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特許7352898駐車支援装置、駐車支援方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】駐車支援装置、駐車支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20230922BHJP
   B60R 99/00 20090101ALI20230922BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20230922BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20230922BHJP
   B60L 53/36 20190101ALI20230922BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20230922BHJP
   B60L 53/37 20190101ALI20230922BHJP
   B60L 53/39 20190101ALI20230922BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20230922BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20230922BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20230922BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230922BHJP
   H02J 50/80 20160101ALN20230922BHJP
【FI】
B60W30/06
B60R99/00 360
B60R99/00 351
B60R99/00 340
B60W40/02
B60W50/14
B60L53/36
B60L53/12
B60L53/37
B60L53/39
B60L5/00 B
H02J50/10
H02J50/90
H02J7/00 301D
H02J50/80
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019207222
(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公開番号】P2021079757
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堺 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】赤浦 勝太
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-526280(JP,A)
【文献】特開2010-183813(JP,A)
【文献】国際公開第2019/058781(WO,A1)
【文献】特開2019-043174(JP,A)
【文献】特開2015-176898(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121050(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
B60R 25/00-99/00
B60L 5/00-5/42
B60L 1/00-3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H02J 50/00-50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコイル及び第2のコイルを有する受電コイルが搭載された車両に用いられる駐車支援装置であって、
駐車領域に設置された給電コイルと、前記車両が備える前記受電コイルと、が対向する対向位置に、前記車両を駐車させるための経路情報を取得する取得部と、
前記経路情報に基づき、前記車両を駐車させる制御を行う車両制御部と、
を備え、
前記受電コイルは、前記第1のコイルの中心位置と前記車両の車長方向の中心位置との距離が、前記第2のコイルの中心位置と前記車両の車長方向の中心位置との距離に比べ、短くなるように前記車両に搭載され、
前記対向位置は、前記給電コイルと、前記受電コイルの前記第1のコイルと、が対向する位置であり、
前記給電コイルに関する情報を取得して前記給電コイルのタイプを認識する給電コイル認識部を更に備える、
駐車支援装置。
【請求項2】
前記第1のコイルと前記第2のコイルとは、同一平面で隣接しており、単一のワイヤから形成される、
請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記取得部は、
前記車両の前記駐車領域に対する位置および前記給電コイルのタイプに基づき前記駐車領域に前記車両を駐車させるための経路を算出する、
請求項1または請求項2に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
前記車両の前記駐車領域に対する位置を認識する車両位置認識部を備える、
請求項に記載の駐車支援装置。
【請求項5】
前記経路情報を運転者に示す画面を表示させる表示制御部を備える、
請求項1または請求項2に記載の駐車支援装置。
【請求項6】
前記対向位置は、前記給電コイルの中心位置と、前記第1のコイルの中心位置と、が対向する位置である、
請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項7】
前記第1のコイルと前記第2のコイルとが隣接する隣接面を有し、前記対向位置は、前記給電コイルの中心位置と、前記第1のコイルの中心位置から前記隣接面に偏位した位置と、が対向する位置である、
請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項8】
第1のコイル及び第2のコイルを有する受電コイルが搭載された車両に対して実施される駐車支援方法であって、
駐車領域に設置された給電コイルと、前記車両が備える前記受電コイルとが対向する対向位置に、前記車両を駐車させるための経路情報を取得部が取得するステップと、
