(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】発振器
(51)【国際特許分類】
H03B 5/32 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
H03B5/32 H
H03B5/32 A
(21)【出願番号】P 2019217337
(22)【出願日】2019-11-29
【審査請求日】2022-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002756
【氏名又は名称】弁理士法人弥生特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 甲太郎
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-115554(JP,A)
【文献】特開2016-187160(JP,A)
【文献】特開2007-189380(JP,A)
【文献】特開2007-214940(JP,A)
【文献】特開2005-244671(JP,A)
【文献】特開平07-115262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03B 5/30-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動子を含む発振回路と、当該圧電振動子が設けられる雰囲気の温度を一定化するために当該雰囲気を加熱する加熱部とを備える圧電デバイス、が設けられる第1の基板と、
当該第1の基板に対して離間して対向する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在する板状体と、
前記第2の基板に対して前記第1の基板及び板状体を支持すると共に、前記圧電デバイスと、前記第2の基板に設けられる導電路と、を互いに接続する導電部材と、
前記第2の基板に向けて突出するように前記板状体に行列状に設けられた突起部と、
平面視、各辺が前記突起部の行列方向に対して斜めとなるように矩形状に形成されると共に、平面視、前記第2の基板と前記板状体との間において前記突起部に囲まれ
且つ当該突起部に重ならずに当該第2の基板に設けられるIC素子と、
を備えることを特徴とする発振器。
【請求項2】
前記第2の基板における前記板状体に対する対向面にて、前記突起部が垂直投影される位置に前記IC素子の検査用の端子が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の発振器。
【請求項3】
前記検査用の端子は、スルーホールを形成することを特徴とする請求項2記載の発振器。
【請求項4】
前記突起部は、前記第2の基板から離れていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の発振器。
【請求項5】
前記圧電振動子は水晶振動子であり、
前記水晶振動子、発振回路及び加熱部を囲う恒温槽を備え、前記板状体は当該恒温槽の底部を形成すると共に前記第1の基板から離間して設けられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の発振器。
【請求項6】
前記IC素子は、マイクロコントローラであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IC素子を備える発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
各種情報・通信機器などの電子機器には、例えばOCXO(Oven-Controlled Crystal Oscillator)などの発振器が設けられている。特許文献1には、OCXOの一例と、当該OCXOの検査用の測定治具とが示されている。
また、このOCXOについては、互いに対向すると共に離間するように導電部材を介して接続された第1の基板と第2の基板とを備え、第1の基板上に水晶振動子、温度センサ及びヒーターを含む恒温槽が形成され、第2の基板が他の機器へ実装されるように構成される場合が有る。特許文献2にはそのように第1及び第2の基板を備えた構成のOCXOについて示されている。
【0003】
ところで、この第1及び第2の基板を備えるOCXOについて、当該OCXOの大型化を防ぎつつ、OCXOを構成するIC素子として、高い性能を確保するために大型のものを設けることが求められている。また、OCXOの製造コストの上昇を抑制するために、当該OCXOを構成する部品については汎用品または既製品を用いたい事情がある。
