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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】線材の繰出し装置、及び載置台
(51)【国際特許分類】
   B65H 49/02 20060101AFI20230922BHJP
   B21F 23/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B65H49/02
B21F23/00 B
B21F23/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020056642
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2021155164
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100147
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 裕介
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 隆義
【審査官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】実公昭48-23459(JP,Y1)
【文献】欧州特許出願公開第0144043(EP,A2)
【文献】特開昭62-227539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 49/02
B21F 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材が多層に整列巻きされたコイル材と、
前記コイル材の軸線が水平方向に向くように前記コイル材を保持する載置台とを備える線材の繰出し装置であって、
前記コイル材は、前記線材が引き出される側の端面である第一端面を有し、
前記載置台は、
前記コイル材が配置されるベース部と、
前記第一端面に近接する位置に配置され、かつ上方に延びる第一柱及び第二柱を備え、
前記第一柱は、前記軸線を挟んで第一の側に配置され、
前記第二柱は、前記軸線を挟んで第二の側に配置され、
前記軸線から前記第二柱までの距離は、前記軸線から前記第一柱までの距離よりも短く、
前記第一端面から前記第二柱までの距離は、前記第一端面から前記第一柱までの距離よりも長い、
線材の繰出し装置。
【請求項2】
前記第一端面を前記軸線に沿った方向から見て、前記第一柱は前記コイル材における前記線材の巻回方向側に配置されている請求項1に記載の線材の繰出し装置。
【請求項3】
前記軸線から前記第一柱までの距離が、前記コイル材の内半径の60%以上100%以下である請求項1または請求項2に記載の線材の繰出し装置。
【請求項4】
前記第一柱及び前記第二柱の少なくとも一方は、円柱または楕円柱である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の線材の繰出し装置。
【請求項5】
前記載置台は、前記第一端面に近接する位置に配置され、かつ上方に延びる第三柱を備え、
前記第三柱は、前記コイル材の前記軸線よりも前記第二柱側に配置され、
前記軸線から前記第三柱までの距離は、前記軸線から前記第一柱までの距離と等しく、
前記第一端面から前記第三柱までの距離は、前記第一端面から前記第一柱までの距離と等しい請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の線材の繰出し装置。
【請求項6】
前記第三柱は円柱または楕円柱である請求項5に記載の線材の繰出し装置。
【請求項7】
線材が多層に整列巻きされたコイル材から前記線材を繰り出させるために、前記コイル材が載置されるように構成された載置台であって、
下記方向を有するベース部と、
水平面に沿ったX軸方向
前記水平面に沿い、前記X軸方向に直交するY軸方向
前記水平面に垂直なZ軸方向
前記ベース部上に設けられ、前記コイル材の軸線を前記X軸方向に向けた状態で前記コイル材を保持するように構成された保持部と、
前記X軸方向に前記保持部に近接する位置に設けられ、かつ上方に延びる第一柱及び第二柱とを備え、
前記保持部は、前記Y軸方向に離れた位置にあり、前記コイル材の外周を両側から挟み込むように構成された第一保持部材と第二保持部材とを備え、
前記第一柱は、前記Y軸方向における前記第一保持部材と前記第二保持部材の中央を挟んで第一の側に配置され、
前記第二柱は、前記Y軸方向における前記中央を挟んで第二の側に配置され、
前記中央から前記第二柱までの距離は、前記中央から前記第一柱までの距離よりも短く、
