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特許7352642エアロゾル生成装置及びそれを制御する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置及びそれを制御する方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20230921BHJP
   A24F 40/44 20200101ALI20230921BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20230921BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/44
A24F40/46
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021549722
(86)(22)【出願日】2021-04-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(86)【国際出願番号】 KR2021004570
(87)【国際公開番号】W WO2021210866
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2021-08-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0044779
(32)【優先日】2020-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン キョン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ピョン ソン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン キョ
(72)【発明者】
【氏名】イ、チョン ソプ
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/239548(WO,A1)
【文献】特表2019-509727(JP,A)
【文献】特表2018-526983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物質を収容するカートリッジと、
プロセッサと、
前記カートリッジ及び前記プロセッサと連結された電子回路と、を含み、
前記プロセッサは、前記電子回路に含まれた固定抵抗を用いて前記エアロゾル生成物質の残量を検出し、
前記プロセッサは、前記固定抵抗を経由する電圧値に基づいて前記残量を検出し、
前記固定抵抗は、前記カートリッジに含まれたヒータの温度に対して独立し、
前記プロセッサは、前記カートリッジと前記電子回路とを互いに連結する複数の端子を通じて前記固定抵抗を経由する電圧値を測定し、前記測定された電圧値に対応する残量が保存されたルックアップテーブルを参照して、前記残量を検出する、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記電子回路は、ヒータに供給される電力を制御する第1信号を伝送する第1端子及び前記固定抵抗に供給される電力を制御する第2信号を伝送する第2端子を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記第1信号は、パルス幅変調(PWM)信号である、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記第2信号は、PWM信号である、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記固定抵抗の抵抗値は、5Ω以下である、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記カートリッジ内に前記エアロゾル生成物質が消尽された場合、お知らせ信号を生成する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記カートリッジは、
前記エアロゾル生成物質を気化するヒータと、
前記エアロゾル生成物質を前記ヒータに移送する液体伝達手段と、を含み、
前記ヒータは、前記液体伝達手段の外周面に巻き取られる、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
エアロゾル生成物質を収容するカートリッジに連結された電子回路にパルス幅変調(PWM)信号を伝達する段階と、
前記電子回路に含まれた固定抵抗を経由する電圧値を獲得する段階と、
前記獲得された電圧値に基づいて前記エアロゾル生成物質の残量を検出する段階と、を含み、
前記固定抵抗は、前記カートリッジに含まれたヒータの温度に対して独立し、
前記カートリッジと前記電子回路とを互いに連結する複数の端子を通じて前記固定抵抗を経由する電圧値を測定し、前記測定された電圧値に対応する残量が保存されたルックアップテーブルを参照して、前記残量を検出する、エアロゾル生成装置を制御する方法。
【請求項9】
前記カートリッジ内に前記エアロゾル生成物質が消尽された場合、お知らせ信号を生成する段階をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータで読取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置及びそれを制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、伝統的な燃焼型シガレットの代案に対する需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させず、シガレットに含まれたエアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを発生させるエアロゾル生成装置に対する需要が増加している。これにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、エアロゾル生成物質の残量をさらに正確に検出することができるエアロゾル生成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した技術的課題を達成するための技術的手段として、一態様によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を収容するカートリッジ、プロセッサ及び前記カートリッジ及びプロセッサと連結された電子回路を含み、前記プロセッサは、前記電子回路に含まれた固定抵抗を用いて前記エアロゾル生成物質の残量を検出する。
【0005】
他の態様によるエアロゾル生成装置を制御する方法は、カートリッジに連結された電子回路にパルス幅変調制御信号を伝達する段階、前記電子回路に含まれた固定抵抗を経由する電圧を獲得する段階、及び前記獲得された電圧に基づいて前記カートリッジに収容されたエアロゾル生成物質の残量を検出する段階を含む。
【0006】
さらに他の態様によるコンピュータで読取り可能な記録媒体は、上述した方法をコンピュータで実行させるための方法を記録した記録媒体を含む。
