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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】センサ装置及びセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/30 20060101AFI20230922BHJP
   G01C 19/5783 20120101ALI20230922BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20230922BHJP
   H01L 25/00 20060101ALI20230922BHJP
   G01C 19/5684 20120101ALN20230922BHJP
【FI】
G01D11/30 M
G01C19/5783
H01L23/12 F
H01L25/00 B
G01C19/5684
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019204209
(22)【出願日】2019-11-11
(65)【公開番号】P2021076497
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 英喜
(72)【発明者】
【氏名】中村 祐介
(72)【発明者】
【氏名】中島 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】内田 崇
(72)【発明者】
【氏名】山崎 稔夫
(72)【発明者】
【氏名】藤井 弘之
(72)【発明者】
【氏名】奈良 力
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-122049(JP,A)
【文献】特開平11-211750(JP,A)
【文献】実開昭62-35476(JP,U)
【文献】特開2002-98709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/30
G01C 19/5684
G01C 19/5783
H01L 23/12
H01L 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ素子と、
前記センサ素子と電気的に接続される支持部材と、
前記支持部材と電気的に接続される基板と、
前記センサ素子と前記支持部材とを電気的に接続する接続経路の少なくとも一部を構成するボンディングワイヤと、を備え、
前記基板と、前記センサ素子が設置される設置部材とは互いに交差し、
前記センサ素子と、前記支持部材とは分離しており、
前記設置部材を含み、前記基板に設けられる連結部材を更に備え、
前記センサ素子は、前記連結部材を介して間接的に、前記基板に搭載されており、
前記連結部材は、前記基板に積層される第1部材と、前記設置部材としての第2部材とを有し、前記第1部材と、前記第2部材とは交差する、
センサ装置。
【請求項2】
前記センサ素子が設置される設置部材と、前記基板とは直交する、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記ボンディングワイヤは、互いに交差する前記支持部材と前記センサ素子とを接続する、
請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記基板は、前記センサ素子を含む縦型部材が搭載される搭載面を有し、
前記縦型部材は、前記センサ素子の電極面の法線が前記支持部材の支持面に沿った位置関係となるように、前記搭載面に固定されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のセンサ装置と、
前記センサ装置を搭載する実装基板と、を備え、
前記実装基板は、位置決めをするときの基準面とは別の面に成形バリが存在する、
センサ。
【請求項6】
前記実装基板が有する端子は、前記別の面から露出する、
請求項5に記載のセンサ。
【請求項7】
前記実装基板に少なくとも3つ以上の突起部を設け、
前記センサ装置は、前記少なくとも3つ以上の突起部と接合されることで前記実装基板に搭載される、
請求項5又は6に記載のセンサ。
【請求項8】
前記少なくとも3つ以上の突起部は、前記実装基板の少なくとも3つ以上の隅にそれぞれ対応するように設けられている、
請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記少なくとも3つ以上の突起部の各々は、当該突起部における前記実装基板の中心側の周縁に沿って溝部を有する、
請求項7又は8に記載のセンサ。
【請求項10】
前記センサ装置と前記実装基板とは、はんだと接着剤との少なくとも一方にて固定されている、
請求項5~9のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項11】
前記実装基板において、第1方向に1つ以上の第1端子と第1ダミー端子とが、前記第1方向と直交する第2方向に1つ以上の第2端子と第2ダミー端子とが、設けられており、
前記第1ダミー端子は、前記1つ以上の第1端子の最外部に配置され、
前記第2ダミー端子は、前記1つ以上の第2端子の最外部に配置され、
前記第1ダミー端子と前記第2ダミー端子とは、前記実装基板を介して接続されている、
請求項5~10のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項12】
前記第1ダミー端子と前記第2ダミー端子とは、前記実装基板を介して、処理回路に接続されている、
請求項11に記載のセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にセンサ装置及びセンサに関し、より詳細にはセンサ素子と、センサ素子を支持する支持部材と、を備えるセンサ装置及びセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、センサ素子(ジャイロセンサ)と、基板と、センサ素子と基板とを互いに接着する支持部材(支持体)と、を備えるセンサ装置(ジャイロモジュール)が記載されている。このセンサ装置においては、支持部材の周囲におけるセンサ素子と基板との間には、隙間がある。
【0003】
特許文献1に記載のセンサ装置では、センサ素子の+Z側の面である外底面に設けられた端子(外部端子)が、基板の+Z側の面である接着面に設けられた端子(中継端子)と、ボンディングワイヤによって接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-170002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような構造のセンサ装置では、ボンディングワイヤは、基板及びセンサ素子の同じ向き(+Z側)に向けられた上面(外底面及び接着面)同士を接続する。そのため、センサ素子の上面(外底面)からボンディングワイヤが突出することになり、ボンディングワイヤの分だけ、センサ装置の高さ寸法が大きくなりやすい。
【0006】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、形状又は寸法の自由度の向上を図りやすいセンサ装置及びセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るセンサ装置は、センサ素子と、支持部材と、基板と、ボンディングワイヤと、を備える。前記支持部材は、前記センサ素子と電気的に接続される。前記基板は、前記支持部材と電気的に接続される。前記ボンディングワイヤは、前記センサ素子と前記支持部材とを電気的に接続する接続経路の少なくとも一部を構成する。前記基板と、前記センサ素子が設置される設置部材とは互いに交差し、前記センサ素子と、前記支持部材とは分離している。前記センサ装置は、前記基板に設けられる連結部材を更に備える。前記連結部材は、前記設置部材を含む。前記センサ素子は、前記連結部材を介して間接的に、前記基板に搭載されている。前記連結部材は、前記基板に積層される第1部材と、前記設置部材としての第2部材とを有し、前記第1部材と、前記第2部材とは交差する。
【0008】
本開示の一態様に係るセンサは、センサ装置と、実装基板と、を備える。前記実装基板は、前記センサ装置を搭載する。前記実装基板は、位置決めをするときの基準面とは別の面に成形バリが存在する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によると、形状又は寸法の自由度の向上を図りやすい、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1Aは、実施形態1に係るセンサ装置の構成を示し、ケースを外した状態の斜視図である。図1Bは、図1Aの領域Z1の拡大図である。図1Cは、図1Aの領域Z2の拡大図である。
図2図2は、同上のセンサ装置の構成を示す斜視図である。
図3図3は、同上のセンサ装置のケースを外した状態の分解斜視図である。
図4図4Aは、同上のセンサ装置の平面図である。図4Bは、同上のセンサ装置の側面図である。図4Cは、図4Bの領域Z1の拡大図である。
図5図5A及び図5Bは、同上のセンサ装置のセンサ素子の動作原理を説明するための概念図である。
図6図6Aは、実施形態2に係るセンサ装置の一部破断した側面図である。図6Bは、図6Aの領域Z1の拡大図である。図6Cは、図6Aの領域Z2の拡大図である。
図7図7は、実施形態の変形例1に係るセンサ装置の構成を示し、ケースを外した状態の斜視図である。
図8図8は、実施形態2の変形例2に係るセンサ装置の構成を示す側面図である。
図9図9は、実施形態3に係るセンサ装置の構成を示す側面図である。
図10図10Aは、実施形態4に係るセンサの上面図である。図10Bは、図10Aの領域Bの拡大図である。
図11図11Aは、位置決め面付近の拡大図である。図11Bは、端子及び位置決め面付近の拡大図である。
図12図12は、図10AのA-A断面図である。
図13図13Aは、実施形態5に係るセンサの側面図である。図13Bは、図13AのX-X断面図である。
