムデータの1つまたは複数のブロックと連結し、MAC暗号文と乱数(RND)をセッション鍵で暗号化し得る。その後、暗号文とヘッダを連結し、ASCII16進数として符号化して、NDEFメッセージフォーマットで返し得る(「NDEFファイルの読み取り」メッセージに応答)。
【0090】
いくつかの例では、MAC暗号文は、NDEFタグとして送信され得、他の例では、MAC暗号文は、ユニフォームリソースインジケータ(例えば、フォーマットされた文字列として)に含まれ得る。
【0091】
いくつかの例では、アプリケーションは、非接触カードに要求を送信するように構成され得、要求は、MAC暗号文を生成する命令を備え、非接触カードは、MAC暗号文をアプリケーションに送信する。
【0092】
いくつかの例では、MAC暗号文の送信は、NFCを介して行われるが、本開示はそれに限定されない。他の例では、この通信は、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi、または他の無線データ通信手段を介して行われ得る。
【0093】
いくつかの例では、MAC暗号文は、検証の目的でデジタル署名として機能し得る。例えば、一実施形態では、MAC暗号文は、カウンタ値を使用して鍵の多様化を実施するように構成されたデバイスによって生成され得る。このようなシステムでは、送信デバイスと受信デバイスに同じマスター対称鍵をプロビジョニングし得る。いくつかの例では、対称鍵は、安全なデータの交換に関与する送信デバイスおよび受信デバイス以外のすべての当事者から秘密にされ得る共有秘密対称鍵を備え得る。さらに、送信デバイスと受信デバイスの両方に同じマスター対称鍵を提供し得、さらに、送信デバイスと受信デバイスとの間で交換されるデータの一部は、カウンタ値と呼ばれ得るデータの少なくとも一部を備えることが理解される。カウンタ値は、送信デバイスと受信デバイスとの間でデータが交換されるたびに変化する数を備え得る。さらに、送信デバイスと受信デバイスは、適切な対称暗号化アルゴリズムを使用し得、これは、対称暗号化アルゴリズム、HMACアルゴリズム、およびCMACアルゴリズムのうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの例では、多様化値を処理するために使用される対称アルゴリズムは、所望の長さの多様化された対称鍵を生成するために必要に応じて使用される任意の対称暗号化アルゴリズムを備え得る。対称アルゴリズムの非限定的な例は、3DESまたはAES128などの対称暗号化アルゴリズム、HMAC-SHA-256などの対称HMACアルゴリズム、AES-CMACなどの対称CMACアルゴリズムを含み得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、送信デバイスは、選択された暗号化アルゴリズムを採用し、マスター対称鍵を使用して、カウンタ値を処理し得る。例えば、送信者は、対称暗号化アルゴリズムを選択し、送信デバイスと受信デバイスとの間の会話ごとに更新されるカウンタを使用し得る。次に、送信デバイスは、マスター対称鍵を使用して、選択された対称暗号化アルゴリズムでカウンタ値を暗号化し、多様化された対称鍵を作成し得る。多様化された対称鍵を使用して、結果を受信デバイスに送信する前に機密データを処理し得る。次に、送信デバイスは、保護された暗号化されたデータを、カウンタ値とともに、処理のために受信デバイスに送信し得る。
【0095】
受信デバイスは、最初にカウンタ値を取得し、次に、暗号化への入力としてカウンタ値を使用し、暗号化の鍵としてマスター対称鍵を使用して、同じ対称暗号化を実行し得る。暗号化の出力は、送信者によって作成されたものと同じ多様化された対称鍵値であり得る。次に、受信デバイスは、保護された暗号化されたデータを取得し、多様化された対称鍵とともに対称復号アルゴリズムを使用して、保護された暗号化されたデータを復号して、元の機密データを明らかにし得る。次に、機密データを送信者から受信者にそれぞれの送信デバイスと受信デバイスを介して送信する必要がある場合、異なるカウンタ値を選択して、異なる多様化された対称鍵を生成し得る。マスター対称鍵と同じ対称暗号化アルゴリズムを使用してカウンタ値を処理することにより、送信デバイスと受信デバイスの両方が独立して同じ多様化された対称鍵を生成し得る。マスター対称鍵ではなく、この多様化された対称鍵を使用して、機密データを保護し得る。
【0096】
