(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】クランプ装置及びこれを有するミクロトーム
(51)【国際特許分類】
G01N 1/06 20060101AFI20230921BHJP
【FI】
G01N1/06 G
G01N1/06 H
(21)【出願番号】P 2019559029
(86)(22)【出願日】2018-04-11
(86)【国際出願番号】 CN2018082592
(87)【国際公開番号】W WO2018201865
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-02-24
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】201710306322.2
(32)【優先日】2017-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514210304
【氏名又は名称】ライカ マイクロシステムズ リミテッド シャンハイ
【氏名又は名称原語表記】Leica Microsystems Ltd. Shanghai
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ズェグアン
(72)【発明者】
【氏名】ハオ、シャンユー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、シャオキ
【合議体】
【審判長】石井 哲
【審判官】加々美 一恵
【審判官】▲高▼見 重雄
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103481077(CN,A)
【文献】特開昭60-53831(JP,A)
【文献】実開昭58-8539(JP,U)
【文献】特開昭60-49108(JP,A)
【文献】実開昭54-102571(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミクロトームのためのクランプ装置であって、
クランプ装置は、
操作部材;
第1の端部と、第2の端部と、該第1の端部と該第2の端部との間に位置する第1の傾斜面とを有するくさび、但し、該くさびは該第2の端部から該第1の端部に向かって拡開された形状を有する;
第2の傾斜面を有するクランプ部材、但し、該第1の傾斜面と該第2の傾斜面は対向配置されており、該第1の傾斜面は該第2の傾斜面に対して可動である;及び
第1の案内部と、第2の案内部と、チャンバとを有するハウジング、但し、該第1の案内部と該第2の案内部はそれぞれ該チャンバと連通し、該操作部材は該第1の案内部に取り付けられており、該操作部材の運動は第1の方向に制限されており、該クランプ部材は該第2の案内部に取り付けられており、該クランプ部材の運動は該第1の方向と交差する第2の方向に制限されており、該くさびは該チャンバ内に配置されている;
を備え、
該操作部材は第1の方向において該くさびに向かって移動するよう操作され、これにより、該操作部材は該くさびの該第1の端部に接触し、該くさびを押圧して移動させ、さらに、該くさびの該第1の傾斜面は、該クランプ部材の該第2の傾斜面に接触し、該第2の傾斜面に沿って移動し、それにより、該第1の方向における該操作部材の押圧力は該第2の方向における該クランプ部材のクランプ力に変換される、
クランプ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のクランプ装置において、
前記操作部材はねじを有するねじ部を含み、前記第1の案内部は前記第1の方向に延伸するねじ穴として構成されており、該ねじ部は該ねじ穴に螺入可能に構成されている、
クランプ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のクランプ装置において、
前記操作部材は前記ねじ部の一端部に角度をなしてかつ固定的に結合されたレバー部を備える、
クランプ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のクランプ装置において、
前記レバー部と前記操作部材は一体形成されており、該レバー部は前記ねじ部の軸線に対して直角をなしている、
クランプ装置。
【請求項5】
請求項2に記載のクランプ装置において、
前記くさびの前記第1の端部に隣接する前記ねじ部の一部分は球面を形成している、
クランプ装置。
【請求項6】
請求項1に記載のクランプ装置において、
前記くさびの前記第2の端部と、前記第1の案内部から離れた側にある前記ハウジングの一部分との間に配置された第1の弾性要素をさらに備える、
クランプ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のクランプ装置において、
前記第1の弾性要素はばねである、
クランプ装置。
【請求項8】
請求項1に記載のクランプ装置において、
前記チャンバは、前記第1の方向に配向された円筒形状として構成されている、
クランプ装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れかに記載のクランプ装置において、
前記くさびは偏心円錐台として構成されており、該くさびの前記第1の傾斜面は前記第2の方向において下方を指向して配された傾斜湾曲面として構成されている、
クランプ装置。
【請求項10】
請求項9に記載のクランプ装置において、
前記クランプ部材はT字形ピンとして構成されており、該T字形ピンは前記くさびを受け入れるよう適合された溝を有し、該クランプ部材の前記第2の傾斜面は前記第2の方向において上方を指向して配された該溝の傾斜湾曲面として構成されており、前記第2の案内部は該第2の方向に延在しかつ互いに同軸に配された丸穴及び円形溝として構成されている、
