(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】自動洗浄便座組立品
(51)【国際特許分類】
A47K 13/30 20060101AFI20230921BHJP
【FI】
A47K13/30 Z
(21)【出願番号】P 2019543980
(86)(22)【出願日】2019-07-26
(86)【国際出願番号】 US2019043725
(87)【国際公開番号】W WO2021021088
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】519293128
【氏名又は名称】オート クリーニング トイレット シート ユーエスエー、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ドッラ、マクシモー
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-183062(JP,A)
【文献】米国特許第08776278(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00-17/02
E03D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器、および前記便器に結合される便座であり、中央開口部を画定し、かつ遠位空間不連続部を画定する前端、後端、上面、内周面、および外周面を含む前記便座を有するトイレであって、
内面、および前記内面に対向する外面を有するカバーであり、
前記カバーは、後端、前端、両側に外側壁および内側壁が配置された上壁を含み、前記外側壁および前記内側壁両方は向かい合って前記上壁から下方に延在し、流体移送管路を画定する内面を有し、
前記カバーは、前記カバーの前記上壁の一部分を画定し、かつ前記カバーの前記前端の近位に配設されるエアデフレクタを含み、前記エアデフレクタは、合流し、かつ前記カバーの前記上壁から離れて下方に延在する2つの対向面を含み、
前記カバーは、カバー移動路に沿った第1の位置および第2の位置を有し、前記第1の位置は、
前記便座を取り囲む前記カバー、
前記便座の前記後端から前記便座の前記前端の方へ、前記便座の前記外周面の輪郭を連続して描く、前記外側壁の前記内面、
前記便座の前記後端から前記便座の前記前端の方へ、前記便座の前記内周面の輪郭を連続して描く、前記内側壁の前記内面、および、
前記便座の前記前端に配設される前記遠位空間不連続部に向かう向きで合流する、前記エアデフレクタの前記2つの対向面を含み、
前記カバーは、前記流体移送管路に流体的に結合される少なくとも1つの液体開口部を画定し、かつ前記流体移送管路に流体的に結合される少なくとも1つの気体開口部を画定し、前記流体移送管路は、前記カバーが前記第1の位置にある時、前記便座の前記後端から前記便座の前記前端に及び、前記便座の前記前端に配設される前記遠位空間不連続部で終止する、カバーと、
前記カバーが前記第1の位置にある時、液状物質を液体源から、前記少なくとも1つの液体開口部を通して、前記便座の前記上面の一部分上に吐き出させ、ガス状物質の誘起流を気体源から、前記少なくとも1つの気体開口部を通して、前記流体移送管路を通して前記液状物質を移送するのに十分な速度で、前記便座の上面上で吐き出させるように動作可能に構成され、前記遠位空間不連続部を通して前記便座の前記前端に配設される電気システムと、を含む
ことを特徴とするトイレ。
【請求項2】
前記エアデフレクタは、エアデフレクタの長さを画定するように縦方向において前記外側壁から前記内側壁に及ぶ
請求項1に記載のトイレ。
【請求項3】
前記エアデフレクタの前記2つの対向面は、前記エアデフレクタの長さに沿って前記上壁から均一の距離で配設される共通端点へと合流する
請求項2に記載のトイレ。
【請求項4】
前記エアデフレクタは、前記エアデフレクタの質量中心を通る中心軸をさらに画定して、前記中心軸を中心に前記エアデフレクタを2つの部分に二等分し、2つの部分のそれぞれは、配設されている前記2つの対向面のうちの1つを有し、かつ互いに対して対称的に構成される
請求項1に記載のトイレ。
【請求項5】
前記エアデフレクタの前記2つの対向面は弓形形状のものである
請求項1に記載のトイレ。
【請求項6】
前記エアデフレクタは、前記カバーの前記上壁上に、前記カバーの前記前端に配設され、前記外側壁の前記内面の一部を形成する
請求項1に記載のトイレ。
【請求項7】
前記エアデフレクタの前記2つの対向面は、前記外側壁の前記内面から離れて合流する
請求項1に記載のトイレ。
【請求項8】
前記第1の位置は、前記便座の前記後端から前記便座の前記前端の方へ、前記便座の前記内周面の輪郭を連続して描いて、前記便座の前記前端に配設される吐出開口部を画定する、前記内側壁の前記内面をさらに含む
請求項1に記載のトイレ。
【請求項9】
前記カバーは、この上で画定され、かつ前記カバーの前記後端に配設される2つの気体開口部をさらに含み、前記2つの気体開口部は、向かい合い、かつそれぞれ、前記流体移送管路の異なる側部の方へ対応して向けられる
請求項1に記載のトイレ。
【請求項10】
前記カバーは、前記カバーの前記後端において前記上壁から下方に延在して、前記流体移送管路を第1の側部流体移送管路および第2の側部流体移送管路に分割し、前記第1の側部流体移送管路および前記第2の側部流体移送管路は、それぞれ、前記カバーが前記カバー移動路に沿った前記第1の位置にある時、前記便座の側部上面のうちの1つにわたって配設される
請求項9に記載のトイレ。
【請求項11】
前記第1の側部流体移送管路および前記第2の側部流体移送管路は、それぞれ、前記カバーの前記前端におけるまたはこれの近位の幅がテーパ状になる
請求項10に記載のトイレ。
【請求項12】
前記吐出開口部は単一開口部である
請求項8に記載のトイレ。
【請求項13】
前記内側壁の前記内面の一部分は、前記便座の前記後端から前記前端へと前記便座の前記内周面の輪郭を連続して描き、単一の前記吐出開口部は、前記内側壁の前記一部分および前記カバーの前記上壁の間に置かれる
請求項12に記載のトイレ。
【請求項14】
前記カバーの前記上壁に結合され、前記単一の吐出開口部から延在し、前記カバーが前記カバー移動路に沿った前記第1の位置にある時前記便器の方へ向けられる内面を有する上部フードをさらに含む
請求項13に記載のトイレ。
【請求項15】
前記エアデフレクタの前記2つの対向面は、前記吐出開口部の質量中心によって画定される吐出開口軸線と実質的に整合したエアデフレクタ接合部を形成するために合流する
請求項14に記載のトイレ。
【請求項16】
内面、および前記内面に対向する外面を有するカバーを含み、
前記カバーは、後端、前端、便座の外周面の輪郭を描くように動作可能に構成される外側壁、および、前記便座の内周面の輪郭を動作可能に描くように動作可能に構成される内側壁が両側に配置された上壁を含み、前記外側壁および前記内側壁両方は向かい合って、前記上壁から下方に延在し、流体移送管路を画定する内面を有し、
前記カバーは、前記カバーの前記上壁の一部分を画定し、かつ前記カバーの前記前端の近位に配設されるエアデフレクタを有し、前記エアデフレクタは、合流し、前記カバーの前記上壁から離れて下方に延在し、エアデフレクタの長さを画定するように縦方向において前記外側壁から前記内側壁に及ぶ2つの対向面を含み、前記エアデフレクタの前記2つの対向面は、前記エアデフレクタの長さに沿って前記上壁から均一の距離で配設される共通端点へと合流し、
