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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】無線充電装置およびそれを含む移動手段
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/70 20160101AFI20230920BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20230920BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230920BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20230920BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20230920BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20230920BHJP
   H01F 38/14 20060101ALI20230920BHJP
   H01F 27/18 20060101ALI20230920BHJP
   H01F 27/10 20060101ALI20230920BHJP
   H01F 27/16 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
H02J50/70
H02J50/10
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
B60M7/00 X
B60L5/00 B
B60L53/12
H01F38/14
H01F27/18
H01F27/10 150
H01F27/16
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022519378
(86)(22)【出願日】2020-10-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 KR2020013593
(87)【国際公開番号】W WO2021071212
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0123801
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0054524
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508148079
【氏名又は名称】エスケイシー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SKC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】102, Jeongja-ro, Jangan-gu Suwon-si Gyeonggi-do 16338 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、ナヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ、スンファン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジョンハク
(72)【発明者】
【氏名】キム、テキョン
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-145728(JP,A)
【文献】国際公開第2009/116357(WO,A1)
【文献】特開2009-018691(JP,A)
【文献】実開昭55-058015(JP,U)
【文献】特開2019-140870(JP,A)
【文献】特開2018-085808(JP,A)
【文献】特開2018-181761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/70
H02J 50/10
H02J 7/00
B60M 7/00
B60L 5/00
B60L 53/12
H01F 38/14
H01F 27/18
H01F 27/10
H01F 27/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル部と、
前記コイル部上に配置される磁性部と、
前記磁性部の少なくとも一部と接触して配置される熱伝達部とを含み、
前記熱伝達部は、
蒸発および凝縮が可能な熱媒と、
前記熱媒を収容する容器部とを含み、
前記熱伝達部は、前記容器部内に配置される移動部をさらに含み、
前記移動部は多孔質構造を有し、前記熱媒が液体状態のときに前記液体状態の熱媒を吸収し移動させる、無線充電装置。
【請求項2】
前記容器部は、密閉された内部空間を含むチューブ形状を有し、
前記容器部の内部空間は、10cm~50cmの長さおよび0.1mm~5mmの内径を有する、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項3】
前記熱伝達部は、
前記磁性部で発生する熱によって前記熱媒が蒸発する蒸発部と、
前記蒸発部で蒸発した熱媒が凝縮する凝縮部とを含む、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項4】
前記容器部は金属またはセラミックを含む、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項5】
前記熱伝達部は、5W/m.K~10000W/m.Kの熱伝導率を有し、1×10Ω・cm~1×1020Ω・cmの比抵抗を有する、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項6】
前記熱伝達部は、網構造を有するメッシュシート、リボンシート、または複数のホールを含む熱伝導性シートを含む、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項7】
前記メッシュシートまたは前記熱伝導性シートは、磁性部全面積の15%~30%の開口(ホール)面積を有し、
前記リボンシートは、一定間隔で離隔された少なくとも2つ以上を含み、5mm~10mmの幅を有する、請求項6に記載の無線充電装置。
【請求項8】
前記熱伝達部は、アルミニウム、銅、銀、および金からなる群より選択された1種以上を含む金属材料を含む、請求項6に記載の無線充電装置。
【請求項9】
前記熱伝達部は、230W/m.K~430W/m.Kの熱伝導率を有し、24J/mol・K~25.5J/mol・Kの熱容量を有する、請求項6に記載の無線充電装置。
【請求項10】
前記無線充電装置は、前記コイル部および前記磁性部を収容するハウジングをさらに含み、
前記熱伝達部は、前記磁性部と熱的に連結され、前記磁性部から前記ハウジングの外部に延びる、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項11】
前記熱伝達部は、一端の少なくとも一部が前記磁性部に挿入され、
前記一端とは異なる他端が前記ハウジングの外部に露出される、請求項10に記載の無線充電装置。
【請求項12】
前記無線充電装置は、前記コイル部の一面上に配置されるシールド部と、
前記ハウジングの外部に配置され、前記熱伝達部と直接または間接的に連結される冷却システムとをさらに含む、請求項10に記載の無線充電装置。
【請求項13】
無線充電装置を含み、
前記無線充電装置は、
コイル部と、
前記コイル部上に配置される磁性部と、
前記磁性部の少なくとも一部と接触して配置される熱伝達部とを含み、
前記熱伝達部は、
蒸発および凝縮が可能な熱媒と、
前記熱媒を収容する容器部とを含み、
前記熱伝達部は、前記容器部内に配置される移動部をさらに含み、
