IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ドク サン ネオルクス カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7352608高強度ビーズ、及びこれを用いた導電粒子
<>
  • 特許-高強度ビーズ、及びこれを用いた導電粒子 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】高強度ビーズ、及びこれを用いた導電粒子
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/20 20060101AFI20230921BHJP
   H01B 5/00 20060101ALI20230921BHJP
   H01B 1/00 20060101ALI20230921BHJP
   H01B 1/22 20060101ALI20230921BHJP
   H01B 5/16 20060101ALI20230921BHJP
   C08J 3/16 20060101ALI20230921BHJP
   H01R 11/01 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
C08G77/20
H01B5/00 M
H01B1/00 C
H01B1/00 M
H01B1/22 A
H01B1/00 E
H01B5/00 E
H01B5/16
C08J3/16 CFH
H01R11/01 501A
H01B5/00 C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021186741
(22)【出願日】2021-11-17
(65)【公開番号】P2022096612
(43)【公開日】2022-06-29
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0177560
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0177561
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0177562
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515127979
【氏名又は名称】ドク サン ネオルクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、キョンフム
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボラム
(72)【発明者】
【氏名】キム、テグン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョンテ
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヒョンユン
(72)【発明者】
【氏名】リム、ヨンジン
(72)【発明者】
【氏名】ペ、チャンウォン
【審査官】西山 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-044988(JP,A)
【文献】特開平10-197876(JP,A)
【文献】特開平09-031343(JP,A)
【文献】特開2016-095951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 77/00-77/62
H01B 1/00- 1/24
H01B 5/00- 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2種のシランモノマーのポリマービーズであって、前記ビーズの粒径を10%、20%、30%、40%変位させたときの圧縮弾性率をそれぞれK10、K20、K30、K40とすると、K10<K20<K30<K40の関係を有し、
前記ビーズは、表面上に厚さ0.05~0.2μmの親水性有機層を含み、
前記親水性有機層は、前記ビーズの表面末端の二重結合を有する炭素と結合する有機モノマーが重合されて形成されている、高強度ビーズ。
【請求項2】
前記K10の値が4,000N/mm以上である、請求項1に記載の高強度ビーズ。
【請求項3】
前記ビーズが1.5μm~6μmである、請求項1に記載の高強度ビーズ。
【請求項4】
前記シランモノマーには、少なくとも炭素二重結合を含むシランモノマーが少なくとも1種含まれる、請求項1に記載の高強度ビーズ。
【請求項5】
前記ビーズは、炭素二重結合を有するシラン100重量部に対して、炭素二重結合を有しないシランは120重量部以下で含まれる、請求項1に記載の高強度ビーズ。
【請求項6】
前記ビーズは、ビニル基を有するシランモノマーとアクリロイル基を有するシランモノマーとを含み、前記ビニル基を有するシランモノマー100重量部に対して、前記アクリロイル基を有するシランモノマーは70重量部~125重量部で含まれる、請求項1に記載の高強度ビーズ。
【請求項7】
前記有機モノマーは、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、アリールアミン、N-ビニル-2-プロペン-1-アミン、及び3-ブテン-1-アミンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の高強度ビーズ。
【請求項8】
前記ビーズは粒径5~15nmの無機ナノ粒子をさらに含む、請求項1に記載の高強度ビーズ。
【請求項9】
請求項1~のいずれか一項に記載のビーズと、前記ビーズの表面上に備えられる伝導層とを含む導電粒子。
【請求項10】
前記伝導層は、Ni、Sn、Ag、Cu、Pd、Zn、W、P、B、及びAuよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の合金からなる、請求項に記載の導電粒子。
【請求項11】
前記伝導層の表面に絶縁層又は絶縁粒子をさらに含む、請求項10に記載の導電粒子。
【請求項12】
前記伝導層の最外殻に疎水性防錆剤を用いて防錆処理されている、請求項10に記載の導電粒子。
【請求項13】
請求項1~のいずれか一項に記載のビーズを用いた導電粒子を含む異方性導電材料。
【請求項14】
請求項1~のいずれか一項に記載のビーズを用いた導電粒子を含む接続構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高強度ビーズ、これを用いた導電粒子、導電材料及び接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
導電粒子は、一般に、硬化剤、接着剤、樹脂バインダーと混合して分散した形態で使用される異方性導電材料として製造されて使用される。
異方性導電材料は、具体的に、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film)、異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive)、異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)、異方性導電インク(Anisotropic Conductive Ink)、異方性導電シート(Anisotropic Conductive Sheet)などがあり得る。
異方性導電材料は、FOG(Film on Glass;フレキシブル基板-ガラス基板)、COF(Chip on Film;半導体チップ-フレキシブル基板)、COG(Chip on Glass;半導体チップ-ガラス基板)、FOB(Film on Board;フレキシブル基板-ガラスエポキシ基板)などに両電極の電気的接続のために使用されている。
【0003】
異方性導電材料が例えば半導体チップとフレキシブル基板とを接合すると仮定すれば、フレキシブル基板上に異方性導電材料を配置し、半導体チップを積層して加圧/加熱状態で異方性導電材料を硬化させることにより、導電粒子が基板の電極と半導体チップの電極とを電気的に接続する接続構造体を実現することができる。
具体的には、異方性導電材料は、ディスプレイ半導体チップと回路を構成するガラス基板の接続、及びmicro-LED、mini-LEDと回路基板との接続を行う方法に使用することができる。
導電粒子は、通常、ビーズとビーズを取り囲む伝導層とから構成されるが、異方性導電材料に使用される場合、硬化剤、接着剤、樹脂バインダーなどと一緒に混合して使用され、加圧/加熱の後に接続構造体となる場合、異方性導電材料の硬化/接着によって上/下電極間の電気接続を維持する。
【0004】
一方、導電粒子をOLED Display用として使用する場合、高い圧縮強さを要求する。OLED Displayに用いられる電極は、主にアルミニウム(Aluminum)又はチタン(Titanium)を使用するが、これらの金属の場合は、電極の表面に形成される酸化膜と電極との格子構造が同一であって、表面の酸化膜が非常に安定的に形成されて保護フィルムの役目をするとともに薄い絶縁層を形成する。
したがって、電極同士の間に存在する導電粒子が両電極を接続するために圧着される過程で、導電粒子の突起が前記絶縁層を突き抜くことができる強度を持たなければならないため、導電粒子の高い圧縮強さが要求される。
しかし、導電粒子に使用される従来のビーズの場合、ウレタン系、スチレン系、アクリレート系、ベンゼン系、エポキシ系、アミン系、イミド系などのモノマー、又はこれらの変形モノマー、又は前記モノマーの混合されたモノマーを用いて、シード重合、分散重合、懸濁重合、乳化重合などの方法で重合して得られるコポリマーなどは、高い圧縮強さを提供しなかった。
【0005】
このため、有機/無機ハイブリッドビーズを用いて、有機物と無機物の両方が含まれているコア-シェル構造、コンパウンド構造、コンポジット構造のビーズが提案された。
コア-シェル構造は、コアが有機物質であるときにシェルは無機物質であり、コアが無機物質であるときにシェルは有機物質である場合をいい、コンパウンド構造は、無機物質と有機物質とが化合物をなす場合をいう。
コンポジット構造は、無機物質マトリックスに有機物質が含まれるか、或いは有機物質マトリックスに無機物質が含まれて複合体をなす場合をいい、有機物質と無機物質とが50:50で互いに分散した形態も可能である。
ところが、従来の有機/無機ハイブリッドビーズは、変形率が増加するにつれて、圧縮強さが変形率の広い区間で低くなってから増加する特性を示し、このような特性は、電極を圧着する過程で力が増加するにつれて、導電粒子が突っ張る力を弱める。よって、上/下部の電極を接続する効率が減少するという問題点を持つ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6049461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施例は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、本発明の実施例が解決しようとする技術的課題は、導電粒子が電極の酸化皮膜を容易に突き抜いて接続することができるように支持する高強度ビーズを提供することにある。
特に、初期接続抵抗値が低く、高温/高湿信頼性試験後の抵抗上昇も小さいため、信頼性に優れた導電粒子、異方性導電材料及び接続構造体を提供することにある。
また、ビーズの表面に水分散及び凝集が起こらないため伝導層の形成が容易な導電粒子用高強度ビーズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例は、少なくとも2種のシランモノマーのポリマービーズであって、前記ビーズの粒径を10%、20%、30%、40%変位させたときの圧縮弾性率をそれぞれK10、K20、K30、K40とするとき、K10<K20<K30<K40の関係を有することを特徴とする。
本発明の一実施例は、高強度ビーズであって、前記ビーズに外力を加えるときに変形する変形率(%)をXとし、前記変形率がXであるときの圧縮強さをYとし、前記変形率が0<X≦40の範囲で、前記Yが最小になるときの圧縮強さをY1とし、前記Y1での変形率をX1とし、Xが5%であるときの圧縮強さをY(X=5)とするとき、前記X1はX1≦20であり、Y1/Y(X=5)>0.8であることを特徴とする。
【0009】
本発明の一実施例は、少なくとも2種のシランモノマーのポリマービーズ本体と、
前記ビーズ本体上に備えられる親水性有機層と、を含むビーズであって、
前記ビーズを水に分散させて分散処理された溶液を1分間静置した後、水の表面から深さ2cmの溶液を採取してネフェロメーター(Nephelometer)によって測定された濁度が100NTU以上であることを特徴とする。
本発明の他の態様は、前述したビーズと、前記ビーズの表面上に備えられる伝導層とを含む導電粒子を提供する。
このとき、前記伝導層は、Ni、Sn、Ag、Cu、Pd、Zn、W、P、B、及びAuよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の合金からなることが好ましい。
このとき、前記伝導層の表面に絶縁層又は絶縁粒子をさらに含むことが好ましい。
