(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】パケット監視装置、パケット監視システム、パケット監視方法、パケット監視プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0816 20220101AFI20230921BHJP
H04L 43/0811 20220101ALI20230921BHJP
H04L 51/21 20220101ALI20230921BHJP
H04L 65/1053 20220101ALI20230921BHJP
【FI】
H04L41/0816
H04L43/0811
H04L51/21
H04L65/1053
(21)【出願番号】P 2022037310
(22)【出願日】2022-03-10
【審査請求日】2022-03-10
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】316018775
【氏名又は名称】株式会社フロンティア・フィールド
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 康行
(72)【発明者】
【氏名】田中 一史
(72)【発明者】
【氏名】中野 健一
(72)【発明者】
【氏名】貝澤 康仁
【合議体】
【審判長】山澤 宏
【審判官】中野 裕二
【審判官】篠塚 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-022617(JP,A)
【文献】特開2014-168186(JP,A)
【文献】特開2005-101921(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111782347(CN,A)
【文献】特開2013-219755(JP,A)
【文献】特開2015-154360(JP,A)
【文献】特開2013-219754(JP,A)
【文献】日病モバイルのご紹介,第4回 医療IT EXPO[東京],2021年,pp.1-21
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
H04L 41/00-101/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット通信を行う構内交換機と携帯端末とが接続されたネットワークに接続されるパケット監視装置であって、
携帯端末を特定する端末アドレスと当該携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上前記動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する休止状態検出部と、
休止状態と判断したときに、前記端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示とを含む再起動プッシュ通知を送出する再起動プッシュ送信部と、
を備えるパケット監視装置。
【請求項2】
パケット通信を行う構内交換機と携帯端末とが接続されたネットワークに接続されるパケット監視装置であって、
携帯端末を特定する端末アドレスと当該携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上前記動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する休止状態検出部と、
休止状態と判断したときに、前記端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示とを含む再起動プッシュ通知を送出するプッシュ送信装置に、前記再起動プッシュ通知の送信を依頼する再起動プッシュ依頼部と、
を備えるパケット監視装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のパケット監視装置であって、
前記通信は、通信プロトコルとしてSession Initiation Protocolを用いている
ことを特徴とするパケット監視装置。
【請求項4】
パケット通信を行う構内交換機と携帯端末とが接続されたネットワークに接続されるパケット監視装置とプッシュ送信装置を備えたパケット監視システムであって、
前記パケット監視装置は、
携帯端末を特定する端末アドレスと当該携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上前記動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する休止状態検出部と、
休止状態と判断したときに、前記プッシュ送信装置に、前記端末アドレスへの再起動プッシュ通知の送信を依頼する再起動プッシュ依頼部
を備え、
前記プッシュ送信装置は、
前端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示を含む再起動プッシュ通知を送出する再起動プッシュ送信部
を備え、
前記携帯端末は、前記再起動プッシュ通知を受信すると、前記通信用ソフトウェアを再起動する
ことを特徴とするパケット監視システム。
【請求項5】
請求項4記載のパケット監視システムであって、
前記通信は、通信プロトコルとしてSession Initiation Protocolを用いており、
前記構内交換機は、携帯端末の内線番号と端末アドレスとを対応付けて記録し、内線番号で指定された携帯端末に着信があったときには前記内線番号と対応付けられた端末アドレスに着信があったことを通知する
ことを特徴とするパケット監視システム。
【請求項6】
パケット通信を行う構内交換機と携帯端末とが接続されたネットワークに接続されるパケット監視装置を用いたパケット監視方法であって、
携帯端末を特定する端末アドレスと当該携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上前記動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する休止状態検出ステップと、
休止状態と判断したときに、前記端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示とを含む再起動プッシュ通知を送出する再起動プッシュ送信ステップと、
を有する
パケット監視方法。
【請求項7】
パケット通信を行う構内交換機と携帯端末とが接続されたネットワークに接続されるパケット監視装置とプッシュ送信装置を用いたパケット監視方法であって、
前記パケット監視装置が、
携帯端末を特定する端末アドレスと当該携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上前記動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する休止状態検出ステップと、
休止状態と判断したときに、前記プッシュ送信装置に、前記端末アドレスへの再起動プッシュ通知の送信を依頼する再起動プッシュ依頼ステップと
を実行し、
前記プッシュ送信装置が、
前端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示を含む再起動プッシュ通知を送出する再起動プッシュ送信ステップ
を実行し、
前記携帯端末が、前記再起動プッシュ通知を受信すると、前記通信用ソフトウェアを再起動する
パケット監視方法。
【請求項8】
請求項1から3のいずれかに記載のパケット監視装置としてコンピュータを機能させるためのパケット監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケット通信を行う構内交換機と携帯端末とが接続されたネットワークに接続されるパケット監視装置、パケット監視システム、およびパケット監視方法、パケット監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
IP(Internet Protocol)上で動作する電話が普及している。SIP(Session Initiation Protocol)を用いたIP電話の技術は非特許文献1に示されている。また、内線電話をプッシュ着信できるようにする技術として、非特許文献2が公開されている。最近では、構内交換機(PBX:Private Branch eXchange)と接続することで内線電話として利用できる端末として、IP電話用のソフトウェア(アプリケーション)をインストールした携帯端末を使用する例が増えている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】波多浩昭、“IP電話の基礎と応用”,[令和4年2月11日検索]、インターネット<https://www.nic.ad.jp/ja/materials/iw/2006/proceedings/T27.pdf>.