前記移動部は多孔質構造を有し、前記熱媒が液体状態のときに前記液体状態の熱媒を吸収し移動させる、移動手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実現例は、無線充電装置およびそれを含む移動手段に関するものである。より具体的に、実現例は、放熱構造を適用して充電効率の向上した無線充電装置およびそれを含む移動手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、情報通信分野は極めて速い速度で発展しており、電気、電子、通信、半導体などが総合的に組み合わされた多様な技術が持続的に開発されている。また、電子機器のモバイル化傾向が増大するにつれ、通信分野においても無線通信および無線電力伝送技術に関する研究が盛んに行われている。特に、電子機器などに無線で電力を伝送する方案に関する研究が活発に進んでいる。
【0003】
前記無線電力伝送は、電力を供給する送信機と、電力供給を受ける受信機との間に物理的な接触なく磁気結合(inductive coupling)、容量結合(capacitive coupling)またはアンテナなどの電磁場共振構造を利用して、空間を介して電力を無線で伝送するものである。前記無線電力伝送は、大容量のバッテリーが求められる携帯用通信機器、電気自動車などに適しており、接点が露出されないため漏電などの危険がほとんどなく、有線方式の充電不良現象を防ぐことができる。
【0004】
一方、最近では電気自動車への関心が急増するにつれ、充電インフラ構築に対する関心が増大している。すでに、家庭用充電器を利用した電気自動車充電をはじめ、バッテリー交換、急速充電装置、無線充電装置などと、多様な充電方式が登場しており、新しい充電事業ビジネスモデルも登場し始めている(韓国公開特許第2011-0042403号参照)。また、欧州では試験運行中の電気自動車と充電所が目立ち始め、日本では自動車メーカーと電力会社が主導して電気自動車および充電所を試験的に運営している。
【0005】
電気自動車等に用いられる従来の無線充電装置は、無線充電効率向上のためにコイル部に隣接して磁性部が配置され、遮蔽のための金属板が磁性部と一定間隔で離隔して配置される。
【0006】
無線充電装置は、無線充電動作中にコイルの抵抗と磁性部の磁気損失によって熱を発生する。特に、無線充電装置内の磁性部は、電磁波エネルギー密度の高いコイルに近い部分で熱を発生し、発生した熱は磁性部の磁気特性を変化させ、送信装置と受信装置間のインピーダンス不整合を引き起こして充電効率が低下し、これによって再び発熱現象が高じると言う問題があった。しかし、このような無線充電装置は、電気自動車の下部等に設置されるため、防塵や防水および衝撃吸収のために密閉構造を採用するので、放熱構造を実現することが困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決しようとする技術的課題は、磁性部の少なくとも一部と接触して配置される熱伝達部を含むことにより、磁性部内で発生した熱を効率よく外部に放出することができ、充電効率を向上させ得る無線充電装置およびそれを含む移動手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実現例によると、コイル部と、前記コイル部上に配置される磁性部と、前記磁性部の少なくとも一部と接触して配置される熱伝達部とを含む、無線充電装置が提供される。
【0009】
他の実現例によると、無線充電装置を含み、前記無線充電装置はコイル部と、前記コイル部上に配置される磁性部と、前記磁性部の少なくとも一部と接触して配置される熱伝達部とを含む、移動手段が提供される。
【発明の効果】
【0010】
前記実現例によると、本発明の無線充電装置は、磁性部の少なくとも一部と接触して配置される熱伝達部を含むことにより、無線充電中に発生する熱を効率よく外部に放出して、放熱および充電効率をさらに向上させ得る。
【0011】
したがって、前記無線充電装置は、送信機と受信機との間の大容量の電力伝送を必要とする電気自動車のような移動手段などに有用に使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A図1Aは、一実現例による無線充電装置の分解斜視図を示すものである。
図1B図1Bは、他の実現例による無線充電装置の分解斜視図を示すものである。
図2A図2Aは、一実現例による無線充電装置の斜視図を示すものである。
図2B図2Bは、他の実現例による無線充電装置の斜視図を示すものである。
図3A図3Aは、図2AにおけるD-D'線に沿って切開した断面図であり、熱伝達部と磁性部とが射出一体型構造を有する無線充電装置の断面図を示すものである。
図3B図3Bは、他の実現例による磁性部の射出後熱伝達部と結合して形成された構造を有する無線充電装置の断面図を示すものである。
図3C図3Cは、図2BにおけるE-E'線に沿って切開した断面図であり、熱伝達部と磁性部とが射出一体型構造を有する無線充電装置の断面図を示すものである。
図4A図4Aは、実現例により、熱伝達部が外部の冷却システムと直接連結された無線充電装置の断面図を示すものである。
図4B図4Bは、実現例により、熱伝達部が外部の冷却システムと間接的に連結された無線充電装置の断面図を示すものである。
図4C図4Cは、他の実現例により、熱伝達部が外部の冷却システムと間接的に連結された無線充電装置の断面図を示すものである。
図4D図4Dは、また他の実現例により、熱伝達部が外部の冷却システムと直接連結された無線充電装置の断面図を示すものである。
図5図5は、図1AにおけるA-A'線に沿って切開した熱伝達部の断面図である。
図6図6は、図1AにおけるB-B'線に沿って切開した熱伝達部の断面図である。
図7図7は、図1AにおけるC-C'線に沿って切開した、磁性体素子の断面図である。
図8A図8Aは、一実現例による熱伝達部の一端が一字型である磁性体素子の上面図を示すものである。
図8B図8Bは、一実現例による熱伝達部の一端がコイルの発熱部に沿って配置された形状で曲線状を有する磁性体素子の上面図を示すものである。
図8C図8Cは、一実現例による熱伝達部の一端がコイルの発熱部に沿って配置された形状として「T」字形を有する磁性体素子の上面図を示すものである。
図8D図8Dは、一実現例による熱伝達部のリボンシートがコイルの発熱部に沿って配置された磁性体素子の上面図を示すものである。
図8E図8Eは、一実現例による熱伝達部のメッシュシートがコイルの発熱部に沿って配置された磁性体素子の上面図を示すものである。
図8F図8Fは、一実現例による熱伝達部の熱伝導性シートがコイルの発熱部に沿って配置された磁性体素子の上面図を示すものである。
図9図9は、一実現例によるモールドによって磁性部を成形する工程を示すものである。
図10図10は、一実現例による無線充電装置が冷却システムと連結された移動手段(電気自動車)を示すものである。
図11図11は、一実現例による無線充電装置を備える移動手段(電気自動車)を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、本発明の思想を実現するための具体的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
なお、本発明の説明において、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にし得ると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0015】
また、添付の図面において、一部の構成要素は誇張、省略、または概略的に示されており、各構成要素の大きさは実際の大きさを完全に反映するものではない。
【0016】
本明細書において使用される用語は、単に特定の実現例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図で用いられるものではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を指さない限り、複数の表現を含む。
本明細書において、同一の符号は同一の要素を指す。
【0017】
本明細書において、1つの構成要素が他の構成要素の上または下に形成されると記載されることは、1つの構成要素が他の構成要素の上または下に直接、または他の構成要素を介して間接的に形成されるものの全てを含む。
【0018】
