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特許7352410偏心検出装置、偏心調整装置、及び塗工装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】偏心検出装置、偏心調整装置、及び塗工装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 26/00 20060101AFI20230921BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20230921BHJP
   B05C 5/02 20060101ALI20230921BHJP
   B05C 13/00 20060101ALI20230921BHJP
   B05C 1/08 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
B65H26/00
B05C11/00
B05C5/02
B05C13/00
B05C1/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019150659
(22)【出願日】2019-08-20
(65)【公開番号】P2021030123
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000240341
【氏名又は名称】株式会社ヒラノテクシード
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 晨
(72)【発明者】
【氏名】戸倉 康裕
(72)【発明者】
【氏名】大下 博史
(72)【発明者】
【氏名】廉 本寧
(72)【発明者】
【氏名】福山 貴裕
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-077543(JP,A)
【文献】特開2018-024525(JP,A)
【文献】特開平09-192556(JP,A)
【文献】国際公開第2013/161252(WO,A1)
【文献】特開2007-083127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H26/00-26/08
B05C 1/00- 3/20
5/00- 5/04
7/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールと、
前記ロールを回転させるためのモータを含む駆動装置と、
前記駆動装置の駆動軸と前記ロールの回転軸を連結する連結部と、
前記連結部に設けられ、前記回転軸の回転トルクを計測するトルク計と、
前記トルク計が検出した回転トルクが基準トルク値より大きいときに前記駆動軸と前記回転軸とが偏心して連結されていると判断する制御部と、
を有する偏心検出装置。
【請求項2】
ロールと、
前記ロールを回転させるためのモータを含む駆動装置と、
前記駆動装置の駆動軸と前記ロールの回転軸を連結する連結部と、
前記連結部に設けられ、前記回転軸の回転トルクを計測するトルク計と、
前記ロールを前記回転軸と直交する方向に移動させる移動部と、
前記トルク計が検出した回転トルクが基準トルク値より大きいときに前記駆動軸と前記回転軸とが偏心して連結されていると判断し、検出する前記回転トルクが前記基準トルク値内になるように、前記ロールを前記移動部によって移動させる制御部と、
を有する偏心調整装置。
【請求項3】
前記回転軸に沿った方向を、3軸の直交座標系におけるy軸とした場合に、
前記移動部は、
前記ロールを軸方向に移動させる第1移動部と、
前記ロールを軸方向に移動させる第2移動部と、
を有する請求項2に記載の偏心調整装置。
【請求項4】
請求項3に記載の偏心調整装置を有した塗工装置であって、
基台と、
前記基台に取り付けられるユニット体と、
を有し、
前記ユニット体は、
前記ロールと、
前記第1移動部と、
前記第2移動部と、
前記ロールを走行するウエブに塗工液を塗工する塗工部と、
を有し、
前記基台には、前記駆動装置と前記連結部が設けられている、
塗工装置。
【請求項5】
前記第1移動部は、
前記基台から突出した左右一対の腕部と、
前記腕部の先端に設けられた持ち上げ凹部と、
前記ユニット体に設けられた左右一対の第1偏心カムと、
前記ユニット体に設けられ、前記第1偏心カムを回転させる第1カムモータと、
を有し、
前記第1偏心カムが前記持ち上げ凹部に載置され、前記第1カムモータで前記第1偏心カムを回転させることにより、前記ユニット体をz軸に沿って上下動させる、
請求項4に記載の塗工装置。
【請求項6】
左右一対の前記腕部の先端を上下方向に回転させる持ち上げ装置を有する、
請求項5に記載の塗工装置。
【請求項7】
前記第2移動部は、
前記ユニット体に設けられた左右一対の第2偏心カムと、
前記ユニット体に設けられ、前記第2偏心カムを回転させる第2カムモータと、
を有し、
前記第2偏心カムが前記基台の上下方向に直線状の端面に当接され、前記第2カムモータで前記第2偏心カムを回転させることにより、前記ユニット体をx軸方向に沿って前後方向に移動させる、
請求項4に記載の塗工装置。
【請求項8】
前記ユニット体を前記基台まで移動させる移動手段を有する、
請求項5に記載の塗工装置。
【請求項9】
前記塗工部は、ダイである、
請求項5に記載の塗工装置。
【請求項10】
