(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】車両ホイールディスク、このようなホイールディスクを含む車両ホイール、ならびにこのようなホイールディスクおよび車両ホイールの生産方法
(51)【国際特許分類】
B60B 1/14 20060101AFI20230921BHJP
B60B 1/08 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
B60B1/14 A
B60B1/08
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022038971
(22)【出願日】2022-03-14
(62)【分割の表示】P 2019506510の分割
【原出願日】2017-08-16
【審査請求日】2022-04-11
(32)【優先日】2016-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518227005
【氏名又は名称】マキシオン・ホイールズ ユー.エス.エイ.エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ロペス,カルロス・エドゥアルド
(72)【発明者】
【氏名】ミツヤス,フェルナンド・トシヒコ
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-096377(JP,A)
【文献】特開2005-014620(JP,A)
【文献】特表2004-509809(JP,A)
【文献】実開昭56-105401(JP,U)
【文献】特開2010-208635(JP,A)
【文献】特開2012-040947(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0315390(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 1/14
B60B 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールリムと、
前記ホイールリムに固定されるように構成されるホイールディスクと
を備え、
前記ホイールディスクが、
ホイール軸を画定するホイール取付け部、
前記ホイール取付け部に提供される複数の周方向に間隔を空けて配置されるラグボルト受け穴、
前記ホイール取付け部から半径方向外方に延在する複数のスポークであって、前記スポークの各々が前記ホイールリムに固定されるように構成される外側端部を有する、複数のスポーク、ならびに
複数のブリッジ接合部であって、前記ブリッジ接合部の各々が前記複数のスポークのうちの隣り合うスポークの対同士の間にまたがって前記スポークの対同士に連結され、前記ブリッジ接合部の各々が前記ホイールディスク内に内側の第1の開口および外側の第2の開口を画定し、前記第1の開口が前記ホイール取付け部と前記関連付けられたブリッジ接合部との間で半径方向外方に位置付けられ、前記第1の開口が隣り合う前記ラグボルト受け穴の対同士の間に位置付けられ、前記第2の開口が前記ホイールリムの関連付けられた表面まで半径方向外方に延在し、前記第1の開口および前記第2の開口が互いに
半径方向にそろえられる、複数のブリッジ接合部
を備える、
車両ホイール。
【請求項2】
前記ホイールディスクが、一体部品の鋳造アルミニウム車両ホイールを生産する鋳造プロセスによってホイールリムおよび前記ホイールディスクを生産することにより、前記ホイールリムに固定されるように構成されるか、または別々に形成されるホイールリムに固定されて、組み立てた車両ホイールを生産するように構成され、前記組み立てた車両ホイールの前記ホイールディスクおよび前記ホイールリムが、同様の材料または異なる材料で形成される、請求項1に記載の車両ホイール。
【請求項3】
前記スポークの各々が前記ホイールディスクを前記ホイールリムに連結するためのリム接合部を含み、前記リム接合部が、前記スポークの、前記ホイール取付け部に対向する端部に存在し、前記リム接合部がジェット機尾部形状またはT形であり、第1の部分、第2の部分、および第3の部分を有し、前記第1の部分が前記ホイール軸に平行である軸方向に延在し、前記第2および第3の部分が前記ホイール軸に対して垂直な平面に存在する周方向に延在する、請求項1に記載の車両ホイール。
【請求項4】
前記ホイールリムの外側縁部と、前記ホイールディスクの、前記ホイールリムから最も遠い区域との間のリムオフセット距離
をさらに備える、請求項1に記載の車両ホイール。
【請求項5】
前記ホイール取付け部の少なくとも1つのハブポケットであって、前記少なくとも1つのハブポケットが、前記ホイールディスクの内面から前記ホイール取付け部の中へ
と前記ホイール軸に平行である軸方向に延在し、前記複数のラグボルト受け穴のうちの2つのラグボルト受け穴の間の空間に配置される、少なくとも1つのハブポケットと、
前記少なくとも1つのハブポケットの底面壁部と、
前記ホイール取付け部の内側リングと
をさらに備え、
前記内側リング、前記底面壁部、および前記2つのラグボルト受け穴が、前記少なくとも1つのハブポケットを画定する、
請求項1に記載の車両ホイール。
【請求項6】
前記2つのラグボルト受け穴の間の前記少なくとも1つのハブポケットの側壁であって、前記側壁が
、前記ホイール軸に平行である軸方向に延在し、前記ホイール取付け部の半径方向外方の区域であり、さらに、前記少なくとも1つのハブポケットを画定する、側壁と、
前記少なくとも1つのハブポケットの前記側壁に提供される開口と
をさらに備える、請求項5に記載の車両ホイール。
【請求項7】
接線になるように前記複数のラグボルト受け穴を連結する外側リングであって、前記外側リングが、さらに、前記少なくとも1つのハブポケットを画定する、外側リング
をさらに備える、請求項5に記載の車両ホイール。
【請求項8】
前記少なくとも1つのスポークの、半径方向に延在するスポークポケットであって、前記スポークポケットが、スポークポケット深さを有する、半径方向に延在するスポークポケットと、
前記スポークポケットの第1の端部であって、前記第1の端部は、前記ホイール取付け部に隣り合う、前記スポークポケットの第1の端部と、
前記スポークポケットの第2の端部であって、前記第2の端部は、前記リム接合部に隣り合う、前記スポークポケットの第2の端部と
をさらに備え、
前記スポークポケット深さは、前記第1の端部と前記第2の端部との間で減少する、
請求項
3に記載の車両ホイール。
【請求項9】
前記ホイールディスクの外面から前記ホイール取付け部の中へと、前記複数のラグボルト受け穴のうちの少なくとも1つの前記ラグボルト受け穴へ向けて延在する、少なくとも1つのナットポケットと、
前記少なくとも1つのナットポケットのナットポケット側壁であって、前記ナットポケット側壁は
、前記ホイール軸に平行である軸方向に延在する、前記少なくとも1つのナットポケットのナットポケット側壁と
をさらに備える、請求項1に記載の車両ホイール。
【請求項10】
前記ホイール取付け部と前記少なくとも1つのスポークとの間の少なくとも1つのスポーク開始部であって、前記スポーク開始部が、前記少なくとも1つのスポークのスポーク高さよりも大きい
、前記ホイール軸に平行である軸方向のスポーク開始高さを有する、少なくとも1つのスポーク開始部
をさらに備える、請求項1に記載の車両ホイール。
【請求項11】
ホイールリムと、
鋳造プロセス中に前記ホイールリムに固定されるように構成されるホイールディスクと
を備え、
前記ホイールディスクが、
ホイール軸を画定するホイール取付け部、
前記ホイール取付け部に提供される複数の周方向に間隔を空けて配置されるラグボルト受け穴、および中央ハブ穴、
前記ホイール取付け部から半径方向外方に延在する複数のスポークであって、前記スポークの各々が前記ホイールリムに固定されるように構成される外側端部を有する、複数のスポーク、ならびに
複数のブリッジ接合部であって、前記ブリッジ接合部の各々が前記複数のスポークのうちの隣り合うスポークの対同士の間にまたがって前記スポークの対同士に連結され、前記ブリッジ接合部の各々が前記ホイールディスク内に内側の第1の開口および外側の第2の開口を画定し、前記第1の開口が前記ホイール取付け部と前記関連付けられたブリッジ接合部との間で半径方向外方に位置付けられ、前記第1の開口が隣り合う前記ラグボルト受け穴の対同士の間に位置付けられ、前記第2の開口が前記ホイールリムの関連付けられた表面まで半径方向外方に延在し、前記第1の開口および前記第2の開口が互いに同軸にそろえられる、複数のブリッジ接合部
を備える、
一体部品の鋳造アルミニウム車両ホイール。
【請求項12】
前記スポークの各々が前記ホイールディスクを前記ホイールリムに連結するためのリム接合部を含み、前記リム接合部が、前記スポークの、前記ホイール取付け部に対向する端部に存在し、前記リム接合部がジェット機尾部形状またはT形であり、第1の部分、第2の部分、および第3の部分を有し、前記第1の部分が前記ホイール軸に平行である軸方向に延在し、前記第2および第3の部分が前記ホイール軸に対して垂直な平面に存在する周方向に延在する、請求項11に記載の車両ホイール。
【請求項13】
前記ホイールリムの外側縁部と、前記ホイールディスクの、前記ホイールリムから最も遠い区域との間のリムオフセット距離
をさらに備える、請求項
11に記載の車両ホイール。
【請求項14】