【文献】LogicalMixed、“内線着信をpush着信できるようにしてみる”,[令和4年2月9日検索]、インターネット<https://www.logicalmixed.com/2019/02/18/%e5%86%85%e7%b7%9a%e7%9d%80%e4%bf%a1%e3%82%92push%e7%9d%80%e4%bf%a1%e3%81%a7%e3%81%8d%e3%82%8b%e3%82%88%e3%81%86%e3%81%ab%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%bf%e3%82%8b/>.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ソフトウェア(アプリケーション)をインストールした携帯端末の場合、消費電力を下げるために、使用していないソフトウェアを休止状態(休眠状態、Sleep状態などとも呼ぶ)にする仕様が一般的である。しかしながら、電話通信ネットワークからの着信のタイミングは携帯端末のユーザに決めることはできないので、携帯端末のユーザがIP電話用のソフトウェアを長時間使用していないときに着信があることもある。構内交換機の内線電話として動作させるためのIP電話用のソフトウェアが休止状態になると、電話通信ネットワークからの着信を、ユーザが認識できるように携帯端末から出力できなくなる。このとき、構内交換機は、電話通信ネットワークからの着信に対して“Not Found”、“Service Unavailable”などの信号を発信元に返信する。その返信を受けた発信元の端末では、話中を示す信号を出力するので、発信元のユーザは話中と認識してしまうという課題がある。この課題を解決するため、携帯端末にインストールするソフトウェアと構内交換機のソフトウェアとに工夫を施すことで、着信を認識できるように携帯端末から出力できるようにすることは可能と考えられる。しかし、SIPの規格には休止状態の携帯端末を想定した着信の規定がないため、携帯端末にインストールするソフトウェアと構内交換機のソフトウェアの工夫は、構内交換機の製造メーカごとに異なる。
本発明は、構内交換機の製造メーカに依存することなく、電話通信ネットワークからの着信を、ユーザが認識できるように携帯端末から出力できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のパケット監視装置は、パケット通信を行う構内交換機と携帯端末とが接続されたネットワークに接続されるパケット監視装置である。本発明のパケット監視装置は、休止状態検出部と、再起動プッシュ送信部もしくは再起動プッシュ依頼部を備える。休止状態検出部は、携帯端末を特定する端末アドレスと当該携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する。再起動プッシュ送信部は、休止状態と判断したときに、端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示とを含む再起動プッシュ通知を送出する。再起動プッシュ依頼部は、休止パケットを検出したときに、端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示とを含む再起動プッシュ通知を送出するプッシュ送信装置に、再起動プッシュ通知の送信を依頼する。
【発明の効果】
【0006】
本発明のパケット監視装置によれば、ネットワーク内のパケットを監視し、休止状態を検出すると携帯端末の通信用ソフトウェアを再起動させる。よって、構内交換機の製造メーカに依存することなく、携帯端末の通信用ソフトウェアが起動した状態を維持できる。したがって、電話通信ネットワークからの着信を、ユーザが認識できるように携帯端末から出力できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例1のパケット監視装置を含むネットワークの構成例を示す図。
【
図2】携帯端末と構内交換機とが通信する処理を示す図。
【
図3】実施例1のパケット監視装置を用いた処理フローを示す図。
【
図4】実施例2のパケット監視装置とプッシュ送信装置を含むネットワークの構成例を示す図。
【
図5】実施例2のパケット監視装置を用いた処理フローを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0009】
図1に実施例1のパケット監視装置を含むネットワークの構成例を示す。
図2は、携帯端末と構内交換機とが通信する処理を示す図である。
図3は、実施例1のパケット監視装置を用いた処理フローを示す図である。全体としては、構内交換機900、ルータ910、電話通信ネットワーク990、パケット監視装置100、データ通信ネットワーク800、携帯端末400
1,…,400
Mで構成される。構内交換機(PBX:Private Branch eXchange)900は、一般的な電話の通信網である電話通信ネットワーク990と接続される。また、構内交換機900はルータ910を介してパケット通信を行うネットワークであるデータ通信ネットワーク800に接続される。なお、Mは1以上の整数、mは1以上M以下の整数である。なお、データ通信ネットワーク800は、構内交換機900が配置されている構内のネットワークに限定する必要はない。
【0010】
