(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】構造物や物体からなるモジュール構造用連結装置
(51)【国際特許分類】
E04B 1/58 20060101AFI20230920BHJP
F16B 7/20 20060101ALI20230920BHJP
E04B 1/24 20060101ALI20230920BHJP
E04B 1/348 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
E04B1/58 504H
F16B7/20 A
E04B1/24 G
E04B1/348 T
(21)【出願番号】P 2022501168
(86)(22)【出願日】2020-06-22
(86)【国際出願番号】 DE2020200051
(87)【国際公開番号】W WO2021004590
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-03-08
(31)【優先権主張番号】102019210175.5
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522010406
【氏名又は名称】パカラダ、 エルネスト
(73)【特許権者】
【識別番号】522010417
【氏名又は名称】パカラダ、 エルヴィル
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パカラダ、 エルヴィル
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3046264(JP,U)
【文献】特開2016-183495(JP,A)
【文献】特開平10-018440(JP,A)
【文献】特開平04-193431(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0103029(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0377414(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第02832087(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0301215(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/38 - 1/61
F16B 7/20
E04B 1/24
E04B 1/348
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通開口部(2)または窪みを有する本体(1)であって、構造物または物体の構成部材(3)に連結可能である本体(1)を有する、複数の構造物や物体からなるモジュール構造用の連結装置であって、
前記本体(1)が、前記構造物または物体からなるモジュールの角部部材または端部部材として設計され、
前記
本体(1)の貫通開口部(2)または窪みが、前記構成部材(3)を前記本体(1)に連結する連結手段と相互作用するように設計され、
前記本体(1)に接続して前記本体(1)と前記構成部材(3)との間で機能する第1の接続部材(4)および/または前記本体(1)に接続して2つ以上の本体(1)を連結する平坦な第2の接続部材(5)が、前記本体(1)内の嵌合部位(9)と相互作用する位置決め部位(8)をそれぞれ有し、
前位置決め部位(8)と前記本体(1)内の嵌合部位(9)との相互作用が、摩擦式のおよび/または有用な相互作用であり、
前記位置決め部位(8)および前記嵌合部位(9)が、長方形形状または正方形形状であり、
前記位置決め部位(8)の長方形形状または正方形形状が、傾斜側面領域または傾斜側面(10)を有していることを特徴とする、連結装置。
【請求項2】
前記位置決め部位(8)が、前記第1
の接続部材(4)または
前記第2の接続部材(5)から突出している係合要素として設計され、前記嵌合部位(9)が、前記本体(1)の窪みとして設計されていることを特徴とするか、または、
前記位置決め部位(8)が、前記第1
の接続部材(4)または
前記第2の接続部材(5)の窪みとして設計され、前記嵌合部位(9)が、前記本体(1)から突出している係合要素として設計されていることを特徴とする、請求項
1に記載された連結装置。
【請求項3】
前記位置決め部位(8)および/または前記嵌合部位(9)が、前記本体(1)または前記第1
の接続部材(4)もしくは
前記第2の接続部材(5)の、それぞれの平面領域上または平面領域
内に形成されていることを特徴とする、請求項
1または請求項
2に記載された連結装置。
【請求項4】
前記第1の接続部材(4)が、前記構成部材(3)内の嵌合部位(12)と相互作用する、位置決め部位(11)を有し
ていることを特徴とする、請求項1乃至請求項
