(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】低2-(1-クロロシクロプロピル)-1-(2-クロロフェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール含有量でプロチオコナゾールを含む安定化製剤
(51)【国際特許分類】
A01N 43/653 20060101AFI20230922BHJP
A01N 25/04 20060101ALI20230922BHJP
A01N 25/22 20060101ALI20230922BHJP
A01N 25/30 20060101ALI20230922BHJP
A01N 43/40 20060101ALI20230922BHJP
A01N 43/56 20060101ALI20230922BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
A01N43/653 Q
A01N25/04 101
A01N25/22
A01N25/30
A01N43/40 101A
A01N43/56 C
A01P3/00
(21)【出願番号】P 2019568192
(86)(22)【出願日】2018-06-06
(86)【国際出願番号】 EP2018064894
(87)【国際公開番号】W WO2018228885
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-06-03
(32)【優先日】2017-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】313006625
【氏名又は名称】バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】クラウス,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】ワイス,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】スタインベック,マルティン
【審査官】鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/033590(WO,A1)
【文献】特表2007-534716(JP,A)
【文献】国際公開第2010/078852(WO,A1)
【文献】特表2009-509949(JP,A)
【文献】国際公開第2012/061092(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/061106(WO,A1)
【文献】特開2005-132832(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02354771(GB,A)
【文献】国際公開第2016/092030(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0183639(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)プロチオコナゾール及び
b)少なくとも一つの下記式(IV)の化合物:
【化1】
[ここで、式(IV)の化合物の置換基は、以下から選択される;
1)n=8~12であり:
R
1=Hであり;
X=-COO-であり;
R
2=(-CH
2O-)
mであり、
T=H及びOHであり;
m=8~12である、
2)n=7であり、
R
1=Hであり;
X=-COO-であり;
R
2=(-CH
2-)
m、(-CH
2O-)
m、(-C
2H
4O-)
m、(-C
3H
6O-)
m、(-C
4H
8O-)
mであり;
T=Hであり;
m=0である
、
3)n=7であり、
R
1=Hであり;
X=-COO-であり;
R
2=(-C
2H
4O-)
mであり;
T=Hであり;
m=8~11である];
4)
【化2】
(ここで、式(IV)では、R
1
=H、n=7、X=-CONH-、R
2
=(-CH
2
-)
3
、及びT=-N(CH
3
)
2
である)、
5)
【化3】
(ここで、式(IV)では、R
1
=H、n=7、X=-CONH-、
R
2
=(-CH
2
-)
3
、及びT=-N(O)(CH
3
)
2
である)、または
6)
【化4】
(ここで、式(IV)では、R
1
=H、n=7、X=-CONH-、
R
2
=(-CH
2
-)
3
、及びT=-N
+
(CH
3
)
2
CH
2
CH(OH)CH
2
SO
3
-
である)]、
を含む製剤であって、
当該製剤が、式(I)による化合物:
【化5】
[式中、
nは3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又は18である。]を含まず、
さらには、9-デセノイル基を有する糖界面活性剤を含まない、製剤。
【請求項2】
式(IV)の化合物が、9-デセン酸、および、n個のEO基(EO=C
2H
4O)を有する9-デセン酸エステル[n=8、9、10、11である。]よりなる群から選択される、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
n=10であることを特徴とする、請求項2に記載の製剤。
【請求項4】
成分b)の割合が1重量%~50重量%である、請求項1から
3のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項5】
成分a)の割合が1重量%~50重量%である、請求項1から
4のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項6】
当該製剤が、次の成分:
c)c1:非イオン性分散剤/乳化剤、
c2:イオン性分散剤/乳化剤、
d)a)とは異なる他の農薬有効成分、
e)溶媒、
f)担体、
g)g1:有機増粘剤、
g2:無機増粘剤、
h)さらなる添加剤及び補助剤
のうちの少なくとも一つを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項7】
担体が、顆粒水和剤である、請求項6に記載の製剤。
【請求項8】
担体が、懸濁濃厚物/テクニカル濃厚物/顆粒水和剤用のエアロジルである、請求項6に記載の製剤。
【請求項9】
非イオン性(c1)及び/又はアニオン性(c2)乳化剤を含む、請求項6に記載の製剤。
【請求項10】
農薬有効成分d)が、1以上の殺虫有効成分又は殺菌有効成分である、請求項6に記載の製剤。
【請求項11】
前記さらなる農薬有効成分d)がビキサフェンである、請求項6に記載の製剤。
【請求項12】
5重量%以下の水を含む、請求項10に記載の製剤。
【請求項13】
成分a)及びb)並びに任意にさらなる添加剤を混合することによる、請求項1から5のいずれか1項に記載の製剤の調製方法。
【請求項14】
有害生物の防除方法であって、有害生物、その生物の生息場所、その生物の宿主、および、それらが成長しているか成長し得る土壌、区域及び環境、並びに植物に対して有害である生物による攻撃若しくは侵入から保護されるべき材料、植物、種子、土壌、表面若しくは空間を有効量の請求項1に記載の製剤と接触させることを含む方法。
【請求項15】
植物、種子を有効量の請求項1に記載の製剤と接触させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
植物の有害生物による侵入からの保護のための、請求項1から5のいずれか1項に記載の製剤の使用。
【請求項17】
種子の有害生物による侵入からの保護のための、請求項16に記載の製剤の使用。
【請求項18】
有用植物の有害生物による侵入からの保護のための、請求項16に記載の製剤の使用。
【請求項19】
植物に有害である生物の防除のための、請求項1から5のいずれか1項に記載の製剤の使用。
【請求項20】
植物病原性の有害な真菌、昆虫、クモ形類、線虫及び有害植物の防除のための、請求項19に記載の製剤の使用。
【請求項21】
前記有害生物が植物病原性有害真菌である、請求項16又は19の記載の使用。
【請求項22】
水を請求項1に記載の製剤と混和することによって得られる乳濁液であって、水:製剤の混合比が1000:1~1:1の範囲である、乳濁液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ビニル化合物に基づく2-(1-クロロシクロプロピル)-1-(2-クロロフェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オールの含有量が特に低い貯蔵安定性のプロチオコナゾール含有製剤、それらの製造方法、作物保護における植物病原性真菌の防除方法、並びにそれらの作物保護剤としての使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プロチオコナゾールを真菌防除のための標準的製剤で使用可能であることが既に知られている(WO-A96/16048)。この有効成分は、2-[2-(1-クロロシクロプロピル)-3-(2-クロロフェニル)-2-ヒドロキシプロピル]-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオンである。プロチオコナゾール含有製剤は通常は液体製剤であり、例えば、乳剤(emulsion concentrates)の形態で市販されている。
【0003】
有効成分プロチオコナゾールは、特定の条件下で分解して、化合物2-(1-クロロシクロプロピル)-1-(2-クロロフェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オールを与え得ることが知られている(PSM-Zulassungsbericht[Crop Protection Agent Registration Report], Tilmor, 2010.08.30, serial no.21, German Federal Office of Consumer Protection and Food Safety)。
【0004】
従って、プロチオコナゾール(以下、PTZと称する)含有製剤は、製造途中という早い段階で、一定量の2-(1-クロロシクロプロピル)-1-(2-クロロフェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オールを含み得る。高温、光の入射及び強い酸素接触などの過酷な条件下での貯蔵の場合、プロチオコナゾールの分解が起こって2-(1-クロロシクロプロピル)-1-(2-クロロフェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オールが生じ、その結果として、製剤中の有効成分の割合がそれに応じて減少する可能性もある。化合物2-(1-クロロシクロプロピル)-1-(2-クロロフェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール(以下、デスチオ(desthio)と称される)は関連のある不純物であることから、プロチオコナゾール含有製剤中でのそれの含有量は、規制上の制限を受ける。
【0005】
ここで、PTZ製剤中のデスチオの最大許容量は、製剤中のPTZの量(単位:g/L)によって決まる。デスチオの最大許容量はppm単位で提供され、ppmでのデスチオの許容割合はPTZ負荷量(単位:g/L)の値の半分である。従って、100g/L PTZを含む製剤中における最大許容デスチオ含有量は50ppmである(=0.005重量%)。
