(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】脊椎インプラントシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/88 20060101AFI20230921BHJP
A61B 17/70 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
A61B17/88
A61B17/70
(21)【出願番号】P 2021503029
(86)(22)【出願日】2019-07-18
(86)【国際出願番号】 US2019042367
(87)【国際公開番号】W WO2020023277
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-06-08
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506298792
【氏名又は名称】ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】イタリアイエ,クリス
(72)【発明者】
【氏名】グリザード,マーク・アール
(72)【発明者】
【氏名】マーラポード,マシュー・ティー
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-119968(JP,A)
【文献】特開2015-213791(JP,A)
【文献】特開2016-059597(JP,A)
【文献】国際公開第2017/056125(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/88-17/92
A61B 17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術器具であって、
第1のインプラント支持部材を配置するように構成された空洞を画定する第1の部分と、
前記空洞と整列した少なくとも1つの通路を画定する第2の部分と、を備え、前記第2の部分は、第2のインプラント支持部材に係合可能なガイドを含み、前記第2のインプラント支持部材を前記少なくとも1つの通路を用いて配向させ、それにより前記第2のインプラント支持部材が前記第1のインプラント支持部材と接続可能にな
り、
前記少なくとも1つの通路が、第1の軸方向スロットおよび第2の軸方向スロットを含む、手術器具。
【請求項2】
前記第1の部分が、前記第1のインプラント支持部材の合わせ面に係合可能な少なくとも1つの可動タブを含む、請求項1に記載の手術器具。
【請求項3】
前記第1の部分が、前記第1のインプラント支持部材の合わせ面に係合可能な少なくとも1つの片持ち式タブを含む、請求項1に記載の手術器具。
【請求項4】
前記第1の部分が、前記第1のインプラント支持部材と摩擦的に係合する一対の対向するタブを含む、請求項1に記載の手術器具。
【請求項5】
前記第1の部分が、前記第1のインプラント支持部材に当接する円周方向フランジを含む、請求項1に記載の手術器具。
【請求項6】
前記第1の部分が、前記空洞を画定する壁を含み、前記壁は、少なくとも1つの角部を有する、請求項1に記載の手術器具。
【請求項7】
前記第2の部分が、長手方向軸を画定し、前記少なくとも1つの通路が、軸方向スロットを含む、請求項1に記載の手術器具。
【請求項8】
前記第2の部分が、前記少なくとも1つの通路を画定する複数の長手方向レールを含む、請求項1に記載の手術器具。
【請求項9】
前記第2の部分が、前記少なくとも1つの通路を画定する中央長手方向レールおよび外側レールを含み、前記少なくとも1つの通路は、第1の軸方向スロットおよび第2の軸方向スロットを含む、請求項1に記載の手術器具。
【請求項10】
前記中央長手方向レールが、その遠位端に隣接して配置された前記ガイドを含む、請求項
9に記載の手術器具。
【請求項11】
前記ガイドが、先細りのレールを含む、請求項1に記載の手術器具。
【請求項12】
前記ガイドが、前記少なくとも1つの通路が二股に分かれた軸方向スロットを含むように、前記第2の部分と共に配置されている、請求項1に記載の手術器具。
【請求項13】
前記ガイドが、前記第2の部分の遠位端に隣接して配置された第1のガイドを含み、前記第2の部分が、前記第2の部分の近位端に隣接して配置された第2のガイドをさらに含み、前記第2のガイドは、前記
第1、第2のインプラント支持部材を
それぞれ前記
第1、第2の部分から係合解除するように、前記第1のインプラント支持部材に係合可能である、請求項1に記載の手術器具。
【請求項14】
前記第2のガイドが、傾斜路を含む、請求項
13に記載の手術器具。
【請求項15】
前記第2の部分の近位端が、前記
第1、第2のインプラント支持部材を前記
第1、第2の部分から係合解除するように、前記第1のインプラント支持部材に係合可能な傾斜路を含む、請求項1に記載の手術器具。
【請求項16】
手術器具であって、
エクステンダキャップを配置するように構成され、前記エクステンダキャップの合わせ面に係合可能な少なくとも1つの可動タブを含む空洞を画定するリテーナと、
前記空洞と整列した第1の軸方向スロットおよび第2の軸方向スロットを画定する複数の長手方向レールであって、前記レールのうちの少なくとも1つがガイドを含み、前記ガイドは、エクステンダタブに係合可能であり、前記エクステンダタブを前記
第1の軸方向スロットおよび
第2の軸方向スロットを用いて配向させ、それにより前記エクステンダタブが前記エクステンダキャップと接続可能になる、複数の長手方向レールと、を備える、手術器具。
【請求項17】
脊椎インプラントシステムであって、
空洞を画定する第1の部分、および前記空洞と整列した少なくとも1つの通路を画定する第2の部分を含む手術器具であって、前記第2の部分が、ガイドを含む、手術器具と、
前記第1の部分を用いて配置可能なキャップ、およびエクステンダタブを含むインプラント支持体であって、前記エクステンダタブは、前記ガイドに係合可能であり、前記エクステンダタブを前記少なくとも1つの通路を用いて配向させ、それにより、前記エクステンダタブが前記キャップと接続可能になる、インプラント支持体と、