前記ホイール取付け部の少なくとも1つのハブポケットであって、前記少なくとも1つのハブポケットが、前記ホイールディスクの内面から前記ホイール取付け部の中へ
と前記ホイール軸に平行である軸方向に延在し、前記複数のラグボルト受け穴のうちの2つのラグボルト受け穴の間の空間に配置される、少なくとも1つのハブポケットと、
前記少なくとも1つのハブポケットの底面壁部と、
前記ホイール取付け部の内側リングと
をさらに備え、
前記内側リング、前記底面壁部、および前記2つのラグボルト受け穴が、前記少なくとも1つのハブポケットを画定する、
請求項11に記載の車両ホイール。
【請求項15】
前記2つのラグボルト受け穴の間の前記少なくとも1つのハブポケットの側壁であって、前記側壁が
、前記ホイール軸に平行である軸方向に延在し、前記ホイール取付け部の半径方向外方の区域であり、さらに、前記少なくとも1つのハブポケットを画定する、側壁と、
前記少なくとも1つのハブポケットの前記側壁に提供される開口と
をさらに備える、請求項14に記載の車両ホイール。
【請求項16】
接線になるように前記複数のラグボルト受け穴を連結する外側リングであって、前記外側リングが、さらに、前記少なくとも1つのハブポケットを画定する、外側リングを
さらに備える、
請求項14に記載の車両ホイール。
【請求項17】
前記少なくとも1つのスポークの、半径方向に延在するスポークポケットであって、前記スポークポケットが、スポークポケット深さを有する、半径方向に延在するスポークポケットと、
前記スポークポケットの第1の端部であって、前記第1の端部は、前記ホイール取付け部に隣り合う、前記スポークポケットの第1の端部と、
前記スポークポケットの第2の端部であって、前記第2の端部は、前記リム接合部に隣り合う、前記スポークポケットの第2の端部と
をさらに備え、
前記スポークポケット深さは、前記第1の端部と前記第2の端部との間で減少する、
請求項
12に記載の車両ホイール。
【請求項18】
前記ホイールディスクの外面から前記ホイール取付け部の中へと、前記複数のラグボルト受け穴のうちの少なくとも1つの前記ラグボルト受け穴へ向けて延在する、少なくとも1つのナットポケットと、
前記少なくとも1つのナットポケットのナットポケット側壁であって、前記ナットポケット側壁は
、前記ホイール軸に平行である軸方向に延在する、前記少なくとも1つのナットポケットのナットポケット側壁と
をさらに備える、請求項11に記載の車両ホイール。
【請求項19】
前記ホイール取付け部と前記少なくとも1つのスポークとの間の少なくとも1つのスポーク開始部であって、前記スポーク開始部が、前記少なくとも1つのスポークのスポーク高さよりも大きい
、前記ホイール軸に平行である軸方向のスポーク開始高さを有する、少なくとも1つのスポーク開始部を
さらに備える、請求項11に記載の車両ホイール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、概して車両ホイールディスクおよび車両ホイールに関し、詳細には、
改良型のホイールディスク、このようなホイールディスクを含む車両ホイール、ならびに
このようなホイールディスクおよび車両ホイールの生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]自動車両用のホイールは、ホイールの重量を軽くするために、軽量の金属から生
産される場合がある。たとえば車両ホイールは、アルミニウム、またはアルミニウム合金
から生産されることがある。このようなホイールの重量は、ホイールから質量、たとえば
材料を取り除くことにより、さらに軽くされ得る。しかし、ホイールから質量を取り除く
ことにより、ホイールのスチフネスおよび剛性も低くなる。ホイールのスチフネスおよび
剛性が低くされると、ホイールの性能が損なわれる恐れがある。したがって、スチフネス
および剛性を低くすることなしに、ホイールから質量を取り除くことが望ましいはずであ
る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]本明細書に例示および/または説明されるように、本発明は、改良型のホイール
ディスク、このようなホイールディスクを含む車両ホイール、ならびにこのようなホイー
ルディスクおよび車両ホイールの生産方法に関する。
【0004】
[0004]一実施形態によれば、ホイールディスク、およびこのようなホイールディスクを
含む車両ホイールは、個々に、かつ/または組み合わせて、以下の特徴、要素または利点
のうちの1つまたは複数を備えることができる:(1)関連付けられたスポークに追加的
なスチフネスを提供し、車両ホイールの関連付けられたスポークとホイールリムとの間の
連結を向上させる、「ジェット機尾部」形状のリム接合部、(2)車両ホイールに追加的
な剛性を提供する、スポークの隣り合う対同士の間のブリッジ接合部であって、ブリッジ
接合部は、均一な厚みを有してもよく、一様でない厚みを有してもよく、かつ/またはホ
イールに単一のより大きい開口を提供するために無くされてもよく、ブリッジ接合部によ
って連結される独立したスポークにより、性能を低下させることなく車両ホイールの重量
が減じられ、ブリッジ接合部の内側面は、鋳造上の問題を避けるために大きい厚みを有し
、後に機械加工で取り去られ得る、ブリッジ接合部、(3)ホイールマウント表面の内側
面から延在するハブポケットであって、ハブポケットは、深く、かつ開口しており、ハブ
ポケットにより、性能を低下させることなく車両ホイールの重量が減じられる、ハブポケ
ット、(4)ハブポケットの側壁のハブポケット開口、(5)ハブポケット開口を画定す
る、ホイール取付け部の外側リング(または外側リングは無くされてもよい)、(6)ス
ポークのスポークポケットであって、スポークポケットは、高い/高められた、くぼんだ
一様でない部分を有し、重量を減らし、スポークに追加的なスチフネスを提供する、スポ
ークポケット、(7)深く、スポークに追加的なスチフネスを提供するナットポケット、
(8)大きくされた高さを有してスポークに追加的なスチフネスを提供するスポーク開始
部分、(9)車両ホイールに追加的なスチフネスを提供するリムオフセット距離、(10
)ホイールリムと共にホイールディスクを鋳造して、重量がより軽い、一体部品の鋳造ア
ルミニウム車両ホイールを生産するか、または別法として(任意の適した材料から形成さ
れる)別々に形成されるホイールディスクを生産し、次いで(ホイールディスクの材料と
同じでもよく異なっていてもよい任意の適した材料から形成される)別々に形成されるホ
イールリムにホイールディスクを固定して、組み立てた車両ホイールの重量を減じる、柔
軟性、(11)高いホイールオフセットを保持でき、適切なブレーキクリアランスも提供
できること、および(12)ホイールディスクの任意の部分におけるホイールディスク鋳
造上のいかなる制約も、鋳造中に内側/外側(すなわち裏側/表側)の厚みを追加するこ
とによって保証/補償され得、追加された材料は、後に機械加工で取り去られて、ホイー
ルディスク、したがってこのようなホイールディスクを含む車両ホイールの所望の最終重
量を提供できること。
【0005】
[0005]別の実施形態によれば、ホイールディスク、およびこのようなホイールディスク
を含む車両ホイールは、個々に、かつ/または組み合わせて、以下の特徴、要素、または
利点のうちの1つまたは複数を備えることができる:ホイール軸を有するホイール取付け
部と、ホイール取付け部から半径方向に延在する複数のスポークと、複数のスポークのう
ちの少なくとも1つのスポークのリム接合部とを備えるホイールディスク。リム接合部は
、少なくとも1つのスポークの、ホイール取付け部に対向する端部に存在する。リム接合
部の第1の部分は、軸方向に延在する。リム接合部の第2の部分および第3の部分は、周
方向に延在する。軸方向は、ホイール軸に平行であり、周方向は、ホイール軸に対して垂
直な平面に存在する。
【0006】
[0006]別の実施形態によれば、ホイールディスク、およびこのようなホイールディスク
を含む車両ホイールは、個々に、かつ/または組み合わせて、以下の特徴、要素、または
利点のうちの1つまたは複数を備えることができる:車両ホイールは、ホイールリムとホ
イールディスクとを備える。ホイールリムおよびホイールディスクは、それぞれ適した材
料から形成される。ホイールディスクは、ホイールリムに固定されるように構成される。
ホイールディスクは、ホイール軸を有するホイール取付け部と、ホイール取付け部から半
径方向に延在する複数のスポークと、複数のスポークのうちの少なくとも1つのスポーク
のリム接合部とを有する。リム接合部は、複数のスポークのうちの少なくとも1つのスポ
ークとホイールリムとの間に存在する。リム接合部の第1の部分は、軸方向に延在する。
リム接合部の第2の部分および第3の部分は、周方向に延在する。軸方向は、ホイール軸
に平行であり、周方向は、ホイール軸に対して垂直な平面に存在する。少なくとも1つの
スポークは、半径方向に延在するスポークポケットを有する。スポークポケットは、スポ
ークポケット深さを有する。スポークポケットの第1の端部はホイール取付け部に隣り合
い、スポークポケットの第2の端部はリム接合部に隣り合う。スポークポケット深さは、
第1の端部と第2の端部との間で減少する。
【0007】
[0007]別の実施形態によれば、ホイールディスク、およびこのようなホイールディスク
を含む車両ホイールは、個々に、かつ/または組み合わせて、以下の特徴、要素、または
利点のうちの1つまたは複数を備えることができる:車両ホイールは、ホイールリムとホ