【0006】
WO-A 2012/033590には、安定化のために硫黄化合物、例えばL-システインを含むプロチオコナゾールの水系分散液が開示されている。
【0007】
未公開PCT/EP2016/080215(Bayer CropScience AG)が、最も近い先行技術であると考えられている。それに記載されているものは、溶媒に溶かしたPTZを含む乳剤である。式(I):
【化1】
【0008】
[式中、
nは3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又は18を表す。]を加えることによって製剤を安定化させ、デスチオ含有量の低下を達成することができた。
【0009】
式(I)の化合物はWO-A 2012/061094から公知であり、複分解のプロセスによって製造され得る。これらは、例えば、Stepanからの製品である((N,N-ジメチル9-デセナミド、CAS番号:1356964-77-6、Hallcomid(登録商標)1025又はSteposol(登録商標)MET-10U)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】WO-A96/16048
【文献】WO-A 2012/033590
【文献】PCT/EP2016/080215
【文献】WO-A 2012/061094
【非特許文献】
【0011】
【文献】PSM-Zulassungsbericht[Crop Protection Agent Registration Report], Tilmor, 2010.08.30, serial no.21, German Federal Office of Consumer Protection and Food Safety
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
これらの化合物は、技術的に複雑なオレフィン複分解段階によってしか製造できないという欠点、有効成分及び無効成分の分解を触媒し得る望ましくない金属不純物をそれらが含むという欠点、並びに化合物Iが溶媒としてしか使えない可能性があるという欠点を有する。従って、PTZが溶けない別の製剤型(例えば、WG、SC、OD)は使えない。別の欠点は、生成物の入手可能性が限られているという点である。これまでのところ、化合物(I)の工業的な量で入手できるものは唯一、Hallcomid 1025である。
【0013】
WO 2016/092030には、電解質有効成分の効力を高めるための水系アジュバント組成物で使用される9-デセノイル基を有する糖界面活性剤が記載されている。以下、WO 2016/092030に記載の化合物は、9-デセノイル基を有する糖界面活性剤と称される。
【0014】
従って、比較的長期間かけて、そして好ましくない貯蔵条件下、例えば酸素接触、高温又は光入射下であっても、PTZ分解生成物、特には2-(1-クロロシクロプロピル)-1-(2-クロロフェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オールを全く含まない、安定なPTZ含有製剤が必要とされた。
【0015】
従って、本発明の目的は、高い貯蔵安定性を有し、プロチオコナゾールの分解による2-(1-クロロシクロプロピル)-1-(2-クロロフェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オールの形成をほとんど示さず、製剤が式(I)の化合物を含まない、新規な改善されたプロチオコナゾール含有製剤を提供することにあった。
【0016】
さらに、その製剤は好ましくは、9-デセノイル基を有する糖界面活性剤を含まない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
従って、本発明は、
a)プロチオコナゾール及び
b)少なくとも一つの下記式(IV)の化合物:
【化2】
【0018】
[式中、
n=0~24;好ましくは2~16;特に好ましくは4~14;非常に特に好ましくは8~12であり:
R
1=H、C
1-C
6-アルキル、-CN、Cl、Br、Fであり;好ましくはH、C
1-C
4-アルキルであり、より好ましくはH、メチルであり;特に好ましくはHであり;
X=-COO-、-CONR
3R
4、-S-、-SO
2-、-O-及び-COS-であり;好ましくは-COO-、CONR
3R
4、-S-、-O-及び-COS-であり;より好ましくは-COO-、CONR
3R
4であり;特に好ましくは-COO-であり;
R
2=(-CH
2-)
m、(-CH
2O-)
m、(-C
2H
4O-)
m、(-C
3H
6O-)
m、(-C
4H
8O-)
mであり;好ましくは(-CH
2-)
m、(-CH
2O-)
m、(-C
2H
4O-)
m、(-C
3H
6O-)
mであり;より好ましくは(-CH
2O-)
m、(-C
2H
4O-)
m、(-C
3H
6O-)
mであり;特に好ましくは(-CH
2O-)
mであり、
T=H、サルフェート、ホスフェート、C
1-C
3-アルキル、-OH、-SH、スルホンであり;好ましくはH、サルフェート、スルホン、-OH、ホスフェートであり;より好ましくはH、サルフェート、-OHであり;特に好ましくはH及びOHであり;
R
3=H、C
1-C
6-アルキル、C
3-C
6-シクロアルキル、C
6-C
10-アリールであり、好ましくはH、C
1-C
4-アルキル、C
5-C
6-シクロアルキル、フェニルであり、より好ましくはH、メチル及びフェニルであり;特に好ましくはHであり;
R
4=H、メチル、エチル、プロピル、(-CH
2-)
m、(-CH
2O-)
m、(-C
2H
4O-)
m、(-C
3H
6O-)
m、(-C
4H
8O-)
mであり;好ましくはH、メチル、エチル、プロピル、(-CH
2-)
m、(-CH
2O-)
m、(-C
2H
4O-)
m、(-C
3H
6O-)
mであり;より好ましくはH、メチル、エチル、プロピル、(-CH
2O-)
m、(-C
2H
4O-)
m、(-C
3H
6O-)
mであり;特に好ましくはH、メチル、エチル、プロピル、(-CH
2O-)
mであり、
R
3はR
4とは異なり、
m=0~100、好ましくは2~50、より好ましくは5~25、特に好ましくは8~12である。]
を含む製剤であって、
当該製剤が、式(I)による化合物:
【化3】
【0019】
[式中、
nは3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又は18を表す。]を含まず、
さらには、9-デセノイル基を有する糖界面活性剤を含まず、
X=-CNR3R4及びm=0の場合、Tは存在しない製剤を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上記の基の定義、例えばC3H6Oは、この経験式によって含まれる構造異性体も含み、それは当業者には明らかである。さらに、「サルフェート、ホスフェートなど」の用語では、個々の基は、相当する酸が塩としても存在し得る基と理解されるべきである。このための対イオンとして好ましいものは、アルカリ金属イオン、カルシウム、イソプロピルアンモニウム及びアンモニウムであるが、当業者に公知である他の対イオンの使用も可能である。
【0021】
ある好ましい実施形態において、本発明は、
a)プロチオコナゾール及び
b)少なくとも一つの下記式(IV)の化合物:
【化4】
【0022】
[式中、
n=2~16であり;
R
1=H、C
1-C
4-アルキルであり、
X=-COO-、CONR
3R
4、-S-、-O-及び-COS-であり;R
2=(-CH
2-)
m、(-CH
2O-)
m、(-C
2H
4O-)
m、(-C
3H
6O-)
mであり;
T=H、サルフェート、スルホン、-OH、ホスフェートであり;
R
3=H、C
1-C
4-アルキル、C
5-C
6-シクロアルキル、フェニルであり;
R
4=H、メチル、エチル、プロピル、(-CH
2-)
m、(-CH
2O-)
m、(-C
2H
4O-)
m、(-C
3H
6O-)
mであり;
R
3はR
4とは異なり、
m=0~50である。]
を含む製剤であって、
当該製剤が下記式(I)による化合物:
【化5】
【0023】
[式中、
nは3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又は18を表す。]を含まず、
さらに、9-デセノイル基を有する糖界面活性剤を含まず、
X=-CNR3R4及びm=0の場合、Tが存在しない製剤を提供する。
【0024】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明は、
a)プロチオコナゾール及び
b)少なくとも一つの下記式(IV)の化合物:
【化6】
【0025】
[式中、
n=4~14であり;
R
1=H、メチル;X=-COO-、CONR
3R
4であり;
R
2=(-CH
2O-)
m、(-C
2H
4O-)
m、(-C
3H
6O-)
mであり;
T=H、サルフェート、-OHであり;
R
3=H、メチル及びフェニルであり;
R
4=H、メチル、エチル、プロピル、(-CH
2O-)
m、(-C
2H
4O-)
m、(-C
3H
6O-)
mであり;
R
3はR
4とは異なり、
m=0~25である。]
を含む製剤であって、
当該製剤が下記式(I)による化合物:
【化7】
【0026】
[式中、
nは3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又は18を表す。]を含まず、
さらに、9-デセノイル基を有する糖界面活性剤を含まず、
X=-CNR3R4及びm=0の場合、Tが存在しない製剤を提供する。
【0027】
特に好ましい実施形態において、本発明は、
a)プロチオコナゾール及び
b)少なくとも一つの下記式(IV)の化合物:
【化8】
【0028】
[式中、
n=8~12であり:
R
1=Hであり;
X=-COO-であり、
R
2=(-CH
2O-)
mであり、
T=H及びOHであり;
m=8~12である。]を含む製剤であって、
当該製剤が下記式(I)による化合物:
【化9】
【0029】
[式中、
nは3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又は18を表す。]を含まず、
さらに、9-デセノイル基を有する糖界面活性剤を含まない製剤を提供する。
【0030】
n=7であり、m=0である別の好ましい実施形態において、本発明は、
a)プロチオコナゾール及び
b)少なくとも一つの式(IV)の化合物:
【化10】
【0031】
[式中、
n=7であり:
R
1=Hであり;
X=-COO-であり;
T=Hであり;
m=0である。]を含む製剤であって、
当該製剤が下記式(I)による化合物:
【化11】
【0032】
[式中、
nは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又は18を表す。]を含まず、
さらに、9-デセノイル基を有する糖界面活性剤を含まない製剤を提供する。
【0033】
上記の実施形態において、R2は、コポリマー、好ましくは(-CH2-)m、(-CH2O-)m、(-C2H4O-)m、(-C3H6O-)m、(-C4H8O-)mから選択される少なくとも二つのモノマーのブロックコポリマーであることもでき、この場合、R2は好ましくは、(-C2H4O-)m、(-C3H6O-)mから選択されるブロックコポリマーである。
【0034】
好ましい実施形態において、化合物IVは、
