(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】物品用のスライドオープンパッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 5/38 20060101AFI20230921BHJP
B65D 75/36 20060101ALI20230921BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
B65D5/38 D
B65D75/36
B65D77/04 C
(21)【出願番号】P 2020543210
(86)(22)【出願日】2019-02-19
(86)【国際出願番号】 IB2019051311
(87)【国際公開番号】W WO2019162818
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】102018000002849
(32)【優先日】2018-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】カナフォーリア,シルビア
(72)【発明者】
【氏名】フェデリーチ,ルカ
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第01937222(US,A)
【文献】登録実用新案第3182980(JP,U)
【文献】特開平09-301470(JP,A)
【文献】国際公開第2010/000595(WO,A1)
【文献】特表2012-511476(JP,A)
【文献】特表2012-504081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/38
B65D 75/36
B65D 77/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品用のスライドオープンパッケージ(1)であって、
少なくとも1つの物品と、
前記物品を前記パッケージ(1)から取り出すための抽出開口部(20)を備えた内側シェル(2)と、
開口部(30)を備えた外側シェル(3)であって、前記開口部(30)を通して前記内側シェル(2)は、前記抽出開口部(20)を通して前記物品にアクセスできる開位置(A)と、前記物品へのアクセスを防止する閉位置(B)との間でスライド方向(X)にスライドできる、外側シェル(3)と、を備え、
前記スライドオープンパッケージ(1)は、
前記物品が固定される物品支持壁(4)と、
前記支持壁(4)に接続され且つ折り畳み可能である、前記外側シェル(3)と前記内側シェル(2)とを接続する接続要素(5)であって、前記内側シェル(2)が前記閉位置(B)から前記開位置(A)に移動される場合に、集合位置(C)から前記支持壁(4)を回転させて前記抽出開口部(20)を通して前記物品が出てくる伸長位置(D)に移動される接続要素(5)と、を備えるスライドオープンパッケージ(1)。
【請求項2】
前記内側シェル(2)が前記閉位置(B)にあるとき、前記支持壁(4)が前記スライド方向(X)に実質的に平行に配置される、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項3】
前記物品支持壁(4)が前記物品が固定される支持面を有し、前記閉位置(B)に対応する第1の位置であって、前記支持面が前記抽出開口部(20)に向けられた状態で前記支持壁(4)が前記スライド方向(X)に実質的に平行に配置されて、前記支持面に固定された前記物品が前記内側シェル(2)の内部の空間に向けられる第1の位置と、前記開位置(A)に対応する第2の位置であって、前記支持壁(4)が前記物品を使用者に露出するために前記抽出開口部(20)の反対側に向けられる第2の位置との間で回転可能である、請求項1または2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記第2の位置での前記支持壁(4)は、前記第1の位置に対して約180°回転されている、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記支持壁(4)が前記内側シェル(2)に対して固定された傾斜軸の周りを回転可能に前記内側シェル(2)に接続されており、それにより、前記支持壁(4)は、前記外側シェル(3)に対して前記内側シェル(2)を挿入するまたは引き出すための動きに従って、前記傾斜軸の周りを中心に回転できる、請求項1から4の
いずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記内側シェル(2)は、前記抽出開口部(20)に対向する底壁(21)を備え、
前記外側シェル(3)は、前記内側シェル(2)の前記底壁(21)に面する下壁(31)と、前記内側シェル(2)が前記閉位置(B)にあるとき、前記内側シェル(2)の前記抽出開口部(20)に面する上壁(32)と、互いに対向して平行である第1のフランク(33)および第2のフランク(34)であって、各々が前記下壁(31)と前記上壁(32)とを接続し且つ前記スライド方向(X)に平行に延在する第1のフランク(33)および第2のフランク(34)と、それぞれ前記第1のフランク(33)および前記第2のフランク(34)から前記外側シェル(3)の内側に延在する第1のフラップ(35)および第2のフラップ(36)であって、前記内側シェル(2)の前記上壁(32)に面する第1のフラップ(35)および第2のフラップ(36)と、を備える、請求項1から5のいずれか1項に記載のパッケージ(1)。
【請求項7】
前記支持壁(4)は、第1の辺(41)と前記第1の辺(41)と対向し且つ平行な第2の辺(42)とを含み、前記第1の辺(41)および前記第2の辺(42)は、前記スライド方向(X)に平行な平面にあり、
前記接続要素(5)は、前記支持壁(4)の前記第1の辺(41)に固定された第1のストリップ(50)と、前記支持壁(4)の前記第2の辺(42)に固定された第2のストリップ(51)とを備え、
前記第1のストリップ(50)と前記第2のストリップ(51)は、前記第1のストリップ(50)および前記第2のストリップ(51)がZ字形構成に配置された前記集合位置(C)と、前記伸長位置(D)との間で移動するために折り畳み可能である、請求項1から6のいずれか1項に記載のパッケージ(1)。
【請求項8】
前記第1および第2のストリップ(50、51)がそれぞれ、前記外側シェル(3)に接続される第1の端部と、前記第1の端部とは反対側であり且つ前記内側シェル(2)に接続される第2の端部とを有し、前記支持壁(4)は、それぞれの第1の端部と第2の端部との間に含まれる各ストリップ(50、51)の中間部分に接続される、請求項7に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記第1のストリップ(50)および前記第2のストリップ(51)がそれぞれ、
第1のヒンジ線(52)で前記外側シェル(3)に接続された第1のタブ(50a、51a)と、
第2のヒンジ線(53)で前記第1のタブ(50a、51a)に接続された第2のタブ(50b、51b)と、
第3のヒンジ線(54)で前記第2のタブ(50b、51b)に接続され且つ第4のヒンジ線(55)で前記内側シェル(2)に接続された第3のタブ(50c、51c)と、を備え、
前記第1のストリップ(50)の前記第3のタブ(50c)は、前記支持壁(4)の前記第1の辺(41)に固定され、前記第2のストリップ(51)の前記第3のタブ(51c)は、前記支持壁(4)の前記第2の辺(42)に固定される、請求項7または8に記載のパッケージ(1)。
【請求項10】
前記支持壁(4)は、第1の辺(41)と前記第1の辺(41)と対向し且つ平行な第2の辺(42)とを含み、前記第1の辺(41)および前記第2の辺(42)は、前記スライド方向(X)に平行な平面にあり、
前記接続要素(5)は、前記支持壁(4)の前記第1の辺(41)に固定された第1のストリップ(50)と、前記支持壁(4)の前記第2の辺(42)に固定された第2のストリップ(51)とを備え、
前記第1のストリップ(50)と前記第2のストリップ(51)は、前記第1のストリップ(50)および前記第2のストリップ(51)がZ字形構成に配置された前記集合位置(C)と、前記伸長位置(D)との間で移動するために折り畳み可能であり、
前記第1のストリップ(50)および前記第2のストリップ(51)がそれぞれ、
第1のヒンジ線(52)で前記外側シェル(3)に接続された第1のタブ(50a、51a)と、
第2のヒンジ線(53)で前記第1のタブ(50a、51a)に接続された第2のタブ(50b、51b)と、
第3のヒンジ線(54)で前記第2のタブ(50b、51b)に接続され且つ第4のヒンジ線(55)で前記内側シェル(2)に接続された第3のタブ(50c、51c)と、を備え、
前記第1のストリップ(50)の前記第3のタブ(50c)は、前記支持壁(4)の前記第1の辺(41)に固定され、前記第2のストリップ(51)の前記第3のタブ(51c)は、前記支持壁(4)の前記第2の辺(42)に固定され、
