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特許7352959加熱装置と食事提供装置と食事提供方法と食事提供システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】加熱装置と食事提供装置と食事提供方法と食事提供システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 39/02 20060101AFI20230922BHJP
   A47B 31/00 20060101ALI20230922BHJP
   A47B 31/02 20060101ALI20230922BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20230922BHJP
   A47J 27/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
A47J39/02
A47B31/00 H
A47B31/02 A
A47B31/02 D
H05B6/12 303
A47J27/00 106
A47J27/00 109L
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020000780
(22)【出願日】2020-01-07
(62)【分割の表示】P 2019111626の分割
【原出願日】2019-06-15
(65)【公開番号】P2020078560
(43)【公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】P 2018209304
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591190128
【氏名又は名称】株式会社下村漆器店
(74)【代理人】
【識別番号】100155550
【弁理士】
【氏名又は名称】田嶋 諭
(72)【発明者】
【氏名】下村 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】池田 順治
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/121624(WO,A1)
【文献】特開2004-313571(JP,A)
【文献】特開2016-031189(JP,A)
【文献】特開2004-159790(JP,A)
【文献】特開2001-033152(JP,A)
【文献】特開2011-078537(JP,A)
【文献】米国特許第06587739(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 39/02
A47B 31/00
A47B 31/02
H05B 6/12
A47J 27/00
G06Q 50/10
G06Q 50/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレー上で生の食材を保持する容器を加熱する加熱源と、
前記加熱源を制御する個別制御部と、を有し、
前記トレーは、1人の1食分であり、
前記生の食材を、加熱することで料理をする加熱装置であり、
通信部を有し、外部サーバからの第1情報により、稼働する加熱装置であり、
前記加熱装置は、食事内容の変更の第2情報を前記外部サーバへ送る加熱装置。
【請求項2】
トレー上で生の食材を保持する容器を加熱する加熱源と、
前記加熱源を制御する個別制御部と、を有し、
前記トレーは、1人の1食分であり、
前記生の食材を、加熱することで料理をする加熱装置であり、
通信部を有し、外部サーバからの第1情報により、稼働する加熱装置であり、
前記加熱装置は、食事中止の第2情報を前記外部サーバへ送る加熱装置。
【請求項3】
トレー上で生の食材を保持する容器を加熱する加熱源と、
前記加熱源を制御する個別制御部と、を有し、
前記トレーは、1人の1食分であり、
前記生の食材を、加熱することで料理をする加熱装置であり、
通信部を有し、外部サーバからの第1情報により、稼働する加熱装置であり、
前記加熱装置は、食事の開始時刻の変更、献立の変更、原材料の量の変更の少なくとも1つである第2情報を前記外部サーバへ送る加熱装置。
【請求項4】
ネットワークを介して外部サーバから、第1情報を、加熱装置が受信する受信工程と、
前記第1情報に基づいて、前記加熱装置上に別途用意された食材を加熱する加熱工程と、
を含む食事提供方法であり、
食事内容の変更、又は、食事中止、又は、食事開始時刻の変更、又は、エラー情報の第2情報を前記外部サーバへ送る工程と、含む食事提供方法であり、
前記加熱装置は、トレー上で生の食材を保持する容器を加熱する加熱源と、
前記加熱源を制御する個別制御部と、を有し、
前記トレーは、1人の1食分であり、
前記生の食材を、加熱することで料理をする加熱装置であり、
通信部を有し、前記外部サーバからの前記第1情報により、稼働する加熱装置である食事提供方法。
【請求項5】
前記エラー情報とは、ある時刻での測定された前記容器の温度と前記ある時刻での加熱プロファイルで決められた前記容器の温度とが相違していること、前記第1情報である食事被提供者、または、前記第1情報である前記加熱装置の番号と前記加熱装置が所有する食事被提供者、または、前記加熱装置の番号とが一致しないこと、とのいずれである請求項4記載の食事提供方法。
【請求項6】
ットワークを介して外部サーバから、加熱プロファイルを含む第1情報を、加熱装置が受信する受信工程と、
前記第1情報に基づいて、前記加熱装置上に別途用意された食材を加熱する加熱工程と、
被食事提供者の体重である第2情報を前記外部サーバへ送る工程と、含む食事提供方法であり、
前記加熱装置は、トレー上で生の前記食材を保持する容器を加熱する加熱源と、
前記加熱源を制御する個別制御部と、を有し、
前記トレーは、1人の1食分であり、
前記生の食材を、加熱することで料理をする加熱装置であり、
通信部を有し、前記外部サーバからの前記第1情報により、稼働する加熱装置である食事提供方法。
【請求項7】
ネットワークを介して外部サーバから、加熱プロファイルを含む第1情報を、加熱装置が受信する受信工程と、
前記第1情報に基づいて、前記加熱装置上に別途用意された食材を加熱する加熱工程と、
被食事提供者の血圧、脈拍数、血糖値、運動量、薬の使用量、顔色、体温のいずれかである第2情報を前記外部サーバへ送る工程と、含む食事提供方法であり、
前記加熱装置は、トレー上で生の前記食材を保持する容器を加熱する加熱源と、
前記加熱源を制御する個別制御部と、を有し、
前記トレーは、1人の1食分であり、
前記生の食材を、加熱することで料理をする加熱装置であり、
通信部を有し、前記外部サーバからの前記第1情報により、稼働する加熱装置である食事提供方法。
【請求項8】
ネットワークを介する外部サーバと、前記外部サーバと通信可能な請求項1~3のいずれか1項に記載の加熱装置と、を含む食事提供システムであり、
料理開始時刻と加熱プロファイルを含む情報を有する前記外部サーバと、
前記外部サーバから、加熱プロファイルを含む情報を受信し、前記料理開始時刻になったら、前記加熱プロファイルに基づいて、別途用意された食材を加熱する前記加熱装置と、を含む食事提供システム装置と、を含む食事提供システムであり、
専門家が、前記外部サーバにアクセスする端末を、有し、
前記専門家の医師が、前記外部サーバのデータを見て、コメントを前記外部サーバへする食事提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱装置と食事提供方法と食事提供装置と食事提供システムとに関する。特に、各家庭や離れた複数の場所での加熱装置と食事提供装置と食事の提供方法と食事提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から複数のトレーを加熱する加熱装置があった(特許文献1)。病院などの施設で、食事の準備をするものであった。特許文献1記載の加熱装置は、約40~50個のトレーを、同時期に加熱し、トレー上の原材料を料理するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-78537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載の加熱装置は、集合施設向けで、家庭、個人向けでなかった。そのため、加熱装置は、寸法が大きく、価格が高かった。家庭など小集団では、利用できなかった。
そこで、本願では、各家庭など小集団向けの加熱装置と食事提供方法と食事提供装置と食事提供システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、トレー上で生の食材を保持する容器を加熱する加熱源と、上記加熱源を制御する個別制御部と、を有し、上記トレーは、上記1人の1食分であり、上記生の食材を、加熱することで料理をする加熱装置を用いる。
また、ネットワークを介して外部サーバから、加熱プロファイルを含む情報を、上記加熱装置が受信する受信工程と、上記情報に基づいて、上記加熱装置上に別途用意された食材を加熱する加熱工程と、を含む食事提供方法を用いる。
【0006】
また、またネットワークを介する外部サーバと、上記外部サーバと通信可能な請求項1~〇のいずれか1項に記載の加熱装置と、を含む食事提供システムであり、料理開始時刻と加熱プロファイルを含む情報を有する上記外部サーバと、上記外部サーバから、料理開始時刻と加熱プロファイルを含む情報を受信し、上記料理開始時刻になったら、上記加熱プロファイルに基づいて、別途用意された食材を加熱する上記加熱装置と、を含む食事提供システムを用いる。