9-デセン酸、n個のEO基(EO=C
2H
4O)を有する9-デセン酸エステル[n=8、9、10、11であり、好ましくはn=10である。];
C10-17:DMAPA-アミド
【化12】
【0035】
C10-20:DMAPAアミン-オキサイド
【化13】
【0036】
【0037】
を含む群から選択される。
【0038】
プロチオコナゾール(化学名:2-[2-(1-クロロシクロプロピル)-3-(2-クロロフェニル)-2-ヒドロキシプロピル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン)(CAS番号178928-70-6)は、ラセミ体の形を取る。それの好適な製造方法は、DE-A195280に記載されている。プロチオコナゾールは、下記一般式(II)のチオノ形態:
【化15】
【0039】
で、
又は、一般式(IIa)の互変異性メルカプト形態
【化16】
【0040】
で存在し得る。
【0041】
以下、「プロチオコナゾール」という用語の使用は、常に、示された異性体及び更なる可能な互変異体を網羅する。
【0042】
2-(1-クロロシクロプロピル)-1-(2-クロロフェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オールもラセミ体として存在し、一般式(III)を有するものであり、そして次に、全ての互変異型がこの表現によって包含されるべきものである。
【化17】
【0043】
本発明による製剤中の成分a)(プロチオコナゾール)の割合は、好ましくは1重量%~50重量%、より好ましくは4重量%~30重量%、特に好ましくは5重量%~28重量%である。
【0044】
本発明による製剤中の成分b)の割合は、好ましくは1重量%~50重量%、より好ましくは2重量%~45重量%、さらにより好ましくは5重量%~35重量%、特に好ましくは8重量%~25重量%である。
【0045】
さらに、上記で記載の本発明による製剤は、それぞれ、下記のような更なる成分を含むことができる。
【0046】
c)c1:非イオン性分散剤/乳化剤、
c2:イオン性分散剤/乳化剤、
d)a)とは異なる他の農薬有効成分、
e)OD担体を含む溶媒、
f)担体(WG類、及びSC/TC/WG用のアエロシジル(Aerosil)類も)、
g)g1:有機増粘剤、
g2:無機増粘剤、
h)さらなる添加剤及び補助剤。
【0047】
製剤型は、FAOによって定義され、www.fao.org/ag/agp/agpp/pesticidにある。2016年3月版に、通常の製剤型が、66~231頁に記載されている。本発明による製剤は、FAOによって記載されている一般的な製剤型である。ここで挙げることができる例は、フロアブル製剤(suspension concentrates)(SC)、さらには種子処理用の着色料含有濃厚物(colorant-containing concentrates for seed treatment)(FS)、乳剤(emulsion concentrates)(EC)、水-分散性濃厚物(water-dispersible concentrates)(WG)、油性分散体(oil dispersions)(OD)、サスポエマルション(suspoemulsions)(SE)、濃厚エマルション製剤(aqueous emulsions)(EW)、マイクロエマルション(microemulsions)(ME)及び液剤(liquid formulations)(SL)である。好ましいものは、EC、SC、FS、SE、OD及びWG製剤型であり、非常に特に好ましいものは、少なくとも一つの有効成分が溶解しない製剤である。非常に特に好ましいものは、FS、SC、SE、OD及びWG製剤であり、最も好ましくはSC、FS及びWG製剤である。
【0048】
本発明はさらに、植物の治療のための本発明の製剤の使用及び相当する方法を提供する。
【0049】
好ましい実施形態において、IVは、成分a)の溶媒ではない。
【0050】
非イオン性乳化剤及び分散剤c1)
有用な非イオン性乳化剤及び分散剤c1)、例えば乳化剤、湿展剤、界面活性剤及び分散剤には、農薬有効成分の製剤中に存在する標準的な界面活性物質などがある。例としては、エトキシ化ノニルフェノール類、直鎖若しくは分岐アルコールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドとの反応生成物、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイドブロックコポリマー類、末端基キャップ及び非末端基キャップアルコキシ化直鎖及び分岐の飽和及び不飽和アルコール(例えば、ブトキシポリエチレンプロピレングリコール類)、アルキルフェノール類のエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドとの反応生成物、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイドブロックコポリマー類、ポリエチレングリコール類及びポリプロピレングリコール類、並びに脂肪酸エステル類、脂肪酸ポリグリコールエーテルエステル類、スルホン酸アルキル類、アルキルサルフェート類、アリールサルフェート類、エトキシ化アリールアルキルフェノール類、例えば1分子当たり平均16エチレンオキサイド単位を有するトリスチリルフェノールエトキシレート、さらにはエトキシ化及びプロポキシ化アリールアルキルフェノール類、さらには硫酸化及びリン酸化アリールアルキルフェノールエトキシレート類又はエトキシ-及びプロポキシレート類などがある。特に好ましいものは、トリスチリルフェノールアルコキシレート類及び脂肪酸ポリグリコールエーテルエステル類である。非常に特に好ましいものは、トリスチリルフェノールエトキシレート類、トリスチリルフェノールエトキシプロポキシレート類及びヒマシ油ポリグリコールエーテルエステル類であり、各場合で、個々に又は混合物でのものである。生理的効力を高めるのに寄与する界面活性剤又は脂肪酸のエステルなどの添加剤がさらに有効である可能性がある。好適な非イオン性乳化剤及び分散剤c1)は、例えば、Soprophor(登録商標)796/P、Lucramul(登録商標)CO30、Lucramul(登録商標)HOT、Lucramul(登録商標)PSI 100又はSynperonic(登録商標)T304である。
【0051】
好適な非イオン性分散剤c1)は同様に、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール、PVP及びジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー、ブチル化PVP、塩化ビニル及び酢酸ビニルのコポリマー、及び部分加水分解酢酸ビニル、フェノール樹脂、変性セルロース型、例えばLuviskol(登録商標)(ポリビニルピロリドン)、Mowiol(登録商標)(ポリビニルアルコール)又は変性セルロースを含む群から選択することができる。好ましいものはポリビニルピロリドン型であり、特に好ましいものはLuviskol(登録商標)K30又はSokalan(登録商標)K30などの低分子量型である。
【0052】
アルキレンオキサイドのジブロック及びトリブロックコポリマーの群からの有用なさらなる非イオン性乳化剤及び分散剤c1)は、例えば、200~10000、好ましくは1000~4000g/molの平均モル質量を有するエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドに基づく化合物であり、ポリエトキシ化ブロックの質量割合は10~80%で変動し、例えばSynperonic(登録商標)PEシリーズ(Uniqema)、Pluronic(登録商標)PEシリーズ(BASF)、VOP(登録商標)32又はGenapol(登録商標)PFシリーズ(Clariant)である。
【0053】
本発明による懸濁製剤中で必要な非イオン性乳化剤及び分散剤c1)の割合は、好ましくは1%~15重量%、より好ましくは2%~10重量%、特に好ましくは2.5%~8重量%である。
【0054】
アニオン性乳化剤及び分散剤c2)
好適なアニオン性乳化剤及び分散剤b1)、例えば乳化剤、界面活性剤、湿展剤及び分散剤は、例えば、スルホン酸、硫酸、リン酸、カルボン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属若しくはアンモニウム塩及びそれらの混合物、例えばアルキルスルホン酸若しくはアルキルリン酸及びアルキルアリールスルホン酸若しくはアルキルアリールリン酸の塩、ジフェニルスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、リグノスルホン酸塩、脂肪酸及びオイルのスルホン酸塩、エトキシ化アルキルフェノールのスルホン酸塩、アルコキシ化アリールフェニールのスルホン酸塩、縮合ナフタレンのスルホン酸塩、ドデシル及びトリデシルベンゼンのスルホン酸塩、ナフタレン類及びアルキルナフタレン類のスルホン酸塩、スルホコハク酸塩又はスルホコハク酸アミド塩である。硫酸塩の例は、脂肪酸及びオイルの硫酸塩、エトキシ化アルキルフェノールの硫酸塩、アルコールの硫酸塩、エトキシ化アルコールの硫酸塩又は脂肪酸エステルの硫酸塩である。リン酸塩の例は、リン酸エステルである。カルボン酸塩の例は、アルキルカルボキシレート類及びカルボキシル化アルキルエトキシレート類である。同様に好適なものは、ポリスチレンスルホン酸類のアルカリ金属、アルカリ土類金属及びアンモニウム塩、ポリビニルスルホン酸類の塩、アルキルナフタレンスルホン酸類の塩、アルキルナフタレンスルホン酸-ホルムアミド縮合生成物の塩、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸及びホルムアルデヒドの縮合生成物の塩のアニオン性乳化剤の群である。例を挙げると、カルシウムドデシルベンゼンスルホネート、例えばRhodocal(登録商標)70/B(Solvay)、フェニルスルホネートCA100(Clariant)又はイソプロピルアンモニウムドデシルベンゼンスルホネート類、例えばAtlox(登録商標)3300B(Croda)である。
【0055】
更なる代表的なものには、フェニルスルホネートCA(カルシウムドデシルベンゼンスルホネート)、Soprophor(登録商標)製品(トリスチリルフェノールエトキシレート類のエステル化されていても良い誘導体)、Emulsogen(登録商標)3510(アルキル化EO/POコポリマー)、Emulsogen(登録商標)EL400(エトキシ化ヒマシ油)、Tween(登録商標)製品(脂肪アクリル化ソルビタンエトキシレート類)、Calsogen(登録商標)AR100(カルシウムドデシルベンゼンスルホネート)などがある。好ましいものは、アルキル化芳香族スルホン酸の塩、例えばフェニルスルホン酸カルシウム及び/又はCalsogen(登録商標)AR100と、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドのアルキル化コポリマー、例えばEmulsogen(登録商標)3510との組み合わせである。特に好ましいものは、ドデシルベンゼンスルホン酸の塩、例えばCalsogen(登録商標)AR100と、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドのアルキル化コポリマー、例えばEmulsogen(登録商標)3510との組み合わせである。
【0056】
