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特許7352886蓄電池パックの管理システム、蓄電池パックの管理方法、及び、蓄電池貸与システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】蓄電池パックの管理システム、蓄電池パックの管理方法、及び、蓄電池貸与システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230922BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021171180
(22)【出願日】2021-10-19
(62)【分割の表示】P 2017526609の分割
【原出願日】2016-12-21
(65)【公開番号】P2022003593
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2021-10-19
(31)【優先権主張番号】P 2016033638
(32)【優先日】2016-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】遠矢 正一
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-154693(JP,A)
【文献】特開2009-26185(JP,A)
【文献】特開2015-162967(JP,A)
【文献】特開2015-187940(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0100665(US,A1)
【文献】特開2001-5795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池パックの利用者の情報端末と通信する通信器と、
前記情報端末に対して、前記蓄電池パックの状態を示す状態情報をサーバ装置に送信することが推奨される推奨期限までに、前記状態情報を前記サーバ装置に送信することを前記蓄電池パックの利用者に促す推奨情報を前記通信器に送信させる制御器とを備える、蓄電池パックの管理システム。
【請求項2】
前記推奨情報は、前記推奨期限を前記蓄電池パックの利用者に示す情報を含む、請求項1に記載の蓄電池パックの管理システム。
【請求項3】
前記推奨情報は、前記推奨期限が近づいていることを前記蓄電池パックの利用者に示す情報を含む、請求項1に記載の蓄電池パックの管理システム。
【請求項4】
前記推奨情報は、前記推奨期限までに前記状態情報が、前記サーバ装置に送信されなかったことを前記蓄電池パックの利用者に示す情報である、請求項1に記載の蓄電池パックの管理システム。
【請求項5】
前記推奨情報は、前記状態情報が前記推奨期限までに前記サーバ装置に送信されたことにより、前記蓄電池パックの利用者にインセンティブが付与されたことを示す情報である、請求項1に記載の蓄電池パックの管理システム。
【請求項6】
前記状態情報は、前記蓄電池パックに設けられた検出器で検出され、前記蓄電池パックに設けられた記憶器に記憶されている、請求項1-5のいずれかに記載の蓄電池パックの管理システム。
【請求項7】
制御器が、蓄電池パックの利用者の情報端末に対して、蓄電池パックの状態を示す状態情報をサーバ装置に送信することが推奨される推奨期限までに、前記状態情報を前記サーバ装置に送信することを前記蓄電池パックの利用者に促す推奨情報を送信器に送信させる
、蓄電池パックの管理方法。
【請求項8】
前記推奨情報は、前記推奨期限を前記蓄電池パックの利用者に示す情報を含む、請求項7に記載の蓄電池パックの管理方法。
【請求項9】
前記推奨情報は、前記推奨期限が近づいていることを前記蓄電池パックの利用者に示す情報を含む、請求項7に記載の蓄電池パックの管理方法。
【請求項10】
前記推奨情報は、前記推奨期限までに前記状態情報が、前記サーバ装置に送信されなかったことを前記蓄電池パックの利用者に示す情報である、請求項7に記載の蓄電池パックの管理方法。
【請求項11】
前記推奨情報は、前記状態情報が前記推奨期限までに前記サーバ装置に送信されたことにより、前記蓄電池パックの利用者にインセンティブが付与されたことを示す情報である、請求項7に記載の蓄電池パックの管理方法。
【請求項12】
前記状態情報は、前記蓄電池パックに設けられた検出器で検出され、前記蓄電池パックに設けられた記憶器に記憶されている、請求項7-11のいずれかに記載の蓄電池パックの管理方法。
【請求項13】
蓄電池パックと、
前記蓄電池パックの利用者の情報端末と通信可能なサーバ装置とを備え、
前記蓄電池パックの状態を示す状態情報をサーバ装置に送信することが推奨される推奨期限までに、前記状態情報を前記サーバ装置に送信することを前記蓄電池パックの利用者に促す推奨情報を前記サーバ装置から前記情報端末に送信する、蓄電池貸与システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報端末と通信するサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電池パックを貸与するためのシステムおよび装置等が提案されている。特許文献1に記載の電池レンタルシステムサーバ、および、特許文献2に記載の使用量設定装置は、その例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-118638号公報
【文献】特開2013-232129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、蓄電池パックは、常に適切に利用されるとは限られず、不適切に利用される可能性がある。
【0005】
