(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】部品実装装置およびノズル長さ判定方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
H05K13/04 A
(21)【出願番号】P 2020004044
(22)【出願日】2020-01-15
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】納富 亮
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-156600(JP,A)
【文献】特開平08-008600(JP,A)
【文献】特開2006-108540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さの異なる複数種のノズルを交換自在に取り付け可能な装着ヘッドと、前記装着ヘッドを移動させるヘッド移動機構とを備え、前記ヘッド移動機構によって前記装着ヘッドを移動させることで、前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの下端に部品を吸着させて基板に装着する部品実装装置であって、
撮像光軸を横方向に向けて設置され、前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの下端の移動可能範囲内に撮像視野を有する撮像手段と、
前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの下端が前記撮像視野内に映し出されたときの前記装着ヘッドの高さに基づいて前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの長さを判定するノズル長さ判定部とを備えた部品実装装置。
【請求項2】
前記ノズル長さ判定部は、前記装着ヘッドに取り付けられる可能性のある複数種のノズルのうち長さが最も長いノズルが前記装着ヘッドに取り付けられていた場合にそのノズルの下端が前記撮像視野内に映し出される高さにおいて前記撮像視野内にノズルの下端が映し出されるか否かを判断し、前記撮像視野内にノズルの下端が映し出されなかった場合には前記装着ヘッドを下降させたうえで、改めて前記撮像視野内にノズルの下端が映し出されるか否かを判断する請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記装着ヘッドに取り付けられる可能性のある複数種のノズルそれぞれについて、前記装着ヘッドに取り付けられた場合にノズルの下端が前記撮像視野内に映し出されるときの前記装着ヘッドの高さをヘッド高さデータとして記憶する記憶部を備え、前記ノズル長さ判定部は、前記記憶部に記憶された前記ヘッド高さデータに基づいて前記装着ヘッドを下降させ、前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの下端が前記撮像視野内に映し出されたときの前記装着ヘッドの高さに基づいて前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの長さを判定する請求項2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記ノズル長さ判定部により前記装着ヘッドに取り付けられていると判定されたノズルの長さとその判定の時点で前記装着ヘッドに取り付けられているべきデータ上のノズルの長さとが一致しているか否かを検査する検査部と、前記検査部において前記装着ヘッドに取り付けられているノズルの長さと前記データ上のノズルの長さとが異なっていると判断された場合に警報を発する警報手段とを備えた請求項1~3のいずれかに記載の部品実装装置。
【請求項5】
長さの異なる複数種のノズルを交換自在に取り付け可能な装着ヘッドと、前記装着ヘッドを移動させるヘッド移動機構と、撮像光軸を横方向に向けて設置され、前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの下端の移動可能範囲内に撮像視野を有する撮像手段とを備え、前記ヘッド移動機構によって前記装着ヘッドを移動させることで、前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの下端に部品を吸着させて基板に装着する部品実装装置におけるノズル長さ判定方法であって、
前記装着ヘッドに取り付けられる可能性のある複数種のノズルのうち長さが最も長いノズルが前記装着ヘッドに取り付けられていた場合にそのノズルの下端が前記撮像視野内に映し出されるときの前記装着ヘッドの高さである初期高さに前記装着ヘッドを位置させる第1の工程と、
前記装着ヘッドを前記初期高さに位置させた状態で前記撮像視野内にノズルの下端が映し出されるか否かを判断し、前記撮像視野内にノズルの下端が映し出されなかった場合には前記装着ヘッドを下降させたうえで改めて前記撮像視野内にノズルの下端が映し出されるか否かを判断する第2の工程と、