ナフタレンスルホン酸塩の群からのさらなるアニオン性乳化剤及び分散剤c2)の例には、Galoryl(登録商標)MT800(ナトリウムジブチルナフタレンスルホネート)、Morwet(登録商標)IP(ナトリウムジイソプロピルナフタレンスルホネート)及びNekal(登録商標)BX(アルキルナフタレンスルホネート)がある。ナフタレンスルホネートのホルムアルデヒドとの縮合物の群からのアニオン性界面活性剤の例は、Galoryl(登録商標)DT201(ホルムアルデヒド及びメチルフェノールナトリウム塩とのナフタレンスルホン酸ヒドロキシポリマー)、Galoryl(登録商標)DT250(フェノール-及びナフタレンスルホネートの縮合物)、Reserve(登録商標)C(フェノール-及びナフタレンスルホネートの縮合物)又はMorwet(登録商標)D-425、Tersperse(登録商標)2020である。好ましいものは、1,2-ジブチル-若しくは-ジイソブチル置換されたナフタレンスルホネート、例えばGaloryl(登録商標)MT800(CFPI-Nufarm)及びNekal(登録商標)BX(BASF)などの製品である。さらなる代表的な界面活性剤は、Soprophor(登録商標)3D33、Soprophor(登録商標)4D384、Soprophor(登録商標)BSU、Soprophor(登録商標)CY/8(Solvay)及びHoe(登録商標)S3474、そして、Sapogenat(登録商標)T製品(Clariant)の形態での、例えばSapogenat(登録商標)T100である。
【0057】
本発明による工業用濃厚物で必要なアニオン性乳化剤及び分散剤c2)の割合は、好ましくは2%~35重量%、より好ましくは3%~30重量%、さらにより好ましくは5%~25重量%、特に好ましくは10%~20重量%である。
【0058】
本発明による懸濁濃厚物で必要なアニオン性乳化剤及び分散剤c2)の割合は、好ましくは0.1%~10重量%、より好ましくは0.2%~7重量%、特に好ましくは0.3%~4重量%である。
【0059】
PTZとは異なる更なる農薬有効成分d):
本発明の文脈におけるさらなる農薬有効成分d)は、殺菌、殺虫又は除草有効成分である。別の実施形態において、本発明の製剤は、1以上のさらなる殺虫若しくは殺菌有効成分d)、より好ましくは1以上の殺菌有効成分d)を含む。使用される有効成分は、好ましくは水溶性である。
【0060】
The Pesticide Manualに、代表的な作物保護剤の総覧がある。
【0061】
好ましい殺虫成分d)は、例えば、イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、チアクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、シアントラニルプロール、クロラントラニリプロール、フルベンジアミド、テトラニリプロール、シクラニリプロール、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、アバメクチン、アクリナトリン、クロルフェナピル、エマメクチン、エチプロール、フィプロニル、フロニカミド、フルピラジフロン、インドキサカルブ、メタフルミゾン、メトキシフェノジド、ミルベメクチン、ピリダベン、ピリダリル、シラフルオフェン、スピノサド、スルホキサフロル、トリフルムロン、実施例I-1-a-4としてからのWO-A2006/089633化合物、実施例I-1-a-4としてWO-A2008/067911に開示の化合物、実施例Ib-14としてWO2013/092350に開示の化合物、実施例Ik-84としてWO2010/51926に開示の化合物である。
【0062】
好ましい殺菌成分d)は、例えば、ビキサフェン、フェナミドン、フェンヘキサミド、フルオピコリド、フルオピラム、フルオキサストロビン、イプロバリカルブ、イソチアニル、イソピラザム、ペンシクロン、ペンフルフェン、プロピネブ、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、アメトクトラジン、アミスルブロム、アゾキシストロビン、ベンチアバリカルブ-イソプロピル、ベンゾビンジフルピル、ボスカリド、カルベンダジム、クロロタロニル、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エタボキサム、エポキシコナゾール、ファモキサドン、フルアジナム、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルチアニル、フルキサピロキサド、イソピラザム、クレソキシム-メチル、リセルフェンバルピル(lyserphenvalpyr)、マンコゼブ、マンジプロパミド、メトコナゾール、ピリオフェノン、ホルペット、メタミノストロビン(metaminostrobin)、オキサチアピプロリン、ペンチオピラド、ピコキシストロビン、プロベナゾール、プロキナジド、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、セダキサン、スピロキサミン、テブフロキン、テトラコナゾール、バリフェナレート、ゾキサミド、ジラム、N-(5-クロロ-2-イソプロピルベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(5-クロロ-2-イソプロピルベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、2-{3-[2-(1-{[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル)-1,3-チアゾール-4-イル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}フェニル・メタンスルホネート、2-{3-[2-(1-{[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル)-1,3-チアゾール-4-イル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}-3-クロロフェニルメタンスルホネート、(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[({3-[(イソブチリロキシ)メトキシ]-4-メトキシピリジン-2-イル}カルボニル)アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル2-メチルプロパノエート(リセルフェンバルピル(lyserphenvalpyr))である。
【0063】
プロチオコナゾールに特に好ましい殺菌性混合相手d)は、例えば、テブコナゾール、スピロキサミン、ビキサフェン、フルオキサストロビン、トリフロキシストロビン、N-(5-クロロ-2-イソプロピルベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[({3-[(イソブチリルオキシ)メトキシ]-4-メトキシピリジン-2-イル}カルボニル)アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル2-メチルプロパノエート(リセルフェンバルピル(lyserphenvalpyr))及びフルオピラムである。
【0064】
非常に特に好ましいものは、a)(プロチオコナゾール)の化合物d)の群から選択される1以上の化合物との混合物である。
【0065】
a)+d)テブコナゾール;
a)+d)トリフロキシストロビン;
a)+d)フルオキサストロビン;
a)+d)ビキサフェン;
a)+d)フルオピラム;
a)+d)スピロキサミン;
a)+d)フルオキサストロビン+トリフロキシストロビン;
a)+d)トリフロキシストロビン+スピロキサミン;
a)+d)ビキサフェン+テブコナゾール;
a)+d)ビキサフェン+フルオキサストロビン;
a)+d)ビキサフェン+トリフロキシストロビン;
a)+d)ビキサフェン+スピロキサミン;
a)+d)ビキサフェン+フルオピラム;
a)+d)テブコナゾール+スピロキサミン;
a)+d)テブコナゾール+フルオピラム;
a)+d)N-(5-クロロ-2-イソプロピルベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド;
a)+d)N-(5-クロロ-2-イソプロピルベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド+テブコナゾール;
a)+d)N-(5-クロロ-2-イソプロピルベンジル)-N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド+フルピラム(flupyram);
a)+d)ビキサフェン+(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[({3-[(イソブチリルオキシ)メトキシ]-4-メトキシピリジン-2-イル}カルボニル)アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル2-メチルプロパノエート(リセルフェンバルピル(lyserphenvalpyr))。
【0066】
本発明の製剤中の成分d)の割合は、好ましくは1重量%~40重量%、特に好ましくは3重量%~35重量%である。
【0067】
溶媒e)
当該製剤は、例えばEC、OD又はSE製剤の場合、溶媒e)を含むことができる。
【0068】
・芳香族炭化水素混合物(好ましくはナフタリン減少)、例えばSolvesso(登録商標);.
・芳香族炭化水素、例えばホワイトスピリット、石油、アルキルベンゼン類及びスピンドルオイル、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類;
・脂肪族/脂環式炭化水素、例えば鉱油、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、デカリン又はホワイトオイル;
・塩化芳香族又は脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン、クロロエチレン、又は塩化メチレン、クロロホルム又はテトラクロロメタン;
・アルコール類、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール又はベンジルアルコール;
・エーテル類、例えばテトラヒドロフラン、テトラヒドロフルフリルアルコール、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン類、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオクチルエーテル、ジデシルエーテル、ジベンジルエーテル、ジメチルイソソルビド、ジフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、フェニルベンジルエーテル又はアニソール;
