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特許7352995水素燃料電池スタックの給電方法及びシステム、水素燃料駆動原付車両とその伝動方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】水素燃料電池スタックの給電方法及びシステム、水素燃料駆動原付車両とその伝動方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230922BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H02J7/00 303E
H02J7/10 B
H02J7/00 P
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022540941
(86)(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 CN2020139007
(87)【国際公開番号】W WO2021136061
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】201911411024.5
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522263622
【氏名又は名称】永安行科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】ミンミン ルー
(72)【発明者】
【氏名】チェン キアン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイジエ ゼ
(72)【発明者】
【氏名】キアン マ
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-192594(JP,A)
【文献】国際公開第2019/035172(WO,A1)
【文献】特開2009-026736(JP,A)
【文献】特開2008-027842(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0336471(US,A1)
【文献】特開2014-073003(JP,A)
【文献】特開2019-129691(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0288417(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110015192(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
B60L 1/00-3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックが原付車両の電機に並列接続される水素燃料電池スタックの給電方法であって、
前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックに接続された制御チップが前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックの作動状態を検知する工程と、
前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックに故障がない場合、前記制御チップは前記リチウム電池パックの出力電圧を取得し、且つプリセットの充電起動閾値及び充電停止閾値と比較する工程と、
前記出力電圧が充電起動閾値よりも低い場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックに給電する工程と、
前記出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を切断する工程と、
前記出力電圧が充電起動閾値以上であり、且つ充電停止閾値以下である場合、前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を維持する工程と、
前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックへの充電を維持する場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックにt段階出力電流を出力するように制御され、ここで、n段階目の出力電流の電流値は、In=n・(100%)/t・I であり、水素燃料電池スタックが定格電流をリチウム電池パックに出力するに至り、1≦n≦tがある工程とを具備してなる給電方法。
【請求項2】
前記作動状態は、前記リチウム電池パックの残存電力量と、前記水素燃料電池スタックの残存電力量と、前記水素燃料電池スタックの電気的接続状態と、前記水素燃料電池スタックのガス圧と、前記水素燃料電池スタックの出力電圧と間の1つ以上であり、
前記水素燃料電池スタックのガス圧力が圧力閾値よりも低い場合、前記制御チップは前記水素燃料電池スタックの故障情報を取得し、
前記水素燃料電池スタックには無出力電圧がある場合、前記制御チップは前記水素燃料電池スタックの故障情報を取得することを特徴とする請求項1記載の給電方法。
【請求項3】
前記t段階出力電流は4段階出力電流であり、n段階目の出力電流はIn=n・25%・Iであり、1≦n≦4があることを特徴とする請求項1記載の給電方法。
【請求項4】
前記給電方法は
前記制御チップは第三電圧閾値を備える工程と、
前記リチウム電池パックの出力電圧が前記第三電圧閾値よりも低い場合、前記リチウム電池パックは、第一時長のうちに前記電機に給電し、且つ前記水素燃料電池スタックから充電電力を受け、前記第一時長に亘った後、前記リチウム電池パックは前記電機に前記給電する回路を切り、前記水素燃料電池スタックは、第二時長のうちに前記電機に給電する工程と、
前記リチウム電池パックの出力電圧が前記第三電圧閾値以上である場合、前記リチウム電池パックは前記出力電圧が前記第三電圧閾値より低くなるまで前記電機に給電する工程とを更に具備してなることを特徴とする請求項1記載の給電方法。
【請求項5】
水素燃料電池スタックと、リチウム電池パックと、原付車両の電機と、前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックに接続された制御チップとを備え、前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックは前記電機に並列接続される、水素燃料電池スタックに基づく給電システムであって、