【発明の効果】
【0007】
本願発明の加熱装置では、各家庭など小集団向けの加熱装置と食事の提供方法と食事提供システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態1の加熱装置と外部サーバとの関係を示す図である。
図2図2は、実施の形態1の加熱装置のプロセスを示す図である。
図3A図3Aは、実施の形態1の加熱装置にトレー、容器を配置したところの斜視図である。
図3B図3Bは、実施の形態1のトレーの上面図である。
図3C図3Cは、実施の形態1の加熱装置内部の電磁誘導コイルの配置を示めす図である。
図3D図3Dは、実施の形態1の加熱装置の電磁誘導の状態を説明する断面図である。
図3E図3Eは、実施の形態1の加熱装置としてマイクロ波加熱の状態を説明する断面図である。
図4図4は、実施の形態1の加熱プロファイルを示す図である。
図5図5は、実施の形態1の加熱装置を示す図である。
図6A図6Aは、実施の形態2の加熱装置と外部サーバとの関係を示す図である。
図6B図6Bは、実施の形態2の加熱装置の斜視図である。
図7A図7Aは、実施の形態3の加熱装置の斜視図である。
図7B図7Bは、実施の形態3の加熱装置の斜視図である。
図7C図7Cは、実施の形態3の加熱装置110の制御板113の斜視図である。
図7D図7Dは、実施の形態3の加熱装置の側部と底部の斜視図である。
図7E図7Eは、実施の形態3の加熱装置の側部と底部の斜視図である。
図7F図7Fは、実施の形態3の加熱装置を複数積層した正面図である。
図7G図7Gは、実施の形態3の加熱装置を複数積層した正面図である。
図7H図7Hは、実施の形態3の加熱装置を複数積層した加熱装置の構成を示す図である。
図7I図7Iは、実施の形態3の加熱装置を複数積層した正面図である。
図7J図7Jは、実施の形態3の加熱装置の斜視図である。
図7K図7Kは、実施の形態3の加熱装置の端末の画面をしめす図である。
図7L図7Lは、実施の形態3の加熱装置の斜視図である。
図7M図7Mは、実施の形態3の加熱装置の斜視図である。
図7N図7Nは、実施の形態4の加熱装置の使用例を示す図である。
図7O図7Oは、実施の形態4の加熱装置の使用例を示す図である。
図8図8は、実施の形態5の加熱装置と外部サーバと食事被提供者と端末の関係を示す図である。
図9図9は、実施の形態6の加熱装置と外部サーバと端末との関係を示す図である。
図10図10は、実施の形態7の加熱装置と外部サーバとの関係を示す図である。
図11図11は、実施の形態8の加熱装置と外部サーバと端末との関係を示す図である。
図12図12は、実施の形態9の加熱装置と外部サーバとの関係を示す図である。
図13図13は、実施の形態9の加熱装置を示す斜視図である。
図14図14は、実施の形態10の加熱装置の端末と外部サーバとの関係を示す図である。
図15図15は、実施の形態10の加熱装置の端末と外部サーバとの関係を示す図である。
図16図16は、実施の形態11を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態を用いて発明を説明するが、発明は以下には限定されない。
(実施の形態1):一人用
<全体構成>
実施の形態1の食事提供システムを図1で説明する。図1は、食事提供システムの構成を示す図である。
【0010】
食事提供者13は、原材料をトレー310で食事被提供者14へ供給する人である。例えば、食事提供会社、地域のグループ、施設、病院などである。
食事被提供者14は、食事提供者13から、原材料をトレー310で受け取る人である。受け取られたトレー310は、加熱装置11により加熱され、トレー310上の原材料が加熱により料理される。その後、食事被提供者14は、その料理を食べる。なお、食事被提供者14は、食事する人の親族や関係者により補助を受けてもよい。
【0011】
食事被提供者14としては、高齢者や、病院から退院し、自分で食事の準備をするのが難しい人、または、忙しく料理の準備がでない人などである。
外部サーバ10は、コンピュータや、ハードデイスクなどを含む装置で、加熱装置11とネットワークを介して繋がっている。ネットワークは、インターネットでも施設内、地域内のネットワークでもよい。外部サーバ10は、各種データをデータベース12に保存できる。各種データを基に、外部サーバ10は、加熱装置11へ情報12aを送る。外部サーバ10は、食事提供者13である会社、団体、病院、または、情報管理の専門会社などに配置される。各種データは事前に、または、随時、データベース12へ書き込み、保存される。
【0012】
外部サーバ10は、データベース12を有する。データベース12は、情報12aの元となるデータを有する。
加熱装置11は、家庭ごと、または、場所ごとに配置される加熱装置である。加熱装置11は、外部サーバ10からの情報12aが通信で送られ、その情報12aを元に制御される。加熱装置11は、図1では加熱装置11は、1つであるが、複数の場所にそれぞれ1つ以上ある。なお、加熱装置11は、小型であるので、家庭に限られず、病院の病室、患者のベットの横、施設の個人の居場所や、食堂などにも配置できる。加熱装置11は、それぞれ特定(識別される)され、その特定された加熱装置11ごとに、必要な情報12aが送られる。
【0013】
<概略プロセス>
図2にプロセスを示す。
(1)契約
予め、食事被提供者14は、外部サーバ10を所有する食事提供者13と契約する。契約は、食事提供者13が、食事被提供者14へ、食事を指定された日、時刻(食事開始時刻360、図4)に提供することである。なお、食事提供者13が、直接、外部サーバ10を所有する必要はない。複数の食事提供者13が、共同で外部サーバを所有してもよい。または、関連会社が所有の外部サーバ10を利用してもよい。
【0014】
(2)事前準備
食事被提供者14は、加熱装置11を、食事提供者13から購入、または、レンタルで借りる。契約後、食事提供者13は、外部サーバ10の食事被提供者14に関する情報(データベース12)から、食事内容を検討し、決定する。食事内容を検討するための情報は、性別、年齢、体重、病気などである。これらもデータベース12に保存されているのが好ましい。
【0015】
(3)原材料340の準備
食事提供者13は、(2)の事前準備で決定された食事に対して、必要な原材料340(図3D)を準備する。トレー310上の容器320(図3A)に原材料340を入れる。原材料340は、加熱処理させる前の生の食材である。例えば、お米と水、生の魚などである。なお、事前に味付けなどもしてもよい。生の材料から加熱、料理することで、出来たてのおいしい食事ができる。
【0016】
(4)搬送
食事提供者13は、(3)のトレー310を加熱装置11のところ、つまり、食事被提供者14へ搬送する。トレー310上には、原材料340が入った複数の容器320がセットされた状態で提供される。運搬中などは、トレー310と容器320は別であってもよいが、最終、食事被提供者14のところ、つまり、加熱装置11にセットされる時には、トレー310上に原材料340がはいった容器320が配置される。
【0017】
別容器に原材料340を入れ、加熱装置11のところで、容器320へ移してもよい。その後、トレー310は加熱装置11へセットされる。
(5)料理
(4)の後、事前に決定された食事開始時刻360までに、加熱装置11が稼働する。食事開始時刻360に料理が完成する。外部サーバ10から、加熱装置11へ事前に、加熱プロファイル350を含む情報12aが送られている。加熱プロファイル350は、時刻とその時刻での到達目標温度とのペアを複数含む。加熱プロファイル350は、数値のペアだけでなく、記号などの形式でもよい、最終、時刻と設定温度の複数点の昇温プロファイルになればよい。
【0018】
(6)食事
(5)の料理(加熱)が終了後、食事被提供者14が食事をする。この時、食事は、加熱装置11上にトレー310が配置された状態でされる。加熱装置11は、食事被提供者14の近傍に配置され、食事被提供者14は、出来立ての料理をそのまま食べる。トレー310、容器320の置き換えなど不要である。加熱装置11は、加熱装置だけでなく、食事用のテーブルも兼ね備えている。場所の有効利用、置き換えの手間、片付けが不要、探す手間も不要である。
【0019】
(7)回収
食事提供者13は、容器320、トレー310の回収をする。
(8)洗浄
食事提供者13は、容器320、トレー310を洗浄し、再度使用する。
【0020】
<詳細プロセス>
(1)契約
食事被提供者14は、高齢者、要介護者、要支援者、患者、ビジネスマン、共働きの人、独身者など、食事をつくることができない、または、つくる時間がない人である。
【0021】
食事提供者13は、病院、各種団体、地域の食事配送会社などである。食事提供者13のところに外部サーバ10がある必要はない。別の場所に配置してもよい。
食事被提供者14と食事提供者13とは、契約をする。食事の提供をする日、時、場所などを契約する。
【0022】
外部サーバ10に、食事被提供者14の情報を入れる。情報としては、まず、食事の提供日、食事(開始)の時刻、食事被提供者14の氏名、住所(食事提供場所)を入れる。つまり、情報は、個人に関する特有の情報を含む。その他、食事被提供者14の個々人の各種データを保存できる。各種データの例として、食事被提供者14の年齢、性別、体重、病歴、好き嫌いなどである。また、病院、医師などからの情報が含まれてもよい。情報はデータベース12に保全される。
【0023】
(2)事前準備
食事被提供者14は、加熱装置11を、食事提供者13から購入、または、レンタルで借りる。加熱装置11は、食事の提供される場所(食事をする場所)、つまり、上記で契約した場所に置かれる。
