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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】調理窯装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/06 20060101AFI20230922BHJP
   A47J 37/07 20060101ALI20230922BHJP
   A21B 1/04 20060101ALI20230922BHJP
   A21B 5/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
A47J37/06 316
A47J37/07
A21B1/04
A21B5/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019040231
(22)【出願日】2019-03-06
(65)【公開番号】P2020141842
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-03-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2018年6月13日発行の『地方独立行政法人岩手県工業技術センター最新成果集2018』の表紙,目次,P.12の写し [刊行物等] 2018年11月8日開催の「第13回ビジネスマッチ東北2018」のパンフレットの写し及び展示会場における出品状況を示す写真
(73)【特許権者】
【識別番号】306017014
【氏名又は名称】地方独立行政法人 岩手県工業技術センター
(73)【特許権者】
【識別番号】519078444
【氏名又は名称】株式会社アイ・エス・エス
(73)【特許権者】
【識別番号】515087846
【氏名又は名称】株式会社伊藤工作所
(74)【代理人】
【識別番号】100093148
【弁理士】
【氏名又は名称】丸岡 裕作
(74)【復代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】園田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】長嶋 宏之
(72)【発明者】
【氏名】内澤 啓太
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 進
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】田中 達也
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0064985(US,A1)
【文献】登録実用新案第3218095(JP,U)
【文献】特開2011-169509(JP,A)
【文献】実開平02-112230(JP,U)
【文献】実開昭57-014701(JP,U)
【文献】実開昭51-119965(JP,U)
【文献】登録実用新案第3177873(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0287119(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0218754(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21B 1/04-1/28
A21B 1/33
A21B 1/52
A21B 5/00
F24B 1/20-1/24
A47J 37/00-37/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台上に側壁及び天井壁で囲繞した空間を形成し、該空間を上下に仕切る仕切壁を設け、上記空間の下側に、燃焼媒体を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼室を形成し、上記空間の上側に、調理品を出し入れする出入口開口を有するとともに上記燃焼室で生成された燃焼ガスが流入させられる流入開口を有し上記出入口開口から入れられた調理品を加熱して調理する加熱室を形成した調理窯装置において、
上記側壁を金属板で形成し、上記天井壁及び仕切壁を石板で形成し、該天井壁及び仕切壁を、夫々、上記側壁に対して着脱可能にし、
上記側壁の内面に、上記天井壁及び仕切壁を、夫々支承する支承体を突設し、
上記加熱室を形成する側壁に上記出入口開口を形成する開放口を形成し、上記天井壁を、前端縁が上記開放口に面するとともに上記側壁の上側を塞ぐ形状に形成し、上記仕切壁を、前端縁が上記開放口に面するとともに後端縁と上記側壁の内面との間に上記流入開口を形成する形状に形成し、
上記側壁を、上側部と下側部とに上下に2分割し、該上側部を下側部に対して着脱可能に支持し、
上記側壁を、上記開放口を除き横断面が中心点を有した円形若しくは正多角形の辺が連続する形状に形成し、上記上側部を、上記仕切壁を含むように分割し、上記下側部に対して、上記正多角形の中心点を中心にして回転させて、上記加熱室の出入口開口の向きを変更可能に支持させることを特徴とする調理窯装置。
