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特許7352688テーブルウェアアイテムを情報キャリアに結合する方法、及びテーブルウェアアイテムと情報キャリアとを含む装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】テーブルウェアアイテムを情報キャリアに結合する方法、及びテーブルウェアアイテムと情報キャリアとを含む装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20230921BHJP
   A47G 19/00 20060101ALI20230921BHJP
   A47G 19/22 20060101ALI20230921BHJP
【FI】
G06K19/077 220
G06K19/077 144
A47G19/00 M
A47G19/22 R
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022092382
(22)【出願日】2022-06-07
(62)【分割の表示】P 2019549648の分割
【原出願日】2017-12-04
(65)【公開番号】P2022122990
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】102016123593.8
(32)【優先日】2016-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】318014245
【氏名又は名称】ラスタル・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ニーラート・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ケーライン・カルステン
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュ・ディートリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ラメル・ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】レーダーホーファー・ベンヤミン
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-304672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
A47G 19/00
A47G 19/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルウェアアイテム(1)を準備するステップと、
情報キャリア(2)をテーブルウェアアイテム(1)に装着するステップとを含み、
テーブルウェアアイテム(1)が、ガラス、セラミックス及びプラスチック又はそれらの組合せから成るグループから選定される材料から成る、
テーブルウェアアイテム(1)を非接触方式で読取り可能な電子情報キャリア(2)に結合する方法において、方法は、
印刷インキから成るカバー層(3)が、情報キャリア(2)の表面を少なくとも部分的に覆うとともに、情報キャリア(2)によって覆われていないテーブルウェアアイテム(1)の表面の部分に延在するように、カバー層(3)を取り付けるステップをさらに有し、
方法は、フレーム(10)が、少なくとも情報キャリア(2)の底面と同じ大きさの面の空所を形成するように、印刷インキから成るフレーム(10)を、情報キャリア(2)の周りに取り付けるステップと、
カバー層(3)が、情報キャリア(2)の表面とフレーム(10)の表面とをそれぞれ少なくとも部分的に覆うように、カバー層(3)が取り付けられるステップをさらに有することを特徴とする方法。
【請求項2】
カバー層(3)の取付けは、カバー層(3)を印刷すること、又はカバー層(3)を印刷された転写画像として転写することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
カバー層(3)の印刷インキは、少なくとも100μmの厚さで、又は少なくとも200μmの厚さで、又は少なくとも250μmの厚さで情報キャリア(2)の表面上に印刷されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
情報キャリア(2)は、第1表面(6)及び第2表面(7)を有し、
情報キャリア(2)の一部が、第1表面(6)に対して突出し、
カバー層(3)が、情報キャリア(2)の第1表面(6)と第1表面(6)に対して突出している一部とに係合しているように、情報キャリア(2)が、テーブルウェアアイテム(1)に装着されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
テーブルウェアアイテム(1)の表面における凹所(15)又は溝の形態をとる、少なくとも情報キャリア(2)の一部を収容する収容部を有するテーブルウェアアイテム(1)が準備されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
方法は、印刷インキから成るキャリア層(9)をテーブルウェアアイテム(1)の表面上に取り付けるステップをさらに有し、情報キャリア(2)が、キャリア層(9)上に取り付けられることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
情報キャリア(2)の底面が、キャリア層(9)の面よりも小さく、
カバー層(3)が、キャリア層(9)を少なくとも部分的に覆うように、カバー層(3)が取り付けられることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
カバー層(3)は、フレーム(10)を完全に覆うことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
キャリア層(9)とフレーム(10)とカバー層(3)との少なくともいずれか一つの取り付けが、スクリーン印刷技術における印刷によって実行され、
印刷インキは、スクリーン印刷インキであることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
キャリア層(9)とフレーム(10)との少なくとも一方の印刷インキは、セラミック印刷インキであり、
キャリア層(9)とフレーム(10)との少なくとも一方を取り付けた後で、情報キャリア(2)を装着する前に、セラミック印刷インキが焼き付けられることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
キャリア層(9)とフレーム(10)とカバー層(3)との少なくともいずれか一つの印刷インキは、有機印刷インキであることを特徴とする請求項から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
印刷インキは、
UV線の作用と、
印刷インキを70℃以下、又は60℃以下、又は50℃以下の温度に加熱することと
