IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-入力装置及び移動体 図1
  • 特許-入力装置及び移動体 図2
  • 特許-入力装置及び移動体 図3
  • 特許-入力装置及び移動体 図4
  • 特許-入力装置及び移動体 図5
  • 特許-入力装置及び移動体 図6
  • 特許-入力装置及び移動体 図7
  • 特許-入力装置及び移動体 図8
  • 特許-入力装置及び移動体 図9
  • 特許-入力装置及び移動体 図10
  • 特許-入力装置及び移動体 図11
  • 特許-入力装置及び移動体 図12
  • 特許-入力装置及び移動体 図13
  • 特許-入力装置及び移動体 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】入力装置及び移動体
(51)【国際特許分類】
   H01H 25/04 20060101AFI20230922BHJP
   G01D 5/245 20060101ALI20230922BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H01H25/04 N
G01D5/245 110L
G01D5/245 B
B60R16/02 630K
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019170753
(22)【出願日】2019-09-19
(65)【公開番号】P2021048085
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西中間 英樹
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-134944(JP,A)
【文献】特開2016-015203(JP,A)
【文献】特開2009-123366(JP,A)
【文献】特開2009-140659(JP,A)
【文献】特開2008-140697(JP,A)
【文献】特開2016-012466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 25/04
G01D 5/245
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石と、
前記永久磁石で発生する磁界を検知する磁気センサと、
操作部と、
前記操作部の動きを、前記永久磁石と前記磁気センサとのうち一方である可動部材の、他方に対する動きに変換する変換機構と、を備え、
前記磁気センサは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の回転軸を中心とする相対的な回転角及び前記磁気センサに印加される磁界の強さに応じた信号を出力し、
前記変換機構は、前記操作部の第1方向の動きを前記可動部材の第1アクションに変換し、前記操作部の前記第1方向と交差する第2方向の動きを前記可動部材の第2アクションに変換し、
前記第1アクションは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の前記回転軸を中心とする前記相対的な回転角の変化を伴う動きであり、
前記第2アクションは、前記磁気センサに印加される磁界の強さの変化を伴う動きであり、
前記変換機構は、前記第2アクションに伴う前記可動部材の動きの方向と直交する平面に対して傾斜した傾斜面を有するアクチュエータと、
前記可動部材と前記傾斜面との間の距離を規制する規制部と、を含み、
前記アクチュエータは、前記操作部の前記第2方向の動きに応じて、前記傾斜面上での前記規制部の位置が変化するように動くことで、前記可動部材の前記第2アクションを実現する、
入力装置。
【請求項2】
永久磁石と、
前記永久磁石で発生する磁界を検知する磁気センサと、
操作部と、
前記操作部の動きを、前記永久磁石と前記磁気センサとのうち一方である可動部材の、他方に対する動きに変換する変換機構と、を備え、
前記磁気センサは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の回転軸を中心とする相対的な回転角及び前記磁気センサに印加される磁界の強さに応じた信号を出力し、
前記変換機構は、前記操作部の第1方向の動きを前記可動部材の第1アクションに変換し、前記操作部の前記第1方向と交差する第2方向の動きを前記可動部材の第2アクションに変換し、
前記第1アクションは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の前記回転軸を中心とする前記相対的な回転角の変化を伴う動きであり、
前記第2アクションは、前記磁気センサに印加される磁界の強さの変化を伴う動きであり、
前記変換機構は、
結合部を有するアクチュエータと、
前記可動部材を保持するスライダと、
前記永久磁石の長手方向に沿った貫通孔を有するホルダと、
前記スライダに連結され、前記結合部に保持される規制部と、を含み、
前記規制部は、前記ホルダの前記貫通孔に挿通され、前記結合部に前記永久磁石の前記長手方向に沿って挟まれて保持され、
前記ホルダは、前記操作部の前記第1方向の動きに応じて、前記可動部材と共に回転することで、前記可動部材の前記第1アクションを実現し、
前記アクチュエータは、前記操作部の前記第2方向の動きに応じて、前記規制部、前記スライダ及び、前記可動部材と共に、前記永久磁石の前記長手方向に沿って前記ホルダに対して動くことで、前記可動部材の前記第2アクションを実現する、
入力装置。
【請求項3】
永久磁石と、
前記永久磁石で発生する磁界を検知する磁気センサと、
操作部と、
前記操作部の動きを、前記永久磁石と前記磁気センサとのうち一方である可動部材の、他方に対する動きに変換する変換機構と、を備え、
前記磁気センサは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の回転軸を中心とする相対的な回転角及び前記磁気センサに印加される磁界の強さに応じた信号を出力し、
前記変換機構は、前記操作部の第1方向の動きを前記可動部材の第1アクションに変換し、前記操作部の前記第1方向と交差する第2方向の動きを前記可動部材の第2アクションに変換し、
前記第1アクションは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の前記回転軸を中心とする前記相対的な回転角の変化を伴う動きであり、
前記第2アクションは、前記磁気センサに印加される磁界の強さの変化を伴う動きであり、
前記変換機構は、
結合部を有するアクチュエータと、
前記可動部材を保持するスライダと、
前記永久磁石の磁気モーメントの方向に沿った貫通孔を有するホルダと、
前記スライダに連結され、前記結合部に保持される規制部と、を含み、
前記規制部は、前記ホルダの前記貫通孔に挿通され、前記結合部に前記永久磁石の前記磁気モーメントの方向に挟まれて保持され、
前記ホルダは、前記操作部の前記第1方向の動きに応じて、前記可動部材と共に回転することで、前記可動部材の前記第1アクションを実現し、
前記アクチュエータは、前記操作部の前記第2方向の動きに応じて、前記規制部、前記スライダ及び、前記可動部材と共に、前記永久磁石の前記磁気モーメントの方向に沿って前記ホルダに対して動くことで、前記可動部材の前記第2アクションを実現し、
前記第2アクションは、前記磁気センサと前記永久磁石との間の距離の変化を伴う動きである、
入力装置。
【請求項4】
前記可動部材は、前記永久磁石である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記磁気センサが実装された基板と、
前記永久磁石の位置を基準として前記磁気センサ側に配置される第1本体と、
前記第1本体と結合され、前記永久磁石の前記位置を基準として前記磁気センサとは反対側に配置される第2本体と、を更に備え、
前記基板は、前記第1本体に保持される、
請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記操作部は、レバーを有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項7】
前記変換機構は、前記操作部の前記第1方向の動きを前記可動部材の前記第1アクションに変換することと、前記操作部の前記第2方向の動きを前記可動部材の前記第2アクションに変換することと、を同時に実行可能である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項8】
前記磁気センサは、少なくとも1つのホール素子を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項9】
前記第2アクションに伴う前記可動部材の動きの方向に沿って前記可動部材に力を加える弾性部を更に備える、
請求項1~8のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項10】
前記変換機構は、前記可動部材を保持するホルダを含み、
前記ホルダは、前記操作部の前記第1方向の動きに応じて、前記可動部材と共に回転することで、前記可動部材の前記第1アクションを実現する、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項11】
前記変換機構は、前記操作部の前記第2方向の動きに応じて、前記可動部材を前記ホルダに対して動かすことで、前記可動部材の前記第2アクションを実現する、
請求項10に記載の入力装置。
【請求項12】
検知ブロックを少なくとも1つ備え、
前記検知ブロックは、前記永久磁石を1つ備え、前記1つの永久磁石の磁界を検知する前記磁気センサを1つ備える、
請求項1~11のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項13】
前記第2アクションは、前記磁気センサと前記永久磁石との間の距離の変化を伴う動きである、
請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項14】
永久磁石と、
前記永久磁石で発生する磁界を検知する磁気センサと、
操作部と、
前記操作部の動きを、前記永久磁石と前記磁気センサとのうち一方である可動部材の、他方に対する動きに変換する変換機構と、を備え、