前記塗工部は、グラビアコータ、又はリバースコータである、
請求項5に記載の塗工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏心検出装置、偏心調整装置、及び塗工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バックアップロールを走行するウエブにダイで塗工を行う場合には、バックアップロールの近傍にダイを配し、ダイ内部の液溜め部にポンプから塗工液を圧送し、この液溜め部に通じるダイの吐出口からウエブに塗工液を塗工する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5593967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような塗工装置において経時変化や組み付け精度などによって、バックアップロールの回転軸がロールモータなどの駆動装置の駆動軸との間に偏心が生じ、その回転精度が低下するという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、バックアップロールなどのロールの回転軸と駆動装置の駆動軸との偏心を検出できる偏心検出装置、この偏心検出装置を用いた偏心調整装置及びこの偏心調整装置を用いた塗工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の実施形態は、ロールと、前記ロールを回転させるためのモータを含む駆動装置と、前記駆動装置の駆動軸と前記ロールの回転軸を連結する連結部と、前記連結部に設けられ、前記回転軸の回転トルクを計測するトルク計と、前記トルク計が検出した回転トルクが基準トルク値より大きいときに前記駆動軸と前記回転軸とが偏心して連結されていると判断する制御部と、を有する偏心検出装置である。
【0007】
また、本発明の第2の実施形態は、ロールと、前記ロールを回転させるためのモータを含む駆動装置と、前記駆動装置の駆動軸と前記ロールの回転軸を連結する連結部と、前記連結部に設けられ、前記回転軸の回転トルクを計測するトルク計と、前記ロールを前記回転軸と直交する方向に移動させる移動部と、前記トルク計が検出した回転トルクが基準トルク値より大きいときに前記駆動軸と前記回転軸とが偏心して連結されていると判断し、検出する前記回転トルクが前記基準トルク値内になるように、前記ロールを前記移動部によって移動させる制御部と、を有する偏心調整装置である。
【0008】
また、本発明の第3の実施形態は、第2の実施形態の偏心調整装置を有した塗工装置であって、基台と、前記基台に取り付けられるユニット体と、を有し、前記ユニット体は、前記ロールと、前記第1移動部と、前記第2移動部と、前記ロールを走行するウエブに塗工液を塗工する塗工部と、を有し、前記基台には、前記駆動装置と前記連結部が設けられている、塗工装置である。
【発明の効果】
【0009】
ロールの回転軸の回転トルクが基準トルク値より大きいときに、駆動装置の駆動軸とロールの回転軸とが偏心していると判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態を示す塗工装置の側面図である。
図2】塗工装置の平面図である。
図3】バックアップロールとロールモータの関係を示す一部欠裁正面図である。
図4】腕部と第1偏心カムの関係を示す第1の図である。
図5】腕部と第1偏心カムの関係を示す第2の図である。
図6】腕部と第1偏心カムの関係を示す第3の図である。
図7】端面と第2偏心カムの関係を示す第1の図である。
図8】端面と第2偏心カムの関係を示す第2の図である。
図9】端面と第2偏心カムの関係を示す第3の図である。
図10】塗工装置のブロック図である。
図11】θ=0°における回転トルクの状態を示すグラフである。
図12】θ=0.19°における回転トルクの状態を示すグラフである。
図13】θ=0.28°における回転トルクの変化状態を示すグラフである。
図14】θ=0.38°における回転トルクの変化状態を示すグラフである。
図15】θ=0.47°における回転トルクの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態の偏心検出装置、偏心調整装置及びそれを用いた塗工装置10について図1図15を参照して説明する。
【0012】
(1)塗工装置10
塗工装置10について図1図3を参照して説明する。塗工装置10は、フィルム、布帛、紙、金属箔などの長尺状のウエブWに塗工液を塗工する塗工装置である。ここで、塗工装置10の位置と方向を表すために3軸の直交座標系を用い、前後方向がx軸方向、左右方向がy軸方向、上下方向がz軸方向とする。
【0013】
図1図2に示すように、塗工装置10は、基台12と、基台12まで前後方向に移動して取り付けられるユニット体14とより構成されている。
【0014】
(2)基台12
基台12は、図1図2に示すように、左右一対の脚部15,15を有し、この脚部15,15は水平な床に設置される。脚部15,15からは左右一対の壁体16,16が立設されている。左右一対の壁体16,16の上部の間には、4本の搬入ロール18,20,22,24が回転自在に左右方向(y軸方向)に配されている。また、左右一対の壁体16,16の上部には、搬出ロール26も回転自在に左右方向(y軸方向)に配されている。
【0015】