また、各構成要素の上/下に関する基準は図面を基準にして説明する。図面における各構成要素の大きさは説明のために誇張されることがあり、実際に適用される大きさとは異なり得る。
【0019】
さらに、本明細書で使用される「含む」の意味は、特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素、および/または成分を具体化し、他の特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素、成分、および/または群の存在や付加を除外するものではない。
【0020】
また、本明細書に記載された構成要素の物性値、寸法などを示す全ての数値範囲は、特に記載がない限り、全ての場合において「約」という用語で修飾されるものと理解すべきである。
【0021】
本明細書において単数表現は、特に説明がなければ、文脈上解釈される単数または複数を含む意味として解釈される。
【0022】
[無線充電装置]
図1Aおよび図1Bは、実現例による無線充電装置の分解斜視図を示すものであり、図2Aおよび図2Bは、実現例による無線充電装置の斜視図を示すものである。
【0023】
本発明の一実現例による無線充電装置10は、コイル部200と、前記コイル部200上に配置される磁性部300と、前記磁性部300の少なくとも一部と接触して配置される熱伝達部400とを含む。また、前記無線充電装置10は、前記コイル部200を支持する支持部100、前記磁性部上に配置されるシールド部500、および前記構成要素を保護するハウジング600をさらに含み得る。
【0024】
前記実現例によると、本発明の無線充電装置は、磁性部の少なくとも一部と接触して配置される熱伝達部を含むことにより、無線充電中に発生する熱を効率よく外部に放出して、放熱および充電効率をさらに向上させ得る。
【0025】
したがって、前記無線充電装置は、送信機と受信機との間の大容量の電力伝送を必要とする電気自動車のような移動手段などに有用に使用され得る。
【0026】
以下、前記無線充電装置の各構成要素別に具体的に説明する。
【0027】
<コイル部>
本発明の実現例による無線充電装置は、交流電流が流れて磁場を発生させ得るコイル部を含む。
前記コイル部は、導電性ワイヤを含み得る。
【0028】
前記導電性ワイヤは導電性物質を含む。例えば、前記導電性ワイヤは、導電性金属を含み得る。具体的に、前記導電性ワイヤは、銅、ニッケル、金、銀、亜鉛、および錫からなる群より選択される1種以上の金属を含み得る。
【0029】
また、前記導電性ワイヤは、絶縁性外皮を備え得る。例えば、前記絶縁性外皮は、絶縁性高分子樹脂を含み得る。具体的に、前記絶縁性外皮は、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂などを含み得る。
【0030】
前記導電性ワイヤの直径は、例えば、1mm~10mm範囲、1mm~5mm範囲、または1mm~3mm範囲であり得る。
【0031】
前記導電性ワイヤは、平面コイル状で巻き付けられ得る。具体的に、前記平面コイルは、平面螺旋コイル(planar spiral coil)を含み得る。また、前記コイルの平面形状は、楕円形、多角形、または角の丸い多角形の形状であり得るが、特に限定されない。
【0032】
前記平面コイルの外径は、5cm~100cm、10cm~50cm、10cm~30cm、20cm~80cm、または50cm~100cmであり得る。具体的な一例として、前記平面コイルは、10cm~50cmの外径を有し得る。
【0033】
また、前記平面コイルの内径は、0.5cm~30cm、1cm~20cm、または2cm~15cmであり得る。
【0034】
前記平面コイルの巻回数は、5回~50回、10回~30回、5回~30回、15回~50回、または20回~50回であり得る。具体的な一例として、前記平面コイルは、前記導電性ワイヤを10回~30回巻いて形成されたものであり得る。
【0035】
また、前記平面コイル形状内において、前記導電性ワイヤ間の間隔は、0.1cm~1cm、0.1cm~0.5cm、または0.5cm~1cmであり得る。
【0036】
前記のような好ましい平面コイル寸法および仕様範囲内のとき、電気自動車のような大容量電力伝送を必要とする分野に好適であり得る。
【0037】
前記コイル部は、前記磁性部と一定間隔で離隔して配置され得る。例えば、前記コイル部と前記磁性部との離隔距離は、0.2mm以上、0.5mm以上、0.2mm~3mm、または0.5mm~1.5mmであり得る。
【0038】
<磁性部>
前記磁性部は、コイル部の周囲に発生する磁場の磁気経路(magnetic path)を形成することができ、前記コイル部と前記シールド部との間に配置される。
【0039】
前記磁性部は、前記シールド部と一定間隔で離隔して配置され得る。例えば、前記磁性部と前記シールド部との離隔距離は、3mm以上、5mm以上、3mm~10mm、または4mm~7mmであり得る。
【0040】
また、前記磁性部は、前記コイル部と一定間隔で離隔して配置され得る。例えば、前記磁性部と前記コイル部との離隔距離は、0.2mm以上、0.5mm以上、0.2mm~3mm、または0.5mm~1.5mmであり得る。
【0041】
前記磁性部は、バインダー樹脂と磁性粉末とを含む高分子形磁性部であり得る。
または、前記磁性部は金属系磁性部、例えばナノ結晶質(nanocrystalline)磁性部を含み得る。
または、前記磁性部は酸化物系磁性部を含み得る。
前記磁性部は、それらの複合体を含み得る。
【0042】
<高分子形磁性部>
前記磁性部は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂内に分散した磁性粉末とを含む磁性部を含み得る。
【0043】
これにより、前記高分子形磁性部は、バインダー樹脂によって磁性粉末が互いに結合されることにより、広い面積において全体的に欠陥が少なく、かつ、衝撃による損傷が少なくなり得る。
【0044】
前記磁性粉末は、フェライト(Ni-Zn系、Mg-Zn系、Mn-Zn系フェライト等)のような酸化物磁性粉末;パーマロイ(permalloy)、サンダスト(sendust)、ナノ結晶質(nanocrystalline)磁性体のような金属系磁性粉末;またはこれらの混合粉末であり得る。より具体的に、前記磁性粉末は、Fe-Si-Al合金組成を有するサンダスト粒子であり得る。
【0045】
一例として、前記磁性粉末は、下記化学式1の組成を有し得る。
[化学式1]
Fe1-a-b-cSi
前記式において、XはAl、Cr、Ni、Cu、またはこれらの組み合わせであり、YはMn、B、Co、Mo、またはこれらの組み合わせであり、0.01≦a≦0.2、0.01≦b≦0.1、および0≦c≦0.05である。
【0046】
前記磁性粉末の平均粒径は、約3nm~約1mm、約1μm~300μm、約1μm~50μm、または約1μm~10μmの範囲であり得る。
【0047】
前記高分子形磁性部は、前記磁性粉末を50重量%以上、70重量%以上、または85重量%以上の量で含み得る。
【0048】
例えば、前記高分子形磁性部は、前記磁性粉末を50重量%~99重量%、70重量%~95重量%、70重量%~90重量%、75重量%~90重量%、75重量%~95重量%、80重量%~95重量%、または80重量%~90重量%の量で含み得る。
【0049】
前記バインダー樹脂は、硬化性または熱可塑性樹脂であり得る。具体的に、前記バインダー樹脂は、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂および/または高耐熱熱可塑性樹脂を含み得る。
【0050】
前記硬化性樹脂としては、グリシジル基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、またはアミド基のような熱による硬化が可能な官能基または部位を1つ以上含むか、またはエポキシド(epoxide)基、環状エーテル(cyclic ether)基、スルフィド(sulfide)基、アセタール(acetal)基、またはラクトン(lactone)基のような活性エネルギーによって硬化が可能な官能基または部位を1つ以上含む樹脂を使用し得る。このような官能基または部位は、例えばイソシアネート基(-NCO)、ヒドロキシ基(-OH)、またはカルボキシル基(-COOH)であり得る。
