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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-20
(45)【発行日】2023-09-28
(54)【発明の名称】バルーン型電極カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20230921BHJP
【FI】
A61B18/14
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022509858
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(86)【国際出願番号】 JP2020013169
(87)【国際公開番号】W WO2021192066
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】594170727
【氏名又は名称】日本ライフライン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 洋平
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/035919(WO,A1)
【文献】特表2016-515014(JP,A)
【文献】特開2016-185295(JP,A)
【文献】国際公開第2010/113914(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12-18/14
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断面が楕円形である、少なくとも2つのルーメンを有するカテーテルチューブと、
前記カテーテルチューブの先端側に接続されたバルーンと、
前記バルーンの外表面に設けられた表面電極と、を備え、
前記カテーテルチューブの横断面において前記ルーメンの合計面積が占める割合は40%以上であることを特徴とするバルーン型電極カテーテル。
【請求項2】
前記ルーメンの一方は、前記バルーンの内部に流体を供給するために当該流体を流通させる流体供給用ルーメンであり、
前記ルーメンの他方は、前記バルーンの内部に供給された流体を当該バルーンの内部から排出するために、当該流体を流通させる流体排出用ルーメンであることを特徴とする請求項1に記載のバルーン型電極カテーテル。
【請求項3】
前記流体供給用ルーメンは、前記バルーン内部の先端側において開口し、
前記流体排出用ルーメンは、前記バルーン内部の基端側において開口していることを特徴とする請求項2に記載のバルーン型電極カテーテル。
【請求項4】
前記流体供給用ルーメンは、半円管状のカテーテルチューブの内部に延在していることを特徴とする請求項3に記載のバルーン型電極カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波焼灼治療を行うためのバルーン型電極カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
脈管またはその周囲の組織を高周波焼灼治療するためのバルーン型の電極カテーテル(脈管内アブレーション装置)として、従来、アウターチューブ(カテーテルシャフト)と、アウターチューブの先端に接続されたバルーンと、アウターチューブのルーメンおよびバルーンの内部に挿通されたインナーチューブ(ガイドワイヤ管腔)と、バルーンの内部に流体を供給するためにアウターチューブのルーメンに挿通されたルーメンチューブ(供給管腔)と、バルーンの内部に供給された流体を排出するためにアウターチューブのルーメンに挿通されたルーメンチューブ(帰還管腔)と、バルーンの外表面に設けられた表面電極とを備えてなるものが紹介されている(下記特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載されているバルーン型電極カテーテルを構成するバルーンは、拡張収縮する拡張部と、その両端に形成されたネック部とを有しており、基端側ネック部はアウターチューブに固定され、先端側ネック部はインナーチューブ(ガイドワイヤ管腔)に固定されている。
【0004】
また、特許文献1に記載されているバルーン型電極カテーテルでは、ルーメンチューブ(供給管腔)によってバルーンの内部に供給された流体を、バルーンの内部で循環させて、ルーメンチューブ(帰還管腔)から排出することにより、当該バルーンの内部を冷却し、これにより、表面電極の周囲の組織を冷却しようとしている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されているバルーン型電極カテーテルでは、ルーメンチューブ(供給管腔)およびルーメンチューブ(帰還管腔)の何れもが、バルーンの基端近傍において開口しているため、バルーンの拡張後において、ルーメンチューブ(供給管腔)の開口からバルーンの内部に供給された流体が、先端方向に流動して循環することなく、ルーメンチューブ(帰還管腔)の開口から直ちに排出されてしまい、このため、バルーンの内部、延いては、表面電極の周囲の組織を十分に冷却することができない、という問題がある。