前記撮像視野内にノズルの下端が映し出されたときの前記装着ヘッドの高さに基づいて前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの長さを判定する第3の工程とを含むノズル長さ判定方法。
【請求項6】
前記第3の工程で前記装着ヘッドに取り付けられていると判定されたノズルの長さとその判定の時点で前記装着ヘッドに取り付けられているべきデータ上のノズルの長さとが一致しているか否かを検査する第4の工程と、前記第4の工程で前記装着ヘッドに取り付けられているノズルの長さと前記データ上のノズルの長さとが異なっていると判断された場合に警報を発する第5の工程とを含む請求項5に記載のノズル長さ判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着ヘッドに取り付けられたノズルの下端に部品を吸着して基板に装着する部品実装装置およびノズル長さ判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置は、装着ヘッドに取り付けられたノズルの下端に部品を吸着して基板に装着する構成となっている。ノズルには標準的な長さ標準ノズルのほか、標準ノズルよりも長さが長いロングノズルが用意されており、部品の形状やサイズ等に応じて使い分けられるようになっている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0003】
部品実装装置が実行する部品装着作業では、装着ヘッドにおけるノズルの交換作業は実装プログラムに定められた手順に従って行われるが、ノズルの交換によってノズルの長さが変わってもノズルの下端の位置は同じ高さになるように、装着ヘッドの高さはノズルの長さに応じて変更される。具体的には、ロングノズルが取り付けられている場合の装着ヘッドの高さは、標準ノズルが取り付けられている場合の装着ヘッドの高さよりも高い位置に設定される。これにより、ノズルが吸着した部品を下方から撮像するカメラ(部品カメラ)の焦点距離を一定にすることができ、部品を基板に装着する際のノズルの下降量を一定範囲内に収めることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実装プログラムで装着ヘッドに標準ノズルが取り付けられることになっているにも拘らず、段取り段階での作業ミス等によって装着ヘッドにロングノズルが取り付けられてしまった場合には、装着ヘッドは標準ノズルに対応した高さで移動するため、標準ノズルよりも下方に位置するロングノズルの下端が基台上の構造物(例えば上述した部品カメラ)に接触してノズルを破損させてしまうおそれがあるという問題点があった。
【0006】
そこで本発明は、装着ヘッドに本来取り付けられるべきノズルよりも長いノズルが誤って取り付けられていた場合であってもノズルの破損を防ぐことができる部品実装装置およびノズル長さ判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の部品実装装置は、長さの異なる複数種のノズルを交換自在に取り付け可能な装着ヘッドと、前記装着ヘッドを移動させるヘッド移動機構とを備え、前記ヘッド移動機構によって前記装着ヘッドを移動させることで、前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの下端に部品を吸着させて基板に装着する部品実装装置であって、撮像光軸を横方向に向けて設置され、前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの下端の移動可能範囲内に撮像視野を有する撮像手段と、前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの下端が前記撮像視野内に映し出されたときの前記装着ヘッドの高さに基づいて前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの長さを判定するノズル長さ判定部とを備えた。
【0008】
本発明のノズル長さ判定方法は、長さの異なる複数種のノズルを交換自在に取り付け可能な装着ヘッドと、前記装着ヘッドを移動させるヘッド移動機構と、撮像光軸を横方向に向けて設置され、前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの下端の移動可能範囲内に撮像視野を有する撮像手段とを備え、前記ヘッド移動機構によって前記装着ヘッドを移動させることで、前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの下端に部品を吸着させて基板に装着する部品実装装置におけるノズル長さ判定方法であって、前記装着ヘッドに取り付けられる可能性のある複数種のノズルのうち長さが最も長いノズルが前記装着ヘッドに取り付けられていた場合にそのノズルの下端が前記撮像視野内に映し出されるときの前記装着ヘッドの高さである初期高さに前記装着ヘッドを位置させる第1の工程と、前記装着ヘッドを前記初期高さに位置させた状態で前記撮像視野内にノズルの下端が映し出されるか否かを判断し、前記撮像視野内にノズルの下端が映し出されなかった場合には前記装着ヘッドを下降させたうえで改めて前記撮像視野内にノズルの下端が映し出されるか否かを判断する第2の工程と、前記撮像視野内にノズルの下端が映し出されたときの前記装着ヘッドの高さに基づいて前記装着ヘッドに取り付けられたノズルの長さを判定する第3の工程とを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、装着ヘッドに本来取り付けられるべきノズルよりも長いノズルが誤って取り付けられていた場合であってもノズルの破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施の形態における部品実装装置の一部の側面図