【0051】
具体的に、前記硬化性樹脂は、前述のような官能基または部位を少なくとも1つ以上有するポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、またはエポキシ樹脂等が例示され得るが、これに限定されるものではない。
【0052】
一例として、前記バインダー樹脂は、ポリウレタン系樹脂、イソシアネート系硬化剤およびエポキシ系樹脂を含み得る。
【0053】
また、前記磁性部はその重量を基準に、前記バインダー樹脂として、6重量%~12重量%のポリウレタン系樹脂、0.5重量%~2重量%のイソシアネート系硬化剤、および0.3重量%~1.5重量%のエポキシ系樹脂を含み得る。
【0054】
また、前記バインダー樹脂は熱可塑性樹脂であり得る。前記熱可塑性樹脂は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS、acrylonitrile butadiene styrene copolymer)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニルスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される1種であり得る。
【0055】
前記磁性部は、前記バインダー樹脂を5重量%~40重量%、5重量%~20重量%、5重量%~15重量%、または7重量%~15重量%の量で含有し得る。
【0056】
また、前記高分子形磁性部はその重量を基準に、前記バインダー樹脂として、6重量%~12重量%のポリウレタン系樹脂、0.5重量%~2重量%のイソシアネート系硬化剤、および0.3重量%~1.5重量%のエポキシ系樹脂を含み得る。
【0057】
<ナノ結晶質磁性部>
前記磁性部はナノ結晶質磁性部を含み得る。
【0058】
前記ナノ結晶質磁性部を適用する際、コイル部と距離が離れるほどコイル部のインダクタンス(Ls)が低くなっても、抵抗(Rs)がさらに低くなることによってコイルの品質係数(Q factor:Ls/Rs)が高くなるので、充電効率が向上し、発熱が減少し得る。
【0059】
例えば、前記ナノ結晶質磁性部はFe系ナノ結晶質磁性部であってよく、具体的に、Fe-Si-Al系ナノ結晶質磁性部、Fe-Si-Cr系ナノ結晶質磁性部、またはFe-Si-B-Cu-Nb系ナノ結晶質磁性部であり得る。
【0060】
より具体的に、前記ナノ結晶質磁性部は、Fe-Si-B-Cu-Nb系ナノ結晶質磁性部であってよく、この場合、Feが70元素%~85元素%、SiおよびBの合計が10元素%~29元素%、CuおよびNbの合計が1元素%~5元素%であることが好ましい(ここで、元素%とは、磁性部をなす総元素の個数に対する特定元素の個数の百分率のことを意味する)。前記組成範囲において、Fe-Si-B-Cu-Nb系合金が、熱処理によってナノ相の結晶質で容易に形成され得る。
【0061】
前記ナノ結晶質磁性部は、例えば、Fe系合金をメルトスピニングによる急冷凝固法(RSP)により調製し、所望の透磁率が得られるよう300℃~700℃の温度範囲で30分~2時間の無磁場熱処理を行って調製され得る。
【0062】
もし、熱処理温度が300℃未満であると、ナノ結晶質が十分に生成されないため、所望の透磁率が得られず熱処理時間が長くかかり、700℃を超えると、過熱処理によって透磁率が著しく低下し得る。そこで、前記範囲内で、熱処理温度が低い場合は熱処理時間を長くし、熱処理温度が高い場合は熱処理時間を短くして、所望の透磁率に調節し得る。
【0063】
ナノ結晶質磁性部は、製造工程上厚さを厚くすることが困難であり、例えば15μm~35μmの厚さで形成され得る。
【0064】
<酸化物系磁性部>
前記磁性部は、酸化物系磁性部を含み得る。
【0065】
例えば、前記酸化物系磁性部はフェライト系材料であってよく、具体的な化学式はMOFe(ここでMは、Mn、Zn、Cu、Niなどの1種以上の2価金属元素である)で表され得る。前記フェライト系材料は、焼結体のものが透磁率のような磁性特性の面から有利であり、より具体的にフェライト焼結体であり得る。前記フェライト系材料は、原料成分を混合してか焼後に粉砕し、これをバインダー樹脂と混合して成形し、焼成して、シートまたはブロック状に製造され得る。
【0066】
より具体的に、前記酸化物系磁性部は、Ni-Zn系、Mg-Zn系、またはMn-Zn系フェライトであってよく、特にMn-Zn系フェライトは、79kHz~90kHzの周波数にて室温~100℃以上の温度範囲に亘って、高い透磁率、低い透磁損失、および高い飽和磁束密度を示し得る。
【0067】
前記Mn-Zn系フェライトは、主成分としてFeを66mol%~70mol%、ZnOを10mol%~20mol%、MnOを8mol%~24mol%、およびNiOを0.4mol%~2mol%含み、その他の副成分としてSiO、CaO、Nb、ZrO、SnOなどを含有し得る。前記Mn-Zn系フェライトは、主成分を所定のモル比で混合して、空気中で800℃~1100℃の温度で1時間~3時間のか焼後、副成分を添加して粉砕し、これにポリビニルアルコール(PVA)等のバインダー樹脂を適量混合して、プレスを用いて加圧成形した後、1200℃~1300℃まで昇温して2時間以上焼成することにより、シートまたはブロック状に製造され得る。その後、必要に応じてワイヤソー(wire saw)またはウォータージェット(water jet)などを用いて加工して必要な大きさに切断される。
【0068】
<磁性部の製造方法>
前記磁性部は、例えば高分子形磁性部を含むことができ、前記高分子形磁性部は、磁性粉末と熱硬化性高分子樹脂組成物とを混合してスラリー化した後、シート状に成形して硬化するなどのシート化過程により製造し得る。
【0069】
また、熱可塑性樹脂を用いて一定の厚さを有する大面積の磁性部を製造するために、モールドにより立体構造で形成することができ、具体的には、磁性粉末と熱可塑性樹脂とを機械的剪断力と熱を利用して混練した後、機械装置を用いてペレット化して射出成形法によりブロックを製造し得る。
【0070】
前記製造の方法には、通常のシート化またはブロック化方法が適用され得る。
【0071】
前記磁性部は一定の割合で伸長され得る。例えば、前記磁性部の伸び率は0.5%以上であり得る。前記伸び特性は、高分子を適用しないセラミック系磁性部では得難いものであり、大面積の磁性部が衝撃によって歪み等が発生しても損傷を低減し得る。具体的に、前記磁性部の伸び率は、0.5%以上、1%以上、または2.5%以上であり得る。前記伸び率の上限に特に制限はないが、伸び率向上のために高分子樹脂の含有量が多くなると、磁性部のインダクタンス等の物性が低下し得るので、前記伸び率は10%以下にすることが好ましい。
【0072】
前記成形は、射出成形によって磁性部の原料をモールドに注入して行われ得る。より具体的に、前記磁性部は、磁性粉末と高分子樹脂組成物とを混合して原料組成物を得た後、図9に示すように、前記原料組成物801を射出成形機802によりモールド803に注入して製造され得る。この際、モールド803の内部形状を立体構造に設計して、磁性部の立体構造を容易に実現し得る。このような工程は、従来の焼結フェライトシートを磁性部として使用する場合に比べて、構造の自由度の面から有利であり得る。
【0073】
<磁性部の面積および厚さ>
前記磁性部は、磁性シート、磁性シート積層体、または磁性ブロックであり得る。
【0074】
前記磁性部は大面積を有することができ、具体的に200cm以上、400cm以上、または600cm以上の面積を有し得る。また、前記磁性部は10000cm以下の面積を有し得る。
【0075】
前記大面積の磁性部は、多数の単位磁性部が組み合わされ構成されることができ、この際、前記単位磁性部の面積は、60cm以上、90cm、または95cm~900cmであり得る。
【0076】
前記磁性シートの厚さは、15μm以上、50μm以上、80μm以上、15μm~150μm、15μm~35μm、または85μm~150μmであり得る。このような磁性シートは、通常のフィルムまたはシートを製造する方法により製造され得る。