前記制御チップは前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックの作動状態を検知し、
前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックに故障がない場合、前記制御チップは前記リチウム電池パックの出力電圧を取得し、且つプリセットの充電起動閾値及び充電停止閾値と比較し、
前記出力電圧が充電起動閾値よりも低い場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックに給電し、
前記出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、前記制御チップは前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を切断し、
前記出力電圧が充電起動閾値以上であり、且つ充電停止閾値以下である場合、前記制御チップは前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を維持し、
前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックへの充電を維持する場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックにt段階出力電流を出力するように制御され、ここで、n段階目の出力電流の電流値は、In=n・(100%)/t・I であり、水素燃料電池スタックが定格電流をリチウム電池パックに出力するに至り、1≦n≦tがあることを特徴とする給電システム。
【請求項6】
前記制御チップは第三電圧閾値を備え、
前記リチウム電池パックの出力電圧が前記第三電圧閾値よりも低い場合、前記リチウム電池パックは、第一時長のうちに前記電機に給電し、且つ前記水素燃料電池スタックから充電電力を受け、前記第一時長に亘った後、前記リチウム電池パックは前記電機に前記給電する回路を切り、前記水素燃料電池スタックは、第二時長のうちに前記電機に給電し、
前記リチウム電池パックの出力電圧が前記第三電圧閾値以上である場合、前記リチウム電池パックは前記出力電圧が前記第三電圧閾値より低くなるまで前記電機に給電することを特徴とする請求項5記載の給電システム。
【請求項7】
水素燃料駆動原付車両内の制御チップが水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックの作動状態を検知する工程と、
前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックに故障がない場合、前記制御チップは前記リチウム電池パックの出力電圧を取得し、プリセットの充電起動閾値及び充電停止閾値と比較する工程と、
前記出力電圧が充電起動閾値よりも低い場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックに給電する工程と、
前記出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を切断する工程と、
前記出力電圧が充電起動閾値以上であり、且つ充電停止閾値以下である場合、前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を維持する工程と、
前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックへの充電を維持する場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックにt段階出力電流を出力するように制御され、ここで、n段階目の出力電流の電流値は、In=n・(100%)/t・I であり、水素燃料電池スタックが定格電流をリチウム電池パックに出力するに至り、1≦n≦tがある工程と、
前記リチウム電池パックは、第一時長のうちに電機に給電し、且つ前記水素燃料電池スタックから充電電力を受け、第一時長に亘った後、前記リチウム電池パックは前記電機に給電する回路を切り、前記水素燃料電池スタックは、第二時長のうちに前記電機に給電する工程とを具備してなる水素燃料駆動原付車両の伝動方法。
【請求項8】
水素燃料電池スタックと、リチウム電池パックと、電機と、前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックに接続された制御チップとを備え、前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックは前記電機に並列接続される水素燃料駆動原付車両の伝動システムであって、
前記制御チップは前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックの作動状態を検知し、
前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックに故障がない場合、前記制御チップは前記リチウム電池パックの出力電圧を取得し、且つプリセットの充電起動閾値及び充電停止閾値と比較し、
前記出力電圧が充電起動閾値よりも低い場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックに給電し、
前記出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、前記制御チップは前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を切断し、
前記出力電圧が充電起動閾値以上であり、且つ充電停止閾値以下である場合、前記制御チップは前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を維持し、
前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックへの充電を維持する場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックにt段階出力電流を出力するように制御され、ここで、n段階目の出力電流の電流値は、In=n・(100%)/t・I であり、水素燃料電池スタックが定格電流をリチウム電池パックに出力するに至り、1≦n≦tがあり、
前記リチウム電池パックは、第一時長のうちに前記電機に給電し、且つ前記水素燃料電池スタックから充電電力を受け、第一時長に亘った後、前記リチウム電池パックは前記電機に給電する回路を切り、前記水素燃料電池スタックは、第二時長のうちに前記電機に給電することを特徴とする伝動システム。
