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特許7352571半自律的なホットスワップ注入モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】半自律的なホットスワップ注入モジュール
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/142 20060101AFI20230921BHJP
   A61M 5/172 20060101ALI20230921BHJP
   G16H 20/17 20180101ALI20230921BHJP
【FI】
A61M5/142
A61M5/172 500
G16H20/17
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020559517
(86)(22)【出願日】2019-04-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019028561
(87)【国際公開番号】W WO2019209741
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】15/963,381
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガエタノ、ジェフリー エル.
(72)【発明者】
【氏名】ボルヘス、グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ロゼル、ユージーン エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ブルーム、マーク ピー.
(72)【発明者】
【氏名】セイラム、ムーニーア ティー.
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-042102(JP,A)
【文献】国際公開第2016/157655(WO,A1)
【文献】特表2017-526470(JP,A)
【文献】特開2012-205737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/142
A61M 5/172
G16H 20/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達モジュールにおいて、薬剤送達を開始するコマンドおよび前記薬剤送達に関連する臨床情報を前記薬剤送達モジュールに電子的に結合された第1の制御モジュールから前記第1の制御モジュールの第1の物理コネクタを介して受信することであって、前記臨床情報は、少なくとも1つの注入パラメータを含む、受信することと、
前記第1の制御モジュールから前記第1の物理コネクタを介して前記薬剤送達モジュールにより受信した前記臨床情報に従って、前記薬剤送達モジュールの注入ポンプにより前記薬剤送達を始めることと、
前記薬剤送達モジュールのメモリにおいて、前記薬剤送達中、前記薬剤送達についての送達情報を更新することと、
前記薬剤送達が完了する前に、前記薬剤送達モジュールが前記第1の制御モジュールから切り離されたという第1の指示を受信することと、
前記第1の指示の後に、前記薬剤送達モジュールが第2の制御モジュールの第2の物理コネクタと電子的に結合されたという第2の指示を受信することと、
前記薬剤送達モジュールによって、前記第2の指示の受信に応じて、前記更新された送達情報を、第2の物理コネクタを介して前記第2の制御モジュールに通信することと
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記第1の指示を受信する前に、前記薬剤送達モジュールの識別子、および前記識別子に関連してサーバに格納するための前記臨床情報を前記サーバに提供することと、
前記第2の指示を受信した後に、前記サーバから前記臨床情報を受信することと、
送達進捗値を含むように前記臨床情報を更新することと、
前記更新された臨床情報を前記サーバに提供することと
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記更新された送達情報を前記第2の制御モジュールに通信することは、前記第2の制御モジュールに、前記薬剤送達モジュールを識別するシリアル番号を提供することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記薬剤送達モジュールにおいて、前記薬剤送達を始める前に、前記第1の制御モジュールから前記薬剤送達を開始するコマンドを受信することと、
前記薬剤送達モジュールにおいて、前記第2の指示の後に、前記第2の制御モジュールから前記薬剤送達を継続する第2のコマンドを受信することと、
前記第2のコマンドに従って前記薬剤送達を継続することと
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記第2の指示の後に、前記第2の制御モジュールから前記薬剤送達を変更するコマンドを受信すること
をさらに含む、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記薬剤送達モジュールが前記第1の制御モジュールから切り離された後に、前記薬剤送達モジュールを用いて、前記第1の制御モジュールによって命令された前記薬剤送達を継続すること
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記第1の制御モジュールから前記薬剤送達モジュールを切り離すことは、メモリにおいて、薬剤送達状況を含む薬剤送達ログを格納することと、前記薬剤送達ログを前記臨床情報に含めることとをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記第1の制御モジュールが停止したこと、または前記第1の制御モジュールとの通信が、前記薬剤送達モジュールが前記第1の制御モジュールから切り離されたときに切断されたことの警告を中央サーバに発行することをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記薬剤送達が始められる前に、前記臨床情報を前記第1の制御モジュールから前記薬剤送達モジュールの記憶媒体に送信することと、
前記薬剤送達の進捗状況により前記記憶媒体を更新することと、
前記第2の指示の後に、前記臨床情報を前記薬剤送達モジュールの前記記憶媒体から前記第2の制御モジュールに送信することと
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記臨床情報が前記第2の制御モジュールで検証されたという指示を受信することと、
前記臨床情報が前記第2の制御モジュールによって検証されたとき、前記第2の制御モジュールを使用して前記薬剤送達を再開することと
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
システムであって、
命令を格納するメモリと、
前記メモリと結合された1つまたは複数のプロセッサとを備え、
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記命令を実行して、
薬剤送達モジュールを使用して、薬剤送達を開始するコマンドおよび前記薬剤送達に関連する臨床情報を、前記薬剤送達モジュールに電子的に結合された第1の制御モジュールから、前記第1の制御モジュールの第1の物理コネクタを介して受信することであって、前記臨床情報は、少なくとも1つの注入パラメータを含む、受信することと、
前記第1の制御モジュールから前記第1の物理コネクタを介して前記薬剤送達モジュールにより受信した前記臨床情報に従って、前記薬剤送達モジュールの注入ポンプを使用して前記薬剤送達を始めることと、
前記薬剤送達中、前記メモリ内の前記薬剤送達についての送達情報を更新することと、
前記薬剤送達が完了する前に、前記薬剤送達モジュールが前記第1の制御モジュールから切り離されたという第1の指示を受信することと、
前記第1の指示の後に、前記薬剤送達モジュールが第2の制御モジュールの第2の物理コネクタと電子的に結合されたという第2の指示を受信することと、さらに、
前記第2の指示に基づいて、前記更新された送達情報を前記第2の物理コネクタを介して前記第2の制御モジュールに通信することと