前記傾斜軸は、前記ストリップ(50、51)の各々の前記第4のヒンジ線(55)によって規定される、請求項5に記載のパッケージ。
【請求項11】
前記ストリップ(50、51)の各々がまた、それぞれの第4のヒンジ線(55)によってそれぞれの第3のタブ(50c、51c)に接続され且つ接着によって前記内側シェル(2)に固定された第4のタブ(50d、51d)を有し、各第3のタブ(50c、51c)がそれぞれの第4のヒンジ線(55)の周りで前記内側シェル(2)にヒンジ結合される、請求項9または10に記載のパッケージ。
【請求項12】
前記支持壁(4)は、第1の辺(41)と前記第1の辺(41)と対向し且つ平行な第2の辺(42)とを含み、前記第1の辺(41)および前記第2の辺(42)は、前記スライド方向(X)に平行な平面にあり、
前記接続要素(5)は、前記支持壁(4)の前記第1の辺(41)に固定された第1のストリップ(50)と、前記支持壁(4)の前記第2の辺(42)に固定された第2のストリップ(51)とを備え、
前記第1のストリップ(50)と前記第2のストリップ(51)は、前記第1のストリップ(50)および前記第2のストリップ(51)がZ字形構成に配置された前記集合位置(C)と、前記伸長位置(D)との間で移動するために折り畳み可能であり、
前記第1のストリップ(50)および前記第2のストリップ(51)がそれぞれ、
第1のヒンジ線(52)で前記外側シェル(3)に接続された第1のタブ(50a、51a)と、
第2のヒンジ線(53)で前記第1のタブ(50a、51a)に接続された第2のタブ(50b、51b)と、
第3のヒンジ線(54)で前記第2のタブ(50b、51b)に接続され且つ第4のヒンジ線(55)で前記内側シェル(2)に接続された第3のタブ(50c、51c)と、を備え、
前記第1のストリップ(50)の前記第3のタブ(50c)は、前記支持壁(4)の前記第1の辺(41)に固定され、前記第2のストリップ(51)の前記第3のタブ(51c)は、前記支持壁(4)の前記第2の辺(42)に固定され、
前記外側シェル(3)の前記第1のフラップ(35)および前記第2のフラップ(36)が、前記内側シェル(2)が前記閉位置(B)にあるときに、それぞれ前記第1の
ストリップ(50)および前記第2の
ストリップ(51)の前記第1のタブ(50a、51a)と前記第2のタブ(50b、51b)との間に配置される、請求項6に記載のパッケージ(1)。
【請求項13】
前記第1のフラップ(35)および前記第2のフラップ(36)がそれぞれ、前記外側シェル(3)の前記上壁(32)に接着された第1の部分(35a、36a)と、前記第1の部分(35a、36a)に連続し且つ前記第1のストリップ(50)および前記第2のストリップ(51)の前記第1のタブ(50a、51a)にそれぞれ面する、接着剤のない第2の部分(35b、36b)と、を備える請求項12に記載のパッケージ(1)。
【請求項14】
前記支持壁(4)は、第1の辺(41)と前記第1の辺(41)と対向し且つ平行な第2の辺(42)とを含み、前記第1の辺(41)および前記第2の辺(42)は、前記スライド方向(X)に平行な平面にあり、
前記接続要素(5)は、前記支持壁(4)の前記第1の辺(41)に固定された第1のストリップ(50)と、前記支持壁(4)の前記第2の辺(42)に固定された第2のストリップ(51)とを備え、
前記第1のストリップ(50)と前記第2のストリップ(51)は、前記第1のストリップ(50)および前記第2のストリップ(51)がZ字形構成に配置された前記集合位置(C)と、前記伸長位置(D)との間で移動するために折り畳み可能であり、
前記第1のストリップ(50)および前記第2のストリップ(51)がそれぞれ、
第1のヒンジ線(52)で前記外側シェル(3)に接続された第1のタブ(50a、51a)と、
第2のヒンジ線(53)で前記第1のタブ(50a、51a)に接続された第2のタブ(50b、51b)と、
第3のヒンジ線(54)で前記第2のタブ(50b、51b)に接続され且つ第4のヒンジ線(55)で前記内側シェル(2)に接続された第3のタブ(50c、51c)と、を備え、
前記第1のストリップ(50)の前記第3のタブ(50c)は、前記支持壁(4)の前記第1の辺(41)に固定され、前記第2のストリップ(51)の前記第3のタブ(51c)は、前記支持壁(4)の前記第2の辺(42)に固定され、
前記第1のフラップ(35)および前記第2のフラップ(36)がそれぞれ、前記外側シェル(3)の前記上壁(32)に接着された第1の部分(35a、36a)と、前記第1の部分(35a、36a)に連続し且つ前記第1のストリップ(50)および前記第2のストリップ(51)の前記第1のタブ(50a、51a)にそれぞれ面する、接着剤のない第2の部分(35b、36b)と、を備える請求項6に記載のパッケージ(1)。