前記磁気センサは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の回転軸を中心とする相対的な回転角及び前記磁気センサに印加される磁界の強さに応じた信号を出力し、
前記変換機構は、前記操作部の第1方向の動きを前記可動部材の第1アクションに変換し、前記操作部の前記第1方向と交差する第2方向の動きを前記可動部材の第2アクションに変換し、
前記第1アクションは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の前記回転軸を中心とする前記相対的な回転角の変化を伴う動きであり、
前記第2アクションは、前記磁気センサに印加される磁界の強さの変化を伴う動きであり、
前記変換機構は、
結合部を有するアクチュエータと、
前記可動部材を保持するスライダと、
前記永久磁石の磁気モーメントの方向に沿った貫通孔を有するホルダと、
前記スライダに連結され、前記結合部に保持される規制部と、を含み、
前記規制部は、前記ホルダの前記貫通孔に挿通され、前記結合部に前記永久磁石の前記磁気モーメントの方向に挟まれて保持され、
前記ホルダは、前記操作部の前記第1方向の動きに応じて、前記可動部材と共に回転することで、前記可動部材の前記第1アクションを実現し、
前記アクチュエータは、前記操作部の前記第2方向の動きに応じて、前記規制部、前記スライダ及び、前記可動部材と共に、前記永久磁石の前記磁気モーメントの方向に沿って前記ホルダに対して動くことで、前記可動部材の前記第2アクションを実現し、
前記変換機構は、前記操作部の前記第1方向の動きを前記可動部材の前記第1アクションに変換することと、前記操作部の前記第2方向の動きを前記可動部材の前記第2アクションに変換することと、を同時に実行可能である、
入力装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の入力装置と、
前記入力装置が搭載された移動体本体と、を備える、
移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に入力装置及び移動体に関し、より詳細には、磁気センサを用いた入力装置及びこの入力装置を備える移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のレバースイッチ装置(入力装置)は、操作レバー(操作部)と、マグネット(永久磁石)と、2つの検出部(磁気センサ)と、を備えている。操作レバーは、第1の回転軸の回りの第1の回転操作(ターン操作)の方向と、第1の回転軸と交差する第2の回転軸の回りの第2の回転操作(ディマ操作)の方向と、に回転移動可能である。操作レバーのターン操作及びディマ操作により、マグネットが回転とスライド移動の2方向への動きをとる。2つの検出部は、マグネットの回転移動及びスライド移動をそれぞれ独立に検出する。この構成により、1つのマグネットで2方向の操作の検出が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-012466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載のレバースイッチ装置は、操作レバーのターン操作に対応したマグネットの回転移動を検出する検出部(磁気センサ)と、操作レバーのディマ操作に対応したマグネットのスライド移動を検出する検出部と、の両方を要していた。そのため、レバースイッチ装置の構造が複雑化する可能性があった。
【0005】
本開示は、磁気センサの個数を低減することができる入力装置及び移動体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る入力装置は、永久磁石と、磁気センサと、操作部と、変換機構と、を備える。前記磁気センサは、前記永久磁石で発生する磁界を検知する。前記変換機構は、前記操作部の動きを、前記永久磁石と前記磁気センサとのうち一方である可動部材の、他方に対する動きに変換する。前記磁気センサは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の回転軸を中心とする相対的な回転角及び前記磁気センサに印加される磁界の強さに応じた信号を出力する。前記変換機構は、前記操作部の第1方向の動きを前記可動部材の第1アクションに変換し、前記操作部の前記第1方向と交差する第2方向の動きを前記可動部材の第2アクションに変換する。前記第1アクションは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の前記回転軸を中心とする前記相対的な回転角の変化を伴う動きである。前記第2アクションは、前記磁気センサに印加される磁界の強さの変化を伴う動きである。前記変換機構は、アクチュエータと、規制部と、を含む。前記アクチュエータは、前記第2アクションに伴う前記可動部材の動きの方向と直交する平面に対して傾斜した傾斜面を有する。前記規制部は、前記可動部材と前記傾斜面との間の距離を規制する。前記アクチュエータは、前記操作部の前記第2方向の動きに応じて、前記傾斜面上での前記規制部の位置が変化するように動くことで、前記可動部材の前記第2アクションを実現する。
本開示の別の一態様に係る入力装置は、永久磁石と、磁気センサと、操作部と、変換機構と、を備える。前記磁気センサは、前記永久磁石で発生する磁界を検知する。前記変換機構は、前記操作部の動きを、前記永久磁石と前記磁気センサとのうち一方である可動部材の、他方に対する動きに変換する。前記磁気センサは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の回転軸を中心とする相対的な回転角及び前記磁気センサに印加される磁界の強さに応じた信号を出力する。前記変換機構は、前記操作部の第1方向の動きを前記可動部材の第1アクションに変換し、前記操作部の前記第1方向と交差する第2方向の動きを前記可動部材の第2アクションに変換する。前記第1アクションは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の前記回転軸を中心とする前記相対的な回転角の変化を伴う動きである。前記第2アクションは、前記磁気センサに印加される磁界の強さの変化を伴う動きである。前記変換機構は、アクチュエータと、スライダと、ホルダと、規制部と、を含む。前記アクチュエータは、結合部を有する。前記スライダは、前記可動部材を保持する。前記ホルダは、前記永久磁石の長手方向に沿った貫通孔を有する。前記規制部は、前記スライダに連結され、前記結合部に保持される。前記規制部は、前記ホルダの前記貫通孔に挿通され、前記結合部に前記永久磁石の前記長手方向に沿って挟まれて保持される。前記ホルダは、前記操作部の前記第1方向の動きに応じて、前記可動部材と共に回転することで、前記可動部材の前記第1アクションを実現する。前記アクチュエータは、前記操作部の前記第2方向の動きに応じて、前記規制部、前記スライダ及び、前記可動部材と共に、前記永久磁石の前記長手方向に沿って前記ホルダに対して動くことで、前記可動部材の前記第2アクションを実現する。
本開示の更に別の一態様に係る入力装置は、永久磁石と、磁気センサと、操作部と、変換機構と、を備える。前記磁気センサは、前記永久磁石で発生する磁界を検知する。前記変換機構は、前記操作部の動きを、前記永久磁石と前記磁気センサとのうち一方である可動部材の、他方に対する動きに変換する。前記磁気センサは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の回転軸を中心とする相対的な回転角及び前記磁気センサに印加される磁界の強さに応じた信号を出力する。前記変換機構は、前記操作部の第1方向の動きを前記可動部材の第1アクションに変換し、前記操作部の前記第1方向と交差する第2方向の動きを前記可動部材の第2アクションに変換する。前記第1アクションは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の前記回転軸を中心とする前記相対的な回転角の変化を伴う動きである。前記第2アクションは、前記磁気センサに印加される磁界の強さの変化を伴う動きである。前記変換機構は、アクチュエータと、スライダと、ホルダと、規制部と、を含む。前記アクチュエータは、結合部を有する。前記スライダは、前記可動部材を保持する。前記ホルダは、前記永久磁石の磁気モーメントの方向に沿った貫通孔を有する。前記規制部は、前記スライダに連結され、前記結合部に保持される。前記規制部は、前記ホルダの前記貫通孔に挿通され、前記結合部に前記永久磁石の前記磁気モーメントの方向に挟まれて保持される。前記ホルダは、前記操作部の前記第1方向の動きに応じて、前記可動部材と共に回転することで、前記可動部材の前記第1アクションを実現する。前記アクチュエータは、前記操作部の前記第2方向の動きに応じて、前記規制部、前記スライダ及び、前記可動部材と共に、前記永久磁石の前記磁気モーメントの方向に沿って前記ホルダに対して動くことで、前記可動部材の前記第2アクションを実現する。前記第2アクションは、前記磁気センサと前記永久磁石との間の距離の変化を伴う動きである。
本開示の更に別の一態様に係る入力装置は、永久磁石と、磁気センサと、操作部と、変換機構と、を備える。前記磁気センサは、前記永久磁石で発生する磁界を検知する。前記変換機構は、前記操作部の動きを、前記永久磁石と前記磁気センサとのうち一方である可動部材の、他方に対する動きに変換する。前記磁気センサは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の回転軸を中心とする相対的な回転角及び前記磁気センサに印加される磁界の強さに応じた信号を出力する。前記変換機構は、前記操作部の第1方向の動きを前記可動部材の第1アクションに変換し、前記操作部の前記第1方向と交差する第2方向の動きを前記可動部材の第2アクションに変換する。前記第1アクションは、前記磁気センサに対する前記永久磁石の前記回転軸を中心とする前記相対的な回転角の変化を伴う動きである。前記第2アクションは、前記磁気センサに印加される磁界の強さの変化を伴う動きである。前記変換機構は、アクチュエータと、スライダと、ホルダと、規制部と、を含む。前記アクチュエータは、結合部を有する。前記スライダは、前記可動部材を保持する。前記ホルダは、前記永久磁石の磁気モーメントの方向に沿った貫通孔を有する。前記規制部は、前記スライダに連結され、前記結合部に保持される。前記規制部は、前記ホルダの前記貫通孔に挿通され、前記結合部に前記永久磁石の前記磁気モーメントの方向に挟まれて保持される。前記ホルダは、前記操作部の前記第1方向の動きに応じて、前記可動部材と共に回転することで、前記可動部材の前記第1アクションを実現する。前記アクチュエータは、前記操作部の前記第2方向の動きに応じて、前記規制部、前記スライダ及び、前記可動部材と共に、前記永久磁石の前記磁気モーメントの方向に沿って前記ホルダに対して動くことで、前記可動部材の前記第2アクションを実現する。前記変換機構は、前記操作部の前記第1方向の動きを前記可動部材の前記第1アクションに変換することと、前記操作部の前記第2方向の動きを前記可動部材の前記第2アクションに変換することと、を同時に実行可能である。