図14図14Aは、実施形態6に係るセンサの側面図である。図14Bは、図14AのY-Y断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する各実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、各実施形態及び変形例に限定されない。これらの実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(実施形態1)
以下、本実施形態に係るセンサ装置について、図1A図5Bを用いて説明する。
【0013】
(1)概要
本実施形態に係るセンサ装置1は、図1A図1Cに示すように、センサ素子2と、基板3と、支持部材4と、連結部材5と、を備えている。図1Bは、図1Aの領域Z1の拡大図、図1C図1Aの領域Z2の拡大図である。
【0014】
センサ装置1は、センサ素子2にて、例えば、角速度、加速度、角加速度、速度、圧力、重量、長さ(距離)及び温度等の物理量を、電気信号に変換する。すなわち、センサ素子2は、物理量を電気信号に変換するトランスデューサとして機能する。この種のセンサ装置1は、例えば、家電機器、携帯端末、カメラ、ウェアラブル端末、ゲーム機、又は車両(自動車及び二輪車等を含む)、ドローン、航空機若しくは船舶等の移動体等の、様々な機器に用いられる。
【0015】
ここで、本実施形態に係るセンサ装置1は、図1A図1Cに示すように、センサ素子2と、基板3と、支持部材4と、連結部材5に加えて、ボンディングワイヤ6を更に備えている。すなわち、センサ装置1は、センサ素子2と、基板3と、支持部材4と、連結部材5と、ボンディングワイヤ6と、を備えている。ボンディングワイヤ6は、センサ素子2と、支持部材4との間を電気的に接続する接続経路60の少なくとも一部を構成する。ボンディングワイヤ6は、互いに交差する2つの接続面(電極面24及び支持面41)間を接続するように設けられている。基板3は支持部材4と電気的に接続される。基板3とセンサ素子2が設置される設置部材57とは互いに交差し、センサ素子と、支持部材4とは分離している。
【0016】
センサ素子2が設置される設置部材57と、基板3とは直交してもよい。
【0017】
上述した構成によれば、センサ素子2と支持部材4との間を電気的に接続するための接続経路の少なくとも一部が互いに交差する2つの接続面(電極面24及び支持面41)間を接続するボンディングワイヤ6によって実現される。そのため、同じ向きに向けられた2つの接続面同士をボンディングワイヤ6によって接続する場合に比べて、例えば、接続面からボンディングワイヤ6が突出することによる、センサ装置1の高さ寸法の増大等を抑制することが可能である。結果的に、本実施形態に係るセンサ装置1によれば、形状又は寸法の自由度の向上を図りやすい、という利点がある。
【0018】
また、センサ装置1では、互いに交差する2つの接続面間を、例えば、リードフレーム又はフレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)等の配線部材で接続する場合に比較して、センサ素子2に作用する応力を小さく抑えやすい。つまり、本実施形態に係るセンサ装置1では、互いに交差する2つの接続面間を接続する配線部材はボンディングワイヤ6であるので、配線部材(ボンディングワイヤ6)を介して2つの接続面間で応力が伝わりにくい。その結果、例えば、基板3及び支持部材4等からセンサ素子2に作用する応力を小さく抑えやすく、センサ素子2の検知結果に対する応力の影響が生じにくい。さらに、本実施形態に係るセンサ装置1では、互いに交差する2つの接続面間がボンディングワイヤ6にて直接接続されているので、2つの接続面間を接続するのにボンディングワイヤ6以外の配線が不要で、接続経路60の継ぎ目を少なく抑えることが可能である。
【0019】
(2)構成
以下に、本実施形態に係るセンサ装置1の詳細な構成について、図1A図5Bを参照して詳細に説明する。
【0020】
本実施形態では、一例として、センサ装置1は、「角速度」を検知対象とするジャイロセンサ(角速度センサ)である。特に、車両の自動運転技術のように、比較的、高精度の角速度の検知(計測)が要求される場合に、本実施形態に係るセンサ装置1は好適である。ただし、高精度の角速度の検知(計測)が要求されない場合であっても、本実施形態に係るセンサ装置1は採用可能である。
【0021】
以下では一例として、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の3軸を設定し、特に、センサ素子2の法線L1に沿った軸を「Y軸」とし、搭載面31の法線に沿った軸を「Z軸」とする。「X」軸は、これらY軸及びZ軸のいずれとも直交する。X軸、Y軸、及びZ軸は、いずれも仮想的な軸であり、図面中の「X」、「Y」、「Z」を示す矢印は、説明のために表記しているに過ぎず、いずれも実体を伴わない。また、これらの方向はセンサ装置1の使用時の方向を限定する趣旨ではない。
【0022】
本実施形態では、一例として、センサ装置1は、Y軸を検知軸とし、Y軸周りの角速度を検知対象とする。Y軸は、センサ素子2の法線L1に沿った軸であるので、結果的に、センサ装置1は、センサ素子2の法線L1周りでセンサ装置1が回転することに伴いセンサ装置1に作用する角速度を、検知対象として検知することになる。つまり、センサ素子2は、センサ素子2(Y軸)周りの角速度に応じた電気信号を出力する。よって、センサ装置1の出力によれば、Y軸周りの角速度の大きさを計測することが可能である。
【0023】
本開示でいう「ボンディングワイヤ」は、2つの電極同士を電気的に接続するための配線材であって、材質及び/又は線径等が異なる多品種の配線材を含む。例えば、ボンディングワイヤは、その材質によって、金ボンディングワイヤ、金合金ボンディングワイヤ、銅ボンディングワイヤ、アルミボンディングワイヤ、アルミ-シリコンボンディングワイヤ又は銀合金ボンディングワイヤに分類される。
【0024】
本実施形態に係るセンサ装置1は、センサ素子2と、基板3と、ボンディングワイヤ6と、を備えている。センサ装置1は、ボンディングワイヤ6を少なくとも1本備えている。本実施形態では、ボンディングワイヤ6は複数本(図1では9本)設けられている。つまり、本実施形態に係るセンサ装置1は、複数本のボンディングワイヤ6を備えている。
【0025】
また、本実施形態では、センサ装置1は、図1A図4Cに示すように、センサ素子2、基板3、ボンディングワイヤ6に加えて、支持部材4、連結部材5及びケース7を更に備えている。すなわち、センサ装置1は、センサ素子2と、基板3と、支持部材4と、連結部材5と、ケース7と、を備えている。図2以外の図面では、ケース7の図示を省略している。
【0026】
また、本実施形態では、センサ装置1は、図1A図4Cに示すように、その使用状態において、基板3における搭載面31とは反対側の面(実装面32)をプリント配線基板等の実装基板10に向けた姿勢で、実装基板10にフリップチップ実装される場合を想定する。ここでは、センサ装置1が実装される実装基板10は、リジッド基板であることと仮定するが、この例に限らず、実装基板10は、例えば、フレキシブル基板等であってもよい。
【0027】
センサ素子2は、検知対象である物理量に応じた電気信号を出力する素子である。本実施形態では、上述したように、検知対象は、Y軸(センサ素子2の法線L1)周りの角速度であるので、センサ素子2は、Y軸周りの角速度に応じた電気信号を出力する。センサ素子2は、例えば、振動式のジャイロセンサであって、コリオリ力(転向力)を利用して、Y軸周りの角速度を検知する。つまり、センサ素子2は可動部21(図5A参照)、を振動させた状態で、外部から回転力が作用することによって生じるコリオリ力を検知することで、センサ素子2に作用した角速度を検知する。
【0028】
本実施形態の一例として、センサ素子2は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いたベアチップ、いわゆるMEMSチップを含んでいる。センサ素子2は、例えば、セラミックパッケージ等のパッケージを更に含んでおり、ベアチップはパッケージに収容されている。このセンサ素子2は、ベアチップに可動部21を含み、この可動部21を振動させることにより、角速度の検知を可能とする。
【0029】
基板3は、図3に示すように、平板状に形成されており、Z軸方向に厚みを有している。基板3は、厚み方向において互いに対向する搭載面31及び実装面32を有している。搭載面31は、連結部材5を介して、支持部材4及びセンサ素子2が搭載される。一方、実装面32は、センサ装置1が実装基板10に実装された状態で、実装基板10に対向する。
【0030】
本実施形態では、一例として、基板3は、平面視において略正方形状である。基板3は、例えば、セラミック製の基板であって、電気絶縁性を有している。基板3は、搭載面31から突出するリブ33を有している。リブ33は、搭載面31の外周縁に沿って、搭載面31の中央部を全周にわたって囲むように形成されている。このリブ33の先端面に、ケース7のフランジ部72(図2参照)が結合されることにより、基板3に対してケース7が結合される。これにより、搭載面31のうちリブ33の内側となる領域と、ケース7との間には、センサ素子2等を収容する空間が形成されることになる。
【0031】
支持部材4は、図3に示すように、平板状に形成されており、Z軸方向に厚みを有している。支持部材4は、厚み方向において互いに対向する支持面41及び取付面42を有している。つまり、支持面41は、センサ素子2とワイヤボンディングされる。一方、取付面42は、連結部材5に対向する。
【0032】
本実施形態では、一例として、支持部材4は、平面視において略正方形状である。ここで、支持部材4は、ASIC(application specific integrated circuit)である。つまり、支持部材4は、電気絶縁性を有する樹脂パッケージ等のパッケージに、半導体チップを内蔵した構成である。そのため、本実施形態では、センサ素子2は、複数のボンディングワイヤ6を介して、支持部材4としてのASICのパッケージの一表面(支持面41)上と接続されることになる。本実施形態では、半導体チップは、後述する処理回路43(図4A参照)として機能する。
【0033】