・モノエステル類/ジエステル類/グリセロールエステル類、例えば酢酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、酢酸ベンジル、安息香酸ベンジル、安息香酸ブチル、Rhodiasolv(登録商標) Polarclean、Rhodiasolv(登録商標) RPDE、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸2-エチルヘキシル、3-エトキシプロピオン酸エチル(UCAR(登録商標)Ester EEP、Dow Chemical Company)、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジプロピル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、グルタミン酸ジメチル、グルタミン酸ジエチル、グルタミン酸ジプロピル、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソプロピル、グルタミン酸ジメチル2-メチル、マレイン酸ジオクチル、モノ酢酸グリセロール、二酢酸グリセロール、三酢酸グリセロール、植物油、例えば菜種油、ヒマワリ油、大豆油、ヒマシ油又はトウモロコシ油;
・ラクトン類、例えばブチロラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン又はδ-バレロラクトン;
・ポリエチレン/プロピレンオキサイド類、例えばモノエチレングリコール、モノエチレングリコールモノメチルエーテル、モノエチレングリコールモノエチルエーテル、モノエチレングリコールモノプロピルエーテル、モノエチレングリコールモノブチルエーテル、モノエチレングリコールモノペンチルエーテル、モノエチレングリコールモノヘキシルエーテル、モノエチレングリコールモノフェニルエーテル、モノエチレングリコールジメチルエーテル、モノエチレングリコールジエチルエーテル、モノエチレングリコールジプロピルエーテル、モノエチレングリコールジブチルエーテル、モノエチレングリコールジペンチルエーテル、モノエチレングリコールジヘキシルエーテル、モノエチレングリコールジフェニルエーテル、及びそれらのより長いエチレングリコール同族体;モノプロピレングリコール、モノプロピレングリコールモノメチルエーテル、モノプロピレングリコールモノエチルエーテル、モノプロピレングリコールモノプロピルエーテル、モノプロピレングリコールモノブチルエーテル、モノプロピレングリコールモノペンチルエーテル、モノプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、モノプロピレングリコールモノフェニルエーテル、モノプロピレングリコールジメチルエーテル、モノプロピレングリコールジエチルエーテル、モノプロピレングリコールジプロピルエーテル、モノプロピレングリコールジブチルエーテル、モノプロピレングリコールジペンチルエーテル、モノプロピレングリコールジヘキシルエーテル、モノプロピレングリコールジフェニルエーテル、及びそれらのより長いプロピレン同族体;モノエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、モノエチレングリコールジアセテート、及びそれらのより長いエチレングリコール同族体;モノプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、モノプロピレングリコールアセテート、及びそれらのより長いポリプロピレングリコール同族体;
・単純及び置換アミン類、例えばジエチルアミン類、トリエチルアミン類、ジイソプロピルアミン類、ジイソプロピルエチルアミン類、モノエタノールアミン類、ジエタノールアミン類、トリエタノールアミン類及びより高度にアルコキシ化されたアミン類、アニリン類又はジメチルアニリン類;
・アミド類/尿素類、例えばN-ホルミルモルホリン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルベンズアミド、N,N-ジメチルオクタンアミド、N,N-ジメチルデカンアミド、N,N-ジメチルデカ-9-エン-1-アミド、N,N-ジメチルドデカンアミド、N,N-ジメチルラクトアミド、N,N-デシルメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-プロピル-2-ピロリドン、N-ブチル-2-ピロリドン、N-ペンチル-2-ピロリドン、N-ヘキシル-2-ピロリドン、N-ヘプチル-2-ピロリドン、N-オクチル-2-ピロリドン、N-ノニル-2-ピロリドン、N-デシル-2-ピロリドン、N-ウンデセニル-2-ピロリドン、N-ドデシル-2-ピロリドン、N-メチル-2-ピペリドン、N-メチルカプロラクタム、N-オクチルカプロラクタム、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3,4-トリメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン、1-ヘプチル-3-メチル-2-イミダゾリジノン、1-ヘプチル-1,3-ジヒドロ-3-メチル-2H-イミダゾール-2-オン;
・ケトン類、例えばアセトン、ジアセトンアルコール、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、4-オクタノン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソペンチルケトン、エチルイソプロピルケトン、エチルイソブチルケトン、エチルイソペンチルケトン、プロピルイソプロピルケトン、プロピルイソブチルケトン、プロピルイソペンチルケトン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン、4,4-ジメチル-2-ペンタノン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン、2,2,4,4-テトラメチル-3-ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン.シクロヘプタノン、シクロオクタノン、2,4,6-シクロヘプタトリエン-1-オン、アセトフェノン、プロピオフェノン、1-(4-メチルフェニル)エタノン、1-(4-エチルフェニル)エタノン、2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン、1-(3-エチルフェニル)エタノン、4-フェニル-2-ブタノン、1-フェニル-2-プロパノン、1-フェニル-2-ブタノン、2-フェニル-3-ブタノン、ブチロフェノン又はバレロフェノン;
・ニトリル類、例えばアセトニトリル、プロパンニトリル、2-メチルプロパンニトリル、ブタンニトリル、3-メチルブタンニトリル、ペンタンニトリル、4-メチルペンタンニトリル、ヘキサンニトリル、ヘプタンニトリル、オクタンニトリル、ノナンニトリル、デカンニトリル、ベンゾニトリル、ベンゼンアセトニトリル、ペンタンジニトリル、2-メチルペンタンジニトリル、ヘキサンジニトリル、ヘプタンジニトリル、オクタンジニトリル又はノナンジニトリル;
・アセタール類、例えば1,1-ジメトキシメタン;1,1-ジメトキシエタン;1,1′-[メチレンビス(オキシ)]ビスエタン;1,1-ジエトキシエタン;1,1′-[メチレンビス(オキシ)]ビスプロパン;2,4,6,8-テトラオキサノナン、1,1′-[メチレンビス(オキシ)]ビスブタン、2-メチル-1-[(2-メチルプロポキシ)メトキシ]プロパン、2,4,6,8,10-ペンタオキサウンデカン、2,5,7,10-テトラオキサウンデカン、1,3-ジオキソラン、1,3-ジオキサン又は4-メチル-1,3-ジオキサン;オルトエステル類、例えば1,1,1-トリメトキシメタン、1,1,1-トリメトキシエタン、1,1,1-トリメトキシプロパン、2-メトキシ-1,3-ジオキソラン、2-メトキシ-2-メチル-1,3-ジオキソラン、2-メトキシ-2-メチル-1,3-ジオキソラン、2-エトキシ-1,3-ジオキソラン、2-エトキシ-2-メチル-1,3-ジオキソラン、2-エチル-2-メトキシ-1,3-ジオキソラン、2-メトキシ-1,3-ジオキサン、2-メトキシ-2-メチル-1,3-ジオキサン又は2-エトキシ-1,3-ジオキサン;
・炭酸エステル、例えば炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル。炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチル、炭酸ジペンチル、炭酸ジヘキシル、炭酸ジヘプチル、炭酸ジオクチル、炭酸ジノニル、炭酸ジデシル、炭酸エチレン、4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-(メトキシメチル)-1,3-ジオキソラン-2-オン、炭酸グリセロール、炭酸ブチレン、4,6-ジメチル-3-ジオキサン-2-オン又は炭酸ジベンジル;
・リン酸エステル、例えばリン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリイソブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリヘキシル、リン酸トリス(2-エチルヘキシル)、リン酸トリス(2-ブトキシエチル)又はリン酸トリフェニル;
・スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、1,1-ジオキソテトラヒドロチオフェン、1,1-ジオキソテトラヒドロ-3-メチルチオフェン又は1,1-ジオキソテトラヒドロ-2,4-ジメチルチオフェン。
【0069】
さらに、本発明の製剤は、液体充填剤e)、例えば植物油若しくは鉱油又は植物油若しくは鉱油のエステルを含んでいても良い。好適な植物油e)は、代表的には農薬で使用可能で、植物から得ることができる全ての油である。例としては、ヒマワリ油、菜種油、オリーブ油、ヒマシ油、セイヨウアブラナ油、トウモロコシ油、綿実油、くるみ油、ヤシ油及び大豆油などがある。可能なエステルは、例えば、パルミチン酸エチルヘキシル、オレイン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸エチルヘキシル、カプリル酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、オレイン酸エチルである。好ましいものは、菜種油メチルエステル及びパルミチン酸エチルヘキシルである。可能な鉱油は、Exxsol(登録商標)D100及びホワイトオイル類である。
【0070】
表2:好ましい化合物e)の例示的商標名及びCAS名
【表1】
【0071】
WG用の担体材料f)
本発明による製剤における充填剤及び担体材料c2)は、鉱物、アルカリ土類金属及びアルカリ金属の炭酸塩、硫酸塩及びリン酸塩、例えば炭酸カルシウム、高分子炭水化物、立体網状ケイ酸塩、例えば低吸収の沈降シリカ、及び天然立体網状ケイ酸、例えばカオリンを含む群から選択される。好適な充填剤f)の代表的なものは、例えば、Agsorb(登録商標)LVM(登録商標)-GA(アタパルガイト)、Harborlite(登録商標)300(パーライト)、Collys(登録商標)HV(加工デンプン)、Omya(登録商標)チョーク(炭酸カルシウム)、Kaolin(登録商標)Tec1(カオリン、アルミニウムハイドロシリケート)、Steamic(登録商標)OOS(タルク、ケイ酸マグネシウム)である。c2)について、好ましいものはこの場合、天然立体網状ケイ酸塩及び炭酸カルシウム製品、例えばOmya(登録商標)チョーク(炭酸カルシウム)、Kaolin Tec1(登録商標)(カオリン)及びHarborlite(登録商標)300(パーライト)であり、特に好ましいものは天然立体網状ケイ酸塩、例えばKaolin(登録商標)、Tec(登録商標)1(カオリン、アルミニウムハイドロシリケート)及びHarborlite(登録商標)300(パーライト)である。WG製剤について、非常に特に好ましいものは、カオリン及び炭酸カルシウムである。さらなる好適な担体材料又は充填剤f)は、少なくともフタル酸ジブチル200g/担体材料100gの吸収能力を有する高吸収性担体の群から選択される。好ましい高吸収性担体f)は、シリカ類、例えばSipernat(登録商標)製品(高吸収性の合成沈降シリカ)及びヒュームド・シリカ(Aerosil(登録商標)製品)である。好ましいものは、沈降シリカである。本発明によるTCにおけるフィラーf)の割合は、好ましくは0.1%~10重量%、特に好ましくは0.3%~8重量%、非常に特に好ましくは1%~7重量%である。
