(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20230921BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20230921BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20230921BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/10
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2021538338
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(86)【国際出願番号】 KR2020018258
(87)【国際公開番号】W WO2021145570
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2021-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0006165
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ピョン ソン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン キョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン キョ
(72)【発明者】
【氏名】イ、チョン ソプ
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/082280(WO,A1)
【文献】特表2016-513453(JP,A)
【文献】国際公開第2019/239548(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/57
A24F 40/10
A24F 40/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物質からエアロゾルを生成するための電力を供給するバッテリと、
前記バッテリから提供された供給電圧を所定レベルの定電圧に変換するコンバータと、
前記バッテリの前記供給電圧の出力端と前記コンバータの前記定電圧の出力端に連結され、前記定電圧及び前記供給電圧のうち、いずれか1つが選択的に印加されるようにスイッチングを行うスイッチング回路と、
前記バッテリから前記スイッチング回路を通じて印加された前記供給電圧を用いて前記エアロゾル生成物質を加熱するヒータと、
前記コンバータから前記スイッチング回路を通じて出力された前記定電圧の印加によって、前記ヒータと接地の間に連結された抵抗素子の抵抗値に対する電流センシングを行うことで、前記ヒータの抵抗変化を検出する検出回路と、
前記定電圧を用いた前記ヒータの前記抵抗変化の検出を行うモニタリングモードと前記供給電圧を用いた前記ヒータの加熱を行う加熱モードをスイッチングすることで、前記エアロゾルを生成するための前記ヒータを制御するコントローラと、を含み、
前記ヒータの一端は前記スイッチング回路を通じて前記加熱モードで前記バッテリの前記供給電圧の出力端、又は前記モニタリングモードで前記コンバータの前記定電圧の出力端に選択的に連結され、前記ヒータの他端は前記検出回路の前記抵抗素子に連結され
、
エアロゾルの生成が開始されれば、前記モニタリングモードと前記加熱モードが交互に繰り返して行われ、
前記コントローラは、現在モニタリングモードで前記定電圧の印加によって検出された抵抗変化に対応する前記ヒータの温度の変化に基づいて、次の加熱モードで前記エアロゾル生成物質がターゲット温度範囲の内で加熱されるようにPWM制御のデューティー比またはデューティーサイクルを調整する、
エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記モニタリングモードで検出された前記ヒータの抵抗変化に基づいて、前記加熱モードにおける前記PWM制御のためのデューティー比またはデューティーサイクルを決定する、
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記モニタリングモードで前記ヒータの抵抗値が所定抵抗値より上昇した場合には、前記加熱モードで前記デューティー比または前記デューティーサイクルが減少するように前記PWM制御を行い、
前記モニタリングモードで前記ヒータの抵抗値が所定抵抗値より減少した場合には、前記加熱モードで前記デューティー比または前記デューティーサイクルが増加するように前記PWM制御を行う、
請求項
2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記モニタリングモード及び前記加熱モードのうち、いずれか1つが選択的に行われるように前記スイッチング回路を制御する、
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記所定レベルの定電圧は、3.3Vである、
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
液状の前記エアロゾル生成物質を含む液状保存部(reservoir)を備えたカートリッジをさらに含み、
前記カートリッジは、
前記エアロゾル生成物質を移送する芯(wick)及び前記芯上に巻き取られた前記ヒータを含む、
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
エアロゾル生成装置を制御する方法において、
コンバータによって、バッテリから提供された供給電圧を所定レベルの定電圧に変換する段階と、
検出回路によって、モニタリングモードにて、前記定電圧の印加によるヒータと接地の間の抵抗素子の抵抗値に対する電流センシングを行うことで前記ヒータの抵抗変化を検出する段階と、
前記バッテリの前記供給電圧の出力端と前記コンバータの前記定電圧の出力端に連結され、前記定電圧及び前記供給電圧のうち、いずれか1つが選択的に印加されるようにスイッチングを行うスイッチング回路を制御することによって、前記モニタリングモードと加熱モードとのスイッチングを制御する段階と、
前記加熱モードへのスイッチングに基づいて、エアロゾル生成物質からエアロゾルを生成するために前記バッテリの前記供給電圧を、前記スイッチング回路を通じて前記ヒータで供給する段階と、を含み、
前記ヒータの一端は前記スイッチング回路を通じて前記加熱モードで前記バッテリの前記供給電圧の出力端、又は前記モニタリングモードで前記コンバータの前記定電圧の出力端に選択的に連結され、前記ヒータの他端は前記検出回路の前記抵抗素子に連結され
、
エアロゾルの生成が開始されれば、前記モニタリングモードと前記加熱モードが交互に繰り返して行われ、
前記ヒータを制御する段階は、現在モニタリングモードで前記定電圧の印加によって検出された抵抗変化に対応する前記ヒータの温度の変化に基づいて、次の加熱モードで前記エアロゾル生成物質がターゲット温度範囲の内で加熱されるようにPWM制御のデューティー比またはデューティーサイクルを調整する、
方法。
【請求項8】
前記ヒータを制御する段階は、
前記モニタリングモードで検出された前記ヒータの抵抗変化に基づいて、前記加熱モードにおけるPWM制御のためのデューティー比またはデューティーサイクルを決定する段階と、
前記決定されたデューティー比またはデューティーサイクルに基づいた前記PWM制御を行うことで、前記ヒータを制御する段階と、を含む、
請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記デューティー比またはデューティーサイクルを決定する段階は、
前記モニタリングモードで前記ヒータの抵抗値が所定抵抗値より上昇したと検出された場合には、前記加熱モードで前記デューティー比または前記デューティーサイクルが減少するように決定し、
前記モニタリングモードで前記ヒータの抵抗値が所定抵抗値より減少したと検出された場合には、前記加熱モードで前記デューティー比または前記デューティーサイクルが増加するように決定する、
請求項