上記事情を鑑み、例示的な実施の形態は、蓄電池パックの適切な利用を支援することができるサーバ装置およびその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る蓄電池パックの管理システムは、蓄電池パックの充電装置または前記蓄電池パックの利用者の情報端末と通信する通信器と、予め定めた推奨期限情報に従って、前記充電装置または情報端末に対して前記蓄電池パックの動作計画に関する情報を前記通信器に送信させる制御器とを備える。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な体用は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係るサーバ装置によって、蓄電池パックの適切な利用が支援される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る蓄電池管理システムの概略図である。
図2図2は、実施の形態に係る蓄電池管理システムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、蓄電池管理システム100の動作のシーケンス図である。
図4図4は、推奨期限の判定の結果に応じて行われる調整処理について示す図であ技術担当者る。
図5図5は、判定結果が遵守の場合の通知情報に基づいて情報端末の表示器に表示される通知画像の一例を示す図である。
図6図6は、判定結果が違反の場合の通知情報に基づいて情報端末の表示器に表示される通知画像の一例を示す図である。
図7図7は、推奨情報に基づいて情報端末の表示器に表示される推奨画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、蓄電池パックの利用に関して、検討により課題を見出した。以下、具体的に説明する。
【0011】
近年、蓄電池パックが用いられる電気機器が普及している。電動アシスト自転車は、その一例である。例えば、電気機器の利用者は、電気機器に用いられる蓄電池パックを購入し、購入した蓄電池パックを用いて電気機器を動作させる。最近では、電気機器の利用者が、電気機器に用いられる蓄電池パックを借り、借りた蓄電池パックを用いて電気機器を動作させることを可能にするための蓄電池パックの貸与システムも検討され始めている。
【0012】
例えば、このような貸与システムにおいて、蓄電池パックの借用者である利用者は、貸与された蓄電池パックを所定の使用量または所定の使用期間の範囲で利用することができる。一方、所定の使用量または所定の使用期間の範囲を超えて、蓄電池パックを利用することは禁止される。そこで、例えば、利用者は、所定の使用量または所定の使用期間の範囲に応じて、蓄電池パックを返却する。そして、利用者は、電気機器を動作させるため、返却した蓄電池パック、または、別の蓄電池パックを新たに借りる。
【0013】
蓄電池パックを新たに借りるための手続きは、具体的には、蓄電池パックが貸与されるサービスセンターにおいて行われる。したがって、基本的には、所定の使用量または所定の使用期間の範囲に応じて、利用者が、サービスセンターに行くという作業が発生する。この作業を省略するため、利用者に貸与された蓄電池パックの継続利用を可能にするための手続きが通信ネットワークを介して行われてもよい。これにより、サービスセンターに行く作業が省略される。
【0014】
しかしながら、貸与された蓄電池パックが不適切に利用される可能性がある。そして、貸与された蓄電池パックの継続利用を可能にするための手続きが通信ネットワークを介して行われることで、貸与された蓄電池パックが不適切に継続して利用される可能性がある。
【0015】
そこで、本開示の一態様に係るサーバ装置は、蓄電池パックの充電装置または情報端末と通信する通信器と、前記蓄電池パックの状態を示す情報を、前記蓄電池パックの状態を管理するために推奨される推奨期限までに前記充電装置または前記情報端末から前記通信器を介して取得しているとき、前記蓄電池パックの状態を示す情報を前記推奨期限までに取得していないときに比べて、前記蓄電池パックの使用料を安くする、及び、前記蓄電池パックの利用者が前記使用料として使用可能なポイントを増加させる、の少なくとも一方である調整を行う制御器と、を備える。
【0016】
このため、推奨期限までに蓄電池パックの状態を示す情報を充電装置または情報端末にサーバ装置の通信器へ送信させた利用者にインセンティブを付与でき、推奨期限までに当該情報を通信器へ送信させることを利用者に促すことができる。よって、サーバ装置は、利用者の蓄電池パックの適切な利用を支援できる。
【0017】
また、前記制御器は、前記蓄電池パックの状態を示す情報を前記推奨期限までに取得しているとき、前記使用料を減額してもよい。
【0018】
このため、推奨期限までに蓄電池パックの状態を示す情報を通信器へ送信させた利用者にインセンティブを容易に付与できる。
【0019】
また、前記制御器は、前記蓄電池パックの状態を示す情報を前記推奨期限までに取得していないとき、前記使用料を増額してもよい。
【0020】
このため、推奨期限までに蓄電池パックの状態を示す情報を通信器へ送信させた利用者にペナルティを容易に付与できる。
【0021】
また、前記制御器は、前記蓄電池パックの状態を示す情報を前記推奨期限までに取得しているとき、前記ポイントを付与してもよい。
【0022】
このため、推奨期限までに蓄電池パックの状態を示す情報を通信器へ送信させた利用者にインセンティブを容易に付与できる。
【0023】
また、前記制御器は、前記蓄電池パックの状態を示す情報を前記推奨期限までに取得しているとき、前記ポイントを減少させてもよい。
【0024】
このため、推奨期限までに蓄電池パックの状態を示す情報を通信器へ送信させた利用者にペナルティを容易に付与できる。
【0025】
また、前記制御器は、前記推奨期限を示す情報を、前記通信器を介して前記充電装置に送信してもよい。
【0026】
このため、推奨期限を利用者に知らせることが容易にできる。
【0027】