【0006】
特に、バルーン型電極カテーテルにより腫瘍などの焼灼治療を行う場合には、表面電極に高い電圧を印加する必要があるため、冷却が不十分であると、表面電極の周囲の組織が高温(例えば、80℃を超える温度)となって線維化されやすくなり、線維化された組織が介在すると、事後の焼灼治療が実質的に不可能になる。
【0007】
上記のような問題に対し、腫瘍などの病巣に対して広範囲にわたり焼灼治療を行うことができ、バルーン内部の冷却効果、延いては、表面電極の周囲の組織の冷却効果に優れたバルーン型電極カテーテルとして、中央ルーメンと、その周囲に複数配置されたサブルーメンとを有するアウターチューブと、前記アウターチューブの基端側に配置された通電用コネクタと、拡張収縮する拡張部と、その両端に連続するネック部とを有し、基端側ネック部が前記アウターチューブの先端部に固定され、前記拡張部が前記アウターチューブの前記先端部を内包していることにより、前記アウターチューブの先端側に接続されたバルーンと、前記アウターチューブの前記中央ルーメンに挿通されて、当該中央ルーメンの開口から前記バルーンの内部に延出し、前記バルーンの先端側ネック部に固定されて前記バルーンの外部に延出するインナーシャフトと、少なくとも前記バルーンの前記拡張部において当該バルーンの外表面に形成された金属薄膜からなる表面電極と、前記表面電極と前
記通電用コネクタとを電気的に接続する導線とを備えてなり、前記アウターチューブの有する前記サブルーメンの少なくとも1本は、前記バルーンの内部に流体を供給するために当該流体を流通させる流体供給用サブルーメンであり、前記アウターチューブの有する前記サブルーメンの少なくとも1本は、前記バルーンの内部に供給された流体を当該バルーンの内部から排出するために、当該流体を流通させる流体排出用サブルーメンであり、前記流体供給用サブルーメンおよび前記流体排出用サブルーメンの何れか一方の開口は、前記拡張部の軸方向の中間位置よりも先端側に位置し、前記流体供給用サブルーメンおよび前記流体排出用サブルーメンの何れか他方の開口は、前記拡張部の基端またはその近傍に位置しているバルーン型電極カテーテルが、本出願人により提案されている(下記特許文献2参照)。
【0008】
このような構成のバルーン型電極カテーテルによれば、流体供給用サブルーメンおよび流体排出用サブルーメンの何れか一方の開口が、拡張部の軸方向の中間位置よりも先端側に位置し、他方の開口が、拡張部の基端または基端近傍に位置していること、すなわち、流体の供給口と流体の排出口とが互いに軸方向に変位していることにより、バルーンの拡張後においても、流体の軸方向の流れが形成され、バルーンの内部において当該流体を流動させることができるので、バルーンの内部、延いては、表面電極の周囲の組織を十分に冷却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特表2013-532564号公報
【文献】国際公開第2020/035919号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
例えば、バルーン型電極カテーテルによって肺癌などの治療を行う場合には、焼灼時の出力を高くすることが要請され、これに伴って、表面電極の周囲の組織の冷却効果を更に高めることが望まれる。
【0011】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、腫瘍などの病巣に対して広範囲にわたり焼灼治療を行うことができ、従来のバルーン型電極カテーテルと比較して、バルーン内部の冷却効果、延いては、表面電極の周囲の組織の冷却効果に優れたバルーン型電極カテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明のバルーン型電極カテーテルは、高周波焼灼治療を行うためのバルーン型電極カテーテルであって、
2つのメインルーメンと少なくとも1つのサブルーメンとを有するカテーテルチューブと、
前記カテーテルチューブの基端側に配置された通電用コネクタと、
拡張収縮する拡張部と、その両端に連続するネック部とを有し、基端側ネック部が前記カテーテルチューブの先端部に固定され、前記拡張部が前記カテーテルチューブの前記先端部を内包していることにより、前記カテーテルチューブの先端側に接続されたバルーンと、
前記先端側ネック部に固定されて前記バルーンの外部に延出する先端チップと、
前記先端チップの基端側に接続され、前記バルーンの中心軸に沿って前記拡張部の内部に延出する補強シャフトと、
少なくとも前記バルーンの前記拡張部において当該バルーンの外表面に形成された金属薄膜からなる表面電極と、
前記表面電極と前記通電用コネクタとを電気的に接続する導線とを備えてなり;
前記カテーテルチューブは、前記拡張部の基端またはその近傍の位置から基端方向に延びる円管状部分と、
前記拡張部の前記基端またはその近傍の前記位置から、前記拡張部の内部を先端方向に延びて、その先端面が前記拡張部の軸方向の中間位置よりも先端側に位置している実質的半円管状部分とを有しており、
前記円管状部分の横断面に占める前記メインルーメンの各々の面積割合が20%以上であり、