8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置に係り、具体的に、定電圧(constant voltage)を用いる動作モードと、定電圧を利用しない動作モードとを区分してバッテリの効率性を高めたエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルを生成する方法に係わる需要が増加している。これにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
バッテリの供給電圧は、エアロゾル生成装置の各ハードウェア/ソフトウェア構成を駆動するのに用いられる。しかし、各構成に提供されるバッテリの供給電圧は、バッテリ充電量、エアロゾル生成装置の使用環境(例えば、周辺温度、湿度など)などの多様な要因によって電圧変動(voltage fluctuation)の現象が発生しうる。もし、ヒータの抵抗検出のように精密な測定が要求される場合、そのような不規則な電圧変動によって正確な抵抗値の検出に難点があり、これにより、ヒータの精密な加熱制御が困難である。したがって、ヒータの加熱制御を精密に遂行しながら、エアロゾル生成装置のバッテリの効率性を高めるための方案が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、定電圧を用いる動作モードと定電圧を利用しない動作モードを区分してバッテリ効率性を高めたエアロゾル生成装置を提供することである。本開示が解決しようとする技術的課題は、前述したような技術的課題に限定されず、1つ以上の実施例からさらに他の技術的課題が解決されうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面によれば、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質からエアロゾルを生成するための電力を供給するバッテリと、前記バッテリから提供された供給電圧を定電圧(constant voltage)に変換するコンバータと、前記バッテリの前記供給電圧を用いて前記エアロゾル生成物質を加熱するヒータと、前記コンバータから出力された前記定電圧を用いた前記ヒータの電流流れに基づいて前記ヒータの抵抗値を獲得することで、前記ヒータの抵抗変化を検出する検出回路と、前記定電圧による前記抵抗変化の検出を行うモニタリングモードと前記供給電圧によって前記ヒータを加熱する加熱モードのスイッチングによって前記エアロゾルを生成するための前記ヒータを制御するコントローラとを含む。
【発明の効果】
【0006】
エアロゾル生成装置において精密かつ正確な制御が必要な動作については、定電圧が印加されるように制御し、精密かつ正確な制御が要求されない動作については、定電圧を印加する代わりに、バッテリの供給電圧を印加することで、バッテリの効率性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジと、それを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【
図2】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【
図4】他の実施例に係わるカートリッジを備えたエアロゾル生成装置を説明するための図面である。
【
図5】一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】一実施例によってエアロゾル生成装置でエアロゾルを生成するためにヒータを制御する方法のフローチャートである。
【
図7】一実施例によるエアロゾル生成装置の回路構成を説明するための図面である。
【
図8】一実施例によるモニタリングモードにおけるエアロゾル生成装置の回路構成要素の動作を説明するための図面である。
【
図9】一実施例による加熱モードにおけるエアロゾル生成装置の回路構成要素の動作を説明するための図面である。
【
図10】一実施例によってエアロゾル生成装置がエアロゾルを生成する間、モニタリングモードと加熱モードとの反復的なスイッチングを説明するための図面である。
【
図11】一実施例によってモニタリングモードで検出されたヒータの抵抗変化に基づいて加熱モードでPWM制御のパラメータを変更することを説明するための図面である。
【
図12】一実施例によってエアロゾル生成装置でヒータの加熱を制御する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一側面によれば、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質からエアロゾルを生成するための電力を供給するバッテリと、前記バッテリから提供された供給電圧を所定レベルの定電圧(constant voltage)に変換するコンバータと、前記供給電圧を用いて前記エアロゾル生成物質を加熱するヒータと、前記コンバータから出力された前記定電圧を印加して前記ヒータの抵抗値に対する電流センシングを行うことで、前記ヒータの抵抗変化を検出する検出回路と、前記定電圧を用いた前記ヒータの前記抵抗変化の検出を行うモニタリングモードと前記供給電圧を用いた前記ヒータの加熱を行う加熱モードをスイッチングすることで、前記エアロゾルを生成するための前記ヒータを制御するコントローラとを含む。
【0009】
また、前記コントローラは、前記モニタリングモードで前記定電圧を印加して前記検出された抵抗変化を用いたモニタリングのフィードバックを行うことで、前記加熱モードのために、前記ヒータに供給される前記供給電圧に対するPWM(pulse width modulation)制御を行う。
【0010】
また、前記コントローラは、前記モニタリングモードによる前記フィードバックを通じてターゲット温度範囲で前記エアロゾル生成物質が加熱されるように、前記PWM制御を行う。
【0011】
また、前記コントローラは、前記モニタリングモードで検出された前記ヒータの抵抗変化に基づいて、前記加熱モードにおける前記PWM制御のためのデューティー比(duty ratio)またはデューティーサイクル(duty cycle)を決定する。
【0012】
また、前記コントローラは、前記モニタリングモードで前記ヒータの抵抗値が所定抵抗値より上昇した場合には、前記加熱モードで前記デューティー比または前記デューティーサイクルが減少するように前記PWM制御を遂行し、前記モニタリングモードで前記ヒータの抵抗値が所定抵抗値より減少した場合には、前記加熱モードで前記デューティー比または前記デューティーサイクルが増加するように前記PWM制御を行う。
【0013】
また、前記コントローラは、前記モニタリングモードと前記加熱モードとが交互に繰り返して行われるように前記スイッチングを制御する。
【0014】
また、前記定電圧及び前記供給電圧のうち、いずれか1つが選択的に前記ヒータに供給されるように前記スイッチングを行うスイッチング回路をさらに含み、前記コントローラは、前記モニタリングモード及び前記加熱モードのうち、いずれか1つが選択的に行われるように前記スイッチング回路を制御する。
【0015】
また、前記所定レベルの定電圧は、3.3Vでもある。
【0016】
また、液状の前記エアロゾル生成物質を含む液状保存部(reservoir)を備えたカートリッジをさらに含み、前記カートリッジは、前記エアロゾル生成物質を移送する芯(wick)及び前記芯上に巻き取られた前記ヒータを含む。
【0017】
他の側面によれば、エアロゾル生成装置を制御する方法は、バッテリから提供された供給電圧を所定レベルの定電圧(constant voltage)に変換する段階と、前記定電圧を印加してヒータの抵抗値に対する電流センシングを行うことで前記ヒータの抵抗変化を検出する段階と、モニタリングモードと加熱モードとのスイッチングを制御する段階と、前記加熱モードへのスイッチングに基づいて、エアロゾル生成物質からエアロゾルを生成するために前記バッテリの前記供給電圧を前記ヒータで供給する段階とを含む。
【0018】
また、前記ヒータを制御する段階は、前記モニタリングモードで前記定電圧を印加して前記検出された抵抗変化によるモニタリングのフィードバックを行うことで、前記加熱モードから前記ヒータに供給される前記供給電圧に対するPWM(pulse width modulation)制御を行う。
【0019】
また、前記ヒータを制御する段階は、前記モニタリングモードで検出された前記ヒータの抵抗変化に基づいて、前記加熱モードにおけるPWM制御のためのデューティー比(duty ratio)またはデューティーサイクル(duty cycle)を決定する段階と、前記決定されたデューティー比またはデューティーサイクルに基づいた前記PWM制御を行うことで、前記ヒータを制御する段階とを含む。
