(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】印刷注文受付システム、印刷注文受付方法、および印刷注文受付プログラム。
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230921BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230921BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
G06Q30/0601 340
G06Q50/10
H04N1/387 110
(21)【出願番号】P 2019120606
(22)【出願日】2019-06-27
【審査請求日】2022-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】518239824
【氏名又は名称】株式会社匠工房
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【氏名又は名称】西原 広徳
(72)【発明者】
【氏名】藤原 由樹
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-183538(JP,A)
【文献】特開2009-246792(JP,A)
【文献】特開2005-218034(JP,A)
【文献】特開2003-131855(JP,A)
【文献】特表2017-524207(JP,A)
【文献】特開2002-166608(JP,A)
【文献】特開2015-008540(JP,A)
【文献】特開2005-271537(JP,A)
【文献】特開2007-228010(JP,A)
【文献】特開2002-366312(JP,A)
【文献】特開2018-200547(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0106649(US,A1)
【文献】特開2013-98925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04N 1/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷対象である印刷対象物品の画像である印刷対象物品画像を記憶する記憶手段と、
前記印刷対象物品の選択を受け付ける印刷対象物品選択受付手段と、
前記印刷対象物品にカラー印刷する印刷デザイン画像を特定する印刷デザイン画像特定手段と、
前記印刷対象物品選択受付手段により選択された前記印刷対象物品の前記印刷対象物品画像と前記印刷デザイン画像特定手段により特定された前記印刷デザイン画像を合成することによって前記印刷対象物品に前記印刷デザイン画像がカラー印刷された状態のプレビュー画像を作成するプレビュー画像作成手段と、
前記プレビュー画像を表示するプレビュー画像表示手段と、
前記印刷対象物品に前記印刷デザイン画像を印刷した印刷物品の注文を受け付ける注文受付手段とを備え、
前記プレビュー画像作成手段は、前記印刷デザイン画像の少なくとも白色部分を透明に変換する透明化手段と、前記透明化手段による透明化を行った前記印刷デザイン画像を前記印刷対象物品画像の上に重ねて合成する合成手段とを有
し、
前記透明化手段は、前記印刷デザイン画像に対して輝度が高い画素ほど透明度を上げる透明度調整処理を実行する構成であり、
前記プレビュー画像は、輝度の高い画素に関しては背景となる印刷対象物品画像の色が濃く合成して表示され、輝度の低い画素に関しては背景となる印刷対象物品の色が薄く合成して表示されている
印刷注文受付システム。
【請求項2】
前記透明化手段は、前記印刷デザイン画像に対して輝度が高い画素ほど透明度を上げる透明度調整処理を実行する構成であ
り、
前記透明度調整処理は、前記印刷デザイン画像における白色部分については透明にする構成である
請求項1記載の印刷注文受付システム。
【請求項3】
前記印刷デザイン画像は、背景画像の上にアイテム画像を重ねた画像であり、
前記印刷対象物品画像の印刷可能領域を大きく表示する画質チェック画面と、
前記画質チェック画面を表示する画質チェックボタンを備え、
前記画質チェック画面は、プレビュー画像またはそれに含まれていた背景画像を表示して、印刷可能領域の全面に背景等を印刷できているかチェックでき、かつ、プレビュー画像または背景画像の位置を上下左右に調節できる機能を備えた
請求項2記載の印刷注文受付システム。
【請求項4】
前記透明化手段は、背景画像の上にアイテム画像を重ねた1つの前記印刷デザイン画像とした後に前記透明度調整処理を実行する
請求項3記載の印刷注文受付システム。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記印刷対象物品としてのスマートフォンケースの画像とTシャツの画像を前記印刷対象物品画像として記憶しており、
前記合成手段は、前記印刷対象物品画像が前記スマートフォンケースの画像と前記Tシャツの画像のいずれであっても前記透明化を行った前記印刷デザイン画像を前記印刷対象物品画像の上に重ねて合成する構成である
請求項4記載の印刷注文受付システム。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記Tシャツの画像、パーカーの画像、トレーナーの画像、バッグの画像、前記スマートフォンケースの画像、スマートフォン用ホルダーリングの画像、モバイルバッテリーの画像、電子タバコケースの画像及び携帯用鏡の画像を、前記印刷対象物品画像として種類別および色別に記憶している
請求項5記載の印刷注文受付システム。
【請求項7】