【0072】
増粘剤g)
有用な増粘剤g)には、有機増粘剤g1)及び無機増粘剤g2)などがある。
【0073】
有用な有機増粘剤g1)には、有機天然若しくはバイオテクノロジー組換え若しくは有機合成増粘剤などがある。代表的な合成増粘剤は、Rheostrux(登録商標)(Croda)又はThixin(登録商標)若しくはThixatrol(登録商標)シリーズ(Elementis)である。これらは代表的には、アクリレートに基づくものである。代表的な有機増粘剤は、キサンタン又はセルロース(例えば、ヒドロキシエチル又はカルボキシメチルセルロース)又はそれの組み合わせに基づくものである。さらなる代表的なものは、リグニンに基づくものである(例えば、リグノスルホネート類、Borresperse(登録商標)NA、REAX(登録商標)88又はKraftsperse 25S)。好ましいものは、キサンタンに基づく天然改質増粘剤の使用である。代表的なものは、例えば、Rhodopol(登録商標)(Solvay)及びKelzan(登録商標)(Kelco Corp.)、さらにはSatiaxane(登録商標)(Cargill)である。
【0074】
本発明によるSC中の有機増粘剤g1)の割合は、5重量%以下、好ましくは0.01%~1.0重量%、より好ましくは0.01%~0.6重量%、さらにより好ましくは0.05%~0.5重量%、さらにより好ましくは0.1%~0.3重量%である。
【0075】
好適な無機増粘剤g2)は、例えば、改質天然ケイ酸塩、例えば化学改質ベントナイト類、ヘクトライト類、アタパルガイト類、モンモリロナイト類、スメクタイト類又は他のケイ酸塩鉱物、例えばBentone(登録商標)(Elementis)、Attagel(登録商標)(Engelhard)、Agsorb(登録商標)(Oil-Dri Corporation)又はHectorite(登録商標)(Akzo Nobel)、又はVan Gelシリーズ(R.T. Vanderbilt)である。
【0076】
本発明による製剤中の無機増粘剤g2)の割合は、0%~5重量%、好ましくは0.1%~3重量%、より好ましくは0.2%~1.5重量%、さらにより好ましくは0.3%~1.5重量%、さらにより好ましくは0.4%~1.3重量%である。
【0077】
好ましくは、増粘剤g1)及びg2)の混合物を使用する。SCの場合、特に好ましくは、専ら有機増粘剤d1)を用いる。非常に特に好ましいものは、キサンタンに基づく増粘剤g1)である(SolvayからのRhodopol(登録商標)Gなど)。
【0078】
さらなる成分h)
さらに、本発明によるSC又はTC又はWGは、さらなる成分h)として、
湿展剤、pH調節剤、消泡剤、殺生物剤、崩壊剤、接着促進剤、不凍剤、保存剤、色素又は肥料、及び成分c)以外の界面活性剤も含んでいても良い。
【0079】
好適な消泡剤は、表面活性シリコーン系若しくはシラン系化合物、例えばTegopren(登録商標)製品(Goldschmidt)、SE(登録商標)製品(Wacker)、及びBevaloid(登録商標)(Kemira)、Rhodorsil(登録商標)(Solvay)及びSilcolapse(登録商標)製品(Blustar Silicones)であり、好ましいものはSE(登録商標)(Wacker)、Rhodorsil(登録商標)及びSilcolapse(登録商標)製品であり、特に好ましいものは、例えば、Silcolapse(登録商標)5020などの製品である。
【0080】
好適な不凍剤は、尿素類、ジオール類及びポリオール類の群からのもの、例えばエチレングリコール及びプロピレングリコール、グリセロール、好ましくはプロピレングリコール又はグリセロールである。
【0081】
好適な保存剤は、例えば、Acticide(登録商標)MBS(Biozid、Thor Chemie)、CIT、MIT又はBITなどの製品、例えばProxel(登録商標)GXL(BIT)、Acticide(登録商標)SPX(MIT、CIT)である。
【0082】
好適な接着促進剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール、PVP及びジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー、ブチル化PVP、塩化ビニル及び酢酸ビニルのコポリマー、プロペンスルタニックアシッド(propenesultanic acid)及び部分加水分解酢酸ビニルのコポリマーのナトリウム塩、カゼインナトリウム、フェノール樹脂類、変性セルロース型、例えばLuviskol(登録商標)(ポリビニルピロリドン)、Mowiol(登録商標)(ポリビニルアルコール)、変性セルロースの群から選択することができる。
【0083】
好適な消泡剤は、リン酸の低級アルコールとのエステル、C6-C10アルコール、シリコーン系界面活性剤(液体シリコーン系界面活性剤に基づく水系EW製剤中の疎水化シリカ粒子のサスポエマルション)、例えばポリジメチルシロキサン、及びそれの固体担体材料への被吸収物質、例えばRhodorsil(登録商標)432(シリコーン系界面活性剤)、リン酸ブチル、リン酸イソブチル、n-オクタノール、Wacker ASP15(ポリジメチルシロキサン、固体担体に吸収されたもの)、Antifoam(登録商標)SE(ポリジメチルシロキサン)の群から選択することができる。好ましいものは、液体シリコーン系界面活性剤に基づく水系EW製剤中の疎水化シリカ粒子のサスポエマルション、例えばAntifoam(登録商標)SE(ポリジメチルシロキサン)、及び固体消泡剤、例えばWacker ASP15(ポリジメチルシロキサン)である。
【0084】
本発明の製剤中に存在させることができるさらなる添加剤h)は、浸透剤、湿展剤、展着剤及び/又は保水剤である。好適な物質は、農薬においてこの目的に代表的に使用可能な全ての物質である。
【0085】
好適な添加剤h)は、例えば、
・2~20個のEO単位を有するエトキシ化分岐アルコール(例えば、Genapol(登録商標)X型);
・2~20個のEO単位を有する末端メチルを有するエトキシ化分岐アルコール(例えば、Genapol(登録商標)XM型);
・2~20個のEO単位を有するエトキシ化ココナツアルコール(例えば、Genapol(登録商標)C型);
・2~20個のEO単位を有するエトキシ化C12/15アルコール(例えば、Synperonic(登録商標)A型);
・プロポキシ-エトキシ化アルコール、分岐若しくは直鎖、例えば、Antarox(登録商標)B/848、Atlas(登録商標)G5000、Lucramul(登録商標)HOT5902;
・末端メチルを有するプロポキシ-エトキシ化脂肪酸、例えばLeofat(登録商標)OC0503M;
・有機修飾ポリシロキサン、例えばBreakThru(登録商標)OE444、BreakThru(登録商標)S240、Silwett(登録商標)L77、Silwett(登録商標)408;
・スルホコハク酸ナトリウム塩の1~10個の炭素原子を有する分岐若しくは直鎖アルコールとのモノエステル及びジエステル;
・エトキシ化ジアセチレンジオール類(例えば、Surfynol(登録商標))
である。
【0086】
表3:好ましい化合物h)の例示的な商標名及びCAS番号
【表2】
【0087】
好適な消泡剤hは、農薬においてこの目的に代表的に使用可能な全ての物質である。好ましいものは、シリコーン油、シリコーン油製剤、ステアリン酸マグネシウム、ホスフィン酸類及びホスホン酸類である。例には、Bluestar SiliconesからのSilcolapse(登録商標)482、WackerからのSilfoam(登録商標)SC1132[ジメチルシロキサン類及び-シリコーン類、CAS番号63148-62-9]、MomentiveからのSAG1538又はSAG1572[ジメチルシロキサン類及び-シリコーン類、CAS番号63148-62-9]又はFluowet(登録商標)PL80がある。
【0088】
可能な保存剤hは、農薬においてこの目的に代表的に使用可能な全ての物質である。好適な保存剤は、例えば、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン[CIT;CAS番号26172-55-4]、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン[MIT、CAS番号2682-20-4]又は1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン[BIT、CAS番号2634-33-5]を含む製剤である。例には、Preventol(登録商標)D7(Lanxess)、Kathon(登録商標)CG/ICP(Rohm & Haas)、Acticide(登録商標)SPX(Thor GmbH)及びProxel(登録商標)GXL(Arch Chemicals)などがある。
【0089】
好適な酸化防止剤hは、農薬においてこの目的に代表的に使用可能な全ての物質である。好ましいものは、ブチルヒドロキシトルエン[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン、CAS番号128-37-0]及びクエン酸である。
【0090】
可能な着色剤hは、農薬においてこの目的に代表的に使用可能な全ての物質である。例には、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化亜鉛、青色顔料、赤色顔料及びPermanent Red FGRなどがある。
【0091】
好適な不活性充填剤h)は、農薬においてこの目的に代表的に使用可能であり、増粘剤として機能しない全ての物質である。好ましいものは、炭酸塩、ケイ酸塩及び酸化物などの無機粒子、更には尿素-ホルムアルデヒド縮合体などの有機物質である。例には、カオリン、ルチル、二酸化ケイ素(「微粉砕シリカ」)、シリカゲル及び天然及び合成ケイ酸塩、さらにはタルクなどがある。
【0092】
本発明はさらに、
-1以上のアニオン性乳化剤c2、
-1以上の非イオン性乳化剤c1)、
-少なくとも1以上の担体材料f
を含む、請求項1に基づく水-分散性テクニカル濃厚物(water-dispersible technical concentrates)(TC)を提供する。
【0093】
本発明は同様に、
-1以上のアニオン性乳化剤c2、
-1以上の非イオン性乳化剤c1、
-少なくとも1以上の増粘剤g)
を含む、フロアブル製剤(SC)を提供する。
【0094】
本発明は同様に、
-1以上の非イオン性乳化剤c1、
-少なくとも一つの溶媒e)
を含む、ECを提供する。
【0095】
本発明は同様に、
-1以上の非イオン性乳化剤c1、
-少なくとも一つのさらなる農薬有効成分、好ましくは殺菌剤
を含む、ECを提供する。
【0096】
本発明は同様に、
-1以上の非イオン性乳化剤c1、
-1以上のアニオン性乳化剤c2、
-少なくとも一つの溶媒e)、