を行うように構成される、システム。
【請求項12】
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記システムに
送達される流体の性質の測定値に基づいて前記薬剤送達のためのエラーチェックを実施させる、前記性質は、温度、または下流の閉塞の存在の1つを含み、かつ前記性質の値を前記臨床情報の一部である履歴ログにログさせる
前記命令を実行するようにさらに構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
エラーチェックを実施するために、前記1つまたは複数のプロセッサは、エラーが前記薬剤送達において検出されたとき、警告を前記第2の制御モジュールおよびサーバに発行するための命令を実行する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記薬剤送達モジュールは、専用電源をさらに含み、前記1つまたは複数のプロセッサは、前記システムに
前記専用電源によって電力を供給される前記薬剤送達モジュールを使用して、前記第1の制御モジュールから切り離された後に、前記第1の制御モジュールによって命令された前記薬剤送達を継続させる
前記命令を実行するようにさらに構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記システムに
前記薬剤送達モジュールの記憶媒体において、薬剤送達状況を含む薬剤送達ログを格納させ、前記薬剤送達ログを前記臨床情報に含めさせ、かつ
前記薬剤送達モジュールが前記第2の制御モジュールと電子的に結合されているとき、前記薬剤送達状況を前記第2の制御モジュールに送信させる
前記命令を実行するようにさらに構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記システムに
前記薬剤送達を始める前に、前記臨床情報を前記第1の制御モジュールから前記薬剤送達モジュールの記憶媒体に送信させ、かつ
前記第2の指示を受信した後に、前記臨床情報を前記薬剤送達モジュールの前記記憶媒体から前記第2の制御モジュールに送信させる
前記命令を実行するようにさらに構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
薬剤送達モジュールに関連付けられたプロセッサによって実行されたときに前記プロセッサに方法を実施させる命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記方法は、
前記薬剤送達モジュールの前記プロセッサによって、薬剤送達を開始するコマンドおよび前記薬剤送達に関連する臨床情報を前記薬剤送達モジュールに電子的に結合された第1の制御モジュールから前記第1の制御モジュールの第1の物理コネクタを介して受信することであって、前記臨床情報は、少なくとも1つの注入パラメータを含む、受信することと、
前記第1の制御モジュールから前記第1の物理コネクタを介して前記プロセッサにより受信した前記臨床情報に従って、前記薬剤送達モジュールの注入ポンプにより前記薬剤送達を始めることと、
前記薬剤送達の記録を前記薬剤送達モジュールの非一時的メモリ媒体に格納することと、
前記薬剤送達が完了する前に、前記薬剤送達モジュールが前記第1の制御モジュールから切り離されたという第1の指示を受信することと、
前記薬剤送達モジュールが前記第1の制御モジュールから切り離されている間、前記薬剤送達を継続することと、
前記薬剤送達モジュールが前記第1の制御モジュールから切り離されている間、前記薬剤送達モジュールの非一時的メモリ媒体における前記薬剤送達の前記記録を更新することと、
前記第1の指示の後に、前記薬剤送達モジュールが第2の制御モジュールの第2の物理コネクタに電子的に結合されたという第2の指示を受信することと、
前記第2の指示の後に、前記臨床情報および前記薬剤送達の前記更新された記録を、前記第2の物理コネクタを介して前記第2の制御モジュールに通信することと
を含む、方法である、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記方法は、
前記薬剤送達を始める前に、前記臨床情報を前記第1の制御モジュールから前記薬剤送達モジュールの記憶媒体に送信することと、
前記第2の指示を受信した後に、前記臨床情報を前記薬剤送達モジュールの前記記憶媒体から前記第2の制御モジュールに送信することと
をさらに含む、請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記方法は、
前記第1の指示を受信する前に、前記薬剤送達モジュールの識別子、および前記識別子に関連してサーバに格納するための前記臨床情報を提供することと、
前記第2の指示を受信した後に、前記サーバに格納されている前記臨床情報を受信することと、
送達進捗値を含むように前記臨床情報を更新することと、
前記サーバに格納するための前記更新された臨床情報を提供することと
をさらに含む、請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記方法は、
前記薬剤送達モジュールによって、前記薬剤送達を始める前に、前記第1の制御モジュールから前記薬剤送達を開始するコマンドを受信することと、
前記第2の指示の後に、前記第2の制御モジュールから前記薬剤送達を継続する第2のコマンドを受信することと
をさらに含む、請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、注入システム(IS)を通じた薬剤送達のための装置および方法に関する。より具体的には、本開示は、薬剤送達中に注入ポンプ用の制御モジュールを交換するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流体送達への多くのアプローチは、注入プロセス中に発生する可能性のある複数の不測の事態のいずれかのために、薬剤送達モジュールを第1の制御モジュールから代替の制御モジュールに再配置することを伴う。特に予定外の不測の事態の場合、薬剤送達モジュールを第1の制御モジュールから第2の制御モジュールに移し、データの損失および時間の損失を回避し、そうしている間の投薬エラーを防ぐことが望ましい場合がある。いくつかの構成では、薬剤送達モジュールが薬剤を送達し続けている間に、ISから薬剤送達モジュールを抜くことが望ましい(例えば、IS構成を再構成している間、または患者を動かしている間)。現在の技術では、単一の制御モジュール上でポンプを再構成するときに注入を一時停止した後で注入情報は回復されるが、単一の制御モジュール上での再構成、または第2の制御モジュールへの取り付けの際に情報の中断または損失がないことが理想的である。
【発明の概要】
【0003】
第1の実施態様では、コンピュータ実装方法は、薬剤送達モジュールにおいて、薬剤送達モジュールに電子的に結合された第1の制御モジュールから薬剤送達を開始するコマンドを受信することであって、コマンドは、第1の制御モジュールで受信された臨床情報に基づいて薬剤送達を開始することと、薬剤送達モジュールによって、臨床情報に従って薬剤送達を始めることと、薬剤送達モジュールのメモリにおいて、薬剤送達中、薬剤送達についての送達情報を更新することと、薬剤送達が完了する前に、薬剤送達モジュールが第1の制御モジュールから切り離されたという第1の指示を受信することと、第1の指示の後に、薬剤送達モジュールが第2の制御モジュールと電子的に結合されたという第2の指示を受信することと、薬剤送達モジュールによって、第2の指示の受信に応じて、以前の正確なまたは最新の送達情報を第2の制御モジュールに通信することとを含む。他の態様は、方法の実装のための対応するシステム、装置、およびコンピュータプログラム製品を含む。
【0004】
いくつかの実施態様では、システムは、命令を格納するメモリと、メモリと結合され、システムに薬剤送達モジュールを使用して、第1の制御モジュールから薬剤送達を開始するコマンドを受信させる、コマンドは、臨床情報に基づいて薬剤送達を開始する、薬剤送達モジュールを使用して、臨床情報に従って薬剤送達を始めさせる、薬剤送達中、薬剤送達についての送達情報を更新させる、薬剤送達が完了する前に、薬剤送達モジュールが第1の制御モジュールから切り離されたという第1の指示を受信させる、第1の指示の後に、薬剤送達モジュールが第2の制御モジュールと電子的に結合されたという第2の指示を受信させる、かつ第2の指示に基づいて、臨床情報および更新された送達情報を第2の制御モジュールに通信させる命令を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサとを含む。他の態様は、システムの実装のための対応する装置、方法、およびコンピュータプログラム製品を含む。