このとき、前記伝導層の最外殻に疎水性防錆剤を用いて防錆処理されたことが好ましい。
本発明の別の態様は、前述したビーズを用いた導電粒子を含む異方性導電材料を提供する。
本発明の別の態様は、前述したビーズを用いた導電粒子を含む接続構造体を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施例による高強度ビーズは、外力が加わるにつれて変形率が10%、20%、30%、40%にそれぞれ増加することにより、強度値が増加し、これにより、電極の酸化皮膜を従来の高強度粒子よりも容易に突き抜くことができる。
本発明の実施例による高強度ビーズは、外力が加わるにつれて、外力による高強度ビーズの圧縮強さ及び変形率を制御することができるように設計されることにより、電極の酸化皮膜を従来の高強度粒子よりも容易に突き抜くことができるという効果がある。
本発明の実施例による導電粒子は、初期接続抵抗が低く、高温/高湿信頼性試験後の抵抗上昇が小さい異方性導電材料及び接続構造体を製造することができる。
本発明の実施例によるビーズは、シランポリマーからなり、表面に親水性有機層を含むため高強度を持ちながらも水分散が可能であり、乾燥後に凝集がないためメッキ層の形成が容易なビーズを提供するという効果がある。
本発明の実施例によるビーズは、強度値が増加し、ビーズの強度が強いので、電極の酸化皮膜を従来の高強度粒子よりも容易に突き抜くことができる。
本発明の実施例による高強度ビーズを用いた導電粒子を使用した導電材料及び接続構造体は、安定的な接続を提供するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例2-3によるビーズを圧縮して、ビーズの変形量をx軸とし、前述した式3で定められるビーズ変形量による圧縮強さをy軸として、mini-tab17を活用して作成された適合線グラフ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明するに先立ち、本明細書に使用された用語は、特定の実施例を記述するためのものに過ぎず、添付する特許請求の範囲のみによって限定される本発明の範囲を限定しようとするものではないことを理解すべきである。本明細書に使用されるすべての技術用語及び科学用語は、他の記載がない限り、技術的に通常の技術を有する者に一般的に理解されるのと同じ意味を持つ。
本明細書及び請求の範囲の全体にわたり、他の記載がない限り、含む(comprise、comprises、comprising)という用語は、言及された物、ステップ、又は一群の物及びステップを含むことを意味し、任意の他の物、ステップ、又は一群の物又は一群のステップを排除する意味で使用されたものではない。
一方、本発明の様々な実施例は、明確な反対の指摘がない限り、それ以外の他の実施例に結合できる。特に好ましい又は有利であると指示するいずれの特徴も、好ましい又は有利であると指示したそれ以外の他の特徴に結合できる。以下、添付図面を参照して、本発明の実施例及びこれによる効果を説明する。
【0013】
<本発明の第1態様の第1モード>
本発明の第1態様によれば、高強度ビーズ及びその製造方法が提供される。一般に、導電粒子は、異方性導電材料に含まれて加熱圧着されるが、圧着の際に導電粒子のサイズの変形が起こりながら突起が電極を突き抜いて入り込む方式で電極同士の間を電気的に接続する。
このとき、導電粒子内部のビーズは、サイズが変形しながら圧縮強さも変形するが、通常、初期には減少してから再び増加する傾向性を示す。
高強度ビーズの初期圧縮強さが減少する変形を示す変形率では、導電粒子が初期接触するように設計し、圧縮強さが増加する変形率では、導電粒子の伝導層又は突起によって酸化皮膜を突き抜くように設計することが好ましい。
言い換えれば、酸化皮膜を突き抜くためには電極又は突起の強度も重要であるが、突起を押しているビーズの変形量による圧縮強さを設計することが非常に重要である。
【0014】
このため、高強度ビーズが使用される電極間の間隔、導電粒子、及び突起の大きさを考慮すると、ビーズに外力を加えてビーズを圧縮変形させることにより、粒径が10%、20%、30%、40%、50%、60%に変位する場合の各地点での圧縮強さをそれぞれK10、K20、K30、K40、K50、K60とするとき、少なくともK10<K20<K30<K40の関係を持つようにすることが好ましい。
これは、ビーズの圧縮変形の際に、初期にビーズの圧縮強さが微細に低くなる或いは低くなる区間が小さいため、区間内全体的には、粒径が10%、20%、30%、40%となる変形量で測定される圧縮強さが継続的に増加状態を維持することを意味する。
これは、変形率が増加するにつれて圧縮強さが著しく低くなる或いは低くなる区間が大きい従来の高強度ビーズとは差異を示す。すなわち、本発明の高強度ビーズは、電極を圧着する過程で外力が増加するにつれてビーズが突っ張る力が持続的に維持されるため、突起又は伝導層が電極を容易に突き抜いて入り込むことができるようにする。
ここで、K10の値は4000以上、K20の値は4,400以上、K30の値は5,400N/mm以上、K40の値は6,700N/mm以上であることが好ましい。
このとき、ビーズの材料は、少なくとも2種のシランモノマーのオルガノシランポリマーを含んで製造することができる。
【0015】
オルガノシランのポリマーは、少なくとも一つの炭素二重結合を有するモノマーを必須的に含む2種以上のシランを重合したポリマーであることが好ましい。
炭素二重結合を有するオルガノシランモノマーは、ビニル基を有するモノマーとして、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、ビニルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシランなどが使用でき、アクリロイル基を有するモノマーとして、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリルオキシエトキシプロピルトリメトキシシランなどが使用できる。
また、炭素二重結合を有しないオルガノシランモノマーとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、テトラビニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシランなどが使用できる。
【0016】
炭素二重結合を有するシランモノマーが多ければ多いほど後述の有機層の形成に有利であって、炭素二重結合を有するシランモノマーのみでポリマーを形成することも可能であり、ビーズの用途に応じて適切な厚さや親水性を付与するために、炭素二重結合を有しないシランも含むことができる。このため、炭素二重結合を有するシランモノマー100重量部に対して、炭素二重結合を有しないシランモノマーは120重量部以下、好ましくは110重量部以下で含むことがよい。
一方、前述したビーズはいずれも、炭素二重結合を有するシランモノマーのポリマーで構成されるとき、ビニル基を有するシランモノマーと、アクリロイル基を有するシランモノマーとを含むことが好ましいが、合成された粒子の表面に二重結合が多く残っているようにして、その表面に有機モノマーを添加して二重結合のラジカル重合による親水性有機層を形成しやすいためである。
前述したビーズはいずれも、炭素二重結合を有するシランモノマーのポリマーのみで構成されるとき、ビニル基を有するシランモノマーとアクリロイル基を有するシランモノマーは、ビニル基を有するシランモノマー100重量部に対して、アクリロイル基を有するシランモノマーを70重量部~125重量部で含むことが好ましい。
前述した範囲から外れる場合、K10<K20<K30<K40の関係を満足するが、反応条件である温度と時間を合わせることが著しく難しくなる。
【0017】
一方、ビーズ上には、有機層をさらに備えることができる。有機層は、ビーズ表面の末端の二重結合を有する炭素と結合する有機モノマーを用いて形成する。有機層は親水性を有する。形成された有機層は、合成されたビーズが乾燥の後に凝集せず、水分散の際に分散性が良くなるようにする役割を果たすだけでなく、メッキが容易に行われるようにする。
このとき、使用できる有機モノマーは、親水性基を有するビニル系であり、前記親水性基は、アクリル基やアミン基などを挙げることができる。
【0018】
例えば、前記アクリル基を有するビニル系は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレートなどがあり、前記アミン基を有するビニル系は、アリールアミン、N-ビニル-2-プロペン-1-アミン、3-ブテン-1-アミンなどを使用することができる。
このとき、有機層の厚さは、0.05μm~0.2μmであることが好ましい。上記の範囲を超える場合には、圧縮強さが低くなるという問題点があり、上記の範囲未満の場合には、有機層の形成が難しく、十分な親水性を示すことができないという問題点がある。
【0019】
また、ビーズには無機ナノ粒子がさらに含まれることができる。無機ナノ粒子は、SiO、TiO、Al、ZrOを始めとする酸化物、AlN、Si、TiN、BaNを始めとする窒化物、WC、TiC、SiCを始めとする炭化物などを用いることができる。添加された無機ナノ粒子は、ビーズが合成される過程でビーズの中に分散して入り、強化された高強度ビーズを合成することができる。
高強度ビーズの大きさは、特に限定されないが、一般的な電極の形状と表面粗さを考慮する場合、好ましくは6μm以下であり、さらに好ましくは1.5μm~5μmであり、よりさらに好ましくは2.5~4.5μmである。
これは、導電粒子を用いて製造された異方性導電材料が使用される箇所は電極の間隔によって制限を受けるためである。前述したビーズの大きさは、有機層を含む或いは無機ナノ粒子がさらに含まれる場合にも同様である。
前述したビーズの大きさは、有機層を含む或いは無機ナノ粒子がさらに含まれる場合にも同様である。
【0020】
前述した高強度ビーズの製造方法は、重合ステップ、分級ステップ及び熱処理ステップを含む。
重合ステップは、異種のオルガノシランモノマーを重合させるステップであって、このとき、炭素二重結合を有するシランモノマー100重量部に対して、炭素二重結合を有しないシランモノマーは120重量部以下で含むことが好ましい。
分級ステップは、重合ステップで重合されたビーズをサイズに合わせて分級するステップであるが、均一に重合される場合や、粒子のサイズが均一でなくてもよい用途の場合には、分級ステップは省略できる。
熱処理ステップは、ビーズを乾燥させ、熱処理するステップであって、熱処理温度は、200~700℃とすることができ、350~650℃、350~600℃とすることが好ましい。
ビーズに有機層を形成する場合には、前述した重合ステップの後に有機モノマーを注入して前記ビーズ上に有機層を形成する有機層形成ステップをさらに含む。
【0021】
<本発明の第1態様の第2モード>
本発明の第1態様によれば、高強度ビーズ及びその製造方法が提供される。
一般に、導電粒子は、異方性導電材料に含まれて加熱圧着されるが、圧着の際に導電粒子のサイズの変形が起こりながら突起が電極を突き抜いて入り込む方式で電極同士の間を電気的に接続する。このとき、電極間の間隔は、使用される粒子のサイズによって異なるが、通常、3μm~20μm程度である。
このとき、導電粒子内部のビーズは、サイズが変形しながら圧縮強さも変形するが、通常、初期には減少してから再び増加する傾向性を示す。
高強度ビーズの初期圧縮強さが減少する変形を示す区間は、導電粒子が初期接触する領域に設計し、圧縮強さが増加する変形を示す区間は、導電粒子の伝導層又は突起によって酸化皮膜を突き抜く変形量を示す区間に設計することが好ましい。言い換えれば、酸化皮膜を突き抜くためには、電極又は突起の強度も重要であるが、突起を押しているビーズの変形量による圧縮強さの役割も非常に重要である。
【0022】
そこで、本発明では、製造されたビーズの変形量と圧縮強さの値をもってmini-tab17ソフトウェア(minitab社製)を活用してビーズの変形量をX軸とし、ビーズ変形量による圧縮強さをY軸として、mini-tab17を活用して作成された適合線グラフを作成した。
ここで、YはXの3次関数であって、Xはビーズの変形率であり、Yは変形率による圧縮強さの値である。また、Xの3次項の係数が負であって、極小値(local minimum)と極大値(local miximum)が順次現れるが、Xが0~40である範囲で極小値が現れ、Xが40を超える範囲で極大値が現れる。
このとき、Xの変形範囲を0~40に設定するとき、極小値が有意味であり、極大値は無意味である。つまり、極小値でのXの値であるX1、及びX1での圧縮強さであるY1は有意味な値であり、極大値でのXの値であるX2、及びX2での圧縮強さY2は無意味な値である。
極小値の物理的な意味は、ビーズに外力を加えたときに圧縮強さが減少から増加する地点であって、変形率が40%以下の範囲内で圧縮強さが最小である地点を意味する。
【0023】
このため、高強度ビーズが使用される電極間の間隔、導電粒子、及び突起のサイズを考慮すると、Y1以前は圧縮強さが減少し、Y1以後は圧縮強さが増加するようにすることが好ましいが、Y1が初期20%変形量以内の区間で形成するように設計されることが好ましい。
