(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】ワードローブ装置
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20230922BHJP
A47B 51/00 20060101ALI20230922BHJP
F21V 21/36 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
E04H1/12 307
A47B51/00 501B
A47B51/00 501E
F21V21/36 170
F21V21/36 110
(21)【出願番号】P 2019554391
(86)(22)【出願日】2018-04-06
(86)【国際出願番号】 IB2018052400
(87)【国際公開番号】W WO2018185721
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2021-12-27
(32)【優先日】2017-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519347443
【氏名又は名称】ロフトローブ エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【氏名又は名称】金高 寿裕
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【氏名又は名称】小磯 貴子
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】イームズ,ジェイムス アレン
【審査官】齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0289264(US,A1)
【文献】実開昭58-191238(JP,U)
【文献】特開2007-007356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/00-1/14
A47B 51/00
F21V 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
格納位置では、屋根裏の空間に位置する断熱された箱に受け入れられ、展開位置では、前記屋根裏の下方の部屋に下降される、ワードローブ装置であって、衣服レールを支持するワードローブ本体を備え;フレームが、前記屋根裏の桁又は梁に固定され、前記屋根裏への開口を画定しており;少なくとも1つの駆動モータが、前記ワードローブ本体を垂直方向に上昇及び下降させるように構成されており、前記衣服レールは、複数のハンガーを有し、前記ハンガーは、前記上昇位置と前記下降位置との間での動作中に、前記ハンガーが前記開口を通過できるように、前記衣服レールに対してアクチュエータによって回転される、ワードローブ装置。
【請求項2】
前記ハンガーは、前記ハンガーが全て同時に回転するように、一緒に繋がれている、請求項1に記載のワードローブ装置。
【請求項3】
前記アクチュエータは、前記ハンガーを回転させるための第2のモータ及びベルト駆動部を含む、請求項2に記載のワードローブ装置。
【請求項4】
前記
ワードローブ本体は、少なくとも1つの棚を含む、請求項1~3のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【請求項5】
前記
ワードローブ本体は、少なくとも1つの収納引出を含む、請求項1~4のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【請求項6】
ロック手段が、前記衣服レールを開放構成又は閉鎖構成にロックする、請求項1~5のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【請求項7】
少なくとも1つのモータが、再充電可能であることが好ましい1つ以上のバッテリによって給電される、請求項1~6のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【請求項8】
前記バッテリは、再充電可能であり、前記ワードローブ本体に装備され、前記ワードローブ本体と共に移動し、前記ワードローブ本体が前記屋根裏の空間に戻されたときに、前記バッテリが再充電可能になるように、コネクタが、前記屋根裏の好適な接続部に接触するように配置されている、請求項7に記載のワードローブ装置。
【請求項9】
張力センサが、ケーブルの張力低下を検知して、前記少なくとも1つの駆動モータを停止させる、請求項1~8のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【請求項10】
弛みが検知された時か又はその直後に、前記ワードローブ本体が床又は他の面から僅かな距離をおいて上方に吊り下げられるように、前記少なくとも1つの駆動モータを反転させて巻き取るように作動可能であるコントローラを含む、請求項9に記載のワードローブ装置。