前記経路情報に基づき、前記車両を駐車させる制御を車両制御部が行うステップと、を備え、
前記受電コイルは、前記第1のコイルの中心位置と前記車両の車長方向の中心位置との距離が、前記第2のコイルの中心位置と前記車両の車長方向の中心位置との距離に比べ、短くなるように前記車両に搭載され、
前記経路情報を取得するステップでは、前記給電コイルと前記受電コイルの前記第1のコイルとが対向する前記対向位置に、前記車両を駐車させるための経路情報を取得し、
給電コイル認識部が、前記給電コイルに関する情報を取得して前記給電コイルのタイプを認識するステップを更に備える、
駐車支援方法。
【請求項9】
第1のコイル及び第2のコイルを有する受電コイルが搭載された車両に対して駐車支援を実行するプログラムであって、
駐車支援装置が備えるコンピュータに、
駐車領域に設置された給電コイルと、前記車両が備える前記受電コイルとが対向する対向位置に、前記車両を駐車させるための経路情報を取得する処理と、
前記経路情報に基づき、前記車両を駐車させる制御を行う処理と、を実行させ、
前記受電コイルは、前記第1のコイルの中心位置と前記車両の車長方向の中心位置との距離が、前記第2のコイルの中心位置と前記車両の車長方向の中心位置との距離に比べ、短くなるように前記車両に搭載され、
前記経路情報を取得する処理では、前記給電コイルと前記受電コイルの前記第1のコイルとが対向する前記対向位置に、前記車両を駐車させるための経路情報を取得する処理を実行させ
更に、前記給電コイルに関する情報を取得させて前記給電コイルのタイプを認識させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車支援装置、駐車支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車および電気自動車のような電動式の車両が備える蓄電装置に対し、非接触で充電を行う技術がある。非接触充電においては、車両側の受電コイルと、駐車スペース等に設置された給電コイルとが位置合わせされるよう車両を駐車することが求められる。
【0003】
そこで、駐車支援装置を用いて、受電コイルと給電コイルとの位置合わせを行う技術が知られている。駐車支援装置は、駐車スペース等に設けられた駐車領域に対する車両の位置に基づいて、駐車領域に車両を駐車させるための経路を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6350312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、受電コイルのタイプと給電コイルのタイプとが異なる場合、どのように位置合わせを行うかについては考慮されていない。
【0006】
本開示は、受電コイルのタイプと給電コイルのタイプとが異なる場合に適正な位置合わせを行うことが可能な駐車支援装置、駐車支援方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる駐車支援装置は、第1のコイル及び第2のコイルを有する受電コイルが搭載された車両に用いられる駐車支援装置であって、駐車領域に設置された給電コイルと、前記車両が備える前記受電コイルと、が対向する対向位置に、前記車両を駐車させるための経路情報を取得する取得部と、前記経路情報に基づき、前記車両を駐車させる制御を行う車両制御部と、を備え、前記受電コイルは、前記第1のコイルの中心位置と前記車両の車長方向の中心位置との距離が、前記第2のコイルの中心位置と前記車両の車長方向の中心位置との距離に比べ、短くなるように前記車両に搭載され、前記対向位置は、前記給電コイルと、前記受電コイルの前記第1のコイルと、が対向する位置であり、前記給電コイルに関する情報を取得して前記給電コイルのタイプを認識する給電コイル認識部を更に備える
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかる駐車支援装置、駐車支援方法、及びプログラムによれば受電コイルのタイプと給電コイルのタイプとが異なる場合に適正な位置合わせを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1にかかる非接触充電システムの構成の一例を示す模式図である。
図2図2は、実施形態1にかかる車両の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態1にかかる駐車支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態1にかかる車両の駐車の様子を示す模式図である。
図5図5は、実施形態1にかかる駐車支援装置による駐車支援処理の手順の一例を示すフロー図である。
図6図6は、実施形態1の変形例にかかる車両および駐車支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態2にかかる車両の構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、実施形態2にかかる駐車支援装置による駐車支援処理の手順の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示にかかる駐車支援装置、駐車支援方法、及びプログラムの実施形態について説明する。
【0011】
[実施形態1]
以下、図面を参照して、実施形態1について詳細に説明する。
【0012】
(非接触充電システムの構成例)
図1は、実施形態1にかかる非接触充電システムの構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、実施形態1の非接触充電システムは、駐車支援装置110、検出部12a~12h、受電コイル11、蓄電装置13、給電コイル21、及び駐車領域22を備える。
【0013】
駐車支援装置110は例えば車両10に搭載されている。駐車支援装置110の詳細構成については後述する。
【0014】