【0024】
食事提供者13は、外部サーバ10の食事被提供者14の情報から、食事の内容(献立17)を検討し、決定する。食事提供者13は、栄養士など、医療関係者または、それらの人の援助を得るのが好ましい。
なお、例えば、管理栄養士等が操作を行って、外部サーバ10へアクセスし、食事被提供者14へ提供する献立17を作成することができる。
【0025】
外部サーバ10に保存された情報を元に、食事の内容(献立17)が決定される。情報の例として、アレルギーのある原材料340を避けること、病気の種類、身長、体重、年齢など、いろいろな情報がある。
決定された食事の内容(献立17)は、外部サーバ10に保存される。
【0026】
(3)原材料340の準備
(2)の事前準備で決定された食事(献立17)に必要な材料を準備する。外部サーバ10のデータベース12に保存された食事(献立17)に対して、必要な材料を、外部サーバ10から読み出す。
【0027】
例えば、ご飯なら、米と水である。魚なら、加熱せず、味付けのみする。この原材料340を、各々の容器320に入れる。そして、トレー310上に乗せて準備完了である。提供まで時間がある時は、冷却保存することもできる。
(4)搬送
(3)の原材料340をトレー310ごと、食事被提供者14のところへ搬送する。トレー310は、加熱装置11の上面のところへ配置される。原材料340は、トレー310上の容器320に入れられている。トレー310を搬送前後で、冷蔵庫での一時保存も可能である。
【0028】
(5)料理
(4)の後、事前に決定された食事開始時刻360の前に、加熱装置11が稼働(加熱)する。なお、事前に加熱装置11に加熱プロファイル350(図4)を外部サーバ10が送っている。食事開始時刻360に、加熱が終了し、食事被提供者14は、できたてを食べることができる。
【0029】
加熱装置11の加熱プロファイル350は、事前に、外部サーバ10から加熱装置11へ、情報12aとして送られる。
(6)食事
(5)料理が終了後、食事被提供者14が食事をする。
【0030】
(7)回収
(6)食事の終了後、容器320、トレー310が回収される。食べ残しがある場合、その量などを外部サーバ10に保存するのが好ましい。この情報により、病院や医師の指導が行われたり、今後の献立17が検討されたりする。このため、容器320、トレー310は、食事被提供者14の個別の識別マーク、バーコード、IC埋め込みなどをすることが好ましい。
【0031】
(8)洗浄
容器320、トレー310は洗浄され、再度使用される。
<トレー310、容器320、加熱装置11>
図3Aは、加熱装置11に、トレー310、容器320を配置したところの斜視図である。図3Bは、トレー310の上面図である。
【0032】
加熱装置11は、1つのトレー310のみを加熱調理する装置である。加熱装置11を覆う筐体などなく、トレー310を、加熱装置11上へ置くことができる。温度制御は、外部サーバ10から、事前に送られている情報12aを基にされる。
加熱装置11の上面450には、平らな形状を成す板状体のトレー310(材質はいずれでもよい)を設置することが可能である。トレー310上に複数の容器320を載置させることができる。加熱装置11は、トレー310下に、各々の容器320に対応し配置される電磁誘導のコイル(加熱部、加熱源)を有する(図3C)。加熱装置11は、電磁波を発生し、各々の容器320を電磁誘導加熱し、各々の容器320内に設置された原材料340(図3D)の調理を行う。
【0033】
なお、トレー310は、配膳トレー、又は、加熱装置11が備えるトッププレートの何れでも良いが、以下では、便宜上、トレー310を配膳用のトレーとして説明する。
図3Bで示すように、トレー310上には、各々の容器320を載置させる領域440が分かるように、各々の領域440にトレー上の特定位置330が付されている。容器320の種類と置くトレー上の特定位置330とが決められている。例えば、主食の容器320は1番、副食の容器320は2番などである。
【0034】
図3Cは、加熱装置11内部の電磁誘導のコイル11a(加熱部)の配置を示めしている。その位置は、各々の領域440の目印に対応している。
容器320は、陶製の器の下面に誘導加熱可能な磁性体が貼付される形態や、2層構造で磁性体を有する構成が好ましい。さらに、容器320の内側層が誘導加熱可能で且つ熱伝導率の高いステンレス等の金属で形成されることが好ましい。
【0035】
容器320の外側層が高い耐熱性を有するとともに内側層よりも熱伝導率の低い樹脂で形成される形態がより好ましい。ただし、誘導加熱可能な容器320であれば、これら以外の形態であっても良い。
図3Dは、加熱装置11の電磁誘導の状態を説明する断面図である。渦巻状のコイルである電磁誘導のコイル11aに高周波の電流を流すと、電磁誘導の法則に従って電磁誘導のコイル11aの周辺に磁力線が発生する。磁力線が容器320(金属)を通過するときに、容器320の内部に無数の渦電流を発生させる。渦電流が流れるとき、容器320内の金属において電気抵抗熱が発生する。この熱を利用して容器320に配置された原材料340の調理を行う。なお、容器320の温度の調整は、電磁誘導のコイル11aに流す電流の大きさを変化させることにより行う。コイル11aと容器320が近く効率的に加熱できる。電磁波の影響を周辺の空間に与えない。
図3Aで示すように、加熱装置11は、配膳のトレー310を上面450に1つのみ収納(設置)することができるのが好ましい。個々人専用の加熱装置11とすることができる。
【0036】
なお、加熱方法は、電磁誘導が好ましい。
また、加熱方式は、マイクロ波加熱(電子レンジ)、スチーム加熱、オーブン(ヒータ加熱)でもよい。マイクロ波加熱の場合、図3Eに示すように、コイル11aの代わりにマイクロ波を発信する発信器370を設ける。さらに、マイクロ波が外部へ放射されないように、加熱装置11の全体を金網で覆うのが好ましい。スチーム加熱なら、発信器370の代わりに、スチーム源を設ける。オーブン加熱なら、発信器370の代わりに、加熱源のヒータを設ける。
以下の例では、電磁誘導での加熱で説明するが、マイクロ波加熱(電子レンジ)、スチーム加熱、オーブンによる加熱でもよい。
また、加熱装置11は、トレー310の1つ(一人、一食分)のみをその上に乗せるタイプである。これは、食事被提供者14の一人に対する特有のものであるためである。つまり、食事被提供者14に適した食事を提供するためである。トレー310の下部の加熱部(加熱減、コイル11a)で加熱するので、トレー310を置き換えずに、加熱後、加熱装置11を利用して食事被提供者14が、食事できる。
【0037】
<加熱プロファイル350>
図4に加熱装置11の温度を制御する加熱プロファイル350の例を示す。横軸が時刻、縦軸が容器320の温度である。2種類の容器320a、320bに関する加熱プロファイル350の例である。
【0038】
終了時刻は食事開始時刻360、または、その少し前である。あらかじめ外部サーバ10に、食事開始時刻360が保存されている。
開始時刻は、加熱を開始する時刻である。それぞれの領域440、容器320ごとで加熱プロファイル350は異なる場合が多い。容器320内の原材料340とその量が異なり、それぞれに合った加熱プロファイル350となっている。それぞれの加熱プロファイル350は、開始時刻は異なるかもしれないが、食事開始時刻360の前に終わる。
【0039】
この場合、容器320a、320bとで加熱開始時刻が異なるが、終了時刻を調整し、食事開始時刻360までに終了する。食事被提供者14が、出来たての食事をすることができる。
加熱時間は、30分~50分程度である。数分(5分)で単に温めるのでなく、30分以上時間をかけて加熱することで料理をしている。例えば、米と水でご飯を炊く、魚を焼く、鍋を煮るというものである。
【0040】
特に、加熱プロファイル350で、途中、一定温度一定時間の領域320cの調整することで、献立17をおいしくできる。この一定温度一定時間の領域320cを調整することで他の容器320との加熱終了時間を合わせることもできる。
なお、加熱プロファイルは、時刻と到達目標温度とのペアが複数組あるデータである。数字や記号などに置き換えて、加熱装置11で、図4のような加熱プロファイルとしてもよい。
【0041】
<データベース12と情報12a>
図1でデータベース12とは、表1に示すようなものである。
【0042】
【表1】
加熱装置11は、それぞれ番号がつけられ、識別されている。食事被提供者14と加熱装置11とは、1:1の関係であるのが好ましい。食事被提供者14と、トレー310、または、容器320との関係も対応しているのが好ましい。つまり、トレー310、または、容器320は、食事被提供者14と結び付けられるようにデータベース12に保存される。トレー310、または、容器320に、バーコード、ICタグなどを付属させると好ましい。トレー310、容器320の管理、提供が容易である。
【0043】
このうち、加熱装置11へ送られる情報12aとして、食事日、食事開始時刻360(食事開始時刻)、加熱プロファイル350、トレー上の特定位置330などがある。
食事日と食事開始時刻360は、事前に食事被提供者14が、希望した日時、または、選択した日時である。食事開始時刻360の前から、加熱装置11は、加熱プロファイル350に従い、加熱を開始し、加熱の終了時刻(食事開始時刻360)で食事ができるようにする。
【0044】
加熱プロファイル350は、トレー上の特定位置330ごとに、各々の容器320を加熱するプロファイルである。この情報から、加熱装置11は、コイル11aを制御する。加熱プロファイル350は、例えば、図4で示したものである。