【請求項11】
棒材が、1つ以上の桁又は垂木にわたって又はそれに沿って前記ワードローブ装置の荷重を分散させるために設けられている、請求項1~10のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【請求項12】
1つ以上の近接センサが、前記ワードローブ本体に設けられている、請求項1~11のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【請求項13】
前記近接センサ又は各近接センサは、超音波又は赤外線センサを含み、前記近接センサは、前記少なくともモータを停止させる信号をコントローラに送信するように作動可能であり、それによって、衝突を回避するために前記ワードローブ本体の下降を中止させる、請求項12に記載のワードローブ装置。
【請求項14】
携帯型遠隔制御デバイスと通信するブルートゥース(登録商標)(RTM)又は同様の近距離無線周波数(RF)送受信器が、設けられている、請求項1~13のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【請求項15】
前記携帯型遠隔制御デバイスから受信した信号が、照明レベル又は若しくはオーディオデバイスの音量を制御し、又はスクリーンに表示されるべきチャンネルを選択するように、コントローラが前記ワードローブ本体に設けられている、請求項14に記載のワードローブ装置。
【請求項16】
充電設備が、前記屋根裏の電源と結合するコネクタを有する再充電可能なバッテリの形で設けられている、請求項1~15のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【請求項17】
加熱式タオルレールが、格納式の交流電源ケーブルによって給電される、請求項1~16のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【請求項18】
前記ワードローブ本体が前記屋根裏に格納されるときに、前記加熱式タオルレールへの電力を遮断する自動スイッチを含む、請求項17に記載のワードローブ装置。
【請求項19】
低レベル照明が、前記ワードローブ本体の1つの面に位置している、請求項1~18のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【請求項20】
前記低レベル照明は、タッチセンシティブスイッチを有する、請求項19に記載のワードローブ装置。
【請求項21】
前記低レベル照明は、発光ダイオード(LED)であり、前記ワードローブ本体が下降/上昇されるときに、自動的に作動するデバイスが、前記低レベル照明をスイッチオンする、請求項20に記載のワードローブ装置。
【請求項22】
オーディオスピーカを含む、請求項1~21のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【請求項23】
前記ワードローブ本体の少なくとも1つの側部又は面に設けられたスクリーンを含む、請求項1~22のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【請求項24】
前記ワードローブ本体が下降/上昇されるときに、ブリーパ又はブザーのオーディオアラートが鳴る、請求項1~23のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【請求項25】
前記ワードローブ本体が受け入れられる凹所を画定する前記開口は、合成ゴム材料から作られた可撓性の弾性変形可能なリップを有し、前記リップは、前記ワードローブ本体が前記屋根裏の空間に格納されているときに、前記ワードローブ本体の側部に接触し、前記ワードローブ本体の基部の周りにシールを提供する、請求項1~24のうちいずれか一項に記載のワードローブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワードローブ装置、特に、省スペース型ワードローブ装置に関し;限定されないが、とりわけ、天井の空隙にワードローブを置くための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空間に対する増え続ける重圧が、購買力の高まり及び個人所有物の増加、美的意識及び自身を最良に見せる全般的な欲求と組み合わさる。
【0003】
結果として、多くの人が大量の衣料品、化粧品その他の物品をため込むことになる。これらの増え続ける個人所有物及び衣服を収納する空間は、特に都市環境では、殆どないことが多い。
【0004】
しかし、多くの住居では、居住空間が限られている一方、屋根裏の空間は、十分に活用されてこなかった。
【0005】