前記メインルーメンの一方は、前記バルーンの内部に流体を供給するために当該流体を流通させる流体供給用ルーメンであり、
前記メインルーメンの他方は、前記バルーンの内部に供給された流体を当該バルーンの内部から排出するために、当該流体を流通させる流体排出用ルーメンであり、
前記カテーテルチューブの前記サブルーメンの1つは、前記導線を挿通するためのルーメンであり、
前記流体供給用ルーメンは、前記円管状部分および前記実質的半円管状部分の内部に配置されて、当該実質的半円管状部分の先端面において開口し、
前記流体排出用ルーメンは、前記円管状部分の内部に配置されて、当該円管状部分の先端面において開口していることを特徴とする。
【0013】
このような構成のバルーン型電極カテーテルによれば、バルーンの外表面に形成された表面電極により、病巣に対して広範囲にわたる焼灼治療を行うことができる。
また、流体供給用ルーメンの開口が、拡張部の軸方向の中間位置よりも先端側に位置する実質的半円管状部分の先端面に形成され、流体排出用ルーメンの開口が、拡張部の基端またはその近傍に位置する円管状部分の先端面に形成されていること、すなわち、流体の供給口と流体の排出口とが互いに軸方向に変位していることにより、バルーンの拡張後(内部に流体が充填された後)においても、流体の軸方向の流れが形成され、バルーンの内部において当該流体を流動させることができる。
更に、流体供給用ルーメンおよび流体排出用ルーメンが、それぞれ、カテーテルチューブの円管状部分の横断面の20%以上を占める断面積の大きなメインルーメンよりなるので、バルーン内部への流体の供給量およびバルーン内部からの流体の排出量、すなわち、バルーンの内部を循環する流体の流量を従来のものと比較して格段に多くすることができる。この結果、従来のバルーン型電極カテーテルと比較しても、バルーン内部の冷却効果、延いては、表面電極の周囲の組織の冷却効果に優れたものとなる。
【0014】
(2)本発明のバルーン型電極カテーテルにおいて、前記円管状部分の横断面に占める前記メインルーメンの各々の面積割合が25%以上であることが好ましい。
【0015】
(3)本発明のバルーン型電極カテーテルにおいて、前記メインルーメンの横断面が楕円形であることが好ましい。
【0016】
このような構成のバルーン型電極カテーテルによれば、円管状部分の断面において、面積の大きい2つのメインルーメンの配置することができ、半円管状部分の断面において、面積の大きい1つのメインルーメンを配置することができる。
【0017】
(4)本発明のバルーン型電極カテーテルにおいて、前記実質的半円管状部分と前記補強シャフトとが互いに干渉しないように、前記実質的半円管状部分が、前記バルーンの前記中心軸から径方向に変位しているとともに、前記実質的半円管状部分と前記補強シャフトとが接着固定されていることが好ましい。
【0018】
このような構成のバルーン型電極カテーテルによれば、実質的半円管状部分と補強シャ
フトとの干渉を防止することができるとともに、両者が接着固定されていることにより、良好なプッシャビリティを発揮することができる。
【0019】
(5)本発明のバルーン型電極カテーテルにおいて、前記バルーンの前記拡張部は、円筒状部分と、前記円筒状部分の先端から前記先端側ネック部の基端に至る先端側コーン部分と、前記円筒状部分の基端から前記基端側ネック部の先端に至る基端側コーン部分とからなり、
前記実質的半円管状部分の前記先端面は、前記円筒状部分の先端またはその近傍の内部に位置し、
前記補強シャフトの基端面は、前記円筒状部分の基端またはその近傍の内部に位置していることが好ましい。
【0020】
(6)上記(5)のバルーン型電極カテーテルにおいて、前記補強シャフトは、PEEK樹脂チューブからなり、前記先端チップおよび/または前記PEEK樹脂チューブの内部には、軸方向の少なくとも一部に樹脂が埋め込まれて前記流体の流通が阻止されていることが好ましい。
【0021】
(7)上記(6)のバルーン型電極カテーテルにおいて、前記先端チップの先端部分の内部および前記PEEK樹脂チューブの基端部分の内部に前記樹脂が埋め込まれていることが好ましい。
【0022】
上記のような構成のバルーン型電極カテーテルによれば、剛性の高いPEEK樹脂チューブによる十分な補強効果を発揮できるとともに、先端チップの先端開口から流体が漏れ出すことを防止することができる。
【0023】
(8)本発明のバルーン型電極カテーテルにおいて、前記表面電極の先端部が前記先端チップまたは前記先端側ネック部の外表面まで延びており、
前記先端チップまたは前記先端側ネック部に装着され、前記表面電極の前記先端部が、その外周面に固着されていることにより、前記表面電極と電気的に接続された金属リングが設けられ、
前記導線は、その先端が前記金属リングの内周面に接続され、前記バルーンの内部および前記カテーテルチューブの前記サブルーメンに延在して、その基端が前記通電用コネクタに接続されていることが好ましい。
【0024】
このような構成のバルーン型電極カテーテルによれば、バルーンの外表面に形成された表面電極を、金属リングおよび導線を介して通電用コネクタに電気的に接続することができるので、当該表面電極に対して高周波電流を確実に通電することができる。