クランプ装置。
【請求項11】
請求項10に記載のクランプ装置において、
前記丸穴は前記第2の方向において前記ハウジングの上部に配されており、前記円形溝は該第2の方向において該ハウジングの下部に配されている、
クランプ装置。
【請求項12】
請求項10に記載のクランプ装置において、
前記T字形のピンの下端部と前記ハウジングの前記下部との間に配置された第2の弾性要素をさらに備える、
クランプ装置。
【請求項13】
請求項12に記載のクランプ装置において、
前記第2の弾性要素はばねである、
クランプ装置。
【請求項14】
請求項1~8の何れかに記載のクランプ装置において、
前記くさびは面取りシリンダとして構成されており、該くさびの前記第1の傾斜面は前記第2の方向において上方を指向して配置された傾斜平面として構成されている、
クランプ装置。
【請求項15】
請求項14に記載のクランプ装置において、
前記クランプ部材は円筒形ピンとして構成されており、該クランプ部材の前記第2の傾斜面は該円筒形ピンの下端部に形成されかつ前記第2の方向において下方を指向して配置された傾斜平面として構成されており、前記第2の案内部は該第2の方向に延在する丸穴として構成されている、
クランプ装置。
【請求項16】
請求項15に記載のクランプ装置において、
前記丸穴は前記第2の方向において前記ハウジングの上部に配されている、
クランプ装置。
【請求項17】
請求項15に記載のクランプ装置において、
前記円筒形ピンの上端部は球面を形成している、
クランプ装置。
【請求項18】
請求項1~17のいずれかに記載のクランプ装置を備えるミクロトーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ミクロトームの分野に関し、より具体的にはクランプ装置及びこれを有するミクロトームに関する。
【背景技術】
【0002】
ミクロトームは試料から断片を切除するために使用される。次いで、これらの断片はカバースリップに載置され、適切に処理され、そして、顕微鏡下でチェックされる。ミクロトーム装置には、ブレード、ナイフホルダ等のクランプのような、クランプのための多様な条件がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
米国特許第4,690,023号には、くさび形ジョー及び偏心ボルトを有するミクロトームのカッター用のクランプ機構が記載されている。偏心ボルトの適切な回転によって、くさび形ジョーはブレードを押すことができ、またはブレードを解放することができる。ユーザーは、対象をクランプする必要がある場合、偏心ボルトを回転させる。ユーザーは、対象を解放する必要がある場合、偏心ボルトを反対方向で回転させる。より良いクランプ機能を得るためには、ユーザーは、クランプするために大きい力を提供する必要がある。さらに、ユーザーは、一日当たり数百回ものクランプを実行する必要がある。したがって、これはユーザーにとってきわめてハードである。さらに、偏心ボルトと偏心ボルトに接触するクランプのための部分との間に摩耗が生じるが、摩耗が一定の期間後に一定のレベルに達すると、システムはそのクランプ機能を失う。
【0005】
本開示の実施形態は関連技術に存在する問題の少なくとも1つを少なくともある程度まで解決しようと努める。したがって、本開示の1つの目的は、容易な操作、良好な自己(自動)ロック(self-locking)性能、及び長寿命を有するミクロトーム用のクランプ装置を提供することである。
【0006】
本開示の別の目的は上記のクランプ装置を有するミクロトームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の視点の実施形態に係るクランプ装置は、操作部材;第1の端部と、第2の端部と、該第1の端部と該第2の端部との間に位置する第1の傾斜面とを有するくさび、但し、該くさびは該第2の端部から該第1の端部に向かって拡開された形状を有する;第2の傾斜面を有するクランプ部材、但し、該第1の傾斜面と該第2の傾斜面は対向配置されており、該第1の傾斜面は該第2の傾斜面に対して可動である;及び第1の案内部と、第2の案内部と、チャンバとを有するハウジング、但し、該第1の案内部と該第2の案内部はそれぞれ該チャンバと連通し、該操作部材は該第1の案内部に取り付けられており、該操作部材の運動は第1の方向に制限されており、該クランプ部材は該第2の案内部に取り付けられており、該クランプ部材の運動は該第1の方向と交差する第2の方向に制限されており、該くさびは該チャンバ内に配置されている、を備え、該操作部材は第1の方向において該くさびに向かって移動するよう操作され、これにより、該操作部材は該くさびの該第1の端部に接触し、該くさびを押圧して移動させ、さらに、該くさびの該第1の傾斜面は、該クランプ部材の該第2の傾斜面に接触し、該第2の傾斜面に沿って移動し、それにより、該第1の方向における該操作部材の押圧力は該第2の方向における該クランプ部材のクランプ力に変換される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態に係るクランプ装置について、操作部材に印加される力はくさびの係合した傾斜面及びクランプ部材を介したクランプを実現するためにクランプ部材に伝達される。さらに、くさび構造は自己(自動)ロック(self-locking)機能を有するため、クランプ状態にある本開示の実施形態に係るクランプ装置は自己ロック能を有する。
【0009】