印刷対象である印刷対象物品の画像である印刷対象物品画像を記憶手段に記憶し、
前記印刷対象物品の選択を印刷対象物品選択受付手段により受け付け、
前記印刷対象物品にカラー印刷する印刷デザイン画像を印刷デザイン画像特定手段により特定し、
前記印刷対象物品選択受付手段により選択された前記印刷対象物品の前記印刷対象物品画像と前記印刷デザイン画像特定手段により特定された前記印刷デザイン画像を合成することによって前記印刷対象物品に前記印刷デザイン画像がカラー印刷された状態のプレビュー画像をプレビュー画像作成手段により作成し、
前記プレビュー画像をプレビュー画像表示手段により表示し、
前記印刷対象物品に前記印刷デザイン画像を印刷した印刷物品の注文を注文受付手段により受け付け、
前記プレビュー画像作成手段が、前記印刷デザイン画像の少なくとも白色部分を透明化手段により透明に変換し、前記透明化手段による透明化を行った前記印刷デザイン画像を前記印刷対象物品画像の上に合成手段により重ねて合成
し、
前記透明化手段が、前記印刷デザイン画像に対して輝度が高い画素ほど透明度を上げる透明度調整処理を実行し、
前記プレビュー画像は、輝度の高い画素に関しては背景となる印刷対象物品画像の色が濃く合成して表示され、輝度の低い画素に関しては背景となる印刷対象物品の色が薄く合成して表示されている
印刷注文受付方法。
【請求項8】
コンピュータを、
印刷対象である印刷対象物品の画像である印刷対象物品画像を記憶する記憶手段と、
前記印刷対象物品の選択を受け付ける印刷対象物品選択受付手段と、
前記印刷対象物品にカラー印刷する印刷デザイン画像を特定する印刷デザイン画像特定手段と、
前記印刷対象物品選択受付手段により選択された前記印刷対象物品の前記印刷対象物品画像と前記印刷デザイン画像特定手段により特定された前記印刷デザイン画像を合成することによって前記印刷対象物品に前記印刷デザイン画像がカラー印刷された状態のプレビュー画像を作成するプレビュー画像作成手段と、
前記プレビュー画像を表示するプレビュー画像表示手段と、
前記印刷対象物品に前記印刷デザイン画像を印刷した印刷物品の注文を受け付ける注文受付手段として機能させ、
前記プレビュー画像作成手段として、前記印刷デザイン画像の少なくとも白色部分を透明に変換する透明化手段として機能させ、前記透明化手段による透明化を行った前記印刷デザイン画像を前記印刷対象物品画像の上に重ねて合成する合成手段として機能させ
、
前記透明化手段が、前記印刷デザイン画像に対して輝度が高い画素ほど透明度を上げる透明度調整処理を実行し、
前記プレビュー画像は、輝度の高い画素に関しては背景となる印刷対象物品画像の色が濃く合成して表示され、輝度の低い画素に関しては背景となる印刷対象物品の色が薄く合成して表示されている
印刷注文受付プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、任意の印刷対象物品に任意の印刷デザイン画像を4できるような2システム、印刷注文受付方法、および印刷注文受付プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラープリンタの高画質化、低価格化により、ユーザの所有している記録媒体に記録されたデータなどを非常に手軽に印刷対象物品に印刷することができるようになっている。その方法は多岐にわたり、ユーザの所有する端末からネットワークを介して印刷の注文を受け付けるシステムも開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、印刷を行うに先立って、印刷の仕上がりイメージを示すプレビュー画像を表示する機能についても提案されている(特許文献2参照)。
【0004】
ここで、普通白色紙や光沢紙等の紙媒体に印刷するだけでなく、Tシャツやスマートフォンケースなど、利用者が使用する物品に利用者の求めるデザイン画像の印刷ができれば、利用者は自分の好みに合った物品を手に入れることが可能となる。
【0005】
しかしながら、こういった物品は、必ず全体が白色というわけでなく、様々な色のものが存在している。このように色のついている物品にデザイン画像の印刷を行うと、そのままのイメージで印刷できるとは限らず、むしろ異なるイメージに代わってしまうことが多い。これは、通常の印刷においては、白地の上に印刷することが想定されていることが原因である。すなわち、濃い色の物品に薄い色を印刷しても、下地となる物品の濃い色によって非常に見えづらいものとなる。
【0006】
このようなことを避けるためには、例えば、物品の表面に白色印刷をし、さらにその上にデザイン画像を印刷するといったことができる。これにより、デザイン画像の下地が白色になるため、デザイン画像の印象そのままに印刷することができる。
【0007】
しかしながら、白色印刷に高いコストがかかるという問題点と、白色印刷した上にデザイン画像を印刷した仕上がりが必ずしも利用者の望む仕上がりとは限らないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2006-268105号公報
