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特許7352580分散剤コポリマーを使用するプラスチック清浄方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】分散剤コポリマーを使用するプラスチック清浄方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/37 20060101AFI20230921BHJP
   C11D 3/36 20060101ALI20230921BHJP
   C11D 1/66 20060101ALI20230921BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20230921BHJP
   C11D 3/33 20060101ALI20230921BHJP
   C11D 3/26 20060101ALI20230921BHJP
   C11D 3/395 20060101ALI20230921BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20230921BHJP
   C11D 3/10 20060101ALI20230921BHJP
   C11D 3/08 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
C11D3/37
C11D3/36
C11D1/66
C11D3/20
C11D3/33
C11D3/26
C11D3/395
C11D3/386
C11D3/10
C11D3/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020567562
(86)(22)【出願日】2019-06-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 US2019036260
(87)【国際公開番号】W WO2020005517
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】62/690,461
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー、スコット
(72)【発明者】
【氏名】メルカンド、ポール
【審査官】黒川 美陶
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-503091(JP,A)
【文献】特開平06-009726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動食器洗浄機でポリスチレンを含有するプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法であって、
ポリスチレンを含有するプラスチックを清浄するための自動食器洗浄用組成物を選択することを含み、前記自動食器洗浄用組成物が、
ビルダーと、
ホスホネートと、
非イオン性界面活性剤と、
分散剤ポリマーであって、
(a)60~98重量%の式Iの構造単位であって、
【化1】
式中、各Rが、水素および-CH基から独立して選択される、式Iの構造単位、ならびに
(b)2~40重量%の式IIの構造単位であって、
【化2】
式中、各Rが、少なくとも4個の炭素原子を有するアルキル基から独立して選択され、各Rが、水素およびメチル基から独立して選択される、式IIの構造単位を含む、分散剤ポリマーと、を含む、プラスチック清浄方法。
【請求項2】
ポリスチレンを含有するプラスチック製品を提供することと、
前記自動食器洗浄用組成物を、前記プラスチック製品に適用することと、をさらに含む、請求項1に記載のプラスチック清浄方法。
【請求項3】
前記プラスチック製品が、プラスチック器具、プラスチック皿、およびプラスチックタンブラーのうちの少なくとも1つから選択される、請求項2に記載のプラスチック清浄方法。
【請求項4】
前記プラスチック製品が、複数のプラスチック製品である、請求項3に記載のプラスチック清浄方法。
【請求項5】
前記ビルダーが、少なくとも1種の炭酸塩と少なくとも1種のクエン酸塩との混合物を含むように選択される、請求項4に記載のプラスチック清浄方法。
【請求項6】
前記自動食器洗浄用組成物が、前記自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、リン元素として測定して、0.1重量%未満のホスフェートを含有するように選択される、請求項5に記載のプラスチック清浄方法。
【請求項7】
前記分散剤ポリマーが、1,200~50,000ダルトンの重量平均分子量Mを有するように選択される、請求項6に記載のプラスチック清浄方法。
【請求項8】
前記自動食器洗浄用組成物が、前記自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて0重量%の、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリシン-N,N-二酢酸、メチルグリシン-N,N-二酢酸、2-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、グルタミン酸-N,N-二酢酸、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジスクシネート、S,S-エチレンジアミンジコハク酸アスパラギン酸-二酢酸、N,N’-エチレンジアミンジコハク酸、イミノジコハク酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸-N,N-二酢酸、ベータ-アラニン二酢酸、ポリアスパラギン酸、これらの塩およびこれらの混合物からなる群から選択されるビルダーを含有するように選択される、請求項7に記載のプラスチック清浄方法。
【請求項9】
前記自動食器洗浄用組成物が、漂白剤、漂白活性化剤、酵素、充填剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される添加剤をさらに含むように選択される、請求項5に記載のプラスチック清浄方法。
【請求項10】
前記自動食器洗浄用組成物が、