さらに、本開示の上記実施形態に係るクランプ装置は、以下の追加の技術的特徴をさらに含むことができる。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態では、操作部材はねじを有するねじ部を含み、第1の案内部は第1の方向に延伸するねじ穴として構成されており、ねじ部はねじ穴に螺入可能に構成されている。ねじ構造は自己ロック機能を有するので、クランプ状態にある本開示の実施形態に係るクランプ装置の自己ロック性能はさらに改善される。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態では、操作部材はねじ部の一端部に角度をなしてかつ固定的に結合されたレバー部を備える。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態では、レバー部と操作部材は一体形成されており、レバー部はねじ部の軸線に対して直角をなしている。
【0013】
本開示の実施形態に係るクランプ装置について、レバー部を備えることによって、クランプ装置は操作が好都合かつ容易になる。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態では、くさびの第1の端部に隣接するねじ部の一部分は球面を形成している。くさびの第1の端部に隣接するねじ部の一部分は球面となるよう設計されており、これにより、2つの(部材の)間の接触面積は縮小され、さらに摩耗は低減され、クランプ装置の寿命は延長される。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態では、クランプ装置は、くさびの第2の端部と、第1の案内部から離れた側にあるハウジングの一部分との間に配置された第1の弾性要素をさらに備える。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態では、第1の弾性要素はばねである。
【0017】
本開示の実施形態に係るクランプ装置について、第1の弾性要素を備えることによって、第1の弾性要素は、弾性復元力を受けてくさび構造の自己ロックを克服し、これによりクランプ対象の解放が容易になる。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態では、チャンバは第1の方向に配向された円筒形状として構成されている。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態では、くさびは偏心円錐台(偏心切頭コーン)として構成されており、くさびの第1の傾斜面は第2の方向において下方を指向して配された傾斜湾曲面として構成されている。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態では、クランプ部材はT字形ピンとして構成されており、T字形ピンはくさびを受け入れるよう適合された溝を有し、クランプ部材の第2の傾斜面は第2の方向において上方を指向して配された溝の傾斜湾曲面として構成されており、第2の案内部は第2の方向に延在しかつ互いに同軸に配された丸穴及び円形溝として構成されている。
【0021】
本開示のいくつかの実施形態では、丸穴は第2の方向においてハウジングの上部に配されており、円形溝は第2の方向においてハウジングの下部に配されている。
【0022】
本開示の実施形態に係るクランプ装置の場合、くさびは、クランプのプロセスにおいてクランプ部材を引っ張ることによってクランプ対象をクランプし、これにより本開示の実施形態に係るクランプ装置はプル型クランプ装置として構成される。
【0023】
本開示のいくつかの実施形態では、T字形のピンの下端部とハウジングの下部[円形溝]との間に配置された第2の弾性要素をさらに含む。
【0024】
本開示のいくつかの実施形態では、第2の弾性要素はばねである。
【0025】
本開示の実施形態に係るクランプ部材について、T字形ピンの傾斜面とくさびはつねに係合されており、くさびはハウジングのチャンバの内面とつねに係合されており、これによりT字形ピンは、T字形ピンの質量の作用によりT字形ピンの溝の中に延在するくさびに対し衝撃を及ぼすことが阻止される。
【0026】
本開示のいくつかの実施形態では、くさびは面取りシリンダとして構成されており、くさびの第1の傾斜面は第2の方向において上方を指向して配置された傾斜平面として構成されている。
【0027】
本開示のいくつかの実施形態では、クランプ部材は円筒形ピンとして構成されており、クランプ部材の第2の傾斜面は円筒形ピンの下端部に形成されかつ第2の方向において下方を指向して配置された傾斜平面として構成されており、第2の案内部は第2の方向に延在する丸穴として構成されている。
【0028】
本開示のいくつかの実施形態では、丸穴は第2の方向においてハウジングの上部に配されている。
【0029】
本開示の実施形態に係るクランプ装置について、くさびは、クランプのプロセスにおいてクランプ部材を押す(押圧する)ことによってクランプ対象をクランプし、これにより本開示の実施形態に係るクランプ装置はプッシュ型クランプ装置として構成されている。
【0030】
本開示のいくつかの実施形態では、円筒形ピンの上端部は球面を形成している。円筒形ピンの上端部は球面となるよう設計されており、これにより円筒形ピンの上端部とクランプ対象との間の接触面積は縮小され、さらに摩耗は低減され、クランプ装置の寿命は延長される。
【0031】
本開示の第2の視点の実施形態に係るミクロトームは、本開示の第1の視点の実施形態に係るクランプ装置を含む。
【0032】