加熱プロファイル350は、食事開始時刻360に加熱プロファイル350が終わるように設定される。
【0045】
なお、情報12aとして、表1に示すデータベース12の他の情報を含んでもよい。食事被提供者14、加熱装置11の番号、献立17、原材料19などである。
食事被提供者14は、食事を受ける人物名である。
【0046】
加熱装置11の番号は、食事被提供者14のところに設置されている加熱装置11の通し番号である。
食事被提供者14の氏名、または、加熱装置11の番号などにより、情報12aが送られる先が特定される。また、食事被提供者14、または、加熱装置11の番号と、加熱装置11が所有する特定の番号などの情報とが一致しない場合は、エラーを外部サーバ10へ返すことが好ましい。エラーに対応して、食事提供者13などが修正しエラーを解除する。
【0047】
なお、外部サーバ10に保存されるデータベース12としては、これら以外にいろいろなデータを保存できる。別の実施の形態で説明する。
<加熱装置11の付属機構>
加熱装置11に、以下の機構があることが好ましい。図5に加熱装置11の各部を示す。
【0048】
通信部11fは、外部サーバ10と、加熱プロファイル350などのデータのやり取りができる。通信機能を有するデバイス、半導体などを有する。
電源部11hは、コンセントと繋がり、電流をコイル11aへ制御部11b(個別制御部、1つの加熱装置11を制御する制御部)の指示に従い供給する。また、電源部11hは、各部へも電気を供給する。電源部11hは、電池でもよい。
【0049】
制御部11bは、通信部11fが受信した加熱プロファイル350に従い、電流をコイル11aへ送るように電源部11hを制御する。その他、加熱装置11の他の各部の制御を行う。制御部11bは、ICなどの制御部材である。
温度測定部11dは、容器320の温度を測定し、制御部11bへ送る。この時、制御部11bは、ある時刻での測定された温度と、ある時刻での加熱プロファイル350で決められた温度とが相違していれば、コイル11aへ流す電流を制御し、加熱プロファイル350に従い温度を制御する。温度が加熱プロファイル350に追従せず、制御できない場合は、エラーを加熱装置11は、エラーを外部サーバ10などへ発信する。食事提供者13はエラーを解除すべく修理などをする。
【0050】
コイル11aは、制御部11bからの指示で電源部11hから電流を受け、磁気の強度を変え、原材料340を加熱する。
表示部11eは、各種データを表示する液晶などのデイスプレイである。例えば、食事開始時刻360、上記エラーなどを表示する。また、下記のアラーム部11cとともに同様の表示をする。ランプなど光の場合もある。
【0051】
アラーム部11cは、音、光などを発生する。例えば、食事開始時刻360(加熱の終了時刻)などに、音、光などを発信し、食事被提供者14へ知らせる。加熱開始時も同様に知らせるのが好ましい。表示部11eで知らせてもよい。エラー時も同様である。
メモリ11gは、半導体メモリなどで、通信部11fで受けた食事開始時刻360、加熱プロファイル350を保存する。通信部11fで受けるデータは、単なる番号とし、メモリ11gついて、その番号に対応する加熱プロファイル350で加熱装置11を稼働してもよい。
【0052】
<表示部11e、アラーム部11cの活用例>
食事被提供者14が、高齢者の場合や、忙しく別のことをしている場合に以下のいずれか1つ以上、表示部11e、アラーム部11cを活用することが好ましい。
【0053】
(1)食事完成時、または、食事開始時刻360にアラーム部11cのベルを鳴らす、または、表示部11eで食事完成、食事開始時刻360を知らせるメッセージ、点滅、点灯などをする。食事被提供者14が食事の開始を知ることができる。
(2)加熱開始時、アラーム部11cでベルを鳴らす。また、表示部11eで加熱開始を知らせるメッセージ、点滅、点灯などをする。食事被提供者14などの安全のためである。
【0054】
(3)加熱開始時刻前に、トレー310が加熱装置11の上面450にない場合、アラーム部11cでベルを鳴らす、または、表示部11eでそれを知らせるメッセージ、点滅、点灯などをする。食事の準備ができないことを、食事被提供者14などへ知らせるためである。
【0055】
(4)異常時、アラーム部11cでベルを鳴らす、外部サーバ10へ連絡する。また、表示部11eで異常を知らせるメッセージ、点滅、点灯などをしてもよい。食事の準備ができないことや、修理などが必要なことを、食事被提供者14などへ知らせるためである。
(5)加熱開始時刻または、食事開始時刻360の表示を、表示部11eで表示する。あらかじめ、食事被提供者14などが確認するためである。
【0056】
また、上記の情報を、加熱装置11は、外部サーバ10へ送ることが好ましい。特に異常時には、外部サーバ10から、食事提供者13が連絡を受け、異常などに対処できる。
<効果>
実施の形態の食事の提供方法で、場所が離れた各家庭、施設へも、できたての食事の提供ができる。
【0057】
(実施の形態2):加熱装置11からの送信(情報12b)
実施の形態2は、実施の形態1と異なり、加熱装置11から外部サーバ10へ情報12bの通信をすることである。その他、説明しない事項は実施の形態1と同様である。なお、実施の形態1のエラー情報も情報12bとして外部サーバ10へ送ることができる。説明しない事項は、実施の形態1と同様である。
【0058】
つまり、この実施の形態では、加熱装置11から、外部サーバ10へ食事の開始時刻を変更する情報を送信する送信工程を、さらに含む。または、加熱装置11から、外部サーバ10へ食材の変更する情報を送信する送信工程をさらに含む。
図6Aは、実施の形態2の加熱装置11と外部サーバ10との関係を示す図である。実施の形態2では、加熱装置11から外部サーバ10へ情報12bを送信する。情報12bとして、以下の場合がある。
【0059】
<情報12bとして>
(1)食事開始時刻360の変更
食事被提供者14の都合で、事前に外部サーバ10に登録した食事開始時刻360などを変更する必要が発生しやすい。
【0060】
たとえば、食事被提供者14の体調不良の場合や、予定変更で不在となる場合など、さまざまな状況で、食事開始時刻360の変更が必要となる。
この場合に、ネットを介して、外部サーバ10にアクセスして変更することも可能とできる。しかし、食事被提供者14が高齢者の場合や、忙しい人の場合など、変更できない、または、変更するのが手間である。
【0061】
このために、加熱装置11、または、その付属装置に入力部25(図6B)を設ける。例えば、ダイヤル式で時刻設定する方式やボタン式で時刻設定する方式がある。また、入力部25を介して、音声で、情報12bを、食事提供者13に連絡し変更することも可能である。たとえば、入力部25に、受話器があり持ち上げると、食事提供者13などにつながり、音声で変更できるようにしてもよい。この時、食事提供者13は、地域ごとで異なる食事提供者13としてもよい。さらに、呼び出しボタンなどで、食事提供者13などにつながるしくみとし、音声で変更を連絡してもよい。以下の実施の形態の情報の伝達の場合やデータベース12への情報の書き込み、変更の場合でも、入力部25や音声など上記が利用できる。
【0062】
外部サーバ10は、情報12bを受け取り、データベース12のデータを変更し、情報12aを該当する加熱装置11へ送る。結果、食事開始時刻360が変更される。原材料340の搬送もそれに応じて内容が変更され、搬送される。原材料340の準備開始前までに、食事開始時刻360の変更が必要である。時間(時刻)制限を設けることが好ましい。
【0063】
なお、外部サーバ10を介さず、食事開始時刻360を上記のように変更し、加熱装置11で入力することで、制御部11b(図5)で加熱プロファイル350を変更してもよい。
(2)献立17の変更する
献立17は、実施の形態1で示したように、食事提供者13側で、事前に決定されデータベース12に保存される。しかし、内容に対して、変更をしたい場合、情報12bとして、連絡できる。例えば、好みの変化、健康上の問題などで献立17を変更したい場合がある。(1)の時と同様に、入力部25を利用して献立17を変更する。
【0064】
外部サーバ10は、情報12bを受け取り、データベース12の献立17を変更し、変更した情報12aを該当する加熱装置11へ送る。結果、献立17が変更される。なお、献立17が変わると加熱プロファイル350なども変更される。
(3)原材料340の量(食事の量)を変更する
原材料340の量は、実施の形態1で示したように、食事提供者13側で、事前に決定される。しかし、体調不良、元気な時などで食欲が変化する。(1)、(2)の時と同様に、入力部25を利用して、外部サーバ10のデータベース12の献立17の量を変更することができる。または、音声で変更できる。
【0065】
<加熱装置11>
実施の形態2の加熱装置11の例を図6Bの斜視図に示す。加熱装置11自体に入力部25があり、変更データを入力し、通信機能部で外部サーバ10へ送ってもよい。
【0066】
また、別途、入力部25を有する端末があってもよい。入力は、ボタン式、ダイヤル式、音声式でもよい。液晶デイスプレイで、項目を選択する方式でもよい。
また、電話、電子メールなどで、食事提供者13などへ連絡し、データベース12のデータを変更してもよい。
【0067】
<効果>
実施の形態の食事の提供方法で、場所が離れた各家庭、施設へも、できたての食事の提供ができる。さらに、食事の変更など条件の変更が容易である。
(実施の形態3):数人用加熱装置(1)