【
図2】本発明の一実施の形態における部品実装装置の一部の平面図
【
図3】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える装着ヘッドの斜視図
【
図4】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える部品撮像ユニットの平面図
【
図5】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える部品撮像ユニットにより部品を撮像している状態を示す図
【
図6】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える側方撮像カメラにより部品を側方から撮像して得られる画像の一例を示す図
【
図7】本発明の一実施の形態における部品実装装置の制御系統を示すブロック図
【
図8】本発明の一実施の形態における部品実装装置によるノズル長さ判定作業で側方撮像カメラの撮像視野内にノズルの下端が映し出された状態を示す図
【
図9】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備えるノズルの長さに対応した装着ヘッドの高さを説明する図
【
図10】本発明の一実施の形態における部品実装装置が実行するノズル長さ判定作業の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1および
図2は本発明の一実施の形態における部品実装装置1を示している。部品実装装置1は上流工程側から搬入した基板KBに部品BHを装着して下流工程側に搬出する部品装着作業を繰り返し実行する装置である。ここでは説明の便宜上、部品実装装置1における基板KBの搬送方向(作業者OPから見た左右方向)をX軸方向とし、X軸方向と直交する水平方向(作業者OPから見た前後方向)をY軸方向とする。また、上下方向をZ軸方向とする。
【0012】
図1および
図2において、部品実装装置1は、基台11、基板搬送コンベア12、パーツフィーダ13、装着ヘッド14、ヘッド移動機構15、基板カメラ16、部品撮像ユニット17およびノズル交換台18を備えている。基台11は床面FL上に設置されており、基板搬送コンベア12は基台11上をX軸方向に延びて設けられている。基板搬送コンベア12は、上流工程側から送られてきた基板KBを搬入したうえで(
図2中に示す矢印A)、その基板KBを所定の作業位置に位置決めする。
【0013】
図1および
図2において、パーツフィーダ13は、基台11上の基板搬送コンベア12の手前側(作業者OP側)に設けられている。本実施の形態ではパーツフィーダ13はテープフィーダから成り、リールRLに巻き付けられたキャリアテープCTを引き出して搬送し、作業者OPから見た奥側(基板搬送コンベア12側)の端部に設けられた部品供給位置13Kに部品BHを供給する。
【0014】
図1および
図3において、装着ヘッド14は下方に延びた複数のノズルシャフト14Sを有しており、複数のノズルシャフト14Sそれぞれにはノズル19が取り付けられている。本実施の形態では、横方向(X軸方向)に並んだ4本のノズルシャフト14Sから成るノズルシャフト列が前後の2列に配置されている。装着ヘッド14が備える各ノズルシャフト14Sにはノズル19を取り付けることができ、全てのノズルシャフト14Sにノズル19を取り付けた状態では、X軸方向に4つ並んだノズル19の列が、前側と後側のそれぞれに形成される。以下、装着ヘッド14の前側に位置する4つのノズル19を前側ノズル列と称し、装着ヘッド14の後画に位置する4つのノズル19を後側ノズル列と称する(
図3)。
【0015】
装着ヘッド14が備える各ノズル19は、装着ヘッド14に対する昇降動作とZ軸まわりの回転動作が可能である。装着ヘッド14は、パーツフィーダ13が部品供給位置13Kに供給する部品BHを各ノズル19の下端19KT(
図3)に吸着させてピックアップする。ヘッド移動機構15は例えばXY移動機構から成り、装着ヘッド14を水平面内方向および上下方向に移動させる。
【0016】
図1および
図3において、基板カメラ16は装着ヘッド14に取り付けられており、撮像光軸を下方に向けている。基板カメラ16は装着ヘッド14とともに移動することによって、基板搬送コンベア12によって作業位置に位置決めされた基板KBを撮像する。