【0005】
さらなる実施態様では、非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ内のプロセッサによって実行されると、コンピュータに方法を実施させる命令を格納する。方法は、薬剤送達モジュールによって、第1の制御モジュールから薬剤送達を開始するコマンドを受信することであって、コマンドは、臨床情報に基づいて薬剤送達を開始することと、薬剤送達モジュールによって、臨床情報に従って薬剤送達を始めることと、薬剤送達の記録を薬剤送達モジュールの非一時的メモリ媒体に格納することと、薬剤送達が完了する前に、薬剤送達モジュールが第1の制御モジュールから切り離されたという第1の指示を受信することと、薬剤送達モジュールが第1の制御モジュールから切り離されている間、薬剤送達を継続することと、薬剤送達モジュールが第1の制御モジュールから切り離されている間、薬剤送達モジュールの非一時的メモリ媒体における薬剤送達の記録を更新することと、第1の指示の後に、薬剤送達モジュールが第2の制御モジュールに電子的に結合されたという第2の指示を受信することと、第2の指示の後に、臨床情報および薬剤送達の更新された記録を第2の制御モジュールに通信することとを含む。他の態様は、コンピュータ可読媒体の実装のための対応するシステム、装置、方法、およびコンピュータプログラム製品を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】いくつかの実施態様による、薬剤を患者に送達するように構成された薬剤送達システムを例示する図である。
図2】いくつかの実施態様による、ネットワークを通じて通信可能に結合された薬剤送達モジュールと中央サーバを制御するように構成された制御モジュールを例示する図である。
図3】いくつかの実施態様による、個々のモジュールスクリーンをミラーリングするメインディスプレイを含む患者ケアユニットを例示する図である。
図4】いくつかの実施態様による、薬剤送達モジュール、制御モジュール、および中央サーバの間で共有される薬剤送達データ構造を例示する図である。
図5】いくつかの実施態様による、薬剤を患者に送達するための方法のフローチャートを例示する図である。
図6】いくつかの実施態様による、薬剤送達が開始されたときに薬剤送達モジュールの制御を交換するための方法のフローチャートを例示する図である。
図7】いくつかの実施態様による、図1および図2のクライアントおよびサーバ、ならびに図5および図6の方法を実装することができる例示的なコンピュータシステムを例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図において、同一または同様の参照番号を有する要素は、特に明記しない限り、同一または同様の機能性または構成を有する。
【0008】
本開示は、注入プロセス中に注入ポンプ用の注入制御モジュールのシームレスな交換を実施するための実施態様を提供する。本開示と一致する実施態様のいくつかの利点は、データを失うことなく、そして薬剤注入の変更を大幅に排除することなく、または移行中の望ましいユーザアクションを最小限に抑えることなく、第1の制御モジュールから第2の制御モジュールへのスムーズかつ連続的な移行を含む。本明細書に開示される実施態様は、迅速なアクションが望ましい緊急事態、例えば、注入制御モジュールが機能しなくなったとき、またはシステムの誤動作、デバイスの誤動作、もしくは予期しない患者の再配置のために注入ポンプとのネットワーク通信が失われた場合に適している。その点に関して、注入制御モジュールの交換は、患者が病院の第1の領域から第2の領域に再配置されたときにスケジュールされ得、第1の注入制御モジュールは、第1の領域に固定されたままとすることができ、第2の注入制御モジュールは、注入ポンプが第2の領域に到着したときに注入プロセス全体の制御を取り戻すことができる。
【0009】
図1は、薬剤を患者160に送達するように構成された薬剤送達システム10を例示する。薬剤送達システム10は、ラック140に設置された第1の注入システム(IS)IS150-1と、担架172に設置された第2のIS150-2とを含む。以下、IS150-1およびIS150-2を総称して「IS150」と呼ぶ。IS150-1は、制御モジュール101-1に取り付けられた薬剤送達モジュール100-1、100-2、100-3を含み得、IS150-2は、制御モジュール101-2に取り付けられた薬剤送達モジュール100-4、および100-5を含み得る。以下、薬剤送達モジュール100-1~100-5を総称して「薬剤送達モジュール100」と呼び、制御モジュール101-1および101-2を総称して「制御モジュール101」と呼ぶ。いくつかの実施態様では、薬剤送達モジュール100の各々の動作は、取り付けられている制御モジュール101によって制御される。例えば、制御モジュール101-1は、病室の患者への薬剤送達に関して、命令を薬剤送達モジュール100-1、100-2および100-3(IS150-1)に送ることができる。同様に、制御モジュール101-2は、担架172の薬剤送達モジュール100-4および100-5(IS150-2)を制御する。したがって、制御モジュール101からの命令を受信した後に、IS150-2は、患者160が部屋から搬送されるときに薬剤送達を継続するように構成され得る。制御モジュール101はまた、(例えば、物理コネクタまたはプラグを介して)互いに結合されたとき、電力を薬剤送達モジュール100に提供するように構成することができる。いくつかの実施態様では、薬剤送達モジュール100は、少なくとも一定期間、制御モジュール101から自律的に動作するように構成され得る。したがって、薬剤送達モジュール100は、IS150内の制御モジュール101から切り離されているときであっても、薬剤の送達を可能にする電池または任意の他のタイプの専用電源を含むことができる。
【0010】
いくつかの実施態様では、薬剤送達モジュール100-1は、IS150-1内の制御モジュール101-1からIS150-2内の制御モジュール101-2に引き渡され得る。これは、例えば、患者160が搬送のために部屋から担架172上に移され、IS150-1がラック140に取り付けられたままである場合に当てはまる可能性がある。いくつかの実施態様では、第1の制御モジュール101-1から第2の制御モジュール101-2への引き渡しは、(例えば、停電、または制御モジュールにおける何らかの他のエラー状態のために)制御モジュール101-1と薬剤送達モジュール100-1との間の通信が失われたとき、または制御モジュール101-1がオフラインであるか、またはオフにされたときに実行される。
【0011】
制御モジュール101の各々は、プロセッサ112と、メモリ120とを含む。メモリ120は、プロセッサ112によって実行されると、制御モジュール101に本開示と一致する方法に含まれるステップの少なくとも部分的にいくつかを実施させるコマンドおよび命令を含み得る。より具体的には、制御モジュール101内のメモリ120は、薬剤送達に関連する臨床情報を格納する。制御モジュール101は、IS150の物理入力インターフェース(例えば、タッチスクリーン)で受信された入力からデバイス情報を受信することができ、またはリモートサーバから情報を受信するように構成することができる。
【0012】
さらに、制御モジュール101は、取り付けられた薬剤送達モジュール100と通信し、患者160への薬剤の送達に関する命令およびデータを送受信する。いくつかの実施態様では、制御モジュール101は、進行中の薬剤送達に関する薬剤送達モジュール100からのデータを受信するように構成され、ディスプレイ110を通して(例えば、看護師または他の投薬担当者のための)薬剤送達の視覚的状況(例えば、進捗報告)を提供する。
【0013】
