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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/28 20060101AFI20230921BHJP
   B65G 47/88 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
B65G47/28 D
B65G47/88 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019111132
(22)【出願日】2019-06-14
(65)【公開番号】P2020203741
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 利晴
(72)【発明者】
【氏名】坂川 康裕
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-335146(JP,A)
【文献】特開平03-067857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/28
B65G 47/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を連続的に搬送する搬送コンベヤと、
前記搬送コンベヤの搬送路に沿って、前記搬送コンベヤの搬送速度とは異なる速度で走行する走行機構と、
前記走行機構に揺動可能に支持され、前記搬送コンベヤ上を搬送される物品間の隙間に挿入されて物品に係合し、物品の搬送速度を前記走行機構の走行速度に規制して、前記搬送コンベヤ上の物品をグルーピングする係合部材とを備え、
前記係合部材は、物品に係合しない退避位置から所定角度だけ揺動し、前記物品に対して相対的に浅く係合する第1係合位置に定められて物品をグルーピングした後、さらに揺動し、前記物品に対して相対的に深く係合する第2係合位置に定められ
前記走行機構は、前記係合部材が前記第1係合位置から前記第2係合位置に揺動する際に、当該係合部材が前記第1係合位置で係合する物品と当該係合部材との間に隙間が形成されるように、当該係合部材を物品よりも相対的に搬送方向下流側に移動させる
ことを特徴とする物品搬送装置。
【請求項2】
前記走行機構が、相互に独立に走行する第1および第2走行部材を有し、
前記第1走行部材に取付けられた係合部材が前記搬送コンベヤ上の連続する物品の先頭の物品に係合した状態で、前記第2走行部材に取付けられた係合部材が前記第1係合位置に揺動することにより、先頭から(n+1)番目の物品に係合し、
前記第1走行部材が前記第2走行部材よりも高速で走行することにより、先頭からn番目と(n+1)番目の物品間に間隙が形成され、前記第2走行部材の係合部材が前記第2係合位置に揺動する
請求項1に記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送コンベヤにより搬送される物品を所定個数ずつにグルーピングして下流側へ供給する物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グルーピングを行なって物品を搬送する装置として特許文献1に開示された構成が知られている。この装置は、物品を連続的に搬送する搬送コンベヤに沿って配設された走行機構と、走行機構に揺動可能に設けられた一対の係合部材とを備え、一対の係合部材が搬送コンベヤ上の物品間に形成される隙間に対して、物品の両側から挿入して係合することによりグルーピングを行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4480228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、環境保護のためにPETボトル容器が薄型化される傾向にあり、全体的な強度が低下して変形しやすくなっている。このようなPETボトル容器が物品搬送装置によりグルーピングされるとき、容器同士が前後に密着している部分の隙間に、一対の係合部材が横方向から挿入され、容器の正面には係合できない。したがって、この係合部材は後続の多数の容器によって搬送方向に押圧されることになり、先頭の容器が一対の係合部材の間に嵌まり込んで変形するおそれがある。特に角型容器(平面視で四角形の四隅を切り欠いた形状)の場合、係合部材が角部のみに引掛かかるような状態で容器に係合するため、柔らかい容器では、容器自体の変形により係合部材が外れてしまい、グルーピングができなくなる可能性も生じる。