前記保持部から前記第二柱までの距離は、前記保持部から前記第一柱までの距離よりも長い、
載置台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、線材の繰出し装置、及び載置台に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コイル状に巻回された線材を繰り出させるための線材の繰出し装置が開示されている。特許文献1では、線材をガイドするリング状の架台によって線材が安定的に繰り出されるように構成されている。
【0003】
大径の線材が多層に整列巻きされたコイル材は、例えば電線などの原料として使用されている。このようなコイル材は、その軸線が水平方向に向くように載置台に保持され、線材が引っ張られることで、コイル材の内周側から順に線材が繰り出される場合がある。繰り出された線材は伸線工程などに供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-297035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コイル材から線材が繰り出される際、巻回された線材の円環が徐々に小さくなりながら線材が延ばされる。このとき、線材がもつれてしまうことがある。線材がもつれてしまうと、線材のもつれが解かれるまでの間、線材の繰出しラインが停止しまう。特許文献1の構成のように、線材をガイドする機構によって線材のもつれを抑制できる可能性はあるが、そのような機構は複雑で汎用性に乏しい。
【0006】
そこで、本開示は、簡便な構成によってコイル材から引き出される線材のもつれを抑制できる線材の繰出し装置、及び載置台を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の線材の繰出し装置は、
線材が多層に整列巻きされたコイル材と、
前記コイル材の軸線が水平方向に向くように前記コイル材を保持する載置台とを備える線材の繰出し装置であって、
前記コイル材は、前記線材が引き出される側の端面である第一端面を有し、
前記載置台は、
前記コイル材が配置されるベース部と、
前記第一端面に近接する位置に配置され、かつ上方に延びる第一柱及び第二柱を備え、
前記第一柱は、前記軸線を挟んで第一の側に配置され、
前記第二柱は、前記軸線を挟んで第二の側に配置され、
前記軸線から前記第二柱までの距離は、前記軸線から前記第一柱までの距離よりも短く、
前記第一端面から前記第二柱までの距離は、前記第一端面から前記第一柱までの距離よりも長い。
【0008】
本開示の載置台は、
線材が多層に整列巻きされたコイル材から前記線材を繰り出させるために、前記コイル材が載置されるように構成された載置台であって、
下記方向を有するベース部と、
水平面に沿ったX軸方向
前記水平面に沿い、前記X軸方向に直交するY軸方向
前記水平面に垂直なZ軸方向
前記ベース部上に設けられ、前記コイル材の軸線を前記X軸方向に向けた状態で前記コイル材を保持するように構成された保持部と、
前記X軸方向に前記保持部に近接する位置に設けられ、かつ上方に延びる第一柱及び第二柱とを備え、
前記保持部は、前記Y軸方向に離れた位置にあり、前記コイル材の外周を両側から挟み込むように構成された第一保持部材と第二保持部材とを備え、
前記第一柱は、前記Y軸方向における前記第一保持部材と前記第二保持部材の中央を挟んで第一の側に配置され、
前記第二柱は、前記Y軸方向における前記中央を挟んで第二の側に配置され、
前記中央から前記第二柱までの距離は、前記中央から前記第一柱までの距離よりも短く、
前記保持部から前記第二柱までの距離は、前記保持部から前記第一柱までの距離よりも長い。
【発明の効果】
【0009】
本開示の線材の繰出し装置、及び載置台は、コイル材から繰り出される線材のもつれを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態1に示される線材の繰出し装置を備える伸線ラインの概略上面図である。
図2図2は、実施形態1に示される基板保持台の概略正面図である。
図3図3は、実施形態1に示される線材の繰出し装置の部分横断面図である。
図4図4は、実施形態2に示される線材の繰出し装置の部分横断面図である。
図5図5は、実施形態3に示される線材の繰出し装置の部分横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本開示の実施形態の説明]