【請求項2】
貫通孔を形成する枠状部を有した石板で形成され、上記枠状部を、上記天井壁の前端縁,上記仕切壁の前端縁及び上記側壁の開放口縁を覆う覆部として構成し、上記貫通孔を、上記出入口開口として構成した装飾壁を設け、該装飾壁を上記側壁に対して着脱可能にしたことを特徴とする請求項1記載の調理窯装置。
【請求項3】
上記側壁の開放口に、上記装飾壁を支承して保持する保持体を架設したことを特徴とする請求項2記載の調理窯装置。
【請求項4】
上記天井壁を覆うドーム状の金属製のカバーを、上記側壁の上端に着脱可能に設けたことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の調理窯装置。
【請求項5】
上記下側部の上縁に上記上側部を支持する支持フランジを設け、上記上側部の下縁に上記支持フランジに支持される被支持フランジを設け、上記支持フランジ及び被支持フランジに、上記上側部を下側部に対して所定の回転位置に位置決めする位置決め機構を設けたことを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の調理窯装置。
【請求項6】
容器状のバケットを備え、該バケットの床を基台として構成し、上記側壁の下側部を上記バケット内に収納し、該バケットと上記側壁との間に保温空間を設けるとともに、該バケットにこれを走行させる走行機構を設けたことを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の調理窯装置。
【請求項7】
基台上に側壁及び天井壁で囲繞した空間を形成し、該空間を上下に仕切る仕切壁を設け、上記空間の下側に、燃焼媒体を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼室を形成し、上記空間の上側に、調理品を出し入れする出入口開口を有するとともに上記燃焼室で生成された燃焼ガスが流入させられる流入開口を有し上記出入口開口から入れられた調理品を加熱して調理する加熱室を形成した調理窯装置において、
上記側壁を金属板で形成し、上記天井壁及び仕切壁を石板で形成し、該天井壁及び仕切壁を、夫々、上記側壁に対して着脱可能にし、
上記側壁の内面に、上記天井壁及び仕切壁を、夫々支承する支承体を突設し、
上記加熱室を形成する側壁に上記出入口開口を形成する開放口を形成し、上記天井壁を、前端縁が上記開放口に面するとともに上記側壁の上側を塞ぐ形状に形成し、上記仕切壁を、前端縁が上記開放口に面するとともに後端縁と上記側壁の内面との間に上記流入開口を形成する形状に形成し、
上記側壁を、上側部と下側部とに上下に2分割し、該上側部を下側部に対して着脱可能に支持し、
容器状のバケットを備え、該バケットの床を基台として構成し、上記側壁の下側部を上記バケット内に収納し、該バケットと上記側壁との間に保温空間を設けるとともに、該バケットにこれを走行させる走行機構を設けたことを特徴とする調理窯装置。
【請求項8】
貫通孔を形成する枠状部を有した石板で形成され、上記枠状部を、上記天井壁の前端縁,上記仕切壁の前端縁及び上記側壁の開放口縁を覆う覆部として構成し、上記貫通孔を、上記出入口開口として構成した装飾壁を設け、該装飾壁を上記側壁に対して着脱可能にしたことを特徴とする請求項7記載の調理窯装置。
【請求項9】
上記側壁の開放口に、上記装飾壁を支承して保持する保持体を架設したことを特徴とする請求項8記載の調理窯装置。
【請求項10】
上記天井壁を覆うドーム状の金属製のカバーを、上記側壁の上端に着脱可能に設けたことを特徴とする請求項7乃至9何れかに記載の調理窯装置。
【請求項11】
上記バケットを高位置と該高位置より低い低位置との2位置に移動可能に支持する支持機構を備えて構成したことを特徴とする請求項6乃至10何れかに記載の調理窯装置。
【請求項12】
上記バケットに、上記燃焼室でペレット状の固形燃料からなる燃焼媒体を燃焼させる熱供給部を付設し、該熱供給部を、上記燃焼室の略中央に設けられ上記仕切壁に対峙する上開放の開口を有するとともに燃焼媒体を燃焼させる燃焼容器と、燃焼媒体を貯留するホッパと、該ホッパの出口及び上記燃焼容器の一側壁に設けた入口間に設けられ燃焼媒体が通過可能な筒状の燃料通路体と、該燃料通路体内に設けられ該燃料通路体の長手方向に沿う回転軸を有し回転させられて上記ホッパ内の燃焼媒体を上記燃焼容器内に搬送するオーガと、該オーガを駆動する電動モータと、上記燃焼容器内に燃焼空気を供給する空気供給部とを備えて構成したことを特徴とする請求項6乃至11何れかに記載の調理窯装置。
【請求項13】