【発明の効果】
【0007】
エアロゾル生成装置は、温度によって抵抗が変わらない内部の固定抵抗を用いてエアロゾル生成物質の残量を検出する。したがって、エアロゾル生成物質の消耗を伴わない外部の要因によってエアロゾル生成装置に含まれたヒータの温度が変動されても、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質の残量を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施例によるカートリッジとエアロゾル生成装置との結合関係の一例を概略的に示す分解斜視図である。
図2図1に図示されたエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
図3図1に図示されたエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
図4A】一実施例によるカートリッジの一例を示す図面である。
図4B】一実施例によるカートリッジの一例を示す図面である。
図5】一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェアの一例を示すブロック図である。
図6】一実施例によるエアロゾル生成装置の一例を示すブロック図である。
図7】一実施例による電子回路の一例を説明するための図面である。
図8】一実施例による電子回路の他の例を説明するための図面である。
図9】一実施例によるエアロゾル生成装置を制御する方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上述した技術的課題を達成するための技術的手段として、一態様によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を収容するカートリッジ;プロセッサ;及び前記カートリッジ及びプロセッサと連結された電子回路;を含み、前記プロセッサは、前記電子回路に含まれた固定抵抗を用いて前記エアロゾル生成物質の残量を検出することができる。
【0010】
また、前記プロセッサは、前記固定抵抗を経由する電圧値に基づいて前記残量を検出することができる。
【0011】
また、前記固定抵抗は、前記カートリッジに含まれたヒータの温度に対して独立してもいる。
【0012】
また、前記電子回路は、ヒータに供給される電力を制御する第1信号を伝送する第1端子及び前記固定抵抗に供給される電力を制御する第2信号を伝送する第2端子を含んでもよい。
【0013】
また、前記第1信号は、パルス幅変調(PWM)信号でもある。また、前記第2信号は、PWM信号でもある。また、前記固定抵抗の抵抗値は、5Ω以下でもある。
【0014】
また、前記プロセッサは、前記カートリッジ内に前記エアロゾル生成物質が消尽された場合、お知らせ信号を生成する。
【0015】
また、前記カートリッジは、前記エアロゾル生成物質を気化するヒータ及び前記エアロゾル生成物質を前記ヒータに移送する液体伝達手段を含み、前記ヒータは、前記液体伝達手段の外周面に巻き取られる。
【0016】
他の態様によるエアロゾル生成装置を制御する方法は、エアロゾル生成物質を収容するカートリッジに連結された電子回路にパルス幅変調(PWM)信号を伝達する段階、前記電子回路に含まれた固定抵抗を経由する電圧値を獲得する段階及び前記獲得された電圧値に基づいて前記エアロゾル生成物質の残量を検出する段階を含んでもよい。
【0017】
また、前記固定抵抗は、前記エアロゾル生成装置に含まれたヒータの温度に対して独立してもいる。
【0018】
また、前記カートリッジ内において前記エアロゾル生成物質が消尽された場合、お知らせ信号を生成する段階をさらに含んでもよい。
【0019】
さらに他の態様によるコンピュータで読取り可能な記録媒体は、他の側面によるエアロゾル生成装置を制御する方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録することができる。
【0020】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態によって具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0021】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0022】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。
【0023】
ここで使用された「少なくとも1つ」のような表現は、全体構成リストを修飾し、リストの個別構成を修飾しない。例えば、「a、b及びcのうち少なくとも1つ」という表現は、「a」、「b」、「c」、「aとb」、「aとc」、「bとc」、または「a、b及びc」をいずれも含むと理解されねばならない。
【0024】
ある構成要素またはあるレイヤが他の構成要素または、他のレイヤの「上部に」、「上に」、「連結された」または「結合された」と称されるとき、これは、他の構成要素または、他のレイヤに直接連結されるか、直接結合されるか、または別途の結合された構成要素またはレイヤが存在してもよい。対照的に、どんな構成要素が他の構成要素またはレイヤの「直ぐ上に」、「直上に」、「直接連結された」または「直接結合された」と言及されたときには、中間に別途の構成要素が存在していないと理解されねばならない。同じ参照番号は、全体として同じ要素を表す。
【0025】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態によって具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0026】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」のように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに使用することができるが、構成要素は用語によって限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけで使用される。
【0027】
「エアロゾル生成物品」という用語は、エアロゾル生成物品を吸引する人が喫煙可能なように設計された任意の物品を称する。エアロゾル生成物品は、燃焼させずに加熱されるとき、エアロゾルを生成するエアロゾル生成物質を含んでもよい。例えば、1つ以上のエアロゾル生成物品は、エアロゾル生成装置に収容され、エアロゾル生成装置によって加熱されるとき、エアロゾルを生成することができる。エアロゾル生成物品の形態、大きさ、材料及び構造は、実施例によっても異なる。一例示として、エアロゾル生成物品は、シガレット形状の基材及びカートリッジを含んでもよいが、それに制限されない。以下、用語「シガレット(すなわち、「一般的な」または「燃焼型」のような修飾語なしに単独使用される場合)」は、伝統的な燃焼型シガレットと類似した形状を有するエアロゾル生成物品を称する。
【0028】
以下、図面を参照して実施例を詳細に説明する。
【0029】
図1は、一実施例によるカートリッジとエアロゾル生成装置の結合関係の一例を概略的に示す分解斜視図である。