本発明者は、横向きに配置されるコイル材から線材を安定的に繰り出させるために、コイル材における線材が引き出される側の第一端面の前方に二本の柱を立てた。二本の柱は、具体的にはコイル材の軸線を挟む位置に対称に配置される。この二本の柱によって、第一端面の近傍においてコイル材の各層から繰り出される線材が作る円環の形状が保持され、線材が第一端面から離れるに従って徐々に延ばされるようになる。その結果、線材のもつれが抑制される。しかし、コイル材の特定の層から繰り出される線材において線材のもつれが生じ易いことが分かった。本発明者らがその理由を更に調べたところ、線材が作る円環が一本目の柱に接触して回転したとき、線材の円環が二本目の柱に接触しない場合があることが分かった。二本目の柱に線材の円環が接触しないと、線材の円環の回転を止めることができず、その結果として線材がもつれてしまうことが明らかになった。これらの知見に基づき、本発明者は以下に示される線材の繰出し装置及び載置台を完成させた。
【0012】
<1>実施形態に係る線材の繰出し装置は、
線材が多層に整列巻きされたコイル材と、
前記コイル材の軸線が水平方向に向くように前記コイル材を保持する載置台とを備える線材の繰出し装置であって、
前記コイル材は、前記線材が引き出される側の端面である第一端面を有し、
前記載置台は、
前記コイル材が配置されるベース部と、
前記第一端面に近接する位置に配置され、かつ上方に延びる第一柱及び第二柱を備え、
前記第一柱は、前記軸線を挟んで第一の側に配置され、
前記第二柱は、前記軸線を挟んで第二の側に配置され、
前記軸線から前記第二柱までの距離は、前記軸線から前記第一柱までの距離よりも短く、
前記第一端面から前記第二柱までの距離は、前記第一端面から前記第一柱までの距離よりも長い。
【0013】
上記線材の繰出し装置は、コイル材のいずれの層から繰り出される線材においても、線材のもつれを抑制できる。上記線材の繰出し装置では、第二柱が、第一柱よりもコイル材の軸線に近い位置で、かつ第一柱よりもコイル材の第一端面から遠い位置にある。そのため、コイル材から繰り出された線材の円環が第一柱に接触して回転しても、第二柱が線材の円環の回転を止めることができる。その結果、コイル材から繰出される線材のもつれが抑制され、繰出しラインが停止し難くなる。
【0014】
また、実施形態に係る繰出し装置における第一柱及び第二柱は単なる棒材であって、特許文献1のような複雑な線材のガイド機構を備えていない。複雑なガイド機構は故障し易く、ガイド機構の修理及びメンテナンス時には線材の繰出しラインが停止してしまう。これに対して、単なる棒材である第一柱及び第二柱にはメンテナンスがほとんど必要ないので、繰出しラインが停止する可能性が非常に低い。
【0015】
<2>実施形態に係る線材の繰出し装置の一形態として、
前記第一端面を前記軸線に沿った方向から見て、前記第一柱は前記コイル材における前記線材の巻回方向側に配置されている形態が挙げられる。
【0016】
例えば、コイル材の第一端面を軸方向から見て、線材の巻回方向が右巻きである場合、線材の円環の右側部分が、当該線材の円環の左側部分よりも先に第一端面の外側に引き出され易い。従って、線材の巻回方向が右巻きであれば、巻回方向と同じ側である右側に第一柱が配置されていれば、第一柱によって線材の円環が当て止めされ易い。線材の円環が当て止めされると、コイル材の第一端面の近傍において、線材の円環の形状が維持され易くなる。その結果、第一端面の近傍において線材が急激に延ばされることが抑制され、線材が捻じれ難くなる。
【0017】
<3>実施形態に係る線材の繰出し装置の一形態として、
前記軸線から前記第一柱までの距離が、前記コイル材の内半径の70%以上100%以下である形態が挙げられる。
【0018】
コイル材の軸線から第一柱までの距離が、線材の繰出し前のコイル材の内半径の70%以上100%以下であれば、コイル材から繰り出される線材の円環が第一柱に当て止めされ易い。そのため、コイル材の第一端面の近傍において、線材の円環の形状が維持され易くなる。その結果、第一端面の近傍において線材が急激に延ばされ難くなり、線材が捻じれることが抑制され易い。
【0019】
<4>実施形態に係る線材の繰出し装置の一形態として、
前記第一柱及び前記第二柱の少なくとも一方は、円柱または楕円柱である形態が挙げられる。
【0020】
第一柱または第二柱が円柱であれば、第一柱の表面に角が無いため、コイル材から繰り出される線材が第一柱または第二柱に接触したときに線材が損傷し難い。
【0021】
<5>実施形態に係る線材の繰出し装置の一形態として、
前記載置台は、前記第一端面に近接する位置に配置され、かつ上方に延びる第三柱を備え、
前記第三柱は、前記コイル材の前記軸線よりも前記第二柱側に配置され、
前記軸線から前記第三柱までの距離は、前記軸線から前記第一柱までの距離と等しく、
前記第一端面から前記第三柱までの距離は、前記第一端面から前記第一柱までの距離と等しい形態が挙げられる。