本開示の実施形態に係るミクロトームについて、くさび構造、ねじ構造、レバー構造等を備えることによって、ミクロトームは、容易な操作、良好な自己ロック性能及び長寿命という利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図3】本開示の一実施形態に係るクランプ装置の一例の断面図。
【
図4】本開示の一実施形態に係るクランプ装置の一例のくさび、T字形ピン及び第1のばねの斜視図。
【
図5】本開示の別の一実施形態に係るクランプ装置の一例の断面図。
【
図6】本開示の別の一実施形態に係るクランプ装置の一例のくさび、円筒形ピン及びばねの斜視図。
【
図7】ミクロトームブレードをクランプするために使用される、本開示の別の一実施形態に係るクランプ装置の一例の断面図。
【実施例】
【0034】
本開示の好ましい実施形態が添付の図面を参照して以下に説明される。本明細書で使用されるように、「上側」、「下側」、「左側」、「右側」、「前側」、「後側」等のような用語は説明の目的のためだけのものであり、本開示を限定することを意図していないことに留意されたい。
【0035】
図1は、先行技術のミクロトーム100の一例を示す。
図1に示すように、ミクロトーム100はナイフホルダ101及び取り付けシート102を含み、ナイフホルダ101は取り付けシート102に結合されている。
【0036】
図2は
図1のミクロトーム100のナイフホルダ101を示す。
図2に示すように、ナイフホルダ101は、基部1、ミクロトームブレード2、本体3、プレッシャー(締付)プレート4及びセグメント湾曲部材5を含み、本体3は当接面を有し、プレッシャープレート4は本体3に結合され、プレッシャープレート4は受容されるミクロトームブレード2を当接面に対してクランプするために本体3に対して調節可能であり、本体3はセグメント湾曲部材5に沿って横方向に変位可能である。さらに、セグメント湾曲部材5は基部1に取り付けられる。スライスされるべき試料に対するミクロトームブレード2の配向が調節された後、ミクロトームブレード2、本体3及びナイフホルダ101全体等は、試料がスライスされ得るよう、クランプされる必要がある。
【0037】
図3~
図7は、ミクロトームに使用される、本開示の実施形態(複数)に係るクランプ装置10、20を示す。
図3~
図7には、説明を容易にしかつ方向を決定するために、相互に直交するXYZ軸が示されている。X軸の正の方向は(紙面)右方向であり、X軸の負の方向は(第1の方向の一例としての)(紙面)左方向である;Y軸の正の方向は(紙面)前側(手前側)方向であり、Y軸の負の方向は(紙面)後側(奥側)方向である;Z軸の正の方向は(紙面)上側方向であり、Z軸の負の方向は(第2の方向の一例としての)(紙面)下側方向である。
【0038】
本開示の実施形態に係るミクロトームのためのクランプ装置10、20は、容易な操作、良好な自己ロック性能及び長寿命という利点を有する。
【0039】
本開示の実施形態に係るミクロトームのためのクランプ装置10について、添付の図面を参照して以下に説明する。
【0040】
図3及び
図4に示すように、本開示の実施形態に係るミクロトームのためのクランプ装置10は(操作部材の一例としての)ねじクランプレバー11、くさび12、(クランプ部材の一例としての)T字形ピン13及びハウジング14を含む。
【0041】
本実施形態では、ねじクランプレバー11はねじ部111及びレバー部112を含む。ねじ部111は、(紙面)左右方向に延伸するシリンダ形状として構成され、その外周にねじ山が形成されている。レバー部112はロッド形状として構成され、レバー部112はねじ部111の右端部1112に一体形成され、ねじ部111の軸線に対して直角をなしている。レバー部112は他の構造体を通してねじ部111に固定的に結合されてよく、ねじ部111の軸線に対し異なる角度をなしてもよいと、理解されたい。したがって、ねじクランプレバー11のレバー部112を設けることにより、クランプ装置10の動作は容易になり得る。
【0042】
本実施形態では、くさび12は偏心円錐台として構成され、くさび12は互い対し平行な左端面121及び右端面123と、傾斜湾曲面122と、水平湾曲面124とを含む。傾斜湾曲面122は(紙面)左右方向に対して傾斜しており、水平湾曲面124は(紙面)左右方向に対し水平である。すなわち、くさび12の傾斜湾曲面122はくさび12の水平湾曲面124に対して傾斜しており、くさび12の傾斜湾曲面122は水平湾曲面124に対して(紙面)右側から左側に向かって徐々に(紙面)上側に傾斜する。互いに平行である左端面121及び右端面123はそれぞれくさび12の水平湾曲面124に対し直角をなし、(紙面)上下方向における左端面の高さ(長さ)は右端面123の高さ(長さ)よりも小さい。即ち、左端面121の円の直径は右端面123の円の直径よりも小さい。
【0043】
本実施形態では、T字形ピン13はベース部131及び延出部132を含む。T字形ピン13のベース部131は(紙面)上下方向に延伸する円筒形状であり、T字形ピン13の延出部132は(紙面)上下方向に延伸する円筒形状であり、T字形ピン13の延出部132はT字形ピン13のベース部131の上端部に結合され、T字形ピン13のベース部131と同軸で配置されている。T字形ピン13の延出部132はT字形ピン13のベース部131から半径方向に延出する。即ち、T字形ピン13の延出部132の直径は、T字形ピン13のベース部131の直径よりも大きい。
【0044】