イールディスクとを備える。ホイールリムおよびホイールディスクは、それぞれ適した材
料から形成される。ホイールディスクは、ホイールリムに固定されるように構成される。
ホイールディスクは、ホイール軸を有するホイール取付け部と、ホイール取付け部から半
径方向に延在する複数のスポークと、ホイール取付け部の、周方向に間隔を空けて配置さ
れる複数のラグボルト受け穴と、ホイール取付け部の少なくとも1つのハブポケットとを
有する。少なくとも1つのハブポケットは、ホイールディスクの内面からホイール取付け
部の中へと軸方向に延在し、複数のラグボルト受け穴のうちの2つのラグボルト受け穴の
間の空間に配置され、底面壁部を有する。ホイール取付け部の内側リング、底面壁部、お
よび2つのラグボルト受け穴は、少なくとも1つのハブポケットを画定する。少なくとも
1つのハブポケットの側壁が、2つのラグボルト受け穴の間に存在する。側壁は、軸方向
に延在し、ホイール取付け部の半径方向外方の区域であり、さらに、少なくとも1つのハ
ブポケットを画定する。ハブポケット開口が、側壁に存在する。
【0008】
[0008]ホイールディスクおよびホイールディスクを含む車両ホイールの一実施形態の、
1つまたは複数の潜在的な利点および/または認識されている利点には、剛性およびスチ
フネスの低下なしに、質量が減じられることが含まれる。本発明の他の利点は、添付図面
に照らして読まれたとき、本発明および好ましい実施形態の以下の詳細な説明から、当業
者には明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009]本発明による車両ホイールおよびホイールディスクの第1の実施形態の斜視図である。
【
図2】[0010]
図1の車両ホイールの追加的な斜視図である。
【
図2A】[0011]リム接合部を示す
図2の第1の拡大部を示す図である。
【
図2B】[0012]スポークポケットを示す
図2の第2の拡大部を示す図である。
【
図2C】[0013]ナットポケットを示す
図2の第3の拡大部を示す図である。
【
図3】[0014]
図1の車両ホイールの反対側を示す斜視図である。
【
図3A】[0015]ハブポケットを示す
図3の拡大部を示す図である。
【
図4】[0016]
図1の線4-4に沿って取られた断面図である。
【
図5】[0017]
図1の車両ホイールの立面図である。
【
図6】[0018]
図1の車両ホイールの追加的な立面図である。
【
図7】[0019]ブリッジ部が無くされた、
図1の車両ホイールの立面図である。
【
図8】[0020]本発明による車両ホイールおよびホイールディスクの第2の実施形態の部分斜視図である。
【
図8A】[0021]リム接合部およびスポークポケットを示す
図8の拡大部を示す図である。
【
図9】[0022]
図8の車両ホイールの立面図である。
【
図10】[0023]本発明による車両ホイールおよびホイールディスクの第3の実施形態の立面図である。
【
図10A】[0024]リム接合部を示す
図10の拡大部を示す図である。
【
図11】[0025]
図10の車両ホイールの追加的な立面図である。
【
図13】[0027]本発明による車両ホイールおよびホイールディスクの第4の実施形態の斜視図である。
【
図13A】[0028]リム接合部を示す
図13の拡大部を示す図である。
【
図14】[0029]
図13の車両ホイールの追加的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0030]ここで図面を参照すると、
図1~
図7には、全体を100で示す、車両ホイール
の第1の実施形態が示されている。車両ホイール100は、全体を102で示す「内側の
」ホイールディスクまたは正面部と、全体を104で示す「フル」ホイールリムとを備え
る。本発明は本明細書に開示される特定の車両ホイール構造と併せて例示および説明され
るが、本発明は、他のタイプの車両ホイール構造と共に使用されてもよいことが理解され
よう。
【0011】
[0031]図示されているように、ホイールディスク102とホイールリム104とは、た
とえば単一の鋳造物として、一体に、または一体式構造で生産される。別法として、ホイ
ールディスク102とホイールリム104とは、たとえば別々の鋳造物および/または非
鋳造物として別々に生産され、次いで適した手段で互いに接合されて、「組み立てた」車
両ホイール100を生み出してもよい。車両ホイール100は、アルミニウムまたはアル
ミニウム合金から形成される、単一の鋳造物で生産されることが好ましい。別法として、
車両ホイール100は、任意の適した材料から形成されてもよい。非限定的な例として、
車両ホイール100(すなわちホイールディスク102およびホイールリム104の一方
または両方)は、一体に(すなわち単一のユニットとして)形成されてもよく、別々の構
成要素として形成され、適した手段で互いに固定されてもよく、またアルミニウム、マグ
ネシウム、チタン、もしくはこれらの合金、鋼、炭素繊維および/または複合材料を含む
がこれらに限定はされない、同様の材料および/または異なる材料から形成されてもよい
。
【0012】
[0032]図示されているホイールディスク102は、ホイール軸X(
図4に示される)を
画定する。ホイールディスク102は、概ね中心に位置付けられるホイール取付け部また
はハブ部106と、ホイール取付け部106から外方へ延在する複数のスポーク108と
を含む。ホイール取付け部106は、ホイール取付け部高さ110を有する。ホイールデ
ィスク102は、対向する外面112と内面114とを有する。
【0013】
[0033]図示されている実施形態では、ホイールディスク102は、こうした5本のスポ
ーク108を含み、これらはホイール取付け部106およびホイールリム104と一体に
形成されるように示されている。別法として、スポーク108の数は、そう所望される場
合、示されている以外の数であってもよい。たとえば、車両ホイール100は、5本未満
のスポーク108を含んでもよく、5本を超えるスポーク108を含んでもよい。別法と
して、スポーク108は、個々に形成され、適した手段でホイールリム104およびホイ
ール取付け部106に固定されてもよく、ホイールリム104は、スポーク108と互い
に一体に形成されるがホイール取付け部106とは別々にされ、適した方法でホイール取
付け部106に接合されてもよい。
【0014】
[0034]図示されている実施形態では、ホイール取付け部106には、中心に位置付けら
れるパイロット開口またはハブ穴116が提供される。パイロット開口116は、ホイー
ル軸Xに沿って延在する。複数のラグボルト受け穴118が、(ホイール取付け部106
の)パイロット開口116の周りに周方向に間隔を空けて配置される。図示されている実
施形態では、ホイール取付け部106は5つのラグボルト受け穴118を含み、これらは
、各スポーク108のうちのそれぞれ1つと半径方向に「一直線に」、ホイール取付け部
106に提供されることが好ましい。別法として、ラグボルト受け穴118の数および/
または場所は、そう所望される場合、示されている以外のものであってもよい。ラグボル
ト受け穴118は、ラグボルト(図示せず)を受けて、ナット(図示せず)を用いて関連
付けられる車両の車軸(図示せず)に車両ホイール100を固定する。
【0015】
[0035]全体を120で示され、
図2Aに最もよく示されている「ジェット機尾部」また
は「隆起したT字形状」のリム接合部が、ホイールリム104にスポーク108を連結、
固定、または接合する。したがって、リム接合部120は、ホイール取付け部106に対
向する、スポーク108の端部に存在する。非限定的な例として、「ジェット機尾部」ま
たは「隆起したT字形状」のリム接合部120は、関連付けられるスポーク108に追加
的なスチフネスを与え、スポーク108とホイールリム104との間の連結部を提供する
。リム接合部120は、第1の部分または第1の尾部122と、第2の部分または第2の
尾部124と、第3の部分または第3の尾部126とを有する。
【0016】
[0036]第1の部分122は軸方向128に延在し、軸方向128はホイール軸Xに平行
である。図示されているように、第1の部分122は、軸方向128に、スポーク108
からホイールリム104の外側縁部130に向かって延在する。外側縁部130は、車両
ホイール100が固定される車両から外側寄りの、ホイールリム104の縁部である。別
法として、リム接合部120は、示されている構成から「逆」にされてもよく、たとえば
、第1の部分122は、外側縁部130ではなく、内側縁部152に向かって延在しても
よい。内側縁部152は、車両ホイール100が固定される車両に対して内側寄りの、ホ
イールリム104の縁部である。さらに、内側縁部152は、ホイールリム104上で外
側縁部130に対向する。図示されているように、第1の部分122は、スポーク108
のスポーク中心線132について対称であり、スポーク中心線132は、ホイール取付け
部106からホイールリム104へと半径方向に延在する。別法として、第1の部分12
2は、スポーク中心線132について対称以外でもよい。
【0017】
[0037]第1の部分122は、ホイール取付け部106に最も近い端部では第1の厚み1
34を有し、ホイールリム104では第2の厚み136を有する。第1の厚み134およ
び第2の厚み136は、スポーク中心線132に対して横方向に測定される。図示されて
いるように、第2の厚み136は、第1の厚み134より小さい。別法として、第2の厚