【文献】特開2017-135492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、上述の問題に鑑みて、印刷対象物品の色に影響される実際の印刷物の仕上がりを印刷プレビューとして表示できる印刷注文受付システム、印刷注文受付方法、および印刷注文受付プログラムを提供し、利用者の満足度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、印刷対象である印刷対象物品の画像である印刷対象物品画像を記憶する記憶手段と、前記印刷対象物品の選択を受け付ける印刷対象物品選択受付手段と、前記印刷対象物品にカラー印刷する印刷デザイン画像を特定する印刷デザイン画像特定手段と、前記印刷対象物品選択受付手段により選択された前記印刷対象物品の前記印刷対象物品画像と前記印刷デザイン画像特定手段により特定された前記印刷デザイン画像を合成することによって前記印刷対象物品に前記印刷デザイン画像がカラー印刷された状態のプレビュー画像を作成するプレビュー画像作成手段と、前記プレビュー画像を表示するプレビュー画像表示手段と、前記印刷対象物品に前記印刷デザイン画像を印刷した印刷物品の注文を受け付ける注文受付手段とを備え、前記プレビュー画像作成手段は、前記印刷デザイン画像の少なくとも白色部分を透明に変換する透明化手段と、前記透明化手段による透明化を行った前記印刷デザイン画像を前記印刷対象物品画像の上に重ねて合成する合成手段とを有し、前記透明化手段は、前記印刷デザイン画像に対して輝度が高い画素ほど透明度を上げる透明度調整処理を実行する構成であり、前記プレビュー画像は、輝度の高い画素に関しては背景となる印刷対象物品画像の色が濃く合成して表示され、輝度の低い画素に関しては背景となる印刷対象物品の色が薄く合成して表示されている印刷注文受付システムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明により、印刷対象物品の色に影響される実際の印刷物の仕上がりを印刷プレビューとして表示できる印刷注文受付システム、印刷注文受付方法、および印刷注文受付プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】印刷注文受付システムのシステム構成を示すブロック図。
【
図10】印刷注文受付プログラムの制御部が実行する動作のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に説明する。
図1は印刷注文受付システム1の全体構成を示すブロック図である。
印刷注文受付システム1は、インターネット7に通信可能に接続された管理サーバ4、決済サーバ6、及び印刷装置5と、基地局3を介してインターネット7に接続可能に構成されたユーザ端末2とにより構成されている。
【0014】
ユーザ端末2は、スマートフォンやタブレット端末やノートパソコンなど、ユーザが携帯できる端末により構成されているが、デスクトップパソコンをユーザ端末2として利用することもできる。
【0015】
印刷注文受付システム1は、ユーザのユーザ端末2がインターネット7を介して管理サーバ80にアクセスし、スマートフォンケースやTシャツなどの印刷対象物品を適宜選択し、その印刷対象物品に印刷する印刷デザインを指定し、発注を行うと、決済サーバ6が決済を行い、印刷装置5が管理サーバ4からデータ受信して(このときデータ送信する管理サーバ4がデータ送信手段として機能する)ユーザに指定された印刷デザインをユーザに選択された印刷対象物品に印刷する処理が実行される構成となっている。
【0016】
図2は、ユーザ端末2の機能的構成を示すブロック図であり、
図3は、管理サーバ4の機能的構成を示すブロック図である。
ユーザ端末2および管理サーバ4は、共通のハードウェア要素として、制御部11,41、通信部18、48、記憶部16,47(記憶手段)を有している。
【0017】
制御部11,41は、CPUとROMとRAMを備え、CPUがROMや記憶部に記憶されているプログラムに従ってRAMを一次記憶領域として使用して各種動作を実行する。
【0018】
通信部18,48は、LANボードまたはWiFi通信ユニット等の有線または無線の通信機器で構成されて有線または無線での通信を実行する。なお、ユーザ端末2の通信部18は、4G通信ユニット、LTE通信ユニット、およびWiFi通信ユニット等の1または複数の無線の通信ユニットにより構成される。
【0019】
ユーザ端末2は、撮影部13と、入力部14と、表示部15をさらに備えている。
撮影部13は、デジタルカメラにより構成されており、静止画および動画の撮影を実行する。撮影した静止画や動画等の画像データは、記憶部16に画像データとして記憶される。
【0020】
入力部14は、表示部15に重ねて設けられたタッチパネル等の適宜の入力装置により構成されている。
表示部15は、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等の適宜の表示装置により構成されている。
【0021】
これにより、表示部15に表示された各種要素(選択用のボタン、移動用のスライダー、入力用のペン等)に対して入力部14としてのタッチパネル越しにタッチ操作することによって、ボタンの選択や表示の移動/拡大やフリーハンドでの記入や文字入力等の適宜の操作を実行でき、記憶部16に記憶された画像データ21の画像編集も実行できる。
【0022】
記憶部16には、画像データ21と、ユーザデータ22と、メールプログラム23と、印刷注文受付プログラム24が記憶されている。
画像データ21は、ユーザが撮影部13により撮影した撮影画像や、通信部18を介して受信した画像、あるいはこれらの画像が編集された画像など、適宜の画像が記憶されている。
【0023】
ユーザデータ22は、ユーザを識別するユーザID等の識別情報、ユーザの氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、クレジットカード番号等の決済情報、および過去の注文情報が記憶されている。なお、これらの情報は管理サーバ4で管理し、ユーザ端末2のユーザデータ22はユーザID等の識別情報のみとする構成としてもよい。
【0024】
メールプログラム23は、図示省略するメールサーバを介して電子メールの送受信を実行する。
【0025】