検出部12a~12hは、例えばカメラ、ソナー、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、及びその他のセンサ等の少なくともいずれかであって、例えば車両10の前後左右等に装着される。カメラは、可視光カメラ、より広域の光を検出可能なCCDカメラ、またはCMOSカメラ等である。ソナーは超音波等を照射する超音波ソナー等である。GNSS受信機は、GNSS衛星からの電波を受信することで位置情報計測を行う。その他のセンサとしては、例えばミリ波レーダまたはLiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)等がある。検出部12a~12hは、上記の少なくともいずれかの構成により、車両10の位置情報、後述する駐車領域22の位置情報、並びに給電コイル21の外観情報および位置情報の少なくともいずれかを含む検出信号を生成する。
【0015】
受電コイル11は、例えば第1のコイル11aと第2のコイル11bとを備えるダブルD(DD)型コイルとして構成され、車両10の地面と対向するボディ下側付近に搭載されている。受電コイル11は、蓄電装置13と接続され、電磁誘導の原理によって給電コイル21から受電した電力を蓄電装置13に送電する。これにより、蓄電装置13が充電される。
【0016】
なお、ダブルD型コイルは、単一のワイヤから構成されればよい。単一のワイヤが、同一平面上に、第1の多巻ループまたはコイルと、第2の多巻ループまたはコイルと、を形成することにより、ダブルD型コイルが構成される。一例として、第1の多巻ループまたはコイルは、ワイヤが第1の多巻ループまたはコイルの内側から外側に巻かれる。第1の多巻ループまたはコイルの外側のワイヤと連続して、第2の多巻ループまたはコイルが、第2の多巻ループまたはコイルの外側から内側へと巻かれる。
【0017】
ここで、第1のコイル11aは車両10の前後方向の中心位置付近に配置され、第2のコイル11bは第1のコイル11aと隣接して車両10の後方側に配置されている。車両10の前後方向とは車両10の車長方向を指す。また、車両10前方側は、通常走行時、つまり、ギアがドライブに入っている状態における車両10の進行方向側の車長方向端部である。また、車両10の後方側は、通常走行時における車両10の進行方向とは反対側の車長方向端部である。第1のコイル11aの中心位置と車両10の前後方向の中心位置との距離は、例えば第2のコイル11bの中心位置と車両10の前後方向の中心位置との距離よりも短い。換言すれば、第1のコイル11aの中心位置と、その中心位置から最も近い車両10の端部である前端部との距離は、例えば第2のコイル11bの中心位置と、その中心位置から最も近い車両10の端部である後端部との距離よりも長い。なお、第1のコイル11aは車両10の前後方向の中心位置付近に配置され、第2のコイル11bは第1のコイル11aと隣接して車両10の前方側に配置されていてもよい。
【0018】
給電コイル21は、駐車領域22内の地面に設置され、受電コイル11が給電コイル21と対向する位置に配置されることで、受電コイル11に対して非接触で給電を行うことが可能なように構成される。つまり、給電コイル21に電流を流して地面と垂直な方向に磁束を発生させる。その状態で、受電コイル11を給電コイル21と対向するよう配置すると、給電コイル21の磁束が受電コイル11内を通過して受電コイル11に電流が発生する仕組みである。このとき、受電コイル11のいずれかのコイル11a,11bが給電コイル21の直上位置に配置されると、磁界の結合が最適な状態となって充電効率が最大もしくは、充電効率が最大付近の値となる。
【0019】
上記のように、受電コイル11が給電コイル21からの給電を受けられるように、受電コイル11と給電コイル21との位置を調整することを、受電コイル11と給電コイル21との位置合わせと称する。受電コイル11と給電コイル21との位置合わせにより、受電コイル11と給電コイル21とが充分に近接し、受電コイル11と給電コイル21との間で非接触充電が可能となる。
【0020】
駐車領域22は、駐車支援装置110を用いて車両10を駐車させる際の目標となる。後述するように、駐車支援装置110が駐車領域22を認識し、駐車領域22を目標に車両10を駐車させる。
【0021】
(車両の構成例)
次に、図2を用いて、実施形態1の車両10の構成例について説明する。図2は、実施形態1にかかる車両10の構成の一例を示すブロック図である。車両10は、ハイブリッド自動車または電気自動車のような電動式の車両として構成され、外部からの電力供給により走行用の電力を得る。また、車両10は、駐車支援により自動駐車が可能な車両(以下、自動駐車車両と称する)として構成されている。
【0022】
図2に示すように、実施形態1の車両10は、受電コイル11、検出部12、蓄電装置13、表示部14、入力部15、駐車支援装置110、及び自動運転装置120を備える。
【0023】
受電コイル11は、受電コイル11のX方向の位置を示す複数のX位置センサ11xと、受電コイル11のY方向の位置を示す複数のY位置センサ11yとを備える。ここで、受電コイル11のX方向とは車両10の車幅に沿う方向であり、受電コイル11のY方向とは車両10の車長に沿う方向である。一方、駐車領域22内に設置される給電コイル21は、給電コイル21のX方向の位置を示す複数のX位置センサ21xと、給電コイル21のY方向の位置を示す複数のY位置センサ21yとを備える。ここで、給電コイル21のX方向とは駐車領域の短手方向の幅に沿う方向であり、給電コイル21のY方向とは駐車領域の長手方向の幅に沿う方向である。
【0024】
受電コイル11と給電コイル21とが接近すると、これらのX位置センサ11x,21x間およびY位置センサ11y,21y間で信号の授受が行われる。X位置センサ11x,21xとY位置センサ11y,21yとでは送受信される信号の周波数が異なる。また、X位置センサ11x,21x間およびY位置センサ11y,21y間の距離が近くなると、信号強度、つまり、信号の解像度(Signal to Noise)が増していく。これらのことから、受電コイル11と給電コイル21とのX方向の距離およびY方向の距離をそれぞれ知ることができる。またこれにより、受電コイル11の第1のコイル11aと給電コイル21との重なり具合、及び受電コイル11の第2のコイル11bと給電コイル21との重なり具合を知ることができる。
【0025】
検出部12(12a~12h)の構成は上述したとおりである。
【0026】
表示部14は、液晶モニタ等の表示装置である。入力部15は、例えばタッチ式パネル等であって、運転者等から指示情報等が入力される。
【0027】
駐車支援装置110は、通信部111、受信部112、表示制御部114、入力受付部115、及び制御部130を備える。
