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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】物品群分離集積装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/28 20060101AFI20230921BHJP
   B65G 47/08 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
B65G47/28 H
B65G47/08 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019158488
(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公開番号】P2021038033
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】村浜 政貴
(72)【発明者】
【氏名】高塚 悟
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-165490(JP,A)
【文献】特許第3071240(JP,B2)
【文献】特開平10-218346(JP,A)
【文献】特表2015-536888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00-47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を前後に密集した状態で搬送する搬送コンベヤと、
前記搬送コンベヤ上の物品に制動をかけ、この物品とこの物品の前を搬送される物品との間隔を広げる制動手段と、
前記制動手段より下流へ搬送される物品の数を認識する物品数認識手段と、
前記搬送コンベヤの搬送方向に沿って往復移動可能な第1、第2係合部材を有する物品群係合手段とを備え、
前記制動手段は、前記物品認識手段が所定数の物品を認識するまでは、前記物品を前記搬送コンベヤと同じ速度で送り出すとともに、前記物品数認識手段が所定数の物品を認識した際には、後続の物品に制動を掛けて後続の物品を減速させることにより、後続の物品を移動させながら下流へ搬送された所定数の物品群の後尾の物品と後続の物品の間隔を広げて前記物品群の分離を行い、
前記物品群係合手段は、前記第1係合部材を前記物品群の先頭の物品に当接させるとともに前記第2係合部材を前記物品群の後尾の物品に当接させて、前記物品群を上流側および下流側から挟持した状態で前記搬送コンベヤよりも高速で集積位置まで搬送する
ことを特徴とする物品群分離集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される物品を密集した物品群に分離する物品群分離集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料パックなどの物品を所定の数ずつ箱詰め、あるいは包装するために、搬送コンベヤ上を搬送される物品を密集させつつ所定数の物品群に分離する装置が知られている(特許文献1)。特許文献1の装置では、搬送コンベヤの左右両側方に対向して設けた一対のバーチカルベルトで搬送コンベヤ上の物品を挟持するとともに、バーチカルベルトと搬送コンベヤの搬送速度を調整することで、搬送コンベヤ上を搬送される物品を物品群に分離し、分離された物品群の移動を下流端に配置されたストッパ兼ガイド板でせき止めるとともに、せき止められ密集状態にある物品群を側方に配置したショートプッシャにより側方へと順次押し出している。これにより、所定数に分離された物品群は搬送コンベヤの側方に向けて整列させて排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3071240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、取り扱われる物品が小型容器など転倒し易い物品の場合、特許文献1の構成では、バーチカルベルトによって停止されている物品に後続の物品が衝突した際やストッパと衝突した際の衝撃によって容器が転倒する可能性があるため、搬送速度を上げることができない。
【0005】