前記カバーは、前記流体移送管路に流体的に結合される少なくとも1つの液体開口部を画定し、かつ前記カバーの前記後端から前記カバーの前記前端に及ぶ前記流体移送管路に流体的に結合される少なくとも1つの気体開口部を画定する
ことを特徴とする便座洗浄組立品。
【請求項17】
液状物質を液体源から、前記少なくとも1つの液体開口部を通して吐き出させ、かつガス状物質の誘起流を気体源から、前記少なくとも1つの気体開口部を通して吐き出させるように動作可能に構成される電気システムをさらに含む
請求項16に記載の便座洗浄組立品。
【請求項18】
前記エアデフレクタは、前記エアデフレクタの質量中心を通る中心軸をさらに画定して、前記中心軸を中心に前記エアデフレクタを2つの部分に二等分し、2つの部分のそれぞれは、配設されている前記2つの対向面のうちの1つを有し、かつ互いに対して対称的に構成される
請求項16に記載のトイレ便座洗浄組立品。
【請求項19】
前記エアデフレクタの前記2つの対向面は弓形形状のものである
請求項18に記載の便座洗浄組立品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年2月22日に出願された特許文献1の優先権を主張する、2017年6月14日に出願された特許文献2の一部継続出願でありかつ優先権を主張する、2017年11月20日に出願された特許文献3の一部継続出願でありかつ優先権を主張するものであり、これら特許出願全ての内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、便座洗浄システムに関し、より詳細には、便座の上面を自動的に洗浄するための組立品に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの他の既知の便座水洗組立品がある。これらの組立品の大部分は、正しく機能するように多数の構成部品の使用を採り入れている。これらの多数の構成部品は、使用者がメンテナンスおよび設置に費やすかなりの時間を必要とする。また、これらの組立品の多くは、動作時に回転しかつ移動する構成部品を有することで、より故障が生じやすい。これらの組立品がより故障しやすいだけでなく、より費用が掛かり、洗浄工程中に該組立品の正確な制御で操作するのが困難である。例えば、いくつかの既知の組立品は、便座を洗浄する回転アームを有するが、これらのアームは、特定の使用者にとって望ましいさまざまな洗浄サイクルを生じさせるための制御または最適化が不可能である。これらの既知の組立品による追加の構成部品の使用はまた、大部分の使用者および/または他の消費者にとって概して高費用となり、設置および維持に多くの時間/コストを要する。
【0004】
さらに、多くの既知の便座洗浄組立品は、真円形である便座を効果的にかつ効率的に洗浄するおよび/または衛生処理するように正しく構成することが不可能であるまたは構成されない。具体的には、いくつかの既知の便座洗浄組立品は、便座付近に洗浄液を逐次的に放出するように設計され、この洗浄液はその後、便器内に流出するように設計される。しかしながら、これらのシステムでは、洗浄液の残留が残ることが多い、および/またはかなりの量の流体の放出を必要とする。そのため、便座は、不利には、使用者による使用のために即座に準備されない、および/または経済的ではない。さらに、多くの既知の便座洗浄組立品は、もっぱらU字形便座によって作動するように設計され、それによって、上記の組立品は、円形便座による使用には効果的ではないまたは実用的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許仮出願第62/462,031号
【文献】米国特許出願公開第2017/037519号
【文献】米国特許出願公開第2017/062606号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この一般的なタイプの既知の装置および方法の上記の不利点を克服する自動洗浄便座組立品を提供する。本発明は、便座を洗浄するおよび/または衛生処理するための効果的かつ効率的な組立品および方法を提供する。具体的には、前述のおよび他の目的を考慮して、本発明によると、便器、および便器に結合される便座であって、中央開口部を画定し、かつ遠位空間不連続部を画定する前端、後端、上面、内周面、および外周面を含む便座を有するトイレと組み合わせて、これらと関連している改良トイレが提供される。この改良トイレは、内面、および内面に対向する外面を有するカバーを含む。カバーは、後端、前端、両側に外側壁および内側壁が配置された上壁を含み、外側壁および内側壁両方は向かい合って上壁から下方に延在し、流体移送管路を画定する内面を有する。カバーは、カバーの上壁の一部分を画定し、かつカバーの前端の近位に配設されるエアデフレクタを含む。エアデフレクタは、合流し、かつカバーの上壁から離れて下方に延在する2つの対向面を含む。カバーはまた、カバー移動路に沿った第1の位置および第2の位置を含み、第1の位置は便座を取り囲むカバーを含み、外側壁の内面は便座の後端から便座の前端の方へ便座の外周面の輪郭を連続して描き、内側壁の内面は便座の後端から便座の前端の方へ便座の内周面の輪郭を連続して描き、エアデフレクタの2つの対向面は、便座の前端に配設される遠位空間不連続部に向かう向きで合流する。カバーはまた、流体移送管路に流体的に結合される少なくとも1つの液体開口部、および流体移送管路に流体的に結合される少なくとも1つの気体開口部を画定し、流体移送管路は、カバーが第1の位置にある時、便座の後端から便座の前端に及び、便座の前端に配設される遠位空間不連続部で終止する。改良トイレはまた、カバーが第1の位置にある時、液状物質を液体源から、少なくとも1つの液体開口部を通して、便座の上面の一部分上に吐き出させ、ガス状物質の誘起流を気体源から、少なくとも1つの気体開口部を通して、流体移送管路を通して液状物質を移送するのに十分な速度で、便座の上面上で吐き出させるように動作可能に構成され、遠位空間不連続部を通して便座の前端に配設される電気システムを有するカバー組立品を含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
また、本発明によると、便座洗浄組立品は、内面、および内面に対向する外面を有するカバーを有し、カバーは、後端、前端、便座の外周面の輪郭を描くように動作可能に構成される外側壁、および、便座の内周面の輪郭を描くように動作可能に構成される内側壁が両側に配置された上壁を含み、外側壁および内側壁両方は向かい合って、上壁から下方に延在し、流体移送管路を画定する内面を有する。カバーは、カバーの上壁の一部分を画定し、かつカバーの前端の近位に配設されるエアデフレクタも含み、エアデフレクタは、合流し、カバーの上壁から離れて下方に延在し、エアデフレクタの長さを画定するように縦方向において外側壁から内側壁に及ぶ2つの対向面を含み、エアデフレクタの2つの対向面は、エアデフレクタの長さに沿って上壁から均一の距離で配設される共通端点へと合流する。カバーはまた、流体移送管路に流体的に結合される少なくとも1つの液体開口部を画定し、かつカバーの後端からカバーの前端に及ぶ流体移送管路に流体的に結合される少なくとも1つの気体開口部を画定することができる。
【0008】