50~85重量%の前記ビルダーであって、前記ビルダーが、炭酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される、前記ビルダーと、
0.75~7重量%の前記ホスホネートと、
1.5~7.5重量%の前記非イオン性界面活性剤と、
2~6重量%の前記分散剤ポリマーであって、前記分散剤ポリマーが、
(a)75~95重量%の式Iの構造単位であって、
【化3】
式中、式Iの前記構造単位の少なくとも98モル%において、Rが水素である、式Iの構造単位、および
(b)5~25重量%の式IIの構造単位であって、
【化4】
式中、式IIの前記構造単位の少なくとも98モル%において、Rがブチル基であり、式IIの前記構造単位の少なくとも98モル%において、Rが水素である、式IIの構造単位を含み、
前記分散剤ポリマーが、1,750~17,500ダルトンの重量平均分子量Mを有する、分散剤ポリマーと、を含むように選択される、請求項2に記載のプラスチック清浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック清浄方法に関する。具体的には、本発明は、プラスチック上での膜張り特性を低減する分散剤コポリマーを組み込むために選択された自動食器洗浄用組成物を使用する、プラスチック清浄方法に関する。
【0002】
自動食器洗浄用組成物は概して、布洗浄または水処理に使用されるものとは異なる洗剤組成物の分類として認識されている。清浄サイクルの完了後、自動食器洗浄用組成物が、洗浄された物品上に斑点および膜がない外観を生じさせることを、使用者は期待している。
【0003】
ホスフェート不含自動食器洗浄用組成物がますます望ましい。ホスフェート不含自動食器洗浄用組成物は、一般に、非ホスフェートビルダー、例えば、クエン酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、二ケイ酸塩、重炭酸塩、アミノカルボン酸塩、およびその他の塩に依存して、硬水からカルシウムおよびマグネシウムを捕捉し、乾燥すると不溶性の目に見える堆積物を残す。
【0004】
ガラス食器への望ましくない堆積物の形成に対抗するための、ホスフェート不含自動食器洗浄用組成物に用いられる現在利用可能なポリマーとしては、ポリアクリル酸ポリマー、ならびにアクリル酸と、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)およびスチレンスルホン酸ナトリウム(SSS)のコポリマーが挙げられる。しかしながら、ポリアクリル酸ポリマーは、ガラス食器上の透明な青から青/白い膜およびステンレス鋼上の茶色の膜として現れる、ガラス食器上のある特定の膜堆積物(例えば、二ケイ酸マグネシウムおよびホスホン酸カルシウムスケール)を防止することができない。アクリル酸とスルホン化モノマーとのコポリマーは、ケイ酸塩およびホスホネートスケールの防止に優れているが、そのようなコポリマーは、炭酸塩スケールの防止には特に効果的ではない。加えて、そのようなポリマーは、斑点の悪影響を与える傾向があり、強力なキレート剤または特殊な界面活性剤の使用を必要とし、これは、食器洗浄用組成物の全体的なコストの望ましくない増加につながる。
【0005】
したがって、プラスチック上での膜形成特性を向上する分散剤コポリマーを含有する配合物を使用する、自動食器洗浄機における新しいプラスチック清浄方法が、依然として必要とされている。具体的には、分散剤コポリマーが、ホスフェート不含配合物に組み込まれると良好な膜張り性能を提供する、プラスチック製品に使用するために選択される分散剤コポリマーを含有する配合物を使用する、自動食器洗浄機で使用するための、新しいプラスチック清浄方法が依然として必要とされている。
【0006】
本発明は、自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法であって、プラスチックを清浄するための自動食器洗浄用組成物を選択することを含み、自動食器洗浄用組成物が、ビルダーと、ホスホネートと、非イオン性界面活性剤と、分散剤ポリマーであって、(a)60~98重量%の式Iの構造単位であって、
【化1】
式中、各Rが、水素および-CH基から独立して選択される、式Iの構造単位、ならびに(b)2~40重量%の式IIの構造単位であって、
【化2】
式中、各Rが、少なくとも4個の炭素原子を有するアルキル基から独立して選択され、各Rが、水素およびメチル基から独立して選択される、式IIの構造単位を含む、分散剤ポリマーと、を含む、プラスチック清浄方法が提供される。
【0007】
本発明は、自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法であって、(A)プラスチックを清浄するための自動食器洗浄用組成物を選択することであって、自動食器洗浄用組成物が、ビルダーと、ホスホネートと、非イオン性界面活性剤と、分散剤ポリマーであって、(a)60~98重量%の式Iの構造単位であって、各Rが、水素および-CH基から独立して選択される、式Iの構造単位、ならびに(b)2~40重量%の式IIの構造単位であって、各Rが、少なくとも4個の炭素原子を有するアルキル基から独立して選択され、各Rが、水素およびメチル基から独立して選択される、式IIの構造単位を含む、分散剤ポリマーと、を含む、自動食器洗浄用組成物を選択することと、(B)プラスチック製品を提供することと、(C)自動食器洗浄用組成物をプラスチック製品に適用することと、を含む、プラスチック清浄方法を提供する。
【0008】
本発明は、自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法であって、(A)プラスチックを清浄するための自動食器洗浄用組成物を選択することであって、自動食器洗浄用組成物が、50~85重量%のビルダーであって、ビルダーが、炭酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される、ビルダーと、0.75~7重量%のホスホネートと、1.5~7.5重量%の非イオン性界面活性剤と、2~6重量%の分散剤ポリマーであって、分散剤ポリマーが、(a)75~95重量%の式Iの構造単位であって、式Iの構造単位の少なくとも98モル%において、Rが水素である、式Iの構造単位、および(b)5~25重量%の式IIの構造単位であって、式IIの構造単位の少なくとも98モル%において、Rがブチル基であり、式IIの構造単位の少なくとも98モル%において、Rが水素である、式IIの構造単位を含み、分散剤ポリマーが、1,750~17,500ダルトンの重量平均分子量Mを有する、分散剤ポリマーと、を含む、自動食器洗浄用組成物を選択することと、(B)プラスチック製品を提供することと、(C)自動食器洗浄用組成物をプラスチック製品に適用することと、を含む、プラスチック清浄方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