携帯端末4001,…,400Mは、通信ソフトウェア(アプリケーション)がインストールされており、構内交換機900の内線電話として機能する。そのために、構内交換機900は、携帯端末400mの内線番号と端末アドレスとを対応付けて記録している。例えば、携帯端末400mの電源をオンし、通信用ソフトウェアを起動する(S401)。携帯端末400mと通信可能な状態になった構内交換機900は、携帯端末400mの内線番号と携帯端末400mを特定する端末アドレス(例えば、IPアドレス)とを対応付けて記録する(S901)。構内交換機900は、内線番号で指定された携帯端末400mに着信があったときには、内線番号と対応付けられた端末アドレスに着信があったことを通知する。その後、内線番号に対応付けられている端末アドレスとの間で通信を行う(S402,S902)。携帯端末4001,…,400Mと構内交換機900との通信には、通信プロトコルとしてSIP(Session Initiation Protocol)を用いればよい。
【0011】
ルータ910は、構内交換機900とデータ通信ネットワーク800とのインターフェースであり、構内交換機900とデータ通信ネットワーク800との間で送受されるすべてのパケットの送受信を行う。パケット監視装置100は、ルータ910を介して構内交換機900とデータ通信ネットワーク800との間で送受されるパケットのすべてを取得できる。
【0012】
パケット監視装置100は、休止状態検出部110と再起動プッシュ送信部120を備える。休止状態検出部110は、携帯端末400mを特定する端末アドレスと携帯端末400mの通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出する。休止状態検出部110は、あらかじめ定めた期間以上動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する(S403,S903,S110)。例えば、、休止状態検出部110が、Pingなどの接続を確認するコマンドを定期的に携帯端末400mに送信し、携帯端末400mからの応答を「動作確認パケット」としてもよい。あるいは、携帯端末400mから定期的に構内交換機900に送信するパケットを「動作確認パケット」としてもよい。「あらかじめ定めた期間」とは、例えば、30秒としてもよいし、10分としてもよい。上述のとおり、休止状態のときは、発信元のユーザは話中と認識してしまう。携帯端末4001,…,400Mの使用目的などに応じて、発信元のユーザが話中と認識しても問題ない期間になるように「あらかじめ定めた期間」は定めればよい。なお、Pingなどの接続を確認するコマンドを携帯端末400mに送信する場合は、コマンドを送信する間隔を使用目的などに応じて定めればよい。また、「携帯端末400mを特定する端末アドレス」には、構内交換機900が設置されている施設(病院など)を特定する情報も含んでもよい。なお、「休止」とは、「休眠」、「スリープ」、「省電力」などで表現される状態も含む意味である。
【0013】
再起動プッシュ送信部120は、休止状態と判断したときに、端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示とを含む再起動プッシュ通知を送出する(S120)。携帯端末400mは、再起動プッシュ通知を受信すると通信用ソフトウェアを再起動する(S410)。「再起動」とは、発信、着信、通信が可能な状態に戻る意味である。
【0014】
パケット監視装置100によれば、データ通信ネットワーク800内のパケットを監視し、休止状態を検出すると携帯端末400mの通信用ソフトウェアを再起動させる。よって、構内交換機900の製造メーカに依存することなく、携帯端末400mの通信用ソフトウェアが起動した状態を維持できる。したがって、電話通信ネットワーク990からの着信を、ユーザが認識できるように携帯端末400mから出力できる。なお、「着信をユーザが認識できるように携帯端末400mから出力する」とは、着信音を鳴らすこと、振動を与えることなどを含むが、これらに限定する必要はない。
【実施例2】
【0015】
図4に実施例2のパケット監視装置とプッシュ送信装置を含むネットワークの構成例を示す。
図5は、実施例2のパケット監視装置を用いた処理フローを示す図である。全体としては、構内交換機900、ルータ910、電話通信ネットワーク990、パケット監視装置101、データ通信ネットワーク800、プッシュ送信装置150、携帯端末400
1,…,400
Mで構成される。構内交換機(PBX:Private Branch eXchange)900は、一般的な電話の通信網である電話通信ネットワーク990と接続される。また、構内交換機900はルータ910を介してパケット通信を行うネットワークであるデータ通信ネットワーク800に接続される。なお、Mは1以上の整数、mは1以上M以下の整数である。なお、データ通信ネットワーク800は、構内交換機900が配置されている構内のネットワークに限定する必要はない。
【0016】
携帯端末400
1,…,400
Mと構内交換機900は、実施例1と同じである。
図2の内容は、実施例1と同じであり、構内交換機900は、携帯端末400
mの内線番号と端末アドレスとを対応付けて記録している。例えば、携帯端末400
mが電源をオンし、通信用ソフトウェアを起動する(S401)。携帯端末400
mと通信可能な状態になった構内交換機900は、携帯端末400