【請求項9】
請求項8に記載の伝動システムを備えることを特徴とする水素燃料駆動原付車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー管理の分野、特に水素燃料電池スタックの給電方法及びシステム、水素燃料駆動原付車両とその伝動方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
水素燃料電池は、水素が燃料として酸素と化学反応することで発電する装置であり、その副産物に水のみある。そのため、水素燃料電池は、自動車及び非自動車の電源として利用されて、交通設備の分野で急速に発展している。従って、水素燃料電池を動力とする自転車は、地球環境にも優しい理想的な乗物になっている。
【0003】
水素燃料電池は電解質において水素と酸素の拡散に基づくため、その動的応答速度がその拡散速度に関連する。そのため、水素燃料電池は高周波と大きい動的負荷の変化を有する応用に適していない。原付車両を使っているうちに、電気エネルギーが迅速に応ず、供給される必要があるため、水素燃料電池は使用の初期段階で不十分又は遅く給電することがよくあるが、使用中の原付車両が異なる道路を進行している過程には電気エネルギーが度々動的に変化する必要がある。そのため、水素燃料電池スタックには多くの要求が提出されている。たとえば、上っている原付車両の電機に必要な電気エネルギーが高まるため、水素燃料電池の出力電流も動的に変化し、水素燃料電池スタックの損傷や過負荷を引き起こしやすくなる。
【0004】
従って、水素燃料電池スタックはリチウム電池と付け合わせって水素燃料駆動原付車両を組み立てることがよくあるが、既存の水素燃料駆動原付車両は、尚もリチウム電池の電気エネルギーを主として水素エネルギーを十分に活用するという効果はない。
【0005】
そのため、水素燃料電池スタックの給電方法及びシステム、水素燃料駆動原付車両とその伝動方法及びシステムを必要とする要望がある。水素燃料電池スタックは主電源として有効に利用される可能性があり、リチウム電池は副電源として原付車両に給電する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記技術的欠陥を克服するために、本発明の目的は、水素燃料電池スタックの給電方法及びシステム、水素燃料駆動原付車両とその伝動方法及びシステムを提供することである。水素燃料電池スタックを保護するとともに、水素エネルギーは可能な限り原付車両の動力として転用される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックが原付車両の電機に並列接続される水素燃料電池スタックの給電方法であって、
前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックに接続された制御チップが前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックの作動状態を検知する工程と、
前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックに故障がない場合、前記制御チップは前記リチウム電池パックの出力電圧を取得し、且つプリセットの充電起動閾値及び充電停止閾値と比較する工程と、
前記出力電圧が充電起動閾値よりも低い場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックに給電する工程と、
前記出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を切断する工程と、
前記出力電圧が充電起動閾値以上であり、且つ充電停止閾値以下である場合、前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を維持する工程と、
前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックへの充電を維持する場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックにt段階出力電流を出力するように制御され、ここで、n段階目の出力電流の電流値は、In=n・(100%)/t・I であり、水素燃料電池スタックが定格電流をリチウム電池パックに出力するに至り、
前記出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を切断する工程とを具備してなる給電方法を本発明は公開する。
【0008】
好ましくは、前記作動状態は、前記リチウム電池パックの残存電力量と、前記水素燃料電池スタックの残存電力量と、前記水素燃料電池スタックの電気的接続状態と、前記水素燃料電池スタックのガス圧と、前記水素燃料電池スタックの出力電圧と間の1つ以上であり、
前記水素燃料電池スタックのガス圧力が圧力閾値よりも低い場合、前記制御チップは前記水素燃料電池スタックの故障情報を取得し、
前記水素燃料電池スタックには無出力電圧がある場合、前記制御チップは前記水素燃料電池スタックの故障情報を取得する。
好ましくは、前記t段階出力電流は4段階出力電流であり、n段階目の出力電流はIn=n・25%・Iであり。
【0009】
好ましくは、前記給電方法は
前記制御チップは第三電圧閾値を備える工程と、
前記リチウム電池パックの出力電圧が前記第三電圧閾値よりも低い場合、前記リチウム電池パックは、第一時長のうちに前記電機に給電し、且つ前記水素燃料電池スタックから充電電力を受け、前記第一時長に亘った後、前記リチウム電池パックは前記電機に前記給電する回路を切り、前記水素燃料電池スタックは、第二時長のうちに前記電機に給電する工程と、
前記リチウム電池パックの出力電圧が前記第三電圧閾値以上である場合、前記リチウム電池パックは前記出力電圧が前記第三電圧閾値より低くなるまで前記電機に給電する工程とを更に具備してなる。
水素燃料電池スタックと、リチウム電池パックと、原付車両の電機と、前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックに接続された制御チップとを備え、前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックは前記電機に並列接続される、水素燃料電池スタックに基づく給電システムであって、
前記制御チップは前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックの作動状態を検知し、