ここで、支持部材4は、支持側電極602(図1B参照)を有している。支持側電極602は、ボンディングワイヤ6を電気的に接続するための電極であって、支持面41に形成されている。つまり、支持部材4は、ボンディングワイヤ6の一端部が接続される支持側電極602を有している。ここでは、支持側電極602は、支持部材4の支持面41に設けられている。これにより、連結部材5に搭載されるセンサ素子2は、支持部材4の処理回路43と電気的に接続されることになる。さらに、支持部材4の処理回路43は、ボンディングワイヤ61を介して基板3(基板側電極601)と電気的に接続される。
【0034】
連結部材5は、図4Bに示すように、X方向から見た側面視において、Z軸方向に突出したL字形状に形成されている。本実施形態では、連結部材5は、Y方向の寸法(奥行き)に対して、Z軸方向の寸法(高さ)の方が小さくなっている。連結部材5は、例えば、樹脂製であって、電気絶縁性を有している。本実施形態では、一例として、連結部材5は、LCP(Liquid Crystal Polymer)樹脂で形成されている。
【0035】
連結部材5は、設置部材57を含み、基板3の搭載面31に搭載され、基板3と支持部材4とを連結する。言い換えれば、支持部材4は、連結部材5により基板3の搭載面31に固定される。本開示でいう「固定」は、種々の手段により、一定の位置にあって動かない状態とされていることを意味する。ここでは、基板3と支持部材4との相対的な位置関係は、連結部材5にて規定される。連結部材5は、基板3に積層される第1部材56と、設置部材としての第2部材57とを有する。本実施形態に係るセンサ装置1では、基板3と支持部材4との位置関係は、支持部材4の支持面41が搭載面31に沿うように規定される。本開示でいう「沿う」とは、二者間が略平行、つまり二者が厳密に平行な場合に加えて、二者間の角度が数度(例えば10度未満)程度の範囲に収まる関係にあることをいう。つまり、支持面41は、基板3の搭載面31に対して、略平行な状態にある(厳密に平行、又は両者間の角度が数度程度に収まる関係にある)。
【0036】
より詳細には、連結部材5は、図4Bに示すように、第1面51と、第2面52と、第3面54と、を有している。第1面51は、基板3の搭載面31に固定されている。第2面52は、第1面51と交差する。第2面52には、センサ素子2が固定されている。第3面54は、第1面51と略平行であって、第2面52と交差する。支持部材4は、第3面54に固定されている。つまり、連結部材5の第1面51は、基板3の搭載面31に対して動かない状態とされている。同様に、連結部材5の第2面52は、センサ素子2の設置面23に対して動かない状態とされている。
【0037】
基板3の搭載面31と連結部材5の第1面51とは、例えば、接着、粘着、ろう付け、溶着又は圧着により固定される。本実施形態では、一例として、基板3と連結部材5(第1面51)と、接着層511(図1参照)、による接着で固定される。同様に、支持部材4の取付面42に対する連結部材5の第3面54とは、接着層521(図4C参照)による接着で固定される。
【0038】
本実施形態では、第1面51は、連結部材5におけるZ方向の一面であって、第2面52は、連結部材5におけるY軸方向の一面である。第1面51及び第2面52は、互いに略直交している。本開示でいう「略直交」とは、つまり二者が厳密に直交する(90度で交差する)場合に加えて、二者間の角度が90度から数度(例えば±10度未満)程度の範囲に収まる関係にあることをいう。本実施形態では一例として、第1面51は第2面52に対して厳密に直交する。
【0039】
そして、上述したような形状の連結部材5が、第1面51にて基板3の搭載面31に固定され、第3面54にて支持部材4の取付面42に固定されることにより、基板3と支持部材4とを連結する。また、上述したような形状の連結部材5が、第2面52にてセンサ素子2の設置面23に固定されることにより、基板3とセンサ素子2とを連結する。ここで、第1面51と第2面52とは、互いに交差(本実施形態では直交)するので、支持部材4の支持面41の法線L2は設置面23に沿う(本実施形態では平行となる)ように、連結部材5にて基板3とセンサ素子2とが連結される。
【0040】
連結部材5は、支持部材4との対向面(第3面54)から支持部材4に向かって突出するスペーサ53(図4C参照)を更に有している。本実施形態では、連結部材5は、複数(一例として4つ)のスペーサ53を有している。各スペーサ53は、一例として、ドーム状(半球状)に形成されている。これら、複数(4つ)のスペーサ53は、第3面54のうち、例えば、支持部材4における取付面42の四隅と対向する位置に配置されている。スペーサ53が形成されることにより、図4Cに示すように、連結部材5の第3面54と支持部材4の取付面42との間には、一定の間隔が確保される。
【0041】
各スペーサ53の高さ、つまり第54からの各スペーサ53の突出量は、例えば、0.05mm以上0.2mm以下である。本実施形態では、一例として、各スペーサ53の高さは0.15mmである。これにより、連結部材5の第3面54と支持部材4の取付面42との間には、0.15mmの間隔(隙間)が確保される。
【0042】
ここで、図4Bに示すように、Z軸方向(基板3の厚み方向)においては、連結部材5の方が支持部材4よりも大きく形成されている。すなわち、連結部材5の第2面52は、センサ素子2の設置面23よりも、Z軸方向の寸法が大きい。センサ素子2は、第52面における基板3とは反対側の端縁に寄せて配置されている。このため、センサ素子2と、基板3の搭載面31との間には、隙間G1が確保されている。つまり、センサ素子2は、基板3に対しては連結部材5を介して間接的に固定されるだけであって、基板3に対して直接的に接触することはない。
【0043】
連結部材5がL字形状に形成されることで、X-Y平面において支持部材4が配置され、Z方向への突出部の一平面(X-Z平面)においてセンサ素子2が配置されるために、センサ装置1は、支持部材4の上に直接センサ素子2が配置されない構造となっている。支持部材4にセンサ素子2が積層され、Z方向への突出部に配置されていた場合と比較して、支持部材4とセンサ素子2が構造上分離することで、Z方向の高さがセンサ素子2に依存する構造となり、低背化することが可能となる。さらに、センサ装置1が低背化することで、支持部材4とセンサ素子2とをつなぐボンディングワイヤ6の長さを短くすることができる。ボンディングワイヤ6の長さを短くできると、センサ装置1への衝撃等によるボンディングワイヤ6の変形を軽減することが可能となる。また、支持部材4(本実施形態ではASIC)の上にセンサ素子2が積層されないことで、ASIC上にセンサ素子2を接着、押圧等することがなくなるため、回路へのダメージを抑制することができる。
【0044】
ボンディングワイヤ6は、センサ素子2と支持部材4との間を電気的に接続する接続経路60の少なくとも一部を構成する。本実施形態では、ボンディングワイヤ6は、支持部材4とセンサ素子2との間を電気的に接続する。すなわち、本実施形態では、ASICからなる支持部材4の支持側電極602と、センサ素子2のセンサ側電極604との間の電気的な接続を、ボンディングワイヤ6にて実現する。また、本実施形態では、支持部材4の送り電極603と、基板3の基板側電極601との間の電気的な接続を、第2ボンディングワイヤ61にて実現する。具体的には、ボンディングワイヤ6の一端部はセンサ素子2のセンサ側電極604に接続され、ボンディングワイヤ6の他端部は支持部材4の支持側電極602に接続されることで、センサ素子2と、支持部材4とを電気的に接続する。また、第2ボンディングワイヤ61の一端部は、支持部材4の送り電極603に接続され、第2ボンディングワイヤ61の他端部は、基板3の基板側電極601に接続されることで、支持部材4と基板3とを電気的に接続する。
【0045】
ボンディングワイヤ6は、センサ側電極604及び支持側電極602に対して、また、第2ボンディングワイヤ61は、送り電極603及び基板側電極601に対して、ウェッジボンディング又はボールボンディングにより接合される。本実施形態では一例として、超音波又は熱等のエネルギを接合部位に印加することで、ボンディングワイヤ6を電極(センサ側電極604又は支持側電極602)に接合し、第2ボンディングワイヤ61を電極(基板側電極601及び送り電極603)に接合する、ウェッジボンディングが採用される。
【0046】
センサ素子2と支持部材4との間を電気的に接続する接続経路60は、ボンディングワイヤ6と、センサ側電極604と、支持側電極602と、を含んでいる。つまり、センサ素子2のセンサ側電極604は、ボンディングワイヤ6を介して支持部材4の支持側電極602に接続され、支持側電極602は、ASICからなる支持部材4の内部回路(処理回路43)に接続される。したがって、接続経路60は、ボンディングワイヤ6、センサ側電極604及び支持側電極602に加えて、ASICからなる支持部材4の内部回路(処理回路43)を含んでいる。要するに、本実施形態では、ボンディングワイヤ6は、センサ素子2と、支持部材4との間を電気的に接続する接続経路60の一部を構成する。
【0047】
本実施形態では、ボンディングワイヤ6は、センサ素子2及び支持部材4の各々の一面であって、互いに交差する2つの接続面間を接続するように設けられている。具体的には、ボンディングワイヤ6は、支持部材4の接続面である支持面41と、センサ素子2の接続面である電極面24と、の間を接続する。つまり、ボンディングワイヤ6にて接続される、互いに交差した2つの接続面は、センサ素子2の一面である電極面24、及び支持部材4の一面である支持面41からなる。
【0048】
より詳細には、ボンディングワイヤ6の両端部は、支持部材4に設けられた支持側電極602及びセンサ素子2に設けられたセンサ側電極604にそれぞれ接続される。つまり、センサ素子2は、ボンディングワイヤ6の一端部が接続されるセンサ側電極604を、接続面としての電極面24に有し、支持部材4はボンディングワイヤ6の一端部が接続される支持側電極602を、接続面としての支持面41に有している。そして、これらセンサ側電極604及び支持側電極602が設けられた2つの接続面(電極面24及び支持面41)は互いに交差する。本実施形態では、2つの接続面(電極面24及び支持面41)は互いに略直交する。
【0049】
