(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】LSD-1インヒビターとしてのピロロ〔2,3-c〕ピリジン及び関連類似体
(51)【国際特許分類】
C07D 471/04 20060101AFI20230921BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20230921BHJP
A61K 31/538 20060101ALI20230921BHJP
A61K 31/4462 20060101ALI20230921BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20230921BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20230921BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20230921BHJP
A61K 31/46 20060101ALI20230921BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230921BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20230921BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230921BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20230921BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230921BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
C07D471/04 102
C07D471/04 106H
C07D471/04 CSP
C07D471/04 107Z
C07D519/00 311
A61K31/538
A61K31/4462
A61K31/437
A61K31/5377
A61K31/55
A61K31/46
A61P35/00
A61P37/02
A61P29/00
A61P31/12
A61P35/02
A61P43/00 111
A61P43/00 121
C07D471/04 104Z
(21)【出願番号】P 2019563164
(86)(22)【出願日】2018-05-15
(86)【国際出願番号】 US2018032619
(87)【国際公開番号】W WO2018213211
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-05-13
(32)【優先日】2017-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511000957
【氏名又は名称】ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミシガン
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF MICHIGAN
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100182730
【氏名又は名称】大島 浩明
(72)【発明者】
【氏名】シャオメン ワン
(72)【発明者】
【氏名】トンヨウ チャン
(72)【発明者】
【氏名】ツァンホイ チェン
(72)【発明者】
【氏名】チュオ チェン
(72)【発明者】
【氏名】リウ リウ
(72)【発明者】
【氏名】リーユエ ホアン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ-イエ ヤン
【審査官】神野 将志
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-523812(JP,A)
【文献】国際公開第2000/001697(WO,A1)
【文献】特表2002-507996(JP,A)
【文献】特表2010-508363(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0024669(KR,A)
【文献】国際公開第2015/153683(WO,A1)
【文献】特表2013-529196(JP,A)
【文献】特表2010-528026(JP,A)
【文献】特表2008-540664(JP,A)
【文献】特表2010-537998(JP,A)
【文献】特表2020-506197(JP,A)
【文献】特表2017-502940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式I:
【化1】
〔式中、
Xは=N-であり、Wは=C(H)-であり;
R
1は、任意に置換されたフェニルであり、当該フェニルの任意の置換基が、独立してシアノ、ハロ及びC
1-6アルキルからなる群から選択され;
R
2は、
【化2】
任意に置換されたフェニル、及び任意に置換された5~14員のヘテロアリールから成る群から選択され;当該フェニルの任意の置換基が、C
1-6アルキル、カルボキサミド、アミド、C
1-6アルコキシ、ハロ、シアノ、アミノ、カルボキシC
1-6アルキル、C
1-6アルキルで任意に置換されたヘテロアリールからなる群から独立して選択され、当該「C
1-6アルキルで任意に置換されたヘテロアリール」が、5環原子を有する一環式ヘテロアリールを意味し、ここで当該環お少なくとも1つの炭素原子が、酸素、窒素及び硫黄からなる群から独立して選択されるヘテロ原子で置換され;当該任意に置換された5~14員のヘテロアリールが、以下:
【化3】
からなる群から選択され;
R
3は、水素、アミノで任意に置換されたC
3-8シクロアルキル、4~8員のヘテロシクロ、(アミノ)C
1-6アルキル、(4~8員のヘテロシクロ)C
1-6アルキル
から成る群から選択され、当該4~8員のヘテロシクロが、1又は2の環を含む飽和環基を意味し、当該環の1つの少なくとも1つの炭素原子が窒素原子で置換され;
【化4】
は二重結合であり;
Yは=C(R
4a)-であり;
Zは=C(R
5)-であり;
R
4aは水素であり;
R
5は水素であり;
ここで、前記アミノは、式-NR
30aR
30bの基を示し、ここでR
30a及びR
30bは、独立して、水素及びC
1-6アルキルからなる群から選択され;前記カルボキサミドは、式-C(=O)NR
31aR
31bの基を示し、ここでR
31a及びR
31bは、それぞれ独立して、水素又はC
1-6アルキルであり;前記アミドは、式-N(R
32a)C(=O)R
32bの基を示し、ここでR
32aは水素であり、R
32bはC
1-6アルキルである〕
を有する化合物、又は医薬的に許容できるその塩。
【請求項2】
下記式I:
【化5】
〔式中、
Xは=C(H)-であり、Wは=N-であり;
R
1は、任意に置換されたフェニルであり、当該フェニルの任意の置換基が、独立してシアノ及びハロからなる群から選択され;
R
2は、C
1-6アルキルで任意に置換されたフェニル、又はC
1-6アルキルで任意に置換された5~14員のヘテロアリールであり、当該5~14員のヘテロアリールがインダゾリルであり;
R
3は、(4~8員のヘテロシクロ)C
1-6アルキルであり、当該4~8員のヘテロシクロが、1の環を含む飽和環基を意味し、当該環の少なくとも1つの炭素原子が窒素原子で置換され;
【化6】
は二重結合であり;
Yは=C(R
4a)-であり;
Zは=C(R
5)-であり;
R
4aは水素であり;
R
5は水素である〕
を有する化合物、又は医薬的に許容できるその塩。
【請求項3】
R
1が、下記式VII:
【化7】
〔式中、R
7a、R
7b及びR
7cは、水素、ハロ、シアノ及びC
1-4アルキルから成る群から個々に独立して選択される〕を有する任意に置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物、又は医薬的に許容できるその塩。
【請求項4】
R
7aがシアノである、請求項3に記載の化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒和物。
【請求項5】
R
1が、下記式:
【化8】
から成る群から選択された任意に置換されたフェニルである、請求項
1に記載の化合物、又は医薬的に許容できるその塩。
【請求項6】
下記式VIII:
【化9】
〔式中、R
7b及びR
7cは、水素、ハロ、及びC
1-4アルキル及びC
1-4ハロアルキルから成る群から独立して選択され、R
3及びR
2は請求項1に規定される〕を有する、請求項4に記載の化合物、又は医薬的に許容できるその塩。
【請求項7】
R
2が、下記式IX:
【化10】
〔式中、R
7d、R
7e
及びR
7fが、水素、ハロ、シアノ、アミノ、C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、カルボキサミド、アミド、
及びC
1-4アルキルで任意に置換された5員のヘテロアリールから成る群から個々に独立して選択され、当該5員のヘテロアリールは、5環原子を有する一環式ヘテロアリールを意味し、ここで当該環の少なくとも1つの炭素原子が窒素からなる群から独立して選択されるヘテロ原子で置換される〕を有する任意に置換されたフェニルである、請求項1及び3~6のいずれか1項に記載の化合物、又は医薬的に許容できるその塩。
【請求項8】
R
2が、下記:
【化11】
から成る群から選択される、請求項1及び3~6のいずれか1項に記載の化合物、又は医薬的に許容できるその塩。
【請求項9】
R
2が、下記式X、XI又はXII:
【化12】
〔式中、
R
8aは、水素及びC
1-6アルキルから成る群から選択され;
R
8bは、水素及びC
1-6アルキルから成る群から選択され;
R
8cは、水素であり;
R
9aは、水素及びC
1-6アルキルから成る群から選択され;
R
9bは、水素及びC
1-6アルキルから成る群から選択され;
R
9cは、水素であり;
R
10aは、水素及びC
1-6アルキルから成る群から選択され;
R
10bは、水素及びC
1-6アルキルから成る群から選択され;
R
10cは、水素である〕を有する任意に置換された5~14員のヘテロアリール
、又は下記:
【化13】
である、請求項1及び3~6のいずれか1項に記載の化合物、又は医薬的に許容できるその塩。
【請求項10】
R
2が、下記:
【化14】
から成る群から選択された任意に置換された5~14員のヘテロアリールである、請求項9に記載の化合物、又は医薬的に許容できるその塩。
【請求項11】
R
3が(アミノ)C
1-6アルキルである、請求項1及び3~6のいずれか1項に記載の化合物、又は医薬的に許容できるその塩。
【請求項12】
R
3が、下記:
【化15】
から成る群から選択された(アミノ)C
1-6アルキルである、請求項11に記載の化合物、又は医薬的に許容できるその塩。
【請求項13】
R
3が(4-8-員ヘテロシクロ)C
1-6アルキルであり、当該4-8-員ヘテロシクロが、1つ又は2つの環を有する飽和環基を意味し、当該環の1つ以上の炭素原子が窒素原子で置き換えられる、請求項1及び3~6のいずれか1項に記載の化合物、又は医薬的に許容できるその塩。
【請求項14】
式I:
【化16】
を有し、ここで
R
3が、下記:
【化17】
から成る群から選択され、
R
1が任意で置換されたフェニルであり、当該フェニルの任意の置換基が、独立してシアノ、ハロ及びC
1-6アルキルからなる群から選択され;
R
2は、
【化18】
任意に置換されたフェニル、及び任意に置換された5~14員のヘテロアリールから成る群から選択され;当該フェニルの任意の置換基が、C
1-6アルキル、カルボキサミド、アミド、C
1-6アルコキシ、ハロ、シアノ、アミノ、カルボキシC
1-6アルキル、C
1-6アルキルで任意に置換されたヘテロアリールからなる群から独立して選択され、当該「C
1-6アルキルで任意に置換されたヘテロアリール」が、5環原子を有する一環式ヘテロアリールを意味し、ここで当該環お少なくとも1つの炭素原子が、酸素、窒素及び硫黄からなる群から独立して選択されるヘテロ原子で置換され;当該任意に置換された5~14員のヘテロアリールが、以下:
【化19】
からなる群から選択され;
【化20】
は二重結合であり;
Xは=N-であり;
Yは=C(R
4a)- であり;
Zは=C(R
5)- であり;
Wは=C(R
6b)- であり;
R
4aは水素であり;
R
5は水素であり;
R
6bは水素であり;そして
ここで、前記アミノは、式-NR
30aR
30bの基を示し、ここでR
30a及びR
30bは、独立して、水素及びC
1-6アルキルからなる群から選択され;前記カルボキサミドは、式-C(=O)NR
31aR
31bの基を示し、ここでR
31a及びR
31bは、それぞれ独立して、水素又はC
1-6アルキルであり;前記アミドは、式-N(R
32a)C(=O)R
32bの基を示し、ここでR
32aは水素であり、R
32bはC
1-6アルキルである、
化合物、又は医薬的に許容できるその塩。
【請求項15】
【化21-1】
【化21-2】
【化21-3】
【化21-4】
【化21-5】
【化21-6】
【化21-7】
からなる群から選択される、化合物、又は医薬的に許容できるその塩。
【請求項16】
トリフルオロ酢酸塩の形態である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物、又は医薬的に許容できるその塩、及び医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物。
【請求項18】
癌、慢性自己免疫障害、炎症状態、増殖性障害、敗血症又はウィルス感染症の治療のための医薬の製造のための請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物又は医薬として許容できるその塩の使用。
【請求項19】
癌の治療のための医薬の製造のための請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物又は医薬として許容できるその塩の使用。
【請求項20】
前記癌が、急性単球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、混合系統白血病、NUT正中線癌、多発性骨髄腫、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、神経芽細胞腫、バーキットリンパ腫、子宮頸癌、食道癌、大腸癌、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、神経膠腫、肉腫、食道扁平上皮癌、及び甲状腺乳頭癌から成る群から選択される、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物又は医薬として許容できるその塩、及び当該化合物又は医薬として許容できるその塩を慢性自己免疫障害、炎症状態、増殖性障害、敗血症又はウィルス感染症の患者に投与するための指示を含むキット。
【請求項22】
請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物又は医薬として許容できるその塩、及び当該化合物又は医薬として許容できるその塩を癌の患者に投与するための指示を含むキット。
【請求項23】
前記癌が、急性単球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、混合系統白血病、NUT正中線癌、多発性骨髄腫、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、神経芽細胞腫、バーキットリンパ腫、子宮頸癌、食道癌、大腸癌、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、神経膠腫、肉腫、食道扁平上皮癌、及び甲状腺乳頭癌から成る群から選択される、請求項22に記載のキット。
【請求項24】
更に1つ以上の追加の治療剤を含む、請求項21~23のいずれか1項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リジン特異的デメチラーゼ1インヒビター、及び状態及び疾患、例えば癌を治療する治療方法を提供し、ここでリジン特異的デメチラーゼ1の阻害が有益である。
【背景技術】
【0002】
リジン特異的デメチラーゼ1(LSD1又はLSD-1)の過剰発現が、膀胱癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、乳癌、卵巣癌、神経膠腫、結腸直腸癌、肉腫、神経芽細胞腫、前立腺癌、食道扁平上皮癌、甲状腺乳頭癌、及びその他の癌で観察されている。LSDの過剰発現又は、再発前立腺癌、NSCLC、神経膠腫、乳癌、結腸癌、卵巣癌、食道扁平上皮癌、神経芽細胞腫などの臨床的に侵攻性の癌とも関連している。LSD1発現のノックダウン又は低分子LSD1インヒビターによる治療は、低められた癌細胞増殖及び/又はアポトーシスの誘発をもたらす。例えば、以下を参照のこと:Hayami et al., Int J Cancer 128:574-86 (2011); Lv et al., PLoS One 7:e35065 (2012); Serce et al., BMC Clin Pathol 12:13 (2012); Lim et al., Carcinogenesis 31:512-20 (2010); Konovalov and Garcia-Bassets, J Ovarian Res 6:75 (2013); Sareddy et al., Oncotarget 4:18-28 (2013); Ding et al., Br J Cancer 109:994-1003 (2013); Bennani-Baiti et al., Hum Pathol 43:1300-7 (2012); Schulte et al., Cancer Res 69:2065-71 (2009); Crea et al., Mol Cancer 11:52 (2012); Suikki et al., Prostate 70:889-98 (2010); Yu et al., Biochem Biophys Res Commun,. 437:192-8 (2013);及びKong et al., Rom J Morphol Embryol,. 54:499-503 (2013)。
【0003】
LSD1インヒビターは、癌及び他の疾患の治療のために開発されている。例えばLSD1の小分子インヒビターは、米国特許出願公開番号第2015/0225394号、第2015/0225375号、第2015/0225401号、第2015/0225379号、第2016/0009720号、第2016/0009711号、第2016/0009712号、第及び2016/0009721号に開示されている。新規LSD1阻害分子についての必要性が当技術分野において存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つの側面によれば、本開示は、下記式I-VII又はVIIIのいずれか1つにより表される化合物、及び医薬的に許容できるその塩及び溶媒和物を提供し、それらは集合的に「開示化合物」と呼ばれる。開示化合物は、LSD1インヒビター、又はLSD1インヒビターの製造に使用される合成中間体である。LSD1インヒビターは、LSD1インヒビターが有益である癌などの疾患又は状態の治療又は予防に有用である。
【0005】
別の側面によれば、本開示は、治療的有効量の開示化合物を、その必要な対象、例えばヒト患者に投与することにより、状態又は疾患を治療するか又は予防するための方法を提供する。LSD1の阻害により治療できるか、又は予防できる目的の疾患又は状態は例えば、癌、慢性自己免疫障害、炎症状態、増殖性障害、敗血症、又はウイルス感染である。また、治療的有効量の開示化合物を、所望しない増殖細胞により特徴付けられる状態を発症するリスクのある対象に投与することを含む、対象における癌などの所望しない増殖細胞の増殖を防ぐ方法も提供される。いくつかの実施形態によれば、開示化合物は、それらの細胞においてアポトーシスを誘発することにより、所望しない細胞の増殖を低めることができる。