前記
エクステンダタブに係合可能な骨固定具受け部と、を備え
、
前記少なくとも1つの通路が、第1の軸方向スロットおよび第2の軸方向スロットを含む、
脊椎インプラントシステム。
【請求項18】
前記第2の部分が、前記少なくとも1つの通路を画定する複数の長手方向レールを含む、請求項
17に記載の脊椎インプラントシステム。
【請求項19】
前記ガイドが、前記第2の部分の遠位端に隣接して配置された第1のガイドを含み、前記第2の部分が、前記第2の部分の近位端に隣接して配置された第2のガイドをさらに含み、前記第2のガイドは、前記インプラント支持体を前記
第1の部分および第2の部分から係合解除するように、前記キャップに係合可能である、請求項
17に記載の脊椎インプラントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、筋骨格障害の治療のための医療デバイスに関し、より具体的には、脊椎を治療するための脊椎インプラントシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
後弯症、脊柱側弯症および他の湾曲異常、変性椎間板疾患、椎間板ヘルニア、骨粗鬆症、脊椎すべり症、狭窄、腫瘍および骨折等の脊椎の病態および障害は、傷害および加齢によって引き起こされる外傷、疾患、および変性状態を含む要因から生じ得る。脊椎障害は、典型的には、変形、疼痛、神経損傷、および可動性の部分的または完全な喪失を含む症状をもたらす。
【0003】
薬物療法、リハビリテーション、および運動等の非外科的治療は効果的であり得るが、これらの障害に付随する症状を緩和できない場合がある。これらの脊椎障害の外科的治療は、矯正、癒合、固定、椎間板切除、椎弓切除および移植可能な人工関節を含む。これらの外科的治療の一環として、脊椎ロッド等の脊椎用構造物が治療領域に安定性を提供するために使用されることが多い。ロッドは、治癒が起こっている間に損傷または欠陥のある領域から離れるように応力の方向を変更し、適切なアライメントを復元し、椎骨部材を全体的に支持する。外科的治療中に、1つ以上のロッドおよび骨固定具が手術部位に送達され得る。ロッドは、固定具を介して2つ以上の椎骨部材の外側に取り付けることができる。外科的治療は、1つ以上の椎骨を配置するおよび整列させるように椎骨に係合するように操作される手術器具およびインプラントを用いる場合がある。本開示は、これらの従来技術に対する改善について記載する。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態において、手術器具が提供される。手術器具は、第1のインプラント支持部材を配置するように構成された空洞を画定する第1の部分を含む。第2の部分は、空洞と整列した少なくとも1つの通路を画定し、第2のインプラント支持部材に係合可能なガイドを含み、第2のインプラント支持部材を少なくとも1つの通路を用いて配向させ、それにより第2のインプラント支持部材が第1のインプラント支持部材と接続可能になる。いくつかの実施形態において、システム、脊椎用構造物、脊椎インプラント、および方法が開示される。
【0005】
一実施形態において、手術器具は、エクステンダキャップを配置するように構成され、エクステンダキャップの合わせ面に係合可能な少なくとも1つの可動タブを含む空洞を画定するリテーナを備える。複数の長手方向レールは、空洞と整列した第1の軸方向スロットおよび第2の軸方向スロットを画定する。レールのうちの少なくとも1つはガイドを含み、ガイドは、エクステンダタブに係合可能であり、エクステンダタブをスロットを用いて配向させ、それによりエクステンダタブがエクステンダキャップと接続可能になる。
【0006】
一実施形態において、脊椎インプラントシステムが提供される。脊椎インプラントシステムは、空洞を画定する第1の部分、および空洞と整列したされた少なくとも1つの通路を画定する第2の部分を含む手術器具を備える。第2の部分には、ガイドを含める。インプラント支持体は、第1の部分を用いて配置可能なキャップ、およびエクステンダタブを含み、エクステンダタブは、ガイドに係合可能であり、エクステンダタブを少なくとも1つの通路を用いて配向させ、それにより、エクステンダタブがキャップと接続可能になる。骨固定具受け部は、タブに係合可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、以下の図面を伴う具体的な説明からより容易に明らかになるであろう。
【0008】
【
図1】本開示の原理による手術システムの一実施形態の構成要素の斜視図である。
【
図2】本開示の原理による手術システムの一実施形態の構成要素の斜視図である。
【
図6】本開示の原理による手術システムの一実施形態の構成要素の斜視図である。
【
図8】
図6に示す構成要素の一部を切り取った斜視図である。
【
図9】本開示の原理による手術システムの一実施形態の構成要素の斜視図である。
【
図14】本開示の原理による手術システムの一実施形態の構成要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