【0007】
本開示の一態様に係る移動体は、前記入力装置と、移動体本体と、を備える。前記移動体本体には、前記入力装置が搭載される。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、磁気センサの個数を低減することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る入力装置の斜視図である。
図2図2は、同上の入力装置の分解斜視図である。
図3図3は、同上の入力装置の入力ブロックの分解斜視図である。
図4図4は、同上の入力装置を備えた移動体の概略図である。
図5図5は、同上の入力装置の入力ブロックの操作前の状態の正面図である。
図6図6は、同上の入力装置の入力ブロックの操作後の状態の正面図である。
図7図7は、同上の入力装置の入力ブロックの操作前の状態の下面図である。
図8図8は、同上の入力装置の入力ブロックの操作後の状態の下面図である。
図9図9は、同上の入力装置の入力ブロックの操作後の状態の下面図である。
図10図10は、同上の入力装置の磁気センサの平面図である。
図11図11は、同上の入力装置の磁気センサの側断面図である。
図12図12は、実施形態の変形例2に係る入力装置の要部の分解斜視図である。
図13図13は、同上の入力装置の操作前の状態の断面図である。
図14図14は、同上の入力装置の操作後の状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る入力装置1及び移動体100について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
(実施形態)
(1)概要
本実施形態の入力装置1は、図1図3に示すように、永久磁石31と、磁気センサ41と、操作部6と、変換機構M1と、を備えている。磁気センサ41は、永久磁石31で発生する磁界を検知する。変換機構M1は、操作部6の動きを、永久磁石31と磁気センサ41とのうち一方である可動部材の、他方に対する動きに変換する。言い換えると、変換機構M1は、操作部6の動きを、永久磁石31に対する磁気センサ41の動きと、磁気センサ41に対する永久磁石31の動きと、のうち一方に変換する。磁気センサ41は、磁気センサ41に対する永久磁石31の回転軸X1(図5参照)を中心とする相対的な回転角及び磁気センサ41に印加される磁界の強さに応じた信号を出力する。変換機構M1は、操作部6の第1方向D1の動きを可動部材の第1アクションに変換し、操作部6の第2方向D2の動きを可動部材の第2アクションに変換する。第2方向D2は、第1方向D1と交差する方向である。第1アクションは、磁気センサ41に対する永久磁石31の回転軸X1を中心とする相対的な回転角の変化を伴う動きである。第2アクションは、磁気センサ41に印加される磁界の強さの変化を伴う動きである。
【0012】
本実施形態の入力装置1によれば、変換機構M1は、操作部6の第1方向D1の動きに応じて可動部材の第1アクションを実現し、操作部6の第2方向D2の動きに応じて可動部材の第2アクションを実現する。これにより、磁気センサ41は、操作部6が第1方向D1に動く際に第1アクションに応じた信号を出力し、操作部6が第2方向D2に動く際に第2アクションに応じた信号を出力することができる。つまり、磁気センサ41が操作部6の第1方向D1の動きと第2方向D2の動きとを検知する。よって、操作部6の第1方向D1の動きを検知する磁気センサ41と、操作部6の第2方向D2の動きを検知する磁気センサ41と、をそれぞれ入力装置1が備える場合と比較して、磁気センサ41の個数を低減することができる。
【0013】
(2)詳細
(2-1)入力装置
図1図3に示すように、入力装置1は、入力ブロック2(検知ブロック)を少なくとも1つ備えている。本実施形態の入力装置1は、複数(図1では2つ)の入力ブロック2を備えている。2つの入力ブロック2の各々は、永久磁石31と、磁気センサ41と、操作部6と、変換機構M1と、を備えている。2つの入力ブロック2の各々は、操作部6において操作を受け付け、磁気センサ41において操作を検知し、磁気センサ41の検知結果に応じた信号を出力する。2つの入力ブロック2の各々は、他方の入力ブロック2とは独立して動作する。
【0014】
各入力ブロック2の操作部6は、後述の摺動体72を介して、後述の突出部74(図3参照)に回転可能に支持されている。突出部74に対する操作部6の回転は、第1方向D1の動きである。
【0015】
また、各入力ブロック2の操作部6は、摺動体72に回転可能に支持されている。摺動体72に対する操作部6の回転は、第2方向D2の動きである。
【0016】
本実施形態において、可動部材は、永久磁石31である。すなわち、運転者が操作部6を第1方向D1に動かすと、変換機構M1は、操作部6の第1方向D1の動きを、永久磁石31の第1アクションに変換する。また、運転者が操作部6を第2方向D2に動かすと、変換機構M1は、操作部6の第2方向D2の動きを、永久磁石31の第2アクションに変換する。
【0017】
上述の通り、2つの入力ブロック2の各々は、永久磁石31を1つ備え、磁気センサ41を1つ備えている。1つの磁気センサ41は、1つの永久磁石31の磁界を検知する。すなわち、2つの入力ブロック2の各々の1つの磁気センサ41は、この磁気センサ41を備えている入力ブロック2の1つの永久磁石31と対応しており、対応する永久磁石31の磁界を検知する。1つの永久磁石31が第1アクションと第2アクションとを行い、これに伴う磁界の変化を、対応する磁気センサ41が検知する。
【0018】
(2-2)移動体
図4に示すように、本実施形態の入力装置1は、移動体100に用いられる。すなわち、移動体100は、入力装置1を備えている。移動体100は、移動体本体101を更に備えている。移動体本体101には、入力装置1が搭載されている。本実施形態では、移動体100が自動車である場合を例として説明する。そのため、本実施形態の移動体本体101は、車両本体である。
【0019】
移動体100は、ステアリングホイール102を更に備えている。入力装置1は、ステアリングホイール102の前方に配置されている。つまり、入力装置1は、運転席から見てステアリングホイール102の奥に配置されている。入力装置1は、操作部6を2つ備えている。運転席から見て、2つの操作部6は、ステアリングホイール102の中心付近から外縁付近に向かって突出している。以下の説明では、2つの操作部6が並んでいる方向を左右方向(第3方向D3:図1参照)とする。
【0020】
本実施形態の2つの入力ブロック2の各々は、複数種類の制御対象に対してスイッチ操作を行うためのコンビネーションスイッチを構成している。一例として、2つの操作部6のうち一方は、自動車(移動体100)のワイパを操作するためのワイパスイッチ、及び、ウィンドウォッシャ液を噴出するノズルを操作するためのノズルスイッチとして用いられる。2つの操作部6のうち他方は、自動車(移動体100)のヘッドライトを操作するためのヘッドライトスイッチ、及び、方向指示器を操作するためのウインカスイッチとして用いられる。すなわち、各操作部6に対する操作を、入力装置1の磁気センサ41が検知し、自動車(移動体100)のECU(Electronic Control Unit)は、磁気センサ41の検知結果に応じてワイパ、ノズル、ヘッドライト及び方向指示器等の動作を制御する。
【0021】
一例として、ECUは、右側の入力ブロック2の永久磁石31が第1アクションを行うと、磁気センサ41の検知結果に応じて、ヘッドライトの状態をハイビームとロービームとで切り替えることと、ヘッドライトのパッシング(短時間の点灯)とを行う。また、一例として、ECUは、右側の入力ブロック2の永久磁石31が第2アクションを行うと、磁気センサ41の検知結果に応じて、方向指示器を動作させる。
【0022】
また、一例として、ECUは、左側の入力ブロック2の永久磁石31が第1アクションを行うと、磁気センサ41の検知結果に応じて、ワイパを動作させる。また、一例として、ECUは、左側の入力ブロック2の永久磁石31が第2アクションを行うと、磁気センサ41の検知結果に応じて、ノズルにウィンドウォッシャ液を噴射させる。
【0023】
(2-3)入力ブロック
以下では、特に断りの無い限り、2つの入力ブロック2のうち一方に着目して説明する。
【0024】
図3に示すように、入力ブロック2は、磁石ブロック3と、磁気センサ41と、操作部6と、節度部材71と、摺動体72と、ケース73と、突出部74と、変換機構M1と、を備えている。「摺動」とは、滑らせながら動かすことである。
【0025】
(2-3-1)磁石ブロック
磁石ブロック3は、永久磁石31と、規制部32と、を有している。永久磁石31の形状は、例えば、円盤状である。永久磁石31の磁気モーメントの方向(S極からN極に向かう方向)は、左右方向(第3方向D3)に沿っている。永久磁石31の厚さ方向は、左右方向(第3方向D3)と交差している。規制部32は、樹脂成型品等の非磁性体である。規制部32は、永久磁石31から永久磁石31の厚さ方向に突出している。規制部32のうち、永久磁石31とつながっている部分の形状は円柱状であり、永久磁石31側とは反対側の先端部の形状は円錐状である。永久磁石31と規制部32とは、例えば、一体成形されている。
【0026】
規制部32は、永久磁石31と後述のアクチュエータ5の傾斜面510との間の距離を規制する。つまり、規制部32の先端部が傾斜面510に接触しているので、規制部32に沿った直線上において、永久磁石31と傾斜面510との間の距離は、規制部32の長さに保たれる。
【0027】
(2-3-2)磁気センサ