これは、外力を加えるときに初期圧縮強さの減少が起こった後で変形率が20%を超える前に、再び増加に切り替えられるというものであって、高強度ビーズの設計上重要な意味を持つ。
つまり、20%超過の範囲では、導電粒子が過度に変形した状態で、導電粒子の突起が電極の酸化皮膜を突き抜いて入り込むことを意味し、この時、過度な変形により酸化皮膜の電極との接触面が大きくなり、実際に作用する圧力が低くなって効率が半減するという現象が現れる。
【0024】
一方、初期5%変形量を示す区間での圧縮強さよりも、高強度ビーズの20%以内の変形量を示す区間での圧縮強さが顕著に低くなると、突起が電極を突き抜く間にビーズの変形が激しくなり、突起の強度が高くても、突起が電極の酸化皮膜を効果的に突き抜かない現象が発生する。
したがって、ビーズの初期5%変形時の圧縮強さに対して最低点を示す圧縮強さが20%以上異ならないように設計されることが好ましい。すなわち、前記Y1での変形率をX1とするとき、0.8<Y1/Y(X=5)を満足することが好ましい。以下では、XがaであるときのYの値をY(X=a)で表示する。
これは、5%変形率のときの圧縮強さY(X=5)に対する最小の圧縮強さY1の比率が0.8以上になることを意味する。
つまり、Y(X=5)の圧縮強さに対する最低点の圧縮強さが80%以上であるという意味で、導電粒子の変形が大きくない範囲内で圧縮強さの値が著しく低くならなければ伝導層又は突起が酸化皮膜を突き抜いて入り込みやすい。
【0025】
前述した内容をまとめると、ビーズに外力を加えるときに変形する変形率(%)をXとし、前記変形率がXであるときの圧縮強さをYとし、前記変形率が0<X≦40の範囲で、前記Yが最小になるときの圧縮強さをY1とし、前記Y1での変形率をX1とするとき、前記X1はX1≦20であり、0.8<Y1/Y(X=5)に設計されることが好ましい。
この場合、ビーズは、0<X≦40の範囲で破壊されないように設計されなければならず、また、前記Xが10であるときのYの値をY(X=10)とし、前記Xが20であるときのYの値をY(X=20)とするとき、Y(X=10)<Y(X=20)の関係を満足することが好ましい。
【0026】
また、ビーズの高強度を維持するために、第1モードでのようにY(X=(10)<Y(X=20)<Y(X=30)<Y(X=40)の条件を維持することが好ましい。
前述した強度を満足する場合、高強度ビーズの材料は、特に限定されない。例えば、一般な樹脂ビーズ又は有機/無機ハイブリッド粒子を使用することが可能である。
樹脂ビーズは、例えば、ウレタン系、スチレン系、アクリレート系、ベンゼン系、エポキシ系、アミン系、イミド系などのモノマー、又はこれらの変形したモノマー、又は前記モノマーの混合されたモノマーを用いて、シード重合、分散重合、懸濁重合、乳化重合などの方法で重合して得られるコポリマーを使用することができる。
【0027】
また、有機/無機ハイブリッド粒子は、有機物と無機物の両方が含まれているコア-シェル構造、コンパウンド構造、コンポジット構造のビーズが使用できる。コアシェル構造を持つものは、コアが有機である場合にはシェルが無機であり、コアが無機である場合にはシェルが有機である。有機の場合は、前記モノマー又は変形モノマー又は混合モノマーを用い、無機の場合は、SiO、TiO、Al、ZrOなどの酸化物、AlN、Si、TiN、BaNなどの窒化物、WC、TiC、SiCなどの炭化物を用いることができる。シェルを形成する方法は、化学的コーティング法、Sol-Gel法、スプレーコーティング法、CVD(化学的蒸着法)、PVD(物理的蒸着法)、メッキ法などとすることができる。また、有機マトリックス(matrix)内に無機粒子が分散した形態も可能であり、無機マトリックスに有機粒子が分散した形態、及び有機/無機が50:50で互いに分散した形態も可能である。
【0028】
一実施例として、2種以上のオルガノシランのモノマーからなるポリマーを使用することができる。
オルガノシランのポリマーは、少なくとも一つの炭素二重結合を有するモノマーを必須的に含む2種以上のシランを重合したポリマーが好ましい。
炭素二重結合を有するオルガノシランモノマーは、ビニル基を有するモノマーとして、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、ビニルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシランなどが使用でき、アクリロイル基を有するモノマーとして、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリルオキシエトキシプロピルトリメトキシシランなどが使用できる。
また、炭素二重結合を有しないオルガノシランモノマーとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、テトラビニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシランなどが使用できる。
【0029】
炭素二重結合を有するシランモノマーが多ければ多いほど後述の有機層の形成に有利であって、炭素二重結合を有するシランモノマーのみでポリマーを形成することも可能であり、ビーズの用途に応じて適切な厚さや親水性を付与するために、炭素二重結合を有しないシランも含むことができる。このため、炭素二重結合を有するシランモノマー100重量部に対して、炭素二重結合を有しないシランモノマーは、120重量部以下、好ましくは110重量部以下で含むことが好ましい。
【0030】
一方、前述したビーズがいずれも、炭素二重結合を有するシランモノマーのポリマーで構成されるとき、ビニル基を有するシランモノマーとアクリロイル基を有するシランモノマーを含むことが好ましいが、合成された粒子の表面に二重結合が多く残っているようにして、その表面に有機モノマーを添加して二重結合のラジカル重合による親水性有機層を形成しやすいためである。
前述したビーズがいずれも、炭素二重結合を有するシランモノマーのポリマーのみで構成されるとき、ビニル基を有するシランモノマーとアクリロイル基を有するシランモノマーは、ビニル基を有するシランモノマー100重量部に対して、アクリロイル基を有するシランモノマーを70重量部~125重量部含むことが好ましい。
一方、高強度ビーズ上には有機層をさらに備えることができる。有機層は、ビーズ表面末端の二重結合を有する炭素と結合する有機モノマーを用いて形成し、この有機層は、親水性を有する。形成された有機層は、合成されたビーズが乾燥の後に凝集せず、水分散の際に分散性が良くなるようにする役割をするだけでなく、メッキが容易に行われるようにする。
このとき、使用できる有機モノマーは、親水性基を有するビニル(Vinyl)系であり、前記親水性基は、アクリル基やアミン基などを挙げることができる。
【0031】
例えば、前記アクリル基を有するビニル系は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレートなどがあり、前記アミン基を有するビニル系は、アリールアミン、N-ビニル-2-プロペン-1-アミン、3-ブテン-1-アミンなどを使用することができる。
このとき、有機層の厚さは、0.05μm~0.2μmであることが好ましい。上記の範囲を超える場合には、圧縮強さが低くなり、小粒子が多量に発生するという問題点があり、上記の範囲未満の場合には、有機層の形成が難しいか或いはビーズ間の凝集が起こり、十分な親水性を示すことができないという問題点がある。
【0032】
また、高強度ビーズには、無機ナノ粒子がさらに含まれることができる。無機ナノ粒子は、SiO、TiO、Al、ZrOを始めとする酸化物、AlN、Si、TiN、BaNを始めとする窒化物、WC、TiC、SiCを始めとする炭化物などを用いることができる。添加された無機ナノ粒子は、ビーズが合成される過程でビーズの中に分散して入り込み、強化された高強度ビーズを合成することができる。
高強度ビーズのサイズは、特に限定されないが、一般な電極の形状と表面粗さを考慮する場合、好ましくは6μm以下、さらに好ましくは1.5μm~5μm、よりさらに好ましくは2.5~4.5μmである。
これは、導電粒子を用いて製造された異方性導電材料が使用される箇所は電極の間隔によって制限を受けるためである。前述したビーズのサイズは、有機層を含む或いは無機ナノ粒子がさらに含まれる場合にも同様である。
【0033】
前述した高強度ビーズの製造方法は、重合ステップ、分級ステップ及び熱処理ステップを含む。
重合ステップは、異種のオルガノシランモノマーを重合させるステップであって、このとき、炭素二重結合を有するシランモノマー100重量部に対して、炭素二重結合を有しないシランは、120重量部以下、好ましくは110重量部以下で含むことが良い。
分級ステップは、重合ステップで重合されたビーズをサイズに合わせて分級するステップであるが、均一に重合される場合、又は粒子のサイズが均一でなくてもよい用途の場合には、分級ステップは省略できる。
熱処理ステップは、ビーズを乾燥させ、所望の物性を発現するために熱処理するステップであって、熱処理温度は、200~700℃とすることができ、好ましくは350~650℃、350~600℃とする。
ビーズに有機層を形成する場合には、前述した重合ステップの後、有機モノマーを注入して前記ビーズ上に有機層を形成する有機層形成ステップをさらに含む。
【0034】
<本発明の第1態様の第3モード>
本発明の第1態様によれば、高強度ビーズ及びその製造方法が提供される。導電粒子用ビーズは、ビーズ本体と有機層とを含む。
ビーズ本体は、オルガノシランのモノマーからなるポリマーを含むものであって、ビーズに外力を加えてビーズを圧縮変形させて粒径が10%変位するときの圧縮弾性率をそれぞれK10とするとき、K10が4,000N/mm以上である高強度ビーズである。
このとき、オルガノシランのポリマーは、少なくとも一つの炭素二重結合を有するモノマーを必須的に含む2種以上のシランを重合したポリマーであることが好ましい。
【0035】
炭素二重結合を有するオルガノシランモノマーは、ビニル基を有するモノマーとして、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、ビニルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシランなどが使用でき、アクリロイル基を有するモノマーとして、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリルオキシエトキシプロピルトリメトキシシランなどが使用できる。
また、炭素二重結合を有しないオルガノシランモノマーとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、テトラビニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシランなどが使用できる。
【0036】
炭素二重結合を有するシランモノマーが多ければ多いほど後述の有機層の形成に有利であって、炭素二重結合を有するシランモノマーのみでポリマーを形成することも可能であり、ビーズの用途に応じて適切な厚さや親水性を付与するために、炭素二重結合を有しないシランも含むことができる。このため、炭素二重結合を有するシラン100重量部に対して、炭素二重結合を有しないシランは120重量部以下、好ましくは110重量部以下で含むことがよい。
前述したビーズがいずれも、炭素二重結合を有するシランモノマーのポリマーで構成されるとき、ビニル基を有するシランモノマーと、アクリロイル基を有するシランモノマーとを含むことが好ましいが、合成された粒子の表面に二重結合が多く残っているようにして、その表面に有機モノマーを添加して二重結合のラジカル重合による親水性有機層を形成しやすいためである。
前述したビーズがいずれも、炭素二重結合を有するシランモノマーのポリマーのみで構成されるとき、ビニル基を有するシランモノマーと、アクリロイル基を有するシランモノマーは、ビニル基を有するシランモノマー100重量部に対して、アクリロイル基を有するシランモノマーを70重量部~125重量部含むことが好ましい。
【0037】
このとき、ビーズ本体は、前述した第1モードで開示されているように外力を加えてビーズを圧縮変形させて粒径が10%、20%、30%、40%に変位するときの圧縮弾性率をそれぞれK10、K20、K30、K40とするとき、K10<K20<K30<K40の関係を持つようにすることが好ましい。
高強度ビーズ本体の初期圧縮強さが減少する変形を示す変形率では、導電粒子が初期接触するように設計し、圧縮強さが増加する変形率では、導電粒子の伝導層又は突起によって酸化皮膜を突き抜くように設計することが好ましいが、
このため、本発明の高強度ビーズは、電極を圧着する過程で外力が増加するにつれてビーズ本体が突っ張る力が持続的に維持されるので、突起又は伝導層が電極を容易に突き抜くことができるようにする。
【0038】
これを詳細に説明すると、一般に、導電粒子は異方性導電材料に含まれて加熱圧着されるが、圧着の際に導電粒子のサイズの変形が起こりながら突起が電極を突き抜いて入り込む方式で電極同士の間を電気的に接続する。電極間の間隔は、使用される粒子のサイズによって異なるが、通常、3μm~20μm程度である。