制御モジュール101は、互いに、中央の場所にある中央サーバと、または薬剤送達モジュール100の1つまたは複数と無線通信するためのアンテナ175-1および175-2(以下、総称して「アンテナ175」と呼ぶ)を含むことができる。したがって、制御モジュール101はまた、アンテナ175を制御および駆動するように構成された、プロセッサ112に結合された通信モジュールを含み得る。制御モジュール101および薬剤送達モジュール100は、Bluetooth、Wi-Fi、または任意の他の無線周波数プロトコルを介して通信することができる。したがって、制御モジュール101は、薬剤送達モジュール100からのデータを処理し、薬剤送達の進捗更新をメモリ120に格納するように構成され得る。いくつかの実施態様では、薬剤送達または注入に関連する流体の他の特性は、メモリ120内の制御モジュール101によって格納されてもよい。
【0014】
いくつかの実施態様では、薬剤送達モジュール100-1は、患者160に送達される薬剤である流体170を有する容器143を含む。いくつかの実施態様では、薬剤送達モジュール100-1は、患者160への流体170の制御された送達を提供する流体制御システム145(例えば、注入ポンプ)を含み得る。薬剤送達モジュール100-1は、プロセッサ152によって実行されると、薬剤送達モジュール100-1に、少なくとも部分的に、本明細書に開示される方法のステップを実施させる命令を格納するメモリ151を含み得る。より一般的には、薬剤送達モジュール100の各々は、容器143(流体170を含む)、流体制御システム145、メモリ151およびプロセッサ152の少なくとも1つを含んでもよい。したがって、送達モジュール100の各々は、患者160のための所与の薬剤順序または処方に従って、流体170内に異なる薬剤を含み得る。
【0015】
いくつかの実施態様では、IS150-1は、静脈内送達システムを含み、流体170は、血管を通して患者160に投与される静脈内流体を含み得る。したがって、流体170は、血液、血漿、または薬剤を含む場合がある。流体170は、静脈内送達に適した任意の液体であり得る。一般的な静脈内液体には、患者160に静脈内注射されることが望まれる晶質液(例えば、生理食塩水、乳酸リンゲル、グルコース、デキストロース)、コロイド(例えば、ヒドロキシエチルスターチ、ゼラチン)、液体薬剤、緩衝液、および血液製剤(例えば、濃厚赤血球、血漿、凝固因子)または代用血液(例えば、人工血液)が挙げられる。
【0016】
薬剤送達モジュール100-1は、流体ライン130と機械的に結合され、流体の流れを提供し(例えば、ポンプ145を通して)、流体の流れの複数の測定を実施するように構成される。いくつかの実施態様では、薬剤送達モジュール100-1は、流体圧力、流体流量、流体内の空気の存在および量、流体温度、ならびに流体の流れの流体伝導率を測定するように構成される。流体ライン130は、流体170をIS150-1から患者160に運ぶ。
【0017】
いくつかの実施態様では、制御モジュール101は、薬剤送達モジュール100内の気泡数が閾値よりも高くなるか、または閉塞が流体ライン130に沿って検出されると、警報を集中型システムに提供し得る。
【0018】
いくつかの実施態様では、制御モジュール101は、送達される薬剤の総量、速度、送達を開始する時間、および薬剤送達を停止または一時停止する時間を含む、臨床情報の少なくとも動的部分を薬剤送達モジュール100に提供する。薬剤送達モジュール100は、制御モジュール101に、特定の送達目標にどれだけ進んだかの状況を提供する。さらに、いくつかの実施態様では、薬剤送達モジュール100は、臨床情報の少なくとも一部および薬剤送達の状況をメモリ151に格納する。
【0019】
図2は、いくつかの実施態様による、薬剤を患者に送達するためのアーキテクチャ20を例示する。アーキテクチャ20は、ネットワーク250を通じて中央サーバ230と通信可能に結合されたIS250を含む。IS250は、1つまたは複数の薬剤送達モジュール200-1、200-2、および200-3(以下、総称して「薬剤送達モジュール200」、例えば、薬剤送達モジュール100と呼ぶ)を制御するように構成された制御モジュール201と、中央サーバ230とを含む。いくつかの実施態様では、制御モジュール201と中央サーバ230は、ネットワーク250を通じて通信可能に結合される。制御モジュール201は、入力デバイス214および出力デバイス210と結合され、ユーザから命令を受信し、結果をユーザに提供する。したがって、入力デバイス214は、キーボード、マウス、ポインタ、マイクロフォン、またはタッチスクリーンデバイスを含んでもよく、出力デバイス210は、スクリーン、ビデオディスプレイ、スピーカ、またはプリンタを含んでもよい。その点に関して、いくつかの実施態様は、同じタッチスクリーンディスプレイ(例えば、ディスプレイ110)の一部として入力デバイス214および出力デバイス210を含み得る。
【0020】
制御モジュール201は、プロセッサ212と、メモリ220とを含む。メモリ220はまた、プロセッサ212によって実行されると、制御モジュール201に、少なくとも部分的に、本明細書に開示される方法のステップを実施させる命令を格納するデータ送達アプリケーション222を含み得る。さらに、制御モジュール201は、ネットワーク250を通じて中央サーバ230と通信するように構成された通信モジュール218を含むことができる。同様に、中央サーバ230は、ネットワーク250を通じて制御モジュール201と通信するように構成された通信モジュール238を含み得る。中央サーバ230は、プロセッサ236と、メモリ232とを含む。メモリ232は、薬剤送達エンジン242と、薬剤履歴ログ244とを含むことができる。したがって、いくつかの実施態様では、薬剤送達エンジン242は、プロセッサ236によって実行されると、中央サーバ230に、少なくとも部分的に、本明細書に開示される方法のステップを実施させる命令を格納する。例えば、プロセッサ236は、命令を薬剤送達モジュール200の1つに提供し、送達データアプリケーション222を通じて制御モジュール201とデータを通信するために、薬剤送達エンジン242においていくつかの命令を実行することができる。
【0021】
いくつかの実施態様では、中央サーバ230は、データベース252と結合され、薬剤履歴ログ244、ならびに薬剤送達エンジン242および薬剤送達モジュール200の制御およびデータに関連する他の情報を格納する。図に示すように、IS250はまた、情報(例えば、薬剤履歴ログ244に関連する)を格納または検索するためにデータベース252にアクセスすることができる。
【0022】
図3は、流体370-1を送達するように構成された薬剤送達モジュール300-1、薬剤送達モジュール300-2、および流体370-2を送達するように構成された薬剤送達モジュール300-3で拡張された制御モジュール301を含むIS350を例示する。以下、薬剤送達モジュール300-1、300-2および300-3を総称して「薬剤送達モジュール300」(例えば、薬剤送達モジュール100および200)と呼ぶ。薬剤送達モジュールの各々は、命令を格納するメモリ351と、薬剤送達モジュール100に本明細書に開示される方法のステップの少なくとも部分的にいくつかを実施させる命令を実行するように構成されたプロセッサ352とを含む(例えば、メモリ151およびプロセッサ152)。薬剤送達モジュール300の各々は、薬剤送達状況および現在の設定の更新をユーザ(例えば、医療提供者または看護師)に提供するために、それぞれモジュールディスプレイ311-1、311-2および311-3(以下、総称して「モジュールディスプレイ311」と呼ぶ)を含む。いくつかの実施態様では、モジュールディスプレイ311は、ユーザ入力を受信するためのタッチスクリーンディスプレイとして構成され得る。制御モジュール301は、薬剤送達モジュール300から検索された薬剤送達情報の少なくともいくつかを提供するように構成されたメインディスプレイ310(例えば、ディスプレイ110)を含む。その点に関して、メインディスプレイ310は、それぞれモジュールディスプレイ311の各々からの少なくともいくつかのディスプレイ情報を含む、モジュールディスプレイ311をミラーリングするための個々のチャネルカード313-1、313-2、および313-3(以下、総称して「個々のチャネルカード313」と呼ぶ)を含み得る。モジュールディスプレイ311と同様に、メインディスプレイ310はまた、ユーザ入力を受信するためのタッチスクリーンディスプレイとして構成することができる。