印刷注文受付プログラム24は、管理サーバ4にアクセスし、スマートフォンケースやTシャツなどの印刷対象物品を適宜選択し、その印刷対象物品に印刷する印刷デザインを指定し、発注を行い、さらに決済サーバ6による決済を行う動作を実行する。この印刷注文受付プログラム24は、図示省略するアプリケーション提供サーバからダウンロードして通信装置10にインストールされる。
【0026】
管理サーバ4は、入力部44と表示部45とをさらに備えている。
入力部44は、キーボードとマウス等の入力装置により構成されている。
表示部45は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の適宜のディスプレイにより構成されている。
【0027】
管理サーバ4の記憶部47には、印刷対象物品画像データ51、テンプレートデータ52、背景パターン作成用データ53、スタンプ画像データ54、ユーザ作成データ55、印刷注文処理プログラム56、およびメールプログラム57が記憶されている。
【0028】
印刷対象物品画像データ51は、印刷対象物品であるTシャツ、パーカー、トレーナー、バッグ、スマートフォンケース、スマートフォン用ホルダーリング、モバイルバッテリー、電子タバコケース及び携帯用鏡等の画像である印刷対象物品画像を記憶している。これらの印刷対象物品画像は、機種等の種類別、および色別に多数記憶されている。
【0029】
テンプレートデータ52は、各種印刷対象物品に背景として印刷できる背景画像のうちあらかじめ登録されているテンプレート画像が記憶されている。
【0030】
背景パターン作成用データ53は、背景パターン作成用のデータであり、例えば横ストライプで各横線の色合いや濃さを選択することによって横ストライプの模様を完成させるといったことが可能なデータが記憶されている。
【0031】
スタンプ画像データ54は、印刷可能範囲よりも小さい適宜の画像であり、例えばハートや星等のマークや野菜画像や果物画像や星座画像やジュエリー画像等のスタンプとして利用できる各種画像が記憶されている。また、そのまま使用するスタンプ画像だけでなく、シルエットが準備されていて色やグラデーション等をユーザが指定して加工可能なスタンプ画像も記憶されている。
【0032】
ユーザ作成データ55は、ユーザが作成したデザイン画像のデータが記憶されており、公開可能/公開不可の区別もデータ毎に記憶されている。
印刷注文処理プログラム56は、通信装置10からのアクセスを受け付け、印刷対象物品の選択、背景やスタンプ画像の指定、プレビュー、発注、および決済といった印刷注文処理を受け付ける。
【0033】
メールプログラム57は、図示省略するメールサーバを介して注文完了メールの送信等の電子メールの送受信を実行する。
【0034】
図4は、管理サーバ4の制御部41の全体的な機能を示す機能ブロック図であり、
図5は、一部の機能であるオリジナルウェア機能部64の詳細な機能を示す機能ブロック図である。管理サーバ4の制御部41は、印刷注文処理プログラム56によって動作し、ユーザ端末2の制御部11が印刷注文受付プログラム24によって管理サーバ4に送信したデータに応答する形で動作する。
【0035】
図4に示すように、制御部41は、メインメニュー機能部61、みんなのデザイン機能部62、オリジナルケース機能部63、オリジナルウェア機能部64、オリジナルグッズ機能部65、およびマイデザイン機能部66を備えている。
【0036】
メインメニュー機能部61は、図示省略するメインメニュー画面を表示する。このメインメニュー画面には、選択されると各機能部を起動させるボタンが設けられている。具体的には、みんなのデザイン機能部62を起動させるみんなのデザインボタン、オリジナルケース機能部63を起動させるオリジナルケースボタン、オリジナルウェア機能部64を起動させるオリジナルウェアボタン、オリジナルグッズ機能部65を起動させるオリジナルグッズボタン、およびマイデザイン機能部66(プレビュー画像受付手段)を起動させるマイデザインボタンが表示されている。
【0037】
みんなのデザイン機能部62は、図示省略するデザイン検索指定画面を表示し、他人が作成して公開したデザインを複数整列表示していずれか1つの指定を受け付ける。商品種別やキーワード等でデザインを検索することもできる。これによりデザインが指定されると、指定されたデザインに対して編集や印刷が可能なデザイン編集画面120を表示してその機能部に処理を渡す。例えばウェアのデザインが選択されたのであれば、デザイン編集画面120を表示してオリジナルウェア機能部64を起動する。
【0038】
オリジナルケース機能部63は、ケースの種類(色を含む)の選択、対応機種の選択を受け付け、これらで指定されたケースにデザインをするデザイン編集画面120を表示してデザイン編集を受け付ける。
【0039】
オリジナルウェア機能部64は、ウェアの種類の選択、ウエアの色の選択を受け付け、これらで指定されたウェアにデザインをするデザイン編集画面120を表示してデザイン編集を受け付ける。
【0040】
オリジナルグッズ機能部65は、オリジナルグッズの種類(スマートフォンのホルダーリング、鏡、スマートフォン用バッテリー)の選択、必要に応じて印刷対象物品適用対象の種類(スマートフォンのホルダーリングであればスマートフォンの色や機種)の選択を受け付け、これらで指定されたオリジナルグッズにデザインをするデザイン編集画面120を表示してデザイン編集を受け付ける。
【0041】
マイデザイン機能部66は、利用者自身が過去に作成したデザインを複数整列表示し、検索も受け付けて、任意のデザインの指定を受け付け、そのデザインを表示した状態でのデザイン編集画面120を表示してデザイン編集を受け付ける。
【0042】