【0077】
前記磁性シートの積層体は、前記磁性シートが20枚以上、または50枚以上積層されたものであり得る。また、前記磁性シートの積層体は、前記磁性シートが150枚以下、または100枚以下で積層されたものであり得る。
【0078】
前記磁性ブロックの厚さは、1mm以上、2mm以上、3mm以上、または4mm以上であり得る。また、前記磁性ブロックの厚さは6mm以下であり得る。
【0079】
<磁性部の磁性特性>
前記磁性部は、電気自動車の無線充電標準周波数近方において一定レベルの磁性特性を有し得る。
【0080】
前記電気自動車の無線充電標準周波数は100kHz未満であり、具体的に79kHz~90kHz、具体的に81kHz~90kHz、より具体的に約85kHzであってよく、これは携帯電話のようなモバイル電子機器に適用する周波数と区別される帯域である。
【0081】
例えば、前記磁性部の透磁率は、79kHz~90kHzの周波数帯域で、5~150000、10~150000、20~150000、5~300、30~300、600~3500、または10000~150000であり得る。具体的に、前記磁性部の透磁率は、79kHz~90kHzの周波数帯域で、30~300、600~3500、または10000~150000であり得る。より具体的に、前記磁性部の透磁率は、79kHz~90kHzの周波数帯域で、30~250または30~200であり得る。
【0082】
また、前記磁性部の透磁損失は、79kHz~90kHzの周波数帯域で、1~150000、1~50000、5~30000、10~3000、10~1000、100~1000、または5000~50000であり得る。
【0083】
具体的に、前記磁性部は、79kHz~90kHzの周波数帯域で、30~200の透磁率および10~3000の透磁損失を有し得る。
【0084】
<磁性部の物理的特性>
前記高分子形磁性部は一定の比率で伸長され得る。例えば、前記高分子形磁性部の伸び率は0.5%以上であり得る。前記伸び特性は、高分子を適用しないセラミック系磁性部では得難いものであり、大面積の磁性部が衝撃によって歪み等が発生しても損傷を低減し得る。具体的に、前記高分子形磁性部の伸び率は、0.5%以上、1%以上、または2.5%以上であり得る。前記伸び率の上限には特に制限はないが、伸び率向上のために高分子樹脂の含有量が多くなると、磁性部のインダクタンス等の物性が低下し得るので、前記伸び率は10%以下にすることが好ましい。
【0085】
前記磁性部は、衝撃前後の物性変化率が少なく、一般的なフェライト磁性シートに比べて格段に優れる。
【0086】
本明細書において、ある物性の衝撃前後の物性変化率(%)は、下記式で算出され得る。
特性変化率(%)=|衝撃前特性値-衝撃後特性値|/衝撃前特性値×100
【0087】
例えば、前記磁性部は、1mの高さから自由落下させて印加した衝撃前後のインダクタンス変化率が5%未満、または3%以下であり得る。より具体的に、前記インダクタンス変化率は、0~3%、0.001%~2%、または0.01%~1.5%であり得る。前記範囲内であるとき、衝撃前後のインダクタンス変化率が相対的に少ないので、磁性部の安定性がより向上し得る。
【0088】
また、前記磁性部は、1mの高さから自由落下させて印加した衝撃前後の品質係数(Q factor)変化率が、0~5%、0.001%~4%、または0.01%~2.5%であり得る。前記範囲内であるとき、衝撃前後の物性変化が少ないので、磁性部の安定性と耐衝撃性がより向上し得る。
【0089】
また、前記磁性部は、1mの高さから自由落下させて印加した衝撃前後の抵抗変化率が、0~2.8%、0.001%~1.8%、または0.1%~1.0%であり得る。前記範囲内であるとき、実際の衝撃や振動が加わる環境において繰り返し適用しても、抵抗値が一定レベル以下に上手く維持され得る。
【0090】
また、前記磁性部は、1mの高さから自由落下させて印加した衝撃前後の充電効率変化率が、0~6.8%、0.001%~5.8%、または0.01%~3.4%であり得る。前記範囲内であるとき、大面積の磁性部が衝撃や歪みが繰り返し発生しても物性をより安定して維持し得る。
【0091】
<熱伝達部>
前記熱伝達部は、無線充電中に発生する熱を効率よく外部に放出する役割を果たし得る。
【0092】
図1Aおよび図2Aを参照すると、前記熱伝達部400は前記磁性部300と熱的に連結され、ハウジング600の外部に延長され得る。例えば、前記熱伝達部400は、一端の少なくとも一部が前記磁性部300に挿入され、前記一端とは異なる他端が前記ハウジング600の外部に露出され得る。
【0093】
本発明の実現例による熱伝達部は、熱媒および容器部を含み得る。
【0094】
具体的に、図5および図6を参照すると、前記熱伝達部400は、蒸発および凝縮が可能な熱媒430と、前記熱媒を収容する容器部410とを含み得る。
【0095】
前記容器部410は、密閉された内部空間を含むチューブ状を有し得る。具体的に、前記熱伝達部は、チューブ状の密閉された容器部に揮発性熱媒を注入した後、真空状態に密封したものであり、チューブ内部に充填された熱媒が蒸発および凝縮を繰り返す過程で磁性部周辺を冷却し得る。
【0096】
すなわち、前記熱伝達部の内部で熱媒(流体)の蒸発潜熱を用いて、小さい温度差においても無動力で熱を効果的に移送することができ、無線充電中に発生する熱を効率よく外部に放出する役割を果たし得る。
【0097】
前記熱媒430は、水、オイルなどにナノ粒子を含み得る。または、前記熱媒430は、温度に応じて高温用または低温用の液体を含み得る。より具体的に、前記熱媒430は例えば、水、メタノール、アセトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、および水銀からなる群より選択される少なくとも1種以上を含み得る。前記熱媒430は、前記磁性部で発生する熱を熱伝達部内部で蒸発および凝縮を繰り返す過程において、磁性部で発生する熱を外部に放出するので、従来の冷却方式よりも6倍以上の性能に優れ得る。
【0098】
前記容器部410は、概ね熱伝導率が大きく厚さの薄い容器を使用することができ、例えば金属またはセラミックを含み得る。
【0099】
前記容器部410の内部空間は、長さdが10cm~50cmであり得る。例えば、20cm~45cm、例えば30cm~40cmであり得る。
【0100】
前記容器部の内部空間は、内径IDが0.1mm~5mmであり得る。例えば、0.5mm~3mm、例えば0.5mm~2mm、例えば2mm~5mmであり得る。前記範囲の内径を有する容器部を含むと、本発明において所望の充電効率および放熱特性をさらに向上させ得る。
【0101】
また、前記熱伝達部は、移動部420をさらに含み得る。
前記移動部420は、前記容器部410内に配置され、多孔質構造を有し、前記熱媒が液体状態のときに前記液体状態の熱媒を吸収して移動させ得る。
【0102】
例えば、前記移動部420は、非常に細い金属から作られ、網状に形成されており、熱伝達部の内壁に付着され、容器部410内には熱媒430が充填されている。
【0103】
前記熱伝達部は、蒸発部(evaporator)440と凝縮部(condenser section)450とを含み、前記蒸発部440は、前記磁性部で発生する熱によって前記熱媒430が蒸発する熱源(heat source)から熱を吸収し、熱媒430が気体状態で蒸発することにより、熱が蒸発部440から凝縮部450の方向に移動し得る。これとは逆に、凝縮部450においては、温度の低い外部に熱を奪われながら気体状態となった熱媒430として凝縮することとなる。すなわち、前記凝縮部では、前記蒸発部で蒸発した熱媒が凝縮され得る。このように繰り返すことにより、熱が蒸発部440から凝縮部450に移動し、この熱を外部に効率よく放出し得る。
【0104】
前記蒸発部440に熱が伝達されると、平衡状態であった熱媒430が蒸発することとなる。例えば、前記熱伝達部の内部で蒸発部440と凝縮部450との圧力の差によって気化した熱媒430が移動し得る。熱が凝縮部450に移動すると、圧力勾配によって凝縮部に移動した気体は、相変化して飽和した液体に凝縮し得る。
【0105】