また、金属リングが装着されるバルーンの先端側ネック部は、先端チップに固定されるネック部であり、カテーテルチューブに固定される基端側ネック部と比較して外径が格段に小さいので、先端側ネック部に装着される金属リングの外径を、カテーテルチューブや基端側ネック部の外径よりも小さくすることができる。
これにより、バルーン型電極カテーテルの導入時において、使用するシースや内視鏡などの開口に当該金属リングが引っ掛かるようなことはなく、シースや内視鏡のルーメンへのバルーン型電極カテーテルの挿通性が損なわれることがない。
【0025】
(9)上記(8)のバルーン型電極カテーテルにおいて、前記表面電極は、前記バルーンの軸方向に沿って延びるように形成され、当該バルーンの円周方向に沿って等角度間隔に配置された複数の帯状電極であり、前記帯状電極の各々の先端部が前記金属リングの外周面に固着されていることが好ましい。
【0026】
このような構成のバルーン型電極カテーテルによれば、バルーンの円周方向に沿って等角度間隔に形成されている複数の帯状電極の各々を、金属リングおよび導線を介して、通電用コネクタに電気的に接続することができるので、複数の帯状電極の各々に対して均等に高周波電流を通電することができ、これにより、脈管またはその周囲の組織を当該脈管の円周方向に沿って均質に焼灼治療することができる。
【0027】
(10)本発明のバルーン型電極カテーテルにおいて、前記バルーンの管壁に温度センサが配置されていることが好ましい。
【0028】
(11)上記(5)のバルーン型電極カテーテルにおいて、前記円筒状部分以外の前記バルーンの外表面に形成されている前記表面電極が絶縁被覆されていてもよい。これにより、バルーンの円筒状部分のみで焼灼が行うことができる。
【0029】
(12)本発明のバルーン型電極カテーテルは、肺癌の治療に好適に使用することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明のバルーン型電極カテーテルによれば、腫瘍などの病巣に対して広範囲にわたり高周波焼灼治療を行うことができるとともに、従来のバルーン型電極カテーテルと比較してバルーン内部の冷却効果、延いては表面電極の周囲の組織の冷却効果に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態に係るバルーン型電極カテーテルの平面図である。
図2図1に示したバルーン型電極カテーテルの正面図である。
図3図1に示したバルーン型電極カテーテルの先端部分を示す斜視図である。
図4図1に示したバルーン型電極カテーテルの先端部分を示す斜視図である。
図5図1のV-V端面図である。
図6図1のVI-VI断面図である。
図7図2のVII-VII断面図である。
図8図7の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<実施形態>
この実施形態のバルーン型電極カテーテル100は、高周波焼灼により肺癌を治療するためのバルーン型の電極カテーテルである。
図1図8に示す本実施形態のバルーン型電極カテーテル100は、楕円形の断面形状を有するメインルーメン101Lおよび102Lと、円形の断面形状を有するサブルーメン103Lおよび104Lとを有するカテーテルチューブ10と;カテーテルチューブ10の基端側に配置された電気コネクタ21と;拡張収縮する拡張部31と、その両端に連続するネック部(先端側ネック部33および基端側ネック部35)とを有し、基端側ネック部35がカテーテルチューブ10の先端部を構成する円管状部分11に固定され、拡張部31がカテーテルチューブ10の先端部を構成する半円管状部分13を内包することにより、カテーテルチューブ10の先端側に接続されているバルーン30と;先端側ネック部33に固定されてバルーン30の外部に延出する先端チップ40と、先端チップ40の基端側に接続され、バルーン30の中心軸に沿って拡張部31の内部に延出するPEEK樹脂チューブからなる補強シャフト45と、バルーン30の拡張部31および先端側ネック部33の外表面に形成され、各々の先端部が先端チップ40の外表面まで延びている金属薄膜による帯状電極51~58(表面電極)と;先端チップ40に装着され、帯状電極51~58の各々の先端部がその外周面に固着されていることにより、帯状電極51~58の各々と電気的に接続された金属リング60と;金属リング60の内周面にその先端が
接続され、バルーン30の内部およびカテーテルチューブ10(円管状部分11)のサブルーメン103Lに延在し、その基端が電気コネクタ21に接続された導線70と;バルーン30の拡張部31の管壁にその先端(測温部81)が埋設され、拡張部31および基端側ネック部35の管壁並びにカテーテルチューブ10(円管状部分11)のサブルーメン104Lに延在し、電気コネクタ21にその基端が接続された、温度センサ(熱電対)80とを備えてなり;
カテーテルチューブ10は、バルーン30の拡張部31の基端から基端方向に延びる円管状部分11と、拡張部31の基端から、拡張部31の内部を先端方向に延びて、その先端面14が、拡張部31の軸方向の中間位置よりも先端側に位置している半円管状部分13とからなり;
カテーテルシャフト10の半円管状部分13は、バルーン30の中心軸から径方向に変位しているとともに、半円管状部分13と補強シャフト45とが接着固定されており;