開示される手術システムおよび関連する使用方法の例示的な実施形態は、筋骨格障害の治療のための医療デバイスの観点から、より具体的には脊椎インプラントシステムおよび脊椎を治療するための方法の観点から論じられる。いくつかの実施形態において、本開示のシステムおよび方法は、本明細書に記載されるように、例えば、脊椎の頸部、胸部、腰部および/または仙骨部の外科的治療に用いられる手術器具およびインプラントを含む医療デバイスを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、本手術システムは、インプラント支持体、インプラント、および/または脊椎構造物のうちの1つ以上の構成要素を、構成要素の接続および/または組み立てのために係合するようにガイドするおよび/または整列させるように構成された手術器具を含む。いくつかの実施形態において、手術器具は、インプラント支持部材、例えば、エクステンダキャップのための保持チャンバを含む。いくつかの実施形態において、手術器具は、インプラント支持部材、例えば、エクステンダキャップと接続するための少なくとも1つの軸方向通路を備えた少なくとも1つのエクステンダタブを整列させるためのガイドを含む。いくつかの実施形態において、保持チャンバは、少なくとも1つの可動タブ、例えば、インプラント支持体のキャップとの摩擦嵌合を作成してキャップを保持チャンバ内に保持するように構成されたスプリングタブを含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、手術器具は、少なくとも1つのエクステンダタブに係合可能なガイドを含み、少なくとも1つのエクステンダタブを少なくとも1つの軸方向通路、例えば、軸方向スロットにガイドするおよび/または整列させる。いくつかの実施形態において、スロットは、エクステンダキャップと接続するために、エクステンダタブを保持チャンバと整列させるように構成されている。いくつかの実施形態において、エクステンダキャップがエクステンダタブと接続されるように1つ以上のエクステンダ構成要素を組み立てた後、手術器具は、組み立てられたエクステンダ構成要素の手術器具からの係合解除をガイドするためにエクステンダキャップに係合可能な傾斜路ガイドを含む。いくつかの実施形態において、手術器具は、スクリューアセンブリを選択された方向にロックし、キャップをエクステンダタブ上に摺動させることを容易にするために、エクステンダタブを配置するように構成された軸方向スロットを含む。いくつかの実施形態において、本手術システムは、エクステンダキャップをエクステンダタブに取り付けるために、エクステンダタブをエクステンダキャップと手動で整列させることを回避する手術器具を含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、本手術システムは、エクステンダを含むインプラント支持体の構成要素の接続および/または組み立てのために、エクステンダタブをエクステンダキャップに係合するようにガイドするおよび/または整列させるように構成されたアセンブリデバイスを含む手術器具を備える。いくつかの実施形態において、アセンブリデバイスは、エクステンダタブをエクステンダキャップに再取り付けするように構成されたエクステンダキャップ再装填器具を含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、本手術システムは、エクステンダキャップを手術器具のリテーナ部分に摺動させるステップを含む方法に用いられる手術器具を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、1つ以上の可動タブによってリテーナ内にエクステンダキャップを保持するステップを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、骨スクリューエクステンダの1つ以上のアームを位置付けるステップを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、エクステンダアームに沿って手術器具を平行移動させるステップを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、エクステンダキャップがアームと係合するように、手術器具のリテーナに下向きの力を付加するステップを含む。いくつかの実施形態において、エクステンダキャップのアームとの係合は、可聴および/または触知可能な印を提供する。いくつかの実施形態において、本方法は、手術器具に上向きの力を付加して、エクステンダキャップをリテーナから係合解除するステップを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、手術システムは、エクステンダタブを含む。いくつかの実施形態において、エクステンダタブは、例えば、骨固定具等のインプラントを様々な器具と整列させ、スクリューおよびロッドを設定するためのアクセス経路を提供するように構成されている。いくつかの実施形態において、エクステンダタブは、骨固定具と接続可能である。
【0015】
いくつかの実施形態において、本開示の手術システムは、例えば、変性椎間板疾患、椎間板ヘルニア、骨粗鬆症、脊椎すべり症、狭窄、脊柱側弯症および他の湾曲異常、後弯症、腫瘍および骨折等の脊椎障害を治療するために用いられ得る。いくつかの実施形態において、本開示の手術システムは、診断および治療に関連するものを含む、他の骨用途および骨に関連する用途に用いられ得る。いくつかの実施形態において、開示される手術システムは、代替的に、腹臥位もしくは仰臥位にある患者の外科的治療に用いられてもよく、かつ/または前方、後方、後方正中線、直接側方、後外側、および/もしくは前外側アプローチを含む脊椎に対する、ならびに他の身体領域における、様々な外科的アプローチを用いる。本開示の手術システムはまた、代替的に、脊柱の腰部、頸部、胸部、仙骨部および骨盤部を治療するための手技に用いられてもよい。本開示の手術システムは、例えば、訓練、試験、および実証等において、動物、骨モデル、および他の非生体基質にも使用することができる。
【0016】