4本の搬入ロール18,20,22,24と搬出ロール26の下方において、左右一対の壁体16,16の後部には、図1に示すように、左右一対の取り付け凹部28,28が切り欠かれている。取り付け凹部28の後部にある端面30は上下方向(z軸方向)に直線状に形成されている。
【0016】
左右一対の壁体16,16の上部には、図1に示すように、左右一対の腕部32,32が支点34を中心に回転自在に設けられ、腕部32の前端上方には、持ち上げ装置40であるエアシリンダよりなる持ち上げ装置40が上下方向に設けられている。腕部32の後端は、壁体16から突出し、取り付け凹部28に囲まれた空間に位置している。腕部32の後端上部には三角状の持ち上げ凹部36が切り欠かれている。腕部32の前端には、回転軸38を介して持ち上げ装置40であるエアシリンダのシリンダ部42の下端が接続されている。この持ち上げ装置のシリンダ部42が上下動することにより腕部32が支点34を介して回転し、腕部32の持ち上げ凹部36が上下動する。
【0017】
(3)ユニット体14
次に、ユニット体14について図1図2を参照して説明する。
【0018】
ユニット体14は、図1図2に示すように、基台12の左右一対の脚部15,15の間に前後方向(x軸方向)に移動可能なようにコロとレール45などの移動装置44が、底部に設けられている。
【0019】
ユニット体14の上面には、図1図2に示すように、左右一対の支持部46,46が立設され、その間をバックアップロール48が回転自在に左右方向(y軸方向)取り付けられている。バックアップロール48は、ロールモータ70によって駆動する。
【0020】
ユニット体14の上面であってバックアップロール48の前方には、図1図2に示すように、塗工液をウエブWに塗工する塗工部であるダイ50が水平に設けられている。ダイ50は、バックアップロール48に抱えられたウエブWに塗工液を塗工する塗工位置と、塗工を停止しているときの退避位置に前後方向(x軸方向)に移動可能となっている。
【0021】
ユニット体14の左右両側面における上部には、図1図2に示すように、左右一対の第1偏心カム52,52が設けられている。この第1偏心カム52は、円板状であって、この円板の中心からずれた位置に第1カム軸54が設けられている。第1カム軸54は、第1カムモータ56によって回転自在となっている。第1偏心カム52が取り付けられている位置は、ユニット体14の上部であって、かつ、ユニット体14の前壁近傍であり、基台12から突出している腕部32の持ち上げ凹部36に対応する位置に設けられている。
【0022】
ユニット体14の左右両側部であって、ユニット体14の下部で、かつ、前部付近には、図1に示すように、第2偏心カム58が設けられている。この第2偏心カム58は円板状であって、第2カム軸60は、その円板の中心からずれた位置にある。第2カム軸60は、第2カムモータ62によって回転する。第2偏心カム58は、その一部がユニット体14の前面より突出し、壁体16の端面30に当接される。
【0023】
バックアップロール48を回転自在に支持する左右一対の支持部46,46には、バックアップロール48の左右一対のロール回転軸64を回転自在に支持するベアリング66が設けられている。
【0024】
図2図3に示すように、一方のベアリング66から突出したロール回転軸64には、リジット型のカップリング装置68が設けられている。また、バックアップロール48を回転させるロールモータ70と、ロールモータ70の回転速度を減速させる減速装置72は、基台12に設けられている。減速装置72から突出している駆動軸74は、ロール回転軸64と同一軸線上に配され、その先端にはリジット型のカップリング装置76が設けられている。カップリング装置76とカップリング装置68の間には、トルク計78が設けられている。なお、本実施形態では、ロールモータ70と減速装置72を合わせて駆動装置となる。
【0025】
(4)塗工装置10の電気的構成
次に、塗工装置10の電気的構成について図10のブロック図を参照して説明する。
【0026】
塗工装置10の制御部80には、ロールモータ70、トルク計78、第1カムモータ56、第2カムモータ62、持ち上げ装置が接続されている。
【0027】
(5)回転トルクと偏心との関係
本実施形態における目的は、ロールモータ70のロール回転軸64と、駆動装置であるロールモータ70と減速装置72の駆動軸74との偏心を検出することにある。そのため、本願の発明者は、駆動軸74とロール回転軸64とが偏心しているとどのような現象が起こっているかを実験し、ロール回転軸64の回転トルクに注目した。すると、駆動軸74の回転トルクが基準回転トルク内に納まっていない場合には、偏心していることを発見した。それを下記の実験で証明した。
【0028】
上記したように、ロール回転軸64と駆動軸74との間にトルク計78を設け、意図的に偏心角θ°を変化させてロール回転軸64の回転トルクを検出する実験を行った。この実験データを図11図15に示す。図11図15のグラフにおいて、縦軸がトルク計78の回転トルク、横軸が時間(秒)であり、駆動軸74の回転速度が100rpmである。
【0029】
図11図3におけるθ=0°の場合、図12はθ=0.19°、 図13はθ=0.28°、図14はθ=0.38°、図15はθ=0.47°である。
【0030】
この実験結果から明らかなように、ロール回転軸64と駆動軸74との偏心角θ°が大きくなればなるほど回転トルクが大きく振幅する。但し、偏心角θ°がトルク計78の最大ねじれ角以上になるとその振幅は閾値を超えてしまい計測不能となる。