【請求項15】
前記第1のフラップ(35)および前記第2のフラップ(36)の前記第2の部分(35b、36b)は、前記第2の部分(35b、36b)の自由端の近くにおいて前記内側シェル(2)の前記スライド方向(X)に対して横方向のヒンジ線(38)を含む、請求項13
または14に記載のパッケージ(1)。
【請求項16】
前記第2のタブ(50b、51b)が、前記第2のヒンジ線(53)で前記第1のタブ(50a、51a)に接続された第1の部分(501、511)と、第5のヒンジ線(56)で前記第1の部分(501、511)に接続され且つ前記第3のヒンジ線(54)で前記第3のタブ(50c、51c)に接続された第2の部分(502、512)と、を備える請求項9から
15のいずれか1項に記載のパッケージ(1)。
【請求項17】
前記第1のストリップ(50)の前記第1のタブ(50a)が、前記第2のストリップ(51)の前記第1のタブ(51a)に接続される、請求項9から
16のいずれか1項に記載のパッケージ(1)。
【請求項18】
前記第1のヒンジ線(52)、前記第2のヒンジ線(53)、前記第3のヒンジ線(54)および前記第4のヒンジ線(55)が互いに平行であり且つ前記内側シェル(2)の前記スライド方向(X)に対して直角である、請求項9から
17のいずれか1項に記載のパッケージ(1)。
【請求項19】
前記外側シェル(3)、前記接続要素(5)および前記支持壁(4)が単一部品として作製されている、請求項1から
18のいずれか1項に記載のパッケージ(1)。
【請求項20】
前記物品を収容し、前記支持壁(4)に固定されたブリスターパック(6)を含む、請求項1から
19のいずれか1項に記載のパッケージ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品(例えば、電子タバコカートリッジまたは加熱式(heat-not-burn)タイプの物品用のタバコセグメント)などの物品、または医薬品用のスライドオープンパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術において既知であるのは、物品を収容するトレイと、当該トレイがスライドすることができる開口部を有する外側シェルとを含む、物品用のパッケージである。より具体的には、トレイは、物品へのアクセスを可能にする開位置と、アクセスを防止する閉位置との間をスライドすることができる。
【0003】
誤って製品が落下するのを防ぐために、トレイは外側シェルから部分的にのみ引き出すことができる。このため、このパッケージでは、物品をトレイから取り出すことが難しい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、上記の欠点を克服する、物品用のスライドオープンパッケージを提供することである。
【0005】
より具体的には、本発明の目的は、物品の取り出しを容易にし、同時に、パッケージが開かれるときに物品が落下するリスクを最小限に抑えるスライドオープンパッケージを提供することである。
【0006】
上記の目的は、添付の特許請求の範囲による物品用のスライドオープンパッケージによって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、本発明の非限定的な実施形態を示す添付の図面を参照して以下に説明される。
【
図1-2】それぞれ、内側シェルが閉位置および開位置にある、本発明のパッケージの第1の実施形態の斜視図を示す。
【
図3】
図1のパッケージの外側シェル、接続要素および支持壁の斜視図である。
【
図4】
図1のパッケージの内側シェルの斜視図である。
【
図5】
図3の外側シェル、接続要素および支持壁を作製するために使用されるブランクの平面図である。
【
図6】
図4の内側シェルを作製するために使用されるブランクの平面図である。
【
図9-10】それぞれ、
図1および2のパッケージの一部を形成するブリスターパックの上面図および側面図である。
【
図11】内側シェルが開位置にある、本発明のパッケージのさらなる実施形態の斜視図である。
【
図12】
図11のパッケージのブリスターパックの斜視図である。
【
図13】
図12のパッケージのブリスターパックの実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付の図面を参照すると、数字1は、本発明による物品(図示せず)用のスライドオープンパッケージを総称的に示している。