の少なくとも一方によって硬化されることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
カバー層(3)が、印刷装置のプリントヘッド(17)によって印刷され、
プリントヘッド(17)とテーブルウェアアイテム(1)とが、互いに相対運動可能であり、
情報キャリア(2)を読取装置(16)によって読み取るステップと、
情報キャリア(2)から読取装置(16)に伝送される信号の信号強度を検出するステップと、
読取装置(16)に対する情報キャリア(2)の相対位置を信号強度から決定するステップと、
カバー層(3)を印刷して被覆すべき領域が、プリントヘッド(17)の下に存在するように、テーブルウェアアイテム(1)を情報キャリア(2)と一緒に読取装置(16)に対して相対運動させることによって、情報キャリア(2)の位置を変更するステップとによって、情報キャリア(2)を装着した後で、カバー層(3)を印刷する前に、情報キャリア(2)に対するプリントヘッド(17)の相対位置が調整されることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
ガラス、セラミックス及びプラスチック、又はそれらの組合せから成るグループから選定される材料から成るテーブルウェアアイテム(1)と、
テーブルウェアアイテム(1)に装着された、非接触方式で読取り可能な電子情報キャリア(2)とを備えた装置において、
装置は、印刷インキから成るカバー層(3)を有し、
カバー層(3)が、情報キャリア(2)の表面を少なくとも部分的に覆い、印刷インキが、テーブルウェアアイテム(1)の表面の情報キャリア(2)によって覆われていない部分に延在し、
フレーム(10)が、少なくとも情報キャリア(2)の底面と同じ大きさの面の空所を形成するように、印刷インキから成るフレーム(10)が、情報キャリア(2)の周りに取り付けられていて、
カバー層(3)が、情報キャリア(2)の表面とフレーム(10)の表面とをそれぞれ少なくとも部分的に覆うように、カバー層(3)が取り付けられていることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の方法に用いられる、テーブルウェアアイテム(1)に印刷するための印刷装置において、
プリントヘッド(17)と、
印刷装置の稼働中に、テーブルウェアアイテム(1)に配設された情報キャリア(2)を非接触方式に読み取るように設けられている読取装置(16)とを有する、印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルウェアアイテムを非接触方式で読取り可能な電子情報キャリアに結合する方法であって、以下のステップ、すなわち、テーブルウェアアイテムを準備するステップであって、テーブルウェアアイテムが、ガラス、セラミックス及びプラスチック、又はこれらの組合せから成るグループから選定される材料から成る、ステップと、情報キャリアをテーブルウェアアイテムに装着するステップとを含む、方法に関する。
【0002】
それ以外にも本出願は、ガラス、セラミックス及びプラスチック、又はこれらの組合せから成るグループから選定される材料から成るテーブルウェアアイテムと、テーブルウェアアイテムに装着される非接触方式で読取り可能な電子情報キャリアとを含む装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術から、粘着性キャリアフィルム上に貼り付けられる、特にRFIDトランスポンダの形態をとる非接触方式で読取り可能な電子情報キャリアが知られている。これらは、テーブルウェアアイテムにも、それを識別する目的で接着され得る。
【0004】
しかしながら、そのような解決策には、多くの場合所望される食洗機対応の耐性も、不正操作を実効的に防止する保護性能も備わっていない。それに加えてこの従来技術は、ブランドドリンクのバー用のグラスに対する審美的要求を充足していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに対して本発明の課題は、前述の基準の少なくとも一つを満たすことを可能にする、テーブルウェアアイテムを非接触方式で読取り可能な電子情報キャリアに結合する方法、及びテーブルウェアアイテムとこれに取り付けられた情報キャリアとを含む装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題の少なくとも一つは、
テーブルウェアアイテムを準備するステップと、
情報キャリアをテーブルウェアアイテムに装着するステップとを含み、
テーブルウェアアイテムが、ガラス、セラミックス及びプラスチック又はそれらの組合せから成るグループから選定される材料から成る、テーブルウェアアイテムを非接触方式で読取り可能な電子情報キャリアに結合する方法において、方法は、
カバー層が、情報キャリアの表面を少なくとも部分的に覆い、このカバー層が、情報キャリアによって覆われていないテーブルウェアアイテムの表面の部分に延在するように、印刷インキから成るカバー層を取り付けるステップをさらに有することによって解決される。
【0007】
本発明にしたがった、情報キャリア自体の表面に沿っても、テーブルウェアアイテムの情報キャリアにより覆われていない表面に沿っても延びている、印刷インキから成るカバー層により、テーブルウェアアイテム上の情報キャリアの永久シールがもたらされる。選択される印刷インキにもよるが、このカバー層により、テーブルウェアアイテムの利用期間中の情報キャリアの剥離又は損傷が防止されるだけでなく、要求される食洗機に対応する耐性も保証される。
【0008】
テーブルウェアアイテムとは、食事をとる際に使用する日用品であると解釈される。本発明によれば、テーブルウェアアイテムという上位概念には特に、皿、深皿、平皿、及び飲用容器が含まれる。
【0009】
本発明の意味での飲用容器とは、選択される材料を問わず、飲用容器であると解釈される。しかしながら好ましいのは、ガラス製の飲用容器である。本出願の意味での飲用容器には、コップ、取っ手付きの製品、例えばビアジョッキ、カップ、及びピッチャー、授乳容器が含まれるが、ビン又はドリンクボトルも含まれる。
【0010】
本発明の意味での非接触方式で読取り可能な電子情報キャリアには、一実施形態においては、キャリア基板、特にプラスチック製キャリア基板が含まれる。それに加えてこの情報キャリアには、一実施形態においては、信号を放射するための送信回路と、処理回路と、永久メモリとを備えた電子回路が含まれる。そのような電子回路は、従来技術から多種多様な方式で知られている。
【0011】
その際に電子回路の個々の部材は、集積回路に、具体的にはチップに、組み込まれていてもよい。本発明の意味での信号とは、電気信号、磁気信号、電磁信号、又は光信号であってもよい。しかしながら好ましいのは、信号が磁場変調又は電磁場変調にかけられている実施形態である。
【0012】
本発明の一実施形態においては、情報キャリアの電子回路に、この回路に追加して、信号を受信するための受信器回路も含まれる。当然ながらその場合はこの受信器回路も処理回路に接続されている。
【0013】