本発明によって提供される便座は、要求に応じて、トイレを洗浄するための洗浄液を含有しかつ放出する装置を含んでよい。この洗浄液放出装置は、実質的に便座のまたは便座上のどこか、例えば、トイレの裏側、トイレの左側もしくはトイレの右側、トイレの内側、トイレの外側、または便座の空洞内に、配置させるまたは位置することが可能である。さらに、洗浄液放出装置は、トイレの外側にあってよく、必要に応じて、共にまたは別個に、本発明のいくつかの自動洗浄便座にこのような洗浄液を提供することが可能である。
【0009】
本発明は、本明細書において、自動洗浄便座組立品において具現化されるように示されかつ説明されているが、それにもかかわらず、本発明の趣旨から逸脱することなく、また特許請求項の等価物の範囲および領域内で、さまざまな修正および構造的変更が本明細書においてなされてよいため、示される詳細に限定されることは意図されていない。さらに、本発明の例示の実施形態の周知の要素は、詳細に説明されることはなく、すなわち、本発明の関連の詳細を不明瞭にしないために省略される。
【0010】
本発明の特性とみなされる他の特徴は、添付の特許請求の範囲に示されている。要求に応じて、本発明の詳細な実施形態は本明細書に開示されているが、開示された実施形態が本発明の単なる例示であり、さまざまな形態で具現化可能であることは理解されたい。従って、本明細書に開示される具体的な構造的および機能的詳細は、限定的であると解釈されないものとし、単に、特許請求項の基礎として、および実質的には任意の適切に詳述された構造において本発明をさまざまに採用するように当業者に教示するための典型的な基礎として解釈されるものとする。さらに、本明細書で使用される用語および語句は、限定することが意図されるものではなく、むしろ、本発明の理解可能な説明を提供することが意図されている。本明細書は新規とみなされる本発明の特徴を定める特許請求の範囲で結論付けられているが、本発明は、描写図と併せて以下の説明を検討することによってより良く理解されるものであることが考えられ、該図では同様の参照番号は持ち越される。図面の図形は一定の尺度で描かれない。
【0011】
本発明を開示しかつ説明するにあたって、本明細書で使用される専門用語が特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定的であると意図されるものではないことは理解されたい。本明細書で使用される「a」または「an」という用語は、1つまたは複数と定義される。本明細書で使用される「複数(plurality)」という用語は、2つまたは2つ以上と定義される。本明細書で使用される「別の(another)」という用語は、少なくとも第2またはそれ以上と定義される。本明細書で使用される「含む(including)」および/または「有する(having)」という用語は、備える(comprising)(すなわち、オープンランゲージ)と定義される。本明細書で使用される「結合される(coupled)」という用語は、接続されると定義されるが、必ずしも直接でもなく、また必ずしも機械的にというわけでもない。「提供する(providing)」という用語は、本明細書において広義で、例えば、一度またはある期間にわたって、全体または複数の部分において、物理的存在にする/なる、利用可能にする、および/または誰かまたは何かに供給すると定義される。
【0012】
本明細書で使用されるように、「約(about)」または「およそ(approximately)」という用語は、明確に指示されているか否かにかかわらず数値全てに適用される。これらの用語は一般的に、当業者が列挙された値と同等である(すなわち、同じ機能または結果を有する)とみなすと思われる数の範囲を指す。多くの事例では、これらの用語は、最も近い有効数字に丸められる数を含んでよい。本明細書では、「縦方向」という用語は、便座の後部から便座の前部に及ぶ便座の長手方向に対応する方向を意味すると理解されるべきである。本明細書で使用される「プログラム」および「ソフトウェアアプリケーション」などの用語は、コンピュータシステム上で実行するように設計される命令シーケンスと定義される。「プログラム」、「コンピュータプログラム」、または「ソフトウェアアプリケーション」は、サブルーチン、関数、手順、オブジェクト方法、オブジェクト実装、実行可能なアプリケーション、アプレット、サーブレット、ソースコード、オブジェクトコード、共有ライブラリ/動的負荷ライブラリ、および/またはコンピュータシステム上での実行のために設計される他の命令シーケンスを含んでよい。
【0013】
上記のおよび他の関連の目的を考慮して、本発明は、添付の図面と併せて読むと、以下の説明からさらに十分に理解されるように各部分の構成および組み合わせの細部にある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の1つの実施形態による、閉位置におけるカバーを有する便座カバー組立品の等角および部分図である。
【
図2】開位置における
図1のカバー組立品の等角および部分図である。
【
図6】切断線5-5による
図5のカバー組立品の断面図である。
【
図7】本発明の1つの実施形態による、便座カバー組立品の分解図である。
【
図8】本発明の1つの実施形態による、カバーが閉位置にある
図7のカバー組立品の等角および部分図である。
【
図9】本発明の別の実施形態による、カバー組立品の上面図である。
【
図10】本発明の1つの実施形態による、
図7のカバー組立品におけるカバーの底部の平面図である。
【
図12】切断線11-11による
図11のカバー組立品の断面図である。
【
図13】本発明の別の実施形態による、便座カバー組立品の底面斜視図である。
【
図14】カバー組立品の前端の断面による
図13のカバー組立品の断面図である。
【
図15】カバー組立品の縦中央断面による
図13のカバー組立品の断面図である。
【
図16】便座を自動的に洗浄する例示のステップを示す工程フロー図である。
【
図17】本発明の別の実施形態による、便座カバー組立品の底面等角図である。
【
図18】
図17における便座カバー組立品の上部分の底面等角図である。
【
図19】
図17における便座カバー組立品の底面部分の上面等角図である。
【
図20】
図17における便座カバー組立品の上面等角図である。
【
図21】
図20における便座カバー組立品の切断線20-20による断面図である。
【
図22】
図20における便座カバー組立品の切断線21-21による断面図である。
【
図23】本発明の別の実施形態による、
図20における便座カバー組立品の切断線21-21による断面図である。
【
図24】本発明の別の実施形態による、便座カバー組立品の上部分の底面等角図である。
【
図25】本発明のさらに別の実施形態による、便座カバー組立品の上部分の底面等角図である。
【
図26】本発明の別の実施形態による、カバー移動路に沿った第2の位置における便座カバー組立品の上部分の上面等角図である。
【
図27】カバー移動路に沿った第1の位置での
図26における便座カバー組立品の上部分の上面等角図である。
【
図28】カバー移動路に沿った第1の位置での
図26の便座カバー組立品および便座の上部分の上面等角図である。
【
図29】
図26における便座カバー組立品の切断線26-26による断面図である。
【
図30】本発明の別の実施形態による、便座カバー組立品の上部分の底面等角図である。
【
図31】本発明の別の実施形態による、便座カバー組立品の上部分の別の底面等角図である。
【
