IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジーピーシーピー アイピー ホールディングス エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特許-分割可能な紙製品 図1
  • 特許-分割可能な紙製品 図2
  • 特許-分割可能な紙製品 図3
  • 特許-分割可能な紙製品 図4
  • 特許-分割可能な紙製品 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】分割可能な紙製品
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/16 20060101AFI20230921BHJP
【FI】
A47K10/16 B
A47K10/16 C
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2022063245
(22)【出願日】2022-04-06
(62)【分割の表示】P 2019153245の分割
【原出願日】2016-05-24
(65)【公開番号】P2022089888
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2022-04-06
(31)【優先権主張番号】62/166,488
(32)【優先日】2015-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/162,053
(32)【優先日】2016-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/162,161
(32)【優先日】2016-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517310924
【氏名又は名称】ジーピーシーピー アイピー ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オルソン スティーブン アール
(72)【発明者】
【氏名】ホードリー デビッド エー
(72)【発明者】
【氏名】ドール トーマス ジェイ
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-202206(JP,A)
【文献】特開2004-049261(JP,A)
【文献】特開2006-143254(JP,A)
【文献】特開2003-061861(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0311750(US,A1)
【文献】国際公開第2015/057437(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/16
D21H 11/00-27/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも20グラム/平方メートルの坪量を有する基材シートと、
ミシン目引張り強度が450グラム/3インチ(7.62cm)と950グラム/3インチ(7.62cm)の間である、CD方向の少なくとも1つのミシン目線と、
ミシン目引張り強度が770グラム/3インチ(7.62cm)と1700グラム/3インチ(7.62cm)の間である、MD方向の少なくとも1つのミシン目線と、
を備え、
前記MD方向の前記ミシン目線の前記ミシン目引っ張り強度が前記CD方向の前記ミシン目線の前記ミシン目引張り強度よりも大きく、
前記MD方向の前記ミシン目線の前記ミシン目引張り強度の、紙のCD乾燥引張り強度に対する比が32%から60%であり、
前記MD方向の前記ミシン目線が、少なくとも2mmの切れ目長さと少なくとも0.5mmの結合長さを有する、
少なくとも1つの紙ウェブの分割可能な紙製品。
【請求項2】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、前記CD方向の前記ミシン目線の前記ミシン目引張り強度の、前記紙のMD乾燥引張り強度に対する比が32%から37%である、分割可能な紙製品。
【請求項3】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、前記製品が折畳み紙製品である、分割可能な紙製品。
【請求項4】
請求項3に記載の分割可能な紙製品であって、前記製品がナプキンである、分割可能な紙製品。
【請求項5】
請求項4に記載の分割可能な紙製品であって、前記製品が前記MD方向に少なくとも1つの折り目を有する、分割可能な紙製品。
【請求項6】
請求項5に記載の分割可能な紙製品であって、前記製品が前記CD方向に少なくとも1つの折り目を有する、分割可能な紙製品。
【請求項7】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、前記製品がロール状紙製品である、分割可能な紙製品。
【請求項8】
請求項7に記載の分割可能な紙製品であって、前記製品が紙タオルである、分割可能な紙製品。
【請求項9】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、SAT吸収能力が少なくとも300グラム/平方メートルである、分割可能な紙製品。
【請求項10】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、切れ目が前記MD方向の前記ミシン目線の長さの少なくとも50%を占める、分割可能な紙製品。
【請求項11】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、前記製品がエンボス加工される、分割可能な紙製品。
【請求項12】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、前記製品が単プライ製品である、分割可能な紙製品。
【請求項13】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、前記製品が多プライ製品である、分割可能な紙製品。
【請求項14】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、前記MD方向の前記ミシン目線が前記紙製品を2つのほぼ等しい個片に二分する、分割可能な紙製品。
【請求項15】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、前記少なくとも1つの紙ウェブが通風乾燥によって製造される、分割可能な紙製品。
【請求項16】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、SAT吸収能力が少なくとも550グラム/平方メートルである、分割可能な紙製品。
【請求項17】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、前記MD方向の前記ミシン目線と前記CD方向の前記ミシン目線とが交差して2つの四角形を形成する、分割可能な紙製品。
【請求項18】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、前記MD方向の前記ミシン目線が3未満のアスペクト比を有するミシン目を含む、分割可能な紙製品。
【請求項19】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、前記MD方向の前記ミシン目線の前記ミシン目引張り強度の、前記CD方向の前記ミシン目線の前記ミシン目引張り強度に対する比が少なくとも1.15である、分割可能な紙製品。
【請求項20】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、前記MD方向の前記ミシン目線の前記ミシン目引張り強度の、前記CD方向の前記ミシン目線の前記ミシン目引張り強度に対する比が少なくとも1.5である、分割可能な紙製品。
【請求項21】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、前記基材シートが少なくとも30グラム/平方メートルの坪量を有する、分割可能な紙製品。
【請求項22】
請求項1に記載の分割可能な紙製品であって、前記基材シートが少なくとも45グラム/平方メートルの坪量を有する、分割可能な紙製品。
【請求項23】
少なくとも1つの紙ウェブの分割可能な紙製品であって、
CD方向に延在する第1の組のミシン目と、前記CD方向に延在する第2の組のミシン目とを有するミシン目線によって第1のシートが定義される、一連の一回使用向け吸収性紙シートを備え、
前記第1のシートが、前記第1のシートをより小さいシートに分割できるようにする、MD方向の少なくとも一組のミシン目を有するミシン目線を含み、
前記MD方向の前記少なくとも一組のミシン目のミシン目結合長さが、前記CD方向に延在する前記第1および第2の組のミシン目の結合長さよりも長く、
前記MD方向の前記少なくとも一組のミシン目のミシン目強度が少なくとも770グラム/3インチ(7.62cm)であり、
前記CD方向の前記ミシン目のミシン目強度が少なくとも450グラム/3インチ(7.62cm)であり、
前記MD方向の前記ミシン目線のミシン目引張り強度が、前記CD方向の前記ミシン目線のミシン目引張り強度より大きく、
前記紙製品が少なくとも20グラム/平方メートルの坪量を有し、
前記紙製品が少なくとも300グラム/平方メートルのSAT吸収能力を有する、
少なくとも1つの紙ウェブの分割可能な紙製品。
【請求項24】
請求項23に記載の分割可能な紙製品であって、前記CD方向の前記ミシン目のパーセント結合面積が少なくとも15%である、分割可能な紙製品。
【請求項25】
請求項23に記載の分割可能な紙製品であって、前記MD方向の前記ミシン目のパーセント結合面積が少なくとも16%である、分割可能な紙製品。
【請求項26】
請求項23に記載の分割可能な紙製品であって、前記MD方向に延在する前記ミシン目の結合長さが、前記CD方向の前記第1または第2いずれかの組の前記ミシン目の結合長さの少なくとも1.2倍である、分割可能な紙製品。
【請求項27】
請求項23に記載の分割可能な紙製品であって、前記より小さいシートが前記CD方向に少なくとも5インチ(12.70cm)の長さである、分割可能な紙製品。
【請求項28】
少なくとも20グラム/平方メートルの坪量と、
結合長さ、切れ目長さ、および結合面積を有する、CD方向の少なくとも1組のミシン目を有する少なくとも1つのミシン目線と、
結合長さ、切れ目長さ、および結合面積を有する、MD方向の少なくとも1組のミシン目を有する少なくとも1つのミシン目線と、を備え、
前記MD方向の前記ミシン目線のミシン目引張り強度の、前記CD方向の前記ミシン目線のミシン目引張り強度に対する比が少なくとも1.15であり、
前記MD方向の前記ミシン目線の前記結合長さが、前記CD方向の前記ミシン目線の前記結合長さよりも長く、