驚くべきことに、本発明の分散剤ポリマーを含む自動食器洗浄用組成物(具体的にはホスフェート不含自動食器洗浄用組成物)を選択することにより、従来の分散剤ポリマーを含む自動食器洗浄用組成物と比較して、プラスチック製品に対して、驚くほど良好な抗膜張り性能を提供することが見出された。
【0010】
別途示されない限り、比、百分率、部などは、重量による。組成物中の重量百分率(または重量%)は、乾燥重量の百分率であり、すなわち、組成物中に存在し得る一切の水を排除した百分率である。ポリマー中のモノマー単位の百分率は、固形重量、すなわち、ポリマー乳剤中に存在する一切の水を排除した百分率である。
【0011】
本明細書で使用される場合、別途示されない限り、「重量平均分子量」および「Mw」という用語は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)およびポリスチレン標準物などの従来の標準物を用いる従来の様式で測定された場合の重量平均分子量を指すのに互換的に使用される。GPC技法は、Modem Size Exclusion Chromatography,W.W.Yau,J.J.Kirkland,D.D.Bly;Wiley-Interscience,1979、およびA Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis,J.P.Sibilia;VCH,1988,p.81-84に詳細に考察されている。重量平均分子量は、本明細書においてダルトンの単位で報告される。
【0012】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される用語「ホスフェート不含」は、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.2重量%、なおより好ましくは≦0.01重量%、さらになおより好ましくは≦0.001重量%、最も好ましくは検出限界値未満)のホスフェート(リン元素として測定される)を含有する組成物を意味する。
【0013】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される用語「構造単位」は、示されたモノマーの残部(remnant)を指し、したがって、(メタ)アクリル酸の構造単位は、以下で示され、
【化3】
式中、点線が、ポリマー骨格への結合点を表し、Rが、アクリル酸の構造単位の水素であり、メタクリル酸の構造単位の-CH基である。
【0014】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法は、プラスチックを清浄するための自動食器洗浄用組成物を選択することを含み、自動食器洗浄用組成物が、ビルダー(自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは1~97重量%(より好ましくは≧10重量%、さらにより好ましくは≧20重量%、なおより好ましくは≧25重量%、最も好ましくは≧50重量%、好ましくは≦95重量%、より好ましくは≦98重量%、なおより好ましくは≦85重量%、最も好ましくは≦80重量%)のビルダー)(好ましくはビルダーが、少なくとも1種の炭酸塩と少なくとも1種のクエン酸塩との混合物を含む)と、ホスホネート(自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは0.1~15重量%(より好ましくは0.5~10重量%、なおより好ましくは0.75~7重量%、最も好ましくは0.9~5重量%)のホスホネート)(好ましくはホスホネートが、≦1,000ダルトンの重量平均分子量を有する)と、非イオン性界面活性剤(自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは0.2~15重量%(より好ましくは0.5~10重量%、最も好ましくは1.5~7.5重量%)の非イオン性界面活性剤)(好ましくは非イオン性界面活性剤が、脂肪アルコールアルコキシレートである)と、分散剤ポリマー(自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは0.5~15重量%(より好ましくは0.5~10重量%、なおより好ましくは1~8重量%、最も好ましくは2~6重量%)の分散剤ポリマー)であって、(a)60~98重量%(好ましくは75~95重量%、より好ましくは80~92.5重量%、最も好ましくは85~91重量%)の式Iの構造単位であって、
【化4】
式中、各Rが、水素および-CH基から独立して選択され、各Rが、水素および-CH基から独立して選択される、式Iの構造単位、ならびに(b)2~40重量%(好ましくは5~25重量%、より好ましくは7.5~20重量%、最も好ましくは9~15重量%)の式IIの構造単位であって、
【化5】
式中、各Rが、少なくとも4個の炭素原子を有するアルキル基(好ましくは、-C4~22アルキル基、より好ましくは-C4~18アルキル基、さらにより好ましくは-C4~12アルキル基、なおより好ましくは-C4~8アルキル基、さらになおより好ましくは-C4~6アルキル基、なおさらにより好ましくは-C4~5アルキル基、最も好ましくは-Cアルキル基)から独立して選択され、各Rが、水素およびメチル基から独立して選択される、式IIの構造単位を含む、分散剤ポリマーと、を含む。
【0015】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法は、プラスチック製品(例えば、プラスチック調理器具、プラスチック耐熱皿、プラスチック食卓用食器、プラスチック食器類、プラスチック平皿、およびプラスチックタンブラー)を提供することと、自動食器洗浄用組成物をプラスチック製品に適用することと、をさらに含む。より好ましくは、プラスチック製品は、複数のプラスチック製品を含む。なおより好ましくは、プラスチック製品は、プラスチックタンブラーを含む。最も好ましくは、プラスチック製品は、ポリスチレンタンブラーを含む。