【0022】
第三柱は、コイル材の外方側の層から線材が繰り出された際、線材の円環が回転することを抑制する。第三柱は、第二柱よりもコイル材に近い位置にあるため、線材の円環の回転を回転初期の段階で止めることができる。その結果、コイル材からの線材の繰り出しが安定し、線材のもつれが効果的に抑制される。また、第三柱は、線材の円環の回転を回転初期の段階で止めるので、線材が第三柱に激しく衝突して損傷することを抑制できる。
【0023】
<6>上記<5>の線材の繰出し装置の一形態として、
前記第三柱は円柱または楕円柱である形態が挙げられる。
【0024】
第三柱が円柱または楕円柱であれば、コイル材から繰り出される線材が第三柱に接触したときに、線材が損傷し難い。
【0025】
<7>実施形態に係る載置台は、
線材が多層に整列巻きされたコイル材から前記線材を繰り出させるために、前記コイル材が載置されるように構成された載置台であって、
下記方向を有するベース部と、
水平面に沿ったX軸方向
前記水平面に沿い、前記X軸方向に直交するY軸方向
前記水平面に垂直なZ軸方向
前記ベース部上に設けられ、前記コイル材の軸線を前記X軸方向に向けた状態で前記コイル材を保持するように構成された保持部と、
前記X軸方向に前記保持部に近接する位置に設けられ、かつ上方に延びる第一柱及び第二柱とを備え、
前記保持部は、前記Y軸方向に離れた位置にあり、前記コイル材の外周を両側から挟み込むように構成された第一保持部材と第二保持部材とを備え、
前記第一柱は、前記Y軸方向における前記第一保持部材と前記第二保持部材の中央を挟んで第一の側に配置され、
前記第二柱は、前記Y軸方向における前記中央を挟んで第二の側に配置され、
前記中央から前記第二柱までの距離は、前記中央から前記第一柱までの距離よりも短く、
前記保持部から前記第二柱までの距離は、前記保持部から前記第一柱までの距離よりも長い。
【0026】
上記載置台は、コイル材の軸線を水平方向に向けた状態で安定して保持できる。コイル材が安定して保持されるのは、コイル材を保持するための保持部が、コイル材の外周を両側から挟み込むからである。
【0027】
また、上記載置台は、載置台に載置されるコイル材から繰り出される線材のもつれを効果的に抑制できる。コイル材から繰り出される線材のもつれが抑制されるのは、上記線材の繰出し装置の項目で説明したように、コイル材から繰り出された線材の円環が第一柱に接触して回転しても、第二柱が線材の円環の回転を止めることができるからである。
【0028】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態に係る線材の繰出し装置、及び載置台の具体例を図面に基づいて説明する。図中の同一符号は同一又は相当部分を示す。本開示の実施形態では、線材の繰出し装置を、単に『繰出し装置』と呼ぶ。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0029】
<実施形態1>
≪全体構成≫
図1には、二つの繰出し装置2A,2Bが配置された伸線ライン1が示されている。繰出し装置2A,2Bは、線材4が多層に整列巻きされたコイル材3と、そのコイル材3を保持する載置台5とを備える。伸線ライン1における繰出し装置2A,2Bは横並びに並列されており、繰出し装置2Aからの線材4の繰り出しが終了したら、連続して繰出し装置2Bから線材4が繰り出される。両繰出し装置2A,2Bの前方には保護台7が配置され、保護台7の更に前方には伸直ローラー8が配置されている。伸直ローラー8の前方には伸線機9が配置されている。ここで、伸線ライン1に備わる繰出し装置の数は、一つでも良いし、三つ以上でも良い。
【0030】
本例では、繰出し装置2Aのコイル材3の軸線30と、繰出し装置2Bのコイル材3の軸線30とが平行に配置されている。また、両軸線30の中間の位置に伸直ローラー8が配置されている。本例とは異なり、各軸線30が伸直ローラー8に向かうように両繰出し装置2A,2Bが配置されていても良い。
【0031】
以下、本例の伸線ライン1に備わる各構成を詳細に説明する。
【0032】
≪線材の繰出し装置≫
繰出し装置2A,2Bは、コイル材3から線材4を繰り出させる装置である。本例の繰出し装置2A,2Bに、能動的に線材4を繰り出させる機能は無く、線材4は伸線機9に引っ張られることでコイル材3から繰り出される。つまり、本例の繰出し装置2A,2Bは、伸線機9に線材4が引っ張られたときに、コイル材3を動かないように保持して、線材4の繰出しを安定させる。
【0033】
[コイル材]
コイル材3は、線材4が多層に整列巻きされたものである。そのため、コイル材3の最内層に線材4の始端が配置され、コイル材3の最外層に線材4の終端が配置される。コイル材3を構成する線材4は特に限定されない。線材4は、例えば6mm以上12mm以下の直径を有する。