【0030】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置1は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジ20と、カートリッジ20を支持する本体10と、を含む。
【0031】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体10に結合することができる。カートリッジ20の一部が本体10の収容空間19に挿入されることでカートリッジ20が本体10に装着されうる。
【0032】
カートリッジ20は、例えば、液体状態や、固体状態や、気体状態や、ゲル(gel)状態のうち、いずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保有することができる。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0033】
液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のうち、いずれか1つの成分や、これら成分の混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0034】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含んでもよい。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれうる。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成されうる。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンであって、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有することができる。
【0035】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置1の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸または前記群から選択される2以上の酸の混合にもなるが、それらに限定されない。
【0036】
カートリッジ20は、本体10から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することで、カートリッジ20の内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気相に変換してエアロゾルを発生させる機能を行う。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気とが混合された状態の気体を意味する。
【0037】
例えば、カートリッジ20は、本体10から電気信号を供給されてエアロゾル生成物質を加熱するか、超音波振動方式を用いるか、誘導加熱方式を用いることで、エアロゾル生成物質の相を変換させうる。他の例として、カートリッジ20が自体の電力源を含む場合には、本体10からカートリッジ20に伝達される電気的な制御信号や無線信号によってカートリッジ20が作動することでエアロゾルを発生させうる。
【0038】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容する液体保存部21と、液体保存部21のエアロゾル生成物質をエアロゾルに変換する機能を行う霧化器(atomizer)を含んでもよい。
【0039】
液体保存部21が内部に「エアロゾル生成物質を収容する」ということは、液体保存部21が容器(container)の用途のようにエアロゾル生成物質を単に入れる機能を行うことと、液体保存部21の内部に、例えば、スポンジや綿や布や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を含浸(含有)する要素を含むことと、を意味する。
【0040】
霧化器は、例えば、エアロゾル生成物質を吸収し、エアロゾルに変換するための最適の状態に保持する液体伝達手段(例えば、wick;芯)と、液体伝達手段を加熱してエアロゾルを発生させるヒータと、を含んでもよい。
【0041】
液体伝達手段は、例えば、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックの少なくとも1つを含んでもよい。
【0042】
ヒータは、電気抵抗によって熱を発生させることで、液体伝達手段に伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するために、銅、ニッケル、タングステンなどの金属素材を含んでもよい。ヒータは、例えば、金属熱線(wire)、金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによっても具現される。また、ヒータは、ニクロム線のような素材を用いる伝導性フィラメントによって具現されるか、液体伝達手段に巻き取られるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0043】
また、霧化器は、エアロゾル生成物質を吸収し、エアロゾルに変換するための最適の状態に保持し、エアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させるメッシュ状や板状の発熱体によっても具現される。その場合、別途の液体伝達要素が必要ない。
【0044】
カートリッジ20の内部に収容されたエアロゾル生成物質を、外部から視認可能にカートリッジ20の液体保存部21は、少なくとも一部が透明な部分を含んでもよい。液体保存部21は、本体10に結合するとき、本体10の溝11に挿入されるように液体保存部21から突出する突出窓21aを含んでもよい。マウスピース22及び/または液体保存部21の全体が透明なプラスチックやガラスなどの素材によっても作製される。または、突出窓21aだけ透明な素材によって作製されうる。
【0045】
本体10は、収容空間19の内側に配置された接続端子10tを含む。本体10の収容空間19にカートリッジ20の液体保存部21が挿入されれば、本体10は、接続端子10tを通じてカートリッジ20に電力を提供するか、カートリッジ20の作動に係わる信号をカートリッジ20に供給することができる。
【0046】
カートリッジ20の液体保存部21の一側端部には、マウスピース22が結合される。マウスピース22は、ユーザの口腔に挿入されるエアロゾル生成装置1の部分である。マウスピース22は、液体保存部21内部のエアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出する排出孔22aを含む。
【0047】
スライダ7は、本体10上で移動するように本体10に結合される。スライダ7は、本体10に対して移動することで、本体10に結合されたカートリッジ20のマウスピース22の少なくとも一部を覆うか、マウスピース22の少なくとも一部を露出させる。スライダ7は、カートリッジ20の突出窓21aの少なくとも一部を外部に露出させる長孔7aを含む。
【0048】