【0016】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法は、(A)自動食器洗浄用組成物を選択することであって、自動食器洗浄用組成物が、50~85重量%のビルダーであって、ビルダーが、炭酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、およびこれらの混合物からなる群から選択されるビルダーと、0.75~7重量%のホスホネートと、1.5~7.5重量%の非イオン性界面活性剤と、2~6重量%の分散剤ポリマーであって、分散剤ポリマーが、(a)75~95重量%の式Iの構造単位であって、式Iの構造単位の少なくとも98モル%において、Rが水素である、式Iの構造単位、および(b)5~25重量%の式IIの構造単位であって、式IIの構造単位の少なくとも98モル%において、Rがブチル基であり、式II構造単位の少なくとも98モル%において、Rが水素である、式IIの構造単位を含み、分散剤ポリマーが、1,750~17,500ダルトンの重量平均分子量Mを有する、分散剤ポリマーと、を含む、自動食器洗浄用組成物を選択することと、(B)プラスチック製品を提供することと、(C)自動食器洗浄用組成物をプラスチック製品に(好ましくは自動食器洗浄機で)適用することと、を含み、プラスチック製品上の膜形成が抑制される。
【0017】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、ビルダーを含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、ビルダーを含み、ビルダーが、少なくとも1種の炭酸塩と少なくとも1種のクエン酸塩との混合物を含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、ビルダーを含み、ビルダーが、少なくとも1種の炭酸塩、少なくとも1種のクエン酸塩、および少なくとも1種のクエン酸塩の混合物を含む。なおより好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、ビルダーを含み、ビルダーが、炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、およびクエン酸ナトリウムの混合物を含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、ビルダーを含み、ビルダーが、炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、およびクエン酸ナトリウムの混合物を含む。
【0018】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、1~97重量%のビルダーを含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、≧1重量%(好ましくは≧10重量%、より好ましくは≧20重量%、さらにより好ましくは≧25重量%、最も好ましくは≧50重量%)のビルダーを含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、≦95重量%(好ましくは≦90重量%、より好ましくは≦85重量%、最も好ましくは≦80重量%)のビルダーを含む。炭酸塩、クエン酸塩、およびケイ酸塩ビルダーの重量百分率は、金属イオンを含む塩の実際の重量に基づく。
【0019】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「炭酸塩(複数可)」という用語は、炭酸塩、重炭酸塩、過炭酸塩、および/またはセスキ炭酸塩のアルカリ金属またはアンモニウム塩を指す。好ましくは、選択される自動食器洗浄用組成物に使用される炭酸塩(もしあれば)は、ナトリウム、カリウム、およびリチウムの炭酸塩(より好ましくはナトリウムまたはカリウムの塩、最も好ましくはナトリウムの塩)からなる群から選択される。選択される自動食器洗浄用組成物に使用される過炭酸塩(もしあれば)は、ナトリウム、カリウム、リチウム、およびアンモニウムの塩(より好ましくはナトリウムまたはカリウムの塩、最も好ましくはナトリウムの塩)から選択される。より好ましくは、選択される自動食器洗浄用組成物に使用される炭酸塩(もしあれば)としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、および過炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1つが挙げられる。好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダーが炭酸塩を含む場合、自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは0~97重量%(好ましくは10~75重量%、より好ましくは25~60重量%、最も好ましくは40~50重量%)の炭酸塩を含む。
【0020】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「クエン酸塩(複数可)」という用語は、アルカリ金属クエン酸塩を指す。好ましくは、選択される自動食器洗浄用組成物に使用されるクエン酸塩(もしあれば)は、ナトリウム、カリウム、およびリチウムのクエン塩(より好ましくはナトリウムまたはカリウムの塩、最も好ましくはナトリウムの塩)からなる群から選択される。より好ましくは、選択される自動食器洗浄用組成物に使用されるクエン酸塩(もしあれば)は、クエン酸ナトリウムである。好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダーがクエン酸塩を含む場合、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは0~97重量%(好ましくは5~75重量%、より好ましくは10~60重量%、最も好ましくは20~40重量%)のクエン酸塩を含む。