いくつかの例では、鍵多様化値は、カウンタ値を備え得る。鍵多様化値の他の非限定的な例は、新しい多様化された鍵が必要とされるたびに生成されるランダムナンス、送信デバイスから受信デバイスに送信されるランダムナンス、送信デバイスと受信デバイスから送信されたカウンタ値の完全な値、送信デバイスと受信デバイスから送信されたカウンタ値の一部、送信デバイスと受信デバイスによって独立して維持されるが、2つのデバイス間で送信されないカウンタ、送信デバイスと受信デバイスの間で交換されるワンタイムパスコード、機密データの暗号化ハッシュを含む。いくつかの例では、鍵多様化値の1つまたは複数の部分は、複数の多様化された鍵を作成するために当事者によって使用され得る。例えば、カウンタを鍵多様化値として使用し得る。さらに、上記の例示的な鍵多様化値のうちの1つまたは複数の組み合わせを使用し得る。
【0097】
図9は、非接触カードを近接センサおよびイメージングハードウェアおよびソフトウェアを備えたNFCモバイルデバイスと位置合わせさせるための、本明細書に開示される位置位置合わせシステムの使用を示すフロー
図900である。ステップ905で、位置位置合わせ論理は、通信交換を実行するためのデバイスによる要求を検出する。ステップ910で、位置位置合わせ論理は、デバイスの近接センサを使用して、デバイスから放出されてデバイスに反射される反射エネルギを測定し、反射エネルギがデバイスに対するカードの近接を示す所定の閾値を超えたときに決定することを含む。
【0098】
図10は、電話1010の近接センサ1015の動作ボリューム1020に接近する非接触カード1030を示している。電話が動作ボリューム1020に入ると、一実施形態では、近接センサ1015によって放出された赤外線ビームは、信号R1035として近接センサ1015に反射して戻る。カードが電話の動作ボリュームに近づくと、トリガ閾値に達するまで反射信号強度が増加し、その時点で、近接センサは、カードが「NEAR」であることを示す。いくつかの実施形態では、近接検索中に、電話のディスプレイ1050は、例えば、視覚的または聴覚的指示などを提供することによって、
図10に示されるようにカードを検索しているという通知を提供することによって、ユーザにプロンプトを出し得る。
【0099】
ステップ915(
図9)で、近接センサがトリガされると、位置位置合わせ論理は、反射エネルギが所定の閾値を超えたときに、デバイスに近接する3次元ボリュームの一連の画像をキャプチャするように、デバイスのカメラおよび赤外線深度センサの少なくとも1つを制御する。NFCリーダの位置および電話上のカメラの位置に応じて、カメラは、電話のNFCインターフェースの動作ボリュームの少なくとも一部と重複する動作ボリュームを備える画像キャプチャのために選択され得ることが理解され得る。
【0100】
ステップ920で、位置位置合わせ論理は、キャプチャされた複数の画像を処理して、デバイスに近接する3次元ボリューム内のカードの位置および軌道を決定する。前述のように、処理は、カードをゴール位置に案内する過去の試みと同時ローカリゼーションおよびマッピング(SLAM)プロセスを使用してトレーニングされた機械学習モデルの一方または両方によって実行され得る。ステップ925で、位置位置合わせプロセスは、カードの位置および軌道に基づいて、デバイスに対するカードの投影位置を予測し、ステップ930で、投影位置と目標位置との間の1つまたは複数の分散を識別し、1つまたは複数の分散を低減するために選択された少なくとも1つの軌道調整を識別し、軌道調整を達成するための1つまたは複数のプロンプトを識別することを含み、ステップ935で、位置位置合わせプロセスは、1つまたは複数のプロンプトをデバイスのディスプレイに表示する。
【0101】
図11は、目標ボリューム1120内のカード1150に関連する画像情報をキャプチャする電話1110の例示的なディスプレイ1105を示している。ディスプレイ1105は、目標位置に関連付けられた位置プロンプト1115、画像プロンプト1130、およびカード1150の目標位置への案内を支援するためにユーザに表示され得る矢印プロンプト1140などのいくつかのプロンプトを含み得る。画像プロンプト1130は、例えば、位置位置合わせ中に電話1110のイメージングコンポーネントによってキャプチャされた画像の一部を含み得、目標に対するそれらの動きのユーザの理解を支援するためにユーザにとって有益であり得る。矢印1140は、例えば、