【0005】
本発明は、搬送される物品が肉厚の薄い容器であっても、物品が変形することなく、常に正常にグルーピングすることができる物品搬送装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る物品搬送装置は、物品を連続的に搬送する搬送コンベヤと、搬送コンベヤの搬送路に沿って、搬送コンベヤの搬送速度とは異なる速度で走行する走行機構と、走行機構に揺動可能に支持され、搬送コンベヤ上を搬送される物品間の隙間に挿入されて物品に係合し、物品の搬送速度を走行機構の走行速度に規制して、搬送コンベヤ上の物品をグルーピングする係合部材とを備え、係合部材は、物品に係合しない退避位置から所定角度だけ揺動し、物品に対して相対的に浅く係合する第1係合位置に定められて物品をグルーピングした後、さらに揺動し、物品に対して相対的に深く係合する第2係合位置に定められ、走行機構は、係合部材が第1係合位置から第2係合位置に揺動する際に、係合部材が第1係合位置で係合する物品と係合部材との間に隙間が形成されるように、係合部材を搬送方向下流側に移動させることを特徴としている。
【0007】
好ましい実施形態としては、走行機構が相互に独立に走行する第1および第2走行部材を有し、第1走行部材に取付けられた係合部材が搬送コンベヤ上の連続する物品の先頭の物品に係合した状態で、第2走行部材に取付けられた係合部材が第1係合位置に揺動することにより、先頭から(n+1)番目の物品に係合し、第1走行部材が第2走行部材よりも高速で走行することにより、先頭からn番目と(n+1)番目の物品間に間隙が形成され、第2走行部材の係合部材が第2係合位置に揺動する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、搬送される物品が肉厚の薄い容器であっても、物品が変形することなく、常に正常にグルーピングすることができる物品搬送装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態である物品搬送装置の概略構成を示す側面図である。
図2】物品搬送装置の平面図である。
図3】係合部材の構成を示す平面図である。
図4】係合部材を揺動駆動するための機構を示し、取付け部材の長手方向に沿う垂直平面により切断した断面図である。
図5】係合部材が物品に対して係合する状態を示す図である。
図6】物品をグルーピングする作用を示す図である。
図7】第2実施形態を示す平面図である。
図8】第3実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図示された実施形態を参照して本発明を説明する。
図1は第1実施形態の物品搬送装置10を示し、物品搬送装置10は上流側機器のコンベヤ11の終端と下流側機器のコンベヤ12の始端と間に設けられている。上流側機器は例えばラベラであり、物品搬送装置10により搬送される物品の表面にラベルを貼付する。物品搬送装置10は、図において右側から左側へ向かって物品を搬送し、搬送の間に、物品を所定個数ずつにグルーピングする。下流側機器は例えばラップラウンドケーサであり、グルーピングされた物品を段ボールシートによって包装する。
【0011】
物品搬送装置10は、物品を連続的に搬送する搬送コンベヤ20と、搬送コンベヤ20の搬送路に沿って設けられた走行機構21とを有する。走行機構21は搬送コンベヤ20の搬送路の上流側部分に配置され、物品をグルーピングするための係合部材30を有する。搬送コンベヤ20の搬送路の下流側部分の上方には受渡し装置13が設けられる。受渡し装置13は、無端状のチェーン14にフライトバー15を所定間隔毎に取付けて構成され、フライトバー15は搬送コンベヤ20上のグルーピングされた物品を上流側から押圧して下流側機器のコンベヤ12に受け渡す。
【0012】
搬送コンベヤ20は無端状のチェーンコンベヤであり、フレーム22に設けられた複数のプーリ23に掛け回される。搬送コンベヤ20の搬送面は水平方向に延びるチェーン受け29により、上流側機器のコンベヤ11および下流側機器のコンベヤ12の搬送面と同じ高さ位置に保持される。走行機構21は搬送コンベヤ20の搬送速度よりも遅い速度で走行する第1および第2チェーン24、25を有し、後述するようにチェーン24、25は、第1サーボモータ26、27(図2)によって相互に独立に駆動される。