中国実用新案第204812738号(Chen)は、ボックス、ロッカー、円形軌道、及び回転部品を含む、垂直リフトキャビネットであって、円形軌道が、設定を対称的に固定し、ボックスの両側にあり、部品を対称的に回転させる、垂直リフトキャビネットを開示している。
【0006】
中国実用新案第203735749号(Que)は、収納機能を有する吊り上げ可能な遠隔制御式吊り天井を開示している。吊り天井は、ボックス本体を備える。開口が、ボックス本体の側壁に形成される。開口には、移動可能な2つ以上のカバー板が設けられる。複数の吊り鎖が、部屋の上部に掛けられることができ、ボックス本体に配置され、制御機構が、吊り天井の上昇及び下降を制御する。
【0007】
仏国特許発明第2605506号(Garcia等)は、天井に格納できる衣服クローゼットであって、並置された複数の個々の傾斜パネルを備える吊り収納デバイスが組み込まれる、衣服クローゼットを開示している。少なくとも1つのガイド支持体が、パネルの内面から離れて固定される。スライドが、ガイド支持体に沿って移動することができ、直角に曲がった固定金具に取り付けられ、一連のハンガーを受ける。
【0008】
米国特許出願公開第2008/289264号(Bowman)は、天井裏又は屋根裏の空間に格納されるクローゼットを開示している。
【0009】
米国特許第5475949号(McCoy)は、ラック・ピニオン駆動機構によって部屋に下降される天井据付型ワードローブ装置を開示している。
【0010】
欧州特許第2649903号(J&S Innovative Products)は、コンテナ又は衣服ハンガーを支持し、モータによって上昇及び下降される天井据付型収納具を開示している。
【0011】
米国特許第8870145号(Carlson)は、天井支持体から吊り上げられ下降される衣服ハンガーを開示している。
【0012】
独国特許第3803573号(Bloksma)は、バッテリ駆動モータによって動作する衣服ハンガーを開示している。
【0013】
仏国特許第2636222号(Heyberger)は、天井から吊り下げられ天井に接続される回転支持体を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】中国実用新案第204812738号明細書
【文献】中国実用新案第203735749号明細書
【文献】仏国特許発明第2605506号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/289264号明細書
【文献】米国特許第5475949号明細書
【文献】欧州特許第2649903号明細書
【文献】米国特許第8870145号明細書
【文献】独国特許第3803573号明細書
【文献】仏国特許第2636222号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、既存のデバイスによって生じる問題を克服するために作り出された。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、格納位置では、屋根裏の空間に位置する断熱された箱に受け入れられ、展開位置では、屋根裏の下方の部屋に下降される、ワードローブ装置であって、衣服レールを支持するワードローブ本体を備え;フレームが、屋根裏の桁又は梁に固定され、屋根裏への開口を画定しており;少なくとも1つのモータが、ワードローブ本体を垂直方向に上昇及び下降させるように構成されており、衣服レールは、複数のハンガーを有し、ハンガーは、上昇位置と下降位置との間での動作中に、ハンガーが開口を通過できるように、レールに対してアクチュエータによって回転される、ワードローブ装置が提供される。
【0017】
任意選択的に、1つ以上の引出が、ワードローブ本体の上部領域、好ましくは下部領域にて、ワードローブ本体内に設けられる。理想的には、引出又は各引出は、衣料品、履物又は化粧品のうちより小さな物品を収容できるように、水平方向にスライド可能である。
【0018】
フレームは、ワードローブ本体が天井の下方に移動するときに、回転ハンガー機構が作動するように、天井又は屋根の空隙に設置される。フレームは、硬質の鋼製フレームである天井固定手段も備える。天井固定手段は、概ね天井裏又は屋根裏の桁又は垂木にわたってフレーム及び装置の重量を分散させる。
【0019】
モータは、天井の空隙又は天井裏に支持された硬質の鋼製フレームに接続されることが好ましい。フレームは、モータを安定的かつ好適に支持するように桁又は垂木に接続される。モータは、交流電源、又は再充電可能であることが好ましい1つ以上のバッテリのいずれかによって給電される。バッテリは、再充電可能である場合に、ワードローブ本体に装備されることによって、ワードローブ本体と共に移動可能であり得る。そのような事例では、ワードローブ本体が屋根裏の空間に戻されたときに、バッテリが再充電可能になるように、コネクタが、天井の好適な接続部に接触するように配置される。
【0020】