カテーテルチューブ10のメインルーメン101Lは、バルーン30の内部に流体を供給するために当該流体を流通させる流体供給用ルーメンであり、メインルーメン102Lは、バルーン30の内部に供給された流体を当該バルーン30の内部から排出するために、当該流体を流通させる流体排出用ルーメンであり、サブルーメン103Lは、導線70を挿通するためのルーメンであり、サブルーメン104Lは、温度センサ80を挿通するためのルーメンであり;
流体供給用ルーメン(メインルーメン101L)は、円管状部分11および半円管状部分13の内部に配置されて、当該半円管状部分13の先端面14において開口し、流体排出用ルーメン(メインルーメン102L)は、円管状部分11の内部に配置されて、当該円管状部分11の先端面12において開口している。
【0033】
図1および図2において、20は、カテーテルチューブ10の基端側に接続されたYコネクタ、22は流体供給用コネクタ、23は流体排出用コネクタ、26は導線保護チューブ、27は流体供給用チューブ、28は流体排出用チューブである。
【0034】
バルーン型電極カテーテル100を構成するカテーテルチューブ10は、円管状部分11と半円管状部分13とからなる。
カテーテルチューブ10の基端部および先端部の一部は円管状部分11により構成され、カテーテルチューブ10の先端部(前記一部を除く)は半円管状部分13により構成されている。
【0035】
図6に示すように、カテーテルチューブ10の円管状部分11の内部には、楕円形状の断面を有するメインルーメン101Lおよび102Lと、円形の断面を有するサブルーメン103Lおよび104Lとが形成されている。
円管状部分11において、ルーメン101L~104Lの各々は、これを囲繞するルーメンチューブにより形成され、これらのルーメンチューブは、円管状部分11を形成するバインダ樹脂により固定されている。
【0036】
メインルーメン101Lおよび102Lの断面形状は楕円形であり、これにより、面積の大きい2つのメインルーメンを円管状部分11の横断面に配置することができる。
【0037】
円管状部分11の横断面に占めるメインルーメン101Lおよび102Lの各々の面積割合は20%以上とされ、好ましくは25%以上、更に好ましくは25~30%、好適な一例を示せば29.3%である。
【0038】
このような断面積の大きいメインルーメンを、流体を流通させるためのルーメン(流体供給用ルーメンおよび流体排出用ルーメン)とすることによって、流体供給用ルーメンおよび流体排出用ルーメンの開口面積を大きく確保することができるので、中央ルーメン(
ガイドワイヤルーメン)の周囲に配置された小径のサブルーメンによって流体を流通させていた従来のバルーン型電極カテーテルと比較して、流体の流量を格段に多くすることができ、これにより、優れた冷却効果を発揮することができる。
【0039】
流体を流通させるためのルーメンが占める面積割合が20%未満であると、十分な冷却効果を発揮することができない。他方、この面積割合が過大であるとカテーテルチューブとしての強度を十分に確保することができない場合がある。
【0040】
なお、本実施形態のバルーン型電極カテーテル100は、ガイドワイヤを利用しないで目的部位にデリバリされるため、カテーテルチューブ10には、ガイドワイヤルーメンが形成されていない。これにより、断面積の大きいメインルーメンを形成することが可能になっている。
【0041】
図5に示すように、カテーテルチューブ10の半円管状部分13の内部には、円管状部分11の内部から連続して、メインルーメン101Lのみが形成されている。
半円管状部分13において、メインルーメン101Lを囲繞するルーメンチューブは、半円管状部分13を形成するバインダ樹脂により固定されている。
円管状部分11の内部および半円管状部分13の内部に配置されているメインルーメン101Lは、カテーテルチューブ10の先端面である半円管状部分13の先端面14において開口している。
【0042】
メインルーメン101Lは、図1に示した流体供給用コネクタ22と連通しており、これにより、メインルーメン101Lは、バルーン30(拡張部31)の内部に流体を供給するための「流体供給用ルーメン」となる。
ここに、バルーン30の内部に供給される流体としては、生理食塩水を例示することができる。
【0043】
円管状部分11の内部に形成されているメインルーメン102L、サブルーメン103Lおよび104Lは、それぞれ、円管状部分11の先端面12において開口している。
なお、導線70が挿入されているサブルーメン103Lの開口および温度センサ80が挿入されているサブルーメン104Lの開口は、それぞれ、シール材料によって封止され、これらのサブルーメン103Lおよび104Lへの流体の流入が防止されている。
【0044】
メインルーメン102Lは、図1および図2に示した流体排出用コネクタ23と連通しており、これにより、メインルーメン102Lは、バルーン30(拡張部31)の内部に供給された流体をバルーン30の内部から排出するための「流体排出用ルーメン」となる。
【0045】