図11に示されるように、適切な位置合わせのためにカードを上方に調整するようにユーザを動かすように、方向性の支援を提供し得る。他のタイプのプロンプトも使用し得る。これには、テキストによる指示、記号および/または絵文字、音声による指示、色に基づくガイダンス(すなわち、カードが目標から比較的遠いときにユーザに第1の色(赤など)を表示し、カードが位置合わせすると画面を緑色に移行させる)が含まれるが、これらに限定されない。
【0102】
ステップ940(
図9)で、位置位置合わせプロセスは、画像情報をキャプチャし、カードの位置および軌道を決定し、カードの投影位置を予測し、1つまたは複数の分散、少なくとも1つの軌道調整、および1つまたは複数のプロンプトを識別し、1つまたは複数の分散が所定の閾値内に入るまで1つまたは複数のプロンプトを表示するステップを繰り返し得る。ステップ945で、位置位置合わせプロセスは、分散が所定の閾値よりも小さいときに、デバイスのカードリーダによるカードの読み取りをトリガし得る。いくつかの実施形態では、位置位置合わせプロセスは、カードとモバイルデバイスとの間のデータ交換の間、例えば、読み取り中にカードが移動した場合にカードの位置を調整するプロンプトを提供するために動作し続け得る。
【0103】
図12A、
図12B、および
図12Cは、位置合わせが検出された後、位置位置合わせプロセスによって提供され得る表示プロンプトの例である。
図12Aでは、カードが目標位置に位置合わせされたときにユーザに通知するためのプロンプト1220が提供され得る。いくつかの実施形態では、インターフェースは、リンク1225などのリンクを提供して、ユーザが電話によって読み取られるカードを開始できるようにし得る。他の実施形態では、位置合わせは、カードの読み取りを自動的にトリガし得る。
【0104】
図12Bでは、カード読み取りプロセス中に、プロンプト、例えば、カウントダウンプロンプト1230がユーザに提供され得る。さらに、例えば、矢印1240などの追加のプロンプトが提供されて、ユーザが読み取り中にカードに生じた可能性のある動きを修正し、接続が失われないことを保証し、NFC通信の成功率を改善することを可能にし得る。読み取りに続いて、
図12Cに示されるように、ディスプレイは、通信交換の成功または失敗に関する通知1250をユーザに提供する。
【0105】
したがって、非接触カード読み取りデバイスに対して、目標ボリューム内の好ましい位置に非接触カードを位置合わせすることを容易にする位置位置合わせシステムおよび方法が示され、説明されてきた。位置合わせ論理は、赤外線近接検出器、カメラ、赤外線センサ、ドットプロジェクタなどの利用可能なイメージングデバイスからキャプチャされた情報を使用して、カードを目標の位置に案内する。キャプチャされた画像情報は、機械学習モデルおよび/または同時ローカリゼーションおよびマッピング論理の一方または両方を使用して、カードの位置、軌道、および予測された位置を識別するために処理され得る。軌道調整とプロンプト識別は、機械学習技術を使用してインテリジェントに制御およびカスタマイズされ、ユーザの好みや過去の行動に基づいて案内をカスタマイズし得る。その結果、非接触カードの位置合わせの速度と精度が向上し、受信したNFC信号強度が最大化されるため、トランザクションの取りこぼしが減少する。
【0106】
上記の技術は、近接センサを使用してカードの近接が最初に検出された後、非接触カードの配置をデバイスのカードリーダインターフェースに対して所望の位置に案内するための様々な方法を論じてきた。しかしながら、本明細書に開示される原理は、カードの近接を検出するためにキャプチャされた画像データを使用して、近接センサ情報を増強するか、または完全に置き換えるために拡張され得ることが理解される。キャプチャされた画像情報は、さらに処理されて、カードがカードリーダインターフェースに対して特定の位置にあるときを決定し、ユーザインターフェース要素に関連付けられた操作、例えば、ユーザ入力を待たずにモバイルデバイスによるNFC読み取り操作または他の機能を自動的にトリガするなどを自動的に実行し得る。このような構成により、ユーザ入力を必要とせずに機能を自動的にトリガして、操作を制御し得る。例えば、デバイスのユーザインターフェース要素との人間による対話の必要性を回避し得る。
【0107】
一態様によれば、画像処理論理415(