【0013】
係合部材30は、第1および第2チェーン24、25の周方向に沿って所定間隔毎に設けられる。後述するように各係合部材30は走行機構21に揺動可能に支持された一対のアームによって構成され、各アームは、搬送コンベヤ20上を搬送される物品間に形成される隙間に挿入されて物品に係合し、これにより物品の搬送速度を走行機構21の走行速度に規制してグルーピングを行う。なお図1において一点鎖線Aは係合部材30の移動軌跡を示す。
【0014】
図2は物品搬送装置10の平面図である。この図において一点鎖線Bで示すように、搬送コンベヤ20は物品を6列に整列した状態で搬送し、各列の物品は、搬送される間に走行機構21によってグルーピングされる。走行機構21において、第1チェーン(走行部材)24は搬送コンベヤ20の搬送方向に向かって左右両側にそれぞれ設けられ、第2チェーン(走行部材)25も同様に搬送コンベヤ20の左右両側に設けられる。各第1チェーン24は第1サーボモータ26の出力軸28の基部と先端部に設けられた第1スプロケット31と、第2サーボモータ27の出力軸29の基部と先端部に設けられた第2スプロケット32とに掛け回される。同様に、各第2チェーン25は第1サーボモータ26の出力軸28の基部と先端部に設けられた第3スプロケット33と、第2サーボモータ27の出力軸29の基部と先端部に設けられた第4スプロケット34とに掛け回される。
【0015】
第1スプロケット31は出力軸28に一体的に固定され、第2スプロケット32は出力軸29に相対回転自在に嵌合される。第3スプロケット33は出力軸28に相対回転自在に嵌合され、第4スプロケット34は出力軸29に一体的に固定される。したがって第1サーボモータ26の出力軸28の回転力は第1スプロケット31と第1チェーン24と第2スプロケット32に伝達され、第2スプロケット32は出力軸29に対して相対回転する。同様に、第2サーボモータ27の出力軸28の回転力は第4スプロケット34と第2チェーン25と第3スプロケット33に伝達され、第3スプロケット33は出力軸28に対して相対回転する。つまり第1および第2チェーン24、25は相互に独立に走行する。
【0016】
一対の第1チェーン24には第1取付け部材40の両端部が連結され、一対の第2チェーン25には第2取付け部材41の両端部が連結される。搬送コンベヤ20の搬送方向に向かって左側(図2において下側)には、案内溝35が形成された案内部材36が設けられ、第1および第2取付け部材40、41には案内溝35に係合するローラ37、38が設けられる。案内溝35は搬送コンベヤ20に搬送方向に沿って延び、第1および第2取付け部材40、41は案内溝35に案内されて搬送方向に移動する。第1および第2取付け部材40、41は出力軸28、29に平行に延び、これらの取付け部材40、41にはそれぞれ、6つの係合部材30が取付けられる。これらの係合部材30は搬送される物品の列に対応して、一点鎖線Bの位置に設けられる。
【0017】
図3、4を参照して、係合部材30、および係合部材30を揺動駆動するための構成を説明する。各係合部材30は一対のアーム、すなわち右アーム42と左アーム43から成る。右アーム42はピン44に固定され、ピン44は取付け部材40、41に対して、軸心周りに回転可能に支持される。ピン44には連結アーム45が固定され、したがって右アーム42と連結アーム45はピン44を介して、取付け部材40、41に揺動可能に支持される。連結アーム45は、取付け部材40、41に平行に延びる右アーム駆動部材46に連結され、したがって全ての右アーム42は右アーム駆動部材46を介して同時に揺動する。右アーム駆動部材46には、右アーム用カム溝47に係合するカムフォロア48が設けられる。
【0018】
同様に左アーム43は、取付け部材40、41に対して軸心周りに回転可能なピン51に固定され、またピン51には連結アーム52が固定され、左アーム43と連結アーム52は取付け部材40、41に揺動可能に支持される。連結アーム52は、取付け部材40、41に平行に延びる左アーム駆動部材53に連結され、したがって全ての左アーム43は左アーム駆動部材53を介して同時に揺動する。左アーム駆動部材53には、左アーム用カム溝54に係合するカムフォロア55が設けられる。
【0019】