図1に図示されたように、スライダ7は、内部が空いており、両側端部が開放された筒状を有することができるが、スライダ7の構造は、それに制限されない。例えば、スライダ7は、本体10の縁部に結合された状態を保持しながら、本体10に対して移動可能なクリップ状の断面形状を有する折り曲げられた板構造を有することができる。他の例として、湾曲された円弧状の断面形状を有する曲がった半円筒状などの構造を有することができる。
【0049】
スライダ7は、本体10とカートリッジ20に対するスライダ7の位置を保持するための磁性体を含んでもよい。磁性体は、永久磁石や、鉄、ニッケル、コバルト、またはそれらの合金のような素材を含んでもよい。
【0050】
磁性体は、互いに対向する1つの第1磁性体8aと、互いに対向する1つの第2磁性体8bを含んでもよい。第1磁性体8aは、スライダ7の移動方向である、本体10の長手方向(すなわち、本体10が延びる方向)に第2磁性体8bと互いに離隔して配置される。
【0051】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bが移動する経路上に配置された固定磁性体9を含む。本体10の固定磁性体9も収容空間19を介して互いに対向するように1つが設けられうる。
【0052】
固定磁性体9と第1磁性体8a、または固定磁性体9と第2磁性体8bとの間で作用する磁力によって、スライダ7は、マウスピース22の端部を覆うか、露出させる位置に安定して保持されうる。
【0053】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bの移動する経路上に配置される位置変化検知センサ3を含む。位置変化検知センサ3は、例えば、ホール効果(hall effect)を用いて磁場の変化を検知し、検知された変化に基づいて信号を生成するホールセンサ(Hall IC)を含んでもよい。
【0054】
上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置1において、本体10、カートリッジ20及びスライダ7は、長手方向に対して垂直に切断したとき、ほぼ長方形の断面形状であるが、実施例は、このようなエアロゾル生成装置1の形状によって制限されない。エアロゾル生成装置1は、例えば、円形や楕円形や正方形や様々な形態の多角形の断面形状を有してもよい。また、エアロゾル生成装置1が長手方向に対して直線的に延長せず、ユーザが把持しやすく、流線形に湾曲されるか、特定領域において既設定の角度に折り曲げられつつ、長く延びる。
【0055】
図2は、図1に図示されたエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【0056】
図2において、スライダ7は、本体10と結合されたカートリッジのマウスピース22の端部を覆う位置に移動する。この状態で、マウスピース22は、外部の異物から安全に保護され、清潔な状態に保持されうる。
【0057】
ユーザは、スライダ7の長孔7aを通じてカートリッジの突出窓21aを視認することで、カートリッジが保有するエアロゾル生成物質の残量を確認することができる。ユーザは、エアロゾル生成装置1を使用するために、スライダ7を本体10の長手方向に移動させうる。
【0058】
図3は、図1に図示されたエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【0059】
図3では、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジのマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した作動状態が図示された。この状態で、ユーザは、マウスピース22を自分の口腔に挿入してマウスピース22の排出孔22aを通じて排出されるエアロゾルを吸い込む。
【0060】
図3に図示されたように、スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動するとき、カートリッジの突出窓21aは、スライダ7の長孔7aを通じて、依然として外部に露出される。したがって、ユーザは、スライダ7の位置に関係なく、カートリッジが保有するエアロゾル生成物質の残量を視認することができる。
【0061】
図4A及び図4Bは、一実施例によるカートリッジの一例を示す図面である。
【0062】
図4Aは、一実施例に係わるカートリッジを概略的に示す分解斜視図であり、図4Bは、図4Aに図示されたカートリッジの断面図である。
【0063】
図4A及び図4Bを参照すれば、カートリッジ20は、前述したように液体保存部21と霧化器(atomizer)を含んでもよい。
【0064】
霧化器は、エアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを生成するヒータ50と、エアロゾルが生成されうるチャンバ49を形成する下部キャップ30と、下部キャップ30のチャンバ49に配置される液体伝達手段40と、を含む。液体伝達手段40は、保存空間23に含まれたエアロゾル生成物質を吸収することができる。液体伝達手段40は、エアロゾル生成物質を吸収した状態を保持し、ヒータ50によって液体伝達手段40が加熱されれば、液体伝達手段40に保持されているエアロゾル生成物質が気化してエアロゾルが発生する。
【0065】
図4A及び図4Bに図示されたヒータ50、下部キャップ30、及び液体伝達手段40の構造は、例示であって、様々な形態に変形されうる。例えば、ヒータ50は、液体伝達手段40に巻き取られず、液体伝達手段40に隣接して配置されうる。また、液体伝達手段40の構造がメッシュ状や板状に変形され、ヒータ50と液体伝達手段40が1つの構成要素に統合されて具現されうる。例えば、ヒータ50と液体伝達手段40は、金属素材のメッシュ状のヒータによって具現されうる。
【0066】
液体保存部21の一側端部(すなわち、上端)にマウスピース22が結合され、液体保存部21の他側端部に下部キャップ30が結合される。下部キャップ30は、液体伝達手段40とヒータ50とを支持すると共に、液体保存部21の他側端部を密封する機能を行うことができる。下部キャップ30は、液体伝達手段40の両側端部を支持する支持片30pを含んでもよい。
【0067】
下部キャップ30は、液体保存部21の他側端部(すなわち、下端)に挿入されうる。密封性能の向上のために、下部キャップ30と液体保存部21との間にゴムやシリコンのような弾性素材の封止リング39が配置される。
【0068】
また、下部キャップ30は、チャンバに空気を伝達する空気通路31を含む。外部の空気が下部キャップ30の空気通路31を通過して液体伝達手段40に供給されうる。
【0069】
液体保存部21の内部には、伝達管60が配置されてチャンバ49で生成されたエアロゾルを排出孔22aに伝達するための通路を提供することができる。例えば、伝達管60の一端は、チャンバ49と連結されており、伝達管60の他端は、マウスピース22の排出孔22aに連結されている。図4Bを参照すれば、チャンバ49で発生したエアロゾルの移動経路が矢印で図示されている。エアロゾルは、伝達管60を通じて排出孔22aに伝達されうる。
【0070】