【0017】
図1および
図2において、部品撮像ユニット17は基台11上の基板搬送コンベア12とパーツフィーダ13の間の領域に設けられている。部品撮像ユニット17は、
図4にも示すように、部品カメラ21、左右の側方撮像カメラ22(撮像手段)および左右の照明23を有して構成されている。
【0018】
部品カメラ21は、撮像視野を上方に向けたラインセンサから成る。部品カメラ21は、複数のノズル19それぞれに部品BHを吸着させた装着ヘッド14が部品カメラ21の上方領域をX軸方向に通過するように移動したとき(
図5(a),(b)中に示す矢印B)、各部品BHを下方から撮像する。
【0019】
左右の側方撮像カメラ22はそれぞれ撮像視野を側方に向けており、装着ヘッド14に取り付けられたノズル19の下端19KTの移動可能範囲内に撮像視野を有している。具体的には、
図4に示すように、左右の側方撮像カメラ22は平面視において部品カメラ21を左右に挟んだ位置に配置され、それぞれの撮像光軸22Jが部品カメラ21の中央付近を通るように設置されている。
【0020】
図4において、左右の側方撮像カメラ22のうち左側の側方撮像カメラ22(左側側方撮像カメラ22L)の焦点P1は、装着ヘッド14が部品カメラ21の上方をX軸方向に移動したときの前側ノズル列を構成する4つのノズル19それぞれの下端19KTが通過する位置に設定されている。また、左右の側方撮像カメラ22のうち右側の側方撮像カメラ22(右側側方撮像カメラ22R)の焦点P2は、装着ヘッド14が部品カメラ21の上方をX軸方向に移動したときの後側ノズル列を構成する4つのノズル19それぞれの下端19KTが通過する位置に設定されている。
【0021】
左右の照明23のうち右側の照明23(右側照明23R)は、平面視において、部品カメラ21を挟んで左側側方撮像カメラ22Lと対向する位置に設けられている。また、左右の照明23のうち左側の照明23(左側照明23L)は、平面視において、部品カメラ21を挟んで右側側方撮像カメラ22Rと対向する位置に設けられている。右側照明23Rは左側側方撮像カメラ22Lに向かって照明光LTを照射し、左側照明23Lは右側側方撮像カメラ22Rに向かって照明光LTを照射する。
【0022】
左右の側方撮像カメラ22はそれぞれ、部品カメラ21がノズル19の下端19KTに吸着された部品BHを下方から撮像するとき、それらの部品BHを側方から撮像する。このとき左側側方撮像カメラ22Lは焦点P1を通る部品BH(装着ヘッド14の前側ノズル列を構成する4つのノズル19それぞれに吸着された部品BH)を側方から撮像し(
図5(a)、右側側方撮像カメラ22Rは焦点P2を通る部品BH(装着ヘッド14の後側ノズル列を構成する4つのノズル19それぞれに吸着された部品BH)を側方から撮像する(
図5(b))。
【0023】
側方撮像カメラ22によって撮像される部品BHは、その側方撮像カメラ22に対応する照明23が照射する照明光LTを側方撮像カメラ22から見た背後から受ける。このため、側方撮像カメラ22の撮像視野内に入った映像、すなわち側方撮像カメラ22によって撮像される部品BHの画像は、その部品BHのシルエットの画像となる。なお、その画像には、ノズル19も一緒に撮像される(
図6に示す撮像視野SY参照)。
【0024】
図2において、ノズル交換台18は、基台11上における部品撮像ユニット17の側方の領域に設けられている。ノズル交換台18には、複数のノズル19が装着ヘッド14にそのまま取り付け可能な配列で(ここでは前後の2列×4本の配列で)セットされている。装着ヘッド14は、ノズル交換台18の上方で8本のノズルシャフト14Sを同時に下降および上昇させる動作を行うことで、8本のノズルシャフト14Sそれぞれのノズル19の取外しとこれら8本のノズルシャフト14Sへの新しいノズル19の取付けとを(すなわちノズル19の交換を)行うことができる。
【0025】
ここで、ノズル交換台18には、通常使用される長さの標準ノズル(符号を「19H」とする)のほか、標準ノズル19Hよりも長さが長いロングノズル(符号を「19L」とする)をセットしておくことができる。このため装着ヘッド14には、長さの異なる複数種のノズル19を交換自在に取り付け可能である。
【0026】
図1において、部品実装装置1は制御装置30とタッチパネル31を備えている。制御装置30は
図7に示すように動作制御部41、記憶部42、ノズル長さ判定部43、検査部44および警報制御部45を備えている。
【0027】
図7において、タッチパネル31は制御装置30と繋がっており、制御装置30に対する入出力装置として機能する。このため作業者OPは、タッチパネル31から制御装置30へ所要の入力操作を行うことができ、制御装置30はタッチパネル31を通じて作業者OPに所要の指令や警報等を与えることができる。
【0028】
制御装置30が備える動作制御部41は、基板搬送コンベア12、パーツフィーダ13、装着ヘッド14、ヘッド移動機構15、基板カメラ16、部品撮像ユニット17(部品カメラ21、左右の側方撮像カメラ22および左右の照明23)それぞれの動作を制御する。
【0029】