さらに、T字形ピン13のベース部131の(紙面)上下方向におけるほぼ中央部に溝133が形成されており、T字形ピン13の溝133は、(紙面)左右方向においてT字形ピン13のベース部131の両側を貫通し、くさび12の受容に適合するよう構成される。即ち、T字形ピン13の溝133の内壁面は、偏心円錐(コーン)の外周面の一部として構成されている。具体的には、T字形ピン13の溝133の上側壁面は(紙面)左右方向で水平である。即ち、T字形ピン13の溝133の上側壁面は、くさび12の水平湾曲面124に対して当接するよう適合化されている。T字形ピン13の溝133の下側壁面1331は傾斜湾曲面として構成されており、T字形ピン13の溝133の上側壁面に対するその下側壁面1331の傾斜角は、くさび12の水平湾曲面124に対するくさび12の傾斜湾曲面122の傾斜角と同じであり、T字形ピン13の溝133の下側壁面1331は、同様に、上側壁面に対し(紙面)右側から左側に向かって徐々に上側に傾斜されている。T字形ピン13の溝133は(紙面)前後方向においてT字形ピン13の中央部に形成されているが、本開示はこれに限定されるものではなく、T字形ピン13の溝133は(紙面)前後方向においてT字形ピン13の前側または後側に形成されてもよいと、理解されたい。
【0045】
本実施形態では、ハウジング14は、ねじクランプレバー11、くさび12及びT字形ピン13を収容するために使用される。
【0046】
本実施形態では、(紙面)左右方向に延伸するねじ穴141は、ハウジング14の右壁に形成されており、ねじクランプレバー11のねじ部111の取り付けに適合化されている。ねじクランプレバー11はねじによってハウジング14に結合されており、ねじクランプレバー11のレバー部112を一方の方向に回転すると、ねじクランプレバー11のねじ部111はハウジング14に螺入され、ねじクランプレバー11のレバー部112を反対方向に回転すると、ねじクランプレバー11のねじ部111はハウジング14から螺出される。したがって、ねじクランプレバー11のねじ部111の運動は左右方向に制限される。
【0047】
本実施形態では、ハウジング14は、クランプ装置10の組み立て及びメンテナンスを容易にするように脱着可能な構造であるように構成されている。好ましくは、ハウジング14の右壁は脱着可能な構造であるように構成され、これにより右壁は、ねじ穴141のねじ山が損傷しても、(早急に)交換されることができる。
【0048】
本実施形態では、ハウジング14内には(紙面)左右方向に延伸するチャンバ144が形成されており、ハウジング14のチャンバ144は円筒形状に構成され、くさび12を収容するために使用される。具体的には、ハウジング14のチャンバ144の直径はくさび12の右端面123の円の直径以上であり、好ましくは、ハウジング14のチャンバ144の直径は、くさび12の半径方向における運動の制限を容易にするよう、くさび12の右端面123の円径に等しい。さらに、ハウジング14のチャンバ144はハウジング14の右壁のねじ穴141と連通しており、これにより、ねじクランプレバー11のねじ部111は、ハウジング14に螺入されるとき、ハウジング14のチャンバ144に進入する。ハウジング14のチャンバ144は、直方体のような他の形状に構成されてもよく、本開示がこれに限定されないことを理解されたい。
【0049】
本実施形態では、(紙面)上下方向に延伸する丸穴142は、ハウジング14の上側壁に形成され、T字形ピン13のベース部131を受け入れるよう適合化されており、具体的には、ハウジング14の上側壁の丸穴142の直径は、T字形ピン13のベース部131の直径以上である。本実施形態では、(紙面)上下方向に延伸する円形溝143は、ハウジング14の下側壁に形成され、T字形ピン13のベース部131を受け入れるよう適合化されており、具体的には、ハウジング14の下側壁の円形溝143の直径は、T字形ピン13のベース部131の直径以上である。ハウジング14の上側壁の丸穴142とハウジング14の下側壁の円形溝143は同軸に配置され、ハウジング14の上側壁の丸穴142とハウジング14の下側壁の円形溝143はそれぞれハウジング14のチャンバ144と連通する。好ましくは、ハウジング14の上側壁の丸穴142の軸線とハウジング14の下側壁の円形溝143の軸線の(紙面左右方向と紙面前後方向とによって決定される)水平面における投影(図形)は、ハウジング14のチャンバ144の軸の該水平面における投影(図形)と一致する。したがって、T字形ピン13のベース部131の下端部は、ハウジング14の上側壁の丸穴142及びハウジング14のチャンバ144を容易に通過し、ハウジング14の下側壁の円形溝143に(容易に)進入することができ、これにより、T字形ピン13の運動は(紙面)上下方向に制限される。好ましくは、ハウジング14の上側壁の丸穴142の直径とハウジング14の下側壁の円形溝143の直径はそれぞれT字形ピン13のベース部131の直径に等しく、これによりT字形ピン13はより良く案内されることができ、(紙面)左右方向及び(紙面)前後方向におけるT字形ピン13の変位は、クランプ状態にあるときに制限されることができ、このようにしてクランプ(作用)はより強固(安定)になる。
【0050】
本実施形態では、先行技術の本体3のようなクランプ対象17は、T字形ピン13を受け入れるために使用される、(紙面)前後方向においてクランプ対象17の底部を貫通する受け溝171を備える。受け溝はT字形の断面を有し、第1の溝及び第2の溝を含み、(紙面)左右方向における第1の溝の幅は(紙面)左右方向の第2の溝の幅よりも大きい。特に、(紙面)上下方向におけるクランプ対象17の受け溝171の第1の溝の高さ(長さ)は(紙面)上下方向におけるT字形ピン13の延出部132の高さ(長さ)よりもわずかに大きく、これによりT字形ピン13は受け溝171の内外に好都合な態様で摺動することができる。
【0051】