一方、図4A及び図4Bで図示された実施例によれば、伝達管60は、液体保存部21が延びる長手方向に沿って液体保存部21の中心軸線上に配置される。しかし、伝達管60の位置は、これに制限されず、例えば、伝達管60は、液体保存部21のエッジに偏って配置されうる。
【0071】
伝達管60と液体伝達手段40との間には、加圧部70が配置される。加圧部70は、チャンバ49に向かう伝達管60の一端と液体伝達手段40との間に配置されて液体伝達手段40を下部キャップ30に向かう方向に加圧する機能を行う。
【0072】
加圧部70は、ゴムやシリコンのような弾性を有する素材を含むので、伝達管60と液体伝達手段40との間に加圧部70が圧縮された状態に配置されることで、加圧部70が液体伝達手段40を堅固に加圧することができる。そのような加圧部70の加圧作用によって喫煙する間、下部キャップ30のチャンバ49に液体伝達手段40が安定して保持されうる。
【0073】
加圧部70は、伝達管60の一端(すなわち、下端)を取り囲み、伝達管60の一端をチャンバ49に連結する連結管71を含む。伝達管60は、加圧部70の連結管71にかかるように、伝達管60の外側から突出するフランジを含む。
【0074】
液体保存部21は、伝達管60の他端(すなわち、上端)を取り囲み、伝達管60の上端を排出孔22aに連結する支持管21wを含む。図4Bに図示されたように、伝達管60は、支持管21wにかかる他のフランジを含んでもよい。このように、伝達管60は、伝達管60の両端に形成されたフランジによってチャンバ49と排出孔22aとの間に堅固に支持されうる。
【0075】
加圧部70は、連結管71から液体伝達手段40に向かって延びて液体伝達手段40と直接接触する接触部72を含む。液体保存部21に収容されたエアロゾル生成物質は、保存空間23とチャンバとの流体連通を提供する物質伝達孔73を通じて液体伝達手段40に伝達されうる。液体伝達手段40は、ほぼ円筒状に作製され、液体伝達手段40に接触する接触部72の表面は、液体伝達手段40の外側表面の形状に対応して曲面形状を有することができる。
【0076】
カートリッジ20の液体保存部21の下端には、本体と電気的な連結を提供する端子21tが設けられ、端子21tは、外部に露出されうる。例えば、下部キャップ30の下側には、端子21tが設けられ、端子21tは、本体との電気的な連結のために、下部キャップ30の外側に露出されるように設けられうる。端子21tは、本体から供給された電気をヒータ50に伝達する機能を行う。端子21tは、下部キャップ30の端子通路36を貫通してチャンバ49に向かって突出する結合管21pを含む。結合管21pは、ヒータ50の端部と堅固に結合される。
【0077】
図5は、一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェアの一例を示すブロック図である。
【0078】
図5を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、バッテリ410、ヒータ420、センサ430、ユーザインターフェース440、メモリ450及びプロセッサ460を含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置1の内部構造は、図5に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置1の設計によって、図5に図示されたハードウェアのうち、一部が省略されるか、新たな構成要素がさらに追加されうることを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0079】
一実施例において、エアロゾル生成装置1は、カートリッジなしに本体だけで構成され、その場合、エアロゾル生成装置1の構成要素は、本体に位置する。他の実施例において、エアロゾル生成装置1は、本体及びカートリッジを含み、エアロゾル生成装置1に含まれた構成要素は、本体及びカートリッジに分けられて位置することができる。または、エアロゾル生成装置1に含まれた構成要素のうち、少なくとも一部は、本体及びカートリッジそれぞれに位置することもできる。
【0080】
以下、エアロゾル生成装置1に含まれた各構成要素の位置を限定せず、各構成要素の動作について説明する。
【0081】
バッテリ410は、エアロゾル生成装置1の動作に用いられる電力を供給する。すなわち、バッテリ410は、ヒータ420が加熱されるように電力を供給することができる。また、バッテリ410は、エアロゾル生成装置1内に備えられたセンサ430、ユーザインターフェース440、メモリ450及びプロセッサ460のような構成要素の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ410は、充電が可能なバッテリでも、使い捨てバッテリでもある。例えば、バッテリ410は、リチウムポリマー(LiPolymer)バッテリでもあるが、それに制限されない。
【0082】
ヒータ420は、プロセッサ460の制御によってバッテリ410から電力を供給される。ヒータ420は、バッテリ410から電力を供給されてエアロゾル生成装置1に挿入されたシガレットを加熱するか、エアロゾル生成装置1に装着されたカートリッジを加熱することができる。
【0083】
ヒータ420は、エアロゾル生成装置1の本体に位置することができる。または、エアロゾル生成装置1が本体及びカートリッジで構成される場合、ヒータ420は、カートリッジに位置することができる。ヒータ420がカートリッジに位置する場合、ヒータ420は、本体及びカートリッジのうち、少なくともいずれか1箇所に位置したバッテリ410から電力を供給されうる。
【0084】
ヒータ420は、任意の好適な電気抵抗性物質で形成されうる。例えば、好適な電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。また、ヒータ420は、金属熱線(wire)、導電性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現されるが、それらに制限されない。
【0085】
一実施例において、ヒータ420は、カートリッジに含まれた構成要素でもある。カートリッジは、ヒータ420、液体伝達手段及び液体保存部を含んでもよい。液体保存部に収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段に吸収され、ヒータ420は、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。例えば、ヒータ420は、ニッケルクロムのような素材を含み、液体伝達手段に巻き取られるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0086】
他の実施例において、ヒータ420は、エアロゾル生成装置1の収容空間に挿入されたシガレットを加熱することができる。エアロゾル生成装置1の収容空間にシガレットが収容されることにより、ヒータ420は、シガレットの内部及び/または外部に位置することができる。これにより、ヒータ420は、シガレット内のエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。
【0087】