本発明の一実施形態においては、送信器回路及び/又は受信器回路がアナログ回路となっている。本発明のもう一つの実施形態においては、処理回路がデジタル回路となっている。一実施形態においては、そのようなデジタル式処理回路が、マイクロコントローラとなっている。
【0014】
もう一つの実施形態においては、回路がそれに加えて、送信器回路及び/又は受信器回路に接続されているアンテナを有している。これは、磁場又は電磁場の形態で信号を放射又は受信するために利用される。
【0015】
本発明の一実施形態においては、電子回路が、RFIDトランスポンダとなっている。その読取機器と、そのようなRFIDトランスポンダとの間のカップリングは、本発明の一実施形態においては、到達レンジが小さい交番磁場を使用して行われるか、又は高周波電波により行われるかのいずれかとなっている。
【0016】
本発明の一実施形態においては、RFIDトランスポンダが、NFC標準規格のトランスポンダとなっている。そのようなトランスポンダは、例えばスマートフォン又はタブレットなどの従来型のモバイル端末を用いて読み取ることができ、安価に入手可能である。
【0017】
テーブルウェアアイテムへの情報キャリアの装着は、直接的に、テーブルウェアアイテムの表面上に行われるか、又は間接的に、テーブルウェアアイテムの表面に取り付けられた塗膜、特に印刷インキから成る塗膜上に行われるかのいずれかであってもよい。
【0018】
これについて、装着という概念は幅広い解釈を許す、というのも、テーブルウェアアイテムとの本来の結合は、印刷インキから成るカバー層により提供されるからである。特に一実施形態においては、情報キャリアをその上に載置するだけでよい。一実施形態においては、情報キャリアが接着される。もう一つの実施形態においては、情報キャリアの素子が、テーブルウェアアイテム上に若しくはテーブルウェアアイテム上の印刷インキ上の塗膜上に印刷される、及び/又は、集積回路がテーブルウェアアイテム上に若しくは印刷インキから成る塗膜上に実装される。そのような実施形態においては、テーブルウェアアイテムの材料又はテーブルウェアアイテム上に取り付けられた塗膜の印刷インキ自体が、情報キャリアの基板を形成する。
【0019】
印刷インキから成るカバー層の取り付けには、本発明の一実施形態においては、カバー層を印刷すること、及び/又は、カバー層を印刷された転写画像の形式で転写することが含まれる。
【0020】
印刷インキから成るカバー層を取り付けるために、カバー層を印刷された転写画像の形式で転写することを選択する場合は、一実施形態において、最初に所望されるデザインが原紙上にサイズ印刷される。続いてプリントが完了したカバー層が、一種のステッカー又は転写イメージのように、手作業によってテーブルウェアアイテム上に及び少なくとも部分的に情報キャリアに沿って貼付される。最後に、貼付された転写画像は、熱を供給すること(調質)によって硬化される。
【0021】
本発明の一実施形態においては、転写画像が有機系インキを用いて印刷されている。
【0022】
これに対して、カバー層の印刷とは、テーブルウェアアイテム上、テーブルウェアアイテム上の情報キャリア上又はその他の材料層上への、直接印刷であると解釈される。この印刷では、印刷インキが、それぞれ印刷装置、特にスクリーン印刷機などの印刷機によって、テーブルウェアアイテム、テーブルウェアアイテム上の情報キャリア又はその他の材料層のそれぞれの面に実施される。
【0023】
印刷インキから成るカバー層を直接印刷して情報キャリアを被覆する場合は、多様な挑戦課題が生じるが、これらは本発明を使用して解決することができる。
【0024】
本発明のほぼ全ての実施形態においては、少なくとも二種類の材料、具体的には情報キャリアの材料と、テーブルウェアアイテムの材料又はテーブルウェアアイテム上に取り付けられる又は印刷される材料とを、印刷により被覆しなければならない点が問題であることが証明される。
【0025】
他方では、実施形態において、情報キャリアは平坦な表面を有しておらず、むしろ、情報キャリアの表面の一つに対して突出している、情報キャリアの少なくとも一つの部分がある。
【0026】
特にそのような突出している部分が存在するのは、アンテナが両面とも平坦な基板上に印刷されており、さらに、電子回路を含む集積回路がこの基板上に印刷されている、情報キャリアの実施形態においてである。その場合はこの集積回路が、部分として表面に対して突出する。人の心を打つ審美的な全体印象を醸し出すためには、部分がその他では平坦である表面に対して突出することによって生じるエッジ部を、印刷インキによりマスキング又はカバーしなければならない。
【0027】
そのために本発明の一実施形態においては、カバー層により情報キャリアの表面を完全に覆い、カバー層の印刷インキが、少なくとも100μmの厚さで、好適には少なくとも200μmの厚さで、特に好ましくは少なくとも250μmの厚さで、情報キャリアの表面上に印刷される。そのような厚さを持つカバー層により、情報キャリアの突出している部分の表面に対するエッジ部の高さ補償が行われ、実質的に均質で平坦なカバー層の表面が生成されるように、印刷インキを用いてコーティングを施すことができる。
【0028】
この目的のために、一実施形態においては、一方では、印刷インキが印刷後に十分に広がることによって要求されるエッジ部の高さ補償がもたらされるように、印刷インキの粘度を選定することが求められるが、他方ではこの粘度を、印刷インキが印刷された面からこぼれ落ちることがないようなものとすることが求められる。
【0029】
条件を両方とも満足するために、本発明の一実施形態においては印刷インキが高い粘度を有している。
【0030】
もう一つの実施形態においては、印刷インキが速乾性となっている。本発明の意味での速乾性の印刷インキとは、ここでは、乾燥パラメータが相応に設定された状態で、30分未満内、好適には10分未満内、特に好ましくは1分未満内に指触乾燥状態となり、直接的なさらなる処理、特に印刷インキから成るもう一つの塗膜で覆うことを可能にするインキであると解釈される。
【0031】
しかしながらカバー層は、その作製に関係なく、情報キャリアを審美的に覆うために利用されるだけではなく、情報キャリアのカプセル化ももたらし、それにより、例えば冷たい又は温かい洗浄水などが情報キャリアに与える外的影響から保護するために利用される。印刷インキを用いて情報キャリアを覆うことによって、情報キャリアは、印刷インキに備わっている絶縁特性により熱影響からも保護される。
【0032】
本発明の一実施形態においては、情報キャリアが第1表面と第2表面とを有しており、その際には、情報キャリアの部分、例えば集積回路が、第1表面に対して突出しており、その際にはカバー層が、情報キャリアの第1表面と、第1表面に対して突出している部分とに係合しているように、情報キャリアがテーブルウェアアイテムに装着される。
【0033】
本発明のもう一つの実施形態においては、テーブルウェアアイテムの表面における凹所又は溝の形態をとる、情報キャリアのための収容部を有しているテーブルウェアアイテムが準備される。そのような一実施形態は、それにより、情報キャリアの表面を、テーブルウェアアイテムの表面と同じ高さで構成することが可能となるために、好都合である。そのような一実施形態においては、カバー層の印刷インキによる高さ補償が必要となるのが、あとは情報キャリア上の凹凸及びエッジ部だけとなり、情報キャリアの基板の厚さ自体の高さ補償は不要である。