【0009】
「物品」という用語は、タバコ、葉巻、電子タバコ、電子タバコカートリッジ、または加熱式(heat-not-burn(HNB))タイプの物品用のタバコセグメントなどのタバコ産業の物品を指す。代替的に、「物品」という用語は、食品産業の物品、具体的には菓子またはチョコレートなどの製菓、またはバイアルなどの製薬産業または化粧品産業の物品を指す場合がある。さらなる代替として、「物品」という用語は、電子産業の物品を指す場合がある。
【0010】
図1~10を参照して以下に説明するのは、本発明のパッケージ1の第1の好ましい実施形態である。
【0011】
パッケージ1は、5つの物品(図示せず)と、物品をパッケージ1から取り出すための抽出開口部20を含む内側シェル2と、外側シェル3であって、開口部30を含み、当該開口部30を介して、内側シェル2が抽出開口部20を通して物品へのアクセスを可能にする開位置Aと、物品へのアクセスを防止する閉位置Bとの間でスライド方向Xにスライドできる、外側シェル3と、を含む。
【0012】
パッケージ1はまた、物品が固定される物品支持壁4と、外側シェル3と内側シェル2とを接続し且つ支持壁4に接続される接続要素5とを備える。
【0013】
さらに、接続要素5は、内側シェル2が閉位置Bから開位置Aに移動されるときに、接続要素5が集合位置Cから伸長位置Dに移動されるように折り畳み可能であり、これにより、支持壁4が回転し、物品が抽出開口部20を通って出てくる。
【0014】
このように、内側シェル2を閉位置Bから開位置Aに移動させると、(内側シェル2と外側シェル3の両方に接続されている)接続要素5が、集合位置Cから伸長位置Dに移動する。接続要素5のこの動きにより、支持壁4が回転して内側シェル2の抽出開口部20を介して少なくとも部分的に外に出る。これは、有利には、物品をパッケージ1から取り出すことをより容易にする。
【0015】
さらに、物品は(回転を受ける)支持壁4に固定されるので、パッケージ1が開かれるときに物品が落下する危険が最小限に抑えられる。
【0016】
図1~10に示す実施形態を参照すると、パッケージ1は、5つの物品と、5つの物品を収容し且つ支持壁4に固定されたブリスターパック6(
図9および10)とを含む。
【0017】
ブリスターパック6は、実質的に長方形の形状(具体的には、支持壁4と同形状)であり、第1の端部60と、第1の端部60と対向し且つ平行な第2の端部61とを含む。
【0018】
支持壁4は、ブリスターパック6を支持壁4に取り外し可能に固定するために、ブリスターパック6の第1の端部60および第2の端部61を受容するサイズの一対のスリット40を備える(
図2)。有利なことに、パッケージ1の使用者は、毎回パッケージを開けるときに物品が落下するリスクを回避しつつ、必要な回数だけパッケージ1を使用することができる。
【0019】
あるいは、ブリスターパック6は支持壁4に接着されてもよく、またはブリスターパック6は異なる形状およびサイズを有してもよい。
【0020】
さらに、パッケージ1は異なる数の物品を収容してもよい。
【0021】
さらなる代替として、パッケージ1は、ブリスターパック6を含まなくてもよく、複数の物品(または1つの物品)は、支持壁4に直接固定されてもよい。
【0022】
好ましくは、支持壁4は、内側シェル2が閉位置Bにある場合、スライド方向Xに実質的に平行に配置される(
図7)。
【0023】
電子タバコカートリッジを収納するためにパッケージ1が使用されるとすると、内側シェル2が閉位置Bにある場合、カートリッジは実質的に水平に配置される。パッケージ1の厚さは、少なくともカートリッジの厚さに等しい必要がある。これに関して、内側シェル2が閉位置Bにあるときに支持壁4がスライド方向Xに対して実質的に直角である場合、パッケージ1の厚さは実質的に物品の高さ(例では、カートリッジの厚さよりも大きい、カートリッジの高さ)に対応する。
【0024】
有利には、提案されたパッケージ1は、収容し得る物品のサイズに関して使用される材料を最適化することを可能にする。
【0025】
言い換えると、接続要素5(以下で詳細に説明する)により、支持壁4を最大180°回転させることができる。
【0026】
図4を参照すると、内側シェル2は、抽出開口部20に対向する底壁21を含む。内側シェル2はまた、底壁21から上方に延び且つ抽出開口部20の範囲を定める縁部22(閉ループの箱形)を含む。
【0027】
内側シェル2のこの実施形態は、