要するに、本実施形態ではこのように互いに交差(本実施形態では直交)する2つの接続面(電極面24と支持面41)間が、ボンディングワイヤ6にて直接的に接続されている。そのため、互いに交差する2つの接続面(電極面24と支持面41)間を、例えば、リードフレーム又はフレキシブルフラットケーブル等の配線部材で接続する場合と比較して、2つの接続間で応力が伝わりにくい。つまり、本実施形態に係るセンサ装置1では、互いに交差する2つの接続面間を接続する配線部材はボンディングワイヤ6であるので、一方の接続面からの応力は、ボンディングワイヤ6で緩和され、他方の接続面に伝達されにくくなる。
【0050】
しかも、本実施形態では、2つの接続面(電極面24と支持面41)間を接続するのにボンディングワイヤ6以外の配線部材が不要で、接続経路60の継ぎ目を少なく抑えることが可能である。つまり、例えば、互いに交差する2つの接続面をそれぞれボンディングワイヤを介してリードフレームに接続し、2つの接続面を一対のボンディングワイヤ及びリードフレームで接続するような構成では、ボンディングワイヤ以外の配線部材が必要である。これに対し、本実施形態では、2つの接続面間がボンディングワイヤ6にて直接接続されるので、ボンディングワイヤ6以外の配線部材が不要で、かつ接続経路60の継ぎ目を少なく抑えることができる。
【0051】
さらに、本実施形態では、センサ側電極604は、電極面24において基板3側に位置する。言い換えれば、センサ側電極604は、電極面24における基板3側の端縁(図4Bにおける下端縁)に位置する。これにより、ボンディングワイヤ6の一端部は、電極面24のうち、センサ素子2から見て基板3側の領域に接続されることになる。よって、ボンディングワイヤ6の長さを比較的短く抑えることが可能である。
【0052】
ここにおいて、センサ装置1は、上述したように複数(図1Aでは18本)のボンディングワイヤ6を備えている。互いに交差する2つの接続面の各々には、複数のボンディングワイヤ6を接続するための複数の電極が設けられている。複数の電極は、2つの接続面の両方に平行な一直線に沿って並んでいる。本実施形態では、複数のボンディングワイヤ6にて接続される2つの接続面は、上述したように電極面24及び支持面41に相当する。電極面24には、図1に示すように、複数のボンディングワイヤ6を接続するための複数の電極としてセンサ側電極604が設けられている。支持面41には、図1に示すように、複数のボンディングワイヤ6を接続するための複数の電極として支持側電極602が設けられている。つまり、一方の接続面である電極面24には、複数(図1Aでは18個)のセンサ側電極604が設けられ、これら複数のセンサ側電極604は、2つの接続面(電極面24及び支持面41)の両方に平行な一直線(X軸)に沿って並んでいる。同様に、他方の接続面である支持面41には、複数(図1Aでは18個)の支持側電極602が設けられ、これら複数の支持側電極602は、2つの接続面(電極面24及び支持面41)の両方に平行な一直線(X軸)に沿って並んでいる。
【0053】
このように、2つの接続面(電極面24及び支持面41)の各々に設けられた複数の電極(センサ側電極604又は支持側電極602)は、2つの接続面の両方に平行なX軸に沿って、一列に並ぶように配置されている。そのため、これら複数のセンサ側電極604と複数の支持側電極602とをそれぞれ電気的に接続する複数のボンディングワイヤ6は、図1Aに示すように、X軸に沿って並べて配置されることになる。結果的に、複数のボンディングワイヤ6の長さのばらつきを小さく抑えることができる。
【0054】
ケース7(図2参照)は、基板3と結合される。ケース7は、基板の搭載面31との間に少なくともセンサ素子2を収容する。ケース7は、一例として金属製である。ケース7は、基板3の搭載面31側に固定され、これにより、ケース7と基板3の搭載面31との間にはセンサ素子2、支持部材4、連結部材5及びボンディングワイヤ6が収容される空間が形成される。
【0055】
ケース7は、図2に示すように、ケース本体71と、フランジ部72と、を有している。ケース本体71は、Z軸方向の一面(基板3との対向面)を開口面とする、箱状に形成されている。ケース本体71は、各角部が湾曲したアール(R)形状を有している。フランジ部72は、ケース本体71の開口面の外周縁から、外側に突出した部位である。ケース7は、フランジ部72を基板3のリブ33に結合することにより、基板3に対して結合される。基板3に対するケース7の固定(結合)手段としては、例えば、接着、粘着、ろう付け、溶着又は圧着等の適宜の手段を採用可能である。本実施形態では一例として、基板3とケース7との固定手段は、接着である。
【0056】
ここにおいて、本実施形態では、ケース7は基板3に対して気密結合されることにより、ケース7と基板3の搭載面31との間には、気密空間が形成される。そのため、センサ素子2等は、気密空間に収容されることになり、センサ装置1では、センサ素子2に対する湿度等の影響を抑制することが可能である。
【0057】
ところで、本実施形態に係るセンサ装置1は、図4A及び図4Bに示すように、処理回路43を有している。処理回路43は、本実施形態では、支持部材4としてのASICに設けられている。処理回路43は、センサ素子2から出力される電気信号に関する処理を実行する。本実施形態では、処理回路43は、支持部材4に設けられている。言い換えれば、支持部材4は、センサ素子2から出力される電気信号に関する処理を実行する処理回路43を含んでいる。
【0058】
本実施形態では、処理回路43は、センサ素子2から出力されるアナログの電気信号(アナログ信号)を、デジタル信号に変換する。処理回路43は、ノイズ除去及び温度補償等の適宜の処理を実行する。さらに、処理回路43は、センサ素子2に対して、センサ素子2を駆動するための駆動信号を与える。
【0059】
また、処理回路43は、例えば、積分処理又は微分処理といった演算処理を実行してもよい。例えば、処理回路43は、センサ素子2から出力される電気信号について積分処理を実行することで、Y軸周りの角速度の積分値、つまりY軸周りの角度を求めることが可能である。一方、例えば、処理回路43は、センサ素子2から出力される電気信号について微分処理を実行することで、Y軸周りの角速度の微分値、つまりY軸周りの角加速度を求めることが可能である。
【0060】
次に、本実施形態に係るセンサ装置1の実装基板10への実装態様について説明する。
【0061】
上述した通り、本実施形態では、センサ装置1は、基板3における実装面32をプリント配線板等の実装基板10に向けた姿勢で、実装基板10にフリップチップ実装される場合を想定する。すなわち、センサ装置1は、基板3の実装面32を実装基板10の一表面101に対向させた状態で、実装基板10上に実装される。
【0062】
(3)動作
次に、センサ素子2の構成について、図5A及び図5Bを参照して説明する。図5A及び図5Bは、センサ素子2の動作原理を説明するための概念図である。
【0063】
本実施形態では一例として、センサ素子2は、高周波数(MHz帯域)駆動の容量式バルク超音波ジャイロスコープである。このジャイロスコープ(センサ素子2)は、ベース板、可動部21及び複数の電極22を含んでいる。
【0064】
可動部21はベース板上に絶縁層を介して支持されている。また、複数の電極22は、可動部21を囲むように可動部21の周囲に配置されている。各電極22と可動部21との間には、非常に小さい隙間が形成されている。これら複数の電極22は、可動部21中において少なくとも2つの変性バルク超音波共振モードを励振しかつ検知することができる。
【0065】
可動部21は、共振素子であって、平面視において円形状となる円盤状(ディスク状)に形成されている。ここで、可動部21は、単結晶又は多結晶シリコン等の非圧電性物質であって、圧電性材料から製作されていることを必要としない。可動部21は、例えば、シリコン炭化物、窒化ガリウム、窒化アルミニウム又は石英等の半導体又は金属材料にて構成されていてもよい。
【0066】
複数の電極22は、駆動用電極221と検知用電極222とを含んでいる。そして、可動部21は、歳差運動により、図Aに示す駆動モードと、図Bに示す検知モードとの間で変形する。つまり、円盤状の可動部21は、その中心軸(Y軸に平行な軸)に直交する平面内で、互いに直交する2方向に交互に伸縮する変形を繰り返すように振動する。センサ素子2は、可動部21の変形量(移動量)を電気信号として出力する。すなわち、可動部21の変形量は、可動部21と検知用電極222との間の静電容量の変化として現れるため、センサ素子2は、この静電容量の変化に応じた電気信号を出力する。
【0067】
(4)利点
形状又は寸法の自由度の向上を図りやすいセンサ装置を提供することができる。また、センサ素子2と支持部材4とを分離したことで、分離していない場合と比較すると低背化を図ることができる。この結果、ボンディングワイヤ6の長さを短くすることができ、ボンディングワイヤ6の振動や変形を緩和することができる。また、ASICにセンサ素子2をつけることによるASICへの影響をなくすことができる。
【0068】
(5)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1で参照する図面は、いずれも模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0069】
(5-1)変形例1
実施形態1の変形例1に係るセンサ装置1は、図7に示すように、センサ素子2におけるセンサ側電極604の位置が実施形態1に係るセンサ装置1と相違する。すなわち、実施形態1に係るセンサ装置1では、センサ側電極604はセンサ素子2の基板3側に位置しているのに対し、本変形例では、センサ側電極604は、センサ素子2から見て基板3とは反対側に位置する。
【0070】
本変形例では、センサ側電極604は、L型形状を有する連結部材5のうち、Z方向に突出した部位のX-Z平面における基板3とは反対側のセンサ素子2の端縁(図7の上端縁)に位置する。これにより、ボンディングワイヤ6の一端部は、センサ素子2のZ方向の上端部(基板3とは反対側の領域)に接続されることになる。
【0071】