すなわち右アーム42と左アーム43はそれぞれ、右アーム用カム溝47と左アーム用カム溝54の形状に従って揺動し、全ての係合部材30は同時に開閉する。右アーム42の先端には左アーム43側に突出する右フィンガ56が設けられ、左アーム43の先端には右アーム42側に突出する左フィンガ57が設けられる。右フィンガ56と左フィンガ57は、搬送方向に隣接する2つの物品の隙間に容易に挿入されるよう、平面視でテーパ状に成形されている。
【0020】
図4に示すように、右アーム用カム溝47と左アーム用カム溝54は上側カム板60と下側カム板61に形成される。上側カム板60と下側カム板61は相互に平行であって水平に設けられ、上側カム板60と下側カム板61は、搬送方向の上流側端部と下流側端部において、それぞれステイ62により連結される。ステイ62にも右アーム用カム溝と左アーム用カム溝(図示せず)が形成され、右アーム用カム溝と左アーム用カム溝はそれぞれ、上側カム板60と下側カム板61とステイ62において連続し、無端状に形成されている。
【0021】
上側カム板60に形成された右アーム用カム溝47と左アーム用カム溝54は、所定領域において、水平面内で湾曲し、これにより右アーム42と左アーム43は揺動して開閉する。その他の領域では、右アーム用カム溝47と左アーム用カム溝54は直線的に形成され、右アーム42と左アーム43は揺動しない。右アーム42と左アーム43の揺動、すなわち係合部材30の開閉動作を、次に図2、5を参照して説明する。
【0022】
走行機構21の上流側端部(図2において右側)の近傍では、係合部材30は開放して退避位置にあり、物品C1、C2に係合しない(符号D)。上流側端部から所定距離だけ移動すると、カム溝47、54の第1傾斜部K1の形状に従って、係合部材30は退避位置から所定角度だけ揺動し、第1係合位置に定められる(符号E)。第1係合位置では、係合部材30は物品C1、C2に対して、相対的に浅く係合する。物品C1が角型容器の場合、係合部材30は面取りした角部に係合し、物品C2が丸型容器の場合、係合部材30は平面視において物品C2の先端から約45°回転した部位に係合する。
【0023】
係合部材30は、搬送方向にさらに所定距離だけ移動すると、カム溝47、54の第2傾斜部K2の形状に従って、第1係合位置からさらに揺動し、第2係合位置に定められる(符号F)。第2係合位置では、係合部材30は物品C1、C2に対して、相対的に深く係合した閉鎖状態になる。第2傾斜部K2より下流において、カム溝47、54は搬送方向に平行な直線部Lとして成形され、この部分を走行するとき、係合部材30は閉鎖状態を維持する。走行機構21の下流側端部の近傍では、カム溝47、54の第3傾斜部K3の形状に従って、係合部材30は開放し、物品C1、C2に係合しない退避位置に戻る(符号D)。
【0024】
図6を参照して、物品Cをグルーピングする作用を説明する。この説明では、図6において左側に位置する先頭の係合部材30は第1チェーン24に取付けられ、右側に位置する後続の係合部材30’は第2チェーン25に取付けられていると仮定する。
【0025】
符号(a)に示す状態では、先頭の係合部材30は閉鎖状態(第2係合位置)で、搬送コンベヤ20上の連続する物品Cの先頭の物品Cに係合している。また後続の係合部材30’は搬送コンベヤ20の搬送面よりも下方にあり、開放して退避位置に定められている。先頭と後続の係合部材30、30’は同じ速度で移動し、後続の係合部材30’が搬送面の上方に来て符号(b)に示す状態になると、係合部材30’は第1係合位置(図5の符号E)に揺動して、先頭から5番目の物品Cに浅く係合する。
【0026】
係合部材30’が第1係合位置に定められるのと略同時に、第1チェーン24が搬送コンベヤ20と略同じ速度、すなわち第2チェーン25よりも高速で走行する。これにより、後続の係合部材30’が係合する5番目の物品Cよりも前方に位置する4つの物品Cが搬送コンベヤ20によって搬送され、4番目と5番目の物品Cの間に間隙Gが形成される(符号(c))。この後、後続の係合部材30’が第2係合位置に揺動し、5番目の物品Cに深く係合する。これにより、5番目よりも後方にある物品Cは係合部材30’によって搬送速度が規制されることになる。
【0027】
以上のように本実施形態では、グルーピングを行なうときに、まず係合部材30’が第1角度だけ揺動して物品Cに対して浅く係合し、その前方に隣接する物品Cと係合部材30’に係合された物品Cとの間に間隙Gが形成された後に、係合部材30’がさらに大きい第2角度まで揺動し、物品Cに対して深く係合する。このようにグルーピングは、最初に係合部材30’が浅く係合した状態で行われ、その後係合部材30’を深く係合させるようにするので、搬送される物品Cが肉厚の薄い容器であっても、物品Cが変形することなく、常に正常に行われる。