上記空気供給部を、上記燃焼容器の他側壁に複数の小孔を形成し、該燃焼容器及び燃料通路体の外側を外郭で覆い該外郭と上記燃焼容器及び燃料通路体との間に空気通路を形成し、該外郭のホッパ側に空気の入口を設け、該入口に外気を上記空気通路及び小孔を通して燃焼容器内に送給する電動の空気送給ファンを設けて構成したことを特徴とする請求項12記載の調理窯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピザ,パン,ナン,菓子,グラタン等の種々の調理品を加熱する調理窯装置に係り、特に、屋内外で行われる各種イベントやパーティ等で容易に組立てて用いることのできる調理窯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、調理窯装置としては、例えば、実用新案登録第3218095号公報(特許文献1)に掲載された技術が知られている。図10に示すように、この調理窯装置Kaは、ピザからなる調理品Tを加熱焼成するもので、基台100上に、側壁101及び天井壁102で囲繞した空間eを形成し、空間eを上下に仕切る仕切壁103を設け、空間の下側に、燃焼媒体としてのガスをガスバーナ104により燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼室105を形成し、空間の上側に、調理品Tを出し入れする出入口開口106を有するとともに、燃焼室105で生成された燃焼ガスが流入させられる流入開口107を有し、出入口開口106から入れられた調理品Tを加熱して調理する加熱室108を形成して構成されている。側壁101及び天井壁102は、複数の石材ブロックBをガイドフレーム110にガイドさせて連接して組立てたもので、押さえフレーム111により外側から保持されている。仕切壁103は、側壁101の左右から突設した金属製の支持板112と、支持板112に係止される金属製のトレー113と、このトレー113に載置された石板114とから構成されている。出入口開口106の上側には、開閉扉115が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3218095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来の調理窯装置Kaにあっては、側壁101及び天井壁102が、複数の石材ブロックB,ガイドフレーム110及び押さえフレーム111から構成され、仕切壁103が、支持板112,トレー113及び石板114から構成されているので、部品点数が極めて多くなっており、そのため、不使用時の管理が煩雑になり、搬送も煩雑になっているという問題があった。また、側壁101及び天井壁102を組立てる際には、ガイドフレーム110にガイドさせながら逐一石材ブロックBを順次連接し、押さえフレーム111で押さえなければならないので、組立てが複雑で、作業が煩雑になっており、組立て効率が悪いという問題があった。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、部品点数を低減し、管理や搬送を容易にするとともに、組立ても簡易にしてその作業を容易にし、組立て効率の向上を図った調理窯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するための本発明の調理窯装置は、基台上に側壁及び天井壁で囲繞した空間を形成し、該空間を上下に仕切る仕切壁を設け、上記空間の下側に、燃焼媒体を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼室を形成し、上記空間の上側に、調理品を出し入れする出入口開口を有するとともに上記燃焼室で生成された燃焼ガスが流入させられる流入開口を有し上記出入口開口から入れられた調理品を加熱して調理する加熱室を形成した調理窯装置において、
上記側壁を金属板で形成し、上記天井壁及び仕切壁を石板で形成し、該天井壁及び仕切壁を、夫々、上記側壁に対して着脱可能にした構成としている。
【0007】
これによれば、燃焼室と加熱室が、基台上に設けた側壁,天井壁及び仕切壁を備えて構成されるが、側壁が金属板で形成され、天井壁及び仕切壁が石板で形成されるので、従来に比較して部品点数が極めて少なくなり、そのため、管理や搬送が容易になる。また、組立てるときは、金属製の側壁を、基台に予め設置し、あるいは、その都度設置し、この側壁に、天井壁の石板と、仕切壁の石板とを装着する。そのため、従来のように、複数の石材ブロックを連接しなくても良いことから、組立てが極めて簡単になり、作業が容易になって、組立て効率を向上させることができる。このため、特に、屋内外で行われる各種イベントやパーティ等で、搬送して組立てて使用する場合には、極めて有用になる。
【0008】
この調理窯装置を使用するときは、燃焼室で燃焼媒体を燃焼させるとともに、調理品を、直接あるいは鍋やフライパンに入れて出入口開口から加熱室に入れ、仕切壁に載せる。これにより、燃焼室で生成される燃焼ガスにより側壁,仕切壁及び天井壁が加熱されるとともに、燃焼ガスが流入開口から加熱室に流入し、調理品が加熱されていく。また、天井壁が石板なので、この天井壁の上面においても調理品を加熱することができる。
【0009】
この構成において、上記側壁の内面に、上記天井壁及び仕切壁を、夫々支承する支承体を突設したことが有効である。天井壁の石板及び仕切壁の石板を、夫々、支承体に支承させるだけで装着できるので、組立てが極めて簡単になる。
【0010】
そして、必要に応じ、上記加熱室を形成する側壁に上記出入口開口を形成する開放口を形成し、上記天井壁を、前端縁が上記開放口に面するとともに上記側壁の上側を塞ぐ形状に形成し、上記仕切壁を、前端縁が上記開放口に面するとともに後端縁と上記側壁の内面との間に上記流入開口を形成する形状に形成した構成としている。天井壁の石板及び仕切壁の石板を、夫々、支承体に支承させるだけで、出入口開口及び流入開口を形成できるので、構造を極めて簡易にすることができる。