図6に示すブランクを折り曲げて接着することによって得ることができる。
図6では、各部分は、可能な場合には、内側シェル2の対応する部分を示す参照番号と同じであるプライムされた参照番号でラベル付けされている。
【0028】
図示のように、この実施形態の内側シェル2は、トレイ状の形状である。
【0029】
図示されていない別の実施形態では、内側シェル2は、異なる形状およびサイズであってもよい。内側シェル2は、また、開ループの縁部を持ってもよい。
【0030】
好ましくは、内側シェル2は、厚紙(単層または多層)でできている。
【0031】
あるいは、内側シェル2は、プラスチック材料でできていてもよい。
【0032】
特に
図3を参照すると、外側シェル3は、内側シェル2の底壁21に面する下壁31と、内側シェル2が閉位置Bにある場合に内側シェル2の抽出開口部20に面する上壁32と、互いに対向し且つ平行である第1のフランク33および第2のフランク34であって、各々が下壁31および上壁32を接続し、スライド方向Xに平行に延在する第1のフランク33および第2のフランク34と、それぞれ第1のフランク33および第2のフランク34から外側シェル3の内側に延びる第1のフラップ35および第2のフラップ36であって、内側シェル2の上壁32に面している第1のフラップ35および第2のフラップ36と、を含む。
【0033】
外側シェル3はまた、第1のフランク33と第2のフランク34を互いに接続し、スライド方向Xに対して直角に延び、内側シェル2がスライドできる開口部30に面する第3のフランク37を含む。
【0034】
外側シェル3は、第1のフランク33および第2のフランク34の一端(具体的には開口部30の近くの端)にそれぞれ形成された一対の窪み39を備える。有利には、窪み39は、内側シェル2を把持して外側シェル3から滑らせるのをより容易にする。
【0035】
好ましくは、外側シェル3は、厚紙(単層または多層)でできている。
【0036】
あるいは、外側シェル3は、プラスチック材料で作ることができる。
【0037】
図1から10を参照すると、外側シェル3、接続要素5および支持壁4は、単一部品として作られる。言い換えれば、外側シェル3、接続要素5および支持壁4は、同一のブランクから作られる。例えば、単一部品として作られた外側シェル3、接続要素5、および支持壁4は、
図5に示すブランクを折り曲げて接着することによって得ることができ、各部分は、可能な場合、外側シェル3、接続要素5および支持壁4の対応する部分を示す参照番号と同じであるプライムされた参照番号でラベル付けされる。
【0038】
別の実施形態では、外側シェル3、接続要素5および支持壁4は、それぞれ特定のブランクから作られ且つ後の段階で互いに接続(接着)されてもよい。
【0039】
接続要素5および/または支持壁4は、厚紙(単層または多層)でできている。あるいは、それらはプラスチック材料でできていてもよい。
【0040】
支持壁4は、内側シェル2に対して固定された傾斜軸を中心に回転可能に内側シェル2に接続され、それにより、支持壁4は、特に内側シェル2が外側シェル3に挿入されるか、または外側シェル3から引き出される場合に実行される昇降運動に従って、傾斜軸を中心に回転することができる。
【0041】
図2および3を参照すると、支持壁4の形状は実質的に(縁が丸められた)長方形である。支持壁4は、第1の辺41および第1の辺41と対向し且つ平行である第2の辺42を含み、第1の辺41および第2の辺42は、少なくともパッケージの完全な閉構成において、および好ましくはまた完全な開構成において、スライド方向Xに平行な平面にある(つまり、パッケージ1が閉構成Bから開構成Aに移動する間、および開構成Aから閉構成Bに移動する間、スライド方向Xに平行な平面にある)。支持壁4はまた、互いに対向し且つ平行である第3の辺43および第4の辺44を含み、第3の辺43および第4の辺44は、第1の辺41および第2の辺42を接続し、内側シェル2のスライド方向Xに対して実質的に直角である。
【0042】
支持壁4およびブリスターパック6の形状は、好ましくは類似している。しかしながら、ブリスターパック6のサイズは、好ましくは、支持壁4よりも小さい。
【0043】
接続要素5は、支持壁4の第1の辺41に固定された第1のストリップ50と、支持壁4の第2の辺42に固定された第2のストリップ51とを含む(
図3)。各ストリップ50、51は、外側シェル3に接続された第1の端部と、第1の端部の反対側であり且つ内側シェル2に接続された第2の端部とを有する。支持壁4は、ストリップ50、51のそれぞれの第1の端部と第2の端部との間に含まれる各ストリップ50、51の中間部分に接続される。