【0034】
もう一つの実施形態においては、溝又は凹所の形態をとる収容部が、情報キャリアの第1表面に対して突出している部分を受け入れるように構成されている。一実施形態において、情報キャリアが実質的に平坦な基板から成るものの、この基板に対して第1表面上で本来のチップが突出していると想定した場合、そのような一実施形態においては、情報キャリアが、その第1表面により、テーブルウェアアイテムのところに受け入れられるようになっていてもよく、その結果、情報キャリアの突出している部分が溝の中へと延びる。この場合は、このようにして、実質的に平坦である第2表面がカバー層により覆われる。
【0035】
基本的に本発明にしたがった方法にとり、情報キャリアとカバー層とがテーブルウェアアイテム上のどの位置に備えられているかは、差し当たっては重要ではない。しかしながら、少なくとも情報キャリア及びカバー層の受入れに関して特段の適性を有する位置が、テーブルウェアアイテムの表面上にあることが判明している。
【0036】
本発明の一実施形態において、テーブルウェアアイテムが飲用容器、特にドリンクグラス、又はビンである場合は、少なくとも情報キャリア及びカバー層が、テーブルウェアアイテムのテーブル接触面の領域又は底の領域に配置されると好都合であり得る。例えばグラス又はビンも、繰り返しそのテーブル接触面を下にして置かれるために、このようにして情報キャリアは、読取装置から定義された距離を保つことができる。その場合、そのような読取装置は、例えばテーブルの天板にはめ込まれている。
【0037】
凹状に湾曲しているテーブル接触面、又は凸状に湾曲している底を有する飲用容器又はビンの場合は、その曲率により形成される空洞部に、少なくとも情報キャリアとカバー層とから成る構造体が受け入れられるようにしてもよく、その場合は飲用容器を、これまでと同様に、この構造体を取り囲んでいる線、又はこの構造体を取り囲んでいる複数の点を下にして、倒れないように立たせることができる。
【0038】
代替一実施形態においては、少なくとも情報キャリアとカバー層とから成る構造体に追加して、飲用容器のテーブル接触面に、この構造体を取り囲む輪状の高台又は複数の小さな足が貼り付けられる。ここで当然ながら、輪状の高台又は小さな足は、カバー層の表面に対して突出することによって、テーブルウェアアイテムをぐらつかないようにしっかりと、好適には倒れないように、立てて置くことを可能にする。
【0039】
上記で説明したように、輪状の高台又は小さな足を貼り付けることには、これらの要素をテーブルウェアアイテム、若しくはテーブルウェアアイテムに接続された塗膜に直接印刷すること、及び/又は、少なくとも一つの印刷された転写画像の形式で輪状の高台若しくは小さな足を転写することが含まれる。
【0040】
本発明のもう一つの実施形態においては、本発明にしたがった方法が、以下のステップ、印刷インキから成るキャリア層を、テーブルウェアアイテムの表面上に取り付けるステップであって、続いて情報キャリアがこのキャリア層上に装着される、ステップを有する。このようにして、情報キャリアが印刷インキによって完全に取り囲まれている、すなわち印刷インキによって包み込まれる、構造体を形成することができる。しかもこの印刷インキから成るキャリア層は、透明なテーブルウェアアイテム、例えばガラス製の飲用容器に取り付けられている場合に、テーブルウェアアイテムの電子情報キャリアが装着されている部分を通して覗き込んだ見る者にとって、この情報キャリアが見えないようにするためにも役立つ。印刷インキから成るキャリア層を取り付けることにも、再び選択により印刷、及び/又は、印刷された転写画像の形式でキャリア層を転写することが含まれている。
【0041】
当然ながら、本発明のそのような一実施形態においては、情報キャリアを装着する前にキャリア層の取り付けが行われ、情報キャリアはキャリア層上に装着され、それ故にテーブルウェアアイテムと直接には係合していない。
【0042】
本発明の一実施形態においては、情報キャリアの底面がキャリア層の面よりも小さくなるように、キャリア層及びカバー層が取り付けられ、その際にカバー層は、キャリア層がカバー層により少なくとも部分的に覆われるように、取り付けられる。
【0043】
本発明のもう一つの実施形態においては、情報キャリアが、第1表面と第2表面とを有しており、その際には情報キャリアの部分が第1表面に対して突出しており、その際には、キャリア層、又はキャリア層上に配置される印刷インキから成るマスキングコートが、これにリセスが設けられるように取り付けられ、情報キャリアの第1表面に対して突き出ている部分がこのリセスの中へと延びるように、情報キャリアの第1表面がキャリア層又はマスキングコートとの係合状態に入る。印刷インキから成るマスキングコートを取り付けることにも、再び選択により、マスキングコートを印刷すること、及び/又は印刷された転写画像の形式でマスキングコートを転写することが含まれている。
【0044】
本発明にしたがった方法の一実施形態においては、本方法がさらに、以下のステップ、すなわち、印刷インキから成るフレームを、テーブルウェアアイテムの表面上に、又は印刷インキから成るキャリア層上に取り付けるステップであって、それにより、このフレームにより、少なくとも情報キャリア又はその基板の底面と同じ大きさの面が、手つかずで残される、又は包囲され、その際にカバー層が、情報キャリアをこのフレームの中にセットした後に、カバー層によって情報キャリアの表面とフレームの表面がいずれも少なくとも部分的に覆われるように、印刷される、ステップを有する。このようにして、平面状の情報キャリアのエッジ部をこのフレームにより見えなくすることが可能となり、その上から印刷される、印刷インキから成るカバー層に覆われて、実質的に平坦な表面が生じる。印刷インキから成るフレームを取り付けることにも、再び選択により、フレームを印刷すること、及び/又は印刷された転写画像の形式でフレームを転写することが含まれている。
【0045】
本方法の一実施形態においては、カバー層がフレームを完全に覆う。
【0046】
本発明のもう一つの実施形態においては、実質的に情報キャリアの厚さと等しい厚さを持つフレームが取り付けられる。
【0047】
当然ながら、そのような一実施形態においては、フレームを取り付けて場合によっては硬化させた後に初めて、情報キャリアがテーブルウェアアイテムに装着されると好都合である。
【0048】
当然ながら、フレームがキャリア層上に取り付けられる場合は、フレーム及びキャリア層の取り付けを同時に行うこともでき、その場合は、フレームにより包囲される面の領域内に取り付けられるインキの厚さが、フレーム領域自体に取り付けられるインキの厚さよりも僅かとなる。
【0049】
本発明の一実施形態においては、キャリア層及び/又はフレーム及び/又はカバー層の取り付けが、スクリーン印刷技術で行われ、その場合は印刷インキがスクリーン印刷インキとなる。
【0050】
当然ながら、代替一実施形態においては、本発明にしたがった印刷方法を、基本的にはパッド印刷技術でも、パッド印刷インキを用いて実施できるかもしれない。