【0011】
また、必要に応じ、貫通孔を形成する枠状部を有した石板で形成され、上記枠状部を、上記天井壁の前端縁,上記仕切壁の前端縁及び上記側壁の開放口縁を覆う覆部として構成し、上記貫通孔を、上記出入口開口として構成した装飾壁を設け、該装飾壁を上記側壁に対して着脱可能にした構成としている。これにより、装飾壁の石板は、側壁に天井壁の石板及び仕切壁の石板を装着した後に装着する。装飾壁は石板なので、組立てが極めて簡単であり、作業を容易に行うことができる。また、装飾壁によって天井壁の前端縁,仕切壁の前端縁及び側壁の開放口縁が覆われるので、見栄えが良く、外観品質を向上させることができる。
【0012】
この場合、上記側壁の開放口に、上記装飾壁を支承して保持する保持体を架設したことが有効である。装飾壁の石板を、保持体に支承させるだけで装着できるので、組立てが極めて簡単になる。
【0013】
また、必要に応じ、上記天井壁を覆うドーム状の金属製のカバーを、上記側壁の上端に着脱可能に設けた構成としている。カバーにより天井壁の保温を行うことができ、加熱室での調理品の加熱効率を向上させることができる。また、天井壁の上面において調理品を加熱する場合にも、調理品の加熱効率を向上させることができる。
【0014】
そしてまた、必要に応じ、上記側壁を、上側部と下側部とに上下に2分割し、該上側部を下側部に対して着脱可能に支持した構成としている。側壁が上側部と下側部の2部品になるが、上側部を取外せば、それだけ、装置がコンパクトになるので、搬送を容易に行うことができるようになる。また、組立ての際には、上側部を下側部に対して装着するだけなので、組立てが極めて簡単であり、作業を容易に行うことができる。
【0015】
この構成においては、上記側壁を、上記開放口を除き横断面が中心点を有した円形若しくは正多角形の辺が連続する形状に形成し、上記上側部を、上記仕切壁を含むように分割し、上記下側部に対して、上記正多角形の中心点を中心にして回転させて、上記加熱室の出入口開口の向きを変更可能に支持させる構成としたことが有効である。本装置の設置場所の条件によって、加熱室の出入口開口の向きを変更したい場合に、上側部を回転させて変更できるので、汎用性を向上させることができる。
【0016】
この場合、上記下側部の上縁に上記上側部を支持する支持フランジを設け、上記上側部の下縁に上記支持フランジに支持される被支持フランジを設け、上記支持フランジ及び被支持フランジに、上記上側部を下側部に対して所定の回転位置に位置決めする位置決め機構を設けたことが有効である。下側部の支持フランジに上側部の被支持フランジを支持するので、支持が容易であり、回転も容易に行うことができる。また、位置決め機構で位置決めするので、支持が確実になる。
【0017】
また、必要に応じ、容器状のバケットを備え、該バケットの床を基台として構成し、上記側壁の下側部を上記バケット内に収納し、該バケットと上記側壁との間に保温空間を設けるとともに、該バケットにこれを走行させる走行機構を設けた構成としている。バケットを走行機構により走行させて移動できるので、装置の搬送を容易に行うことができる。また、上側部を取外せば、下側部がバケット内に収納されるので、バケットよりも上側に突出するものがなく、そのため、コンパクトにできることから、これによっても搬送を容易に行うことができる。また、バケットにより下側部を覆って保温空間を形成するので、燃焼室を保温でき、それだけ、燃焼室での燃焼効率を向上させることができる。
【0018】
この場合、上記バケットを高位置と該高位置より低い低位置との2位置に移動可能に支持する支持機構を備えたことが有効である。支持機構によりバケットを低位置にすれば、高さが低くなり、より一層コンパクトになるので、装置の搬送をより一層容易に行うことができる。
【0019】
更に、必要に応じ、上記バケットに、上記燃焼室でペレット状の固形燃料からなる燃焼媒体を燃焼させる熱供給部を付設し、該熱供給部を、上記燃焼室の略中央に設けられ上記仕切壁に対峙する上開放の開口を有するとともに燃焼媒体を燃焼させる燃焼容器と、燃焼媒体を貯留するホッパと、該ホッパの出口及び上記燃焼容器の一側壁に設けた入口間に設けられ燃焼媒体が通過可能な筒状の燃料通路体と、該燃料通路体内に設けられ該燃料通路体の長手方向に沿う回転軸を有し回転させられて上記ホッパ内の燃焼媒体を上記燃焼容器内に搬送するオーガと、該オーガを駆動する電動モータと、上記燃焼容器内に燃焼空気を供給する空気供給部とを備えて構成している。バケットに熱供給部を付設したので、装置の搬送をより一層容易に行うことができる。
【0020】