【0021】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「ケイ酸塩(複数可)」という用語は、アルカリ金属ケイ酸塩を指す。好ましくは、選択される自動食器洗浄用組成物に使用されるケイ酸塩(もしあれば)は、ナトリウム、カリウム、およびリチウムのケイ酸塩(より好ましくはナトリウムまたはカリウムの塩、最も好ましくはナトリウムの塩)からなる群から選択される。より好ましくは、選択される自動食器洗浄用組成物に使用されるケイ酸塩(もしあれば)は、二ケイ酸ナトリウムである。好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダーとしては、ケイ酸塩が挙げられる。好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダーがケイ酸塩を含む場合、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは0~97重量%(好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.5~7.5重量%、最も好ましくは0.75~3重量%)のケイ酸塩を含む。
【0022】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、0.1~15重量%(より好ましくは0.5~10重量%、なおより好ましくは0.75~7重量%、最も好ましくは0.9~5重量%)のホスホネートを含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、0.1~15重量%(より好ましくは0.5~10重量%、なおより好ましくは0.75~7重量%、最も好ましくは0.9~5重量%)のホスホネートを含み、ホスホネートが、≦1,000ダルトンの重量平均分子量を有する低分子量である。なおより好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、0.1~15重量%(より好ましくは0.5~10重量%、なおより好ましくは0.75~7重量%、最も好ましくは0.9~5重量%)のホスホネートを含み、ホスホネートが、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、および1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸の塩のうちの少なくとも1種を含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、0.1~15重量%(より好ましくは0.5~10重量%、なおより好ましくは0.75~7重量%、最も好ましくは0.9~5重量%)のホスホネートを含み、ホスホネートが、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)およびその塩からなる群から選択される。
【0023】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、0.2~15重量%(好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1.5~7.5重量%)の非イオン性界面活性剤を含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、0.2~15重量%(好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1.5~7.5重量%)の非イオン性界面活性剤を含み、界面活性剤が、脂肪アルコールアルコキシレートを含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、0.2~15重量%(好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1.5~7.5重量%)の非イオン性界面活性剤を含み、界面活性剤が、脂肪アルコールアルコキシレートである。
【0024】
好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される非イオン性界面活性剤は、以下から選択される式を有し、
RO-(M)-(N)-OH、および
RO-(M)-(N)-(P)-OH
式中、Mはエチレンオキシドの構造単位を表し、NはC3~181,2-エポキシアルカンの構造単位を表し、PはC6~18のアルキルグリシジルエーテルの構造単位を表し、xは5~40であり、yは0~20であり、zは0~3であり、RはC6~22直鎖または分岐鎖アルキル基を表す。
【0025】
好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される非イオン性界面活性剤は、以下から選択される式を有し、
RO-(M)-(N)-OH、および
RO-(M)-(N)-O-R’
式中、MおよびNが、アルキレンオキシド(そのうちの1つは、エチレンオキシドである)から誘導される構造単位であり、xが5~40であり、yが0~20であり、Rが、C6~22の直鎖または分岐鎖アルキル基を表し、R’が、アルコール前駆体と、C6~22の直鎖もしくは分岐鎖ハロゲン化アルキル、エポキシアルカン、またはグリシジルエーテルとの反応から誘導される基を表す。
【0026】
好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される非イオン性界面活性剤は、以下の式を有し、
RO-(M)-OH
式中、Mはエチレンオキシドの構造単位を表し、xは少なくとも3(好ましくは少なくとも5、好ましくは10以下、より好ましくは8以下)である。好ましくは、式中、RおよびR’は、各々少なくとも8個(より好ましくは少なくとも10個)の炭素原子を有する。
【0027】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、分散剤ポリマーを含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、0.5~15重量%の分散剤ポリマーを含む。なおより好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、0.5~10重量%の分散剤ポリマーを含む。さらにより好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、1~8重量%の分散剤ポリマーを含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄機でプラスチック製品を清浄するためのプラスチック清浄方法において、選択される自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、2~6重量%の分散剤ポリマーを含む。