【0028】
通信部111は、X位置センサ11x,21x間の信号、及びY位置センサ11y,21y間の信号を受電コイル11から受信する。通信部111は、受信したこれらの信号を制御部130へと送信する。
【0029】
受信部112は、検出部12からの検出信号を受信する。検出信号には、例えば車両10の位置、駐車領域22の位置、並びに給電コイル21の外観および位置を示す情報が含まれる。受信部112は、受信した検出信号を制御部130へと送信する。
【0030】
表示制御部114は、制御部130からの指令にしたがって、例えば駐車支援に関する種々の画面を表示部14に表示させる。入力受付部115は、入力部15から入力された指示情報等を受け付けて制御部130へと送信する。
【0031】
制御部130は、車両位置認識部131、給電コイル認識部132、経路決定部133、車両制御部134、駐車位置特定部135、及び充電指示部136を備える。ここで、経路決定部133は、給電コイル21と受電コイル11とが対向する対向位置に、車両10を駐車させるための経路情報を取得する取得部の一例である。
【0032】
車両位置認識部131は、受信部112を介して検出部12からの検出信号を受信する。車両位置認識部131は、受信した検出信号に基づいて、駐車領域22及び給電コイル21に対する車両10の相対位置を認識する。より具体的には、車両位置認識部131は、例えばカメラからの画像について画像認識処理を行い、駐車領域22及び給電コイル21の位置を認識する。なお、カメラが撮像した画像をカメラが画像認識処理を行い、駐車領域22及び給電コイル21の位置を認識し、車両位置認識部131はカメラから駐車領域22及び給電コイル21の位置情報を受信しても良い。また、車両位置認識部131は、例えば超音波ソナーからの超音波信号および反射は信号に基づいて、駐車領域22及び給電コイル21までの距離を認識する。また、車両位置認識部131は、例えばGNSS受信機からの位置情報に基づき、車両10の現在位置を認識する。
【0033】
給電コイル認識部132は、受信した検出信号に基づいて、給電コイル21のタイプを認識する。給電コイル21のタイプには、例えばDD型コイル、及び1つのコイルを有するサーキュラ(CR)型コイル等がある。給電コイル認識部132は、例えばカメラからの画像について画像認識処理を行い、給電コイル21の外観から給電コイル21がどのタイプであるかを認識する。
【0034】
ただし、給電コイル21のタイプを認識する手法はこれに限られない。例えば、給電コイル21が自身のタイプを示す信号を発信し、給電コイル認識部132がこれを受信してもよい。または、非接触充電システム用の駐車場がサーバを備えており、給電コイル認識部132が、このサーバから給電コイル21のタイプを示す信号を受信してもよい。
【0035】
経路決定部133は、車両位置認識部131が認識した車両10と駐車領域22及び給電コイル21との相対位置、並びに給電コイル認識部132が認識した給電コイル21のタイプに基づいて、車両10を駐車領域22内に駐車させるための経路を算出する。
【0036】
ここで、給電コイル21はCR型コイルであって、DD型コイルである受電コイル11とはタイプが異なる。この場合、経路決定部133は、第1のコイル11aの中心位置および第2のコイル11bの中心位置、のうち、その中心位置が車両10の前後方向の中心位置に近い方のコイルが、給電コイル21の中心位置の上方に配置されるような駐車位置となる経路を算出する。つまり、上記の例であれば、第1のコイル11aの中心位置が、給電コイル21の中心位置の上方に配置されるよう経路を算出する。なお、第1のコイル11aの中心位置と、給電コイル21の中心位置とは、完全に一致する必要はない。例えば、第1のコイル11aの中心位置から、第1のコイル11aと第2のコイル11bとの隣接面に偏位した位置において、充電効率が最大となる場合、第1のコイル11aの中心位置から隣接面に偏位した位置が給電コイル21の中心位置の上方に配置されるよう経路を算出すればよい。
【0037】
これ以降、給電コイル21と受電コイル11との上記位置関係を対向位置と称することがある。つまり、対向位置とは、給電コイル21の中心位置と、受電コイル11の第1のコイル11aの中心位置とが対向する位置である。あるいは、対向位置とは、給電コイル21の中心位置と、第1のコイル11aの中心位置から第2のコイル11bとの隣接面に偏位した位置とが対向する位置である。
【0038】
なお、給電コイルが受電コイル11と同型のDD型コイルであれば、経路決定部133は、受電コイル11の2つのコイル11a,11bの中心位置が、給電コイルの2つのコイルの中心位置のそれぞれと合う駐車位置となる経路を算出する。
【0039】
車両制御部134は、駐車位置特定部133が算出した駐車経路に基づき、後述するエンジンアクチュエータ121、ブレーキアクチュエータ122、及び操舵アクチュエータ123を制御することで、車両10を所定位置に自動駐車させる。
【0040】
駐車位置特定部135は、車両制御部134が駐車経路にしたがって車両10を駐車させた後に車両10の駐車位置を特定する。車両10の駐車位置の特定のため、駐車位置特定部135は、通信部111を介して受電コイル11からの信号に基づき、受電コイル11と給電コイル21との位置ずれ量を算出する。
【0041】
ここで、受電コイル11と給電コイル21との位置ずれ量は以下のように定義される。例えば、給電コイル21の中心位置の直上位置を基準位置とする。このとき、基準位置となる直上位置は、受電コイル11が配置される高さにあるものとする。受電コイル11と給電コイル21との位置ずれ量とは、この基準位置からの受電コイル11の中心位置のずれ量のことである。より具体的には、受電コイル11と給電コイル21との位置ずれ量は、受電コイル11の中心位置のX方向およびY方向におけるそれぞれの上記基準位置からのずれ量として表される。例えば、受電コイル11の中心位置と給電コイル21の中心位置とが上下方向において完全に重なり合っている場合には、受電コイル11と給電コイル21との位置ずれ量は、X方向において0mm、かつ、Y方向において0mmとなる。
【0042】
非接触充電を行う場合、受電コイル11と給電コイル21との位置ずれ量の許容範囲は、例えばX方向の位置ずれ量が100mm以内であり、Y方向の位置ずれ量が75mm以内である。換言すれば、受電コイル11と給電コイル21との位置ずれ量の許容範囲は、例えば80%以上の充電効率が得られる範囲内であり、より好ましくは85%以上の充電効率が得られる範囲内である。