磁気センサ41は、少なくとも1つのホール素子411(図10参照)を含む。本実施形態の磁気センサ41は、4つのホール素子411を含む。磁気センサ41は、4つのホール素子411を1つのパッケージに収容して構成されている。磁気センサ41は、永久磁石31で発生する磁界を検知する。
【0028】
(2-3-3)操作部
操作部6は、レバー61を有している。レバー61の形状は、略円柱状である。レバー61の長手方向は、左右方向(第3方向D3)に沿っている。本実施形態において、操作部6を第1方向D1及び第2方向D2に動かす操作は、レバー61を掴んでレバー61を第1方向D1及び第2方向D2に動かす操作により実現される。また、操作部6の第1方向D1及び第2方向D2の動作は、より詳細には、操作部6の回転動作である。
【0029】
操作部6は、回転式スイッチ62と、中間部63と、2つ(図3では1つのみを図示)の軸突起64と、駆動部65と、2つのカム突起66と、節度ピン67と、を更に有している。
【0030】
回転式スイッチ62は、レバー61に取り付けられている。回転式スイッチ62は、運転者の操作により回転する。一例として、右側の入力ブロック2の回転式スイッチ62が回転させられると、ECUは、ヘッドライトの点灯状態と消灯状態とを切り替える。また、一例として、左側の入力ブロック2の回転式スイッチ62が回転させられると、ECUは、ウィンドウォッシャ液を噴射するノズルの動作及びワイパの動作を切り替える。
【0031】
中間部63は、レバー61の長手方向の一端から突出している。中間部63は、レバー61と駆動部65との間に存在し、レバー61と駆動部65とを連結している。
【0032】
駆動部65は、中間部63から突出している。駆動部65の形状は、円筒状である。駆動部65の長手方向は、左右方向(第3方向D3)に沿っている。駆動部65は、内部に収容空間を有している。
【0033】
2つの軸突起64の各々は、駆動部65の長手方向と直交する向きに中間部63から突出している。一方の軸突起64は、他方の軸突起64とは反対向きに中間部63から突出している。2つの軸突起64の各々の形状は、有底円筒状である。
【0034】
2つのカム突起66の各々は、駆動部65の長手方向と直交する向きに駆動部65から突出している。一方のカム突起66は、他方のカム突起66とは反対向きに駆動部65から突出している。2つのカム突起66の各々の形状は、円柱状である。
【0035】
節度ピン67の形状は、円柱状である。節度ピン67の一部は、駆動部65に収容されている。駆動部65のうちレバー61側とは反対側の一端からは、節度ピン67の先端部が突出している。
【0036】
操作部6は、駆動部65に収容された節度ばねを更に有している。節度ばねは、例えば、圧縮コイルばねである。節度ばねは、節度ピン67を駆動部65の外へ(節度部材71に向かって)動かす向きの弾性力を節度ピン67に加える。
【0037】
(2-3-4)操作部の周辺構成
節度部材71は、節度ピン67と接触する位置に配置されている。駆動部65の長手方向から見て、節度部材71の外形形状は、長方形状である。節度部材71は、節度ピン67と接触する面に、ガイド溝710を有している。ガイド溝710の形状は、十字形である。操作部6は、節度ピン67がガイド溝710の内部を動くように、第1方向D1及び第2方向D2に動く。すなわち、本実施形態の操作部6は、節度ピン67がガイド溝710の十字の中心の基本位置から第1方向D1に動くと、第2方向D2の動きは規制され、節度ピン67が基本位置から第2方向D2に動くと、第1方向D1の動きは規制される。なお、ガイド溝710の形状は、十字形に限らず、操作部6に要求される動きに応じて適宜ガイド溝710の形状を変更してもよい。
【0038】
また、ガイド溝710の底面には、突起が設けられている。操作部6は、節度ピン67が突起を乗り越えるとき、ユーザに節度感(クリック感)を与える。また、操作部6に備えられたばねは、節度ピン67が基本位置へ動くようにばね力を加えている。節度ピン67が突起を乗り越えると、節度ピン67が基本位置へ動く動作が妨げられる。つまり、操作部6の動きがロックされる。
【0039】
摺動体72の形状は、角筒状である。摺動体72の軸方向は、駆動部65の長手方向に沿っている。摺動体72の内部には、駆動部65と後述のアクチュエータ5とが挿入されている。摺動体72は、2つのガイド孔721と、第1軸孔722と、2つの第2軸孔723と、を有している。2つのガイド孔721は、駆動部65の長手方向(左右方向)に沿った長孔である。2つのガイド孔721には、アクチュエータ5の後述の4つのガイド突起53が挿入されている。第1軸孔722には、ケース73から突出した突出部74が挿入されている。摺動体72は、突出部74を軸として操作部6と共にケース73に対して第1方向D1に回転する。2つの第2軸孔723には、操作部6の2つの軸突起64が挿入されている。操作部6は、2つの軸突起64を回転軸として摺動体72に対して第2方向D2に回転する。
【0040】
摺動体72は、軸部724と、筒部725と、を更に有している。軸部724の形状は、円柱状である。軸部724は、後述のホルダ23の凹部2320に挿入されている。筒部725の形状は、円筒状である。筒部725には、後述のホルダカバー24の凸部242が挿入されている。
【0041】
ケース73の形状は、互いに隣り合う2面が開口した中空の直方体状である。ケース73には、節度部材71と、摺動体72と、操作部6のうち摺動体72に挿入された部位とが収容されている。ケース73のうち開口した1面を通して、操作部6がケース73の内外に亘って配置されている。入力ブロック2は、ケース73のうち開口した他の1面を覆うカバーを有していてもよい。
【0042】
突出部74は、ケース73の内面から突出している。突出部74は、摺動体72の第1軸孔722に挿入されている。摺動体72は、ケース73の内面に対して滑りながら、突出部74を回転軸として操作部6と共にケース73に対して第1方向D1に回転する。
【0043】
第1方向D1における摺動体72及び操作部6の回転は、ケース73により規制される。つまり、摺動体72がある基準位置から第1方向D1に第1角度だけ回転すると、摺動体72がケース73の内面に接するので、摺動体72及び操作部6は、第1方向D1に第1角度を超えて回転しない。
【0044】
第2方向D2における操作部6の回転は、摺動体72により規制される。つまり、操作部6がある基準位置から第2方向D2に第2角度だけ回転すると、操作部6が摺動体72の内面に接するので、操作部6は、第2方向D2に第2角度を超えて回転しない。
【0045】
(2-3-5)変換機構
変換機構M1は、アクチュエータ5と、弾性部21と、磁石カバー22と、ホルダ23と、ホルダカバー24と、を含んでいる。また、変換機構M1は、規制部32を更に含んでいる。規制部32は、変換機構M1の構成であると共に、磁石ブロック3の構成でもある。
【0046】
ホルダ23は、磁石保持部231と、延在部232と、を有している。磁石保持部231の形状は、円環状である。磁石保持部231の内側には、永久磁石31が保持されている。延在部232の形状は、平面視台形状の板状である。延在部232は、磁石保持部231につながっている。延在部232は、磁石保持部231から磁石保持部231の径方向に延びている。延在部232は、凹部2320を有している。凹部2320には、摺動体72の軸部724が挿入されている。
【0047】
駆動部65の長手方向から見て、アクチュエータ5の形状は、U字状である。アクチュエータ5は、連結板51と、2つの側板52と、を有している。連結板51の平面視形状は、長方形状である。2つの側板52は、連結板51の互いに対向する2辺から連結板51の厚さ方向に沿って突出している。
【0048】
アクチュエータ5は、4つ(図3では2つのみを図示)のガイド突起53を更に有している。2つの側板52のうち一方の側板52からは、4つのガイド突起53のうち2つのガイド突起53が突出しており、他方の側板52からは、残りの2つのガイド突起53が突出している。摺動体72の2つのガイド孔721のうち一方のガイド孔721には、4つのガイド突起53のうち2つのガイド突起53が挿入されており、他方のガイド孔721には、残りの2つの2つのガイド突起53が挿入されている。これにより、摺動体72に対するアクチュエータ5の動きの方向が左右方向(第3方向D3)に限定されている(図7の矢印A5、A6の方向)。つまり、アクチュエータ5は、摺動体72に対して左右方向(第3方向D3)に動く一方で第2方向D2に動かないように動きが規制されている。
【0049】
また、アクチュエータ5の2つの側板52はそれぞれ、カム孔520を有している。つまり、アクチュエータ5は、2つのカム孔520を有している。2つのカム孔520は、左右方向(第3方向D3)に対して斜めの方向に長さを有している。2つのカム孔520は、操作部6の2つのカム突起66と一対一で対応している。各カム孔520には、対応するカム突起66が挿入されている。操作部6が摺動体72に対して第2方向D2に動くと、アクチュエータ5は、各カム孔520の内部におけるカム突起66の位置を変化させながら、操作部6に対して左右方向(第3方向D3)に動く(図7図9参照)。
【0050】
アクチュエータ5は、第2アクションに伴う永久磁石31の動きの方向(第4方向D4)と直交する平面に対して傾斜した傾斜面510を有している。傾斜面510には、磁石ブロック3の規制部32が接触している。第4方向D4は、第3方向D3と交差する方向である。より詳細には、第4方向D4は、第3方向D3と直交する上下方向である。ここで言う上下方向は、アクチュエータ5と永久磁石31とが並んでいる方向として規定される。ただし、この規定は、入力装置1の使用方向を限定する趣旨ではない。なお、本開示において「直交する」とは、厳密に90度の角度で交差する場合だけに限定されない。例えば、85度以上95度以下の角度で交差する場合を含み得る。
【0051】
アクチュエータ5は、操作部6の第2方向D2の動きに応じて、傾斜面510上での規制部32の位置が変化するように動くことで、永久磁石31の第2アクションを実現する。すなわち、操作部6が第2方向D2に回転するとき、アクチュエータ5が第3方向D3に動くことで、アクチュエータ5の傾斜面510上での規制部32の位置が変化する(図7図9参照)。言い換えると、アクチュエータ5が第3方向D3に動くことで、アクチュエータ5の傾斜面510のうち、規制部32との接触点が変化する。これにより、磁石ブロック3は、第4方向D4に動く。つまり、操作部6の第2方向D2の動きが、永久磁石31の第2アクションに変換される。第2アクションにより、磁気センサ41と永久磁石31との間の距離が変化する。永久磁石31の第2アクションは、直線的な動き(直動)である。また、永久磁石31は、第2アクションにおいて、永久磁石31を保持するホルダ23に対して動く。より詳細には、永久磁石31は、第2アクションにおいて、ホルダ23の内部で動く。ホルダ23は、永久磁石31の第4方向D4以外の方向の動きを規制する。