【0028】
好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、分散剤ポリマーの重量に基づいて、60~98重量%(好ましくは75~95重量%、より好ましくは80~92.5重量%、最も好ましくは85~91重量%)の式Iの構造単位を含み、各Rが、水素および-CH基から独立して選択される。より好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、分散剤ポリマーの重量に基づいて、60~98重量%(好ましくは75~95重量%、より好ましくは80~92.5重量%、最も好ましくは85~91重量%)の式Iの構造単位を含み、分散剤ポリマー中の式Iの構造単位の75~100モル%(好ましくは90~100モル%、より好ましくは98~100モル%、なおより好ましくは≧99モル%、最も好ましくは100モル%)において、Rが水素である。
【0029】
好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、分散剤ポリマーの重量に基づいて、2~40重量%(好ましくは5~25重量%、より好ましくは7.5~20重量%、最も好ましくは9~15重量%)の式IIの構造単位を含み、各Rが、少なくとも4個の炭素原子を有するアルキル基(好ましくは、-C4~22アルキル基、より好ましくは-C4~18アルキル基、さらにより好ましくは-C4~12アルキル基、なおより好ましくは-C4~8アルキル基、さらになおより好ましくは-C4~6アルキル基、なおさらにより好ましくは-C4~5アルキル基、最も好ましくは-Cアルキル基)から独立して選択され、各Rが、水素およびメチル基から独立して選択される。より好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、分散剤ポリマーの重量に基づいて、2~40重量%(好ましくは5~25重量%、より好ましくは7.5~20重量%、最も好ましくは9~15重量%)の式IIの構造単位を含み、各Rが、-C4~22アルキル基から独立して選択され、各Rが、水素およびメチル基から独立して選択される。最も好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、分散剤ポリマーの重量に基づいて、>10~40重量%(好ましくは15~30重量%、より好ましくは18~25重量%、最も好ましくは19~25重量%)の式IIの構造単位を含み、分散剤ポリマー中の式IIの構造単位の75~100モル%(好ましくは90~100モル%、より好ましくは98~100モル%、最も好ましくは100モル%)において、Rがブチル基であり、分散剤ポリマー中の式IIの構造単位の75~100モル%(好ましくは90~100モル%、より好ましくは98~100モル%、最も好ましくは100モル%)において、Rが水素である。
【0030】
好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、1,200~25,000ダルトンの重量平均分子量を有する。より好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、1,500~20,000ダルトンの重量平均分子量を有する。なおより好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、1,750~17,500ダルトンの重量平均分子量を有する。最も好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、1,900~15,000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0031】
好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、≦0.3重量%(より好ましくは≦0.1重量%、なおより好ましくは≦0.05重量%、さらになおより好ましくは≦0.03重量%、最も好ましくは≦0.01重量%)の多エチレン性不飽和架橋モノマーの構造単位を含む。
【0032】
好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.001重量%、なおより好ましくは≦0.0001重量%、最も好ましくは<検出限界値)のスルホン化モノマーの構造単位を含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.001重量%、なおより好ましくは≦0.0001重量%、最も好ましくは<検出限界値)の、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、4-スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3-アリルオキシスルホン酸、2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸(HAPS)、2-スルホエチル(メタ)アクリル酸、2-スルホプロピル(メタ)アクリル酸、3-スルホプロピル(メタ)アクリル酸、4-スルホブチル(メタ)アクリル酸、およびこれらの塩からなる群から選択される、スルホン化モノマーの構造単位を含む。最も好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.001重量%、なおより好ましくは≦0.0001重量%、最も好ましくは<検出限界値)の2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)モノマーの構造単位を含む。
【0033】
選択される本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤コポリマーを作製する方法は、共重合の当業者に周知である。