本開示では、ねじクランプレバー11はねじによってハウジング14に結合され(ハウジング14に螺合され)、T字形ピン13はハウジング14の上側壁の丸穴142を貫通通過してハウジング14の下側壁の円形溝143に進入し、くさび12はハウジング14のチャンバ144に配置され、ねじクランプレバー11のねじ部111の左端部1111はくさび12の右端面123に選択的に当接することができ、くさび12の左端面121はT字形ピン13の溝133に進入するかまたは貫通通過する。くさび12の傾斜湾曲面122は(紙面)下方を向き、T字形ピン13の溝133の下側壁面1331は(紙面)上方を向き、これによりくさび12の傾斜湾曲面122はT字形ピン13の溝133の下側壁面1331に対向配置される。
【0052】
本実施形態では、ねじクランプレバー11のねじ部111の左端部1111は球面となるように構成され、これによりねじクランプレバー11のねじ部111の左端部1111がくさび12の右端面123に当接したとき、それらの間の接触面積を縮小することができ、このようにして磨耗の減少は容易され、クランプ装置10の寿命は延長される。ねじクランプレバー11のねじ部111の左端部1111は平面のような他の形状に構成されてもよいことを理解されたい。
【0053】
本開示の実施形態に係るミクロトームのためのクランプ装置10のクランププロセスについて、添付の図面を参照して以下に説明する。
【0054】
クランプ対象17のクランプが必要な場合、クランプ対象17はT字形ピン13の外側に嵌め込まれ(外嵌され)、ねじクランプレバー11のねじ部111はねじクランプレバー11のレバー部112を回転させることによってハウジング14の内部に向かって移動し、ねじ部111の左端部1111はくさび12の右端面123に当接し、くさび12を押圧して(紙面)左側に移動させる;くさび12の傾斜湾曲面122はT字形ピン13の溝133の下側壁面1331と徐々に係合し、くさび12の水平湾曲面124はハウジング14のチャンバ144の内面と徐々に係合し、くさび12は係合した傾斜面を介してT字形ピン13を(紙面)下方へ引き込み、これによりT字形ピン13の延出部132の下面と、クランプ対象17の受け溝171の第1の溝の下側壁面との間のクランプ力は徐々に増加し、その結果、クランプ対象17はハウジング14の上側壁の外面に押し付けられる。この場合、ねじクランプレバー11のレバー部112は解放されることも可能であり、本開示の実施形態に係るミクロトームのためのクランプ装置10は、くさび構造及びねじ構造の自己ロック性質のために良好な自己ロック効果を有する。本開示の実施形態に係るクランプ装置10はプル型クランプ装置となるように構成されていると理解されたい。
【0055】
さらに、クランプ対象17に接触するT字形ピン13の一部分は使用期間後に摩耗を生じることが想定されるが、これは、ハウジング14に螺入されるねじクランプレバー11のねじ部111の長さを増すことによって補償されることができる。したがって、本開示の実施形態に係るクランプ装置10の寿命は延長されることができる。
【0056】
本開示において、本開示の実施形態に係るミクロトームのためのクランプ装置10は、ハウジング14内に配置されかつくさび12の左端面121とハウジング14の左壁との間に位置付けられる(第1の弾性要素の一例としての)第1のばね15を含むことができる。第1のばね15は一定量の予圧を有し、これによりくさび12はねじクランプレバー11のねじ部111の左端部1111に常に当接することができる。
【0057】
本開示の実施形態に係るミクロトームのためのクランプ装置10の解放プロセスについて、添付の図面を参照して以下に説明する。
【0058】
クランプ対象17の解放が必要な場合、ねじクランプレバー11のねじ部111はねじクランプレバー11のレバー部112を回転することによってハウジングの外部に向かって移動され、くさび12は、くさび構造の自己ロックを克服し、第1のばね15の弾性復元力の作用を受けて(紙面)右側に移動し、T字形ピン13の溝133の下側壁面1331はくさび12の傾斜湾曲面122と徐々に係合が外れ、これによりT字形ピン13の延出部132の下面とクランプ対象17の受け溝171の第1の溝の下側壁面との間のクランプ力はクランプ対象17が解放されるまで徐々に減少し、クランプ対象17は(紙面)前後方向において容易に取り外されることができる。
【0059】
本開示において、本開示の実施形態に係るミクロトームのためのクランプ装置10は、ハウジング14内に配置されかつT字形ピン13の下端部とハウジング14の下側壁との間に位置付けられる(第2の弾性要素の一例としての)第2のばね16をさらに含むことができる。第2のばね16は一定量の予圧を有し、これによりT字形ピン13の溝133の下側壁面1331はくさび12の傾斜湾曲面122に常に係合し、くさび12の水平湾曲面124はハウジング14のチャンバ144の内面に係合する。したがって、クランプ対象17が解放されかつT字形ピン13がクランプ対象17の受け溝171から外に摺動されたとき、T字形ピン13は、その重力の作用により、T字形ピン13の溝133に進入しているくさび12に対し衝撃を与えることが阻止される。
【0060】
クランプ装置10は、
図1及び
図2に示すように、ミクロトーム100に適用可能であり、本体3はT字形の断面を有する受け溝を有する。したがって、本開示の実施形態に係るクランプ装置10はセグメント湾曲部材5に配されることができる。T字形ピン13は本体3の受け溝内に摺動され、ねじクランプレバー11は、本体3がセグメント湾曲部材5に沿って横方向に適切な位置へ調整された後、T字形ピン13が本体3をセグメント湾曲部材5上でクランプするよう、操作されることができる。同様に、基部1はT字形の断面を有する受け溝を有する。したがって、本開示の実施形態に係るクランプ装置10は取り付けシート102に配置されることができる。T字形ピン13は基部1の受け溝内に摺動され、ねじクランプレバー11は、ナイフホルダ1全体が適切な位置に調整された後、T字形ピン13が基部1を取り付けシート102上でクランプするよう、操作されることができ、これによりナイフホルダ101全体のためのクランプが達成される。