【0034】
コイル材3の二つの端面のうち、線材4の始端が配置される側の第一端面31は、線材4が引き出される側の端面である。第一端面31は、伸線機9が配置される側に向けて配置されている。
【0035】
コイル材3の層数は偶数であることが好ましい。層数が偶数であれば、コイル材3における線材4の始端と終端とが、コイル材3の第一端面31の側に配置される。図1に示されるように、繰出し装置2Aにおけるコイル材3の最外層に配置される終端側の部分は、繰出し装置2Bにおける第二柱52の前方を通って、繰出し装置2Bにおけるコイル材3の最内層に配置される始端につながっている。繰出し装置2Aのコイル材3の終端が、繰出し装置2Bのコイル材3の始端につなげられることで、繰出し装置2Aからの線材4の繰出しが終了したら、連続して繰出し装置2Bから線材4が繰り出される。
【0036】
[載置台]
載置台5の説明に当たっては主に図3を参照する。載置台5は、ベース部5Bと、保持部5Hと、第一柱51と、第二柱52と、第三柱53とを備える。ベース部5Bは、互いに直交となったX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向を有する。図1から図5では、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向はそれぞれ、矢印付きのアルファベット『X』、『Y』、及び『Z』で示される。X軸方向は、水平面に沿った方向であって、このX軸方向に沿ってコイル材3の軸線30が配置される。Y軸方向は、水平面に沿い、X軸方向に直交する。Z軸方向は、水平面に垂直な方向である。
【0037】
・ベース部
ベース部5Bは、コイル材3を下方から支持する。ベース部5Bは、平板であっても良いし、複数の棒材を枠状につなげた枠状体であっても良い。ベース部5Bは、コイル材3の重量を支持できるように、金属によって構成されることが好ましい。金属としては、例えば鋼などが挙げられる。
【0038】
本例のベース部5Bは、コイル材3の第一端面31の位置を規定する位置決め部50を備える。本例の位置決め部50は、ベース部5B上にペイントされたマーカーである。位置決め部50によって、コイル材3が載置されていない載置台5においてもコイル材3の第一端面31の位置が特定される。本例とは異なり、位置決め部50は、第一端面31が当接される当止め部材であっても良い。当て止め部材としては、例えばベース部5BからZ軸方向に延びる突起または棒材などが挙げられる。この場合、当止め部材は、後述する保持部5Hとしての機能も果たす。
【0039】
・保持部
保持部5Hは、ベース部5B上に設けられ、コイル材3の軸線30をX軸方向に向けた状態でコイル材3を保持するように構成されている。保持部5Hは、Y軸方向に離れた位置に配置される第一保持部材58と第二保持部材59とを備える。第一保持部材58は、コイル材3の軸線30を挟んで第一柱51と同じ側に配置される。第二保持部材59は、軸線30を挟んで第二柱52と同じ側に配置される。第一保持部材58と第二保持部材59とで、コイル材3がY軸方向から挟み込まれることで、コイル材3が保持される。つまり、保持部5Hとベース部5Bとで囲まれる空間が、コイル材3の保持空間を構成する。
【0040】
本例の第一保持部材58は、X軸方向に離れた位置に配置される二本の棒材である。この二本の棒材は、X軸方向に延びる棒状の連結材55によって連結されている。連結材55によって二本の棒材が補強される。第一保持部材58の二本の棒材は、図2に示されるように、上方に向かうに従ってコイル材3の軸線30から離れる方向に延びている。また、第二保持部材59も、X軸方向に離れた位置に配置される二本の棒材である。この二本の棒材も、X軸方向に延びる棒状の連結材55によって連結され、補強されている。第二保持部材59の二本の棒材は、図2に示されるように、上方に向かうに従ってコイル材3の軸線30から離れる方向に延びている。両保持部材58,59の間隔が上方に向かうに従って拡がっていることで、上方からのコイル材3の配置が容易になる。また、コイル材3の外周面が傷つき難い。本例とは異なり、両保持部材58,59は、Z軸方向に沿って延びていても良い。
【0041】
ここで、Y軸方向における第一保持部材58と第二保持部材59の中央5Hcは、Y軸方向におけるコイル材3の軸線30の位置に一致する。
【0042】
・第一柱
第一柱51は、図3に示されるように、X軸方向における位置決め部50に近接する位置に設けられ、かつ上方に延びる。つまり、第一柱51は、X軸方向におけるコイル材3の第一端面31に近接する位置に配置され、かつ上方に延びている。第一柱51は、第一端面31に接触していても良いし、所定距離離れていても良い。つまり、位置決め部50及び第一端面31から第一柱51までの距離L1は0mm以上である。距離L1は、例えば線材4の直径の10倍以下、更には5倍以下であることが好ましい。