【0034】
選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、任意選択的に、添加剤をさらに含む。好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、アルカリ源、漂白剤(例えば、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム)、漂白活性化剤(例えば、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED))、漂白触媒(例えば、酢酸マンガン(II)、塩化コバルト(II)、ビス(TACN)マグネシウムトリオキシドジアセテート)、酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、またはセルラーゼ)、発泡抑制剤、着色剤、芳香剤、追加のビルダー、抗菌剤、充填剤、堆積物制御(deposit control)ポリマーおよびこれらの混合物からなる群から選択される添加剤をさらに含む。より好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、添加剤をさらに含み、添加剤が、漂白剤、漂白活性化剤、酵素、充填剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される。なおより好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、添加剤をさらに含み、添加剤としては、漂白剤(例えば、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム)、漂白活性化剤(例えば、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED))、および酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、またはセルラーゼ)が挙げられる。最も好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、添加剤をさらに含み、添加剤としては、漂白剤(漂白剤は過炭酸ナトリウムを含む)、漂白活性化剤(漂白活性化剤はテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含む)、および酵素(酵素としては、プロテアーゼとアミラーゼが挙げられる)が挙げられる。
【0035】
錠剤または粉末に含まれる充填剤は、不活性な水溶性物質であり、通常はナトリウム塩またはカリウム塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム)である。錠剤および粉末では、充填剤は通常、0重量%~75重量%の範囲の量で存在する。ゲル製剤に含まれる充填剤には、通常、錠剤および粉末、さらには水で使用するために言及されたものが含まれる。芳香剤、染料、発泡抑制剤、酵素、および抗菌剤は通常、合計で選択される自動食器洗浄用組成物の10重量%以下、あるいは5重量%以下である。
【0036】
選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、任意選択的に、アルカリ源をさらに含む。好適なアルカリ源は、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属水酸化物、例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムまたは水酸化カリウム、または上記混合物を含むがこれらに限定されない。水酸化ナトリウムが好ましい。本発明の自動食器洗浄用組成物中のアルカリ源の量(もしあれば)は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、少なくとも1重量%(好ましくは少なくとも20重量%)および最大80重量%(好ましくは最大60重量%)である。
【0037】
選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、任意選択的に、漂白剤(例えば、過炭酸ナトリウム)をさらに含む。本発明の自動食器洗浄用組成物中の漂白剤の量(もしあれば)は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは1~25重量%(より好ましくは、5~20重量%)の濃度である。
【0038】
選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、任意選択的に、漂白活性化剤(例えばテトラアセチルエチレンジアミン(TAED))をさらに含む。本発明の自動食器洗浄用組成物中の漂白活性化剤の量(もしあれば)は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは1~10重量%(より好ましくは、2.5~7.5重量%)の濃度である。
【0039】
好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.2重量%、なおより好ましくは≦0.1重量%、さらになおより好ましくは≦0.01重量%、最も好ましくは<検出限界値)のホスフェート(リン元素として測定される)を含む。好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、ホスフェート不含である。
【0040】
