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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】シートフレーム
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/68 20060101AFI20230922BHJP
   B60N 2/30 20060101ALN20230922BHJP
【FI】
B60N2/68
B60N2/30
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020087847
(22)【出願日】2020-05-20
(65)【公開番号】P2021181282
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 和秀
(72)【発明者】
【氏名】藤代 俊
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 英樹
(72)【発明者】
【氏名】二村 浩士
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-042289(JP,A)
【文献】特開2004-291685(JP,A)
【文献】特開2008-049922(JP,A)
【文献】特開2011-183982(JP,A)
【文献】特開2017-218153(JP,A)
【文献】特開2012-144090(JP,A)
【文献】特開2017-124721(JP,A)
【文献】特開2018-199353(JP,A)
【文献】特開2005-297870(JP,A)
【文献】特開2013-067307(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0281635(US,A1)
【文献】独国実用新案第202015101710(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 - B60N 2/90
A47C 7/00 - A47C 7/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物用シートをフロアに対して支えるレッグと、該レッグに溶接される補強用のパネルと、を有するシートフレームであって、
前記レッグが、
上向き開口となるU字状の横断面でシート前後方向に延びるU字断面部と、
該U字断面部の側部に貫通して形成され、前記パネルがシート幅方向に通される通し孔と、
該通し孔に通された前記パネルを前記U字断面部の底部に当接させた状態として前記パネルを前記U字断面部に溶接する溶接部と、を有するシートフレーム。
【請求項2】
請求項1に記載のシートフレームであって、
前記U字断面部の前記側部が、前記通し孔の上方に前記通し孔を上方開口形状としない肉部を有するシートフレーム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のシートフレームであって、
前記通し孔が、前記U字断面部の前記底部の側方を開口させる前記側部の下端箇所に形成されるシートフレーム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のシートフレームであって、
前記溶接部が、前記U字断面部の前記底部に形成されるシートフレーム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のシートフレームであって、
前記通し孔が、シート前後方向に2つに分かれて形成され、前記パネルが、2つに分かれた前記通し孔にそれぞれ通されて前記U字断面部に溶接される2つに分かれた通し部を有するシートフレーム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のシートフレームであって、
前記U字断面部の前記側部の上縁が、前記パネルの前記フロアと溶接される固定部よりも高い配置とされるシートフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートフレームに関する。詳しくは、乗物用シートをフロアに対して支えるレッグと、レッグに溶接される補強用のパネルと、を有するシートフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗物用のシートフレームとして、シートクッションをフロアに対して支える左右一対のレッグの間に補強用のパネルが架け渡された構成が知られている(特許文献1)。上記左右一対のレッグは、それぞれ、上向き開口となるU字断面とされ、それらの上面に補強用のパネルを乗せて溶接するための蓋部材が溶接された構成とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-218005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レッグの上面に蓋部材を溶接する必要があることから、全体重量及び製造コストが嵩む構成となる。また、補強用のパネルをレッグの上面に乗せられる位置まで曲げる必要があり、パネルの大型化及び構造強度の低下を招く。そこで、本発明は、U字状の開口断面を持つレッグに対し補強用のパネルを側方から合理的に接合することのできるシートフレームを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のシートフレームは次の手段をとる。
【0006】