この場合、上記空気供給部を、上記燃焼容器の他側壁に複数の小孔を形成し、該燃焼容器及び燃料通路体の外側を外郭で覆い該外郭と上記燃焼容器及び燃料通路体との間に空気通路を形成し、該外郭のホッパ側に空気の入口を設け、該入口に外気を上記空気通路及び小孔を通して燃焼容器内に送給する電動の空気送給ファンを設けて構成したことが有効である。燃焼容器で燃焼媒体の燃焼効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、燃焼室と加熱室が、基台上に設けた側壁,天井壁及び仕切壁を備えて構成されるが、側壁が金属板で形成され、天井壁及び仕切壁が石板で形成されるので、従来に比較して部品点数が極めて少なくなり、そのため、管理や搬送が容易になる。また、組立てるときは、金属製の側壁を、基台に予め設置し、あるいは、その都度設置し、この側壁に、天井壁の石板と、仕切壁の石板とを装着する。そのため、従来のように、複数の石材ブロックを連接しなくても良いことから、組立てが極めて簡単になり、作業が容易になって、組立て効率を向上させることができる。このため、特に、屋内外で行われる各種イベントやパーティ等で、搬送して組立てて使用する場合には、極めて有用になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態に係る調理窯装置を示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る調理窯装置の要部を示す分解斜視図である。
図3】本発明の実施の形態に係る調理窯装置をその側壁の上側部を取外した状態で示す分解斜視図である。
図4】本発明の実施の形態に係る調理窯装置を示す正面断面図である。
図5】本発明の実施の形態に係る調理窯装置を示す側面断面図である。
図6】本発明の実施の形態に係る調理窯装置をその側壁の上側部を取外した状態で示す平面図である。
図7】本発明の実施の形態に係る調理窯装置をそのカバーを取外した状態で示す平面図である。
図8】本発明の実施の形態に係る調理窯装置をその側壁の上側部を取外し且つ支持機構により低位置に位置させた状態で示す図である。
図9】本発明の実施の形態に係る調理窯装置をその加熱室の出入口開口の向きをバケットの把手側に設定した状態で示す斜視図である。
図10】従来の調理窯装置の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る調理窯装置について詳細に説明する。
図1乃至図9に示すように、実施の形態に係る調理窯装置Kは、ピザ,パン,ナン,菓子,グラタン等の種々の調理品Tを加熱するもので、基台1上に側壁2及び天井壁3で囲繞した空間eを形成し、この空間eを上下に仕切る仕切壁4を設け、空間eの下側に、燃焼媒体Fを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼室5を形成し、空間eの上側に、調理品Tを出し入れする出入口開口6を有するとともに燃焼室5で生成された燃焼ガスが流入させられる流入開口7を有し出入口開口6から入れられた調理品Tを加熱して調理する加熱室8を形成している。
【0024】
詳しくは、側壁2は、鉄などの金属板で連続形成されており、加熱室8を形成する側壁2には、出入口開口6を形成する開放口10が形成されている。また、側壁2は、図2図6及び図7に示すように、開放口10を除き横断面が中心点Pを有した円形若しくは正多角形の辺が連続する形状に形成されている。実施の形態では、開放口10を除き正四角形の辺が連続する形状に形成されている。そして、側壁2は、上側部2Aと下側部2Bとに上下に2分割されており、上側部2Aは下側部2Bに対して着脱可能に支持される。上側部2Aは、仕切壁4を含むように分割されており、加熱室8を形成する。この加熱室8を形成する側壁2の上側部2Aは、図2及び図7に示すように、横断面正四角形の一片が切除されており、その切除部分が出入口開口6を形成する開放口10として構成されている。即ち、上側部2Aは、第1上側板11,第2上側板12及び第3上側板13が連続した横断面コ字状に形成されている。
【0025】
一方、下側部2Bは、分割されて仕切壁4の下側部分の側壁2を構成し、仕切壁4及び基台1とともに燃焼室5を形成する。この下側部2Bは、図2及び図6に示すように、横断面正四角形の4辺を構成する第1下側板14,第2下側板15,第3下側板16及び第4下側板17が連続した筒状に形成されている。
【0026】
上側部2Aは下側部2Bに対して着脱可能に支持されるが、上側部2Aは、下側部2Bに対して、横断面正多角形(正四角形)の中心点Pを中心にして回転させて、加熱室8の出入口開口6の向きを変更可能に支持させられる。詳しくは、図2図3及び図6に示すように、下側部2Bの上縁に、上側部2Aを支持する支持フランジ18が設けられ、上側部2Aの下縁に、支持フランジ18に支持される被支持フランジ19が設けられている。被支持フランジ19は、側壁2の上側部2Aの第1上側板11,第2上側板12及び第3上側板13の下縁に一体に折曲形成されており、後述の仕切壁4の支承体23としても構成される。これにより、上側部2Aは、下側部2Bに対して、その第1上側板11(第2上側板12若しくは第3上側板13)が下側部2Bの第1下側板14,第2下側板15,第3下側板16及び第4下側板17のいずれかと面一に連続するように、90度ずつ回転した位置に支持される。
【0027】
また、支持フランジ18及び被支持フランジ19には、上側部2Aを下側部2Bに対して所定の回転位置に位置決めする位置決め機構が設けられている。実施の形態では、位置決め機構は、図2及び図3に示すように、被支持フランジ19に突設される複数のピン20と、支持フランジ18に設けられ、上側部2Aが下側部2Bに対して90度ずつ回転した位置で夫々ピン20に係合する複数の係合孔21とから構成されている。
【0028】