3のいずれか一項に記載された連結装置。
【請求項5】
前記位置決め部位(11)が、前記第1の接続部材(4)から突出している挿入要素または係合要素として形成され、前記嵌合部位(12)が、前記構成部材(3)の窪みまたは貫通穴として形成されていることを特徴とするか、または、
前記位置決め部位(11)が、前記第1の接続部材(4)の窪みまたは貫通穴として形成され、前記嵌合部位(12)が、前記構成部材(3)から突出している挿入要素または係合要素として形成されていることを特徴とする、請求項
4に記載された連結装置。
【請求項6】
前記位置決め部位(11)および/または前記嵌合部位(12)が、前記第1の接続部材(4)または前記構成部
材(3)のそれぞれの平面領域上または平面領域
内に形成されていることを特徴とする、請求項
4または請求項
5に記載された連結装置。
【請求項7】
前記位置決め部位(11)および/または前記嵌合部位(12)が
、長方形または正方形の形状または断面形状を有していることを特徴とする、請求項
4乃至請求項
6のいずれか一項に記載された連結装置。
【請求項8】
前記本体(1)の前記貫通開口部(2)または前記窪みが、前記連結手段と相互作用するめねじを有していることを特徴とする、請求項1乃至請求項
7のいずれか一項に記載された連結装置。
【請求項9】
前記第1の接続部材(4)および/または前記第2の接続部材(5)が、前記連結手段のための貫通開口部(6)を有していることを特徴とする、請求項1乃至請求項
8のいずれか一項に記載された連結装置。
【請求項10】
前記第1の接続部材(4)および/または前記第2の接続部材(5)の前記連結手段のための前記貫通開口部(6)が、前記連結手段のため
の窪み(7)またはへこみを有していることを特徴とする、請求項
9に記載された連結装置。
【請求項11】
前記本体(1)および/または前記第1の接続部材(4)および/または前記第2の接続部材(5)の、前記位置決め部位(8、11)または前記嵌合部位(9、12)のうちの少なくとも1つに、前記連結手段用の貫通開口部(2、6)が形成されていることを特徴とする、請求項4乃至請求項
7のいずれか一項に記載された連結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通開口部または窪みを有する本体であって、構造物または物体の構成部材に連結可能である本体を有する、複数の構造物や物体からなるモジュール構造用の連結装置であって、貫通開口部または窪みが、構成部材を本体に連結する連結手段と相互作用するように設計されている、連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、容器6のような2つの構成部材を連結する連結装置が、既に知られている。
この連結装置は、スペーサー20、40の形状に設計されている本体を有し、この本体は、ねじ付きロッド16の形状の連結手段用の貫通開口部28を有する。
ねじ付きロッド16は、2つのねじ付きハンマー式部品18、42を有し、これらのハンマー式部品18,42は、容器6の細長い穴14に挿入され、そこで、容器6と係合可能である。
このようにして、複数の容器6を互いに堅固に接続可能である。
【0003】
しかし、この既知の連結装置には、ねじ付きロッド16を挿入する際に、互いに連結された複数の容器6が連結状態で比較的離れて配置されることを考慮して設計されるスペーサー20、40に関する、すなわち、スペーサー20、40の寸法による、無視できないスペース要件があるという課題がある。
特に、複数の容器6が連結されている場合、連結された複数の容器6間のこの長い距離によって、複数の容器6や構成部材からなる全体構造が高い力学的要件を満たすことができないことがあるため、複数の容器6間にこのような長い距離が存在することは望ましくない。
さらに、複数の容器6間の距離が長いため、無駄で高価な倉庫スペースや船などの輸送装置が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、構造上単純な手段を用いて、構造物または物体を単純かつ確実に構築可能にするような、冒頭に記載したような連結装置を開発する、という目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上述の目的は、請求項1に記載された特徴を有する連結装置によって達成される。
それによると、本発明による連結装置は、構造物又は物体からなるモジュールの角部部材又は端部部材として本体が設計されるよう、設計および開発がなされている。
【0007】
本発明では、上述の目的は、本体を巧妙に設計および配置することによって単純な方法で達成されることが、最初に認識された。
ここで、本体は、構造物または物体で形成されるモジュールの角部部材または端部部材として設計されている。