み136が第1の厚み134より大きくてもよく、第1の厚み134と第2の厚み136
とが等しくてもよい。好ましくは、19×4.5の一体部品の鋳造アルミニウムホイール
においては、第1の厚み134は10ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなり、
第2の厚み136は5ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは
、第1の厚み134は10ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなり、第2の厚み
136は5ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなる。各第1の部分122は、同
じ第1の厚み134および同じ第2の厚み136を有してもよい。別法として、第1の部
分122のうちの1つまたは複数は、異なる第1の厚み134または異なる第2の厚み1
36を有してもよい。また、本明細書で用いるあらゆる範囲は、上記のサイズおよびタイ
プの車両ホイールのためのものであり、したがって他のサイズおよび/またはタイプの車
両ホイールにおいては、「範囲」は記述されている以外のものであってもよいことは明ら
かである。
【0018】
[0038]第1の部分122は、第1の厚み134と第2の厚み136との間に湾曲表面1
38も有する。湾曲表面138は、概ね軸方向128に延在し、第1の半径140を有す
る。第1の半径140は、一定でもよく、一様でなくてもよい。好ましくは、第1の半径
140は、8ミリメートル~100ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第1
の半径140は、8ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなる。各第1の部分12
2は、同じ第1の半径140を有してもよい。別法として、第1の部分122のうちの1
つまたは複数は、異なる第1の半径140を有してもよい。別法として、第1の部分12
2は、第1の厚み134と第2の厚み136との間に平坦な表面を有してもよく、その他
の形状にされた表面を有してもよい。
【0019】
[0039]第1の部分122は、ホイールリム104において軸方向128に接合部高さ1
42を有する。接合部高さ142は、第2の厚み136より大きいことが好ましい。好ま
しくは、接合部高さ142は、10ミリメートル~100ミリメートルの範囲からなる。
より好ましくは、接合部高さ142は、10ミリメートル~40ミリメートルの範囲から
なる。各第1の部分122は、同じ接合部高さ142を有してもよい。別法として、第1
の部分122のうちの1つまたは複数は、異なる接合部高さ142を有してもよい。
【0020】
[0040]第2の部分124と第3の部分126とは、スポーク中心線132を挟んで対向
する。図示されているように、第2の部分124と第3の部分126とは、スポーク中心
線132を挟んで互いに対称であることが好ましい。したがって、第2の部分124また
は第3の部分126の一方に関する議論は、第2の部分124または第3の部分126の
他方にも当てはまる。別法として、第2の部分124および第3の部分126は、スポー
ク中心線132を挟んで互いに対称以外でもよい。
【0021】
[0041]図示されているように、第2の部分124および第3の部分126は、スポーク
108からホイールリム104へと周方向144に延在し、周方向144は、ホイール軸
Xの周りの円の円周または外辺部を辿る。円は、ホイール軸Xに対して好ましくは垂直な
平面に存在し、円の中心にホイール軸Xを有する。好ましくは、第2の部分124および
第3の部分126は湾曲しており、またスポーク108からホイールリム104へと軸方
向128に延在し、すなわち第2の部分124および第3の部分126は、好ましくは周
方向144と軸方向128の両方に延在する。別法として、第2の部分124および第3
の部分126は、周方向144にのみスポーク108からホイールリム104へと延在し
てもよい。
【0022】
[0042]第2の部分124および第3の部分126は、第3の厚み146を有する。図示
されているように、第3の厚み146は、第1の厚み134と第2の厚み136のいずれ
よりも小さいことが好ましい。別法として、第3の厚み146は、第1の厚み134また
は第2の厚み136に等しくてもよく、第1の厚み134または第2の厚み136の一方
または両方より大きくてもよく、第1の厚み134および第2の厚み136の一方より大
きく、他方より小さくてもよい。好ましくは、第3の厚み146は、5ミリメートル~3
0ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第3の厚み146は、5ミリメートル
~15ミリメートルの範囲からなる。各第2の部分124および各第3の部分126は、
同じ第3の厚み146を有してもよい。別法として、第2の部分124または第3の部分
126のうちの1つまたは複数は、異なる第3の厚み146を有してもよい。
【0023】
[0043]第2の部分124および第3の部分126は、スポーク108とホイールリム1
04との間に湾曲縁部148を有することが好ましい。湾曲縁部148は、第2の半径1
50を有する。第2の半径150は、一定でもよく、一様でなくてもよい。好ましくは、
第2の半径150は、10ミリメートル~100ミリメートルの範囲からなる。より好ま
しくは、第2の半径150は、10ミリメートル~60ミリメートルの範囲からなる。各
第2の部分124および各第3の部分126は、同じ第2の半径150を有してもよい。
別法として、第2の部分124または第3の部分126のうちの1つまたは複数は、異な
る第2の半径150を有してもよい。別法として、第2の部分124および第3の部分1
26は、スポーク108とホイールリム104との間に平坦な面を有してもよく、その他
の形状にされた表面を有してもよい。
【0024】
[0044]さらに、第2の部分124および第3の部分126は、スポーク108からホイ
ールリム104の内側縁部152に向かって延在する。第2の部分124および第3の部
分126は、第3の半径154で内側縁部152に向かって湾曲する。好ましくは、第3
の半径154は、10ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは
、第3の半径154は、10ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなる。各第2の
部分124および各第3の部分126は、同じ第3の半径154を有してもよい。別法と
して、第2の部分124または第3の部分126のうちの1つまたは複数は、異なる第3
の半径154を有してもよい。別法として、第2の部分124および第3の部分126は
、平坦な表面、またはその他の形状にされた表面を用いて、内側縁部152に向かって延
在してもよい。
【0025】
[0045]第2の部分124および第3の部分126は、ホイールリム104において周方
向144に延在する接合部長さ156を有する。接合部長さ156は、第3の厚み146
より大きいことが好ましい。図示されているように、接合部長さ156は、接合部高さ1
42よりも大きいことが好ましい。別法として、接合部長さ156は、接合部高さ142
以下でもよい。好ましくは、接合部長さ156は、5ミリメートル~50ミリメートルの
範囲からなる。より好ましくは、接合部長さ156は、5ミリメートル~35ミリメート
ルの範囲からなる。各第2の部分124および各第3の部分126は、同じ接合部長さ1
56を有してもよい。別法として、第2の部分124または第3の部分126のうちの1
つまたは複数は、異なる接合部長さ156を有してもよい。
【0026】
[0046]図示されているように、ホイールリム104での第1の部分122と第2の部分
124および第3の部分126との間の角度158は、実質的に90度(接合部高さ14
2と接合部長さ156との間であるように示されている)であることが好ましい。別法と
して、角度158は、90度以外でもよい。たとえば、角度158は90度を超えてもよ
い。非限定的な一例として、角度158は、第1の部分122、第2の部分124、およ
び第3の部分126がスポーク108の周りで周方向に等しく間隔を空けて配置されるよ
うに、120度であってもよい。
【0027】
[0047]図示されているように、第1の部分122は単一の部材である。別法として、第
1の部分122は、2つの第1の部分122が外側縁部130に向かって延在し第2の部
分124および第3の部分126が内側縁部152に向かって延在した状態でリム接合部
120が概ね「X」の形状を有するように、2つの部材であってもよい。2つの第1の部
分122ならびに第2の部分124および第3の部分126は、90度で均等に間隔を空
けられることになることが好ましい。別法として、2つの第1の部分122ならびに第2
の部分124および第3の部分126は、90度以外で間隔を空けられてもよい。
【0028】
[0048]ブリッジ接合部160は、複数のスポーク108のうち、隣り合うスポーク間に
またがるかまたはそれらを連結する。非限定的な一例として、ブリッジ接合部160は、
スポーク108のうちの隣り合う対同士の間に、また車両ホイール100に、追加的な剛