【0051】
本発明の一実施形態においては、キャリア層及び/又はフレーム及び/又はカバー層の印刷インキが、有機印刷インキとなっている。そのような有機印刷インキは、インキの焼付けによる硬化を必ずしも必要とはしないために、感温性の情報キャリアが既に装着されている場合にも、コーティングのためにこのインキを導入することができる。
【0052】
本発明の一実施形態においては、そのような有機印刷インキが少なくとも二つの成分から成るが、その場合、これらの成分の一つは硬化剤となっている。そのような多成分系印刷インキである場合は、乾燥時間を調整し、ここで問題にしている、テーブルウェアアイテムと情報キャリアとから成る組合せの印刷に対して適合化することができる。
【0053】
本発明の一実施形態においては、キャリア層及び/又はフレーム及び/又はカバー層の印刷インキが、メタリック印刷インキ又は金属置換型のインキとなっている。
【0054】
本発明にしたがった方法の一実施形態においては、情報キャリアの装着後に印刷される、又は転写イメージの形式で貼り付けられるのが、カバー層だけとなっている。このため、一実施形態においては、印刷インキから成る他の全ての塗膜、特にキャリア層及び/又はフレームについては、焼付けを必要とする印刷インキで取り付けることも可能となっている。このようにして、キャリア層及び/又はフレームについては、焼き付けられる印刷インキの長所を、特にそれらの高い耐摩耗性及び食洗機対応の耐性を利用することができる。そのために適しているのは、特にセラミック印刷インキである。
【0055】
本発明にしたがった方法の一実施形態においては、情報キャリアと印刷インキとを備えたテーブルウェアアイテム上にUV線を作用させることによって、印刷インキが硬化される。もう一つの実施形態においては、印刷インキを摂氏70°以下、好適には摂氏60°以下、特に好ましくは50℃以下の温度に加熱することによって、印刷インキが硬化される。そのような、70℃を上回る温度での焼付けを不要とする硬化により、情報キャリアを上述のように印刷インキから成るカバー層を用いてシールすることが可能となる。
【0056】
本発明にしたがった方法の一実施形態においては、キャリア層及び/又はフレーム及び/又はカバー層が、印刷装置のプリントヘッドを用いて印刷され、その際にはこのプリントヘッドとテーブルウェアアイテムとが互いに対して相対運動可能であり、その際には、情報キャリアの装着後カバー層を印刷する前に、プリントヘッドの位置決めが、以下のステップ、すなわち、
読取装置を用いて、情報キャリアを読み取るステップ、
情報キャリアから読取装置に向けて伝送される信号の信号強度を検出するステップ、
この信号強度から、情報キャリアの読取装置に対する相対位置を決定するステップ、
テーブルウェアアイテムを情報キャリアともども読取装置に対して相対運動させることにより、情報キャリアの位置を変更するステップであって、それにより、カバー層を印刷して被覆する領域がプリントヘッドの下側に位置する、ステップ
を用いて、行われる。
【0057】
このようにして、テーブルウェアアイテムに既に装着されている情報キャリアが、見当として導入される。そこでは本発明にしたがった方法のこの実施形態が、情報キャリアから放射され、読取装置により受信される信号の信号強度が、情報キャリアと読取装置との間の距離に依存する点に依拠したものとなっている。
【0058】
多くのテーブルウェアアイテム、特に飲用容器は、回転対称性を有している。生産プロセスにおいて情報キャリアのテーブルウェアアイテムのテーブル接地面からの距離を良好に決定可能であることによって、装着後の情報キャリアの距離が、テーブルウェアアイテムのテーブル接地面、例えば飲用容器の足から常に同じ距離を有している一方で、印刷インキから成るカバー層を用いた情報キャリアの印刷を保証するために、周方向のポジショニングを常に精確に決定することが要求される。
【0059】
特に、テーブルウェアアイテムが回転対称性を有している本発明の一実施形態においては、テーブルウェアアイテムをプリントヘッドに対して相対回転させると同時に、情報キャリアから送信される信号の信号強度を検出することによって、プリントヘッドに対して相対的な信号キャリアの絶対位置を決定し、その際に又はそれに続いて、カバー層を取り付けるための印刷位置にプリントヘッドを精確に移動させることができる。
【0060】
したがって本発明は、それ以外にも、テーブルウェアアイテムに印刷する印刷装置であって、プリントヘッドと読取装置とを備えており、この読取装置が、印刷装置の稼働中にテーブルウェアアイテムに配設された情報キャリアを非接触方式で読み取るように設えられている、印刷装置にも関している。そのような印刷装置は、テーブルウェアアイテムに印刷する本発明にしたがった方法の上述の実施形態を実施し、情報キャリアを使用して必要な見当を提供するために、適したものとなっている。
【0061】
このようにして、それ以外にも、テーブルウェアアイテムの印刷の間になおも、一方では装着された情報キャリアの作動信頼性をチェックし、しかし他方では情報キャリアにより提供されるテーブルウェアアイテムの明確な識別情報をデータベース内に保存することが可能である。
【0062】
その際に、本発明の一実施形態においては、読取装置がプリントヘッドに配置されている。特に、情報キャリアから放射され読取装置により受信される信号の信号強度が最大となるときに、プリントヘッドが、カバー層の印刷を開始することができる位置に配置されているように、読取装置が配置されていると好都合である。
【0063】
本発明の一実施形態においては、印刷装置がそれに加えてコントローラを有し、これは、印刷装置の稼働中に、本発明にしたがった、情報キャリアの表面上にカバー層を印刷する方法を可能とするように設えられている。
【0064】
上述の課題の少なくとも一つは、
ガラス、セラミックス及びプラスチック、又はそれらの組合せから成るグループから選定される材料から成るテーブルウェアアイテムと、
テーブルウェアアイテムに装着された、非接触方式で読取り可能な電子情報キャリアとを備えた装置において、
装置は、印刷インキから成るカバー層を有し、
カバー層が、情報キャリアの表面を少なくとも部分的に覆い、印刷インキが、テーブルウェアアイテムの表面の情報キャリアによって覆われていない部分に延在することによって解決される。
【0065】
当然ながら、テーブルウェアアイテムの表面の情報キャリアにより覆われていない部分の、カバー層の印刷インキは、テーブルウェアアイテムの表面と直接係合している、又はそれとも、テーブルウェアアイテムの表面とカバー層との間には、印刷インキから成るもう一つの塗膜が延びている。
【0066】
前述の方法によって、印刷インキから成る塗膜を用いて、テーブルウェアアイテム上に生み出される特徴は全て、一実施形態においては、テーブルウェアアイテムの側面又は表面に配置される相応の要素として、請求される装置に備えられていてもよい。
【0067】
あくまでも本明細書を簡潔で読み易いものとするために、本方法を用いて作製される装置について、印刷インキから成る塗膜の個々の特徴について、ここで今一度繰り返すのは見合わせる。以上では、方法に目を向けて本発明の局面について説明したが、これらは、テーブルウェアアイテムと情報キャリアとを備えた相応の装置についても当てはまる。しかし特に本発明にしたがった方法の実施形態は、本発明にしたがった装置を作製するために適したものとなっている。