また、前記制御器は、前記蓄電池パックの状態を示す情報をサーバ装置へ送信することを促す情報を、前記通信器を介して前記蓄電池パックの利用者の通信端末に送信してもよい。
【0028】
このため、推奨期限までに蓄電池パックの状態を示す情報を通信器へ送信させることを利用者に促すことが容易にできる。
【0029】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0030】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0031】
また、以下の説明において、充放電は、充電および放電の少なくとも一方を意味する。また、蓄電池パックの使用は、蓄電池パックの充電であってもよいし、蓄電池パックの放電であってもよい。また、蓄電池パックの利用は、蓄電池パックの使用であってもよい。また、蓄電池パックの利用の可否は、蓄電池パックの利用の許否に対応していてもよい。例えば、利用を可能にすることは、利用を許可することに対応していてもよいし、利用を不可にすることは、利用を禁止することに対応していてもよい。
【0032】
(実施の形態)
[全体構成]
図1は、実施の形態に係る蓄電池管理システムの概略図である。図2は、実施の形態に係る蓄電池管理システムの構成を示すブロック図である。具体的には、図1及び図2において、蓄電池パック200、充電装置300、ルータ400、通信ネットワーク500、サーバ装置600、及び、情報端末700が示されている。例えば、蓄電池管理システム100は、これらの構成要素のうち、蓄電池パック200、充電装置300、及び、サーバ装置600を備える。
【0033】
蓄電池管理システム100は、蓄電池パック200を管理するためのシステムである。蓄電池管理システム100は、例えば、蓄電池パック200及び充電装置300の貸与システムとして利用される。以下の実施の形態では、蓄電池パック200及び充電装置300が利用者に貸与されるものとして説明する。
【0034】
[蓄電池パック]
まず、蓄電池パック200について説明する。蓄電池パック200は、充電及び放電の対象となる装置であって、電気エネルギーを蓄積するための装置である。例えば、蓄電池パック200は、貸与業者から利用者に貸し出され、電動アシスト自転車等のような電気機器に着脱自在に接続される。そして、蓄電池パック200が接続された電気機器は、蓄電池パック200の放電によって得られる電力で動作する。また、蓄電池パック200は、充電装置300に着脱自在に接続される。
【0035】
また、蓄電池パック200は、蓄電池201、検出器202、制御器203、記憶器204、通信器205、電力端子206、通信端子207、及び、電力端子208を備える。
【0036】
蓄電池201は、電気エネルギーを蓄積するための構成要素であり、二次電池または充電式電池とも呼ばれる。蓄電池201は、1つの単電池(セル、素電池、電池ブロック)により構成されていてもよいし、複数の単電池により構成されていてもよい。
【0037】
検出器202は、蓄電池201の状態を検出するための構成要素である。例えば、検出器202は、蓄電池201の電圧、温度等を検出する。また、検出器202は、蓄電池201の内部抵抗を検出してもよい。また、検出器202は、蓄電池パック200に加わった衝撃力の大きさ、衝撃力が加わった回数等を検出する。検出器202は、具体的には、例えば、電圧計、温度計、衝撃センサ等で構成される。
【0038】
制御器203は、蓄電池パック200の動作を制御するための構成要素である。例えば、制御器203は、蓄電池201の充電及び放電を制御する。また、制御器203は、検出器202によって検出された蓄電池201の電圧及び温度、蓄電池パック200に加わった衝撃力の大きさ、及び、衝撃力が加わった回数などを記憶器204に記憶する。蓄電池201の電圧、及び、内部抵抗などは、例えば、蓄電池パック200の状態を示す情報(状態情報)として記憶される。蓄電池201の温度は、例えば、温度情報として記憶される。蓄電池パック200に加わった衝撃力の大きさ、及び、衝撃力が加わった回数は、衝撃関連情報として記憶される。衝撃力の大きさは、衝撃力に関する値の一例である。なお、蓄電池パック200の状態情報には、温度情報、衝撃関連情報等が含まれていてもよい。
【0039】
また、制御器203は、通信器205を制御することにより、充電装置300と通信を行う。制御器203は、具体的には、蓄電池パック200が充電装置300に接続されたときに、記憶器204に記憶された情報を、通信器205を用いて充電装置300に送信する。蓄電池パック200が充電装置300に接続されたか否かは、通信端子207を介して通信器205が充電装置300の通信器301から通知を受信したか否かなどに基づいて検出可能である。
【0040】
制御器203は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または専用回路などにより実現されるが、制御機能を備えるものであればよい。制御器203は、例えば、演算処理器(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶器(図示せず)とを備えてもよい。演算処理器としては、MPU及びCPUが例示される。記憶器としては、メモリが例示される。制御器203は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。
【0041】
記憶器204は、蓄電池パック200のID、及び、蓄電池パック200の状態情報、温度情報、衝撃関連情報等を記憶する。記憶器204は、具体的には、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの半導体メモリであるが、制御器203に記憶器が含まれるときには、制御器203に含まれる記憶器により実現されてもよい。
【0042】
通信器205は、充電装置300と通信するための構成要素である。通信器205は、具体的には、通信回路または通信モジュールなどである。通信器205には、通信端子207が含まれてもよい。