図5に示すように、オリジナルウェア機能部64(
図4参照)は、印刷対象物品カテゴリ選択機能部71(印刷対象物品選択受付手段)、印刷対象物品種類選択機能部72(印刷対象物品選択受付手段)、背景デザイン指定機能部73(印刷デザイン画像特定手段)、アイテム画像指定機能部74(印刷デザイン画像特定手段)、プレビュー機能部75(プレビュー画像作成手段、プレビュー画像表示手段)、および注文機能部76(注文受付手段)を有している。
【0043】
印刷対象物品カテゴリ選択機能部71は、図示省略するカテゴリ選択画面を表示し、Tシャツやパーカーやトレーナーやトートバッグ等のカテゴリーの選択を受け付ける。
【0044】
印刷対象物品種類選択機能部72は、選択されたカテゴリーの商品を一覧表示する一覧表示画面(図示省略)を表示し、任意の商品の選択を受け付ける。ここで、一覧表示する商品は、例えば様々な色の色違い商品が一覧表示され、その中から選択される1つの色の商品となっている。
【0045】
背景デザイン指定機能部73は、選択された書類(色)の商品の背景を指定する背景指定画面110(
図6参照)を表示し、印刷するデザイン画像のうち少なくとも背景画像を選択させる処理を実行する。この背景デザイン指定機能部73は、テンプレート選択機能部73a、写真選択機能部73b、および背景パターン選択機能部73cを備えている。
【0046】
テンプレート選択機能部73aは、管理サーバ4の記憶部47に記憶されているテンプレートデータ52のうち、選択されている印刷対象物品に印刷可能なテンプレート画像を選択可能に一覧表示し、任意の1つのテンプレート画像の選択を受け付ける。
【0047】
写真選択機能部73bは、ユーザ端末2の記憶部16に記憶されているユーザデータ22内の写真画像を背景として選択許容する撮影済み写真画像選択機能と、撮影部13による撮影を実行してその撮影画像を背景として選択許容する撮影写真画像選択機能とを有している。
【0048】
背景パターン選択機能部73cは、管理サーバ4の記憶部47に記憶されている背景パターン作成用データ53を用いて背景パターンを作成する処理を実行する。この背景パターンの作成は、あらかじめ定められた1以上の着色可能部位を有するパターンシルエットをユーザが指定した色で着色し、背景パターン画像とすることで実行される。
【0049】
アイテム画像指定機能部74は、デザイン編集画面120(
図7参照)を表示して、スタンプ選択機能部74aによるスタンプ画像の選択、写真スタンプ選択機能部74bによる写真の選択、テキスト選択機能部74cによるテキストの選択を実行する。
【0050】
スタンプ選択機能部74aは、スタンプ画像データ54に記憶されている各種のスタンプ画像をスタンプ選択画面に表示してそのうち1つを選択許容して配置する機能を有している。
【0051】
写真スタンプ選択機能部74bは、写真スタンプ選択画面を表示してユーザデータ22内の写真画像の選択か撮影部13により撮影した撮影画像の選択を受け付けて、その写真画像(撮影画像)を配置する機能を有している。
【0052】
テキスト選択機能部74cは、テキスト入力画面を表示してテキストの入力を受け付け、入力されたテキストの色等の選択も受け付けて入力されたテキストを指定された色等で描く機能を有している。
【0053】
プレビュー機能部75は、作成されたデザイン画像(背景デザインの上にアイテム画像を重ねた画像)を印刷対象物品に印刷したイメージ画像を作成して表示する処理を実行する。このとき、背景デザイン(透明を含む)の上にアイテム画像を1または複数重ねた状態の複数のレイヤー画像を、1つの画像に統合(合成)して統合デザイン画像とし、この統合デザイン画像に対して、透明度調整処理(透明化手段)、彩度調整処理、および明度調整処理を実行する。なお、プレビュー昨日部75は、画像を統合(合成)して統合デザイン画像とする合成手段としても機能する。
【0054】
また、プレビュー機能部75は、デザイン画像における各レイヤーの画像について、解像度が低くて印刷に適さない状態の画像が存在する場合に、警告メッセージを表示する機能を有する。これにより、プレビュー画面では解像度の低さに気づかなかったが、印刷してみると解像度が低く粗い画像での印刷となってしまうことを防止できる。
【0055】
透明度調整処理は、統合デザイン画像における各画素について、輝度が高い画素ほど透明度を高くする処理である。具体的には、各画素の輝度に対して所定値を加算または乗算した値を透明度とする、あるいは、各画素の輝度をそのままその画素の透明度とするなど、適宜の設定とすることができる。
【0056】
彩度調整処理は、統合デザイン画像における各画素について、彩度を上げる処理である。具体的には、各画素について、彩度に対して所定値を加算あるいは乗算する、若しくは段階的に変化する所定値を加算あるいは乗算するなど、適宜の設定とすることができる。
【0057】
明度調整処理は、統合デザイン画像における各画素について、明度を下げる処理である。具体的には、各画素について、明度に対して所定値を減算あるいは除算する、若しくは段階的に変化する所定値を減算あるいは除算するなど、適宜の設定とすることができる。
【0058】
注文機能部76は、作成された統合デザイン画像を選択された被印刷物に印刷する注文を受け付ける処理を実行する。具体的には、統合デザイン画像の特定(実際には注文機能部76は統合デザイン画像が特定された状態でデータを受け取る)、印刷対象物品の選択、及び個数の選択等を受け付ける。支払方法等については、あらかじめそのユーザーに登録されたクレジットカードでの決済を行う、あるいはその都度に銀行振込や代金引換やクレジットカード支払い等の決済方法の選択を受け付けるなど、適宜の構成により実行する。注文機能部76は、クレジットカード情報等の印刷対象情報を適宜の印刷対象物品識別データに記憶している。