言い換えると、本体は、モジュールの角部領域または端部領域でこのモジュールの構成部材となり、従来技術のように、2つの構成部材またはモジュールの間に配置され、連結される複数の構成部材やモジュールの間に長い距離を生じさせるような、追加のスペーサーまたは中間部品を有していない。
その結果、本発明による連結装置を用いると、連結される複数の構成部材やモジュールは、連結状態において、非常に近接して配置可能になる。
これにより、空間コストを大幅に節約可能である。
さらに、連結される複数の構成部材やモジュールを近接配置することは、力学的な観点から特に有利である。
この場合、モジュール方式で構築された巨大な建物構造や建築物でさえ、高い力学的要件を満たし、高い重量負荷に耐えることが可能である。
本発明による連結装置は、適切な貫通開口部や窪みとそれらに対応する連結手段との相互作用である、ねじによる連結に適している。
したがって、従来技術で慣例となっている、連結される複数の構成部材や構築要素の間を溶接接続するのに必要な時間を省くことが可能である。
ねじ接続が使用されていると、本発明による連結装置を用いて形成された複数の構成部材や物体を分解することも同様に可能である。
【0008】
その結果、本発明による連結装置によって、構造上単純な手段を用いて、構造物または物体を単純かつ確実に構築可能にする連結装置が提供される。
【0009】
複数の構造物や物体の安定した構築に関して、本連結装置は、金属、特に、鋼で作られた本体を有してもよい。
ただし、用途によっては、プラスチックや木材などの他の材料を使用して本体を製造することもできる。
【0010】
構造物や物体の確実な構築に関して、本体と構成部材との間で機能する第1の接続部材を本体に割り当ててもよい。
このような第1の接続部材を用いることで、異なる設計の本体と構成部材とを連結する場合に、本体と構成部材とに適応した連結を提供可能となり、したがって、本体と構成部材との間の確実な連結を提供可能となる。
【0011】
構造物や物体の建設中または最終状態で、互いに隣接配置された複数の本体間の安定した確実な接続に関して2つ以上の本体を連結する平坦な第2の接続部材を、本体に割り当ててもよい。
このような第2の接続部材は、本体のどの接続位置に適用するかによって、複数の(例えば、2つ、3つ、または、4つの)本体を覆うことができる。
【0012】
構造物や物体の単純で迅速な組み立てを確実におこなうために、第1の接続部材および/または第2の接続部材が、本体内の対応する嵌合部位と相互作用する位置決め部位を、それぞれ有してもよい。
嵌合部位は、位置決め部位を補完するように設計され、相互作用は、摩擦式のおよび/または有用な相互作用である。
例えば、このような位置決め部位および嵌合部位によって、構造物や物体の構築者は、第1の接続部材および/または第2の接続部材の本体に対する位置決めを迅速かつ確実に行うことができ、構築の進捗を早めることができる。
【0013】
この目的のために、位置決め部位を第1の接続部材または第2の接続部材から突出している係合要素として設計してもよく、嵌合部位を本体の窪みとして設計してもよい。
または、位置決め部位を第1の接続部材または第2の接続部材内の窪みとして設計してもよく、嵌合部位を本体から突出している係合要素として設計してもよい。
係合要素を窪みに挿入するか、または、窪みを係合要素にはめ込むことによって、単純な位置決め操作を提供可能である。
【0014】
本体と第1の接続部材または第2の接続部材との間の確実な接続に関して、位置決め部位および/または嵌合部位を、本体または第1の接続部材もしくは第2の接続部材の、それぞれの平面領域上または平面領域内(の中央)に形成してもよい。
ここで、本体と第1の接続部材または第2の接続部材とが接続されている状態では、本体の平面領域と第1の接続部材または第2の接続部材の平面領域とは、さらに、確実な態様では、互いに対向していてもよい。
位置決め部位および/または嵌合部位を、位置決め部位および嵌合部位を外部影響から保護して配置するために、それぞれの平面領域の中央に形成していてもよい。
【0015】
連結方向に実質的に垂直に延在する変位平面内での、位置決め部位と嵌合部位との互いに対する変位に関する位置決めだけでなく、連結方向に実質的に平行な軸の周りの回転に関する位置決めに関しても、確実な位置決めを可能にするために、位置決め部位および/または嵌合部位が、(好ましくは、傾斜側面領域または傾斜側面を有する)実質的に長方形形状または正方形形状を有してもよい。
この点に関して、長方形または正方形の形状は、回転に関して確実に位置決めすることに寄与し、位置決め部位または嵌合部位が傾斜側面領域または傾斜側面を有することで、位置決め部位および嵌合部位のそれぞれが傾斜側面領域または傾斜側面を互いに対して滑ってはめ込まれていくため、位置決め部位および嵌合部位を容易にはめ込むことができる。
【0016】
さらに、構造物や物体の単純で迅速な組み立てを確実にするために、第1の接続部材が、構成部材内の嵌合部位と相互作用する、位置決め部位を有していてもよい。