一方、ヒータ420は、誘導加熱式ヒータでもある。ヒータ420は、シガレットまたはカートリッジを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットまたはカートリッジには、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタが含まれる。
【0088】
エアロゾル生成装置1は、少なくとも1つのセンサ430を含んでもよい。少なくとも1つのセンサ430でセンシングされた結果は、プロセッサ460に伝達され、センシング結果によってプロセッサ460は、ヒータの動作制御、喫煙の制限、シガレット(または、カートリッジ)挿入有/無の判断、お知らせ表示のような多様な機能が行われるように、エアロゾル生成装置1を制御することができる。
【0089】
例えば、少なくとも1つのセンサ430は、パフ検知センサを含んでもよい。パフ検知センサは、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のうち、いずれか1つに基づいてユーザのパフを検知することができる。
【0090】
また、少なくとも1つのセンサ430は、温度検知センサを含んでもよい。温度検知センサは、ヒータ420(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を検知することができる。エアロゾル生成装置1は、ヒータ420の温度を検知する別途の温度検知センサを含むか、別途の温度検知センサを含む代わりに、ヒータ420自体が温度検知センサの役割を行うことができる。または、ヒータ420が温度検知センサの役割を行うと共に、エアロゾル生成装置1に別途の温度検知センサがさらに含まれる。
【0091】
また、少なくとも1つのセンサ430は、位置変化検知センサを含んでもよい。位置変化検知センサは、本体に対して移動自在に結合されたスライダの位置変化を検知することができる。
【0092】
ユーザインターフェース440は、ユーザにエアロゾル生成装置1の状態に係わる情報を提供することができる。ユーザインターフェース440は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI(登録商標), WI-FI Direct(登録商標), Bluetooth(登録商標), NFC(Near-Field Communication)など)を行うための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含んでもよい。
【0093】
エアロゾル生成装置1には、前記例示された多様なユーザインターフェース440の例示のうち、一部のみ取捨選択して具現されうる。
【0094】
メモリ450は、エアロゾル生成装置1内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリ450は、プロセッサ460で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ450は、RAM(random access memory、例えば、dynamic random access memory(DRAM), static random access memory(SRAM)), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)のような多様な種類によっても具現される。
【0095】
メモリ450には、エアロゾル生成装置1の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。メモリ450は、プロセッサ460によって実行されるとき、プロセッサ460が本発明に説明された機能を行うように構成されたコンピュータコードを保存することができる。
【0096】
プロセッサ460は、エアロゾル生成装置1の全般的な動作を制御するハードウェアである。プロセッサ460は、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、プロセッサ460が異なる形態のハードウェアによっても具現されることを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0097】
プロセッサ460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果を分析し、後続して行われる処理を制御する。
【0098】
プロセッサ460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ420の動作が開始または終了するように、ヒータ420に供給される電力を制御することができる。また、プロセッサ460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ420が所定の温度まで加熱されるか、適切な温度を保持するようにヒータ420に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0099】
一実施例において、プロセッサ460は、エアロゾル生成装置1に対するユーザ入力を受信した後、ヒータ420の動作を開始するために、ヒータ420のモードを予熱モードに設定することができる。また、プロセッサ460は、パフ検知センサを用いてユーザのパフを検知した後、ヒータ420のモードを予熱モードから動作モードに切換えられる。また、プロセッサ460は、パフ検知センサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、ヒータ420に電力供給を中断することができる。
【0100】
プロセッサ460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ユーザインターフェース440を制御することができる。例えば、パフ検知センサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、プロセッサ460は、ランプ、モータ及びスピーカのうち、少なくともいずれか1つを用いてユーザにエアロゾル生成装置1がすぐ終了することを予告することができる。
【0101】
一方、図5には、図示されていないが、エアロゾル生成装置1は、別途のクレードルと共に、エアロゾル生成システムを構成することもできる。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1のバッテリ410を充電するのに用いられる。例えば、エアロゾル生成装置1は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給されてエアロゾル生成装置1のバッテリ410を充電することができる。
【0102】
図2を参照して上述したように、ユーザは、カートリッジの突出窓21aを通じてエアロゾル生成物質の残量を確認することができる。しかし、エアロゾル生成装置1が傾いた程度、暗い周辺環境などによって、ユーザが残量を正確に判断することが困難にもなる。
【0103】
一実施例によるエアロゾル生成装置1は、内部回路の電子素子を用いてエアロゾル生成物質の残量を決定する。例えば、エアロゾル生成装置1は、内部回路に含まれた固定抵抗を用いてエアロゾル生成物質の残量を検出する。ここで、固定抵抗は、抵抗値が変動されない抵抗を意味し、特にヒータ420の温度に依存して抵抗値が変動されない。