【0020】
また、前記デューティー比またはデューティーサイクルを決定する段階は、前記モニタリングモードで前記ヒータの抵抗値が所定抵抗値より上昇したと検出された場合には、前記加熱モードで前記デューティー比または前記デューティーサイクルが減少するように決定し、前記モニタリングモードで前記ヒータの抵抗値が所定抵抗値より減少したと検出された場合には、前記加熱モードで前記デューティー比または前記デューティーサイクルが増加するように決定する。
【0021】
また、前記ヒータの加熱の制御が所定期間行われた場合、前記加熱モードから前記モニタリングモードへの前記スイッチングを制御する段階をさらに含み、前記モニタリングモードと前記加熱モードは、交互に繰り返して行われるようにスイッチングされる。
【0022】
ここで、使用された「少なくとも1つ」のような表現は、構成リストの前に記載された場合、全体構成リスト(list)を修飾し、リストの個別構成を修飾しない。例えば、「a、b及びcのうち少なくとも1つ」という表現は、「a」、「b」、「c」、「aとb」、「aとc」、「bとc」、または「a、b及びc」をいずれも含むと理解されねばならない。
【0023】
あるエレメントが他のエレメントの「上方に(over)」、「上部に(above)」、「上に(on)」、「連結された(connected to)」または「結合された(coupled to)」と指称されたとき、これは、他のエレメントに直接連結されるか、直接結合されるか、または別途の結合されたエレメントまたはレイヤが存在することができる。対照的に、あるエレメントが他のエレメントの「直ぐ上方に(directly over)」、「直ぐ上部に(directly above)」、「直上に(directly on)」、「直接連結された(directly connected)」または「直接結合された(directly coupled to)」と言及されたときには、中間に別途のエレメントが存在しないと理解されねばならない。
【0024】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0025】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0026】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に理解可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態によって具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0027】
図1は、一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジと、それを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【0028】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置5は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジ20と、カートリッジ20を支持する本体10を含む。
【0029】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体10に結合することができる。カートリッジ20の一部分が本体10の収容空間19に挿入されることでカートリッジ20が本体10に挿入されうる。
【0030】
カートリッジ20は、例えば、液体状態や、固体状態や、気体状態や、ゲル(gel)状態などのいずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保有することができる。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0031】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含んでもよい。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれうる。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成される。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンであり、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有することができる。
【0032】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置5の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸または前記群から選択される2以上の酸の混合にもなるが、それらに限定されない。
【0033】
カートリッジ20は、本体10から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することで、カートリッジ20の内部のエアロゾル生成物質の状態(state)または相(phase)を気体の相に変換してエアロゾル(aerosol)を発生させる機能を行う。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気が混合された状態の気体を意味する。
【0034】
例えば、カートリッジ20は、本体10から電気信号を供給されてエアロゾル生成物質を加熱するか、超音波振動方式を用いるか、誘導加熱方式を用いることでエアロゾル生成物質の相を変換することができる。他の例として、カートリッジ20が自体的な電力源を含む場合には、本体10からカートリッジ20に伝達される電気的な制御信号や無線信号によってカートリッジ20が作動することでエアロゾルを発生させうる。
【0035】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を保存する液体保存部21と、液体保存部21のエアロゾル生成物質をエアロゾルで変換する霧化器(atomizer)を含んでもよい。
【0036】
液体保存部21が内部に「エアロゾル生成物質を収容または保存する」ということは、液体保存部21が容器(container)の用途のようにエアロゾル生成物質を入れる機能を行うことと、液体保存部21の内部に、例えばスポンジ(sponge)や綿や布や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を含浸(または含有)する要素を含むことを意味する。
【0037】
霧化器は、例えば、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適の状態に保持する液体伝達手段(wick;芯)と、液体伝達手段を加熱してエアロゾルを発生させるヒータを含んでもよい。
【0038】
液体伝達手段は、例えば、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックの少なくとも1つを含んでもよい。
【0039】
ヒータは、電気抵抗によって熱を発生させることで液体伝達手段に伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するために、銅、ニッケル、タングステンなどの金属素材を含んでもよい。ヒータは、例えば、金属熱線(wire)、金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現され、ニクロム線のような素材を用いて伝導性フィラメントによって具現されるか、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0040】
また、霧化器は、別途の液体伝達手段を使用せず、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適の状態に保持する機能とエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させる機能をいずれも行うメッシュ状(mesh shape)や板状(plate shape)の発熱体によっても具現される。
【0041】