本変形例に係るセンサ装置1によれば、センサ側電極604と、支持部材4の支持側電極602との距離が確保されるため、センサ素子2と支持部材4との間の隙間G1(図4B参照)によらずに、ボンディングワイヤ6と支持部材4との干渉を回避しやすい。そのため、センサ素子2は、第2面52上における基板3側の端縁に寄せて配置することが可能となり、連結部材5のZ方向の寸法を抑制することが可能である。結果的に、基板3の搭載面31からの連結部材5の突出量を小さく抑えることが可能となり、センサ装置1全体のZ軸方向の寸法(高さ)を比較的小さく抑えることができ、センサ装置1の低背化に寄与する。
【0072】
(5-2)その他の変形例
以下、変形例1以外の変形例を列挙する。
【0073】
実施形態1では、センサ素子2はY軸周りの角速度を検知しているが、この構成に限らず、センサ素子2は、例えば、X軸又はZ軸周りの角速度を検知してもよい。さらに、センサ素子2は、1軸についての角速度に限らず、2軸以上の角速度を検知する構成であってもよい。例えば、センサ素子2は、X軸、Y軸及びZ軸の3軸について、各軸周りの角速度を検知する3軸角速度センサであってもよい。つまり、少なくとも1軸について角速度を検知していればよい。
【0074】
また、センサ素子2は、角速度以外の物理量を検知する構成であってもよい。例えば、センサ素子2は、加速度、角加速度、速度、圧力、重量、長さ(距離)及び温度等の物理量を検知する構成であってもよい。さらに、センサ素子2は、1つの物理量に限らず、複数の物理量を検知する構成であってもよい。例えば、センサ素子2は、角速度と加速度とを検知してもよい。
【0075】
また、センサ素子2は、MEMS技術を用いた素子に限らず、他の素子であってもよい。
【0076】
また、連結部材5に設けられるスペーサ53の数は、4つに限らず、例えば、1つ、2つ、3つ、又は5つ以上であってもよい。また、各スペーサ53の形状についても、ドーム状に限らず、例えば、円柱状、多角柱状、円錐状、多角錐状又は球状等の適宜の形状を採用し得る。
【0077】
また、実施形態1では、センサ装置1が実装基板10にフリップチップ実装される場合を想定したが、センサ装置1の実装方法は、フリップチップ実装に限らない。一例として、センサ装置1は、ワイヤボンディング等のフリップチップ実装以外の表面実装、例えば、電極部分を上面にしてボンディングワイヤ6で繋ぐフェイスアップ実装される構成、又は、基板3にリード端子を設けて実装基板10に対して挿入実装される構成であってもよい。
【0078】
また、基板3の形状及び材質は、実施形態1で示した例に限らない。例えば、基板3は、平面視において長方形状又は円形状等であってもよい。さらに、基板3は、セラミック製に限らず、例えば、樹脂製又はシリコン製等であってもよい。
【0079】
また、支持部材4が処理回路43を含むASICであることは、センサ装置1に必須の構成ではない。支持部材4は、電子部品を含まなくてもよく、単なる板材等の構造体であってもよい。さらに、支持部材4の形状及び材質は、実施形態1で示した例に限らない。例えば、支持部材4は、平面視において長方形状又は円形状等であってもよい。さらに、支持部材4は、例えば、樹脂製、シリコン製又はセラミック製等の部材であってもよい。
【0080】
また、連結部材5の形状及び材質は、実施形態1で示した例に限らない。例えば、連結部材5は、立方体状又は多角柱(三角柱、六角柱等)状等であってもよい。さらに、連結部材5は、LCP樹脂製に限らず、例えば、シリコン製、金属製又はセラミック製等であってもよい。
【0081】
また、接続経路60は、連結部材5の表面に形成される導電路、又は連結部材5に埋設される導電路等を含んでいてもよい。
【0082】
また、連結部材5は中空構造であってもよく、この場合、中実構造の連結部材5に比べて、連結部材5に対して作用する衝撃の緩和を図ることができる。これにより、センサ装置1としての耐衝撃性の向上を図ることができる。
【0083】
(実施形態2)
本実施形態に係るセンサ装置1は、図Aに示すように、連結部材5の形状が実施形態1に係るセンサ装置1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0084】
本実施形態に係るセンサ装置1は、図A~図Cに示すように、基板3と支持部材4との相対的な位置関係が、実施形態1に係るセンサ装置1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。図Bは、図Aの領域Z1に相当する拡大斜視図、図Cは、図Aの領域Z2に相当する拡大斜視図である。
【0085】
本実施形態では、図Aに示すように、支持面41が搭載面31に沿った位置関係となるように、基板3と支持部材4とが結合されている。特に、図Aの例では、支持面41と搭載面31とは、互いに略平行な状態にある。また、本実施形態では、センサ素子2は、連結部材5を介して、基板3の搭載面31上に支持されている。センサ素子2は、連結部材5の第2面52に固定されている。センサ素子2は、平板状に形成されており、Y軸方向に厚みを有している。センサ素子2は、厚み方向の一面側(連結部材5とは反対側)に、電極面24を有している。つまり、センサ素子2の設置面23は、連結部材5に対向する。
【0086】
より詳細には、連結部材5は、基板3の搭載面31に搭載され、基板3とセンサ素子2とを連結する。言い換えれば、連結部材5を介してセンサ素子2が搭載(実装)され、基板3の搭載面31に固定される。そのため、基板3とセンサ素子2との相対的な位置関係は、連結部材5にて規定される。本実施形態に係るセンサ装置1では、基板3とセンサ素子2との位置関係は、センサ素子2の電極面24の法線が支持面41に沿うように、規定される。つまり、電極面24の法線は、支持部材4の支持面41に対して、略平行な状態にある(厳密に平行、又は両者間の角度が数度程度に収まる関係にある)。本実施形態では一例として、電極面24の法線は、支持部材4の支持面41、及び基板3の搭載面31に対して厳密に平行な状態にある。
【0087】
そして、上述したような構成により、連結部材5及びセンサ素子2は、基板3の搭載面31上に立った状態で固定されることになる。言い換えれば、センサ素子2を含む縦型部材50が、基板3の搭載面31上に立った状態で搭載される。ここでは、基板3の搭載面31に搭載される縦型部材50は、センサ素子2と、連結部材5と、を備えている。
【0088】
基板3の搭載面31に対する支持部材4の固定手段としては、例えば、接着、粘着、ろう付け、溶着又は圧着等の適宜の手段を採用可能である。本実施形態では一例として、基板3と支持部材4との固定手段は、接着層501による接着である。同様に、基板3の搭載面31に対する連結部材5の固定手段としては、例えば、接着、粘着、ろう付け、溶着又は圧着等の適宜の手段を採用可能である。本実施形態では一例として、基板3と連結部材5との固定手段は、接着層502による接着である。同様に、センサ素子2に対する連結部材5の第2面52の固定手段としては、例えば、接着、粘着、ろう付け、溶着又は圧着等の適宜の手段を採用可能である。本実施形態では一例として、センサ素子2と連結部材5の第2面52との固定手段は、接着層503による接着である。
【0089】
また、支持部材4は、図Bに示すように、複数の支持側電極602と、複数の送り電極603と、を有している。送り電極603は、導電性材料にて構成されている。送り電極603は、ボンディングワイヤ6Aを電気的に接続するための電極であって、支持面41に形成されている。つまり、支持部材4は、ボンディングワイヤ6Aの一端部が接続される送り電極603を支持面41に有している。ここでは、支持側電極602及び送り電極603は、支持部材4の同一面(支持面41)に設けられている。
【0090】
さらに、センサ素子2は、図Cに示すように、複数のセンサ側電極604を有している。センサ側電極604は、導電性材料にて構成されている。センサ側電極604は、ボンディングワイヤ6Aを電気的に接続するための電極であって、電極面24に形成されている。つまり、センサ素子2は、ボンディングワイヤ6Aの一端部が接続されるセンサ側電極604を電極面24に有している。
【0091】
ボンディングワイヤ6Aは、センサ素子2と基板3との間を電気的に接続する接続経路60(図1A参照)の少なくとも一部を構成する。特に本実施形態では、ボンディングワイヤ6Aは、センサ素子2と支持部材4との間を電気的に接続する。すなわち、本実施形態では、センサ素子2(センサ側電極604)と、ASICからなる支持部材4(支持側電極602)との間の電気的な接続を、ボンディングワイヤ6Aにて実現する。具体的には、ボンディングワイヤ6Aの一端部は支持部材4の支持側電極602に接続され、ボンディングワイヤ6Aの他端部はセンサ素子2のセンサ側電極604に接続されることで、ボンディングワイヤ6Aは、支持部材4とセンサ素子2とを電気的に接続する。
【0092】
センサ素子2と基板3との間を電気的に接続する接続経路60は、「第1のボンディングワイヤ」としてのボンディングワイヤ6Aに加えて、「第2のボンディングワイヤ」としてのボンディングワイヤ61を含んでいる。第2のボンディングワイヤ61は、支持部材4と基板3との間を電気的に接続する。すなわち、本実施形態では、ASICからなる支持部材4(送り電極603)と、基板3との間の電気的な接続を、第2のボンディングワイヤ61にて実現する。具体的には、ボンディングワイヤ61の一端部は基板3の基板側電極601に接続され、ボンディングワイヤ61の他端部は支持部材4の送り電極603に接続されることで、ボンディングワイヤ61は、基板3と支持部材4とを電気的に接続する。
【0093】
(第1の)ボンディングワイヤ6Aは、支持側電極602及びセンサ側電極604に対して、ウェッジボンディング又はボールボンディングにより接合される。本実施形態では一例として、超音波又は熱等のエネルギを接合部位に印加することで、ボンディングワイヤ6Aを電極(支持側電極602又はセンサ側電極604)に接合する、ウェッジボンディングが採用される。同様に、第2のボンディングワイヤ61についても、ウェッジボンディング又はボールボンディングにより接合される。
【0094】
本実施形態では、(第1の)ボンディングワイヤ6Aは、支持部材4及びセンサ素子2の各々の一面であって、互いに交差する2つの接続面間を接続するように設けられている。具体的には、ボンディングワイヤ6Aは、支持部材4の接続面である支持面41と、センサ素子2の接続面である電極面24と、の間を接続する。