【0043】
通信器205は、具体的には、制御器203の制御に基づいて、蓄電池パック200が充電装置300に接続されたときに、記憶器204に記憶された情報を、充電装置300の通信器301に送信する。通信器205と充電装置300が備える通信器301との間の通信は、通信端子207と充電装置300が備える通信端子307とが接続された状態で行われる。通信器205と通信器301との間の通信方式は、特に限定されない。
【0044】
通信端子207は、蓄電池パック200を充電する充電装置300の通信端子307に、電気的及び機械的に接続される通信端子である。通信端子207は、蓄電池パック200から放電される電力を消費する電気機器に電気的及び機械的に接続されてもよい。
【0045】
電力端子206及び電力端子208のそれぞれは、蓄電池パック200を充電する充電装置300に電気的及び機械的に接続される電力端子である。電力端子206は、充電装置300の電力端子306に接続され、電力端子208は、充電装置300の電力端子308に接続される。電力端子206及び電力端子208のそれぞれは、蓄電池パック200から放電される電力を消費する電気機器に接続されてもよい。蓄電池201の充電及び放電は、電力端子206が電力端子306に接続され、かつ、電力端子208が電力端子308に接続された状態で行われる。
【0046】
具体的には、電力端子206及び電力端子208のうち、一方が、プラスの電力端子であり、他方がマイナスの電力端子である。例えば、電力端子206がプラスの電力端子であって、電力端子208がマイナスの電力端子であってもよい。
【0047】
[充電装置]
次に、充電装置300について説明する。充電装置300は、蓄電池パック200を充電する装置である。充電装置300は、例えば、蓄電池パック200の貸与業者から利用者に貸し出され、利用者が蓄電池パック200の充電に利用する。充電装置300は、1つの蓄電池パック200のみを充電可能な構成であってもよいし、複数の蓄電池パック200を同時に充電可能な構成であってもよい。充電装置300は、通信器301、制御器302、電源器303、プラグ305、電力端子306、通信端子307、及び、電力端子308を備える。
【0048】
通信器301は、蓄電池パック200、サーバ装置600等と通信を行うための構成要素である。通信器301は、具体的には、通信回路または通信モジュールなどである。通信器301には、通信端子307が含まれてもよい。
【0049】
まず、通信器301と蓄電池パック200との通信について説明する。
【0050】
通信器301は、蓄電池パック200が充電装置300に接続されると、蓄電池パック200と通信を行う。通信器301は、具体的には、蓄電池パック200の通信端子207が充電装置300の通信端子307に接続された状態で、通信器205と通信を行う。通信器301と通信器205との通信において、通信器301は、蓄電池パック200の記憶器204に記憶された情報を受信する。
【0051】
次に、通信器301とサーバ装置600との通信について説明する。
【0052】
例えば、通信器301は、通信ネットワーク500等を介して、サーバ装置600と通信する。通信器301は、ルータ400及び通信ネットワーク500を介して、サーバ装置600と通信してもよいし、情報端末700及び通信ネットワーク500を介して、サーバ装置600と通信してもよい。通信器301とルータ400との間の通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。
【0053】
例えば、通信器301は、サーバ装置600へ通信ネットワーク500等を介して、蓄電池パック200の利用状況を示す情報を送信する。なお、蓄電池パック200の利用状況を示す情報は、蓄電池パック200の記憶器204に記憶されている情報であり、具体的には、蓄電池パック200の状態情報、温度情報、衝撃関連情報などである。また、通信器301は、サーバ装置600から通信ネットワーク500等を介して、推奨期限を示す情報(期限情報)を受信してもよい。
【0054】
通信端子307は、蓄電池パック200の通信端子207に、電気的及び機械的に接続される通信端子である。
【0055】
電力端子306及び電力端子308のそれぞれは、蓄電池パック200に電気的及び機械的に接続される電力端子である。電力端子306は、電力端子206に接続され、電力端子308は、電力端子208に接続される。蓄電池201の充電及び放電は、電力端子306が電力端子206に接続され、かつ、電力端子308が電力端子208に接続された状態で行われる。
【0056】
電力端子306及び電力端子308のうち、一方は、プラスの電力端子であり、他方は、マイナスの電力端子である。例えば、電力端子306がプラスの電力端子であって、電力端子308がマイナスの電力端子であってもよい。
【0057】
制御器302は、通信器601において期限情報が受信されると、当該期限情報により示される推奨期限までの期間が所定期間未満(例えば5日間未満)であるかを判定する。制御器302は、推奨期限までの期間が所定期間未満であると判定すれば、推奨期限が近いと判断し、表示器309に推奨期限が近いことを示す表示をさせる。
【0058】
制御器302は、通信器301の制御、蓄電池パック200の充電制御などを行う構成要素である。制御器302は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または専用回路などにより実現されるが、制御機能を備えるものであればよい。制御器302は、例えば、演算処理器(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶器(図示せず)とを備えてもよい。演算処理器としては、MPU及びCPUが例示される。記憶器としては、メモリが例示される。制御器302は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。