すなわち、本発明は、乗物用シートをフロアに対して支えるレッグと、レッグに溶接される補強用のパネルと、を有するシートフレームである。レッグが、上向き開口となるU字状の横断面でシート前後方向に延びるU字断面部と、U字断面部の側部に貫通して形成され、パネルがシート幅方向に通される通し孔と、通し孔に通されたパネルをU字断面部の底部に当接させた状態としてパネルをU字断面部に溶接する溶接部と、を有する。
【0007】
上記構成によれば、補強用のパネルを、U字断面部の側部に空けられた通し孔に通すことで、レッグの上面に乗せる位置まで曲げることなく短い長さでレッグのU字断面部に溶接することができる。詳しくは、パネルを短い長さかつ少ない曲げ量でU字断面部の底部に当接させて溶接することができ、レッグに対して高い構造強度を持たせた状態に接合することができる。
【0008】
また、本発明は、更に次のように構成されていても良い。U字断面部の側部が、通し孔の上方に通し孔を上方開口形状としない肉部を有する。
【0009】
上記構成によれば、U字断面部の側部の構造強度を大きく低下させることなく通し孔を形成することができる。
【0010】
また、本発明は、更に次のように構成されていても良い。通し孔が、U字断面部の底部の側方を開口させる側部の下端箇所に形成される。
【0011】
上記構成によれば、補強用のパネルを、通し孔からより短い長さかつ少ない曲げ量でU字断面部の底部に当接させることができる。
【0012】
また、本発明は、更に次のように構成されていても良い。溶接部が、U字断面部の底部に形成される。
【0013】
上記構成によれば、補強用のパネルを、U字断面部の底部に対して、より合理的に当接及び溶接することができる。
【0014】
また、本発明は、更に次のように構成されていても良い。通し孔が、シート前後方向に2つに分かれて形成される。パネルが、2つに分かれた通し孔にそれぞれ通されてU字断面部に溶接される2つに分かれた通し部を有する。
【0015】
上記構成によれば、通し孔を大型化することなく、補強用のパネルをシート前後方向の広い範囲に亘って通せるようになる。したがって、U字断面部の側部の構造強度を大きく低下させることなく実質的に広い通し孔を形成することができる。
【0016】
また、本発明は、更に次のように構成されていても良い。U字断面部の側部の上縁が、パネルのフロアと溶接される固定部よりも高い配置とされる。
【0017】
上記構成によれば、補強用のパネルをより効果的に短い長さかつ少ない曲げ量でU字断面部の底部に当接させて溶接することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態に係るシートフレームの構成を表す斜視図である。
図2】シートフレームを格納状態に切り替えた状態を表す斜視図である。
図3】シートフレームの前部領域を拡大した斜視図である。
図4図3のIV-IV線断面図である。
図5図3のV-V線断面図である。
図6】他の実施形態に係るシートフレームの構成を表す図4に対応する断面図である。
図7】他の実施形態に係るシートフレームの構成を表す図4に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
《シートフレーム10の概略構成について》
始めに、本発明の第1の実施形態に係るシートフレーム10の構成について、図1図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。また、「シート幅方向」と示す場合には、後述するシート1の左右方向を指すものとする。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係るシートフレーム10は、自動車の後部側座席を成すシート(乗物用シート)1のフレームとして構成される。上記シート1は、着座者の背凭れ部となるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、頭凭れ部となる不図示のヘッドレストと、を有する構成とされる。
【0022】
シートフレーム10は、シートバック2の骨格を成すバックフレーム11と、シートクッション3の骨格を成すクッションフレーム12と、バックフレーム11及びクッションフレーム12をフロアFに対してそれぞれ支える左右一対のレッグ13と、各レッグ13の前部間に架け渡された補強用のパネル14と、を有する。バックフレーム11は、正面視枠状に組まれた構成とされる。
【0023】
上記バックフレーム11は、その左右両サイドの下端部が、それぞれ、リクライナ11Aを介して各側のレッグ13に連結されている。それにより、バックフレーム11は、通常の使用時には、フロアFに対する起立角度が固定された状態として保持される。しかし、バックフレーム11は、シート1に設けられた不図示のレバーが操作されることにより、各側のリクライナ11Aによるロックが解除されて、フロアFに対する起立角度をシート前後方向に調節することができる状態へと切り替えられる。
【0024】
また、バックフレーム11は、上記不図示のレバーの操作が解かれることにより、上記調節された角度位置でフロアFに対する起立角度が固定された状態に戻される。詳しくは、バックフレーム11は、フロアFに対して真っ直ぐ起立した角度から後側の領域では、レバーの操作が戻されることで起立角度が固定された状態に戻される。しかし、バックフレーム11は、フロアFに対して前傾した角度まで倒されることにより、レバーの操作が戻されても、フロアF上に落とし込まれる位置まで前に倒されるようになっている(図2参照)。
【0025】