図32】本発明の別の実施形態による、カバー移動路に沿った第2の位置における便座カバー組立品の斜視図である。
【
図33】便座カバー組立品のエアデフレクタを示す、本発明のさらに別の実施形態による、便座カバー組立品の上部分の底面等角図である。
【
図34】便座カバー組立品のエアデフレクタを示す、本発明による便座カバー組立品の別の等角図である。
【
図35】本発明の便座カバー組立品が、カバー移動路に沿った第1の位置にある、便座カバー組立品のエアデフレクタの別の等角図である。
【
図36】カバー移動路に沿った第1の位置における便座カバー組立品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本出願において特許請求される自動便座洗浄システムなどの発明がかなり望ましいが、これは使用前に便座を殺菌するからであることは明らかである。さらに、特許請求される発明は、不連続部を有するか否かは別にして、円形および/または楕円形便器で使用して、上記の便座の上面を効果的に洗浄および/または殺菌することが可能である。本発明はまた、最小の部品およびエネルギーを利用する洗浄および/または殺菌の有効性を達成する。
【0016】
明細書は新規とみなされる本発明の特徴を定める特許請求の範囲で結論付けられているが、本発明は、描写図と併せて以下の説明を検討することによってより良く理解されるものであることが考えられ、該図では同様の参照番号は持ち越される。開示される実施形態が、さまざまな形態で具現化可能である、本発明の単なる例示であることは理解されたい。
【0017】
図1~
図3をここで参照し、上で参照される組み込まれた開示を利用して、本発明の実施形態が示される。
図1~
図3は、本発明のいくつかの有利な特徴を示すが、後述されるように、本発明は、いくつかの形状、サイズ、特徴および構成部品の組み合わせ、および構成部品の変動する数および機能で提供可能である。自動洗浄便座組立品100の第1の例は、
図1~
図3に示されるように、上部カバー部分102および底部カバー部分300を含む。カバー組立品100は、円形または輪状の便座200、および/または
図7を簡潔に参照して、不連続部702を画定する便座700と組み合わせて作動するように設計される。具体的には、既知の便座洗浄組立品と違って、特許請求される組立品100は、多くの使用者および/または消費者によって所望される効率的なやり方で、便座200の上面202付近に放出または吐き出される流体の移動をもたらすように設計される。カバーが閉位置にある時に流体流が漏れないようにするために、上部カバー部分102および底部カバー部分300は、例えば、部分102、300の周囲の一部分または全てに及ぶ、ゴムシール(複数可)または溝形構成を含んでよい。
【0018】
上部カバー部分102は、内面204、および内面204に対向する外面104を含む。
図6に示される縦方向断面図を参照すると、上部カバー部分102は、上壁600も含み、この上壁600は、両側に上壁600から下方に延在する2つの対向側壁602、604が配置され、上壁600の内面204、および2つの対向側壁602、604は、吐き出される液体が、吐き出されるガス状物質によって便座200の上面202付近に流れるまたは移送されることを可能にするように流体移送管路606を画定する。
【0019】
例えば、別のやり方として、上部カバー部分102は、カバー移動路を有するように底部カバー部分300に対して回転可能に結合されてよい。カバー移動路は、カバー102が便座200を取り囲み、かつ2つの対向側壁602、604がそれぞれ、便座200の内周面および外周面の輪郭を描くように、第1の位置を含む。例えば、別のやり方として、便座200の内周面は内側円形側壁602によって輪郭が描かれ、便座200の外周面は外側円形側壁604によって輪郭が描かれる。便座200の上面202付近の流体の最も効果的かつ効率的な移送をもたらすために、側壁602、604の内面204は、実質的には、便座200付近に移送される際の流体損失を最小化するために便座200の内周面および外周面に隣接している。いくつかの実施形態では、側壁602、604の内面204は、例えば、側壁602、604の内面の周辺に配設されるゴムシールを使用して、便座200の内周面および外周面による水密または気密構成になるように構成される。
【0020】
図2~
図3、および
図5~
図6に最も良く見られるように、上部カバー部分102は、流体移送管路606に流体的に結合される少なくとも1つの液体開口部500を画定し、かつ、流体移送管路606に流体的に結合される少なくとも1つの気体開口部206を画定する。組み込まれた開示に論じられるように、電気システムは、液体源から、液体開口部(複数可)500を通して便座200の上面202の一部分上に液状物質を吐き出すように(使用者、製造者、または消費者によってプログラミングされるおよび/またはその他の場合所望される時間で)動作可能に構成される。電気システムはまた、気体源から、気体開口部(複数可)206を通して、便座200付近の液体の移送をもたらすのに十分な速度で流体移送管路606内に、1つまたは複数の流体吐出開口部208から外へ、排出のために便器内にガス状物質を吐き出すように動作可能に構成される。1つの実施形態では、開口部206、208、500は、便座200の後部端の近位にまたは0~6インチ以内に配設されることで、流体流は、使用者が座る可能性が少ない便座200の後部分において開始しかつ終了する。
【0021】
そういった既知の便座洗浄組立品と違って、本発明は、便座200の上面202付近に衛生処理用および/または洗浄用流体の流れをもたらすように設計される。例えば、別のやり方として、カバー102が閉位置にある時、流路606内に吐き出される気体は、吐き出された液体を、便座200の上面202付近で環状に、カバー102上で画定される流体吐出開口部208を通って排出のために便器内に移送される。好ましい実施形態では、上部カバー部分102は、使用者が動作中流体移送を視覚的に見られるように透明または半透明である。この流体移送をもたらすために、流体移送管路606は、少なくとも1つの気体開口部206から及び、少なくとも1つの気体開口部206の下流に配設される少なくとも1つの流体吐出開口部208へと少なくとも180度回る。他の実施形態では、流体移送管路606は、少なくとも1つの気体開口部206から及び、少なくとも1つの流体吐出開口部またはポート208へとおよそ360度、すなわち、+/-15度回る。例えば、別のやり方として、流体移送管路606および/または吐き出される流体は、実質的に便座200の上面202全体に、すなわち、便座200の後部分の1つまたは複数の表面を差し引いて、及ぶ。例えばさらにまた、組立品100の気体誘導は、動作可能に構成される上部表面の少なくともおよそ80%(すなわち、使用者が慣例的に座る便座の一部)で座部200付近に液体を移送するのに十分な力によるものである。
図2および
図5~
図6に見られるように、便座200の上面202は、中央開口部212を完全に取り囲み、流体移送管路606は実質的に、便座200の上面202付近に及んでよい。
【0022】
吐き出される液体502および気体506の流れは、便座200付近に連続して及び、矢印504によって
図5に示されるように見られ得る。組み込まれた開示に論じられるように、液体吐出は、水、消毒剤、水および/もしくは消毒剤の組み合わせ、液体蒸気、または他の液体の液体流または噴霧液体スプレーであってよい。さらに、管路606に進入する際の気体の誘起流も、矢印506によって見ることができる。