前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックに故障がない場合、前記制御チップは前記リチウム電池パックの出力電圧を取得し、且つプリセットの充電起動閾値及び充電停止閾値と比較し、
前記出力電圧が充電起動閾値よりも低い場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックに給電し、
前記出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、前記制御チップは前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を切断し、
前記出力電圧が充電起動閾値以上であり、且つ充電停止閾値以下である場合、前記制御チップは前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を維持し、
前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックへの充電を維持する場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックにt段階出力電流を出力するように制御され、ここで、n段階目の出力電流の電流値は、In=n・(100%)/t・I であり、水素燃料電池スタックが定格電流をリチウム電池パックに出力するに至り、
前記出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、前記制御チップは前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を切断し、給電システムと本発明はまた公開する。
【0010】
好ましくは、前記制御チップは第三電圧閾値を備え、
前記リチウム電池パックの出力電圧が前記第三電圧閾値よりも低い場合、前記リチウム電池パックは、第一時長のうちに前記電機に給電し、且つ前記水素燃料電池スタックから充電電力を受け、前記第一時長に亘った後、前記リチウム電池パックは前記電機に前記給電する回路を切り、前記水素燃料電池スタックは、第二時長のうちに前記電機に給電し、
前記リチウム電池パックの出力電圧が前記第三電圧閾値以上である場合、前記リチウム電池パックは前記出力電圧が前記第三電圧閾値より低くなるまで前記電機に給電する。
水素燃料駆動原付車両内の制御チップが水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックの作動状態を検知する工程と、
前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックに故障がない場合、前記制御チップは前記リチウム電池パックの出力電圧を取得し、プリセットの充電起動閾値及び充電停止閾値と比較する工程と、
前記出力電圧が充電起動閾値よりも低い場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックに給電する工程と、
前記出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を切断する工程と、
前記出力電圧が充電起動閾値以上であり、且つ充電停止閾値以下である場合、前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を維持する工程と、
前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックへの充電を維持する場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックにt段階出力電流を出力するように制御され、ここで、n段階目の出力電流の電流値は、In=n・(100%)/t・I であり、水素燃料電池スタックが定格電流をリチウム電池パックに出力するに至り、
前記出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を切断する工程と、
前記リチウム電池パックは、第一時長のうちに電機に給電し、且つ前記水素燃料電池スタックから充電電力を受け、第一時長に亘った後、前記リチウム電池パックは前記電機に給電する回路を切り、前記水素燃料電池スタックは、第二時長のうちに前記電機に給電する工程とを具備してなる水素燃料駆動原付車両の伝動方法と本発明はまた公開する。
水素燃料電池スタックと、リチウム電池パックと、電機と、前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックに接続された制御チップとを備え、前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックは前記電機に並列接続される水素燃料駆動原付車両の伝動システムであって、
前記制御チップは前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックの作動状態を検知し、
前記水素燃料電池スタック及び前記リチウム電池パックに故障がない場合、前記制御チップは前記リチウム電池パックの出力電圧を取得し、且つプリセットの充電起動閾値及び充電停止閾値と比較し、
前記出力電圧が充電起動閾値よりも低い場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックに給電し、
前記出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、前記制御チップは前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を切断し、
前記出力電圧が充電起動閾値以上であり、且つ充電停止閾値以下である場合、前記制御チップは前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を維持し、
前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックへの充電を維持する場合、前記水素燃料電池スタックは前記リチウム電池パックにt段階出力電流を出力するように制御され、ここで、n段階目の出力電流の電流値は、In=n・(100%)/t・I であり、水素燃料電池スタックが定格電流をリチウム電池パックに出力するに至り、
前記出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、前記制御チップは前記水素燃料電池スタックが前記リチウム電池パックに給電する回路を切断し、
前記リチウム電池パックは、第一時長のうちに前記電機に給電し、且つ前記水素燃料電池スタックから充電電力を受け、第一時長に亘った後、前記リチウム電池パックは前記電機に給電する回路を切り、前記水素燃料電池スタックは、第二時長のうちに前記電機に給電する伝動システムと本発明はまた公開する。