理想的には、モータには、ケーブル又はコードが弛むとすぐにモータを停止させる張力検知手段が装備される。モータは、弛みが検知された時か又はその直後に、ワードローブ本体が床又は他の面から僅かな距離をおいて上方に吊り下げられるように、巻き取るように構成されることが好ましい。これにより、全てのケーブルが緊張したままであり、ワードローブ本体が垂直状態又は「正確に調整された」状態に確実に維持される。
【0021】
フレームは、ワードローブ本体が動作機構によって内部に移動される穴を画定する。筐体は、天井の上方にあるときに、本体、レール及び任意の関連する衣料品又は物品を埃又は損傷から保護する。
【0022】
このようにして、筐体及び/又はレールは、部屋の床空間を占有しない代わりに、そうでなければ余剰となる屋根裏又は天井裏の空隙空間を利用する、吊り下げソリューションをもたらす。
【0023】
ワードローブ本体及びフレームは、衣服レールを包囲して支持し、最小限の設置面積を維持するように、細長い矩形の設置面積を有することが好ましい。このようにして、ワードローブ本体は、相対的に長い2つの側部及び相対的に短い2つの端部を備える。この形状は、慣習的に離間した垂木間に受け入れられ、長さは、屋根裏の空間に存在し得るいかなる配管、空気管又は配線にも干渉しないように選択される。
【0024】
ワードローブ本体は、展開位置にあるときに前面又は背面のいずれかからレールにアクセスできるように、実質的に開放され得る。
【0025】
理想的には、箱又は筐体は、5つの面、すなわち、2つの側部、2つの端部及び上部で閉鎖される。箱又は筐体の下部は、ワードローブ本体を受け入れるための開口を画定する。
【0026】
意図しない本体の垂直動作を防止又は制限するように、屋根裏に格納されたときにワードローブ本体をロックするロック手段があることが好ましい。ロック手段は、垂木及び/又はフレームに係合するように構成され得る。
【0027】
任意選択的な荷重分散棒材が、装置の重量を分散させるとともにロック手段に係合するように配置され得る。理想的には、自動センサが、ワードローブ本体を異なる位置に係合させるように、2つ、3つ又は好ましくは4つの位置にあるボルトであることが好ましいロック手段を展開させるように設けられる。このことの利点は、ワードローブ本体の重量が異なる位置に分散され、各ロック手段が個々に作動するので、1つのロック手段が展開し損ねた場合のフェールセーフ機構が設けられる点にある。
【0028】
ワードローブ本体は、例えば、少なくとも1つの引出又は少なくとも1つの扉を備える、更なる物品収納オプションを備え得る。
【0029】
理想的には、フレームは、装置の荷重を天井にわたって分散させるように配置された鋼製又はアルミニウム製の形鋼から形成される。例えば、フレームは、天井の空隙の垂木にわたるように配置された水平支持部分を備え得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、衣服レールは、恒久的に又は使用中に、複数のハンガーを備える。そのようなハンガーは、レールから横に延在し得、レールに沿って長手方向に離間する。ハンガーは、例えば、位置間での本体の動作中の、レールからの偶発的な移動を制限するように、恒久的に又は半恒久的にレールに固定され得る。
【0031】
ハンガーが同時に回転するように、ハンガーの回転が、全て一緒に回転することが確保される。例えば、いくつかの実施形態では、回転は、装置の位置にリンクされ得;レールが下降されたときに、ハンガーは、実質的にレールと直交し、レールが上昇されるときに、ハンガーは、占有する幅方向の空間を最小化するように回転される。
【0032】
このようにして、ハンガーは、ハンガーが掛けられる衣服レールと実質的に直交する、それらの展開位置から、収容又は上昇位置でハンガーが衣服レールの軸線に対して90°未満になる位置に回転され得、それによって、装置の「設置面積」が抑えられるため、ワードローブ本体が屋根裏へと開口を通過することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、機構は、手動で操作され得、このことは、停電又は電源故障の場合に有用であり得、それによって、ユーザが手動でワードローブ本体を下降及び上昇させることができる。
【0034】
しかし、少なくとも1つの駆動モータは、例えば、専用の携帯型デバイス、又は小型電話若しくは携帯電話などのモバイルデバイスによる無線接続によって、遠隔制御されることが好ましい。同様に、レールの回転が、同様に給電され制御され得る。好ましくではあるが、ハンガーの回転は、アクチュエータの操作のための専用のコントローラの管理の下で自動的に行われる。
【0035】
特に好適な実施形態では、ワードローブ本体が下降されるときに物品又は人とどれほど近づいているかを検知するために、1つ以上の近接センサが設けられる。近接センサ又は各近接センサは、超音波又は赤外光線を用いて作動し得る。近接センサ又は各近接センサは、いかなる物的損傷又は負傷も回避するように、物体、家具物品、人又はペットとの衝突の可能性がある場合に、ワードローブ本体の下降を中止するための信号を駆動モータ(又はそのコントローラ)に送信するように構成される。