図4)は、カードがカードリーダに近接していることを示唆し得る画像パラメータを決定するためのプログラムコードを含むように拡張され得る。例えば、画像パラメータは、画像の近接特徴、すなわち、物体がカメラに近接し得ていることを示す特徴に関連し得る。いくつかの実施形態では、カードリーダは、画像をキャプチャするために使用されるデバイスのカメラと同じ表面に配置され得、したがって、画像情報は、カードリーダへのカードの近接性をさらに示し得る。様々な実施形態では、カードリーダ/カメラは、デバイスの前面または背面に配置され得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、画像パラメータは、画像の暗さレベルおよび/または複雑さレベルのうちの1つまたは複数を備える。例えば、ここで
図13Aおよび
図13Bを簡単に参照すると、デバイス1310は、例えば、カード1320がデバイス1310に近接させられたときに、非接触カード1320からMAC暗号文を取得するように上述のように構成された非接触カード読み取りインターフェースを有するデバイスであり得る。例えば、デバイスは、NDEF生成アプレットのアプレットIDを使用して、アプレット選択メッセージを送信し得る。このアプレットは、非接触カードのメモリに格納され、非接触カードの処理コンポーネントによって実行されたときにNDEFタグを生成するように動作可能なアプレットであり得る。一態様によれば、一連の画像は、デバイスのカメラを使用してキャプチャされ得、暗さレベルおよび/または複雑さレベルを解析して、非接触カードのNDEF生成アプレットからのNFC読み取り操作の転送を自動的にトリガするために、カードがデバイスから好ましい距離になったときを決定し得る。
【0109】
図13Aおよび
図13Bでは、説明のみを目的として、画像1320がデバイス1310のディスプレイ1340に示されているが、カードの近接性を決定するために本明細書に開示されるように使用されるキャプチャされた画像がデバイス1310に表示される必要はない。
【0110】
一実施形態によれば、デバイスがNFC通信を開始するとき(例えば、ユーザがデバイスのユーザインターフェース上でNFC読み取り操作(ボタン1225など)を選択することによって、またはデバイスがカードとのNFC通信を開始するようにデバイスの要求を、例えば、第三者(業者アプリケーションまたはモバイル通信デバイスなど)から受信することによって、など)、デバイスは、デバイスに近接する空間ボリュームの一連の画像をキャプチャし得る。一連の画像は、画像の暗さレベルまたは複雑さレベルを含むがこれらに限定されない、一連の画像の1つまたは複数の1つまたは複数の画像パラメータを識別するために処理され得る。複雑さレベルおよび/または暗さレベルは、NFC読み取りをトリガするために使用され得る。あるいは、または組み合わせて、画像処理は、カードの前進を示唆する一連の画像または一連の画像の一部の暗さレベルおよび/または複雑さレベルにおける傾向および/またはパターンを識別することを含み得る。カードがデバイスに対して好ましい距離であり得ることを示す一連の画像内の傾向および/またはパターンの識別を使用して、NFC読み取りを自動的にトリガし得る。
【0111】
例えば、
図13A~
図13Cに示されるように、カードがデバイスからさらに離れている場合、キャプチャされた画像(ここでは画像1330Aとして表される)は、カード1320がデバイスに近づくにつれて比較的遅い時間にキャプチャされた画像1330Bよりも比較的明るくなり得る。
図13Bに示されるように、カードが近づくにつれて、
図13Cに示されるように、キャプチャされた画像(
図13Cには見えない)が暗くなり、カード1320によって画像に光が現れるのが遮断されるまで、画像は、暗くなる。これは、カードがデバイスに近づくと、カード(または手)がカメラにより受信される周囲光を遮断し得るためであり得る。
【0112】
前述のように、デバイスからの好ましい距離でのカードの存在は、キャプチャされた一連の画像の暗さレベル、暗さレベルの傾向、複雑さレベル、および/または複雑さレベルの傾向に応じて決定され得る。特に、カードの存在は、一連の画像のピクセル値を処理して、処理された各ピクセルの暗さレベルを識別することによって決定され得る。例えば、ピクセルにグレースケール値を割り当てる。画像の暗さレベルは、画像ピクセルの暗さレベルを平均することによって決定され得る。いくつかの実施形態では、カードがデバイスから好ましい距離である場合、暗さレベルを暗さレベルに対応する閾値と比較し得、例えば、そのような距離は、成功したNFC読み取り動作をサポートする。いくつかの実施形態では、閾値は、絶対閾値であり得る。例えば、「0」が白を示し、「1」が暗いことを示すシステムでは、暗さレベルが0.8以上の場合、カードは、「存在する」と見なされ、カードリーダが有効になり得る。他の実施形態では、閾値は、通信交換が行われる環境の周囲光を考慮に入れた相対閾値であり得る。そのような実施形態では、キャプチャされた第1の画像は、ベースラインの暗さレベルを提供し得、閾値は、NFC通信をトリガするための閾値を超える量に関連し得る。例えば、閾値は、相対閾値であり得る。例えば、初期の暗さレベルが0.8の暗い部屋では、暗さレベルが0.95以上になるまでNFC通信のトリガを遅らせることが望まれ得る。