【0043】
本例の第一柱51は、Z軸方向、即ち鉛直方向に延びている。本例とは異なり、第一柱51は、ベース部5Bに交差する方向に延びていても良い。例えば、第一保持部材58と同様に、第一柱51は、鉛直方向に延びるに従って軸線30から離れる方向に傾いていても良い。
【0044】
第一柱51は、Y軸方向における保持部5Hの中央5Hcを挟んで第一の側に配置されている。つまり、第一柱51は、コイル材3の軸線30を挟んで第一の側に配置されている。本例における第一の側は、第一端面31を軸線30に沿った方向から見て右側である(図2参照)。本例のコイル材3の線材4は、第一端面31を軸線30に沿った方向から見て右巻きである。線材4の巻回方向が右巻きである場合、線材4の円環40の右側部分が、円環40の左側部分よりも先に第一端面31の外側に引き出され易い。従って、第一柱51は、第一端面31を軸方向から見て、線材4の巻回方向側に配置されていれば、第一柱51によって線材4の円環40が当て止めされ易い。線材4の円環40が当て止めされると、コイル材3の第一端面31の近傍において、円環40の形状が維持され易くなる。その結果、第一端面31の近傍において線材4が急激に延ばされることが抑制され、線材4が捻じれ難くなる。
【0045】
保持部5Hの中央5Hcから第一柱51までの距離W1、即ちコイル材3の軸線30から第一柱51までの距離W1は、コイル材3の内径及び外径に応じて選択される。例えば、距離W1は、線材4が繰出される前のコイル材3の内半径の60%以上100%以下であることが好ましい。内半径は、コイル材3の内径の半分である。距離W1が上記範囲にあれば、コイル材3から繰り出される線材4の円環40が第一柱51に当て止めされ易い。そのため、コイル材3の第一端面31の近傍において、線材4の円環40の形状が維持され易くなる。その結果、第一端面31の近傍において線材4が急激に延ばされることが抑制され、線材4が捻じれ難くなる。より好ましい距離W1は、コイル材3の内半径の65%以上75%以下である。
【0046】
・第二柱
第二柱52は、X軸方向における位置決め部50に近接する位置に設けられ、かつ上方に延びる。つまり、第二柱52は、コイル材3の第一端面31に近接する位置に配置され、かつ上方に延びている。但し、位置決め部50から第二柱52までの距離L2は、位置決め部50から第一柱51までの距離L1よりも長い。つまり、コイル材3の第一端面31から第二柱52までの距離L2は、第一端面31から第一柱51までの距離L1よりも長い。例えば、距離L2は、コイル材3の内径の10%以上20%以下である。より好ましい距離L2は、コイル材3の内径の15%以上17%以下である。
【0047】
第二柱52は、Y軸方向における中央5Hcを挟んで第二の側に配置されている。つまり、第二柱52は、コイル材3の軸線30を挟んで第二の側に配置されている。本例における第二の側は、第一端面31を軸線30に沿った方向から見て左側である(図2)。従って、第一柱51と第二柱52は、軸線30を挟んで互いに反対側に配置されている。但し、中央5Hcから第二柱52までの距離W2は、中央5Hcから第一柱51までの距離W1よりも短い。つまり、コイル材3の軸線30から第二柱52までの距離W2は、コイル材3の軸線30から第一柱51までの距離W1よりも短い。例えば、距離W2は、コイル材3の内半径の25%以上45%以下であることが好ましい。より好ましい距離W2は、コイル材3の内半径の30%以上40%以下である。上述した位置に配置される第二柱52は、線材4の円環40が第一柱51に接触して回転したときに円環40の回転を止める機能を持っている。
【0048】
・第三柱
第三柱53は、X軸方向における位置決め部50に近接する位置に設けられ、かつ上方に延びる。つまり、第三柱53は、コイル材3の第一端面31に近接する位置に配置され、かつ上方に延びている。
【0049】
X軸方向における位置決め部50から第三柱53までの距離L3は、X軸方向における位置決め部50から第一柱51までの距離L1と等しい。つまり、コイル材3の第一端面31から第三柱53までの距離L3は、第一端面31から第一柱51までの距離L1と等しい。
【0050】
第三柱53は、Y軸方向における中央5Hcを挟んで第二の側に配置されている。つまり、第三柱53は、コイル材3の軸線30を挟んで第二の側に配置されている。また、中央5Hcから第三柱53までの距離W3は、中央5Hcから第一柱51までの距離W1と等しい。つまり、コイル材3の軸線30から第三柱53までの距離W3は、軸線30から第一柱51までの距離W1と等しい。簡単に言えば、第三柱53は、軸線30を挟んで第一柱51と線対称の位置にある。