【0011】
前記伝動システムを備える水素燃料駆動原付車両と本発明はまた公開する。
上記技術解決策は、従来技術と比較して次の有益な効果を有する。
1. 原付車両を最初に使う時、水素燃料電池スタックを保護するために、先ずリチウム電池に電力を供給させると、ユーザーに最初の使用時に駆動力を感じさせる。
2.水素の残留量は効果的かつ間接的に検知される可能性があり、コストが低く、転化率が高い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明による一つの好ましい実施形態の水素燃料電池スタックの給電方法の概略フローチャートである。
図2図2は、本発明によるもう一つの好ましい実施形態の水素燃料電池スタックの給電システムの概略構造図である。
図3図3は、本発明による一つの好ましい実施形態の水素燃料電池スタックの給電システムの概略構造図である。
図4図4は、本発明による一つの好ましい実施形態の水素燃料駆動原付車両の伝動方法の概略フローチャートである。
図5図5は、本発明による一つの好ましい実施形態の水素燃料駆動原付車両の伝動システムの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の利点は、次に図面及び実施例と相まって更に説明される。
本明細書は、例示的な実施例を詳細に説明し、その例を図面に示す。下記記述が図面に言及している場合、様々な図面における同じ番号は、特に明記しない限り、同じ又は類似の要素を指す。下記例示的な例で説明された実施形態は、本開示と一致するすべての実施形態を表すわけではない。それらは、請求項に記載されているように、本開示の若干態様と一致する装置及び方法の単なる例である。
【0014】
本開示で用いられる用語は、特定の実施例に対する説明のみを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本開示及び請求項で用いられた単数形「前記」及び「当該」は、文脈が明確に別のことを示さない限り、複数形も含めることを意図している。本明細書で用いられた「及び/又は」という用語は、1つ又は複数の関連する所与項目の何れか、又は可能な全部の組み合わせを含めることを理解されるべきである。
【0015】
本開示は第一、第二、第三などの用語で様々な情報を記述する可能性があるが、これらの情報がこれらの用語を限定しないことを理解されるべきである。これらの用語は、同じ種類の情報を互いに区別するためにのみ用いられる。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第一情報は、第二情報とも呼ばれ、同様に第二情報は第一情報と呼ばれる可能性がある。文脈に応じて、本明細書で用いられた「場合」という単語は、「時」又は「際」又は「に応じて」と解釈することができる。
【0016】
本発明の説明においては、「縦向」、「横向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上部」、「下部」、「内側」、「外側」などの用語で示された方向又は位置が、図面の示例に基づくことを理解されるべきである。これらの用語は、本発明を説明し、記述を簡略化するためにのみ、指定装置又は要素が特定の方向を有し、特定の方向で構成し、作動することを示されないか、暗示しないため、本発明の限定として解釈されるべきではない。
【0017】
本発明の説明においては、他に限定されない限り、「取り付け」、「接続」及び「連なる」という用語は、広義に解釈されるべきであることを注意する必要がある。例えば、それは、機械的接続又は電気的接続であり、又は2つの要素間の内部接続であり、又は直接接続であり、又は中間媒体を介して間接接続である可能性がある。当業者にとって、上記の用語の特定意味は、具体的な状況に応じて理解されることができる。
【0018】
下記内容は、本発明を記述し易くなるように、要素を表すための「モジュール」、「部材」、又は「ユニット」などの接尾語を用い、それ自体に特定の意味がない。従って、「モジュール」と「部材」は混用される可能性がある。
【0019】
本発明による一つの好ましい実施形態の水素燃料電池スタックの給電方法の概略フローチャートである図1に示された本実施例において、水素燃料電池が電源として同様に電源とする別のリチウム電池に並列接続され、且つ原付車両の電機に接続される。その電機は、水素燃料電池の電気エネルギー発生素子、即ち水素燃料電池スタック及びリチウム電池に並列接続された後、電気回路を介して制御チップ、集積回路、又は回路基板に集積される。回路基板上の電子部品は、水素燃料電池スタックとリチウム電池の充電及び放電をそれぞれ制御し、水素燃料電池スタック及びリチウム電池から電機に給電する出力電圧と出力電流を制御する。水素燃料電池スタックが電機とリチウム電池パックに給電することは、次のステップの実行により実現される。
【0020】
S100:水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックに接続された制御チップが水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックの作動状態を検知する。
制御チップ(或いは、別の実施例における集積回路や回路基板等である)は、水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックが発動する前、及び作動しているうちに、水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックの作動状態を実時間且つ定期に検知する。例えば、作動状態は、リチウム電池パックの残存電力量と水素燃料電池スタックの残存電力量と水素燃料電池スタックの電気的接続状態と水素燃料電池スタックのガス圧と水素燃料電池スタックの出力電圧と間の1つ以上である。取得手段は、制御チップ内に設けられるか、集積されるセンサグループであり得る。リチウム電池パックの残存電力量はパーセンテージで表示される可能性があり、水素燃料電池スタックの残存電力量もパーセンテージで表示される可能性があり、水素燃料電池スタックの電気的接続状態は、正常な接続や切断や過負荷接続等の状態で有り得、水素燃料電池スタックのガス圧はパーセンテージで表示され、又は告げられる可能性がある。
【0021】
S200:水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックに故障がない場合、制御チップはリチウム電池パックの出力電圧を取得し、プリセットの充電起動閾値及び充電停止閾値と比較する。