このとき、導電粒子内部のビーズ本体は、サイズが変形しながら圧縮強さも変形するが、通常、初期には減少してから再び増加する傾向性を示す。
このため、高強度ビーズの初期圧縮強さが減少する変形を示す変形率では、導電粒子が初期接触するように設計し、圧縮強さが増加する変形率では、導電粒子の伝導層又は突起によって酸化皮膜を突き抜くように設計することが好ましい。
言い換えれば、酸化皮膜を突き抜くためには、電極又は突起の強度も重要であるが、突起を押しているビーズの変形量による圧縮強さの役割も非常に重要である。
このため、ビーズ本体に外力を加えてビーズを圧縮変形させて粒径が10%、20%、30%、40%、50%、60%に変位する場合に各地点での圧縮強さをそれぞれK10、K20、K30、K40、K50、K60とするとき、高強度ビーズが使用される電極間の間隔、導電粒子、及び突起のサイズを考慮すると、少なくともK10<K20<K30<K40の関係を持つようにすることが好ましい。
これは、ビーズ本体の圧縮変形の際にビーズ本体の圧縮強さが微細に低くなる又は低くなる区間が小さいため、区間内全体的には、粒径が10%、20%、30%、40%に変位するときの変形量で測定される圧縮強さが増加状態を維持することを意味する。
これは、変形率が増加するにつれて圧縮強さが著しく低くなる或いは低くなる区間が大きい従来の高強度ビーズとは差異を示す。
【0039】
また、より好ましくは、第2モードと同様に、前記ビーズ本体に外力を加えるときに変形する変形率(%)をXとし、前記変形率がXであるときの圧縮強さをYとし、前記変形率が0<X≦40の範囲で、前記Yが最小になるときの圧縮強さをY1とし、前記Y1での変形率をX1とし、Xが5%であるときの圧縮強さをY(X=5)とする場合、前記X1はX1≦20であり、Y1/Y(X=5)>0.8である高強度のビーズ本体を使用することができる。
【0040】
一方、ビーズ本体上には有機層をさらに備えることができる。有機層は、ビーズ表面末端の二重結合を有する炭素と結合する有機モノマーを用いて形成し、この有機層は、親水性を有する。形成された有機層は、合成されたビーズが乾燥の後に凝集せず、水分散時に分散性が良くなるようにする役割をするだけでなく、メッキが容易に行われるようにする。
このとき、使用できる有機モノマーは、親水性基を有するビニル系であり、前記親水性基は、アクリル基やアミン基などを挙げることができる。
例えば、前記アクリル基を有するビニル系は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレートなどがあり、前記アミン基を有するビニル系は、アリールアミン、N-ビニル-2-プロペン-1-アミン、3-ブテン-1-アミンなどを使用することができる。
このとき、有機層の厚さは、0.05μm~0.2μmであることが好ましい。上記の範囲を超える場合には、圧縮強さが低くなり、小粒子が多量に発生するという問題点があり、上記の範囲未満の場合には、有機層の形成が難しく、ビーズ間の凝集が起こり、十分な親水性を示すことができないという問題点がある。
【0041】
また、ビーズ本体には無機ナノ粒子がさらに含まれることができる。無機ナノ粒子は、SiO、TiO、Al、ZrOを始めとする酸化物、AlN、Si、TiN、BaNを始めとする窒化物、WC、TiC、SiCを始めとする炭化物などを用いることができる。添加された無機ナノ粒子は、ビーズが合成される過程でビーズの中に分散して入り込み、強化された高強度ビーズを合成することができる。
高強度ビーズのサイズは、特に限定されないが、一般な電極の形状と表面粗さを考慮する場合、好ましくは6μm以下、さらに好ましくは1.5μm~5μm、よりさらに好ましくは2.5~4.5μmである。
これは、導電粒子を用いて製造された異方性導電材料が使用される箇所は電極の間隔によって制限を受けるためである。前述したビーズのサイズは、有機層を含む或いは無機ナノ粒子がさらに含まれる場合にも同様である。
【0042】
前述した高強度ビーズの製造方法は、重合ステップ、分級ステップ、及び熱処理ステップを含む。
重合ステップは、異種のオルガノシランモノマーを重合させるステップであって、このとき、炭素二重結合を有するシランモノマー100重量部に対して、炭素二重結合を有しないシランモノマーは、120重量部以下、好ましくは110重量部以下で含むことが好ましい。
分級ステップは、重合ステップで重合されたビーズ本体をサイズに合わせて分級するステップであるが、均一に重合される場合、又は粒子のサイズが均一でなくても良い用途の場合には、分級ステップは省略できる。
熱処理ステップは、ビーズ本体を乾燥させ、熱処理するステップであって、熱処理温度は、200~700℃とすることができ、好ましくは350~650℃、350~600℃とする。
ビーズ本体に有機層を形成する場合には、前述した重合ステップの後に有機モノマーを注入して前記ビーズ本体上に有機層を形成する有機層形成ステップをさらに含む。
【0043】
<本発明の第2態様>
本発明の第2態様によれば、導電粒子及びその製造方法が提供される。導電粒子は、前述した第1態様のビーズと、ビーズの表面上に備えられる伝導層とを含む。
また、導電粒子の表面上の伝導層は、用途に応じて突起が選択的に備えられるか或いは備えられないことができる。
導電粒子は、電極同士の間に含まれて前記電極同士を電気的に接続する導電性粒子であって、前記電極のうちの少なくとも一つは、表面に酸化皮膜が備えられる。
伝導層は、ベースをなす第1元素と、P、B、Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、Co、及びPtよりなる群から選ばれる少なくとも1種の第2元素とからなる合金で形成できる。
例えば、導電粒子の伝導層は、NiベースにP、B、Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、Co、Ptなどの元素が1種又はそれ以上で構成されることができる。このとき、伝導層は、一つの層をなすが、内部では、Niを除いた各元素の濃度の変化がある1つの層からなる。このとき、伝導層は多結晶構造を持つことが好ましい。別の例として、銅-亜鉛、銅-スズ、銅-亜鉛-スズの合金も可能である。
【0044】
導電粒子の伝導層の厚さは、特に限定されない。使用される電極と駆動原理に応じて50~500nmであることが好ましい。例えば、電圧駆動方式の電子製品には50~200nm、電流駆動方式の電子製品には100~500nmであることが好ましい。さらに好ましくは、電圧駆動時には80~150nm、電流駆動時には120~400nmである。電圧駆動時に、伝導層の厚さが50nm以下であれば、接続抵抗が悪くなり、伝導層の厚さが200nm以上であれば、製品の性能及び価格の面で不利になるためである。電流駆動時に、伝導層の厚さが120nm以下であれば、抵抗が高いため発熱による損失が大きく発生し、伝導層の厚さが500nm以上であれば、製品の性能及び価格の面で不利になるためである。
【0045】
伝導層に突起を備える場合、突起の形状は、特に限定されず、球形、楕円形、複数の粒子が集まって群集をなす形状であってもよい。突起は、伝導層と同時にメッキされて一体化され、伝導層の一部としてみなされる。
突起のサイズと形状は特に限定されず、突起のサイズは50~500nmであることが好ましい。突起のサイズがあまり小さいか大きければ、金属酸化層とバインダー樹脂を壊すことができる効果が弱くなるため、主に使用される電極の間隔を考慮するとき、好ましい突起のサイズは100~300nmである。製造された導電粒子の突起のサイズは、FE-SEM写真を用いて最外殻の最高点同心円(DH)と最低点同心円(DL)を用いて次のとおりに求めることができる。突起のサイズ=(DH-DL)/2。
【0046】
本発明の実施例による導電粒子の伝導層は、一つの層に形成され、形成する方法は特に限定されないが、ビーズの表面に触媒物質を付与し、無電解メッキを介して伝導層と突起を形成することが好ましい。このとき、伝導層は、前述したようにNi、P、B、Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、Co、Ptのうちの少なくとも2種の元素が含まれるが、層内で元素の濃度勾配がある1つの層に形成するために、無電解メッキ中の元素の濃度を変更しながら多段階で投入することが好ましい。
選択的に、導電粒子の伝導層上には、金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属層を含むことができる。貴金属層は、導電粒子の伝導度を高め、酸化防止効果も得ることができるからである。貴金属層の形成方法は、特に限定されず、一般なスパッタリング、メッキ、蒸着などの従来の公知技術を使用することができる。
また、選択的に、本発明の実施例による導電粒子の最外殻には絶縁層が備えられることができる。電子製品の小型化と集積度が高くなるほど電極のピッチが小さくなり、最外殻に絶縁粒子がない場合に隣接電極と電気的に通電する現象が発生する。
絶縁層を形成する方法には、絶縁粒子を導電粒子の最外殻に官能基を用いて化学的に付ける方法、絶縁溶液を溶媒に溶かした後に噴射或いは浸漬でコーティングする方法などがある。
【0047】
また、本発明の導電粒子の伝導層には防錆処理を施すことが好ましい。なぜなら、防錆処理は、水との接触角を大きくして高湿環境での信頼性を高め、不純物が水に溶けて接続部材の性能低下を少なくする効果がある。したがって、防錆剤は、リン酸を含むリン酸エステル系又はその塩系、シランを含むアルコキシシラン系、チオールを有するアルキルチオール系、硫化物を有するジアルキル二硫化物系などを含む疎水性防錆剤を使用することが好ましい。防錆剤を溶媒に溶かした後、浸漬、噴射などの方法を使用することができる。
本発明の第2態様による導電粒子の製造方法は、高強度ビーズ製造ステップ(S1)、触媒処理ステップ(S2)、伝導層形成ステップ(S3)、防錆ステップ(S4)及び絶縁処理ステップ(S5)を含むことができる。ここで、防錆ステップ(S4)、絶縁処理ステップ(S5)は選択的に含まれることができる。
【0048】
ビーズ製造ステップは、シラン系モノマーを重合して架橋することによりビーズを製造するステップであって、第1態様で説明したとおりに高強度用ビーズを製造するステップである。すなわち、シラン系モノマーを重合した後に有機層を形成する場合、有機モノマーを投入して架橋させることにより、ビーズの表面に有機層を有するシラン系ポリマービーズを合成する。合成されたビーズを分級した後に乾燥させ、熱処理してビーズを得る。このとき、熱処理温度は、200~700℃とすることができ、好ましくは350~650℃、350~600℃とする。
触媒処理ステップは、製造されたビーズの表面を洗浄し、ビーズの表面に無電解メッキ触媒を付着させて活性化するステップである。このとき、使用するメッキ触媒は、同じ効果を提供することができれば、触媒特性を有する非常に小さい触媒粒子を付けることで代替してもよい。
【0049】
具体的には、触媒処理ステップは、ビーズを界面活性剤で処理した後、無電解メッキ触媒を増感処理することに公知の様々な方法を用いて前処理した後、増感処理されたビーズを無電解金属メッキ触媒の前駆体を含む溶液に投入し、活性化処理を施す。
このように活性化処理されたビーズは、強酸を含む溶液に入れ、常温下で攪拌して加速化処理を施すことにより、無電解メッキのための触媒処理済みのビーズを得る。
次に、伝導層形成ステップ(S3)は、ビーズ分散ステップ(S3a)と、突起付き伝導層形成ステップ(S3b)とを含む。
ビーズ分散ステップ(S3a)は、ニッケルベースの合金メッキ液にビーズを投入して分散させる。
ニッケルベースの合金メッキ液は、ニッケル合金元素の前駆体、錯化剤、乳酸、安定剤、界面活性剤を順次溶解することにより完全に溶液化されたことを確認した後、メッキ層の品質を決定付けるpH調節剤を投入して、所望の溶液のpHを調節して製造する。このとき、pH調節は、NaOH又はアンモニア水又は硫酸などを用いてpH5.5~6.5に調節することが、後述の伝導層形成ステップ(S3b)において初期Ni還元反応でビーズと伝導層との密着力及び分散性を良くすることができて好ましい。pHが5.5未満、例えば4以下では、密着力及び分散性は良いものの、反応性が非常に低くて一部の粒子がメッキされない可能性があり、pHが6.5を超えて高い場合には、Niの異常析出により伝導層の表面が粗く生成されて密着力及び分散性が不良になるおそれがある。
製造されたメッキ液には、触媒処理された高強度ビーズを投入し、超音波ホモジナイザーを用いて分散処理を施す。
【0050】
次に、分散処理された溶液中の高強度ビーズに伝導層を形成する処理(S3b)を施す。
一例として、前記分散処理されたメッキ液には、P、B、Cu、Au、Ag、W、Mo、Pd、Co及びPtよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の前駆体を含む溶液を分割投入して製造することができる。
他の例として、前記ビーズ分散ステップ(S2a)で、前記ニッケルベースの合金メッキ液にP及びBの中から選択された1種以上の前駆体を投入し、前記突起付き伝導層形成ステップ(S3b)において、前記分散処理されたメッキ液にCu、Au、Ag、W、Mo、Pd、Co、Ptの中から1種以上選択された元素の前駆体を含む合金元素を分割投入し、突起付き伝導層を形成することができる。