また、前記凝縮部450は、前記蒸発部440よりもさらに高い位置に配置され得る。前記蒸発部440で蒸発された高温の蒸気相の熱媒430が自然に上方の凝縮部450に移動し、凝縮部450で凝縮された低温の液相の熱媒430が重力によって自然に下方の蒸発部440に復帰するように構成され得る。
【0106】
また、前記熱伝達部は、蒸発部440と凝縮部450との間に断熱部(adiabatic section)460をさらに含み得る。前記断熱部460は、蒸発部440で気化した熱媒430が凝縮部450に移動する際に、内部からの熱流出を遮断し得る。
【0107】
前記熱伝達部は、様々な構造を含み得る。例えば、前記熱伝達部は、円筒形、平板形、または分離形を含み得る。
【0108】
図8A図8Cは、実現例による様々な形状の熱伝達部400および磁性部300を含む磁性体素子800の上面図を示すものである。
【0109】
具体的に、前記熱伝達部400は、少なくとも一端が「一」字形(図8A参照)を有し得る。
【0110】
また、前記熱伝達部400は、少なくとも一端がコイルの発熱部に沿って配置された形状で曲線形(図8B参照)を有し得る。
【0111】
また、前記熱伝達部400は、少なくとも一端がコイルの発熱部に沿って配置された形状で「T」字形(図8C参照)を有し得る。
【0112】
前記熱伝達部400の構造の説明は例示的なものに過ぎず、これらの個数、厚さ、形状、大きさ、位置、および構造は、本発明の効果を妨げない範囲内で放熱目的に合わせて様々に設計し得る。
【0113】
一実現例によると、前記熱伝達部は例えば、ヒートパイプを含み得る。前記熱伝達部は、内部に封入された熱媒の動作により、同じ断面積の銅よりも500倍以上の熱伝導率を有しているため、高効率の熱伝達装置として人工衛星の熱制御システムに広く使用されており、本発明の一実現例においては、熱伝導率に非常に優れた前記熱伝達部を用いて、磁性部内部で発生する熱を外部に効率よく排出することにより、放熱効果を向上させ得る。
【0114】
前記熱伝達部は、熱伝導率が5W/m.K~10000W/m.K、例えば50W/m.K~8000W/m.K、例えば1000W/m.K~7000W/m.K、または、例えば1000W/m.K~6000W/m.Kであり得る。
【0115】
また、前記熱伝達部は、比抵抗が1×10Ω・cm~1×1020Ω・cm、例えば1×10Ω・cm~1×1018Ω・cm、例えば1×10Ω・cm~1×1016Ω・cm、または、例えば1×10Ω・cm~1×1015Ω・cmであり得る。
【0116】
本発明の実現例によると、前記熱伝達部は、前記磁性部と様々な方法で接触または結合した構造を有し得る。
【0117】
図3A図3Cを参照すると、一実現例による熱伝達部400と磁性部300とが射出一体型である磁性体素子の断面図を示すものである。具体的に、前記熱伝達部400は、接着剤または固定部なしで射出により前記磁性部300の内部に挿入され、磁性部300と一体型に形成された構造を有し得る。
【0118】
この場合、磁性部内部で発生する熱を効果的に処理し得るという利点がある。前記熱伝達部が前記磁性部の内部に配置される構造は多様に設計され得る。
【0119】
図1Aを再び参照すると、前記磁性部300の内部または表面に溝401を備え、前記熱伝達部400の一部が前記溝401に挿入され前記磁性部300と結合した構造を有し得る。
【0120】
他の一例として、前記磁性部の内部に前記熱伝達部を含むよう、モールドにより高分子形磁性部を成形し得る。
【0121】
他の例として、磁性部が挿入される内部空間を有するよう、モールドにより磁性部、例えば高分子形磁性部を成形した後、前記熱伝達部を挿入し得る。
【0122】
また、前記熱伝達部は、接着剤または固定部によって前記磁性部と結合された構造を有し得る。
【0123】
また他の例として、複数の磁性シートの間に熱伝達部を挿入して積層することによって前記熱伝達部が挿入された磁性シート積層体を製造し得る。
【0124】
また、前記熱伝達部は、磁性部の隣接部に配置され得る。一例として、前記熱伝達部は、磁性部と前記シールド部との間に配置され得る。他の例として、前記熱伝達部は、磁性部と前記コイル部との間に配置され得る。この場合、磁性部とコイル部とにおいて発生する熱を同時に処理できるという利点がある。
【0125】
その外にも、様々な方法により、前記熱伝達部は前記磁性部と結合または接触して、放熱効果を実現し得る。
【0126】
本発明のまた他の実現例による熱伝達部は、網構造を有するメッシュシート、リボンシート、または複数のホールを含む熱伝導性シートを含み得る。
【0127】
図1Bおよび図2Bを参照すると、前記無線充電装置10は、前記磁性部300の内部に配置された熱伝達部400を含み、前記熱伝達部400は網構造を有するメッシュシート、リボンシート、または複数のホールを含む熱伝導性シートを含む。
【0128】
本発明の実現例によると、前記無線充電装置に用いられる磁性部の内部に磁場が通えるようにオープンされている構造である、網構造を有するメッシュシート、リボンシートまたは複数のホールを含む熱伝導性シートを含む熱伝達部を含むことにより、磁性部内で発生する熱を容易に放出することができ、充電効率をさらに向上させ得る。
【0129】
特に、前記熱伝導率の高い熱伝達部が、前記シールド部と直接連結されたり、外部の冷却器と直接または間接的に連結されたりすると、磁性部内部の温度を効果的に低減することができ、さらには、前記熱伝達部が網構造またはホールを有するオープン構造のシートを含むことにより、無線充電装置の発熱低減効果を最大化し得る。
【0130】
図8D図8Fは、実現例による様々な形状の熱伝達部400および磁性部300を含む磁性体素子800の上面図を示すものである。
【0131】
前記熱伝達部400は、リボンシート(図8D参照)を含み得る。
【0132】
また、前記熱伝達部400は、網構造を有するメッシュシート(図8E参照)を含み得る。
【0133】
また、前記熱伝達部400は、複数のホール601を含む熱伝導性シート(図8F参照)を含み得る。
【0134】
図1B図3Cおよび図8Dを参照すると、前記リボンシートを有する熱伝達部400は、一定間隔で離隔された少なくとも2つ以上が含まれ得る。図1B図3Cおよび図8Dは、前記磁性部300の内部にリボンシートを含む場合を一例として示しているが、前述のように、熱伝達部は、前記リボンシートの代わりに網構造を有するメッシュシートまたは複数のホールを有する熱伝導性シートを含むように代替され得る。
【0135】
本発明の実現例により、前記2つ以上のリボンシートが離隔して含まれることにより、前記磁性部内部で磁場が円滑に循環することができ、熱伝導率の高い物質のリボンを含むことにより、磁性部内部の熱を効果的に排出し得る。
【0136】
前記リボンシートの幅は、本発明の効果を妨げない限り、特に限定するものではなく、例えば、5mm~10mm、5mm~9mm、5mm~8mm、5mm~7.5mm、または、8mm~10mmの幅を有し得る。もし、前記リボンシートの幅が10mmを超えると、磁場の循環に妨げとなり充電効率が低下することがあり、前記リボンシートの幅が5mm未満であると、磁性部内部の熱放出効果が低下し得る。
【0137】
一方、図8Eおよび図8Fを参照すると、前記メッシュシートまたは前記熱伝導性シートは、磁性部の内部で磁場が円滑に循環し得るオープン構造の開口(ホール)を含み得る。
【0138】
本発明の実現例によると、前記メッシュシートまたは前記熱伝導性シートは、磁性部全面積の15%~30%の開口(ホール)面積を有し得る。具体的に、前記メッシュシートまたは前記熱伝導性シートは、磁性部全面積の18%~25%の開口(ホール)面積を有し得る。前記範囲内であるとき、磁性部内における磁場の流れがより有利であり得る。
【0139】
前記メッシュシートまたは前記熱伝導性シートは、500μm~1500μm、具体的に700μm~1200μm、より具体的に800μm~1000μmの内径を有するホールを含み得る。前記メッシュシートまたは前記熱伝導性シートが前記範囲の内径を有するホールを含むと、本発明で目的とする充電効率および放熱特性をさらに向上させ得る。
【0140】