【0095】
このように、本実施形態に係るセンサ装置1は、支持面41と電極面24とは互いに交差(本実施形態では直交)する。そして、互いに交差した2つの接続面のうちの1つ(一方の接続面)は、支持部材4の一面としての支持面41である。また、互いに交差した2つの接続面のうちの1つ(他方の接続面)は、センサ素子2の一面としての電極面24である。つまり、ボンディングワイヤ6Aにて接続される、互いに交差した2つの接続面は、センサ素子2の一面である電極面24、及び支持部材4の一面である支持面41からなる。
【0096】
ここで、縦型部材50と基板3とを接合する接着層502(「第2接着層502」ともいう)のヤング率は、支持部材4と基板3とを接合する接着層501(「第1接着層501」ともいう)のヤング率に比べて大きい。すなわち、本実施形態においては、縦型部材50に含まれる連結部材5と基板3との間の固定手段である第2接着層502のヤング率は、支持部材4と基板3との間の固定手段である第1接着層501のヤング率よりも大きい。言い換えれば、連結部材5と基板3との間の第2接着層502は、支持部材4と基板3との間の第1接着層501に比較して、剛性が高く変形しにくい。更に言い換えれば、支持部材4と基板3との間の第1接着層501は、連結部材5と基板3との間の第2接着層502に比較して、剛性が低く変形しやすい。
【0097】
このような関係にある第1接着層501及び第2接着層502によれば、連結部材5(縦型部材50)は基板3に対しては堅牢に固定され、基板3から支持部材4に対しては応力が伝達されにくくなる。その結果、例えば、センサ側電極604にボンディングワイヤ6Aを接合する際に、超音波等によりY軸に沿った外力が縦型部材50に作用しても、基板3に対する縦型部材50(連結部材5)の傾きが生じにくい。その結果、縦型部材50に作用するY軸に沿った超音波等の外力を、センサ側電極604に対するボンディングワイヤ6Aの接合に効率的に利用することが可能である。また、基板3から支持部材4には応力が伝わりにくいため、センサ素子2にまでは応力が作用しにくく、センサ素子2の検知結果に対する応力の影響が生じにくい。
【0098】
また、連結部材5と基板3とを接合する第2接着層502のヤング率は、連結部材5とセンサ素子2とを接合する接着層503(「第3接着層503」ともいう)のヤング率に比べて大きい。すなわち、本実施形態においては、縦型部材50に含まれる連結部材5と基板3との間の固定手段である第2接着層502のヤング率は、連結部材5とセンサ素子2との間の固定手段である第3接着層503のヤング率よりも大きい。言い換えれば、連結部材5と基板3との間の第2接着層502は、連結部材5とセンサ素子2との間の第3接着層503に比較して、剛性が高く変形しにくい。更に言い換えれば、連結部材5とセンサ素子2との間の第3接着層503は、連結部材5と基板3との間の第2接着層502に比較して、剛性が低く変形しやすい。
【0099】
このような関係にある第3接着層503及び第2接着層502によれば、連結部材5(縦型部材50)は基板3に対しては堅牢に固定され、連結部材5から基板3に対しては応力が伝達されにくくなる。その結果、例えば、センサ側電極604にボンディングワイヤ6Aを接合する際に、超音波等によりY軸に沿った外力が縦型部材50に作用しても、支持部材4に対する縦型部材50(連結部材5)の傾きが生じにくい。その結果、縦型部材50に作用するY軸に沿った超音波等の外力を、センサ側電極604に対するボンディングワイヤ6Aの接合に効率的に利用することが可能である。また、基板3から連結部材5に応力が作用することがあっても、連結部材5から基板3には応力が伝わりにくいため、センサ素子2にまでは応力が作用しにくく、センサ素子2の検知結果に対する応力の影響が生じにくい。
【0100】
また、本実施形態では、実装基板10への実装態様についても実施形態1に係るセンサ装置1と相違する。すなわち、実施形態1に係るセンサ装置1は、金(Au)バンプ、又は、はんだ等にて実装基板10に接合されるのに対し、本実施形態に係るセンサ装置1は、端子部材110にて実装基板10に接合される。
【0101】
本実施形態において、センサ装置1は、図Aに示すように、基板3の実装面32を実装基板10の一表面101に対向させた状態で、実装基板10上に実装される。端子部材110はばね性(弾性)を有する部材であって、端子部材110の一部が基板3に固定されている。ここでは一例として、端子部材110は、導電性を有する金属(例えば、銅又は銅合金等)にて構成されたリード端子である。センサ装置1は、基板3の実装面32の外周縁に沿って複数の端子部材110を有している。つまり、複数の端子部材110は、実装面32の外周縁に沿って並んで配置されている。
【0102】
各端子部材110は、図Aに示すように、第1端子片111、第2端子片112、第3端子片113及び第4端子片114を有し、全体として略C字状に形成されている。第1端子片111と第3端子片113とは、互いに平行な位置関係にある。第2端子片112は、第1端子片111の一端と第3端子片113の一端とを連結する。第4端子片114は、第3端子片113における第2端子片112とは反対側の端部から、第1端子片111に向けて突出している。このような形状の端子部材110において、第1端子片111が、はんだ等により基板3の実装面32に接続される。また、第3端子片113は、はんだ等により実装基板10の一表面に接続される。このようにして、端子部材110は、その一部が基板3に固定され、他の一部が実装基板10に固定される。
【0103】
以上説明した構成によれば、少なくとも第2端子片112の一部(中央部付近)は、基板3と実装基板10とのいずれに対しても、直接的には固定されない状態となる。そのため、端子部材110は、少なくとも第2端子片112のばね性(弾性)により、第2端子片112がたわむことで、実装基板10と基板3との間で伝達される応力を低減できる。よって、例えば、実装基板10と基板3との熱膨張係数の違い等により、実装基板10から端子部材110に応力が作用しても、この応力は端子部材110にて低減され、基板3には伝わりにくく、センサ素子2の検知結果に対する応力の影響が生じにくい。
【0104】
また、本実施形態においても、基板3の実装面32と実装基板10の一表面101とは、アンダーフィルにより機械的に結合されていてもよい。
【0105】
(実施形態2の変形例)
は、実施形態2の変形例に係るセンサ装置1Cを示している。本変形例に係るセンサ装置1Cでは、連結部材5が省略されている。そのため、搭載面31に搭載される縦型部材50は、センサ素子2のみからなる。以下、実施形態2と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0106】
このセンサ装置1Cでは、縦型部材50(センサ素子2)は、センサ素子2の電極面24の法線が支持面41に沿った位置関係となるように、基板3に固定されている。ここで、センサ素子2は、基板3の搭載面31上に直接的に搭載される。基板3(搭載面31)に対するセンサ素子2の固定手段としては、例えば、接着、粘着、ろう付け、溶着又は圧着等の適宜の手段を採用可能である。本変形例では、一例として、基板3とセンサ素子2との固定手段は、接着層504による接着である。
【0107】
ここで、縦型部材50(センサ素子2)と基板3とを接合する接着層504(「第4接着層504」ともいう)のヤング率は、支持部材4と基板3とを接合する第1接着層501のヤング率に比べて大きい。すなわち、本変形例においては、縦型部材50に含まれるセンサ素子2と基板3との間の固定手段である第4接着層504のヤング率は、支持部材4と基板3との間の固定手段である第1接着層501のヤング率よりも大きい。言い換えれば、センサ素子2と基板3との間の第4接着層504は、支持部材4と基板3との間の第1接着層501に比較して、剛性が高く変形しにくい。
【0108】
実施形態2で説明した構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0109】
(実施形態3)
本実施形態に係るセンサ装置1Dは、図9に示すように、基板3と、支持部材4及びセンサ素子2との相対的な位置関係が、実施形態1に係るセンサ装置1と相違する。以下実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0110】
本実施形態では、図9に示すように、連結部材5は平板状である。また、連結部材5上に支持部材4とセンサ素子2とを同一平面上に配置し、かつ基板3の搭載面31と連結部材5とは略垂直な状態で固定されている。言い換えると、センサ素子2及び支持部材4を含む縦型部材55が、基板3の搭載面31上に立った状態で搭載される。ここでは、基板3の搭載面31に搭載される縦型部材55は、センサ素子2と、支持部材4と、連結部材5と、を備えている。
【0111】
本実施形態では、センサ素子2と支持部材4とは同一平面上にあって、ボンディングワイヤ6Dにより、電気的に接続されている。同一平面上でセンサ素子2と支持部材4とが、ボンディングワイヤ6Dにより電気的に接続されることで、ボンディングワイヤ6Dの長さを短くすることができる。ボンディングワイヤ6の長さを短くすることができると、センサ装置1Dに衝撃等が加わったときに、ボンディングワイヤ6が変形することを抑制することができる。また、ボンディングワイヤ6Dの長さが短くなることにより、振動(例えば、車の振動)の影響を受けにくくなる。
【0112】
また、基板3からセンサ素子2への応力は、連結部材5により緩和することができる。
【0113】
(変形例)
以下に、変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記各実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0114】
実施形態3では、縦型部材55が基板3の搭載面31上に立てて固定されている、としたが、この構成に限定されない。縦型部材55は、基板3の搭載面31上に伏せて固定されていてもよい。このときも実施形態3と同様に、基板からの応力は、連結部材5により緩和することができる。また、センサ素子2と支持部材4との接続については、実施形態3と同様であるので、ボンディングワイヤ6Dが短くなることによる効果についても実施形態3と同様である。