【0059】
電源器303は、蓄電池パック200の充電に用いられる構成要素である。電源器303は、電力系統などの外部電源から供給される電力を用いて、充電装置300に接続されている蓄電池パック200を充電する充電回路を含む。電源器303は、具体的には、電力系統からプラグ305を介して供給される交流電力を、蓄電池パック200の充電に適した直流電力に変換する。電源器303は、例えば、AC/DCコンバータ、DC/ACインバータ、及び、DC/DCコンバータなどにより実現される。
【0060】
プラグ305は、受電器の一例であって、コンセントなどの電力供給器に着脱自在に接続される構成要素である。
【0061】
表示器309は、推奨期限が近いことを示す表示を行う。表示器309は、例えば、RGB表現可能なLEDなどの光源により構成され、赤色で点灯することで当該表示を行う。なお、表示器309は、単色のLEDなどの光源により構成され、点灯することで当該表示を行ってもよい。この場合の点灯には、点滅による点灯も含む。
【0062】
[ルータ]
ルータ400は、通信を中継するための装置である。ルータ400は、充電装置300と通信可能である。ルータ400は、インターネット等の通信ネットワーク500を介してサーバ装置600と通信可能である。そして、ルータ400は、充電装置300と通信し、かつ、通信ネットワーク500を介してサーバ装置600と通信することにより、充電装置300とサーバ装置600との間の通信を中継する。ルータ400は、例えば、充電装置300と無線通信を行い、サーバ装置600と有線通信を行う。
【0063】
また、ルータ400は、情報端末700と通信が可能である。ルータ400は、例えば、情報端末700と無線通信を行う。
【0064】
[通信ネットワーク]
通信ネットワーク500は、充電装置300、ルータ400、サーバ装置600、及び、情報端末700が互いに通信するための通信ネットワークである。通信ネットワーク500は、インターネットのような汎用のネットワークでもよいし、蓄電池管理システム100の専用のネットワークでもよい。
【0065】
[サーバ装置]
サーバ装置600は、蓄電池パック200の適切な利用を支援するためのサーバ装置である。サーバ装置600は、コンピュータ等のような情報処理装置でもよい。また、サーバ装置600は、複数の装置で構成されていてもよい。
【0066】
サーバ装置600は、具体的には、通信器601と、制御器602と、記憶器603とを備える。なお、記憶器603は、サーバ装置600の構成要素でなくてもよく、サーバ装置600に通信接続されている他の機器に設けられていてもよい。
【0067】
通信器601は、充電装置300及び情報端末700と通信を行うための構成要素である。通信器601は、具体的には、通信回路または通信モジュールなどである。
【0068】
通信器601は、インターネット等の通信ネットワーク500を介して、ルータ400と通信する。そして、通信器601は、ルータ400等を介して、充電装置300と通信する。通信器601とルータ400との間の通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。また、通信器601は、ルータ400等を介さず、直接、充電装置300と通信してもよい。
【0069】
通信器601は、具体的には、蓄電池パック200の利用状況を示す情報を、当該蓄電池パック200を充電する充電装置300から通信ネットワーク500を介して受信する。通信器601は、当該利用状況を示す情報を、情報端末700から通信ネットワーク500を介して受信してもよい。
【0070】
一方、通信器601は、情報端末700とも通信が可能である。通信器601と情報端末700との間の通信は、無線通信を含む。この無線通信には、第3世代移動通信システム(3G)、第4世代移動通信システム(4G)、または、LTE(登録商標)等のような移動通信システムで利用される通信規格が用いられる。
【0071】
通信器601は、具体的には、蓄電池パック200の利用状況を用いて制御器602が行う調整処理(後述参照)の結果を示す通知情報を、蓄電池パック200の利用者が所持している情報端末700に送信する。また、通信器601は、蓄電池パック200の状態情報をサーバ装置600へ送信することを利用者に促す推奨情報を、蓄電池パック200の利用者が所持している情報端末700に送信してもよい。また、通信器601は、推奨期限を示す情報(期限情報)を、充電装置300に送信してもよい。
【0072】
制御器602は、蓄電池パック200の状態情報を、当該蓄電池パック200の状態を管理するために推奨される推奨期限までに充電装置300または情報端末700から通信器601を介して取得しているか否かの判定を行う。そして、制御器602は、当該状態情報を推奨期限までに取得しているとき、当該状態情報を取得していないときときに比べて、蓄電池パック200の使用料を安くする、及び、当該蓄電池パック200の利用者が当該使用料として使用可能なポイントを増加させるの少なくとも一方である調整(調整処理)を行う。推奨期限は、例えば、前回、状態情報を取得してから所定期間(例えば1ヶ月間)後の日までの期間であってもよいし、予め所定期間毎に定められる日までの期間(例えば、毎月1日など)であってもよい。
【0073】
制御器602は、通知情報または推奨情報を、通信器601を介して、蓄電池パック200の利用者が所持している情報端末700へ送信してもよい。また、制御器602は、期限情報を、通信器601を介して充電装置300に送信してもよい。
【0074】