【0113】
個別に計算された暗さレベルに基づいてNFC通信をトリガすることに加えて、システムはさらに、画像の暗さレベルの傾向またはパターンを認識してNFC読み取りをトリガすることを検討する。傾向の認識は、例えば、画像のセット全体の平均値を決定し、画像のセット全体の平均値が閾値を満たしたときに読み取りをトリガすることを含み得る。例えば、個々の画像が閾値を超え得る一方で、カードの位置は、NFC読み取りを実行するのに十分に安定し得ない、したがって、連続してキャプチャされた所定の数の画像が、読み取りをトリガする前に暗さの閾値を超えることを指示することが望まれ得る。さらに、または代わりに、連続的に処理された画像を監視して、スパイクおよび/またはプラト、すなわち、カードリーダでの活動を示す連続する画像間で維持される暗さレベルの突然のシフトを識別し得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、画像全体の暗さレベルは、計算されたピクセル暗さ値の少なくともサブセットを平均することによって決定され得る。いくつかの実施形態では、特定の暗さ値は、暗さレベル計算との関連性を高めるために重み付けされ得る。例えば、カードリーダに近接していることが知られている、または認識された特徴に近い画像の部分は、カードリーダから遠い部分よりも高い重みが付けられ得る。
【0115】
上記のように、複雑さレベルは、キャプチャされた画像ごとに計算され得、複雑さレベルは、一般に、キャプチャされた画像内のピクセル値の頻度分布に関連する。一実施形態では、複雑さ値は、各ピクセルのピクセル値を1つまたは複数の隣接するピクセルのピクセル値と比較することによって、ピクセルごとに決定され得る。
図13Bに示されるように、カードがデバイスに近づくと、カードが適切に配置されている場合、背景画像がカードによって隠され得る。デフォルトでは、カードが画像を覆うにつれて、画像は、より均一になり、隣接するピクセルは、通常同じピクセル値を備える。様々な実施形態では、複雑さは、画像内の各ピクセルについて、または画像内の以前に識別された位置にあるピクセルのサブセットについて決定され得る。各ピクセルの複雑さは、隣接するピクセル値を調べることで決定され得る。画像全体の複雑さレベルは、計算されたピクセルの複雑さ値の少なくともサブセットを平均することによって決定され得る。いくつかの実施形態では、特定の複雑さレベルは、複雑さの計算との関連性を高めるために重み付けされ得る。例えば、カードリーダまたは識別された特徴に近接していることが知られている画像のそれらの部分は、カードリーダまたは識別された特徴からより遠い部分よりも高い重みが付けられ得る。
【0116】
他の実施形態では、本明細書に開示されるような機械学習方法は、例えば、カードリーダに近接する既知のカード活動を示す連続画像のピクセル暗さ/ピクセル複雑さ値のパターンを認識することによって、画像処理を増強し得る。このようなパターンは、例えば、既知の方法で変化する(すなわち、上から下または下から上に向かって暗くなる)ピクセル暗さ/複雑さレベルを含み得る。パターンは、カード認識を支援する画像要素(ストライプ、アイコン、印刷など)も含み得、特に認識されたカードの適切な配置のためのプロンプトを提供するために、上記のように使用され得る。時間の経過とともに、カードの読み取りの成功と失敗に関連する情報を使用して、NFCカード通信交換を成功させるためのカードの存在を確立する適切な画像パターンを決定し得る。
【0117】
図14は、上記の暗さおよび/または複雑さの画像属性の一方または両方を使用してNFCカード読み取りをトリガするために実行され得る例示的なステップのフロー図である。ステップ1410で、近距離無線通信がデバイスによって開始され得る。近距離無線通信の開始は、
図12Aの読み取りボタン1225などのデバイス上のユーザインターフェース要素の選択により発生し得る。あるいは、または組み合わせて、近距離無線通信の開始は、デバイス上で実行されるアプリケーション、例えば、認証または他の目的のためにカードからの暗号文の使用を利用するアプリケーションによるアクションの結果として起こり得る。