制御装置30が備える記憶部42には、部品実装装置1が実行する部品装着作業の動作手順を定めた実装プログラムJPと実装データJDが記憶されている。実装データJDには、パーツフィーダ13の配置、パーツフィーダ13と供給する部品BHとの対応、基板KBにおける部品BHの装着位置の座標と装着方向等のデータのほか、ノズルデータが記憶されている。
【0030】
ノズルデータは、部品実装装置1において使用され得るノズル19のデータであり、ノズル19の種別とともにその長さ等の情報が含まれている。本実施の形態では、ノズルの種別として、標準ノズル19Hのほか2つのロングノズル19L(第1のロングノズル19Laと、第1のロングノズル19Laよりも長さの長い第2のロングノズル19Lb)が含まれているものとする。
【0031】
記憶部42にはまた、ヘッド高さデータHDが記憶されている(
図7)。ここで、「ヘッド高さデータHD」とは、装着ヘッド14に取り付けられる可能性のある(すなわち記憶部42に記憶された)複数種のノズル19それぞれについて、装着ヘッド14に取り付けられた場合に、ノズル19の下端19KTが側方撮像カメラ22の撮像視野SY内に映し出されたときの(
図8)、装着ヘッド14の高さHである(
図9(a),(b),(c))。
【0032】
上記「装着ヘッド14の高さH」は、
図9(a),(b),(c)に示すように、装着ヘッド14の基準高さKJ(例えば基台11の上面の高さ)からの高さである。部品実装装置1が実行する部品装着作業において、装着ヘッド14におけるノズル19の交換作業は実装プログラムJPに定められた手順に従って行われるが、ノズル19の交換によってノズル19の長さが変わってもノズル19の下端19KTの位置は同じ高さになるように、装着ヘッド14の高さHが、ノズル19の長さに応じて変更されるようになっている。このため、装着ヘッド14に取り付けられるノズル19の長さが長い程、装着ヘッド14の高さHは、基準高さKJから高い位置に位置されることになる。
【0033】
従って、記憶部42に記憶されているノズル19の種類が標準ノズル19Hと、第1のロングノズル19Laと、第2のロングノズル19Lbであり、標準ノズル19Hが取り付けられたときの装着ヘッド14の高さHがH=H0(
図9(a))、第1のロングノズル19Laが取り付けられたときの装着ヘッド14の高さHがH=H1(
図9(b))、第2のロングノズル19Lbが取り付けられたときの装着ヘッド14の高さHがH=H2(
図9(c))であれば、H0<H1<H2となる。これにより、ノズル19が吸着した部品BHを下方から撮像する部品カメラ21の焦点距離を一定にすることができ、部品BHを基板KBに装着する際のノズル19の下降量を一定範囲内に収めることもできる。
【0034】
制御装置30が備えるノズル長さ判定部43は、装着ヘッド14に取り付けられたノズル19の下端19KTが側方撮像カメラ22の撮像視野SY内に映し出されたときの装着ヘッド14の高さHに基づいて、装着ヘッド14に取り付けられたノズル19の長さを判定する。具体的には、ノズル長さ判定部43は、記憶部42に記憶されたヘッド高さデータHDに基づいて装着ヘッド14を段階的に下降させ、装着ヘッド14に取り付けられたノズル19の下端19KTが側方撮像カメラ22の撮像視野SY内に映し出されたときの装着ヘッド14の高さに基づいて、装着ヘッド14に取り付けられたノズル19の長さを判定する。
【0035】
制御装置30が備える検査部44は、ノズル長さ判定部43により装着ヘッド14に取り付けられていると判定されたノズル19の長さと、その判定の時点で装着ヘッド14に取り付けられているべきデータ上のノズル19の長さ(実装データJDに規定されているノズル19の長さ)とを比較する。そして、両者(装着ヘッド14に取り付けられていると判定されたノズル19の長さとデータ上のノズル19の長さ)が一致しているか否かを検査(判断)する。
【0036】
制御装置30が備える警報制御部45は、検査部44において、装着ヘッド14に取り付けられているノズル19の長さとデータ上のノズル19の長さとが異なっていると判断された場合に、タッチパネル31を制御して作業者OPに警報を発する。この場合においてタッチパネル31は、警報を発する警報手段として機能する。
【0037】
部品装着作業は、記憶部42に記憶された実装プログラムJPに従って動作制御部41が部品実装装置1の各部の動作を制御することによって実行される。部品装着作業では、はじめに基板搬送コンベア12が作動し、上流工程側から送られてきた基板KBを受け取って作業位置に位置決めする。基板搬送コンベア12が基板KBを作業位置に位置決めしたらヘッド移動機構15が作動し、装着ヘッド14を基板KBの上方に移動させて、基板カメラ16に基板KBを撮像させる。制御装置30は基板カメラ16が撮像した画像に基づいて画像認識を行い、基板KBを認識する。
【0038】
制御装置30が基板KBを認識したら、パーツフィーダ13、ヘッド移動機構15および装着ヘッド14が連動して作動して装着ターンを繰り返し実行する。装着ターンにおいて、パーツフィーダ13は部品供給位置13Kに部品BHを供給し、ヘッド移動機構15に移動された装着ヘッド14は、パーツフィーダ13の上方で部品供給位置13Kから部品BHをピックアップした後、部品撮像ユニット17の側方から、部品カメラ21の上方をX軸方向に通過するように移動する。