【0052】
このように、変換機構M1は、操作部6の第2方向D2の動きに応じて、永久磁石31をホルダ23に対して動かすことで、永久磁石31の第2アクションを実現する。
【0053】
ホルダカバー24は、ケース73に収容されている。ホルダカバー24の形状は、平面視長方形状の板状である。ホルダカバー24は、窪み240を有している。窪み240には、ホルダ23が配置されている。ホルダカバー24は、窪み240の底面に、磁石ブロック3の規制部32が通された貫通孔241を有している。また、ホルダカバー24は、摺動体72の筒部725に挿入された凸部242を有している。ホルダカバー24は、凸部242を回転軸として摺動体72を回転可能に支持している。
【0054】
操作部6が第1方向D1に回転するとき、ケース73及びホルダカバー24に対して摺動体72が第1方向D1に回転する(図5図6参照)。摺動体72が第1方向D1に回転するとき、ホルダ23は、凹部2320に挿入された摺動体72の軸部724に引っ張られて、ホルダカバー24に対して第1方向D1に回転する。つまり、ホルダ23は、ホルダカバー24の窪み240の内部で回転する。第1方向D1におけるホルダ23の回転に伴って、ホルダ23に保持された永久磁石31が第1方向D1に回転する。要するに、操作部6がケース73及びホルダカバー24に対して第1方向D1に回転するとき、摺動体72、ホルダ23及び永久磁石31も共にケース73及びホルダカバー24に対して回転する。つまり、操作部6の第1方向D1の動きが、永久磁石31の第1アクションに変換される。第1アクションにより、磁気センサ41に対する永久磁石31の相対的な回転角が変化する。上記回転角は、回転軸X1(図5参照)を中心とする回転の回転角である。回転軸X1は、可動部材(ここでは、永久磁石31)の回転の中心を表す仮想軸である。回転軸X1は、永久磁石31を通る。回転軸X1の方向は、第4方向D4(図5の紙面奥行き方向)に沿っている。
【0055】
このように、ホルダ23は、永久磁石31を保持し、操作部6の第1方向D1の動きに応じて、永久磁石31と共に回転することで、永久磁石31の第1アクションを実現する。
【0056】
磁石カバー22の形状は、円盤状である。磁石カバー22は、例えば、非磁性体である。磁石カバー22は、永久磁石31に重なっている。磁石カバー22は、ホルダカバー24との間に永久磁石31を挟んでいる(図7参照)。
【0057】
弾性部21は、ホルダカバー24に固定されている。弾性部21は、板状に形成されている。弾性部21は、ホルダカバー24との間に永久磁石31及び磁石カバー22を挟んでいる(図7参照)。
【0058】
弾性部21は、第2アクションに伴う永久磁石31の動きの方向(第4方向D4)に沿って永久磁石31に力を加える。より詳細には、弾性部21は、複数の爪部211を有している。複数の爪部211は、弾性を有している。複数の爪部211は、磁石カバー22を永久磁石31の側へ押さえている。このように、弾性部21は、第4方向D4に沿った力を磁石カバー22を介して永久磁石31に加える。
【0059】
(2-4)基板ブロック
図2に示すように、入力装置1は、基板ブロック4と、第1本体11と、第2本体12と、を備えている。第1本体11と第2本体12とで、基板ブロック4を収容する収容部を形成している。
【0060】
基板ブロック4は、基板40と、複数(図2では2つ)の磁気センサ41と、複数の電子部品42と、を備えている。2つの磁気センサ41及び複数の電子部品42は、基板40に実装されている。各磁気センサ41は、基板ブロック4の構成であると共に、入力ブロック2の構成でもある。
【0061】
2つの入力ブロック2がそれぞれ1つの永久磁石31と、永久磁石31の第1アクション及び第2アクションを検知する1つの磁気センサ41と、を備えている。つまり、入力装置1は、一対一で対応する2つの磁気センサ41及び2つの永久磁石31を備えている。言い換えると、1つの磁気センサ41に対応する永久磁石31の個数は、1つである。各磁気センサ41は、対応する永久磁石31で発生する磁界を検知する。各磁気センサ41は、対応する永久磁石31との間に第4方向D4に所定距離をあけて配置されている。各磁気センサ41は、対応する永久磁石31と対向するように、基板40に実装されている。ここで、磁気センサ41が永久磁石31と対向するとは、本実施形態のように磁気センサ41と永久磁石31との間に他の部材(磁石カバー22等)が配置されているような場合を含む。少なくとも、磁気センサ41は、永久磁石31で発生する磁界を検知可能な位置に配置されていればよい。
【0062】
(2-5)第1本体及び第2本体
第1本体11及び第2本体12は、一の面が開口した箱状に形成されている。第1本体11及び第2本体12は、互いの上記一の面(開口面)を向かい合せた状態で互いに結合される。第1本体11及び第2本体12の結合は、例えば、ねじ止めによりなされる。
【0063】
上述の通り、基板40には、磁気センサ41が実装されている。また、第1本体11は、永久磁石31の位置を基準として磁気センサ41側に配置されている。第2本体12は、第1本体11と結合される。第2本体12は、永久磁石31の位置を基準として磁気センサ41とは反対側に配置されている。基板40は、第1本体11に保持されている。より詳細には、基板40は、第1本体11に収容されている。また、第2本体12は、2つの入力ブロック2を保持している。
【0064】
(2-6)磁気センサの詳細
図10は磁気センサ41の平面図、図11図10のXI-XI断面図である。図11では、断面を表すハッチングを省略している。
【0065】
磁気センサ41は、基板410と、4つのホール素子411と、磁性体プレート412と、を有している。基板410は、例えば、シリコン基板である。基板410の形状は、平面視正方形状である。磁性体プレート412の形状は、円盤状である。磁性体プレート412は、基板410の中心に載せ置かれている。基板410の厚さ方向から見て、磁性体プレート412の直径は、基板410の1辺の長さよりも短い。基板410の厚さ方向から見て、磁性体プレート412の外縁と重なる位置に、4つのホール素子411が配置されている。4つのホール素子411は、等間隔に配置されている。以下では、4つのホール素子411を区別するために、4つのホール素子411をそれぞれホール素子411A、411B、411C、411Dと称することがある。磁性体プレート412の周方向に沿って、ホール素子411A、411B、411C、411Dの順に並んでいる。
【0066】
ここで、基板410の厚さ方向に沿ってZ軸を取り、Z軸方向と直交する2つの方向に沿って、互いに直交するX軸及びY軸を取る。4つのホール素子411の各々は、Z軸方向の磁界を検知する。ホール素子411A、411Cは、X軸方向に並んでいる。ホール素子411B、411Dは、Y軸方向に並んでいる。
【0067】
図11に、X軸方向の磁界を矢印(磁力線)で表す。図11に示すように、X軸方向の磁界は、磁性体プレート412により曲げられる。その結果、磁気センサ41に印加されるX軸方向の磁界は、ホール素子411A、411Cの位置において、Z軸方向の成分を含む。つまり、ホール素子411A、411Cは、磁気センサ41に印加されるX軸方向の磁界の強さ及びZ軸方向の磁界の強さに応じた電圧を出力する。より詳細には、ホール素子411Aの出力電圧V及びホール素子411Cの出力電圧Vは、(数1)、(数2)で表される。
(数1)
=VBX-VBZ
(数2)
=-VBX-VBZ
ここで、VBXは磁気センサ41に印加されるX軸方向の磁界の強さに比例する値であり、VBZは磁気センサ41に印加されるZ軸方向の磁界の強さに比例する値である。
【0068】
(数1)、(数2)より、(数3)、(数4)が成り立つ。
(数3)
-V=2VBX
(数4)
+V=-2VBZ
よって、ホール素子411Aの出力電圧V及びホール素子411Cの出力電圧Vから、磁気センサ41に印加されるX軸方向の磁界の強さ及びZ軸方向の磁界の強さを求めることができる。
【0069】
同様に、Y軸方向に並んだホール素子411B、411Dの出力電圧の和及び差から、磁気センサ41に印加されるY軸方向の磁界の強さ及びZ軸方向の磁界の強さを求めることができる。結局、磁気センサ41の出力に基づいて、磁気センサ41に印加される磁界の強さ及び向きを求めることができる。4つのホール素子411の出力電圧から磁気センサ41に印加される磁界の強さ及び向きを求める処理は、例えば、ECUにより実行される。ただし、磁気センサ41が処理回路を備えていて、磁気センサ41の処理回路により上記処理の少なくとも一部が実行されてもよい。
【0070】
永久磁石31の第1アクションにより、磁気センサ41に対する永久磁石31の相対的な回転角が変化するので、磁気センサ41に印加される磁界の向きが変化する。また、永久磁石31の第2アクションにより、磁気センサ41と永久磁石31との間の距離が変化するので、磁気センサ41に印加される磁界の強さが変化する。すなわち、磁気センサ41は、磁気センサ41に対する永久磁石31の相対的な回転角及び磁気センサ41と永久磁石31との間の距離に応じた信号を出力する。
【0071】
(3)動作例
(3-1)第1アクション
操作部6は、第1方向D1に回転する。図5は、操作部6が回転可能な範囲の中心に位置しているときの入力ブロック2を表している。この状態から、運転者は、操作部6を第1方向D1の一方側(矢印A1の向き)又は他方側(矢印A2の向き)に回転させる。図6は、操作部6を図5の位置から矢印A2の向きに回転させたときの入力ブロック2を表している。変換機構M1は、操作部6の第1方向D1の動き(矢印A2の向きの回転)を永久磁石31(図3参照)の第1アクションに変換する。すなわち、操作部6の第1方向D1の回転に伴って、永久磁石31が回転軸X1を中心として第1方向D1に回転する。そのため、第1アクションは、磁気センサ41(図7参照)に対する永久磁石31の相対的な回転角の変化を伴う動きである。また、第1アクションにおいて、磁気センサ41と永久磁石31との間の距離は維持される。そのため、第1アクションにおいて、磁気センサ41に印加される磁界の強さは維持される。ここで、「磁気センサ41と永久磁石31との間の距離は維持される」とは、磁気センサ41と永久磁石31との間の距離が全く変化しない場合に限定されず、上記距離が許容される誤差の範囲内で変化する場合も含む。