【0043】
充電指示部136は、駐車位置特定部133が車両10の駐車位置を特定すると、車両10が所定の状態となるのを待って、受電コイル11に給電コイル21からの受電を開始させる。これにより、受電コイル11を介して蓄電装置13への充電が開始される。
【0044】
車両10の所定状態とは、例えば車両10のエンジンが停止しており、かつ、エンジン停止から所定時間が経過した状態である。これにより、運転者等は、車両10のエンジンを停止した後、充電が開始される前に車両10の周囲から退避することができる。したがって、運転者等への漏洩磁場の影響を抑制することができる。
【0045】
また、車両10に生体センサを設け、生体センサが、車内または車両10の近傍に、人や動物の存在を検知しない場合に、受電コイル11に給電コイル21からの受電を開始させてもよい。
【0046】
充電指示部136は、所定量の電力が蓄電装置13に蓄電されると受電コイル11に給電コイル21からの受電を終了させる。
【0047】
なお、車両10は、蓄電装置13に充電中であることを知らせる報知装置を有していてもよい。報知装置は、例えば充填中の表示がなされたランプであって、ランプが点灯することで充電中であることを報知してもよい。または、報知装置は、パーキングランプ等の車両10が元々備えるランプまたはライトを転用したものであって、これらのランプまたはライトを点滅させることで充電中であることを報知してもよい。
【0048】
自動運転装置120は、エンジンアクチュエータ121、ブレーキアクチュエータ122、及び操舵アクチュエータ123を備える。
【0049】
エンジンアクチュエータ121は、車両制御部134の出力に基づき、エンジンに対して燃料および空気の供給量を調整する。ブレーキアクチュエータ122は、車両制御部134の出力に基づき、車両10が備える車輪の制動力を調整する。操舵アクチュエータ123は、車両制御部134の出力に基づき、車両10の操舵角を調整する。
【0050】
(駐車支援装置のハードウェア構成例)
次に、図3を用いて、実施形態1の駐車支援装置110のハードウェア構成例について説明する。駐車支援装置110は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及び記憶装置を備えたコンピュータとして構成されている。
【0051】
図3は、実施形態1にかかる駐車支援装置110のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、駐車支援装置110は、CPU101、記憶装置としてのROM(Read Only Memory)102、及びRAM103を有している。駐車支援装置110では、これらのCPU101、ROM102、及びRAM103がバスラインを介して接続されている。
【0052】
CPU101は、コンピュータプログラムである駐車支援プログラム105を用いて車両10の駐車支援を行う。駐車支援プログラム105は、コンピュータで実行可能な、駐車支援を行うための複数の命令を含むコンピュータ読取り可能な記録媒体を有するコンピュータプログラムプロダクトである。駐車支援プログラム105では、これらの複数の命令が、駐車支援処理をコンピュータに実行させる。
【0053】
駐車支援プログラム105は、例えばROM102内に格納されており、バスラインを介してRAM103へロードされる。図3では、駐車支援プログラム105がRAM103へロードされた状態を示している。ROM102内にはこのほか、駐車支援処理に必要な種々のパラメータ、及び車両10に搭載される受電コイル11のタイプ等の各種情報が格納されている。
【0054】
CPU101はRAM103内にロードされた駐車支援プログラム105を実行する。具体的には、駐車支援装置110では、CPU101がROM102内から駐車支援プログラム105を読み出してRAM103内のプログラム格納領域に展開して各種駐車支援処理を実行する。CPU101は、この各種駐車支援処理に際して生じる各種データをRAM103内に形成されるデータ格納領域に一時的に記憶させておく。
【0055】
駐車支援装置110で実行される駐車支援プログラム105はモジュール構成となっており、これらが主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成される。
【0056】
また、駐車支援プログラム105は記録媒体にコンピュータ読み取り可能な状態で記録されることができる。駐車支援プログラム105が記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ等がある。
【0057】
上述の駐車支援装置110の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータプログラムにより実現されるものであってもよい。また、駐車支援装置110の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、オペレーティングシステム、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現されるソフトウェアにより実現してもよい。更に、ソフトウェア及びハードウェアの混在処理により実現してもよい。
【0058】
(車両の駐車の例)
次に、図4を用いて、駐車支援装置110の支援を受けて車両10を駐車する例に付いて説明する。図4は、実施形態1にかかる車両10の駐車の様子を示す模式図である。
【0059】
図4に示すように、給電コイル21の設置された駐車領域22近傍であって、検出部12が駐車領域22及び給電コイル21を検出可能な位置に車両10が位置するときに、駐車支援装置110を用いて車両10を自動駐車させるものとする。
【0060】
図4(a)は、車両10の位置を認識して駐車経路を算出するまでを示す。
【0061】
検出部12は、車両10、駐車領域22、及び給電コイル21の位置情報、並びに給電コイル21の外観情報を含む検出信号を生成する。これらの情報を含む検出信号は、駐車支援装置110の受信部112により受信される。
【0062】