【0068】
本発明のその他の長所、特徴、又は適用可能性は、以下の実施形態の説明及びそれに付属する図面から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】本発明の一実施形態にしたがった情報キャリアが結合されているドリンクグラスの概略的な断面図である。
図2】本発明の一実施形態にしたがった情報キャリアの概略的な断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態にしたがった情報キャリアが備えられたドリンクグラスの一部を切り取って示す概略的な断面図である。
図4】本発明の第2の実施形態にしたがった情報キャリアが備えられたドリンクグラスの一部を切り取って示す概略的な断面図である。
図5】本発明の第3の実施形態にしたがった情報キャリアが備えられたドリンクグラスの一部を切り取って示す概略的な断面図である。
図6a】本発明の一実施形態にしたがった、情報キャリアをテーブルウェアアイテムに取り付ける方法のステップを示す概略図である。
図6b】本発明の一実施形態にしたがった、情報キャリアをテーブルウェアアイテムに取り付ける方法のステップを示す概略図である。
図6c】本発明の一実施形態にしたがった、情報キャリアをテーブルウェアアイテムに取り付ける方法のステップを示す概略図である。
図6d】本発明の一実施形態にしたがった、情報キャリアをテーブルウェアアイテムに取り付ける方法のステップを示す概略図である。
図6e】本発明の一実施形態にしたがった、情報キャリアをテーブルウェアアイテムに取り付ける方法のステップを示す概略図である。
図7】本発明の第4の実施形態にしたがった情報キャリアが備えられたドリンクグラスの一部を切り取って示す概略的な断面図である。
図8】本発明の第5の実施形態にしたがった情報キャリアが備えられたドリンクグラスの一部を切り取って示す概略的な断面図である。
図9】本発明の一実施形態にしたがった印刷装置の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
それぞれの図において、同じ要素には同じ符号が付されている。
【0071】
以下で説明する本発明の実施形態においては、情報キャリア2がドリンクグラス1に結合されていると想定される。本発明にしたがった装置は、ドリンクグラス1と情報キャリア2とから成る組合せにより形成される。以下では略してグラスとも呼ばれるドリンクグラスは、本出願の意味でのテーブルウェアアイテムの一例を成す。
【0072】
図1には、表面に情報キャリア2が装着されているそのようなドリンクグラス1の概略的な断面図が示されるが、この情報キャリア2は、印刷インキから成るカバー層3によりカバーされて、これにより保護された状態で、ドリンクグラス1に結合されている。図1からの概略的な断面図は、情報キャリアのカプセル化の具体的な形態に関係なく、情報キャリア2がドリンクグラス1の側面にどのように位置決めされるかを明らかにしている。この位置決めは、図2から図7によって示される全ての実施形態において同一である。
【0073】
以下で論じる図3から図8には、図1の概略的な断面図からトランスポンダ2の領域を切り取って拡大した切片が示される。図3から図8の断面図には、グラス又はその表面が平坦な形状として描かれている。これは、この切片が著しく拡大されていることから、正当化されるように思われる。もっとも、全ての実施形態のグラス表面8は、実際には図1に示されるように湾曲している。
【0074】
ここで考察される情報キャリアは、図2からの断面図に概略的に示されているような、RFIDトランスポンダである。このトランスポンダ2には、平坦な基板4上に印刷される(図には示されていない)平面状のアンテナ構造と、チップ5に組み込まれた処理回路とが含まれる。このような設計構造により、チップ5は、基板のその他では平坦な構造の第1表面6から突き出ている。逆にトランスポンダ2の第2表面7は完全に平坦であり、突起を有していない。
【0075】
図2からの図は、本発明にしたがって解決される挑戦課題の一つ、具体的には、第1表面6に対して突出しているチップ5により形成される凹凸又はエッジ部を覆い、チップを剥離から保護するという課題を既に明らかにしている。
【0076】
図3からの本発明にしたがった装置の第1の比較的シンプルな実施形態においては、チップがグラス1の表面8上に直接装着されている。図示されるこの実施形態においては、トランスポンダ2に粘着性フィルムが備えられており、それによりトランスポンダ2の第2表面7が最初にグラス表面8に接着される。
【0077】
トランスポンダ2が貼り付けられた後、グラス1のトランスポンダ2の領域の印刷が、ガラス用のインキから成るカバー層3を用いて行われる。これを具体化するのは、多くの理由から困難である。第一に、二つの異なる材料を、すなわち一方はドリンクグラス1のガラス材料を、他方ではトランスポンダ2のプラスチック材料を、カバー層3の同じガラス用のインキを用いて印刷しなければならない。それに加えて次の作業ステップにおいて、このガラス用のインキ3の焼付けを行うのは不可能である、というのも焼付けを行うとトランスポンダ2が損傷しかねないからである。このため図3からの実施形態のカバー層3のために、しかし他の図にしたがったそれ以外の全ての実施形態のカバー層3のためにも、慎重を期してガラス用のインキを選択した。
【0078】
それに加えて、図3から図6の実施形態においては、このガラス用のインキにより、トランスポンダ2の比較的厚みのある構造を覆い、突出しているチップ5に起因して生じる第2表面6上の表面構造の凹凸をならさければならない。さもなければ、審美的な印象を与えるカバー層3のプリントイメージが作り出されることはないだろう。
【0079】
このため、インキ成分と硬化剤とを含んだガラス用の有機二成分系インキがカバー層3として選定された。このインキは、ガラス1、トランスポンダ2及びカバー層3から成る構造を加熱することによって、比較的急速に硬化するが、焼付けを行わずに済ませることができるという長所を有している。図示の実施形態においては、カバー層3のガラス用のインキが、温度65℃に適宜加熱した場合は30秒以内に硬化して指触乾燥状態となるように選定されている。
【0080】
これは特に、200μmの厚さを有するトランスポンダ全体をカバー層3により覆わなければならないために、一大挑戦課題であることが判明している。換言すると、このインキ塗膜は最大で250μmの厚さを有する。
【0081】
それ以外にも、インキに高い粘度を持たせることによって、印刷後、乾燥前にインキがトランスポンダ2の構造体からこぼれ落ちるのが防止されるように、印刷インキを選定することが肝要である。
【0082】
図3からの本発明にしたがった装置の実施形態は、特に着色グラスに適したものとなっている。逆に透明グラスで、見る者にグラス1の透明材料越しにトランスポンダ2が見えてしまうことを防止したいのであれば、不透明なキャリア層上にトランスポンダを貼り付けることが要求される。