【0059】
図6は、ユーザ端末2の表示部15に表示されるテンプレート画像を選択する背景指定画面110画面の画面構成図である。
背景指定画面110は、前画面(図示省略する印刷対象物品選択画面)に戻る戻りボタン111(図示の例では「<色選択」と表記)と、テンプレート画像一覧表示部112と、写真画像選択移行ボタン115(変更手段)と、背景作成移行ボタン116(変更手段)を備えている。
【0060】
テンプレート画像一覧表示部112は、テンプレート選択機能部73a(
図5参照)により、多数のテンプレート適用画像113を一覧表示してそのうち1つを選択許容する。このときのテンプレート適用画像113は、印刷対象物品の画像である印刷対象物品画像113aの印刷可能領域にテンプレート画像113bを上から重ねて表示した画像となっている。これにより、ユーザは、デザイン画像であるテンプレート画像113bが印刷対象物品に印刷された状態のイメージでテンプレート画像113b(テンプレート適用画像113)を選択できる。
【0061】
写真画像選択移行ボタン115は、選択されると、写真選択機能部73b(
図5参照)により写真画像(撮影画像を含む)を選択する写真画像選択画面(図示省略)に移行する。
【0062】
背景作成移行ボタン116は、選択されると、背景パターン選択機能部73cにより背景パターンを選択あるいは作成する背景パターン選択画面(図示省略)に移行する。
【0063】
図7はユーザ端末2の表示部15に表示されるデザイン編集画面120の画面構成図である。
【0064】
デザイン編集画面120は、メインメニュー画面(図示省略)に戻るメニュー画面移行ボタン121と、デザイン画像を完成としてプレビュー画面150(
図9参照)に移行するプレビュー画面移行ボタン122と、デザイン画像の編集を受け付けるデザイン画像編集部123と、背景指定画面110(
図6参照)に移行する背景指定画面移行ボタン127aと、スタンプ選択機能部74aによるスタンプ選択画面を表示するスタンプ選択ボタン127bと、写真スタンプ選択機能部74bによる写真スタンプ選択画面を表示する写真スタンプ選択画面移行ボタン127cと、テキスト選択機能部74cによるテキスト入力画面を表示するテキスト入力画面移行ボタン127d、前画面に戻ることを受け付ける前画面移行ボタン127eを有している。
【0065】
デザイン画像編集部123は、画面の大部分を占めるように大きく構成されており、中央に印刷可能領域125が表示されている。この印刷可能領域125内の画像は全て通常の画像で表示され、印刷可能領域125の外側は半透明のマスクをかけたように通常より暗く表示される。また、デザイン画像編集部123は、複数の画像がレイヤーとして重ねて表示される構成となっており、印刷対象物品画像124がレイヤーにおける最後方に表示される。
【0066】
デザイン画像編集部123の右下角には、グリッドボタン128が設けられている。このグリッドボタン128は、選択される毎にサイズの異なる格子状のグリッド線を表示する。
【0067】
印刷可能領域125の内側には、背景画像126aの上にアイテム画像126b(テキスト画像、写真画像、スタンプ画像等)を重ねたデザイン画像126が表示されている。
【0068】
図8は、上述したデザイン編集画面120における編集中の表示であるデザイン編集中画面130の画面構成図である。
デザイン編集中画面130は、デザイン編集画面120の各要素を全て表示しているとともに、デザイン画像編集部123の内と下方に配置調整ボタン131~138を表示している。
【0069】
デザイン画像編集部123の上下左右の各中央部には、画像移動ボタン131(131a~131e)が設けられている。すなわち、デザイン画像編集部123の上部中央にはアイテム画像126bを上に移動させる画像上移動ボタン131aが設けられ、左部中央にはアイテム画像126bを左に移動させる画像左移動ボタン131bが設けられ、下部中央にはアイテム画像126bを下に移動させる画像下移動ボタン131cが設けられ、右部中央にはアイテム画像126bを右に移動させる画像右移動ボタン131dが設けられている。
【0070】
デザイン画像編集部123の四つ角には、画像回転ボタン132(132a~132b)と画像拡大縮小ボタン133(133a~133b)がそれぞれに配置して設けられている。
【0071】
左上には画像左回転ボタン132aが設けられ、選択されるとアイテム画像126bを所定角度左回転させる。
右上には画像右回転ボタン132bが設けられ、選択されるとアイテム画像126bを所定角度右回転させる。
【0072】
アイテム画像126bの周囲の四つ角には、左上に削除ボタン134、右上にレイヤー変更ボタン135、左下と右下にそれぞれサイズ角度変更ボタン136,136が設けられている。
【0073】
削除ボタン134は、選択されるとそのアイテム画像126bを画面上から削除し、デザイン画像126にそのアイテム画像126bがない状態とする。
【0074】
レイヤー変更ボタン135は、レイヤーの深さを変更するボタンであり、複数のアイテム画像126bが配置されている際に、選択される毎にそのアイテム画像126bのレイヤーの深さを変更する。これにより、前から順にどのアイテム画像126bを重ねて表示するのか重ね順を調節することができる。
【0075】
サイズ角度変更ボタン136は、選択されて移動させると、アイテム画像126bの中心位置を変更せずにサイズ角度変更ボタン136の移動された位置がそのサイズ角度変更ボタン136の角位置となるようにサイズ角度変更ボタン136のサイズと角度を変更する。
【0076】