このとき、分割投入される合金元素は、10~30分間隔で2~5回に分割して投入してもよく、15~25分間隔で2~4回に分割して投入してもよい。
また、昇温条件を付与した方が、突起形成メカニズム中の異常析出を過度にしないので所望の突起を形成することができてより好ましい。
【0051】
選択的に行う防錆ステップ(S4)は、防錆剤溶液に導電粒子を投入して行うことができるが、これに限定するものではない。
前記防錆剤溶液としては、リン酸を含むリン酸エステル系又はその塩系、シランを含むアルコキシシラン系、チオールを有するアルキルチオール系、硫化物を有するジアルキル二硫化物系などを含む疎水性防錆剤を使用することができる。前記疎水性防錆剤としては、MSC社で販売する製品名SG-1を始めとする無電解ニッケル防錆剤を使用することができる。
前記製造された導電粒子に絶縁処理工程(S5)を行うことができる。絶縁方法は、特に限定されない。絶縁粒子を導電粒子の表面に付けて進行してもよく、導電粒子の表面に有機層を形成してもよい。
このような方式で電極同士の間に含まれて前記電極同士を電気的に接続する導電粒子として、前記電極のうちの少なくとも一つは表面に酸化皮膜が備えられ、前記導電粒子は、ビーズと、前記ビーズの表面上に備えられる突起付き伝導層とを含む導電粒子を製造することができる。
【0052】
<本発明の第3態様>
本発明の第3態様によれば、異方性導電材料が提供される。前記異方性導電材料は、前述した第2態様の導電粒子をバインダー樹脂に分散して製造することができる。
異方性導電材料は、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電フィルム、異方性導電シートなどを挙げることができる。
前記樹脂バインダーは、特に限定されない。例えば、スチレン系、アクリル系、酢酸ビニル系などのビニル系樹脂、ポリオレフィン系、ポリアミド系などの熱可塑性樹脂、ウレタン系、エポキシ系などの硬化性樹脂などを挙げることができる。前記樹脂を単独で又は2種以上複合的に使用することができる。
前記樹脂に、重合又は硬化を目的としてBPO(Benzoyl peroxide)などのラジカル開始剤又はTPO(Timethylbenzoyl phenylphosphinate)などの光開始剤、HX3941HPなどのエポキシ潜在性硬化剤などを単独で又は混合して使用することができる。
また、異方性導電材料のバインダー樹脂に、本発明の目的達成に阻害されない範囲で他の物質を添加することができる。例えば、着色剤、軟化剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、無機粒子などである。
前記異方性導電材料の製造方法は、特に限定されない。例えば、樹脂バインダーに導電粒子を均一に分散させて異方性導電ペーストとして使用することができ、離型紙に薄く伸ばして異方性フィルムとしても使用することができる。
【0053】
<本発明の第4態様>
本発明の第4態様によれば、接続構造体が提供される。前記接続構造体は、前述した第2態様の導電粒子又は第3態様の異方性導電材料を用いて回路基板を接続するようにしたものである。
例えば、スマートフォンのディスプレイ半導体チップと回路を構成するガラス基板との接続、又は本発明の接続構造体は、回路の接続不良又は抵抗の急激な増加による回路の誤作動を起こさない。
【実施例
【0054】
<第1モード>
第1モードの実施例1-1
1)ビーズの製造
脱イオン水200gに3%アンモニア水1.2gを入れて希塩基水溶液(a)を製造し、VTMS10g、MPTMS10gを混ぜたモノマー混合溶液(b)を準備した。前記塩基水溶液(a)を低速で攪拌し、前記モノマー混合溶液(b)を添加し、常温で一晩(Overnight)反応してビーズ中間体を合成した。
前記ビーズ中間体と反応に参加していない溶液とを分離するために、前記ビーズ中間体を自然に沈降させて上澄み液を除去した後、95%エタノールを添加して10回以上遠心分離方法で小粒子を除去した。
前記小粒子が除去されたビーズ中間体を70℃で18時間以上コンベクションオーブンで乾燥させ、真空オーブンで250℃にて3時間熱処理してビーズを製造した。
前記製造されたビーズの平均直径は、Particle Size Analyzer(BECKMAN MULTISIZERTM3)を用いて測定された粒子のモード値を使用した。この時、測定されたビーズの数は75,000個である。前記ビーズの平均直径は2.60μmであった。
【0055】
2)ビーズ外殻への伝導層形成
(i)触媒処理工程
前記製造されたビーズ30gを800gの脱イオン水と1gの界面活性剤TritonX100の溶液に入れ、超音波浴(bath)で1時間処理して、ビーズに存在する余分の未反応モノマーと油成分を除去する洗浄及び脱脂工程を行った。前記洗浄及び脱脂工程の最後には、40℃の脱イオン水を用いて3回水洗工程を行った。
前記水洗工程済みのビーズを脱イオン水600gとフッ化水素酸(HF)2gと硝酸15gの溶液に入れ、超音波浴(bath)で20分間処理してビーズをエッチングし、水洗工程を3回行った。
前記エッチング工程済みのビーズにPd触媒処理を施した。塩化第一スズ150gと35~37%塩酸300gを脱イオン水600gに溶かした後、前記洗浄及び脱脂処理されたビーズを投入し、30℃の条件で30分間浸漬及び攪拌して増感処理を施した後、水洗を3回行った。
増感処理されたビーズを塩化パラジウム1g、35~37%塩酸200g及び脱イオン水600gに投入し、40℃で1時間活性化処理を施した。活性化処理の後、水洗工程を3回行った。
活性化処理されたビーズを35~37%塩酸100g、脱イオン水600gの溶液に入れ、常温で10分間攪拌して加速化処理を施した。加速化処理の後、水洗3回を行って無電解メッキのための触媒処理済みのビーズを得た。
【0056】
(ii)メッキ工程
5Lの反応器で、脱イオン水3500gにNi塩として硫酸ニッケル300g、錯化剤として酢酸ナトリウム5g、乳酸2g、安定剤としてPb-アセテート0.001g、チオ硫酸ナトリウム0.001g、界面活性剤として1gのPEG-1200、1.5gのPRG-400、0.02gのTritonX100を順次溶解してメッキ液(a)を製造した。製造された(a)溶液に前記触媒処理済みのビーズを投入し、超音波ホモジナイザー(Homogenizer)を用いて10分間分散処理を施した。分散処理の後、アンモニア水を用いて溶液pHを5.7に合わせた-溶液(b)
1Lのビーカーに脱イオン水500g、還元剤としての次亜リン酸ナトリウム380g、安定剤としてのチオ硫酸ナトリウム0.0001gを溶解して溶液(c)を準備した。
前記5Lの反応器(溶液(b))の温度を65℃に維持する状態で溶液(c)を定量ポンプで分あたり10gの量で投入し、反応器の温度が30分で75℃に達するように加熱し、維持した。
前記溶液(c)の投入が完了して30分間維持し、Niメッキされた導電粒子を得た。
【0057】
第1モードの実施例1-2
前記実施例1-1で熱処理条件を250℃/6hrに変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例1-1と同様に行った。前記ビーズの平均直径は2.60μmであった。
【0058】
第1モードの実施例1-3
脱イオン水200gに3%アンモニア水1.2gを入れて希塩基水溶液(a)を製造し、MTMS10g、MPTMS10gを混ぜたモノマー混合溶液(b)を準備した。残りの工程は実施例1-1と同様に行った。前記ビーズの平均直径は2.84μmであった。
【0059】
第1モードの実施例1-4
脱イオン水200gに3%アンモニア水1.2gを入れて希塩基水溶液(a)を製造し、VTMS10g、MTMS10gを混ぜたモノマー混合溶液(b)を準備した。残りの工程は実施例1-1と同様に行った。前記ビーズの平均直径は2.84μmであった。
【0060】
第1モードの実施例1-5
脱イオン水200gに3%アンモニア水1.2gを入れて希塩基水溶液(a)を製造し、VTMS12g、MPTMS8.4gを混ぜたモノマー混合溶液(b)を準備した、残りの工程は実施例1-1と同様に行った。前記ビーズの平均直径は3.11μmであった。
【0061】
第1モードの実施例1-6
脱イオン水200gに3%アンモニア水1.2gを入れて希塩基水溶液(a)を製造し、VTMS10g、MPTMS12.5gを混合したモノマー混合溶液(b)を準備した、残りの工程は実施例1-1と同様に行った。前記ビーズの平均直径は2.45μmであった。
【0062】
第1モードの実施例1-7
脱イオン水200gに3%アンモニア水1.3gを入れて希塩基水溶液(a)を製造し、VTMS10g、MPTMS10gを混ぜたモノマー混合溶液(b)を準備した。前記塩基水溶液(a)を低速で攪拌し、前記モノマー混合溶液(b)を添加し、常温で一晩反応してビーズ中間体を合成した。
以後、PVP(Polyvinylpyrrolidone)2gを脱イオン水10gに溶かして反応容器に添加し、75℃に昇温した後、KPS0.2gを脱イオン水5gに溶かした水溶液を添加し、10時間反応させた。
前記反応溶液を自然に沈降させて上澄み液を除去した後、95%エタノールを添加して10回以上遠心分離方法で小粒子を除去した。
前記小粒子が除去された粒子を70℃で18時間以上コンベクションオーブンで乾燥させ、真空オーブンで250℃にて3時間熱処理してビーズを製造した。前記ビーズの平均直径は2.49μmであった。ビーズ外殻への伝導層形成は、前記実施例1-1と同様に行った。
【0063】
第1モードの実施例1-8
1)ビーズの製造
脱イオン水200gに3%アンモニア水1.2gを入れて希塩基水溶液(a)を製造し、VTMS10g、MPTMS10gを混ぜたモノマー混合溶液(b)を準備した。前記塩基水溶液(a)を低速で攪拌し、前記モノマー混合溶液(b)を添加し、常温で一晩反応してビーズ中間体を合成した。中間体の粒子平均は2.62μmであった。
以後、PVP(Polyvinylpyrrolidone)2gを脱イオン水10gに溶かして反応容器に添加し、有機モノマーEGDMA(Ethylene glycol dimathacrylate)1.0gを添加した後、75℃に昇温し、KPS0.2gを脱イオン水5gに溶かした水溶液を添加し、10時間反応させた。
前記反応溶液を自然に沈降させて上澄み液を除去した後、95%エタノールを添加して10回以上遠心分離方法で小粒子を除去した。
前記小粒子が除去された粒子を70℃で18時間以上コンベクションオーブンで乾燥させ、真空オーブンで250℃にて3時間熱処理してビーズを製造した。前記中間体の平均直径は2.62μmであり、前記ビーズの平均直径は2.88μmであった。
【0064】
1)ビーズ外殻への伝導層形成
(i)触媒処理工程
前記製造されたビーズ30gを800gの脱イオン水と1gの界面活性剤TritonX100の溶液に入れ、超音波浴で1時間処理して、ビーズに存在する余分の未反応モノマーと油成分を除去する洗浄及び脱脂工程を行った。前記洗浄及び脱脂工程の最後には、40℃の脱イオン水を用いて3回水洗工程を行った。
ビーズにPd触媒処理を施した。塩化第一スズ150gと35~37%塩酸300gを脱イオン水600gに溶かした後、前記洗浄及び脱脂処理されたビーズを投入し、30℃の条件で30分間浸漬及び攪拌して増感処理を施した後、水洗を3回行った。
増感処理されたビーズを塩化パラジウム1g、35~37%塩酸200g、脱イオン水600gに仕込み、40℃で1時間活性化処理を施した。活性化処理の後、水洗工程を3回行った。
活性化処理されたビーズを35~37%塩酸100g、脱イオン水600gの溶液に入れ、常温で10分間攪拌して加速化処理を施した。加速化処理の後、水洗を3回行って無電解メッキのための触媒処理済みのビーズを得た。
【0065】
(ii)メッキ工程
5Lの反応器で、脱イオン水3500gにNi塩として硫酸ニッケル300g、錯化剤として酢酸ナトリウム5g、乳酸2g、安定剤としてPb-アセテート0.001g、チオ硫酸ナトリウム0.001g、界面活性剤として1gのPEG-1200、1.5gのPRG-400、0.02gのTritonX100を順次溶解してメッキ液(a)を製造した。製造された(a)溶液に前記触媒処理済みのビーズを仕込み、超音波ホモジナイザーを用いて10分間分散処理を施した。分散処理の後、アンモニア水を用いて溶液pHを5.7に合わせた-溶液(b)
1Lのビーカーに脱イオン水500g、還元剤としての次亜リン酸ナトリウム380g、安定剤としてのチオ硫酸ナトリウム0.0001gを溶解して溶液(c)を準備した。
前記5Lの反応器(溶液(b))の温度を65℃に維持する状態で溶液(c)を定量ポンプで分あたり10gの量で仕込み、反応器の温度が30分で75℃に達するように加熱し、維持した。
前記溶液(c)の投入が完了して30分間維持し、Niメッキされた導電粒子を得た。
【0066】
第1モードの実施例1-9
前記実施例1-8でアンモニア水の量を1.3gに変更し、オルガノシランモノマーをVTMS8g、MPTMS12gに変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例1-8と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.59μmであり、前記ビーズの平均直径は2.99μmであった。