【0006】
別の側面によれば、本開示は、治療的有効量の少なくとも1つの開示化合物を対象に投与することを含む、対象におけるLSD1の阻害方法を提供する。
【0007】
別の側面によれば、本開示は、開示化合物、及び賦形剤及び/又は医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物を提供する。
【0008】
別の側面によれば、本開示は、LSD1の阻害が有益である疾患又は状態、例えば癌の治療又は予防への使用のための、開示化合物、及び賦形剤及び/又は医学的に許容できる担体を含む組成物を提供する。
【0009】
別の側面によれば、本開示は、(a)開示化合物;(b)第2の治療的活性剤;及び(c)任意には、賦形剤及び/又は医薬的に許容できる担体を含む組成物を提供する。
【0010】
別の側面によれば、本開示は、目的の疾患又は状態、例えば癌の治療又は予防への使用のための開示化合物を提供する。
【0011】
別の側面によれば、本開示は、目的の疾患又は状態、例えば癌の治療のための医薬の製造のための開示化合物の使用を提供する。
【0012】
別の側面によれば、本開示は、開示化合物、及び任意には、目的の疾患又は状態の治療において有用な第2の治療剤を含む包装組成物、及び疾患又は状態、例えば癌の治療への使用のための指示を含む添付文書を含むキットを提供する。
【0013】
別の側面によれば、本開示は、開示化合物の調製方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示の追加の実施形態及び利点は、以下の説明に一部記載され、そして説明から流れるか、又は本開示の実施により習得され得る。本開示の実施形態及び利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘される要素及び組合せにより実施され、そして達成されるであろう。
【0015】
前述の概要及び以下の詳細な説明の両者は、単に例示的及び説明的であり、そして請求される本発明を限定するものではない。
発明の詳細な説明
【0016】
開示化合物は、LSD1のインヒビターである。
【0017】
1つの実施形態によれば、本開示化合物は、以下の式I又II:
【化1】
により表わされる化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒和物であり;ここで
【0018】
R1は、ハロ、任意に置換されたC6-C14アリール、及び任意に置換された5~14員のヘテロアリールから成る群から選択され;
【0019】
R2は、水素、ハロ、任意に置換されたC6-C14アリール、及び任意に置換された5~14員のヘテロアリールから成る群から選択され;
【0020】
R3は、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、任意に置換された4~8員のヘテロシクロ、(アミノ)アルキル、(ヘテロシクロ)アルキル、及び(ヘテロアリール)アルキルから成る群から選択され;
【0021】
Xは、=C(R6a)- 及び =N-から成る群から選択され;
【0022】
Wは、=C(R6b)- 及び =N-から成る群から選択され;
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
R4aは、水素、ハロ及びC1-6アルキルから成る群から選択され;
【0029】
R4bは、水素、及びC1-6アルキルから成る群から選択され;
【0030】
R5は、水素、及びC1-6アルキルから成る群から選択され;
【0031】
R6aは、水素、ハロ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル及びC1-4アルコキシから成る群から選択され;そして
【0032】
R6bは、水素、ハロ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル及びC1-4アルコキシから成る群から選択される。
【0033】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式Iにより表される化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒和物である。
【0034】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式IIにより表される化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒和物である。
【0035】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、下記式III:
【化2】
により表される化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒和物であり、ここでR
1、R
2、R
3、R
4a、 R
5、X及び Wは式I又はIIに関連して定義された通りである。
【0036】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、下記式IV:
【化3】
により表される化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒和物であり、ここでR
1、R
2、R
3、R
4a、X及び Wは式I又はIIに関連して定義された通りである。
【0037】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、下記式V:
【化4】
により表される化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒和物であり、ここでR
1、R
2、R
3、R
5、X及び Wは式I又はIIに関連して定義された通りである。
【0038】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、下記式VI:
【化5】
により表される化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒和物であり、ここでR
1、R
2、R
3、R
4b、X及び Wは式I又はIIに関連して定義された通りである。
【0039】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでXは=N-であり、そしてWは=C(H)-である。
【0040】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでXは=C(H)-であり、そしてWは=N-である。
【0041】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR1はハロである。
【0042】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR2はハロである。
【0043】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR1がハロであり、R2がハロであり、そしてR3が任意に置換されたC1-6がアルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、任意に置換された4~8員のヘテロシクロ、(アミノ)アルキル、(ヘテロシクロ)アルキル、及び(ヘテロアリール)アルキルから成る群から選択される。別の実施形態によれば、R3は、(アミノ)アルキル及び(ヘテロシクロ)アルキルから成る群から選択される。
【0044】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR
1が、任意に置換されたフェニル、及び任意に置換された9~14員のヘテロアリールから成る群から選択される。別の実施形態によれば、R
1が、下記式VII:
【化6】
〔式中、R
7a、R
7b及びR
7cは、水素、ハロ、シアノ、アミノヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、任意に置換されたフェニル、及びカルボキサミドから成る群から個々に独立して選択され、又はR
7a及びR
7bは、それらが結合される炭素原子と一緒に取られる場合、5-、6-又は7-員の任意に置換されたヘテロシクロを形成する〕を有する任意に置換されたフェニルである。別の実施形態によれば、R
7aはシアノである。
【0045】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR
1が、任意に置換されたフェニル、又は下記式:
【化7】
から成る群から選択された任意に置換された9~14員のヘテロアリールである。
【0046】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、下記式VIII:
【化8】
により表される化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒和物であり;ここで
【0047】
R7b及びR7cは、水素、ハロ、C1-4アルキル及びC1-4ハロアルキルから成る群から独立して選択され;そして。
【0048】
R2及びR3は、式I及びIIに関連して定義される通りである。
【0049】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VI又はVIIIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR
2は任意に置換されたフェニルである。別の実施形態によれば、R
2は、下記式IX:
【化9】
〔式中、R
7d、R
7c及びR
7fが、水素、ハロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、任意に置換されたC
1-4アルキル、C
1-4アルケニル、C
1-4ハロアルキル、C
1-4アルコキシ、カルボキサミド、アミド、任意に置換されたC
3-6シクロアルキル、任意の置換されたフェニル、及び任意に置換された5~9員のヘテロアリールから成る群から個々に独立して選択され;又はR
7d及びR
7eは、それらが結合される炭素原子と一緒に取られる場合、任意に置換された5-、6-又は7-員のヘテロシクロを形成する〕を有する任意に置換されたフェニルである。
【0050】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VI又はVIIIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR
2は、下記:
【化10】
から成る群から選択された任意に置換されたフェニルである。
【0051】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VI又はVIIIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR
2は任意に置換された5~14員のヘテロアリールである。別の実施形態によれば、R
2は、下記式X、XI又はXII:
【化11】
〔式中、R
8aは、水素及びC
1-6アルキルから成る群から選択され;R
8bは、水素及びC
1-6アルキルから成る群から選択され;R
8cは、水素、ハロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル及びC
1-4アルコキシから成る群から選択され;R
9aは、水素及びC
1-6アルキルから成る群から選択され;R
9bは、水素及びC
1-6アルキルから成る群から選択され;R
9cは、水素、ハロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル及びC
1-4アルコキシから成る群から選択され;R
10aは、水素及びC
1-6アルキルから成る群から選択され;R
10bは、水素及びC
1-6アルキルから成る群から選択され;R
10cは、水素、ハロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル及びC
1-4アルコキシから成る群から選択さる〕を有する任意に置換された5~14員のヘテロアリールである。
【0052】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VI又はVIIIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR2は、式Xを有する、任意に置換された5~14員のヘテロアリールである。
【0053】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VI又はVIIIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR2は、式XIを有する、任意に置換された5~14員のヘテロアリールである。
【0054】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VI又はVIIIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR2は、式XIIを有する、任意に置換された5~14員のヘテロアリールである。
【0055】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VI又はVIIIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR
2は、下記:
【化12】
から成る群から選択された任意に置換された5~14員のヘテロアリールである。
【0056】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VI又はVIIIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR3は、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、(アミノ)アルキル、(ヘテロシクロ)アルキル及び(ヘテロアリール)アルキルから成る群から選択される。別の実施形態によれば、R3は、(アミノ)アルキル及び(ヘテロシクロ)アルキルから成る群から選択される。
【0057】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VI又はVIIIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR3は、(アミノ)アルキルである。
【0058】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VI又はVIIIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR
3は、下記:
【化13】
から成る群から選択された(アミノ)アルキルである。
【0059】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VI又はVIIIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR3は(ヘテロシクロ)アルキルである。
【0060】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、式I-VI又はVIIIのいずれか1つにより表される化合物、又は医薬的に許容されるその塩又は溶媒和物であり、ここでR
3は、下記:
【化14-1】
【化14-2】
から成る群から選択された(ヘテロシクロ)アルキルである。
【0061】
別の実施形態によれば、本開示化合物は、表1中の化合物のいずれか1つは又は2以上の化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒和物である。別の実施形態によれば、本開示化合物は、2,2,2-トリフルオロ酢酸(TFA)塩である。別の実施形態によれば、本開示化合物は、塩酸(HCl)塩である。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【表1-22】
【0062】
本開示化合物は、LSD1を阻害し、そして種々の疾患及び状態の治療又は予防に有用である。特に、本開示化合物は、LSD1の阻害が有益である疾患又は状態、例えば癌及び増殖性疾患の治療又は予防方法において有用である。本開示の治療方法は、治療的有効量の本開示化合物を、その必要な対象に投与することを含む。本発明の方法はまた、本開示の化合物の他に、第2の治療剤を対象に投与することも包含する。第2の治療剤は、それを必要とする対象を苦しめる疾患又は状態の治療において有用であることが知られている薬剤、例えば特定の癌の治療に有用であることが知られている化学療法薬及び/又は放射線から選択される。
【0063】
特定の本開示化合物は、立体異性体、すなわち光学異性体及び立体配座異性体(又は配座異性体)及び互変異性体を含む、原子の空間的配置においてのみ異なる異性体として存在する。本開示は、純粋な個々の立体異性体調製物及びそれぞれの濃縮調製物としての両者、並びにそのような立体異性体のラセミ混合物、及び当業者に周知の方法に従って調製され得る個々のジアステレオマー及び鏡像異性体の両者を含むすべての立体異性体を含む。
【0064】
本明細書で使用される場合、用語「立体異性体」とは、空間内の原子の配向のみが異なる個々の分子の全ての異性体についての一般的用語である。それは、互いに鏡像ではない、複数のキラル中心を有する化合物の異性体(ジアステレオマー)及び鏡像異性体を含む。
【0065】
用語「キラル中心」又は「不斉炭素原子」とは、4つの異なる基が結合される炭素原子を示す。
【0066】
用語「鏡像異性体(enantiomer)」及び「鏡像異性体の(enantiomeric)」とは、鏡像に重ね合わせることができず、そして従って、鏡像異性体が偏光面を一方向に回転させ、そしてその鏡像化合物が偏光面を反対方向に回転させる、光学的活性である分子を言及する。
【0067】
用語「ラセミ体の(racemic)」又は「ラセミ体(racemate)」とは、鏡像異性体の等部の混合物を言及し、そしてその混合物は光学的に不活性である。
【0068】
用語「絶対配置」とは、キラル分子実体(又は基)の原子の空間的配置及びその立体化学的記載、例えばR又はSを示す。
【0069】
本明細書で使用される立体化学用語及び慣例は、特にことわらない限り、Pure & Appl. Chem 68:2193 (1996)に記載されるそれらと一致することを意図している。
【0070】
用語「鏡像異性体過剰」又は「ee」とは、1つの鏡像異性体が他方と比較してどれだけ存在するかの尺度を示す。R及びS鏡像異性体の混合物の場合、鏡像異性体過剰率は、|R-S|*100として定義され、ここでR及びSは、R+S=1のような混合物中の鏡像異性体のそれぞれのモル又は重量分率である。キラル物質の施光度の知識により、鏡像異性体過剰率は、([α]obs/[α]max)*100として定義され、ここで〔α〕obsは、鏡像異性体の混合物の施光度であり、そして「α」maxは純粋な鏡像異性体の施光度である。鏡像異性体過剰の決定は、NMR分光法、キラルカラムクロマトグラフィー又は偏光解析を含む種々の分析技法を用いて可能である。特定の本開示化合物は、約70%又はそれ以上、例えば約80%又はそれ以上、約90%又はそれ以上、約91%又はそれ以上、約92%又はそれ以上、約93%又はそれ以上、約94%又はそれ以上、約95%又はそれ以上、約96%又はそれ以上、約97%又はそれ以上、約98%又はそれ以上、又は約99%又はそれ以上のeeを有することができる。
【0071】