【0039】
装着ヘッド14が部品カメラ21の上方をX軸方向に通過するように移動するとき、部品カメラ21はノズル19に吸着された部品BHを下方から撮像し、側方撮像カメラ22は部品BHを側方から撮像する。そして、制御装置30は、部品カメラ21の撮像によって得られた部品BHの下方からの画像と側方撮像カメラ22の撮像によって得られた部品BHの側方からの画像とに基づいて部品認識を行う。
【0040】
図6から分るように、側方撮像カメラ22によって撮像される画像に基づいて、制御装置30は、ノズル19に吸着された部品BHの厚み方向の寸法THを読み取ることができ、この部品BHの厚み方向の寸法THが部品BHを認識するためのひとつのデータとして使用される。このように部品BHの厚み方向の寸法THのデータをも用いた部品認識では、下方からの撮像だけでは認識が不十分となる微小な部品BHに対しても十分な認識結果を得ることができる。
【0041】
装着ヘッド14は、部品カメラ21の上方をX軸方向に通過するように移動したら、基板KBの上方に移動する。そして、ノズル19によりピックアップした部品BHを基板KB上に定められた所定の位置に装着する。このとき制御装置30でなされた部品認識の結果が利用され、必要な位置補正等がなされた状態で部品BHが基板KB上に装着される。
【0042】
このように本実施の形態において、部品実装装置1は、ヘッド移動機構15によって装着ヘッド14を移動させ、装着ヘッド14に取り付けられたノズル19の下端に部品BHを吸着させて基板KBに装着する構成となっている。
【0043】
上記装着パターンを繰り返し行うことによって、基板KBに装着すべき部品BHが全て装着されたら、基板搬送コンベア12は、基板KBを下流工程側に搬出する。これにより基板KBの1枚当たりの部品装着作業が終了する。
【0044】
次に、
図10に示すフローチャートを参照して、部品実装装置1において行われるノズル長さ判定作業の実行手順(ノズル長さ判定方法)について説明する。
【0045】
ノズル長さ判定作業は、装着ヘッド14に新規にノズル19が取り付けられたときや、装着ヘッド14に取り付けられているノズル19が交換されたときに実行される。詳細には、実装プログラムJPに従って装着ヘッド14が動作し、ノズル交換台18にセットされた複数(ここでは2列×4本の合計8本)のノズル19が装着ヘッド14に取り付けられたときに、制御装置30のノズル長さ判定部43が部品実装装置1の各部を制御することによって、ノズル長さ判定作業が実行される。
【0046】
ノズル長さ判定部43は、ノズル長さ判定作業を行うときには先ず、記憶部42に記憶されている各ノズル19のノズルデータとヘッド高さデータHDを読み出して(ステップST1)、装着ヘッド14の初期高さを設定する(ステップST2)。ここで初期高さとは、長さが最も長いノズル19が装着ヘッド14に取り付けられていた場合に、そのノズル19の下端19KTが側方撮像カメラ22の撮像視野SY内に映し出されるときの装着ヘッド14の高さHであり、記憶部42から読み出したヘッド高さデータHDに基づいてその値が設定される。
【0047】
ノズル長さ判定部43は、初期高さを設定したら、装着ヘッド14を設定した高さ(ここでは初期高さ)に装着ヘッド14を位置させる(ステップST3)。そして、装着ヘッド14を設定した高さに位置させたら、その高さで装着ヘッド14を移動(部品カメラ21の上方をX軸方向に通過するように移動)させ、側方撮像カメラ22の撮像視野SY内にノズル19の下端19KTが映し出されるか否かを判断する(ステップST4)。
【0048】
ステップST4で、側方撮像カメラ22の撮像視野SY内にノズル19の下端19KTが映し出された場合には、ノズル長さ判定部43は、設定されている装着ヘッド14の高さHに対応するノズル19が装着ヘッド14に取り付けられていると判定する(ステップST5)。一方、ステップST4で、側方撮像カメラ22の撮像視野SY内にノズル19の下端19KTが映し出されなかった場合には、ノズル長さ判定部43は、ステップST5に進まずに、装着ヘッド14の高さHを、次に長さが長いノズル19に対応した高さに設定する(ステップST6)。そして、ステップST3に戻り、ステップST6で新たに設定した高さに装着ヘッド14を位置させる。
【0049】
ノズル長さ判定部43は、戻ったステップST3において、ステップST6で新たに設定した高さに装着ヘッド14を位置させたら、その高さで装着ヘッド14を移動(部品カメラ21の上方をX軸方向に通過するように移動)させ、側方撮像カメラ22の撮像視野SY内にノズル19の下端19KTが映し出されるか否かを判断する(再度のステップST4)。そして、再度のステップST4で、側方撮像カメラ22の撮像視野SY内にノズル19の下端19KTが映し出された場合には、ノズル長さ判定部43は、設定されている装着ヘッド14の高さHに対応するノズル19が装着ヘッド14に取り付けられていると判定する(ステップST5)。