前記熱伝達部に含まれるリボンシート、メッシュシートまたは熱伝導性シートの種類は、本発明の目的とする効果を達成する限り、制限なく使用することができ、具体的に熱伝導性材料であるアルミニウム、銅、銀および金からなる群より選択される1種以上を含む金属材料を含み得る。
【0141】
前記熱伝達部は、磁性部内部の熱を伝達するのに十分な熱伝導率を有し得る。具体的に、前記熱伝達部の熱伝導率は、230W/m.K~430W/m.K、237W/m.K~429W/m.K、237W/m.K~401W/m.K、230W/m.K~300W/m.K、または301W/m.K~430W/m.Kであり得る。
【0142】
前記熱伝達部は、24J/mol・K~25.5J/mol・K、24.2J/mol・K~25.3J/mol・K、24.5J/mol・K~25.5J/mol・K、または24J/mol・K~24.5J/mol・Kの熱容量を有し得る。
【0143】
前記熱伝達部と前記磁性部との厚さ比は、1:10~250、1:20~200、1:25~100、1:50~150、または1:10~80であり得る。
【0144】
また、前記熱伝達部と前記磁性部との面積比は、1:2.3~5.5、1:3~4.5、1:2.3~3.5、または1:3.5~5.5であり得る。
【0145】
一方、図4Cを参照すると、前記熱伝達部400は、前記磁性部300の少なくとも一端から長手方向にさらに延びる延長部490をさらに含み得る。
【0146】
また、図4Aおよび図4Dを参照すると、前記熱伝達部400は、前記磁性部300の少なくとも一端から突出して形成される1つ以上の突出部480を含み得る。すなわち、前記熱伝達部400の突出部480は、前記磁性部300の少なくとも一端から長手方向にさらに延びて突出した部分のことを意味し得る。
【0147】
一方、前記磁性部で主に熱が発生する領域はコイルに対応する領域なので、前記熱伝達部は前記コイルが存在する領域に対応して配置され得る。言い換えると、前記熱伝達部は、コイル内で導電性ワイヤの密度が少ない中央部にはほとんど配置されなくても良い。
【0148】
また、前記熱伝達部は、前記コイルが存在する領域、およびそれ以外の領域、例えば導電性ワイヤの密度の少ない中央部にも配置され得る。
【0149】
一方、前記熱伝達部が前記磁性部の内部に配置される構造は多様に設計され得る。
【0150】
一例として、内部にメッシュシート、リボンシート、または複数のホールを含む熱伝導性シートを含む熱伝達部を有するよう、モールドにより高分子形磁性部を成形し得る。
【0151】
他の例として、前記熱伝達部が挿入される内部空間を有するよう、モールドにより高分子形磁性部を成形した後、前記熱伝達部を挿入し得る。この場合、熱伝達部は、前記熱伝導性素材であるメッシュシート、リボンシート、または複数のホールを含む熱伝導性シートを準備した後、高分子形磁性部内に挿入され得る。
【0152】
また他の例として、複数の磁性シートの間に前記熱伝達部を挿入して積層することにより、熱伝達部が挿入された磁性シート積層体を製造し得る。
【0153】
前記熱伝達部は、前記磁性部の総体積を基準に0.5%~1%の総内部体積を有し得る。前記範囲内であるとき、磁場の流れがより有利であり得る。
【0154】
<シールド部>
前記実現例による無線充電装置10は、電磁波遮蔽により無線充電効率を高める役割を果たすシールド部500をさらに含み得る。
【0155】
前記シールド部は前記コイルの一面上に配置される。
【0156】
前記シールド部は金属板を含み、その材料はアルミニウムであり、その他、電磁波遮蔽能を有する金属または合金材料が使用され得る。
【0157】
前記シールド部の厚さは、0.2mm~10mm、0.5mm~5mm、または1mm~3mmであり得る。
【0158】
また、前記シールド部の面積は、200cm以上、400cm以上、または600cm以上であり得る。
【0159】
<ハウジング>
前記実現例による無線充電装置10は、前記コイル部200および前記磁性部300を収容するハウジング600をさらに含み得る。
【0160】
また、前記ハウジング600は、前記コイル部200、シールド部500、磁性部300などの構成要素が適切に配置され組み立てられるようにする。前記ハウジングの形状(構造)は、その内部に含まれる構成要素に応じて、または環境に応じて、任意に設定し得る。前記ハウジングの材質および構造は、無線充電装置に使用される通常のハウジングの材質および構造を採用し得る。
【0161】
図1を再び参照すると、前記熱伝達部400は、前記磁性部300から前記ハウジング600の外部に延長され得る。また、前記ハウジング600は、前記磁性部300と結合された熱伝達部400が前記ハウジング600の外部に延び得るよう、ホール601を含み得る。具体的に、前記熱伝達部400の一端の少なくとも一部が前記磁性部300に挿入され、前記一端とは異なる他端が前記ハウジング600の外部に露出した構造であり得る。
【0162】
<支持部>
前記実現例による無線充電装置10は、前記コイル部200を支持する支持部100をさらに含み得る。前記支持部の材質および構造は、無線充電装置に用いられる通常の支持部の材質および構造を採用し得る。前記支持部100は、平板構造またはコイル部を固定できるようコイル形状に沿って溝が掘られた構造を有し得る。
【0163】
[無線充電装置の多様な例]
図3A図3Cは、本発明の実現例による様々な構造の無線充電装置の断面図を示すものである。
【0164】
一実現例による無線充電装置は、前記熱伝達部400が接着剤または固定部なしで射出により前記磁性部300の内部に挿入され、磁性部300と一体型に形成された構造を含み得る。この場合、磁性部300内部で発生する熱を効果的に処理し得るという利点がある。前記熱伝達部400が前記磁性部300の内部に配置される構造は多様に設計され得る。
【0165】
図3Aおよび図3Cを参照すると、前記磁性部300の内部に前記熱伝達部400を含むようモールドにより磁性部(例えば、高分子形磁性部)300を成形し得る。
【0166】
また、図3Bを参照すると、前記磁性部300の内部または表面に溝を備え、前記熱伝達部400の一部が前記溝に挿入され前記磁性部300と結合された構造を有し得る。
【0167】
他の例として、熱伝達部400が挿入される内部空間を有するようモールドにより磁性部300、例えば高分子形磁性部を成形した後、前記熱伝達部400を挿入し得る。
【0168】
また、前記熱伝達部400は、接着剤または固定部によって前記磁性部と結合された構造を有し得る。
【0169】
また他の例として、複数の磁性シートの間に熱伝達部400を挿入して積層することにより、前記熱伝達部が挿入された磁性シート積層体を製造し得る。
【0170】
また、前記熱伝達部は、磁性部の隣接部に配置され得る。一例として、前記熱伝達部は、磁性部と前記シールド部との間に配置され得る。他の例として、前記熱伝達部は磁性部と前記コイル部との間に配置され得る。この場合、磁性部とコイル部で発生する熱を同時に処理し得るという利点がある。
【0171】
その外にも、様々な方法で前記熱伝達部は前記磁性部と結合または接触して放熱効果を実現し得る。
【0172】
また、図4A図4Dを参照すると、前記無線充電装置10は、ハウジング600の外部に配置され、前記熱伝達部400と直接または間接的に連結される冷却システム680をさらに含み得る。
【0173】
前記熱伝達部400は、前記磁性部300の少なくとも一端から突出して形成される1つ以上の突出部480を含み得る。すなわち、前記熱伝達部400の突出部480は、前記磁性部300の少なくとも一端から長手方向にさらに延びて突出した部分のことを意味し得る。
【0174】
前記熱伝達部は、前記突出部を含む場合、前記磁性部の総体積を基準に5%~70%の総体積を有し得る。前記範囲内であるとき、磁性部の電磁波遮蔽性能と放熱特性とを同時に向上させるのにより有利であり得る。より具体的に、前記熱伝達部は、前記磁性部の総体積を基準に5%~40%、10%~35%、または15%~30%の総体積を有し得る。
【0175】
また、前記突出部480は、前記無線充電装置の外部の冷却システム680と直接または間接的に連結され得る。この際、前記冷却システム680は、空冷式または水冷式で前記突出部480を冷却し得る。
【0176】