用語「鏡像異性体的に純粋」又は「エナンチオピュア(enantiopure)」とは、それらの全ての分子(検出限界内)が同じキラリティーセンスを有するキラル物質のサンプルを示す。
【0072】
用語「鏡像異性体的に濃縮された」又は「鏡像異性体濃縮された」とは、鏡像異性体比が50:50よりも大きいキラル物質のサンプルを示す。鏡像異性体的に濃縮された化合物は、鏡像異性体的に純粋であり得る。特定の本開示化合物は、鏡像異性体濃縮されている。
【0073】
本開示化合物の塩及び溶媒和物、例えば水和物もまた、本明細書に開示される方法にも使用され得る。
【0074】
本開示は、本開示化合物の塩の調製及び使用を包含する。本明細書において使用される場合、「医薬的に許容される塩」とは、本開示化合物の塩又は双性イオン形を示す。本開示化合物の塩は、化合物の最終単離及び精製の間、又は化合物と、適切なカチオンを有する酸とを反応させることにより、別々に調製され得る。開示化合物の医薬的に許容できる塩は、医薬的に許容できる酸により形成される酸付加塩であり得る。医薬的に許容される塩を形成するために使用され得る酸の例は、無機イオン、例えば硝酸、ホウ酸、塩酸、臭化水素、硫酸、及びリン酸、及び有機酸、例えばシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、及びクエン酸を包含する。本開示化合物の塩の非制限的な例は、以下を含むが、但しそれらだけには限定されない:塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、ジグルコネート、グリセロールリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、アスコルビン酸塩、イセチオネート、サリチル酸塩、メタンスルホン酸塩、メシチレンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンジスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、及びp-トルエンスルホン酸塩。さらに、本開示化合物に存在する利用可能なアミノ基は、以下により四級化され得る:メチル、エチル、プロピル、ブチルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物;硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル、及びジアミル;デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステリルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物;及び臭化ベンジル及びフェネチル。前述に照らして、本明細書に現れる本開示の参照化合物は、開示化合物中の化合物、並びに医薬的に許容できるその塩、水和物又は溶媒和物を含むことを意図している。
【0075】
本開示は、本開示化合物の溶媒和物の調製及び使用を包含する。溶媒和物は典型的には、化合物の生理学的活性又は毒性を有意に変更せず、そして薬理学的同等物として機能することができる。用語「溶媒和物」とは、本明細書において用いられる場合、本開示化合物と、溶媒分子、例えば二溶媒和物、短溶媒和物又は半溶媒和物と組合せ、物理的会合及び/又は溶媒和であり、ここで溶媒分子:本開示化合物の比は、それぞれ、約2:1、約1:1又は約1:2である。この物理的会合は、水素結合を含む、種々の程度のイオン及び共有結合を含む。特定の例によれば、1つ又は2以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組込まれる場合、溶媒が単離され得る。従って、「溶媒和物」は、溶液相及び単離可能溶媒和物の両方を含む。本開示化合物は、医薬的に許容される溶媒、例えば水、メタノール及びエタノールとの溶媒和形として存在することができ、そして本開示は、本開示化合物の溶媒和形及び非溶媒和形の両方を含む。
【0076】
溶媒和物の1つのタイプは水和物である。「水和物」とは、溶媒分子が水である溶媒和物の特定のサブグループを言及する。溶媒和物は典型的には、薬理学的同等物として機能することができる。溶媒和物の調製は、当業界において知られている。例えば、酢酸エチル及び水によるフルコナゾールの溶媒和物の調製を記載する、M. Caira et al, J. Pharmaceut. Sci., 93(3):601-611 (2004)を参照のこと。溶媒和物、半溶媒和物、水和物、等の類似する調製が、van Tonder et al., AAPS Pharm. Sci. Tech., 5(1):Article 12 (2004)、及びA.L. Bingham et al., Chem. Commun. 603-604 (2001)により記載されている。溶媒和物を調製するための典型的な非制限方法は、20℃~約25℃の温度で、所望する溶媒(有機物、水又はそれらの混合物)に本開示化合物を溶解し、次に、その溶液を、結晶を形成するのに十分な速度で冷却し、そして既知方法、例えば濾過により結晶を単離することを包含する。分析技法、例えば赤外線分光法が、溶媒和物の結晶中の溶媒の存在を確かめるために使用され得る。
【0077】
本開示は、種々の疾患及び状態の治療のためのLSD1のインヒビターとしての本開示化合物を提供し、ここでその阻害は、例えば癌に対して有益な効果を有する。本開示化合物は典型的には、100μM以下、例えば約50 μM以下約 25 μM以下、 約5 μM以下、約 1μM以下、約0.5 μM以下、約 0.1 μM以下、約 0.05 μM以下、約 0.01 μM以下、約0.005 μM以下又は約 0.001 μM以下のLSD1に対する結合親和性(IC50)を有する。1つの実施形態によれば、本開示は、治療的有効量の本開示化合物を、その必要な対象に投与することを含む、LSD1の阻害が有益性をもたらす疾患又は状態を有する対象の治療方法に関する。
【0078】
本開示化合物はLSD1インヒビターであるので、LSD1により介在される多数の疾患及び状態が、それらの化合物を用いることにより治療され得る。従って、本開示は、一般的に、LSD1、又はそのイソフォーム又は変異体の阻害に応答性の状態又は障害を有するか、又は有するリスクのある対象、例えば動物、例えばヒト患者におけるそれらの状態又は障害を治療するための方法に向けられ、前記方法は、有効量の1又は2以上の本開示化合物を対象に投与することを含む。1つの実施形態によれば、本開示化合物により治療されるべき対象は、ヒト癌患者である。
【0079】
本開示はまた、動物、例えばヒト患者におけるLSD1、又はそのイソフォーム又は変異体を阻害する方法にも向けられ、前記方法は、有効量の少なくとも1つの本開示化合物を動物に投与することを含む。
【0080】
本開示の方法は、本開示化合物を、そのままの化合物として、又は医薬組成物として投与することにより達成され得る。本開示化合物の医薬組成物、又はそのままの化合物の投与は、目的の疾患又は状態に間、又はその開始の後、実施され得る。典型的には、医薬組成物は、無菌であり、そして投与される場合、悪い反応を引起す、毒性、癌誘発性又は変異原性化合物を含まない。
【0081】
本開示化合物、及びLSD1又はそのイソフォーム又は変異体の阻害が有益である疾患又は状態の治療において有用な第2の治療を含むキットがさらに提供され、これは、それらの活性剤を使用するための指示を有する挿入物を、別々に又は一緒にパッケージされている。
【0082】
1つの実施形態によれば、本開示化合物は、疾患又は状態、例えばLSD1又は他の治療標的の阻害が有益である疾患又は状態の治療において有用な第2の治療剤と共に投与される。第2治療剤は、本開示化合物とは異なる、本開示化合物及び第2の治療剤は、所望する効果を達成するために、同時に又は連続して投与され得る。さらに、本開示化合物及び第2の治療剤は、単一組成物又は2つの別々の組成物から投与され得る。
【0083】
第2の治療剤は、その所望する治療効果を提供する量で投与される。各第2治療剤の有効投与量範囲は、当業界において知られており、そして第2治療剤は、そのような確立された範囲内でその必要な対象に投与される。
【0084】
本開示化合物及び第2治療剤は、単一単位用量として一緒に、又は複数単位用量として別々に投与され得、ここで本開示化合物は、第2治療剤の前に投与され、又は逆もまた同様である。本開示化合物の1又は2以上の用量及び/又は第2治療剤の1又は2以上の用量が投与され得る。従って、本開示化合物は、1又は2以上の第2治療剤、例えばそれらだけには限定されないが、抗癌剤と共に使用され得る。
【0085】
本開示の方法により治療可能な疾患及び状態は、癌及びその他の増殖性疾患、炎症性疾患、敗血症、自己免疫疾患、及びウイルス感染を含むが、但しそれらだけには限定されない。1つの実施形態によれば、本開示の方法により治療可能な疾患及び状態は、癌、慢性自己免疫障害、炎症状態、又は増殖性障害である。1つの実施形態によれば、ヒト患者は、本開示化合物、又は本開示化合物を含む医薬組成物により治療され、ここで前記化合物は、患者におけるLSD1を阻害するのに十分な量で投与される。
【0086】
1つの実施形態によれば、本開示化合物により治療されるか、又は予防される疾患は、癌である。別の実施形態によれば、本開示は、治療的有効量の本開示化合物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における癌を治療するか又は予防するための方法を提供する。特定のメカニズムに限定されないが、いくつかの実施形態によれば、本開示化合物は、LSD1を阻害することにより癌を治療するか、又は予防することができる。治療可能な癌の例は、表2の癌のいずれか1つ又は2以上の癌を包含するが、但しそれらに限定されるものではない。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0087】
1つの実施形態によれば、癌は、白血病、例えば急性単球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病及び混合系統白血病(MLL)から選択された白血病である。1つの実施形態によれば、癌は、NUT-正中線癌である。1つの実施形態によれば、癌は、多発性骨髄腫である。1つの実施形態によれば、癌は、肺癌、例えば小細胞肺癌(SCLC)である。1つの実施形態によれば、癌は、神経芽細胞腫である。1つの実施形態によれば、癌は、バーキットリンパ腫である。1つの実施形態によれば、癌は、子宮頸癌である。1つの実施形態によれば、癌は、食道癌である。1つの実施形態によれば、癌は、卵巣癌である。1つの実施形態によれば、癌は、大腸癌である。1つの実施形態によれば、癌は、前立腺癌である。1つの実施形態によれば、癌は、乳癌である。
【0088】
1つの実施形態によれば、癌は以下である:急性単球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病混合系統白血病、NUT正中線癌、多発性骨髄腫、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、神経芽細胞腫、バーキットリンパ腫、子宮頸癌、食道癌、卵巣癌、大腸癌、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、卵巣癌、神経膠腫、肉腫、食道扁平上皮癌、及び甲状腺乳頭癌。
【0089】
1つの実施形態によれば、癌は、未分化大細胞リンパ腫、非小細胞肺癌、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、神経芽細胞腫、未分化甲状腺癌、及び横紋筋肉腫である。
【0090】
1つの実施形態によれば、癌は、乳癌、大腸癌、食道扁平上皮癌、腎細胞癌である。
【0091】
1つの実施形態によれば、本開示は、以下を治療する方法を提供する:良性増殖性阻害、例えば良性軟部腫瘍、骨腫瘍、脳腫瘍および脊髄腫瘍、まぶた及び眼窩腫瘍、肉芽腫、脂肪腫、髄膜腫、多発性内分泌腫瘍、鼻ポリープ、下垂体腫瘍、プロラクチノーマ、偽腫瘍脳、脂漏性角化症、胃ポリープ、甲状腺結節、膵嚢胞性腫瘍、血管腫、声帯結節、ポリープ、嚢胞、キャッスルマン病、慢性毛様体疾患、皮膚線維腫、毛嚢胞、化膿性肉芽腫、若年性ポリポーシス症候群(但し、それらだけには限定されない)。
【0092】
本開示化合物はまた、有効量の本化合物を哺乳類、特に、感染性及び非感染性炎症事象、及び自己免疫及び炎症性疾患の治療の必要なヒトに投与することにより、そのような疾患も治療することができる。本明細書に記載される化合物及び方法を用いて治療される自己免疫及び炎症疾患、障害及び症候群の例は、以下を含む:炎症性骨盤疾患、尿道炎、皮膚日焼け、副鼻腔炎、肺炎、脳炎、髄膜炎、心筋炎、腎炎、骨髄炎、筋炎、肝炎、胃炎、腸炎、皮膚炎、歯肉炎、虫垂炎、膵炎、胆嚢炎、無ガンマグロブリン血症、乾癬、アレルギー、クローン病、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、シェーグレン病、組織移植片拒絶、移植臓器の超急性拒絶、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、自己免疫性多発性腺疾患(自己免疫性多発性腺症候群としても知られる)、自己免疫性脱毛症、悪性貧血、糸球体腎炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、血管炎、自己免疫性溶血及び血小板減少状態、グッドパスチャー症候群、アテローム性動脈硬化、アジソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、I型糖尿病、敗血症性ショック、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、乾癬性関節炎、若年性関節炎、変形性関節症、慢性特発性血小板減少性紫斑病、ワルデンストレームマクログロブリン血症、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、アトピー性皮膚炎、変性関節疾患、白斑、自己免疫性下垂体機能低下症、ギランバレー症候群、ベーチェット病、強膜、菌状息肉腫、急性炎症反応(例えば、急性呼吸促迫症候群、虚血/再灌流障害など)、及び、グレーブス病。
【0093】
1つの実施形態によれば、本開示は、全身性炎症反応症候群、例えばLPS誘発性内毒素ショック及び/又は細菌誘発性敗血症を治療するために、有効量の本開示化合物を、哺乳類、特に、そのような治療の必要なヒトに投与することによる治療方法を提供する。
【0094】
1つの実施形態によれば、本開示は、ウィルス感染及び疾患を治療するための方法を提供する。本明細書に記載される化合物及び方法を用いて治療されるウィルス感染及び疾患の例は、ヒトパピローマウイルス、ヘルペスウイルス、エプスタインバーウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスを含むエピソームベースのDNAウイルスを含む。
【0095】
1つの実施形態によれば、本開示は、上記疾患、特に癌、炎症性疾患及び/又はウィルス疾患においてインビボでタンパク質メチル化、遺伝子発現、細胞増殖、細胞分化及び/又はアポトーシスを調節する方法を提供し、この方法は、治療的有効量の本開示化合物を、そのような治療の必要な対象に投与することにより提供される。
【0096】
1つの実施形態によれば、本開示は、細胞と本開示化合物とを接触させることにより、内因性又は異種プロモーター活性を調製する方法を提供する。
【0097】
本開示の方法において、典型的には薬務に従って処方された、治療的有効量の本開示化合物が、その必要なヒトに投与される。そのような治療が適応となるかどうかは、個々の症例に依存し、そして存在する徴候、症状及び/又は機能不全、特定の徴候、症状及び/又は機能不全を発症するリスク、及び他の要因を考慮する医学的評価(診断)の対象となる。
【0098】
本開示化合物は、いずれか適切な経路、例えば経口、頬、吸入、舌下、直腸、膣、大槽内又は腰椎穿刺、経尿道、経鼻、経皮、すなわち経皮、又は非経口(静脈内、筋肉内、皮下、冠動脈内、皮内、乳房内、腹腔内、関節内、くも膜下、後眼球、肺内注射及び/又は特定の部位への外科的移植)投与により投与され得る。非経口投与は、針と注射器を用いて、又は高圧技術を用いて達成され得る。
【0099】
医薬組成物は、本開示化合物がその意図される目的を達成するために有効量で投与されるそれらのものを含む。正確な製剤、投与経路、及び投与量は、診断された状態又は疾患を考慮して、個々の医師により決定される。投与量及び間隔は、個別に調整され、治療効果を維持するのに十分である本開示化合物のレベルが提供される。
【0100】
本開示化合物の毒性及び治療効果は、細胞培養又は実験動物における標準的な製薬手順により、例えば動物において毒性を引起さない最大用量として定義される、化合物の最大耐量(MTD)を決定するために、決定される。最大耐量と治療効果(例えば、腫瘍増殖の阻害)との間の用量比が治療指数である。投与量は、使用される剤形及び利用される投与経路に依存して、この範囲内で変動し得る。治療的有効量の決定は、特に本明細書に提供される詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力内である。
【0101】
治療への使用のために必要とされる治療的有効量の本開示化合物は、治療される状態の性質、活性が所望される時間の長さ、及び患者の年齢及び状態により変化し、そして究極には、担当医師により決定される。投与量及び間隔は、所望する治療効果を維持するのに十分であるLSD1インヒビターの血漿レベルを提供するために、個々に調整され得る。所望する用量は、便利には、単一用量で、又は適切な間隔で投与される複数回用量として、例えば1日当たり、1、2、3、4又はそれ以上のサブ用量として投与され得る。複数回用量がしばしば所望されるか、又は必要とされる。例えば、本開示化合物は、以下の頻度で投与され得る:4日間隔で4用量を1日当たり1回の投与(q4d×4);3日間隔で1日当たり1回として4回の投与(q3d×4);5日間隔で1日当たり1回の投与(qd×5);3週間、1週あたり1回の投与(qwk3);2日間の休息を伴う1日5回の投与、および1日5回の別の投与(5/2/5);又は状況に適していると判断された任意の投与計画。
【0102】
本開示の方法に使用される本開示化合物は、用量当たり約0.005~約500mg、用量当たり約0.05~約250mg、又は用量当たり約0.5~約100mgの量で投与され得る。例えば、本開示化合物は、用量当たり、0.005~500mgの間の全ての用量を含む、約0.005、0.05、0.5、5、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500mgの量で投与され得る。
【0103】
本開示化合物を含む組成物又はそれを含む組成物の投与量は、約1ng/kg~約200mg/kg、約1μg/kg~約100mg/kg、又は約1mg/kg~約50mg/kgであり得る。組成物の投与量は、約1μg/kgを含むいずれかの投与量でも良いが、但しそれらだけには限定されない。組成物の投与量は、以下を含むいずれの投与量でも良いが、但しそれらだけには限定されない:約1μg/ kg、約10μg/ kg、約25μg/ kg、約50μg/ kg、約75μg/ kg、約100μg/ kg、約125μg/ kg、約150μg/ kg、約175μg/ kg、約200μg/ kg、約225μg/ kg、約250μg/ kg、約275μg/ kg、約300 μg/ kg、約325μg/ kg、約350μg/ kg、約375μg/ kg、約400μg/ kg、約425μg/ kg、約450μg/ kg、約475μg/ kg、約500μg/ kg、約525μg/ kg、約550 μg/ kg、約575μg/ kg、約600μg/ kg、約625μg/ kg、約650μg/ kg、約675μg/ kg、約700μg/ kg、約725μg/ kg、約750μg/ kg、約775μg/ kg、約800μg/ kg、約825μg/ kg、約850μg/ kg、約875μg/ kg、約900μg/ kg、約925μg/ kg、約950μg/ kg、約975μg/ kg、約1 mg / kg、約5 mg / kg、約10 mg / kg、約15 mg / kg、約20 mg / kg、約25 mg / kg、約30 mg / kg、約35 mg / kg、約40 mg / kg、約45 mg / kg、約50 mg / kg、約60 mg / kg、約70 mg / kg、約80 mg / kg、約90 mg / kg、約100 mg / kg、約125 mg / kg、約150 mg / kg、約175 mg / kg、約200 mg / kg、又はそれ以上。上記の投与量は平均的な場合の例であるが、より高い又はより低い投与量に値する個々の場合があり、そのようなものは本開示の範囲内である。実際には、医師は個々の患者に最適な実際の投与計画を決定しますが、これは特定の患者の年齢、体重、反応によって異なる場合があります。