好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.2重量%、なおより好ましくは≦0.1重量%、さらになおより好ましくは≦0.01重量%、最も好ましくは<検出限界値)の、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリシン-N,N-二酢酸、メチルグリシン-N,N-二酢酸、2-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、グルタミン酸-N,N-二酢酸、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジスクシネート、S,S-エチレンジアミンジコハク酸アスパラギン酸-二酢酸、N,N’-エチレンジアミンジコハク酸、イミノジコハク酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸-N,N-二酢酸、ベータ-アラニン二酢酸、ポリアスパラギン酸、これらの塩およびこれらの混合物からなる群から選択されるビルダーを含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリシン-N,N-二酢酸、メチルグリシン-N,N-二酢酸、2-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、グルタミン酸-N,N-二酢酸、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジスクシネート、S,S-エチレンジアミンジコハク酸アスパラギン酸-二酢酸、N,N’-エチレンジアミンジコハク酸、イミノジコハク酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸-N,N-二酢酸、ベータアラニン二酢酸、ポリアスパラギン酸、これらの塩およびこれらの混合物、からなる群から選択されるビルダーを0重量%含有する。
【0041】
好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、少なくとも7(好ましくは≧9、より好ましくは≧9.5)のpH値(水中で1重量%)を有する。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、13以下のpH値(水中で1重量%)を有する。
【0042】
好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、任意の典型的な形態、例えば、錠剤、粉末、塊、一回量、小袋、ペースト、液体、またはゲルで配合され得る。選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、食事用器具および調理器具、皿などの食器類を自動食器洗浄機で清浄するのに有用である。
【0043】
好ましくは、選択される本発明の自動食器洗浄用組成物は、典型的な操作条件下での使用に好適である。例えば、自動食器洗浄機で使用されるとき、洗浄プロセス中の通常の水温は、好ましくは20℃~85℃、好ましくは30℃~70℃である。自動食器洗浄用組成物の通常の濃度は、食器洗浄機内の液体を占める合計百分率として、好ましくは0.1~1重量%、好ましくは0.2~0.7重量%である。適切な製品形態および添加時間の選択により、本発明の自動食器洗浄用組成物は、予備洗浄、主洗浄、最後から2番目のすすぎ、最終的なすすぎ、またはこれらのサイクルの任意の組み合わせにおいて存在し得る。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態をこれより以下の実施例において詳細に説明する。
【0045】
重量平均分子量、Mと、数平均分子量、Mと、実施例で報告される多分散性(PDI)値は、Agilent 1100シリーズ屈折率を備えるAgilent 1100シリーズLCシステムでのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定された。試料をHPCLグレードのTHF/FA混合物(100:5体積/体積比)に約9mg/mLの濃度で溶解し、0.45μmシリンジフィルターでろ過してから、4.6×10mm Shodex KFガードカラム、8.0×300mm Shodex KF 803カラム、8.0x300mm Shodex KF 802カラム、および8.0×100mm Shodex KF-Dカラムに注入した。1mL/分の流量および40℃の温度を維持した。狭分子量PS標準(EasiCal PS-2,Polymer Laboratories,Inc.)によって、カラムを較正した。
【0046】
比較例C1~C3および実施例1:分散剤ポリマー組成物
本明細書で使用される分散剤ポリマー組成物は、表1に記載されている組成および重量平均分子量を有した。
【表1】
【0047】
比較例DC1~DC4および実施例D1:食器洗浄性能
表2に特定された成分配合を有する比較例DC1~DC4および実施例D1の各々で、食器洗浄用組成物を調製した。成分配合物の各々に使用されたプロテアーゼは、Novozymesから入手可能なSavinase(登録商標)12Tプロテアーゼであった。成分配合物の各々に使用されたアミラーゼは、Novozymesから入手可能なStainzyme(登録商標)12Tアミラーゼであった。
【表2】
【0048】
食品汚れを調製するための手順
表3に記載のSTIWA食品汚れは、以下の手順により調製した。
a)水を沸騰させる。
b)紙コップでインスタントグレービー、安息香酸、デンプンを混ぜ、次いで混合物を沸騰水に追加する。
c)(b)の生成物に牛乳とマーガリンを加える。
d)(c)の生成物を約40℃まで冷却し、次いで混合物をキッチンミキサー(Polytron)に追加する。
e)別の紙コップで、卵黄、ケチャップ、マスタードを混ぜ合わせ、スプーンで混ぜる。
f)(e)の生成物をブレンダー内の(d)の混合物に連続的に撹拌しながら加える。
g)(f)の生成物をブレンダーで5分間撹拌する。
h)(g)からの生成物、食品汚れ混合物を凍結する。
i)主洗浄の開始時に、50gのこの冷凍スラッシュを食器洗浄機に入れる。
【表3】
【0049】
食器洗浄試験条件
機械:Miele SS-ADW、モデルG1222SC Labor。65°C洗浄-30分、予備洗浄。水:硬度37°fH、Ca:Mg=3:1。食品汚れ:表3に記述された50gの組成物を、カップで凍結した状態で洗浄液に導入した。比較例DC1~DC4および実施例D1からの各食器洗浄用組成物を試験し、1回の洗浄につき20gを添加した。
【0050】
ポリスチレンタンブラーの膜張りおよび斑点の評価
上記の食器洗浄試験条件下で30回の洗浄サイクルの後、ポリスチレンタンブラーを外気で乾燥させた。外気で乾燥させた後、制御された照明を有する発光ボックス内でポリスチレンタンブラーを観察した。ポリスチレンタンブラーを、ASTM法に従って、1(膜張り/斑点なし)~5(重度の膜張り/斑点形成)までの範囲で、膜張りおよび斑点を評価した。表4に報告するように、膜張りおよび斑点についての平均値1~5を判定した。
【表4】