カートリッジ20内のエアロゾル生成物質を外部で視覚的に確認可能なようにカートリッジ20の液体保存部21は、少なくとも一部が透明な素材を含んでもよい。液体保存部21は、本体10に結合するときに、本体10の溝11に挿入されるように液体保存部21から突出する突出窓21aを含む。マウスピース22及び液体保存部21の全体が透明なプラスチックやガラスなどの素材によって作製され、液体保存部21の一部に該当する突出窓21aだけが透明な素材によって作製されうる。
【0042】
本体10は、収容空間19の内側に配置された接続端子10tを含む。本体10の収容空間19にカートリッジ20の液体保存部21が挿入されれば、本体10は、接続端子10tを通じてカートリッジ20に電力を提供するか、カートリッジ20の作動に係わる信号をカートリッジ20に供給することができる。
【0043】
カートリッジ20の液体保存部21の一側端部には、マウスピース22が結合される。マウスピース22は、ユーザの口と接触するエアロゾル生成装置5の部分である。マウスピース22は、液体保存部21内部のエアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出する排出孔22aを含む。
【0044】
本体10には、スライダ7が本体10に対して移動自在に結合される。スライダ7は、本体10に対して移動することで本体10に結合されたカートリッジ20のマウスピース22の少なくとも一部を覆うか、マウスピース22の少なくとも一部を外部に露出させる機能を行う。スライダ7は、カートリッジ20の突出窓21aの少なくとも一部を外部に露出させる長孔7aを含む。
【0045】
スライダ7は、内部が空いており、両側端部が開放された筒状を有する。スライダ7の構造は、図面に示されたように筒状に制限されるものではなく、本体10の縁部に結合された状態を保持しながら、本体10に対して移動可能なクリップ状の断面形状を有する折り曲げられた板構造や、湾曲された円弧状の断面形状を有する折り曲げられた半円筒状などの構造を有することができる。
【0046】
スライダ7は、本体10とカートリッジ20に対するスライダ7の位置を保持するための磁性体を含む。磁性体は、永久磁石や、鉄、ニッケル、コバルト、またはそれらの合金のような素材を含んでもよい。
【0047】
磁性体は、スライダ7の内部空間を介して互いに対向する1つの第1磁性体8aと、スライダ7の内部空間を介して互いに対向する1つの第2磁性体8bを含む。第1磁性体8aと第2磁性体8bは、スライダ7の移動方向、すなわち、本体10が延びる方向である本体10の長手方向に沿って互いに離隔して配置される。
【0048】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bが移動する経路上に配置された固定磁性体9を含む。本体10の固定磁性体9も収容空間19を介して互いに対向するように1つが配置されうる。
【0049】
スライダ7の位置によって、固定磁性体9と第1磁性体8aまたは固定磁性体9と第2磁性体8bとの間で作用する磁力によってスライダ7は、マウスピース22の端部を覆うか、露出させる位置に安定して保持されうる。
【0050】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bの移動する経路上に配置される位置変化感知センサー3を含む。位置変化感知センサー3は、例えば、磁場の変化を感知して信号を発生させるホール効果(hall effect)を用いたホールセンサー(hall IC)を含んでもよい。
【0051】
上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置5において本体10とカートリッジ20とスライダ7は、長手方向を横切る方向での断面形状がほぼ長方形であるが、実施例は、そのようなエアロゾル生成装置5の形状によって制限されない。エアロゾル生成装置5は、例えば、円形や楕円形や正方形やさまざまな形態の多角形の断面形状を有してもよい。また、エアロゾル生成装置5が長手方向に延びるとき、必ずしも直線的に延びる構造によって制限されるものではなく、ユーザが手で把持しやすく、例えば流線形に湾曲されるか、特定領域において既設定の角度によって折り曲げられつつ、長く延長することができる。
【0052】
図2は、
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【0053】
図2では、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジ20のマウスピース22の端部を覆う位置に移動した作動状態が図示された。スライダ7がマウスピース22の端部を覆う位置に移動した状態では、マウスピース22が外部の異物から安全に保護され、清潔な状態に保持されうる。
【0054】
ユーザは、スライダ7の長孔7aを通じてカートリッジ20の突出窓21aを視覚的に確認することで、カートリッジ20が保有するエアロゾル生成物質の残量を確認することができる。ユーザは、エアロゾル生成装置5を使用するために、スライダ7を本体10の長手方向に移動させうる。
【0055】
図3は、
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【0056】
図3では、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジ20のマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した作動状態が図示された。スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した状態で、ユーザが自分の口腔にマウスピース22を挿入してマウスピース22の排出孔22aを通じて排出されるエアロゾルを吸い込むことができる。
【0057】
スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した状態でも、スライダ7の長孔7aを通じてカートリッジ20の突出窓21aが外部に露出されるので、ユーザがカートリッジ20が保有するエアロゾル生成物質の残量を視覚的に確認することができる。
【0058】
図4は、他の実施例に係わるカートリッジを備えたエアロゾル生成装置を説明するための図面である。
【0059】
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置6は、
図1ないし
図3で説明されたエアロゾル生成装置5と異なって、スライダ7が備えられていないタイプである。したがって、エアロゾル生成装置6は、前述したカートリッジ20及び本体10のみの結合によっても具現される。カートリッジ20及び本体10との結合は、カートリッジ20の突出窓21aが本体10に挿入されることを含んでもよい。
【0060】
エアロゾル生成装置6には、スライダ7が備えられていないので、エアロゾル生成装置6は、
図1ないし
図3で説明された固定磁性体9、位置変化感知センサー3のようなホールセンサーに係わる構成を備えない。しかし、エアロゾル生成装置6は、ホールセンサーに係わる構成を除いた他の構成は、同様に備えられてもよい。
【0061】
エアロゾル生成装置6は、パフ(puff)センサーを用いてエアロゾル生成装置6の電源をオン/オフすることができる。パフセンサーは、エアロゾル生成装置6内部の気流を感知することができる。パフセンサーがしきい値を超える気流を感知すれば、ユーザがパフしていると判断され、エアロゾル生成装置6の電源がターンオン(turn on)される。一方、パフセンサーは、特定方向の気流だけ感知するように、予め設定されてもいるが、それに制限されない。
【0062】
すなわち、
図1ないし
図3の実施例で説明されたエアロゾル生成装置5におけるスライダ7を用いて電源のオン/オフを制御する代わりに、エアロゾル生成装置6は、ユーザの吸入行為によるパフセンサーの感知結果としてエアロゾル生成装置6の動作を開始させうる。したがって、別途のユーザ入力信号(例えば、電源ボタンの押し)なしにも、エアロゾル生成装置6の動作が開始されうる。エアロゾル生成装置6の動作が開始されるということは、バッテリからヒータへの電力供給を意味することができる。
【0063】
以下で説明されるエアロゾル生成装置は、
図1ないし
図4で説明された実施例における如何なるエアロゾル生成装置5または6にも該当しうる。
【0064】