デザイン画像編集部123の下方には、左から順に、レイヤー下移動ボタン138a、レイヤー上移動ボタン138b、左回転ボタン138c、右回転ボタン138d、反転ボタン138e、複製ボタン138f、およびフィルタボタン138gが設けられている。
【0077】
レイヤー下移動ボタン138aは、選択される毎に、アイテム画像126bのレイヤーを1つ下のレイヤーへ移動する。
レイヤー上移動ボタン138bは、選択される毎に、アイテム画像126bのレイヤーを1つ上のレイヤーへ移動する。
【0078】
左回転ボタン138cは、選択される毎に、アイテム画像126bを所定角度左に回転させる。
右回転ボタン138dは、選択される毎に、アイテム画像126bを所定角度右に回転させる。
【0079】
反転ボタン138eは、選択されると、アイテム画像126bを左右反転する。
複製ボタン138fは、選択されると、アイテム画像126bを複製し、複製したアイテム画像126bを少し右下に配置する。
フィルタボタン138gは、アイテム画像126bに対して明度の変更や彩度の変更等の適宜のフィルタをかける。
【0080】
図9は、ユーザ端末2の表示部15に表示されるプレビュー画面150の画面構成図である。
プレビュー画面150は、前画面に戻るための戻るボタン151と、プレビュー表示部152と、フィルタ選択部154と、フィルタ強度調節部155と、画質チェックボタン156と、画像保存ボタン157(プレビュー画像保存手段)と、注文ボタン158が設けられている。
【0081】
プレビュー表示部15は、印刷対象物品画像124の上に統合デザイン画像153が重ねて表示されている。この重ねて表示される統合デザイン画像153は、デザイン画像126の各レイヤーを1枚の画像に統合した画像であり、かつ、プレビュー機能部75により、透明度調整処理、彩度調整処理、および明度調整処理が施された画像である。したがって、統合デザイン画像153における白色部分は透明に表示され、統合デザイン画像153における白色に近い輝度の高い部分ほど透明度が高く表示される。これにより、統合デザイン画像153は、輝度の高い画素に関しては背景となる印刷対象物品画像124の色が濃く合成して表示され、輝度の低い画素に関しては背景となる印刷対象物品124の色が薄く合成して表示されることとなる。したがって、背景となる印刷対象物品124の上に実際に印刷した状態に非常に近い状態でプレビューできる。
【0082】
フィルタ選択部154は、統合デザイン画像153に対して明度フィルタや彩度フィルタ等の適宜のフィルタをかけるボタンである。
フィルタ強度調節部155は、フィルタ選択部154で選択されたフィルタを統合デザイン画像153にかける程度を調節するスライダーである。
【0083】
画質チェックボタン156は、印刷可能領域枠を大きく表示する画質チェック画面を表示する。この画質チェック画面は、統合デザイン画像153またはそれに含まれていた背景画像126aを表示して、印刷可能領域枠の全面に背景等を印刷できているかチェックでき、かつ、統合デザイン画像153または背景画像126aの位置を上下左右に調節できる機能を有している。
【0084】
画像保存ボタン157は、選択されると、作成された統合デザイン画像153と印刷対象物品画像124と共に管理サーバ4の記憶部47のユーザ作成データ55に記憶する。
【0085】
注文ボタン158は、選択されると、注文画面を表示する。この注文画面では、注文機能部76が、印刷対象物品の選択(型番や色やサイズの選択を含む)を受け付け、数量の指定を受け付けて注文処理を実行する。注文機能部76は、インターネット7を介して決済サーバ6に決済データ(クレジットカード情報や金額情報など)を、管理サーバ80に印刷注文データ(印刷対象物品と種類(型番やサイズや色など)と統合デザイン画像153を印刷用に変換した印刷用データを送信する。また、注文機能部76は、統合デザイン画像153から印刷用データを作成する印刷用データ作成処理を実行する。この印刷用データ作成処理は、RGBの画像を、CMYKの印刷用画像に変換し、印刷装置5で印刷できるファイル形式に変換する動作を実行する。これにより、印刷が受注され、管理サーバ4は、ユーザ端末2へ受注完了のメールを送信する。また、印刷装置5は、統合デザイン画像153が変換された印刷用データを受信し、この印刷用データを指定された印刷対象物品に印刷する処理を実行する。印刷完了した完成品は、ユーザの指定した住所へ発送される。
【0086】
図10は、ユーザのユーザ端末2の制御部21が動作開始し、それを受けて管理サーバ4の制御部41が実行する動作のフローチャートである。
制御部41は、メインメニュー機能部61によりメインメニューを表示する(ステップS1)。
【0087】
制御部41は、「みんなのデザイン」が選択されると(ステップS2:Yes)、みんなのデザイン機能部62による他者のデザインの検索・選択を受け付ける動作を実行する(ステップS3)。
【0088】
制御部41は、「オリジナルケース」が選択されると(ステップS4:Yes)、オリジナルケース機能部63によるケースデザイン作成処理(
図5と共に説明した各機能部によりケース(印刷対象物品)を作成する動作)を実行する(ステップS5)。
【0089】
制御部41は、「オリジナルウェア」が選択されると(ステップS6:Yes)、オリジナルウェア機能部64によるウェアデザイン作成処理(
図5と共に説明した各機能部によりウェア(印刷対象物品)を作成する動作)を実行する(ステップS7)。
【0090】
制御部41は、「オリジナルグッズ」が選択されると(ステップS8:Yes)、オリジナルグッズ機能部65によるグッズ作成処理(
図5と共に説明した各機能部により鏡やスマートフォン用ホルダーリング等のグッズ(印刷対象物品)を作成する動作)を実行する(ステップS9)。