図2、
図5~
図6、および
図9~
図10をここで参照すると、つながった便座200付近に連続して液体およびガス状物質504の流れを案内することを容易にするために、組立品100は有益には、上部カバー部分102に結合される、本明細書では壁仕切りとも称されるエアデフレクタ210、900を含んでよい。壁仕切り210、900は、図に見られるように、カバー102の上壁600の内面204から下方に延在する。さらに、壁仕切り210、900は有益には、気体開口部(複数可)206および流体吐出開口部(複数可)208の間に置かれる。壁仕切り210、900は、カバー102が第1の閉位置にある時、便座200の上面202に隣接して、すなわち、実質的に隣接して配設される下面を含む。壁仕切り210、900はまた有益には、カバーが第1の閉位置にある時便座200の後端の近位に配設されて、さらにまた、使用者が露出したいずれの残りの流体または他の汚染物質もしくは残骸も最小化することができる。エアデフレクタは空気を流体移送管路606付近に案内するように制御または偏向することによって、便座200の上面202付近の液体の移送を容易にする。
【0023】
1つの実施形態では、壁仕切り210、900の(
図2に最も良く示される)下面は、実質的に水密および/または気密構成で便座200の上部表面202に結合してよい。そのため、壁仕切り210、900の下面902は、このような構成をもたらすように動作可能に構成されるゴムシールを含んでよい。他の実施形態では、壁仕切り210、900の下面は、便座200の上部表面202の近位に配設されてよい。上壁600および側壁602、604のように、壁仕切り210、900は、便座200の上面付近の液体を強力に移送する気圧の損失を最小化するためにいずれの開口もなくてよい。壁仕切り210、900は、便座200の全幅608に及んでよく、また便座200の上部表面202の形状の輪郭を描くように成形されてよい。管路606の幅610はまた、便座200の幅608に、実質的に等しいものであってよい、すなわち、+/-15%の偏差のものであってよい。1つの実施形態では、壁仕切り210、900は、およそ0.25インチである厚さのものであってよい。しかしながら、他の寸法は、便座200の、設計または製造上の制約および形状に応じて使用されてよい。
【0024】
また、
図16に示される、便座を自動的に洗浄する例示のステップを示す工程フロー図を見ることができ、ここで工程はステップ1600で開始し、ステップ1608で終わる。示される図は、
図16の工程フローチャートと併せて説明されるものであり、
図16は、工程ステップを実行する具体的な順序を示すが、ステップを実行する順序は、ある特定の実施形態に示される順序に対して変更されてよい。また、連続で示される2つ以上のブロックは、別段本明細書に指示されない限り、いくつかの実施形態において同時にまたは一部同時に実行されてよい。ある特定のステップはまた、簡潔にするために
図16において省略される場合がある。いくつかの実施形態では、
図16に含まれる工程ステップのいくつかまたは全ては、単一の工程に組み合わせ可能である。
【0025】
工程は、(
図6、
図12、および
図14に最も良く示されるように)便座200の上面202の上に直接配設される流体移送管路606を画定するために便座カバー100の、2つの対向側壁602、604にそれぞれ、隣接した、すなわち、実質的に隣接した、およびこれらによって輪郭が描かれる便座の内周面および外周面によって閉位置を画定するように便座カバー100内にトイレの便座200を封入するステップ1600からステップ1602に進んでよい。工程は、便座カバー100によって画定される1つまたは複数の液体開口部500を通して、および閉位置にある時、便座200の後部端の近位の便座200の上面202上に、液体を吐き出すステップ1604に進んでよい。さらに続けると、工程は、閉位置にある時、便座カバー100によって画定される1つまたは複数の気体開口部206を通して、便座200の上面202付近に吐き出された液体を環状に移送するように流体移送管路606内に、カバー100上で画定される流体吐出開口部208を通して便器内に、ガス状物質を吐き出すことを含む。組み込まれた開示に論じられるように、気体吐出は、例えば、エアムーバまたはファン(一般的に「ブロワ」とも称される)によってもたらされ得る。斜面または傾斜面を含む底部カバー部分300は、(便座200の底面の洗浄を容易にすることに加えて)使用者による排泄のために便器内に流出されるいずれの潜在的な流体も流し出すことを容易にする。カバーはまた、カバーの周辺に配設され、かつ電源に電気的に結合されるUV放射体の使用を採用することができ、これらUV放射体は、カバーが閉位置にある時UVを放出するように動作可能である。
【0026】
図6~
図9を参照すると、本発明の1つの実施形態では、便座200の上面202付近に環状に吐き出される液体の移送は、流路606内の陰圧の流れまたは真空を誘導することによってもたらされ得る。上記の工程の図示は
図9に見られ得る。具体的には、液体902が、例えば、流体線を通して流体源に流体的に結合されるカバー上に画定される液体開口部906を通して便座200の後部分904の近位のノズルを介して吐き出された後、(矢印908によって表される)真空はエアムーバによって誘導される。便座200に対する側壁602、604および流路606の構成によって、吐き出される液体902は、便座200付近に液体902が吐き出される便座上の場所から、カバー上に画定され、かつ便座200の後端906の近位の流路606における下流に配設される吐出開口部910に進むことが可能になり、吐き出された液体902は便器内に流れる。流路606内の完全な真空を防止するために、カバーは壁900に隣接して、液体902が放出される部位の近位に配設される開口部912を画定してよい。また、カバーは、二次偏流壁914、または流路606における出口開口部910の下流に配設されるエアデフレクタの使用を採用することができる。二次偏流壁914を使用して、吐出開口部910を通して、使用者による排泄のために便器内に誘導された真空によって移送された入ってくる液体を偏向させるおよび/または制御する。入ってくる液体を偏向させることを容易にするために、エアムーバによる気流が可能であるが、二次偏流壁914は、実質的に、便座200の上面202から側壁602、604の内面に沿って上方に部分的にのみ延在することができる。二次偏流壁914の底面はまた、入ってくる液体が、管路606を出てエアムーバ組立品内を通らないようにするためにゴムシールを含んでよい。例えば、別のやり方として、二次偏流壁914は、便座200の上面202に隣接する管路606の下部分に配設されるが、管路の上部分は開放されていて、エアムーバによって誘導される気体流を可能にする。
【0027】
図8~
図9、
図11~
図15をここで参照すると、カバー組立品1100は、(
図6に最も良く示される)1つまたは複数の、2つの対向側壁602、604の内面1302から突出する舌状部材1300を含んでよい。舌状部材1300は、カバー102と同じ材料、例えば、PVCからできてよい、例えば、およそ0.25インチの比較的薄い材料片である。舌状部材1300は、特に、便座1400の前端に、1つまたは複数の空間不連続部702が配設されている便座1400による使用のために動作可能に構成される。舌状部材1300は、有益には、実質的に、不連続部位に等しい、すなわち、長さ800×幅1404の、舌状部位を画定する幅1402および長さ1304を有することができる。有利には、舌状部材1300の上面1406は、カバー102が閉位置にある時、両側に便座200の上面202が配置され、かつ(