前記MD方向の前記ミシン目のパーセント結合面積の、前記CD方向の前記ミシン目のパーセント結合面積に対する比が1.0より大きく、
前記MD方向の前記ミシン目線の前記ミシン目引張り強度の、紙のCD乾燥引張り強度に対する比が32%から60%である、
通気乾燥によって製造された少なくとも1つの紙ウェブの分割可能な紙製品。
【請求項29】
請求項28に記載の分割可能な紙製品であって、前記CD方向の前記ミシン目線が一連の均一なミシン目を含む、分割可能な紙製品。
【請求項30】
請求項28に記載の分割可能な紙製品であって、前記MD方向の前記ミシン目線が一連の均一なミシン目を含む、分割可能な紙製品。
【請求項31】
請求項28に記載の分割可能な紙製品であって、前記MD方向の前記少なくとも1つのミシン目線が少なくとも770グラム/3インチ(7.62cm)のミシン目引張り強度を有する、分割可能な紙製品。
【請求項32】
請求項31に記載の分割可能な紙製品であって、前記CD方向の前記少なくとも1つのミシン目線が少なくとも450グラム/3インチ(7.62cm)のミシン目引張り強度を有する、分割可能な紙製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、消費者の好みによって要求されるシートサイズに分割することができる紙製品に関する。具体的には、本開示は、紙ウェブを新しい異なったやり方で分離できるようにするために、機械方向および機械横方向の両方で穿孔することができる紙製品について記載する。例えば、二方向のミシン目によって、ウェブ製品の包装、折畳み、および分配に関して新しい選択肢が展開される。更に、本開示は、消費者が特定の用途に望ましい量の紙製品のみを取り外すことを可能にする一体的なサイジングを作り出すことによって、消費者用紙製品を使用する際の無駄を最小限に抑える解決策を提供する。一実施形態では、本開示は、単一のシートをロールから分離するだけでなく、2分の1および4分の1のシートを分離することも可能にする、ロール状紙タオル製品について記載する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年5月26日付けの米国仮特許出願第62/166,488号を基礎とし、その全体を本明細書に組み込む。
【0003】
消費者の日常生活は、消費者の快適性および利便性のためだけに製造される様々な最新製品であふれている。使い捨て製品に対する消費者の要求は高いが、多くの消費者は、これらの使い捨て製品を製造するのに必要な資源の量に関していまだに懸念している。したがって、できるだけ環境にやさしい使い捨て製品を開発するための重要な研究が引き続き行われている。
【0004】
環境への関心が高い消費者は、使用する使い捨て材料をより少なくできる製品を求める場合が多い。紙タオルの分野では、このことによってメーカーは、より細かい作業を扱うためにより小さい輪郭を有する紙タオル製品を提案してきた。これらのタオルは、「Select-a-Size」または「Pick-a-Size」などの名前で市販されている。消費者が紙製品をより小さい四角に分離できるようにするという概念は明白のようであるが、実際に更に分割することができる製品は非常に難しい。ナプキンの分野では、消費者は、所望の用途に適したナプキンを購入することによって無駄を省くことができる。業界は慣例的に、カクテルナプキン、ランチョンナプキン、ディナーナプキン、および種々のファストフードサイズのものを含めて、意図される作業によってナプキンをサイズ決めしている。
【0005】
市場にある現在のタオル製品は、フルサイズの紙タオル製品とハーフサイズの紙タオル製品との間で消費者が選択できるようにする特徴を有している。これらの製品は全て、ロールの頂部からロールの底部まで、即ちタオルシートの機械横方向(CD)に通っている、ミシン目線を使用している。Pick-a-sizeのミシン目は、標準的なミシン目と同じ形式で作成されるが、ミシン目線はより多く、互いにより近接している。Pick-a-sizeのミシン目を追加しても、タオル製品を作成するプロセスに対する影響は最小限である。
【0006】
対照的に、シートの機械方向(MD)で、例えば、本明細書に記載するように、紙タオルロールの中心の周りに、またはナプキンの折畳み線に沿ってミシン目を設ける場合は、紙シートを製造するプロセスに大幅に影響する可能性がある。更に、現在のナプキン製品は、ミシン目、または消費者が製品のサイズを低減するための他の何らかの手段を含まない。消費者が異なるサイズのナプキンを望む場合には、別のサイズを購入する必要がある。ナプキンに関する現在の折畳み構造を所与とすると、分割できる製品を作成するには多くの困難がある。
【0007】
このように、工業用または商用のどちらであっても、消費者がこれらの便利な製品のサイズを低減できないことは、例えば、数例を挙げると、ワイパー、折畳みハンドタオル、デリ用ペーパー、コーヒーフィルタ、ドライヤーシート、花束用包装紙、食品ライナー、ヘルスケアワイパーなど、他の一般の紙製品にまで及ぶ。これらの製品は、異なるサイズで販売されることがあるが、一般に、単一の製品サイズのみを収容したパッケージで販売されている。追加のサイズが求められる場合は、別個に購入される。より小さい単位へと分離することができる製品は、作り出される環境の無駄の量を低減するという消費者の要望の多くを満たすであろう。
【0008】
これらの製品は全て共通して、繊維性ウェブから始まり、その後完成品へと加工される。最も基本的な説明をすると、紙、この例では紙タオルは、水中に分散された繊維を抄紙機に供給し、繊維を生地のシステム上に堆積させてシートを形成し、シートを乾燥させることによって作成される。現代の抄紙機は、1000M/分を超える速度で稼働することができるので、シートをロールに巻き付ける前に弱い部分がシートに導入されないように注意が払われ、それによって破断が回避される。紙シートは、本質的に、異なる方向では異なる強度を有する。紙シートは、機械方向、即ちロールの周囲方向の方が強く、横方向、即ちロールの頂部から底部への方向の方が弱い。
【0009】
シートは、巻き上げられると、加工操作を、即ち原料の紙ウェブを最終製品にするプロセスを待つ。製紙などの加工は高スループットのプロセスであり、紙シートを最終製品に向けてプロセスに通す際の破断を防ぐように制御しなければならない。加工の間、加工プロセス自体によって、例えばエンボス加工または穿孔によって、シートの弱い部分が生じることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、機械方向のミシン目を有する紙製品を製造する有効な方法、ならびに機械横方向および機械方向の両方にミシン目を有する実施形態を発見した。このプロセスによって、機械方向のミシン目を含めることを試みる従来技術に伴うような加工の間の不具合なしに、紙製品を製造することが可能になる。機械方向、および二方向のミシン目によって、また、ウェブ製品の包装、折畳み、および分配に関して新しい選択肢が展開される。
【0011】
今日の市場では、機械方向のミシン目を有する製品を製造できるだけでは不十分である。商用的に容認されるためには、製品は消費者の期待を満たさなければならない。本発明者らは更に、完全な1枚のシート、2分の1シート、もしくは4分の1シートとしてロールから取った紙タオルであるか、またはセンタープル容器から取ったワイパーのいずれであるかに関わらずうまく分離する、機械方向のミシン目を作成できることを発見した。有効であるためには、機械方向のミシン目は、確実により小さい製品へと分離すべきであり、特定の特性および/または引裂き強度が用いられればそのようになる。
【0012】
以下の詳細な説明を図面と併せて検討することで、開示する様々なシステムおよび方法の実施形態をよりよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】紙ウェブを本明細書の紙タオル製品へと加工する一般的プロセスを例示するフロー図である。
図2】記載するようなミシン目を有する紙タオルロールを示す図である。
図3】機械方向のミシン目を作成するホイールを含む加工操作の一実施形態を示す図である。
図4】紙ウェブをミシン目入りのナプキン製品へと加工する一般的プロセスを例示するフロー図である。
図5】最終ナプキン製品の折畳み線と一致する機械方向のミシン目を有するナプキン製品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の考察は、本発明の様々な実施形態を対象とする。図面は必ずしも縮尺通りではない。実施形態の特定の特徴は、縮尺を誇張して、またはある程度概略的な形態で示されることがあり、また明瞭かつ簡潔にする目的で、従来の要素のいくつかの詳細は示されないことがある。これらの実施形態のうち1つ以上が好ましいことがあるが、開示する実施形態は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲を限定するものとして解釈するか、または別の形で使用するべきではない。以下に考察する実施形態の様々な教示は、所望の結果を生み出すために別々に、または任意の好適な組み合わせで用いられてもよいことを、十分に認識されたい。それに加えて、当業者であれば、以下の記載は広範な用途を有し、また任意の実施形態の考察はその実施形態の単なる例示であって、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がその実施形態に限定されることを示唆するものではないことを理解するであろう。
【0015】
特定の特徴または構成要素を指すために、以下の記載および特許請求の範囲全体を通して特定の用語が使用される。当業者には理解されるように、別々の人が別々の名前によって同じ特徴または構成要素を指すことがある。本文書は、名前は異なるが構造または機能に相違がない構成要素もしくは特徴同士を区別しようとするものではない。
【0016】
以下の考察および特許請求の範囲で使用するとき、「含む(including)」、「である(is)」、「備える(comprising)」、「包含する(containing)」などの用語は、オープンエンドの形で使用され、したがって、「~を含むがそれらに限定されない」ことを意味するものと解釈されるべきである。「から成る(consisting)」および「本質的に~から成る(consisting essentially)」といったクローズドの文言が含まれる場合、その分野で認識されている意味が与えられる。
【0017】
本明細書で使用するとき、「紙ウェブ」、「連続紙ウェブ」、「紙ロール」、「ロール紙」、「紙シート」、「シート」、「連続シート」、「エアレイドウェブ」、「エアレイド」、「不織布ウェブ」、および「ワイパー」、ならびに「紙」は全て、最終製品へと加工される紙ウェブを指す。
【0018】
本明細書で使用するとき、「ミシン目」は、1つの切断エリアと1つの結合エリアの組み合わせを指す。
【0019】