図5は、一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0065】
図5を参照すれば、エアロゾル生成装置400は、バッテリ410、ヒータ420、センサー430、ユーザインターフェース440、メモリ450及びコントローラ460を含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置400の内部構造は、
図5に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置400の設計によって、
図5に図示されたハードウェア構成のうち、一部が省略されるか、新たな構成がさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0066】
一方、
図5のエアロゾル生成装置400は、
図1ないし
図3で説明されたエアロゾル生成装置5に該当するか、または
図4で説明されたエアロゾル生成装置6に該当するが、これらに制限されず、他の構造を有するデバイスでもある。
【0067】
一実施例において、エアロゾル生成装置400は、本体のみを含み、その場合、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成は、本体に位置する。他の実施例において、エアロゾル生成装置400は、本体及びカートリッジで構成され、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成は、本体及びカートリッジに分けられて位置する。また、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成のうち、少なくとも一部は、本体及びカートリッジそれぞれに位置することもできる。
【0068】
以下では、エアロゾル生成装置400に含まれた各構成が位置する空間を限定せず、各構成の動作について説明する。
【0069】
バッテリ410は、エアロゾル生成装置400の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ410は、ヒータ420が加熱されるように電力を供給することができる。また、バッテリ410は、エアロゾル生成装置400内に備えられた他のハードウェア構成、すなわち、センサー430、ユーザインターフェース440、メモリ450、及びコントローラ460の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ410は、充電可能なバッテリでも、使い捨てバッテリでもある。例えば、バッテリ410は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、それに制限されない。
【0070】
ヒータ420は、コントローラ460の制御によってバッテリ410から電力を供給される。ヒータ420は、バッテリ410から電力を供給されてエアロゾル生成装置400に挿入されたシガレットを加熱するか、エアロゾル生成装置400に挿入されたカートリッジを加熱することができる。
【0071】
ヒータ420は、エアロゾル生成装置400の本体に位置することができる。または、エアロゾル生成装置400が本体及びカートリッジを含む場合、ヒータ420は、カートリッジに位置することができる。ヒータ420がカートリッジに位置する場合、ヒータ420は、本体及びカートリッジのうち、少なくともいずれか1箇所に位置したバッテリ410から電力を供給されうる。
【0072】
ヒータ420は、任意の適した電気抵抗性物質で形成されうる。例えば、適した電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。また、ヒータ420は、金属熱線(wire)、導電性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現されるが、それらに制限されない。
【0073】
一実施例において、ヒータ420は、カートリッジに含まれた構成でもある。カートリッジは、ヒータ420、液体伝達手段及び液体保存部を含んでもよい。液体保存部に収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段に伝達され、ヒータ420は、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。例えば、ヒータ420は、ニッケルクロムのような素材を含み、液体伝達手段に巻かれるか(巻き取られるか)、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0074】
他の実施例において、ヒータ420は、エアロゾル生成装置400の収容空間に挿入されたシガレットを加熱することができる。エアロゾル生成装置400の収容空間にシガレットが挿入されることにより、ヒータ420は、シガレットの内部及び/または外部に位置することができる。これにより、ヒータ420は、シガレット内のエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。
【0075】
また、ヒータ420は、誘導加熱式ヒータでもある。ヒータ420は、シガレットまたはカートリッジを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットまたはカートリッジには、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタが含まれる。
【0076】
エアロゾル生成装置400は、少なくとも1つのセンサー430を含んでもよい。少なくとも1つのセンサー430によって獲得されたセンシング結果は、コントローラ460に伝達され、センシング結果によってコントローラ460は、ヒータの動作制御(例えば、PWM(pulse width modulation)のデューティー比(duty ratio)またはデューティーサイクル(duty cycle)の制御)、喫煙の制限、シガレット(または、カートリッジ)挿入有/無の判断、お知らせ表示のような多様な機能が行われるように、エアロゾル生成装置400を制御することができる。例えば、コントローラ460は、パフセンサーによるセンシング結果に基づいてエアロゾルの生成を制御することができる。
【0077】
例えば、少なくとも1つのセンサー430は、パフセンサーを含んでもよい。パフセンサーは、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のうち、いずれか1つに基づいてユーザのパフを感知することができる。
【0078】
また、少なくとも1つのセンサー430は、温度感知センサーを含んでもよい。温度感知センサーは、ヒータ420(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知することができる。エアロゾル生成装置400は、ヒータ420の温度を感知する別途の温度感知センサーを含むか、別途の温度感知センサーを含む代わりに、ヒータ420自体が温度感知センサーの役割を行うことができる。または、ヒータ420が温度感知センサーの役割を行うと共に、エアロゾル生成装置400に別途の温度感知センサーがさらに含まれる。
【0079】
また、少なくとも1つのセンサー430は、位置変化感知センサーを含んでもよい。位置変化感知センサーは、本体に対して移動自在に結合されたスライダの位置変化を感知することができる。
【0080】
ユーザインターフェース440は、ユーザにエアロゾル生成装置400の状態に係わる情報を提供することができる。ユーザインターフェース440は、視覚情報を出力するディスプレイまたは、ランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェース(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI、WI-FI Direct、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near-Field Communication)など)を行うための通信インターフェースなどの多様なインターフェースを含んでもよい。
【0081】
但し、エアロゾル生成装置400には、上の例示された多様なユーザインターフェースのうち、一部のみ取捨選択されて具現されうる。
【0082】