【0050】
ステップST5では、例えば、設定されている装着ヘッド14の高さHがH=H2であるときにノズル19の下端19KTが撮像視野SY内に映し出された場合には、装着ヘッド14に第2のロングノズル19Lbが取り付けられていると判定する。また、設定されている装着ヘッド14の高さHがH=H1であるときにノズル19の下端19KTが撮像視野SY内に映し出された場合には、装着ヘッド14に第1のロングノズル19Laが取り付けられていると判定する。また、設定されている装着ヘッド14の高さHがH=H0であるときにノズル19の下端19KTが撮像視野SY内に映し出された場合には、装着ヘッド14に標準ノズル19Hが取り付けられていると判定する。
【0051】
ノズル長さ判定部43は、ステップST5において、設定されている装着ヘッド14の高さHに対応するノズル19が装着ヘッド14に取り付けられていると判定したら、検査部44は、ノズル長さ判定部43により装着ヘッド14に取り付けられていると判定されたノズル19の長さと実装データJDに規定されているノズル19の長さとを比較し、これら両者が一致しているかどうかを検査する(ステップST7)。その結果、装着ヘッド14に取り付けられているノズル19の長さと実装データJDに規定されているノズル19の長さとが一致していた場合には、異常なしとして、部品実装作業を継続させる(ステップST8)。一方、ステップST7で、装着ヘッド14に取り付けられているノズル19の長さと実装データJDに規定されているノズル19の長さとが一致していなかった場合には、異状ありとして、タッチパネル31に警報を表示させたうえで(ステップST9)、部品装着作業を中断させる(ステップST10)。
【0052】
このように、本実施の形態におけるノズル長さ判定方法は、装着ヘッド14に取り付けられる可能性のある複数種のノズル19のうち長さが最も長いノズル19(上記の例では第2のロングノズル19Lb)が装着ヘッド14に取り付けられていた場合にそのノズル19の下端19KTが撮像手段としての側方撮像カメラ22の撮像視野SY内に映し出される高さである初期高さに装着ヘッド14を位置させる第1の工程(ステップST3)と、装着ヘッド14を初期高さに位置させた状態で撮像視野SY内にノズル19の下端19KTが映し出されるか否かを判断し(ステップST4)、撮像視野SY内にノズル19の下端19KTが映し出されなかった場合には装着ヘッド14を下降させたうえで、改めて撮像視野SY内にノズル19の下端19KTが映し出されるか否かを判断する第2の工程(ステップST6→ステップST3→ステップST4)と、撮像視野SY内にノズル19の下端19KTが映し出されたときの装着ヘッド14の高さHに基づいて装着ヘッド14に取り付けられたノズル19の長さを判定する第3の工程(ステップST5)を含んだものとなっている。
【0053】
また、本実施の形態におけるノズル長さ判定方法では、上記第3の工程で装着ヘッド14に取り付けられていると判定されたノズル19の長さとその判定の時点で装着ヘッド14に取り付けられているべきデータ上のノズル19の長さ(実装データJDに規定されたノズル19の長さ)とが一致しているか否かを検査する第4の工程(ステップST7)と、第4の工程で装着ヘッド14に取り付けられているノズル19の長さとデータ上のノズル19の長さとが異なっていると判断された場合に警報を発する第5の工程(ステップST9)を含むものとなっている。
【0054】
ここで、具体的な処理例を示す。ここで示す処理例では、記憶部42に記憶されているノズル19の種類は標準ノズル19H、第1のロングノズル19Laおよび第2のロングノズル19Lbであるとし、装着ヘッド14に取り付けられるべきノズル19として実装データJDに標準ノズル19Hが規定されているにも拘らず、ノズル交換台18にノズル19をセットするときの作業者OPの作業ミス等によって、装着ヘッド14に第1のロングノズル19Laが取り付けられている場合を想定する。
【0055】
この処理例では、ノズル長さ判定部43は先ず、ステップST1において、記憶部42より、標準ノズル19Hのヘッド高さデータHD(装着ヘッド14の高さH=H0)と、第1のロングノズル19Laのヘッド高さデータHD(装着ヘッド14の高さH=H1)と、第2のロングノズル19Lbのヘッド高さデータHD(装着ヘッドの14の高さH=H2)を取得する。そして、ステップST2において、ステップST1で記憶部42から読み出したヘッド高さデータHDのうち、長さが最も長いノズル19である第2のロングノズル19Lbに対応する装着ヘッド14の高さH=H2を初期高さに設定する。
【0056】
ノズル長さ判定部43は初期高さを設定したら、ステップST3において、装着ヘッド14を初期高さである第2のロングノズル19Lbに対応する装着ヘッド14の高さH=H2に位置させる。そして、ステップST4に進み、装着ヘッド14を設定した初期高さで移動(部品カメラ21の上方をX軸方向に通過するように移動)させ、側方撮像カメラ22の撮像視野SY内にノズル19の下端19KTが映し出されるか否かを判断する。ここでは装着ヘッド14には第1のロングノズル19Laが取り付けられているため、側方撮像カメラ22の撮像視野SY内にノズル19の下端19KTは映し出されない。よってステップST4の後は、ステップST6に進む。