【0023】
制御モジュール301は、命令を格納するメモリ320と、制御モジュール301に本明細書に開示される方法のステップの少なくとも部分的にいくつかを実施させる命令を実行するように構成されたプロセッサ312とを含む。いくつかの実施態様では、制御モジュール301はまた、制御モジュール(例えば、第2のIS内)と、またはネットワークを通じて中央サーバ(例えば、中央サーバ230およびネットワーク250)と無線で通信するように構成された、通信モジュール318およびアンテナ375を含む。
【0024】
いくつかの実施態様では、薬剤送達モジュール300の1つは、IS350から移されて第2のISに設置またはプラグインされてもよい。したがって、いくつかの実施態様では、対応するモジュールディスプレイ311における流体注入情報は、薬剤送達モジュール300がIS350から抜かれている間も表示され得る。
【0025】
図4は、いくつかの実施態様による、薬剤送達モジュール、制御モジュール、および中央サーバ(例えば、薬剤送達モジュール100、200または300、制御モジュール101、201または301および中央サーバ230)の間で共有される薬剤送達データ構造400を例示する。薬剤送達データ構造400は、臨床情報410を含む。臨床情報410は、薬物タイプ412と、投薬量414と、患者識別子416とを含むことができる。臨床情報410はまた、薬剤履歴ログ444(例えば、薬剤履歴ログ244)と、薬剤送達状況422と、薬剤送達速度424とを含み得る。いくつかの実施態様では、制御モジュール(例えば、制御モジュール101、201または301)は、患者識別子416によって識別される1人または複数の患者への薬剤送達を処理するように中央サーバ230によって構成され得る。
【0026】
本明細書に開示される薬剤送達モジュール(例えば、薬剤送達モジュール100、または300)は、薬剤送達データ構造400の少なくとも一部をそれぞれメモリ151および351に格納するように構成される。さらに、IS150、250、および350は、各薬剤送達モジュール100、200、または300について、送達データ構造400の少なくとも一部をそれぞれメモリ151、220、および320に格納するように構成され得る。また、薬剤送達モジュールおよびISと通信する中央サーバは、送達データ構造400の少なくとも一部をメモリ、薬剤履歴ログ、またはデータベース(例えば、中央サーバ230、メモリ232、薬剤履歴ログ244、およびデータベース252)に格納することができる。
【0027】
したがって、いくつかの実施態様では、薬剤送達モジュールは、患者についての臨床情報を格納しない場合があるが、代わりに、IS(または制御モジュール)に接続すると、臨床情報をISに送り、そしてサーバに送られる。モジュールは、モジュールのモジュール識別子(例えば、シリアル番号または他の識別子)を、臨床情報、およびいくつかの実施態様では、注入データ(例えば、速度、容量、注入量、経過時間など)と共にISに提供する。次に、ISは、臨床情報をサーバに送り、モジュール識別子に関連付けて格納する。モジュールが新しいISに接続されると、新しいISは、モジュールからモジュール識別子を受信し、新しく接続されたモジュールのモジュール識別子をサーバに報告する。次に、サーバは、モジュール識別子に基づいて格納された情報を検索し、格納された情報(モジュールが最後に実行したことに関する情報を含む)を新しいISに提供する。このようにして、新しいISは、特定の検証を実施し、モジュールに薬剤の送達を継続するように命令することができる(注入がまだ進行中でない場合)。
【0028】
図5は、いくつかの実施態様による、薬剤を患者に送達するための方法500のフローチャートを例示する。方法500は、1つまたは複数の中央サーバ(例えば、サーバ230)と通信している間、制御モジュール(例えば、IS150、250および350、制御モジュール101、201および301、ならびに薬剤送達モジュール100、200および300)内の1つまたは複数の薬剤送達モジュールをホストする第1および第2のISによって少なくとも部分的に実施することができる。方法500のステップの少なくともいくつかは、コンピュータのメモリに格納されたコマンドを実行するプロセッサを有するコンピュータによって実施され得る(例えば、プロセッサ112、152、212、236、312および352、メモリ120、151、220、232、320および351)。いくつかの実施態様では、方法500に開示されるステップは、中央サーバの一部であるか、または中央サーバに通信可能に結合されたデータベース(例えば、薬剤履歴ログ244およびデータベース252)においてファイルを検索、編集、および/または格納することを含むことができる。本開示と一致する方法は、異なる順序で実施される、方法500に例示されるステップのすべてではないが少なくともいくつかを含み得る。さらに、本開示と一致する方法は、時間的に重複して、またはほぼ同時に実施される、方法500の少なくとも2つ以上のステップを含んでもよい。
【0029】
ステップ502は、薬剤送達モジュールにおいて、薬剤送達モジュールに結合された第1の制御モジュールから薬剤送達を開始するコマンドを受信することを含む。薬剤送達を開始するコマンドは、第1の制御モジュールで受信された臨床情報に基づいてもよい。いくつかの実施態様では、薬剤送達を開始するコマンドは、投薬量、送達速度(例えば、注入ポンプ速度)および他の臨床情報などの薬剤注入のための構成設定を含み得る。いくつかの実施態様では、ステップ502は、患者への薬剤送達を開始することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ502は、薬剤送達モジュールを開始する臨床医(例えば、薬剤送達モジュール内のタッチスクリーンディスプレイを通して看護師または医師)によって実施され得る。
【0030】
ステップ504は、薬剤送達モジュールのメモリにおいて、薬剤送達の更新を記録することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ504は、薬剤送達に関連する臨床情報をメモリ(例えば、メモリ120、151、220、232、320および351)に記録することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ504において、薬剤送達モジュールは、検証なしで、臨床情報をメモリに単に記録する。いくつかの実施態様では、ステップ504は、臨床情報を中央サーバのメモリ(例えば、中央サーバ230、およびメモリ232)に記録することを含んでもよい。いくつかの実施態様では、ステップ504は、臨床情報を検証すること(例えば、送達される薬物および投薬量が、薬剤送達モジュール内の容器の流体含有量と一致することを確証すること)を含む。いくつかの実施態様では、薬剤送達モジュールは、薬剤送達モジュール内の電池のレベルが事前に選択された臨界値に達したときにステップ504を実施するように構成され得る。いくつかの実施態様では、ステップ504は、薬剤送達を実施する薬剤送達モジュールによって実施され、薬剤送達の更新は、メモリ351に格納される。いくつかの実施態様では、ステップ504は、制御モジュールによって実施され得、薬剤送達の更新は、メモリ120に格納される。いくつかの実施態様では、ステップ504は、制御モジュールによって提供されるか、または臨床情報に含まれる用量レベルに達したとき、薬剤の送達を停止することを含んでもよい。いくつかの実施態様では、ステップ504は、薬剤送達モジュールが第1の制御モジュールから切り離され、その後も薬剤の送達を継続している場合であっても、薬剤送達を停止することを含み得る。
【0031】
ステップ506は、薬剤送達モジュールが第1の制御モジュールから切り離されたという指示を受信することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ506は、薬剤送達モジュールが第1の制御モジュールから切り離されている間、第1の制御モジュールによって指示された薬剤送達を一定期間継続する薬剤送達モジュールをさらに含む。期間は、薬剤送達モジュール内の電池の寿命によって決定され得る。いくつかの実施態様では、ステップ506は、薬剤送達モジュールによって、メモリにおいて、薬剤送達状況を含む薬剤送達ログを格納することと、薬剤送達ログを臨床情報に含めることとをさらに含む。いくつかの実施態様では、ステップ506は、第2の制御モジュールから受信された無線信号の品質に従って第2の制御モジュールを選択することをさらに含む。いくつかの実施態様では、薬剤送達状態は、第1の制御モジュールの停止、または第1の制御モジュールとの通信障害の1つを含み、ステップ506は、第1の制御モジュールが停止したこと、または第1の制御モジュールとの通信が切断されたことの警告を第2の制御モジュールおよび中央サーバに発行することをさらに含む。