制御器602は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または専用回路などにより実現されるが、制御機能を備えるものであればよい。制御器602は、例えば、演算処理器(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶器(図示せず)とを備えてもよい。演算処理器としては、MPU及びCPUが例示される。記憶器としては、メモリが例示される。制御器203は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器602で構成されていてもよい。
【0075】
記憶器603は、推奨期限を記憶している。また、記憶器603は、通信器601を介して受信した蓄電池パック200の利用状況を示す情報を記憶する。また、記憶器603は、制御器602による調整処理の結果を記憶する。記憶器603への、蓄電池パック200の利用状況を示す情報の記憶、当該情報の更新、制御器602による調整処理の結果の記憶、及び、当該結果の更新は、制御器602によって行われる。
【0076】
記憶器603は、具体的には、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの半導体メモリ、または、HDD(Hard Disk Drive)などである。記憶器603は、制御器602に記憶器が含まれるときには、当該記憶器として実現されてもよい。また、記憶器603は、サーバ装置600とは別体の記憶装置として実現されてもよい。
【0077】
[情報端末]
情報端末700は、ルータ400との通信接続、または、移動体通信システムの基地局510との通信接続により、通信ネットワーク500を介してサーバ装置600と通信する装置である。情報端末700は、具体的には、蓄電池パック200の利用者が所持している情報端末である。情報端末700は、コンピュータ等のような情報処理装置であってもよいし、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯端末でもよい。これらの通信には、有線通信が適用されてもよいし、無線通信が適用されてもよい。
【0078】
例えば、情報端末700と移動体通信システムの基地局510との間の通信接続には、例えば、第3世代移動通信システム(3G)、第4世代移動通信システム(4G)、または、LTE(登録商標)等のような移動通信システムで利用される通信規格が用いられる。
【0079】
また、情報端末700とルータ400との間の通信接続は、例えば、無線により行われるが、有線により行われてもよい。なお、ルータ400に代えて、情報端末700が充電装置300とサーバ装置600との通信を中継してもよい。
【0080】
情報端末700は、サーバ装置600から調整処理の結果を示す通知情報を受信する。また、情報端末700は、サーバ装置600から、蓄電池パック200の状態情報をサーバ装置600へ送信することを利用者に促す推奨情報を受信する。通知情報及び推奨情報は、それぞれ、通知画像及び推奨画像を表示するための表示情報である。情報端末700は、サーバ装置600から直接通知情報または推奨情報を受信してもよいし、通信ネットワーク500及びルータ400を介して通知情報または推奨情報を受信してもよい。
【0081】
実施の形態1では、情報端末700は、表示器710を有する。表示器710には、サーバ装置600から送信される通知情報に基づいて、利用者に付与されたインセンティブまたはペナルティを示す通知画像が表示される。また、表示器710には、サーバ装置600から送信される推奨情報に基づいて、蓄電池パック200の状態情報をサーバ装置600へ送信することを利用者に促すメッセージを含む推奨画像が表示される。
【0082】
[全体動作]
次に、蓄電池管理システム100の動作について説明する。図3は、蓄電池管理システム100の動作のシーケンス図である。
【0083】
まず、利用者によって充電装置300に蓄電池パック200が接続される(S11)。具体的には、電力端子206が電力端子306に、通信端子207が通信端子307に、電力端子208が電力端子308に接続される。そうすると、充電装置300において、電力端子306と電力端子308との間に電圧が印加される(S12)。
【0084】
充電装置300の制御器302は、電力端子306と電力端子308との間に電圧が印加されたことを検出することにより、蓄電池パック200が接続されたことを認識する(S13)。制御器302は、蓄電池パック200が接続されたことを認識すると、通信器301に、蓄電池パック200の接続が完了したことを通知させる(S14)。この通知は、蓄電池パック200の通信器205に送信される。
【0085】
蓄電池パック200の通信器205が通知を受信すると(S15)、制御器203は、蓄電池パック200の電池情報を、通信器205に送信させる(S16)。電池情報には、少なくとも蓄電池パック200のIDが含まれればよい。電池情報には、温度情報及び衝撃関連情報などが含まれてもよく、このような情報は、ステップS20で蓄電池パック200の利用状況を示す情報として必要な場合に、電池情報に含まれればよい。
【0086】
充電装置300の通信器301は、蓄電池パック200の通信器205から電池情報を受信すると(S17)、受信した電池情報をサーバ装置600の通信器601に送信する(S18)。
【0087】
サーバ装置600の通信器601が充電装置300の通信器301から電池情報を受信すると、制御器602は、記憶器603に記憶された利用状況を示す情報、つまり、蓄電池パック200の利用状況を確認する(S19)。状態情報、温度情報及び衝撃関連情報などの蓄電池パック200の利用状況を示す情報が電池情報に含まれる場合には、制御器602は、記憶器603に記憶された当該蓄電池パック200の状態情報を更新する。制御器602は、具体的には、電池情報に蓄電池パック200の利用状況を示す情報が含まれる場合、当該蓄電池パック200のIDに対応づけられて記憶器603に記憶されている状態情報を更新する。
【0088】