【0004】
特許文献3には、圧電振動子と共にIC素子をパッケージ容器内に実装した圧電デバイスが記載されている。そしてリード電極を矩形のIC素子実装部の隅部近傍に設け、IC素子の角部をIC素子実装部の各辺に向けて固定している。そのためIC素子実装部の隅部近傍にワイヤボンディングに必要なデッドスペースを含む接合領域が確保でき、IC素子の配置領域の増大を最小限に抑えながらパッケージ容器の長手方向のサイズを小さくする技術が記載されている。しかしながら、この圧電デバイスは第1の基板と第2の基板とを備える構成では無い。また、特許文献3では、上記したOCXOを構成する部品に汎用品や既製品を用いることは考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-184089号公報
【文献】特開2012-209621号公報
【文献】特開2007-214940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発振器の大型化及び製造コストの上昇を抑制しながら、より大きなIC素子を搭載することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発振器は、圧電振動子を含む発振回路と、当該圧電振動子が設けられる雰囲気の温度を一定化するために当該雰囲気を加熱する加熱部とを備える圧電デバイス、が設けられる第1の基板と、
当該第1の基板に対して離間して対向する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在する板状体と、
前記第2の基板に対して前記第1の基板及び板状体を支持すると共に、前記圧電デバイスと、前記第2の基板に設けられる導電路と、を互いに接続する導電部材と、
前記第2の基板に向けて突出するように前記板状体に行列状に設けられた突起部と、
平面視、各辺が前記突起部の行列方向に対して斜めとなるように矩形状に形成されると共に、平面視、前記第2の基板と前記板状体との間において前記突起部に囲まれ且つ当該突起部に重ならずに当該第2の基板に設けられるIC素子と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の発振器は、圧電振動子と、発振回路と、加熱部と、が設けられる第1の基板と、第1の基板に対向する第2の基板と、行列状に突起部が形成されると共に前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在する板状体と、板状体と第2の基板との間に設けられる平面視矩形状のIC素子と、により構成されている。そして、IC素子については、平面視各辺が前記突起部の行列方向に対して斜め、且つ、平面視、前記突起部に囲まれるように設けられる。従って、板状体については、第2の基板との接触を防止することを目的としたスタンドオフが形成された汎用品または既製品を用いることができるので、発振器の製造コストの上昇を抑制しつつ、発振器の大型化が防止されるように比較的大きいIC素子を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態に係る発振器の縦断側面図である。
【
図2】前記発振器に設けられるOCXOの下面側平面図である。
【
図3】前記発振器に設けられる第2の基板の上面側平面図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る発振器のブロック図である。
【
図6】他の実施の形態に係る発振器の検査方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係る発振器1の構成ついて
図1~
図3を参照して説明する。
図1は発振器1の縦断側面図である。発振器1は、恒温槽付水晶発振器(OCXO)2を備えている。OCXO2は、底部を板状体10により構成され、板状体10の上方の雰囲気を区画する恒温槽20を備えている。恒温槽20内には、水晶振動子9を含む発振回路、恒温槽20内の温度を検出するための温度センサ、及び温度センサにより検出された温度に基づいて水晶振動子9が設けられる雰囲気である恒温槽20内の雰囲気を加熱して一定化するためのヒーターである加熱部を備える圧電デバイスが設けられた第1の基板7が設けられ、第1の基板7は、導電部材22を介して、板状体10の上面に固定されている。なお発振回路、温度センサ及び加熱部の図示は省略している。