本開示の手術システムは、本開示の一部を形成する添付の図面に関連して読まれる実施形態の以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解され得る。本出願は、本明細書に記載されるおよび/または示される特定のデバイス、方法、条件、またはパラメータに限定されず、本明細書で使用される専門用語は、例として特定の実施形態を説明するためのものであり、限定的であることを意図するものではないことを理解されたい。いくつかの実施形態において、添付の特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、「and」および「the」は複数形を含み、文脈上明らかに別段の指示がない限り、特定の数値への言及は、少なくともその特定の値を含む。範囲は、「約」または「およそ」1つの特定の値から、かつ/または「約」または「およそ」別の特定の値までとして本明細書で表され得る。そのような範囲が表される場合、別の実施形態は、1つの特定の値から、かつ/または他の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」を使用することによって、値が近似値として表される場合、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。また、例えば、水平、垂直、上部、上方、下方、下部、左および右等の全ての空間参照は、例示のみを目的としており、本開示の範囲内で変動し得ることも理解されたい。たとえば、「上方」および「下方」という言及は相対的であり、他のものに対する文脈でのみ使用され、必ずしも「上方」および「下方」ではない。
【0017】
添付の特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、疾患または状態を「治療すること」またはその「治療」は、疾患または状態の徴候または症状を緩和しようとして、1つ以上の薬物を患者(健康なもしくは別様のヒト、または他の哺乳動物)に投与すること、移植可能なデバイスを用いること、ならびに/あるいは、例えば、膨隆部分もしくは椎間板ヘルニアおよび/または骨棘を除去するために使用される顕微鏡視下ヘルニア摘出術用器具等の疾患を治療する器具を用いることを含み得る手技を行うことを指す。緩和は、疾患または状態の兆候または症状が出現する前、およびそれらが出現した後に行うことができる。したがって、治療することまたは治療は、疾患または望ましくない状態を予防することまたはその予防(例えば、疾患の素因があり得るが、まだ罹患していると診断されていない患者において疾患が発症するのを防ぐこと)を含む。さらに、治療することまたは治療は、徴候または症状の完全な緩和を必要とせず、治癒を必要とせず、具体的には、患者にわずかな影響しか与えない手技を含む。治療は、疾患を抑制すること、例えば、その発症を阻止すること、または疾患を軽減すること、例えば、疾患の退行を誘発することを含み得る。例えば、治療は、急性もしくは慢性炎症を軽減すること、疼痛を緩和することおよび軽減すること、ならびに手術における補助として、新しい靭帯、骨、および他の組織の再成長を誘発すること、ならびに/または任意の修復手技を含み得る。いくつかの実施形態において、添付の特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、「組織」という用語は、特に別段の言及がない限り、軟組織、靭帯、腱、軟骨および/または骨を含む。
【0018】
以下の考察は、手術器具を含む手術システム、関連する構成要素、および本開示の原理に従って手術システムを用いる方法の説明を含む。代替の実施形態も開示される。添付の図面に示される本開示の例示的な実施形態を詳細に参照する。
図1~
図5を参照すると、例えば、脊椎インプラントシステム10等の手術システムの構成要素が示されている。
【0019】
脊椎インプラントシステム10の構成要素は、金属、合成ポリマー、セラミック、および骨材料ならびに/またはそれらの複合材料を含む、医療用途に適した生物学的に許容される材料から製造することができる。例えば、脊椎インプラントシステム10の構成要素は、個別にまたは集合的に、ステンレス鋼合金、アルミニウム、市販の純チタン、チタン合金、グレード5チタン、超弾性チタン合金、コバルトクロム合金、超弾性金属合金(例えば、ニチノール、GUMMETAL(登録商標)等の超弾塑性金属)、リン酸カルシウム等のセラミックおよびその複合材料(例えば、SKELITE(商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、およびポリエーテルケトン(PEK)を含むポリアリールエーテルケトン(PAEK)等の熱可塑性物質、カーボンPEEK複合材料、PEEKBaSO4ポリマーゴム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、布地、シリコーン、ポリウレタン、シリコーンポリウレタンコポリマー、ポリマーゴム、ポリオレフィンゴム、ヒドロゲル、半硬質および硬質材料、エラストマー、ゴム、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、エラストマー複合材料、ポリフェニレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、エポキシを含む硬質ポリマー、自家移植片、同種移植片、異種移植片もしくはトランスジェニック皮質および/または皮質海綿骨を含む骨材料、ならびに組織成長因子または分化因子、例えば、金属とカルシウム系セラミックの複合材料等の部分吸収性材料、PEEKとカルシウム系セラミックの複合材料、PEEKと吸収性ポリマーの複合材料、例えば、リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム(TCP)、ヒドロキシアパタイト(HA)-TCP、硫酸カルシウム等のカルシウム系セラミック等の完全吸収性材料、あるいは、ポリアエチド、ポリグリコリド、ポリチロシンカーボネート、ポリカロプラエトヘ、およびそれらの組み合わせ等の他の吸収性ポリマー等の材料から製造することができる。
【0020】
脊椎インプラントシステム10の様々な構成要素は、強度、剛性、弾性、伸展性、生体力学的性能、耐久性および放射線透過性または画像選択性等の様々な所望の特性を達成するために、上記材料を含む材料複合物を有してもよい。また、脊椎インプラントシステム10の構成要素は、個別にまたは集合的に、上述の材料の2つ以上の組み合わせ等の異種材料から製造されてもよい。脊椎インプラントシステム10の構成要素は、モノリシックに形成され得るか、一体的に接続され得るか、または本明細書に記載されるように、固定する要素および/もしくは器具を含み得る。
【0021】