【0118】
NFC通信の開始中、ステップ1420で、フロントカメラなどのデバイスのカメラは、デバイスカメラの前の空間ボリュームの一連の画像をキャプチャし得る。いくつかの実施形態では、60、120、240またはそれ以上の画像を毎秒キャプチャし得るが、本開示は、一連の特定の数の画像のキャプチャに限定されない。ステップ1430で、画像は、カードとデバイスとの間の距離を表す暗さレベルなどの1つまたは複数の画像パラメータを識別するために処理され得る。ステップ1440で、画像の処理された暗さレベルは、所定の暗さレベル、例えば、近距離無線通信操作のための好ましい距離に関連付けられた暗さレベルと比較される。ステップ1450で、暗さレベルがNFC読み取り操作のための好ましい暗さレベルに対応すると決定されたとき、例えば、カードのアプレットから暗号文を通信するために、NFC読み取り操作が自動的にトリガされ得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、NFC読み取り操作の自動トリガは、ユーザインターフェース要素によって歴史的に提供されてきたトリガをバイパスまたは置き換え得る。例えば、いくつかの実施形態では、読み取りボタン(1225)などのグラフィカルユーザインターフェース要素は、カードがデバイスに対して適切に配置され得るとユーザが決定したときにユーザがNFC通信をアクティブ化できるようにするためにデバイス上に提供され得る。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース要素は、読み取り操作などの機能に関連付けられ得る。本明細書に記載の技術を使用して他のユーザインターフェース要素をトリガし得、様々な対応する関連機能を自動的にトリガし得ることが理解される。本明細書に開示される自動トリガは、歴史的に制御されたユーザインターフェース要素に関連付けられた遅延および不正確さを低減し、NFC通信フローおよび成功率を改善し得る。
【0120】
したがって、カードの存在を検出して、キャプチャされた画像情報を使用してNFC読み取りをトリガするためのシステムおよび方法が示され、説明されてきた。そのようなシステムは、カード読み取りをトリガする前に、追加の案内を提供するために、上記でより詳細に説明された機械学習方法および/またはSLAM方法を利用し得る。このような構成により、カードの配置が改善され、NFC通信交換の成功率が改善され得る。
【0121】
このアプリケーションで使用される「システム」、「コンポーネント」、および「ユニット」という用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのいずれかであるコンピュータ関連エンティティを指すことを意図しており、その例は、本明細書に記載されている。例えば、コンポーネントは、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、ハードディスクドライブ、複数のストレージドライブ、非一時的なコンピュータ可読媒体(光および/または磁気ストレージ媒体のいずれか)、オブジェクト、実行可能なもの、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであり得るが、これらに限定されない。実例として、サーバ上で実行されているアプリケーションとサーバの両方がコンポーネントであり得る。1つまたは複数のコンポーネントは、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在でき、コンポーネントは、1つのコンピュータにローカライズされ、および/または2つ以上のコンピュータに分散され得る。
【0122】
さらに、コンポーネントは、動作を調整するために、様々なタイプの通信媒体によって互いに通信可能に結合され得る。調整は、一方向または双方向の情報交換を含み得る。例えば、コンポーネントは、通信媒体を介して通信される信号の形で情報を通信し得る。情報は、様々な信号線に割り当てられた信号として実施され得る。このような割り当てでは、各メッセージは、信号である。しかしながら、さらなる実施形態は、代替的に、データメッセージを使用し得る。このようなデータメッセージは、様々な接続を介して送信され得る。例示的な接続は、パラレルインターフェース、シリアルインターフェース、およびバスインターフェースを含む。