【0057】
ノズル長さ判定部43は、ステップST6では、装着ヘッド14の高さHを次に長さが長いノズル19である第1のロングノズル19Laに対応した高さH=H1に設定する。そしてステップST3に戻り、装着ヘッド14の高さHを第1のロングノズル19Laに対応した高さH1に位置させる。ノズル長さ判定部43は、装着ヘッド14の高さHを第1のロングノズル19Laに対向した高さH1に位置させたら再度のステップST4に進み、新たな高さH1で装着ヘッド14をX軸方向に移動させて、ノズル19の下端19KTが側方撮像カメラ22の撮像視野SYに映し出されるかどうかを判断する。
【0058】
再度のステップST4では、側方撮像カメラ22の撮像視野SY内にノズル19の下端19KTが映し出されることになる。このためステップST5に進み、設定されている装着ヘッド14の高さHに対応するノズル19である第1のロングノズル19Laが装着ヘッド14に取り付けられていると判定する。これにより、実装データJDでは標準ノズル19Hが規定されているにも拘らず、実際には第1のロングノズル19Laが取り付けられていたことが検出される。
【0059】
ノズル長さ判定部43は、ステップST5で装着ヘッド14に取り付けられているノズル19が第1のロングノズル19Laであると判定したら、ステップST7において、ステップST5で判定したノズル19の長さと実装データJDに規定されたノズル19の長さを比較し、両者が一致しているか否かを判断する。ここでは、実装データJDでは標準ノズル19Hが規定されているのに対して実際には第1のロングノズル19Laが取り付けられていることから、ステップST5で判定したノズル19の長さと実装データJDに規定されたノズル19の長さとは一致していない。よって、ノズル長さ判定部43はステップST7からステップST9、更にステップST10へと進み、部品装着作業は中断される。
【0060】
上述の例において、仮に、装着ヘッド14に第1のロングノズル19Laが取り付けられた後、ノズル長さ検査作業が実施されなかったとしたならば、装着ヘッド14は標準ノズル19Hに対応した高さに設定された状態で移動することになるため、ノズル19の下端19KTを部品カメラ21等の基台11上の構造物に接触させてしまうことになる。本実施の形態では、装着ヘッド14にノズル19が取り付けられた後、ノズル長さ検査が実行されることにより、ノズル19の下端を構造物に接触させてしまう事態が未然に防止されるうえ、警報が発せられるので作業者OPは作業に誤りがあったことに気付くことができ、装着ヘッド14に取り付けられているノズル19(ここでは第1のロングノズル19La)を正しい長さのノズル19(ここでは標準ノズル19H)に付け替える処置を迅速に行うことができる。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態における部品実装装置1(および部品実装装置1におけるノズル長さ判定方法)では、装着ヘッド14に取り付けられたノズル19の下端19KTが側方撮像カメラ22の撮像視野SY内に映し出されたときの装着ヘッド14の高さHに基づいて装着ヘッド14に取り付けられたノズル19の長さを判定するようになっている。このため、作業者OPの段取り段階での作業ミス等によって、装着ヘッド14に本来取り付けられるべきノズル19よりも長いノズル19が誤って取り付けられていた場合であってもノズル19が破損する事態を未然に防ぐことができる。
【0062】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、種々の設計変更等をすることが可能である。例えば、上述の実施の形態では、ロングノズル19Lは2種であったが、ロングノズル19Lは3種以上であってもよい。また、上述の実施の形態では、ノズル19の下端19KTが側方撮像カメラ22の撮像視野SY内に映し出されるか否かの判断を、装着ヘッド14をX軸方向に移動させて行うようになっていたが、部品撮像ユニット17の上方に位置させた装着ヘッド14からノズルシャフト14Sを段階的(或いは連続的)に下降させながら(すなわち、ノズル19の下端19KTが撮像視野SY内に上方から進入していくようにしながら)上記判断を行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
装着ヘッドに本来取り付けられるべきノズルよりも長いノズルが誤って取り付けられていた場合であってもノズルの破損を防ぐことができる部品実装装置およびノズル長さ判定方法を提供する。
【符号の説明】
【0064】
1 部品実装装置
14 装着ヘッド
15 ヘッド移動機構
19 ノズル
19KT 下端
22 側方撮像カメラ(撮像手段)
22J 撮像光軸
31 タッチパネル(警報手段)
42 記憶部
43 ノズル長さ判定部
44 検査部
SY 撮像視野
BH 部品
KB 基板