性を提供する。ブリッジ接合部160は、ホイールディスク102に第1の開口162お
よび第2の開口164を画定する。
【0029】
[0049]ブリッジ接合部160の厚みは、軸方向128に一定でもよく、一様でなくても
よい。一定の厚みをもつブリッジ接合部160もあれば、一様でない厚みをもつブリッジ
接合部160もあってもよい。ブリッジ接合部160の厚みは、ブリッジ接合部160間
で異なっていてもよく、ブリッジ接合部160のうちの単一のブリッジ接合部160にお
いて異なっていてもよい。非限定的な一例として、ブリッジ接合部160は、一定の厚み
で生産され、次いで厚みを変化させるために材料または構造体を機械加工で取り去っても
よい。
【0030】
[0050]別法として、
図7に示されているように、ブリッジ接合部160は、ホイールデ
ィスク102から無くされてもよい。ブリッジ接合部160が無くされるとき、より大き
い第2の開口164が1つだけ、スポーク108の隣り合う対同士の間でホイールディス
ク102に提供される。
【0031】
[0051]166で示され、
図3Aに最もよく示されている複数のハブポケットが、内面1
14からホイール取付け部106の中へと延在する。ハブポケット166は、「深い」と
ともに、開口していることが好ましい。非限定的な一例として、ハブポケット166は、
車両ホイール100の重量を減らす。
【0032】
[0052]ハブポケット166は、ラグボルト受け穴118の間の空間に配置される。図示
されているように、5つのハブポケット166が存在する。別法として、ホイールディス
ク102は、5つ未満、または5つを超えるハブポケット166を有してもよい。非限定
的な例として、ハブポケット166は、ラグボルト受け穴118のすべての対同士の間に
存在しなくてもよく、または2つ以上のハブポケット166がラグボルト受け穴118の
対同士の間に存在してもよい。図示されているように、ハブポケット166は、ホイール
取付け部106のラグボルト受け穴118、ならびに同軸の内側リング168および外側
リング170により、ホイール取付け部106に画定される。
【0033】
[0053]ハブポケット166は、(
図4に示される)ハブポケット深さ172を有する。
ハブポケット深さ172は、ホイール取付け部高さ110より小さいことが好ましい。し
たがって、ハブポケット166は、半径方向に延在する底面壁部174を有することが好
ましい。底面壁部174は、ハブポケット166が軸方向128において貫通開口になら
ないように、ハブポケット166を画定する。ハブポケット深さ172は、底面壁部17
4までである。
【0034】
[0054]図示されているように、ハブポケット深さ172は、内側リング168の内側リ
ング高さ176だけ、ホイール取付け部高さ110より小さいことが好ましい。別法とし
て、ハブポケット深さ172は、内側リング高さ176以外だけ、ホイール取付け部高さ
110より小さくてもよい。好ましくは、ハブポケット深さ172は、10ミリメートル
~60ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、ハブポケット深さ172は、10
ミリメートル~45ミリメートルの範囲からなる。各ハブポケット166は、同じハブポ
ケット深さ172を有してもよい。別法として、ハブポケット166のうちの1つまたは
複数は、異なるハブポケット深さ172を有してもよい。別法として、ハブポケット16
6は、ホイールディスク102から無くされてもよい。
【0035】
[0055]
図3Aに最もよく示されているように、ハブポケット166は、その側壁180
にハブポケット開口178を有することが好ましい。側壁180は、軸方向128に延在
し、ホイール取付け部106の半径方向外方の区域である。外側リング170は、内面1
14において、側壁180にそろうかまたはその他の方法で側壁180に「蓋」をする。
ハブポケット開口178は、ハブポケット開口幅182とハブポケット開口高さ184と
を有する。各ハブポケット開口178は、同じハブポケット開口幅182および同じハブ
ポケット高さ184を有してもよい。別法として、ハブポケット開口178のうちの1つ
または複数は、異なるハブポケット幅182または異なるハブポケット高さ184を有し
てもよい。別法として、ハブポケット開口178は、そう所望される場合、ホイールディ
スク102から無くされてもよい。
【0036】
[0056]内側リング168は、所定の厚み186を有する。好ましくは、内側リング厚み
186は、5ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。外側リング170は、厚
み188を有する。好ましくは、外側リング厚み188は、5ミリメートル~10ミリメ
ートルの範囲からなる。図示されているように、内側リング厚み186は、外側リング厚
み188より大きい。別法として、内側リング厚み186は、外側リング厚み188以下
でもよい。内側リング168および外側リング170は、ハブポケット166の底面壁部
174に対して概ね垂直である。
【0037】
[0057]
図3において190で示されるように、外側リング170は、好ましくはラグボ
ルト受け穴118の接線になっており、ラグボルト受け穴118の間にまたがる。好まし
くは、
図3Aに示されるように、内側リング168の半径方向内側面から外側リング17
0の半径方向外側面までの距離192は、10ミリメートル~50ミリメートルの範囲か
らなる。より好ましくは、内側リング168の半径方向内側面から外側リング170の半
径方向外側面までの距離192は、10ミリメートル~35ミリメートルの範囲からなる
。外側リング170は、ホイールディスク102から無くされてもよい。非限定的な一例
として、車両ホイール100の重量は、外側リング170を無くすことによって減じられ
る。外側リング170が無くされるとき、スポーク108はブリッジ接合部160によっ
て連結され、ハブポケット166は、ラグボルト受け穴118および外側リング170に
よってホイール取付け部106に画定される。
【0038】
[0058]好ましくは、全体を194で示され、
図2Bに最もよく示されているスポークポ
ケットまたはスポーク凹部が、外面112からスポーク108の中へと延在する。別法と
して、スポークポケット194は、内面114からスポーク108の中へと延在してもよ
い。非限定的な例として、スポークポケット194は車両ホイール100の重量を減じ、
スポーク108に追加的なスチフネスを提供する。また、各スポーク108に単一のスポ
ークポケット194のみが提供されるように示されているが、そう所望される場合、スポ
ーク108のうちの1つまたは複数には、2つ以上のスポークポケット194が提供され
てもよい。
【0039】
[0059]図示されているように、スポークポケット194は、外面112において、概し
て楕円形状にされることが好ましい。別法として、スポークポケット194は、楕円以外
の形状にされてもよい。たとえば、スポークポケット194は、たとえば円形、長方形、
またはその他の多角形形状などの、任意の所望の形状でもよい。たとえば、スポークポケ
ット194は、一連の直線、曲線、または直線と曲線の組合せによって外面112に画定
されてもよい。スポークポケット194は、スポーク108のスポーク中心線132につ
いて対称であることが好ましい。別法として、スポークポケット194は、スポーク中心
線132について対称以外でもよく、かつ/またはホイールディスク102から無くされ
てもよい。
【0040】
[0060]スポークポケット194は、好ましくはスポーク中心線132に概ね平行なポケ
ット長さ196と、ポケット長さ196に対して横方向のポケット幅198と、軸方向1
28に、スポーク108の中へと延在するポケット深さ200とを有する。図示されてい
るように、ポケット長さ196は、ポケット幅198より大きいことが好ましい。別法と
して、ポケット長さ196は、ポケット幅198以下でもよい。図示されているように、
ポケット幅198は、ポケット深さ200より大きい。別法として、ポケット幅198は
、ポケット深さ200以下でもよい。
【0041】
[0061]好ましくは、ポケット長さ196は、50ミリメートル~150ミリメートルの
範囲からなり、ポケット幅198は、20ミリメートル~60ミリメートルの範囲からな
り、ポケット深さ200は、5ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。より好
ましくは、ポケット長さ196は、50ミリメートル~120ミリメートルの範囲からな
り、ポケット幅198は、20ミリメートル~45ミリメートルの範囲からなり、ポケッ
ト深さ200は、5ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなる。各スポークポケッ
ト194は、同じポケット長さ196、同じポケット幅198、および同じポケット深さ
200を有してもよい。別法として、スポークポケット194のうちの1つまたは複数は
、異なるポケット長さ196、異なるポケット幅198、および/または異なるポケット
深さ200を有してもよい。
【0042】
[0062]スポークポケット194は、第1の側壁202および第2の側壁204によって
画定される。図示されているように、第1の側壁202と第2の側壁204とは、スポー
ク中心線132を挟んで互いに対称であることが好ましい。別法として、第1の側壁20