【0051】
・・柱の材質
第一柱51、第二柱52、及び第三柱53は、線材4の円環40が衝突しても容易に損傷しない材質で構成されることが好ましい。そのような材質として、例えば鋼などが挙げられる。
【0052】
・・柱の断面形状
第一柱51、第二柱52、及び第三柱53の断面形状は特に限定されない。但し、各柱51,52,53の断面形状は、角を有さない形状、例えば円形または楕円形であることが好ましい。各柱51,52,53が円柱または楕円柱であれば、各柱51,52,53の表面に角が無いため、線材4が各柱51,52,53に接触したときに線材4が損傷することを抑制できる。
【0053】
・・柱の太さ
第一柱51、第二柱52、及び第三柱53の断面の円相当直径は、線材4の直径に応じて決定される。線材4の直径が6mm以上12mm以下であれば、各柱51,52,53の円相当直径は、例えば70mm以上120mm以下であることが好ましい。ここで、断面の円相当直径は、断面の面積に等しい面積を有する円の直径である。
【0054】
・・柱の長さ
第一柱51、第二柱52、及び第三柱53のZ軸方向の長さは、コイル材3の内周面におけるZ軸方向の上端以上であることが好ましい。各柱51,52,53がこのような長さであれば、各柱51,52,53によって線材4の円環40が当て止めされ易い。各柱51,52,53のZ軸方向の長さの上限は特にない。図2に示されるように、本例の各柱51,52,53のZ軸方向の長さは、コイル材3のZ軸方向の上端よりも若干高い位置に達している。繰出し装置2A,2Bの設置スペースの高さを考慮して、各柱51,52,53のZ軸方向の長さは、コイル材3の外周面におけるZ軸方向の上端と同じか、または上端以下であっても良い。
【0055】
・・その他
本例の第一柱51、第二柱52、及び第三柱53は、ベース部5B上に設けられている。本例とは異なり、各柱51,52,53は、ベース部5Bが載置される伸線ラインの床面に設けられていても良い。
【0056】
[繰出し装置からの線材の繰出し状態]
コイル材3から繰り出される線材4は、図2に示されるように、第一柱51と第二柱52との間を通って図1の伸直ローラー8に供給される。図3の部分横断面図に示されるように、コイル材3の内層側から順次、線材4が解れる。線材4が作る円環40は繰出し方向に向かうに従って徐々に小さくなる。
【0057】
≪保護台≫
保護台7は、図1に示されるように、コイル材3から繰り出された線材4がコイル材3よりも低い位置にある床面に落下し、線材4が捻じれたりすることを抑制する。また、線材4が床面に接触して、線材4に傷が付くことを抑制する。保護台7は、線材4よりも硬度が低い材料で作製される。例えば保護台7は木製台である。
【0058】
≪伸直ローラー≫
伸直ローラー8は、線材4を真っ直ぐに延ばし、伸線機9に供給するための部材である。伸直ローラー8は、例えば、鉛直方向に延びる複数の円柱ローラーによって構成される。本例の伸直ローラー8は、三つの円柱ローラー81,82,83を備える。円柱ローラー81,82,83はZ軸回りに回転可能に構成されている。円柱ローラー81と円柱ローラー82は、伸直ローラー8から伸線機9に向かう方向、即ち線材4が引っ張られる方向に離れた位置にある。円柱ローラー83は、軸線30と平行な方向に並ぶ円柱ローラー81と円柱ローラー82の間で、かつその方向に直交する方向に円柱ローラー81,82から離れた位置にある。円柱ローラー81,82と円柱ローラー83との間隔が調整されることで、線材4の繰出しが安定する。
【0059】
≪繰出し装置の効果≫
図3に示されるように、コイル材3の第一端面31から繰り出された線材4の円環40は、まず第一柱51に接触する。円環40が第一柱51に接触してZ軸回りに回転したとき、その円環40の回転を第二柱52が止める。その結果、円環40の回転に伴う線材4のもつれが抑制される。
【0060】
第三柱53は、主にコイル材3の外方側の層から線材4が繰出される際に、線材4の円環40の回転を抑制する。第三柱53は、第二柱52よりもコイル材3に近い位置にあるため、線材4の円環40の回転を回転初期の段階で止めることができる。その結果、コイル材3からの線材4の繰り出しが安定し、線材4のもつれが効果的に抑制される。また、第三柱53は、線材4の円環40の回転を回転初期の段階で止めるので、線材4が第三柱53に激しく衝突して損傷することを抑制できる。
【0061】
≪試験例1≫
以下、載置台5に備わる第一柱51及び第二柱52が線材4の安定的な繰り出しに及ぼす影響を調べた試験例1を説明する。
【0062】