制御チップが水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックを検測しているうちに、検知結果が無故障である場合、制御チップはリチウム電池パックの出力電圧を集めた後、当該出力電圧を制御チップ内にプリセットされた充電起動閾値と充電停止閾値と比較する。本実施例は、リチウム電池パックの残存電力量と水素燃料電池スタックの残存電力量と水素燃料電池スタックの電気的接続状態と水素燃料電池スタックのガス圧と水素燃料電池スタックの出力電圧を例とする。リチウム電池パックの残存電力量が5%、10%、15%などの様な電気エネルギーの下限を超える場合、リチウム電池パックは無故障と見なされる。水素燃料電池スタックの残存電力量が5%、10%、15%などの様な電気エネルギーの下限を超える場合、水素燃料電池スタックは無故障と見なされる。水素燃料電池スタックの電気的接続状態が正常な接続や切断や過負荷などである場合、水素燃料電池スタックは無故障と見なされる。水素燃料電池スタックのガス圧が全圧の10%、20%、30%などの様な下限圧力よりも高い場合、水素燃料電池スタックは無故障と見なされる。水素燃料電池スタックの出力電圧が下限電圧よりも高い場合、水素燃料電池スタックは無故障と見なされる。水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックの無故障が定まっている場合、その後、水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックで原付車両に給電することができる。この場合、制御チップは、リチウム電池パックに充電する必要があるかどうかを判断するために、リチウム電池パックの出力電圧、充電起動閾値及び充電停止閾値を具体的に取得して様々な充電及び放電を行う。
同様に、水素燃料電池スタックのガス圧力が圧力閾値、即ち圧力下限よりも低い場合、或いは水素燃料電池スタックの出力電圧が電圧下限よりも低い場合、或いは基本的に無出力電圧がある場合、制御チップは水素燃料電池スタックを故障の情報及び状態と見なす。
【0022】
S300-1:出力電圧が充電起動閾値よりも低い場合、水素燃料電池スタックはリチウム電池パックに給電する。
制御チップがリチウム電池パックの出力電圧を取得した後、出力電圧が充電起動閾値(例えば、36.5V)よりも低い場合、リチウム電池パック内の電気エネルギーが少なくて十分な出力電圧を出力できないということを示す。従って、水素燃料電池スタックは、水素ガスが放出し且つ正常に作動して電気エネルギーを出力できた後、チウム電池パックの残存電力量を増加するために、先ず電気エネルギーをリチウム電池パックに出力し、次にリチウム電池パックに給電する際にリチウム電池パックに充電する。制御チップがリチウム電池パックの出力電圧を検知し、且つ出力電圧が充電起動閾値よりも低い場合、水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電しない時、水素燃料電池スタックの電力出力機能を発動するだろう。水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電している場合、当該充電回路を維持し続ける。
【0023】
S300-2:出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を切断する。
制御チップがリチウム電池パックの出力電圧を取得した後、出力電圧が充電停止閾値(例えば、40.5V)よりも高い場合、リチウム電池パック内の電気エネルギーが多くて十分な出力電圧が備わっているということを示す。従って、水素燃料電池スタックは、水素ガスが放出し且つ正常に作動して電気エネルギーを出力できた後、リチウム電池パックに過充電した後の危険な状況を防ぐために、リチウム電池パックへの給電を停止する。制御チップがリチウム電池パックの出力電圧を検知し、且つ出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電しない時、水素燃料電池スタックの中断電力出力機能を維持するだろう。水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電している場合、当該充電回路を切断し続ける。
【0024】
S300-3:出力電圧が充電起動閾値以上であり、且つ充電停止閾値以下である場合、水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を維持する。
制御チップがリチウム電池パックの出力電圧を取得した後、当該出力電圧が充電起動閾値以上であり、且つ充電停止閾値以下である場合(例えば、36.5V~40.5V)、リチウム電池パック内の電気エネルギーが適度であり、充電及び放電可能な状態にあるということを示す。従って、水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を維持し、即ち、検知時に水素燃料電池スタックがリチウム電池パックを充電している場合、当該充電回路の充電状態を維持するだろう。検知時に水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに充電しない場合、当該充電回路の中断充電状態を維持するだろう。
【0025】
S400:水素燃料電池スタックがリチウム電池パックへの充電を維持する場合、水素燃料電池スタックはリチウム電池パックにt段階出力電流を出力するように制御される。
上記実施例において、水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに充電する回路が充電状態を維持する場合、リチウム電池パック内の電気エネルギーが不十分になり、水素燃料電池によって生成された電気エネルギーが部分的にリチウム電池パックに分配されるということを示す。充電を始める時に又は充電しているうちに、制御チップは、水素燃料電池スタックが100%の出力電流を一度にリチウム電池パックに出力しないように制御されるが、多段階方式でt段階出力電流を出力し、且つ段階的増強の方式に従ってリチウム電池パックに充電する。このような配置は、一方では水素燃料電池スタックが電気エネルギーを生成した後、出力電圧を定格電圧まで徐々に上げるために緩衝期間を必要とし、他方ではリチウム電池の大電流は過負荷や過電流という問題を起こしやすいため、段階的増強の方式に従ってリチウム電池に充電する必要がある。具体的には、各段階の出力電流の電流値はIn=n・(100%)/t・Iであり、ここで、 I はn段階目の出力電流、Iは水素燃料電池スタックの出力可能な最大電流、tは様々な実施状態の段階番号である。t値が大きいほど、より多くの段階数に分けられ、逆もまた同様である。まだ、1≦n≦t。例えば、I1=(100%)/t・I、I2=2・(100%)/t・I、I3=3・(100%)/t・I、隣接する段階番号により増えた電流は等しいため、各段階番号の出力電流は等差数列になる。例えば、好ましい実施形態では、多段階方式による出力電流は4段階に分けられ、n段階目の出力電流はIn=n・25%・Iである。