図14に最も良く示されるように)互いに整合している。舌状部材1300は、内側円形側壁602および外側円形側壁604の、内面1302を実質的に分離する距離に及ぶ、すなわち、内側円形側壁602および外側円形側壁604内の1~2インチに等しいまたはこれの範囲内の長さ1304を有することもできる。
図14は舌状部材1300と側部上面202との間の不連続部を示しているが、図面は一定尺度ではなく、舌状部材1300の上面1406は、隣接する側部上面202を連続して接続して、便座200付近の液体の連続した流れをもたらすことができる。他の実施形態では、舌状部材1300は、開口部1408を通して流出されるわずかな液体を可能にするために隣接する側部上面202を連続して接続しないことで、便座200の側面1410の洗浄、および便器内への流出を可能にすることができる。
【0028】
図17~
図19をここで参照すると、自動洗浄便座組立品1700の別の実施形態を見ることができる。上述された便座洗浄組立品と同様に、自動洗浄便座組立品1700は、1つまたは複数のエアムーバ1702a~b、例えば、空気タービン、および便座の上面を洗浄するための液体源、例えば、消毒液に流体的に結合される1つまたは複数の液体開口部1800a~nを含む。同様に、また、
図26を簡潔に参照すると、電気システム1704は、液体源から液状物質2600を放出して、少なくとも1つの液体開口部、例えば、開口部1800aを通して、少なくとも1つの気体開口部1706の近位の便座の上面の一部分上に吐き出すように動作可能に構成される。1つの実施形態では、「近位」は、およそ6インチ内であってよいが、他の実施形態では、気体の体積流量の十分性に応じて、およそ12インチ内であってよい。
【0029】
気体源からのガス状物質の誘起流は、便座2702の上面2700上で、流体移送管路1802を通して液状物質2600を移送するのに十分な速度で少なくとも1つの気体開口部1706を通して、および、吐出開口部1804を通して吐き出す。誘導された気体および液体の移送は、
図26における矢印2602によって表される。しかしながら、先に説明したように、エアムーバ(複数可)1702a~b、液体開口部1800a~n、およびこれらと関連する電気部品は、さまざまな用途および構成を有することができる。
【0030】
図26~
図29に最も良く示されかつ上述されるように、便器、および便器に結合される便座2702を有するトイレに関連した組立品が採用される。便座2702は、中央開口部2704を画定し、かつ前端2706、後端2708、上面2700、内周面2900、および外周面2902を含む。
図17~
図20に戻って参照すると、カバー1806は、内面1808、および内面1808に対向する外面2000を有する。また、
図29を参照すると、カバー1806は、後端1810、前端1812、両側に外側壁2906および内側壁2908が配置された上壁2904も含む。外側壁2906および内側壁2908両方は向かい合って上壁2904から下方に延在し、流体移送管路1802を画定する内面を有する。カバー1806がカバー移動路(例示の経路は
図27における矢印2710によって表される)に沿った(
図26に最も良く示される)閉位置または第1の位置にある時、便座2702の上面2700はまた、流体移送管路1802を画定する、すなわち、ここで気体/液体は移動できる。移動路2710は、カバー1806の上部分2712とカバー1806の底面部分2800との間のヒンジ式結合関係によってもたらされる円運動であってよい。
【0031】
第1の位置にある時、流体移送管路1802は、便座2702の後端2708から便座2702の前端2706に及び、かつ吐出開口部1804で終止する。第1の位置はまたは、便座2702を取り囲むカバー1806を含む。カバー移動路2710に沿った(
図27に最も良く示される)第2の位置は、便座2702から除去されるカバー1806を含む。
【0032】
図18、
図24~
図25、および
図29に最も良く見られるように、カバー1806は有益には、上壁2904、および外側壁2906の内面2402上に、およびカバー1806の前端1812に配設されるエアデフレクタ2400を含む。空気および液体を吐出開口部1804に案内するために、エアデフレクタ2400は、外側壁2906の内面2402から離れて合流する2つの対向面2404、2406を含む。そのため、気体が流体移送管路1802内に導入される時、エアデフレクタ2400の構成および向きによって、便座2702の上面2700上に配設される実質的に液状物質全てを効果的にかつ効率的に排出することが容易になる。気体/液体の排出をさらに容易にするために、カバー1806はまた、上壁2904の内面2412に結合される1つまたは複数の方向性エアフィン2408、2410を含んでよい。より具体的には、検査することによって、方向性エアフィン2408、2410の向きおよび構成が流体移送管路1802からの排出のためにエアデフレクタ2400または吐出口1804のどちらかの方へ流体を案内する乱流を生じさせることが示されている。
【0033】
図24~
図29を参照すると、外側壁2906の内面2402は、便座2702の後端2708から便座2702の前端2706へと便座2702の外周面2902の輪郭を連続して描いて、液状物質2600が便座2702の上面2700付近に確実に移送されるようにする。同様に、内側壁2908の内面は、便座2702の後端2708から便座2702の前端2706へと便座2702の内周面2900の輪郭を連続して描いて、便座2702の前端2706に配設される吐出開口部1804を画定する。1つの実施形態では、吐出開口部1804は、トイレの便器内への流体の排出を可能にするように設計される単一の開口部である。
【0034】
有利には、エアデフレクタ2400の2つの対向面2404、2406は、吐出開口部1804に向かう向きで合流する。1つの実施形態では、表面2404はカバー1806の第1の側面2414上に配設され、表面2406はカバー1806の第2の側面2416上に配設される。対向面2404、2406はまた、カバー1806の質量中心または重心によって画定される軸線2500に隣接して対称的に配設されてよい。そのために、カバー1806は、該カバー上に画定され、かつカバー1806の後端1810に配設される2つの気体開口部1706、1708を含んでよい。気体開口部1706、1708は、向かい合ってよく、それぞれは、流体移送管路1802の異なる側部の方へ対応して向けられてよい。例えば、異なるように、気体開口部1706、1708はまた、管路1802のそれぞれの部分により効果的に気体を提供するように対称的に配設されることで、便座2702の上面2700上に、吐出開口部1804から外へ、放出される液体のより効率的な移送をもたらすことができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、カバー1806は、管路1802を通して入ってくる気体を偏向するための後部中央のエアデフレクタ1814を含んでよい。後部中央のエアデフレクタ1814は、管路2418、2420の側面に位置するエアムーバ1702a~nおよび気体開口部1706、1708の構成によって特に有益である。しかしながら、他の図、例えば、