-少なくとも一つの増粘剤g)
を含むODを提供する。
【0097】
施用
投与形態の例には、当業者に一般的に使用されるものと知られている全てのプロセス:噴霧、浸漬、ミスト噴霧及び植物全体若しくは部分の地下部分又は地上部分(種子、根、走根、茎、幹、葉)の直接処理のための多くの具体的なプロセス、例えば木の場合は樹幹注入又は多年生植物の場合は茎包帯、及び多くの具体的な間接施用法などがある。
【0098】
本明細書で挙げられている有害生物の防除のための非常に多様な異なる製剤型の作物保護組成物の個々の面積及び/又は対象に基づく施用量は、非常に大きく変動する。概して、個々の使用分野に一般に使用されることが当業者に知られている施用媒体は、この目的のための従来の量で、例えば標準的な噴霧プロセスの場合の水数百リットル/ヘクタールから、「超低体積」航空機施用の場合のオイル数リットル/ヘクタールから、注射プロセスの場合の生理溶液数ミリリットルまでの低量で使用される。従って、本発明の作物保護組成物の特定の施用媒体中の濃度は広い範囲内で変動するものであり、個々の使用分野によって決まる。概して、個々の使用分野に一般的に使用されることが当業者で知られている濃度を用いる。好ましい濃度は、0.01重量%~99重量%、より好ましくは0.1重量%~90重量%である。
【0099】
本発明の農薬製剤は、例えば、液体製剤に一般的な製剤型で、そのまま又は水で事前に希釈した後に、即ち、例えば、乳濁液、懸濁液又は液剤として散布することができる。施用は、一般的方法によって、即ち、例えば噴霧、注入若しくは注射によって行う。
【0100】
プロチオコナゾールに加えて存在することができる有効成分の性質に応じて、本発明の製剤は、非常に多数の有害生物(pests)を防除するのに有用であり、植物作物の処理、又は無生物材料の処理に、そして家庭で用いることができる。
【0101】
「有害生物(pests)」又は「有害生物(harmful organisms)」は、本明細書において、有機作物保護有効成分、即ち作物保護剤、特には殺菌剤及び殺菌剤と他の作物保護剤との混合物によって防除可能であるか、それによる防除下に維持可能である全ての種類の有害生物を意味するものと理解される。従って、「有害生物」という用語は、植物に有害である生物、特には有害真菌及びそれの胞子だけでなく、有害な昆虫、クモ形類、線虫及び有害植物も包含する。「防除(control)」という用語は、治癒的処理、即ち、本発明の製剤による罹患植物の処理、並びに保護的処理、即ち有害生物の侵入からの保護のための植物の処理の両方を包含する。
【0102】
従って、本発明は、有害生物、特には植物有害生物の防除のための本明細書で記載の製剤の使用、並びに有害生物、特には植物損傷性生物の防除方法であって、有害生物、その生物の生息場所、その生物の宿主、例えば植物及び種子、そしてそれらが成長しているか成長し得る土壌、区域及び環境、並びに植物に対して有害である生物による攻撃若しくは侵入から保護されるべき材料、植物、種子、土壌、表面若しくは空間を有効量の本発明の製剤と接触させることを含む方法に関するものでもある。
【0103】
本発明のさらなる態様は、種子を含む植物、特には有用植物の有害生物、特には有害真菌による侵入からの保護のための、本明細書に記載の製剤の使用に関するものである。従って、本発明は、植物損傷性生物、例えば有害な真菌、昆虫、クモ形類、線虫及び有害植物の防除のための、特には有害真菌の防除のための、当該製剤の使用に関するものでもある。
【0104】
本発明の製剤は、作物保護で、特には植物病原性真菌の防除のために自体が公知である方法で、茎葉、種子粉衣及び土壌殺菌剤として用いることができる。
【0105】
本発明の製剤で処理可能な植物には、次のもの:棉、亜麻、ブドウ、果実、野菜、例えばバラ科属種(Rosaceae sp)(例えば、梨果果実、例えばリンゴ及びナシだけでなく、石果果実、例えば、アンズ、サクランボ、アーモンド及びモモ及び柔らかい果物、例えばイチゴ)、リベシオイダエ科属種(Ribesioidae sp.)、クルミ科属種(Juglandaceae sp.)、カバノキ科属種(Betulaceae sp.)、ウルシ科属種(Anacardiaceae sp.)、ブナ科属種(Fagaceae sp.)、クワ科属種(Moraceae sp.)、モクセイ科属種(Oleaceae sp.)、マタタビ科属種(Actinidaceae sp.)、クスノキ科属種(Lauraceae sp.)、バショウ科属種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木及び植林地)、アカネ科属種(Rubiaceae sp.)(例えば、コーヒー)、ツバキ科属種(Theaceae sp.)、アオギリ科属種(Sterculiceae sp.)、ミカン科属種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ)、ナス科属種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト)、ユリ科属種(Liliaceae sp.)、キク科属種(Asteraceae sp.)(例えば、レタス)、セリ科属種(Umbelliferae sp.)、十字花科属種(Cruciferae sp.)、アカザ科属種(Chenopodiaceae sp.)、ウリ科属種(Cucurbitaceae sp)(例えば、キュウリ)、ネギ科属種(Alliaceae sp.)(例えば、ネギ、タマネギ)、マメ科属種(Papilionaceae sp.)(例えば、エンドウマメ);主要作物、例えばイネ科属種(Gramineae sp.)(例えば、トウモロコシ、芝生、例えばコムギ、ライムギ、イネ、オオムギ、カラスムギ、キビ及びライコムギなどの穀物)、キク科属種(Asteraceae sp.)(例えば、ヒマワリ)、アブラナ科属種(Brassicaceae sp.)(例えば、キャベツ、紫キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、青梗菜、コールラビ、ラディッシュ並びにナタネ、カラシ、セイヨウワサビ及びクレソン)、マメ科属種(Fabacae sp.)(例えば、マメ、エンドウ豆、落花生)、マメ科属種(Papilionaceae sp.)(例えば、ダイズ)、ナス科属種(Solanaceae sp.)(例えば、ジャガイモ)、アカザ科属種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、サトウダイコン、飼料用ビート、フダンソウ、アオゲイトウ);サトウキビ、ケシ、オリーブ、ココナッツ、カカオ、タバコ及び庭や森における有用植物及び観賞用植物;並びにこれらの植物のそれぞれの遺伝子改変型、更にはこれら植物の種子などがある。
【0106】
好ましいものは、コムギ、オオムギ、ライムギ、ダイズ、タマネギ、トウモロコシ及びラッカセイの処理のための本発明の製剤の使用である。
【0107】
詳細には、基本的に、本発明のプロチオコナゾールの製剤を用いて、プロチオコナゾールの公知の製剤によっても防除可能な全ての有害真菌疾患を防除することが可能である。各場合に存在する特定の混合相手に応じて、植物病害は、例えば下記の植物病害である。
【0108】
野菜、菜種、テンサイ、ダイズ、穀類、ワタ、果物及びイネに対するアルタナリア属種(Alternaria)種(例えば、ジャガイモ及び他の植物に対するアルタナリア・ソラニ(A. solani)またはアルタナリア・アルタルナタ(A. alternata))、テンサイ及び野菜に対するアファノミセス(Aphanomyces)種、ワタ及びイネに対するアスコチタ(Ascochyta)種、トウモロコシ、穀類、イネ及び芝生に対するビポラリス(Bipolaris)種及びドレクスレラ(Drechslera)種(例えば、オオムギに対するドレクスレラ・テレス(D. teres)、コムギに対するドレクスレラ・トリトシ-レペンティス(D. tritci-repentis))、穀類に対するブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)(ウドンコ病)、イチゴ、野菜、花及びブドウに対するボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)(灰色カビ病)、ワタに対するボトリオジプロジア(Botryodiplodia)種、レタスに対するブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae)、トウモロコシ、ダイズ、イネ及びテンサイに対するセルコスポラ(Cercospora)種(例えば、テンサイに対するC.ベチクラ(C. beticula))、トウモロコシ、穀類、イネに対するコクリオボラス(Cochliobolus)種(例えば、穀類に対するコクリオボラス・サチブス(Cochliobolus sativus)、イネに対するコクリオボラス・ミヤベアヌス(Cochliobolus miyabeanus))、ダイズ、ワタ及び他の植物に対するコリネスポラ(Corynespora)種、ダイズ、ワタ及び他の植物に対するコレトトリクム(Colletotricum)種(例えば、各種植物に対するC.アクタツム(C. acutatum))、穀類及びイネに対するクルブラリア(Curvularia)種、穀類及びイネに対するディプロディア(Diplodia)種、トウモロコシに対するエクセロヒルム(Exserohilum)種、ウリ科種に対するエリシフェ・シコラセアルム(Erysiphe cichoracearum)及びスファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)、各種植物に対するフザリウム(Fusarium)種及びベルチシリウム(Verticillium)種(例えば、V.ダーリエ(V. dahliae))(例:コムギに対するF.グラミネアルム(F. graminearum))、穀類に対するゲウマノミセス・グラミニス(Gaeumanomyces graminis)、穀類及びイネに対するギベレラ(Gibberella)種(例えば、イネに対するギベレラ・フジクロイ(Gibberella fujikuroi))、イネに対する穀粒着色複合体、トウモロコシ及びイネに対するヘルミントスポリウム(Helminthosporium)種(例えば、H.グラミニコラ(H. graminicola)、ダイズ及びワタに対するマクロフォミナ(Macrophomina)種、ミクロドキウム(Michrodochium)種(例:穀類に対するM.ニバレ(M. nivale))、穀類、バナナ及び落花生に対するマイコスフェレラ(Mycosphaerella)種(コムギに対するM.グラミニコラ(M. graminicola)、バナナに対するM.フィジエシス(M. fijiesis))、ダイズに対するフェオイサリプシス(Phaeoisaripsis)種、ファコプサラ(Phakopsara)種(例:ダイズに対するP.パキリジ(P. pachyrhizi)及びP.メイボミアエ(P. meibomiae)、ダイズに対するフォマ(Phoma)種、ダイズ、ひまわり及びブドウに対するフォモプシス(Phomopsis)種(ブドウに対するP.ビチコラ(P. viticola)、ヒマワリに対するP.