【0104】
上記で述べたように、本開示化合物は、第2の治療的活性剤と一緒に投与され得る。いくつかの実施形態によれば、第2の治療剤はエピジェネティック薬物である。本明細書において使用される場合、用量「エピジェネティック薬物(epigenetic drug)」とは、エピジェネティック調節因子を標的とする治療剤を言及する。エピジェネティック調節因子の例は、以下を含む:ヒストンリジンメチルトランスフェラーゼ、ヒストンアルギニンメチルトランスフェラーゼ、ヒストンデメチラーゼ、ヒストンデアセチラーゼ、ヒストンアセチラーゼ、及びDNAメチルトランスフェラーゼ。ヒストンデアセチラーオゼは、ボリノスタットを含むが、但しそれだけには限定されない。
【0105】
別の実施形態によれば、化学療法剤又は他の抗増殖剤は、増殖性疾患及び癌を治療するために本開示化合物と組合わされ得る。本開示化合物と組合して使用され得る治療法及び抗癌剤の例は、以下を含む:手術、放射線療法(例えば、ガンマ線、中性子線、電子線、陽子線治療、近接照射療法、全身放射性同位元素など)、内分泌療法、生物学的反応調節剤(例えば、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子(TNF)、温熱療法、凍結療法)、副作用を抑える薬剤(例えば、制吐薬)、及びその他の承認された化学療法薬。
【0106】
抗増殖化合物の例は、以下を含むが、但しそれらだけには限定されない:アロマターゼインヒビター; 抗エストロゲン; 抗アンドロゲン; ゴナドレリンアゴニスト; トポイソメラーゼIインヒビター; トポイソメラーゼIIインヒビター; 微小管活性剤; アルキル化剤; レチノイド、カロンテノイド、又はトコフェロール; シクロオキシゲナーゼインヒビター; MPインヒビター; mTORインヒビター; 代謝拮抗剤; プラチン化合物; メチオニンアミノペプチダーゼインヒビター; ビスホスホネート; 抗増殖抗体; ヘパラナーゼインヒビター; Ras発癌性アイソフォームのインヒビター; テロメラーゼインヒビター; プロテアソームインヒビター; 血液悪性腫瘍の治療に使用される化合物; Flt-3インヒビター; Hsp90インヒビター; キネシンスピンドルタンパク質インヒビター; MEKインヒビター; 抗腫瘍抗生物質; ニトロソ尿素; タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的化/減少させる化合物、タンパク質又は脂質ホスファターゼ活性を標的化/減少させる化合物、又はその他の抗血管新生化合物。
【0107】
非制限的な例示的アロマターゼインヒビターは、以下を含むが、但しそれらだけには限定されない:ステロイド、例えばアタメスタン、エキセメスタン、及びホルメスタン、及び非ステロイド、例えばアミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾール、及びレトロゾール。
【0108】
非制限的な抗エストロゲンは、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェン、及びラロキシフェン塩酸塩を含むが、但しそれらだけには限定されない。抗アンドロゲンは、ビカルタミドを含むが、但しそれらだけには限定されない。ゴナドレリンアゴニストは、アバレリスク、ゴセレリン及び酢酸ゴセレリンを含むが、但しそれらだけには限定されない。
【0109】
例示的トポイソメラーゼIインヒビターは、以下を含むが、但しそれらだけには限定されない:トポテカン、ギマテカン、イリノテカン、カンプトテシン及びその類似体、9-ニトロカンプトテシン、及び高分子カンプトテシンコンジュゲートPNU-166148。トポイソメラーゼIIインヒビターは、以下を含むが、但しそれらだけには限定されない:アントラサイクリン、例えばドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びネモルビシン; アントラキノン、例えばミトキサントロンおよびロソキサントロン; ポドフィロトキシン、例えばエトポシド及びテニポシド。
【0110】
微小管活性剤は、微小管安定化、微小管不安定化化合物、及びタキサン、例えばパクリタキセル及びドセタキセル;ビンカアルカノイド、例えばビンブラスチン、硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、硫酸ビンクリスチン及びビノレルビン;ジスコデルモリド;コチシン及びエポチロン、及びそれらの誘導体を含む微小管重合インヒビターを含むが、但しそれらだけには限定されない。
【0111】
例示的な非制限的アルキル化剤は、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、及びニトロソ尿素、例えばカルムスチンおよびロムスチンを含む。
【0112】
例示的な非制限的シクロオキシゲナーゼインヒビターは、ox-2阻害剤、5アルキル置換2-アリールアミノフェニル酢酸及び誘導体、例えばセレコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、バルデコキシブ、又は5-アルキル-2-アリールアミノフェニル酢酸、例えばルミラコキシブを含む。
【0113】
例示的な非制限的マトリックスメタロプロテイナーゼインヒビター(MMPインヒビター)は、コラーゲンペプチド模倣及び非ペプチド模倣インヒビター、テトラサイクリン誘導体、バチマスタット、マリマスタット、プリノマスタット、メタスタット、BMS-279251、BAY 12-9566、TAA211、MMI270B及びAAJ996を含む。
【0114】
例示的な非制限的mTORインヒビターは、ラパマシンの哺乳類標的(mTOR)を阻害し、そしてシロリムス、エベロリムス、CCI-779及びABT578などの抗増殖活性を有する化合物を含む。
【0115】
例示的な非制限的代謝拮抗剤は、5-フルオロウラシル(5-FU)、カペシタビン、ゲムシタビン、DNA脱メチル化化合物、例えば5-アザシチジン及びデシタビン、メトトレキサート及びエダトレキサート、及び葉酸拮抗薬、例えばペメトレキセドを含む。
【0116】
例示的な非制限的プラチン化合物は、カルボプラチン、シス-プラチン、シスプラチン及びオキサリプラチンを包含する。
【0117】
例示的な非制限的メチオニンアミノペプチダーゼインヒビターは、ベンガミド又はその誘導体、及びPPI-2458を含む。
【0118】
例示的な非制限的ビスホスホネーチは、エトリドン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸、及びゾレドロン酸を含む。
【0119】
例示的な非制限的抗増殖性抗体は、トラスツズマブ、トラスツズマブ-DM1、セツキシマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、PR064553、及び2C4を含む。用語「抗体」とは、損なわれていないモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの損なわれていない抗体から形成された多重特異的抗体、及び所望する生物学的活性を示す限り、抗体フラグメントを言及する。
【0120】
例示的な非制限ヘパラナーゼインヒビターは、ヘパリン硫酸分解を標的とするか、低めるか、又は阻害する化合物、例えばPI-88及びOGT2115を含む。
【0121】
本明細書で使用される場合、H-Ras、K-Ras又はN-Rasなどの「Ras発癌性アイソフォームのインヒビター」という用語は、Rasの発癌活性を標的とするか、減少させるか、又は阻害する化合物、例えばファルネシルトランスフェラーゼインヒビター、例えばL-744832、DK8G557、ティピファルニブ及びロナファルニブを言及する。
【0122】
例示的な非制限的テロメラーゼインヒビターは、テロメラーゼの活性を標的とするか、低めるか、又は阻害する化合物、例えばテロメラーゼ受容体を阻害する化合物、例えばテロメスタチンを含む。
【0123】
例示的な非制限的プロテアソームインヒビターは、それらだけには限定されないが、ボルテゾミドを含むプロテアソームの活性を標的とするか、低めるか、又は阻害する化合物を含む。
【0124】
本明細書において使用されるような語句「血液悪性腫瘍の治療に使用される化合物」とは、FMS-様チロシンキナーゼ受容体(Flt-3R)の活性を標的にするか、低めるか又は阻害する化合物であるFMS-様チロシンキナーゼインヒビター;インターフェロン、I-β-D-アラビノフランシルシトシン(ara-c)及びビスルファン;及び未分化リンパ腫キナーゼを標的にするか、低めるか又は阻害する化合物であるALKインヒビターを含む。
【0125】
例示的な非制限的Flt-3インヒビターは、PKC412、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248、及びMLN518を含む。
【0126】
例示的な非制限的HSP90インヒビターは、HSP90の固有のATPアーゼ活性を標的にするか、低めるか、又は阻害するか;又はユビキチンプロテオソーム経路を介してHSP90クライアントタンパク質を分解するか、標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物を含む。HSP90の固有のATPアーゼ活性を標的とするか、低めるか又は阻害する化合物は特に、HSP90のATPアーゼ活性を阻害する化合物、タンパク質又は抗体、例えば17-アリルアミノ、17-デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体; 他のゲルダナマイシン関連化合物; ラディシコールおよびHDACインヒビターである。
【0127】
語句「タンパク質又は脂質キナーゼ活性;又はタンパク質又は脂質ホスファターゼ活性を標的する/低める化合物;又は任意のさらなる抗血管新生化合物」とは、本明細書において使用される場合、以下を含む:タンパク質チロシンキナーゼ及び/又はセリン及び/又はスレオニンキナーゼインヒビター、又は脂質キナーゼインヒビター、例えばa)血小板由来の成長因子-受容体(PDGFR)の活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物、例えばPDGFRの活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物、例えばN-フェニル-2-ピリミジン-アミン誘導体、例えばイマチニブ、SU1O1、SU6668及びGFB-111;b)線維芽細胞成長因子-受容体(FGFR)を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物:c)インスリン様成長因子受容体I(IGF-IR)の活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物、例えばGF-IRの活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物;d)Trk受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物、又はエフリンB4阻害剤;e)Axl受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物;f)Ret受容体チロシンキナーゼの活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物;g)Kit/SCFR受容体チロシンキナーゼの活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物、例えばイマチニブ;h)c-Kit受容体チロシンキナーゼの活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物、例えばイマチニブ;i)c-Ablファミリーのメンバー、それらの遺伝子融合産物(例えば、Bcr-Ablキナーゼなど)及び変異体の活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物、例えばN-フェニル-2-ピリミジン-アミン誘導体、例えばイマチニブ又はニロチニブ; PD180970; AG957; NSC 680410; PD173955; 又はダサチニブ; j)プロテインキナーゼC(PKC)及びRafファミリーのセリン/スレオニンキナーゼのメンバー、MEK、SRC、JAK、FAK、PDK1、PKB / Akt、およびRas / MAPKファミリーのメンバー、及び/又はサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物、例えば米国特許第5,093,330号に開示されているスタウロスポリン誘導体、例えばミドスタウリン; さらなる化合物の例は、UCN-01、サフィンゴール、BAY 43-9006、ブリオスタチン1、ペリフォシン; イルモフォシン; RO 318220及びRO 320432; GO 6976; Isis3521; LY333531 / LY379196; イソキノリン化合物; ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤; PD184352又はQAN697、又はAT7519を含む;k)タンパク質チロシンキナーゼの活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物、例えばメシル酸イマチニブ又はチルホスチン、例えばチルホスチンA23 / RG-50810; AG 99; チルホスチンAG 213; チルホスチンAG 1748; チルホスチンAG 490; チルホスチンB44; チルホスチンB44(+)エナンチオマー; チルホスチンAG 555; AG 494; チルホスチンAG 556、AG957及びアダホスチン(4-{[(2,5-ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}-安息香酸アダマンチルエステル; NSC 680410、アダホスチン); 1)受容体チロシンキナーゼの上皮成長因子ファミリー(ホモ又はヘテロダイマーとしてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)及びそれらの突然変異体の活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物、例えばCP 358774、ZD 1839、ZM 105180; トラスツズマブ、セツキシマブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、OSI-774、Cl-1033、EKB-569、GW-2016、抗体El.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3及びE7.6.3、及び7Hピロロ-[2,3-d]ピリミジン誘導体、及びm)c-Met受容体の活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する化合物。
【0128】
タンパク質又は脂質ホスファターゼの活性を標的にするか、低めるか、又は阻害する例示的な化合物は、ホスファターゼ1、フォスファターゼ2A又はCDC25、例えばオカダ酸又はその誘導体のインヒビターを含む。
【0129】
さらなる抗血管新生化合物は、タンパク質又は脂質キナーゼ阻害とは無関係のそれらの活性の別のメカニズムを有する化合物、例えばサリドマイド及びTNP-470を含む。
【0130】
その1つ又は2つ以上が本LSD1インヒビターと組合して使用され得る、追加の非制限的な例示化学療法化合物は、以下を含む:ダウノルビシン、アドリアマイシン、Ara-C、VP-16、テニポシド、ミトキサントロン、イダルビシン、カルボプラチナム、PKC412、6-メルカプトプリン(6-MP)、リン酸フルダラビン、オクトレオチド、SOM230、FTY720、6-チオグアニン、クラドリビン、6-メルカプトプリン、ペントスタチン、ヒドロキシ尿素、2-ヒドロキシ-1H-イソインドール-1,3-ジオン誘導体、1-(4-クロロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン又はその医薬的に許容される塩、1-(4-クロロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジンスクシナート、アンジオスタチン、エンドスタチン、アントラニル酸アミド、ZD4190、ZD6474、SU5416、SU6668、ベバシズマブ、rhuMAb、rhuFab、マクゴン; FLT-4インヒビター、FLT-3インヒビター、VEGFR-2 IgGI抗体、RPI 4610、ベバシズマブ、ポルフィマーナトリウム、アネコルタブ、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、11-a-エピヒドロコチゾール、コルテキソロン、17a-ヒドロキシプロゲステロン、コルチコステロン、デスオキシコルチコステロン、テストステロン、エストロン、デキサメタゾン、フルオシノロン、植物アルカロイド、ホルモン化合物及び/又はアンタゴニスト、生物学的反応調節剤、例えば、リンフォカイン又はインターフェロン、アンチセンスオリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド誘導体、shRNA、及びsiRNA。
【0131】
その1つ又は2つ以上が本LSD1インヒビターと組合して使用される第2の治療剤の他の例は、以下を含むが、但しそれらだけには限定されない:アルツハイマー病の治療のための剤、例えばドネペジル及びリバスチグミン; パーキンソン病の治療のための剤、例えばL-ドーパ/カルビドパ、エンタカポン、ロピンロール、プラミペキソール、ブロモクリプチン、ペルゴリド、トリヘキセフェンジル、及びアマンタジン; 多発性硬化症(MS)の治療のための剤、例えばβインターフェロン(AVONEX(登録商標)及びREBIF(登録商標))、酢酸グラチラマー、及びミトキサントロン; 喘息の治療のための剤、例えばアルブテロール及びモンテルカスト; 統合失調症の治療のための剤、例えばザイプレキサ、リスペルダル、セロクエル、及びハロペリドール;抗炎症剤、例えばコルチコステロイド、TNFブロッカー、IL-1 RA、アザチオプリン、シクロホスファミド、及びスルファサラジン;免疫抑制剤を含む免疫調節剤、例えばシクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、及びスルファサラジン; 神経栄養因子、例えばアセチルコリンエステラーゼインヒビター、MAOインヒビター、インターフェロン、抗痙攣薬、イオンチャネル遮断薬、リルゾール、又は抗パーキンソン病薬; 心血管疾患の治療のための剤、例えばベータ遮断薬、ACE阻害薬、利尿薬、硝酸塩、カルシウムチャネル遮断薬、又はスタチン;肝疾患の治療のための剤、例えばコルチコステロイド、コレスチラミン、インターフェロン、及び抗ウイルス剤;血液障害の治療のための剤、例えばコルチコステロイド、抗白血病薬、又は成長因子;又は免疫不全障害の治療のための剤、例えばガンマグロブリン。
【0132】