【0083】
図4から図6には、そのようなキャリア層が備えられる本発明にしたがった装置の実施形態が示されている。このキャリア層は、第1のステップにおいて、グラス1の表面8上に印刷される。符号9が付されているキャリア層の図4から図8の面は、その四周全てにおいてトランスポンダ2の底面よりも大きくなるように選択される。キャリア層9のこの面がそのように選択される場合は、カバー層3がキャリア層9だけと係合し、グラスの表面8とは係合しないように、カバー層3を印刷することができる。これによりカバー層3用の印刷インキを選択し易くなる。
【0084】
キャリア層9は、トランスポンダ2を構造体に装着する前にグラス1上に印刷されるために、カバー層3用の印刷インキを選定する際に配慮しなければならない制約なしで、キャリア層9用の印刷インキを選択するという可能性を生じている。特にキャリア層9用としては、図示される実施形態におけるように、プリント後には完全に硬化させるために焼付けを行うことが要求される、セラミックインキを選択することができる。
【0085】
図5には、グラス1に印刷することによって、トランスポンダ2を受け入れるための、印刷インキから成る組付けスペースが提供される、一実施形態が示される。図5に描かれている構造体の構成を分かり易く示すために、図6には、この構造体を作製する際の個々のプロセスステップが、例えばこれらがどのような順番で実施されるのかが、解説される。例えば図6aから図6eに概略図で連続して描かれている印刷ステップは全て、スクリーン印刷法で実施される。
【0086】
最初にグラス1の表面8上に、セラミック印刷インキから成るキャリア層9が印刷される。第2の印刷ステップにおいては、このキャリア層9上に、同様にセラミック印刷インキから成るフレーム10が印刷される。このセラミックインキは、機械的損傷に対し高い固有抵抗を有しているが、優れた食洗機対応の耐性も示すという長所を有している。キャリア層9及びフレーム10の印刷は、トランスポンダ2を装着する前に行われるために、トランスポンダ2の装着に先立ち、セラミックインキの焼付けが、これを完全に硬化させるために、さらにはその傑出した化学的及び機械的特性を確保するために、70℃を上回る温度で行われてもよい。
【0087】
キャリア層9及びフレーム10を焼き付けた後に、トランスポンダ2はフレーム10により定義される組付けスペース11の中に装入される。図6c)には、トランスポンダ2が備えられた構造体の断面図が示されるのに対し、図6d)には、この構造体を上から見た上面図が示される。フレーム10により包囲される面はまさに、このフレーム10内にトランスポンダ2の基板4の底面を完全に収めることができるように選定されている。
【0088】
フレーム10の高さは、トランスポンダ2の基板4の厚さよりも少しだけ高くなるように選定されている。最後のプロセスステップにおいては、カバー層3がトランスポンダ2及びフレーム10上に印刷される。異なるインキ塗膜がこのように配設されることによって、グラス1の表面8が描く曲線を実質的に追従した連続面12が成立する。そのようにして得られた構造体は、審美面での高度の要求を充足する一方で、同時に理想的な方式でトランスポンダ2をグラス1に結合し、トランスポンダ2を保護する。
【0089】
図7の実施形態は、キャリア層9とフレーム10との間にマスキングコート13が備えられている点により、図5及び図6にしたがった実施形態とは相違している。これは、トランスポンダ2のチップ5をリセス14の中に受け入れるために利用される。図3から図5の実施形態と比較して、この変形形態においてはチップが裏返しにされることによって、その第1表面6の代わりに、第2表面7がカバー層3と係合している。このようにしても、カバー層3の表面12の平滑さをさらに増すことができる。
【0090】
図8からの代替実施形態においては、グラス1自体が、トランスポンダ2のチップ5を受け入れるために利用される凹所15を有している。図7におけるように、カバー層3がトランスポンダの第2表面7と係合した状態となるように、トランスポンダは装着される。この実施形態では、図5から図7にしたがった実施形態のフレームが放棄される。
【0091】
図9には、印刷装置内のグラス1が概略的に示される。この印刷装置には、スクリーンプリントヘッド17、及びRFID読取装置16が含まれている。グラス1上にキャリア層9と、場合によってはさらなる塗膜とを印刷した後、及びトランスポンダ2を装着した後に、このトランスポンダ2により見当が提供される。これにより、カバー層3をトランスポンダ2のちょうど真上に印刷することが可能となる。
【0092】
このスクリーン印刷装置を用いて、多数のグラスを順番に印刷する場合は、グラス1の軸方向に沿ったプリントヘッド17の位置調節が恒常的に行われてもよい。その場合はこの印刷機に、グラス1のテーブル接触面又は足のためのストップ面が備えられる。それにより、トランスポンダ2の軸方向の位置又は高さ、ひいては軸方向の印刷位置が、決定されている。いずれにせよ、その印刷プロセスによって、印刷によるトランスポンダ2の被覆が行われるように、プリントヘッド17の周方向の位置決めが行われることが肝要である。そのために本発明にしたがって、読取装置16を使用して、トランスポンダ2からの信号が読み取られる。トランスポンダ2は、この信号強度が最大となるときに、読取装置16の真下に位置し、読取装置までの最小距離を有している。このときには、図9に概略的に描かれているようにプリントヘッド17及び読取装置16が互いに直接隣り合わせて配置されている場合には、印刷を開始することができる、というのも、プリントヘッド17がトランスポンダの真上にあるか、又はすぐその隣にあることが保証されているからである。読取装置16により受信された信号を調整して最大限化するためには、矢印18により示唆されるように、グラス1がその軸線まわりに回転される。
【0093】
同時に、読取装置16をプリントヘッド17に隣接して配置することによって、トランスポンダ2の機能テストを、カバー層を印刷する直前及び/又は直後に行うことができる。それ以外にもこの時点には、トランスポンダ2により提供される識別情報が、データベース内でグラスに対して明確に割り当てられてもよい。特に製造日及び明確な識別情報のロットが割り当てられてもよい。
【0094】
本来の開示目的のために指摘しておくが、本明細書、図面、及び特許請求の範囲から、当業者であれば導き出せるような特徴は全て、例えそれらがさらなる特定の特徴との関係においてのみ具体的に説明されたものに過ぎないとしても、単独でも、任意の組み立てにおいても、ここに開示される特徴又は特徴群の他の特徴と組み合わせることが、このように組み合わせる可能性が明示的に排除されていない限り、又は所与の技術的な状況がそのような組合せを不可能若しくは無意味なものとしていない限り、可能である。本明細書を簡潔で読み易いものとするためだけに、ここでは、考えられる全ての特徴の組合せの包括的明示的な描写を見合わせる。
【0095】
本発明は詳細に図面に描かれ明細書に説明したが、これらの描写及び説明は、あくまでも例示的なものであり、例えば特許請求の範囲により定義されるような保護範囲を限定することを想定したものではない。本発明は、開示されている実施形態に限定されない。