脊椎インプラントシステム10は、例えば、完全に観血的な手術手技、経皮的技法を含む低侵襲手技、ならびに、器具および/または脊椎インプラント、例えば、骨固定具等を、例えば、脊椎を含む患者の手術部位に送達および導入するためのミニオープン手術手技に用いられる。いくつかの実施形態において、脊椎インプラントは、例えば、椎体間デバイス、椎体間ケージ、骨固定具、脊椎ロッド、テザー、コネクタ、プレートおよび/または骨移植片等の1つ以上の脊椎用構造物の1つ以上の構成要素を含むことができ、脊椎の頸部、胸部、腰部、および/または仙骨部の外科的治療を含む様々な手術手技に用いることができる。
【0022】
脊椎インプラントシステム10は、例えば、コネクタ12等の手術器具を含む。コネクタ12は、骨固定具アセンブリ150と接続されたエクステンダの構成要素を接続するおよび/または組み立てるために、例えば、エクステンダタブ152、152a等のインプラント支持部材を、例えば、エクステンダキャップ22等のインプラント支持部材に係合するようにガイドするおよび/または整列させるように構成されている。いくつかの実施形態において、コネクタ12は、インプラント支持体の構成要素、例えば、エクステンダを取り付けるためのアセンブリデバイスを含み、エクステンダキャップをエクステンダタブに取り付けるために、エクステンダタブをエクステンダキャップと手動で整列させるステップを回避する。いくつかの実施形態において、コネクタ12は、エクステンダタブをエクステンダキャップに再取り付けするように構成されたエクステンダキャップ再装填器具を備える。
【0023】
コネクタ12は、端部14と端部16との間に延在している。コネクタ12は、例えば、端部14に配置されたリテーナ20等の部分を含む。リテーナ20は、エクステンダキャップ22を配置するように構成されている。リテーナ20は、壁24を含む。壁24には、部分24a、24b、24c、および24dを含む。壁24は、部分24a、24b、24c、および24dに沿って延在している内面26を含む。表面26は、キャップ22を配置するように構成された空洞28を画定する。空洞28は、実質的に長方形の構成を備える。いくつかの実施形態において、空洞28は、例えば、円形、楕円形、多角形、不規則、一様、可変、均一、および不均一を含む様々な構成を有してもよい。
【0024】
部分24a、24b、24c、および24dは、壁24の内面に沿った角部30でそれぞれ交わる。いくつかの実施形態において、当該部分の内面は、キャップ22への係合を容易にするために、角部30に隣接する弧状表面を含む。部分24a、24b、24c、24d、および角部30は、
図8に示すように、空洞28の断面がキャップ22を配置するように構成されるように成形されている。いくつかの実施形態において、角部30は、例えば、円形、楕円形、多角形、不規則、一様、可変、均一、および不均一を含む様々な構成を有してもよい。角部30は、壁24に沿って軸方向に延在している。いくつかの実施形態において、角部30は、例えば、横方向、垂直方向、および/または鋭角あるいは鈍角等の他の角度方向等、壁24に沿った交互の方向で延在しており、ならびに/もしくはオフセットあるいは千鳥状になっていてもよい。
【0025】
壁24は、フランジ34を画定する表面32を含む。フランジ34は、
図5に示すように、空洞28の開口部36の周りに配置されている。フランジ34は、キャップ22を空洞28内に保持するように、キャップ22に当接するように構成されている。例えば、エクステンダタブ152、152aがキャップ22に係合するように平行移動するとき、フランジ34は、エクステンダタブ152、152aがキャップ22を空洞28から押し出すのに抵抗および/またはこれを防止する。
【0026】
壁24aおよび24dは、タブ42を含む。タブ42は、本明細書に記載されるように、キャップ22の軸方向の平行移動に抵抗および/またはこれを防止するように移動可能であり、これは、キャップ22のエクステンダタブ152、152aへの取り付けを容易にする。タブ42は、壁24と一直線に配置されている。タブ42は、
図3に示すように、壁24aおよび24dと共に空洞28の両側に配置されている。タブ42は、壁24a、24d内に延在しており、キャップ22との摩擦嵌合を容易にするために、キャップ22への係合時に内向きのスプリングおよび/または弾性付勢部を含む。タブ42は、本明細書に記載されるように、キャップ22の合わせ面と摩擦的に係合するように構成された表面44を含む。いくつかの実施形態において、タブ42は、壁24の一部に沿って延在するカンチレバーアームとして構成されている。いくつかの実施形態において、壁24は、1つ以上の部分24a、24b、24c、24dと共に配置された1つまたは複数のタブを備える。いくつかの実施形態において、タブ42は、例えば、横方向、垂直方向、および/または鋭角あるいは鈍角等の他の角度方向等、壁24に対して交互の方向に配置されており、ならびに/もしくはオフセットあるいは千鳥状になっていてもよい。
【0027】
コネクタ12は、軸X1を画定するガイド58を含む。ガイド58は、軸X1に沿って延在する長手方向レール60a、60b、および60cを含む。レール60aは、表面64を有する壁62を含む。レール60bは、表面68および表面70を有する壁66を含む。表面64、68は、例えば、軸方向スロット72等の通路を画定する。スロット72は、軸X1に沿って延在している。スロット72は、本明細書に記載されるように、エクステンダタブ152のキャップ22との係合を容易にするために、空洞28と一直線に配置されている。表面64、68は、軸X1に対してある角度で配置されている。いくつかの実施形態において、表面64、68のすべてまたは一部のみが、例えば、不規則、均一、不均一、オフセット、千鳥状、先細り、弧状、または波状等の代替構成を有してもよい。表面64、68は、エクステンダタブ152のスロット72への挿入を誘導および/またはガイドする。
【0028】