本明細書で使用するとき、「ミシン目」および「ミシン目線」は、製品上の任意の2つの箇所間を延在する一連のミシン目、例えば、製品の2つの縁部間を延在するミシン目線、または製品の縁部と交差するミシン目線との間を延在するミシン目線を説明するのに交換可能に使用される。
【0020】
本明細書で使用するとき、「垂直」および「実質的に垂直」は、機械方向にほぼ追随するミシン目線を説明するのに交換可能に使用される。実質的にという用語が修飾語として存在するか否かに関わらず、垂直ミシン目は、機械方向にほぼ追随する一組のミシン目を指すものと理解される。「垂直」という用語が、CDミシン目線とMDミシン目線との間における90°の角度を具体的に指すことが意図される例では、そのように指定される。
【0021】
使い捨て紙製品の製造では、軟木または硬木などの原料から遊離されている繊維から繊維性ウェブが製造される。繊維は、任意の既知の製紙プロセスによって、例えば湿式プレス、空気乾燥、または空気積層によって、連続シート材料へと構成される。
【0022】
キッチンタオル、ナプキン、または他の製品の製造では、製品は湿式積層プロセスを使用して製造されてもよい。例示的な湿式積層プロセスによれば、紙製品は、水中に分散された線維を抄紙機に供給し、製造される製品のタイプに適した化学物質、例えばキッチンタオルを生産する場合は湿潤強力樹脂を、繊維と組み合わせ、繊維を生地のシステム上に堆積させてシートを形成し、シートを乾燥させることによって作成される。乾燥は、任意の既知の製紙プロセスによって、例えば、Yankeeドライヤー、空気乾燥、または例として、UCTADプロセス、eTADプロセス、Atmosプロセスなどを含む、構造化された乾燥用生地を使用する任意のプロセスによって、達成されてもよい。
【0023】
別の周知のプロセスによれば、繊維を空気積層することによって、繊維性基材シートを作成することができる。このプロセスによれば、繊維は空気流に混入され、コンデンサスクリーン上に回収される。コンデンサスクリーン上に堆積したシートは、例えば、機械的結合、例えばニードルパンチ、熱的結合、化学的結合、水流交絡などを含む、任意の好適な方法によって結合させることができる。湿式積層紙シートのように、空気積層不織布に対して、単純なものから複雑なものにまで及ぶ加工操作を行って、基材シートを所望の完成品へと変換する。かかる不織布製品を、例えば、タブ、カーボン、シングルパック、キャニスタ、剛性パッケージ、および可撓性パッケージを含む、分野において認識されているパッケージに包装することができる。
【0024】
作成するのに用いられるプロセスに関わらず、全ての紙シートは本質的に、異なる方向で異なる強度を有する。紙シートは、機械方向、即ちロールの周囲方向の方が強く、横方向、即ちロールの頂部から底部への方向の方が弱い。これらの強度差は、ウェブを最終製品へと加工するプロセスの間に作用し始める場合がある。より弱い方向に影響を及ぼす更なる応力が製品に加えられると、加工の間に不具合を起こす可能性が高くなる。
【0025】
加工は、例えば、切断、折畳み、エンボス加工、切開、穿孔、合撚、打抜き、積層、化学処理などを含む、紙ウェブに対する多くの異なる潜在的操作を包含する。加工操作の特定の組み合わせが、特定の完成品、例えば、紙タオルロール、ナプキン、顔用ティッシュなどを製造することは十分に理解される。一般的な紙タオル加工操作の間、紙ウェブは巻き出され、エンボス加工され、合撚され、穿孔され、再び巻き取られ、切断されて個々の紙タオルロールとなる。これら(および他の任意)の操作の間、シートは、加工機器の様々な部品間を高速で移動させられる。一例の紙タオル加工操作が図1に示されている。紙シートは張力下で機器の部品間を移動させられ、これらの加工操作はそれぞれ、シートが移動する際に応力を生じさせる。
【0026】
図2は、機械横方向のミシン目線20と機械方向の垂直ミシン目線30とを有する紙タオル製品10を示している。紙タオル製品10は、図1に示されている加工手順を使用して製造することができる。紙シートは、親ロールから巻き出され、製品が印刷製品である場合はプリンタを通して搬送され、別の場合は、紙シートはエンボス加工ステーションに搬送され、そこでシートがエンボス加工を施される。エンボス加工後、製品が多プライ製品の場合は、シートは合撚および積層され、その後穿孔へと搬送される。製品は、穿孔された後に巻かれて、適切な市販の直径の素材となる。素材はその後、切断されて個々のロールにされ、それらが包装され、販売できる状態になる。
【0027】
一般的なナプキン加工操作の間、紙ウェブは巻き出され、エンボス加工され、合撚され、折り畳まれ、個々の紙ナプキンへと切断される。紙タオルのように、これらの操作の間、シートは、加工機器の様々な部品間を高速で移動させられる。本開示による例示のナプキン加工操作が図4に示されている。従来のナプキン加工プロセスとは異なり、本明細書に記載するようなプロセスおよびシステムは、ナプキン製品の折畳みおよび切断の前に穿孔ステップを含む。穿孔プロセスは、2つの同等のナプキンに分けることができるナプキン製品を提供する。一実施形態によれば、ミシン目はナプキンに最後に作られる折り目の上に来る。
【0028】
図5は、機械方向のミシン目線30を有するナプキン製品10を示している。ナプキン製品10は、図4に示されている加工手順を使用して製造することができる。紙シートは、親ロールから巻き出され、製品が印刷製品である場合はプリンタを通して搬送され、別の場合は、紙シートはエンボス加工ステーションに搬送され、そこでシートがエンボス加工を施される。エンボス加工後、製品が多プライ製品の場合は、シートは合撚および積層され、その後穿孔へと搬送される。製品は、穿孔された後、折畳み機械に送られ、そこで紙が折り畳まれ、切断されて個々のナプキン製品となる。
【0029】
加工操作間での移動によってシートに加わる本質的な応力に加えて、エンボス加工および穿孔は他の応力を生じさせ、それによってもシートが弱くなって、シートの分離または破断によって加工操作が失敗する恐れがある箇所が生じる。
【0030】
各ミシン目線は一連の個々のミシン目を含む。1つのミシン目は、紙を通して作られた1つの切れ目と1つの結合とで作られる。本明細書で使用するとき、結合は、個々の切れ目の間で付着したままの紙のタブを指す。そのため、各ミシン目は1つの切れ目とその隣の結合とで作られる。ミシン目は、切れ目の長さ、結合の長さ、またはそれら2つを組み合わせた長さによって以下に定義することができ、本明細書ではミシン目単位長さと呼ぶ。
【0031】
記載するような製品のミシン目は、任意の分野において認識されている穿孔システムを使用して製造することができる。穿孔システムは、一般的に、多数の歯を備える1つ以上のブレードを含む。歯は、紙製品を切断し、ミシン目の切れ目部分を形成するのに使用される、切刃の表面を形成する。ブレード上の歯の間の開放領域は、紙表面を損傷することなく表面の上を移動し、それによってミシン目の結合部分を作成する。CD方向のミシン目線を製造するミシン目ロールは、一般に、穿孔ロールの第1の端部で始まり、螺旋状の形式でロールの丸一回転にわたるロールの直径および長さに及ぶ、一連の穿孔ブレードを有する。MD方向に通るミシン目を製造するために、穿孔ロールは、垂直ミシン目線の切れ目および結合を製造する、歯および開放空間からなる一連のブレードを有するように構成した。
【0032】
記載したような紙タオル製品は、機械横方向のミシン目線ならびに機械方向のミシン目線の両方を有するように製造される。一実施形態によれば、紙製品のミシン目線は、機械横方向の引裂き強度よりも高い機械方向の引裂き強度を有する。
【0033】
一実施形態によれば、ナプキン製品はMD方向にのみ穿孔される。これらのMDミシン目線は、引裂き荷重がナプキンに加えられて分離をもたらすまで、ナプキン部分の分離を防ぐのに十分な引裂き強度を有する。
【0034】
一実施形態によれば、ワイパー製品はセンタープル製品であり、MDおよびCD両方向のミシン目線を含む。紙タオル製品のように、ワイパー製品のミシン目線は、製品を適切に分配できるようにするために、機械横方向のミシン目線のミシン目引張り強度よりも高い機械方向のミシン目引張り強度を有してもよい。
【0035】
紙タオル
記載する紙タオル製品は、機械横方向のミシン目線、ならびに機械方向の少なくとも1つの垂直ミシン目線を有するように製造される。CD方向のミシン目線は、当該分野においてよく理解されており、分野において認識されている任意の穿孔ブレードを使用して作ることができる。紙タオルのCD方向のミシン目を製造するのに使用される一般的な穿孔ブレードは、約600~約950g/3インチ(7.62cm)のミシン目張力を有するミシン目線を製造する。市販の紙タオル製品を製造するのに使用される1つの一般的な穿孔ブレードは、約3.5~約3.9mmのミシン目単位長さを有し、例えば、0.6mmの結合長さと3.1mmの切れ目長さを有する約3.7mmのミシン目単位長さを有する。
【0036】
MD方向の垂直ミシン目線は、CDミシン目を製造する穿孔ユニットの前または後のどちらかで、穿孔ロールを適用することによって製造される。紙タオル製品を穿孔する1つの構成が図3に示されている。図3に示される一実施形態によれば、巻返し機100は、MD穿孔機ホイールおよびアンビルロール200を通して紙ウェブを運ぶ。紙ウェブはMD方向で穿孔されて、垂直ミシン目が作成される。ウェブは次に、螺旋状のCD穿孔ホイールとアンビルロール300との間に方向付けられ、そこでCD方向ミシン目が紙ウェブに作られる。最後に、紙ウェブは、表面巻取機セクション400で所望の市販製品の直径まで巻かれる。
【0037】
本開示で使用される穿孔ロールは、分野において認識されている任意の穿孔ロール、または連携して使用される一連の穿孔ホイールを含むことができる。穿孔ホイールの直径は、所望のミシン目単位長さに対して適切な繰返し長さを生み出すように選択される。所望のミシン目張力およびミシン目単位長さを決定する際、当業者であれば、適切な繰返し長さを生成する適切な穿孔ホイールを選択することができる。一実施形態によれば、対応するアンビルロールのサイズは、高速で稼働することが望ましい場合に、穿孔ホイールとアンビル表面との接触を改善するように、通常はより大きい直径のロールへと調節することができる。一実施形態によれば、MD方向で紙タオルのミシン目を製造するのに使用される一般的な穿孔ブレードは、約800~約1500g/3インチ(7.62cm)のミシン目張力を有するミシン目線を製造する。垂直ミシン目を製造する穿孔ブレードは、結合長さが約0.5mm~約0.9mm、切れ目長さが約2.0mm~約6.0mmの、約3.0mm~約6.5mmのミシン目単位長さを有することができる。
【0038】
一実施形態によれば、機械横方向のミシン目線は、少なくとも約15%、例えば少なくとも約16%、例えば約15.5%~約16.5%、例えば約16%~約16.5%、例えば約16%~約16.3%の、ミシン目線のパーセント結合面積を有する。
【0039】
機械方向の垂直ミシン目線は、少なくとも約15%、例えば少なくとも約15.5%、例えば少なくとも約19%、例えば少なくとも約22%、例えば約15%~30%の、ミシン目線のパーセント結合面積を有する。