その1つ又は2つ以上が本開示化合物と組合して使用される上記の第2の治療的活性剤は、当技術分野で記載されているようにして調製され、そして投与される。
【0133】
本開示化合物は、典型的には、意図された投与経路及び標準的薬務に関して選択された医薬担体と混合して投与される。本開示に従っての使用のための医薬組成物は、本開示化合物の処理を促進する賦形剤及び/又は助剤を含む、1つ又は2以上の生理学的に許容される担体を用いて、従来の方法で製剤化される。1つの実施形態によれば、本開示は、本開示化合物及び医薬的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0134】
それらの医薬組成物は、例えば従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、乳化、カプセル化、封入、又は凍結乾燥工程により製造され得る。適切な製剤は、選択された投与経路に依存する。治療的有効量の本開示化合物が経口投与される場合、組成物は典型的には、錠剤、カプセル剤、散剤、溶剤又はエリキシル剤の形で存在する。錠剤形で投与される場合、組成物は、さらに、固体担体、例えばゼラチン又はアジュバントを含むことができる。錠剤、カプセル剤、及び散剤は、約0.01%~約95%、例えば約1%~約50%の本開示化合物を含む。液体形で投与される場合、液体担体、例えば水、石油、又は動物又は植物起源の油が添加され得る。組成物の液体形はさらに、生理食塩水、デキストロース又は他の糖類溶液、又はグリコールを含むことができる。液体形で投与される場合、組成物は、約0.1~約90重量%、例えば約1~約50重量%の本開示化合物を含む。
【0135】
治療的有効量の本開示化合物が、静脈内、皮膚又は皮下注射により投与される場合、組成物は、発熱物質を含まない、非経口的許容される水溶液の形で存在する。pH、等張性、安定性、等を十分に考慮したそのような非経口的に許容される液体の調製は、当核技術分野の範囲内である。静脈内、皮膚又は皮下注射のための組成物は典型的には、等張性ビークルを含む。
【0136】
本開示化合物は、当業界において良く知られている医薬的に許容できる担体と容易に組合わされ得る。1つの実施形態によれば、本開示化合物、医薬的に許容できるその塩又は水和物、及び医薬的に許容できる担体を含む組成物が提供される。標準の医薬担体は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA, 19th ed. 1995に記載されている。そのような担体は、治療される患者による経口摂取のために、活性剤を、錠剤、丸薬、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液、等に製剤化することが可能である。経口使用のための医薬製剤は、開示化合物を固体賦形剤に添加し、任意には、得られる混合物を粉砕し、そして、必要に応じて適切な助剤を添加した後、錠剤又は糖衣錠のコアを得るために顆粒の混合物を処理することにより得られる。適切な賦形剤は、例えば充填剤及びセルロース製剤を含む。所望により、崩壊在が添加され得る。
【0137】
本開示化合物は、注射、例えばボーラス注射又は連続注入による非経口投与のために製剤化され得る。注射用製剤は、保存剤を加えたアンプル又は複数回投与容器などの単位剤形で提供され得る。組成物は、油性又は水性ビークル中、懸濁液、溶液又はエマルジョンのような形を取ることができ、そして製剤化剤、例えば懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤を含むことができる。
【0138】
非経口投与のための医薬組成物は、水溶形での活性剤の水溶液を含む。さらに、本開示化合物の懸濁液は、適切な油性注射用懸濁液として調製され得る。適切な親油性溶媒又はビークルは、脂肪油又は合成脂肪酸エステルを含む。水性注射用懸濁液は、懸濁液の粘度を高める物質を含むことができる。任意には、懸濁液はまた、化合物の溶解性を高め、そして高く濃縮された溶液の調製を可能にする適切な安定剤又は剤を含むことができる。他方では、本組成物は、使用の前、適切なビークル、例えば発熱物質を含まない無菌水による構成のために粉末形で存在することができる。
【0139】
本開示化合物はまた、従来の座薬基材を含む座薬又は浣腸剤などの直腸組成物に製剤化され得る。前述の製剤に加えて、本開示化合物はまた、デポー製剤としても製剤化され得る。そのような長時間作用性の製剤は、埋め込み(例えば、皮下又は筋肉内)、又は筋肉内注射により投与され得る。従って、例えば、本開示化合物は、適切なポリマー又は疎水性材料(例えば、許容される油中、エマルジョンとして)、又はイオン交換樹脂により製剤化され得る。
【0140】
特に、本開示化合物は、賦形剤、例えばデンプン又はラクトースを含む錠剤の形で、又は単独で又は賦形剤と混合して、カプセル又はオヴェストの形で、又は香料又は着色剤を含むエリキシル又は懸濁液の形で、経口、口腔内又は舌下投与され得る。そのような液体製剤は、医薬的に許容される添加物、例えば懸濁化剤を用いて調製され得る。本開示化合物はまた、非経口的に、例えば静脈内、筋肉内、皮下又は冠動脈内に注射され得る。非経口投与の場合、本開示化合物は典型的には、他の物質、例えば塩又は単糖類、例えばマンニトール又はグルコースを含むことができる無菌水溶液の形で使用され、溶液を血液と等張することができる。
【0141】
別の実施形態によれば、本開示は、本開示の方法を実施するために本開示化合物の使用を促進する態様でパッケージングされた開示化合物(又は本開示化合物を含む組成物)を含むキットを提供する。別の実施形態によれば、キットは、本開示の方法を実施するために化合物又は組成物の使用を記載する容器に添付されるか又はキットに含まれるラベルと共に、容器、例えば密封されたボトル又は容器にパッケージングされた本開示化合物(又は本開示化合物を含む組成物)を含む。1つの実施形態によれば、化合物又は組成物は、単位剤形でパッケージングされる。キットはさらに、意図された投与経路に従って組成物を投与するのに適切な装置を含むことができる。
【0142】
用語「LSD1の阻害が有益である疾患又は状態」とは、LSD1が、例えばその疾患又は状態の発症、進行、表現のために重要であるか、又は必要である疾患又は状態、又はLSD1インヒビターにより治療されることが知られている疾患又は状態を言及する。そのような状態の例は、癌、慢性自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、敗血症及びウィルス感染を含むが、但しそれらだけには限定されない。当業者は、化合物が、いずれか特定の細胞型についてLSD1インヒビターにより介在される疾患又は状態を治療するかどうかを、例えば特定の化合物の活性を評価するために便利に使用され得るアッセイにより容易に決定することができる。
【0143】
用語「LSD1」、「リジン特異的デメチラーゼ-1」、「リジン特異的ヒストンデメチラーゼ1A」「リジン(K)デメチラーゼ1A」又は「LSD-1」とは、KDM1遺伝子によりコードされるヒトにおけるタンパク質を示す同義語である。用語LSD1は、LSD1のイソフォーム及び変異体を含む。LSD1は、フラビン依存性モノアミンオキシダーゼであり、モノ及びジメチル化リジン、特にヒストン3、リジン4及び9(H3K4及びH3K9)を脱メチル化できる。
【0144】
用語「第2の治療剤」とは、目的の疾患又は状態を治療することが知られている、本開示化合物とは異なる治療剤を言及する。例えば、癌が目的の疾患又は状態である場合、第2の治療剤は、例えば、タキソールのような既知化学療法薬又は放射線であり得る。
【0145】
用語「疾患」又は「状態」とは、原則として、病理学的状態又は機能であると見なされ、そして特定の兆候、症状及び/又は機能不全の形で現れる障害及び/又は異常を示す。以下に示されるように、本開示化合物は、LSD1のインヒビターであり、そしてLSD1の阻害が有益である疾患及び状態の治療又は予防に使用され得る。
【0146】
本明細書で使用される場合、用語「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」、「治療(treatment)」等は、疾患又は状態、及び/又はそれに関連する症状を除去し、軽減し、又は改善することを言及する。除外されるわけではないが、疾患又は状態の治療は、疾患、状態、又はそれに関連する症状が完全に排除されることを必要としない。用語「治療する」及び同義語は、治療的有効量の本開示化合物を、そのような治療の必要な対象に投与することを意図している。治療は、例えば症状を抑制するために、症候的に方向付けることができる。それは、短期間でもたらされるか、中期にわたって向けられるか、又は例えば維持治療内に長期治療であり得る。
【0147】
本明細書で使用される場合、用語「予防する」、「予防すること」及び「予防」とは、疾患又は状態、及び/又はその付随する症状の発症を予防し、そして疾患を獲得する対象のリスクを妨げる方法を言及する。本明細書で使用される場合、「予防する」、「予防すること」及び「予防」はまた、疾患及び/又はその付随する症状の発症を遅延すること、及び疾患を獲得する対象のリスクを低減することを含む。用語「予防する」、「予防すること」及び「予防」とは、「予防的治療」を含むことができ、これは、疾患又は状態の再発生又は疾患又は状態の再発を有さないが、しかしそのリスクがあるか、又はその影響を受けやすい対象において、疾患又は状態の再発生、又は以前に制御された疾患又は状態の再発の可能性を低めることを言及する。
【0148】
本明細書で使用される場合、用語「治療的有効量」又は「有効用量」とは、本開示の方法により投与される場合、目的の状態又は疾患の治療のための活性成分を、その必要な対象に効果的に送達するために十分である活性成分の量を言及する。癌又は他の増殖性障害の場合、治療的有効量の薬剤は、所望しない細胞増殖を減少させる(すなわち、ある程度まで遅らせるか、又は停止する)ことができ;癌細胞の数を減少させ;腫瘍サイズを減じ;末梢器官への癌細胞の浸潤を阻害し(すなわち、ある程度まで遅らせるか、又は停止する);腫瘍の転移を阻害し(すなわち、ある程度まで遅らせるか、又は停止する);腫瘍の成長をある程度、阻害し;そして/又は癌に関連する1つ又は2つ以上の症状を、ある程度緩和することができる。投与された化合物又は組成物が存在する癌細胞の成長を防止及び/又は殺す範囲で、それは細胞増殖抑制性及び/又は細胞毒性であり得る。
【0149】
用語「容器」とは、医薬品の保管、輸送、分配及び/又は取扱いに適した任意のレセプタクル及びクロージャーを意味する。
【0150】
用語「挿入物」とは、医師、薬剤師及び患者が製品の使用に関する情報に基いた決定を下すのに必要な安全性及び有効性データと共に、製品をいかにして投与するかの説明を提供する医薬品に付随する情報を意味する。パッケージ挿入物は一般的に、医薬品についての「ラベル」として見なされる。
【0151】
「同時投与(concurrent administration)」、「組合して投与される(administered in combination)」、「同時投与(simultaneous administration)」及び同様の語句は、複数の剤が、治療される対象に同時に投与されることを意味する。「同時に」とは、各剤が同時に、又は異なる時点で任意の順序で連続して投与されることを意味する。しかしながら、同時に投与されない場合、それらは順番に対象に投与され、所望の治療効果を提供するために十分に近くで投与され、そして協調して作用できることを意味する。例えば、本開示化合物は、第2の治療剤と同時に、又は異なる時点で任意の順序で連続的に投与され得る。本開示化合物及び第2の治療剤は、適切な形で及び任意の適切な経路で、別々に投与され得る。本開示化合物及び第2の治療剤が同時に投与されない場合、それらは、それを必要とする対象に、任意の順序で投与され得ることが理解される。例えば、本開示化合物は、(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間 、5週間、6週間、8週間、又は12週間前)前、第2の治療剤治療法(例えば、放射線療法)の施行と同時に、又は施行に続いて(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間 、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)、その必要対象に投与され得る。種々の実施形態によれば、本開示化合物及び第2の治療剤は、1分間隔で、10分間隔、30分間隔、1時間未満の間隔、1時間間隔、1時間~2時間間隔、2時間~3時間間隔、3時間~4時間間隔、4時間~5時間間隔、5時間~6時間 時間間隔、6時間~7時間間隔、7時間~8時間間隔、8時間~9時間間隔、9時間~10時間間隔、10時間~11時間間隔、11時間~12時間間隔、24時間以内 の間隔、48時間以内の間隔で投与される。1つの実施形態によれば、併用治療の成分は、約1分~約24時間で投与される。
【0152】
本開示を説明する文脈(特に、特許請求の範囲の文脈)における用語「a」、「an」、「the」及び類似する指示対象の使用は、特にことわらない限り、単数形及び複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、特にことわらない限り、範囲内に入る各個々の値を個別に参照する略記法として機能することを単に意図しており、そして各個別の値は、本明細書において個別に列挙されているかのように明細書に組込まれている。本明細書に提供される任意の及び全ての例、又は例示的な言葉(例えば「such as(例えば)」の使用は、本開示をよりよく説明することを意図しており、そして特に請求されていない限り、本開示の範囲を限定するものではない。明細書中の言葉は、任意の請求されていない要素が本開示の実施に不可欠であることを示すと解釈されるべきではない。
【0153】
本開示においては、用語「ハロ」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、-Cl、-F、-Br又は-Iを言及する。
【0154】
本開示においては、用語「ニトロ」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、-NO2を言及する。
【0155】
本開示においては、用語「シアノ」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、-CNを言及する。
【0156】
本開示においては、用語「ヒドロキシ」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、-OHを言及する。
【0157】
本開示においては、用語「アルキル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、1~12個の炭素原子を含む、置換されていない直鎖又は枝分かれ鎖の脂肪族炭化水素、すなわちC1-12アルキル、又は指定された炭素原子の数、例えばC1アルキル、例えばメチル、C2アルキル、例えばエチル、C3アルキル、例えばプロピル又はイソプロピル、C1-3アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、又はイソプロピル、等を示す。1つの実施形態によれば、アルキルはC1-10アルキルである。別の実施形態によれば、アルキルはC1-6アルキルである。別の実施形態によれば、アルキルはC1-4アルキルである。別の実施形態によれば、アルキルは直鎖C1-10アルキルである。別の実施形態によれば、アルキルは枝分かれ鎖のC3-10アルキルである。別の実施形態によれば、アルキルは直鎖のC1-6アルキルである。別の実施形態によれば、アルキルは枝分かれ鎖のC3-6アルキルである。別の実施形態によれば、アルキルは直鎖のC1-4アルキルである。別の実施形態によれば、アルキルは枝分かれ鎖のC3-4アルキルである。別の実施形態によれば、アルキルは直鎖又は枝分かれ鎖のC3-4アルキルである。非制限的な例示的C1-10アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、iso-ブチル、3-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びデシル含む。非制限的な例示的C1-4アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、及びiso-ブチルを含む。
【0158】
本開示において、用語「任意に置換されたアルキル」とは、単独で又は別の基として使用される場合、上記で定義されたようなアルキルは、置換されていないか、又はニトロ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、及びシクロアルキルから独立して選択された、1、2又は3個の置換基により置換されることを意味する。別の実施形態によれば、任意に置換されたアルキルは、2個の置換基により置換される。別の実施形態によれば、任意に置換されたアルキルは、1つの置換基により置換される。非制限的な例示的な任意に置換されたアルキル基は、-CH2CH2NO2、-CH2SO2CH3、 CH2CH2CO2H、-CH2CH2SO2CH3、-CH2CH2COPh及び -CH2C6H11を含む。
【0159】
本開示において、用語「シクロアルキル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、3~12個の炭素原子を有する1、2又は3環を含む、飽和及び部分的不飽和(1又は2個の二重結合を含む)を環状脂肪族炭素水素、すなわちC3-12シクロアルキルを意味し、又は指定された炭素数を言及する。別の実施形態によれば、シクロアルキル基は、2つの環を有する。別の実施形態によれば、シクロアルキル基は1つの環を有する。別の実施形態によれば、シクロアルキル基は、C3-8シクロアルキル基である。別の実施形態によれば、シクロアルキル基はC3-6シクロアルキル基であるである。非制限的な例示的シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ノルボルニル、デカリン、アダマンチル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、及びシクロヘキセニルを含む。
【0160】
本開示において、用語「任意に置換されたシクロアルキル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、上記で定義されたようなシクロアルキルは、置換されていないか、又はハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、アミド、カルボキサミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、アルコキシアルキル、(アミノ)アルキル、(カルボキサミド)アルキル、メルカプトアルキル、及び(ヘテロシクロ)アルキルから成る群から独立して、選択された1、2、又は3個の置換基により置換されることを意味する。別の実施形態によれば、任意に置換されたシクロアルキルは、2つの置換基により置換される。別の実施形態によれば、任意に置換されたシクロアルキルは、1つの置換基により置換される。
【0161】
本開示において、用語「アルケニル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、1、2、又は3個の炭素間二重結合を含む、上記で定義されたようなアルキル基を言及する。別の実施形態によれば、アルケニル基は、C2-6アルケニル基である。別の実施形態によれば、アルケニル基はC2-4アルケニル基である。非制限的な例示的アルケニル基は、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、sec-ブテニル、ペンテニル、及びヘキセニルを含む。
【0162】