【0026】
当然のことながら、従来の解決策において水素燃料電池スタックの初期放電制御は、水素のガス放出速度及び水素の残存ガス量に応じて出力電流を制御することであるが、これは水素燃料電池スタックの水素シリンダーに圧力センサーを追加する必要がある。通常、この様な圧力センサーは価格が高く、ガスの圧力検知にしか用いれていないため、機能は不可欠ではない。多段階方式による出力電流の採用は、最大出力電流に対する実際の出力電流の百分率を利用して水素の残存ガス量を推定する可能性がある。つまり、多段階方式による出力電流を採用すると、圧力センサーの設置が不要になり、経費を節減することになる。
【0027】
S500:出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を切断する。
水素燃料電池スタックがリチウム電池パックを充電し続けているうちに、チウム電池パックの残存電力量が徐々に増えるに従って、リチウム電池パックから出力可能な出力電圧は徐々増大する。制御チップがリチウム電池パックを監視し続けているうちに、リチウム電池パックの出力電圧が充電後に充電停止閾値よりも高い時に、チウム電池パックの残存電力量が既に足り、再び充電する必要はないということを示す場合、制御チップは、水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を切断するように制御される。
上記設置によれば、水素燃料駆動原付車両における二重電源構成には、水素燃料電池スタックが主に原付車両の電機に給電するのに用いられ、余剰電力をリチウム電池パックに供給して、航続力を向上させる。逆に、水素燃料電池スタックが起動したばかり、電流を完全に出力できない場合、リチウム電池パックは最初に電機に給電する。水素燃料電池スタックとリチウム電池パックとの協働によれば、水素燃料駆動原付車両はいつでもどこでもユーザーに動力を与えることができる。
【0028】
図2に示された好ましい実施例において、前記給電方法は次のステップを更に含む。
【0029】
S600:制御チップには、第三電圧閾値も設けられる。当該第三電圧閾値は、水素燃料駆動原付車両が始動したばかり(例えば、ユーザーが原付車両に乗った後に原付車両を運転する必要がある場合)の動力来源を決めるのに用いられる。
【0030】
S700-1:リチウム電池パックの出力電圧が第三電圧閾値よりも低い場合、リチウム電池パックは、第一時長のうちに電機に給電し、且つ水素燃料電池スタックから充電電力を受け、第一時長に亘った後、リチウム電池パックは電機に給電する回路を切り、水素燃料電池スタックは、第二時長のうちに電機に給電する。
制御チップがリチウム電池パックの出力電圧を監視し続けているうちに、リチウム電池パックの出力電圧が第三電圧閾値よりも低い場合、チウム電池パックの残存電力が少なくなるということを示す。この場合、例えば、2分間、3分間、5分間等、プリセットの第一時長の内に、制御チップは、水素燃料電池スタックの代わりにリチウム電池パックを電機に給電するように制御し、且つ水素燃料電池スタックから出力された電流をリチウム電池パックに供給するように制御する。つまり、リチウム電池パックは充電状態と放電状態の両方にある。この設置の理由の一つは、水素燃料電池スタックを起動したばかり、出力可能な電圧が低く、電機の作動に適していない。これらの電力を省くために、電力の一部はリチウム電池パックに分配されるが、リチウム電池パックは電機へ直接使用される出力電圧(約36Vなど)を出力できる。第一時長に亘った後、水素燃料電池スタックは既に完全に起動していて、電機に直接応用する出力電圧を出力できる。その名称に示されるように、水素燃料駆動原付車両は水素燃料電池スタックによって給電される。尚、リチウム電池パックは制御チップによって電機に給電する回路を切るように制御され、代わりに水素燃料電池スタックは電機に給電し、その給電時間は第二時長を維持する可能性がある。当該第二時長は、固定時長であり得り、例えば、20分、30分などのように原付車両製造業者が水素の総量を試験した後、水素燃料電池スタックの出力可能な定圧の総時長となる。又は、水素の残存ガス量を監視する場合、水素の残存ガス量が閾値を下回った後、水素燃料電池スタックが電機に給電する回路は切られる。
【0031】
S700-2:リチウム電池パックの出力電圧が第三電圧閾値以上である場合、リチウム電池パックは出力電圧が第三電圧閾値より低くなるまで電機に給電する。
制御チップがリチウム電池パックの出力電圧を監視し続けているうちに、リチウム電池パックの出力電圧が第三電圧閾値以上である場合、チウム電池パックの残存電力が多くなるか、足りるということを示す。この場合、リチウム電池パックは充電を受ける必要はない。つまり、リチウム電池パックは放電状態にあるだけで、電機に給電し続ける。給電時長が第一時長に達するか、リチウム電池パックが放電し続けると、リチウム電池内の残存電力が減少し、結果として出力電圧は第三電圧閾値まで減ずる。制御チップは、この状況を検知し、水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を発動するだろう。
本実施例において、リチウム電池パックと水素燃料電池スタックとの知能的な配合は、一方では水素放出緩衝期間が順調に過渡し、ユーザーが最初に運転しているうちに駆動力と感じない状況を防ぎ、他方では水素放出緩衝期間後、水素燃料電池スタックを完全に利用して、このクリーンエネルギーを介してユーザーの旅行を容易にする。
【0032】