本発明は、搬送速度が大きくとも物品の転倒が起こらない物品群分離集積装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の物品群分離集積装置は、物品を前後に密集した状態で搬送する搬送コンベヤと、前記搬送コンベヤ上の物品に制動をかけ、この物品とこの物品の前を搬送される物品との間隔を広げる制動手段と、前記制動手段より下流へ搬送される物品の数を認識する物品数認識手段と、前記搬送コンベヤの搬送方向に沿って往復移動可能な第1、第2係合部材
を有する物品群係合手段とを備え、前記制動手段は、前記物品認識手段が所定数の物品を認識するまでは、前記物品を前記搬送コンベヤと同じ速度で送り出すとともに、前記物品数認識手段が所定数の物品を認識した際には、後続の物品に制動を掛けて後続の物品を減速させることにより、後続の物品を移動させながら下流へ搬送された所定数の物品群の後尾の物品と後続の物品の間隔を広げて前記物品群の分離を行い、前記物品群係合手段は、前記第1係合部材を前記物品群の先頭の物品に当接させるとともに前記第2係合部材を前記物品群の後尾の物品に当接させて、前記物品群を上流側および下流側から挟持した状態で前記搬送コンベヤよりも高速で集積位置まで搬送することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、搬送速度が大きくとも物品の転倒が起こらない物品群分離集積装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態である物品群分離装置の配置を示す平面図である。
図2図1の搬送コンベヤを図1の下方側から見た側面図である。
図3】搬送コンベヤを上流側から見た断面図である。
図4】搬送コンベヤを上流側から見た移載区間における断面図である。
図5】第1移載装置を図1の下側から見た(Y方向に見た)側面図である。
図6】第1移載装置を上流側(X方向)から見た側面図である。
図7】ベースに取り付けられる第1~第4グリッパの配置を示す平面図である。
図8】ベースよりも下側の構成を、搬送コンベヤの下流側から上流側に見た側面図である。
図9】第1~第4グリッパが第1、第2容器群を挟持する構成を示す平面図である。
図10】スターホイール、前プレート、後フィンガによる搬送コンベヤでの容器群の分離処理動作を説明する図である。
図11】スターホイール、前プレート、後フィンガによる搬送コンベヤでの容器群の分離処理動作を説明する図である。
図12】スターホイール、前プレート、後フィンガによる搬送コンベヤでの容器群の分離処理動作を説明する図である。
図13】第1移載装置、第2移載装置を用いた物品群の再整列処理動作を説明する図である。
図14】第1移載装置、第2移載装置を用いた物品群の再整列処理動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である物品群分離集積装置を備えた物品処理装置の配置を示す平面図であり、図2は同装置の搬送コンベヤを図1の下方側から見た側面図である。
【0010】
本実施形態の物品処理装置10は、例えば搬送方向の前後に密集した状態で小型の物品(樹脂製容器)Cを複数列(例えば2列)で搬送しつつ、これらを複数個(例えば各列10個、合計20個)毎に密集された容器群(物品群)Gに搬送方向(X方向)に分離して集積する容器群分離集積装置(物品群分離集積装置)10Aと、集積された容器群Gを搬送方向に例えば直交する方向(Y方向)に所定の配列(例えば各列5個ずつ、合計10個)で移送しつつ、所望の形態に整列する容器群移送整列装置(物品群移送整列装置)10Bを有している。図1において、容器Cは搬送コンベヤ12により図面左側から右側へと搬送され、後述するように、搬送コンベヤ12の下流部の集積位置Aに設けられた一方の側辺に隣接して配置された整列プレート(整列部)13へと移載される。
【0011】
本実施形態において、搬送コンベヤ12は、例えば2列のベルトコンベヤ12Aであり、搬送経路の途中には、容器Cと係合して、その搬送速度を低減し、後方を搬送される容器Cを前方の容器群Gから分離する制動機構が設けられる。本実施形態の制動機構は、搬送コンベヤ12の両側辺に相対して配置される一対のスターホイール(制動手段)14からなる。
【0012】
スターホイール14は、その外周に搬送コンベヤ12上を搬送される各列の容器Cの胴部とそれぞれ係合する窪みが所定数設けられる。各スターホイール14は、モータ14Aにより逆向きに同期回転される。各スターホイール14は、通常は各列の容器Cを搬送コンベヤ12と同じ速度で送り出すように回転制御される。したがって、容器Cは各スターホイール14からほとんど制動を受けないため、搬送コンベヤ12上を密集状態で搬送される容器Cはそのまま密集状態を維持しながら各スターホイール14から排出されて下流へ搬送される。一方、所定数(各列10個)の容器Cが通過すると、各スターホイール14はわずかな時間回転速度を減速されることにより各スターホイール14に係合する容器Cは制動を受け、制動を受ける容器Cとこの制動を受ける容器Cよりも下流側を搬送される容器群Gとの間に隙間を形成する。