本開示において、用語「任意に置換されたアルケニル」とは、単独で又は別な基の一部として使用される場合、上記で定義されたようなアルケニルが、置換されていないか、又はハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、アミド、カルボキサミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、 アルケニル、アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、及び任意に置換されたヘテロシクロから成る群から独立して選択された、1、2又は3個の置換基により置換されることを意味する。
【0163】
本開示において、用語「アルキニル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、1、2又は3個の炭素間三重結合を有する。1つの実施形態によれば、アルキニル基は、C2-6アルキニル基である。別の実施形態によれば、アルキニル基は、C2-4アルキニル基である。非制限的な例示的アルキニル基は、エチニル、プロピニル、ブチニル、2-ブチニル、ペンチニル、及びヘキシニル基を含む。
【0164】
本開示において、用語「任意に置換されたアルキニル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、上記で定義されたようなアルキニルが、置換されていないか、又はハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、アミド、カルボキサミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、 アルケニル、アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、及び任意に置換されたヘテロシクロから成る群から独立して選択された1、2又は3個の置換基に置換されることを意味する。
【0165】
本開示において、用語「ハロアルキル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、1又は2以上のフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素原子により置換されるアルキル基を言及する。1つの実施形態によれば、アルキル基は、1、2又は3個の弗素及び/又は塩素原子により置換される。別の実施形態によれば、ハロアルキル基は、C1-4ハロアルキル基である。非制限的な例示的ハロアルキル基は、ルオロメチル、2-フルオロエチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、1,1-ジフルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、4,4,4-トリフルオロブチル、及びトリクロロメチル基を含む。
【0166】
本開示において、用語「ヒドロキシアルキル」とは、単独で、又は別の基の一部として使用される場合、1、2又は3個のヒドロキシ基により置換されたアルキル基を示す。1つの実施形態によれば、ヒドロキシアルキル基は、モノヒドロキシアルキル基、すなわち1つのヒドロキシ基により置換されたアルキル基である。別の実施形態によれば、ヒドロキシアルキル基は、ジヒドロキシアルキル基、すなわち2つのヒドロキシ基により置換されたアルキル基でアル。
【0167】
別の実施形態によれば、ヒドロキシアルキル基は、C1-4ヒドロキシアルキル基である。非制限的な例示的ヒドロキシアルキル基は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル及びヒドロキシブチル基、例えば1ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチル、1,2-ジヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシブチル、4-ヒドロキシブチル、2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル、及び1,3-ジヒドロキシプロプ-2-イルを含む。
【0168】
本開示において、用語「アルコキシ」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、末端酸素原子により結合された、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアルケニル又は任意には置換されたアルキニルを示す。1つの実施形態によれば、アルコキシ基は、C1-4アルコキシ基である。別の実施形態によれば、アルコキシ基は、末端酸素原始に結合されたC1-4アルキル、例えばメトキシ、エトキシ及びtert-ブトキシである。
【0169】
本開示において、用語「アルキルチオ」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、任意に置換されたアルキル基により置換された硫黄原子を言及する。1つの実施形態によれば、アルキルチオ基は、C1-4アルキルチオ基である。非制限的な例示的アルキルチオ基は、-SCH3及び-SCH2CH3を含む。
【0170】
本開示において、用語「アルコキシアルキル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、アルコキシ基により置換されたアルキル基を言及する。非制限的な例示的アルコキシアルキル基は、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、メトキシブチル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、エトキシブチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、プロポキシエチル、プロポキシプロピル、ブトキシメチル、tert-ブトキシメチル、イソブトキシメチル、sec-ブトキシメチル、及びペンチルオキシメチルを含む。
【0171】
本開示において、用語「ハロアルコキシ」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、末端酸素原子に結合されるハロアルキルを言及する。非制限的な例示的ハロアルコキシ基は、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、及び2,2,2-トリフルオロエトキシを含む。
【0172】
本開示において、用語「アリール」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、6~14個の炭素原子を有する単環式又は二環式芳香環系、すなわちC6-C14アリール、又は指定される炭素原子の数を示す。非制限的な例示的アリール基は、フェニル(Phとして略される)、ナフチル、フェナントリル、アントラシル、インデニル、アズレニル、ビフェニル、ビフェニレニル、及びフルオレニル基を含む。
【0173】
本開示において、用語「任意に置換されたアリール」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、上記で定義されたようなアリールが、置換されていないか、又はハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、アミド、カルボキサミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、アルコキシアルキル、(アミノ)アルキル、(カルボキサミド)アルキル、メルカプトアルキル、及び(ヘテロシクロ)アルキルから成る群から独立して選択された1~5個の置換基により置換されることを意味する。
【0174】
1つの実施形態によれば、任意に置換されたアリールは、任意に置換されたフェニルである。1つの実施形態によれば、任意に置換されたフェニルは、4個の置換基を有する。別の実施形態によれば、任意に置換されたフェニルは、3個の置換基を有する。別の実施形態によれば、任意に置換されたフェニルは、2個の置換基を有する。別の実施形態によれば、任意に置換されたフェニルは、1個の置換基を有する。非制限的な例示的な置換されたアリール基は、2-メチルフェニル、2-メトキシフェニル、2-フルオロフェニル、2-クロロフェニル、2-ブロモフェニル、3-メチルフェニル、3-メトキシフェニル、3-フルオロフェニル、3-クロロフェニル、4-メチルフェニル、4-エチルフェニル、4-メトキシフェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル 、2,6-ジ-フルオロフェニル、2,6-ジ-クロロフェニル、2-メチル、3-メトキシフェニル、2-エチル、3-メトキシフェニル、3,4-ジ-メトキシフェニル、3,5-ジ-フルオロフェニル3,5 -ジ-メチルフェニル、3,5-ジメトキシ、4-メチルフェニル、2-フルオロ-3-クロロフェニル、及び3-クロロ-4-フルオロフェニルを含む。任意に置換されたアリールという用語は、縮合された任意に置換されたシクロアルキル及び縮合された任意に置換されたヘテロシクロ環を有する基を含むことを意味する。非制限的な例は、以下を含む:
【化15】
【0175】
本開示において、用語「アリールオキシ」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、末端酸素原子に結合された任意に置換されたアリールを言及する。非制限的な例示的アリールオキシ基は、PhO-である。
【0176】
本開示において、用語「アラルキルオキシ」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、末端酸素原子に結合されるアラルキル基を言及する。非制限摘な例示的アラルキルオキシ基は、PhCH2O-である。
【0177】
本開示において、用語「ヘテロアリール」又は「ヘテロ芳香族」とは、4~14個の環原子を有する単環式及び二環式芳香環系、すなわち5-~14-員のヘテロアリールを言及し、ここで1つの環の少なくとも1つの炭素原子が、酸素、窒素及び硫黄から成る群から独立して選択されたヘテロ原子により置換される。1つの実施形態によれば、ヘテロアリールは、酸素、窒素及び硫黄から成る群から独立して選択された、1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む。1つの実施形態によれば、ヘテロアリールは、3個のヘテロ原子を有する。別の実施形態によれば、ヘテロアリールは2つのヘテロ原子を有する。別の実施形態によれば、ヘテロアリールは、1つのヘテロ原子を有する。非制限的な例示的へテロアリール基は、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3-b]チエニル、チアントレニル、フリル、ベンゾフリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾニル、クロメニル、キサンテニル、2H-ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、 ピリダジニル、イソインドリル、3H-インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、プテリジニル、4aH-カルバゾリル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、フェノチアゾリル、イソオキサゾリル、フラザニル、及びフェノキサジニルを含む。用語「ヘテロアリール」とは、また、可能性あるN-酸化物を含むことを意味する。非制限的な例示的N-酸化物は、ピリジルN-オキシドである。ヘテロアリールは、任意の利用可能な炭素又は窒素原子を通して分子の残りに結合することができる。
【0178】
1つの実施形態によれば、ヘテロアリールは、5-又は6-員のヘテロアリールである。1つの実施形態によれば、ヘテロアリールは、5-員のヘテロアリールであり、すなわちヘテロアリールは、5個の環原子を有する単環式芳香環系であり、ここで環中の少なくとも1つの炭素原子が、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択されたヘテロ原子により置換される。非制限的な例示的5-員のヘテロアリール基は、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、及びイソオキサゾリルを含む。
【0179】
別の実施形態によれば、ヘテロアリールは、6員へテロアリールであり、例えばヘテロアリールは、6個の環原子を有する単環式の芳香環系であり、ここで環中の少なくとも1つの炭素原子は窒素原子により置換される。非制限的な例示的6員のヘテロアリール基は、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、及びピリダジニルを含む。
【0180】
本開示において、用語「任意に置換されたヘテロアリール」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、上記で定義されたようなヘテロアリールが、置換されていないか、又はハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、アミド、カルボキサミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、アルコキシアルキル、(アミノ)アルキル、(カルボキサミド)アルキル、メルカプトアルキル、及び(ヘテロシクロ)アルキルから成る群から選択した、1~4個の置換基、例えば1又は2個の置換基により置換されることを意味する。1つの実施形態によれば、任意に置換されたヘテロアリールは1つの置換基を有する。任意の利用可能な炭素又は窒素原子が置換され得る。
【0181】
任意に置換されたヘテロアリールという用語は、縮合された任意に置換されたシクロアルキル及び縮合された任意に置換されたヘテロシクロ環を有する基を含むことを意味する。非制限的な例は、以下を含む:
【化16】
【0182】
別の実施形態によれば、ヘテロアリールは、任意に置換された、9-~14-員の二環式芳香環系であり、ここで1つの環中の少なくとも1つの炭素原子が、酸素、窒素及び硫黄から成る群から選択されたヘテロ原子により置換される。非制限的な例示的9-~14-員の二環式芳香環系は、以下を含む:
【化17】
【0183】
本開示において、用語「複素環」又は「ヘテロシクロ」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、3~14個の環員を有する1、2又は3個の環を含む、飽和及び部分的不飽和(例えば、1又は2つの二重結合を含む)環状基、すなわち3-~14-員のヘテロシクロを言及し、ここで1つの環中の少なくとも1つの炭素原子はヘテロ原子により置換される。1つの実施形態によれば、ヘテロシクロは、4-~8-員のヘテロシクロである。各へテロ原子は、酸素、酸化又は四級化され得る、スルホキシド及びスルホンを含む硫黄、及び/又は窒素原子から成る群から選択される。用語「ヘテロシクロ」とは、環-CH2-が-C(=0)-、例えば環状ウレイド基、例えば2-イミダゾリジノン及び環状アミド基、例えばβ-ラクタム、γ-ラクタム、δ-ラクタム、ε-ラクタム、及びピペラジン-2-オンにより置換されている基を含むことを意味する。用語「ヘテロシクロ」とはまた、縮合された任意に置換されたアリール基、例えばインドリニル、クロマン-4-イルを有する基を含むことを意味する。1つの実施形態によれば、ヘテロシクロ基は、1つの環及び1又は2個の酸素及び/又は窒素原子を含む5-又は6-員の環状基である。ヘテロシクロは、任意の利用可能な炭素又は窒素原子を介して分子の残りの部分に任意に結合され得る。非制限的な例示的へテロシクロ基は、ジオキサニル、テトラヒドロピラニル、2-オキソピロリジン-3-イル、ピペラジン-2-オン、ピペラジン-2、6-ジオン、2イミダゾリジノン、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、及びインドリニルを含む。
【0184】
本開示において、用語「任意に置換されたヘテロシクロ」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、上記で定義されたようなヘテロシクロが、置換されていないか、又はハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、アミド、カルボキサミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、CF
3C(= O)-、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル 、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、アルコキシアルキル、(アミノ)アルキル、(カルボキサミド)アルキル、メルカプトアルキル、又は(ヘテロシクロ)アルキルから成る群から独立して選択された1~4個の置換基により置換されることを意味する。置換は、任意の利用可能な炭素又は窒素原子、又は両方で発生することができる。非制限的な例示的な任意に置換されたヘテロシクロ基は、以下を含む:
【化18】
【0185】
・ 本開示において、用語「アミノ」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、式-NR30aR30bの基を示し、ここでR30a及びR30bは、独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、又は任意に置換されたいヘテロアリールであり、又はR30a及びR30bは一緒に取られる場合、3-~8-員の任意に置換されたヘテロシクロを形成する。1つの実施形態によれば、R30a及びR30bは独立して、水素又はC1-4アルキルである。非制限的な例示的アミノ基は、-NH2及び-N(H)(CH3)を含む。
【0186】
本開示において、用語「(アミノ)アルキル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、アミノ基により置換されたアルキル基を示す。1つの実施形態によれば、(アミノ)アルキルは、アミノ基により置換されたC1-6アルキル、すなわち(アミノ)C1-6アルキルである。別の実施形態によれば、(アミノ)アルキルは、(アミノ)C1-4アルキルである。非制限的な例示的(アミノ)アルキル基は、-CH2CH2NH2、 -CH2CH2N(H)CH3-、 -CH2CH2N(CH3-)2及び-CH2N(H)シクロプロピルを含む。
【0187】
本開示において、用語「カルボキサミド」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、式-C(=O)NR31aR31bの基を示し、ここでR31a及びR31bは、それぞれ独立して、水素、任意に置換されたアルキル、ヒドロキシアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロシクロ、又は任意に置換されたヘテロアリールであり、又はR31a及びR31bは、それらが結合されている窒素と一緒になって、3-~8-員の任意に置換されたヘテロシクロ基を形成する。1角実施形態によれば、R31a及びR31bは、それぞれ独立して、水素又は任意に置換されたアルキルである。1つの実施形態によれば、R31a及びR31bは、それらが結合される窒素と一緒に成って、3-~8-員の任意に置換されたヘテロシクロ基を形成する。非制限的な例示的カルボキサミド基は、-N(H)C(=O)CH3、-N(H)C(=O)OCH3及び -N(H)C(=O)N(H)CH3を含む。
【0188】
本開示において、用語「アミド」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、式-N(R32a)C(=O)R32bの基を示し、ここでR32aは水素又はC1-4アルキルであり;そしてR32bは、C1-6アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、C1-4アルコキシ、又はアミノである。1つの実施形態によれば、R32aは水素である。別の実施形態によれば、R32bは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ又はアミノである。非制限的な例示的アミド基は、-N(H)C(=O)CH3、-N(H)C(=O)OCH3及び ―N(H)C(=O)N(H)CH3を含む。