【0044】
第1のストリップ50および第2のストリップ51は、第1のストリップ50および第2のストリップ51がZ字形構成で配置される集合位置C(
図1および7)と伸長位置D(
図2および8)との間で移動するために折り畳み可能である。
【0045】
このようにして、物品支持壁4は支持面を有し、当該支持面に物品が固定され、支持面は閉位置Bに対応する第1の位置であって、支持面が抽出開口部20に向けられた状態で支持壁4がスライド方向「X」に実質的に平行に配置されて支持面に固定された物品が内側シェル2の内側の空間に向けられる第1の位置と、開位置Aに対応する第2の位置であって、支持壁4が抽出開口部20の反対側に向けられて物品をユーザに露出させる第2の位置との間で回転可能である。支持壁4の回転は、支持壁4が貼り付けられる各ストリップ50、51の中間部分を、伸長構成(開位置A)とZ字形構成(閉位置B)との間で移動させることによって得られる。
【0046】
第1のバンド50および第2のバンド51はそれぞれ、第1のヒンジ線52で外側シェル3に接続された第1のタブ50a、51aと、第2のヒンジ線53で第1のタブ50a、51aに接続された第2のタブ50b、51bと、第3のヒンジ線54で第2のタブ50b、51bに接続され且つ第4のヒンジ線55で内側シェル2に接続された第3のタブ50c、51cと、を含む。
【0047】
第1のヒンジ線52、第2のヒンジ線53、第3のヒンジ線54および第4のヒンジ線55は、互いに平行であり且つ内側シェル2のスライド方向Xに対して直角である。有利には、それらは、第1のストリップ50および第2のストリップ51の、集合位置Cから伸長位置Dへの移動、およびその逆の移動を容易にする。
【0048】
有利には、傾斜軸は、各ストリップ50、51の第4のヒンジ線55によって規定される。より詳細に見ると、第4のヒンジ線55は互いに一致して、支持壁4のための共通の傾斜軸を形成する。
【0049】
第3のタブ50cは、支持壁4の第1の辺41に固定され、第3のタブ51cは、支持壁4の第2の辺42に固定される。
【0050】
図3を参照すると、第1のストリップ50および第2のストリップ51の第1のタブ50a、51aは、外側シェル3の上壁32に接続されている(より詳細には、既に述べたように、第1のストリップ50および第2のストリップ51は、図示の実施形態では、外側シェル3と単一部品として作製される)。
【0051】
言い換えれば、第1のストリップ50および第2のストリップ51の第1のタブ50a、51aは、内側シェル2の上壁32の延長部を形成する。実際には、第1のストリップ50および第2のストリップ51の第1のタブ50a、51aはまた、内側シェル2の下壁31に面している。
【0052】
好ましくは、第1のストリップ50の第1のタブ50aは、第2のストリップ51の第1のタブ51aに接続される(
図1)。そのような場合、第1のストリップ50および第2のストリップ51の第1のヒンジ線52は連続している。
【0053】
第1のストリップ50および第2のストリップ51の第3のタブ50c、51cは、第4のヒンジ線55で第4のタブ50d、51dに接続され、第4のタブ50d、51dは内側シェル2に接着される(言い換えれば、第3のタブ50c、51cは、第4のタブ50d、51dを内側シェル2に、好ましくは内側シェル2の箱状の縁部22に接着することによって、内側シェル2に接続される)。
【0054】
内側シェル2が閉位置Bにあるとき、外側シェル3の第1のフラップ35および第2のフラップ36は、それぞれ、第1のストリップ50および第2のストリップ51の第1のタブ50a、51aと第2のタブ50b、51bとの間に配置される。有利には、内側シェル2が閉位置Bにあるとき、接続要素5は確実に集合位置にあり、パッケージ1はこうして閉じられている。
【0055】
さらに、内側シェル2が閉位置Bにあるとき、第1のストリップ50および第2のストリップ51の第2のタブ50b、51bは、対応するそれぞれの第3のタブ50c、51cに面する。
【0056】
第1のフラップ35および第2のフラップ36はそれぞれ、外側シェル3の上壁32に接着された第1の部分35a、36aと、第1の部分35a、36aに連続し且つ第1のストリップ50および第2のストリップ51の第1のタブ50a、51aにそれぞれ面する、接着剤なしの第2の部分35b、36bと、を含む。
【0057】
さらに、第1のフラップ35および第2のフラップ36の第2の部分35b、36bは、第2の部分35b、36bの自由端の近くに、内側シェル2のスライド方向Xを(特に直角に)横切るヒンジ線38を備える。