mの内線番号と携帯端末400
mを特定する端末アドレス(例えば、IPアドレス)とを対応付けて記録する(S901)。構内交換機900は、内線番号で指定された携帯端末400
mに着信があったときには、内線番号と対応付けられた端末アドレスに着信があったことを通知する。その後、内線番号に対応付けられている端末アドレスとの間で通信を行う(S402,S902)。携帯端末400
1,…,400
Mと構内交換機900との通信には、通信プロトコルとしてSIP(Session Initiation Protocol)を用いればよい。
【0017】
ルータ910も実施例1と同じであり、構内交換機900とデータ通信ネットワーク800とのインターフェースであり、構内交換機900とデータ通信ネットワーク800との間で送受されるすべてのパケットの送受信を行う。パケット監視装置101は、ルータ910を介して構内交換機900とデータ通信ネットワーク800との間で送受されるパケットのすべてを取得できる。
【0018】
パケット監視装置101は、休止状態検出部110と再起動プッシュ依頼部121を備える。休止状態検出部110は、実施例1と同じであり、携帯端末400mを特定する端末アドレスと携帯端末400mの通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出する。休止状態検出部110は、あらかじめ定めた期間以上動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する(S403,S903,S110)。「動作確認パケット」、「休止」などは実施例1と同じである。
【0019】
再起動プッシュ依頼部121は、休止状態と判断したときに、端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示とを含む再起動プッシュ通知を送出するプッシュ送信装置150に、再起動プッシュ通知の送信を依頼する(S121)。
【0020】
プッシュ送信装置150は、再起動プッシュ送信部125を備える。再起動プッシュ送信部125は、依頼に従い、端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示を含む再起動プッシュ通知を送出する(S125)。携帯端末400mは、再起動プッシュ通知を受信すると通信用ソフトウェアを再起動する(S410)。「再起動」の意味は実施例1と同じである。なお、プッシュ送信装置150は、携帯端末4001,…,400Mなどを管理するサーバが行えばよい。また、プッシュ送信装置150はクラウド上のシステムで構成してもよい。例えば、パケット監視装置101と通信を行う装置と再起動プッシュ通知を送出する装置は、クラウド上に別々に存在してもよい。
【0021】
パケット監視装置101によれば、データ通信ネットワーク800内のパケットを監視し、休止状態を検出すると携帯端末400mの通信用ソフトウェアを再起動させる。よって、構内交換機900の製造メーカに依存することなく、携帯端末400mの通信用ソフトウェアが起動した状態を維持できる。したがって、電話通信ネットワーク990からの着信を、ユーザが認識できるように携帯端末400mから出力できる。
【0022】
[プログラム、記録媒体]
上述の各種の処理は、
図6に示すコンピュータ2000の記録部2020に、上記方法の各ステップを実行させるプログラムを読み込ませ、制御部2010、入力部2030、出力部2040、表示部2050などに動作させることで実施できる。
【0023】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
【0024】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0025】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0026】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
【符号の説明】
【0027】
100,101 パケット監視装置 110 休止状態検出部
120,125 再起動プッシュ送信部 121 再起動プッシュ依頼部
150 プッシュ送信装置 400m 携帯端末
800 データ通信ネットワーク 900 構内交換機
910 ルータ 990 電話通信ネットワーク
【要約】
【課題】電話通信ネットワークからの着信を、ユーザが認識できるように携帯端末から出力できるようにする。
【解決手段】本発明のパケット監視装置は、休止状態検出部と、再起動プッシュ送信部もしくは再起動プッシュ依頼部を備える。休止状態検出部は、携帯端末を特定する端末アドレスと当該携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する。再起動プッシュ送信部は、休止状態と判断したときに、端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示とを含む再起動プッシュ通知を送出する。再起動プッシュ依頼部は、休止状態を検出したときに、端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示とを含む再起動プッシュ通知を送出するプッシュ送信装置に、再起動プッシュ通知の送信を依頼する。
【選択図】
図1