【0104】
従来の電子タバコには、ヒータの温度に依存してエアロゾル生成物質の残量を検出する技術が採用されている。具体的に、従来の電子タバコには、ヒータの温度による抵抗の変化に基づいてエアロゾル生成物質の残量を検出する技術が活用されている。しかし、ヒータの温度に依存してエアロゾル生成物質の残量を検出する場合、ヒータの温度は、多様な原因によっても変化されるので、検出された残量が実際の残量と差がある。
【0105】
一実施例によるエアロゾル生成装置1は、ヒータの温度に影響を受けない固定抵抗を用いてエアロゾル生成物質の残量を検出する。したがって、エアロゾル生成装置1の内部のエアロゾル生成物質の残量を正確に検出することができる。
【0106】
また、エアロゾル生成装置1は、カートリッジ20内のエアロゾル生成物質が消尽された場合、お知らせ信号を生成して出力する。したがって、ユーザは、カートリッジ20を交換するか、カートリッジ20内のエアロゾル生成物質を補充するためのタイミングを通知されうる。
【0107】
以下、図6ないし図9を参照して、エアロゾル生成装置1がエアロゾル生成物質の残量を検出する例を説明する。
【0108】
図6は、一実施例によるエアロゾル生成装置の一例を示すブロック図である。
【0109】
図6を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、カートリッジ20、プロセッサ460及び電子回路470を含む。また、カートリッジ20は、液体保存部21及びヒータ420を含む。
【0110】
図6には、説明の便宜上、エアロゾル生成装置1の一部構成要素のみ図示されている。したがって、図1ないし図5を参照して上述した他の構成要素が図6のエアロゾル生成装置1にも含まれるということは、通常の技術者であれば、容易に理解できるであろう。
【0111】
図6のカートリッジ20及びプロセッサ460は、図1ないし図5を参照して上述した通りである。したがって、以下では、カートリッジ20及びプロセッサ460について図1ないし図5を参照して上述したことと重複する説明は省略する。
【0112】
電子回路470は、カートリッジ20及びプロセッサ460と連結される。例えば、電子回路470は、ヒータ420を加熱させるIC(integrated circuit)でもある。電子回路470は、プロセッサ460から伝達された命令(command)によってバッテリ410の電力をヒータ420に供給する。すなわち、電子回路470は、プロセッサ460の命令に対応する電力をヒータ420に供給するために、複数の電子素子で構成されうる。例えば、プロセッサ460の命令は、パルス幅変調(pulse width modulation)制御信号によって具現されるが、その限りではない。
【0113】
一方、電子回路470は、固定抵抗を含んでもよい。ここで、固定抵抗は、カートリッジ20に収容されたエアロゾル生成物質の残量を検出するのに用いられ、温度によって抵抗値が変更されない。例えば、固定抵抗の抵抗値は、5Ω以下でもあるが、それに制限されない。
【0114】
プロセッサ460は、電子回路470に含まれた固定抵抗を用いてエアロゾル生成物質の残量を検出する。例えば、プロセッサ460は、固定抵抗の電圧値に基づいて残量を検出することができる。この際、固定抵抗は、ヒータ420の温度によって抵抗値が変更されない。したがって、エアロゾル生成物質の消耗を誘発しない外部の要因によってヒータ420の温度が変動されても、プロセッサ460は、エアロゾル生成物質の残量を正確に検出することができる。
【0115】
以下、図7及び図8を参照して電子回路470の具現例について説明する。
【0116】
図7は、一実施例による電子回路の一例を説明するための図面である。
【0117】
図7には、電子回路470に含まれた構成要素のうち、一部が図示されている。図6を参照して上述したように、電子回路470は、プロセッサ460の命令によってヒータ420に電力を供給する。したがって、電子回路470は、プロセッサ460の命令を具現するために、複数の電子素子で構成されうる。
【0118】
特に、電子回路470は、固定抵抗Rを含む。例えば、固定抵抗Rは、端子T、Tと連結され、プロセッサ460は、端子T、Tを通じて固定抵抗Rの両端の電圧を獲得することができる。図6に図示された固定抵抗Rと端子T、Tの連結関係は、例示である。すなわち、固定抵抗Rは、端子T、Tとすぐ連結され、固定抵抗Rと端子T、Tとの間には、他の電子素子が配置されうる。
【0119】
プロセッサ460は、固定抵抗Rの電圧に基づいてエアロゾル生成物質の残量を検出する。例えば、プロセッサ460は、メモリ450に保存されたルックアップテーブルに基づいて、固定抵抗Rの電圧に対応するエアロゾル生成物質の残量を決定することができる。
【0120】
固定抵抗Rの抵抗値は、ヒータ420の温度による影響を受けない。すなわち、固定抵抗Rは、ただエアロゾル生成物質の残量を検出するための目的で電子回路470に含まれる。例えば、固定抵抗Rの抵抗値は、5Ω以下でもある。望ましくは、固定抵抗Rの抵抗値は、4.5Ωないし5Ωの範囲内でもあるが、それに制限されない。
【0121】
電子回路470は、固定抵抗Rに供給される電力に係わる端子T及びヒータ420に供給される電力と係わる端子Tを含む。すなわち、プロセッサ460は、端子Tを通じて固定抵抗Rを経由する電圧を獲得するための命令(以下、第1命令)を伝達する。また、プロセッサ460は、端子Tを通じてヒータ420を加熱するための命令(以下、第2命令)を伝達する。例えば、プロセッサ460が端子T、Tに伝達する命令は、パルス幅変調制御信号を含んでもよい。
【0122】
プロセッサ460は、端子Tを通じて第2命令を伝達してエアロゾルを生成するようにエアロゾル生成装置を制御する。電子回路470は、端子Tを通じて伝達された命令によって、ヒータ420に電力を供給する。その結果、ヒータ420は、加熱され、エアロゾル生成物質は気化される。従来の技術によれば、ヒータ420が加熱されることにより、変化される抵抗値に基づいてエアロゾル生成物質の残量を推測する。その場合、ヒータ420の加熱を誘発するが、エアロゾル生成物質の消耗と無関係な要因もエアロゾル生成物質の残量推定に反映されうるので、エアロゾル生成物質の残量推定が不正確にもなる。
【0123】
電子回路470が固定抵抗Rを含み、プロセッサ460は、端子Tを通じて固定抵抗Rを経由する電圧を獲得するための第1命令を伝達する。すなわち、固定抵抗Rの電圧は、完全に端子Tを通じて伝達された命令にのみ依存する。したがって、プロセッサ460は、エアロゾル生成物質の残量を正確に検出することができる。
【0124】
一方、プロセッサ460は、端子Tを通じて伝達する第1命令と端子Tを通じて伝達する第2命令を異なって生成することができる。具体的に、第1命令と第2命令は、互いに異なる時期に伝達され、第1命令によって固定抵抗Rに印加される電力量と第2命令によってヒータ420に印加される電力量は、互いに異なってもいる。
【0125】
例えば、プロセッサ460は、第2命令を間歇的に電子回路470に伝達することができる。また、プロセッサ460は、第2命令が電子回路470に伝達されない期間の間、第1命令を電子回路470に伝達することができる。また、第1命令による信号電力は、第2命令による信号電力よりも小さい。したがって、バッテリ410の電力量を少量消耗し、ヒータ420の発熱に影響を与えない第1命令に基づいてエアロゾル生成物質の残量が測定されうる。