【0091】
制御部41は、「マイデザイン」が選択されると(ステップS10:Yes)、マイデザイン機能部66による自己作成済みデザイン選択処理(ユーザ作成データ55に記憶されているデザイン画像を印刷対象物品に印刷して注文する処理)を実行する(ステップS11)。
【0092】
制御部41は、各処理(ステップS3,S5,S7,S9,S11)が完了するか、いずれも選択されない状態で(ステップS2:No,S4:No,S6:No,S8:No,S10:No)、注文されなければ(ステップS12:No)、ステップS1に処理を戻し、注文されれば(ステップS12:Yes)、注文機能部76による注文処理を実行し(ステップS13)、処理を終了する。
【0093】
以上の構成および動作により、印刷対象物品の色に影響される実際の印刷物の仕上がりを印刷プレビューとして表示できる印刷注文受付システム、印刷注文受付方法、および印刷注文受付プログラムを提供し、利用者の満足度を向上させることができる。
特に、実際の印刷物の仕上がりと仕上がりイメージを示す印刷プレビューの表示との誤差をより少なくすることができ、利用者の満足度を高めることができるとともに、印刷プレビューと実際の仕上がりが違うというクレームを防止することができる。
【0094】
詳述すると、画面上でデザイン画像126や統合デザイン画像153の白色は、何もしなければ、濃い色の印刷対象物品の上であっても白色で表示される。しかしながら、実際の印刷時には白色のインクはなく、白色は下地の白が見えているだけであるから、何も画像加工せずに白色以外の印刷対象物品に印刷をすると、白色に表示されていた部分は下地である印刷対象物品の色になる。そうすると、ユーザが画面上で確認した色とは異なる色で実際の商品が仕上がることとなる。
【0095】
これに対して、上述した実施例により、プレビュー時の統合画像データ156は、輝度に合わせて透明度が調整されているため、印刷対象物品が白であれば、元のデザイン画像126で白であった部分は白に見え、印刷対象物品が青や赤やグレー等の白色以外の物品であれば、元のデザイン画像126で白であった部分はその印刷対象物品の色に見える。したがって、実際の仕上がりのように見える。
【0096】
しかも、彩度を上げて、かつ、明度を下げてプレビュー画像を表示するため、単純に半透明(画素毎に様々な透明度)にすると実際よりも色味が違って見えるところを、実際の印刷に近い色味でプレビューすることができる。
【0097】
従って、ユーザのイメージ通りの仕上がりを実現することができ、ユーザは、印刷対象物品の色に合わせて背景や写真を変えたり、フィルターで変化をかけて、目的とする印刷対象物品の色に合った統合デザイン画像153を作成することもできる。
【0098】
こうして、ユーザは、様々な印刷対象物品に、様々なデザイン画像を印刷することができ、写真画像等を利用すれば、ユーザだけのオリジナルグッズを作成することができる。
【0099】
また、透明処理をせずに、白色印刷を施したうえで統合デザイン画像153を印刷すると、プレビューと仕上がりが近くとも白色印刷分だけ高コストになる。すなわち、白色印刷は他の色の印刷よりもコストが高いため、白色印刷を挟むだけで安価な提供はできなくなる。これに対して、白色印刷を利用せずに、プレビュー画像と実際の仕上がりを同じにできることによって、印刷対象物品にオリジナルのデザイン画像を印刷したユーザ独自の商品を安価に作詞して提供することができる。
【0100】
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、印刷注文受付システム1は、アプリケーションソフトでなく、WEBブラウザを介して動作する構成としてもよい。
【0101】
印刷対象物品は、印刷可能な品目であればよく、ユーザから印刷対象物品の持ち込みを許容することもできる。この場合は、印刷対象物品の写真を登録可能とすることが好ましい。
【0102】
印刷対象物品が濃色の場合や、印刷対象物品のカラーの影響を受けたくない場合などでは、白色のインクで一度プリントを行うことを許容する構成でも良い。この場合、白色印刷ありと、白色印刷なしを適宜の段階で選択できる構成とするとよく、デザイン作成前の印刷対象物品選択段階で、価格違いも明治した上で選択可能とすることが望ましい。この場合は、高くても白色の印刷部分が欲しいユーザーには、白色印刷をする形で提供することができる。なお、白色印刷有りでのデザイン作成の場合、プレビュー機能部75は、統合デザイン画像153に対して透明度調整処理、彩度調整処理、および明度調整処理を行わない構成とすればよい。これにより、白色印刷ありの仕上がりと同じ状態のプレビュー画像を表示できる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
この発明は、様々な印刷対象物品にユーザが好みの画像を印刷したオリジナル物品を提供する産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0104】
1…印刷注文受付システム
2…ユーザ端末
24…印刷注文受付プログラム
110…背景指定画面
112…テンプレート画像一覧表示部
113…テンプレート適用画像
115…写真画像選択移行ボタン
116…背景作成選択移行ボタン
120…デザイン編集画面
121…メニュー画面移行ボタン
122…プレビュー画面移行ボタン
123…デザイン画面編集部
124…印刷対象物品画像
125…印刷可能領域
126…デザイン画像
130…デザイン編集中画面
150…プレビュー画面
153…統合デザイン画像
156…画質チェックボタン
157…画像保存ボタン
158…注文ボタン