【0072】
図5図6に、永久磁石31で発生する磁場の磁力線F1の一部を図示している。図示の通り、永久磁石31の回転により、磁力線F1の向きが変化する。よって、磁気センサ41で検知される磁界の向きが変化する。つまり、磁気センサ41は、第1アクションを磁界の向きの変化として検知する。ECUは、磁気センサ41で検知される磁界の向きに応じて車両のワイパ、ノズル、ヘッドライト及び方向指示器等の動作を制御する。
【0073】
また、図6の状態から矢印A1の向きに操作部6を回転させることで、図5の状態に戻すことができる。
【0074】
また、図5の状態から矢印A1の向きに操作部6を回転させることで、磁気センサ41に対する永久磁石31の相対的な回転角は、図5の状態とも図6の状態とも異なる回転角となる。そのため、磁気センサ41で検知される磁界の向きは、図5の状態とも図6の状態とも異なる。このように、操作部6が第1方向D1に動くとき、磁気センサ41は、操作部6の2以上の位置(回転角)に対応して異なる出力をすることができる。そのため、移動体100は、操作部6の位置に応じて、2以上の制御を切り替えることができる。また、図5の状態から操作部6を矢印A1の向きに回転させた後、操作部6を矢印A2の向きに回転させることで、図5の状態に戻すことができる。
【0075】
一例として、移動体100は、操作部6が第1方向D1に動くとき、操作部6の位置に応じて、5つの制御を切り替えることができる。すなわち、移動体100は、磁気センサ41に対する永久磁石31の相対的な回転角(磁気センサ41で検知される磁界の向き)が第1~第5範囲のいずれに含まれるかに応じて、5つの制御を切り替えることができる。
【0076】
より具体的な例としては、移動体100のECUは、磁気センサ41に対する永久磁石31の相対的な回転角が第3範囲に含まれるとき(図5の状態)、方向指示器を動作させない。ECUは、上記回転角が第1範囲に含まれるとき(図6の状態)、及び、第2範囲に含まれるとき(図5図6との間の位置に操作部6が有る状態)、右側の方向指示器を点滅させる。第2範囲においては、運転者が操作部6への操作を止めると、操作部6に備えられたばねのばね力により操作部6が元の位置に戻るので、方向指示器が消灯する。第1範囲においては、操作部6がロックされる。その後、運転者が操作部6を手動で元の位置に戻すか、ステアリングホイール102を所定角度以上回転させてロックを解除することで操作部6が元の位置に戻ると、方向指示器が消灯する。第1、第2範囲はそれぞれ、右への車線変更の合図及び右折の合図に対応する。第4、第5範囲はそれぞれ、左への車線変更の合図及び左折の合図に対応する。
【0077】
(3-2)第2アクション
図7図9に、永久磁石31で発生する磁場の磁力線F1の一部を図示している。操作部6は、第2方向D2に回転する。図7は、操作部6が回転可能な範囲の中心に位置しているときの入力ブロック2を表している。この状態から、運転者は、操作部6を第2方向D2の一方側(矢印A3の向き)又は他方側(矢印A4の向き)に回転させる。図8は、操作部6を図7の位置から矢印A4の向きに回転させたときの入力ブロック2を表している。変換機構M1は、操作部6の第2方向D2の動き(矢印A4の向きの回転)を永久磁石31の第2アクションに変換する。すなわち、操作部6の第2方向D2の回転に伴って、永久磁石31が第4方向D4に動く。そのため、第2アクションは、磁気センサ41と永久磁石31との間の距離の変化を伴う動きである。また、第2アクションにおいて、磁気センサ41に対する永久磁石31の回転軸X1を中心とする相対的な回転角は維持される。ここで、「磁気センサ41に対する永久磁石31の回転軸X1を中心とする相対的な回転角は維持される」とは、磁気センサ41に対する永久磁石31の回転軸X1を中心とする相対的な回転角が全く変化しない場合に限定されず、上記回転角が許容される誤差の範囲内で変化する場合も含む。
【0078】
第2アクションに伴う磁気センサ41と永久磁石31との間の距離の変化により、磁気センサ41に印加される磁界の強さが変化する。つまり、磁気センサ41は、第2アクションを磁界の強さの変化として検知する。ECUは、磁気センサ41で検知される磁界の強さに応じて車両のワイパ、ノズル、ヘッドライト及び方向指示器等の動作を制御する。
【0079】
また、図8の状態から矢印A3の向きに操作部6を回転させることで、図7の状態に戻すことができる。
【0080】
また、図7の状態から矢印A3の向きに操作部6を回転させることで、入力ブロック2は図9の状態となる。図9の状態から矢印A4の向きに操作部6を回転させることで、図7の状態に戻すことができる。
【0081】
図9の状態において、磁気センサ41と永久磁石31との間の距離は、図7の状態とも図8の状態とも異なる距離となる。そのため、磁気センサ41で検知される磁界の強さは、図7の状態とも図8の状態とも異なる。このように、操作部6が第2方向D2に動くとき、磁気センサ41は、操作部6の2以上の位置(回転角)に対応して異なる出力をすることができる。そのため、移動体100は、操作部6の位置に応じて、2以上の制御を切り替えることができる。
【0082】
一例として、移動体100は、操作部6が第2方向D2に動くとき、操作部6の位置に応じて、3つの制御を切り替えることができる。すなわち、移動体100は、磁気センサ41で検知される磁界の強さが第6~第8範囲のいずれに含まれるかに応じて、3つの制御を切り替えることができる。
【0083】
より具体的な例としては、移動体100のECUは、磁気センサ41で検知される磁界の強さが第7範囲に含まれるとき(図7の状態)、ヘッドライトの状態をロービームにする。ECUは、磁気センサ41で検知される磁界の強さが第6範囲に含まれるとき(図8の状態)、ヘッドライトの状態をハイビームにする。ECUは、磁気センサ41で検知される磁界の強さが第8範囲に含まれるとき(図9の状態)、ヘッドライトの状態をパッシング状態(短時間の点灯)にする。
【0084】
上述の通り、一例として、移動体100は、操作部6が第1方向D1に動くとき、操作部6の位置に応じて、5つの制御を切り替えることができる。また、一例として、移動体100は、操作部6が第2方向D2に動くとき、操作部6の位置に応じて、3つの制御を切り替えることができる。ただし、操作部6の第1方向D1の動きに対応した移動体100による制御のバリエーション及び、操作部6の第2方向D2の動きに対応した移動体100による制御のバリエーションは、5つ又は3つに限定されず、2つ、4つ又は6つ以上であってもよい。また、操作部6の第1方向D1の動きに対応した移動体100による制御のバリエーションは、操作部6の第2方向D2の動きに対応した移動体100による制御のバリエーションよりも多い、又は、両者の数が等しいことが好ましい。その理由は、実施形態の入力装置1において、磁気センサ41の出力に基づいて操作部6の位置を検知する際に、操作部6の第1方向D1の位置変化の分解能が、操作部6の第2方向D2の位置変化の分解能よりも高いためである。
【0085】
(4)小括
以上説明したように、本実施形態の入力装置1では、変換機構M1は、操作部6の第1方向D1の動きを永久磁石31の第1アクションに変換し、操作部6の第2方向D2の動きを永久磁石31の第2アクションに変換する。これにより、1つの磁気センサ41により、操作部6の第1方向D1の動きと第2方向D2の動きとを検知することができる。実際に、本実施形態の入力装置1は、1つの操作部6につき当該操作部6に対応する磁気センサ41を1つのみ備えている。よって、1つの操作部6につき、操作部6の第1方向D1の動きを検知する磁気センサと、操作部6の第2方向D2の動きを検知する磁気センサと、をそれぞれ入力装置1が備える場合と比較して、磁気センサの個数を低減することができる。
【0086】
また、本実施形態の入力装置1は、1つの操作部6につき当該操作部6に対応する永久磁石31を1つのみ備えている。よって、入力装置1が1つの操作部6につき当該操作部6に対応する複数の永久磁石31を備える場合と比較して、永久磁石31の個数を低減することができる。なお、複数の永久磁石が1箇所に集約されている場合は、この1箇所に集約された複数の永久磁石を、1つの永久磁石と見なす。
【0087】
(変形例1)
以下、変形例1に係る入力装置1について説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0088】
本変形例1の節度部材71(図3参照)のガイド溝710の形状は、曲面状である。より詳細には、ガイド溝710の形状は、所定位置に近いほど窪んだ曲面状である。ガイド溝710の形状は、例えば、球面状、楕円球面状又は放物面状である。
【0089】
操作部6は、節度ピン67がガイド溝710の内部を動くように、第1方向D1及び第2方向D2に動く。また、操作部6は、第1方向D1の動きと第2方向D2の動きとを同時に行うことができる。言い換えると、操作部6は、第1方向D1のベクトル成分と第2方向D2のベクトル成分とを含む方向に動くことができる。
【0090】
操作部6が第1方向D1の動きと第2方向D2の動きとを同時に行うとき、永久磁石31がホルダ23と共に回転すると共に、アクチュエータ5が左右方向(第3方向D3)に動き永久磁石31を第4方向D4に動かす。つまり、本変形例1の変換機構M1は、操作部6の第1方向D1の動きを永久磁石31の第1アクション(回転)に変換することと、操作部6の第2方向D2の動きを永久磁石31の第2アクション(第4方向D4の動き)に変換することと、を同時に実行可能である。
【0091】
本変形例1により、操作部6に第1方向D1の動きと第2方向D2の動きとを同時に行わせ、その動きを磁気センサ41で検知することができる。
【0092】
(変形例2)
以下、変形例2に係る入力装置1Aについて、図12図14を参照して説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0093】