【0126】
図8は、一実施例による電子回路の他の例を説明するための図面である。
【0127】
図8には、図7に図示された電子回路470の具体化された例が図示されている。但し、図8に図示された回路図は、電子回路470の一例に過ぎず、他の電子素子がさらに含まれるか、図8に図示された電子素子のうち、一部が省略されうる。
【0128】
図8には、図7を参照して上述した端子T、T、T、Tだけではなく、端子Tがさらに含まれている。例えば、端子Tは、ヒータ420に供給された電力と係わる端子でもある。すなわち、端子Tを通じてヒータ420の温度に対応する電気的パラメータが獲得されうる。従来の技術は、一般的に端子Tを通じて検出された抵抗値(または、電圧値)を用いてエアロゾル生成物質の残量を推測する。しかし、一実施例によるプロセッサ460は、端子T、Tを通じて検出されうる固定抵抗Rを経由する電圧に基づいてエアロゾル生成物質の残量を検出することができる。したがって、プロセッサ460は、ヒータ420の加熱程度及び温度に影響を与える要因に依存せず、エアロゾル生成物質の残量を正確に検出することができる。
【0129】
図9は、一実施例によるエアロゾル生成装置を制御する方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0130】
図9を参照すれば、エアロゾル生成装置を制御する方法は、図1ないし図8を参照して上述したプロセッサ460で処理される段階で構成される。したがって、以下で省略された内容であっても、プロセッサ460について以上で記述された内容は、図9のエアロゾル生成装置を制御する方法にも適用されることが分かる。
【0131】
910段階において、プロセッサ460は、カートリッジ20に連結された電子回路470にパルス幅変調制御信号を伝達する。
【0132】
ここで、パルス幅変調制御信号は、電子回路470に含まれた固定抵抗Rに電力を供給する命令でもある。一方、910段階によって伝達される制御信号とヒータ420に電力を供給するための制御信号は、制御信号が伝達される時点だけではなく、制御信号の電力量が異なってもいる。
【0133】
920段階において、プロセッサ460は、電子回路470に含まれた固定抵抗Rを経由する電圧を獲得する。
【0134】
例えば、プロセッサ460は、910段階によって伝達された電力によって生成される固定抵抗Rを経由する電圧を獲得する。この際、固定抵抗Rの抵抗値は、ヒータ420の温度によって影響を受けない。
【0135】
930段階において、プロセッサ460は、920段階で獲得された電圧に基づいてカートリッジ20に収容されたエアロゾル生成物質の残量を検出する。
【0136】
例えば、プロセッサ460は、メモリ450に保存されたルックアップテーブルに基づいて、固定抵抗Rを経由する電圧に対応するエアロゾル生成物質の残量を決定することができる。
【0137】
一方、図9には、図示されていないが、プロセッサ460は、カートリッジ20内にエアロゾル生成物質が消尽された場合、お知らせ信号を生成することができる。そして、プロセッサ460は、ユーザインターフェース440を通じてお知らせ信号を出力することができる。
【0138】
ユーザインターフェース440には、エアロゾル生成物質が消尽されたことを示す文字または特定カラーが出力されうる。また、ユーザインターフェース440は、所定のパターンによって点滅されうる。または、ユーザインターフェース440は、エアロゾル生成物質の消尽を示す音声または振動が出力されうる。
【0139】
上述したように、エアロゾル生成装置1は、内部の固定抵抗を用いてエアロゾル生成物質の残量を検出する。したがって、エアロゾル生成物質の消耗に影響を与えない外部の要因によってヒータ420の温度が変動されても、エアロゾル生成装置1は、エアロゾル生成物質の残量を正確に検出することができる。
【0140】
一方、上述した方法は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態によっても具現される。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。また、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含んでもよい。コンピュータ記録媒体は、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュール、またはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0141】
図面においてブロックで表現される構成要素、要素、モジュール、またはユニット(この段落で総称して「構成要素」)のうち、少なくとも1つは、前述した例示的な実施例によってそれぞれの機能を行う多様な数のハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウェア構造として具現されうる。例えば、これら構成要素のうち、少なくとも1つは、メモリ、プロセッサ、論理回路、ルックアップテーブルのような1つ以上のマイクロプロセッサの制御を通じてそれぞれの機能を行う直接回路構造または他の制御装置を使用することができる。また、これら構成要素のうち、少なくとも1つは、モジュール、プログラムまたはコードの一部によって具体的に具現され、これは、特定論理機能を行うための1つ以上の実行可能な命令を含み、1つ以上のマイクロプロセッサ、または他の制御装置によって実行される。また、これら構成要素のうち、少なくとも1つは、それぞれの機能を行う中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサなどのプロセッサを含むか、これによっても具現される。これら構成要素のうち、2以上は、1以上の単一構成要素によって結合され、単一構成要素は、結合された2以上の構成要素の全動作または機能を行うことができる。また、これら構成要素のうち、少なくとも1つの機能のうち、一部は、他の構成要素によって行われうる。また、バス(bus)は、前記ブロック図に図示されていないが、構成要素を通じる通信は、バスを通じて行われうる。前記例示的な実施例の機能的な側面は、1つ以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムに具現されうる。また、ブロックまたは処理段階で表現された構成要素は、電子構成、信号処理及び/または、制御、データ処理などのための任意の数の関連技術を採用することができる。
【0142】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということが理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならず、権利範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点を含むと解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9