図1に示すように、クッションフレーム12は、平面視枠状に組まれた構成とされる。上記クッションフレーム12は、その前枠部が、左右一対の制御リンク12Aを介してフロアF上のパネル14に連結されている。また、クッションフレーム12は、その左右両サイドの後端部が、それぞれ、不図示のスライドピンを介して各側のレッグ13に形成されたシート前後方向に延びる長孔13Aに対してスライド可能なように連結されている。
【0026】
上記クッションフレーム12は、通常の使用時には、上記不図示の各スライドピンが各レッグ13の長孔13Aの前端部にロックされた状態として、バックフレーム11との間で側面視L字状の着座面形状を成す状態に保持される。しかし、クッションフレーム12は、上述した不図示のレバーが操作されてバックフレーム11が前に倒される動作により、各レッグ13の長孔13Aに対するスライドのロックが解除されて、各制御リンク12Aの後回転に伴って各レッグ13の長孔13Aに沿って後下側へとスライドする。
【0027】
それにより、クッションフレーム12は、不図示の車両のラゲージフロアの下側に潜り込んだ状態に格納される。また、バックフレーム11は、上記不図示のラゲージフロアの前部にシートバック2の背裏部を面一状に並べる形に倒し込まれる。
【0028】
図3図4に示すように、各レッグ13は、それらの前部領域に、上向き開口となるU字状の横断面でシート前後方向に延びるU字断面部13Bを有する形状とされる。上記各レッグ13には、それらのU字断面部13Bの間に、シート幅方向に延びる補強用のパネル14が架け渡されて溶接されている(溶接部W1)。以下、各レッグ13のU字断面部13B及び補強用のパネル14の具体的な構成について詳しく説明する。
【0029】
各レッグ13のU字断面部13Bは、それぞれ、フロアF上に接地される平板状の底部13B1と、底部13B1のシート幅方向の内側の縁部から立ち上がる立板状の内側部13B2と、底部13B1のシート幅方向の外側の縁部から立ち上がる立板状の外側部13B3と、を有するU字状の横断面形状とされる。ここで、各内側部13B2が、本発明の「側部」に相当する。
【0030】
図3に示すように、上記各内側部13B2には、それらの下端箇所に、パネル14の対応する各側の端部(通し部14A)をシート幅方向の内側から通す通し孔13B4が形成されている。これら通し孔13B4は、図4に示すように、各内側部13B2と各底部13B1との角部を肉抜きする形に貫かれて形成されている。それにより、各通し孔13B4は、各底部13B1の側方(シート幅方向の内側)を開口させる孔形状とされている。
【0031】
各通し孔13B4は、それぞれ、シート前後方向に延びる長孔形状とされ、シート前後方向に2つずつ並ぶように分かれて形成されている。一方、各通し孔13B4に通されるパネル14の対応する各通し部14Aも、各通し孔13B4の形状に対応して、シート前後方向に2股状に分かれた板形状とされる。各通し部14Aは、それぞれ、各レッグ13のU字断面部13Bの内側部13B2に形成された対応する各通し孔13B4内にシート幅方向の内側から通されることで、各U字断面部13Bの底部13B1上に面当接した状態にセットされる。
【0032】
上記セットの後、各通し部14Aは、それらのシート幅方向の外側に延び出した先の縁部と各U字断面部13Bの底部13B1との合わせ部がアーク溶接により接合される(溶接部W1)。それにより、各通し部14Aは、各U字断面部13Bの底部13B1に対して、上方から受ける荷重を真っ直ぐ下方に伝達することができる状態に結合される。詳しくは、各通し部14Aは、対応する各通し孔13B4内に入った先の全域が、シート幅方向に真っ直ぐ延びる形状とされて、各U字断面部13Bの底部13B1に面当接した状態とされて溶接されている。
【0033】
上記補強用のパネル14は、そのシート幅方向の所々の中間箇所がフロアF上に接地されて溶接により固定されている(固定部14B)。上記パネル14の固定部14Bは、各レッグ13のU字断面部13Bの内側部13B2の上縁よりも低い位置に配置されている。
【0034】
図3及び図5に示すように、上記パネル14には、その後縁部に、上向きに突出する形に絞られた筋状の第1ビード14Cがシート幅方向の略全域に亘って延びる形に形成されている。また、図3に示すように、上記パネル14には、そのシート幅方向の両サイド部における第1ビード14Cよりも前側の部位に、上向きに突出する形に絞られた筋状の第2ビード14Dがシート幅方向の中間部から各側の端部に亘って延びる形に形成されている。
【0035】
上記各第2ビード14Dは、それぞれ、パネル14のシート前後方向の中間部に沿ってシート幅方向に延びる形に形成されている。各第2ビード14Dは、パネル14の各側の端部に形成された2股状に分かれた各通し部14Aの分かれ目(基端)部分へと延びるように形成されている。上記第1ビード14C及び各第2ビード14Dの形成により、パネル14の曲げ剛性が高められている。
【0036】
それにより、パネル14は、車両の急制動時等の際にその中央上部に連結された各制御リンク12Aから下方向の大きな荷重入力を受けても、大きな曲げ変形を伴うことなく、各レッグ13に下方向の荷重として伝達できるようになっている。したがって、上記大荷重が入力された際に、各レッグ13がパネル14によってシート幅方向の内側に引張られることを適切に抑制することができる。
【0037】
《まとめ》
以上をまとめると、本実施形態に係るシートフレーム10は次のような構成とされている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
【0038】