試験に当たり、伸線ラインAと伸線ラインBを構築した。伸線ラインAは、実施形態1の伸線ライン1と同じ構成を備える。一方、伸線ラインBは、伸線ラインAから第二柱52が取り除かれた構成を備える。これら伸線ラインA及び伸線ラインBを6カ月にわたって稼動させ、伸線ラインA,Bにおける線材4のもつれが生じる頻度を調べた。また、伸線ラインA,Bにおけるコイル材3の第一端面31近傍の線材4の円環40の状態を動画で撮影し、線材4のもつれの原因を特定した。
【0063】
伸線ラインAと伸線ラインBで使用されたコイル材3の構成は以下の通りである。
・線材4…直径8mm
・線材4の巻回方向…右巻き
・層数…36層
・コイル材3の内径…600mm
・コイル材3の外径…1200mm
【0064】
伸線ラインA、Bにおける第一柱51の構成は以下の通りである。
・形状…円柱
・直径…70mm
・コイル材3の第一端面31から第一柱51までの距離L1…0mm
・コイル材3の軸線30から第一柱51までの距離W1…210mm
【0065】
伸線ラインAにおける第二柱52の構成は以下の通りである。
・形状…円柱
・直径…70mm
・コイル材3の第一端面31から第二柱52までの距離L2…120mm
・コイル材3の軸線30から第二柱52までの距離W2…90mm
【0066】
伸線ラインA,Bおける第三柱53の構成は以下の通りである。
・形状…円柱
・直径…70mm
・コイル材3の第一端面31から第三柱53までの距離L3…0mm
・コイル材3の軸線30から第三柱53までの距離W3…210mm
【0067】
6カ月にわたる試験の結果、伸線ラインAでは、線材4のもつれは生じなかった。試験時に撮影した動画を確認したところ、伸線ラインAでは、線材4の円環40の形状が大きく崩れることなく、円環40の径が徐々に小さくなりながら線材4が繰出されていた。
【0068】
一方、伸線ラインBでは、線材4のもつれが一カ月あたり6.7回発生した。線材4のもつれは、第4層から第10層の線材4の繰出し時に発生し、他の層の線材の繰出し時には発生しなかった。試験時に撮影した動画を発明者が確認したところ、第4層から第10層から繰出される線材4の円環40が第一柱51に回転し、線材4がもつれてしまうことが分かった。
【0069】
ここで、伸線ラインBにおける第1層から第3層の線材4の繰出し時に線材4の円環40の回転が生じなかったのは、線材4の円環40の直径が小さく、線材4がもつれることなく延ばされ易いからであると推察される。一方、第11層から第36層の線材4の繰出し時に線回転が生じなかったのは、線材4の円環40の直径が大きく、線材4の円環40が第三柱53に当て止めされるからであると推察される。
【0070】
この試験例1の結果から、線材4のもつれの抑制に対する第二柱52の有効性が確認された。
【0071】
<実施形態2>
実施形態2では、実施形態1とは異なる構成を備える繰出し装置2Cを図4に基づいて説明する。
【0072】
本例の繰出し装置2Cは、第一柱51と第二柱52を備えるが、第三柱53を備えていない。実施形態2における第一柱51と第二柱52の構成及び配置は、実施形態1と同じである。
【0073】
本例の繰出し装置2Cにおいても、線材4の円環40の回転が抑制され、その結果として線材4のもつれが抑制される。本例の繰出し装置2Cは、第三柱53を備えない分だけ軽量である。
【0074】
<実施形態3>
実施形態3では、実施形態1とは異なる構成の繰出し装置2Dを図5に基づいて説明する。
【0075】
コイル材3から線材4が繰り出される方向、及び線材4の繰出し速度などの線材4の繰出し条件によっては、線材4の巻回方向と反対側に第一柱51を配置することが好ましい場合がある。例えば、図5に示される繰出し装置2Dでは、コイル材3の第一端面31をX軸方向から見て、線材4の巻回方向が右巻きであるが、第一柱51は軸線30よりも左側に配置されている。図5では、第一柱51は、軸線30よりも紙面下側に配置されている。一方、第二柱52及び第三柱53は、第一端面31をX軸方向から見て、軸線30よりも右側に配置されている。図5では、第二柱52及び第三柱53は、軸線30よりも紙面上側に配置されている。
【0076】
本例の繰出し装置2Dにおいても、第三柱53は無くても構わない。
【符号の説明】
【0077】
1 伸線ライン
2A,2B,2C,2D 繰出し装置
3 コイル材
30 軸線、31 第一端面
4 線材
40 円環
5 載置台
5B ベース部、5H 保持部、5Hc 中央
50 位置決め部、51 第一柱、52 第二柱、53 第三柱
55 連結材、58 第一保持部材、59 第二保持部材
7 保護台
8 伸直ローラー
81,82,83 円柱ローラー
9 伸線機
L1,L2,L3,W1,W2,W3 距離
図1
図2
図3
図4
図5