前記冷却システム680は、防水および防塵のために密閉構造を有して前記突出部480に連結され得る。前記冷却システム680は、連結流路695を介して前記突出部480と連結され得る。このように、前記突出部が前記冷却システム680に連結されると、磁性部の内部で発生する熱を効率よく外部に放出し得る。
【0177】
また、前記冷却システムはシールド部に連結されてもよく、前記突出部は前記冷却システムと連結されたシールド部に連結されても良い。
【0178】
具体的に、図4Cを参照すると、前記熱伝達部400は、前記磁性部300の両端から長手方向にさらに延びる延長部490を含み、前記延長部490がシールド部500と直接連結され得る。さらには、外部の冷却システム680を前記シールド部500と連結させることによって、前記熱伝達部400の延長部490の温度を効果的に低減し得る。前記熱伝達部に含まれるリボンシート、メッシュシートまたは熱伝導性シートが、前記シールド部または外部の冷却器と連結されると、前記シールド部または外部の冷却器によって、リボンシート、メッシュシートまたは熱伝導性シートの温度を低減することができ、これにより磁性部内部の温度低減はもちろん、無線充電装置の温度を低減し得るので、放熱効果をさらに向上させ得る。
【0179】
また、図4Dを参照すると、前記熱伝達部400は、前記磁性部300の少なくとも一端から突出して形成される1つ以上の突出部480を含み、前記冷却システム680はシールド部500および/または突出部480に連結され得る。
【0180】
すなわち、図4A図4Dに示すように、前記冷却システム680は、連結流路695を介して前記シールド部500、前記延長部490、および前記突出部480からなる群より選択される少なくともいずれか1つの一部と連結され得る。
【0181】
一方、前記熱伝達部が前記磁性部と熱的に連結された構造は、様々に設計され得る。
【0182】
前記熱伝達部の長さ、構造、位置、種類、および物性などは前術の通りである。
【0183】
一方、図4A図4Cに示すように、前記磁性部300で主に熱が発生する領域はコイル部200に対応する領域なので、前記熱伝達部400は無線充電装置内で前記コイル部200が存在する領域に対応して配置され得る。言い換えると、前記熱伝達部400は、コイル部200内で導電性ワイヤの密度が少ない中央部にはほとんど配置されなくても良い。
【0184】
また、図4Dに示すように、前記熱伝達部400は、前記コイル部200が存在する領域、およびそれ以外の領域、例えば導電性ワイヤの密度が少ない中央部にも配置され得る。
【0185】
一方、前記ハウジングは、前記コイル部、シールド部、磁性部などの構成要素が適切に配置され組み立てられるようにする。
【0186】
前記実現例による無線充電装置は、前記コイル部200を支持する支持部100をさらに含み得る。前記無線充電装置の支持部、コイル部、シールド部、磁性部、および熱伝達部の構成および特徴は、前述の通りである。
【0187】
また、前記実現例による無線充電装置は、前記シールド部と磁性部との間の空間を確保するためのスペーサ部をさらに含み得る。前記スペーサ部分は空きスペースを含むことができ、空きスペースを確保するために無線充電装置に用いられる通常のハウジングの材質および構造を採用し得る。
【0188】
[磁性体素子]
図8A図8Fを参照して、本発明の実現例によると、磁性部300と、前記磁性部300の少なくとも一部と接触して配置される熱伝達部400とを含む磁性体素子800を提供し得る。
【0189】
本発明の実現例によると、前記磁性体素子800は、磁性部300と、前記磁性部300に一部挿入される熱伝達部400とを含み、前記熱伝達部400は、蒸発および凝縮が可能な熱媒と、前記熱媒を収容する容器部とを含み得る。
【0190】
本発明のまた他の実現例によると、前記磁性体素子800は、磁性部300と、前記磁性部300に一部挿入される熱伝達部400とを含み、前記熱伝達部400は、網構造を有するメッシュシート、リボンシート、または複数のホールを含む熱伝導性シートとを含み得る。
【0191】
図7および図8A図8Fは、本発明の実現例による様々な構造の磁性体素子を説明するための磁性体素子800の断面図および上面図を示すものである。
【0192】
前記様々な構造の磁性体素子800に含まれる磁性部300および熱伝達部400、並びにこれらの様々な構造、形状および位置等は前述の通りである。
【0193】
具体的に、前記磁性体素子800は、前記磁性部300に一部挿入される熱伝達部400を含むことにより、磁性体素子または磁性部内で発生する熱を外部に容易に放出することができ、充電効率をさらに向上させ得る。
【0194】
前記図8A図8Fに示す磁性体素子の上面図は、例示的に説明するための図面に過ぎず、これらの個数、厚さ、形状、大きさ、位置および構造は、本発明の効果を妨げない範囲内で放熱目的に合わせて多様に設計し得る。
【0195】
[移動手段]
前記実現例による無線充電装置は、送信機と受信機との間の大容量の電力伝送を必要とする電気自動車のような移動手段などに有用に使用され得る。
【0196】
図10および図11は、移動手段1の一例として電気自動車に適用された例を示すものであり、図10および図11を参照すると、前記無線充電装置10は前記電気自動車1の下部に備えられ得る。
【0197】
一実現例による電気自動車は無線充電装置を含み、前記無線充電装置は、コイル部と、前記コイル部上に配置される磁性部と、前記磁性部と熱的に連結され外部に延びる熱伝達部とを含み得る。
【0198】
前記電気自動車は、前記ハウジングの外部に配置され、前記熱伝達部と直接または間接的に連結される冷却システム680をさらに含み得る。
【0199】
前記電気自動車に含まれる無線充電装置の各構成要素の構成および特徴は、前述の通りである。
【0200】
前記無線充電装置の冷却システムとして、前記電気自動車に基本的に設けられる冷却設備を利用し得る。
【0201】
例えば、前記冷却システムは自動車のエアコンを含み得る。具体的に、図10を参照すると、電気自動車1の内部に備えられたエアコンが冷却システム680として用いられ、無線充電装置10の熱伝達部の突出部に連結された連結流路695と前記エアコンとが連結され得る。これにより、別途の冷却システムを製作しなくても、効果的な放熱が可能となり得る。
【0202】
前記移動手段は、前記無線充電装置から電力伝送を受けるバッテリーをさらに含み得る。前記無線充電装置は、無線で電力伝送を受け前記バッテリーに伝達し、前記バッテリーは前記電気自動車の駆動系に電力を供給し得る。前記バッテリーは、前記無線充電装置またはその他の追加の有線充電装置から伝達される電力によって充電され得る。
【0203】
また、前記移動手段は、充電に関する情報を電気自動車用無線充電システムの送信機に伝達する信号伝送機をさらに含み得る。このような充電に関する情報は、充電速度のような充電効率、充電状態などであり得る。
【0204】
前記無線充電装置は、前記自動車の下部に備えられ得る。
【0205】
前記電気自動車は、電気自動車用無線充電システムが備えられている駐車区域において、無線により充電され得る。
【0206】
図11を参照すると、一実現例による電気自動車1は、前記実現例による無線充電装置を受信機720として含む。
【0207】
前記無線充電装置は、電気自動車1の無線充電の受信機として機能し、無線充電システムの送信機730から電力供給を受け得る。
【符号の説明】
【0208】
1:移動手段(電気自動車)
10:無線充電装置
100:支持部
200:コイル部
300:磁性部
400:熱伝達部
401:溝
410:容器部
420:移動部
430:熱媒の移動
440:蒸発部
450:凝縮部
460:断熱部
480:突出部
490:延長部
500:シールド部
600:ハウジング
601:ホール(hole)
680:冷却システム
695:連結流路
720:受信機
730:送信機
800:磁性体素子
801:原料組成物
802:射出成形機
803:モールド
A-A':切開線
B-B':切開線
C-C':切開線
D-D':切開線
E-E':切開線
d:長さ
ID:内径
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9
図10
図11