【0036】
低レベル照明が、ワードローブ本体の一面に位置することが好ましい。理想的には、低レベル照明は、バッテリで駆動され、タッチ時に照明を明るく又は暗くするタッチセンシティブパネルを有し得る。照明は、自動的に作動し得るか又は手動でスイッチオン/オフされ得る発光ダイオード(LED)を含み得る。理想的には、暗い部屋又は照明レベルが低い場所でワードローブ本体が下降されるときには、ワードローブ本体の展開がはっきりと見えるように自動デバイスが照明をスイッチオンする。照明は、例えば、寝室にあり得る、既存のダウンライトと釣り合うようにサイズ及び寸法決定され得る。
【0037】
任意選択的に、ワードローブ本体のパネルに組み込まれたフラットスピーカが設けられ得る。別の実施形態では、ワードローブ本体の一側部又は一面が、低域周波数を増幅させるためにワードローブ本体の木製又は繊維板製のパネルに依存するラウドスピーカを有する娯楽施設になるように、ディスプレイ又は他の種類のスクリーンが設けられる。
【0038】
いくつかの実施形態では、携帯型遠隔制御デバイスとの通信を容易にするとともに、搭載デバイス又はワードローブ本体に関連付けられた特定の機能をユーザが選択することを可能にする、近距離無線通信デバイス(例えば、ブルートゥース(登録商標)(RTM)デバイス又は同様の無線(RF)送受信器)が、設けられる。
【0039】
例えば、好適な実施形態では、コントローラが、ワードローブ本体上又は内に設けられ、それによって、携帯型デバイスから受信した信号が、ワードローブ本体に装備された照明デバイスによる照明の輝度若しくは色;又はワードローブ本体に装備されたオーディオデバイスの音量を制御し得るか;あるいはワードローブ本体に装備されたスクリーンに表示されるテレビのチャンネルを選択し得るようになる。
【0040】
理想的には、デバイス又は各デバイスに給電するための電力が、1つ以上の再充電可能なバッテリによって供給される。充電手段が、バッテリを充電し、ワードローブ本体が格納され、屋根裏の収容位置にロックされるときに、電源と結合するコネクタを有する充電デバイスの形で設けられている。
【0041】
別の実施形態では、格納式の交流電源ケーブルを用いて加熱され得るタオルレールが、設けられ得る。好適な安全遮断スイッチが、ワードローブ本体が屋根裏に格納されたときに、タオルレールのヒーターが自動的にスイッチオフされることを確実にする。
【0042】
また更なる実施形態では、ワードローブ本体が下降/上昇されるときに、ブリーパ又はブザーなどのオーディオアラートが、近くに立っているかもしれない人に警告するように自動的に起動して鳴り得る。
【0043】
ワードローブ本体が受け入れられる凹所を画定する開口は、合成ゴム又は可撓性プラスチック材料から作られた可撓性の弾性変形可能なリップを有し、リップは、ワードローブ本体が屋根裏の空間に格納されたときに、ワードローブ本体のベースパネルの側部に接触し、ワードローブ本体の基部の周りにシールを提供する。理想的には、断熱層が、寒い屋根裏を下方の暖かい部屋から断熱するために、シールの後方に位置する。
【0044】
別の実施形態では、サイドフラップ又はパネルが、ワードローブ本体が展開されたときに露わになる開口を覆って閉鎖し、それによって、穴を閉鎖し、一時的な仮の天井として機能するように構成され得る。代わりに、ワードローブ本体の基部は、天井と合うように色付け若しくはテクスチャ化されるか、又は鏡若しくはイメージを有し得る。
【0045】
箱を断熱するのに十分な空間がない場合、断熱ソケット又はカバーが、ワードローブ本体を受け入れるボックス状構造の周りに配置される。
【0046】
別の実施形態では、ワードローブ本体は、屋根裏の空間の断熱された筐体又は箱に受け入れられ、それによって、寝室の温かい空気が、屋根裏の空隙全体に上昇せずに、屋根裏の比較的小さな容積部に閉じ込められたままになることを確実にし得る。この断熱された箱により、部屋の温かい空気が全て、屋根裏から降りて来る冷たい空気と入れ替わらないことが確保される。箱の別の利点は、それが、衣服に付く衣服の結露を防止する点にある。
【0047】
荷重が大きい場合、1つ以上の重量分配棒材が、1つ以上の桁に沿って又は複数の桁に横方向にわたってワードローブ本体の重量を分散させるために設けられ得る。重量分配棒材は、鋼製、好ましくはステンレス鋼製の棒材又はL字状形鋼から形成され得る。
【0048】
本発明の好適な実施形態について、図を参照して例としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】第1の位置にある、本発明による装置の一実施形態の等角図を示す。
【
図2】第2の位置にある、
図1に示した一実施形態の逆等角図を示す。
【
図7a】
図1に示した実施形態の内部部品の等角図を示す。