すなわち、乗物用シート(1)をフロア(F)に対して支えるレッグ(13)と、レッグ(13)に溶接される補強用のパネル(14)と、を有するシートフレーム(10)である。レッグ(13)が、上向き開口となるU字状の横断面でシート前後方向に延びるU字断面部(13B)と、U字断面部(13B)の側部(13B2)に貫通して形成され、パネル(14)がシート幅方向に通される通し孔(13B4)と、通し孔(13B4)に通されたパネル(14)をU字断面部(13B)の底部(13B1)に当接させた状態としてパネル(14)をU字断面部(13B)に溶接する溶接部(W1)と、を有する。
【0039】
上記構成によれば、補強用のパネル(14)を、U字断面部(13B)の側部(13B2)に空けられた通し孔(13B4)に通すことで、レッグ(13)の上面に乗せる位置まで曲げることなく短い長さでレッグ(13)のU字断面部(13B)に溶接することができる。詳しくは、パネル(14)を短い長さかつ少ない曲げ量でU字断面部(13B)の底部(13B1)に当接させて溶接することができ、レッグ(13)に対して高い構造強度を持たせた状態に接合することができる。
【0040】
また、U字断面部(13B)の側部(13B2)が、通し孔(13B4)の上方に通し孔(13B4)を上方開口形状としない肉部を有する。上記構成によれば、U字断面部(13B)の側部(13B2)の構造強度を大きく低下させることなく通し孔(13B4)を形成することができる。
【0041】
また、通し孔(13B4)が、U字断面部(13B)の底部(13B1)の側方を開口させる側部(13B2)の下端箇所に形成される。上記構成によれば、補強用のパネル(14)を、通し孔(13B4)からより短い長さかつ少ない曲げ量でU字断面部(13B)の底部(13B1)に当接させることができる。
【0042】
また、溶接部(W1)が、U字断面部(13B)の底部(13B1)に形成される。上記構成によれば、補強用のパネル(14)を、U字断面部(13B)の底部(13B1)に対して、より合理的に当接及び溶接することができる。
【0043】
また、通し孔(13B4)が、シート前後方向に2つに分かれて形成される。パネル(14)が、2つに分かれた通し孔(13B4)にそれぞれ通されてU字断面部(13B)に溶接される2つに分かれた通し部(14A)を有する。上記構成によれば、通し孔(13B4)を大型化することなく、補強用のパネル(14)をシート前後方向の広い範囲に亘って通せるようになる。したがって、U字断面部(13B)の側部(13B2)の構造強度を大きく低下させることなく実質的に広い通し孔(13B4)を形成することができる。
【0044】
また、U字断面部(13B)の側部(13B2)の上縁が、パネル(14)のフロア(F)と溶接される固定部(14B)よりも高い配置とされる。上記構成によれば、補強用のパネル(14)をより効果的に短い長さかつ少ない曲げ量でU字断面部(13B)の底部(13B1)に当接させて溶接することができる。
【0045】
《その他の実施形態について》
以上、本発明の実施形態を1つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態のほか、各種の形態で実施することができるものである。
【0046】
1.本発明のシートフレームは、自動車のシートの他、鉄道等の自動車以外の車両や、航空機、船舶等の他の乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。
【0047】
2.補強用のパネルは、レッグに対し、シート幅方向の内側から通されるものの他、シート幅方向の外側から通されるものであっても良い。上記パネルを通すレッグの通し孔は、U字断面部のシート幅方向の内側の側部の他、外側の側部に形成されていても良い。また、通し孔は、U字断面部の両方の側部に貫通して形成されていても良い。
【0048】
また、上記通し孔は、レッグのU字断面部の側部における下端箇所の他、上端箇所或いは中間箇所に形成されていても良い。また、通し孔は、レッグのU字断面部の側部を上方開口形状とするように形成されていても良い。また、パネルをレッグの通し孔に通す差し込み構造は、シート前後方向に2つに分かれることなく1つのみで構成されていても良い。パネルは、左右一対のレッグの間に架け渡されるものの他、一方のレッグとフロアとの間にのみ接合される構成であっても良い。
【0049】
3.レッグは、そのU字断面部の側部の上縁が、パネルのフロアとの固定部よりも低い配置とされるものであっても良い。
【0050】
4.パネルは、そのレッグの通し孔に通された部位が、レッグの底部の上面以外の部位に溶接される構成であっても良い。具体的には、図6に示すように、レッグ13の底部13B1に開口13B5を空け、レッグ13の通し孔13B4から通されて底部13B1に面当接するようにセットされるパネル14の開口13B5から臨む通し部14Aを、上記開口13B5を通してレッグ13の底部13B1に下側から溶接しても良い(溶接部W2)。
【0051】
また、図7に示すように、レッグ13の通し孔13B4に通されるパネル14の通し部14Aに、レッグ13の底部13B1に面当接した先から斜め上方に折れ曲がる延長部14A1を形成し、この延長部14A1をレッグ13の外側部13B3(もう一方の側部)の内側面に突き当てて溶接しても良い(W3)。
【符号の説明】
【0052】
1 シート(乗物用シート)
2 シートバック
3 シートクッション
10 シートフレーム
11 バックフレーム
11A リクライナ
12 クッションフレーム
12A 制御リンク
13 レッグ
13A 長孔
13B U字断面部
13B1 底部
13B2 内側部(側部)
13B3 外側部
13B4 通し孔
13B5 開口
14 パネル
14A 通し部
14A1 延長部
14B 固定部
14C 第1ビード
14D 第2ビード
F フロア
W1~W3 溶接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7