【0013】
なお、スターホイール14を通過する容器Cの数は、スターホイール14の回転角度によって認識され、モータ14Aは、認識された容器Cの数に基づきその回転速度が制御される。本実施形態では、エンコーダ等によりモータ14Aの回転量を検知し、これに基づきスターホイール14を通過した容器Cの数が計算される。なお、計数方法は任意であり、光センサ等の非接触式やその他の接触式のセンサを用いてもよい。
【0014】
搬送コンベヤ12において、スターホイール14の下流側には、分離された容器群Gを搬送方向(X方向)の前後から挟み込み、密接、安定した状態で集積位置Aへと移送する機構(物品群係合手段)が設けられる。本実施形態において同機構は、容器群Gの先頭の容器Cに当接する前プレート(第1係合部材)16と、容器群Gの後尾の容器Cに当接する後フィンガ(第2係合部材)18を備える。
【0015】
前プレート16は、搬送コンベヤ12を横切るように延出し、容器群Gの先頭の容器Cの前縁に当接する1枚の横長の板状部材であり、整列プレート13とは反対側の搬送コンベヤ12の側辺に沿って配置される前プレート移動機構20によって支持、駆動される。一方、後フィンガ18は、一対のL字状の板部材であり、各後フィンガ18は、搬送コンベヤ12の下流部の下方に沿って配置される後フィンガ移動機構22によって支持、駆動される。
【0016】
前プレート移動機構20は、前プレート16を搬送コンベヤ12の側方から搬送コンベヤ12上へと突出させるとともに、側方へと退避させる前プレート進退アクチュエータ20Aと、容器群Gの先頭の容器Cに当接された前プレート16を搬送コンベヤ12に沿って往復動させる前プレート往復動アクチュエータ20Bとを備える。
【0017】
後フィンガ移動機構22は、各後フィンガ18の基端部を支持する支持部材22Aと、各支持部材22Aをコンベヤ幅方向に逆向きに往復動可能に支持するエアシリンダ22Bと、エアシリンダ22Bを後フィンガ18とともに一体的に搬送コンベヤ12に沿って往復動させる後フィンガ往復動アクチュエータ22Cとを備える。なお、前プレート往復動アクチュエータ20Bおよび後フィンガ往復動アクチュエータ22Cは、それぞれサーボモータ20C、22Dにより、搬送コンベヤ12よりも速い同じ速度で同期駆動される。また、前プレート進退アクチュエータ20Aはサーボモータ20Dによって駆動される。
【0018】
集積位置Aにおいてベルトコンベヤ12Aの両側には側辺に沿って、昇降可能な昇降ガイド24がそれぞれ設けられる。昇降ガイド24は、前プレート16および後フィンガ18により搬送コンベヤ12上をスライドされて移送される際に上昇し、容器Cの側方への転倒を防止する。一方、容器群Gを側方の集積プレート13へ移動する際には、搬送コンベヤ12の搬送面下まで下降され退避される。また、搬送コンベヤ12の下流端には、集積位置Aの容器群Gが搬送コンベヤ12により更に下流側に移動しないように固定ストッパ21が設けられる。
【0019】
なお、整列プレート13の搬送コンベヤ12に沿った上流側の角部は、搬送コンベヤ12に沿って往復動する整列プレート13側の後フィンガ18との干渉を防止するため、その一部が可動プレート13Aとして構成される。可動プレート13Aは、後フィンガ18が集積位置Aに移動してくるときには、後フィンガ18と干渉しない退避位置にあり、搬送プレート12上の容器群Gを整列プレート13へ移動する際には、整列プレート13の面の一部を構成し、容器群Gは可動プレート13Aの上をスライドして整列プレート13上へと移動される。
【0020】
搬送コンベヤ12および整列プレート13の上方には、後述するように搬送コンベヤ12上の容器群Gを前後2つのグループに分けて整列プレート13上へと移動する第1移載装置26が配置される(図6~9参照)。第1移載装置26は、4対の第1~第4グリッパ28A~28Dを備える。
【0021】