【0061】
本開示の実施形態に係るクランプ装置10のために、くさび構造、ねじ構造、レバー構造等を設けることによって、クランプ装置10は、容易な操作、良好な自己ロック性能及び長寿命という利点を有する。
【0062】
本開示の別の実施形態に係るミクロトームのためのクランプ装置20について、添付の図面を参照して以下に説明する。
【0063】
クランプ装置20の説明では、クランプ装置10と同じ部分の説明は簡略にするために省略する。
図5及び
図6に示すように、本開示の実施形態に係るミクロトームのためのクランプ装置20は、(操作部材の一例としての)ねじクランプレバー21と、くさび22と、(クランプ部材の一例としての)円筒形ピン23と、ハウジング24を含む。本開示の実施形態に係るクランプ装置20は、くさび22、円筒形ピン23、及びハウジング24が異なる構造を有するという点で、本開示の上記実施形態に係るクランプ装置10と異なる。
【0064】
本実施形態では、くさび22は面取りシリンダとして構成され、くさび22は互いに平行である左端面221及び右端面223と、傾斜平面222と、円柱面224を含む。傾斜平面222は(紙面)左右方向において傾斜し、円柱面224は(紙面)左右方向において水平である。すなわち、くさび22の傾斜平面222はくさび22の円柱面224に対して傾斜し、くさび22の傾斜平面222は、円柱面224に対して(紙面)右側から左側に向かって徐々に(紙面)下方に傾斜する。互いに平行である左端面221及び右端面223はそれぞれくさび22の円柱面224に対し直角をなし、(紙面)上下方向における左端面221の高さ(長さ)は右端面123の高さ(長さ)未満である。
【0065】
本実施形態では、円筒形ピン23の上端部232は球面となるよう構成され、その下端部231は傾斜平面となるよう構成されている。円筒形ピン23の上端部232の球面はクランプ対象27を押圧するためにクランプ対象27の下面に当接するよう適合化されている。水平面に対する円筒形ピン23の下端部231の傾斜平面の傾斜角はくさび22の円柱面224に対するくさび22の傾斜平面222の傾斜角と同じであり、円筒形ピン23の下端部231の傾斜平面は(紙面)右側から左側に向かって徐々に(紙面)下方に傾斜する。
【0066】
本実施形態では、ハウジング24はねじクランプレバー21、くさび22及び円筒形ピン23を収容するために使用される。本開示の実施形態に係るハウジング24は、円筒形ピン23の取り付け及び案内のための構造が、ハウジング24に形成された丸穴242だけであるよう構成されており、そのため、ハウジング24は簡略な構造を有するという点において、上記実施形態に係るハウジング14とは異なる。
【0067】
本実施形態では、先行技術のプレッシャー(締付)プレート4のようなクランプ対象27のために、構造に特別な変更を施す必要はない。
【0068】
本実施形態では、ねじクランプレバー21のレバー部212は、ねじクランプレバー21のねじ部211の右端部2112に一体形成されかつねじクランプレバー21のねじ部211の軸線に対し直角をなしており、ねじクランプレバー21のねじ部211はねじによってハウジング24のねじ穴241に螺入され、円筒形ピン23はハウジング24の上側壁の丸穴242を貫通通過し、くさび22はハウジング24のチャンバ243内にかつ円筒形ピン23の(紙面)下方に配置されている。ねじクランプレバー21のねじ部211の左端部2111はくさび22の右端面223に選択的に当接することができる。くさび22の傾斜平面222は(紙面)上方を向き、円筒形ピン23の傾斜平面は(紙面)下方を向き、これによりくさび22の傾斜平面222は円筒形ピン23の傾斜平面に対向配置される。
【0069】
本開示の実施形態に係るミクロトームのためのクランプ装置20のクランププロセスは、くさび22が係合面を介して円筒形ピン23を(紙面)上方に押圧し、以って、クランプ対象27に印加されるクランプ力を生成するという点で、本開示の上記実施形態に係るクランプ装置10と異なる。本開示の実施形態に係るクランプ装置20はプッシュ型クランプ装置であるように構成されていると、理解されたい。
【0070】
本実施形態では、本開示の実施形態に係るクランプ装置20はハウジング24内に配置されかつくさび22の左端面221とハウジング24の左壁との間に位置付けられる(第1の弾性要素の一例としての)ばね25をさらに含むことができる。クランプ対象27を解放する際、くさび22は、くさび構造の自己ロックを克服し、ばね25の弾性回復力の作用を受けて(紙面)右側へ移動し、かくして、クランプ対象27の解放を容易にする。
【0071】
本開示の実施形態に係るクランプ装置20は、
図7に示す一例のように、ミクロトーム100に適用可能であり、本開示の実施形態に係るクランプ装置20はミクロトームブレード2をクランプするために使用される。クランプ装置20は(ハウジング24に対応する)本体3に取り付けられ、プレッシャープレート4は(紙面)左右[前後]方向に延伸するシャフト6に結合部7を介して固定的に結合され、シャフト6は本体3に枢動可能に取り付けられる。したがって、くさび22はねじクランプレバー21のレバー部212の回転によって円筒形ピン23を(紙面)上方に押圧し、円筒形ピン23の上端部はプレッシャープレート4に当接し、プレッシャープレート4を押圧してシャフト6の回りで回転させ、これによりプレッシャープレート4の後端部は本体3の当接面にミクロトームブレード2を押し付け、さらにミクロトームブレード2のためのクランプが達成される。