メモリ450は、エアロゾル生成装置400内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリ450は、コントローラ460で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ450は、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によっても具現される。
【0083】
メモリ450には、エアロゾル生成装置400の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、少なくとも1つの電力プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0084】
コントローラ460は、エアロゾル生成装置400の全般的な動作を制御するハードウェアである。コントローラ460は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、マイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサによって実行されうるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されることを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0085】
コントローラ460は、少なくとも1つのセンサー430によるセンシング結果を分析し、それぞれの動作を制御することができる。
【0086】
コントローラ460は、少なくとも1つのセンサー430によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ420の動作が開始または終了するようにヒータ420に供給される電力を制御することができる。また、コントローラ460は、少なくとも1つのセンサー430によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ420が所定の温度まで加熱されるか、適切な温度を保持するように、ヒータ420に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0087】
コントローラ460は、少なくとも1つのセンサー430によってセンシングされた結果に基づいて、ユーザインターフェース440を制御することができる。例えば、パフ感知センサーを用いたパフ回数のカウントに基づいてパフ回数が既設定の値に到逹すれば、コントローラ460は、ランプ、モータ及びスピーカのうち、少なくともいずれか1つを用いてユーザにエアロゾル生成装置400がすぐ終了することを通知することができる。
【0088】
一方、
図5には、図示されていないが、エアロゾル生成装置400と別途のクレードルは、エアロゾル生成システムを構成することもできる。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置400のバッテリ410を充電するのに用いられる。例えば、エアロゾル生成装置400は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給されてエアロゾル生成装置400のバッテリ410を充電することができる。
【0089】
図6は、一実施例によってエアロゾル生成装置でエアロゾルを生成するためのヒータを制御する方法のフローチャートである。
【0090】
図6を参照すれば、エアロゾル生成装置400でのヒータを制御する方法は、前述したエアロゾル生成装置400で時系列的に処理される段階で構成される。以下で省略された内容であっても前述した図面のエアロゾル生成装置400について記述された内容は、
図6の方法にも適用されうる。
【0091】
601段階で、エアロゾル生成装置400は、エアロゾルの生成を開始するために、電源オン(ON)状態に進入する。エアロゾル生成装置400は、ユーザがスライダ(
図1の7)を操作することで電源オン(ON)状態に切り換えられるか、パフセンサーを通じてユーザパフを検出することで電源オン(ON)状態に切り換えられる。それ以外にも、エアロゾル生成装置400は、別途のスイッチ、ボタンなどが備えられた場合には、ユーザがスイッチ、ボタンなどを操作することで電源オン(ON)状態に切り換えられるか、またはエアロゾル生成装置400に支援される多様な手段によっても電源オン(ON)状態に切り換えられる。
【0092】
602段階で、エアロゾル生成装置400のコントローラ460は、バッテリ410の供給電圧をチェックする。この際、コントローラ460は、バッテリ410の残っている充電量に基づいてバッテリ410から供給電圧及び供給電力のレベルをチェックすることができる。
【0093】
コントローラ460は、ヒータ420のPWM制御のためのデューティー比を決定するために供給電圧をチェックする。例えば、チェックされた供給電圧が4.3Vである場合、コントローラ460は、ヒータ420に3.8Vのバッテリ供給電圧を印加するために、PWMのデューティー比を88%に決定することができる。しかし、バッテリ410の充電量が低くなり、チェックされた供給電圧が3.8Vである場合、コントローラ460は、ヒータ420に3.8Vのバッテリ供給電圧を印加するために、PWMのデューティー比を100%に決定することができる。
【0094】
603段階で、コントローラ460は、現在動作モードを加熱モードにするか、またはモニタリングモードにするかを判断する。現在動作モードが加熱モードであると決定された場合、606段階に進み、現在動作モードがモニタリングモードであると決定された場合、604段階に進む。
【0095】
加熱モードは、バッテリ410の供給電圧によるヒータ420の加熱を行うモードであり、モニタリングモードは、バッテリ410の供給電圧からDC/DC変換された定電圧によるヒータ420の抵抗変化の検出を行うモードである。コントローラ460は、モニタリングモードと加熱モードが交互に繰り返して行われるように動作モードをスイッチングすることができる。
【0096】
コントローラ460は、定電圧を用いる動作モード(すなわち、モニタリングモード)と定電圧を利用しない動作モード(すなわち、加熱モード)を区分して決定する。もし、エアロゾル生成装置400がヒータ420の加熱、温度/抵抗モニタリングなどの動作をバッテリ410の供給電圧(例えば、4.3V)からDC/DC変換された所定レベルの定電圧(例えば、3.3V)のみを用いて制御する場合、バッテリ410の供給電圧と定電圧との差ほどの電圧(例えば、1V)が使用できなくなり、バッテリ410の供給電圧(例えば、4.3V)の効率的な活用が困難にもなる。したがって、コントローラ460は、精密かつ正確な電力制御が必要な動作については、定電圧が印加されるように制御し、そうではない動作については、バッテリ410の供給電圧がそのまま印加されるように制御することで、バッテリ410の効率性が高くなりうる。
【0097】
604段階で、現在動作モードがモニタリングモードであると決定された場合、コントローラ460は、所定レベルの定電圧を用いてヒータ420の抵抗変化を検出する。ここで、所定レベルの定電圧は、3.3Vでもあるが、それに制限されず、他のレベルの電圧値でもある。
【0098】
コントローラ460は、ヒータ420に直列または並列連結された抵抗素子に定電圧を印加した後、抵抗素子に流れる電流をセンシングすることで、ヒータ420の抵抗変化を検出することができる。
【0099】
605段階で、コントローラ460は、検出された抵抗変化に基づいて、ヒータ420のPWM制御のパラメータ(例えば、デューティー比、デューティーサイクル、加熱時間など)を決定する。すなわち、コントローラ460は、現在モニタリングモードで検出されたヒータ420の抵抗変化に基づいて、次の加熱モードにおけるPWM制御のためのデューティー比またはデューティーサイクルを決定することができる。
【0100】
ヒータ420の抵抗値が増加したと検出された場合、ヒータ420の温度も増加したと判断される。ヒータ420の抵抗値が減少したと検出された場合、ヒータ420の温度も減少したと判断される。したがって、コントローラ460は、予め決定されたターゲット温度範囲内でヒータ420の加熱温度が制御されるように、現在モニタリングモードでヒータ420の抵抗値が所定抵抗値よりも上昇した場合には、次の加熱モードでデューティー比またはデューティーサイクルが減少するようにPWM制御を遂行し、現在モニタリングモードでヒータの抵抗値が所定抵抗値よりも減少した場合には、次の加熱モードでデューティー比またはデューティーサイクルが増加するようにPWM制御を行う。