後述するように第1グリッパ(第1移送手段)28Aは、集積位置Aに集積された容器群Gのうち搬送方向(X方向)に分割される1部の容器群、すなわち第1容器群(第1物品群)G1を第1整列位置A1へと移動し、第2グリッパ(第1移送手段)28Bは、移載区間Aに配置された別の容器群、すなわち第2容器群(第2物品群)G2を第2整列位置A2へと移動する。なお、本実施形態では、容器群Gは、上流側の第1容器群G1と下流側の第2容器群G2に2分される。
【0022】
第3グリッパ(第2移送手段)28Cは、第1整列位置A1へ移動された第1容器群G1を、整列プレート13上の第3整列位置A3に移動し、第4グリッパ(第2移送手段)28Dは、第2整列位置A2へ移動された第2容器群G2を、整列プレート13上の第4整列位置A4に移動する。
【0023】
また、整列プレート13の搬送コンベヤ12とは反対側の側辺には、搬送コンベヤ12の搬送方向(X方向)に直交するY方向に容器Cの搬送を行う排出コンベヤ15が配置され、整列プレート13の排出コンベヤ15側には、第3、第4整列位置A3、A4に配置された第1、第2容器群G1、G2を排出コンベヤ15上へと移送する第2移載装置30が設けられる。
【0024】
第2移載装置30は、第1、第2容器群G1、G2それぞれを移動する容器群移動機構30A、30Bを備える。容器群移動機構30A、30Bは、各容器群G1、G2をY方向にそれぞれ挟持可能なグリッパ32A、32Bを各々備える。グリッパ32A、32Bは、それぞれX方向に沿って配置されるロッド33Aの先端部に設けられ、ロッド33Aの基端部は、X方向に沿って平行に配置さる2台のX方向アクチュエータ33Bのスライダに各々固定される。すなわち、各グリッパ32A、32BはX方向アクチュエータ33Bの各駆動モータ33CによりX方向に往復動される。
【0025】
また、2台のX方向アクチュエータ33Bは、その基端部が、Y方向に沿って配置される1台のY方向アクチュエータ33Dによって保持される。すなわちグリッパ32A、32Bは、1台のY方向アクチュエータ33Dにより、一体的にY方向に往復動可能であるとともに、2台のX方向アクチュエータ33BによりX方向に往復動可能である。なお、Y方向アクチュエータ33Dは、駆動モータ33Eにより2台のX方向アクチュエータ33Bを一体的にY方向に往復動させる。
【0026】
図3は、上流側から見た搬送コンベヤ12の断面図であり、搬送コンベヤ12上の容器群Gの後尾の容器Cに後フィンガ18が当接した状態が示される。
【0027】
左右の後フィンガ18は、その先端側が各々搬送コンベヤ12の中央側に向けて折り曲げられたL字形状を呈し、エアシリンダ22Bにより、搬送コンベヤ12の幅方向に向けて反対向きに往復動される。後フィンガ18は、スターホイール14により容器群Gが後尾の容器Cから分離される位置において、エアシリンダ22Bにより、その先端が互いに近づく方向に移動され、容器群Gが後尾の容器Cの後面に当接される。なお、後フィンガ18は、後フィンガ移動機構22により容器群Gを集積位置Aに移動した後、エアシリンダ22Bにより互いに搬送コンベヤ12上の容器Cと干渉しない位置まで外側に退避され、後フィンガ移動機構22により、スターホイール14側(上流側)に向けて元の位置まで戻される。図3には、退避された後フィンガ18の一部が破線で描かれる。
【0028】
図4は、上流側から見た集積位置Aにおける搬送コンベヤ12の断面図であり、昇降ガイド24の昇降機構25がともに示される。
【0029】
図4に示されるように、昇降ガイド24は、搬送コンベヤ12上の容器Cの側辺に沿って位置し、支持部材25Aにより支持される。本実施形態では、容器群Gが2列なので、搬送コンベヤ12の外側と、容器Cの間の3ケ所に昇降ガイド24が設けられる。昇降機構25はモータ25Bの駆動により支持部材25Aを上下に往復駆動させる。図4には、昇降ガイド24が上昇され、容器群Gが移載区間Aに移送される際の状態が示される。なお、容器群Gを第1容器群G1、第2容器群G2に分割して集積プレート13上へと移載する際には、昇降機構25により支持部材25Aが下降され、3つの昇降ガイド24は、ベルトコンベヤ12Aの搬送面よりも下方に退避される。
【0030】
図5は、本実施形態の第1移載装置26を図1の下側から見た(Y方向に見た)側面図であり、図6は上流側(X方向)から見た側面図である。
【0031】
本実施形態において、第1~第4グリッパ28A~28Dは第1移載装置26のベース34の下に保持される。ベース34は、ナット36Aとボールネジ36Bを用いた昇降機構36により上下方向(Z方向)に昇降可能であるとともに、ベース移動アクチュエータ38により搬送コンベヤ12の幅方向(Y方向)に往復動可能である。昇降機構36およびベース移動アクチュエータ38は、各々駆動モータ36C、38Aにより駆動される。