【0011】
図2に板状体10の下面側平面図を示す。板状体10の下面(第2の基板3の上面と対向する対向面)から、縦棒状の導電部材22が第2の基板3に向けて伸びている。導電部材22は板状体10の周縁部に9つ設けられており、Y軸方向に伸びる2つの辺のうちの一方の辺寄りに、当該辺に沿って等間隔に6本設けられ、また、Y軸方向に伸びる2つの辺のうちの他方の辺寄りに、当該辺に沿って等間隔に3本設けられている。導電部材22は、第2の基板3を介して、恒温槽20内の回路と外部との電気的な接続を取るための部材である。
また板状体10の下面のほぼ中央には、下方に向けて突出する絶縁性の4つの突起部21が設けられている。この突起部21は、縦2行、横2列の行列状に配置されており、ここでの縦方向、横方向は、夫々X軸方向、Y軸方向である。
また
図1に戻って発振器1は、第2の基板3を備えており、OCXO2は、導電部材22により、第2の基板3の上方に、当該第2の基板3に対向すると共に間隔を空けて支持されている。板状体10及び第2の基板3は矩形(本明細書では正方形も含むものとする)であり、互いの辺の向きは揃っている。なお
図1~
図3では、板状体10及び第2の基板3の辺に沿った方向をX軸方向及びY軸方向とし、板状体10及び第2の基板3の厚さ方向をZ軸方向として示している。
【0012】
続いて第2の基板3について説明する。
図3は第2の基板3の上面図である。図中31は、導電部材22の下端部が挿入される挿入孔である。本例の発振器1は、挿入孔31を非貫通孔で示しているが、貫通孔であってもよい。第2の基板3を他の装置に実装したときに上記のOCXO2に、当該装置からアクセスすることができるように、導電部材22の下端部は第2の基板3に設けられる図示しない導電路に接続されている。このように下方から第2の基板3、板状体10、第1の基板7の順に配置されており、板状体10は、第1の基板7と第2の基板3との間に介在している。
【0013】
また第2の基板3の上面には、IC素子である平面視矩形のマイクロコントローラ4が設けられている。マイクロコントローラ4の配置について
図3を参照して説明するが、
図3中の符号21を付した破線の円は、第2の基板3の表面において、板状体10の突起部21が垂直投影される位置を示している。なお垂直投影は、板状体10及び第2の基板3がZ軸方向に並ぶようにOCXO2を配置し、Z軸方向に投影した場合、あるいはX軸方向やY軸方向に並ぶように配置し、X軸方向やY軸方向に投影した場合に関わらず、板状体10及び第2の基板3の配列方向に投影することを意味する。
図3に示すように平面視したときにマイクロコントローラ4は、4つの突起部21に囲まれると共に、マイクロコントローラ4の周縁を形成する各辺は、X軸方向またはY軸方向に対して45°傾いて配置されている。従って、マイクロコントローラ4の各辺が、X軸方向及びY軸方向に対して傾斜するように、当該マイクロコントローラ4が配置されている。そして、4つの突起部21を結んで四角形を描くように仮想線を引いたとする。この仮想線とマイクロコントローラ4の各辺とは交差する。なお
図3中の一点鎖線及び二点鎖線は、マイクロコントローラ4の各辺をX軸方向またはY軸方向に対して時計回り方向に60°、時計回り方向に30°傾けて配置した例を示している(
図3中のCLは各例のセンターラインを示している)。また、マイクロコントローラ4の上面は、板状体10には接触せず、突起部21の下端の高さ位置よりも上方にある。
【0014】
また第2の基板3の上面には、突起部21に囲まれる領域から外れると共に板状体10に重なる位置に、不揮発性メモリであるEEPROM5が設けられている。EEPROM5には、恒温槽20内の温度に基づいて発振器1が所定の周波数の信号を出力するために必要な各種のパラメータが記憶されている。さらに発振器1に用いることができるOCXO2に複数の機種を用いることを可能にする目的で、EEPROM5には、OCXO2の種類を表す情報及びOCXO2の個体番号を表す情報も記憶されている。なおEEPROM5以外にも第2の基板3には回路部品が設けられるが、図示は省略する。
【0015】
さらに第2の基板3の上面における突起部21が垂直投影される位置には、第2の基板3に設置されたマイクロコントローラ4の電気的特性の検査をするための例えば銅箔などで構成された検査端子32が各々設けられている。なお第2の基板3には、OCXO2、マイクロコントローラ4、EEPROM5などの部品間を接続する配線や、外部の制御装置と接続するための端子部などが形成されているが、記載を省略している。なお第2の基板3上には、