そして、本装置Kにおいては、図2図4図5及び図7に示すように、天井壁3及び仕切壁4が石板で形成され、夫々、側壁2に対して着脱可能に形成されている。石板としては、例えば、大谷石,溶岩石等の天然石材や、セラミック製の人工石材が所定形状に形成されて用いられる。天井壁3は、前端縁が側壁2の上側部2Aの開放口10に面するとともにこの上側部2Aの上側を塞ぐ形状、実施の形態では矩形板状に形成されている。また、仕切壁4は、前端縁が側壁2の上側部2Aの開放口10に面するとともに後端縁と側壁2(第2上側板12)の内面との間に流入開口7を形成する形状、実施の形態では矩形板状に形成されている。
【0029】
一方、側壁2の内面には、図2図4及び図5に示すように、天井壁3及び仕切壁4を、夫々支承する帯状の金属製の支承体22,23が突設されている。天井壁3を支承する支承体22は、側壁2の上側部2Aの互いに向き合う第1上側板11及び第3上側板13の上側に溶接等で固着されている。仕切壁4を支承する支承体23は、側壁2の上側部2Aの第1上側板11,第2上側板12及び第3上側板13の下縁に一体に折曲形成されており、上記の被支持フランジ19で構成されている。
【0030】
また、本装置Kには、貫通孔31を形成する枠状部32を有した石板で形成された装飾壁30が設けられている。この装飾壁30は、枠状部32が、天井壁3の前端縁,仕切壁4の前端縁及び側壁2の開放口10縁を覆う覆部として構成され、貫通孔31が、出入口開口6として構成されている。また、この装飾壁30は、側壁2の上側部2Aに対して着脱可能になっている。側壁2の上側部2Aの開放口10には、装飾壁30を支承して保持する保持体33が架設されている。保持体33は、図2に示すように、装飾壁30の下端縁を支承する支承部34と、支承部34から立設され装飾壁30の下端側表面に当接して装飾壁30を天井壁3の前端縁,仕切壁4の前端縁及び側壁2の開放口10縁側に押圧する立設部35とを有した断面L字状に形成されている。また、貫通孔31を構成する下側の一辺31aは、仕切壁4の上面と面一になるように形成されている。
【0031】
更に、本装置Kにおいては、天井壁3を覆うドーム状の金属製のカバー40が、側壁2の上側部2Aの上端に着脱可能に設けられている。詳しくは、図2及び図7に示すように、上側部2Aの上縁に、カバー40を支持する支持フランジ41が設けられ、カバー40の下縁に、支持フランジ41に支持される被支持フランジ42が設けられている。また、支持フランジ41及び被支持フランジ42は、カバー40を上側部2Aに対して位置決めする位置決め機構が設けられている。実施の形態では、位置決め機構は、被支持フランジ42に突設される複数のピン43と、支持フランジ41に設けられピン43に係合する複数の係合孔44とから構成されている。
【0032】
更にまた、本装置Kにおいては、容器状の金属製のバケット45が備えられている。このバケット45の床は、基台1として構成されており、側壁2の下側部2Bは、この基台1に取付けられているとともに、図3乃至図7に示すように、バケット45内に収納されている。また、収納された状態では、バケット45と側壁2の下側部2Bとの間には、保温空間46が設けられる。
【0033】
更に、バケット45には、これを走行させる4つの車輪47からなる走行機構48と、下側に走行機構48が設けられるとともにバケット45を高位置H(図1図3乃至図5)と高位置Hより低い低位置L(図8)との2位置に移動可能に支持する支持機構50とが備えられている。バケット45の前端には、バケット45を引っ張りあるいは押して走行させるための把手49が設けられている。
【0034】
支持機構50は、図1図3乃至図5に示すように、一対の脚棒51をバケット45の幅方向に所定間隔離間させて並設した一方脚52と、一方脚52の脚棒51間であってこれらに接触するようにバケット45の幅方向に脚棒51を所定間隔離間させて並設した他方脚53とを備えて構成されている。一方脚52及び他方脚53の各脚棒51の下端には架設棒54が架設されており、この架設棒54の両端に、走行機構48の車輪47が転動可能に設けられている。
【0035】
支持機構50においては、図4に示すように、一方脚52の脚棒51間に他方脚53の脚棒51がこれらの略中央で互いに交差させられ、この脚棒51の交差部が軸支されている。また、他方脚53の脚棒51上端間には軸部55が架設されており、バケット45の底面(基台1の底面)の後端に設けた軸受部56に回動可能に軸支されている。一方脚52の上端には、脚棒51間に架設されバケット45の底面(基台1の底面)の前端に設けた係合部57に係合及び係合解除可能な棒状の被係合部58が設けられている。そして、係合部57から被係合部58を解除した状態で、一方脚52と他方脚53は互いに回動して上下に伸縮可能になっており、この伸縮により、バケット45は、高位置H(図1図3乃至図5)と低位置L(図8)との2位置に移動させられる。バケット45は、その高位置Hにおいては、係合部57に被係合部58が係合して位置決めされ、低位置Lにおいては、折り畳まれた一方脚52及び他方脚53上に載置されて位置決めされる。
【0036】