嵌合部位は、位置決め部位を補完していると好ましく、相互作用は、摩擦式のおよび/または有用な相互作用であると好ましい。
例として、このような位置決め部位および嵌合部位を用いると、構造物や物体の構築者は、構成部材に対して第1の接続部材を迅速かつ確実に位置決めを行い、建設の進捗を早めることができる。
【0017】
この目的のために、位置決め部位を、第1の接続部材から突出している挿入要素または係合要素として設計してもよく、嵌合部位を、構成部材の窪みまたは貫通穴として設計してもよい。
または、位置決め部位を、第1の接続部材の窪みまたは貫通穴として設計してもよく、嵌合部位を、構成部材から突出している挿入要素または係合要素として設計してもよい。
挿入要素または係合要素を窪みに挿入するか、もしくは、貫通開口部に挿入するか、または、窪みまたは貫通開口部を挿入要素もしくは係合要素にはめ込むことによって、単純な位置決めプロセスを提供可能である。
【0018】
第1の接続部材と構成部材との間の確実な接続に関して、位置決め部位および/または嵌合部位を、第1の接続部材の、または、構成部材の、それぞれの平面領域上または平面領域内(の好ましくは中央)に形成してもよい。
ここで、第1の接続部材と構成部材とが接続されている状態では、第1の接続部材の平面領域と構成部材の平面領域とは、さらに特に確実な態様では、互いに対向していてもよい。
位置決め部位および/または嵌合部位を、位置決め部位および嵌合部位を外部影響から保護して配置するために、それぞれの平面領域の中央に形成していてもよい。
【0019】
連結方向に実質的に垂直に延在する変位平面内での、位置決め部位と嵌合部位との互いに対する変位に関する位置決めだけでなく、連結方向に実質的に平行な軸の周りの回転に関する位置決めに関しても、確実な位置決めを可能にするために、位置決め部位および/または嵌合部位が、(好ましくは、傾斜側面領域または傾斜側面を有する)実質的に長方形または正方形の形状または断面形状を有してもよい。
この点に関して、長方形または正方形の形状または断面形状は、回転に関して確実に位置決めすることに寄与し、位置決め部位または嵌合部位が傾斜側面領域または傾斜側面を有することで、位置決め部位および嵌合部位のそれぞれが傾斜側面領域または傾斜側面を互いに対して滑ってはめ込まれていくため、位置決め部位および嵌合部位を容易にはめ込むことができる。
【0020】
構成部材と本体との間と、第1の接続部材および/または第2の接続部材と本体との間との確実な連結に関して、本体の貫通開口部または窪みが、連結手段と相互作用するめねじを有してもよい。
その結果、ねじ接続によって、それぞれの構成部材を互いに対して単純に連結可能である。
後戻りが非常に困難で時間のかかる溶接継手は、不要である。
本体の有利な実施形態では、本体の複数のまたは全ての貫通開口部や窪みは、連結手段(例えばねじまたはねじボルト)と相互作用する適切なめねじを有してもよい。
【0021】
また、第1の接続部材および/または第2の接続部材と本体との間の確実な連結に関して、第1の接続部材および/または第2の接続部材が、連結手段のための貫通開口部を有してもよい。
【0022】
複数の構成部材のそれぞれが、構成部材間に望ましくない隙間を作ることなく、または連結手段(例えば、ねじ)の望ましくない突起が存在することなく、可能な限り互いに近接した配置を確実に実施するために、第1の接続部材および/または第2の接続部材の連結手段のための貫通開口部が、連結手段のための(斜めのまたは円錐形の)窪みまたはへこみを有してもよい。
これにより、構成部材の連結状態や構造物または物体の組み立て状態でのそれぞれの構成部材において、連結手段(例えばねじ)の埋め込み配置が可能になる。
【0023】
本発明による連結装置の有利な実施形態では、本体および/または第1の接続部材および/または第2の接続部材の、位置決め部位または嵌合部位のうちの少なくとも1つに、連結手段用の貫通開口部を形成してもよい。
その結果、位置決め部位または嵌合部位は、省スペースでその位置決めの役割を果たすことができるだけでなく、連結機能も有することができる。
【0024】
本発明による連結装置では、本体を直方体または立方体として設計してもよく、かつ/または、構成部材を、正方形の管または円形の管として設計してもよい。
具体的な形状を、それぞれの用途に基づいて設計可能である。
【0025】
本発明による連結装置を用いると、本体と第1の接続部材および/または第2の接続部材とを有する構造物や物体からなるモジュール構造のための単純で確実かつ汎用性の高いシステムを提供可能である。
住宅など家の形をした構造物や、家具などの形の物体を形成可能である。
【0026】
本発明を有利に設計および開発するための、様々なオプションが存在する。
これに関して、図面とともに、従属請求項を参照されたく、他方では、本発明による連結装置の実施形態の以下の説明を参照されたい。