【0032】
図7は、ベース34に取り付けられる第1~第4グリッパ28A~28Dの配置を示す平面図であり、図8は、図7のベース34よりも下側の構成を、搬送コンベヤ12の下流側から上流側に見た側面図である。
【0033】
本実施形態において、第1~第4グリッパ28A~28Dは、各々開閉シリンダ40によりY方向に開閉される一対の板状部材からなる。第1グリッパ28Aおよび第4グリッパ28Dの開閉シリンダ40は、ベース34に固定されて取り付けられる一方、第2グリッパ28Bおよび第3グリッパ28Cは、それぞれY方向直動アクチュエータ40A、X方向直動アクチュエータ40Bを介してそれぞれベース34に取り付けられる。なお、Y方向直動アクチュエータ40A、X方向直動アクチュエータ40Bは、それぞれ駆動モータ41A、41Bにより駆動される。
【0034】
ベース34は、例えば4辺がXY方向に平行な矩形形状を呈し、第1グリッパ28Aは、ベース34における上流側の搬送コンベヤ12に最も近い位置に配置される。第2グリッパ28Bは、第1グリッパ28Aの下流側に配置され、第3グリッパ28Cは、第1グリッパ28AのY方向下流側に配置される。また、第4グリッパ28Dは、第1グリッパ28Aに対してベース34の対角方向に配置される。
【0035】
第2グリッパ28Bは、Y方向直動アクチュエータ40Aにより、第1グリッパ28AとX方向に並んだ位置(図7)からベース34から搬送コンベヤ12側へ外側に延出した位置までの間で往復動可能である。一方、X方向直動アクチュエータ40Bにより、第3グリッパ28Cは、第1グリッパ28AとY方向に並んだ位置(図7)から、第4グリッパ28DとY方向に並んだ位置までの間で往復動可能である。
【0036】
また、図8に示されるように、整列プレート13の一部を構成する可動プレート13Aは、エアシリンダ13Bにより軸13Cの周りに揺動可能である。容器群Gが前プレート16と後フィンガ18とに挟まれて搬送コンベヤ12上を移動される際、可動プレート13Aは、軸13C周りに回転され、下方に押し下げられ、容器群Gが搬送コンベヤ12から整列プレート13上へと移載される際には、整列プレート13の平面を構成するように押し上げられる。
【0037】
図9は、第1~第4グリッパ28A~28D(本図では代表してグリッパ28として示す)が第1、第2容器群G1、G2をそれぞれ挟持する構成を示す平面図である。図9に示されるように、一対のグリッパ28の内側面には各物品群の容器Cと嵌合する凹部29が形成され、両グリッパ28により物品群が挟まれると、各容器Cは凹部29によりその位置が固定される。
【0038】
次に図10図12を参照して、搬送コンベヤ12上における容器群Gの分離と、集積位置Aから第1、第2容器群G1、G2を第1整列位置A1および第2整列位置A2へ移動する動作について説明する。
【0039】
図10(a)は、搬送コンベヤ12上を搬送される後続の容器Cから分離された容器群Gが前プレート16および後フィンガ18により集積位置Aまで移動された状態が示される。
【0040】
図10(a)において、昇降ガイド24は上昇されており、容器群Gはその両側方を昇降ガイド24によりガイドされ、その前後を前プレート16および一対の後フィンガ18によって支持されている。スターホイール14は、搬送コンベヤ12の搬送速度に同期した通常の速度で回転しており、後方の容器Cは、搬送コンベヤ12上を密集した状態で搬送される。なお、このとき可動プレート13Aは、下方に退避されており後フィンガ18との干渉が防止される。
【0041】
図10(b)では、前プレート16および後フィンガ18が搬送コンベヤ12上から側方に抜き取られる。容器群Gの先頭は固定ストッパ21に当接し、連続駆動される搬送コンベヤ12により容器群Gが更に下流側へ移動することが防止される。図10(c)では、搬送コンベヤ12上から退避された前プレート16および後フィンガ18の上流側への移動が開始されるとともに、第1グリッパ28Aおよび第2グリッパ28Bが、それぞれ容器群Gの上方へと移動される。
【0042】
このとき、第1移載装置26のベース34は、昇降機構36により上昇された位置にあり、ベース移動アクチュエータ38により第1グリッパ28Aが搬送コンベヤ12上の容器群Gの真上にくる位置まで搬送コンベヤ12側へ移動される。また、第2グリッパ28Bは、Y方向直動アクチュエータ40Aにより第1グリッパ28AとX方向に並んだ位置に配置され、搬送コンベヤ12上の容器群Gの真上に位置する。