そしてまた、本装置Kにおいて、バケット45には、燃焼室5で木質ペレットからなる燃焼媒体F(ペレット状の固形燃料)を燃焼させる熱供給部60が付設されている。この熱供給部60は、図2図4乃至図6に示すように、燃焼室5の略中央に設けられ仕切壁4に対峙する上開放の開口を有するとともに燃焼媒体Fを燃焼させる燃焼容器61と、燃焼媒体Fを貯留するホッパ62と、ホッパ62の出口62a及び燃焼容器61の一側壁に設けた入口61a間に設けられ燃焼媒体Fが通過可能な筒状の燃料通路体63と、燃料通路体63内に設けられ燃料通路体63の長手方向に沿う回転軸を有し回転させられてホッパ62内の燃焼媒体Fを燃焼容器61内に搬送するオーガ64と、オーガ64を駆動する電動モータ65と、燃焼容器61内に燃焼空気を供給する空気供給部70とを備えて構成されている。ホッパ62は、バケット45の走行方向一端側の外側に設けられており、上部開口には開閉蓋66が設けられている。燃料通路体63は、バケット45及び側壁2の下側部2Bを貫通して設けられている。
【0037】
また、空気供給部70は、燃焼容器61の他側壁に複数の小孔71を形成し、燃焼容器61及び燃料通路体63の外側を外郭72で覆い外郭72と燃焼容器61及び燃料通路体63との間に空気通路73を形成し、外郭72のホッパ62側に空気の入口74を設け、入口74に外気を空気通路73及び小孔71を通して燃焼容器61内に送給する電動の空気送給ファン75を設けて構成されている。
【0038】
更に、本装置Kには、燃焼室5に設けた図示外の温度センサにより燃焼室5の温度を検知して、電動モータ65及び空気送給ファン75をCPU等の機能によって駆動制御する制御部80が設けられている。
【0039】
従って、この実施の形態に係る調理窯装置Kによれば、その非使用時には、図8に示すように、バケット45の支持機構50において、係合部57から被係合部58を解除し、一方脚52と他方脚53とを回動させて縮小し、バケット45を低位置Lに位置させる。また、側壁2の上側部2Aを下側部2Bから取外すとともに、上側部2Aからカバー40,装飾壁30の石板,天井壁3の石板及び仕切壁4の石板を取外し、例えば、段ボール箱などに収納しておく。この場合、側壁2の下側部2Bが金属板で形成され、天井壁3及び仕切壁4が石板で形成されるので、従来の石材ブロックを組立てるタイプのものに比較して、部品点数が極めて少なくなることから、管理が容易になる。また、バケット45が低位置Lに位置させられるとともに、側壁2の下側部2Bはバケット45内に収納されるので、バケット45よりも上側に突出するものがなく、そのため、コンパクトになることから、倉庫等への収納も容易になる。
【0040】
そして、例えば、屋内外で行われる各種イベントやパーティ等で使用するために、本装置Kをトラックなどの車両で搬送するときも、部品点数が極めて少なく、コンパクトになっているので、搬送も容易に行うことができる。また、バケット45には、熱供給部60が付設されているので、装置の搬送をより一層容易に行うことができる。
【0041】
また、本装置Kを組立てるときは、図1図3乃至図5に示すように、バケット45の支持機構50において、一方脚52と他方脚53とを回動させて伸長し、係合部57を被係合部58に係合し、バケット45を高位置Hに位置させる。また、側壁2の上側部2Aを下側部2Bに装着する。この場合、上側部2Aを下側部2Bに対して装着するだけで側壁2を組立てることができるので、組立てが極めて簡単であり、作業を容易に行うことができる。また、下側部2Bの支持フランジ18に上側部2Aの被支持フランジ19を支持するので、支持が容易であり、位置決め機構で位置決めするので、支持が確実になる。
【0042】
この上側部2Aの装着においては、下側部2Bに対して、回転させて加熱室8の出入口開口6(上側部2Aの開放口10)の向きを4方向のいずれかに定めることができる。そのため、本装置Kの設置場所の条件に合わせて、加熱室8の出入口開口6の向きを決めることができ、汎用性を向上させることができる。図1乃至図5及び図7には、出入口開口6を短手方向一側面(正面)に位置させた状態を示す。
【0043】
それから、側壁2の上側部2Aに、仕切壁4の石板,天井壁3の石板及び装飾壁30の石板を装着する。この場合、天井壁3及び仕切壁4を、夫々上側部2Aから突設した支承体22,23に支承させるだけで装着できるので、組立てが極めて簡単になる。また、装飾壁30も上側部2Aの開放口10に架設した保持体33に支承させるだけで装着できるので、組立てが極めて簡単になる。即ち、従来のように、複数の石材ブロックを連接しなくても良いことから、組立てが極めて簡単になり、作業が容易になって、組立て効率を向上させることができる。また、側壁2の上側部2Aに、仕切壁4の石板,天井壁3の石板及び装飾壁30の石板を装着するだけで、出入口開口6及び流入開口7を形成できるので、構造を極めて簡易にすることができる。更に、装飾壁30によって天井壁3の前端縁,仕切壁4の前端縁及び側壁2の開放口10縁が覆われるので、見栄えが良く、外観品質を向上させることができる。最後に、側壁2の上側部2Aにカバー40を装着する。この点でも、見栄えが良く、外観品質を向上させることができる。尚、図3に示すように、予め、側壁2の上側部2Aに、仕切壁4の石板,天井壁3の石板,装飾壁30の石板及びカバー40を装着し、それから、この側壁2の上側部2Aを下側部2Bに載置するようにしても良い。組立て手順は適宜に定めて良い。