レール60cは、表面76を有する壁74を含む。表面70、76は、例えば、軸方向スロット78等の通路を画定する。スロット78は、軸X1に沿って延在している。スロット78は、本明細書に記載されるように、エクステンダタブ152aのキャップ22との係合を容易にするために、空洞28と一直線に配置されている。表面70、76は、軸X1に対してある角度で配置されている。いくつかの実施形態において、表面70、76のすべてまたは一部のみが、例えば、不規則、均一、不均一、オフセット、千鳥状、先細り、弧状、または波状等の代替構成を有してもよい。表面70、76は、エクステンダタブ152aのスロット78への挿入を誘導および/またはガイドする。
【0029】
スロット72、78は、骨固定具100を正しい方向にロックしてキャップ22との接続を容易にするために、エクステンダタブ152、152aを配置するように構成されている。スロット72、78は、エクステンダタブ152、152aを、リテーナ20と共に配置されたキャップ22への係合にガイドおよび/または誘導するように構成されている。
【0030】
レール60bは、スロット72、78が二股に分かれるように、レール60aと60cとの間に配置された中央レールを備える。レール60bは、端部16に配置された先細り面80を備える。表面80は、表面68と連絡して配置された表面82を備える。表面82は、表面82が表面68から端部16まで表面80に沿って減少するように先細りになっている。表面80は、表面70と連絡して配置された表面84を備える。表面84は、表面84が表面70から端部16まで表面80に沿って減少するように先細りになっている。表面82、84は、
図10に示すように、エクステンダタブ152、152aのコネクタ12との係合時に、エクステンダタブ152、152aを広げるように構成されている。エクステンダタブ152、152aは、表面82、84に沿って摺動および/または平行移動する。ガイド58は、エクステンダタブ152、152aのキャップ22とのアライメントを容易にするために、エクステンダタブ152、152aを誘導し、かつ/または整列させてスロット72、78内に配置する。
【0031】
レール60a、60b、60cは、
図5に示すように、近位表面90a、90b、90cをそれぞれ備える。表面90a、90b、90cは、90a、90b、90cがキャップ22に係合可能な平面を備えるように、平面内に相対的に配置されている。いくつかの実施形態において、表面90a、90b、90cのすべてまたは一部のみが、例えば、角度付き、不規則、均一、不均一、オフセット、千鳥状、先細り、弧状、波伏、メッシュ、多孔性、半多孔性、くぼみ、尖鋭、および/または折り目加工等の代替表面構成を有してもよい。
【0032】
表面90a、90b、90cは、ガイド、例えば、傾斜路92を画定する。表面90a、90b、90cは、傾斜路92を画定するために軸X1に対してある角度で配置されている。いくつかの実施形態において、傾斜路92は、例えば、横方向、垂直方向、および/または鋭角あるいは鈍角などの他の角度方向等、軸X1に対して交互の方向に配置されており、ならびに/もしくはオフセットあるいは千鳥状になっていてもよい。傾斜路92は、コネクタ12から骨固定具アセンブリ150を取り外す間に、キャップ22の平行移動および/またはリテーナ20からの係合解除を容易にするように選択的に傾斜している。例えば、傾斜路92に沿ったキャップ22の摺動は、本明細書に記載されるように、係合解除中のコネクタ12の上向きの動きからのあらゆる力がキャップ22に付加されるのに抵抗および/またはこれを防止し、これにより、キャップ22のエクステンダタブ152、152aとの接続を維持する。
【0033】
キャップ22は、複数の溝を画定する内面(図示せず)を備える。溝は、エクステンダタブ152、152aを配置するように構成された側溝を画定する。内面は、例えば、エクステンダタブ152、152aのキャップ22との係合を示す可聴のカチッという音等、可聴および/または触知可能な印を提供するように構成されている。キャップ22は、空洞28内にキャップ22を保持するためにタブ42に係合するように構成された外側合わせ面96を備える。
【0034】
様々な実施形態において、キャップ22は、ガイド58のような機能を果たすガイド部を備える。この場合、ガイド部を有するこのキャップは、自己接続型、または自己ガイド型であるため、コネクタ12は必要ない。ガイド部は、スロットを備え、これは、本明細書に開示される任意の方法で、コネクタ12をスロット72、78のようにすることができる。このようなスロットは、これらの実施形態のキャップが、図示のようにキャップ22よりも著しく長くならないように、コネクタ12について示されるスロット72、78よりも短くてもよいことが企図される。
【0035】
骨固定具アセンブリ150は、骨固定具100を備える。骨固定具100は、受け部102を備える。受け部102は、本明細書に記載されるように、軸X1に沿って延在し、コネクタ12と共に配置されているエクステンダタブ152、152aと接続されている。受け部102は、例えば、脊椎ロッド(図示せず)等の脊椎用構造物の構成要素を配置するように構成されたインプラント用空洞を画定する一対の離間したアーム104、106を含む。受け部102には、手術器具に係合するように構成されたソケットを含む。受け部102は、アーム104に隣接して位置するねじ形状と、アーム106に隣接して位置するねじ形状とを有する内面を含む。アーム104、106のねじ形状は、結合部材に係合するように構成されている。骨固定具100は、ねじシャフト116を含む。シャフト116は、例えば、骨等の組織を貫通するように構成される。
【0036】
アーム104は、アーム104に対するタブ120の操作が、本明細書に記載されるように、所定の力および/またはトルク限界でタブ120を破壊し、アーム104から分離できるように、アーム104に折壊可能に接続された離脱タブ120を備える。アーム106は、アーム106に折壊可能に接続された離脱タブ130を備え、その結果、アーム106に対するタブ130の操作が、本明細書に記載されるように、所定の力および/またはトルク限界でタブ130を破壊し、アーム106から分離することができる。いくつかの実施形態において、力および/またはトルクがタブ120、130に付加され、抵抗が増加すると、例えば、所定のトルクおよび力の限界に近づく。