駐車支援装置110の制御部130が備える車両位置認識部131は、受信部112が受信した検出部12からの検出信号に基づき、車両10と、駐車領域22及び給電コイル21との相対位置を認識する。
【0063】
給電コイル認識部132は、例えば、受信部112が受信した検出部12からの検出信号に基づき、給電コイル21がCR型コイルであると認識する。
【0064】
経路決定部133は、車両位置認識部131からの車両10と駐車領域22及び給電コイル21との相対位置の情報、並びに給電コイル認識部132からの給電コイル21のタイプ情報に基づき、車両10の現在位置から目標駐車位置までの経路を算出する。図4(a)に、算出された経路R1を示す。
【0065】
ここで、給電コイル21はCR型コイルであるので、経路R1は、給電コイル21との対向位置に受電コイル11の第1のコイル11aが配置されることとなるよう、車両10を駐車可能な経路となっている。
【0066】
図4(b)は、経路にしたがって車両10を駐車して充電を開始するまでを示す。
【0067】
車両制御部134は、経路決定部133が算出した経路R1にしたがって、自動運転装置120のエンジンアクチュエータ121、ブレーキアクチュエータ122、及び操舵アクチュエータ123を制御して、車両10を目標駐車位置に駐車させる。
【0068】
車両10が備える受電コイル11は、経路R1にしたがう車両10の移動に伴い、近距離内に給電コイル21が近づくと、給電コイル21と信号の授受を行う。つまり、受電コイル11のX位置センサ11xと給電コイル21のX位置センサ21xとで互いのX方向の位置を知らせる信号の送受信を行う。また、受電コイル11のY位置センサ11yと給電コイル21のY位置センサ21yとで互いのY方向の位置を知らせる信号の送受信を行う。これらの信号は、駐車支援装置110の受信部112により受信される。
【0069】
駐車位置特定部135は、車両10が駐車領域22内に駐車されると、車両10の駐車位置における受電コイル11からの信号に基づき、受電コイル11と給電コイル21とのX方向の距離およびY方向の距離を算出する。また、駐車位置特定部135は、算出したそれぞれの距離から、受電コイル11と給電コイル21とのX方向の位置ずれ量およびY方向の位置ずれ量を算出する。図4(b)の例では、X方向およびY方向の位置ずれ量が共に許容範囲内となっている。
【0070】
充電指示部136は、車両10の駐車が完了すると、車両10が充電開始可能な状態となるのを待つ。充電指示部136は、車両10が充電開始可能な状態になるまで、受電コイル11による充電の開始を許可しない。つまり、充電指示部136は、例えば車両10のエンジン停止から所定時間が経過するまでは充電開始を許可しない。
【0071】
充電指示部136は、車両10の状態が充電開始可能な状態になると、受電コイル11による充電を開始させる。このとき、車両10は、報知装置により充電中であることを周囲に報知してもよい。
【0072】
(駐車支援処理の例)
次に、図5を用いて、実施形態1の駐車支援装置110による駐車支援処理の例について説明する。図5は、実施形態1にかかる駐車支援装置110による駐車支援処理の手順の一例を示すフロー図である。
【0073】
図5に示すように、車両位置認識部131は、検出部12からの検出信号に基づき、駐車領域22及び給電コイル21と車両10との相対位置を認識し(ステップS101)、給電コイル認識部132は、給電コイル21のタイプを認識する(ステップS102)。
【0074】
給電コイル認識部132は、給電コイル21がCR型コイルであるか否かを特定する(ステップS103)。
【0075】
経路決定部133は、駐車領域22及び給電コイル21の車両10との相対位置に基づき、車両10を駐車領域22の適正位置に駐車させるための経路を算出する(ステップS104,S105)。
【0076】
このとき、給電コイル21がCR型コイルである場合(ステップS103:Yes)、経路決定部133は、受電コイル11の第1のコイル11aが給電コイル21との対向位置に配置されるよう経路を算出する(ステップS104)。
【0077】
またこのとき、給電コイル21がDD型コイルである場合(ステップS103:No)、経路決定部133は、受電コイル11の全体的な位置が給電コイル21との対向位置に配置されるよう経路を算出する(ステップS105)。
【0078】
車両制御部134は、算出された経路にしたがって、エンジンアクチュエータ121、ブレーキアクチュエータ122、及び操舵アクチュエータ123を制御し、車両10を目標の駐車位置に駐車させる(ステップS106)。
【0079】
駐車位置特定部135は、受電コイル11からの信号に基づき、受電コイル11と給電コイル21とのX方向の相対位置およびY方向の相対位置から車両10の駐車位置を特定する(ステップS107)。
【0080】
充電指示部136は、車両10のエンジン停止から所定時間が経過して充電開始可能な状態となったか否かを判定し(ステップS108)、エンジン停止から所定時間が経過するまでは充電開始を許可しない(ステップS108:No)。
【0081】
車両10のエンジン停止から所定時間が経過したら(ステップS108:Yes)、充電指示部136が充電開始を指示し、受電コイル11が給電コイル21からの電力を受けて蓄電装置13への充電を開始する(ステップS109)。所定量の電力が蓄電されると充電指示部136が充電終了を指示し、充電が終了する(ステップS110)。
【0082】
以上により、実施形態1の駐車支援装置110による駐車支援処理が終了する。
【0083】
非接触充電システム用の駐車場を利用する場合、駐車支援装置の支援を受けて車両を所定位置に駐車させる技術が知られている。しかしながら、駐車場の備える給電コイルと車両の受電コイルとが異なるタイプ同士である場合、車両の駐車位置をどのように決定するかについての知見は未だない。
【0084】
実施形態1の駐車支援装置110によれば、経路決定部133は、給電コイル21がCR型コイルである場合に、受電コイル11の第1のコイル11aの中心位置及び第2のコイル11bの中心位置のうち、その中心位置が車両10の中心位置に近い方のコイル、つまり、上記の例では、第1のコイル11aが給電コイル21との対向位置に配置されるよう経路を算出する。
【0085】