図25に示されるように、エアムーバ1702a~nおよび気体開口部1706、1708は、カバー2502の後端2504に配設されてよい。そのように、後部中央のエアデフレクタ1814は、上壁2904の内面1808から下方に延在することができ、また、カバー1806の後端1810における気体開口部1706、1708間の中央に配設されてよい、および/または軸線2500上に配設されてよい。後部中央のエアデフレクタ1814の遠位端は、便座2702の上面2700のおよそ1~2インチでまたはその範囲内で終止するようにサイズ合わせされてよい。他の実施形態では、後部中央のエアデフレクタ1814は管路1802内に部分的に延在する。
図24に最も良く見られるように、後部中央のエアデフレクタ1814は、流体移送管路1802を第1の側部流体移送管路2418および第2の側部流体移送管路2420に分割する。第1の側部流体移送管路2418および第2の側部流体移送管路2420は、それぞれ、カバー1806がカバー移動路に沿った第1の位置にある時、便座2702の側部上面2700のうちの1つにわたって配設される。
【0036】
1つの実施形態では、第1の側部流体移送管路2418および第2の側部流体移送管路2420は、それぞれ、カバー1806の前端におけるまたはこれの近位の、幅、例えば、
図30に示される幅3000、3002がテーパ状になってよい。幅が縮小することによって、また、管路2418、2420を通して移送する空気の速度を増大することによる流体の排出が容易になる。
図25に示されるように、移送される流体を効果的に案内するために、内側壁の内面の一部分2506は、便座の後端から前端へと便座の内周面の輪郭を連続して描き、単一の吐出開口部2508は、内側壁の一部分2506およびカバー2502の上壁の間に置かれる。内側壁の一部分2506が便座の上部表面の上に突出するようなことがあれば、吐出開口部2508は気体の排出のみを可能にすることができ、放出された液体の排出は妨げられる。他の実施形態では、材料2506の壁または壁2908の任意の一部と、便座2702の内周辺部2900との間に水密シールはなくなる。上記の実施形態では、移送される液体の一部は、有利には、(
図29に最も良く見られるように)上記の壁/表面における間隙を通して浸透することで、便座2702の側面を洗浄し、最終的に便器内に排出されることが可能とされる。内側壁の一部分2506が便座の上部表面の上に突出しない、すなわち、開口部2508を画定する一部分2506の上部表面が便座の上部表面と同一平面であるまたはこれより下にあることがあれば、吐出開口部2508は、液体および気体両方の排出を可能にすることになる。
【0037】
図18~
図19および
図27~
図29を参照すると、カバー1806の上部分2712は、カバー1806の上壁2904に結合される上部フード1816を含む。上部フード1816は、単一の吐出開口部1804から延在し、かつカバー1806がカバー移動路に沿った第1の位置にある時、便器の方へ向けられる内面1818を有する。カバー1806の底面部分2800は底部フード1900を含んでよい。上部フード1816はまた、管路1802付近に移送されるいずれの流体も便器内に確実に案内されるようにする。底部フード1900は、底面部分2800上の管路1802からのいずれの用足しまたは漏出した流体もまた、便器内に確実に案内されるようにする。上部フード1816のように、底部フード1900はまた、循環する流体を効果的に排出するために便器の方へ向けられた内面1902を含む。
【0038】
そのために、
図17~
図19および
図25を参照すると、組立品1700は、カバー1806がカバー移動路に沿った閉位置にある時に互いに引き寄せられるように動作可能に構成される一対の磁石1904、2510を含んでよい。1つの実施形態では、磁石1904、2510の1つまたは複数は電磁石であってよい。電磁石が、磁界が電流によって生じる磁石のタイプであることを、当業者は理解するであろう。磁界は電流がオフになる時消滅する。電磁石は通常、コイルに巻き付けられる絶縁電線を含む。電線を通る電流は、コイルの中央における穴に集中する磁界を生じさせる。巻線は、鉄などの強磁性またはフェリ磁性材料から作られる磁心に巻き付けられることが多い。そのため、磁石の1つまたは複数は、電源、例えば、12VDC電源に電気的に結合されてよい。電力は、カバー1806が閉じる時に電磁石(複数可)にもたらされることで、電源および電磁石に対する回路を閉じるスイッチを稼働させることができる。代替的な実施形態では、電力は、カバー1806が閉じられる時に検出するように動作可能に構成される1つまたは複数のセンサ、例えば、ジャイロスコープまたは光センサの使用によって電磁石に与えられてよい。
【0039】
図24~
図26を参照すると、上述されるように、矢印2602による典型的な流れが示されている。しかしながら、他の実施形態では、
図25に表されるように、別の潜在的な方向性の流れを見ることができる。上記の実施形態では、気体はエアムーバによって1つの管路2418を通して誘導されてよく、真空は別の管路2420を通して誘導されてよい。そのため、液体は、後部端2708の近位の便座2702の上面上に放出されてよく、誘導された気体は便座付近の液体を移送する。いくつかの実施形態では、放出される液体について、第2の管路2420において誘導される真空によって、気体開口部2512を通して、吐出開口部1804から除去されないいずれの放出された液体も除去することを容易にする。管路2418、2420内に生じた空気および圧力の速度は、全般的に、誘導された気体および真空が流れを滞らせないようにし、滞った流れも防止するために後部空気偏向壁を該管路に介在させることができる。組立品1700は1つの応用例として航空機上に採用されてよく、それによって、上記の真空は、航空機の便座組立品上で生じた従来の吸引または真空に誘導される。具体的には、カバー1806が閉位置になると、放出された流体を排出することを補助するための真空を利用しない場合がある組立品1700は、上記の排出を補助するために航空機の便座組立品から生じた真空補助を利用してよい。さらに、組立品1700は有益には、そういった既知の便座洗浄組立品の多くとは違って、円形便座に利用されてよい、または円形便座であってよい。
【0040】
図30~
図31を参照すると、エアデフレクタ3100の2つの対向面3102、3104は、吐出開口部3110の質量中心によって画定される吐出開口軸線3108と実質的に整合したエアデフレクタ接合部3106を形成するために合流してよい。例えば、別のやり方として、エアデフレクタ3100は有益には、流体の効果的かつ効率的な排出を最大化するために開口部3110の実質的な中心の方へ流体を案内する。
【0041】
図32~
図36を参照すると、本発明の別の実施形態が示されている。
図32~
図36に示される実施形態は、上で論じられる同じ特徴および機能性の多くを開示しかつ含む。そのために、上記の実施形態と関連している特徴および構成部品のいくつかは、簡潔にするために
図32~
図36に論じられていない場合があるおよび/または除外されている場合がある。先に説明した実施形態のように、便座洗浄組立品3201は、便器、および便器に結合される便座3200を有するトイレに関連して利用されてよい。便座3200は、中央開口部3202を画定し、かつ前端3204、後端3208、上面3210、内周面3212、および外周面3214を含む。