カテーテルチューブ10の構成材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX(登録商標))およびナイロンなどのポリアミド系樹脂を挙げることができ、これらのうち、PEBAXが好ましい。
【0046】
カテーテルチューブ10の外径は、通常1.0~3.3mmとされ、好適な一例を示せば1.5mmとされる。
カテーテルチューブ10の長さは、通常100~2200mmとされ、好適な一例を示せば1200mmとされる。
カテーテルチューブ10の円管状部分11の長さは、通常300~3000mmとされ、好適な一例を示せば1180mmとされる。
カテーテルチューブ10の半円管状部分13の長さは、通常5~300mmとされ、好
適な一例を示せば20mmとされる。
【0047】
図1および図2に示すように、カテーテルチューブ10の基端側には、Yコネクタ20が接続されている。
カテーテルチューブ10のメインルーメン101L(流体供給用ルーメン)およびメインルーメン102L(流体排出用ルーメン)を囲繞するルーメンチューブは、カテーテルチューブ10の基端からYコネクタ20の内部に進入している。
【0048】
メインルーメン101L(流体供給用ルーメン)を囲繞するルーメンチューブの基端部は、Yコネクタ20の内部において、流体供給用チューブ27に連結されている。
この流体供給用チューブ27は、Yコネクタ20の外部に延出し、流体供給用チューブ27の基端は流体供給用コネクタ22に連結している。
【0049】
メインルーメン102L(流体排出用ルーメン)を囲繞するルーメンチューブの基端部は、Yコネクタ20の内部において、流体排出用チューブ28に連結されている。
この流体排出用チューブ28は、Yコネクタ20の外部に延出し、流体排出用チューブ28の基端は流体排出用コネクタ23に連結している。
【0050】
バルーン型電極カテーテル100を構成するバルーン30は、拡張収縮する拡張部31と、拡張部31の先端に連続する先端側ネック部33と、拡張部31の基端に連続する基端側ネック部35とにより構成されている。
【0051】
バルーン30の拡張部31は、その内部に流体が供給されることによって拡張し、その内部から流体が排出されることによって収縮する空間形成部分である。
バルーン30の拡張部31は、円筒状部分311と、円筒状部分311の先端から先端側ネック部33の基端に至る先端側コーン部分313と、円筒状部分311の基端から基端側ネック部35の先端に至る基端側コーン部分315とからなる。
【0052】
カテーテルチューブ10の先端部(円管状部分11によって構成される先端部)に基端側ネック部35が固定されるとともに、カテーテルチューブ10の先端部(半円管状部分13によって構成される先端部)を拡張部31が内包していることにより、バルーン30は、カテーテルチューブ10の先端側に接続されている。
【0053】
ここに、バルーン30の基端側ネック部35が固定されているカテーテルチューブ10(円管状部分11)の先端部は表層部分が斫られており、その外径は、基端側ネック部35が固定されていないカテーテルチューブ10の基端部の外径より小さくなっている。
また、基端側ネック部35の外径は、カテーテルチューブ10(円管状部分11)の基端部の外径と実質的に等しい。
これにより、バルーン型電極カテーテル100を導入するために使用するシースや内視鏡の内腔への挿通性が、基端側ネック部35によって損なわれることを防止することができる。
【0054】
メインルーメン101L(流体供給用ルーメン)が開口する半円管状部分13の先端面14は、バルーン30の拡張部31の軸方向の中間位置よりも先端側である円筒状部分311の先端近傍の内部に位置している。
メインルーメン101L(流体供給用ルーメン)を流通する流体は、半円管状部分13の先端面14における開口から先端方向に吐出され、吐出された流体は先端側コーン部分313の先端近傍に到達することができ、これにより、バルーン30(拡張部31)の内部において先端側から基端側への流体の流れを形成することができる。
【0055】
流体供給用ルーメンの開口位置が、バルーンの拡張部の軸方向の中間位置より基端側にある場合には、バルーンの拡張後、当該開口から先端方向に流体を吐出させても、拡張部の先端近傍まで当該流体を到達させることができず、バルーンの内部において先端側から基端側への流体の流れを形成することができない。
【0056】
メインルーメン102L(流体排出用ルーメン)が開口する円管状部分11の先端面12は、バルーン30の拡張部31の基端に位置している。
【0057】
バルーン30の構成材料としては、特に限定されるものではなく、従来公知のバルーンカテーテルを構成するバルーンと同一のものを使用することができ、例えば、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、PEBAXおよびナイロンなどのポリアミド系樹脂;熱可塑性ポリエーテルウレタン、ポリエーテルポリウレタンウレア、フッ素ポリエーテルウレタンウレア、ポリエーテルポリウレタンウレア樹脂およびポリエーテルポリウレタンウレアアミドなどのポリウレタン系樹脂を挙げることができる。
【0058】
バルーン30(拡張部31)の直径としては、通常0.70~30.0mmとされ、好適な一例を示せば3.5mmとされる。