上述のように、受電コイル11の第1のコイル11aまたは第2のコイル11bのいずれかが、給電コイル21との対向位置に配置されることで充電効率が最大もしくは、充電効率が最大付近の値となる。したがって、第1のコイル11aと給電コイル21とが対向位置に配置されることで、充電効率を高めることができる。
【0086】
一方で、給電コイル21との対向位置に配置され、受電対象となったコイル及び給電コイル21からは、電力の授受が行われる間、磁場が発生する。そして、発生した磁場の一部は車体により遮蔽される。このため、受電対象のコイルが車両10の前後方向の中心に近い位置に存在するほど、磁場の発生源である受電対象のコイル及び給電コイル21から車両10の端部までの距離が長くなり、車両10の周囲に漏洩する磁場が弱められる。言い換えると、受電対象のコイルが車両10の前後方向の中心に近い位置に存在する場合、遠い位置に存在する場合と比べ、車両10の車体により磁場がより遮蔽される。これにより、車両10の近傍に存在する人や動物への漏洩の磁束の影響を抑制することができる。
【0087】
上記の例で言えば、受電対象の第1のコイル11aは第2のコイル11bよりも車両10の中心側に配置されている。したがって、第2のコイル11bが受電対象となる場合よりも、車両10の周囲への漏洩磁場を抑制することができる。
【0088】
以上のように、実施形態1の駐車支援装置110は、受電コイル11のタイプと給電コイル21のタイプとが異なる場合に適正な位置合わせを行うことができる。
【0089】
(変形例)
次に、図6を用いて、実施形態1の変形例の駐車支援装置210の例について説明する。変形例の駐車支援装置210は、運転者等が所有する携帯端末200からの指示にしたがって駐車支援を行う点が、上述の実施形態1とは異なる。以下、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付して、その説明を省略する。
【0090】
図6は、実施形態1の変形例にかかる車両20および駐車支援装置210の構成の一例を示すブロック図である。変形例の車両20は、駐車支援によるリモート駐車が可能な車両として構成されている。ここで、リモート駐車は、ユーザが携帯端末を用いて車両に自動駐車の実行を遠隔で指示し、車両は携帯端末からの指示に基づき自動駐車を実行する動作である。例えば、ユーザが車両のキーとして携帯端末を所持し、その携帯端末のパーキングボタンを操作することで、携帯端末から車両に駐車或いは出庫を指示する指示信号が送信される。車両は、指示信号による指示を受けて、駐車或いは出庫の動作を行う。
【0091】
図6に示すように、携帯端末200は、例えば車両20の所有者である運転者等が所有する端末であって、操作部201、操作受付部202、及び送信部203を備える。携帯端末200は、例えばスマートフォン等の携帯電話、及びタブレット型端末等である。車両20の所有者は、自身の携帯端末200に駐車支援プログラムをインストールすることで、上記の各機能構成を携帯端末200に実現することができる。
【0092】
操作部201は、例えば携帯端末200の表示部に表示されるパーキングボタン等である。運転者等は、例えば画面上のパーキングボタンを押下することで、車両20に対する駐車指示を行うことができる。つまり、パーキングボタンは、車両20に駐車支援処理を開始させる実行ボタンとして機能する。
【0093】
操作受付部202は、操作部201からの入力操作を受け付ける。
【0094】
送信部203は、操作部201から入力され、操作受付部202が受け付けた運転者等からの指示を、車両20の駐車支援装置210へと送信する。
【0095】
車両20は、受電コイル11、検出部12、蓄電装置13、自動運転装置120、及び駐車支援装置210を備える。駐車支援装置210は、通信部111、受信部112、表示制御部114、入力受付部115、及び制御部230を備える。制御部230は、上述の実施形態1の制御部130が有する構成に加えて受付部237を備える。
【0096】
受付部237は、携帯端末200から送信された車両20に対する各種の指示を受け付ける。例えば受付部237が駐車指示を受け付けると、制御部230の各種構成は駐車支援にかかる処理を実行する。
【0097】
変形例の駐車支援装置210によれば、携帯端末200からの指示を受けて駐車支援にかかる各種処理を実行する。これにより、運転者等の操作する携帯端末200が車両20と通信可能な距離にあれば、運転者等が車両20に乗車していなくとも車両20を自動で所定位置に駐車させることができる。運転者等はその後、速やかに車両20近傍から退去して、即座に充電を開始させることができる。
【0098】
以上、駐車支援装置110,210による自動駐車機能を備えた車両10,20において、自動駐車により、また、リモート駐車により、非接触充電システム用の駐車場に車両10,20を駐車させる例について説明したが、異なるタイプのコイル間で電力授受を行う場合の上記位置合わせ手法は他の例にも適用可能である。他の例としては、例えば非接触充電システム用の駐車場が自動バレーパーキングシステムを備える場合がある。
【0099】
自動バレーパーキングシステムでは、非接触充電システム用の駐車場がサーバを有し、サーバが、駐車場内の所定位置から各駐車スペースまでの経路情報を保持している。自動駐車車両の取得部は、サーバから、経路情報を取得し、車両制御部は、経路情報に基づき自動駐車のための制御を行う。このとき、自動駐車車両は、受電コイルが有する2つのコイルのうち、その中心位置が、車両の前後方向の中心位置に近い方のコイルの位置情報を、位置合わせ対象のコイルの位置情報として、サーバに送信する。
【0100】
[実施形態2]
以下、図面を参照して、実施形態2について詳細に説明する。実施形態2においては、自動駐車機能が、一部の自動制御を行う半自動の駐車支援を実行する駐車制御である点が、上述の実施形態1とは異なる。以下、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付して、その説明を省略する。
【0101】
(車両の構成例)
図7は、実施形態2にかかる車両30の構成の一例を示すブロック図である。車両30は、車両30の操舵については経路情報に基づき駐車支援装置310が自動で制御を行い、運転者が駐車支援装置310からの指示に従いアクセルとブレーキとを操作する車両として構成されている。
【0102】
図7に示すように、実施形態2の車両30は、受電コイル11、検出部12、蓄電装置13、表示部14、入力部15、駐車支援装置310、及び運転装置320を備える。