【0067】
第1モードの実施例1-10
前記実施例1-8でアンモニア水の量を1.4gに変更し、有機モノマーをTMPTA(Trimethylolpropane trimethacrylate)2gに変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例1-8と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.15μmであり、前記ビーズの平均直径は2.39μmであった。
【0068】
第1モードの実施例1-11
前記実施例1-8でアンモニア水の量を1.5gに変更し、有機モノマーをHDDA(1,6-Hexanediol diacrylate)2gに変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例1-8と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.01μmであり、前記ビーズの平均直径は2.29μmであった。
【0069】
第1モードの実施例1-12
前記実施例1-11で熱処理条件を窒素雰囲気、350℃、3時間に変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例1-11と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.01μmであり、前記ビーズの平均直径は2.29μmであった。
【0070】
第1モードの実施例1-13
前記実施例1-11で熱処理条件を窒素雰囲気、450℃、3時間に変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例1-11と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.01μmであり、前記ビーズの平均直径は2.29μmであった。
【0071】
第1モードの実施例1-14
前記実施例1-8でシリカナノ粒子1.5g(silica nanoparticle 30wt% in DI Water、粒子サイズ=5~15nm)をモノマー混合溶液と混合して使用し、残りの工程は実施例1-8と同様にして製造した。前記中間体の平均直径は2.65μmであり、前記ビーズの平均直径は2.91μmであった。
【0072】
第1モードの比較例1-1
3LのガラスビーカーにモノマーTMPETA(Trimethylolpropane ethoxylate triacrylate)750g、HDEDA(1,6-Hexanediol ethoxylate diacrylate)40g、DVB(Divinylbenzene)750gを入れ、開始剤BPO5gを仕込んだ後、40kHzの超音波浴で10分間処理して第1溶液を準備した。
5LのPPビーカーに、脱イオン水4,000gに分散安定剤PVP(Polyvinylpyrrolidone)-30K500g及び界面活性剤Solusol(スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩(Dioctyl sulfosuccinate sodium salt))を入れて溶かし、第2溶液を準備した。
前記第1溶液と第2溶液を50Lの反応器に入れ、脱イオン水41,000gを仕込み、超音波ホモジナイザー(20kHz、600W)で90分処理し、120rpmで溶液を回転させながら85℃に昇温した。溶液が85℃に到達した後、16時間を維持して重合工程処理を施した。
重合処理されたビーズから濾過、洗浄、分級、乾燥工程を経て高強度ビーズを得た。前記製造された高強度ビーズの平均直径は2.46μmであった。
ビーズ外殻への伝導層形成は、実施例1-9と同様に行った。
【0073】
第1モードの比較例1-2
前記実施例1-1でVTMS10g、MTMS6.5gに変更して製造した。残りの工程は実施例1-1と同様に行った。この時、ビーズの平均粒径は2.80μmであった。
【0074】
第1モードの比較例1-3
熱処理工程を行わない以外は、前記実施例1-1と同様にして行った。
【0075】
第1モードの比較例1-4
3LのガラスビーカーにモノマーEGDMA(Ethylene Glycol Dimethacrylate)750g、HDEDA(1,6-Hexanediol ethoxylated iacrylate)40g、DVB(Divinylbenzene)750gを入れ、開始剤BPO5gを仕込んだ後、40kHzの超音波浴で10分間処理して第1溶液を準備した。残りの工程は前記比較例1-1と同様にしてビーズを製造し、ビーズのサイズは3.01μmであった。
【0076】
第1モードの比較例1-5
3LのガラスビーカーにモノマーTMMT(Tetramethylol methanete traacrylate)750g、HDEDA(1,6-Hexanediol ethoxylate diacrylate)40g、DVB(Divinylbenzene)750gを入れ、開始剤BPO5gを仕込んだ後、40kHzの超音波浴で10分間処理して第1溶液を準備した。残りの工程は前記比較例1-1と同様に行ってビーズを製造した。ビーズのサイズは2.98μmであった。
【0077】
第1モードの実験例1-1:圧縮強さ実験
圧縮強さは、ビーズを圧縮するときの粒子の変形量による圧縮強さの値を意味する。つまり、ビーズを圧縮するときの圧縮力と変形量との関係は、下記式1で表すことができる。
【数1】

ここで、Fは圧縮変形%における荷重値(kg)、Sは%圧縮変形における圧縮変位(mm)、Eはビーズの圧縮強さ(kgf/mm)、Rはビーズの半径(mm)、δはビーズのポアソン比である。
このとき、K値、すなわち、変形量による圧縮強さを定義すると、式2で表すことができる。
【数2】

ここで、Kはビーズ変形量による圧縮強さである。
したがって、式1に式2を代入すると、式3のようにビーズ変形量による圧縮強さ値を求めることができる。
【数3】

したがって、微小圧縮試験機(MCT;Micro Compress Tester、FISHERSCOPEHM2000)の装備によって、一辺の長さが50μmである平面圧子(Indenter)を用いて、圧子の圧縮速度を0.33mN/secとし、上昇速度は10秒に0.1mNまで到達する条件で測定した。使用した最大力は、粒子が60%以上変形を起こす力に設定された。
この時、得られた実施例1-1~1-14及び比較例1-1~1-5のビーズの圧縮変位及びその時の力を用いて、前記式3から変形量による圧縮強さを計算した。変形量による圧縮強さは10%、20%、30%、40%、50%、60%単位で計算し、その結果をそれぞれ表1~表3に示した。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
<第2モード>
第2モードの実施例2-1
1)ビーズの製造
脱イオン水200gに3%アンモニア水1.2gを入れて希塩基水溶液(a)を製造し、MTMS10g、MPTMS10gを混ぜたモノマー混合溶液(b)を準備した。前記塩基水溶液(a)を低速で攪拌し、前記モノマー混合溶液(b)を添加し、常温で一晩反応してビーズ中間体を合成した。
前記ビーズ中間体と反応に参加していない溶液とを分離するために、前記ビーズ中間体を自然に沈降させて上澄み液を除去した後、95%エタノールを添加して10回以上遠心分離方法で小粒子を除去した。
前記小粒子が除去されたビーズ中間体を70℃で18時間以上コンベクションオーブンで乾燥させ、真空オーブンで250℃にて3時間熱処理してビーズを製造した。
前記製造されたビーズの平均直径は、Particle Size Analyzer(BECKMAN MULTISIZERTM3)を用いて測定された粒子のモード値を使用した。この時、測定されたビーズの数は75,000個である。前記ビーズの平均直径は2.84μmであった。
【0082】
2)ビーズ外殻への伝導層形成
(i)触媒処理工程
前記製造されたビーズ30gを800gの脱イオン水と1gの界面活性剤TritonX100の溶液に入れて超音波浴で1時間処理し、ビーズに存在する余分の未反応モノマーと油成分を除去する洗浄及び脱脂工程を行った。前記洗浄及び脱脂工程の最後には、40℃の脱イオン水を用いて3回水洗工程を行った。
前記水洗工程済みのビーズを脱イオン水600gとフッ化水素酸(HF)2gと硝酸15gの溶液に入れ、超音波浴で20分間処理してビーズをエッチングし、水洗工程を3回行った。
前記エッチング工程済みのビーズにPd触媒処理を施した。塩化第一スズ150gと35~37%塩酸300gを脱イオン水600gに溶かした後、前記洗浄及び脱脂処理されたビーズを投入し、30℃の条件で30分間浸漬及び攪拌して増感処理を施した後、水洗を3回行った。
増感処理されたビーズを塩化パラジウム1g、35~37%塩酸200g、脱イオン水600gに仕込み、40℃で1時間活性化処理を施した。活性化処理の後、水洗工程を3回行った。
活性化処理されたビーズを35~37%塩酸100g、脱イオン水600gの溶液に入れ、常温で10分間攪拌して加速化処理を施した。加速化処理の後、水洗を3回行って無電解メッキのための触媒処理済みのビーズを得た。
【0083】
(ii)メッキ工程
5Lの反応器で、脱イオン水3500gにNi塩として硫酸ニッケル300g、錯化剤として酢酸ナトリウム5g、乳酸2g、安定剤としてPb-アセテート0.001g、チオ硫酸ナトリウム0.001g、界面活性剤として1gのPEG-1200、1.5gのPEG-400、0.02gのTritonX100を順次溶解してメッキ液(a)を製造した。製造された(a)溶液に前記触媒処理済みのビーズを投入し、超音波ホモジナイザーを用いて10分間分散処理を施した。分散処理の後、アンモニア水を用いて溶液pHを5.7に合わせた-溶液(b)
1Lのビーカーに脱イオン水500g、還元剤としての次亜リン酸ナトリウム380g、安定剤としてのチオ硫酸ナトリウム0.0001gを溶解して溶液(c)を準備した。
前記5Lの反応器(溶液(b))の温度を65℃に維持する状態で溶液(c)を定量ポンプで分あたり10gの量で仕込み、反応器の温度が30分で75℃に達するように加熱し、維持した。
前記溶液(c)の投入が完了して30分間維持し、Niメッキされた導電粒子を得た。製造された導電粒子の突起のサイズは、FE-SEM写真を用いて最外殻の最高点同心円(DH)と最低点同心円(DL)を用いて次のとおりに求めることができる。
突起のサイズ=(DH-DL)/2
前記製造された導電粒子の突起のサイズは130nmであった。
【0084】
第2モードの実施例2-2
脱イオン水200gに3%アンモニア水1.3gを入れて希塩基水溶液(a)を製造し、VTMS10g、MPTMS10gを混ぜたモノマー混合溶液(b)を準備した。前記塩基水溶液(a)を低速で攪拌し、前記モノマー混合溶液(b)を添加し、常温で一晩反応してビーズ中間体を合成した。
以後、PVP(Polyvinylpyrrolidone)2gを脱イオン水10gに溶かして反応容器に添加し、75℃に昇温した後、KPS0.2gを脱イオン水5gに溶かした水溶液を添加し、10時間反応させた。
前記反応溶液を自然に沈降させて上澄み液を除去した後、95%エタノールを添加して10回以上遠心分離方法で小粒子を除去した。
前記小粒子が除去された粒子を70℃で18時間以上コンベクションオーブンで乾燥させ、真空オーブンで250℃にて3時間熱処理してビーズを製造した。前記ビーズの平均直径は2.49μmであった。ビーズ外殻への伝導層形成は、前記実施例2-1と同様に行った。メッキ後の突起のサイズは108mmであった。
【0085】
第2モードの実施例2-3
1)ビーズの製造
脱イオン水200gに3%アンモニア水1.2gを仕込んで希塩基水溶液(a)を製造し、VTMS10g、MPTMS10gを混ぜたモノマー混合溶液(b)を準備した。前記塩基水溶液(a)を低速で攪拌し、前記モノマー混合溶液(b)を添加し、常温で一晩反応してビーズ中間体を合成した。中間体の粒子の平均直径は2d.62μmであった。
以後、PVP(Polyvinylpyrrolidone)2gを脱イオン水10gに溶かして反応容器に添加し、有機モノマーEGDMA(Ethylene glycol dimathacrylate)1.0gを添加した後、75℃に昇温し、KPS0.2gを脱イオン水5gに溶かした水溶液を添加し、10時間反応させた。
前記反応溶液を自然に沈降させて上澄み液を除去した後、95%エタノールを添加して10回以上遠心分離方法で小粒子を除去した。
前記小粒子が除去された粒子を70℃で18時間以上コンベクションオーブンで乾燥させ、真空オーブンで250℃にて3時間熱処理してビーズを製造した。前記中間体の平均直径は2.62μmであり、前記ビーズの平均直径は2.88μmであった。
【0086】
1)ビーズ外殻への伝導層形成
(i)触媒処理工程
前記製造されたビーズ30gを800gの脱イオン水と1gの界面活性剤TritonX100の溶液に入れ、超音波浴(bath)で1時間処理して、ビーズに存在する余分の未反応モノマーと油成分を除去する洗浄及び脱脂工程を行った。前記洗浄及び脱脂工程の最後には、40℃の脱イオン水を用いて3回水洗工程を行った。
ビーズにPd触媒処理を施した。塩化第一スズ150gと35~37%塩酸300gを脱イオン水600gに溶かした後、前記洗浄及び脱脂処理されたビーズを仕込み、30℃の条件で30分間浸漬及び攪拌して増感処理を施した後、水洗を3回行った。