【
図7b】
図1に示した実施形態の内部部品の等角図を示す。
【
図8a】
図1に示した実施形態のハンガー部品の等角図を示す。
【
図8b】
図1に示した実施形態のハンガー部品の等角図を示す。
【
図9】
図1に示した実施形態のレール部品の逆等角図を示す。
【
図12】本発明による装置の更なる実施形態のスケッチ図を示す。
【
図13】本発明による装置の更なる実施形態のスケッチ図を示す。
【
図14】本発明による装置の更なる実施形態のスケッチ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図を参照すると、衣服レール2を支持するワードローブ本体3と、フレーム1と、作動手段とを備える装置の一実施形態が示されている。作動手段は、フレーム1から遠い第1の位置から、フレーム1に近い第2の位置へ垂直方向にレール2を移動させるように構成される。
【0051】
フレーム1は、筐体10、11、12を支持し、それらを備え、筐体は、上向きに延在する2つの長い側部12を備え、2つの長い側部12は2つの端部11及び上部10によって結合されて平面では矩形となる。
【0052】
レール2は、本体3に支持されており、本体は、第2の位置にて、使用中に装置を隠すために使用され得る板24によって覆われ得、板は、例えば、天井の漆喰塗りに重なり、漆喰塗りと調和する塗装可能な面を備える。
【0053】
筐体は、屋根裏又は天井裏の空間に挿入され、垂木間に装備されるように構成される。レールは、2つの側部23及び上部21を備えるワードローブ本体3に設けられ、それによって支持される。
【0054】
筐体は、アルミニウム製又は軟鋼製のシートを備える。構造は、筋交付きの骨格パネル15によって形成される。移動可能な扉口13により、モータ35又はウインチ機構へのアクセスが可能になる。
【0055】
4つの垂木支持部分16が、筐体の最下部のコーナーから延在し、天井100又は垂木105に係合し、ねじ留め金具を有するか又は鋼製の筋交によって固定される(不図示)。
【0056】
筐体の側部12は、ばね付きロックタブ14を更に備え、タブ14は、レール2が第2の(上昇又は収容)位置にあるときに、本体3に係合するように側部12から内側に延在する。
【0057】
作動手段は、ウインチ35及び可撓性の支持部材30を備える。支持部材は、ステンレス鋼製の4本の複数編みケーブル30である。フレーム31は、筐体の上部10に長手方向の中央ロッド32を備える。フレーム31は、一方の端部に、ロッド32を回転させるウインチモータ35を有する。ロッド32の両方の端部に、フレーム31は、2つの滑車34及び直交する拡張アーム33を備える。滑車アームの中央部は、ケーブル接触スリーブ36を備える。
【0058】
ケーブル接触スリーブ36は、ケーブルが容易に巻き付けられるのに十分な摩擦を有する弾性変形可能な面を提供する。代わりに、2つ、3つ又は4つの別個のモータを使用し得る。
【0059】
ケーブル部材30は、フレーム31及び筐体のコーナーに配置される。ケーブル部材30は、フレーム31の両方の端部に2つのケーブル長尺部を備える。2つのケーブル長尺部は、スリーブ36に接触しており、必要に応じて、部材30を短くすることによって本体を第2の高い位置に移動させるか、又は本体を解放して重力によって第1の位置に下降させるために、ロッド32がモータ35によって回転されるときに、スリーブ36に巻き付くように構成される。
【0060】
レールは、最上部の矩形周縁ベース21から延在するとともにハンガー20のための間隔をおいて配置されたカラー23の列を支持する最下部の平坦な先端溝37を有する、細長い三角形状カバー部分26を備える。
【0061】
ハンガー20は、レールに半恒久的に固定される。ハンガーは、レール固定手段を備える最上部コーナーを有する三角形状ワイヤの形であり、レール固定手段は、カラー23及びワイヤハンガーを備え、ワイヤハンガーは、カラー23の下方に延在する回転可能な突起内のT字状溝27に使用中に嵌る、T字状上部コーナー28を有する。このようにして、ハンガーは、必要に応じて、突起27から取り外すために容易に回転され得る。
【0062】
垂木間の狭い距離により、ハンガーは、レールが上昇及び下降されるときに、60°回転するように構成される。小型モータ62(
図10)が、カラー歯を回転させるとともに、この動作を容易にする、歯付ベルト37に繋がれる。
【0063】
本体は、収納コンパートメント25と、本体の下端に収納オプションを提供する引出22と、を更に備える。
【0064】
本発明は、例としてのみ説明された。上述の実施形態には、請求項によって定義される発明の範囲から逸脱しない変形を施し得ることが理解されるであろう。例えば、ワードローブ本体の内部又は外部に、鏡付き面又は光沢面を含む様々な種類の仕切板を設け得る。加えて、ワードローブ本体に組み込まれるデバイスとしては、それぞれに無線制御もされ得る、金庫及び/又は送風機が含まれる。