また、本発明の設計および開発も、図面を参照する本発明の実施形態の説明と併せて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明による連結装置の実施形態の、一方は組み立て状態の斜視図であり、他方は分解状態の斜視図である。
【
図2】
図1の連結装置内の第1の接続部材の2つの斜視図である。
【
図3】
図1の連結装置内の第2の接続部材の斜視図である。
【
図4】本発明による連結装置を用いて構築される構造物のモジュールの、部分的な分解斜視図である。
【
図5】本発明による連結装置を用いて構築される構造物の拡張モジュールの、部分的な分解斜視図である。
【
図6】構造物の複数のモジュールの、本発明による連結装置を用いた結合を示す、部分的な分解斜視図である。
【
図7】
図6のモジュールの、組み立て状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明による連結装置の実施形態を斜視図で示し、
図1の上側の領域には、組み立てられる構造物または物体の一部が組み立て状態で示され、
図1の下側の領域には、上側の領域に対応する構成部材を分解図で示している。
ここでは、複数の貫通開口部2を有する本体1であって、構造物の構成部材3に連結可能である本体1を有する、複数の構造物または物体からなるモジュール構造用の連結装置が示されている。
貫通開口部2は、構成部材3を本体1に連結する連結手段(例えば、ねじ)と相互作用するように設計されている。
ここで、本体1と構成部材3とは、金属(好ましくは、鋼)で作られた第1の接続部材4を介して、互いに連結されている。
さらに、
図1には、金属(好ましくは、鋼)で作られた平坦な第2の接続部材5も示され、この第2の接続部材5は、2つ以上の本体1を互いに連結させる。
【0029】
複数の構成部材3の、または、構造物や物体からなる複数のモジュールの、特に、単純で確実な連結に関して、本体1は、このようなモジュールの角部部材または端部部材として設計されている。
【0030】
また、第1の接続部材4は、
図2において、異なる方向から見た2つの拡大斜視図で示されている。
また、第2の接続部材5も、
図3において、拡大斜視図で示されている。
【0031】
第1の接続部材4および第2の接続部材5は、連結手段を挿入または通過させる貫通開口部6を有し、連結手段を埋め込んだり落ち込ませたりするための窪み7を有している。
この窪み7は、斜めにまたは円錐状に形成されていてもよい。
【0032】
さらに、第1の接続部材4は、本体1内の嵌合部位9と嵌め合うための位置決め部位8を有している。
嵌合部位9は、位置決め部位8を補完するように機能する。
ここで、位置決め部位8は、第1の接続部材4から突出している係合要素として形成され、嵌合部位9は、本体1内の窪みとして形成されている。
位置決め部位8および嵌合部位9は、第1の接続部材4の平面領域の中央と本体1の平面領域の中央とにそれぞれ形成されている。
位置決め部位8と嵌合部位9との両方に、連結手段用の貫通開口部6、2が形成されている。
【0033】
位置決め部位8および嵌合部位9は、それぞれ、傾斜側面10を有する実質的に正方形の形状を有し、この正方形の形状は、組み立て状態において、第1の接続部材4と本体1とが相互に回転することに対する保護手段を形成している。
これにより、回転に対する確実な位置決めが確保されている。
傾斜側面10によって、位置決め部位8の嵌合部位9への挿入が容易になり、したがって、組み立てにおいて、本体1に対する第1の接続部材4の位置決めが容易になる。
【0034】
さらに、第1の接続部材4は、構成部材3内の嵌合部位12に対して嵌め合うための位置決め部位11を有している。
嵌合部位12は、位置決め部位11を補完するように機能する。
位置決め部位11は、第1の接続部材4から突出している挿入要素または係合要素として設計されており、嵌合部位12は、構成部材3の貫通開口部として設計されている。
挿入要素または係合要素を貫通開口部に挿入する際に、第1の接続部材4の構成部材3に対する望まない回転を確実に防止するために、位置決め部位11および嵌合部位12の両方が、長方形の断面形状を有している。
位置決め部位11および嵌合部位12は、第1の接続部材4の平面領域の中央と構成部材3の平面領域の中央とにそれぞれ形成されている。
【0035】
第2の接続部材5は、2つの本体1の2つの正方形形状の外側面を覆うために、長方形形状を有し、2つの本体1を連結する。
したがって、本体1は、「2部品要素」として設計されている。
3つまたは4つの本体1を覆い、連結するために、第2の接続部材5を、「3部品要素」または「4部品要素」として設計可能である。
「4部品要素」は、実質的に正方形形状を有してもよい。
【0036】
本実施形態では、本体1は、立方体として形成されている。
第1の接続部材4の平面領域は、正方形の基本形状を有する。
構成部材3は、内部の貫通開口部が長方形である、正方形の管状の構成である。