図1に示すように当該第2の基板3の上面側を覆うカバー6が設けられ、第2の基板3上に設けられる各部材は、カバー6内に収納される。
【0016】
図4のブロック図を用いて、マイクロコントローラ4の作用の概要を説明する。図中8は、発振器1が接続される制御装置である。制御装置8とマイクロコントローラ4とはI2Cバスを介して接続され、マイクロコントローラ4とEEPROM5との間、マイクロコントローラ4とOCXO2内の温度センサ24との間もI2Cバスを介して接続される。なお、温度センサ24及びEEPROM以外のマイクロコントローラ4に接続されるデバイスについては、表示を省略している。マイクロコントローラ4は、その内蔵RAMに、各デバイスごとに必要なデータ、制御コマンドを割り当て、制御装置8からマイクロコントローラ4を中継して各デバイスに対してデータ通信を行うことができるように構成されている。具体的には温度センサ24から水晶振動子9の温度情報を得たり、EEPROM5内のデータの書き換えを制御装置8から行うことができる。制御装置8から見れば、各デバイスに対して統合されたI2Cスレーブアドレスを用いて、各デバイスにアクセスすることになるので、各デバイスに設計変更があっても、制御装置8とマイクロコントローラ4との間の通信について必要な仕様変更が少ないため、利便性が高い。
【0017】
ここでマイクロコントローラ4の配置について、補足して説明する。背景技術でも説明したようにIC素子(マイクロコントローラ4)の性能を高くしようとすると、当該マイクロコントローラ4は大型化する。
そして、上記のように板状体10には突起部21が形成されている。この突起部21は、板状体10が下方側の基板と接触することを防止するためのスタンドオフとして形成されるものである。発振器1の大型化を防ぐ観点から、板状体10と第2の基板3との間隔が大きくならず、突起部21と干渉しないようにマイクロコントローラ4を配置することを考えるにあたり、突起部21の直下は、高さ寸法が制限されるためマイクロコントローラ4などの比較的大型のIC素子などの設置に適さない。またこの4つの突起部21に囲まれた板状体10の下面中央側の領域を避けるようにマイクロコントローラ4を設けようとすると、第2の基板3を外側に広くする必要があり、第2の基板3が大きくなってしまう。従って板状体10の下面中央側の領域の下方に、突起部21の直下を避けながら、できるだけ大型のIC素子を配置する手法を検討する必要がある。
【0018】
ここで、マイクロコントローラ4の配置できる範囲について板状体10を下面側から見た
図5を参照して説明する。まず矩形のマイクロコントローラ4をその外縁の4辺が、突起部21が配列される縦方向及び横方向の並びと揃うように、上記した板状体10の下面中央側の領域の下方に配置することが考えられる。この場合には、
図5に示すようにマイクロコントローラ4は、平面視したときにその4つの角が突起部21に接する範囲4Aを占有する大きさまでしか拡張できない。
【0019】
しかし、
図3で説明したように、突起部21が配列される縦方向及び横方向(X軸方向及びY軸方向)に対して、マイクロコントローラ4の辺が傾くように当該マイクロコントローラ4を設けているので、
図5に示すようにマイクロコントローラ4の大きさを平面視したときに4辺が突起部21に接する範囲4Bまで広げることができる。範囲4Bの4辺の長さは、範囲4Aの対角線の長さである。つまり、
図3で説明した配置により、マイクロコントローラ4の4辺を長くすることができる。従って恒温槽20の下面中央側の領域の下方に、突起部21の直下を避けながら、より4辺が長い大型のマイクロコントローラ4を配置することができ、発振器1の大型化を抑制しながら、より大型のマイクロコントローラ4を搭載することができる。
【0020】
なお、
図3で説明した例では、突起部21の行列方向であるX軸方向、Y軸方向に対して、マイクロコントローラ4の辺は各々45°傾いているが、傾きとしては45°にすることに限られず、例えば時計回り方向に、あるいは反時計回り方向に30°~60°程度傾くようにしてもよい。なお、突起部21としては4つより多く設けられていてもよい。例えば3行×2列の行列状に設けられていてもよく、その場合にはそれらの突起部21のうちから隣り合う2行×2列の行列状に配列された4つの突起部21を選択し、当該4つの突起部21に対して、既述したレイアウトでマイクロコントローラ4が配置される。