【0123】
いくつかの実施形態は、それらの派生物と共に「一実施形態」または「実施形態」という表現を使用して説明され得る。これらの用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所における「一実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特に断りのない限り、上記の特徴は、任意の組み合わせで一緒に使用できると認識されている。したがって、別々に議論された任意の特徴は、特徴が互いに互換性がないことに留意されない限り、互いに組み合わせて使用され得る。
【0124】
本明細書で使用される表記法および命名法を一般的に参照して、本明細書の詳細な説明は、コンピュータまたはコンピュータのネットワーク上で実行されるプログラム手順として実施され得る機能ブロックまたはユニットに関して提示され得る。これらの手順の説明および表現は、当業者によって、それらの作業の実体を当業者に最も効果的に伝えるために使用される。
【0125】
手順は、本明細書にあり、一般に、望ましい結果につながる自己矛盾のない一連の演算であると考えられている。これらの演算は、物理量の物理的な操作を必要とする演算である。通常、必ずしもそうとは限らないが、これらの量は、格納、転送、結合、比較、およびその他の方法で操作できる電気、磁気、または光信号の形をとる。主に一般的な使用法の理由から、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数値などと呼ぶと便利な場合がある。しかしながら、これらおよび類似の用語はすべて、適切な物理量に関連付けられており、これらの量に適用される便利なラベルにすぎないことに留意すべきである。
【0126】
さらに、実行される操作は、加算または比較などの用語で参照されることが多く、これらは一般に、人間のオペレータによって実行される知的な演算に関連付けられている。1つまたは複数の実施形態の一部を形成する、本明細書に記載の演算のいずれにおいても、人間のオペレータのそのような能力は必要ではないか、またはほとんどの場合望ましいものではない。むしろ、演算は、機械演算である。様々な実施形態の演算を実行するための有用な機械は、汎用デジタルコンピュータまたは同様のデバイスを含む。
【0127】
いくつかの実施形態は、それらの派生物と共に「結合された」および「接続された」という表現を使用して説明され得る。これらの用語は、必ずしも相互の同義語として意図されているわけではない。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が互いに直接物理的または電気的に接触していることを示すために、「接続された」および/または「結合された」という用語を使用して説明され得る。しかしながら、「結合された」という用語は、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、それでも互いに協力または相互作用していることを意味し得る。
【0128】
読者が技術的開示の性質を迅速に確認できるように、開示の要約が提供されていることが強調されている。請求項の範囲または意味を解釈または制限するために使用されないことを理解した上で提出される。さらに、前述の詳細な説明において、開示を合理化する目的で、様々な特徴が単一の実施形態に一緒にグループ化されていることが分かる。この開示方法は、請求された実施形態が各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ないものである。したがって、以下の請求項は、各請求項が個別の実施形態として独立している状態で、詳細な説明に組み込まれる。添付の請求項において、「含む」および「その中」という用語は、それぞれ「備える」および「ここで」というそれぞれの用語の平易な英語の均等物として使用される。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象に数値要件を課すことを意図するものではない。
【0129】
上で説明されたことは、開示されたアーキテクチャの例を含む。もちろん、コンポーネントおよび/または方法論の考えられるすべての組み合わせを説明することは不可能であるが、当業者は、さらに多くの組み合わせおよび順列が可能であることを認識し得る。したがって、新規のアーキテクチャは、添付の請求項の精神および範囲内にあるそのようなすべての変更、修正、および変形を包含することを意図している。