【0189】
本開示において、用語「スルホンアミド」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、式-SO2NR8aR8bの基を示し、ここでR8a及びR8bは、それぞれ独立して、水素、任意に置換されたアルキル、又は任意に置換されたアリールであり、又はR8a及びR8bは、それらが結合される窒素と一緒になって、3-~8-員のヘテロシクロ基形成する。非制限的な例示的スルホンアミド基は、-SO2NH2、-SO2N(H)CH3及び-SO2N(H)Phを含む。
【0190】
本開示において、用語「アルキルカルボニル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、アルキル基により置換された、カルボニル基、すなわち-C(=0)-を示す。非制限的な例示的アルキルカルボニル基は、-COCH3である。
【0191】
本開示において、用語「アリールカルボニル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、任意に置換されたアリール基により置換された、カルボニル基、すなわち-C(=O)-を示す。非制限的な例示的アリールカルボニル基は、-COPhである。
【0192】
本開示において、用語「アルコキシカルボニル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、アルコキシ基により置換された、カルボニル基、すなわち-C(=O)-を示す。非制限的な例示的アルコキシカルボニル基は、-C(=O)OMe、-C(=O)OEt及び-C(=O)OtBuを含む。
【0193】
本開示において、用語「アルキルスルホニル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、上記の任意に置換されたアルキル基のいずれかにより置換された、スルホニル基、すなわち-SO2-を示す。非制限的な例示的アルキルスルホニル基は、-SO2CH3である。
【0194】
本開示において、用語「アリールスルホニル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、上記の任意に置換されたアリール基のいずれかにより置換された、スルホニル基、すなわちl-SO2-を示す。非制限的な例示的アリールスルホニル基は、-SO2Phである。
【0195】
本開示において、用語「メルカプトアルキル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、-SH基により置換された上記アルキル基のいずれかを示す。
【0196】
本開示において、用語「カルボキシ」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、式-COOHの基を示す。
【0197】
本開示において、用語「カルボキシアルキル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、-COOHにより置換された上記アルキル基のいずれかを示す。非制限的な例示的カルボキシアルキル基は、-CH2CO2Hである。
【0198】
本開示において、用語「アラルキル」又は「アリールアルキル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、1、2又は3個の任意に置換されたアリールにより置換されたアルキル基を示す。1つの実施形態によれば、任意に置換されたアラルキル基は、1つの任意に置換されたアリール基により置換されたC1-4アルキルである。1つの実施形態によれば、任意に置換されたアラルキル基は、1つの任意に置換されたアリール基により置換されたC1又はC2アルキルである。1つの実施形態によれば、任意に置換されたアラルキル基は、1つの任意に置換されたフェニル基により置換されたC1又はC2アルキルである。非制限的な例示的な任意に置換されたアラルキル基は、ベンジル、フェネチル、-CHPh2、 -CH2(4-F-Ph)、-CH2(4-Me-Ph)、 -CH2(4-CF3-Ph)及び-CH(4-F-Ph)2を含む。
【0199】
本開示において、用語「(ヘテロシクロ)アルキル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、1又は2個の任意に置換されたヘテロシクロ基により置換されたアルキル基を示す。1つの実施形態によれば、(ヘテロシクロ)アルキルは、1つの任意に置換されたヘテロシクロ基により置換されたC
1-4アルキル、すなわち(ヘテロシクロ)C
1-4アルキルである。別の実施形態によれば、(ヘテロシクロ)アルキルは、1つの任意に置換された4-~8-員のヘテロシクロ基により置換されたC
1-4アルキル、すなわち(4-~8-員のヘテロシクロ)C
1-4アルキルである。非制限的な例示的(ヘテロシクロ)アルキル基は、以下を含む:
【化19】
【0200】
本開示において、用語「(ヘテロアリール)アルキル」とは、単独で又は別の基の一部として使用される場合、1又は2個の任意に置換されたヘテロアリール基により置換されたアルキル基を示す。1つの実施形態によれば、(ヘテロアリール)アルキルは、1つの任意に置換されたヘテロアリール基により置換されたC
1-4アルキル、すなわち(ヘテロアリール)C
1-4アルキルである。別の実施形態によれば、(ヘテロアリール)アルキルは、1つの任意に置換された5-又は6-員のヘテロアリール基により置換されたC
1-4アルキル、すなわち(5-又は6-員のヘテロアリール)C
1-4アルキルである。非制限的な例示的(ヘテロアリール))アルキル基は、以下を含む:
【化20】
【実施例】
【0201】
実施例1:(R)-4-(5-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1-(ピロリジン-3-イルメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物番号1)
スキーム1
【化21】
スキーム1についての試薬及び条件: (a) mCPBA、EA、 0℃-rt、3 h; (b) POCl3, NMP、-20℃ -rt; (c) NaI、AcCl、CH
3CN、一晩; 1 Nの NaOH、MeOH; (d) NaH, DMF, 0 - 50℃、一晩; (e) Pd(PPh
3)
4、Na
2CO
3、アリールボロン酸、トルエン/EtOH/H
2O (2/1/1)、80℃、 8 h、N
2; (f) Pd(PPh
3)
4、Na
2CO
3、アリールボロン酸、トルエン/EtOH/H
2O (2/1/1)、 110℃、 50 分; (g) DCM/TFA (4/1)、 rt。
【0202】
工程a:
【0203】
50mlの酢酸エチル中、1(2.5g、0.69mモル)の混合物に、0℃でmCPBAをすこしずつ添加した。得られる混合物を、室温で3時間、攪拌した。その混合物を炭酸ナトリウムの飽和溶液により中和し、そしてTHFにより抽出した。有機層を水、ブラインにより洗浄し、そして無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮し、粗生成物を、酢酸エチルから再結晶化し、2.6gの2を得、これを、さらに精製しないで、次の工程に使用した。[M+H]+: 214.96。
【0204】
工程b:
【0205】
10mlのNMP中、2(2.60g、12.20mモル)の懸濁液を、-20℃に冷却した。POCl3(5.69ml、61.02mモル)を滴下した。その混合物を徐々に室温に暖め、氷浴により冷却した。反応を、水により停止した。得られる混合物を、逆フラッシュクロマトグラフィーにより直接的に精製し、1.5gの3を得た。1H NMR (400 MHz、CDCl3) δ 9.93 (br、1H)、 8.42 (s、1H)、7.41(s、1H)、6.65 (s、1H)。
【0206】
工程c:
【0207】
20mlの無水アセトニトリル中、3(1.5g、6.48mモル)の混合物に、ヨウ化ナトリウム(4.86g、32.40mモル)を添加し、続いて塩化アセチルを添加した。得られる混合物を、還流下で一晩、攪拌した。室温に冷却した後、その混合物を濾過した。濾過されたケーキを、20mlのメタノールに懸濁した。20mlの1NのNaOHを添加した。攪拌を1時間、続けた。その混合物を濾過した。固形物を集め、1.10gの4を得た。1H NMR (400 MHz、DMSO) δ 8.28 (s、1H)、7.62 (d、J = 3.4 Hz、1H), 6.28 (d、J = 3.2 Hz、1H)。
【0208】
工程d:
【0209】
4mlの無水DMF中、4(200mg、0.62mモル)の氷冷却溶液に、水素化ナトリウム(37mg、0.93mモル、鉱油中、60%分散液)を添加した。得られる混合物を15分間、攪拌し、続いて5(208mg、0.74mモル)を添加した。次に、その混合物を50℃で一晩、加熱した。反応を、0.4mlの飽和水性NH4Clにより停止した。その混合物を、逆フラッシュカラムにより、直接的に精製し、258mgの6を得た。[M+H]+: 507.02; 1H NMR (400 MHz、CDCl3) δ 8.29 (s、1H)、7.22 (d、J = 3.5 Hz、1H)、6.34 (d、J = 2.3 Hz、1H)、4.33-4.13 (m、2H)、 3.54-3.34 (m、2H)、3.34-3.19 (m、1H)、3.18-3.02 (m、1H)、2.83-2.66 (m、1H)、1.92-1.82 (m、1H)、1.67-1.56 (m、1H)、1.43 (s、9H)。
【0210】
工程e:
【0211】
トルエン/エタノール/H2O(2/1/1)の混合溶媒4ml中、6(124mg、0.24mモル)、4-シアノフェニルボロン酸(36mg、0.24mモル)、Pd(PPh3)4(14mg、12.25μモル)及びNa2CO3(78mg、0.73mモル)の混合物を、エバキュエートし、そして窒素を3度、再充填した。得られる混合物を、80℃で8時間、攪拌し、そして真空下で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルカラム(ヘキサン勾配中、0~60%のEA)により精製し、54mgの7を得た。[M+H]+: 503.01, 505.00; 1H NMR (400 MHz、 CDCl3) δ 8.49 (s、 1H)、7.81 (d, J = 8.4 Hz、2H)、7.62 (d、 J = 8.2 Hz、 2H)、 7.21 (d、J = 3.5 Hz、1H)、 6.18 (d, J = 3.3 Hz、1H)、 4.42-4.20 (m、2H)、3.57-3.40 (m、2H)、3.37-3.25 (m、1H)、 3.15 (dd、J = 10.8、 7.1 Hz、 1H)、 2.87-2.74 (m、1H)、2.00-1.88(m、1H)、 1.74-1.64 (m、1H)、 1.45 (s、9H)。
【0212】
工程f:
【0213】
2mlのトルエン/EtOH/H2O(2/1/1)中、7(27mg、56μmモル)、(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)ボロン酸(12mg、67μmモル)、Pd(PPh3)4(3.2mg、2.8μモル)及びNa2CO3(17.8mg、0.17mモル)の混合物を、マイクロ波照射下で150℃で50分間、加熱した。得られる混合物を真空下で濃縮し、そしてフラッシュシリカゲルカラム(ヘキサン勾配中、0~100%のEA)により精製し、22mgの8を得た。[M+H]+: 533.14。
【0214】
工程g:
【0215】
8(40mg)の溶液を、2.5mlのDCM/TFAに溶解した。得られる溶液を、室温で2時間、攪拌し、そして真空下で濃縮した。残渣を、逆相HPLCにより精製し、TFA塩として化合物番号1を得た。[M+H]+: 433.25。
【0216】
実施例2:(R)-4-(5-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1-(ピロリジン-3-イルメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル (化合物番号 4)及び(R)-4-(5-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-2-(ピロリジン-3-イルメチル)-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル (化合物番号5)の合成:
【化22】
スキーム2A及び2Bについての試薬及び条件:(a) NBS, AcOH、 60 ℃、 4 h; (b) Zn、 NH
4Cl、 THF/MeOH (10/1)、 0℃-rt、 3 h; (c)蟻酸、 還流、 18 h; (d) 実施例1のスキーム1における5、 NaH、 DMF、 0 -50℃、 一晩; (e) Pd(PPh
3)
4、 Na
2CO
3、 (4-シアノ-3-フルオロフェニル)ボロン酸、 トルエン/EtOH/H
2O (2/1/1)、 80℃、 8 h、 N
2; (f) Pd(PPh
3)
4、 Na
2CO
3、 (1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ボロン酸、トルエン/EtOH/H
2O (2/1/1)、 110℃、 50分; (g) DCM/TFA (4/1)、 rt。
【0217】
工程a:
【0218】
11mlのTHF/MeOH(v/v=10/1)中、3(300mg、1.19mモル)の氷浴冷却溶液に、塩化アンモニウム(638mg、11.93mマル)を添加し、続いて亜鉛粉末(780mg、11.93mモル)を添加した。得られる混合物を、3時間、室温に徐々に暖めた。その混合物を濾過した。母液を真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチルにより抽出した。有機相をブラインにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮し、褐色の固形物として標記化合物を得、これをさらに精製しないで次の工程に使用した。[M+H]+: 220.87、222.84、224.86。
【0219】
工程b:
【0220】
1mlの水中、亜硝酸ナトリウム(280mg、4.06mモル)の溶液を、10mlのAcOH中、4(900mg、4.06mモル)の溶液に滴下した。得られる溶液を、室温で2日間、攪拌した。次に、その混合物を、フラッシュ逆相カラム(水中、0~100%のアセトニトリル)により直接的に精製し、358mgの標記化合物を得た。[M+H]+: 231.92, 233.92。
【0221】
工程c:一般的手順(スキーム2Aにおける化合物番号4の調製についての例):
【0222】
この手順は、実施例1のスキームにおける工程dに記載された手順に類似する。[M+H]+: 415.07、 417.06。1H NMR (400 MHz、 CDCl3) δ 8.63 (s、 1H)、 8.00 (s、 1H)、 4.41 (t、 J = 10.1 Hz、 2H)、 3.62-3.22 (m、 2H)、 3.19- 3.05 (m、 1H)、 2.93-2.76 (m、 1H)、 2.03-1.89 (m、 1H)、 1.74-1.59 (m、 1H)、 1.42 (s、 9H)。
【0223】
工程d:一般的手順(スキーム2Aにおける化合物番号4の調製についての例):
【0224】
この手順は、実施例1のスキームにおける工程eに記載された手順に類似する。[M+Na]+: 460.11、461.97。
【0225】
工程e:一般的手順(スキーム2Aにおける化合物番号4の調製についての例):
【0226】
この手順は、実施例1のスキームにおける工程fに記載された手順に類似する。収率: 60%; 1H NMR (400 MHz、 CDCl3) δ 9.16 (s、 1H)、 7.94 (s、 1H)、 7.85 (s、 1H)、 7.65- 7.60 (m、 3H)、 7.58 (d、 J = 9.0 Hz、 1H)、 7.45 (d、 J = 7.7 Hz、 2H)、 7.22 (d、 J = 9.4 Hz、 1H)、 4.58 (d、 J = 7.6 Hz、 2H)、 4.21 (s、 3H)、 3.57-3.47 (m、 2H)、 3.41-3.30 (m、 1H)、 3.25-3.19 (m、 1H)、 2.99-2.90 (m、 1H)、 2.01-1.95 (m、 1H)、 1.77 (s、 2H)、 1.46 (d、 J = 1.1 Hz、 9H)。
【0227】
工程f:一般的手順(スキーム2Aにおける化合物番号4の調製についての例):
【0228】
この手順は、実施例1のスキームにおける工程gに記載された手順に類似する。
【0229】
実施例3:(R)-2-フルオロ-4-(6-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-3-(ピロリジン-3-イルメチル)-3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-7 -イル)ベンゾニトリル(化合物番号6)の合成:
【化23】
スキーム3についての試薬及び条件:(a) NBS、 AcOH、 60 oC、 4 h; (b) Zn、 NH4Cl、 THF/MeOH (10/1)、 0 ℃-rt、 3 h; (c)蟻酸、還流、 18 h; (d)実施例1のスキーム1における5、 NaH、 DMF、 0-50 ℃、 一晩; (e) Pd(PPh
3)
4、 Na
2CO
3、 (4-シアノ-3-フルオロフェニル)ボロン酸、トルエン/EtOH/H2O (2/1/1)、 80 ℃、 8 h、 N
2; (f) Pd(PPh
3)
4、 Na
2CO
3、 (1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ボロン酸、トルエン/EtOH/H2O (2/1/1)、 110℃、 50 分; (g) DCM/TFA (4/1)、 rt。
【0230】
工程a:
【0231】
NBS(564mg、3.18mモル)を、8mlのAcOH中、1(500mg、2.88mモル)の溶液に添加した。得られる混合物を、60℃で4時間、攪拌した。室温への冷却の後、混合物を水により希釈した。沈殿物を濾過により集め、580mgの2を黄色の固形物として得、これを、さらに精製しないで、次の工程に使用した。[M+H]+: 251.91, 253.96。
【0232】
工程b:
【0233】
化合物2(400mg、1.58mモル)を、15mlのTHF/MeOH(v/v=2/1)に溶解した。その溶液に、塩化アンモニウム(848mg、15.84mモル)を添加し、次に亜鉛粉末を0℃で添加した。得られる混合物を、室温に5時間、徐々に暖めた。TLCは、出発材料が完全に転換されたことを示した。混合物を、セライトの層を通して濾過した。母液を濃縮した。残渣を、酢酸エチルにより抽出した。有機層を水及びブラインにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮し、粗ジアミン中間体を得、これを、さらに精製しないで、次の工程に使用した。
【0234】
工程c:
【0235】
上記粗3を、10mlの蟻酸に溶解した。得られる溶液を、18時間、還流し、そして次に、濃縮した。残渣を、水性炭酸ナトリウムにより希釈し、そして酢酸エチルにより抽出した。有機層を水及びブラインにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮し、4を得た。[M+H]+: 231.96, 233.93。
【0236】
工程d:
【0237】