バルーン30(拡張部31)の長さとしては、通常8~50mmとされ、好適な一例を示せば20mmとされる。
【0059】
バルーン型電極カテーテル100を構成する先端チップ40は、先端側ネック部33に固定されてバルーン30の外部に延出している。
【0060】
先端チップ40の構成材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、PEBAXおよびナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリウレタンなどを挙げることができる。
【0061】
先端チップ40の内径は、通常0~3.0mmとされ、好適な一例を示せば0.8mmとされる。
先端チップ40の外径は、通常0.5~3.1mmとされ、好適な一例を示せば1.1mmとされる。
先端チップ40が固定されるバルーン30の先端側ネック部33の外径は、通常0.6~3.2mmとされ、好適な一例を示せば1.2mmとされる。
先端チップ40の先端部分の内部には樹脂90が埋めこまれている。
【0062】
図7および図8に示すように、バルーン型電極カテーテル100を構成する補強シャフト45は、先端チップ40の基端側に接続され、バルーン30の中心軸に沿って拡張部31(先端側コーン部分313,、円筒状部分311)の内部に延出し、補強シャフト45の基端面は、円筒状部分311の基端近傍に位置している。
【0063】
補強シャフト45は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)チューブ樹脂からなり、その基端部分の内部には樹脂90が埋め込まれている。
【0064】
これにより、剛性の高いPEEK樹脂チューブによる十分な補強効果を発揮できるとともに、樹脂90により、先端チップ40の先端開口から流体が漏れ出すことを防止することができる。
【0065】
補強シャフト45の外径は、通常0.4~3.0mmとされ、好適な一例を示せば0.7mmとされる。
【0066】
バルーン30の拡張部31(円筒状部分311および先端側コーン部分313)並びに先端側ネック部33の外表面には、高周波電流が通電される表面電極として、バルーン30の軸方向に沿って延びるように、金属薄膜によって形成された帯状電極51~58が、バルーン30の円周方向に沿って45°間隔で配置されている。帯状電極51~58の各先端部は、バルーン30(先端側ネック部33)の先端を越えて先端チップ40の外表面まで延びている。
【0067】
帯状電極51~58を構成する金属薄膜の構成材料としては、金、白金、銀、銅およびこれらの合金、ステンレススチールなどを挙げることができる。
帯状電極51~58を構成する金属薄膜の膜厚としては0.5~5μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0~2.5μmとされる。
この膜厚が過小である場合には、手技中(高周波通電中)において、ジュール熱により金属薄膜が高温となるおそれがある。
他方、薄膜の膜厚が過大である場合には、拡張収縮に伴うバルーンの形状変化に当該金属薄膜が追従しにくくなり、バルーンの拡張・収縮性が損なわれることがある。
【0068】
帯状電極51~58を構成する金属薄膜をバルーン30の外表面に形成する方法としては特に限定されるものではなく、蒸着、スパッタリング、メッキ、印刷など、通常の金属薄膜形成方法を採用することができる。
【0069】
図7および図8に示すように、先端チップ40の外表面には金属リング60が装着されている。金属リング60の外周面には、帯状電極51~58の各々の先端部が固着されている。これにより、帯状電極51~58の各々と金属リング60とが電気的に接続されている。
【0070】
金属リング60の構成材料としては、白金または白金系の合金などを挙げることができる。
【0071】
金属リング60の内径は、通常0.5~3.1mmとされ、好適な一例を示せば1.1mmとされる。
金属リング60の外径は、通常0.6~3.2mmとされ、好適な一例を示せば1.2mmとされる。
【0072】
金属リング60の内周面には導線70の先端が固定されている。
導線70は、バルーン30の内部およびカテーテルチューブ10(円管状部分11)のサブルーメン103L、Yコネクタ20の内部、導線保護チューブ26の内部を通ってYコネクタ20から延出している。
【0073】
導線70の基端は電気コネクタ21に接続されている。この電気コネクタ21は、帯状電極51~58にの各々に高周波電流を通電する通電用コネクタとしての機能と、温度センサ80を温度測定器に接続するための熱電対コネクタとの機能を兼ね備えている。
【0074】
金属リング60および導線70を介して、帯状電極51~58の各々を、電気コネクタ21に接続することにより、帯状電極51~58の各々に対して均等に高周波電流を通電することができる。
【0075】
導線70の構成材料としては、例えば、銅、銀、金、白金、タングステンおよびこれら金属の合金を挙げることができ、フッ素樹脂などの電気絶縁性保護被覆が施されていることが好ましい。
【0076】
バルーン30の管壁には、熱電対からなる温度センサ80が埋設配置されている。この
温度センサ80の側温部81(測温接点)は、拡張部31の管壁に位置している。