2と第2の側壁204とは、スポーク中心線132を挟んで互いに対称以外でもよい。図
示されているように、第1の側壁202および第2の側壁204は、それらが外面112
からスポーク108の中へと延在するにつれて、互いに向かって内側に傾斜することが好
ましい。これにより、ポケット幅198は外面112において最大になり、次いで底表面
206での最小値まで減少する。別法として、ポケット幅198は外面112から底表面
206に向かって増加してもよく、一定のままでもよい。
【0043】
[0063]第1の側壁202および第2の側壁204は、側壁厚み208を有する。好まし
くは、側壁厚み208は、5ミリメートル~20ミリメートルの範囲からなる。より好ま
しくは、側壁厚み208は、5ミリメートル~15ミリメートルの範囲からなる。各スポ
ークポケット194は、同じ側壁厚み208を有してもよい。別法として、スポークポケ
ット194のうちの1つまたは複数は、異なる側壁厚み208を有してもよい。好ましく
は、第1の側壁202および第2の側壁204において、側壁厚み208は一定である。
別法として、第1の側壁202および第2の側壁204の一方または両方において、側壁
厚み208は一様でなくてもよい。別法として、第1の側壁202は側壁厚み208を有
し、第2の側壁204は異なる側壁厚みを有してもよい。
【0044】
[0064]ポケット深さ200は、ホイール取付け部106に隣り合うかまたは近い第1の
端部210からホイールリム104に隣り合うかまたは近い第2の端部212へと、スポ
ークポケット194が延在するにつれて減少することが好ましい。ポケット深さ200は
、第2の端部212でゼロかまたは実質的にゼロになるまで減少することが好ましい。図
示されているように、ポケット深さ200は、全体を216で示す第2の領域において減
少するまで、全体を214で示す第1の領域においては、実質的に一定であることが好ま
しい。別法として、ポケット深さ200は、第1の端部210と第2の端部212との間
で、一定の比率または一様でない比率で減少してもよい。別法として、ポケット深さ20
0は、第1の端部210と第2の端部212との間で連続的に増加してもよく、増減する
ように変化してもよい。
【0045】
[0065]ポケット深さ200が減少する間、ポケット底表面206は平坦なままであるこ
とが好ましい。別法として、ポケット底表面206のうちの1つまたは複数は、平坦以外
であってもよい。
【0046】
[0066]図示されているように、スポークポケット194の楕円形状は、第1の端部21
0では連続的でないことが好ましい。代わりに、第1の端部210は、好ましくは(
図2
Bにおいて破線で示される)折れ目213、または楕円形状におけるその他の非連続的な
点を有する。別法として、スポークポケット194の楕円形状は、第1の端部210にお
いて連続的であってもよい。
【0047】
[0067]さらに、スポークポケット194は、第1の端部210と第2の端部212との
間に、(スポーク中心線132に対して横方向の)一様でない部分を有してもよい。
[0068]図示されているように、スポークポケット194は、外面112からスポーク1
08の中へと延在することが好ましい。別法として、すべてのスポークポケット194を
含む1つまたは複数のスポークポケット194は、内面114からスポーク108の中へ
と延在してもよい。
【0048】
[0069]全体を218で示され、
図2Cに最もよく示されているナットポケットが、ナッ
トポケット側壁220が形成されるように、ラグボルト受け穴118において外面112
からホイール取付け部106の中へと延在することが好ましい。ナットポケット側壁22
0は、ホイール軸Xに実質的に平行であることが好ましい。ナットポケット218は、深
さ222を有する。ナットポケット218は、「深い」ナットポケットであることが好ま
しい。非限定的な一例として、ナットポケット218は、スポーク108に追加的なスチ
フネスを提供する。好ましくは、ナットポケット深さ222は、10ミリメートル~50
ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、ナットポケット深さ222は、10ミリ
メートル~35ミリメートルの範囲からなる。各ナットポケット218は、同じナットポ
ケット深さ222を有してもよい。別法として、ナットポケット218のうちの1つまた
は複数は、異なるナットポケット深さ222を有してもよい。別法として、ナットポケッ
ト218は、ホイールディスク102から無くされてもよい。
【0049】
[0070]全体を224で示され、
図4に最もよく示されているスポーク開始部が、ホイー
ル取付け部106と各スポーク108との間に位置付けられることが好ましい。別法とし
て、スポーク開始部224は、各スポーク108よりも少ない数だけ配置されてもよい。
スポーク開始部224は、スポーク108とホイール取付け部106との間にスポーク開
始高さ226を有する。好ましくは、また図示されているように、スポーク開始高さ22
6は、スポーク高さ228より大きい。非限定的な一例として、スポーク開始部224は
、スポーク108に追加的なスチフネスを提供する。好ましくは、スポーク開始高さ22
6は10ミリメートル~70ミリメートルの範囲からなり、スポーク高さ228は10ミ
リメートル~50ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、スポーク開始高さ22
6は10ミリメートル~55ミリメートルの範囲からなり、スポーク高さ228は10ミ
リメートル~35ミリメートルの範囲からなる。各スポーク開始部224は、同じスポー
ク開始高さ226を有してもよい。別法として、スポーク開始部224のうちの1つまた
は複数は、異なるスポーク開始高さ226を有してもよい。別法として、スポーク開始高
さ226は、スポーク高さ226以下でもよく、スポーク開始部224は、ホイールディ
スク102から無くされてもよい。
【0050】
[0071]
図5に最もよく示されているように、ホイールディスク102、すなわちホイー
ルディスク102の外面112は、ホイールリム104の外側縁部130からリムオフセ
ット距離230だけ外方へ突出または延在する。リムオフセット距離230は、ホイール
ディスク102の外面112の、ホイールリム104から最も遠い区域または突出部であ
り、すなわち、ホイールディスク102の外面112の一部はホイールリム104からリ
ムオフセット距離230未満であってもよいが、好ましくは、外面112にはリムオフセ
ット距離230よりホイールリム104から遠い部分は存在しない。非限定的な一例とし
て、リムオフセット距離230は、車両ホイール100に追加的なスチフネスを提供する
。好ましくは、リムオフセット距離230は、10ミリメートル~30ミリメートルの範
囲からなる。より好ましくは、リムオフセット距離230は、10ミリメートル~20ミ
リメートルの範囲からなる。別法として、ホイールディスク102の外面112は、ホイ
ールリム104から外方へ延在しなくてもよい。すなわち、リムオフセット距離230は
ゼロでもよく、ゼロ未満でもよく、ホイールディスク102から無くされてもよい。
【0051】
[0072]好ましくは、ホイールディスク102、したがってホイールディスク102を有
する車両ホイール100は、高いホイールオフセットを有し、関連付けられた車両ブレー
キ、たとえばディスクブレーキ組立体、ドラムブレーキ組立体、またはドラムインハット
ブレーキ組立体にクリアランスを提供する。
【0052】
[0073]好ましくは、リム接合部120、ブリッジ接合部160、ハブポケット166、
ハブポケット開口178、外側リング170、スポークポケット194、ナットポケット
218、スポーク開始部224、リムオフセット距離230、高いホイールオフセット、
ブレーキクリアランス、および/またはホイールディスク102の他の特徴のうちの1つ
または複数は、好ましくはホイールディスク102(またはこのようなホイールディスク
102を有する車両ホイール100)の鋳造中に形成される。鋳造上のいかなる制約も、
鋳造中に材料厚みを追加することにより、すなわち、ホイールディスク102の外面11
2および/または内面114に材料を追加することにより、補償され得る。追加された材
料厚みは、後に機械加工で取り去られて、リム接合部120、ブリッジ接合部160、ハ
ブポケット166、ハブポケット開口178、外側リング170、スポークポケット19
4、ナットポケット218、スポーク開始部224、リムオフセット距離230、高いホ
イールオフセット、ブレーキクリアランス、および/またはホイールディスク102の他
の特徴のうちの1つまたは複数を形成することができる。
【0053】
[0074]好ましくは、車両ホイール100は少なくともリム接合部120を含むが、ブリ
ッジ接合部160、ハブポケット166、ハブポケット開口178、外側リング170、
スポークポケット194、ナットポケット218、スポーク開始部224、リムオフセッ
ト距離230、車両ホイール100およびホイールディスク102の一体式鋳造もしくは
別々の鋳造、高いホイールオフセット、ブレーキクリアランス、ならびに/または車両ホ
イール100に関して論じられた他の特徴のうちの1つもしくは複数は、無くされてもよ
い。別法として、リム接合部120は無くされ、車両ホイール100は、ブリッジ接合部
160、ハブポケット166、ハブポケット開口178、外側リング170、スポークポ