【0044】
また、本装置Kを組立てた後、本装置Kを移動させる場合には、バケット45を走行機構48により走行させて移動させる。走行機構48の車輪47により容易に移動させることができるので、装置の搬送を容易に行うことができる。
【0045】
そして、この調理窯装置Kを使用するときは、先ず、燃焼室5で燃焼媒体Fを燃焼させる。燃焼室5での燃焼媒体Fの燃焼においては、予め、ペレット状の固形燃料からなる燃焼媒体Fをホッパ62に入れておき、電動モータ65によりオーガ64を駆動して燃焼媒体Fを燃焼容器61に搬送しておく。そして、側壁2の上側部2Aを持ち上げて、燃焼容器61を露出させて燃焼媒体Fに点火し、再び、上側部2Aを下側部2Bに支持する。そして、制御部80により、オーガ64の電動モータ65及び空気送給ファン75を駆動するとともに、これらを制御して、燃焼を安定させる。
【0046】
この状態において、図4及び図5に示すように、調理品Tを、直接あるいは鍋やフライパンに入れて出入口開口6から加熱室8に入れ、仕切壁4に載せる。燃焼室5では、燃焼ガスが生成されるが、この燃焼ガスにより側壁2,仕切壁4及び天井壁3が加熱されるとともに、燃焼ガスが流入開口7から加熱室8に流入し、調理品Tが加熱されていく。この場合、燃焼容器61は、仕切壁4に対峙しているので、仕切壁4が直接加熱されることから、加熱室8の加熱効率を向上させることができる。また、カバー40により天井壁3が覆われているので、保温を行うことができ、この点でも、加熱室8での調理品Tの加熱効率を向上させることができる。更に、空気送給ファン75により、燃焼容器61に燃焼空気を直接送り込むので、燃焼容器61での燃焼媒体Fの燃焼効率を向上させることができる。更にまた、バケット45により側壁2の下側部2Bを覆って保温空間46を形成するので、燃焼室5を保温でき、それだけ、燃焼室5での燃焼効率を向上させることができる。
【0047】
調理品Tが加熱されて調理が終了したならば、出入口開口6から調理品Tを取り出す。また、本装置Kにおいては、天井壁3が石板なので、この天井壁3の上面においても調理品Tを加熱することができる。この場合には、図7に示すように、カバー40を取外し、天井壁3の上面において調理品Tを加熱する。この際、カバー40を被せれば、天井壁3の保温を行うことができ、調理品Tの加熱効率を向上させることができる。
【0048】
図9には、加熱室8の出入口開口6の向きを上記とは異なる位置に設定した例を示す。上述もしたように、側壁2の上側部2Aの装着においては、下側部2Bに対して、回転させて加熱室8の出入口開口6(上側部2Aの開放口10)の向きを4方向のいずれかに定めることができるが、図9においては、加熱室8の出入口開口6の向きをバケット45の把手49側に設定した。本装置Kにおいては、設置場所の条件等に合わせて、加熱室8の出入口開口6の向きを決めることができ、汎用性を向上させることができる。
【0049】
尚、実施の形態に係る調理窯装置Kにおいては、側壁2の上側部2Aを仕切壁4を含んで分割したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、仕切壁4が含まないように分割しても良く、分割する位置は、適宜に定めてよい。また、実施の形態に係る調理窯装置Kにおいて、側壁2を開放口10を除き断面正四角形の辺が連続する形状に形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、断面円形あるいは例えば6角形等の多角形の辺が連続する形状に形成しても良く、適宜変更して差支えない、更に、実施の形態に係る調理窯装置Kにおいては、熱供給部60は、木質ペレットからなる燃焼媒体Fを燃焼させるものであるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、従来のようにガスバーナでも良く、適宜変更して差支えない。本発明は、上述した本発明の実施の形態に限定されず、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施の形態に多くの変更を加えることが容易であり、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
K 調理窯装置
T 調理品
1 基台
2 側壁
2A 上側部
2B 下側部
3 天井壁
e 空間
4 仕切壁
5 燃焼室
6 出入口開口
7 流入開口
8 加熱室
10 開放口
P 中心点
18 支持フランジ
19 被支持フランジ
20 ピン(位置決め機構)
21 係合孔(位置決め機構)
22 支承体
23 支承体
30 装飾壁
31 貫通孔(出入口開口)
32 枠状部
33 保持体
40 カバー
41 支持フランジ
42 被支持フランジ
43 ピン(位置決め機構)
44 係合孔(位置決め機構)
45 バケット
46 保温空間
47 車輪
48 走行機構
49 把手
50 支持機構
H 高位置
L 低位置
52 一方脚
53 他方脚
57 係合部
58 被係合部
60 熱供給部
F 燃焼媒体
70 空気供給部
80 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10