【0040】
一実施形態によれば、機械横方向のミシン目線は、約450g/3インチ(7.62cm)~約950g/3インチ(7.62cm)のミシン目張力を有する。より詳細には、ミシン目張力は、約450g/3インチ(7.62cm)~約800g/3インチ(7.62cm)、例えば約500g/3インチ(7.62cm)~約950g/3インチ(7.62cm)、例えば約600g/3インチ(7.62cm)~約950g/3インチ(7.62cm)、例えば約750g/3インチ(7.62cm)~約950g/3インチ(7.62cm)、例えば約850g/3インチ(7.62cm)~約950g/3インチ(7.62cm)である。
【0041】
一実施形態によれば、機械方向の垂直ミシン目線は、約770g/3インチ(7.62cm)~1700g/3インチ(7.62cm)のミシン目張力を有する。より詳細には、機械方向の垂直ミシン目の垂直ミシン目張力は、約750g/3インチ(7.62cm)~約1700g/3インチ(7.62cm)、例えば800g/3インチ(7.62cm)~約1700g/3インチ(7.62cm)、例えば約800g/3インチ(7.62cm)~約1500g/3インチ(7.62cm)、例えば約950g/3インチ(7.62cm)~約1700g/3インチ(7.62cm)である。一実施形態によれば、適切な分離手順を達成するために、MD方向の垂直ミシン目のミシン目強度は、CD方向のミシン目よりも高い。
【0042】
垂直ミシン目張力対CDミシン目張力の比は、約0.9~約1.7、例えば約1.0~約1.5、例えば約1.0~約1.2であることができる。
【0043】
一実施形態によれば、紙のMD引張り強度とCD方向のミシン目線のミシン目引張り強度の比(CDミシン目張力比(CD perf tensile ratio))は、約30%~約40%、例えば約32%~約38%、例えば約32%~約36%、例えば少なくとも約32%である。
【0044】
一実施形態によれば、紙のCD引張り強度とMD方向の垂直ミシン目線のミシン目引張り強度の比(MDミシン目張力比)は、約30%~約60%、例えば約30%~約50%、例えば約32%~約55%、例えば少なくとも約32%である。
【0045】
垂直ミシン目比対ミシン目比の比は、約1.0~約2.0、例えば約1.0~約1.8、例えば約1.0~約1.7であることができる。
【0046】
一実施形態によれば、CD方向で直線的に測定したCDミシン目線の結合長さは、約0.5mm~約0.75mm、例えば約0.5mm~約0.6mm、例えば約0.5mm超、例えば約0.6mm、例えば約0.6mm~約0.7mmである。
【0047】
一実施形態によれば、MD方向で直線的に測定したMDミシン目線の結合長さは、約0.5mm~約0.9mm、例えば約0.6mm~約0.9mm、例えば約0.6mm超、例えば約0.6mm~約0.8mm、例えば約0.65mm~0.8mmである。
【0048】
一実施形態によれば、CD方向で直線的に測定したCDミシン目線の切れ目長さは、約2.5mm~約3.5mm、例えば約3.0mm~約3.5mm、例えば約3.0mm超、例えば約3.1mm、例えば約3.0mm~約3.3mmである。
【0049】
一実施形態によれば、MD方向で直線的に測定したMDミシン目線の切れ目長さは、約2.0mm超、約2.0mm~約6.0mm、例えば約2.5mm~約5.0mm、例えば約2.0mm~約3.5、例えば約3.5mm未満、例えば約2.0mm~約4.5mmである。
【0050】
例示していないが、機械方向垂直ミシン目線とCDミシン目線との間で所望の相対ミシン目強度を達成する他の実施形態が想起される。ミシン目線は、一般的に、一連の均質なミシン目で作られるが、不規則なミシン目線が本明細書で使用するのに想起される。ミシン目線は、様々なミシン目単位長さ、異なる結合長さ、および/または異なる切れ目長さを有する、異なるセグメントで作られてもよい。CDミシン目線に近接した範囲にあるMDミシン目線の強度を改善したい場合、交点に近接した範囲では、MDミシン目のより長い結合を使用することができる。本明細書で使用するとき、CDミシン目線とMDミシン目線の交点に近接する範囲とは、2つのミシン目が交わる点から約4mm以内の範囲を指す。
【0051】
一実施形態によれば、CD方向で直線的に測定したCDミシン目線の切れ目長さ対結合長さの比は、約3超、例えば約3.5超、例えば約4超、例えば約4.5超、例えば約8超である。
【0052】
一実施形態によれば、MD方向で直線的に測定した垂直ミシン目線の切れ目長さ対結合長さの比は、約7未満、例えば約5.0未満、例えば約4未満、例えば約3未満、例えば約2.5未満である。
【0053】
一実施形態によれば、MD方向の垂直ミシン目線の個々のミシン目は、CD方向の個々のミシン目よりも長い。別の実施形態によれば、MD方向の垂直ミシン目線の個々のミシン目は、CD方向の個々のミシン目よりも短い。最後に、更に別の実施形態によれば、MD方向の垂直ミシン目線の個々のミシン目は、CD方向の個々のミシン目と同じ長さであり、この実施形態によれば、MD垂直ミシン目線の切れ目長さおよび結合長さは、CDミシン目線の切れ目長さおよび結合長さと同じであるか、または異なっていてもよい。
【0054】
一実施形態によれば、MD方向の個々の垂直ミシン目の長さとCD方向の個々のミシン目の長さの比は、少なくとも約1.1、例えば少なくとも約1.2、例えば少なくとも約1.3、例えば少なくとも約1.4、例えば少なくとも約1.5、例えば少なくとも約1.6、例えば少なくとも約1.7、例えば少なくとも約1.9である。
【0055】
一実施形態によれば、CD方向のミシン目はMD方向の垂直ミシン目よりも小さい結合を有する。一実施形態によれば、MD方向の結合はCD方向の結合の長さの1.1~1.5倍である。
【0056】
一実施形態によれば、ミシン線内の切れ目は、ミシン目線の面積の少なくとも約50%、例えばミシン目線の少なくとも約65%、例えばミシン目線の少なくとも約70%、例えばミシン目線の少なくとも約75%、例えば約65%~約85%を占める。
【0057】
一実施形態によれば、CDおよびMDミシン目を使用して、少なくとも約35g/平方メートル、例えば少なくとも約40g/平方メートル、例えば少なくとも約43g/平方メートル、例えば少なくとも約45g/平方メートル、例えば少なくとも約50g/平方メートルの坪量を有するタオル製品を製造することができる。紙ウェブの坪量は、ミシン目張力に影響を及ぼすことがある。より詳細には、タオル製品は、少なくとも約40g/平方メートル、例えば少なくとも約43g/平方メートル、例えば少なくとも約45g/平方メートル、例えば少なくとも約50g/平方メートル、例えば少なくとも約51g/平方メートル、例えば約43g/平方メートル~約51g/平方メートルの坪量を有することができる。
【0058】
一実施形態によれば、紙タオル製品は、非圧縮乾燥(non-compactive drying)によって製造される紙ウェブから作られる。当該分野で周知の非圧縮乾燥の様々な方法としては、通風乾燥(TAD)、UCTAD(非クレープTAD)、シングルまたはダブルクレープTADが挙げられる。本明細書で使用するとき、クレープ加工または急送(rush transfer)などのプロセスは圧縮性と見なされない。
【0059】
記載するような紙タオルは、単プライ、二プライ、または三プライ製品であってもよい。一実施形態によれば、紙タオル製品は、少なくとも約300g/平方メートル、例えば少なくとも約400g/平方メートル、例えば少なくとも約450g/平方メートル、例えば少なくとも約500g/平方メートル、例えば少なくとも約550g/平方メートル、例えば約550g/平方メートル~約600g/平方メートルのSAT吸収能力を有する。
【0060】
一実施形態によれば、垂直ミシン目はタオルを2つの等しいサイズのタオルへと二分する。別の実施形態によれば、垂直ミシン目は、タオルを等しくないサイズの2つのタオルへと二分するように配置することができる。この実施形態によれば、垂直ミシン目は、小さい方のタオルが機械横方向で3.5インチ(8.89cm)以上、例えば機械横方向で4インチ(10.16cm)以上、例えば機械横方向で4.5インチ(11.43cm)以上、例えば機械横方向で5インチ(12.70cm)以上であるような形で配置すべきである。
【0061】
垂直ミシン目および機械横方向ミシン目の両方を有する紙タオル製品を製造する際に直面する問題に加えて、ミシン目と関連付けられたミシン目強度は、使用の際に消費者が所望する引裂き手順を生み出すように制御しなければならない。ミシン目強度が本明細書に開示する実施形態の範囲内にない場合、紙タオルは、機械方向の4分の1シートへの引裂きの前に、機械横方向への完全な1枚のシートまたは2分の1シートの所望の引裂きを生み出さない。
【0062】
市販の紙製造は、実際の繊維、稼働条件、および周囲環境における変動によって生じ得る、各紙送りの属性同士のわずかな変動を考慮に入れるように、最終製造製品において望ましい属性それぞれに対する目標の値または値範囲のどちらかを使用して実施される。したがって、プロセスは、完成品の属性を、意図される最終製品に対する消費者の要求に基づいた商用規格の範囲内で維持するように、継続して調節される。
【0063】
適正なミシン目強度およびしたがって適正な引裂きパターンを一貫してもたらす製品を得ることが、消費者の満足にとって重要である。全ての抄紙機は、作り出す紙の性質に関してある程度のばらつきを示す。同じことが加工にも言える。全ての加工操作は標準偏差を有する。そのため、ミシン目がシートに配置されたとき、CD方向のミシン目強度は、例えば790g/3インチ(7.62cm)、標準偏差85g/3インチ(7.62cm)であってもよい。100g/3インチ(7.62cm)の標準偏差をそれ自体が有する場合がある950g/3インチ(7.62cm)のMDミシン目が望ましい場合、MDミシン目およびCDミシン目は、それらが製造される機械に応じて最終的に反転させることができ、即ち、MDミシン目が最低で850g/3インチ(7.62cm)であり、CDミシン目が最高で875g/3インチ(7.62cm)であり得る。
【0064】
消費者が、記載するようなロール状紙タオル製品を使用するときに、ミシン目強度が機械方向で強すぎると、タオルは簡単に分離せず、シートの脆弱線に沿って分離し始めて、ミシン目に追随しない分離が起こり、それによって望ましくない材料の端が2つのより小さいタオルの一方に残る。
【0065】
ナプキン
本明細書に開示するような穿孔技術と共に使用することができるナプキンの基材シートは、分野において認識されている任意の基材シートを含むことができる。それに加えて、MDミシン目線をナプキン製品に含めることで、ナプキン製品の包装、折畳み、および分配に関する新しい選択肢が提供される。
【0066】