【0115】
(実施形態4)
本実施形態に係るセンサ100aは、図10Aに示すように、実装基板10aの成形樹脂による台座にセンサ装置1を実装する点が、実施形態1に係るセンサ装置1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0116】
本実施形態に係るセンサ100aは、実装基板10aと、センサ装置1と、を有する。センサ装置1は実施形態1と同様であるので、説明は省略する。
【0117】
実装基板10は、金型の上型と下型を用いた樹脂成型品であり、図11A及び図11Bに示すように、ウェルドライン132や端子127などの装填部に成形バリ131が発生しやすい領域がある。実装時にセンサ100を掴んだり、片寄せにして位置決めの検査に使用するときに、成形バリ131の影響によりセンサ100の位置決め精度が低下することがあった。このため、センサ100の実装傾きの精度や特性計測時の姿勢の精度などが悪化していた。
【0118】
これに対して、実装基板10aは、センサ100aを実装するときに、センサ100aの位置決めをするときの基準面128に、成形バリ131が存在しないようにウェルドライン132の位置を位置決め面からずらしている。言い換えると、センサ100aは、センサ装置1と、センサ装置1を搭載すると、を備える。実装基板10aでは、位置決めするときの基準面128とは別の面134に成形バリ131が存在する。具体的には、実装基板10aの樹脂成型時において、金型の上型125により成形される部分と金型の下型126で形成される部分とに対して、位置決めをするときの基準面128を実装基板中心から見て外側にずらしている。成形バリ131は、ウェルドライン132の付近に発生しやすいため、成形バリ131の発生しやすい領域と、位置決めをするときの基準面128とをずらすことができる。図10AのA-A断面図を図12に示す。図12では、成形バリ131の発生しやすい領域と、位置決めをするときの基準面128とがずれている。このことから、センサ100aの基板実装時において、位置決め用クランパ等で位置決めしたときに、センサ100aは成形バリ131の影響を受けることを抑制することができる。
【0119】
(実施形態4の変形例1)
以下に、変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記各実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0120】
本変形例に係る実装基板10bは、製品の位置決めに使用する面に成形バリ131が存在しないように端子が樹脂から露出する位置を位置決め面からずらしている点が、実施形態4と相違する。言い換えると、実装基板10bが有する端子127は、別の面134から露出する。
【0121】
従来は、位置決めをするときの基準面128と、端子127の樹脂からの露出部であって成形バリ131が発生しやすい領域と、が同一面上に存在していた。このため、例えば、ロボットが機械的にセンサ100bを掴むときに、成形バリ131の影響により位置決め精度が悪化していた。
【0122】
そこで、本変形例1は、樹脂より成形される位置決めをするときの基準面128と、端子127の樹脂からの露出部とをずらすことにより、成形バリ131が存在しても位置決め精度の悪化を抑制することができる。具体的には、図11Bに示すように、実装基板10bは、樹脂成型時の金型において位置決めをするときの基準面128に対して、端子127の樹脂からの露出部を実装基板10bの内側(中心方向)にずらしている。端子127の樹脂からの露出部は、成形バリ131の発生しやすい領域であるが、成形バリ131が存在しても、位置決めをするときの基準面128からはずれおり、位置決めをするときの基準面128に成形バリ131が存在しにくくなっている。このため、センサ100bがプリント基板等へ実装されるとき等の位置決めにおいて、成形バリ131の影響を軽減することができ、実装時のセンサ100bの傾き等を抑制することができる。
【0123】
(実施形態4の変形例2)
本変形例に係る実装基板10cは、実装基板10cの四隅に成形前には端子を固定するためにインサート端子を形成し、成形後にはインサート端子を引き抜かれている点が、実施形態3とは異なる。
【0124】
実装基板の四隅は金型の上型と下型がかみ合わせる部分であるので、成形バリ131が発生する。さらに、本変形例では実装基板10cの成形後にインサート端子127を抜くために、成形バリ131や抜いたときの塵芥が発生する。そこで、本変形例に係る実装基板10cは、図10Bに示すように、成形時にインサート端子127を四隅に導入することと、金型において位置決めをするときの基準面128とインサート端子127の樹脂からの露出部をずらすことにより、成形バリ131の影響を抑制することができる。このため、機械的に製品を保持したり、位置決めしたりするときの製品の傾きが抑制できる。
【0125】
(実施形態5)
本実施形態5に係るセンサ100dは、図13Aに示すように、センサ装置1と実装基板10との設置状態が実施形態4と相違する。本実施形態では、センサ装置1と実装基板10との接続において、後述する突起部121を設ける点が実施形態4とは異なる。本実施形態のセンサ100dは、センサ装置1と、実装基板10と、突起部121と、接着剤133と、を有する。
【0126】
本実施形態では、センサ装置1と実装基板10との接続は、接着剤133とはんだで接続している。接着剤133はもともと液状であるために、固まるときに収縮する。また、はんだについてもリフローするために、固まるときにセンサ装置1と実装基板10とが平行にならずに、傾いてしまう課題点があった。具体的には、軸がずれてしまうとセンサ装置1の他軸感度が悪化してしまう懸念があった。
【0127】
図13AのX-X断面図を図13Bに示す。本実施形態では、樹脂で成形された実装基板10に、樹脂で突起部121を形成し、突起部121がセンサ装置1と接着することにより、センサ装置1は実装基板10の一表面101と平行に実装される。これら少なくとも3つ以上の突起部121は、実装基板10dの少なくとも3つ以上の隅C1にそれぞれ対応するように設けられている。具体的には、実装基板10の四隅に4つのL字型の突起部121を形成し、4つの突起部121を基準面としてセンサ装置1を設置する。言い換えると、センサ装置1と実装基板10dとの接続において、実装基板10に少なくとも3つ以上の突起部121を設け、センサ装置1は、少なくとも3つ以上の突起部121と接合されることで実装基板10dに搭載される。
【0128】
センサ装置1と実装基板10とを固定するものは、はんだ単体であっても、はんだ及び接着剤133の両方であってもよい。つまり、はんだと接着剤133との少なくとも一方を用いればよい。実装基板10の4つの突起部121は、4つの突起部121を基準とすることで、はんだや接着剤133などの非固形状態を有する材料の影響を抑制することができる。はんだと接着剤133と両方を用いてセンサ装置1と実装基板10とを接着させる場合には、はんだと接着剤133は同じ高さを有している。
【0129】
(実施形態5の変形例1)
以下に、変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記各実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0130】
センサ装置1と実装基板10との設置面は、実施形態5では非対称に応力がかからないように4点としたが、本変形例では3点である点が実施形態5とは異なる。設置面が3点の場合には対称性等の問題もあるので、設置面はできるだけ対称な位置に3点設けることが好ましい。
【0131】
(実施形態5の変形例2)
本変形例では、4つの突起部121における実装基板10の中心側の周縁に沿って、更に溝部129を設ける点が実施形態5とは異なる。溝部129は、はんだを用いて接着している領域に接着剤133が流れ込むことを抑制する。接着剤133は、突起部121と溝部129を設けることにより、はんだで接続している領域に流れ込みにくくなる。
【0132】
(実施形態6)
実施形態6に係るセンサ100eは、図14Aに示すように、実装基板10にリード端子を追加する点が実施形態4と相違する。本実施形態のセンサ100eは、センサ装置1と、実装基板10eと、リード端子124,130と、を有する。図14B図14AのY-Y断面図を示す。略正方形状の実装基板10eにおいて、1つの辺について最も外に位置する4本ずつ、合計16本のリード端子を追加している。具体的には、実装基板10eの各辺の最外部にリード端子124、最外部から2本目の位置にリード端子130を追加している。実装基板10eの1つの辺の両端部に2本ずつ、リード端子が追加して配置されている。最外部に位置するリード端子124は、隣接する辺の最外部のリード端子124とはんだによって電気的に接続されている。また、最外部から2番目に位置するリード端子130は、隣接する辺の最外部から2番目のリード端子130と、はんだによって電気的に接続されている。追加したリード端子はダミー端子である。以下、リード端子124,130をダミー端子124,130と記載する場合がある。
【0133】
略正方形状の実装基板10eにおいて、1つの辺に沿った方向を第1方向D1とし、隣接する辺に沿った方向を第2方向D2とする。ここで、第2方向D2は、第1方向D1と直交する。このとき、実装基板10eにおいて第1方向D1に1つ以上の第1端子122と第1ダミー端子としてのダミー端子124,130とが設けられている。さらに、実装基板10eにおいて第2方向D2に1つ以上の第2端子122と第2ダミー端子としてのダミー端子124,130が、設けられている。第1ダミー端子は、1つ以上の第1端子122の最外部に配置され、第2ダミー端子は、1つ以上の第2端子122の最外部に配置される。第1ダミー端子と第2ダミー端子とは、実装基板10eを介して接続されている。例えば、第1ダミー端子としてのダミー端子124と、第2ダミー端子としてのダミー端子124とが、実装基板10eを介して接続されている。第1ダミー端子としてのダミー端子130と、第2ダミー端子としてのダミー端子130とが、実装基板10eを介して接続されている。
【0134】