【0103】
駐車支援装置310は、通信部111、受信部112、表示制御部314、入力受付部115、及び制御部330を備える。制御部330は、上述の実施形態1の制御部130が有する車両制御部134に替えて、車両制御部334を備える。
【0104】
車両制御部334は、駐車位置特定部133が算出した駐車経路に基づき、後述する操舵アクチュエータ323を制御することで、運転者によるアクセルとブレーキとの操作を受けつつ、車両10を所定位置に自動駐車させる。つまり、実施形態2の車両制御部334では、車両30を駐車させる制御として、経路情報に基づき車両30の操舵を制御する構成が該当する。
【0105】
表示制御部314は、制御部330の経路決定部133が算出した駐車のための経路を示す画面を表示部14に表示させる。運転者は、表示部14に表示された経路情報に基づき、車両30のアクセルとブレーキとを操作して所定位置に駐車させる。
【0106】
運転装置320は、エンジンアクチュエータ321、ブレーキアクチュエータ322、及び操舵アクチュエータ323を備える。
【0107】
エンジンアクチュエータ321は、駐車支援処理の実行中においても通常の走行時と同様、運転者によるアクセルペダルの操作に基づき、エンジンに対して燃料および空気の供給量を調整する。ブレーキアクチュエータ322は、駐車支援処理の実行中においても通常の走行時と同様、運転者によるブレーキペダルの操作に基づき、車両30が備える車輪の制動力を調整する。操舵アクチュエータ323は、少なくとも駐車支援処理の実行中においては、車両制御部334の出力に基づき、車両30の操舵角を調整する。
【0108】
(駐車支援処理の例)
次に、図8を用いて、実施形態2の駐車支援装置310による駐車支援処理の例について説明する。図8は、実施形態2にかかる駐車支援装置310による駐車支援処理の手順の一例を示すフロー図である。図8に示すステップS201~S205は、上述の実施形態1の図5に示すステップS101~S105と同一の処理である。
【0109】
経路決定部133が駐車のための経路を算出すると(ステップS204,S205)、表示制御部314は、その経路を示す画面を表示部14に表示させる(ステップS206)。運転者は、表示部14に表示された画面の指示にしたがって車両30のアクセルとブレーキとを操作し、車両制御部334による操舵アクチュエータ323の制御を受けながら、例えば給電コイル21が設置された駐車領域22内の所定位置に車両30を駐車させる。
【0110】
以降のステップS207~S210は、上述の実施形態1の図5に示すステップS107~S110と同一の処理である。
【0111】
すなわち、駐車位置特定部135が、運転者が駐車させた駐車位置を特定し(ステップS207)、充電指示部136が充電の可否を判断し(ステップS208)、受電コイル11が蓄電装置13への充電を行う(ステップS209~S210)。
【0112】
以上により、実施形態2の駐車支援装置310による駐車支援処理が終了する。
【0113】
なお、上述の実施形態2の構成においては、経路決定部133が算出した経路にしたがって、車両制御部334が操舵アクチュエータ323を自動で制御しつつ、運転者がアクセルペダル及びブレーキペダルを操作して車両30を所定位置に駐車させることとしたが、これに限られない。例えば、経路決定部が算出した経路にしたがって、運転者が操舵を行いつつ、アクセルペダル及びブレーキペダルを操作して車両を所定位置に駐車させてもよい。
【0114】
また、上述の実施形態1,2及び変形例では、車両位置認識部131が、検出部12からの検出信号に基づき駐車領域22及び給電コイル21の位置を認識することとしたが、これに限られない。車両位置認識部は、駐車場の管理システムから駐車領域および給電コイルの少なくともいずれかの位置情報を取得してもよい。
【0115】
また、上述の実施形態1,2及び変形例では、給電コイル認識部132が、検出部12からの検出信号に基づき給電コイル21のタイプを認識することとしたが、これに限られない。給電コイル認識部は、駐車場の管理システムから給電コイルのタイプに関する情報を取得してもよい。
【0116】
また、上述の実施形態1,2及び変形例では、車両10,20,30が駐車の動作を開始する前に経路決定部133が決定した経路にしたがって、車両10,20,30が駐車されることとしたが、駐車支援の手法はこれに限られない。駐車領域を目標とする車両の軌跡が経路から外れていった場合に、経路決定部が、その時々の車両の位置から駐車位置までの経路を再設定してもよい。自動運転装置、運転装置、または運転者等は、適宜、車両の軌道を修正しつつ、適正な駐車位置に車両を誘導することができる。車両の経路からのずれは、その時々で検出部から検出信号を取得することで、また、受電コイルと給電コイルとの送受信信号を取得することで、知ることができる。駐車場の管理システムが、受電コイルと給電コイルとの位置ずれを検知して警報を発する機構を有していてもよい。
【0117】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態およびその変形例は、発明の範囲および要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
10,20,30 車両
11 受電コイル
11a 第1のコイル
11b 第2のコイル
11x,21x X位置センサ
11y,21y Y位置センサ
12a~12h 検出部
13 蓄電装置
14,204 表示部
15,205 入力部
21 給電コイル
22 駐車領域
110,210,310 駐車支援装置
111 通信部
112 受信部
114,214,314 表示制御部
115,215 入力受付部
120 自動運転装置
121,321 エンジンアクチュエータ
122,322 ブレーキアクチュエータ
123,323 操舵アクチュエータ
130,230,330 制御部
131 車両位置認識部
132 給電コイル認識部
133 経路決定部
134,334 車両制御部
135 駐車位置特定部
136 充電指示部
200 携帯端末
201 操作部
202 操作受付部
203 送信部
237 受付部
320 運転装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8