【0031】
発明者はこの発見に基づいて、偏心角θ°が、所定角度以上偏心しないようにするために、検出する回転トルクに閾値として基準トルク値を定めることとした。例えば、図12に示すように基準トルク値=0.1(N・m)とすれば、検出した回転トルクが基準トルク値以下では偏心調整を行わず、それより大きくなれば偏心調整を行うこととした。次に偏心調整の方法について説明する。
【0032】
まず、ロールモータ70、減速装置72は、基台12に完全に固定され、駆動軸74はどの方向にも移動しないものとする。また、ロール回転軸64は、軸方向(y軸方向)に関しては移動がないものとする。そのため、偏心角θ°を調整するためには、ロール回転軸64をz軸方向とx軸方向にそれぞれ移動させて、回転トルクが最小になるようにする必要がある。
【0033】
そのために制御部80は、z軸方向にユニット体14を移動させ、バックアップロール48のロール回転軸64のz軸方向を調整する。z軸方向については、図4図5に示すように、制御部80が腕部32の持ち上げ凹部36に載置されている第1偏心カム52を第1カムモータ56で回転させ、上に最大L1、下に最大L1の範囲内でユニット体14を上下方向(z軸方向)に移動させ、最も回転トルクが小さい位置になるように、第1偏心カム52の回転をフィードバック制御する。
【0034】
次に、制御部80は、x軸方向にユニット体14を移動させ、バックアップロール48のロール回転軸64のx軸方向を調整する。x軸方向については、制御部80が第2カムモータ62によって端面30に当接されている第2偏心カム58を偏心回転させ、最初の基準距離をL0とした場合に、基台12の端面30に最大距離L0+L2、最小距離L0-L2範囲内でユニット体14を前後方向(x軸方向)に移動させ、最も回転トルクが小さい位置になるように、第2偏心カム58の回転をフィードバック制御する。
【0035】
これにより、ロール回転軸64と駆動軸74との偏心を少なくすることができる。
【0036】
(6)塗工装置10の動作状態
塗工装置10の動作状態について図1図3を参照して説明する。
【0037】
まず、図1に示すように、基台12の脚部15を水平な床に載置する。
【0038】
次に、図2図3に示すように、ユニット体14を移動装置44で取り付け凹部28まで移動させる。
【0039】
次に、図1に示すように、左右一対の腕部32で、取り付け凹部28に載置されているユニット体14の第1偏心カム52をz軸方向に所定の高さまで持ち上げる。この場合に第2偏心カム58が、壁体16の端面30に常に当接しているようにする。
【0040】
次に、図2図3に示すように、カップリング装置68とカップリング装置76で駆動軸74、トルク計78、ロール回転軸64をほぼ同一軸線上に連結する。
【0041】
次に、図3に示すように、上記したように偏心調整を第1偏心カム52と第2偏心カム58をそれぞれ回転させ、偏心角θ°が所定角度以内に納まるようにフィードバック制御する。
【0042】
次に、図1図2に示すように、ウエブWを搬入ロール18、20、22、24に通過させバックアップロール48に抱き抱えるようにして架け渡し、搬出ロール26から塗工装置10の外に走行できるようにする。
【0043】
次に、図1に示すように、ダイ50をバックアップロール48のウエブWに塗工間隔を空けて配置する。
【0044】
次に、図1図2に示すように、バックアップロール48をロールモータ70で所定の搬送速度で搬送させつつ、ダイ50から塗工液をウエブWの表面に塗工する。
【0045】
(7)効果
本実施形態によれば、トルク計78で計測している回転トルクから、駆動軸74とロール回転軸64との偏心角θ°を検出できる。
【0046】
また、装置の設置のとき、又は、設置後に定期的に偏心角θ°を検出し、その偏心角が所定角度内に納まるように第1偏心カム52と第2偏心カム58によってユニット体14を移動させることにより、設置時、又は、経年変化による駆動軸74とロール回転軸64との偏心を少なくできる。
【変更例】
【0047】
上記実施形態では、ロールとしてバックアップロール48で説明したが、モータで回転するロールであれば、塗工装置に用いられるものに限らず、他のロールでもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、塗工部としてダイを用いたがこれに代えてバックアップロール48の近傍にグラビアコータ、又はリバースコータを用いてもよい。
【0049】
また、ユニット体14を移動させる移動装置44としては、コロ以外に油圧シリンダやその他の装置を用いてもよい。
【0050】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
10・・・塗工装置、12・・・基台、14・・・ユニット体、16・・・壁体、28・・・取り付け凹部、30・・・端面、32・・・腕部、34・・・支点、36・・・持ち上げ凹部、38・・・回転軸、40・・・持ち上げ装置、48・・・バックアップロール、50・・・ダイ、52・・・第1偏心カム、58・・・第2偏心カム、64・・・ロール回転軸、68・・・カップリング装置、70・・・ロールモータ、72・・・減速装置、74・・・駆動軸、76・・・カップリング装置、78・・・トルク計、80・・・制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15