記載するような紙ナプキン製品は、機械方向の少なくとも1つの垂直ミシン目線を有して製造される。MD方向の垂直ミシン目線は、連携して使用される、分野において認識されている任意の一連の穿孔ホイールを含む穿孔を適用することによって製造される。穿孔ロールの直径は、適切な繰返しミシン目長さを生み出すように選択される。所望のミシン目張力およびミシン目単位長さを決定する際、当業者であれば、適切な垂直ミシン目パターンを生成する適切な穿孔ホイールを選択することができる。一実施形態によれば、MD方向で紙ナプキンのミシン目を製造するのに使用される一般的な穿孔ブレードは、約800~約1500g/3インチ(7.62cm)のミシン目張力を有するミシン目線を製造する。垂直ミシン目を製造する穿孔ブレードは、結合長さが約0.5mm~約0.9mm、切れ目長さが約2.0mm~約6.0mmである、約3.0mm~約6.5mmのミシン目単位長さを有することができる。
【0067】
一実施形態によれば、機械方向の垂直ミシン目線は、約550g/3インチ(7.62cm)~1850g/3インチ(7.62cm)のミシン目張力を有する。より詳細には、機械方向の垂直ミシン目の垂直ミシン目張力は、約750g/3インチ(7.62cm)~約1700g/3インチ(7.62cm)、例えば800g/3インチ(7.62cm)~約1700g/3インチ(7.62cm)、例えば約800g/3インチ(7.62cm)~約1500g/3インチ(7.62cm)、例えば約950g/3インチ(7.62cm)~約1700g/3インチ(7.62cm)である。
【0068】
一実施形態によれば、紙のCD引張り強度とMD方向の垂直ミシン目線のミシン目引張り強度の比(MDミシン目張力比)は、約30%~約60%、例えば約30%~約50%、例えば約32%~約55%、例えば少なくとも約32%である。
【0069】
機械方向の垂直ミシン目線は、少なくとも約15%、例えば少なくとも約15.5%の間、例えば少なくとも約19%、例えば少なくとも約22%、例えば約15%~30%の、ミシン目線のパーセント結合面積を有する。
【0070】
一実施形態によれば、MD方向で直線的に測定したMDミシン目線の結合長さは、約0.5mm~約0.9mm、例えば約0.6mm~約0.9mm、例えば約0.6mm超、例えば約0.6mm~約0.8mm、例えば約0.65mm~0.8mmである。
【0071】
一実施形態によれば、MD方向で直線的に測定したMDミシン目線の切れ目長さは、約2.0mm超、約2.0mm~約6.0mm、例えば約2.5mm~約5.0mm、例えば約2.0mm~約3.5、例えば約3.5mm未満、例えば約2.0mm~約4.5mmである。
【0072】
一実施形態によれば、MD方向で直線的に測定した垂直ミシン目線の切れ目長さ対結合長さの比は、約7未満、例えば約5.0未満、例えば約4未満、例えば約3未満、例えば約2.5未満である。
【0073】
一実施形態によれば、ミシン線内の切れ目は、ミシン目線の面積の少なくとも約50%、例えばミシン目線の少なくとも約65%、例えばミシン目線の少なくとも約70%、例えばミシン目線の少なくとも約75%、例えば約65%~約85%を占める。
【0074】
一実施形態によれば、CDおよびMDミシン目を使用して、少なくとも約35g/平方メートル、例えば少なくとも約40g/平方メートル、例えば少なくとも約43g/平方メートル、例えば少なくとも約45g/平方メートル、例えば少なくとも約50g/平方メートル、例えば少なくとも約55g/平方メートルの坪量を有するナプキン製品を製造することができる。紙ウェブの坪量は、ミシン目張力に影響を及ぼすことがある。
【0075】
一実施形態によれば、紙ナプキン製品は、非圧縮乾燥によって製造される紙ウェブから作られる。当該分野で周知の非圧縮乾燥の様々な方法としては、通風乾燥(TAD)、UCTAD(非クレープTAD)、シングルまたはダブルクレープTADが挙げられる。本明細書で使用するとき、クレープ加工または急送などのプロセスは圧縮性と見なされない。別の実施形態によれば、ナプキンは空気積層によって作られる。
【0076】
記載するような紙ナプキンは、単プライ、二プライ、または三プライ製品であってもよい。一実施形態によれば、紙ナプキン製品は、少なくとも約300g/平方メートル、例えば少なくとも約400g/平方メートル、例えば少なくとも約450g/平方メートル、例えば少なくとも約500g/平方メートル、例えば少なくとも約550g/平方メートル、例えば約550g/平方メートル~約600g/平方メートルのSAT吸収能力を有する。
【0077】
一実施形態によれば、垂直ミシン目はナプキンを2つの等しいサイズのナプキンへと二分する。別の実施形態によれば、垂直ミシン目は、ナプキンを等しくないサイズの2つのナプキンへと二分するように配置することができる。この実施形態によれば、垂直ミシン目は、より小さいナプキンが元のナプキン製品の1/3以上、またはナプキン製品の1/4以上であるような形で配置すべきである。別の実施形態によれば、少なくとも2つのMD方向ミシン目がナプキン製品に含まれる。この実施形態によれば、ナプキン製品は3つに分けることができる。本明細書に記載する技術に基づいて、当業者であれば、既存のナプキン構成の折畳み線と一致するようにMDミシン目を配置するか、または既存のナプキン構成を所望の最終サイズに分けるMDミシン目を配置する手段を想到することができる。
【0078】
当業者が、機械方向垂直ミシン目線およびCD方向ミシン目線の両方を有するナプキン製品を製造したい場合、これら2つのミシン目線の相対的属性に関する上述の考察が、紙タオルに当てはまるのと同様に紙ナプキンにも当てはまる。一実施形態によれば、二方向のミシン目線は、ナプキンがロール状ナプキン製品である場合に有用であろう。ミシン目は、使用の際に、消費者が所望する分離手順を生み出すように制御しなければならない。
【0079】
消費者が、記載するような紙ナプキン製品を使用するときに、ミシン目強度が機械方向で強すぎると、ナプキンは簡単に分離せず、シートの脆弱線に沿って分離し始めて、ミシン目に追随しない分離が起こり、それによって望ましくない材料の端が2つのより小さいナプキンの一方に残る。
【0080】
ワイパー製品
ワイパー製品は、上述したような製紙プロセスを含む様々な異なる方法によって製造することができる。それに加えて、ワイパーはまた、空気積層、スパンレース、スパンボンド、または他の水流交絡プロセスを含む、分野において認識されている任意のプロセスを使用して作ることができる。開示のワイパー製品に使用される不織布基材シートは、均質または層状の製品、単層または多層積層体であることができる。ワイパー基材シートを作るための、分野において認識されている任意の製品を、ミシン目入り製品を作る上述の方法と共に使用することができる。
【0081】
開示の技術を使用して穿孔することができるワイパー製品としては、工業用製品(例えば、工業用タオルおよび清掃用クロス、ウェットハンドワイプ、ドライハンドワイプ、またはダスティングクロスを含む)、ヘルスケアワイパー(使い捨て洗面用タオル、使い捨てバスタオル、クリーニングワイパーおよびクロス、衛生ワイパー、乳児用ワイパー、および表面クリーニングシステムを含む)、フードサービス用ワイパー(ナプキン、テーブルワイパー、バーおよび調理ステーション用ワイパー、衛生ワイパー、ウェットまたはドライハンドワイパー、デリ用ペーパー、サンドウィッチ用ペーパー、ベーカリー用ペーパー、ブッチャーペーパー、肉または冷凍庫用ペーパーを含む)を挙げることができる。上記リストは排他的ではなく、他のワイパー製品も当業者には明白となるであろう。
【0082】
記載するようなワイパー製品は、分野において認識されている任意の解決策を含むことができ、または清掃、軟化、消毒などのための組成物を含浸させてもよい。例えば、ワイパーは、水性組成物、石鹸組成物、清掃用組成物、ローション、抗菌組成物、および/または抗ウィルス組成物を含んでもよい。吸収性基材シートと共に含まれる材料は、流体、エマルション、または懸濁液の形態であってもよく、最終製品はドライまたはウェットタイプであってもよい。
【0083】
記載するようなワイパー製品は、機械方向の少なくとも1つのミシン目を有して製造される。MD方向の垂直ミシン目を含めることによって、新しい、関心の持たれるディスペンサを上記したようなワイパー製品に使用することが可能になる。
【0084】
一実施形態によれば、開示するようなワイパー製品は、機械横方向のミシン目線、ならびに機械方向の少なくとも1つの垂直ミシン目線を有する。CD方向のミシン目線は、当該分野においてよく理解されており、分野において認識されている任意の穿孔ブレードを使用して作ることができる。CD方向のワイパーミシン目を製造するのに使用される一般的な穿孔ブレードは、約600~約950g/3インチ(7.62cm)のミシン目張力を有するミシン目線を製造する。市販のワイパー製品を製造するのに使用される1つの一般的な穿孔ブレードは、約3.5~約3.9mmのミシン目単位長さを有し、例えば、0.6mmの結合長さと3.1mmの切れ目長さを有する約3.7mmのミシン目単位長さを有する。
【0085】
MD方向の垂直ミシン目線は、CDミシン目を製造する穿孔ユニットの前または後のどちらかで、穿孔ホイールを含むシステムを適用することによって製造される。適切な穿孔ホイールの選択については上記で考察している。一実施形態によれば、MD方向でワイパーのミシン目を製造するのに使用される一般的な穿孔ブレードは、約800~約1500g/3インチ(7.62cm)のミシン目張力を有するミシン目線を製造する。垂直ミシン目を製造する穿孔ブレードは、結合長さが約0.5mm~約0.9mm、切れ目長さが約2.0mm~約6.0mmの、約3.0mm~約6.5mmのミシン目単位長さを有することができる。
【0086】
一実施形態によれば、機械横方向のミシン目線は、少なくとも約15%、例えば少なくとも約16%、例えば約15.5%~約16.5%、例えば約16%~約16.5%、例えば約16%~約16.3%の、ミシン目線のパーセント結合面積を有する。
【0087】
機械方向の垂直ミシン目線は、少なくとも約15%、例えば少なくとも約15.5%の間、例えば少なくとも約19%、例えば少なくとも約22%、例えば約15%~30%の、ミシン目線のパーセント結合面積を有する。
【0088】
一実施形態によれば、機械横方向のミシン目線は、約450g/3インチ(7.62cm)~約950g/3インチ(7.62cm)のミシン目張力を有する。より詳細には、ミシン目張力は、約450g/3インチ(7.62cm)~約800g/3インチ(7.62cm)、例えば約500g/3インチ(7.62cm)~約950g/3インチ(7.62cm)、例えば約600g/3インチ(7.62cm)~約950g/3インチ(7.62cm)、例えば約750g/3インチ(7.62cm)~約950g/3インチ(7.62cm)、例えば約850g/3インチ(7.62cm)~約950g/3インチ(7.62cm)である。
【0089】