広い温度範囲でセンサ100eを使用すると、はんだが劣化を受けやすい。はんだの劣化は、例えば、はんだが割れる、はんだの抵抗が上昇する、ということが挙げられる。一番外側の端子が劣化が早く進むので、外側の実際の端子122の外側にダミー端子を2本ずつ設けることにより、内側の端子に劣化が及ぶことが抑制できる。
【0135】
また、互いに接続されたダミー端子を支持部材4(ここではASIC)に接続し、抵抗値をモニタリングすることによって、はんだの劣化状況を検査することができる。言い換えると、第1ダミー端子124と、第2ダミー端子124とは、実装基板10eを介して、処理回路43に接続されている。具体的には、ASICからセンサ装置1への接続、リード端子124、実装基板10eから基板3につなぐはんだ、基板3と実装基板10eをつなぐはんだ及びリード端子124を介してループ状の回路を形成することにより、はんだの劣化状況を検査することができる。
【0136】
(実施形態6の変形例)
以下に、変形例について記載する。なお、以下に説明する変形例は、上記各実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0137】
ダミー端子は実装基板10eの1つの辺の両端部に2本ずつ、1つの辺に合計4本としたが、この構成に限定されない。最外部と実端子との間に、更に端子を追加してもよい。実端子への応力集中を更に低減することができる。
【0138】
(まとめ)
以上、説明したように、第1の態様に係るセンサ装置(1,1A~1D)は、センサ素子(2)と、支持部材(4)と、基板(3)と、ボンディングワイヤ(6,6A,6D)と、を備える。支持部材(4)は、センサ素子(2)と電気的に接続される。基板(3)は支持部材(4)と電気的に接続される。ボンディングワイヤ(6,6A,6D)は、センサ素子(2)と支持部材(4)とを電気的に接続する接続経路(60)の少なくとも一部を構成する。基板(3)とセンサ素子(2)が設置される設置部材とは互いに交差し、センサ素子(2)と支持部材(4)とは分離している。
【0139】
この態様によれば、センサ素子(2)と基板(3)との間を電気的に接続するための接続経路(60)の少なくとも一部が、互いに交差する基板と設置部材との間を接続するボンディングワイヤ(6,6A,6D)にて実現される。このため、支持部材(4)が基板(3)に対して交差するように設けられる場合に比べると、センサ装置(1,1A~1D)を低背化することが可能である。低背化できることで、ボンディングワイヤ(6,6A,6D)が短くなるため、ボンディングワイヤが変形しにくくなり、また衝撃による影響を軽減することができる。また、形状又は寸法の自由度の向上を図りやすい、という利点がある。
【0140】
第2の態様に係るセンサ装置(1,1A~1D)では、第1の態様において、センサ素子(2)が設置される設置部材と、基板(3)とは直交する。
【0141】
この態様によれば、センサ装置(1,1A~1D)の調整が実施しやすくなる。
【0142】
第3の態様に係るセンサ装置(1,1A~1D)では、第1又は第2の態様において、ボンディングワイヤ(6,6A)は、互いに交差する支持部材(4)とセンサ素子(2)とを接続する。
【0143】
第3の態様によれば、互いに交差する支持部材(4)とセンサ素子(2)とをボンディングワイヤ(6,6A,6D)にて接続することで、ボンディングワイヤ(6,6A,6D)の長さを短くすることができる。
【0144】
第4の態様に係るセンサ装置(1,1A~1D)では、第1~第3のいずれかの態様において、設置部材を含み、基板(3)に設けられる連結部材(5)を更に備え、センサ素子(2)は、連結部材(5)を介して間接的に基板(3)に搭載される。
【0145】
この態様によれば、連結部材(5)により、センサ素子(2)への応力を緩和することができる。
【0146】
第5の態様に係るセンサ装置(1,1A~1D)では、第4の態様において、連結部材(5)は、基板(3)に積層される第1部材と、設置部材としての第2部材とを有し、第1部材と、第2部材とは交差する。
【0147】
この態様によれば、基板(3)とセンサ素子(2)とは交差し、縦型のセンサ装置(1,1A~1D)を提供できる。また、形状又は寸法の自由度の向上を図りやすい、という利点がある。
【0148】
第6の態様に係るセンサ装置(1,1A~1D)では、第4又は第5の態様において、センサ素子(2)と、支持部材(4)とは、連結部材(5)の同一面上にある。
【0149】
この態様によれば、センサ素子(2)と支持部材(4)とを接続するボンディングワイヤ(6)を短くすることができる。ボンディングワイヤ(6,6A,6D)が短くなると、共振しにくくなり、また変形しにくくなる。
【0150】
第7の態様に係るセンサ装置(1,1A~1D)では、第1~第6のいずれかの態様において、基板(3)はセンサ素子(2)を含む縦型部材(50)が搭載される搭載面(31)を有し、縦型部材(50)は、センサ素子(2)の電極面(24)の法線(L1)が支持部材(4)の支持面(41)に沿った位置関係となるように搭載面(31)に固定されている。
【0151】
この態様によれば、センサ素子(2)を支持部材(4)に対して立てた状態で搭載することができる。
【0152】
第8の態様に係るセンサ(100,100a~100e)は、第1~第7のいずれかの態様のセンサ装置(1,1A~1D)と、センサ装置(1,1A~1D)を搭載する実装基板(10,10a~10e)と、を備える。実装基板(10,10a~10e)は、位置決めをするときの基準面(128)とは別の面(134)に成形バリ(131)が存在する。
【0153】
この態様によれば、センサ(100,100a~100e)の取り付けにおいて、成形バリ(131)による位置ずれやセンサ軸のずれを抑制することができる。
【0154】
第9の態様に係るセンサ(100,100a~100e)では、第8の態様において、実装基板(10,10a~10e)が有する端子(127)は、別の面(134)から露出する。
【0155】
この態様によれば、端子(127)の影響による成形バリ(131)が位置決めをするときの基準面(128)とば別の面(134)に存在することによって、センサ(100,100a~100e)の位置決めをするときの成形バリ(131)の影響を抑制することができる。
【0156】
第10の態様に係るセンサ(100,100a~100e)では、第8又は第9の態様において、実装基板(10,10a~10e)に少なくとも3つ以上の突起部(121)を設け、センサ装置(1,1A~1D)は少なくとも3つ以上の突起部(121)と接合されることで実装基板に搭載される。
【0157】
この態様によれば、はんだや接着剤等の影響によらずにセンサ装置(1,1A~1D)と実装基板(10,10a~10e)とを接合することができるため、接続が安定する。
【0158】
第11の態様に係るセンサ(100,100a~100e)では、第10の態様において、少なくとも3つ以上の突起部(121)は、実装基板(10,10a~10e)の少なくとも3つ以上の隅(C1)にそれぞれ対応するように設けられている。
【0159】
この態様によれば、基準となる突起部(121)を対称な位置から選定することができる。また、突起部(121)は接着剤の流出を抑制できる。
【0160】
第12の態様に係るセンサ(100,100a~100e)では、第10又は第11の態様において、少なくとも3つ以上の突起部(121)の各々は、当該突起部(121)における実装基板の中心側の周縁に沿って溝部(129)を有する。
【0161】
この構成によると、溝部(129)に接着剤がたまることによって、接着剤の流出を抑制することができる。
【0162】
第13の態様に係るセンサ(100,100a~100e)では、第8~第12のいずれかの態様において、センサ装置(1,1A~1D)と実装基板(10,10a~10e)との固定は、はんだと接着剤との少なくとも一方を用いる。
【0163】
この態様によると、電気的な接続には少なくともはんだを用い、その他の場合にははんだと接着剤との少なくとも一方を用いることで、好適にセンサ装置(1,1A~1D)と実装基板(10,10a~10e)とを固定することができる。
【0164】
第14の態様に係るセンサ(100,100a~100e)では、第8~第13のいずれかの態様において、実装基板(10,10a~10e)において、第1方向(D1)に1つ以上の第1端子(122)と第1ダミー端子(例えば、ダミー端子124,130)とが、第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)に1つ以上の第2端子(122)と第2ダミー端子(例えば、ダミー端子124,130)とが、設けられている。第1ダミー端子は、1つ以上の第1端子(122)の最外部に配置され、第2ダミー端子は1つ以上の第2端子(122)の最外部に配置される。第1ダミー端子と第2ダミー端子とは、実装基板(10,10a~10e)を介して接続されている。
【0165】
この態様によれば、センサ(100,100a~100e)に対する温度、応力等により、最外部からはんだが劣化することをダミー端子(124,130)により緩和することができる。
【0166】
第15の態様に係るセンサ(100,100a~100e)では、第14の態様において、第1ダミー端子と第2ダミー端子とは、実装基板(10,10a~10e)を介して、処理回路(43)に接続されている。
【0167】
この態様によれば、第1ダミー端子と第2ダミー端子とを処理回路(43)に繋ぐことで、はんだが劣化することによる故障を予知検知することができる。
【符号の説明】
【0168】
1,1A,1B,1C,1D センサ装置
2 センサ素子
3 基板
4 支持部材
5 連結部材
6 ボンディングワイヤ
50 縦型部材
31 搭載面
24 電極面
L1 電極面の法線
41 支持面
10,10a,10b,10c,10d,10e 実装基板
100,100a,100b,100c,100d,100e センサ
121 突起部
127 端子
128 基準面
134 別の面
129 溝部
124,130 リード端子(ダミー端子、第1ダミー端子、第2ダミー端子)
43 処理回路
C1 隅
D1 第1方向
D2 第2方向
図1
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