【0043】
図10(d)では、昇降ガイド24が搬送コンベヤ12の搬送面よりも下降され、昇降機構36によりベース34が下降されて第1グリッパ28Aが容器群Gの上流側の第1容器群G1を挟持し、第2グリッパ28Bが容器群Gの下流側の第2容器群G2を挟持した状態が示される。なお、このとき前プレート16および後フィンガ18は更に上流側へと移動され、可動プレート13Aは集積プレート13と同じ高さまで上昇される。
【0044】
図11(e)では、第1移載装置26のベース34のベース移動アクチュエータ38によるY方向に移動が開始されるとともに、Y方向直動アクチュエータ40Aは、第2グリッパ28Bを搬送コンベヤ12側へと移動する。これにより、第1グリッパ28Aに保持された第1容器群G1および第2グリッパ28Bに保持された第2容器群G2は、集積プレート13上へと移動される。なお、この間も前プレート16および後フィンガ18は、上流側へと移動される。
【0045】
図11(f)では、前プレート16が後フィンガ18とともに上流側へ移動しながら搬送コンベヤ12上へと押し出される。図11(g)において、前プレート16および後フィンガ18の搬送コンベヤ12に沿った移動は停止され、前プレート16は、完全に搬送プレート12上へと押し出される。このとき前プレート16は、スターホイール14から送り出された容器Cの先頭よりも僅かに下流側に位置し、後フィンガ18の先端は、容器Cがスターホイール14から送り出される位置に配置される。また、同時に計数結果に基づきスターホイール14の回転速度が減速され、容器Cが送り出される速度が搬送コンベヤ12の搬送速度よりも遅くなり、すでにスターホイール14から送り出された容器群Gが後続の容器から分離される。本実施形態のスターホイール14は10本の容器Cを2.5秒かけて排出するように制御されている。運転開始時は各列の容器Cを搬送コンベヤ12と同じ速度で送り出すように回転制御され、10本の容器Cを認識すると1本の容器Cを排出する0.25秒の間に通常の速度から20%ほど減速するように制御している。このように、容器Cを減速する時間を短くするとともに減速の割合を小さくすることにより、減速時における容器Cへの慣性力の影響を極力小さくしている。なお、この間も第1グリッパ28Aおよび第2グリッパ28Bによる第1、第2容器群G1、G2の整列プレート13への移動は継続される。
【0046】
図11(h)では、分離された容器群Gの先頭が前プレート16に当接するとともに、両側の後フィンガ18が搬送コンベヤ12上へと押し出され、スターホイール14により分離された容器群Gの後尾の容器Cに当接する。スターホイール14の回転は、送り出し速度が搬送コンベヤ12の搬送速度と同じになるまで加速される。なお、本実施形態では急に加速することによって容器Cが転倒しないように9本の容器Cが排出される時間、2.25秒かけて通常の速度へ増速するようにしている。また、第1グリッパ28Aにより移動される第1容器群G1は略第1整列位置A1にまで移動され、第2グリッパ28Bにより移動される第2容器群G2は略第2整列位置A2にまで移動される。また、昇降ガイド24は搬送コンベヤ12の搬送面よりも高い位置にまで上昇される。
【0047】
図12(i)では、可動プレート13Aが退避されるととに、前プレート16および後フィンガ18が搬送コンベヤ12の搬送速度よりも速い速度で下流側へと移動され、分離された容器群Gの先頭が集積位置Aの上流端に差し掛かった状態が示される。図12(j)では、前プレート16および後フィンガ18が更に下流側に移動され、容器群Gの先頭側の数行分の容器Cが昇降ガイド24の間に移動されている。また、開閉シリンダ40により第1グリッパ28Aおよび第2グリッパ28Bが開放されて、第1、第2容器群G1、G2が解放され、第1、第2容器群G1、G2の第1整列位置A1、第2整列位置A2への移動が完了する。この後、ベース34は昇降機構36により持ち上げられるとともに、図13に示されるように、第1グリッパ28Aが搬送コンベヤ12の真上に位置するまでベース移動アクチュエータ38により搬送コンベヤ12側へと移動される。なお、このとき第2グリッパ28Bは、Y方向直動アクチュエータ40Aにより第1グリッパ28AとX方向に並ぶ位置(搬送コンベヤ12の真上位置)に移動される。
【0048】
次に図13、14を参照して、第1移載装置26および第2移載装置30を用いた第1容器群G1と第2容器群G2の整列処理および排出コンベヤ15への移載処理について説明する。