【0072】
本開示の実施形態に係るミクロトームのためのクランプ装置20のために、くさび構造、ねじ構造、レバー構造等を備えることによって、クランプ装置20は、容易な操作、良好な自己ロック性能及び長寿命並びに簡略な構造という利点を有する。
【0073】
本開示の上記実施形態に係るクランプ装置を含む本開示の実施形態に係るミクロトームがさらに提供される。
【0074】
本開示の実施形態に係るミクロトームは、本開示の上記実施形態に係るクランプ装置を備えているため、容易な操作、良好な自己ロック性能及び長寿命という利点を有する。
【0075】
さらに、「第1の」及び「第2の」のような用語は、説明の目的のために本明細書で使用されており、相対的な重要性もしくは意義を示すこともしくは暗示することは意図されておらず、また、示された技術的特徴の数を暗示することは意図されていない。したがって、「第1の」及び「第2の」で定義された特徴は1つ以上の当該特徴を含み得る。本開示の説明においては、用語「複数の(a plurality of)」は、特に明記しない限り、2つまたは3つ以上を意味する。
【0076】
本開示において、特に指定または限定されない限り、用語「取り付けられる(mounted)」、「結合される(connected)」、「連結される(coupled)」、「固定される(fixed)」等は、広義に使用されており、例えば、固定的な結合、着脱可能な結合または一体的な結合であり得る;更に、機械的または電気的結合でもあり得る;更に、直接的結合または介在構造を介した間接的結合でもあり得る;更に、2つの要素の内部的連絡(連通)でもあり得る。当業者であれば、具体的な状況に従って上記の用語を理解できる。
【0077】
本開示において、特に明記または限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上に(on)」または「下に(below)」ある構造は、第1の特徴が第2の特徴と直接的に接触する形態を含み得るし、第1の特徴と第2の特徴が互いに直接的に接触するのではなく、それらの間に形成される追加の特徴を介して接触する形態も含み得る。さらに、第2の特徴の「上に(on)」、「上方に(above)」または「上部(頂部)に(on top of)」ある第1の特徴は、第1の特徴が第2の特徴の直ぐ又は斜め「上に(on)」、「上方に(above)」または「上部(頂部)に(on top of)」ある形態を含み得るが、単に第1の特徴が第2の特徴の高さよりもより高い高さにあることを意味することもある。他方、第2の特徴の「下方に(below)」、「下に(under)」または「下部(底部)に(on bottom of)」ある第1の特徴は、第1の特徴が第2の特徴の直ぐ又は斜め「下方に(below)」、「下に(under)」または「下部(底部)に(on bottom of)」ある形態を含み得るが、単に第1の特徴が第2の特徴の高さよりもより低い高さにあることを意味することもある。
【0078】
本明細書全体にわたっての「一実施形態(an embodiment)」、「いくつかの実施形態(some embodiments)」、「一実施例(an example)」、「特定の一実施例(a specific example)」または「いくつかの実施例(some examples)」への言及は、実施形態または実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、材料または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態または実施例に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所でのこれらのフレーズの出現は必ずしも本開示の同じ実施形態または実施例に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料または特性は、1つ以上の実施形態または実施例において任意の適切な方法で組み合わせられることができる。さらに、本明細書に説明される多様な実施形態または実施例は当業者によって組み合わせられることができる。
【0079】
例示的な実施形態を示し説明してきたが、上記実施形態は本開示を限定するものと解釈されるべきものではなく、本開示の趣旨、原理及び範囲から逸脱することなく該実施形態に変更、代替及び修正を加えることができることは、当業者により理解されるであろう。
【符号の説明】
【0080】
100 ミクロトーム
101 ナイフホルダ
102 取り付けシート
1 基部
2 ミクロトームブレード
3 本体
4 プレッシャー(締付)プレート
5 セグメント湾曲部材
6 シャフト
7 結合部
10 クランプ装置
11 ねじクランプレバー
111 ねじ部
1111 左端部
1112 右端部
112 レバー部
12 くさび
121 左端面
122 (傾斜)湾曲面
123 右端面
124 水平湾曲面
13 T字形ピン
131 ベース部
132 延出部
133 溝
1331 下側壁面
14 ハウジング
141 ねじ穴
142 丸穴
143 円形溝
144 チャンバ
15 第1のばね
16 第2のばね
17 クランプ対象
171 受け溝
20 クランプ装置
21 ねじクランプレバー
211 ねじ部
2111 左端部
2112 右端部
212 レバー部
22 くさび
221 左端面
222 傾斜平面
223 右端面
224 円柱面
23 円筒形ピン
231 下端部
232 上端部
24 ハウジング
241 ねじ穴
242 丸穴
243 チャンバ
25 ばね
27 クランプ対象