本変形例2の入力装置1Aは、変換機構M2の構造が実施形態の変換機構M1の構造と異なる。変換機構M2は、アクチュエータ5Aと、ホルダカバー25と、ホルダ26と、スライダ27と、規制部32Aと、を含んでいる。操作部6の構成は実施形態と同様であるが、図13では、操作部6のうちカム突起66以外の構成の図示を省略している。
【0094】
アクチュエータ5Aは、実施形態のアクチュエータ5の構成に加えて、結合部54を更に有している。2つの側板52が並んでいる方向から見て、結合部54の形状は、U字状である。結合部54は、当該方向に長さを有している。結合部54は、規制部32Aを挟んでいる。これにより、結合部54は、規制部32Aと結合されている。言い換えると、結合部54は、規制部32Aを保持している。規制部32Aは、結合部54の内側を結合部54の長さ方向(図13の紙面奥行き方向)に移動可能である。
【0095】
ホルダカバー25の形状は、長方形状の板状である。ホルダカバー25は、摺動体72に取り付けられている。ホルダカバー25は、窪み250を有している。窪み250には、ホルダ26が配置されている。ホルダカバー25は、窪み250の底面に、規制部32Aが通された貫通孔251を有している。また、ホルダカバー25は、窪み250の底面に、摺動体72の軸部724が通された貫通孔252を有している。
【0096】
ホルダ26は、本体部261と、延在部262と、を有している。本体部261の形状は、円盤状である。本体部261は、スライダ27が配置される溝部2610を有している。溝部2610の長手方向は、第3方向D3に沿っている。本体部261は、溝部2610の底面に、規制部32Aが通された貫通孔2611を有している。延在部262の形状は、平面視台形状の板状である。延在部262は、本体部261につながっている。延在部262は、本体部261から本体部261の径方向に延びている。延在部262は、凹部2620を有している。凹部2620には、摺動体72の軸部724が挿入されている。
【0097】
スライダ27の長手方向は、第3方向D3に沿っている。第3方向D3において、スライダ27の長さは、ホルダ26の溝部2610の長さよりも短い。スライダ27は、収容部271と、複数(図12では6つ)の爪部272と、を有している。収容部271の形状は、直方体状である。収容部271は、貫通孔2710を有している。複数の爪部272は、収容部271から突出している。複数の爪部272は、収容部271のうち貫通孔2710の周縁部との間に、永久磁石31Aを挟んでいる。これにより、スライダ27は、永久磁石31Aを保持している。
【0098】
規制部32Aの形状は、円柱状である。規制部32Aは、スライダ27と一体に形成されている。規制部32Aは、スライダ27からアクチュエータ5Aに向かって第4方向D4に突出している。規制部32Aは、スライダ27からホルダ26の貫通孔2611及びホルダカバー25の貫通孔251を通して、アクチュエータ5Aの結合部54の位置までに亘って配置されている。
【0099】
永久磁石31Aは、スライダ27の収容部271の形状に合わせて、直方体状に形成されている。永久磁石31Aの長手方向は、左右方向(第3方向D3)に沿っている。永久磁石31Aの磁気モーメントの方向(S極からN極に向かう方向)は、左右方向(第3方向D3)に沿っている。
【0100】
次に、入力装置1Aの動作例について説明する。
【0101】
操作部6(図2参照)が第1方向D1に回転するときの挙動は、実施形態と略同じである。すなわち、操作部6が第1方向D1に回転するとき、ケース73(図2参照)及びホルダカバー25に対して摺動体72が第1方向D1に回転する。摺動体72が第1方向D1に回転するとき、ホルダ26は、凹部2620に挿入された摺動体72の軸部724に引っ張られて、ホルダカバー25に対して第1方向D1に回転する。つまり、ホルダ26は、ホルダカバー25の窪み250の内部で回転する。第1方向D1におけるホルダ26の回転に伴って、ホルダ26に保持されたスライダ27及び、スライダ27に保持された永久磁石31Aが、第1方向D1に回転する。要するに、操作部6がケース73及びホルダカバー25に対して第1方向D1に回転するとき、摺動体72、ホルダ26、スライダ27及び永久磁石31Aも共にケース73及びホルダカバー25に対して回転する。つまり、操作部6の第1方向D1の動きが、永久磁石31Aの第1アクションに変換される。第1アクションにより、磁気センサ41に対する永久磁石31Aの回転軸X1(図5参照)を中心とする相対的な回転角が変化する。よって、磁気センサ41で検知される磁界の向きが変化する。磁気センサ41は、第1アクションを磁界の向きの変化として検知する。
【0102】
一方で、操作部6が第2方向D2(図7参照)に回転するとき、実施形態と同様にして、アクチュエータ5Aが第3方向D3に動く。アクチュエータ5Aの動きに伴って、アクチュエータ5Aに保持された規制部32Aと、規制部32Aに連結されたスライダ27と、スライダ27に保持された永久磁石31Aとが第3方向D3に動く。より詳細には、スライダ27は、ホルダ26の溝部2610の内部を第3方向D3にスライド移動する。スライダ27及び永久磁石31Aの動きは、直線的な動き(直動)である。図13は、操作部6が回転可能な範囲の中心に位置しているときの変換機構M2を表している。図13における操作部6の位置は、図7における操作部6の位置と同じである。図13において、永久磁石31A及び磁気センサ41は、第4方向D4に並んでいる。図14は、操作部6を図13の位置から矢印A4(図7参照)の向きに回転させたときの変換機構M2を表している。変換機構M2が図13の状態から図14の状態になるとき、アクチュエータ5A、スライダ27及び永久磁石31Aは、紙面右へ動く。また、これとは反対に、操作部6を図13の位置から矢印A3(図7参照)の向きに回転させると、アクチュエータ5A、スライダ27及び永久磁石31Aは、紙面左へ動く。
【0103】
このように、操作部6の第2方向D2の動きが、永久磁石31Aの第2アクションに変換される。第2アクションにより、磁気センサ41と永久磁石31Aとの位置関係が変化する。また、第2アクションは、磁気センサ41と永久磁石31Aとの間の距離の変化を伴う動きである。図13図14に、永久磁石31Aで発生する磁場の磁力線F1の一部を図示している。磁気センサ41と永久磁石31Aとの位置関係が変化することにより、磁気センサ41に印加される磁界の強さが変化する。磁気センサ41は、第2アクションを磁界の強さの変化として検知する。
【0104】
以上、変形例2で説明したように、操作部6の第2方向D2の回転に伴って永久磁石31Aが第3方向D3に動く構成としても、磁気センサ41は、操作部6の第1アクション及び第2アクションを検知することができる。
【0105】
(実施形態のその他の変形例)
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、上述の各変形例と適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0106】
磁気センサ41に含まれるホール素子411の個数は、4つに限定されず、1~3つ、又は、5つ以上であってもよい。磁気センサ41に含まれるホール素子411の個数が1~3つのときは、例えば、ホール素子411として、後述する3Dホール素子を用いればよい。
【0107】
磁気センサ41は、少なくとも1つのホール素子411を含むセンサに限定されず、磁界を検知するための磁気抵抗効果素子(MR素子:Magneto Resistive Sensor)又はコイルを含むセンサであってもよい。
【0108】
磁気センサ41は、3D(3-dimension)ホール素子を含むセンサであってもよい。3Dホール素子は、X軸方向の磁界を測定するホール素子と、Y軸方向の磁界を測定するホール素子と、Z軸方向の磁界を測定するホール素子と、を1つのチップに配置した素子である。
【0109】
永久磁石31が磁気センサ41に対して動くのに代えて、磁気センサ41が永久磁石31に対して動くように構成されていてもよい。つまり、永久磁石31と磁気センサ41とのうち磁気センサ41が可動部材であってもよい。例えば、実施形態における永久磁石31の配置と磁気センサ41の配置とを入れ替えることで、磁気センサ41を可動部材として用いた入力装置1を実現できる。
【0110】
永久磁石31、磁気センサ41及び操作部6の各々の個数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。永久磁石31、磁気センサ41及び操作部6の各々の個数が同じであることが好ましい。
【0111】
操作部6の第1方向D1の動きを永久磁石31の第1アクションに変換するという変換機構M1の動作は、実施形態のように操作部6の第1方向D1の回転を永久磁石31の第1方向D1の回転に変換する動作に限定されない。変換機構M1は、操作部6の第1方向D1の回転を、例えば、カム又は歯車を介して、永久磁石31の所定方向の回転に変換してもよい。上記所定方向は、第1方向D1とは異なる方向である。また、変換機構M1は、操作部6の第1方向D1の回転を、カム又は歯車を介して、永久磁石31の第1方向D1の回転に変換してもよい。
【0112】
また、操作部6の第1方向D1の回転における操作部6の回転角の変位と、第1アクションに伴う永久磁石31の回転角の変位とは、同じ大きさであってもよいし、変換機構M1により異なる大きさにされてもよい。
【0113】
また、操作部6の第1方向D1の動きは、回転に限定されず、例えば、直線的な動きであってもよい。すなわち、変換機構M1は、操作部6の第1方向D1の直線的な動きを、例えば、カム又は歯車を介して、永久磁石31の所定方向の回転に変換してもよい。
【0114】
また、操作部6の第2方向D2の動きを永久磁石31の第2アクションに変換するという変換機構M1の動作は、実施形態のように操作部6の第2方向D2の回転をアクチュエータ5を介して永久磁石31の第4方向D4の動き(直動動作)に変換する動作に限定されない。変換機構M1は、操作部6の第2方向D2の回転を、例えば、カム又は歯車を介して、永久磁石31の第4方向D4の動き(直動動作)に変換してもよい。
【0115】
また、操作部6の第2方向D2の動きは、回転に限定されず、例えば、直線的な動きであってもよい。すなわち、変換機構M1は、操作部6の第2方向D2の直線的な動きを、例えば、アクチュエータ5、カム又は歯車を介して、永久磁石31の第4方向D4の動きに変換してもよい。