ケット194、ナットポケット218、スポーク開始部224、リムオフセット距離23
0、車両ホイール100およびホイールディスク102の一体式鋳造もしくは別々の鋳造
、高いホイールオフセット、ブレーキクリアランス、ならびに/または車両ホイール10
0に関して論じられた他の特徴の組合せを備えてもよい。
【0054】
[0075]ここで
図8および
図9を参照すると、全体を300で示される、本発明による車
両ホイールの第2の実施形態が図示されている。車両ホイール300は
図1~
図7の車両
ホイール100の一変形形態であるので、200だけ増やされた同様の参照符号は、図面
中の対応する部分を示し、その詳細な説明は割愛される。
【0055】
[0076]車両ホイール300は、スポーク308とホイールリム304との間にリム接合
部320を有する。リム接合部320は、全体を322で示される第1の部分と、全体を
324で示される第2の部分と、全体を326で示される第3の部分とを有して、ホイー
ルリム304に各スポーク308を連結する。
【0056】
[0077]図示されているように、第1の部分322は、実質的に平行な第1のフォーク4
32と第2のフォーク434とに二股分岐する。別法として、第1の部分322は、単一
のフォークでもよい。別法として、第1のフォーク432および第2のフォーク434は
、スポーク308とホイールリム304との間で収束および/または発散する、すなわち
平行以外であってもよい。
【0057】
[0078]第1のフォーク432と第2のフォーク434とは、第1のフォーク432と第
2のフォーク434との間に画定される第1の部分の開口438が存在するように、距離
436だけ隔てられる。好ましくは、距離436は10ミリメートル~70ミリメートル
の範囲からなる。より好ましくは、距離436は、10ミリメートル~50ミリメートル
の範囲からなる。図示されているように、第1の部分の開口438は、周方向344にお
いて、中心線332を中心とする。別法として、第1の部分の開口438は、周方向34
4において、中心線332以外を中心としてもよい。別法として、第1の部分の開口43
8は無くされてもよい。
【0058】
[0079]周方向344において、第1のフォーク432は第1の厚み440を有し、第2
のフォーク434は第2の厚み442を有する。第1の厚み440と第2の厚み442と
は等しいことが好ましい。別法として、第1の厚み440は、第2の厚み442より大き
くてもよく、小さくてもよい。好ましくは、第1の厚み440は、10ミリメートル~5
0ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第1の厚み440は、10ミリメート
ル~30ミリメートルの範囲からなる。各第1のフォーク432は同じ第1の厚み440
を有してもよく、各第2のフォーク434は同じ第2の厚み442を有してもよい。別法
として、第1のフォーク432または第2のフォーク434のうちの1つまたは複数は、
異なる第1の厚み440または異なる第2の厚み442を有してもよい。
【0059】
[0080]図示されているように、第1の厚み440および第2の厚み442は、スポーク
308とホイールリム304との間で実質的に一定である。別法として、第1の厚み44
0および第2の厚み442のうちの一方または両方は、スポーク308とホイールリム3
04との間で変化してもよい。たとえば、第1の厚み440および/または第2の厚み4
42は、スポーク308とホイールリム304との間で増加または減少してもよい。
【0060】
[0081]どちらも軸方向328において、第1のフォーク432は第1の高さ444をさ
らに有し、第2のフォーク434は第2の高さ446をさらに有する。第1の高さ444
と第2の高さ446とは等しいことが好ましい。別法として、第1の高さ444は第2の
高さ446より大きくてもよく、小さくてもよい。好ましくは、第1の高さ444は、1
0ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第1の高さ444
は、10ミリメートル~35ミリメートルの範囲からなる。各第1のフォーク432は同
じ第1の高さ444を有してもよく、各第2のフォーク434は同じ第2の高さ446を
有してもよい。別法として、第1のフォーク432または第2のフォーク434のうちの
1つまたは複数は、異なる第1の高さ444または異なる第2の高さ446を有してもよ
い。
【0061】
[0082]図示されているように、第1の高さ444および第2の高さ446は、スポーク
308とホイールリム304との間で実質的に一定である。別法として、第1の高さ44
4および第2の高さ446の一方または両方は、スポーク308とホイールリム304と
の間で変化してもよい。たとえば、第1の高さ444および/または第2の高さ446は
、スポーク308とホイールリム304との間で増加または減少してもよい。
【0062】
[0083]第1の高さ444は第1の厚み440よりも実質的に大きく、第2の高さ446
は第2の厚み442よりも実質的に大きいことが好ましい。その結果、第1の部分322
は、周方向344よりも軸方向318に長く延在する。別法として、第1の高さ444は
、第1の厚みよりも実質的に大きくなくても第1の厚み440以下でもよく、第2の高さ
446は、第2の厚み442よりも実質的に大きくなくても第2の厚み442以下でもよ
い。非限定的な例として、第1のフォーク432および第2のフォーク434は、スポー
ク308とホイールリム304との間で、軸方向318の追加的なスチフネスを提供する
。
【0063】
[0084]第2の部分324および第3の部分326も、第3のフォーク448と第4のフ
ォーク450とにそれぞれ二股分岐する(第3のフォーク448および第4のフォーク4
50は、スポーク中心線332を挟んで対称である)。別法として、第2の部分324お
よび第3の部分326は、二股分岐以外であってもよい。別法として、第2の部分324
および第3の部分326のうちの一方は二股分岐しないが、第2の部分324および第3
の部分326のうちの他方は二股分岐してもよい。第3のフォーク448と第4のフォー
ク450とは、それらがスポーク308からホイールリム304へと延在するにつれて、
互いから発散することが好ましい。別法として、第3のフォーク448および第4のフォ
ーク450は、平行でもよく、スポーク308からホイールリム304へと収束してもよ
い。
【0064】
[0085]さらに、第2の部分324および第3の部分326は、スポーク中心線332か
ら、かつ互いに発散する。第2の部分324および第3の部分326は、スポーク中心線
332から、そのスポーク中心線332から最も離れた点までの、発散距離452をそれ
ぞれ有する(たとえば、
図8Aを見たとき、第3の部分326の最も離れた点は、第4の
フォーク450の最も右側の点である)。好ましくは、発散距離452は、第1の高さ4
44および第2の高さ446よりも実質的に大きい。非限定的な一例として、発散距離4
52は、スポーク308とホイールリム304との間で周方向344に追加的なスチフネ
スを提供する。好ましくは、発散距離452は、100ミリメートル~180ミリメート
ルの範囲からなる。より好ましくは、発散距離452は、100ミリメートル~160ミ
リメートルの範囲からなる。
【0065】
[0086]第3のフォーク448と第4のフォーク450との発散構成は、第3のフォーク
448と第4のフォーク450との間に凹部または開口454を画定する。全体を456
で示されるホイールリム304のリムプロファイルは、凹部454が外面312と内面3
14との間に延在する貫通開口にならないように、凹部454を閉じるかまたは閉鎖する
。別法として、リムプロファイル456は、凹部454が外面312から内面314への
貫通開口になるようなものであってもよい。
【0066】
[0087]どちらも周方向344において、第3のフォーク448は第3の厚み458を有
し、第4のフォーク450は第4の厚み460を有する。第3の厚み458と第4の厚み
460とは、等しいことが好ましい。別法として、第3の厚み458は、第4の厚み46
0より大きくてもよく、小さくてもよい。好ましくは、第3の厚み458は5ミリメート
ル~20ミリメートルの範囲からなり、第4の厚み460は5ミリメートル~20ミリメ
ートルの範囲からなる。より好ましくは、第3の厚み458は5ミリメートル~15ミリ
メートルの範囲からなり、第4の厚み460は5ミリメートル~15ミリメートルの範囲
からなる。別法として、第3のフォーク448または第4のフォーク450のうちの1つ
または複数は、異なる第3の厚み458または異なる第4の厚み460を有してもよい。
【0067】
[0088]図示されているように、第3の厚み458および第4の厚み460は、スポーク
308とホイールリム304との間で実質的に一定である。別法として、第3の厚み45
8および第4の厚み460のうちの一方または両方は、スポーク308とホイールリム3
04との間で一定以外であってもよい。たとえば、第3の厚み458および/または第4
の厚み460は、スポーク308とホイールリム304との間で増加または減少してもよ
い。
【0068】
[0089]どちらも軸方向328において、第3のフォーク448は第3の高さ462をさ
らに有し、第4のフォーク450は第4の高さ464をさらに有する。第3の高さ462
と第4の高さ464とは、第3のフォーク448および第4のフォーク450に沿った対