また他の基板との接触を防止することを目的としたスタンドオフである突起部21が形成された汎用品または既製品を用いることができるので、発振器1の製造コストの上昇を抑制することができる。
【0021】
また本発明の発振器1は、突起部21が、第2の基板3の表面に接触していてもよく、例えば突起部21が第2の基板3の上面と、板状体10との間の隙間を確保するためのスペーサであってもよい。このような構成の発振器1においても、より大型のマイクロコントローラ4を突起部21と干渉しないように配置することができる。
また本発明の発振器1に設けるIC素子は、マイクロコントローラ4には限らない。さらに圧電デバイスもOCXO2に限られず、例えばTCXO(Temperature-compensated crystal Oscillator)でもよい。つまり、恒温槽を設けることには限られない。ただし、OCXO2は、恒温槽20内の温度変化を避けるため、恒温槽20が他のデバイスや基板等に接触することを避けることが好ましい。そのため発振器1を大型化せずとも、恒温槽20と接触を避けながら、より大型のIC素子を設けることができる本発明を適用する効果は大きい。
【0022】
さらに本実施の形態に係る発振器1は、
図1、
図3に示すように第2の基板3の上面における突起部21を垂直投影した位置に、マイクロコントローラ4の検査用の検査端子32が設けられている。発振器1の製造過程において、OCXO2は高価であるため、OCXO2の設置前にマイクロコントローラ4の検査を行う場合がある。例えば第2の基板3にマイクロコントローラ4、EEPROM5などを設置した段階で検査端子32にプローブを接触させてマイクロコントローラ4の検査を行う。そしてマイクロコントローラ4が正常に動作することを確認した後、第2の基板3にOCXO2を設置し、さらにカバー6を取り付ける。
【0023】
図1では図示の便宜上、第2の基板3から突出しているように示しているが、検査端子32は、基板表面に形成された導電パターンの一部であり、例えば銅箔で構成され、きわめて薄い。上記のように第2の基板3には各種のデバイスが搭載されるが、突起部21の直下においては、当該突起部21との干渉を防ぐためにデバイスの高さを非常に小さくしなければならないため、デバイスを搭載し難い。そこで、当該突起部21にはデバイスを搭載せずに、検査端子32を設けている。つまり、突起部21の直下の領域を有効に活用するために、当該直下領域に検査端子32を設けている。言い換えれば、直下領域の外側への検査端子32の配置が不要になるため、第2の基板3の大きさの拡大を防ぐことができる。
【0024】
また例えば第2の基板3にスルーホール33を設け、検査端子32を第2の基板3の下面側(他面側)に引き回してもよい。
図6に示す検査装置(測定治具)100は、コンタクトプローブ102と、角型の基台103と、載置部104と、2つの押圧機構105と、を備えている。基台103上には、上記の載置部104が4つ(図では2つのみ表示)設けられている。基台103の辺と第2の基板3の辺とが平行になるように、載置部104には当該第2の基板3の角部が載置される。そして、側面で見て、各載置部104を挟むように、押圧機構105が基台103の両端部に設けられている。
【0025】
押圧機構105は、載置部104よりも上方に位置する水平な回動軸106と、回動軸106まわりに回動可能な固定部107とを備えている。回動軸106は、載置部104に第2の基板3が載置された状態で、当該第2の基板3のY軸方向に伸びるように形成されている。固定部107は側面視、先端側が斜め下方に向かって伸びるように構成され、その長さ方向の中央部が上記の回動軸106に接続されている。図示しないバネにより、固定部107の先端側は下方側に向けて付勢されている。従って、載置部104と固定部107との間に第2の基板3を挟むことで、当該第2の基板3を載置部104に向けて押圧して、基台103上に固定することができる。さらに、基台103の上面から突出するように複数のコンタクトプローブ102が設けられており、上記のように第2の基板3が基台103上に固定された状態で、コンタクトプローブ102は、第2の基板3の下方側からスルーホール33に当接し、検査を行うことができる。
【符号の説明】
【0026】
1 発振器
2 OCXO
3 第2の基板
4 マイクロコントローラ
7 第1の基板
9 水晶振動子
10 板状体
21 突起部
22 導電部材