【0116】
また、永久磁石31の第4方向D4の動きは、直動動作に限定されず、例えば、回転動作であってもよい。
【0117】
また、実施形態では永久磁石31の動きの方向は第4方向D4であり、変形例2では永久磁石31Aの動きの方向は第3方向D3であるが、永久磁石31、31Aの動きの方向は、これらの方向に限定されない。例えば、永久磁石31、31Aの動きの方向は、第4方向D4又は第3方向D3に対して斜めの方向であってもよい。
【0118】
規制部32は、永久磁石31と一体に形成されていなくてもよい。規制部32は、例えば、永久磁石31とは別体に形成され、永久磁石31とアクチュエータ5との間に挟まれていてもよい。
【0119】
また、永久磁石31とアクチュエータ5の傾斜面510とを接触させ、永久磁石31のうち傾斜面510との接触部位を含む部位が、規制部32として機能してもよい。
【0120】
また、永久磁石31は円盤状、永久磁石31Aは直方体としたが、永久磁石31、31Aの形状はこれらに限定されず、略菱形状など、適宜、多様な形状の中から選択されてもよい。
【0121】
磁気センサ41の出力に応じた制御は、ECUにより実行されることに限定されず、適宜の制御装置により実行されてもよい。制御装置は、例えば、磁気センサ41の出力に応じた制御を行うためのプログラムを記憶したメモリ及びプログラムを実行するプロセッサ等を備える。制御装置は、入力装置1又は移動体100の構成に含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
【0122】
実施形態の移動体100は、4輪の自動車であるが、移動体100は、4輪の自動車に限定されず、2輪の自動車又は3輪の自動車等であってもよい。また、移動体100は、例えば、フォークリフト、船、航空機、自転車又はハンドル形電動車椅子等であってもよい。
【0123】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0124】
第1の態様に係る入力装置(1、1A)は、永久磁石(31、31A)と、磁気センサ(41)と、操作部(6)と、変換機構(M1、M2)と、を備える。磁気センサ(41)は、永久磁石(31、31A)で発生する磁界を検知する。変換機構(M1、M2)は、操作部(6)の動きを、永久磁石(31、31A)と磁気センサ(41)とのうち一方である可動部材の、他方に対する動きに変換する。磁気センサ(41)は、磁気センサ(41)に対する永久磁石(31、31A)の回転軸(X1)を中心とする相対的な回転角及び磁気センサ(41)に印加される磁界の強さに応じた信号を出力する。変換機構(M1、M2)は、操作部(6)の第1方向(D1)の動きを可動部材の第1アクションに変換し、操作部(6)の第2方向(D2)の動きを可動部材の第2アクションに変換する。第2方向(D2)は、第1方向(D1)と交差する方向である。第1アクションは、磁気センサ(41)に対する永久磁石(31、31A)の回転軸(X1)を中心とする相対的な回転角の変化を伴う動きである。第2アクションは、磁気センサ(41)に印加される磁界の強さの変化を伴う動きである。
【0125】
上記の構成によれば、変換機構(M1、M2)は、操作部(6)の第1方向(D1)の動きに応じて可動部材の第1アクションを実現し、操作部(6)の第2方向(D2)の動きに応じて可動部材の第2アクションを実現する。これにより、磁気センサ(41)は、操作部(6)が第1方向(D1)に動く際に第1アクションに応じた信号を出力し、操作部(6)が第2方向(D2)に動く際に第2アクションに応じた信号を出力することができる。よって、操作部(6)の第1方向(D1)の動きを検知する磁気センサ(41)と、操作部(6)の第2方向(D2)の動きを検知する磁気センサ(41)と、をそれぞれ入力装置(1、1A)が備える場合と比較して、磁気センサ(41)の個数を低減することができる。
【0126】
また、第2の態様に係る入力装置(1、1A)では、第1の態様において、可動部材は、永久磁石(31、31A)である。
【0127】
上記の構成によれば、可動部材が磁気センサ(41)である場合と比較して、磁気センサ(41)に接続される配線(導体)を容易に配置できる。
【0128】
また、第3の態様に係る入力装置(1、1A)は、第2の態様において、基板(40)と、第1本体(11)と、第2本体(12)と、を更に備える。基板(40)には、磁気センサ(41)が実装されている。第1本体(11)は、永久磁石(31、31A)の位置を基準として磁気センサ(41)側に配置される。第2本体(12)は、第1本体(11)と結合される。第2本体(12)は、永久磁石(31、31A)の位置を基準として磁気センサ(41)とは反対側に配置される。基板(40)は、第1本体(11)に保持される。
【0129】
上記の構成によれば、基板(40)の設置スペースを確保できる。
【0130】
また、第4の態様に係る入力装置(1、1A)では、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、操作部(6)は、レバー(61)を有する。
【0131】
上記の構成によれば、操作者は、レバー(61)を持つことで操作部(6)を容易に操作できる。
【0132】
また、第5の態様に係る入力装置(1、1A)では、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、変換機構(M1、M2)は、操作部(6)の第1方向(D1)の動きを可動部材の第1アクションに変換することと、操作部(6)の第2方向(D2)の動きを可動部材の第2アクションに変換することと、を同時に実行可能である。
【0133】
上記の構成によれば、変換機構(M1、M2)が上記の2つを同時に実行できない場合と比較して、入力装置(1、1A)の利便性を向上させることができる。
【0134】
また、第6の態様に係る入力装置(1、1A)では、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、磁気センサ(41)は、少なくとも1つのホール素子(411)を含む。
【0135】
上記の構成によれば、磁気センサ(41)の機能を容易に実現できる。
【0136】
また、第7の態様に係る入力装置(1)は、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、弾性部(21)を更に備える。弾性部(21)は、第2アクションに伴う可動部材の動きの方向(第4方向(D4))に沿って可動部材に力を加える。
【0137】
上記の構成によれば、可動部材の位置のばらつきを低減できる。よって、磁気センサ(41)の検知精度を向上させることができる。
【0138】
また、第8の態様に係る入力装置(1)では、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、変換機構(M1)は、アクチュエータ(5)と、規制部(32)と、を含む。アクチュエータ(5)は、傾斜面(510)を有する。傾斜面(510)は、第2アクションに伴う可動部材の動きの方向(第4方向(D4))と直交する平面に対して傾斜している。規制部(32)は、可動部材と傾斜面(510)との間の距離を規制する。アクチュエータ(5)は、操作部(6)の第2方向(D2)の動きに応じて、傾斜面(510)上での規制部(32)の位置が変化するように動くことで、可動部材の第2アクションを実現する。
【0139】
上記の構成によれば、簡易な構成により第2アクションを実現できる。
【0140】
また、第9の態様に係る入力装置(1、1A)では、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、変換機構(M1、M2)は、ホルダ(23、26)を含む。ホルダ(23、26)は、可動部材を保持する。ホルダ(23、26)は、操作部(6)の第1方向(D1)の動きに応じて、可動部材と共に回転することで、可動部材の第1アクションを実現する。
【0141】
上記の構成によれば、簡易な構成により第1アクションを実現できる。
【0142】
また、第10の態様に係る入力装置(1、1A)では、第9の態様において、変換機構(M1、M2)は、操作部(6)の第2方向(D2)の動きに応じて、可動部材をホルダ(23、26)に対して動かすことで、可動部材の第2アクションを実現する。
【0143】
上記の構成によれば、簡易な構成により第2アクションを実現できる。
【0144】
また、第11の態様に係る入力装置(1、1A)は、第1~10の態様のいずれか1つにおいて、検知ブロック(入力ブロック(2))を少なくとも1つ備える。検知ブロックは、永久磁石(31、31A)を1つ備える。検知ブロックは、1つの永久磁石(31、31A)の磁界を検知する磁気センサ(41)を1つ備える。
【0145】
上記の構成によれば、入力装置(1、1A)における永久磁石(31、31A)の個数を低減することができる。
【0146】
また、第12の態様に係る入力装置(1、1A)では、第1~11の態様のいずれか1つにおいて、第2アクションは、磁気センサ(41)と永久磁石(31、31A)との間の距離の変化を伴う動きである。
【0147】
上記の構成によれば、第2アクションにおいて、磁気センサ(41)に印加される磁界の強さの変化の検知精度の向上を図ることができる。
【0148】
第1の態様以外の構成については、入力装置(1、1A)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0149】
また、第13の態様に係る移動体(100)は、第1~12の態様のいずれか1つに係る入力装置(1、1A)と、移動体本体(101)と、を備える。移動体本体(101)には、入力装置(1、1A)が搭載される。
【0150】
上記の構成によれば、磁気センサ(41)の個数を低減することができる。
【符号の説明】
【0151】
1、1A 入力装置
11 第1本体
12 第2本体
2 入力ブロック(検知ブロック)
21 弾性部
23、26 ホルダ
31、31A 永久磁石
32 規制部
40 基板
41 磁気センサ
411 ホール素子
5 アクチュエータ
510 傾斜面
6 操作部
61 レバー
100 移動体
101 移動体本体
M1、M2 変換機構
D1 第1方向
D2 第2方向
D4 方向(第4方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14