【0037】
いくつかの実施形態において、タブ120、130は、およそ2ニュートンメートル(Nm)~8Nmの範囲にあり得る、所定の力またはトルク限界で破壊および分離することができる。いくつかの実施形態において、タブ120、130、およびアーム104、106は、同じまたは代替の断面構成を有してもよく、均質な材料から製造されてもよく、または異なる材料から不均質に製造されてもよく、かつ/あるいは、タブ120、130の破壊および分離を容易にするために、より大きな特性または属性の塑性変形能、折壊可能な特性、および/または離脱性を有する材料で交互に形成されてもよい。
【0038】
骨固定具アセンブリ150は、骨固定具100に接続されエクステンダタブ152、152aを含む。エクステンダタブ152、152aは、近位端172と遠位端174との間に延在している。近位端172は、
図9に示すように、ばね先端176、178を含む。ばね先端176、178は、キャップ22と取り付け可能である。キャップ22の内面には、本明細書に記載されるように、ばね先端176、178の係合解除に抵抗および/またはこれを防止するために、ばね先端176、178に係合可能な合わせ要素を含める。遠位端174は、例えば、タブ120、130などの骨固定具100の一部分を摺動可能に配置するように構成されている。いくつかの実施形態において、タブ120、130は、エクステンダタブ152、152aを骨固定具100に解放可能に固定するように構成されている。
【0039】
様々な実施形態において、コネクタ12を使用して、複数のキャップ22をそれぞれの対のエクステンダタブ152に連続して装填することができる。利点としては、時間の節約、および手術中の外科医またはロボットの動きの制限が挙げられる。2組のエクステンダタブ152は、例えば、互いに隣接して配置することができ、同じコネクタ12は、最初に、(i)第1のタブ152と第1のキャップ22との間の接続のために、第1の一対のエクステンダタブ152を第1のキャップ22に整列させ、次に、(ii)第2のタブ152と第2のキャップ22との間の接続のために、一対の第2のエクステンダタブ152を第2のキャップ22に整列させるために使用することができる。動作中、2組のエクステンダタブ152は、互いに隣接することができ、コネクタ12は、この第1の配列の整列および接続後、第1のエクステンダタブ152/キャップ22の配列から、この第2の配列の整列および接続後、第2のエクステンダタブ152/キャップ22の配列まで、側方に、またはそうでなければ必要に応じて移動した。この移動には、第1のエクステンダタブ152が後ろにある場合、または第2のエクステンダタブ152と背中合わせにある場合、コネクタ12を約180度等回転させることを含むことができる。上記の例では、2つのキャップの迅速な装填について説明している、これらの方法で任意の数のキャップを迅速に装填することができる。3つまたは4つのキャップ22は、第1の一対のエクステンダタブ152を整列させ、それらのタブ152を第1のキャップに接続し、次に、迅速に(例えば、回転および/または直線的な移動によって)移動して、第2の一対のエクステンダタブ152を第2のキャップ22と整列させる/接続し、その後、迅速に移動して、第3の一対のエクステンダタブ152を第3のキャップ22と整列させる/接続する等々のために、例えば、3つまたは4つの一対のエクステンダタブ152を互いに隣接して配置し、それに応じてコネクタ12を動作させることにより、迅速に装填することができる。
【0040】
組み立て、操作および使用において、本明細書に記載されるシステムおよび方法と同様の脊椎インプラントシステム10は、例えば、脊柱および体内の隣接領域の患部の適用可能な状態または損傷の治療等の手術手技に用いられる。いくつかの実施形態において、脊椎インプラントシステム10の構成要素の1つまたは全てを、事前に組み立てられたデバイスとして送達もしくは利用することができるか、または現場で組み立てることができる。脊椎インプラントシステム10は、完全にまたは部分的に修正、除去または交換されてもよい。
【0041】
使用中、脊椎(図示せず)を治療するために、医療従事者は、組織の切開および開創による等の任意の適切な様式で手術部位に到達する。いくつかの実施形態において、脊椎インプラントシステム10は、観血的手術、ミニオープン手術、低侵襲手術、および経皮的外科移植を含む任意の既存の手術方法または技法において使用することができ、それによってミニ切開、またはその領域に保護された通路を提供するスリーブを介して椎骨に到達する。一旦、手術部位に到達すると、脊椎障害を治療するために特定の手術手技を行うことができる。
【0042】
患者の体に切開が施され、切断器具(図示せず)が脊椎インプラントシステム10の構成要素の移植のための手術経路を作成する。準備器具(図示せず)は、脊椎の組織表面を準備するため、ならびに手術領域の吸引および灌注を行うために用いることができる。
【0043】
パイロット穴(図示せず)は、骨固定具150のシャフト116を受容するために椎骨の選択されたレベルに作成されている。例えば、ドライバ等の手術器具は、骨固定具100に接続されており、骨固定具100は、椎骨に係合している。エクステンダタブ152、152aは、本明細書に記載されるように、骨固定具100に接続されている。キャップ22は、コネクタ12のリテーナ20と共に配置されている。キャップ22は、
図6の矢印Aによって示されるように、空洞28に挿入される。表面96は、タブ42が外向きに広がるようにタブ42と係合する。タブ42の内向きの弾性付勢部は、
図7に示すように、タブ42を表面96と摩擦的に係合させて、リテーナ20を用いてキャップ22を捕捉する。
【0044】
エクステンダタブ152、152aは、
図9に示すように、コネクタ12に隣接して配置される。エクステンダタブ152、152aは、スロット72、78と整列されている。エクステンダタブ152、152aは、