【0101】
605段階が完了した場合、コントローラ460は、さらに603段階を行う。この際、コントローラ460は、モニタリングモードを通じて決定されたPWM制御のデューティー比またはデューティーサイクルに基づいて次の加熱モードが行われるように、現在動作モードを加熱モードに決定することができる。
【0102】
606段階で、現在動作モードが加熱モードであると決定された場合、コントローラ460は、バッテリ410から提供された供給電圧を用いてエアロゾル生成物質を加熱するようにヒータ420を制御する。この際、コントローラ460は、モニタリングモードで定電圧の印加を通じて検出された抵抗変化によるモニタリングのフィードバックに基づいて、ヒータ420で提供される供給電圧のPWM制御を行うことができる。
【0103】
607段階で、コントローラ460は、エアロゾル生成を終了するか否かを判断する。例えば、ユーザによって所定回数のパフが行われたか、電源オン(ON)状態から所定時間が経過したか、または電源オフ(OFF)命令のユーザ入力が受信されたかなどに基づいて、コントローラ460は、エアロゾル生成を終了するか、すなわち、電源オフ(OFF)状態に切り換えるかを判断することができる。エアロゾル生成を終了すると判断された場合、方法は終了する。しかし、まだエアロゾル生成を続けていると判断された場合(例えば、パフ可能回数が残っているか、または所定時間が経過されていない場合)、再び603段階に戻る(return)。
【0104】
また、603段階が行われる場合、コントローラ460は、加熱モードによるヒータの抵抗変化を検出するために、現在動作モードをモニタリングモードに決定することができる。
【0105】
すなわち、コントローラ460は、エアロゾル生成の終了前まで、定電圧による抵抗変化の検出を行うモニタリングモードとバッテリ410の供給電圧によるヒータ420の加熱を行う加熱モードのスイッチングを制御することで、エアロゾルを生成するためのヒータ420の加熱を制御する。
【0106】
図7は、一実施例によるエアロゾル生成装置の回路構成を説明するための図面である。
図7の回路構成は、エアロゾル生成装置(
図5の400)内の回路構成に該当する。
【0107】
図7を参照すれば、コンバータ710(例えば、DC/DC変換(直流/直流変換))は、バッテリ(
図5の410)から提供された供給電圧VBATを所定レベルの定電圧VDCDCに変換し、定電圧VDCDCを出力する。
【0108】
スイッチング回路720は、バッテリ410の供給電圧VBATと定電圧VDCDCのうち、いずれか1つが選択的に回路に提供されるようにスイッチングする。具体的に、スイッチング回路720の供給電圧VBATと定電圧VDCDCとのスイッチングは、コントローラ460から提供されたイネーブル信号ENによって制御されうる。コントローラ460は、現在動作モードが加熱モードである場合、ヒータ420にバッテリ410の供給電圧VBATが印加されるためのイネーブル信号ENをスイッチング回路720に伝送することができる。または、コントローラ460は、現在動作モードがモニタリングモードである場合、検出回路730に定電圧VDCDCが印加されるためのイネーブル信号ENをスイッチング回路720に伝送することができる。すなわち、コントローラ460は、スイッチング回路720を制御することで、モニタリングモード及び加熱モードのうち、いずれか1つが選択的に行われるように制御することができる。
【0109】
ヒータ420は、加熱モードでエアロゾル生成物質からエアロゾルを生成するために、バッテリ410から提供された供給電圧VBATを用いてエアロゾル生成物質を加熱する。コントローラ460は、加熱モードのためにヒータ420に提供される供給電圧VBATのPWM制御を行う。この際、コントローラ460は、以前モニタリングモードで定電圧VDCDCの印加を通じて検出された抵抗変化を用いたモニタリングのフィードバックを行うことで、ヒータ420に提供される供給電圧VBATのPWM制御を行うことができる。
【0110】
ヒータ420の一端には、スイッチング回路720が連結され、ヒータ420の他端には、検出回路730が連結されうる。
【0111】
検出回路730は、抵抗素子R 731及び増幅器(OP-AMP)732を含む回路である。現在動作モードがモニタリングモードである場合、ヒータ420に直列に連結された検出回路730の抵抗素子R 731には、定電圧VDCDCが印加される。これにより、検出回路730は、抵抗素子R 731に流れる電流のセンシングを行うことで、ヒータ420の抵抗変化を検出することができる。具体的に、検出回路730は増幅器(OP-AMP)732を通じて抵抗素子R 731に流れる電流値を増幅し、増幅された電流値に対してアナログ-デジタル変換(ADC, analog-digital convert)を遂行してコントローラ460に出力する。コントローラ460は、検出回路730から受信された電流センシングの結果に基づいて、ヒータ420の抵抗値を算出することでヒータ420の抵抗変化を検出することができる。
【0112】
一方、ヒータ420の抵抗値とヒータ420の温度との相関関係は、予め定義され、ルックアップテーブル(LUT)としてメモリ(
図5の450)に保存されてもいる。これにより、コントローラ460は、ルックアップテーブルに基づいて、モニタリングモードで検出回路730によって検出されたヒータ420の抵抗値にマッピングされた温度値を獲得することで、ヒータ420の現在温度を推定することができる。
【0113】
図8は、一実施例によってモニタリングモードにおいてエアロゾル生成装置の回路構成要素の動作を説明するための図面である。
【0114】
図8を参照すれば、コントローラ(
図7の460)は、モニタリングモードによって、定電圧VDCDCをスイッチング回路720に印加させるためのイネーブル信号ENを生成する。スイッチング回路720は、イネーブル信号ENによって定電圧VDCDCの印加をスイッチングする。
【0115】
提供された定電圧VDCDCが検出回路730の抵抗素子R 731に印加されることで電流センシングが行われ、検出回路730の増幅器732は、抵抗素子R 731からセンシングされた電流値を増幅してコントローラ460に出力する。
【0116】
コントローラ460は、モニタリングモードによって印加された定電圧VDCDCによってセンシングされた抵抗素子R 731の抵抗値に基づいて、抵抗素子R 731に連結されたヒータ420の抵抗変化を検出することができる。
【0117】
図9は、一実施例による加熱モードにおけるエアロゾル生成装置の回路構成要素の動作を説明するための図面である。
【0118】
図9を参照すれば、コントローラ(
図7の460)は、加熱モードによって、バッテリ(
図5の410)の供給電圧VBATをスイッチング回路720に印加させるためのイネーブル信号ENを生成する。スイッチング回路720は、イネーブル信号ENによって供給電圧VBATの印加をスイッチングする。
【0119】
ヒータ420は、加熱モードでエアロゾル生成物質からエアロゾルを生成するために、供給電圧VBATを用いてエアロゾル生成物質を加熱する。
【0120】
コントローラ460は、加熱モードのためにヒータ420に提供される供給電圧VBATのPWM制御を行う。この際、コントローラ460は、モニタリングモードで定電圧VDCDCの印加を通じて検出された抵抗変化のフィードバックに基づいて、PWM制御のパラメータ(例えば、デューティー比、デューティーサイクル、加熱時間など)を決定し、決定されたPWMパラメータによってヒータ420に提供される供給電圧VBATのPWM制御を行うことができる。
【0121】
一方、コントローラ460は、エアロゾル生成装置(
図5の400)の電源オン(ON)状態でエアロゾルを生成する間、モニタリングモード(
図8)と加熱モード(
図9)が交互に繰り返して行われるようにスイッチングを制御する。モニタリングモードで定電圧VDCDCを用いて検出されたヒータ420の抵抗変化は、コントローラ460にフィードバックされ、加熱モードでコントローラ460は、フィードバック結果に基づいてヒータ420に提供される供給電圧VBATのPWM制御を行うことで、ターゲット温度範囲内でエアロゾル生成物質が加熱されるように制御する。
【0122】