そして、制御器602は、電池情報に含まれるIDを有する蓄電池パック200の状態情報を、当該蓄電池パック200の状態を管理するために推奨される推奨期限までに充電装置300または情報端末700から通信器601を介して取得しているか否かの判定を行う(S20)。具体的には、制御器602は、電池情報に含まれるIDに対応づけられている状態情報を最後に取得した時期が、推奨期限までに取得されているか否かを判定する。
【0089】
次に、制御器602は、当該判定の結果に応じて、当該蓄電池パック200の使用料、及び、当該蓄電池パック200の利用者が当該使用料として使用可能なポイントの調整(調整処理)を行う(S21)。これにより、制御器602は、当該蓄電池パック200の利用者にインセンティブまたはペナルティを付与する。
【0090】
次に、制御器602は、通信器601に調整処理の結果を示す通知情報を情報端末700へ通知させる(S22)。なお、制御器602は、ステップS22の通知情報を情報端末700に通知しなくてもよい。
【0091】
また、制御器602は、ステップS21の後に、推奨期限を示す情報を、通信器601を介して充電装置300に送信する(S23)。
【0092】
充電装置300の通信器301は、推奨期限を示す情報を、通信器601から受信する(S24)。そして、充電装置300の制御器302は、通信器601において期限情報が受信されると、当該期限情報により示される推奨期限までの期間が所定期間未満(例えば5日間未満)であるか否かを判定する。制御器302は、推奨期限までの期間が所定期間未満であると判定すれば、推奨期限が近いと判断し、例えば、図1に示すように、表示器309に推奨期限が近いことを示す表示をさせる(S25)。
【0093】
なお、推奨期限までの期間が所定期間未満であるか否かの判定は、サーバ装置600において行われてもよい。この場合、サーバ装置600は、ステップS23において期限情報を送信する代わりに、推奨期限までの期間が所定期間未満であるときのみに充電装置300に推奨期限が近いことを示す表示を行わせる情報を送信する。充電装置300は、推奨期限が近いことを示す表示を行わせる情報を受信すると、表示器309に当該表示を行わせる。
【0094】
また、サーバ装置600は、期限情報を充電装置300に送信する代わりに、推奨情報を情報端末700に送信してもよい。具体的には、サーバ装置600の制御器602は、ステップS21の後に、推奨情報を、通信器601を介して、蓄電池パック200の利用者が所持している情報端末700へ送信してもよい。なお、制御器602は、推奨情報を、推奨期限が迫っているとき、例えば、推奨期限の所定期間(5日間)前のみに、当該情報端末700へ送信してもよい。
【0095】
[調整処理]
次に、推奨期限の判定の後に、制御器602により行われる調整処理について図4を用いて具体的に説明する。図4は、推奨期限の判定の結果に応じて行われる調整処理について示す図である。
【0096】
制御器602は、調整処理において、蓄電池パック200の状態情報を推奨期限までに取得しているとき(判定結果が「遵守」)、当該蓄電池パック200の使用料が減額されるように調整してもよい。例えば、制御器602は、調整処理において、蓄電池パック200に対する月々の貸与料を減額してもよいし、当該蓄電池パック200を交換するときにかかる新しい別の蓄電池パック200にかかる料金(機器料金)を減額してもよいし、当該蓄電池パック200の利用者が新たに別の蓄電池パック200を追加するときにかかる当該別の蓄電池パック200にかかる料金(機器料金)を減額してもよい。
【0097】
反対に、制御器602は、調整処理において、蓄電池パック200の状態情報を推奨期限までに取得していないとき(判定結果が「違反」)、使用料が増額されるように調整してもよい。例えば、制御器602は、調整処理において、蓄電池パック200に対する月々の貸与料を増額してもよいし、当該蓄電池パック200を交換するときにかかる新しい別の蓄電池パック200にかかる料金(機器料金)を増額してもよいし、当該蓄電池パック200の利用者が新たに別の蓄電池パック200を追加するときにかかる当該別の蓄電池パック200にかかる料金(機器料金)を増額してもよい。
【0098】
また、調整処理では、制御器602は、使用料を調整するだけでなく、ポイントを調整してもよい。
【0099】
制御器602は、調整処理において、蓄電池パック200の状態情報を推奨期限までに取得しているとき(判定結果が「遵守」)、使用料として使用可能なポイントを当該蓄電池パック200の利用者に対して付与してもよい。例えば、制御器602は、調整処理において、当該利用者に対して次に月々の貸与料を支払うときに使用できる使用ポイントを付与してもよいし、当該蓄電池パック200を既に定めた貸与期間を延長できる期間ポイントを付与してもよい。つまり、ここで言う、ポイントは、利用者が蓄電池パック200の貸与料の支払い、交換電池の支払い、蓄電池パックの貸与期間の延長などに使用できるポイントである。
【0100】
反対に、制御器602は、調整処理において、蓄電池パック200の状態情報を推奨期限までに取得していないとき(判定結果が「違反」)、当該蓄電池パック200の利用者に対応づけられているポイントから削減してもよい。例えば、制御器602は、調整処理において、当該利用者に対して次に月々の貸与料を支払うときに使用できる使用ポイントを削減してもよいし、当該蓄電池パック200を既に定めた貸与期間を延長できる期間ポイントを削減してもよい。
【0101】
なお、蓄電池パック200の状態情報を推奨期限までに取得しているときに、制御器602が使用料を減額するまたはポイントを付与するシステムあれば、蓄電池パック200の状態情報を推奨期限までに取得していないときに、使用料を増額する、または、ポイントを減ずる調整処理を行わなくてもよい。また、その逆に、蓄電池パック200の状態情報を推奨期限までに取得していないときに、制御器602が使用料を増額するまたはポイントを減ずるシステムあれば、蓄電池パック200の状態情報を推奨期限までに取得しているときに、使用料を減額する、または、ポイントを加える調整処理を行わなくてもよい。