しかし、本体1、第1の接続部材4、第2の接続部材5および構成部材3は、他の構成とすることも可能である。
【0037】
第2の接続部材5は、(
図3に示されている)前面13にのみだけでなく、(
図3に示されていない)背面にも、または、背面のみに、位置決め部位8を有していてもよい。
特に汎用的で有利な態様では、位置決め部位8は、前面13と背面の両方に形成されている。
特に、第2の接続部材5の背面が本体1と接触することから、
図1から推測可能である。
【0038】
図4および
図5は、本発明による連結装置を用いた構造を有するモジュール16の構成を示している。
ここで、
図4によると、構成部材3のそれぞれが、第1の接続部材4によって本体1の3つの外側面に連結される。
第1の接続部材4を本体1に固定するために、ボルト14の形状の連結手段が使用され、ねじ14をねじ込むために、本体1内の対応する貫通開口部2に適切なめねじが形成されている。
ねじ14は、モジュール16の組み立て状態において、第1の接続部材4の貫通開口部6の窪み7に埋め込まれるねじ頭を有している。
【0039】
図5には、ロッド15として設計された連結要素が示されており、これらのロッド15は、第1の接続部材4の位置決め部位11の貫通開口部6に挿入可能であり、構成部材3を確実に連結するために、モジュール16の組み立て状態で構成部材3を貫通して延在している。
ここで、ロッド15または連結要素は、主要要素である本体1の貫通開口部2のめねじと係合するためのおねじを有することができる。
ここに示す実施形態では、構成部材3の組み立て状態では、実質的に直方体のモジュール16が作成され、主要要素1は、モジュール16の角部部材として形成され、したがってモジュール16を一体化させる要素となっている。
【0040】
図6および
図7は、4つのモジュール16からなる物体の構築を示し、4つのモジュール16のそれぞれが、
図5に示されているモジュール16に対応している。
したがって、モジュール16の組み立てに関しては、
図4および
図5の組み立てに関する記載を参照されたい。
図6および
図7に示されるように、4つのモジュール16は、互いに連結されて直方体を形成し、第2の接続部材5が、互いに隣接配置された複数の本体1を連結するために使用されている。
直方体の上部の外側面の中央に、「4部品要素」として設計されている第2の接続部材5が、互いに隣接配置された4つの本体1を接続および覆うために使用されている。
4つの本体1は、正方形の形成に適した態様で隣接配置されている。
4つのモジュール16から形成される直方体の高い安定性に関して、第2の接続部材5は、2つ以上の本体1が互いに隣接配置されている任意の点に取り付け可能である。
ここに示されている実施形態において、このような接続を、直方体の側面および/または底面でさらに実施可能である。
【0041】
形成された直方体、物体または構造物を力学的にさらに安定および改善させるために、第2の接続部材5は、互いに隣接配置された複数の本体1の間の隙間17にも配置可能である。
ここで、「2部品要素」として設計されている第2の接続部材5を、例えば、「4部品要素」の下の隙間17に配置可能である。
また、「半分の」「2部品要素」を隙間17に配置可能である。
図7の下側の領域に示されている隙間17を参照されたい。
【0042】
さらに、複数の本体1を連結する連結要素としてのロッド15が、
図7の例によって示されており、さらなる数のモジュール16やさらなる数の(例えば、4つのモジュールからなる)直方体を、直方体の異なる側面から連結させる。
例えば、
図7に示すような2つの直方体を上下に配置可能であり、ロッド15を用いて確実な接続で連結可能である。
もちろん、複数のロッド15を、各々独立して複数の本体1内に配置したり、全ての本体1に配置したりすることができる。
このような配置は、更なる数のモジュール16や直方体等を確実に連結するために必要であったり、有用であったりする。
ここで示したモジュール16を基にして、高層ビルや高層物体など、非常に多様な構造物を形成可能である。
【0043】
本発明による連結装置を用いると、建物や家屋などのほとんどのあらゆる大きな構造物を、モジュール式の設計で、単純、確実かつ迅速に組み立てることが可能である。
【0044】
本発明による連結装置のさらに有利な設計に関しては、繰り返しを避けるために、説明の一般的な部分および特許請求の範囲を参照されたい。
【0045】
最後に、上記の実施形態は、特許請求された教示を説明するためのものであり、これらの実施形態に限定しない。
【符号の説明】
【0046】
1 ・・・本体
2 ・・・貫通開口部
3 ・・・構成部材
4 ・・・第1の接続部材
5 ・・・第2の接続部材
6 ・・・貫通開口部
7 ・・・窪み
8 ・・・位置決め部位
9 ・・・嵌合部位
10 ・・・側面
11 ・・・位置決め部位
12 ・・・嵌合部位
13 ・・・前面
14 ・・・ねじ
15 ・・・ロッド
16 ・・・モジュール
17 ・・・隙間