一実施形態によれば、機械方向の垂直ミシン目線は、約770g/3インチ(7.62cm)~1700g/3インチ(7.62cm)のミシン目張力を有する。より詳細には、機械方向の垂直ミシン目の垂直ミシン目張力は、約750g/3インチ(7.62cm)~約1700g/3インチ(7.62cm)、例えば800g/3インチ(7.62cm)~約1700g/3インチ(7.62cm)、例えば約800g/3インチ(7.62cm)~約1500g/3インチ(7.62cm)、例えば約950g/3インチ(7.62cm)~約1700g/3インチ(7.62cm)である。一実施形態によれば、適切な分離手順を達成するために、MD方向の垂直ミシン目張力のミシン目強度は、CD方向のミシン目張力よりも高い。
【0090】
垂直ミシン目張力対CDミシン目張力の比は、約0.9~約1.7、例えば約1.0~約1.5、例えば約1.0~約1.2であることができる。
【0091】
一実施形態によれば、紙のMD引張り強度とCD方向のミシン目線のミシン目引張り強度の比(CDミシン目張力比)は、約30%~約40%、例えば約32%~約38%、例えば約32%~約36%、例えば少なくとも約32%である。
【0092】
一実施形態によれば、紙のCD引張り強度とMD方向の垂直ミシン目線のミシン目引張り強度の比(MDミシン目張力比)は、約30%~約60%、例えば約30%~約50%、例えば約32%~約55%、例えば少なくとも約32%である。
【0093】
垂直ミシン目比対ミシン目比の比は、約1.0~約2.0、例えば約1.0~約1.8、例えば約1.0~約1.7であることができる。
【0094】
一実施形態によれば、CD方向で直線的に測定したCDミシン目線の結合長さは、約0.5mm~約0.75mm、例えば約0.5mm~約0.6mm、例えば約0.5mm超、例えば約0.6mm、例えば約0.6mm~約0.7mmである。
【0095】
一実施形態によれば、MD方向で直線的に測定したMDミシン目線の結合長さは、約0.5mm~約0.9mm、例えば約0.6mm~約0.9mm、例えば約0.6mm超、例えば約0.6mm~約0.8mm、例えば約0.65mm~0.8mmである。
【0096】
一実施形態によれば、CD方向で直線的に測定したCDミシン目線の切れ目長さは、約2.5mm~約3.5mm、例えば約3.0mm~約3.5mm、例えば約3.0mm超、例えば約3.1mm、例えば約3.0mm~約3.3mmである。
【0097】
一実施形態によれば、MD方向で直線的に測定したMDミシン目線の切れ目長さは、約2.0mm超、約2.0mm~約6.0mm、例えば約2.5mm~約5.0mm、例えば約2.0mm~約3.5、例えば約3.5mm未満、例えば約2.0mm~約4.5mmである。
【0098】
例示していないが、機械方向垂直ミシン目線とCDミシン目線との間で所望の相対ミシン目強度を達成する、他の実施形態が想起される。ミシン目線は、一般的に、一連の均質なミシン目で作られるが、不規則なミシン目線が本明細書で使用するのに想起される。ミシン目線は、様々なミシン目単位長さ、異なる結合長さ、および/または異なる切れ目長さを有する、異なるセグメントで作られてもよい。CDミシン目線に近接した範囲にあるMDミシン目線の強度を改善したい場合、交点に近接した範囲では、MDミシン目のより長い結合を使用することができる。
【0099】
一実施形態によれば、CD方向で直線的に測定したCDミシン目線の切れ目長さ対結合長さの比は、約3超、例えば約3.5超、例えば約4超、例えば約4.5超、例えば約8超である。
【0100】
一実施形態によれば、MD方向で直線的に測定した垂直ミシン目線の切れ目長さ対結合長さの比は、約7未満、例えば約5.0未満、例えば約4未満、例えば約3未満、例えば約2.5未満である。
【0101】
一実施形態によれば、MD方向の垂直ミシン目線の個々のミシン目は、CD方向の個々のミシン目よりも長い。別の実施形態によれば、MD方向の垂直ミシン目線の個々のミシン目は、CD方向の個々のミシン目よりも短い。最後に、更に別の実施形態によれば、MD方向の垂直ミシン目線の個々のミシン目は、CD方向の個々のミシン目と同じ長さであり、この実施形態によれば、MD垂直ミシン目線の切れ目長さおよび結合長さは、CDミシン目線の切れ目長さおよび結合長さと同じであるか、または異なっていてもよい。
【0102】
一実施形態によれば、MD方向の個々の垂直ミシン目の長さとCD方向の個々のミシン目の長さの比は、少なくとも約1.1、例えば少なくとも約1.2、例えば少なくとも約1.3、例えば少なくとも約1.4、例えば少なくとも約1.5、例えば少なくとも約1.6、例えば少なくとも約1.7、例えば少なくとも約1.9である。
【0103】
一実施形態によれば、CD方向のミシン目はMD方向の垂直ミシン目よりも小さい結合を有する。一実施形態によれば、MD方向の結合はCD方向の結合の長さの1.1~1.5倍である。
【0104】
一実施形態によれば、ミシン線内の切れ目は、ミシン目線の面積の少なくとも約50%、例えばミシン目線の少なくとも約65%、例えばミシン目線の少なくとも約70%、例えばミシン目線の少なくとも約75%、例えば約65%~約85%を占める。
【0105】
一実施形態によれば、CDおよびMDミシン目を使用して、少なくとも約20g/平方メートル、例えば少なくとも約25g/平方メートル、例えば少なくとも約30g/平方メートル、例えば少なくとも約35g/平方メートル、例えば約20g/平方メートル~約40g/平方メートル、例えば約25g/平方メートル~約45g/平方メートルの坪量を有するワイパー製品を製造することができる。紙ウェブの坪量は、ミシン目張力に影響を及ぼすことがある。
【0106】
一実施形態によれば、ワイパー製品は、所望のワイパー製品のタイプに応じて、少なくとも約300g/平方メートル、例えば少なくとも約400g/平方メートル、例えば少なくとも約450g/平方メートル、例えば少なくとも約500g/平方メートル、例えば少なくとも約600g/平方メートル、例えば約500g/平方メートル~約1300g/平方メートル、例えば約700~約1000g/平方メートル、例えば約750~約1250g/平方メートルのSAT吸収能力を有する。
【0107】
一実施形態によれば、垂直ミシン目はワイパーを2つの等しいサイズのワイパーへと二分する。別の実施形態によれば、垂直ミシン目は、ワイパーを等しくないサイズの2つのワイパーへと二分するように配置することができる。この実施形態によれば、垂直ミシン目は、より小さいワイパーが元のワイパー製品の1/3以上、またはワイパー製品の1/4以上であるような形で配置すべきである。別の実施形態によれば、少なくとも2つのMD方向ミシン目がワイパー製品に含まれる。この実施形態によれば、ワイパー製品は3つに分けることができる。本明細書に記載する技術に基づいて、当業者であれば、既存のワイパー構成の折畳み線と一致するようにMDミシン目を配置するか、または既存のワイパー構成を所望の最終サイズに分けるMDミシン目を配置する手段を想到することができる。
【0108】
垂直ミシン目および機械横方向ミシン目の両方を有するワイパー製品を製造する際に直面する問題に加えて、ミシン目と関連付けられたミシン目強度は、使用の際に消費者が所望する分離手順を生み出すように制御しなければならない。
【0109】
消費者が、記載するようなワイパー製品を使用するときに、ミシン目強度が機械方向で強すぎると、ワイパーは簡単に分離せず、空気積層シートの脆弱線に沿って分離し始めて、ミシン目に追随しない分離が起こり、それによって望ましくない材料の端がより小さいワイパーの一方または両方に残る。
【0110】
他の製品
上記に記載した実施形態は市販製品の標準的な構成に関連しているが、異なる引裂き強度を有する複数方向のミシン目を提供する同じ技術を、様々な他の繊維製品に適用することができる。記載するような穿孔方法から利益を得ることができる製品としては、分野において認識されている紙シートを形成する任意の方法、例えば湿式積層、または空気積層によって作られる製品が挙げられる。記載するようなプロセスから利益を得ることができる他の製品としては、数例を挙げると、エアフィルタ、ガスフィルタ、壁の覆い、掃除機用バッグ、清掃用ワイプ、防音材、刺繍の安定材が挙げられる。
【0111】
一実施形態によれば、記載するようなプロセスは、刺繍の作成で使用される安定材に適用することができる。安定材はステッチの質を改善するのに使用される。安定材は、本質的に、ティッシュおよびワイパーに関して上述したのと同じ技術を使用して形成される、繊維製品である。安定材は、密な刺繍の場合に特に重要であるが、サテン刺繍のときのしわ寄りおよびトンネリング(tunneling)も防ぐ。各タイプの安定材(熱除去式(heat-away)を除く)には色々な重量または厚さのものがある。より厚くより重い安定材は最も密な飾り縫いに、より軽量のものはより疎な飾り縫いに使用される。安定材は、一般に、それらの除去手段によって特徴付けられる。機械刺繍の安定材には4つの基本タイプがある。
【0112】
剥ぎ取り式:この安定材は、アップリケまたは刺繍を行う際の縫い目の質を改善するのに、一般的な裏当てとして使用される。全ての安定材と同じく、密な飾り縫いによるパッカー、および幅広のジグザグ縫い、サテンステッチ、または他のプログラムされたステッチを使用するときのトンネリングを防ぐ助けとなる。剥ぎ取り式の安定材は、裏生地の裏側に配置され、安定材が定位置にある状態で装飾用の飾り縫いが適用される。剥ぎ取りは、飾り縫いが完了した後で取り除くことができる。剥ぎ取り式の安定材は、薄いインターフェーシングのように見える場合が多く、様々な用途向けに異なる重量のものを見出すことができる。剥ぎ取り式の安定材は、レーヨン(例えば、Saint Petersburg,FLのPCP Group,LLCが流通している100%レーヨンの806 Stitch-N-Tear Pellon(登録商標)ブランド(Pellon(登録商標)Consumer Products)、湿式積層ポリエステル短繊維(0.25~0.5インチ(0.635~1.270cm))、セルロース(例えば、100%セルロースのPellon(登録商標)2301 Print-Stitch-Dissolve(商標))、ポリプロピレン(例えば、100%ポリプロピレンのPellon(登録商標)360 EZ-Stitch(登録商標)は、不織布のミシン目入り軽量安定材である)、あるいは感圧性接着剤も含有するPellon(登録商標)835 Stitch-N-Tear(登録商標)Lite軽量刺繍安定材またはPellon(登録商標)841 Stick-N-Tearとして販売されている、70% Polyester/30% Celluloseなどのポリエステル/セルロースブレンド)で作られる場合が多い。
【0113】
切取り式:このタイプの安定材は、機械プログラムされた密な飾り縫いに使用される。安定材は飾り縫いの下に残るが、デザインの周りから切り取ることができる。切取りタイプは、通常は重く、衣類の上のアップリケまたは刺繍を裏当てするのに使用される。ポリエステル繊維(一般的に、0.5インチ(1.27cm)/15デニール超)(例えば、100%ポリエステルのPellon(登録商標)Ultra-Weave(商標)可溶性刺繍安定材)、またはポリエステル/ビスコースのブレンド(例えば、Fusibleなどの85% Polyester/15% Viscose、例えば、感圧性裏当てを片側に、可溶性のものを反対側に含む、Pellon(登録商標)200BX Tack-n-Fuse(商標)不織布安定材)、およびナイロン(例えば、100%ナイロンのPellon(登録商標)380 Soft-N-Stay(商標)軽量の縫込み(saw-in)タイプの安定材)から製造することができる。