【0096】
当業者には、図面、明細書及び添付の特許請求の範囲から、開示されている実施形態に変化を加えられることが明らかである。特許請求の範囲において、「aufweisen(有する)」という用語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、また不定冠詞「eine(一つの)」又は「ein(一つの)」は、複数を排除するものではない。異なる特徴の中で特定の特徴が請求されているという事実は、ただそれだけをもって、それらの組合せを排除するものではない。特許請求の範囲内の符号は、保護範囲を限定することを想定したものではない。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
1.テーブルウェアアイテム(1)を準備するステップと、
情報キャリア(2)をテーブルウェアアイテム(1)に装着するステップとを含み、
テーブルウェアアイテム(1)が、ガラス、セラミックス及びプラスチック又はそれらの組合せから成るグループから選定される材料から成る、テーブルウェアアイテム(1)を非接触方式で読取り可能な電子情報キャリア(2)に結合する方法において、方法は、 カバー層が、情報キャリア(2)の表面を少なくとも部分的に覆い、このカバー層(3)が、情報キャリア(2)によって覆われていないテーブルウェアアイテム(1)の表面の部分に延在するように、印刷インキから成るカバー層(3)を取り付けるステップをさらに有することを特徴とする方法。
2.カバー層(3)の取付けは、カバー層(3)を印刷すること、又はカバー層(3)を印刷された転写画像として転写することを含むことを特徴とする上記1に記載の方法。
3.カバー層(3)の印刷インキは、少なくとも100μmの厚さで、好適には少なくとも200μmの厚さで、特に好ましくは少なくとも250μmの厚さで情報キャリア(2)の表面上に印刷されることを特徴とする上記1又は2に記載の方法。
4.情報キャリア(2)は、第1表面(6)及び第2表面(7)を有し、
情報キャリア(2)の一部が、第1表面(6)に対して突出し、
カバー層(3)が、情報キャリア(2)の第1表面(6)と第1表面(6)に対して突出している一部とに係合しているように、情報キャリア(2)が、テーブルウェアアイテム(1)に装着されることを特徴とする上記1から3のいずれか1つに記載の方法。
5.テーブルウェアアイテム(1)の表面における凹所(15)又は溝の形態をとる、少なくとも情報キャリア(2)の一部を収容する収容部を有するテーブルウェアアイテム(1)が準備されることを特徴とする上記1から4のいずれか1つに記載の方法。
6.方法は、印刷インキから成るキャリア層(9)をテーブルウェアアイテム(1)の表面上に取り付けるステップをさらに有し、情報キャリア(2)が、キャリア層(9)上に取り付けられることを特徴とする上記1から5のいずれか1つに記載の方法。
7.情報キャリア(2)の底面が、キャリア層(9)の面よりも小さく、
カバー層(3)が、キャリア層(9)を少なくとも部分的に覆うように、カバー層(3)が取り付けられることを特徴とする上記1から6のいずれか1つに記載の方法。
8.方法は、フレーム(10)が、少なくとも情報キャリア(2)の底面と同じ大きさの面の空所を形成するように、印刷インキから成るフレーム(10)を、テーブルウェアアイテム(1)の表面上に、又は印刷インキから成るキャリア層(9)上に取り付けるステップをさらに有し、
カバー層(3)が、情報キャリア(2)の表面とフレーム(10)の表面とをそれぞれ少なくとも部分的に覆うように、カバー層(3)が取り付けられることを特徴とする上記1から7のいずれか1つに記載の方法。
9.カバー層(3)は、フレーム(10)を完全に覆うことを特徴とする上記1から8のいずれか1つに記載の方法。
10.キャリア層(9)とフレーム(10)とカバー層(3)との少なくともいずれか一つの取り付けが、スクリーン印刷技術における印刷によって実行され、
印刷インキは、スクリーン印刷インキであることを特徴とする上記1から9のいずれか1つに記載の方法。
11.キャリア層(9)とフレーム(10)との少なくとも一方の印刷インキは、セラミック印刷インキであり、
キャリア層(9)とフレーム(10)との少なくとも一方を取り付けた後で、情報キャリア(2)を装着する前に、セラミック印刷インキが焼き付けられることを特徴とする上記1から10のいずれか1つに記載の方法。
12.キャリア層(9)とフレーム(10)とカバー層(3)との少なくともいずれか一つの印刷インキは、有機印刷インキであることを特徴とする上記1から11のいずれか1つに記載の方法。
13.印刷インキは、
UV線の作用と、
印刷インキを70℃以下、好適には60℃以下、特に好ましくは50℃以下の温度に加熱することと
の少なくとも一方によって硬化されることを特徴とする上記1から12のいずれか1つに記載の方法。
14.カバー層(3)が、印刷装置のプリントヘッド(17)によって印刷され、
プリントヘッド(17)とテーブルウェアアイテム(1)とが、互いに相対運動可能であり、
情報キャリア(2)を読取装置(16)によって読み取るステップと、
情報キャリア(2)から読取装置(16)に伝送される信号の信号強度を検出するステップと、
読取装置(16)に対する情報キャリア(2)の相対位置を信号強度から決定するステップと、
カバー層(3)を印刷して被覆すべき領域が、プリントヘッド(17)の下に存在するように、テーブルウェアアイテム(1)を情報キャリア(2)と一緒に読取装置(16)に対して相対運動させることによって、情報キャリア(2)の位置を変更するステップとによって、情報キャリア(2)を装着した後で、カバー層(3)を印刷する前に、情報キャリア(2)に対するプリントヘッド(17)の相対位置が調整されることを特徴とする上記1から13のいずれか1つに記載の方法。
15.ガラス、セラミックス及びプラスチック、又はそれらの組合せから成るグループから選定される材料から成るテーブルウェアアイテム(1)と、
テーブルウェアアイテム(1)に装着された、非接触方式で読取り可能な電子情報キャリア(2)とを備えた装置において、
装置は、印刷インキから成るカバー層(3)を有し、
カバー層(3)が、情報キャリア(2)の表面を少なくとも部分的に覆い、印刷インキが、テーブルウェアアイテム(1)の表面の情報キャリア(2)によって覆われていない部分に延在することを特徴とする装置。
16.プリントヘッド(17)と、
印刷装置の稼働中に、テーブルウェアアイテム(1)に配設された情報キャリア(2)を非接触方式に読み取るように設けられている読取装置(16)とを有するテーブルウェアアイテム(1)に印刷する印刷装置。
【符号の説明】
【0097】
1 ドリンクグラス
2 RFIDトランスポンダ
3 カバー層
4 基板
5 チップ
6 第1表面
7 第2表面
8 グラス表面
9 キャリア層
10 フレーム
11 組付けスペース
12 面
13 マスキングコート
14 リセス
15 凹所
16 RFID読取装置
17 スクリーンプリントヘッド
18 矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図7
図8
図9