この手順は、実施例1のスキーム1における工程dに記載の手順に類似する。収率: 5%; 1H NMR (400 MHz、 CDCl3) δ 8.54 (s、 1H)、 8.07 (s、 1H)、 4.36-4.15 (m、 2H)、 3.63-3.27(m、 3H)、 3.19-3.05 (m、 1H)、 2.83-2.70 (m、 1H)、 2.08-1.95 (m、 1H)、 1.79-1.63 (m、 1H)、 1.44 (s、 9H)。
【0238】
工程e:
【0239】
この手順は、実施例1のスキーム1における工程eに記載の手順に類似する。[M+H]+: 456.17、 458.10; 1H NMR (400 MHz、 CDCl3) δ 8.68 (s、 1H)、 8.02 (s、 1H)、 7.80-7.75 (m、 1H)、 7.57-7.51 (m、 2H)、 4.39-4.25 (m、 2H)、 3.59 -3.34 (m、 3H)、 3.22-3.11 (m、 1H)、 2.88-2.74 (m、 1H)、 2.09-1.97 (m、 1H)、 1.75-1.63 (m、 2H)、 1.45 (s、 9H)。
【0240】
工程f:
【0241】
この手順は、実施例1のスキーム1における工程fに記載の手順に類似する。[M+H]+: 552.19。
【0242】
工程g:
【0243】
この手順は、実施例1のスキーム1における工程gに記載の手順に類似する。
【0244】
実施例4:(R)-2-フルオロ-4-(5-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-1-(ピロリジン-3-イルメチル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-4 -イル)ベンゾニトリル(化合物番号23)及び(R)-2-フルオロ-4-(5-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-1-((1-メチルピロリジン-3-イル)メチル)-1H-ピロロ[2,3- c]ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物番号57)の合成:
【化24】
スキーム4についての試薬及び条件:(a) Br
2、 H
2O、 40 ℃、 5 h; (b) POCl3、 110 ℃、 5 h; (c) DMF-DMA、 トルエン、 80 ℃、 5 h; (d) Fe、 AcOH、 70 ℃、 3 h; (e) 実施例1のスキーム1における5、 NaH、 DMF、 p-トルエンスルホン酸エステル、 0-80 ℃、一晩; (f) アリールボロン酸、 Pd(PPh
3)
4、 Na
2CO
3、トルエン/EtOH/H
2O (4/2/1)、 90 ℃、 16 h; (g)アリールボロン酸又はエステル、 Pd(OAc)
2、 Xphos、 K
3PO
4、 110 ℃ 、16 h; (h) DCM/TFA (4/1)、 rt; (i) アルデヒド、 Et
3N、 NaBH(OAc)
3、 DCM, rt、 一晩。
【0245】
工程a:
【0246】
1(3.0g、19.46mモル)の懸濁液を、40℃に加熱した。臭素(1.1ml、21.41mモル)を滴下した。得られる混合物を40℃で5時間、攪拌した。その混合物を濾過した。ケークを集め、3.46gの標記化合物を得た。[M+H]+: 232.94、 234.96; 1H NMR (400 MHz、 DMSO) δ 13.03 (br、 1H)、 8.57 (s、 1H)、 2.58 (s、 3H)。
【0247】
工程b:
【0248】
20mlのPOCl3中、3.45gの2の混合物を、110℃で5時間、加熱した。その溶液を真空下で濃縮した。残渣を氷浴により冷却した。冷水をその残渣に滴下した。沈殿物を濾過により集め、そして乾燥し、3.3gの標記化合物を得た。[M+H]+: 250.92、 252.92; 1H NMR (400 MHz、 DMSO) δ 8.96 (s、 1H), 2.63 (s、 3H)。
【0249】
工程c:
【0250】
20mlのトルエン中、3(1.89g、7.52mモル)及び1,1-ジメトキシ-N,N-ジメチルメタンアミン(3.02ml、22.55mモル)の溶液を、80℃で5時間、加熱した。得られるワインレッド色の溶液を真空下で濃縮し、エナミン中間体4を得、これをさらに精製しないで、次の工程に使用した。[M+H]+: 305.90、 307.90、309.90。
【0251】
工程d:
【0252】
最後の工程の粗中間体4を、30mlの酢酸に溶解した。鉄粉末(2.10g、37.58mモル)を、その溶液に添加した。得られる混合物を、70℃で3時間、攪拌した。混合物を、セライト層を通して濾過した。母液を濃縮した。残渣を、水中、アセトニトリルの0~100%勾配を用いて、フラッシュ逆相カラムにより精製し、550mgの標記化合物を得た。[M+H]+: 230.96、 232.93; 1H NMR (400 MHz、 CDCl3) δ 9.15 (br、 1H)、 8.59 (s、 1H)、 7.52 (t、 J = 2.9 Hz、 1H)、 6.65 (t, J = 2.3 Hz、1H)。
【0253】
工程e:
【0254】
6mlの無水DMF中、5(310mg、1.34mモル)の氷冷却溶液に、水素化ナトリウム(80mg、1.01mモル、鉱油中、60%分散液)を添加した。得られる混合物を15分間、攪拌し、続いて実施例1のスキーム1における5(393mg、1.41mモル)を添加した。次に、その混合物を80℃で一晩、加熱した。反応を、0.5mlの飽和水性NH4Clにより停止した。その混合物を、逆フラッシュカラム(水中、0~100%のアセトニトリル)により精製し、311mgの6を得た。[M+H]+: 414.10、 416.13;1H NMR (400 MHz、 CDCl3) δ 8.41 (s、 1H)、 7.29 (dd、 J = 3.1、 1.1 Hz、 1H)、 6.52 (s、 1H)、 4.16 (d、 J = 7.3 Hz、 2H)、 3.54-3.26 (m、 3H)、 3.16-3.01 (m、 1H)、 2.77-2.63 (m、 1H)、 1.96-1.86 (m、 1H)、 1.65-1.56 (m、 1H), 1.43 (s、9H)。
【0255】
工程f:
【0256】
トルエン/エタノール/H2O(4/2/1)の溶媒混合液7ml中、6(105mg、0.25mモル)、(4-シアノ-3-フルオロフェニル)ボロン酸(44mg、0.26mモル)、Pd(PPh3)4(15mg、12.66μモル)及びNa2CO3(80mg、0.76mモル)の混合物を、エバキュエートし、そして窒素を3回、再充填した。得られる混合物を80℃で一晩、攪拌し、そして真空下で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルカラム(ヘキサン中、0~100%のEAの勾配)により精製し、112mgの7を得た。[M+H]+: 455.17。
【0257】
工程g:
【0258】
50mlの丸ボトルに、7(19mg、0.42mモル)、K3PO4(18mg、0.84mモル)、Pd(OAc)2(0.47mg、2.09μモル)、Xphos(1.99mg、4.18μモル)及び(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)ボロン酸(11mg、0.63mモル)を添加した。ボトルをエバキュエートしそして窒素を3回、再充填した。次に、nBuOH/H2O(v/v=4/1)の溶媒混合物2mlを、注射器を通して添加した。得られる混合物をエバキュエートし、そして窒素を3度、再充填した。次に、その混合物を105℃で16時間、加熱したLC-MSは、出発材料が完全に転換されたことをモニターした。混合物を濃縮し、そしてフラッシュシリカゲルカラム(EA中、0~10%のMeOH)により精製し、8を得た。[M+H]+: 550.64; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.88 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.68 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 7.47 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.25-7.18 (m, 2H), 7.18-7.13 (m, 1H), 7.12-7.08 (m, 1H), 6.36 (s, 1H), 4.31-4.18 (m, 2H), 4.01 (s, 3H), 3.54-3.39 (m, 2H), 3.36-3.25 (m, 1H), 3.17-3.06 (m, 1H), 2.84-2.70 (m, 1H), 1.95- 1.91(m, 1H), 1.71- 1.60(m, 1H), 1.41 (s, 9H)。
【0259】
工程h;
【0260】
この手順は、実施例1のスキーム1における工程gに記載される手順に類似し、化合物番号23をTFA塩として得た。
【0261】
工程i:
【0262】
化合物番号23(87mg、0.13mモル)を、5mlのDCMに溶解した。その溶液に、Et3N(0.36ml、0.26mモル)及び水性ホルムアルデヒド(0.29ml、0.38mモル、水中、37%のWt)、続いてトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(81mg、0.38mモル)を添加した。得られる混合物を、室温で一晩、攪拌した。LC-MSは、出発材料が完全に転換されたことを示した。追加の3当量のホルムアルデヒド及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウムを添加した。攪拌を8時間、続けた。次に、混合物を真空下で濃縮した。残渣を、逆HPLC(0.1%TFAを含む、水中、15~75%のアセトニトリル)により精製し、80mgの化合物番号57を得た。
【0263】
実施例5:(R)-2-フルオロ-4-(1-((1-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-3-イル)メチル)-5-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピロロ [2,3-c]ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物番号51)の合成:
【化25】
スキーム5についての試薬及び条件:2-ブロモメタン-1-オール、DIPEA、KI、CH
3CN、90℃、22h。
2mlのアセトニトリル中、化合物番号37のTFA塩10mgの溶液に、2.85mgの2-ブロモエタン-1-オール、DIPEA(0.13ml)及び触媒量のヨウ化カリウムを添加した。得られる混合物を、80℃で22時間、攪拌し、そして真空下で濃縮した。残渣を2mlのメタノールに溶解した。残る出発材料を、Boc無水物の添加により消費した。残渣を、逆HPLC(0.1%のTFAを含む、水中、15~75%のアセトニトリル)により精製し、化合物番号51を得た。
【0264】
実施例6:2-(4-(4-(4-シアノフェニル)-1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-5-イル)フェニル)-2-メチルプロパン酸(化合物番号86)の合成:
【化26】
スキーム6についての試薬及び条件:(a) NaH、 DMF、 p-トルエンスルホン酸エステル、 0-80 ℃、 一晩; (b) アリールボロン酸、 Pd(PPh
3)
4、 Na
2CO
3、 トルエン/EtOH/H
2O (4/2/1)、 90 ℃、 16 h; (c) アリールボロン酸又はエステル、 Pd(OAc)
2、 Xphos、K
3PO
4、 110 ℃、16 h; (d) LiOH・H
2O、 THF/H
2O/MeOH (4.5/4.5/1)、 rt、 一晩; (e) DCM/TFA (4/1)、 rt。
【0265】
工程a:
【0266】
この手順は、実施例5のスキーム5における工程eに記載の手順に類似する。
【0267】
工程b:
【0268】
この手順は、実施例5のスキーム5における工程fに記載の手順に類似する。
【0269】
工程c:
【0270】
この手順は、実施例5のスキーム5における工程gに記載の手順に類似する。
【0271】
工程d:
【0272】
THF/H2O/MeOH(4.5/4.5/1)の溶媒混合物2ml中、39mgの5(0.07mモル)の溶液に、8.3mgの水素化リチウム一水和物(0.21mモル)を添加した。得られる混合物を、室温で一晩、攪拌した。次に、得られる溶液を真空下で濃縮した。残渣を、逆HPLC(水中、25~75%のアセトニトリル)により精製し、標記化合物を得た。
【0273】
工程e:
【0274】
この手順は、実施例1のスキーム1における工程gに記載の手順に類似し、化合物番号86を、TFA塩として得る。
【0275】
実施例7:メチル(4-(4-(4-シアノフェニル)-1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-5-イル)フェニル)カルバメート(化合物番号113)の合成。
【化27】
スキーム7についての試薬及び条件:(a) アリールボロン酸又はエステル, Pd(OAc)
2, Xphos, K
3PO
4, 110 ℃ 、16 h; (b)クロロ蟻酸メチル, Et
3N, DCM, rt, 一晩; (c) DCM/TFA (4/1), rt。
【0276】
工程a:
【0277】
この手順は、実施例5のスキーム5における工程gに記載される手順に類似する。
【0278】
工程b:
【0279】
1mlのDCM中、15mgの2(0.03mモル)の溶液に、クロロ蟻酸メチル(8.3μl、0.06mモル)及びEt3N(12.5μl、0.09mモル)を添加した。得られる混合物を、室温で一晩、攪拌した。次に、得られる溶液を、真空下で濃縮し、残渣を、フラッシュシリカゲルカラム(DCM中、0.10%のMeOH)により精製し、標記化合物を得る。
【0280】
工程e:
【0281】
この手順は、実施例1のスキーム1における工程gに記載の手順に類似し、化合物番号113を、TFA塩として得る。
【0282】
実施例8:(R)-4-(3-クロロ-1-(ピロリジン-3-イルメチル)-5-(p-トリル)-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-4-イル)ベンゾニトリル(化合物番号8 )及び(R)-4-(2-オキソ-1-(ピロリジン-3-イルメチル)-5-(p-トリル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-4-イル )ベンゾニトリル(化合物番号7)の合成:
【化28】
スキーム8についての試薬及び条件:(a) NCS、CH
3CN、90 ℃、一晩; (b) Br
2、tBuOH/H
2O (1:1)、rt、40 分; 次に Zn、AcOH、rt. (c) DCM/TFA(4/1)、rt、4 h。
【0283】
工程a:
【0284】
NCS(4.9mg、36μモル)を、2mlのアセトニトリル中、1(18mg、36μモル)の溶液に添加した。得られる混合物を80℃で一晩、攪拌し、そして次に、真空下で濃縮した。得られる混合物を、溶出剤としてH2O(0.1%TFA)中、70%のCH3CN(0.1%TFA)を用いて、フラッシュ逆カラムにより精製し、17mgの2を、TFA塩として得た。[M+H]+: 527.21; 529.21。
【0285】
工程b:
【0286】
2mlのtBuOH/H2O中、1(24mg、49μモル)の溶液に、Br2(11μl、0.22mモル)を添加した。得られる混合物を室温で40分間、攪拌した。次に、その混合物を、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液により希釈し、そして酢酸エチルにより抽出した。有機層を、水及びブラインにより洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮した。残渣を、2mlの酢酸に溶解した。亜鉛粉末(32mg、0.49mモル)を添加した。得られる混合物を、室温で一晩、攪拌した。追加の100mgの亜鉛粉末を添加した。攪拌を室温で4時間、続けた。反応混合物を濾過し、そして母液を濃縮し、そして分散し、そして分取HPLCにより精製し、中間体3を得た。[M+H]+: 509.25。
【0287】
工程c:
【0288】
この手順は、実施例1のスキーム1における工程gに記載の手順に類似し、化合物番号7及び8を得る。
【0289】
実施例9:
本開示化合物の分析特性
表3は、実施例1~8に記載され、そして当業界において知られている方法を使用して調製された代表的本開示化合物についての
1H NMR及び/又は質量分析データを提供する。表3におけるすべての化合物は、TFA塩として特徴づけられた。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
【表3-6】
【表3-7】
【表3-8】
【表3-9】
【表3-10】
【表3-11】
【表3-12】
【0290】
実施例10:
LSD1活性
E.コリ細胞において発現されたヒト組換えLSD1タンパク質を、Active Motif (Carlsbad, CA)から購入した。ヒオチンにより標識されたHistone H3K4Meペプチド(Lys4モノメチル化された残基1-21)基質を、Anaspec (Fremont, CA)から購入した。酵素活性を、Perkin Elmer Life Sciences (Waltham, MA)からのAlphaL1SA技法を用いて評価した。アッセイ緩衝液(50mMのTris、pH9.0、50mMのNaCl、及びアッセイの直前に添加される0.01%Tween20及び1mMのDTT)中、2.5μlの化合物溶液及び5μlのLSD1溶液を、白色の低用量384ウェルのマイクロタイタープレートに添加した。この混合物溶液を、室温で軽く振盪しながら、15分間インキュベートした。脱メチル化反応を、アッセイ緩衝液中、2.5μlのビオチン-H3K4Meペプチド基質溶液を添加することにより開始した。LSD1、ビオチン-H3K4Meペプチド基質、及びPMSOの最終濃度は、それぞれ4nM、80nM及び1%であった。反応を、室温でかるく振盪しながら、暗室で60分間、進行させ、この後、製造業者からの検出緩衝液中、5μlのAnti-H3K4 AlphaLISA受容体ビーズを、反応混合物に添加し、続いて、60分間インキュベートした。検出緩衝液中、10μlのストレプトアビジン標識されたAlphaLISAドナービーズを、混合物中に添加し、続いて30分間インキュベートした。最終受容体及びドナービーズの濃度は、両方とも10μg/mlであった。プレートを、BMG Labtech (Ortenberg, Germany)からのBMG CLARIOStarマルチモードプレートリーダー上で、680nmの励起波長及び615nmの発光波長で読み取った。インヒビターのIC50値を、Prism 7 (La Jolla, CA)を用いて、非線形回帰で、S字型用量反応曲線(可変勾配)での蛍光強度対インヒビター濃度をフィッティングすることにより得た。
【0291】
代表的な本開示化合物のLSD1阻害活性を、表4に提供する。すべての化合物は、TFA塩そして試験された。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【0292】
現在、本明細書において、方法、化合物及び組成物を十分に説明してきたが、当業者は、本明細書に提供される方法、化合物及び組成物の範囲又はそれらの任意の実施形態に影響を及ぼさないで、状態、製剤及び他のパラメーターの広く且つ同等の範囲内で実施できることを理解するであろう。
【0293】
本明細書に引用されるすべての特許、特許出願及び出版物は、その全体が参照により本明細書に完全に組込まれる。