【0032】
ステップ508は、薬剤送達モジュールが第2の制御モジュールと結合されたという指示を受信することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ508は、薬剤送達を再開する前に、薬剤送達モジュールからの薬剤送達に関連する臨床情報が有効であるという第2の制御モジュールからの確認を待つことを含み得る。いくつかの実施態様では、ステップ508は、臨床医、看護師、または他の医療関係者に、薬剤送達を継続する前に臨床情報を検証するように促すことを含んでもよい。いくつかの実施態様では、ステップ508は、臨床情報を検証するように中央サーバに要求することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ508は、薬剤送達のためのエラーチェックを実施することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ508は、臨床情報における注入パラメータが薬剤送達モジュールにおける設定と一致していることを確証することを含み得る。いくつかの実施態様では、ステップ508は、送達される流体の性質を測定することであって、性質は、温度、気泡濃度、または下流の閉塞の存在の1つを含むことと、性質の値を臨床情報の一部である履歴ログにログすることとを含み得る。いくつかの実施態様では、ステップ508は、エラーが薬剤送達において検出されたとき、または薬剤送達モジュール内の電池のレベルが事前に選択された臨界値に達したとき、警告を第2の制御モジュールおよび中央サーバに発行することを含み得る。いくつかの実施態様では、ステップ508は、薬剤送達モジュールのコネクタ端子が第2の制御モジュール内のプラグインポートまたはソケットに挿入されたという指示を受信することを含む。
【0033】
ステップ510は、それに応じて、臨床情報を更新するために第2の制御モジュールと通信することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ510は、薬剤送達モジュールによって、第2の制御モジュールと自動的に通信することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ510は、薬剤送達モジュールによって、薬剤送達を開始するために第1の制御モジュールから受信されたコマンドおよび設定構成を第2の制御モジュールに提供することを含む。さらに、ステップ510は、薬剤送達の現在の状況を含む、薬剤送達に関連する臨床情報を第2の制御モジュールに提供することと、薬剤送達に関連する、制御モジュールのディスプレイに表示されるフォントサイズ、タイプ、および特定の臨床情報に関するディスプレイ情報を第2の制御モジュールに提供することとを含み得る。いくつかの実施態様では、ステップ510は、第2の制御モジュールの下で薬剤送達を再開することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ510は、臨床情報が検証されたとき、または第1の制御モジュールが停止したときに実施される。いくつかの実施態様では、ステップ510は、第1の制御モジュールが薬剤送達モジュールから切り離された後、さらに第2の制御モジュールと結合する前であっても、薬剤送達を継続することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ510において、薬剤送達モジュールは、第2の制御モジュール薬剤送達情報を提供し、薬剤送達モジュールがプログラミングコマンドの受信を開始する準備ができていることを第2の制御モジュールに通知する。したがって、ステップ510はまた、薬剤送達モジュールによって、第2の制御モジュールから薬剤送達を再開するためのプログラミングコマンドを発行することの確認を受信することを含み得る。
【0034】
ステップ512は、中央サーバと通信して臨床情報を更新し、送達進捗値を含むことを含む。いくつかの実施態様では、ステップ512は、第1の制御モジュールの下での薬剤送達が停止したとき、第2の制御モジュールの下での薬剤送達を再開することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ512はまた、薬剤送達に関連する臨床データをメモリに格納することを含む。
【0035】
図6は、いくつかの実施態様による、薬剤送達が開始されたときに薬剤送達モジュールの制御を交換するための方法600のフローチャートを例示する。方法600は、1つまたは複数の中央サーバ(例えば、サーバ230)と通信している間、制御モジュール(例えば、IS150、250および350、制御モジュール101、201および301、ならびに薬剤送達モジュール100、200および300)内の1つまたは複数の薬剤送達モジュールをホストする第1および第2のISによって少なくとも部分的に実施することができる。方法600のステップの少なくともいくつかは、コンピュータのメモリに格納されたコマンドを実行するプロセッサを有するコンピュータによって実施され得る(例えば、プロセッサ112、152、212、236、312および352、メモリ120、151、220、232、320および351)。いくつかの実施態様では、方法600に開示されるステップは、中央サーバの一部であるか、または中央サーバに通信可能に結合されたデータベース(例えば、薬剤履歴ログ244およびデータベース252)においてファイルを検索、編集、および/または格納することを含むことができる。本開示と一致する方法は、異なる順序で実施される、方法600に例示されるステップのすべてではないが少なくともいくつかを含み得る。さらに、本開示と一致する方法は、時間的に重複して、またはほぼ同時に実施される、方法600の少なくとも2つ以上のステップを含んでもよい。
【0036】
ステップ602は、受信ISの制御モジュールにおいて、患者への薬剤送達の制御を引き受けるための薬剤送達モジュールからの要求を受信することを含む(例えば、患者が移動されており、薬剤送達モジュールがISの以前の制御モジュールから受信ISの制御モジュールに切り替えられているとき)。いくつかの実施態様では、ステップ602は、確証および薬剤履歴ログへの格納のために、薬剤送達モジュールのシリアル番号を中央サーバに送信することを含み得る。
【0037】
ステップ604は、薬剤送達モジュールからの臨床情報を確証することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ604は、臨床情報を薬剤履歴ログに格納されたデータと比較することによって、臨床情報を検証するように中央サーバに要求することを含み得る。例えば、いくつかの実施態様では、ステップ604は、データベースまたは中央サーバにおける薬剤履歴ログに格納されたデータを用いて、患者ID、送達される薬物、投薬量、および薬剤送達の送達速度を確証することを含んでもよい。いくつかの実施態様では、ステップ604は、履歴ログにおける臨床情報を中央サーバ内の薬剤送達モジュールのシリアル番号に関連付けることを含む。
【0038】
ステップ606は、制御を引き受ける要求を受信するISの制御モジュールと、更新された薬剤送達情報に基づいて、薬剤送達モジュール、中央サーバ、および薬剤送達モジュールの制御を以前に有していた制御モジュールのいずれかとの間の通信を確立することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ606は、更新された臨床情報を含む、制御モジュールに結合する前に薬剤送達モジュールによって実施されるアクションを示す情報を含む、更新された薬剤送達情報を中央サーバから受信することを含み得る。
【0039】