増感処理されたビーズを塩化パラジウム1g、35~37%塩酸200g、脱イオン水600gに仕込み、40℃で1時間活性化処理を施した。活性化処理の後、水洗工程を3回行った。
活性化処理されたビーズを35~37%塩酸100g、脱イオン水600gの溶液に入れ、常温で10分間攪拌して加速化処理を施した。加速化処理の後、水洗を3回行って無電解メッキのための触媒処理済みのビーズを得た。
【0087】
(ii)メッキ工程
5Lの反応器で、脱イオン水3500gにNi塩として硫酸ニッケル300g、錯化剤として酢酸ナトリウム5g、乳酸2g、安定剤としてPb-アセテート0.001g、チオ硫酸ナトリウム0.001g、界面活性剤として1gのPEG-1200、1.5gのPRG-400、0.02gのTritonX100を順次溶解してメッキ液(a)を製造した。製造された(a)溶液に前記触媒処理済みのビーズを仕込み、超音波ホモジナイザーを用いて10分間分散処理を施した。分散処理の後、アンモニア水を用いて溶液pHを5.7に合わせた-溶液(b)
1Lのビーカーに脱イオン水500g、還元剤としての次亜リン酸ナトリウム380g、安定剤としてのチオ硫酸ナトリウム0.0001gを溶解して溶液(c)を準備した。
前記5Lの反応器(溶液(b))の温度を65℃に維持する状態で溶液(c)を定量ポンプで分あたり10gの量で仕込み、反応器の温度が30分で75℃に達するように加熱し、維持した。
前記溶液(c)の投入が完了して30分間維持し、Niメッキされた導電粒子を得た。メッキ後の突起のサイズは136mmであった。
【0088】
第2モードの実施例2-4
前記実施例2-3でアンモニア水の量を1.3gに変更し、オルガノシランモノマーをVTMS8g、MPTMS12gに変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例2-3と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.59μmであり、前記ビーズの平均直径は2.99μmであった。メッキ後の突起のサイズは145nmであった。
【0089】
第2モードの実施例2-5
前記実施例2-3でアンモニア水の量を1.4gに変更し、有機モノマーをTMPTA(Trimethylolpropane trimethacrylate)2gに変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例2-3と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.15μmであり、前記ビーズの平均直径は2.39μmであった。メッキ後の突起のサイズは122nmであった。
【0090】
第2モードの実施例2-6
前記実施例2-3でアンモニア水の量を1.5gに変更し、有機モノマーをHDDA(1,6-Hexanediol diacrylate)2gに変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例2-3と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.01μmであり、前記ビーズの平均直径は2.29μmであった。メッキ後の突起のサイズは105nmであった。
【0091】
第2モードの実施例2-7
前記実施例2-6で熱処理条件を窒素雰囲気、350℃、3時間に変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例2-6と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.01μmであり、前記ビーズの平均直径は2.29μmであった。メッキ後の突起のサイズは108nmであった。
【0092】
第2モードの実施例2-8
前記実施例2-6で熱処理条件を窒素雰囲気、450℃、3時間に変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例2-6と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.01μmであり、前記ビーズの平均直径は2.29μmであった。メッキ後の突起のサイズは104nmであった。
【0093】
第2モードの実施例2-9
前記実施例2-3でシリカナノ粒子1.5g(silica nanoparticle30wt% in DI Water、粒子サイズ=5~15nm)をモノマー混合溶液と混合して使用し、残りの工程は実施例2-3と同様にして製造した。前記中間体の平均直径は2.65μmであり、前記ビーズの平均直径は2.91μmであった。メッキ後の突起のサイズは158nmであった。
【0094】
第2モードの実施例2-10:異方性導電材料の製造
ナフタレン系エポキシ樹脂HP4032D(DIC製、商品名)2g、フェノキシ樹脂YP-50(東都化成製、商品名)20g、アクリルエポキシ樹脂VR-60(昭和電工製、商品名)25g、熱硬化剤HXA-3922HP(朝日化学製、商品名)22g、及びエポキシシランカップリング剤A-187(モメンティブ製、商品名)5gをよく混ぜた後、溶媒であるトルエンを用いて固形分50%の配合物を作った。実施例及び比較例で製造された導電粒子を配合物重量比で10%となるように添加した後、公自転ミキサーを用いて公転400rpm、自転150rpmの条件で5分間混合して異方性導電ペーストを作った。前記異方性導電ペーストを用いて離型フィルム上に厚さ20μmのフィルムを作った後、75℃/5分間熱風乾燥炉を用いて大気中で乾燥させることにより、最終厚さ12μmの異方性導電フィルムを作った。
【0095】
第2モードの実施例2-11:接続構造体の製造
接続構造体に使用された電極は、ガラス基板上にITO(Indium Tin Oxide)を蒸着して、透明電極が形成されたガラス基板と電極の幅が15μm、電極間隔が50μmであるFPCBを製作した。電極のパターン(pattern)は、Auベース(base)にAlが最終コーティングされた。
前記実験例2-1で製造された異方性導電フィルムを幅3mmに切断し、幅1mm、長さ20mmの接合治具を用いて、ITOがあるガラス基板上に0.2MPa、120℃、10秒で仮圧着を施した後、FPCBを載置し、60MPa、200℃、20秒間接合を行って接続構造体を製作した。
【0096】
第2モードの比較例2-1
3LのガラスビーカーにモノマーPS(Poly Styrene)750g、DVB750gを入れ、開始剤BPO5gを仕込んだ後、40kHzの超音波浴(bath)で10分間処理して第1溶液を準備した。
5LのPPビーカーに、脱イオン水4,000gに分散安定剤PVP(Polyvinylpyrrolidone)-30K500gと界面活性剤Solusol(スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩(Dioctyl sulfosuccinate sodium salt))を入れて溶かすことにより第2溶液を準備した。
前記第1溶液と第2溶液を50Lの反応器に入れ、脱イオン水41,000gを仕込み、超音波ホモジナイザー(20kHz、600W)で90分処理し、120rpmで溶液を回転させながら85℃に昇温した。溶液が85℃に到達した後、16時間を維持して重合工程処理を施した。
重合処理されたビーズから濾過、洗浄、分級、乾燥工程を経てビーズを得た。前記製造されたビーズの平均直径は3.80μmであった。
ビーズ外殻への伝導層形成は実施例2-3と同様に行った。メッキ後の突起のサイズは165nmであった。
【0097】
第2モードの比較例2-2
3LのガラスビーカーにモノマーTMMT(Tetramethylol methane tetraacrylate)750g、HDEDA(1,6-Hexanediol ethoxylate diacrylate)50g、DVB(Divinylbenzene)550gを入れ、開始剤BPO5gを仕込んだ後、40kHzの超音波浴で10分間処理して第1溶液を準備した。残りの工程は前記比較例2-1と同様にしてビーズを製造し、ビーズのサイズは2.98μmであった。メッキ後の突起のサイズは134nmであった。
【0098】
第2モードの比較例2-3
3LのガラスビーカーにモノマーTMPETA(Trimethylolpropane ethoxylate triacrylate)750g、HDEDA(1,6-Hexanediol ethoxylate diacrylate)40g、DVB(Divinylbenzene)750gを入れ、開始剤BPO5gを仕込んだ後、40kHzの超音波浴で10分間処理して第1溶液を準備した。残りの工程は前記比較例2-1と同様に行ってビーズを製造し、ビーズのサイズは2.46μmであった。メッキ後の突起のサイズは95nmであった。
【0099】
第2モードの比較例2-4
3LのガラスビーカーにモノマーTMMT(Tetramethylol methane tetraacrylate)750g、HDEDA(1,6-Hexanediol ethoxylate diacrylate)40g、DVB(Divinylbenzene)750gを入れ、開始剤BPO5gを仕込んだ後、40kHzの超音波浴で10分間処理して第1溶液を準備した。残りの工程は前記比較例2-1と同様にしてビーズを製造し、ビーズのサイズは2.98μmであった。メッキ後の突起のサイズは131nmであった。
【0100】
第2モードの比較例2-5
3LのガラスビーカーにモノマーEGDMA(Ethylene Glycol Dimethacrylate)750g、HDEDA(1,6-Hexanediol ethoxylate diacrylate)40g、DVB(Divinylbenzene)750gを入れ、開始剤BPO5gを仕込んだ後、40kHzの超音波浴で10分間処理して第1溶液を準備した。残りの工程は前記比較例2-1と同様にしてビーズを製造し、ビーズのサイズは3.01μmであった。メッキ後の突起のサイズは135nmであった。
【0101】
第2モードの実験例
第2モードの実験例2-1:圧縮強さ実験
圧縮強さ試験方法は、前述した第1モードの方法と同様なので、詳細な説明を省略する。
実施例2-1~2-9及び比較例2-1~2-5のビーズの圧縮変位及びそのときの力を用いて、前記式3から変形量による圧縮強さを計算した。圧縮強さの値は5つの粒子を測定して平均値を用い、変形量による圧縮強さは5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%単位で計算して、その結果をそれぞれ表4及び表5に示した。
一方、図1は本発明の実施例2-3によるビーズを圧縮して、ビーズの変形量をx軸とし、前述した式3で定められるビーズ変形量による圧縮強さをy軸として、mini-tab17を活用して作成された適合線グラフである。
ここで、YはXの3次関数であって、Xはビーズの変形率であり、Yは変形率による圧縮強さの値である。また、Xの3次項の係数が負なので、極小値と極大値が順次現れるが、Xが0~40%の範囲で極小値が現れ、Xが40%を超える範囲で極大値が現れる。このとき、本測定でXの変形範囲が0~40であるので、極小値が有意味であり、極大値は無意味である。極小値におけるXの値であるX1、X1での圧縮強さであるY1は有意味な値であり、極大値におけるXの値であるX2、X2での圧縮強さY2は無意味な値である。
極小値の物理的な意味は、ビーズに外力を加えたときに圧縮強さが減少から増加する地点であって、変形の範囲内で圧縮強さが最小である地点を意味する。
このため、実施例2-1~2-9及び比較例1~5のビーズを用いて前記適合線方程式を1次微分して変形量による圧縮強さと、X1、X2、Y1、Y2の値を計算して、表6及び表7に示した。
これによれば、本発明の実施例は、X1<20であり、0.8<Y(X1)/Y(X=5)の特徴を示すのに対し、比較例は、これらの特徴を示さない。このとき、Y(X=5)は、Xが5であるときの圧縮強さである。
一方、R2値は、適合線数式が有意味/無意味であることを意味する値であって、80%を超えると有意味な値を示す。
【0102】
第2モードの実験例2-2:接続抵抗測定
(i)初期接続抵抗の測定
前記接続構造体のFPCBの電極を活用して抵抗を測定した。抵抗は、ADCMT6871E Digital Multimeter 2probeを用いて測定した。
(ii)信頼性抵抗測定
信頼性抵抗は85℃/85%湿度の条件で100時間静置した後、抵抗を測定することにより得た。抵抗はADCMT6 871E Digital Multimeter 2probeを用いて測定して表8に示した。これによれば、X1<20、Y1/Y(X=5)>0.8の特徴を示す本発明の実施例は、初期接続抵抗及び信頼性の特性が良いのに対し、比較例は、低い初期接続抵抗及び信頼性の特性を示す。
初期接続抵抗に対する判定基準は、次の通りである。
OOO:2Ω以下
OO:2Ω超過3Ω以下
O:3Ω超過5Ω以下
X:5Ω超過
85℃/85%100時間の信頼性試験後の接続抵抗上昇に対する判定基準は、次のとおりである。
OOO:2Ω以下の上昇
OO:2Ω超過4Ω以下の上昇
O:4Ω超過6Ω以下の上昇
X:6Ω超過の上昇