実施の形態1、2では、加熱装置11は、一人用であった。実施の形態3の加熱装置110では、一人以上分の調理加熱ができる。説明しない事項は、実施の形態1,2と同様である。加熱装置110は、他の実施の形態の加熱装置としても利用できる。
【0068】
図7Aは、実施の形態3の加熱装置110の斜視図である。図7Bは、加熱装置110の正面図である。図7Cは、加熱装置110の制御板113の斜視図である。図7D図7Eは、加熱装置110の側部111と底部112の斜視図である。図7Dでは、トレー310がある状態を示し、図7Eでは、内部の要素を示している。
【0069】
加熱装置110は、接続部51aと接続部51bと底部112と側部111と制御板113とを有する。また、加熱装置110は、開口部121も有する。
<接続部51a、51b>
接続部51aは、別の加熱装置110と組み合わされる時に使用する突起である。接続部51aは、接続部51b(穴)に挿入される。このことで、電気的、物理的に、2つの加熱装置110を組み合わせることができる。図7Fから図7Iでも説明する。突起と穴との関係以外でもよい。接続部51aと接続部51bとは、凹部と凸部、メスとオスなどの関係でもよい。
【0070】
<底部112>
底部112は、トレー310を置く平板状の部分である。実施の形態1,2の加熱装置11と同様に、内部にコイル11aを複数有する。その上部に配置される320容器を誘導加熱する。
【0071】
<側部111>
側部111は、個別制御部122aを内部に複数有する。複数の個別制御部122aは、それぞれ別のコイル11aを制御する。
<制御板113>
制御板113は、蓋の部分である。全体制御部122bを有する。全体制御部122bは、側部111に位置する個別制御部122a(図7E)へ情報(指示、命令)を送り、また、個別制御部122a(図7E)から情報(結果)を受ける。なお、全体制御部122bを側部111に設け、制御板113を無くしてもよい。
【0072】
<開口部121>
開口部121は、側部111と底部112と制御板113とで囲まれた貫通穴であり、風が、通過できる。電磁誘導で各容器320を加熱するので、開口部121の部分に熱を貯める必要はない。開口部121により、側部111、制御板113内の制御関連部品の温度を上げない。さらに、図7Dに示すように、側部111に断熱材55を配置する。または、側部111を断熱材55で作製してもよい。
【0073】
結果、ファンなどの強制的な冷却部材を用いる必要がない。加熱装置110は、簡素化された加熱装置である。
なお、加熱装置110を、他の加熱装置と接続しない場合は、接続部51a、51b、全体制御部122b、制御板113が無くともよい。個別制御部122aが、全体を制御する。つまり、図5の各部を側部111と底部112とを所有する。
【0074】
<マルチ化>
図7F図7Gは、加熱装置110を複数、積層した加熱装置120の正面図である。
図7Fでは、制御板113が、天井に位置する。一方、図7Gでは、制御板113は、底面に位置する。加熱装置110が1つの時も、制御板113は、底面に位置してもよい。それぞれの加熱装置110(第1加熱装置110a~第3加熱装置110c)は、接続部51bと接続部51aとで電気的、物理的に繋がっている。工具なく、特別の金具なく、組み立て、分解ができる加熱装置120である。
【0075】
なお、第1加熱装置110a~第3加熱装置110cのいずれか1つを特定しない場合に、加熱装置110として説明する。
制御板113内の全体制御部122b(図7C)は、第1加熱装置110a~第2加熱装置110cの複数の個別制御部122aを制御する。
【0076】
全体制御部122b(図7C)は、第1加熱装置110a~第2加熱装置110cのそれぞれを別として認識している。たとえば、全体制御部122bが、個別制御部122aを認識して、加熱装置110を識別できる。そのため、組み立て順番を変えても、問題なく、それぞれの加熱装置110に適した制御ができる。さらに、外部サーバ10での管理に関しても、個々の加熱装置110ごとにできる。
【0077】
加熱装置120は、カバーなどなく、第1加熱装置110a~第3加熱装置110cのそれぞれに開口部121がある。
図7Hは、図7Fまたは図7Gの加熱装置120の構成図を示す。
【0078】
加熱装置120は、1つ以上の加熱装置110と制御板113とを含む。図7Hでは、1つの加熱装置110のみ示す。
説明しない各要素は、図5で説明したものと同じである。
【0079】
加熱装置110は、個別制御部122aと、温度測定部11dと、コイル11aを有する。メモリ11g、表示部11e、電源部11h、アラーム部11cは、制御板113に配置してもよい。これらの要素は、個別制御部122aが、全体制御部112bと接続されているので、加熱装置110と制御板113のどちらかにあればよい。ただし、複数の加熱装置110が存在するため、制御板113に存在するのが好ましい。
【0080】
制御板113は、全体制御部112bと、メモリ11g、通信部11fとを有する。表示部11eは、以下で示す端末115(図7J)表示できるので無くともよい。アラーム11cは、加熱装置110、または、端末115に設けてもよい。電源部11hは、各加熱装置110に配置しても、制御板113に配置し、各加熱装置110へ供給してもよい。
【0081】
<保冷部>
加熱装置120は、保冷部123を有することが好ましい。図7Iに、加熱装置120の変形例の正面図を示す。
加熱装置120の下部に保冷部123がある。原材料340を乗せたトレー310を保冷部123で保管する。加熱装置120で加熱する前に、保冷部123からトレー310を取り出し、加熱装置120にセットする。保冷部123は、重量的に重たいので下部に位置するのが好ましい。ただし、上部、中部に保冷部123があってもよい。
【0082】
加熱調理前の原材料340の中には、冷却保存が必要な原材料もある。保冷部123は、トレー310がそのまま保持できる空間を有するのが好ましい。
加熱装置110の場合も保冷部123を有するがよい。
【0083】
保冷部123は、コンプレッサー式の冷蔵庫でも、ペルチェ式の冷蔵庫でもよい。または、保冷剤とともにトレー310を密閉保存するタイプでもよい。
<端末115>
加熱装置110、加熱装置120には、端末115が付属した方が好ましい。図7Jに加熱装置110と端末115との斜視図を示す。図7Kに、端末115の表示の例を示す。なお、図7F図7Gのように複数の加熱装置110がある場合は、それぞれに端末115があるのが好ましい。1つの端末で、複数の加熱装置110に対応する表示をさせてもよい。
【0084】
加熱装置110,120は、実施の形態1,2同様、外部サーバ10(図1)から情報12aを得る。端末115も、外部サーバ10につながり外部サーバ10(図1)から情報12aを得る。端末115は、デイスプレイを有し、情報を食事被提供者14などへ示すことができる。端末115は、実施の形態2のように、情報12bを外部サーバ10へ送ることができるのが好ましい。
【0085】
ここで、外部サーバ10から端末115へ送られる情報12aや、外部サーバ10へ端末115から送られる情報12bとして以下のものがあると好ましい。
端末115は、他の実施の形態の表示部11e、変更部21a(図5)、入力部25(図6B)、端末31(図15)であってもよい。
【0086】
(1)お知らせ
情報12aとして、加熱の開始の情報がある。この情報で、端末115は、音を発信する。または、加熱の開始の表示(点滅、赤色表示)をする。図7K(a)のように食事の開始の時刻など予定を表示してもよい。
【0087】
(2)エラー表示
図7K(b)のように、エラーを表示してもよい。加熱開始前のある時間に、加熱装置110が、トレー310がセットされているセンサーでチェックし、なければエラー表示する。エラーに気が付き、トレー310をセットできる。その他、電源が入っていないとかもエラーとして表示できる。
【0088】
(3)要望
情報12bとして、要望を送ることができる。例えば、食事内容の変更、中止の要望などである。図6Bの入力部25と同様である。音声での通信ができるのが好ましい。
(4)見守り
情報12bとして、画像データとすることができる。端末115は、カメラを所有し、カメラで食事被提供者14を撮影する。その画像を外部サーバ10へ送り、データベース12に保存です。食事被提供者14の近親者は、その画像を見て、食事被提供者14の状態を確認できる。
【0089】
(5)指導、案内
図7K(c)のように、各種の指導として、情報12aが指導の画像とすることができる。オペレータの人が画面上登場し、使い方などを案内してくれる。情報12bでこちらの画像を送り、加熱装置110に関する使用方法の説明などが受けられる。
【0090】
図7K(d)のように、情報12bとして専門家(実施の形態6)からの情報を得ることができる。図7K(d)では、医師が、食事の指導、健康上の評価などをしてくれる。データベース12で、別途、病院などの検査結果があれば、指導もしてもらえる。図2(1)の契約で、このサービスも契約すれば受けることができる。
【0091】
(6)監視する
端末115には、カメラがあり、食事被提供者14薬の使用チェックなども、近親者ができる。
なお、端末115は、下記の実施の形態でも利用可能である。データベース12にアクセスし、以下の実施の形態のような利用ができる。
【0092】
(1)(2)では、端末115は、加熱装置110の状態を表示する。
(3)では、端末115は、食事被提供者114の要望を伝える。
(5)では、端末115は、加熱装置110の使用方法を表示する。
【0093】
(4)(6)では、端末115は、加熱装置110で食事をする食事被提供者114の状態を、外部サーバ10へ送る。