図10は、一実施例によってエアロゾル生成装置がエアロゾルを生成する間、モニタリングモードと加熱モードとの反復的なスイッチングを説明するための図面である。
【0123】
図10を参照すれば、エアロゾル生成装置(
図5の400)の電源オン(ON)状態でエアロゾルの生成が開始されれば、コントローラ(
図5の460)は、モニタリングモードと加熱モードとを反復的にスイッチングする。
【0124】
コントローラ460の制御によって、加熱モードの期間(例えば、200ms)の間、供給電圧VBATによってヒータ(
図5の420)が加熱され、その後のモニタリングモードの期間(例えば、20ms)間、定電圧VDCDCによってヒータ420の抵抗変化が検出される。コントローラ460は、検出されたヒータ420の抵抗変化に基づいて、次の加熱モードにおけるPWM制御のためのパラメータ(例えば、デューティー比など)を決定する。コントローラ460の制御によって、次の加熱モードの期間(例えば、200ms)の間、供給電圧が加熱モードである場合によってヒータ420が再び加熱され、その次のモニタリングモードの期間(例えば、20ms)の間、定電圧VDCDCによってヒータ420の抵抗変化が検出される。モニタリングによるフィードバックとフィードバックによる加熱制御を反復する、そのようなプロセスを通じてターゲット温度範囲内にヒータ420の温度が保持された状態でエアロゾル生成物質が加熱されることで、ユーザの喫煙感を増大させうる。そのようなプロセスは、エアロゾル生成装置400でエアロゾルの生成が終了するまで繰り返される。一方、図面で説明された電圧、時間などの数値は、例示に過ぎず、それに制限されず、他の多様な数値が適用されうる。
【0125】
図11は、一実施例によってモニタリングモードで検出されたヒータの抵抗変化に基づいて、加熱モードでPWM制御のパラメータを変更することを説明するための図面である。
【0126】
図11を参照すれば、ヒータ(
図5の420)の抵抗が1.5Ωであるケース1110のPWMデューティー比、ヒータ420の抵抗が1.7Ωであるケース1120のPWMデューティー比及びヒータ420の抵抗が1.8Ωであるケース1120のPWMデューティー比が図示されている。
【0127】
例えば、
図11では、ターゲット温度範囲を保持させるためのヒータ420のレファレンス抵抗が1.7Ωであると仮定して説明する。但し、これは、例示に過ぎず、本実施例は、それに制限されない。
【0128】
モニタリングモードでヒータ420の抵抗が1.7Ωから1.5Ωに減少したと検出された場合、コントローラ(
図5の460)は、PWMのデューティー比が増加するように制御することができる。すなわち、コントローラ460は、ヒータ420にさらに多くの供給電圧VBATが供給されるように制御することができる。
【0129】
モニタリングモードでヒータ420の抵抗が1.7Ωから1.8Ωに増加したと検出された場合、コントローラ460は、PWMのデューティー比が減少されるように、またはPWM制御がさらに短い時間だけ行われるように制御することができる。すなわち、コントローラ460は、ヒータ420にさらに少ないエネルギーVBATが供給されるように制御することができる。
【0130】
このように、モニタリングモードで検出されたヒータ420の抵抗変化のフィードバックに基づいて、加熱モードで行われるPWM制御のパラメータを決定することで、ヒータ420は、ターゲット温度範囲内でエアロゾル生成物質の加熱を行うことができる。
【0131】
一方、コントローラ460は、比較的精密かつ正確な電力制御が必要なモニタリング動作に対しては、定電圧VDCDCが印加されるように制御し、比較的そうではない加熱動作については、バッテリ410の供給電圧VBATがそのまま印加されるように制御することで、バッテリ410の電圧が効率的に使用されうる。
【0132】
図12は、一実施例によってエアロゾル生成装置でヒータの加熱を制御する方法のフローチャートである。
【0133】
図12を参照すれば、エアロゾル生成装置(
図5の400)でのヒータの加熱制御方法は、前述したエアロゾル生成装置400で時系列的に処理される段階によって構成される。したがって、以下で省略された内容であっても、前述した図面のエアロゾル生成装置400について記述された内容は、
図12の方法にも適用されうる。
【0134】
1201段階で、エアロゾル生成装置400のコンバータ710は、バッテリ410から提供された供給電圧を所定レベルの定電圧(または、所定の定電圧)に変換する。
【0135】
1202段階で、検出回路730は、モニタリングモードによって、定電圧を印加してヒータ420の抵抗値に対する電流センシングを行うことで、ヒータ420の抵抗変化を検出する。
【0136】
1203段階で、コントローラ460は、モニタリングモードから加熱モードへのスイッチングを制御する。
【0137】
1204段階で、コントローラ460は、加熱モードによって、バッテリ410の供給電圧をヒータ420に提供することで、エアロゾル生成物質からエアロゾルを生成するためのヒータ420を制御する。
【0138】
図5の制御部460のように、図面でブロックで表現される構成要素、エレメント、モジュールまたはユニット(この段落で総称して「構成要素」)のうち、少なくとも1つは、前述した例示的な実施例によってそれぞれの機能を行う多様な個数のハードウェア、ソフトウェア、及び/またはファームウェア構造として具現されうる。例えば、これらコンポネントのうち、少なくとも1つは、メモリ、プロセッサ、論理回路、ルックアップテーブルのような1つ以上のマイクロプロセッサの制御を通じてそれぞれの機能を行う直接回路構造または他の制御装置を使用することができる。また、これら構成要素のうち、少なくとも1つは、モジュール、プログラムまたはコードの一部によって具体的に具現され、これは、特定論理機能を行うための1つ以上の実行可能な命令を含み、1つ以上のマイクロプロセッサ、または他の制御装置によって実行される。また、これら構成要素のうち、少なくとも1つは、それぞれの機能を行う中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサなどのプロセッサを含むか、これによっても具現される。これら構成要素のうち、2以上は、1以上の単一構成要素に結合され、単一構成要素は、結合された2以上の構成要素の全動作または機能を行うことができる。また、これら構成要素のうち、少なくとも1つの機能のうち、一部は、他の構成要素によって行われうる。また、バス(bus)は、前記ブロック図に図示されていないが、構成要素間の通信は、バスを通じて行われうる。前記例示的な実施例の機能的な側面は、1つ以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムで具現されうる。また、ブロック、またはプロセッシング段階で表現された構成要素は、電子構成、信号処理及び/または制御、データ処理などのための任意の数の関連技術を採用することができる。
【0139】
一方、上述した方法は、コンピュータで実行されるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読取り可能な記録媒体を用いて前記プログラムを動作させるコンピュータで具現されうる。また、上述した方法で使用されたデータの構造は、コンピュータで読取り可能な非一時的(non-transitory)記録媒体に複数の手段を通じて記録されうる。前記コンピュータで読取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM、USB、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD-ROM、DVDなど)のような記録媒体を含む。
【0140】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、本開示から外れない範囲で変形された形態によって具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、1以上の実施例は、本開示の範囲を限定する目的ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本開示の範囲は、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある如何なる変形、代替、改善または等価物は、本開示に含まれると解釈されねばならない。