【0102】
[通知情報及び推奨情報]
次に、サーバ装置600から情報端末700に通知される通知情報及び推奨情報について、図5図7を用いて具体的に説明する。
【0103】
図5は、判定結果が遵守の場合の通知情報に基づいて情報端末の表示器に表示される通知画像の一例を示す図である。図6は、判定結果が違反の場合の通知情報に基づいて情報端末の表示器に表示される通知画像の一例を示す図である。
【0104】
サーバ装置600において、制御器602により蓄電池パック200の状態情報が推奨期限までに取得していると判定されると、当該蓄電池パック200の利用者が所持する情報端末700に、当該判定結果を示す通知情報が通知される。そして、図5に示すように、情報端末700の表示器710には、当該通知情報に基づいてインセンティブとして100ポイントが当該蓄電池パック200の利用者に付与されたことを表す通知画像711が表示される。このように、利用者は、通知画像711を見ることで、推奨期限までに状態情報を送信できていることを知ることができる。このため、サーバ装置600は、推奨期限までに蓄電池パック200の状態情報をサーバ装置600へ送信させることを利用者に効果的に促すことができる。
【0105】
また、サーバ装置600において、制御器602により蓄電池パック200の状態情報が推奨期限までに取得できていないと判定されると、当該蓄電池パック200の利用者が所持する情報端末700に、当該判定結果を示す通知情報が通知される。そして、図6に示すように、情報端末700の表示器710には、推奨期限までに蓄電池パック200の状態情報がサーバ装置600に取得されなかったことを通知する通知画像712が表示される。このように、利用者は、通知画像712を見ることで、推奨期限までに状態情報を送信できていないことを知ることができる。このため、サーバ装置600は、推奨期限までに蓄電池パック200の状態情報をサーバ装置600へ送信させることを利用者に効果的に促すことができる。
【0106】
次に、サーバ装置600が、期限情報を充電装置300に送信する代わりに、推奨情報を情報端末700に送信した場合について説明する。図7は、推奨情報に基づいて情報端末の表示器に表示される推奨画像の一例を示す図である。
【0107】
サーバ装置600は、推奨期限が迫っていると判定すると、推奨情報が、蓄電池パック200の利用者が所持している情報端末700に送信される。そして、図7に示すように、情報端末700の表示器710には、推奨期限までに蓄電池パック200の状態情報をサーバ装置600へ送信することを利用者に促す推奨画像713が表示される。このように、利用者は、推奨画像713を見ることで、更新時期(推奨期限)が迫っていることを知ることができる。このため、サーバ装置600は、推奨期限までに蓄電池パック200の状態情報をサーバ装置600へ送信させることを利用者に効果的に促すことができる。
【0108】
(その他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0109】
また、上記実施の形態で説明された装置間の通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。また、通信規格についても、特に限定されない。装置間の無線通信には、Bluetooth(登録商標)に代表される近距離無線通信の国際規格であるIEEE802.15.1規格が用いられてもよい。また、装置間の無線通信には、無線LAN(Local Area Network)またはWi-Fi(登録商標)に代表される無線通信の国際規格であるIEEE802.11規格が用いられてもよい。また、装置間の有線通信には、有線LANに代表される有線通信の国際規格であるIEEE802.3規格が用いられてもよい。
【0110】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行器が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0111】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、回路でもよい。複数の構成要素が、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路を構成してもよい。また、回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0112】
以上、一つまたは複数の態様に係るサーバ装置の制御方法、及び、サーバ装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0113】
例えば、上記実施の形態において、特定の構成要素が実行する処理を特定の構成要素の代わりに別の構成要素が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本開示は、蓄電池パックの管理を行うサーバ装置に利用可能であり、蓄電池パックの貸与システム、及び、蓄電池パックの管理システム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0115】
100 蓄電池管理システム
200 蓄電池パック
201 蓄電池
202 検出器
203、302、602 制御器
204、603 記憶器
205、301、601 通信器
206、208、306、308 電力端子
207、307 通信端子
300 充電装置
303 電源器
305 プラグ
309、710 表示器
400 ルータ
500 通信ネットワーク
510 基地局
600 サーバ装置
700 情報端末
711、712 通知画像
713 推奨画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7