【0028】
なお、係合部材の形状と移動軌跡や容器の形状等の条件によっては、係合部材が第1角度から第2角度に揺動する際に係合部材が物品に噛み込む可能性がある。この場合に、第2角度に揺動するタイミングに合わせて走行機構21を加速させることで、物品との間に僅かな隙間を形成しながら係合部材を第2角度に揺動させるようにすればよい。これを図5の右側に示す丸型容器の物品C2を例にとって説明すると、係合部材30が第1角度(符号E)から第2角度(符号F)に揺動するときに、係合部材30を物品C2よりも相対的に下流側(図5の上側)に移動させ、すなわち物品C2を相対的に上流側(図5の下側)に移動させることにより、係合部材30が物品C2に噛み込むことを防止しつつ係合部材30を第1角度から第2角度に揺動することが可能となる。
【0029】
図7は第2実施形態を示している。この実施形態では、第1および第2カム機構70、71が設けられる。第1および第2カム機構70、71はそれぞれ、第1および第2カム昇降機構72、73に接続され、選択的に昇降される。すなわち第1および第2カム機構70、71の一方が係合部材のカムフォロア48、55に係合する高さ位置に定められ、他方はカムフォロア48、55には係合しない。第1カム機構70のカム溝74は、係合部材が開放状態と閉塞状態の間で切り替わるように形成され、従来技術と同じ1段階の開閉動作を実施するように構成されている。第2カム機構71は上述した第1実施形態と同様に、係合部材が2段階の開閉動作を実施するように構成されている。
【0030】
第2実施形態では、グルーピングされる物品が、例えば軟質の角型容器の場合、係合部材が物品から外れる可能性が高いので、この場合のみ第2カム機構71を使用するようにしてもよい。このように第2実施形態によれば、第1および第2カム機構70、71の一方を選択して使用することができ、搬送される物品の材質等に応じて適切なグルーピング動作を行なうことができる。
【0031】
図8は第3実施形態を示している。この実施形態では、カム機構80は水平移動装置82に連結されて水平方向に変位可能に構成されている。カム機構80に形成されたカム溝81は係合部材を第1角度だけ揺動させるような形状を有する。つまりカムフォロア48、54がカム溝81の傾斜部K4に係合することにより、係合部材は第1角度だけ揺動して、搬送コンベヤによって搬送される物品に浅く係合する。その後、カムフォロア48、54がカム溝81の直線部Lに係合したとき、水平移動装置82によってカム機構80が所定量だけ水平方向に変位し、係合部材が第2角度だけ揺動して物品に深く係合する。
【0032】
この実施形態は、下流側機器が一時停止した際に使用されるものである。つまり、下流側機器が一時停止した際、搬送コンベヤ20の運転は停止せずに、係合部材30を先頭の物品Cに係合させた状態で走行機構21を停止させることで、物品Cを搬送コンベヤ20上に滞留させておく。係合部材30を第1角度だけ揺動させて先頭の物品Cに係合させた後、走行機構21を停止させ、さらに水平移動装置によってカム機構81を水平方向に変位させ、係合部材が第2角度だけ揺動して物品に深く係合するようにし、これにより係合部材30を物品Cの正面側に係合させる。なお、必要に応じて、カム機構81を水平方向に変位させて係合部材30を第2角度に揺動させる際に、上述したように走行機構21を下流側に移動させることで、閉鎖される係合部材30の物品Cへの噛み込みを防止するようにしてもよい。
【0033】
第3実施形態によれば、第1実施形態と比較して、簡単な形状を有するカム溝81により、物品のグルーピングが実現可能になる。
【0034】
なお上記各実施形態の係合部材において、左右のアーム42、43毎にカムフォロア48、54を設けていたが、カムフォロアを1つにして、左右のアーム42、43をギヤにより連動して揺動するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0035】
20 搬送コンベヤ
21 走行機構
30、30’ 係合部材
C、C1、C2 物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8