これをまとめて表8に示した。
【0103】
【表4】
【0104】
【表5】
【0105】
【表6】
【0106】
【表7】
【0107】
【表8】
【0108】
<第3モード>
第3モードの実施例3-1
1)ビーズの製造
脱イオン水200gに3%アンモニア水1.2gを入れて希塩基水溶液(a)を製造し、VTMS10g、MPTMS10gを混ぜたモノマー混合溶液(b)を準備した。前記塩基水溶液(a)を低速で攪拌し、前記モノマー混合溶液(b)を添加し、常温で一晩(Overnight)反応してビーズ中間体を合成した。
以後、PVP(Polyvinylpyrrolidone)2gを脱イオン水10gに溶かして反応容器に添加し、有機モノマーEGDMA(Ethylene glycol dimathacrylate)1.0gを添加した後、75℃に昇温し、KPS0.2gを脱イオン水5gに溶かした水溶液を添加し、10時間反応させた。
前記反応溶液を自然に沈降させて上澄み液を除去した後、95%エタノールを添加して10回以上遠心分離方法で小粒子を除去した。
前記小粒子が除去された粒子を70℃で18時間以上コンベクションオーブンで乾燥させ、真空オーブンで250℃にて3時間熱処理してビーズを製造した。前記中間体の平均直径は2.62μmであり、前記ビーズの平均直径は2.88μmであった。
【0109】
2)ビーズ外殻への伝導層形成
(i)触媒処理工程
前記製造されたビーズ30gを800gの脱イオン水と1gの界面活性剤TritonX100の溶液に入れ、超音波浴で1時間処理して、ビーズに存在する余分の未反応モノマーと油成分を除去する洗浄及び脱脂工程を行った。前記洗浄及び脱脂工程の最後には、40℃の脱イオン水を用いて水洗工程を3回行った。
ビーズにPd触媒処理を施した。塩化第一スズ150gと35~37%塩酸300gを脱イオン水600gに溶かした後、前記洗浄及び脱脂処理されたビーズを仕込み、30℃の条件で30分間浸漬及び攪拌して増感処理を施した後、水洗を3回行った。
増感処理されたビーズを塩化パラジウム1g、35~37%塩酸200g、脱イオン水600gに仕込み、40℃で1時間活性化処理を施した。活性化処理の後、水洗工程を3回行った。
活性化処理されたビーズを35~37%塩酸100g、脱イオン水600gの溶液に入れ、常温で10分間攪拌して加速化処理を施した。加速化処理の後、水洗を3回行って無電解メッキのための触媒処理済みのビーズを得た。
【0110】
(ii)メッキ工程
5Lの反応器で、脱イオン水3500gにNi塩として硫酸ニッケル300g、錯化剤として酢酸ナトリウム5g、乳酸2g、安定剤としてPb-アセテート0.001g、チオ硫酸ナトリウム0.001g、界面活性剤として1gのPEG-1200、1.5gのPRG-400、0.02gのTritonX100を順次溶解してメッキ液(a)を製造した。製造された(a)溶液に前記触媒処理済みのビーズを仕込み、超音波ホモジナイザーを用いて10分間分散処理を施した。分散処理の後、アンモニア水を用いて溶液pHを5.7に合わせた-溶液(b)
1Lのビーカーに脱イオン水500g、還元剤としての次亜リン酸ナトリウム380g、安定剤としてのチオ硫酸ナトリウム0.0001gを溶解して溶液(c)を準備した。
前記5Lの反応器(溶液(b))の温度を65℃に維持する状態で溶液(c)を定量ポンプで分あたり10gの量で仕込み、反応器の温度が30分で75℃に達するように加熱し、維持した。
前記溶液(c)の投入が完了して30分間維持し、Niメッキされた導電粒子を得た。
【0111】
第3モードの実施例3-2:
前記実施例3-1でアンモニア水の量を1.3gに変更し、有機モノマーをEGDMA2gに変更してビーズを製造した。前記中間体の平均直径は2.59μmであり、前記ビーズの平均直径は2.92μmであった。
【0112】
第3モードの実施例3-3:
前記実施例3-1でアンモニア水の量を1.4gに変更し、有機モノマーをTMPTA(Trimethylolpropane trimethacrylate)2gに変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例3-1と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.15μmであり、前記ビーズの平均直径は2.39μmであった。
【0113】
第3モードの実施例3-4:
前記実施例3-1でアンモニア水の量を1.4gに変更し、有機モノマーをTMMT(Tetramethylol methane tetraacrylate)2gに変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例3-1と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.24μmであり、前記ビーズの平均直径は2.49μmであった。
【0114】
第3モードの実施例3-5:
前記実施例3-1でアンモニア水の量を1.5gに変更し、有機モノマーをEGDMA1g、TMPTA1gを混合したものに変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例3-1と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.06μmであり、前記ビーズの平均直径は2.36μmであった。
【0115】
第3モードの実施例3-6:
前記実施例3-1でアンモニア水の量を1.5gに変更し、有機モノマーをEGDMA1g、TMMT1gを混合したものに変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例3-1と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.01μmであり、前記ビーズの平均直径は2.12μmであった。
【0116】
第3モードの実施例3-7:
前記実施例3-1でアンモニア水の量を1.3gに変更し、オルガノシランモノマーをVTMS8g、MPTMS12gに変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例3-1と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.59μmであり、前記ビーズの平均直径は2.99μmであった。
【0117】
第3モードの実施例3-8:
前記実施例3-1でアンモニア水の量を1.5gに変更し、有機モノマーをHDDA(1,6-Hexanediol diacrylate)2gに変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例3-1と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.01μmであり、前記ビーズの平均直径は2.29μmであった。
【0118】
第3モードの実施例3-9:
前記実施例3-8で熱処理条件を窒素雰囲気、350℃、3時間に変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例3-8と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.01μmであり、前記ビーズの平均直径は2.29μmであった。
【0119】
第3モードの実施例3-10:
前記実施例3-8で熱処理条件を窒素雰囲気、450℃、3時間に変更してビーズを製造した。残りの工程は実施例3-8と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.01μmであり、前記ビーズの平均直径は2.29μmであった。
【0120】
第3モードの実施例3-11:
前記実施例3-1でシリカナノ粒子1.5g(silicananoparticle30wt% in DI Water、粒子サイズ=5~15nm)をモノマー混合溶液と混合して使用し、残りの工程は実施例3-1と同様にして製造した。前記中間体の平均直径は2.65μmであり、前記ビーズの平均直径は2.91μmであった。
【0121】
第3モードの比較例3-1
前記実施例3-1で有機モノマーEGDMA0.5gに変更して製造した。残りの工程は実施例3-1と同様に行った。前記中間体の平均直径は2.59μmであり、前記ビーズの平均直径は2.66μmであった。
【0122】
第3モードの比較例3-2
脱イオン水200gに3%アンモニア水1.1gを入れて希塩基水溶液(a)を製造し、VTMS10g、MPTMS10gを混ぜたモノマー混合溶液(b)を準備した。前記塩基水溶液(a)を低速で攪拌し、前記モノマー混合溶液(b)を添加し、常温で一晩(Overnight)反応してビーズ中間体を合成した。
前記反応溶液を自然に沈降させて上澄み液を除去した後、95%エタノールを添加して10回以上遠心分離方法で小粒子を除去した。
前記小粒子が除去された粒子を70℃で18時間以上コンベクションオーブンで乾燥させ、真空オーブンで250℃にて3時間熱処理してビーズを製造した。前記ビーズの平均直径は2.84μmであった。
【0123】
第3モードの比較例3-3
脱イオン水200gに3%アンモニア水1.2gを入れて希塩基水溶液(a)を製造し、VTMS10g、MTMS10gを混ぜたモノマー混合溶液(b)を準備した。残りの工程は比較例3-2と同様に行った。前記ビーズの平均直径は3.80μmであった。
【0124】
[実験例]
第3モードの実験例3-1:分散及び凝集
実施例3-1~3-5及び比較例3-1、3-2、3-3、3-4で得られた高強度ビーズに関する下記の評価を行い、表10に示した。
1)水分散測
水分散如何を確認するために、500mlのガラスビーカーに500gの蒸留水と前記製造されたビーズ50mgを仕込み、前記ガラスビーカーを常温で超音波洗浄器に水浴して60kHzの周波数で10分間分散処理を施した。
前記分散処理された溶液を1分間静置した後、水の表面から深さ2cmの溶液を15ml採取し、濁度計を用いて前記溶液の濁度を測定した。濁度計は、ネフェロメトリー測定法を用いたK100-TB(ISTEK製)を使用した。
ネフェロメトリー測定法は、光が混濁液入りの標準セルを通過しながら、水の中にある粒子によって様々な方向に散らされるが、この散乱光を光源から90度の方向に置かれている受信機で検出して濁度に換算する方法であって、このような散乱光測定方法の場合は、透過光と散乱光の割合が溶液の濃度に比例することを用いて、濁度を測定する。
このとき、NTUは、Nephelometric Turbidity Unitの略字であり、ネフェロメトリー測定法では、散乱光と濁度(計量化された量)との関係を示すために散乱光の測定は照射光の90度で行われ、90度での1NTUは3.25ppm SiOを意味する。
したがって、濁度は、同じ量の粒子を水に分散させたときに溶液上に分散している粒子の濃度が水分散程度によって変わることを変数として測定される。よって、濁度の変化が粒子の分散性を説明する根拠となる。
一方、終端速度を用いて水の中で1分間粒子サイズと比重を異ならせた粒子の沈降深さを計算した結果を、表9にまとめた。
【0125】
【表9】
【0126】
これによれば、本発明の実施例のビーズの粒子サイズと比重の範囲で水に分散している粒子が1分間沈降する深さは、0.1cm以内である。よって、溶液を1分間静置した後、水の表面から深さ2cmの溶液を採取する場合、妥当性のある濁度値を求めることができる。
◎:150NTU超過(水分散が非常に良い)
○:100~150(水分散が良い)
△:20NTU以上80NTU未満(一部水分散)
X:20NTU未満(水分散なし)
2)凝集
FE-SEM分析を介して全5000粒子中の3つ以上の粒子凝集をカウントした。凝集に対する判定基準は、次のとおりである。
O:0%~0.2%
X:0.2%超過
【0127】
【表10】
【0128】
第3モードの実験例3-2:圧縮強さ実験
圧縮強さ試験方法は、前述した第1モードの方法と同様なので、詳細な説明を省略する。
微小圧縮試験機(MCT、Micro Compress Tester、FISHERSCOPE HM2000)の装備によって、一辺の長さが50μmである平面圧子(Indenter)を用いて、圧子の圧縮速度を0.33mN/secとし、上昇速度は10秒に0.1mNまで到達する条件にして測定する。この時、使用した最大力は、粒子が60%以上変形を起こす力を加えた。使用した最大力が15mNであった。
この時、得られた実施例3-1~3-11及び比較例3-1~3-5のビーズの圧縮変位及びそのときの力を用いて前記式3から変形量による圧縮強さを計算し、表10に示した。また、変形量による圧縮強さは10%、20%、30%、40%、50%、60%単位で計算し、その結果をそれぞれ表11~表13に示した。
【0129】
【表11】
【0130】
【表12】
【0131】
【表13】
【0132】
前述した各実施例で例示された特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野における通常の知識を有する者によって他の実施例に対しても組み合わせ又は変形実施が可能である。よって、それらの組み合わせと変形実施に関わる内容も本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1