<別の例>
図7L図7Mで別の加熱装置110aの斜視図を示す。加熱装置110aが加熱装置110と異なる点は、冷却機能を有する点である。説明しない事項は、上記加熱装置110と同様である。
【0094】
冷却機能として、側部111に冷却素子53を有する。頂部(制御板113)、または、底部112に冷却素子53を設けてもよい。さらに、開口部121を閉じる蓋52a、52bを有する。
加熱装置110aは、加熱装置110と同様に、加熱装置としてトレー310を加熱する。加熱装置110aは、それに加えて、トレー310を冷却できる。冷却時は、蓋52a、52bを閉じ、冷却素子53で冷却できる。冷却素子53は、ペルチェ素子などを利用できる。
【0095】
加熱前のトレー310上の食材を冷却して保存する場合に利用できる。たとえば、朝、トレー310上の容器320に原材料340を準備し、加熱装置110a内部へ冷却状態で保存する。夕方帰宅時刻までに、蓋52a、52bを開け、加熱をはじめ、帰宅時には、食事ができる。
【0096】
蓋52a、52bには、自動で開閉する機構が付属し、加熱開始前に開けられるのが好ましい。
なお、蓋52a、52bを閉めたまま、加熱する場合は、冷却素子53が、内部の部品などを冷却するのが好ましい。または、この場合、別途、ファン、冷却フィンなどを設けるか、外部と繋がる開放された箇所を設け耐熱性のない部品を配置してもよい。
【0097】
加熱装置110aは、加熱装置110と同様に、図7Fのように、他の加熱装置110、110aと積層させることができる。
図4で示した加熱プロファイル350は、この場合、加熱の開始時刻の前に温度を下げ冷却するプロファイルが追加される。上記の実施の形態と同様に、冷却するプロファイルの段階から管理できる。情報12aとして、冷却プロファイルを含めることもできる。
【0098】
<効果>実施の形態3の加熱装置により、1人用から複数人用の加熱装置が提供できる。
(実施の形態4):数人用加熱装置(2)
実施の形態3の加熱装置110aには、冷却機構が設けられていた。実施の形態4では、加熱装置11と冷却機82とを用いる。図7N図7Oは、実施の形態4を説明する斜視図である。記載しない事項は上記と同様である。冷却機82は、少なくとも冷蔵(約1~10度)をする。可能なら冷蔵(0度以下)してもよい。
つまり、トレー310上の容器320に原材料340を準備し、加熱装置11ごと、冷却機81へ入れる。扉81を閉めて、冷蔵する。加熱時刻が来た時、扉81が開き、加熱装置11で加熱が始まる。その後は上記と同様である。
図7Nでは、複数の加熱装置11を収納具80にセットし、用いている。収納具80を利用して、複数の加熱装置11が一括して出し入れされる。
上記と同様、各加熱装置11は、通信部11f、制御部11b(図5)を有し、それぞれの加熱プロファイル350で加熱される。
実施の形態3のように、全体制御部122bや端末115を別途設けてもよい。
図7Oでは、収納具80が無く、直接、加熱装置11を冷却機81へ入れている。加熱装置11ごと冷却するので、加熱装置11の改造が不要である。上記同様、加熱装置11は、通信部11f、制御部11b(図5)を有し、加熱プロファイル350で加熱される。上記同様、トレー310上の容器320に原材料340を準備し、加熱装置11ごと、冷却機81へ入れる。扉81を閉めて、冷蔵する。加熱時刻が来た時、扉81が開き、加熱装置11で加熱が始まる。その後は上記と同様である。
加熱装置は、上記加熱装置だけでなく、加熱装置を広く含む。
(実施の形態5):原材料340の準備者
実施の形態1では、食事提供者13が、原材料340を提供していた。実施の形態5では、原材料340を供給する食材会社18が、食事を提供する。記載しない事項は、実施の形態1,2と同様である。
【0099】
図8は、実施の形態5の加熱装置11と外部サーバ10と食材会社18との関係を示す図である。
食材会社18は、外部サーバ10から第1端末15を使用して、データベース12内の情報12cを得る。情報12cの例を、表2に示す。第1端末15は、パソコン、スマートフォン携帯電話などでよい。以下の端末も同様である。
【0100】
【表2】
情報12cは、食事日、食事開始時刻360、食事被提供者14、加熱装置11番号、料理、原材料340、トレー上の特定位置330などである。
【0101】
各家庭への配達時間を考慮し、食事日、食事開始時刻360までに原材料340を準備する。
食事被提供者14の名前、または、加熱装置11の番号などから、加熱装置11の場所を特定し、配達場所を確定する。なお、場所は、データベース12に保存されている。または、情報12cとして、配達の場所(食事被提供者14の住所など)を含めてもよい。
【0102】
食材会社18は、情報12cから原材料340がわかり準備する。トレー上の特定位置330から、準備した原材料340を入れる容器320を配置する場所がわかる。
食材会社18は、食事被提供者14へ提供する。提供方法は、実施の形態1と同様、トレー310の形態で供給する。食事被提供者14は、そのトレー310を加熱装置11上に配置することができる。または、食事被提供者14がトレー310を受け取り後、加熱装置11上に配置してもよい。
【0103】
その他、実施の形態1、2と同様である。
<効果>
実施の形態の食事の提供方法で、場所が離れた各家庭、施設へも、できたての食事の提供ができる。さらに、食材会社18により確実に食事を提供できる。
【0104】
(実施の形態6):専門家
実施の形態1~5では、献立17の決定を食事提供者13が行っていた。実施の形態6では、献立17の決定を専門家20がする。記載しない事項は上記実施の形態と同様である。
【0105】
図9は、実施の形態6の加熱装置11と外部サーバ10と専門家20との関係を示す図である。
専門家20は、栄養士などである。外部サーバ10のデータベース12から第2端末16を使用して、情報12d1を得る。情報12d1の例を、表3に示す。端末は、他の場合も同様であるが、コンピュータなどの制御機器である。
【0106】
【表3】
情報12d1は、食事被提供者14の年齢、性別、体重、健康状態、病気の内容(過去、現在)などである。専門家20はこれらを考慮して、献立17を作る。献立17を情報12d2として外部サーバ10へ返す。
【0107】
なお、専門家20として、医師の場合、医師は、外部サーバ10のデータベース12を、第2端末16により見ることができる。このことで、食事被提供者14の健康状態を判断できる。この場合、情報12d2がなくともよいが、情報12d2として、医師のコメントなどとすることができる。また、このコメントに応じて、食事提供者13は、食事被提供者14へコメントの連絡などをすることが好ましい。医院などに行かなくとも、常時の健康チェックができるシステムとなる。
【0108】
なお、専門家20として、親族とすることもできる。この場合、親族は、食事被提供者14の健康状態をチェックできる。親族が遠い場所にいる場合は、食事被提供者14の活動、状態を見ることができる。この場合、情報12d2がなくともよいが、情報12d2として、親族のコメントなどとできる。また、このコメントに応じて、食事提供者13は、食事被提供者14へコメントの連絡などをすることが好ましい。
【0109】
なお、上記の食事被提供者14へコメントの連絡には、上記実施の形態2の入力部25を介してもよい。音声で、食事提供者13に連絡することも可能である。
<効果>
実施の形態の食事の提供方法で、場所が離れた各家庭、施設へも、できたての食事の提供ができる。さらに、専門家20により、よりよい食事を提供できる。
【0110】
(実施の形態7):ビジネスマン用、コンビニ用(1)
実施の形態7では、食事被提供者14が、高齢者や要介護者、病気を有する人でなく、働いている人、学生などである。これらの人は、個別の献立17が不要で、自己で献立17を選べる人である。記載しない事項は上記実施の形態と同様である。
【0111】
図10は、実施の形態7の加熱装置11と外部サーバ10と食事被提供者14との関係を示す図である。実施の形態7では、個別の献立17でなく、ある一定数の献立17から、食事被提供者14、専門家20などが、1つ以上の献立17を選ぶことができる。つまり、複数の献立17から1つの献立17を選択する選択工程をさらに有する。
【0112】
(1)食事被提供者14は、まず、外部サーバ10から、献立17と食事開始時刻、日を選択し、情報12g1として送る。なお、予め、外部サーバ10から、加熱装置11へ複数の献立17を送っておき、その複数の献立17から、食事被提供者14が選択するしくみでもよい。また、書類、ネット上に、選択できる複数の献立17を、食事被提供者14へ提供しておいてもよい。
【0113】
(2)外部サーバ10は、選択された献立17に対する加熱プロファイル350を、情報12g2として加熱装置11へ送る。
(3)食事提供者13は、献立17の原材料340、トレー310、容器320を準備する。食事開始時刻360までに、加熱装置11まで配達する。
【0114】
(4)食事開始時刻360の前から加熱が開始され、食事開始時刻360に料理が完成する。
なお、この場合もデータベース12に、食事被提供者14が食べた献立17を保存するのが好ましい。以下の例と同様に、健康との相関関係を取ることができる。日々の食事と健康管理ができる。
【0115】
<効果>
実施の形態の食事の提供方法で、場所が離れた各家庭、施設へも、できたての食事の提供ができる。さらに、働いている人、学生など忙しい人へもできたての食事を提供できる。
【0116】
(実施の形態8):ビジネスマン用、コンビニ用(2)