【0049】
図13は、容器群Gが集積位置Aに搬送され、第1、第2グリッパ28A、28Bが容器群Gの各第1容器群G1、第2容器群G2を挟持した状態が示される。このとき、ベース34は、搬送コンベヤ12側に移動されている。このとき第3グリッパ28Cは、第1グリッパ28AとY方向に並んだ位置に配置され、先に第1グリッパ28Aにより第1整列位置A1に移動された第1容器群G1を挟持し、第4グリッパ28Dは、先に第2グリッパ28Bにより第2整列位置A2に移動された容器群G2を挟持する。
【0050】
また、第2移載装置30の容器群移動機構30Aは、X方向アクチュエータ33Bによりグリッパ32A、32BをX方向に移動し、先に第3、第4グリッパ28C、28Dにより第3、第4整列位置A3、A4に移動されている第1、第2容器群G1、G2をそれぞれ挟持する。
【0051】
ここで、第1整列位置A1、第2整列位置A2は、搬送コンベヤ12上の容器群Gの第1容器群G1、第2容器群G2を、それぞれY方向に移動した位置にあり、第1整列位置A1は第2整列位置A2よりも搬送コンベヤ12から遠くに配置される。また、第2、第4、第3整列位置A2、A4、A3は、この順でY方向に、搬送コンベヤ12側から一列に配列され、第4整列位置A4は第1整列位置A1よりも搬送コンベヤ12から遠い位置に配置される。
【0052】
次に、図14に示されるように、第2移載装置30のグリッパ32A、32BがY方向アクチュエータ33DによりY方向に移動され、グリッパ32A、32Bに挟持される容器群G1、G2は、排出コンベヤ15の搬送方向に沿って整列された状態で搬送コンベヤ15上へと移動される。これと同時に、ベース34は、ベース移動アクチュエータ38によりY方向に移動され、第2グリッパ28BはY方向直動アクチュエータ40Aにより搬送コンベヤ12方向に移動されるとともに、第3グリッパ28Cは、X方向直動アクチュエータ40BによりX方向に移動される。
【0053】
これにより、図13において搬送コンベヤ12上において第1、第2グリッパ28A、28Bにそれぞれ挟持される第1、第2容器群G1、G2は、整列プレート13上の第1、第2整列位置A1、A2にそれぞれ移動され、第3、第4グリッパ28C、28Dにそれぞれ挟持される第1、第2容器群G1、G2は、整列プレート13上の第3、第4整列位置A3、A4にそれぞれ移動される。以下、同様の処理が繰り返されることで、搬送コンベヤ12上を所定列で搬送される容器Cは、搬送方向に分離されて1つの容器群Gとされ、その後、容器群Gは更に等分の第1、第2容器群G1、G2に分離されて搬送方向と交差する方向に向けて移動されるとともに、その交差方向に整列された状態で排出される。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、密集状態で搬送される容器を所定本数認識されるまではほとんど制動をかけること無く搬送するとともに、所手本数認識した際にはスターホイールの回転速度をわずかな時間の間だけ減速させることにより容器が受ける慣性力を小さくすることができ、容器の転倒を抑えることができる。また、前プレートと後フィンガにより、分離された容器群を前後から挟んだ状態で移動するので、搬送コンベヤの搬送速度よりも高速で容器群を移動しても容器が転倒することがなく、処理速度を高めることができる。
【0055】
なお、本実施形態では容器群の分離にスターホイールを用いたが、分離機構には、回転ベルトや容器の間に係合部材を挿入する構成を用いることもできる。また、本実施形態では、搬送される容器を交差方向に整列し直していたが、所定数の容器を直接ケース内等に箱詰めする場合などには、移動された集積位置に容器群を直接グリッパで把持してケース内に移動してもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 物品群分離集積装置
12 搬送コンベヤ
13 整列プレート(整列部)
14 スターホイール(制動手段)
16 前プレート(第1係合部材)
18 後フィンガ(第2係合部材)
20 前プレート移動機構
22 後フィンガ移動機構
26 第1移載装置
28A、28B 第1、第2グリッパ(第1移送手段)
28C、28D 第3、第4グリッパ(第2移送手段)
A 集積位置
A1~A4 第1~第4整列位置
C 容器(物品)
G 容器群(物品群)
G1、G2 第1、第2容器群(物品群)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14