【0077】
温度センサ80は、バルーン30の基端側ネック部35の管壁からカテーテルチューブ10(円管状部分11)のサブルーメン104Lに進入して当該サブルーメン104Lに延在し、Yコネクタ20の内部、導線保護チューブ26の内部を通ってYコネクタ20から延出している。
温度センサ80の基端は電気コネクタ21に接続されている。
【0078】
本実施形態のバルーン型電極カテーテル100によれば、バルーン30の外表面に形成された帯状電極51~58の各々により、病巣に対して広範囲にわたる高周波焼灼治療を行うことができる。
【0079】
また、メインルーメン101L(流体供給用ルーメン)が、バルーン30の円筒状部分311の先端近傍の内部に位置する半円管状部分13の先端面14において開口し、メインルーメン102L(流体排出用ルーメン)が、バルーン30の拡張部31の基端に位置する円管状部分11の先端面12において開口していることにより、バルーン30の拡張後(内部に流体が充填された後)であっても、バルーン30の内部において、先端側から基端側への流体の流れを形成することができ、当該流体を流動させることができる。
【0080】
さらに、流体供給用ルーメンおよび流体排出用ルーメンが、それぞれ、断面積の大きなメインルーメン101Lおよび102Lよりなるので、バルーン30の内部への流体の供給量およびバルーン30の内部からの流体の排出量、すなわち、バルーン30の内部を循環する流体の流量を従来のものと比較して格段に多くすることができる。
この結果、バルーン30の内部を、拡張部31の全域にわたり効率よく冷却することができ、これにより、帯状電極51~58の周囲の組織が十分に冷却され、当該組織が線維化されることを確実に防止することができる。
【0081】
また、金属リング60が先端チップ40の外表面に装着され、帯状電極51~58の各々の先端部が金属リング60の外周面に固着されていることにより、帯状電極51~54の各々が、当該金属リング60および導線70を介して電気コネクタ21に電気的に接続されているので、帯状電極51~58の各々に対して均等に高周波電流を通電することができ、これにより、病巣組織を当該脈管の円周方向に沿って均質に焼灼治療することができる。
【0082】
また、金属リング60の外径が、カテーテルチューブ10や基端側ネック部35の外径よりも小さいので、導入時に使用するシースや内視鏡の開口に金属リング60が引っ掛かるようなことはなく、シースや内視鏡の内腔へのバルーン型電極カテーテル100の挿通性が損なわれることがない。
【0083】
本実施形態のバルーン型電極カテーテル100が適用可能な症例としては、脈管またはその周囲における腫瘍や迷走神経などであり、具体的には、肺癌、食道癌、胃癌、小腸癌および大腸癌などを挙げることができる。
【0084】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、バルーン30の内部における半円管状部分13の先端面14の軸方向位置(メインルーメン101Lの開口位置)は、拡張部31の軸方向の中間位置よりも先端側であれば、先端側コーン部分313の内部にあってもよい。
また、少なくとも、バルーン30の先端側コーン部分313に位置している帯状電極51~58の部分を絶縁被覆することにより、バルーン30の円筒状部分311に位置して
いる帯状電極51~58の部分のみで焼灼が行われるようにしてもよい。これにより、バルーン30の先端側コーン部分313が接触する組織における再狭窄を防止することができる。ここに、「少なくとも、バルーン30の先端側コーン部分313に位置している帯状電極51~58の部分を絶縁被覆する」態様としては、先端側コーン部分313および先端側ネック部33の全域を絶縁被覆する態様を挙げることができる。
また、半円管状部分13の横断面における中心角は180°であるが、中心角が160~200°、好ましくは170~190°の実質的半円管状部分であってもよい。
また、サブルーメン103Lおよびサブルーメン104Lにおいて、それぞれの基端部がシール材料によって封止されることにより、これらのサブルーメンの基端側への流体の流出が防止されていてもよい。
【符号の説明】
【0085】
100 バルーン型電極カテーテル
10 カテーテルチューブ
101L メインルーメン(流体供給用ルーメン)
102L メインルーメン(流体供給用ルーメン)
103L,104L サブルーメン
11 円管状部分
12 円管状部分の先端面
13 半円管状部分
14 半円管状部分の先端面
20 Yコネクタ
21 電気コネクタ
22 流体供給用コネクタ
23 流体排出用コネクタ
26 導線保護チューブ
27 流体供給用チューブ
28 流体排出用チューブ
30 バルーン
31 拡張部
311 円筒状部分
313 先端側コーン部分
315 基端側コーン部分
33 先端側ネック部
35 基端側ネック部
40 先端チップ
45 補強シャフト
51~58 帯状電極(表面電極)
60 金属リング
70 導線
80 温度センサ(熱電対)
81 温度センサの測温部
90 樹脂(シール材料)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8