図3に示されたように、水素燃料電池スタックに基づく給電システムは、水素燃料電池スタックと、リチウム電池パックと、原付車両の電機と、水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックに接続された制御チップとを備える。水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックは電機に並列接続されており、制御チップは水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックの作動状態を検知する。水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックに故障がない場合、制御チップはリチウム電池パックの出力電圧を取得し、プリセットの充電起動閾値及び充電停止閾値と比較する。出力電圧が充電起動閾値よりも低い場合、水素燃料電池スタックはリチウム電池パックに給電する。出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、制御チップは水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を切断する。出力電圧が充電起動閾値以上であり、且つ充電停止閾値以下である場合、水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を維持する。水素燃料電池スタックがリチウム電池パックへの充電を維持する場合、水素燃料電池スタックはリチウム電池パックにt段階出力電流を出力するように制御される。n段階目の出力電流の電流値は、In=n・(100%)/t・Iであり、水素燃料電池スタックが定格電流をリチウム電池パックに出力するに至る。出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、制御チップは水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を切断する。
【0033】
好ましい実施形態において、制御チップは第三電圧閾値を備える。リチウム電池パックの出力電圧が第三電圧閾値よりも低い場合、リチウム電池パックは、第一時長のうちに電機に給電し、且つ水素燃料電池スタックから充電電力を受け、第一時長に亘った後、リチウム電池パックは電機に給電する回路を切り、水素燃料電池スタックは、第二時長のうちに電機に給電する。リチウム電池パックの出力電圧が第三電圧閾値以上である場合、リチウム電池パックは出力電圧が第三電圧閾値より低くなるまで電機に給電する。
【0034】
図4に示されたように、水素燃料駆動原付車両の伝動方法は、次のステップを備える。
【0035】
S100:水素燃料駆動原付車両内の制御チップが水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックの作動状態を検知する。
【0036】
S200:水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックに故障がない場合、制御チップはリチウム電池パックの出力電圧を取得し、プリセットの充電起動閾値及び充電停止閾値と比較する。
【0037】
S300-1:出力電圧が充電起動閾値よりも低い場合、水素燃料電池スタックはリチウム電池パックに給電する。
【0038】
S300-2:出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を切断する。
【0039】
S300-3:出力電圧が充電起動閾値以上であり、且つ充電停止閾値以下である場合、水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を維持する。
【0040】
S400:水素燃料電池スタックがリチウム電池パックへの充電を維持する場合、水素燃料電池スタックはリチウム電池パックにt段階出力電流を出力するように制御される。ここで、n段階目の出力電流の電流値は、In=n・(100%)/t・Iであり、水素燃料電池スタックが定格電流をリチウム電池パックに出力するに至る。
【0041】
S500:出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を切断する。
【0042】
S600:リチウム電池パックは、第一時長のうちに電機に給電し、且つ水素燃料電池スタックから充電電力を受け、第一時長に亘った後、リチウム電池パックは電機に給電する回路を切り、水素燃料電池スタックは、第二時長のうちに電機に給電する。
【0043】
図5に示されたように、水素燃料駆動原付車両の伝動システムは、水素燃料電池スタックと、リチウム電池パックと、電機と、水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックに接続された制御チップとを備える。水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックは電機に並列接続されており、制御チップは水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックの作動状態を検知する。水素燃料電池スタック及びリチウム電池パックに故障がない場合、制御チップはリチウム電池パックの出力電圧を取得し、プリセットの充電起動閾値及び充電停止閾値と比較する。出力電圧が充電起動閾値よりも低い場合、水素燃料電池スタックはリチウム電池パックに給電する。出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、制御チップは水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を切断する。出力電圧が充電起動閾値以上であり、且つ充電停止閾値以下である場合、水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を維持する。水素燃料電池スタックがリチウム電池パックへの充電を維持する場合、水素燃料電池スタックはリチウム電池パックにt段階出力電流を出力するように制御される。n段階目の出力電流の電流値は、In=n・(100%)/t・Iであり、水素燃料電池スタックが定格電流をリチウム電池パックに出力するに至る。出力電圧が充電停止閾値よりも高い場合、制御チップは水素燃料電池スタックがリチウム電池パックに給電する回路を切断する。リチウム電池パックは、第一時長のうちに電機に給電し、且つ水素燃料電池スタックから充電電力を受け、第一時長に亘った後、リチウム電池パックは電機に給電する回路を切り、水素燃料電池スタックは、第二時長のうちに電機に給電する。
【0044】
本発明は、更に当該伝動システムが直接適用される水素燃料駆動原付車両を提供する。
本発明の実施例が好ましい実用性を有し、いかなる形態においても本発明を限定するものではなく、当業者が上記に開示された技術的内容を介して当該実施例を同等の有効な実施例に修正する可能性があることを注意すべきであるが、本発明の技術的解決策の内容から逸脱することなく、本発明の技術的本質に従って上記実施例に対して行われた修正又は同等の変更及び修飾は、依然として本発明の技術的解決策の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5