ステップ608は、薬剤送達モジュールの制御を引き受ける要求を受信するISの制御モジュール内のディスプレイにおいて、更新された薬剤送達情報を表示することを含む。いくつかの実施態様では、ステップ608は、ディスプレイにおいて、薬剤送達情報に関連する薬剤送達を実施している薬剤送達モジュールを示すことを含み得る。いくつかの実施態様では、ステップ608は、薬剤送達モジュールを通じた薬剤送達を継続するために、ユーザ(例えば、臨床医または看護師)からの確認を要求することを含むことができる。
【0040】
ステップ610は、薬剤送達モジュールから測定値を受信することを含み、測定値は、薬剤送達状況を示す。例えば、薬剤送達状況は、「完了」、「未完了」、「キャンセル」などであり得る。
【0041】
ステップ612は、更新された薬剤送達情報、中央サーバからのコマンド、または薬剤送達モジュールからの測定値に従って、薬剤送達モジュールにおける薬剤送達パラメータを調整することを含む。
【0042】
図7は、いくつかの実施態様による、図1および図2のクライアントおよびサーバ、ならびに図5および図6の方法を実装することができる例示的なコンピュータシステム700を例示するブロック図である。
【0043】
コンピュータシステム700(例えば、薬剤送達モジュール100および制御モジュール101)は、バス708または情報を通信するための他の通信機構と、情報を処理するためにバス708と結合されたプロセッサ702(例えば、プロセッサ112、152、212、および236)とを含む。例として、コンピュータシステム700は、1つまたは複数のプロセッサ702で実装され得る。プロセッサ702は、汎用マイクロプロセッサ、マイクロ制御モジュール、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、制御モジュール、ステートマシン、ゲート論理、ディスクリートハードウェア構成要素、または情報の計算もしくは他の操作を実施することができる任意の他の適切なエンティティであってもよい。
【0044】
コンピュータシステム700は、ハードウェアに加えて、対象のコンピュータプログラム用の実行環境を構築するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらの1つまたは複数の組み合わせを構成するコードを含むことができ、このコードは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、DVD、または情報およびプロセッサ702によって実行される命令を格納するためにバス708に結合された任意の他の適切な記憶デバイスなど、含まれているメモリ704(例えば、メモリ120、151、220、および232)に格納される。プロセッサ702およびメモリ704は、専用の論理回路によって補助されたり、専用の論理回路に組み込まれたりしてもよい。
【0045】
命令は、メモリ704に格納され、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品、すなわち、コンピュータシステム700による実行またはコンピュータシステム700の動作を制御するための実行用にコンピュータ可読媒体上に符号化されているコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールにより、限定はしないが、データ指向言語(例えば、SQL、dBase)、システム言語(例えば、C、Objective-C、C++、アセンブリ)、アーキテクチャ言語(例えば、Java、.NET)、およびアプリケーション言語(例えば、PHP、Ruby、Perl、Python)などのコンピュータ言語を含む、当業者によく知られている任意の方法によって実装されてもよい。命令は、配列言語、アスペクト指向言語、アセンブリ言語、オーサリング言語、コマンドラインインターフェース言語、コンパイラ型言語、並行言語、中括弧言語、データフロー言語、データ構造化言語、宣言型言語、難解言語、拡張言語、第4世代言語、関数型言語、インタラクティブモード言語、インタプリタ型言語、反復型言語、リストベース言語、小言語、ロジックベース言語、機械語、マクロ言語、メタプログラミング言語、マルチパラダイム言語、数値解析、非英語ベース言語、オブジェクト指向のクラスベース言語、オブジェクト指向のプロトタイプベース言語、オフサイドルール言語、手続型言語、自己反映言語、ルールベース言語、スクリプト言語、スタックベース言語、同期型言語、シンタックスハンドリング言語、ビジュアル言語、ヴィルト言語、およびxmlベース言語などのコンピュータ言語により実装されてもよい。メモリ704はまた、プロセッサ702によって実行される命令の実行中に一時変数または他の中間情報を格納するために使用されてもよい。
【0046】
本明細書で説明されるようなコンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応するわけではない。プログラムは、対象のプログラムの専用の単一のファイルにおいて、または複数の協調動作するファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、または部分コードを格納するファイル)において、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語ドキュメントに格納される1つまたは複数のスクリプト)に格納されることが可能である。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ、または1つのサイトに位置するか、複数のサイトを通じて分散され、通信ネットワークによって相互接続される複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。本明細書で説明されるプロセスおよび論理フローは、入力データに対して動作して出力を生成することによって機能を実施する1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって実施されることが可能である。
【0047】
コンピュータシステム700は、情報および命令を格納するためにバス708に結合された、磁気ディスクまたは光ディスクなどのデータ記憶デバイス706をさらに含む。コンピュータシステム700は、入力/出力モジュール710を介して様々なデバイスに結合され得る。入力/出力モジュール710は、任意の入力/出力モジュールであってもよい。例示的な入力/出力モジュール710は、USBポートなどのデータポートを含む。入力/出力モジュール710は、通信モジュール712に接続するように構成される。例示的な通信モジュール712(例えば、通信モジュール218および238)は、イーサネットカードおよびモデムなどのネットワークインターフェースカードを含む。特定の態様では、入力/出力モジュール710は、入力デバイス714(例えば、入力デバイス214)および/または出力デバイス716(例えば、出力デバイス210)などの複数のデバイスに接続するように構成される。例示的な入力デバイス714は、ユーザが入力をコンピュータシステム700に提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス、例えば、マウスまたはトラックボールを含む。触覚入力デバイス、視覚入力デバイス、オーディオ入力デバイス、またはブレインコンピュータインターフェースデバイスなど、他の種類の入力デバイス714もまた、ユーザとの対話を提供するために使用することができる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックであることが可能であり、ユーザからの入力は、音響、音声、触覚、または脳波の入力を含む任意の形態により受信されることが可能である。例示的な出力デバイス716は、情報をユーザに表示するための、LCD(液晶ディスプレイ)モニタなどのディスプレイデバイスを含む。
【0048】