実施の形態8では、食事被提供者14が、高齢者や要介護者、病気を有する人でなく、働いている人、学生などである。これらの人は、個別の献立17が不要で、自己で複数の献立17から献立を選べる人である。記載しない事項は上記実施の形態と同様である。なお、食事被提供者14用に、親族など専門家20がこれを利用してもよい。この実施の形態では、別途用意された食材を、選択し取得する取得工程を、さらに含む。説明しない事項は、上記実施の形態と同様である。
【0117】
図11は、実施の形態8の加熱装置11と外部サーバ10と食事被提供者14との関係を示す図である。実施の形態8では、個別の献立17でなく、食事被提供者14が、店にある複数種類の献立17から選ぶことができる。つまり、さらに、別途用意された食材を、選択し取得する取得工程である。
【0118】
例えば、概略は以下である。
(1)小売業者22が、複数の種類の原材料340をコンビニ、小売店、ネットなどで販売する。複数の献立17として、セットとして販売してもよい。トレー310、容器320は、加熱装置11とともに、食事被提供者14が保持することが好ましい。
【0119】
(2)食事被提供者14は、その複数の献立17中から選択し原材料340を購入する。
(3)食事被提供者14は、自宅などで加熱装置11に配置する。
(4)原材料340などに示された情報から特定される加熱プロファイル350で、加熱装置11で原材料340を加熱し料理する。または、加熱装置11などを介して、外部サーバ10から該当する加熱プロファイル360を得てもよい。
【0120】
(5)食事をする。
<原材料340>
トレー310、容器320の状態の形式で原材料340を購入してもよい。この場合、トレー310、容器320は、後日、洗浄後、店へ返却する。また、トレー310、容器320はすでに別途購入し、原材料340のみを購入してもよい。この場合、トレー310、容器320は、各人が洗浄し、次回に備える。
【0121】
いずれにせよ、トレー上の特定位置330と原材料340との対応が取れるように表示など必要である。
<加熱プロファイル350>
原材料340に付属させる情報から、ネットを介して外部サーバ10から加熱装置11に導いてもよい。または、原材料340に付属させる情報から、加熱装置11にすでに登録されている加熱プロファイル350から選択、合成などで作成してもよい。
【0122】
なお、この場合、上記の実施の形態と異なり、食事開始時刻360の事前登録や、トレー310の配達など不要である。
なお、この場合もデータベース12に、食事被提供者14が食べた献立17を保存するのが好ましい。以下の例で、健康との相関を取ることができる。
【0123】
<効果>
実施の形態の食事の提供方法で、場所が離れた各家庭、施設へも、できたての食事を提供ができる。さらに、働いている人、学生など忙しい人へもできたての食事を提供できる。
【0124】
(実施の形態9):自分の健康データ
図12は、実施の形態9の加熱装置11と外部サーバ10との関係を示す図である。情報12f1、12f2が、上記実施の形態と異なる。情報12f1と情報12f2とを合わせて、情報12fとする。記載しない事項は、上記実施の形態と同様である。データベース12にこれらデータも保存する。食事の提供自体は、上記実施の形態のいずれかを利用できる。
【0125】
情報12fは、健康状態に関するデータである。この実施の形態では、加熱装置11から、外部サーバ10へ健康状態を示すデータを送信する送信工程を有する。説明しない事項は、上記実施の形態と同様である。
<体重>
健康状態に関するデータとは、例えば、体重である。食事被提供者14は、定期的に体重を測定し、加熱装置11に体重を入力し、情報12f1として、外部サーバ10へ送り、データベース12に保存することができる。また、食事被提供者14は、過去の体重データに関して、データベース12を調べ、情報12f2として、得ることもできる。情報12f1.12f2をまとめて、情報12fとする。以降の説明も同様、複数の用語をまとめて説明する場合は、符号の最後のアルファベットを省略する。
【0126】
また、図9のように、専門家20が第2端末16を使用して、外部サーバ10のデータベース12の情報12fを見ることができる場合には、食事被提供者14の健康をチェックできる。
<血圧、脈拍数、顔色、血糖値、体温>
体重以外に血圧、脈拍数、血糖値なども情報12fとできる。さらに、食事被提供者14の顔写真でも情報12fとできる。これらの情報12fで健康の判断がより正確に保存できる。また、自分の健康に関する情報12fを、加熱装置11を介して見ることができる。
【0127】
ここで加熱装置11は、図13のような加熱装置11を利用できる。加熱装置11の入力部25、または、端末である入力部25で、健康状態のデータを入力(情報12f1)、また、表示(情報12f2)ができる。端末は、スマートフォンなど携帯端末を使用することもできる。データを加熱装置11または外部サーバ10へ送ることができる。
【0128】
なお、加熱装置11は、上記実施の形態と同様、供給された献立17のトレー310を加熱し料理できる。上記実施の形態1~6と組み合わせることもできる。
<測定機器>
血糖値測定器としては、イスラエルの Integrity Applications社が開発した血糖値測定器を用いれば、身体に取り付けるだけで、血糖値を測定でき、無線で加熱装置11または、外部サーバ10へ送れ、データベース12に保存できる。
【0129】
血圧計としては、オムロン社の血圧計を利用できる。無線でデータを、加熱装置11経由で、または、直接、外部サーバ10へ送れる。
体温、歩数計も同様である。身体につけ、無線などで、加熱装置11、外部サーバ10へデータを送れる。ここで無線とは、ネットを介した無線を含む。
【0130】
<運動量>
また、情報12fとして、歩数など食事被提供者14の運動量のデータを用いることができる。歩数計から自動的にデータを加熱装置11または外部サーバ10へ送るとよい。
【0131】
<薬>
情報12fとして、定められた薬の使用としてもよい。薬使用のチェックもできる。また、医療機関の管理の下、トレー310とともに、薬を配達することもできる。献立17の一部に薬を入れてもよい。薬を使用した場合、食事被提供者14が端末で、入力してもよいし、親族、補助者や、トレーの運搬者などが入力してもよい。薬の場合、あらかじめ、食事提供者13、食材会社18が、食事被提供者14、医師、薬剤師などから提供を受けることが好ましい。
【0132】
<AIによる判断機能>
上記の健康に関する情報12fなどを基に、AIによる健康チェックができる。また、専門家20(図9)により、その結果を基に、指導、助言、呼び出しもできる。ある条件に当てはまる食事被提供者14を抽出し、専門家20が、報告、連絡、指導、コメントなどができる。または、食事被提供者14の親族などに相談、報告できる。一定の期間ごとに上記健康チェックをすることで、日々健康チェックができる。例えば、高血圧の食事被提供者14の血圧が、ある予備の血圧値になった場合、専門家20が連絡を受け、データベース12上の過去の血圧値データを考慮し、献立17を変更することもよいし、食事被提供者14、専門家20に報告、連絡、指導、コメントなどをしてもよい。または、食事被提供者14の親族などに相談、報告してもよい。
【0133】
<病院、保険など>
病院と外部サーバ10とを接続できれば、情報12fから健康状態をチェックできる。また、他の食事のデータも参考にできる。なお、データを見るには、パスワードなどで制限しておくべきである。
【0134】
食事被提供者14が病院で診察される場合に、医師などが外部サーバ10のデータを参考にできると、よりよい診察ができる。
また、保険に入会する時、入会の可否の判断に、外部サーバ10のデータベース12が利用できる。保険機関から健康のアドバイスをする時も、外部サーバ10と接続し、情報12fを活用できる。
【0135】
上記データ、情報は、すべて外部サーバ10のデータベース12に保存でき、利用できる。
<効果>
実施の形態の食事の提供方法で、場所が離れた各家庭、施設へも、できたての食事が提供できる。さらに、健康面での情報の管理、提供ができる。
【0136】
(実施の形態10):各段階でのチェック
実施の形態1~7で、各段階でのチェックとして、画像の保存、電子的受領が利用できる。説明しない事項は、上記実施の形態と同様である。つまり、別途用意された食材が、予定された加熱装置11用に用意されたものかどうかを判断する確認工程を有する。
【0137】
例えば、トレー310の搬送(図1など)で、食事被提供者14のところで、加熱装置11により、または、その付属装置の入力部25(図7、13)、により、電子的受領にて、トレー310が、間違いなく、届いたことを受領してもよい。これらはデータベース12に保存され、後でチェックできる。
【0138】
また、食事準備の時、トレー310と献立17とがあっているか、トレー310上に献立17の材料がそろっているかなどをチェックするため、画像の保存、電子的受領ができる。第1端末15(図8)の付属の入力部25で画像を撮影してもよい。これらもデータベース12に保存され、後でチェックできる。
【0139】
トレー310にマーク、バーコード、ICなど付け、トレー310の間違いがないかのチェックもできる。容器320も同様にマーク、バーコード、ICなど付けると好ましい。データベース12にアクセスし電子的なチェックができる。
入力部25としてスマートフォンなどを設定することで、上記チェックのデータを外部サーバ10へ送れ、データベース12で保存できる。さらに、スマートフォンなどでデータベース12にアクセスし、合っているかのチェックもできる。入力部25は、加熱装置11、または、加熱装置11付属の入力、出力装置、端末でもよい。
【0140】