図32~
図36に示される組立品3201は、(
図32に示されるように)遠位空間不連続部3206を画定する前端3204を有する便座構成においてかなり有益である。例えば、別のやり方として、遠位空間不連続部3206は、便座3200の2つの遠位端の間における物理的な開口である。しかしながら、組立品3201は、遠位空間不連続部3206を画定する前端3204がない便座構成でも作動することができる。
【0042】
組立品3201は、内面3218、および内面3218に対向する外面3500を有するカバー3216を含む。カバー3216は、後端3220、前端3300、両側に外側壁3304および内側壁3306が配置された上壁3302を含み、外側壁3304および内側壁3306両方は向かい合って上壁3302から下方に延在し、流体移送管路3312を画定する内面3308、3310を有する。有益には、カバー3216は、カバー3216の上壁3302の一部分を画定し、かつカバー3216の前端3300の近位に配設されてよいエアデフレクタ3222も含む。例えば、別のやり方として、エアデフレクタ3222は、カバー3216の前端3300にあってよく、好ましくは、直接隣接している、および/または直接結合される。代替的には、エアデフレクタ3222は、カバー3216の前端3300からの距離、例えば、およそ1~2インチ未満でオフセットされてよい。エアデフレクタ3222は、合流し、かつカバー3216の上壁3302から離れて下方に延在する2つの対向面3314、3316を含んで、入ってくる流体を、便座3200のそれぞれの対応する側面から、便器、遠位空間不連続部3206、および/または吐出開口部3320に案内するようにし、この吐出開口部3320は、単独で画定される開口部、またはカバー3216、すなわち、カバー3216の内側壁3306によって画定される「単一開口部」であってよい。
【0043】
また、上述された実施形態のように、カバー組立品3201は、(矢印3224で表されかつ例示される)カバー移動路に沿った第1の位置(
図35~
図36)および第2の位置(
図32~
図34)を含んでよい。第1の位置は便座3200を取り囲むカバー3216を含んでよい。第1の位置はまた、便座3200の後端3208から便座3200の前端3204の方へ、便座3200の外周面3214の輪郭を連続して描く、外側壁3304の内面3308を含んでよい。第1の位置は、便座3200の後端3208から便座3200の前端3204の方へ、便座3200の内周面3212の輪郭を連続して描く、内側壁3306の内面3310を含んでよい。さらに、第1の位置は、便座3200の前端3204に配設される遠位空間不連続部3206に向かう向きで合流する、エアデフレクタ3222の2つの対向面3314、3316を含んでよい。
【0044】
カバー3216はまた、流体移送管路3312に流体的に結合される少なくとも1つの液体開口部3226、および流体移送管路3312に流体的に結合される少なくとも1つの気体開口部3228を画定してよい。いくつかの実施形態では、先の実施形態のように、少なくとも1つの液体開口部3226および少なくとも1つの気体開口部3228は同じである、すなわち、カバー3216の同じ部分によって形成されかつ画定される。流体移送管路3312は、カバー3216が第1の位置にある時、便座3200の後端3208から便座3200の前端3204に及ぶことができ、便座3200の前端3204に配設される遠位空間不連続部3206で終止することができる。
【0045】
便座洗浄組立品はまた、上述されるように、カバー3200が第1の位置にある時、液状物質を液体源から、少なくとも1つの液体開口部3226を通して、便座3200の上面3210の一部分上に吐き出させ、ガス状物質の誘起流を気体源から、少なくとも1つの気体開口部3228を通して、流体移送管路3312を通して液状物質を移送するのに十分な速度で、便座3200の上面3210上で吐き出させるように動作可能に構成され、かつ遠位空間不連続部3206を通して便座3200の前端3204に配設される(番号3234として概略的に示される)電気システムを含んでよい。エアデフレクタ3222によって引き起こされる流体移送の例示の経路は、矢印3502によって
図35に最も良く見られ得る。1つの実施形態では、エアデフレクタ3222によって案内される流体は直接便器に入る。他の実施形態では、エアデフレクタ3222によって案内される流体は、便器への流体の移動をさらにもたらすカバー組立品3201の底面部分3236に案内されてよい。そのために、カバー組立品3201の底面部分3236は、角度が付けられてよく、(上述されかつ図に示されるように)便器への流体の移動をもたらすことを容易にするように構成されてよい。
【0046】
カバー組立品内で移送される流体の効果的な制御を可能にするために、デフレクタ3222は、デフレクタの長さ3230を画定するように縦方向において外側壁3304から内側壁3306に及ぶ。エアデフレクタ3222の2つの対向面3314、3316は、さらにまた、共通端点3402に合流してよく、共通端点3402は、エアデフレクタの長さ3230に沿って上壁3306から均一の距離3402で配設される。例えば、別のやり方として、エアデフレクタ3222は、縦方向に及ぶように均一に上壁3302から離れる距離3402、例えば、1~3インチで延在してよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、エアデフレクタ3222は、エアデフレクタ3222の質量中心を通る中心軸3318を画定して、中心軸3318を中心にエアデフレクタ3222を2つの部分に二等分することができる。2つの部分のそれぞれは、2つの対向面3314、3316のうちの1つが配設されていてよく、エアデフレクタ3222内で終止するように便座のそれぞれの側面に対して等しい方向量を有するように互いに対して対称的に構成されることになる。入ってくる流体の流れをさらに案内するために、エアデフレクタ3222の2つの対向面3314、3316は、(全体的か部分的かにかかわらず)弓形形状のものであってよい。さらに、エアデフレクタ3222は、カバー3216の上壁3306上に、およびカバー3216の前端3300に配設されてよく、外側壁3304の内面3308の一部を形成することができる。エアデフレクタ3222の対向面3314、3316はまた、外側壁3304の内面3308から離れて合流するように説明可能である。
【0048】
いくつかの実施形態では、上で論じられるように、内側壁3306の内面3310は、便座3200の後端3208から便座3200の前端3204の方へ、便座3200の内周面3212の輪郭を連続して描いて、便座3200の前端3204に配設される吐出開口部3320を画定する。さらに、カバー3216は、この上で画定され、かつカバー3216の後端3220に配設される2つの気体開口部3228、3232も含んでもよく、これら2つの気体開口部3228、3232は、向かい合い、かつそれぞれ、流体移送管路3312の異なる側部の方へ対応して向けられる。
【0049】
そのため、効果的な、エネルギーおよび費用効率が高い洗浄方式で、使用者による使用の前に便座の上面を洗浄および/または衛生処理するように動作可能である自動便座洗浄組立品が開示されている。