【0058】
有利には、第1のフラップ35および第2のフラップ36のこの構成は、接続要素5の第1のストリップ50および第2のストリップ51の伸長位置Dから集合位置Cへの移動を容易にする。
【0059】
第1のストリップ50および第2のストリップ51の第1のタブ50b、51bは、第2のヒンジ線53で第1のタブ50a、51aに接続された第1の部分501、511と、第5のヒンジ線56で第1の部分501、511に接続され且つ第3のヒンジ線54で第3のタブ50c、51cに接続された第2の部分502、512と、を備える。
【0060】
さらに、第5のヒンジ線56は、第1のストリップ50および第2のストリップ51の、伸長位置Dから集合位置Cへの、およびその逆の移動をさらに容易にする。
【0061】
第5のヒンジ線56は、好ましくは、第2のヒンジ線53および第3のヒンジ線54に平行である。また、第5のヒンジ線56はまた、内側シェル2のスライド方向Xと直交している。
【0062】
「ヒンジ線」という用語は、それが接続するタブの互いに対する回転を容易にする脆弱線を意味するために使用されることが明記されている。
【0063】
好ましくは、第1のヒンジ線52、第2のヒンジ線53、第3のヒンジ線54、第4のヒンジ線55および第5のヒンジ線56は、材料を弱めることにより(具体的には、材料に折り目を付けることにより)作られる。あるいは、それらは、材料を部分的に切断して作成されてもよいし、事前に折り畳む線であってもよい。
【0064】
パッケージ1はまた、外側シェル3に対する内側シェル2のスライドを停止する停止手段7を含む。有利には、内側シェル2が外側シェル3から完全に滑り出ることが防止される。
【0065】
特に
図5-7を参照すると、停止手段7は、外側シェル3の下壁31から延在し、外側シェル3の内側にあり且つ下壁31に面する(単一部品として作られる)一対の舌部71と、内側シェル2の底壁21から延び、底壁21に面する一対の付属物72と、を含む。好ましくは、舌部71は、外側シェルの下壁31に接着されていない(有利には、これにより、外側シェル3の縁部の見た目の悪い膨張が回避される)。あるいは、舌部71は、外側シェル3の下壁31に部分的に接着されてもよい。どちらの場合でも、2つの付属物72の各々は、内側シェル2が開位置Aにあるときに、対応するそれぞれの舌部71と係合するように(つまり、舌部71と外側シェル3の下壁31との間に配置されるように)設計される。
【0066】
停止手段7の付属物は、図示したものとは数および形状において異なり得ることが理解される。同様に、舌部71も、図示されているものとは形状およびサイズにおいて異なっていてもよい。
【0067】
特に
図8を参照すると、パッケージ1は、内側シェル2が開構成Aにあるとき、第1のタブ50a、51aが外側シェル2の上壁32と約26°の角度をなし、第2のタブ50b、51bの第1の部分501、511が第1のタブ50a、51aと約19°の角度をなし、第2のタブ50b、51bの第2の部分502、512が第2のタブ50b、51bの第1の部分501、511と約4°の角度をなし、第3のタブ50c、51cが内側シェル2の抽出開口部20の平面と約53°の角度をなすようなサイズである(支持壁4の傾斜角度と同じ傾斜角度であり、この場合、支持壁は127°の回転を行う)。
【0068】
これらの角度は、例えば、内側シェル2が外側シェル3に対して動くことができる範囲を変えることによって変えることができる。より具体的には、内側シェル2が開構成Aにあるとき、支持壁4は理想的には実質的に水平であり得る。そのような場合、支持壁4は、約180°の回転を実行する。
【0069】
図11および12は、
図1-10に示されているものに代わる本発明のパッケージ1の実施形態を示している。この実施形態のパッケージ1は、内側シェル2、外側シェル3、およびブリスターパック6の形状およびサイズにおいて、前述のものとは異なる。より具体的には、パッケージ1のこのさらなる実施形態の低減されたサイズを考慮すると、それは単一の物品を収容するのに特に適している。
図1-10のパッケージ1を参照して説明したすべての特別な機能はまた、
図11および12のパッケージ1に適用できる。
【0070】
図13は、
図12のものの代わりに使用できるブリスターパック6を示す。このブリスターパック6はまた、取り外し可能なブリスターパック6を支持壁4に固定するためのスリット40が適切に適合されている限り、
図11のパッケージ1と共に使用することができる。