外部サーバ10で上記チェックをした結果、データの保存をデータベース12にできる。
また、外部サーバ10より、各加熱装置11へ、各種連絡を送ることができる。例えば、食事の開始30分前にそれを知らせる情報を送り、加熱装置11(入力部25、図7)に表示できる。スマートフォンなどの入力部25へ情報を送ってもよい。
【0141】
<効果>
実施の形態の食事の提供方法で、場所が離れた各家庭、施設へも、できたての食事が提供できる。さらに、食事提供の管理が、確実にできる。
(実施の形態10):店でチェック
図14、15は、実施の形態10の加熱装置11の端末31と外部サーバ10との関係を示す図である。記載しない事項は、上記実施の形態と同様である。上記実施の形態のいずれかの場合に加えて、さらに、この実施の形態10を実施できる。
【0142】
店30で、食事被提供者14が商品32(商品32a~32cのいずれかの商品)を購入する場合の例である。店30は、コンビニエンスストアー、スーパーや、ネット上の店でもよい。商品32は、食料品であり、パン、菓子、惣菜などである。
<プロセス>
食事被提供者14は、加熱装置11の端末31を持って、店30に食料品を購入に行く。食事被提供者14は、食べたい商品32に対して、端末31でその情報12h1を読み込む。端末31は、情報12h1を外部サーバ10へ送る。外部サーバ10は、食事被提供者14のデータベース12の食事状態、または、取得したカロリーなどをチェックし、購入できるかどうかの情報12h2を返す。食事被提供者14は、端末31でその情報12h2を見て、商品32aの購入を判断する。
【0143】
端末31は、スマートフォンでも、加熱装置11の付属の端末でもよい。外部サーバ10と通信できればよい。
外部サーバ10は、情報12h1を受け、例えば、食事被提供者14の1日中、または、一定期間内で取得してよいカロリーと比較し判断してもよい。
【0144】
商品32a~商品32cは、たとえば、アイスクリーム、菓子、デザートなどである。情報12h1は、たとえば、カロリー値、成分内容などである。情報12h2は、購入可能、購入不可能に関する情報である。さらに、購入可能な場合、あとどれくらい購入できるかのカロリーを情報12h2に含めてもよい。
【0145】
購入不可能の場合、残りのカロリーを情報12h2に含めてもよい。情報12h2は、1日で、または、一定期間内で、すでに取得したカロリーと、今回の商品32のカロリーとでもよい。この情報を元に、食事被提供者14が購入(食べること)を判断してもよい。
なお、情報12h1は、カロリーでなく、アレルギー物質などの食材に関する情報でもよい。アレルギー物質を含む場合には、購入不可とともにその理由を情報12h2としてよい。食事被提供者14に関して、事前に外部サーバ10に登録データでチェックされる。また、病気などで摂取しない方が好ましい食材を含む場合も同様である。逆に、食事被提供者14の健康によい材料が含まれる場合は、その旨も情報12h2に含めてもよい。
【0146】
今回商品32を購入した場合、外部サーバ10のデータベース12にその情報が保存されるのが好ましい。食事被提供者14の食事の多くの情報を外部サーバ10で管理できる。前の実施の形態にあったように、食事と健康との関係をチェックできる。
なお、実施の形態10は、上記実施の形態とともに実施するものである。
【0147】
この実施の形態では、食事被提供者14が、商品を購入時に、その商品情報を外部サーバ10へ送り、購入の判断をするものである。食事の提供だけでなく、購入時にも利用できる。
なお、店での購入でなく、自宅などで、おやつなどを食べるか検討する場合にも利用できる。つまり、加熱装置11などで、外部サーバ10にアクセスし、現時点の食事状態をチェックし、または、取得カロリーを見て、おやつなどをたべるか判断できる。
【0148】
<効果>
実施の形態の食事の提供方法で、場所が離れた各家庭、施設へも、できたての食事が提供できる。さらに、食料の選択時に食事取得の可否判断ができる。
(実施の形態11):地域グループ
図16は、実施の形態11を示す図である。実施の形態11では、外部サーバ10を含む小グループが複数ある状態を示している。記載しない事項は、上記実施の形態と同様である。
【0149】
上記実施の形態では、1つの外部サーバ10と一人の食事被提供者14の場合を説明した。この例では、1つの外部サーバ10と複数の食事被提供者14とからなる複数の小グループ42a~42dがある場合を説明する。小グループ42a~42dをまとめて、小グループ42とする。小グループ42は、1つ以上である。
【0150】
図16は、複数の小グループ42a~42dと、基幹外部サーバ41aと、管理会社40とを含むシステムである。
各小グループ42a~42dは、1つの外部サーバ10と1つの食事提供者13と複数の食事被提供者14とを含むグループである。なお、上記実施の形態の食材会社18、専門家20、小売業者22、店30などを含んでもよい。または、複数の小グループ42の間で、上記実施の形態の食材会社18、専門家20、小売業者22、店30などを共通化してもよい。
【0151】
基幹外部サーバ41aは、複数の外部サーバ10と繋がり、さらに、他の基幹外部サーバ41bとも繋がる。基幹外部サーバ41a、41bをまとめて、基幹外部サーバ41とする。基幹外部サーバ41aは、複数の外部サーバ10とデータベース12の情報をやり取りする。食事被提供者14に関するデータベース12の情報は、原則、小グループ42の内の外部サーバ10に保管させる。ただし、基幹外部サーバ41aにまとめて保管してもよい。
【0152】
(1)情報の共通化
基幹外部サーバ41aは、各外部サーバ10へ、各種有用なデータベース12の情報を伝達する。たとえば、献立17の例、作り方などである。または、各外部サーバ10から情報を得て、標準化し、他の外部サーバ10へ提供することもできる。
【0153】
食事被提供者14は、例えば、通常は、小グループ42aに属しているとする。しかし、一時的に他の小グループ42bへ移動した場合(他の小グループ42b内の専門家20、小売業者22、店30などのところを訪
問)、食事被提供者14に関する外部サーバ10上のデータデータを、基幹外部サーバ41aを介して、他の小グループ42bの外部サーバ10へ移動、または、小グループ42aのデータベース12を提供できる。または、小グループ42aのデータベース12にアクセスできるようにしてもよい。
【0154】
(2)データベース12の提供
基幹外部サーバ41aは、他の基幹外部サーバ41bと繋がり、データベース12のやり取りができる。たとえば、食事被提供者14が、通常は、小グループ42cに属している。しかし、一時的に基幹外部サーバ41bが管理する下部の小グループへ移動(旅行など)した場合、食事被提供者14に関する外部サーバ10上のデータベース12を、基幹外部サーバ41aと基幹外部サーバ41bとを介して、必要な小グループへ移動できる。または、アクセスできるようにできる。
【0155】
他の例として、食事被提供者14が、他の地域の病院などに入院した時に、基幹外部サーバ41aを介して、外部サーバ10のデータベース12を提供、または、へアクセスできる。
また、食事被提供者14の外部サーバ10のデータベース12を、基幹外部サーバ41aへ保存することも可能である。そうすれば、他の基幹外部サーバ41b、他の外部サーバ10からのアクセスが容易となる。
【0156】
管理会社40は、基幹外部サーバ41aの管理、稼働する。また、基幹外部サーバ41aと外部サーバ10との通信を管理する。基幹の外部サーバ間の通信も管理するのが好ましい。セキュリテイの確保もする。
<効果>
実施の形態の食事の提供方法で、場所が離れた各家庭、施設へも、できたての食事が提供できる。さらに、地域を離れた場所でも食事被提供者14の食事などの管理、情報提供ができる。
【0157】
(全体として)
上記の実施の形態は組み合わせすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本願発明の食事の提供方法は、家庭だけでなく各種施設、病院でも使用できる。
【符号の説明】
【0159】
10 外部サーバ
11 加熱装置
11a コイル
11b 制御部
11c アラーム部
11d 温度測定部
11e 表示部
11f 通信部
11h 電源部
12 データベース
12a、12b、12c 情報
12d、12d1、12d2 情報
12f、12f1、12f2 情報
12h1、12h2 情報
13 食事提供者
14 食事被提供者
15 第1端末
16 第2端末
17 献立
18 食材会社
20 専門家
22 小売業者
25 入力部
30 店
31 端末
32、32a、32b、32c 商品
40 管理会社
41、41a、41b 基幹外部サーバ
42、42a、42b、42c、42d 小グループ
51a 接続部
51b 接続部
52a、52b 蓋
53 冷却素子
55 断熱材
80 収納具
81 扉
82 冷却機
110,110a 加熱装置
111 側部
112 底部
113 制御板
115 端末
120 加熱装置
122b 全体制御部
122a 個別制御部
123 保冷部
310 トレー
320、320a、320b 容器
320c 一定時間一定温度の領域
330 トレー上の特定位置
340 原材料
350 加熱プロファイル
360 食事開始時刻
370 発信器
440 領域
450 上面




図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図7K
図7L
図7M
図7N
図7O
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16