図9の矢印Bによって示されるように、側方に平行移動され、表面64、68、70、76に沿ってスロット72、78にガイドされる。表面64、68、70、76のガイドには、
図10の矢印Cによって示されるように、エクステンダタブ152、152aをスロット72、78に誘導する、整列させる、収縮させる、および/または広げることを含む。いくつかの実施形態において、エクステンダタブ152、152aは、軸方向に平行移動され、表面82、84のガイドが、エクステンダタブ152、152aをスロット72、78に誘導する、整列させる、収縮させる、および/または広げることを含むように、表面82、84に沿ってスロット72、78にガイドされる。スロット72、78内のエクステンダタブ152、152aの配置により、骨固定具アセンブリ150を用いて接続されたエクステンダタブ152、152a/キャップ22を含むエクステンダの構成要素の接続および/または組み立てを容易にするために、エクステンダタブ152、152aをキャップ22と整列させる。いくつかの実施形態において、エクステンダタブ152、152は、コネクタ12が、エクステンダタブ152、152aをキャップ22に再取り付けするように構成されたエクステンダキャップ再装填器具を備えるように、エクステンダタブ152、152aをキャップ22に接続するためにスロット72、78内に配置されている。
【0045】
骨固定具アセンブリ150は、固定が保持されており、
図11の矢印Dによって示されるように、下向きの力がリテーナ20に付加される。エクステンダタブ152、152aは、スロット72、78に沿って、キャップ22に係合するように平行移動する。ばね先端176、178は、キャップ22の合わせ要素と係合し、例えば、カチッという音等の可聴および/または触知可能な印が、エクステンダタブ152、152aのキャップ22の内面との係合を示す。フランジ34は、エクステンダタブ152、152aの挿入中に、キャップ22が空洞28から係合解除されるのに抵抗および/またはこれを防止する。
【0046】
骨固定具アセンブリ150は、固定が保持されており、コネクタ12は、
図12の矢印Eによって示されるように、軸方向に平行移動されて骨固定具100に取り付けられたエクステンダ構成要素を備えた骨固定具アセンブリ150をコネクタ12から係合解除する。キャップ22のリテーナ20との摩擦係合が克服され、表面96がタブ42から解放される。キャップ22は、リテーナ20から係合解除される。エクステンダタブ152、152aが平行移動したとき、キャップ22は、
図13に示される矢印Fの方向に傾斜路92を摺動可能に係合させて、コネクタ12から骨固定具アセンブリ150の除去中にリテーナ20からキャップ22を係合解除するのを容易にする。キャップ22は、
図14に示すように、骨スクリューアセンブリ150に接続されている。
【0047】
いくつかの実施形態において、手術手技には、1つ以上の骨固定具100と接続するために手術経路に沿って脊椎ロッドを送達することを含む。整復器具(図示せず)は、整復のために脊椎ロッドを受け部102と係合させて、受け部に固定される。いくつかの実施形態において、タブブレーカは、エクステンダタブ152、152aに係合し、エクステンダタブ152、152aおよび/またはタブ120、130に力を付加するように操作される。付加された力が選択されたトルク限界に達すると、タブブレーカは、エクステンダタブ152、152aおよび/またはタブ120、130を骨固定具100から切り離す。
【0048】
本明細書に記載されるように、手技が完了すると、手術器具、アセンブリおよび脊椎インプラントシステム10の移植されていない構成要素が除去され、切開(複数可)が閉じられる。脊椎インプラントシステム10の構成要素の1つ以上は、ポリマー等の放射線透過性材料でできていてもよい。X線、蛍光透視法、CT、またはその他の撮像法で識別するために、放射線マーカーが含まれてもよい。いくつかの実施形態において、脊椎インプラントシステム10は、単一の椎骨レベルまたは複数の椎骨レベルで使用するための1つまたは複数の脊椎ロッド、プレート、コネクタおよび/または骨固定具を含んでもよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるように、1つ以上の骨固定具は、例えば、直列、平行、オフセット、互い違いおよび/または交互の椎骨レベル等の様々な配向で組織に係合され得る。いくつかの実施形態において、骨固定具は、多軸スクリュー、矢状面矯正スクリュー、椎弓根スクリュー、一軸スクリュー、一平面スクリュー、ファセットスクリュー、固定スクリュー、組織貫通スクリュー、従来のスクリュー、拡張スクリュー、くさび、アンカー、ボタン、クリップ、スナップ、摩擦継手、圧縮継手、拡張リベット、ステープル、釘、接着剤、ポスト、固定プレートおよび/または固定ポストを含み得る。
【0050】
一実施形態において、脊椎インプラントシステム10は、脊椎インプラントシステム10の構成要素および/または表面の中、上、または周囲に配置、包装、被覆、または積層され得る薬剤を含む。いくつかの実施形態において、薬剤は、例えば、椎骨への脊椎インプラントシステム10の構成要素および/または表面の固定を強化するための骨移植片等の骨成長促進材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、薬剤は、例えば、疼痛、炎症および変性を治療するために、徐放を含む放出のための1つまたは複数の治療薬および/または薬理作用のある物質を含み得る。
【0051】
本明細書に開示された実施形態に様々な変更が加えられ得ることが理解されるであろう。したがって、上記の説明は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に様々な実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付されている特許請求の範囲および趣旨内での他の修正を想定するであろう。