本開示の一態様によれば、薬剤送達モジュール100、制御モジュール101、およびサーバ230は、メモリ704に含まれる1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを実行するプロセッサ702に応じて、コンピュータシステム700を使用して実装することができる。そのような命令は、データ記憶デバイス706などの別の機械可読媒体からメモリ704に読み込まれ得る。メインメモリ704に含まれる命令のシーケンスの実行により、プロセッサ702は、本明細書に記載のプロセスステップを実施する。マルチプロセッシング構成の1つまたは複数のプロセッサを用いて、メモリ704に含まれる命令のシーケンスを実行することもできる。代替の態様では、本開示の様々な態様を実装するために、ソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令と組み合わせて、ハードワイヤード回路が使用されてもよい。したがって、本開示の態様は、ハードウェア回路とソフトウェアの任意の特定の組み合わせに限定されない。
【0049】
本明細書で説明される主題の様々な態様は、例えば、データサーバとしてバックエンド構成要素を含むか、ミドルウェア構成要素、例えば、アプリケーションサーバを含むか、またはフロントエンド構成要素、例えば、本明細書に記載の主題の実装とユーザが対話可能なグラフィカルユーザインターフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータを含むコンピューティングシステム、または1つまたは複数のそのようなバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンド構成要素の任意の組み合わせにより実装されることが可能である。システムの構成要素は、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信、例えば、通信ネットワークによって相互接続されることが可能である。通信ネットワーク(例えば、ネットワーク250)は、例えば、LAN、WAN、インターネットなどのうちの任意の1つまたは複数を含むことができる。さらに、通信ネットワークは、次のネットワークトポロジーに限定されないが、例えば、バスネットワーク、スター型ネットワーク、環状ネットワーク、メッシュネットワーク、スター-バスネットワーク、ツリー型または階層型ネットワークなどを含む、ネットワークトポロジーの任意の1つまたは複数を含むことが可能である。通信モジュールは、例えば、モデムまたはイーサネットカードであり得る。
【0050】
コンピュータシステム700は、クライアントと、サーバとを含むことができる。クライアントとサーバは通常、互いにリモートであり、典型的には通信ネットワークを通じて対話する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で動作しており、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。コンピュータシステム700は、例えば、限定はしないが、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはタブレットコンピュータであり得る。コンピュータシステム700はまた、別のデバイス、例えば、限定はしないが、携帯電話、PDA、モバイルオーディオプレーヤ、全地球測位システム(GPS)受信機、ビデオゲームコンソール、および/またはテレビジョンセットトップボックスに埋め込まれることも可能である。
【0051】
本明細書で使用される「機械可読記憶媒体」または「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のために命令をプロセッサ702に提供することに関与する任意の1つまたは複数の媒体を指す。そのような媒体は、限定はしないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含む多くの形態を取ってもよい。不揮発性媒体は、例えば、データ記憶デバイス706などの光ディスクまたは磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メモリ704などの動的メモリを含む。伝送媒体は、バス708を含むワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含む。機械可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、ホールパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、またはコンピュータが読み取り可能な任意の他の媒体を含む。機械可読記憶媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝搬信号を生じる組成物、またはそれらの1つまたは複数の組み合わせであることが可能である。
【0052】
前述の説明は、当業者が本明細書に記載された様々な構成を実践することを可能にするために提供される。主題の技術は、様々な図および構成を参照して具体的に説明されているが、これらは例示のみを目的としており、主題の技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0053】
主題の技術を実装するための多くの他の方法が存在し得る。主題の技術の範囲を逸脱することなく、本明細書で説明される様々な機能および要素を示されるものとは異なるように区分化することができる。これらの構成に対する様々な修正を当業者は容易に理解し、本明細書において定義される包括的な原理を他の構成に適用することができる。したがって、主題の技術の範囲を逸脱することなく、当業者によって、主題の技術に対する多くの変更および修正を行うことができる。
【0054】
本明細書で使用される場合、一連の事項に続く句「の少なくとも1つ」は、その事項の任意のものを分離するための用語「および」または「または」を伴うとき、列挙されたものの各部材(例えば、各事項)ではなく、全体として最初のものを修飾する。句「の少なくとも1つ」は、列挙された各事項の少なくとも1つを選択する必要はなく、むしろ、この句は、事項の任意の1つの少なくとも1つ、および/または事項の任意の組み合わせの少なくとも1つ、および/または事項の各々の少なくとも1つを含む意味を許容する。例として、句「A、B、およびCの少なくとも1つ」または「A、B、またはCの少なくとも1つ」は各々、Aのみ、Bのみ、またはCのみ、A、B、およびCの任意の組み合わせ、および/またはA、B、およびCの各々の少なくとも1つを指す。
【0055】
さらに、「含む(include)」、「有する(have)」などの用語が本明細書または特許請求の範囲で使用されている範囲で、そのような用語は、「備える(comprise)」が請求項中で移行語として用いられる場合に解釈される場合の「備える(comprise)」という用語と同様の様式で包括的であることが意図されている。「例示的な」という語は、本明細書では「例、事例、または例示として役立つ」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的な」として説明される実施態様は、必ずしも他の実施態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されない。
【0056】
単数形の要素への言及は、特に明記しない限り、「1つおよび1つだけの」を意味するものではなく、「1つまたは複数」を意味することが意図されている。「いくつかの」という用語は、1つまたは複数を指す。当業者に既知であるかまたは後に既知になる、本開示全体を通して説明される様々な構成の要素に対するすべての構造的および機能的等価物は、参照により本明細書に明白に組み込まれ、主題の技術によって包含されるように意図される。さらに、本明細書に開示されるものは、かかる開示が上記の説明の中で明示的に引用されているか否かにかかわらず、公衆に提供されるようには意図されない。
【0057】
主題の技術の特定の態様および実施態様が説明されてきたが、これらは例としてのみ提示されており、主題の技術の範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規の方法およびシステムは、その趣旨を逸脱することなく、様々な他の形態で具体化することができる。添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物は、主題の技術の範囲および趣旨に含まれるそのような形態または修正を包含することを意図するものである。
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