ヘリアンチイ(P. helianthii))、ジャガイモ及びトマトに対するフィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、ブドウに対するプラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)、ダイズ及びワタに対するペネシリウム(Penecilium)種、リンゴに対するポドスフェラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha)、穀類に対するシュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)、ホップ及びウリ科に対するシュードペロノスポラ(Pseudoperonospora)種(例えば、キウリに対するP.クベニス(P. cubenis))、穀類、トウモロコシ及びアスパラガスに対するプシニア(Puccinia)種(コムギに対するP.トリチシナ(P. triticina)及びP.ストリホルミス(P. striformis)、アスパラガスに対するP.アスパラギ(P. asparagi))、穀類に対するピレノフォラ(Pyrenophora)種、イネに対するピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)、コルチシウム・ササキイ(Corticium sasakii)、サロクラジウム・オリザエ(Sarocladium oryzae)、S.アテヌアツム(S. attenuatum)、エンチロマ・オリザエ(Entyloma oryzae)、芝及び穀類に対するピリクラリア・グリセア(Pyricularia grisea)、芝、イネ、トウモロコシ、ワタ、菜種、ヒマワリ、テンサイ、野菜及び他の植物に対するピチウム(Pythium)種、ワタ、イネ、ジャガイモ、芝、トウモロコシ、菜種、ジャガイモ、テンサイ、野菜及び他の植物に対するリゾクトニア(Rhizoctonia)種(例えば、R.ソラニ(R. solani))、イネ及び穀類に対するリンコスポリウム(Rynchosporium)種(例:R.セカリス(R. secalis))、菜種、ヒマワリ及び他の植物に対するスクレロチニア(Sclerotinia)種(例えば、S.スクレロチオルム(S. sclerotiorum))、コムギに対するセプトリア・トリチシ(Septoria tritici)及びスタゴノスポラ・ノドルム(Stagonospora nodorum)、ブドウに対するエリシフェ(Erysiphe)(同義語:ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator))、トウモロコシ及び芝に対するセトスフェリア(Setosphaeria)種、トウモロコシに対するスファセロテカ・レイリニア(Sphacelotheca reilinia)、ダイズ及びワタに対するチエバリオプシス(Thievaliopsis)種、穀類に対するチレチア(Tilletia)種、穀類、トウモロコシ及びテンサイに対するウスチラゴ(Ustilago)種、及びリンゴ及びナシに対するベンチュリア(Venturia)種(赤カビ病)(例えば、リンゴに対するV.イナエクアリス(V. inaequalis))
本発明の製剤は、未希釈型で又は水で希釈して施用することができる。概して、それらは、製剤1部に対して、少なくとも水1部で、好ましくは水10部で、より好ましくは少なくとも水100部で、例えば水1~10000部、好ましくは10~5000部、より好ましくは50~24000部で希釈する。
【0109】
本発明は同様に、水と本発明の液体製剤を混和することで得ることができる乳濁液を提供する。水:乳剤の混合比は、1000:1~1:1、好ましくは400:1~10:1の範囲であることができる。
【0110】
その希釈は、本発明の乳剤を水に注ぐことで行われる。濃厚物を水と急速混合するには、かき混ぜ、例えば攪拌を用いるのが一般的である。しかしながら、かき混ぜは通常は必要ない。希釈操作の温度はあまり重要な要素ではないが、希釈は代表的には、0℃~50℃の範囲の温度で、特には10℃~30℃で、又は環境温度で行う。
【0111】
希釈に使用される水は、通常は水道水である。しかしながら、その水は、作物保護で使用される水溶性若しくは微細分散化合物、例えば栄養素、肥料若しくは農薬(pesticides)を既に含んでいても良い。
【0112】
多様な種類のオイル、湿展剤、補助剤、肥料若しくは微量栄養素及びさらなる農薬(例えば、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、成長調節剤、薬害軽減剤)を、プレミックスの形態で本発明の乳濁液に加えることができるか、又は適切な場合は、使用直前まで加えないものとすることができる(タンクミックス)。これらの組成物は、1:100~100:1、好ましくは1:10~10:1の重量比で本発明の製剤に加えることができる。
【0113】
ユーザーは、代表的には前投与システム、背負式噴霧器、噴霧タンク、散布飛行機又は灌漑システムから本発明の製剤を施用し;代表的には、本発明の製剤を水、緩衝液及び/又はさらなる補助剤で所望の散布濃度に希釈し、それによって本発明の即時使用噴霧液又は農薬組成物が提供される。代表的には、有用な農業区域1ヘクタール当たり、即時使用噴霧液20~2000リットル、好ましくは50~400リットルを散布する。
【0114】
製剤助剤を含まない純粋な有効成分の必要施用量は、有害生物侵入の強度、植物の発達段階、使用場所の気候条件、及び施用方法によって決まる。概して、施用量は、有効成分0.001~3kg、好ましくは0.005~2kg、より好ましくは0.01~1kg、最も好ましくは50~500g/ヘクタールの範囲であり、ここで、有効成分はプロチオコナゾール+可能なさらなる有効成分を意味する。
【0115】
本発明の希釈製剤は、主として、噴霧、特には葉の噴霧によって施用される。施用は、当業者に公知の噴霧技術によって、例えば水を担体として用いて行うことができ、噴霧液の量は約50~1000リットル/ヘクタール、例えば100~400リットル/ヘクタールである。
【0116】
当該新規なプロチオコナゾール含有製剤は、植物の処理に関して有利な特徴を有しており;詳細には、それらは、良好な使用特性、高安定性及び高殺菌活性を特徴とする。
【0117】
以下、実施例によって本発明について詳細に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
【0118】
実施例
使用される供給原料:
下記実施例で使用される用語は、下記の意味を有する。
【0119】
プロチオコナゾール PTZ(Bayer AG)
Synperonic F127 プロピレンオキサイド/エチレンオキサイド(PO-EO)ブロックポリマー(Croda)
Soprophor 4D384 トリスチリルフェノールエトキシレートサルフェートアンモニウム塩(Solvay)
クエン酸 多塩基性有機酸
Rhodopol(登録商標)23 キサンタン誘導体(Solvay)
Silcolapse(登録商標)411 シリコーン系消泡剤(Solvay)
Silfoam(登録商標)SE2 シリコーン系消泡剤(Wacker)
グリセリン 不凍剤
Proxel(登録商標)GXL 保存剤(殺生物剤、Proxel)
Kaolin TEC1 ヒドロケイ酸アルミニウム
Sipernat(登録商標)22S 沈降シリカ
Sokalan(登録商標)K30 ポリビニルピロリドン、非イオン性分散剤
Solvesso 200 ND 鉱油、ExxonMobil、ナフタレン非含有
Calsogen(登録商標)4814 2-エチルヘキサノール中のカルシウムドデシルベンゼンスルホネート(約40%)、Clariant
Emulsogen(登録商標)3510 非イオン性界面活性剤、n-ブチル-PO-EOブロックオキシアルキレート、Clariant
Lucramul(登録商標)CO30 非イオン性乳化剤、ヒマシ油エトキシ化、Levaco Chemicals, DE
Rhodocal 60BE 2-エチルヘキサノール中のカルシウムドデシルベンゼンスルホネート(約40%)、Solvay
EL400 エトキシ化(40EO)ヒマシ油、Croda
Aerosil 972 疎水性微粉砕ケイ酸、Evonik
Soprophor(登録商標)796/P 非イオン性乳化剤、エトキシ化プロポキシ化トリスチリルフェノール、Solvay
SAG1572 ポリジメチルシロキサンの水系乳濁液 Momentive(登録商標)
Hallcomid(登録商標)1025 ジメチルデセンアミド Stepan
Genagen(登録商標)4296 ジメチルデカンアミド Clariant
Agnique(登録商標)KE 3308 ジメチルデカンアミド BASF
9-デセン酸 Sigma-Aldrich(CAS番号:14436-32-9)
リモネン Sigma-Aldrich、次のCAS番号5989-27-5[(D)-(+)-リモネン]、5989-54-8[(S)-(-)-リモネン]、138-86-3[詳細不明のジペンテン]、7705-14-8[(±)-リモネン]、6876-12-6[トランス-1-メチル-4-(メチルビニル)シクロヘキセン]下の各種異性体として入手可能。
【0120】
水系フロアブル製剤(SC)の一般的調製:
最初に、水を先ず室温で入れる。有効成分及び他の成分を攪拌しながら加える(特に順序はない)。得られた混合物をコロイドミルで前粉砕してから、例えばビーズミルを用いて湿式粉砕する。最後に、有機増粘剤を加える。
【0121】
顆粒水和剤(water-dispersible granules)(WG)の一般的調製
最初に、水を室温で入れる。有効成分及び他の成分を攪拌しながら加える(特に順序はない)。得られた混合物をコロイドミルで前粉砕してから、例えばビーズミルを用いて湿式粉砕する。このようにして得られたTCスラリーをさらに処理して、WGを得る。流動床乾燥を、先行技術に従って行う。
【0122】
乳剤(EC)の一般的調製
最初に有機溶媒を入れる。他の全ての成分を、攪拌しながら加える(特に順序はない)。透明溶液が形成されるまで攪拌を続ける。
【0123】
有機分散濃厚物(organic dispersion concentrate)(OD)の一般的調製:
最初に、有機溶媒を室温で入れる。有効成分及び他の成分を攪拌しながら加える(特に順序はない)。得られた混合物をコロイドミルで前粉砕してから、例えばビーズミルを用いて湿式粉砕する。
【0124】
製剤中の2-(1-クロロシクロプロピル)-1-(2-クロロフェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール(化合物III)の測定
2-(1-クロロシクロプロピル)-1-(2-クロロフェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オールを、定組成溶離液を用いて逆相カラムで製剤構成成分から分離する。MS/MS検出後、外部標準を用いて、ピーク面積を基準対象のものと比較することで、定量的評価を行う。
【0125】
高圧液体クロマトグラフ:HP1090
サンプル注入:HP1090 Autoinjector
質量分析装置:Quattro I、Fisons
積分及び評価:MicromassからのMassLynx。
【0126】
各場合、別段の断りがない限り、サンプルを光に暴露し、4週間貯蔵する。
【0127】
実施例1:プロチオコナゾール乳剤の処方(暗所貯蔵)
【表3】
【表4】
【0128】
実施例2:プロチオコナゾールフロアブル製剤の処方
【表5】
【表6】
【0129】
実施例3:プロチオコナゾールWG(顆粒水和剤、流動床粒剤)の処方
【表7】
【表8】
【0130】
実施例4:プロチオコナゾールWG(顆粒水和剤、押出粒剤として調製)の処方
【表9】