応する位置では、等しいことが好ましい。別法として、第3の高さ462は、第3のフォ
ーク448および第4のフォーク450に沿った対応する位置において第4の高さ464
より大きくてもよく、小さくてもよい。好ましくは、第3の高さ462は、10ミリメー
トル~60ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第3の高さ462は、10ミ
リメートル~45ミリメートルの範囲からなる。各第3のフォーク448は同じ第3の高
さ462を有してもよく、各第4のフォーク450は同じ第4の高さ464を有してもよ
い。別法として、第3のフォーク448または第4のフォーク450のうちの1つまたは
複数は、異なる第3の高さ462または異なる第4の高さ464を有してもよい。
【0069】
[0090]図示されているように、第3の高さ462および第4の高さ464は、スポーク
308からホイールリム304に向けて増加する。別法として、第3の高さ462および
第4の高さ464のうちの一方または両方は、スポーク308とホイールリム304との
間で一定でもよく、減少していてもよい。
【0070】
[0091]第3の高さ462は第3の厚み458よりも実質的に大きく、第4の高さ464
は第4の厚み460よりも実質的に大きいことが好ましい。その結果、第2の部分324
および第3の部分326は、軸方向328よりも周方向344に実質的に長く延在する。
第2の部分324および第3の部分326は、スパン距離466にわたって周方向326
に延在する。別法として、第3の高さ462は、第3の厚み458よりも実質的に大きく
なくても第3の厚み458以下でもよく、第4の高さ464は、第4の厚み460よりも
実質的に大きくなくても第4の厚み460以下でもよい。非限定的な例として、第3のフ
ォーク448および第4のフォーク450は、スポーク308とホイールリム304との
間で、周方向344の追加的なスチフネスを提供する。
【0071】
[0092]発散距離452は、第3の高さ462および第4の高さ462よりも実質的に大
きい。別法として、発散距離452は、第3の高さ462および第4の高さ464より実
質的に大きくなくてもよい。
【0072】
[0093]好ましくは、また図示されているように、第1の高さ444と、第2の高さ44
6と、第3の高さ462と、第4の高さ464とは等しい。別法として、第1の高さ44
4、第2の高さ446、第3の高さ462、または第4の高さ464のうちの1つまたは
複数は、他のものとは異なっていてもよい。
【0073】
[0094]各スポーク308は、外面312から内面314へとホイールディスク302を
通るスポークポケット開口468を備えるスポークポケット394を有する。さらに、ス
ポークポケット394は、外面312において概ね三角形の形状を有する。スポークポケ
ット394のポケット幅398は、ホイール取付け部306からホイールリム304に向
けて増加する。
【0074】
[0095]ここで
図10~
図12を参照すると、全体を500で示される、車両ホイールの
第3の実施形態が図示されている。車両ホイール500は
図8および
図9の車両ホイール
300の一変形形態であるので、200だけ増やされた同様の参照符号は、図面中の対応
する部分を示し、その詳細な説明は割愛される。
【0075】
[0096]図示されているように、第1のフォーク632および第2のフォーク634は、
スポーク508とホイールリム504との間で平行以外になっている。図示されているよ
うに、スポーク508からホイールリム504に向けて、第1のフォーク632と第2の
フォーク634とは、初めは収束し、その後、それに続いて発散する。さらに、第1のフ
ォーク632および第2のフォーク634の第1の幅670は、スポーク508からホイ
ールリム504に向けて、初めは減少し、次にそれに続いて増加し、第1の幅670は、
周方向526である。好ましくは、第1の幅670は、5ミリメートル~20ミリメート
ルの間で変化する範囲からなる。より好ましくは、第1の幅670は、5ミリメートル~
15ミリメートルの間で変化する範囲からなる。別法として、第1の幅670は、スポー
ク508からホイールリム504に向けて、初めは減少し、次にそれに続いて増加する以
外であってもよい。非限定的な例として、第1の幅670は、スポーク508からホイー
ルリム504まで一定でもよい。
【0076】
[0097]第2の部分524および第3の部分526は、二股分岐しない。第2の部分52
4および第3の部分526の第2の幅672はスポーク508からホイールリム504に
向けて増加し、第2の幅672は周方向526である。好ましくは、第2の幅672は、
5ミリメートル~30ミリメートルの間で変化する範囲からなる。より好ましくは、第2
の幅672は、5ミリメートル~15ミリメートルの間で変化する範囲からなる。別法と
して、第2の幅672は、スポーク508からホイールリム504に向けて増加する以外
であってもよい。非限定的な例として、第2の幅672は一定でもよく、スポーク508
からホイールリム504に向けて減少してもよく、その他の方法で変化してもよい。
【0077】
[0098]ここで
図13および
図14を参照すると、全体を700で示される、車両ホイー
ルの第4の実施形態が図示されている。車両ホイール700は
図1~
図7の車両ホイール
100の一変形形態であるので、600だけ増やされた同様の参照符号は、図面中の対応
する部分を示し、その詳細な説明は割愛される。
【0078】
[0099]車両ホイール700は、スポーク708とホイールリム704との間にリム接合
部720を有する。リム接合部720は、全体を722で示す第1の部分と、第2の部分
724と、第3の部分726とを有して、ホイールリム704に各スポーク708を連結
する。
【0079】
[00100]図示されているように、第1の部分722は、第1のフォーク874および第
2のフォーク876に二股分岐する。別法として、第1の部分722は二股分岐しなくて
もよい。第1のフォーク874と第2のフォーク876とは、実質的に平行である。別法
として、第1のフォーク874および第2のフォーク876は、スポーク708とホイー
ルリム704との間で収束および/または発散してもよい。
【0080】
[00101]第1のフォーク874と第2のフォーク876とは、第1のフォーク874と
第2のフォーク876との間に第1の部分の凹部880が存在するように、距離878だ
け隔てられる。好ましくは、距離878は、5ミリメートル~40ミリメートルの範囲か
らなる。より好ましくは、距離878は、5ミリメートル~30ミリメートルの範囲から
なる。図示されているように、第1の部分の凹部880は、周方向744において、スポ
ーク中心線732を中心とする。別法として、第1の部分の凹部880は、周方向744
において、中心線732以外を中心としてもよい。別法として、第1の部分の凹部880
は無くされてもよい。
【0081】
[00102]どちらも周方向744において、第1のフォーク874は第1の厚み882を
有し、第2のフォーク876は第2の厚み884を有する。第1の厚み882と第2の厚
み884とは等しいことが好ましい。別法として、第1の厚み882は、第2の厚み88
4より大きくてもよく、小さくてもよい。好ましくは、第1の厚み882は、5ミリメー
トル~20ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第1の厚み882は、5ミリ
メートル~15ミリメートルの範囲からなる。各第1のフォーク874は同じ第1の厚み
882を有してもよく、各第2のフォーク876は同じ第2の厚み884を有してもよい
。別法として、第1のフォーク874または第2のフォーク876のうちの1つまたは複
数は、異なる第1の厚み882または異なる第2の厚み884を有してもよい。
【0082】
[00103]図示されているように、第1の厚み882および第2の厚み884は、スポー
ク708とホイールリム704との間で実質的に一定である。別法として、第1の厚み8
82および第2の厚み884の一方または両方は、スポーク708とホイールリム704
との間で変化してもよい。
【0083】
[00104]第1の部分722は、周方向744よりも軸方向728に実質的に長く延在す
る。非限定的な例として、第1のフォーク874および第2のフォーク876は、スポー
ク708とホイールリム704との間で軸方向718に追加的なスチフネスを提供する。
【0084】
[00105]第2の部分724は、隣接するスポーク708の第3の部分726に接合され
、逆も同様である。第2の部分724と第3の部分726とは、(
図13Aにおいて破線
で示される)中間点886で互いに接合する。したがって、第2の部分724および第3
の部分726は、隣接するスポーク708同士の間で連続的な部材を形成する。
【0085】
[00106]スポーク708は、スポークポケット794を有する。図示されているように
、スポークポケット794は、外面712と内面714との間でスポーク708を貫通す
る開口である。別法として、スポークポケット794は、スポーク708を貫通しない単
なる凹部であってもよい。
【0086】
[00107]本発明の原理および動作モードが、その種々の実施形態において説明されてき
た。しかし、本発明は、その範囲から逸脱しない限り、具体的に例示および説明されたも
のとは異なる方法で実施されてもよいことに留意されたい。