【0114】
洗い流し式:この安定材は水に完全に溶解する。透かし刺繍、針編みレース、および独立した刺繍画(thread painting)オブジェクトに使用される。安定材が残らず消失すべきである場合に好まれる安定材である。完全に溶解可能な安定材は、刺繍前にタオルのようなパイル生地の上に乗せるのに使用される。これにより、刺繍のデザインが表面の奥に沈み込まず、表面の上に留まることが可能になる。
【0115】
これらの洗い流し式の安定材を製造するのに使用される材料としては、セルロース(例えば、Pellon(登録商標)2301 Print-Stitch-Dissolve(商標)安定材からの、100% Cellulose Mixture Paper Wooden Pulp)、PVA(例えば、100%ポリビニルアルコールのPellon(登録商標)541 Wash-N-Gone(登録商標)軽量刺繍安定材、感圧性接着剤を含むPellon 542 Stick-N-Washaway(商標)、またはPellon 551 Sol-U-Film(商標)、またはPellon(登録商標)553 Sol-U-FIlm(商標)Lite)が挙げられる。洗い流し式安定材の他の供給業者としては、米国Kennsaw,GeorgiaのSulky(Solvyブランド)、St.George,UtahのSuperior Threads(Dissolveブランド)、Huskvarna,SwedenのVSM Group AB(INSPIRA(登録商標)Aqua Magic Plusブランド)が挙げられる。
【0116】
熱除去式:生地または糸が水に弱いが熱には強い場合に使用される。アイロンで加熱すると完全に分解する。このタイプの安定材は、「ヴァニシングモスリン(Vanishing Muslin)」と呼ばれる場合が多い。見た目は非常に緩い織布に見えるが、硬いモスリンまたは重く硬いチーズクロスである(例えば、米国のSulkyからのSulky Heat-Away Stabilizer-Clear Filmなど、260~300°F(120~140℃)のドライアイロン設定を使用して除去する)。
【0117】
一実施形態によれば、刺繍安定材は、ユーザが安定材をより小さいセグメントへと分離し、それによって安定材の一部分を後で使用するために保持しておくことができるように、機械方向であることができるミシン目を備えて製造することができる。更に、これによって、消費者が最も少なく最も環境にやさしい量を使用することが可能になる。別の実施形態によれば、刺繍安定材は、横方向および垂直機械方向の両方のミシン目を備えて製造することができる。この実施形態によれば、ミシン目は、穿孔する製品の重量および特性に応じて、タオル、ナプキン、またはワイパーのいずれかに関して上述したものと一致していてもよい。
【0118】
使用される安定材のタイプに関わらず、記載したような機械方向および横方向のミシン目の組み合わせによって、刺繍枠のうち最大のものに適応できるサイズで安定材を製造することが可能になり、その安定材はミシン目に沿って分離することができるので、使用される枠が小さい場合の材料の無駄を防ぐ。上述したように、機械方向および横方向における材料の引裂き強度は、より大きい安定材を使用している間に材料がミシン目線で分離しないように開発しなければならない。
【0119】
一実施形態によれば、記載した安定材は分野において認識されている任意の枠と共に使用することができる。例えば、消費者用刺繍機械のメーカーとしては、Husqvarna Viking(VSM Group AB、Huskvarna,Sweden)、Pfaff(SGSB Co.Ltd.,Kaiserslautern,Germany)、Bernina(The Bernina Company,Steckborn,Switzerland),Brother(Brother International,Bridgewater,NJ,USA)、およびジャノメ(蛇の目ミシン工業株式会社、東京、日本)が挙げられる。機械刺繍の機械によって提供される枠の寸法は、40mm×40mmから、360mm×360mm、200mm×200mm、100mm×100mmを含む、より一般的な枠寸法にまで及ぶことができる。本明細書に記載するような安定材は、機械方向および横方向の両方で40mmごとにミシン目を入れて、例えば、360mm×360mm、または400mm×400mmで作ることができる。このミシン目入り安定材によって、消費者が、40mm×40mm、200mm×200mm、および360mm×360mmの枠で使用するのに、安定材を小分けにすることが可能になる。
【0120】
以下に説明するような、また実施例で測定するような製品特性には、以下の方法論を使用した。本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、別段の指定がない限り、TAPPI規格にしたがってウェブを調整した後で物理的性質が測定されるものと理解されたい。本明細書で言及する任意の品質の測定に関して試験方法が明示的に説明されていない場合、TAPPI規格が適用されるべきであることを理解されたい。
【0121】
坪量
別段の指定がない限り、「坪量」、BWT、bwt、BWなどは、一連3000平方フィート(278.71m)の製品の重量を指す(坪量は、g/mまたはgsmでも表される)。
【0122】
同様に、「連」は、別段の指定がない限り、3000平方フィート(278.71m)の連を意味する。同様に、パーセントなどの用語は、繊維中の5%湿分に等しい乾量基準の、つまり水分が存在しない場合の重量パーセントを指す。
【0123】
カリパー
本明細書で報告されるカリパーおよび/またはバルクは、規定されるように8または16枚のカリパーで測定されてもよい。シートは積み重ねられ、カリパーはスタックの中央部分付近で測定される。好ましくは、試験サンプルは、23±1.0℃(73.4±1.8°F)、相対湿度50%の雰囲気で、少なくとも約2時間調整し、次に、Thwing-Albert Model 89-II-JRまたはProgage Electronic Thickness Testerで、直径2インチ(5.08cm)のアンビル、539±10グラムの静荷重負荷、および0.231インチ(0.587cm)/秒の降下率を用いて測定した。慣性製品の試験の場合、試験される製品の各シートは、販売される際の製品と同じプライ数を有さなければならない。一般の試験の場合、8シートが選択され互いに積み重ねられる。タオルの試験の場合、タオルは拡げてから積み重ねられる。巻取機から外した基材シートの試験の場合、試験される各シートは巻取機から外した製造時の状態と同じプライ数を有さなければならない。抄紙機のリールから外した基材シートの試験の場合、単プライを使用しなければならない。シートは、機械方向(MD)で位置合わせされて互いに積み重ねられる。バルクはまた、カリパーを坪量で割ることによって、体積/重量の単位で表現されてもよい。
【0124】
MDおよびCD張力、伸展、破断係数、およびTEA
乾燥引張り強度(MDおよびCD)、伸展、その比、係数、破断係数、応力、および歪みを、様々な形で構成されてもよい、標準的なInstron試験機、または他の好適な伸びおよび張力試験機を用いて、一般的には、23±1℃(73.4±1°F)、相対湿度50%の雰囲気で2時間調整した、幅3インチ(7.62cm)もしくは1インチ(2.54cm)のティッシュまたはタオルのストリップを使用して、測定する。張力試験は2インチ(5.08cm)/分のクロスヘッド速度で実行される。破断係数は、グラム/3インチ(7.62cm)/%歪み、またはそれと等価のSI単位、g/mm/%歪みで表される。%歪みは無次元なので、特定する必要はない。別段の指示がない限り、値はブレーク値である。GMは、特定の製品に対するMD値およびCD値の積の平方根を指す。負荷/伸び(応力/歪み)曲線下の面積として定義される引張りエネルギー吸収(TEA)も、引張り強度を測定する手順の間に測定される。
【0125】
引張りエネルギー吸収は、使用の際の製品の知覚される強度に関連する。2つの製品の実際の引張り強度が同じ場合であっても、より高いTEAを有する製品は、より低いTEA値を有する類似製品よりも強力であるとユーザによって知覚されることがある。実際、より高い引張りエネルギー吸収を有することによって、高TEA製品の引張り強度が低TEAの製品の引張り強度よりも低い場合であっても、より低いTEAを有するものよりも強力であると知覚させることが可能になる。「正規化された」という用語が引張り強度と関連して使用される場合は、単に、適切な引張り強度から、その引張り強度を坪量で割ることによって坪量の影響を除去したものを指す。多くの場合、「破断長さ」という用語によって類似の情報が提供される。
【0126】
GMTは、CDおよびMD張力の相乗平均引張り強度を指す。引張りエネルギー吸収(TEA)は、TAPPI試験方法T494 om-01にしたがって測定される。
【0127】
張力比は、単に、上述の方法を用いて決定したMD値を対応するCD値で割った比である。別段の指定がない限り、張力特性は乾燥シート特性である。
【0128】
ミシン目張力
ミシン目引張り強度(試料を破断するのに要する単位幅当たりの力)は、一般に、幅3インチ(7.62cm)の顎部ライン接触グリップを装備した伸び張力試験機の定速度を使用して測定される。一般的に、試験は、幅3インチ(7.62cm)×長さ5インチ(12.70cm)のティッシュまたはタオルのストリップを使用して、23±1℃(73.4±1°F)、相対湿度50%の雰囲気において2時間で実施される。張力試験機のクロスヘッド速度は、一般に、毎分2.0インチ(5.08cm)に設定される。顎のスパンは3インチ(7.62cm)である。標本は上側グリップに掴持され、自由に垂れ下がるようにされる。次に下側グリップを使用して、サンプルを保持するのに十分なきつさで、ただしサンプルを損傷するほどの圧力は掛けずに標本の自由端を把持する。サンプルを破断するまで伸展させ、ミシン目張力を記録する。
【0129】
湿潤張力
本発明のティッシュの湿潤張力は、一般に、Technical Association of the Pulp and Paper Industry(TAPPI)方法T576 pm 7にしたがって、幅3インチ(76.2mm)のティッシュのストリップを折り畳んでループ状にしたものを使用し、Finch Cupと呼ばれる専用の固定具で掴持し、次に水中に浸漬して測定する。3インチ(7.62cm)のグリップに適合するベースを有する、好適な3インチ(7.62cm)のFinchカップは次のところから入手可能である。
High-Tech Manufacturing Services,Inc.
3105-B NE 65th Street
Vancouver,Wash.98663
360-696-1611
360-696-9887(ファックス)
【0130】
湿潤強度添加剤を含有する新しい基材シートおよび完成製品(タオル製品の場合は30日以内経過、ティッシュ製品の場合は24時間以内経過)の場合、試験標本を、105℃(221°F)まで加熱した強制空気オーブンに5分間入れる。他のサンプルにはオーブン老化は不要である。Finchカップを、2.0ポンド(0.91kg)のロードセルを装備した張力試験機に載置し、Finchカップのフランジを試験機の下顎で掴持し、ティッシュループの端部を張力試験機の上顎で掴持する。サンプルをpH7.0±0.1に調節してある水に浸漬し、5秒間の浸漬後に2インチ(5.08cm)/分のクロスヘッド速度を使用して張力を試験する。結果はg/3インチ(7.62cm)で表し、ループを適宜考慮に入れるために読取り値を2で割る。
【0131】
ロール圧縮
ロール圧縮は、試験装置の1500gの平坦なプラテン下でロールを圧縮することによって測定する。サンプルロールは、23.0±1.0℃(73.4±1.8°F)の雰囲気で調整し試験する。可動式の1500gのプラテン(高さゲージと呼ばれる)を備えた好適な試験装置は、次のところから入手可能である。
Research Dimensions
1720 Oakridge Road
Neenah,Wis.54956
920-722-2289
920-725-6874(ファックス)
【0132】
試験手順は一般に次の通りである。
(a)プラテンを持ち上げ、試験されるロールを、端をゲージの前部にシールし、芯をゲージの後部に平行にした状態で、その側面を下にしてプラテン下の中央に位置決めする。
(b)プラテンがロールの上に載るまでゆっくり下げる。
(c)圧縮されたロールの直径またはスリーブ高さを、0.01インチ(0.254mm)を最小単位として、ゲージポインタから読み取る。
(d)プラテンを持ち上げ、ロールを除去する。
(e)試験される各ロールまたはスリーブに対して繰り返す。
【0133】
ロール圧縮(RC)をパーセントで計算するには、次の式を使用する。
RC(%)=[100×(初期ロール直径-圧縮ロール直径)]/初期ロール直径
【0134】
SAT能力
本発明の製品の吸収率を、単純な吸収率試験機を用いて測定する。単純な吸収率試験機は、ティッシュ、複数のタオル、または1つのタオルのサンプルの親水性および吸収性を測定するのに特に有用な装置である。この試験では、直径2.0インチ(5.08cm)のティッシュ、複数のタオル、または1つのタオルを、頂部の平坦なプラスチックカバーと底部の溝付きのサンプルプレートとの間に載置する。ティッシュ、タオル、またはタオルの円板状サンプルは、幅1/8インチ(0.32cm)の円周方向フランジ範囲によって定位置で保持される。サンプルはホルダによって圧縮されない。73°F(22.78℃)の脱イオン水を、直径1mmの導管を通して底部サンプルプレートの中央にあるサンプルに導入する。この水は-5mmの静水頭にある。機器メカニズムによる測定の開始時に導入されるパルスによってフローが開始される。その結果、水は、毛管作用によってこの中央の入口点から径方向外側に、ティッシュ、タオル、またはタオルサンプルによって吸収される。水の吸収速度が5秒当たり水0.005グラム以下に減少すると、試験を終了する。リザーバから除去され、サンプルによって吸収された水の量は、サンプル1平方メートル当たりの水のグラム数、またはシート1グラム当たりの水のグラム数として秤量し報告する。実際には、M/K Systems Inc.のGravimetric Absorbency Testing Systemを使用する。これは、M/K Systems Inc.,12 Garden Street,Danvers,Mass.01923から入手可能な市販のシステムである。WAC、即ち吸水容量は、SATとも呼ばれ、実際は機器自体によって決定される。WACは、重量対時間のグラフが「ゼロ」傾斜になる、即ちサンプルが吸収を停止した点として定義される。試験の終了基準は、固定の期間にわたって吸収される水の重量の最大変化として表される。これは、基本的に、重量対時間のグラフにおけるゼロ傾斜の推定である。プログラムは、カットオフ基準が20秒で1mである「低速SAT」が指定されない限り、5秒の時間間隔にわたる0.005gの変化を終了基準として使用する。
【0135】
吸水率は、秒単位で測定され、自動化注射器を用いてサンプルの表面上に配置された0.1グラムの水滴をサンプルが吸収するのに掛かる時間である。試験標本は、好ましくは、23±1℃(73.4±1.8°F)で、相対湿度50%で調整される。各サンプルに対して、43×3インチ(109.22×7.62cm)の試験標本を準備する。各標本は、高強度のランプが標本に向けられるようにして、サンプルホルダに入れる。水0.1mlを標本の表面上に配置し、ストップウォッチを開始させる。液滴からの光が反射しなくなることによって示されるように、水が吸収されると、ストップウォッチを停止し、時間を最小単位0.1秒で記録する。手順を各標本に対して繰返し、結果を各サンプルに対して平均化する。サンプルが吸収した水の重量(グラム単位)を時間(秒単位)の平方根に対してグラフ化することによって、SAT率を決定する。SAT率は、エンドポイント(吸収された水のグラム数)の10~60パーセントの間の最適傾斜である。
【0136】
感覚的柔らかさ
サンプルの感覚的柔らかさを、TAPPI規格(温度71.2°F~74.8°F(21.78℃~23.78℃)、相対湿度48%~52%)に合わせて調整した試験エリアにある訓練された被験者のパネルを使用して決定した。柔らかさの評価は、訓練された各被験者が試験を実施する際に常に利用可能であった、所定の柔らかさの値を有する一連の物理的基準に依存した。訓練された被験者は、試験サンプルを物理的基準と直接比較して、試験サンプルの柔らかさレベルを判断した。訓練された被験者は、特定の紙製品に数字を割り当て、感覚的柔らかさの数字が大きいほど知覚される柔らかさが大きいことを示した。
【実施例
【0137】
[実施例1]
2つの紙ウェブをタオル製品に加工することによって、tear-a-square製品を製造した。タオルには、加工ラインを使用してエンボス加工を施し穿孔した。表1の説明にしたがった標準的なCDミシン目パターンを使用して、CD方向および垂直MD方向の両方でタオルロールを穿孔した。
【表1】
【0138】
[実施例2]
2つの紙ウェブをタオル製品に加工することによって、5つのtear-a-squareサンプル製品を製造した。タオルには、加工ラインを使用してエンボス加工を施し穿孔した。5つのサンプル製品は、MDミシン目/CDミシン目の比のみが異なった。それに加えて、シートの長さを市販のBRAWNY(登録商標)タオルの1/4シートと同じシートサイズである5.5に短くしたこと以外は、5つのサンプルと同じ性質を有する第6のサンプルを製造した。サンプルは、表1に提示されている情報にしたがって穿孔した。
【0139】
硬化アンビルロールに押し付けられたときに、移動しているティッシュウェブを歯が穿孔したままにして紙に切れ目を入れるように切断された硬化鋼のホイールを使用して、垂直MDミシン目を製造した。切れ目の間の距離は、紙タオル製品の結合長さである。結合長さを変更するには、ミシン目の数を変更しなければならず、ならびに/または切れ目の長さを変更しなければならず、ならびに/またはホイールのサイズを変更しなければならなかった。
【0140】
表1の説明にしたがって、CD方向および垂直MD方向の両方でタオルロールを穿孔した。表2に説明するような異なるミシン目強度および異なるミシン目比を有する、5つのタオルサンプルを製造した。
【表2】
【0141】
表2から分かるように、垂直ミシン目張力は、ミシン目張力に比べて7%低い値から58%高い値まで変化した。更に、垂直ミシン目張力の比は、ミシン目張力の比に対してほぼ等しい値から72%高い値に及んだ。この比は、製品の分配可能性と関連付けられる属性である。
【0142】
サンプルの物理的属性を以下の表3で説明する。
【表3】
【0143】
より小さいサイズ、増加した選択、柔らかさ、分配可能性などに対する消費者の反応を確認するため、5つのサンプル製品の家庭使用試験を実施した。その結果を、全体性能の格付けとして報告した。製品は全て、垂直ミシン目張力/ミシン目張力の比を除いて同じ一般仕様内であった。約1.15よりも大きい垂直ミシン目張力/ミシン目張力の比を有する製品の方が、消費者に容易に容認された。約1.4よりも大きい比を有する製品は、88%よりも高い全体的な受入れの格付けを有した。約1.5よりも大きい比を有する製品は、89%よりも高い全体的な受入れの格付けを有した。記載したような紙タオル製品は、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5、1.55、および1.6から選ばれたいずれかのエンドポイントを有するものを含む、中間の部分範囲を全て含む、約1.15~約1.6の垂直ミシン目張力/ミシン目張力の比を有してもよい。製品サンプルを、分配可能性を評価する家庭使用試験のために提出した。
【0144】
本発明の他の実施形態は代替の変形例を含むことができる。これらおよび他の変形および修正は、上記の開示を完全に理解すれば、当業者には明白となるであろう。以下の特許請求の範囲は、かかる全ての変形および修正を受け入れると解釈されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5